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Title:
CONTROL SYSTEM FOR HYBRID POWER UNIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128532
Kind Code:
A1
Abstract:
A hybrid power unit is provided with a first input shaft to which engine driving force is transmitted via a first friction clutch, a second input shaft to which the engine driving force is transmitted via a second friction clutch, a first gear shift mechanism and a second gear shift mechanism respectively combined with the first input shaft and the second input shaft, and a final output shaft coupled to respective output shafts of both the gear shift mechanisms. A motor/generator is connected to the first input shaft or the second input shaft. When the detected temperature of lubricating oil housed in a transmission housing is equal to or lower than a predetermined lower limit, the motor/generator is activated as an electric motor in a state in which the gear position of a gear train to allow the torque higher than the required torque to be transmitted to the final output shaft by the first gear shift mechanism or the second gear shift mechanism is selected, and thereafter the first friction clutch or the second friction clutch is engaged so that the engine driving force is transmitted to the final output shaft via the gear train in the gear position selected by the second gear shift mechanism or the first gear shift mechanism.

Inventors:
TANBA TOSHIO (JP)
FUKUHARA YUICHI (JP)
SASAKI KAN (JP)
SATO HIROSHI (JP)
OMURA MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057762
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AI CO LTD (JP)
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
AISIN SEIKI (JP)
TANBA TOSHIO (JP)
FUKUHARA YUICHI (JP)
SASAKI KAN (JP)
SATO HIROSHI (JP)
OMURA MASAHIRO (JP)
International Classes:
B60K6/48; B60K6/547; B60L50/16; B60W10/02; B60W10/04; B60W10/06; B60W10/08; B60W10/10; B60W20/00; F02D29/00; F02D29/02; F16H3/093; F16H61/02; F16H61/68; F16H61/684; F16H63/40; F16H63/50; F16H59/14; F16H59/40; F16H59/72; F16H61/688
Foreign References:
JP2005186931A2005-07-14
JP2006052851A2006-02-23
Other References:
See also references of EP 2277754A4
Attorney, Agent or Firm:
HASE, Shoichi (JP)
Teruichi Nagatani (JP)
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Claims:
エンジンの駆動力が第1摩擦クラッチを介して伝達される
第1入力軸と同エンジンの駆動力が第2摩擦クラッチを介して伝達される第2入力軸をその内部に軸支した変速機用ハウジングと、前記第1入力軸と第2入力軸にそれぞれ組付けた第1歯車変速機構と第2歯車変速機構と、前記両歯車変速機構の各出力軸に連結した最終出力軸とを備えて、前記第1入力軸又は第2入力軸にモータ・ジェネレータを接続し、前記最終出力軸に被駆動装置を接続したハイブリッド動力装置と、
  前記変速機用ハウジングの内部に収容した潤滑油の温度を検出する温度センサと、
   前記潤滑油の検出温度が所定の下限値以下のとき、前記モータ・ジェネレータを接続した前記入力軸に組付けた第1歯車変速機構又は第2歯車変速機構にて前記被駆動装置の駆動に要する要求トルクより大きいトルクが前記最終出力軸に伝達されるようにする歯車列の変速段を選択し、同変速段を選択した状態にて前記モータ・ジェネレータを電動機として作動させ、その後に前記第1摩擦クラッチ又は第2摩擦クラッチを係合させて前記エンジンの駆動力が前記第2歯車変速機構又は第1歯車変速機構にて選択された変速段の歯車列を介して前記最終出力軸に伝達されるようにする制御装置とを備えるハイブリッド動力装置の制御システム。
Description:
ハイブリッド動力装置の制御シ テム

 本発明は車両用ハイブリッド動力装置、 にデュアルクラッチ式車両用変速機に適し ハイブリッド動力装置において変速用ハウ ング内に収容した潤滑油の温度が低いとき 同潤滑油の温度を速やかに高めるための制 システムに関する。

 特開2005-186931号公報においては、この種 デュアルクラッチを使用したハイブリッド 力装置が開示されている。 このハイブリッ ド動力装置は、同軸的に相対回転可能に配置 されてエンジンの駆動力をデュアルクラッチ を介して選択的に伝達される第1入力軸と第2 力軸と、これら2本の入力軸と平行に配置さ れた第1出力軸と第2出力軸にそれぞれ組付け 第1歯車変速機構と第2歯車変速機構と、第2 力軸に連結されて電力を供給されると電動 として作動して前記第1出力軸又は第2出力 に連結された駆動車輪を駆動し逆に同駆動 輪によって駆動されたとき発電機として作 してバッテリを充電するモータ・ジェネレ タを備えている。

 特開2005-186931号公報

発明の解決課題

 上記のハイブリッド動力装置を採用した 速機を搭載した車両においては、長時間駐 したとき始動直後には当該変速機のハウジ グ内に収容した潤滑油の温度が低くて粘性 高いため、潤滑油の撹拌抵抗が大きくなっ 動力損失を生じ、燃料消費率が増加すると う問題がある。

 本発明の目的は、当該変速機の歯車変速 構にて互いに噛合する変速ギヤの歯面の間 生じる力を増大させ、その摩擦熱により変 機ハウジング内に収容された低温の潤滑油 温度を速やかに上昇させて、潤滑油の粘性 起因する動力損失を低減させることにある

 この目的を達成するため、本発明は、エ ジンの駆動力が第1摩擦クラッチを介して伝 達される第1入力軸と同エンジンの駆動力が 2摩擦クラッチを介して伝達される第2入力軸 をその内部に軸支した変速機用ハウジングと 、前記第1入力軸と第2入力軸にそれぞれ組付 た第1歯車変速機構と第2歯車変速機構と、 記両歯車変速機構の各出力軸に連結した最 出力軸とを備えて、前記第1入力軸又は第2入 力軸にモータ・ジェネレータを接続し、前記 最終出力軸に被駆動装置を接続したハイブリ ッド動力装置において、前記変速機用ハウジ ングの内部に収容した潤滑油の温度を検出す る温度センサと、前記潤滑油の検出温度が所 定の下限値以下のとき、前記モータ・ジェネ レータを接続した前記入力軸に組付けた第1 車変速機構又は第2歯車変速機構にて前記被 動装置の駆動に要する要求トルクより大き トルクが前記最終出力軸に伝達されるよう する歯車列の変速段を選択し、同変速段を 択した状態にて前記モータ・ジェネレータ 電動機として作動させ、その後に前記第1摩 擦クラッチ又は第2摩擦クラッチを係合させ 前記エンジンの駆動力が前記第2歯車変速機 又は第1歯車変速機構にて選択された変速段 の歯車列を介して前記最終出力軸に伝達され るようにする制御装置とを備えるハイブリッ ド動力装置の制御システムを提供するもので ある。

 本発明の一実施形態においては、エンジ の駆動力が第1摩擦クラッチを介して伝達さ れる第1入力軸と同エンジンの駆動力が第2摩 クラッチを介して伝達される第2入力軸をそ の内部に軸支した変速機用ハウジングと、前 記第1入力軸と第2入力軸にそれぞれ組付けた 1歯車変速機構と第2歯車変速機構と、前記 歯車変速機構の各出力軸に連結した最終出 軸とを備えて、前記第1入力軸にモータ・ジ ネレータを接続し、前記最終出力軸に被駆 装置を接続したハイブリッド動力装置にお て、前記変速機用ハウジングの内部に収容 た潤滑油の温度を検出する温度センサと、 記潤滑油の検出温度が所定の下限値以下の き、前記第1歯車変速機構にて前記被駆動装 置の駆動に要する要求トルクより大きいトル クが前記最終出力軸に伝達されるようにする 歯車列の変速段を選択し、同変速段を選択し た状態にて前記モータ・ジェネレータを電動 機として作動させ、その後に前記第2摩擦ク ッチを係合させて前記エンジンの駆動力が 記第2歯車変速機構にて選択された変速段の 車列を介して前記最終出力軸に伝達される うにする制御装置とを備えるハイブリッド 力装置の制御システムが提供される。

 また、本発明の他の実施形態においては エンジンの駆動力が第1摩擦クラッチを介し て伝達される第1入力軸と同エンジンの駆動 が第2摩擦クラッチを介して伝達される第2入 力軸をその内部に軸支した変速機用ハウジン グと、前記第1入力軸に組付けた奇数段の第1 車変速機構と、前記第2入力軸に組付けた偶 数段の第2歯車変速機構と、前記両歯車変速 構の各出力軸に連結した最終出力軸とを備 て、前記第1入力軸にモータ・ジェネレータ 接続し、前記最終出力軸に被駆動装置を接 したハイブリッド動力装置において、前記 速機用ハウジングの内部に収容した潤滑油 温度を検出する温度センサと、前記潤滑油 検出温度が所定の下限値以下のとき、前記 1歯車変速機構にて前記被駆動装置の駆動に 要する要求トルクより大きいトルクが前記最 終出力軸に伝達されるようにする高速用の変 速段を選択し、同変速段を選択した状態にて 前記モータ・ジェネレータを電動機として作 動させ、その後に前記第2摩擦クラッチを係 させて前記エンジンの駆動力が前記第2歯車 速機構にて適宜に選択された変速段の歯車 を介して前記最終出力軸に伝達されるよう する制御装置とを備えるハイブリッド動力 置の制御システムが提供される。

 上記のように構成したハイブリッド動力 置の制御システムによれば、変速機用ハウ ング内に収容した潤滑油の温度が所定の下 値以下に低下したとき、第1歯車変速機構と 第2歯車変速機構にて被駆動装置側からの要 トルクより大きい出力トルクを最終出力軸 与える範囲において、最も高速側の変速段 選択されて、要求トルクに応じて選択され 変速ギヤ対の被駆動ギヤが可能な限り小径 ものが使用されるので、各変速ギヤ対の互 に噛合する歯面の間に生じる摩擦熱が大き なる。このため、変速機ハウジングH内に収 された低温の潤滑油の温度が速やかに上昇 て、潤滑油の撹拌抵抗による動力損失が低 し、燃料消費率の増大が抑制される。

本発明による制御システムが適用され ハイブリッド動力装置の実施形態を概略的 示すスケルトン図。 図1に示した制御装置により実行される 制御プログラムを示すフローチャート。 図1に示した変速機ハウジング内の潤滑 油が所定の下限値以下のとき最終出力軸に付 与される駆動トルクの伝達経路を示すスケル トン図。 図1に示した実施形態において通常制御 によって最終出力軸に付与される駆動トルク の伝達経路を示すスケルトン図。 図1に示した実施形態において通常制御 によって最終出力軸に付与される駆動トルク の別の伝達経路を示すスケルトン図。 本発明による制御システムが適用され ハイブリッド動力装置の他の実施形態を概 的に示すスケルトン図。

発明の最良な実施形態

 以下に、図1~図4を参照して本発明による イブリッド動力装置の第1実施形態の説明を する。この第1実施形態においては、本発明 よるハイブリッド動力装置の制御システム 図1に示す前進6段、後進1段の自動変速機TMに 適用されている。

 この自動変速機TMはデュアルクラッチ式 もので、変速機用ハウジングH内に互いに平 に回転自在に支持された第1入力軸13aと第2 力軸13bがそれぞれ第1摩擦クラッチC1と第2摩 クラッチC2を介してエンジン10の出力軸10aに 接続されている。第1摩擦クラッチC1の入力部 材は、エンジン10の出力軸10aと一体に回転す 駆動ギヤ11aに噛合された被駆動ギヤ11bの支 軸11dに結合されている。同様に、第2摩擦ク ラッチC2の入力部材は、エンジン10の出力軸10 aと一体に回転する駆動ギヤ11aに噛合された 駆動ギヤ11cの支持軸11eに結合されている。 1入力軸13aと第2入力軸13bにそれぞれ平行に配 置した第1出力軸14aと第2出力軸14bは、最終出 軸14cに設けた被駆動ギヤ14fに噛合された駆 ギヤ14dと14eを介して同最終出力軸14cに連結 れている。最終出力軸14cは、ドライブピニ ン16a、リングギヤ16b、デファレンシャルギ 17及びアクスルシャフト18を介して駆動車輪 19に連結されている。

 デュアルクラッチ12を構成する第1及び第2 摩擦クラッチC1,C2は、正常な作動状態では、 速段の切換え途中は半クラッチとなって一 の伝達トルクと他方の伝達トルクが互いに 向きに増減し、変速段の切換え完了後は何 か一方の摩擦クラッチが完全に係合されて の伝達トルクが所定の最大値となり、他方 摩擦クラッチが完全に解除されてその伝達 ルクが0となるように、後述する制御装置20 より制御される。

 第1入力軸13aと第1出力軸14aの間には歯車 換機構Mを備えた第1歯車変速機構SM1が設けら れ、第2入力軸13bと第2出力軸14bの間には歯車 換機構Mを備えた第2歯車変速機構SM2が設け れている。第1歯車変速機構SM1は、第1速段、 第3速段及び第5速段(奇数段)の各変速ギヤ対G1 ,G3,G5並びに後進段の後進ギヤ列GBを備えてい 。これらの変速ギヤ対G1,G3,G5及び後進ギヤ GBは、それぞれの各駆動ギヤが第1入力軸13a 固定され、各被駆動ギヤが第1出力軸14aに回 自在に支持されている。第1変速ギヤ対G1と 3変速ギヤ対G3の各被駆動ギヤの間にはそれ れを選択的に第1出力軸14aに連結する第1切 クラッチD1が設けられ、第5変速ギヤ対G5と後 進ギヤ列GBの各被動ギヤの間にはそれぞれを 択的に第1出力軸14aに連結する第3切換クラ チD3が設けられている。後進ギヤ列GBの駆動 ヤと被駆動ギヤの間にはアイドルギヤが介 されている。

 第2歯車切換機構SM2は、第2速段、第4速段 び第6速段(偶数段)の変速ギヤ対G2,G4,G6を備 ている。これら変速ギヤ対G2,G4,G6は、それぞ れの各駆動ギヤが第2入力軸13bに固定され、 被駆動ギヤが第2出力軸14bに回転自在に支持 れている。第2変速ギヤ対G2と第4変速ギヤ対 G4の各被駆動ギヤの間にはそれぞれを選択的 第2出力軸14bに連結する第2切換クラッチD2が 設けられ、第6変速ギヤ対G6の被駆動ギヤの一 側にはそれを選択的に第2出力軸14bに連結す 第4切換クラッチD4が設けられている。

 各切換クラッチD1~D4は、周知のシンクロ ッシュ機構よりなるもので、第1出力軸14aと 2出力軸14bにそれぞれ固定されたクラッチハ ブLと、その外周にスプライン係合されたス ーブ(操作部材)Mを備えている。各スリーブM 、シフトフォークF1~F4を介して、自動的に いは手動により軸線方向に往復動されて両 (または片側)の被駆動ギヤに固定された係合 部材Nに係合することにより、各被駆動ギヤ クラッチハブLに選択的に連結するものであ 。

 この第1実施形態におけるハイブリッド動 力装置の作動を制御する制御装置20には、変 機TMのハウジングH内の下部に配置されて潤 油の温度を検出する温度センサ21と、最終 力軸14cに取付けたトルクセンサ22が接続され ている。トルクセンサ22は、駆動車輪19を駆 して当該車両を走行させるのに要する要求 ルクを検出するために設けられている。

 第1入力軸13aに連結したモータ・ジェネレ ータ15は、制御装置20の制御下にて作動する ので、低速走行時又はエンジン10に出力の余 裕がない状態ではバッテリ(図示しない)から 力を供給されて電動機として作動し、エン ン10と協働して駆動車輪19を駆動する。 ま 、このモータ・ジェネレータ15は、駆動車 19側からエンジン10が駆動される状態、或い エンジン10の出力に余裕がある状態では、 1入力軸13aにより駆動されて発電機として作 し、バッテリを充電するように機能する。 お、この実施形態においては、上記のモー ・ジェネレータ15を第1入力軸13aの一端に連 したが、これに代えて第2入力軸13bに連結し てもよい。

 この実施形態における制御装置20のメモ (ROM)には、モータ・ジェネレータ15に最大電 を付与して同モータ・ジェネレータを電動 として作動させたとき第1歯車変速機構にて 選択された変速段(第1速、第3速又は第5速)の 速比に応じて最終出力軸14cに伝達される出 トルクを測定してその測定結果を表す回転 度―トルク特性(以下、モータ変換出力特性 という)と、エンジン10の作動により第2歯車 速機構SMにて選択された変速段(第2速、第4速 又は第6速)の変速比に応じて最終出力軸14cに 達される出力トルクを測定してその測定結 を表す回転速度―トルク特性(以下、エンジ ン変換出力特性という。)をそれぞれ演算式 は特性マップの形態で記憶させてある。こ 場合、電動機として作動するモータ・ジェ レータ15の出力トルクは低速領域にて大きく 回転速度の増大に応じて減少し、一方エンジ ン10の出力トルクは中速領域にて大きく低速 域と高速領域にて減少する。

 以下に、図2に示した制御プログラムと図 3~図5に示した作動モードを参照して、上述し たハイブリッド動力装置を適用した車両用変 速機の作動を説明する。

 制御装置20は電源に接続されると図2の制 プログラムの処理を開始してステップ100に 温度センサ21の検出信号を読取って変速機 ウジングH内の潤滑油の温度Sを検出し、それ と同時にトルクセンサ22の検出信号を読取っ 駆動車輪19から最終出力軸14cに加わってい 要求トルクを検出する。エンジン10が停止し た状態にて時間の経過により潤滑油の温度が 低下してその粘度が高くなった時には、温度 センサ21により検出される潤滑油の温度Sが下 限値S0より低くなる。この場合、潤滑油の温 の下限値S0は潤滑油の温度低下による粘性 抗の増大を考慮して所定の値に定めてある しかして、制御装置20はステップ101にてステ ップ100にて検出した潤滑油の温度Sを所定の 限値S0と比較して、潤滑油の温度Sが下限値S0 より低いときには、ステップ101にて“No”と 定して制御プログラムをステップ102に進め 、第1摩擦クラッチC1を係合させるとともに ータ・ジェネレータ15を電動機として作動 せる処理を実行して第1入力軸13aの回転によ エンジン10を始動させ、同エンジン10の始動 後に第1摩擦クラッチC1の係合を解除させる。 この状態にて、駆動車輪19を駆動して当該車 を発進させるのに要する要求トルクが最終 力軸14cに伝達されるようにするため、制御 置20は第1歯車変速機構SM1にて第5変速ギヤ対 G5の歯車列を完成させるように第3切換クラッ チD3を係合させるとともにモータ・ジェネレ- タ15を電動機として作動させる。これにより 駆動車輪19は第1歯車変速機構SM1にて選択さ た第5変速ギヤ対G5の変速比にてモータ・ジ ネレータ15から伝達される駆動トルクによ 駆動されて当該車両を走行させる。

 車両が走行を開始してからアクセルペダ の踏込みにより車速が増大してトルクセン 22により検出される駆動車輪19からの要求ト ルクが第5変速ギヤ対G5の変速比にてモータ・ ジェネレータ15から最終出力軸14cに付与され 駆動トルクより大きくなると、制御装置20 そのメモリに記憶させたモータ・ジェネレ タ15のモータ変換出力特性に基づいて第1歯 変速機構SM1の変速段を第5速から第3速に切換 えて最終出力軸14cに伝達されるトルクを増大 させる。引き続き車速を高めるためにアクセ ルペダルの踏込まれると、トルクセンサ22に り検出される駆動車輪19からの要求トルク 増大する。このとき、制御装置20は第2歯車 速機構SM2の最低変速段である第2変速ギヤ対G 2の歯車列を完成させるように第2切換クラッ D3を係合させるとともに第2摩擦クラッチC2 係合させる。これにより、第2摩擦クラッチC 2を介して伝達されるエンジン10の駆動トルク が第2変速ギヤ対G2の変速比にて最終出力軸14c に伝達される。この状態にては、図3にて破 と実線により示したように、電動機として 動するモータ・ジェネレータ15から第3変速 ヤ対G5の変速比にて最終出力軸14cに伝達され る駆動トルクと第2摩擦クラッチC2を介して第 2変速ギヤ対G2の変速比にて最終出力軸14cに伝 達されるエンジン10の駆動トルクによって駆 車輪19が駆動される。このような作動状態 てアクセルペダルの踏込みにより車両の走 速度を高めると、制御装置20は、トルクセン サ22の検出信号に応答して、そのメモリに記 させた各変速段におけるモータ変換出力特 とエンジン変換出力特性に基づいてトルク ンサ22により検出される駆動車輪19の要求ト ルクを最終出力軸14cに与えるのに最適な変速 段を第1歯車変速機構SM1と第2歯車変速機構SM2 て選択する。

 上述したように、車両の発進時に温度セ サ21により検出される変速機ハウジングH内 潤滑油の温度Sが所定の下限値S0より低いと には、電動機として作動するモータ・ジェ レータ15から第3変速ギヤ対G5の変速比にて 終出力軸14cに伝達される駆動トルクによっ 駆動車輪19が駆動されて車両が発進し、同車 両の速度が低速に移行した時にエンジン10の 動トルクが第2摩擦クラッチC2を介して第2変 速ギヤ対G2の変速比にて最終出力軸14cに伝達 れて駆動車輪19が駆動される。この場合、 1歯車変速機構SM1と第2歯車変速機構SM2の各変 速段は、要求トルクより大きい出力トルクを 最終出力軸14cに与える範囲において、最も高 速側の変速段が選択されて、要求トルクに応 じて選択された変速ギヤ対の被駆動ギヤが可 能な限り小径のものが使用されるので、各変 速ギヤ対の互いに噛合する歯面の間に生じる 摩擦熱が大きくなる。このため、変速機ハウ ジングH内に収容された低温の潤滑油の温度 速やかに上昇して、潤滑油の撹拌抵抗によ 動力損失が低減し、燃料消費率の増大が抑 される。

 上述した第1歯車変速機構SM1と第2歯車変 機構SM2の各変速段の切換え制御においては 制御装置20がそのメモリに記憶されたモータ 変換出力特性とエンジン変換出力特性に基づ いてトルクセンサ22により検出される駆動車 19の要求トルクを最終出力軸14cに与えるの 最適な変速段を各歯車変速機構にて選択す ようにしたが、第1歯車変速機構SM1と第2歯車 変速機構SM2の各変速段についてモータ変換出 力特性とエンジン変換出力特性を合わせた変 換出力和特性を制御装置20のメモリに記憶さ て、トルクセンサ22により検出される駆動 輪19の要求トルクを最終出力軸14cに与えるの に最適な変速段を前記記憶させた変換出力和 特性に基づいて選択するようにしてもよい。 なお、この実施形態においては、駆動車輪19 走行速度に応じて駆動させるのに要する要 トルクを最終出力軸14cに取付けたトルクセ サ22により検出したが、走行状態の大部分 占める平坦な道路上の走行では、上記の要 トルクは略一義的に定まるので、当該車両 走行速度を検出してその検出値に基づいて 終出力軸14cに付与すべき要求トルクを演算 より求めてもよい。

 図2の制御プログラムの処理において、温 度センサ21により検出される潤滑油の温度Sが 下限値S0より高いときには、制御装置20はス ップ101にて“Yes”と判定して制御プログラ をステップ103に進める。ステップ103の処理 おいては、第1歯車変速機構SM1にて第1変速ギ ヤ対G1の歯車列を完成させるように第1切換ク ラッチD1のスリーブMを右にシフトさせて係合 させるとともにモータ・ジェネレータ15を電 機として作動させる。これにより、駆動車 19は第1歯車変速機構SM1にて選択された第1変 速ギヤ対G1の変速比にてモータ・ジェネレー 15から伝達される駆動トルクにより駆動さ て当該車両を走行させる。アクセルペダル 踏込みによりモータ・ジェネレータ15の回転 速度が高まって第1入力軸13aへの入力トルク 増大し車両の速度が第3速での走行に適した 態なると、制御装置20はモータ・ジェネレ タ15への給電を一旦停止して、第1歯車変速 構SM1の第1切換クラッチD1のスリーブMを左に フトさせて第1変速ギヤ対G1から第3変速ギヤ 対D3に切換え、その後にモータ・ジェネレー 15を再び電動機として作動させる。その後 、車速の増大により第5速での走行に適した 態になれば、制御装置20はモータ・ジェネ ータ15への給電を一旦停止して、第1歯車変 機構SM1の第1切換クラッチD1を中立位置に戻 てから第3切換クラッチD3のスリーブMを左に フトさせて第3変速ギヤ対G1から第5変速ギヤ 対D5に切換え、その後にモータ・ジェネレー 15を再び電動機として作動させて車両を走 させる。

 電動機として作動するモータ・ジェネレ タ15の駆動力により車速が上昇すると、制 装置20は第1摩擦クラッチC1を係合させるとと もにモータ・ジェネレータ15を電動機として 動させる処理を実行して第1入力軸13aの回転 によりエンジン10を始動させ、その後にモー ・ジェネレータ15への通電を停止する。こ により、エンジン10の駆動力が第1摩擦クラ チC1を介して第1入力軸に伝達される状態に る。しかして、制御装置20は第1歯車変速機 SM1の第1切換クラッチD1のスリーブを右にシ トさせて第1変速ギヤ対G1を係合させ、それ 同時に第1摩擦クラッチC1を係合させる。か して、エンジン10の駆動トルクが第1摩擦ク ッチC1を介して第1入力軸13aに伝達されて、 1変速ギヤ対G1の変速比にて最終出力軸14cに 達され、駆動車輪19を駆動する。

 アクセルペダルの踏込みにより車速が第2 速での走行に適した状態になると、制御装置 20は、第2歯車変速機構SM2の第2切換クラッチD2 noスリーブを右にシフトさせて第2変速ギヤ対 G2を係合させてから第2摩擦クラッチC2を係合 せ、次いで第1歯車変速機構SM1の第1切換ク ッチD1のスリーブを中立位置に戻す。これに より、エンジン10の駆動トルクが第2変速ギヤ 対G2の変速比にて最終出力軸14cに伝達される (図5の実線矢印参照)以下、制御装置20は車 の走行状態に応じて第1歯車変速機構SM1と第2 歯車変速機構SM2の各変速ギヤ対を選択的に係 合させると共に第1摩擦クラッチC1と第2摩擦 ラッチC2を交互に係合させて、車両を走行さ せる。

 なお、変速のシフトダウンは上記と逆の 順で制御される。また、後進の場合は、車 が停止している状態にて、制御装置20の制 下にて第3切換クラッチD3のスリーブが左に フトされて後進ギヤ列による後進段を形成 れ、、アクセルペダルの踏込みによりエン ン10の回転速度が増大すると第1摩擦クラッ C1が徐々に係合される。これにより、エンジ ン10の駆動トルクが後進ギヤ列を介して最終 力軸14cに伝達され、車両が後進する。

 上述した実施形態においては、図1に示し た変速機TMに本発明によるハイブリッド動力 置の制御システムを適用した例について説 したが、本発明によるハイブリッド動力装 の制御システムは、図6に示したデュアルク ラッチ式の自動変速機に適用してもよい。こ の自動変速機においては、デュアルクラッチ 12を構成する第1及び第2摩擦クラッチC1,C2を介 してエンジン10により駆動される第1及び第2 力軸13a,13bが互いに同軸的に配置された二重 であり、図1に示した自動変速機TMにおける 力ギヤ14d,14e,14fにより連結された3本の出力 14a,14b,14c及びギヤ14d~14fが1本の出力軸14にま められている。なお、第1及び第2入力軸13a,1 3bは、デュアルクラッチ12のクラッチカバー12 aをエンジン10の出力軸10aに連結することによ りエンジン10により回転駆動され、トルクセ サ21は出力軸14に取付けられている。出力軸 14は最終減速ギヤ対16c.16d、デファレンシャル ギヤ17及びアクスルシャフト18を介して駆動 輪19に連結されている。第2入力軸13bから突 する第1入力軸13aの後半部と出力軸14の間に 第1歯車変速機構SM1が設けられ、第2入力軸13b と出力軸14の間には第2歯車変速機構SM2が設け られている。これらの両歯車変速機構SM1,SM2 図1に示す歯車変速機構SM1,SM2と実質的に同一 構造である。モータ・ジェネレータ15は、そ 出入力軸15aに固定されたギヤ15bを第6変速ギ ヤ対G6の駆動ギヤに噛合することにより、第2 入力軸13bに連結されている。

 この自動変速機の機能は、図1に示した自 動変速機の機能と同じであり、上述した制御 装置20が図2に示した制御プログラムを実行す ることにより、温度センサ21により検出され 潤滑油の温度Sが下限値S0以下の場合には、 御装置20がそのメモリに記憶させたモータ ジェネレータ15のモータ変換出力特性とエン ジン10のエンジン変換出力特性に基づき第1歯 車変速機構SM1と第2歯車変速機構SM2の各変速 を選択する。これにより、トルクセンサ22に より検出される駆動車輪19側の要求トルクよ 充分大きな出力トルクが電動機として作動 るモータ・ジェネレータ15の駆動トルクと ンジン10の駆動トルクが最終出力軸14に与え れ、駆動車輪19が駆動される。

10…エンジン、12…デュアルクラッチ、13a 第1入力軸、13b…第2入力軸、14,14a,14b…出力 (第1出力軸、第2出力軸)、15…モータ・ジェ レータ)、19…駆動車輪、20…制御装置、21… 度センサ、22…トルクセンサ、C1…第1摩擦 ラッチ、C2…第2摩擦クラッチ、SM1…第1歯車 速機構、SM2…第2歯車変速機構。