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Title:
CONTROL DEVICE FOR VEHICLE AUTOMATIC TRANSMISSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087861
Kind Code:
A1
Abstract:
A control device for a vehicle automatic transmission having shift control means for controlling the position of a manual valve by using an actuator and according to a range change instruction.When abnormality occurs in the shift control device, the transmission control device can reliably detect the abnormality and interrupt power. The control device for a vehicle automatic transmission has power interruption means (126) for setting the automatic transmission (14) to a power-interrupted state irrespective of the position of the manual valve (shift position of the manual valve (70)). When abnormality of the shift control means (120) is detected, even if the position of the manual valve is not clear, the power transmission route of the automatic transmission (14) can be reliably interrupted in order to operate the power interruption means (126), and thus safety is secured.

Inventors:
AYABE ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072711
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
December 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
AYABE ATSUSHI (JP)
International Classes:
F16H61/12; F16H61/28; F16H61/68; F16H61/684; F16H59/10; F16H61/686
Foreign References:
JP2006336717A2006-12-14
JP2005195042A2005-07-21
JP2004125061A2004-04-22
JPH05223162A1993-08-31
Attorney, Agent or Firm:
IKEDA, Haruyuki (Nagoya-Dia. Bldg. No.215-1, Meieki 3-chome,Nakamura-k, Nagoya-shi Aichi 02, JP)
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Claims:
 レンジ変更指示に応じてアクチュエータによってマニュアルバルブ位置を制御するシフト制御手段を有する車両用自動変速機の制御装置において、
 前記車両用自動変速機をマニュアルバルブ位置に拘わらず動力遮断状態とする動力遮断手段を有しており、
 前記シフト制御手段の異常を検出した場合には、前記動力遮断手段を実施することを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
 前記動力遮断状態とは、前記車両用自動変速機の前進にかかる摩擦係合要素と後進にかかる摩擦係合要素との両方を解放した状態であることを特徴とする請求項1の車両用自動変速機の制御装置。
 前記動力遮断状態とは、マニュアルバルブ位置に拘わらず動力が遮断される前記自動変速機のソレノイドパターンであることを特徴とする請求項1の車両用自動変速機の制御装置。
 前記車両用自動変速機は、マニュアルバルブ位置に拘わらず動力遮断できる変速機であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つの車両用自動変速機の制御装置。
 前記動力遮断手段は、低車速域において実施されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つの車両用自動変速機の制御装置。
Description:
車両用自動変速機の制御装置

 本発明は、レンジ変更指示に応じてアク ュエータによってマニュアルバルブ位置を 御する所謂シフトバイワイヤ方式の制御装 に係り、特に、このシフトバイワイヤの制 システムに異常が生じたときの制御に関す ものである。

 従来、自動変速機のマニュアルバルブは、 転者のシフト操作に応じて機械的に切り換 られる構成が多かったが、近年、シフトバ ワイヤ方式と呼ばれる、ワイヤ(電線)を介 て送られた電気的指令信号に従ってマニュ ルバルブを切り換えるシフト制御装置が実 されている。例えば、特許文献1の自動変速 の制御装置がその一例である。特許文献1に おいては、運転者のシフト操作による自動変 速部の目標変速レンジ位置と実際の自動変速 機のレンジ位置とを比較し、両者が不一致と なった場合にマニュアルバルブを切り換える アクチュエータ等に障害が発生したと判定し 、その場合には、エンジンからの回転を自動 変速機を介して駆動輪に伝達する動力伝達経 路を遮断する技術が開示されている。このよ うにすることで、目標レンジ位置と実際のレ ンジ位置とが一致しない場合には動力伝達経 路が遮断されるため、運転者の意図に反して 車両が急発進するといった事態が回避される ようになる。

特開2004-125061号公報

特開平5-223162号公報

特開2004-52819号公報

 ところで、特許文献1の車両用自動変速機 の制御装置において、シフト制御装置の電子 制御装置異常時、制御処理異常時、或いはア クチュエータ異常時等には、前記目標レンジ 位置または実際のレンジ位置に信頼性がない 場合もあり、このような場合には、自動変速 機の動力伝達経路が遮断されない。すなわち 、上記異常時には、運転者のシフト操作やシ フトレンジ表示と関係がないので、動力伝達 経路が遮断されない可能性があった。

 また、上記異常時は、シフトレンジ位置 信用できないため、自動変速機のマニュア バルブが前進位置または後進位置のどちら 位置にあるかが不明となる。ここで、一般 自動変速機では、前記前進位置と後進位置 で係合される摩擦係合装置が異なることも り、シフト制御装置異常時において、前進 置と後進位置の一方の摩擦係合要素を解放 ただけでは、シフトレンジ位置が不明なた 、動力伝達経路の遮断が不十分となる可能 があった。

 本発明は、以上の事情を背景として為さ たものであり、その目的とするところは、 ンジ変更指示に応じてアクチュエータによ てマニュアルバルブ位置を制御するシフト 御手段を有する車両用自動変速機の制御装 において、シフト制御装置に異常が発生し とき、その異常を確実に検出して動力遮断 ることができる車両用自動変速機の制御装 を提供することにある。

 上記目的を達成するための、請求項1にか かる発明の要旨とするところは、(a)レンジ変 更指示に応じてアクチュエータによってマニ ュアルバルブ位置を制御するシフト制御手段 を有する車両用自動変速機の制御装置におい て、(b)前記車両用自動変速機をマニュアルバ ルブ位置に拘わらず動力遮断状態とする動力 遮断手段を有しており、(c)前記シフト制御手 段の異常を検出した場合には、前記動力遮断 手段を実施することを特徴とする。

 また、請求項2にかかる発明の要旨とする ところは、請求項1の車両用自動変速機の制 装置において、前記動力遮断状態とは、前 車両用自動変速機の前進にかかる摩擦係合 素と後進にかかる摩擦係合要素との両方を 放した状態であることを特徴とする。

 また、請求項3にかかる発明の要旨とする ところは、請求項1の車両用自動変速機の制 装置において、前記動力遮断状態とは、マ ュアルバルブ位置に拘わらず動力が遮断さ る前記自動変速機のソレノイドパターンで ることを特徴とする。

 また、請求項4にかかる発明の要旨とする ところは、請求項1乃至3のいずれか1つの車両 用自動変速機の制御装置において、前記車両 用自動変速機は、マニュアルバルブ位置に拘 わらず動力遮断できる変速機であることを特 徴とする。

 また、請求項5にかかる発明の要旨とする ところは、請求項1乃至4のいずれか1つの車両 用自動変速機の制御装置において、前記動力 遮断手段は、低車速域において実施されるこ とを特徴とする。

 請求項1にかかる発明の車両用自動変速機 の制御装置によれば、前記車両用自動変速機 をマニュアルバルブ位置に拘わらず動力遮断 状態とする動力遮断手段を有しており、前記 シフト制御手段の異常を検出した場合には、 前記動力遮断手段を実施するため、マニュア ルバルブ位置が不明確である場合であっても 、確実に自動変速機の動力伝達経路を遮断す ることができ、安全性を確保することができ る。

 また、請求項2にかかる発明の車両用自動 変速機の制御装置によれば、前記動力遮断状 態とは、前記車両用自動変速機の前進にかか る摩擦係合要素と後進にかかる摩擦係合要素 との両方を解放した状態であるため、マニュ アルバルブ位置が前進位置および後進位置の どちらの位置にあっても確実に自動変速機の 動力伝達経路を遮断することができる。

 また、請求項3にかかる発明の車両用自動 変速機の制御装置によれば、前記動力遮断状 態とは、マニュアルバルブ位置に拘わらず動 力が遮断される前記自動変速機のソレノイド パターンであるため、マニュアルバルブ位置 がいずれの位置にあっても確実に自動変速機 の動力伝達経路を遮断することができる。

 また、請求項4にかかる発明の車両用自動 変速機の制御装置によれば、前記車両用自動 変速機は、マニュアルバルブ位置に拘わらず 動力遮断できる変速機であるため、マニュア ルバルブ位置がいずれの位置にあっても確実 に自動変速機の動力伝達経路を遮断すること ができる。

 また、請求項5にかかる発明の車両用自動 変速機の制御装置によれば、前記動力遮断手 段は、低車速域において実施されるため、中 ・高車速域での動力遮断による突然のトルク 抜けが防止される。なお、中・高車速域で動 力伝達経路が遮断されると、車両が不安定と なり、操作性が低下する可能性がある。そこ で、中・高車速域では動力遮断手段を実施し ないことで、上記車両の操作性低下が回避さ れる。

本発明が好適に適用される車両用動力 達装置の骨子図である。 図1の自動変速機の複数のギヤ段と摩擦 係合要素の係合解放状態との関係を説明する 作動表を示す図である。 図1の車両用動力伝達装置が備えている 油圧制御回路のうち油圧供給装置およびクラ ッチC1、C2、ブレーキB1~B3に関連する部分を示 す回路図である。 図3のシフトレバーの操作位置を説明す る図である。 フューエルバルブの近傍を拡大して示 回路図である。 第2ブレーキコントロールバルブの近傍 を拡大して示す回路図である。 自動変速機において、運転者によるシ トレバーの操作に応じてマニュアルバルブ シフト位置を電気的に切り換えるための制 系統を説明するブロック線図である。 電子制御装置による制御作動の要部を 明する機能ブロック線図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわ SBWシステムの異常を確実に検出し、自動変 機の動力を遮断する制御作動を説明するフ ーチャートである。

符号の説明

14:自動変速機(車両用自動変速機)
68:SBWアクチュエータ(アクチュエータ) 
70:マニュアルバルブ 
120:シフト制御手段 
126:動力遮断手段 
C1:クラッチ(前進にかかる摩擦係合要素) 
C2:クラッチ(前進にかかる摩擦係合要素) 
B2:ブレーキ(後進にかかる摩擦係合要素) 
B3:ブレーキ(後進にかかる摩擦係合要素)

 以下、本発明の実施例を図面を参照しつ 詳細に説明する。

 図1は、FF(フロントエンジン・フロントド ライブ)車両などの横置き型の車両用動力伝 装置8の骨子図であり、ガソリンエンジンや ィーゼルエンジン等の内燃機関によって構 されているエンジン10の出力は、トルクコ バータ12、自動変速機14を経て、図示しない 動歯車装置から駆動輪(前輪)へ伝達される うになっている。上記エンジン10は車両走行 用の動力源(原動機)で、トルクコンバータ12 流体継手である。

 本発明の車両用自動変速機に対応する自 変速機14は、シングルピニオン型の第1遊星 車装置20を主体として構成されている第1変 部22と、シングルピニオン型の第2遊星歯車 置26およびダブルピニオン型の第3遊星歯車 置28を主体として構成されている第2変速部3 0とを同軸線上に有し、入力軸32の回転を変速 して出力歯車34から出力する。入力軸32は入 部材に相当するもので、本実施例ではトル コンバータ12のタービン軸であり、出力歯車 34は出力部材に相当するもので、差動歯車装 を介して左右の駆動輪を回転駆動する。な 、自動変速機14は中心線に対して略対称的 構成されており、図1では中心線の下半分が 略されている。

 上記第1変速部22を構成している第1遊星歯 車装置20は、サンギヤS1、キャリアCA1、およ リングギヤR1の3つの回転要素を備えており サンギヤS1が入力軸32に連結されて回転駆動 れるとともに、リングギヤR1が第3ブレーキB 3を介して回転不能にケース36に固定されるこ とにより、キャリアCA1が中間出力部材として 入力軸32に対して減速回転させられて出力す 。また、第2変速部30を構成している第2遊星 歯車装置26および第3遊星歯車装置28は、一部 互いに連結されることによって4つの回転要 素RM1~RM4が構成されており、具体的には、第3 星歯車装置28のサンギヤS3によって第1回転 素RM1が構成され、第2遊星歯車装置26のリン ギヤR2および第3遊星歯車装置28のリングギヤ R3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成さ れ、第2遊星歯車装置26のキャリアCA2および第 3遊星歯車装置28のキャリアCA3が互いに連結さ れて第3回転要素RM3が構成され、第2遊星歯車 置26のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が 成されている。上記第2遊星歯車装置26およ 第3遊星歯車装置28は、キャリアCA2およびCA3 共通の部材にて構成されているとともに、 ングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成さ ており、且つ第2遊星歯車装置26のピニオン ヤが第3遊星歯車装置28の第2ピニオンギヤを 兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされて いる。

 上記第1回転要素RM1(サンギヤS3)は第1ブレ キB1によって選択的にケース36に連結されて 回転停止させられ、第2回転要素RM2(リングギ R2、R3)は第2ブレーキB2によって選択的にケ ス36に連結されて回転停止させられ、第4回 要素RM4(サンギヤS2)は第1クラッチC1を介して 択的に前記入力軸32に連結され、第2回転要 RM2(リングギヤR2、R3)は第2クラッチC2を介し 選択的に入力軸32に連結され、第1回転要素R M1(サンギヤS3)は中間出力部材である前記第1 星歯車装置20のキャリアCA1に一体的に連結さ れ、第3回転要素RM3(キャリアCA2、CA3)は前記出 力歯車34に一体的に連結されて回転を出力す ようになっている。

 上記クラッチC1、C2およびブレーキB1、B2、B3 (以下、特に区別しない場合は単にクラッチC ブレーキBという)は、多板式のクラッチや レーキなど油圧アクチュエータによって係 制御される油圧式摩擦係合装置であり、図3 示す油圧制御回路40によってそれぞれ係合 放制御されることにより、シフトレバー66( 3参照)のシフト操作位置に応じて図2に示す うに前進6段、後進1段の各ギヤ段が成立させ られる。図2の「1st」~「6th」は前進の第1速ギ ヤ段~第6速ギヤ段を意味しており、「Rev」は 進ギヤ段であり、それ等の変速比(=入力軸 転速度N IN /出力軸回転速度N OUT  )は、前記第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装 26、および第3遊星歯車装置28の各ギヤ比ρ1 ρ2、ρ3によって適宜定められる。図2の「○ は係合、空欄は解放を意味している。

 図3は、クラッチCおよびブレーキBの各油 アクチュエータの作動を制御するリニアソ ノイドバルブSL1~SL4等に関する回路図であっ て、油圧制御回路40の要部を示す回路図であ 。

 図3において、クラッチC1、C2、およびブ ーキB1の各油圧アクチュエータ(油圧シリン )42、44、46には、油圧供給装置52から出力さ たDレンジ圧(前進レンジ圧、前進油圧)PDがそ れぞれリニアソレノイドバルブSL1、SL2、SL3に より調圧されて供給され、ブレーキB3の油圧 クチュエータ50には、油圧供給装置52から出 力されたライン油圧PL1がリニアソレノイドバ ルブSL4により調圧されて供給されるようにな っている。なお、ブレーキB2の油圧アクチュ ータ48には、第2ブレーキコントロールバル 54の出力油圧およびリバース圧(後進レンジ 、後進油圧)PRのうち何れか供給された油圧 シャトル弁56を介して供給される。

 油圧供給装置52は、エンジン10によって回転 駆動される機械式のオイルポンプ58から発生 る油圧を元圧としてライン油圧PL1(第1ライ 油圧PL1)を調圧する例えばリリーフ型のプラ マリレギュレータバルブ(第1調圧弁)60、第1 圧弁60によるライン油圧PL1の調圧のために 1調圧弁60から排出される油圧を元圧として イン油圧PL2(第2ライン油圧PL2、セカンダリ圧 PL2)を調圧するセカンダリレギュレータバル (第2調圧弁)62、アクセル開度Acc或いはスロッ トル弁開度θ TH で表されるエンジン負荷等に応じたライン油 圧PL1、PL2に調圧されるために第1調圧弁60およ び第2調圧弁62へ信号圧P SLT  を供給するリニアソレノイドバルブSLT、ライ ン油圧PL1を元圧としてモジュレータ油圧PMを 定値に調圧するモジュレータバルブ64、お びワイヤ(電線)を介して電気的に連結される シフトレバー66の操作に伴いSBWアクチュエー 68(図7参照)が作動させられて油路が切り換 られることにより入力されたライン油圧PL1 シフトレバー66が「D」ポジション或いは「B ポジションへ操作されたときにはDレンジ圧 PDとして出力し或いは「R」ポジションへ操作 されたときにはリバース圧PRとして出力する ニュアルバルブ70等を備えており、ライン 圧PL1、PL2、モジュレータ油圧PM、Dレンジ圧PD 、およびリバース圧PRを供給する。

 リニアソレノイドバルブSL1~SL4、SLTは、基 本的には何れも同じ構成であり、電子制御装 置により独立に励磁、非励磁され、各油圧ア クチュエータ42、44、46、50の油圧が独立に調 制御されてクラッチC1、C2、ブレーキB1、B3 係合圧が制御される。そして、自動変速機14 は、例えば図2の係合作動表に示すように予 定められた係合装置が係合されることによ て各変速段が成立させられる。また、自動 速機14の変速制御においては、例えば変速に 関与するクラッチCやブレーキBの解放と係合 が同時に制御される所謂クラッチ・ツウ・ ラッチ変速が実行される。例えば、図2の係 合作動表に示すように2速→3速のアップシフ では、ブレーキB1が解放されると共にブレ キB3が係合され、変速ショックを抑制するよ うにブレーキB1の解放過渡油圧とブレーキB3 係合過渡油圧とが適切に制御される。この うに、自動変速機14の係合装置(クラッチC、 レーキB)がリニアソレノイドバルブSL1~SL4に り各々制御されるので、係合装置の作動の 答性が向上される。或いはまた、その係合 置の係合/解放作動の為の油圧回路が簡素化 される。

 シフトレバー66は例えば運転席の近傍に 設され、図4に示すように、車両前後(縦)方 に配列された3つの「R」ポジション、「N」 ジション、「D」ポジションと、それに平行 配列された手動操作用の「+」ポジション、 「B」ポジション、「-」ポジションとへH型パ ターンで操作されるようになっている。本実 施例では、P位置へ操作してパーキングロッ するためのP操作釦72が別スイッチとして設 られている。

 上記「R」ポジションは自動変速機14の出 歯車34の回転方向を逆回転とするための後 走行ポジション(位置)であり、「N」ポジシ ンは自動変速機14内の動力伝達が遮断される ニュートラル状態とするための中立ポジショ ンであり、「D」ポジションは自動変速機14の 変速を許容する変速範囲(Dレンジ)で第1ギヤ 「1st」~第6ギヤ段「6th」の総ての前進ギヤ段 を用いて自動変速制御を実行させる前進走行 ポジションであり、「B」ポジションはギヤ の変化範囲を制限する複数種類の変速レン すなわち高車速側のギヤ段が異なる複数種 の変速レンジを切り換えることにより手動 速が可能な前進走行ポジションである。P操 釦72の操作により選択される「P」ポジショ は自動変速機14内の動力伝達経路を解放し なわち自動変速機14内の動力伝達が遮断され るニュートラル状態(中立状態)とし且つ図示 ないパーキングロック機構によって機械的 出力歯車34の回転を阻止(パーキングロック) するための駐車ポジションである。

 上記「B」ポジションにおいては、シフト レバー66の操作毎に変速範囲をアップ側にシ トさせるための「+」ポジション、シフトレ バー66の操作毎に変速範囲をダウン側にシフ させるための「-」ポジションが備えられて いる。例えば、「B」ポジションにおいては 「6」レンジ~「L」レンジの何れかがシフト バー66の「+」ポジション或いは「-」ポジシ ンへの操作に応じて変更される。また、「B 」ポジションにおける「L」レンジは第1ギヤ 「1st」にて第2ブレーキB2を係合させて一層 ンジンブレーキ効果が得られるためのエン ンブレーキレンジでもある。

 上記「D」ポジションは自動変速機14の変 可能な例えば図2に示すような第1速ギヤ段 至第6速ギヤ段の範囲で自動変速制御が実行 れる制御様式である自動変速モードを選択 るシフトポジションでもあり、「B」ポジシ ョンは自動変速機14の各変速レンジの最高速 ギヤ段を超えない範囲で自動変速制御が実 されると共にシフトレバー66の手動操作に り変更された変速レンジ(すなわち最高速側 ヤ段)に基づいて手動変速制御が実行される 制御様式である手動変速モードを選択するシ フトポジションでもある。

 図3に戻り、クラッチC1の油圧アクチュエ タ42の手前、すなわちリニアソレノイドバ ブSL1と油圧アクチュエータ42との間には、走 行中の何らかの故障によって突然に自動変速 機14の動力伝達経路が遮断される(トルク抜け )ことを防止するフェールセーフバルブ74が配 設されている。フェールセーフバルブ74は、 えばリニアソレノイドバルブSL1の故障によ て油圧アクチュエータ42へ油圧を供給する とができなくなったとき、Dレンジ圧PDを油 アクチュエータ42へ供給することにより、走 行中の自動変速機14の動力伝達遮断(トルク抜 け)を防止する。なお、走行中に自動変速機14 の動力伝達経路が遮断されると、車両が不安 定となり、車両操作性が低下する可能性があ るため、フェールセーフバルブ74が配設され 。

 図5は、前記フェールセーフバルブ74の近傍 拡大して示す回路図である。フェールセー バルブ74は、リニアソレノイドバルブSL1か 係合油圧PC1が供給される入力ポート76と、D ンジ圧PDが供給される入力ポート78と、クラ チC1の油圧アクチュエータ42に接続される出 力ポート80と、図示しないスプールとを備え おり、スプールには、リニアソレノイドバ ブSL1から出力されるクラッチC1の係合油圧PC 1、リニアソレノイドバルブSL2から出力され クラッチC2の係合油圧PC2、およびスプリング 82のスプリング力FS1がそれぞれ一方向へ作用 せられると共に、リニアソレノイドバルブS L3から出力されるブレーキB1の係合油圧PB1、 ニアソレノイドバルブSL4から出力されるブ ーキB3の係合油圧PB3、およびリニアソレノイ ドバルブSLTから出力される信号圧P SLT  或いはその関連圧が上記一方向とは反対の他 方向へ作用させられるようになっている。

 本実施例の自動変速機14では、前進走行 において、図2に示すようにクラッチC1の係 油圧PC1およびクラッチC2の係合油圧PC2の少な くとも一方が常に出力される。また、ブレー キB1およびブレーキB3は、クラッチC1およびク ラッチC2と対になる摩擦係合要素であり、第1 変速段および第4変速段を除いた変速段にお て、何れか一方が係合される。なお、第1変 段において係合されるブレーキB2は、エン ンブレーキを作用させる第1変速段を成立さ る際に係合させられるだけであるので、使 頻度が少ないため、本実施例では省略され いる。

 そして、前進走行時において、係合油圧PC1 よび/または係合油圧PC2がフェールセーフバ ルブ74に入力された場合には、その係合油圧 よびスプリング力FS1の付勢力によって、係 油圧PB1、係合油圧PB3、および信号油圧P SLT  の関連圧による付勢力に抗って、スプールが 一方向側へ移動させられる。これにより、入 力ポート76と出力ポート80とが連通されて係 油圧PC1が油圧アクチュエータ42へ供給される 。

 一方、例えばリニアソレノイドバルブSL1の 障によって係合油圧PC1が供給されなくなる 、第1変速段~第3変速段では係合油圧PC1およ 係合油圧PC2がフェールセーフバルブ74に供 されなくなるため、係合油圧PB1、係合油圧PB 3、および信号油圧P SLT  の関連圧による付勢力によってスプールが逆 に他方法側に移動させられる。これにより、 入力ポート78と出力ポート80とが連通されてD ンジ圧PDがクラッチC1の油圧アクチュエータ 42へ供給される。すなわち、リニアソレノイ バルブSL1が故障して、油圧アクチュエータ4 2に係合油圧PC1が供給されなくなっても油圧 クチュエータ42へDレンジ圧PDが供給されて、 走行中の突然のトルク抜けが回避される。

 図6は、第2ブレーキコントロールバルブ54の 近傍を拡大して示す回路図である。第2ブレ キコントロールバルブ54は、Dレンジ圧PDが入 力される入力ポート84と、ドレーンポート86 、シャトル弁56を通じてブレーキB2の油圧ア チュエータ48に接続される出力ポート88と、 図示しないスプールとを備えており、スプー ルは、後述するコントロール圧P SLU  によって一方向へ作用させられると共に、ブ レーキB2の係合油圧PB2およびスプリング90の プリング力FS2によって上記一方向とは反対 他方向へ作用させられるようになっている

 そして、通常はスプリング90のスプリング FS2によってスプールが他方向側へ付勢させ れることにより、ドレーンポート86と出力ポ ート88とが連通させられるので、出力ポート8 8からは油圧アクチュエータ48へ係合油圧が供 給されない。ここで、前記コントロール圧P SLU  が第2ブレーキコントロールバルブ54へ供給さ れると、スプリング90による付勢力に抗って プールが一方向側へ移動させられ、Dレンジ 圧PDが供給される入力ポート84と出力ポート88 とが連通させられ、シャトル弁56を介して油 アクチュエータ48へ係合油圧PB2が供給され 。

 ここで、前記コントロール圧P SLU  は、図示しないリニアソレノイドバルブSLUか ら出力されるものであり、第2ブレーキコン ロールバルブ54の手前側に配設されたリレー バルブ92を通じて供給される。リレーバルブ9 2は、コントロール圧P SLU  の供
給先を前記第2ブレーキコントロールバルブ54 またはトルクコンバータ12のロックアップク ッチL/Cを制御するためのロックアップコン ロールバルブ98の何れかに選択的に切り換 るための切換弁であり、図示しない切換ソ ノイドバルブSLから出力される切換圧PSLによ ってコントロール圧P SLU  の供給先が切り換えられる。具体的には、リ レーバルブ92は、コントロール圧P SLU  が供給される入力ポート94と、第2ブレーキコ ントロールバルブ54に接続される出力ポート9 6と、ロックアップコントロールバルブ98に接 続される出力ポート100と、図示しないスプー ルを備えており、スプールは、前記切換圧PSL によって一方向へ作用させられると共に、ス プリング102のスプリング力FS3によって上記一 方向とは反対の他方向へ作用させられるよう になっている。

 そして、スプリング102がスプールを他方向 へ付勢するため、入力ポート94と出力ポー 96とが連通される。これにより、コントロー ル圧P SLU  が第2ブレーキコントロールバルブ54へ供給さ れ、コントロール圧P SLU  によってDレンジ圧PDが調圧されて油圧アクチ ュエータ48へ供給される。一方、切換ソレノ ドバルブSLから切換圧PSLが出力されると、 レーバルブ92のスプールがスプリング102のス プリング力FS3に抗って一方向側に移動させら れ、コントロール圧P SLU  の供給先がロックアップクラッチの係合圧を 制御するロックアップコントロールバルブ98 切り換えられる。

 図7は、自動変速機14において、運転者に るシフトレバー66の操作に応じてマニュア バルブ70のシフト位置を電気的に切り換える SBWシステムの制御系統を説明するブロック線 図である。運転者によってシフトレバー66の フト位置が切り換えられると、シフトポジ ョンセンサ67を介してそのシフト位置に応 た電気信号が電子制御装置104に入力される そして、電子制御装置104(SBW-ECU116)によってSB Wアクチュエータ68が制御され、切換シャフト 106が軸心まわりに回転させられることにより 、レバー108を介してマニュアルバルブ70のス ール110が機械的に一直線方向へ移動させら 、4箇所のシフト位置「P」、「R」、「N」、 「D」に位置決めされて油路を切り換えるよ になっている。なお、SBWアクチュエータ68が 本発明のアクチュエータに対応している。

 ここで、本実施例の電子制御装置104は、 ンジン10を制御する制御装置と自動変速機14 を制御する制御装置とが一体式に構成されて いるECT-ECU112と、エンジン10の状態に応じて演 算した基本噴射時間に各センサの信号による 補正を加えて適正な燃料噴射となるよう制御 するEFI-ECU114と、SBWシステムを制御するSBW-ECU1 16などを備えている。ECT-ECU112とSBW-ECU116とは 複数の独立したワイヤ(電線)で結ばれ、例え ばSBWアクチュエータ68が故障したときなどに 力されるSBW異常信号、シフトレバー66のシ ト位置が「R」レンジに切り換えられたこと 示すR信号、自動変速機14のシフトレンジを すNSW信号、シフトレバー66のシフト位置が D」レンジに切り換えられたことを示すD信号 などがそれぞれ独立した電線を介して通信さ れる。また、ECT-ECU112とSBW-ECU116とがEFI-ECU114を 中継して情報通信可能となっている。ここで 、SBW-ECU116とEFI-ECU114との間およびEFI-ECU114とECT -ECU112との間は、単一の通信線で複数の情報 信が可能な多重通信方式、所謂CAN通信が採 されている。

 このように構成される電子制御装置104に いて、SBW-ECU116が例えばSBWアクチュエータ106 などの故障を検出すると、SBW異常信号を直接 ECT-ECU112へ出力すると共に、EFI-ECU114を中継し ECT-ECU112へ出力する。このようにSBW異常信号 を2系統から出力することで、一方の通信線 断線した場合であっても他方の通信線からSB W異常信号がECT-ECU112へ伝達されるため、SBW異 が確実にECT-ECU112へ伝達される。

 ところで、前記SBW異常信号の検出におい 、従来では、シフトレバー66のシフトポジ ョンセンサ67から出力されるシフト位置に応 じた電気信号(目標シフト位置信号)とSBWアク ュエータ68に設けられたシフトポジション ンサ118から出力されるシフト位置に応じた 気信号(実シフト位置信号)とを比較し、それ ぞれの信号に基づくシフト位置が一致しない とき、SBWシステム異常と判定され、SBW異常信 号が出力されるようになっている。ところが 、上記SBW異常の検出システムでは、検出され る前記目標シフト位置信号或いは実シフト位 置信号に誤りが生じる、すなわちSBWアクチュ エータ68およびシフトレバー66のシフトポジ ョンセンサ67、118が誤作動すると、SBW異常検 出システムが正常に機能しない問題があった 。また、SBW-ECU116が故障した場合においても ECT-ECU112が受け取るシフト位置信号に信頼性 ないため、ECT-ECU112が誤った情報を基に誤作 動してしまう可能性があった。そこで、本実 施例では、前記SBW-ECU116やシフトポジション ンサ118等が誤作動することも考慮してSBW異 を検出すると共に、そのSBW異常を検出する それに応じた好適な制御を実行するように 成されている。

 図8は、電子制御装置104による制御作動の 要部を説明する機能ブロック線図である。シ フト制御手段120は、運転者によるシフトレバ ー66の操作、すなわちレンジ変更指示に応じ SBWアクチュエータ68を駆動し、マニュアル ルブ70を運転者の操作に応じたシフト位置( ニュアルバルブ位置)に切り換える。

 また、シフト制御手段120は、SBWシステム 常判定手段122、車速判定手段124、および動 遮断手段126を備えている。SBWシステム異常 定手段122は、SBWアクチュエータ68に異常が じたか否か、SBWアクチュエータ68によるシフ ト位置を検出するシフトポジションセンサ118 の異常が発生したか否か、シフトレバー66に るシフト位置を検出するシフトポジション ンサ67に異常が生じたか否か、或いは、SBW クチュエータ68を制御すると共に、各装置な どの異常を検出するSBW-ECU116自体に異常が生 たか否かを、判定する。これらは、例えば シフトポジションセンサ67、118やSBWアクチュ エータ68から出力される電気信号に基づいてS BW-ECU116がSBWシステムの異常を判定する。また 、これらのシフトポジションセンサ67、118お びSBWアクチュエータ68それぞれに自己異常 定機能を設けるなどしてSBWシステムの異常 判定する。さらに、SBW-ECUが故障したとき、 なわちSBW-ECU116から異常信号が出力される、 或いはSBW-ECU116がダウンしてSBW-ECU116およびEFI- ECU114側からもECT-ECU112へ信号が入力されない き、ECT-ECU112がSBW-ECU116が故障したものと判定 する。

 SBWシステム異常判定手段122によってSBWシ テムに異常が生じたと判定されると、車速 定手段124は、例えば自動変速機14の出力部 である出力歯車34の回転速度に基づいて車速 Vを検出し、その車速Vが予め設定された所定 速以下か否かを判定する。前記所定車速は 予め実験などによって求められ、低車速域 設定される。ここで、例えば中・高車速時 おいて、自動変速機14の動力伝達経路が遮 されると、駆動輪に伝達されるトルクが抜 る(トルク抜け)ため、車両が不安定となり、 操作性が低下する可能性がある。また、本実 施例では、後述するように、SBWシステムの異 常が検出されると、自動変速機14を動力遮断 態とする。そこで、車速Vが所定車速以上で あると、上記制御を禁止することで、トルク 抜けによる車両の操作性低下を回避する。す なわち、所定車速は、走行中に自動変速機14 動力伝達経路を遮断する動力遮断制御を実 しても車両の操作性が低下しない程度の低 速域に設定される。

 動力遮断手段126は、SBWシステム異常判定 段122によってSBWシステムに異常が生じたと 定され、且つ、車速判定手段124によって車 Vが所定車速以下と判定されると、自動変速 機14を動力遮断状態とする。動力遮断手段126 、自動変速機14において、前進にかかる摩 係合要素と後進にかかる摩擦係合要素との 両方にかかる摩擦係合要素を解放する。す わち、SBWアクチュエータ68によって制御され るマニュアルバルブ70のシフト位置(マニュア ルバルブ位置)に拘わらず自動変速機14の動力 が遮断されるように油圧制御回路40のソレノ ドバルブのソレノイドパターンが制御され 。なお、これより、自動変速機14の油圧制 回路40は、マニュアルバルブ70のシフト位置 拘わらず動力が遮断できるように構成され いる。以下、自動変速機14の油圧制御回路40 を一例に、マニュアルバルブ70のシフト位置 拘わらず自動変速機14の動力を遮断する動 遮断手段126の制御作動について説明する。

 先ず、自動変速機14の前進にかかる摩擦 合要素を解放して、前進への動力を遮断す 制御について説明する。前進走行において 、図2に示すようにクラッチC1およびクラッ C2の少なくとも一方が係合されるに構成され ている。すなわち、クラッチC1およびクラッ C2が自動変速機14の前進にかかる摩擦係合要 素となる。図5に示すように、リニアソレノ ドバルブSL1と油圧アクチュエータ42との間に フェールセーフバルブ74が設けられているた 、例えばリニアソレノイドバルブSL1の故障 よって係合油圧PC1が係合されない場合でも フェールセーフバルブ74のスプールによっ 油路が切り換えられて入力ポート78からDレ ジ圧PDが油圧アクチュエータ42に供給される そこで、動力遮断手段126は、以下の制御を み合わせることで自動変速機14の前進への 力を確実に遮断する。

 先ず、リニアソレノイドバルブSL1を制御 ることにより、クラッチC1の油圧アクチュ ータ42に供給される係合油圧PC1を零に制御す る。これにより、フェールセーフバルブ74の プールが移動させられて入力ポート78と出 ポート80とが連通されてDレンジ圧PDが油圧ア クチュエータ42へ供給される可能性があるの 、リニアソレノイドバルブSL2によってクラ チC2の係合油圧PC2を例えば最大値に制御す 。これにより、フェールセーフバルブ74が正 常時の状態、すなわちリニアソレノイドバル ブSL1に連結された入力ポート76と出力ポート8 0とが連通された状態とされ、クラッチC1の油 圧アクチュエータ42へ油圧がされなくなり、 ラッチC1が解放される。これにより、図2に すように第1変速段~第4変速段が成立されな なる。

 また、リニアソレノイドバルブSL3を制御 ることにより、ブレーキB1の油圧アクチュ ータ46に供給される係合油圧PB1を零に制御す ると共に、リニアソレノイドバルブSL4を制御 することにより、ブレーキB3の油圧アクチュ ータ50に供給される係合油圧PB3を零に制御 る。ここで、クラッチC2の係合油圧PC2を最大 値に制御することでクラッチC2は係合される ととなるが、ブレーキB1およびブレーキB3の 油圧アクチュエータ46、50には油圧が供給さ ないので第5変速段および第6変速段は成立さ れなくなる。さらに、リニアソレノイドバル ブSLT(もしくはその関連圧)を最小圧に制御す ことで、フェールセーフバルブ74において 入力ポート78と出力ポート80との連通を確実 防止する、すなわちDレンジ圧PDの油圧アク ュエータ42への供給を防止する。

 これにより、マニュアルバルブ70のシフ 位置に拘わらず自動変速機14の前進への動力 が遮断される。具体的には、マニュアルバル ブ70のシフト位置が「D]ポジションであれば 記制御によって前進への動力が遮断されな 。また、「R」ポジションであればDレンジ圧 PDが供給されないため、リニアソレノイドバ ブSL1およびリニアソレノイドバルブSL2へ元 となるDレンジ圧PDが供給されないに伴い、 ラッチC1およびクラッチC2へ係合油圧が供給 されないので、自動変速機14の前進への動力 遮断される。また、「N」、「P」ポジショ もDレンジ圧PDおよびレバース圧PRが供給され ないので、前進への動力が遮断される。

 次に、自動変速機14の後進にかかる摩擦係 要素を解放して、後進への動力を遮断する 御について説明する。後進走行においては 図2に示すようにブレーキB2およびブレーキB3 が係合されることで、後進への動力が駆動輪 へ伝達される。すなわち、ブレーキB2および レーキB3が後進にかかる摩擦係合要素に対 しており、ブレーキB2およびブレーキB3のい れか一方が解放されると自動変速機14の後 への動力が遮断される。そこで、動力遮断 段126は、切換ソレノイドバルブSLから切換圧 PSLを出力(ON)すると共に、ソレノイドバルブSL Uからコントロール圧P SLU  を出力(ON)する。さらに、リニアソレノイド ルブSL4を制御することにより、ブレーキB3の 油圧アクチュエータ50の係合油圧PB3を零に制 する。

 このように制御されると、図6において、切 換ソレノイドバルブSLの切換圧PSLによって、 レーバルブ92の入力ポート94と出力ポート100 とが連通される、すなわちリニアソレノイド バルブSLUのコントロール圧P SLU  がロックアップコントロールバルブ98に供給 れる。これより、第2ブレーキコントロール バルブ54には、コントロール圧P SLU  が入力されない。そして、第2ブレーキコン ロールバルブ54には、コントロール圧P SLU  が入力されないため、スプリング90のスプリ グ力FS2によってスプールが移動させられ、 レーンポート86と出力ポート88とが連通され る、すなわちブレーキB2の油圧アクチュエー 48とドレーンポート86とが連通されて油圧ア クチュエータ48に油圧が供給されない。これ より、自動変速機14の後進への動力が遮断 れる。

 ところが、マニュアルバルブ70が「R」ポ ションに位置された状態では、リバース圧P Rが供給されるため、ブレーキB2の油圧アクチ ュエータ48に油圧が供給されることとなる。 かし、動力遮断手段126は、ブレーキB3の油 アクチュエータ50の係合油圧を零に制御する ことにより、第3ブレーキB3が解放されるので 、自動変速機14の後進への動力が遮断される これにより、マニュアルバルブ70のシフト 置に拘わらず自動変速機14の後進への動力が 遮断される。具体的には、マニュアルバルブ 70のシフト位置が「D」ポジションであれば、 上記制御によって後進への動力が遮断され、 「R」ポジションであれば、リバース圧PRがブ レーキB2の油圧アクチュエータ48に供給され ものの、ブレーキB3が解放されるので後進へ の動力が遮断される。また、「N」、「P」ポ ションもDレンジ圧PDおよびレバース圧PRが 給されないので、後進への動力が遮断され 。

 このように、動力遮断手段126が上記の制 を実施することにより、マニュアルバルブ7 0のシフト位置(マニュアルバルブ位置)に拘わ らず自動変速機14の前進および後進への動力 遮断される。

 図9は、電子制御装置104の制御作動の要部 すなわちSBWシステムの異常を確実に検出し、 自動変速機14の動力をマニュアルバルブ位置 拘わらず遮断する制御作動を説明するフロ チャートである。

 先ず、SBWシステム異常判定手段122に対応 るステップSA1(以下、ステップを省略する) おいて、SBWシステムに異常が生じたか否か 判定される。SA1が否定されると、本ルーチ は終了させられる。一方、SA1が肯定される 、車速判定手段124に対応するSA2において、 両の車速Vが所定車速以下か否かが判定され 。SA2が否定されると、本ルーチンが終了さ られる。一方、SA2が肯定されると、動力遮 手段126に対応するSA3において、自動変速機1 4の前進および後進への動力が遮断されるよ に、油圧制御回路40のソレノイドパターンが 形成される。

 上述のように、本実施例によれば、自動 速機14をマニュアルバルブ位置(マニュアル ルブ70のシフト位置)に拘わらず動力遮断状 とする動力遮断手段126を有しており、シフ 制御手段120の異常を検出した場合には、動 遮断手段126を実施するため、マニュアルバ ブ位置が不明確である場合であっても、確 に自動変速機14の動力伝達経路を遮断する とができ、安全性を確保することができる

 また、本実施例によれば、動力遮断状態 は、自動変速機14の前進にかかる摩擦係合 素(クラッチC1、クラッチC2)と後進にかかる 擦係合要素(ブレーキB2、ブレーキB3)との両 を解放した状態であるため、マニュアルバ ブ位置が前進位置および後進位置のどちら 位置にあっても確実に自動変速機14の動力を 遮断することができる。

 また、本実施例によれば、動力遮断状態 は、マニュアルバルブ位置に拘わらず動力 遮断される自動変速機14のソレノイドパタ ンであるため、マニュアルバルブ位置がい れの位置にあっても確実に自動変速機14の動 力を遮断することができる。

 また、本実施例によれば、自動変速機14 、マニュアルバルブ位置に拘わらず動力遮 できる変速機であるため、マニュアルバル 位置がいずれの位置にあっても確実に自動 速機14の動力を遮断することができる。

 また、本実施例によれば、動力遮断手段1 26は、低車速域で実施されるため、中・高車 域での動力遮断による突然のトルク抜けが 止される。なお、中・高車速域で動力伝達 路が遮断されると、車両が不安定となり、 作性が低下する可能性がある。そこで、中 高車速域では動力遮断手段126を実施させな ことで、上記車両の操作性低下が回避され 。

 以上、本発明の実施例を図面に基づいて 細に説明したが、本発明はその他の態様に いても適用される。

 例えば、本実施例では、動力遮断手段126 、油圧制御回路40を制御して前進および後 への変速段を成立させなくするものであっ が、例えばトルクコンバータ12と自動変速機 14との間の入力軸32に動力遮断用のクラッチ 設けることにより、動力を遮断する構成で っても本発明を適用することができる。す わち、エンジン10の回転を前進・後進に拘わ らず遮断できる構成であれば、本発明を適用 することができる。

 また、本実施例では、燃料の燃焼によっ 動力を発生するエンジン駆動車両であった 、例えば電動モータによって走行する電気 動車、或いは複数の動力源を備えているハ ブリッド車両など、種々の車両用のシフト イワイヤ方式のシフト制御装置に好適に適 される。すなわち本発明においては、車両 おいて前進および後進への動力伝達を同時 遮断できる構成が備えられているものであ ば、動力源や変速機の形式等は特に限定さ ない。例えば、有段式の変速機に限定され 、変速比を連続的に変更可能な無段変速機 あっても本発明を適用することができる。

 また、シフトレバー66の形式は、本実施 に限定されず、例えば押しボタン式のスイ チやスライド式スイッチ等の複数種類のシ トポジションを選択可能なスイッチ、或い 手動操作に因らず運転者の音声に反応して 数種類のシフトポジションを切り換えられ 装置や足の操作により複数種類のシフトポ ションが切り換えられる装置等であっても わない。すなわち、シフト操作が電気信号 変更可能な構成であれば本発明を適用する とができる。

 なお、上述したのはあくまでも一実施形 であり、本発明は当業者の知識に基づいて 々の変更、改良を加えた態様で実施するこ ができる。