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Title:
CONTROLLER OF VEHICLE WITH HYDROSTATIC CONTINUOUSLY VARIABLE TRANSMISSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123376
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To prevent work efficiency from falling by judging the timing for suppressing overrun of a hydraulic motor, or the like, accurately. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] Based on a detected traveling direction of a vehicle and pressures (Pa, Pb) of a hydraulic pump (1) detected on the side of respective ports (1a, 1b), pressure difference ΔP between the pressure Pa of the hydraulic pump (1) on the delivery port (1a) side and the pressure Pb of the hydraulic pump (1) on the suction port (1b) side is calculated. At least any one of an engine (4) and the hydraulic pump (1) is controlled depending on the pressure difference ΔP thus calculated such that overrun of at least any one of the engine (4), the hydraulic pump (1) and a hydraulic motor (2) is suppressed.

Inventors:
FUKUDA YUJI (JP)
OHTSUKASA NARITOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055948
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOMATSU MFG CO LTD (JP)
FUKUDA YUJI (JP)
OHTSUKASA NARITOSHI (JP)
International Classes:
F16H61/16; F16H61/4008; F16H61/421; F16H61/431; F16H61/46; F16H61/468; F16H63/40; F16H59/44; F16H59/68; F16H61/42; F16H61/423; F16H61/433; F16H61/66
Foreign References:
JPH11210880A1999-08-03
JP2006007819A2006-01-12
JPH1162845A1999-03-05
JP2004028229A2004-01-29
Attorney, Agent or Firm:
KIMURA, Takahisa et al. (8-11Minato 1-chome, Chuo-ku, Tokyo 43, JP)
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Claims:
エンジン出力軸に連結される油圧ポンプと、駆動輪に連結される油圧モータと、前記油圧ポンプと前記油圧モータとを連通する閉回路とを含んで構成された静油圧式無段変速機(HST;Hydrostatic Transmission)を備えた車両に適用される車両の制御装置であって、
 車両の進行方向を検出する車両進行方向検出手段と、
 前記油圧ポンプの吐出ポート側と吸込みポート側の圧油の圧力を検出する圧力検出手段と、
 検出された車両進行方向と検出された油圧ポンプの吐出ポート側と吸込みポート側の検出圧とに基づいて、前記油圧ポンプの吐出ポート側の圧力と前記油圧ポンプの吸込みポート側の圧力との差圧を算出する差圧算出手段と、
 算出された差圧に応じて、前記エンジン、前記油圧ポンプ、前記油圧モータの少なくともいずれか一つのオーバーランが抑制されるように、前記エンジン、前記油圧ポンプの少なくともいずれかを制御する制御手段と
 を備えたことを特徴とする静油圧式無段変速機を備えた車両の制御装置。
前記制御手段は、前記油圧ポンプの容量を小さい値に制御することによって、オーバーランを抑制するものである
請求項1記載の静油圧式無段変速機を備えた車両の制御装置。
前記制御手段は、前記エンジンのスロットル量を小さい値に制御することによって、オーバーランを抑制するものである
請求項1記載の静油圧式無段変速機を備えた車両の制御装置。
エンジン出力軸に連結される油圧ポンプと、駆動輪に連結される油圧モータと、前記油圧ポンプと前記油圧モータとを連通する閉回路とを含んで構成された静油圧式無段変速(HST;Hydrostatic Transmission)を備えた車両に適用される車両の制御装置であって、
 車両の進行方向を検出する車両進行方向検出手段と、
 前記油圧ポンプの吐出ポート側と吸込みポート側の圧油の圧力を検出する圧力検出手段と、
 前記油圧モータの容量を制限することでシフトダウンが行なわれるシフトダウン手段と、
 前記シフトダウン手段にシフトダウンを行なわせることを指示するシフトダウン指示手段と、
 検出された車両進行方向と検出された油圧ポンプの吐出ポート側と吸込みポート側の検出圧とに基づいて、前記油圧ポンプの吐出ポート側の圧力と前記油圧ポンプの吸込みポート側の圧力との差圧を算出する差圧算出手段と、
 算出された差圧に応じて、前記シフトダウン指示手段の指示にかかわらず前記シフトダウン手段によるシフトダウンを禁止するように制御する制御手段と
 を備えたことを特徴とする静油圧式無段変速機を備えた車両の制御装置。
前記制御手段による制御を実行するための条件は、車速が所定しきい値よりも大きいという条件が更に付加されていること
 を特徴とする請求項1から4に記載の静油圧式無段変速機を備えた車両の制御装置。
Description:
静油圧式無段変速機を備えた車 の制御装置

 本発明は、静油圧式無段変速機(HST;Hydrosta tic Transmission)を備えた車両に適用される車両 の制御装置に関する。

 ホイールローダ、ホイール式ショベル、 ルドーザ、フォークリフト等の作業車両に 、静油圧式無段変速機(HST;Hydrostatic Transmissi on:以下、適宜、HSTという)と呼ばれるトラン ミッションが搭載されている。図7に示すよ に、エンジン4の出力軸に連結される油圧ポ ンプ1と、駆動輪5に連結される油圧モータ2、 油圧ポンプ1と油圧モータ2とを連通する閉回 3とによって閉回路のHSTが構成される。

 エンジン4によって油圧ポンプ1が駆動さ 、車両進行方向に応じて油圧ポンプ1の一方 ポート1aから圧油が吐出される。油圧ポン 1が吐出された圧油は、一方の油路3aを介し 圧油が油圧モータ2の一方のポート2aに流入 れる。これにより油圧モータ2が回転され駆 輪5が駆動される。油圧モータ2の他方のポ ト2bから圧油が流出され、他方の油路3bを介 て圧油が油圧ポンプ1の他方のポート1bに吸 まれる。

 このとき、HSTを搭載した車両が坂道を走行 ていると、車両が重力によって加速し、駆 輪5が油圧モータ2の駆動力以上に回される このため、油圧モータ2は、駆動輪5によって 回転駆動され高圧の圧油が吸込み側の油路3b 吐出される。すると、高圧の圧油が吸込み の油路3bを介して油圧ポンプ1のポート1bに 込まれ、油圧ポンプ1がエンジン4を回転駆動 することになる。このためエンジン4、油圧 ンプ1、油圧モータ2が定格の回転数を超えて 回転し(オーバーランし)、油膜切れ、キャビ ーション等の問題を引き起こすおそれがあ 。 
 また、車両が高速で降坂中、オペレータが フトダウン操作を行い、油圧モータ2の容量 が大きくなると、より大量の高圧の圧油が吸 込み側の油路3bに吐出される。すると、高圧 圧油が吸込み側の油路3bを介して油圧ポン 1のポート1bに押込まれ、油圧ポンプ1がエン ン4を回転駆動することになり、エンジン4 油圧ポンプ1のオーバーランが起こり易くな 。よって、シフトダウンの際は、エンジン4 または油圧ポンプ1が定格の回転数を超えな と判断した場合にシフトダウンを行う必要 ある。

下記特許文献1ないし3には、HSTを搭載した 両に関し、車速が所定値以上に達すると、 ーバーランを抑制したり、シフトダウンを 止するという発明が記載されている。

 特許文献1には、車速センサで検出された 車速と、予め設定された制限車速との差に応 じてHSTの油圧モータの容量を調整して、オー バーランを防止するという発明が記載されて いる。

 特許文献2には、車速センサで検出された 車速が所定値に達すると、HSTの油圧モータの 容量を所定の制動力が発生する容量まで増加 させて、オーバーランを防止するという発明 が記載されている。

 特許文献3には、HSTの油圧モータに連結され た車軸回転数センサで検出された車軸の回転 数(車速)が、油圧モータの許容回転数を超え 場合に、油圧モータの回転数を減少させて オーバーランを防止するという発明が記載 れている。また、この特許文献3には、シフ トダウンの操作が行なわれると、シフトダウ ンによりHSTの油圧モータの回転数が許容回転 数を超えるかどうかを判断し、許容回転数を 超えると判断した場合には、シフトダウンを 禁止し、油圧モータの回転数を減少させた後 、シフトダウンを実行し、オーバーランを防 止するという発明が記載されている。

特開2004-28229号公報

特開2001-235032号公報

特開平11-62845号公報

 上述した各特許文献に記載された発明は いずれも車速センサで検出された車速とオ バーラン制御を行なう条件である目標車速 より、車速が目標車速に達したことをもっ オーバーラン制御すべきと判定し、車速に 限を加える制御を行なうというものである

しかし、車速を判定条件にすると、坂道の 勾配や積載物(車重)などが変わったことによ 加速力が変化した場合、最適な制御ができ いことがある。

例えば、オーバーラン制御を行なう条件で ある、目標車速とオーバーランする車速との 差を狭くした場合、坂道の勾配が緩やかだっ たり、積載物(車重)が軽い場合には、車両が 道を走行する場合、車速が緩やかに上昇す ため、オーバーラン制御が正確にできる。 かし、逆に、坂道の勾配が急だったり、積 物(車重)が重い場合には、車速が急上昇す ため、制御のタイミングが遅れ、オーバー ンを引き起こす可能性がある。

また、逆に、オーバーラン制御を行なう条 件である、目標車速とオーバーランする車速 との差を広げ、坂道の勾配が急だったり、積 載物(車重)が重い場合を想定した目標車速を ットした場合、坂道の勾配が緩やかだった 、積載物(車重)が軽い場合には、早めにオ バーラン制御を行なってしまうため、低い 速からオーバーラン制御が行なわれてしま 。このため車速制御が必要でない時期に不 要に車速が抑えられてしまうため、走行に 間を要し、作業時間が長くなり、作業効率 損なわれることになる。

 本発明は、こうした実情に鑑みてなされ ものであり、油圧モータ等のオーバーラン 抑制すべき時期を正確に判定して、作業効 の低下を招かないようにすることを解決課 とするものである。

第1発明は、

エンジン出力軸に連結される油圧ポンプと、 駆動輪に連結される油圧モータと、前記油圧 ポンプと前記油圧モータとを連通する閉回路 とを含んで構成された静油圧式無段変速機(HS T;Hydrostatic Transmission)を備えた車両に適用さ る車両の制御装置であって、
 車両の進行方向を検出する車両進行方向検 手段と、
 前記油圧ポンプの吐出ポート側と吸込みポ ト側の圧油の圧力を検出する圧力検出手段 、
 検出された車両進行方向と検出された油圧 ンプの吐出ポート側と吸込みポート側の検 圧とに基づいて、前記油圧ポンプの吐出ポ ト側の圧力と前記油圧ポンプの吸込みポー 側の圧力との差圧を算出する差圧算出手段 、
 算出された差圧に応じて、前記エンジン、 記油圧ポンプ、前記油圧モータの少なくと いずれか一つのオーバーランが抑制される うに、前記エンジン、前記油圧ポンプの少 くともいずれかを制御する制御手段と
 を備えたことを特徴とする。

第2発明は、第1発明において、
前記制御手段は、前記油圧ポンプの容量を小 さい値に制御することによって、オーバーラ ンを抑制するものである
ことを特徴とする。

第3発明は、第1発明において、
前記制御手段は、前記エンジンのスロットル 量を小さい値に制御することによって、オー バーランを抑制するものである
ことを特徴とする。

第4発明は、
エンジン出力軸に連結される油圧ポンプと、 駆動輪に連結される油圧モータと、前記油圧 ポンプと前記油圧モータとを連通する閉回路 とを含んで構成された静油圧式無段変速(HST;H ydrostatic Transmission)を備えた車両に適用され 車両の制御装置であって、
 車両の進行方向を検出する車両進行方向検 手段と、
 前記油圧ポンプの吐出ポート側と吸込みポ ト側の圧油の圧力を検出する圧力検出手段 、
 前記油圧モータの容量を制限することでシ トダウンが行なわれるシフトダウン手段と
 前記シフトダウン手段にシフトダウンを行 わせることを指示するシフトダウン指示手 と、
 検出された車両進行方向と検出された油圧 ンプの吐出ポート側と吸込みポート側の検 圧とに基づいて、前記油圧ポンプの吐出ポ ト側の圧力と前記油圧ポンプの吸込みポー 側の圧力との差圧を算出する差圧算出手段 、
 算出された差圧に応じて、前記シフトダウ 指示手段の指示にかかわらず前記シフトダ ン手段によるシフトダウンを禁止するよう 制御する制御手段と
 を備えたことを特徴とする。

第5発明は、第1発明から第4発明において、
前記制御手段による制御を実行するための条 件は、車速が所定しきい値よりも大きいとい う条件が更に付加されていること
 を特徴とする。

第1発明では、図3Bに示すように、差圧算出 手段では、検出された車両進行方向F、N、Rと 検出された油圧ポンプ1の各ポート1a、1b側の 出圧Pa、Pbとに基づいて、油圧ポンプ1の吐 ポート側の圧力(Pa)と油圧ポンプ1の吸込みポ ート側の圧力(Pb)との差圧δPが算出される(図3 Bのステップ103、104、105)。

 そして、算出された差圧δPに応じて、油 ポンプ1のオーバーランが抑制されるように 、エンジン4、油圧ポンプ1の少なくともいず かが制御される(図3Bのステップ108、111)。

同様にして、エンジン4のオーバーランが 制されるように、エンジン4および/または油 圧ポンプ1が制御される。

同様にして、油圧モータ2のオーバーラン 抑制されるように、エンジン4および/または 油圧ポンプ1が制御される。

 具体的には、油圧ポンプ1の容量を小さい 値に制御することによって、オーバーランが 抑制される(第2発明)。具体的には、図2(b)に すように、1よりも小さいブレーキ率K2が読 出されて、HSTのブレーキ力が大きくなるよ に油圧ポンプ1の容量が小さい値に制限され 。

 また、エンジン4のスロットル量を小さい 値に制御することによって、オーバーランが 抑制される(第3発明)。具体的には、図2(c)に すように、1よりも小さいスロットル制御率K 3が読み出されて、エンジン4のスロットル量 小さい値に制御される。

 第4発明では、図3Bに示すように、差圧算 手段では、検出された車両進行方向F、N、R 検出された油圧ポンプ1の各ポート1a、1b側 検出圧Pa、Pbとに基づいて、同様に差圧δPが 出される(図3Bのステップ103、104、105)。

 そして、算出された差圧δPに応じて、シ トダウン指示手段31の指示にかかわらずシ トダウン手段11によるシフトダウンが禁止す るように制御される(図3Bのステップ109)。具 的には、図2(a)に示すように、シフトダウン 止の判定がなされ、これ以上HSTの変速比が くならないように油圧モータ2の容量が小さ い値に制限される。

 第5発明は、図3Bのステップ102に示すよう 、第1発明、第2発明、第3発明、第4発明にお いて、車速Vが所定しきい値Vthよりも大きい いう条件(ステップ102の判断NO)を更に付加し 上で、オーバーランを抑制する制御(第1発 )またはシフトダウンを禁止する制御(第2発 )またはオーバーランを抑制する制御とシフ ダウンを禁止する制御(第3発明)が行われる

本発明によれば、オーバーランを抑制する 制御を行なうタイミングを正確に判定するこ とができる。このため車両100が不必要に低い 速度で走行することが回避され、作業時間の 短縮が図られ、作業効率の低下が抑制される 。

以下、図面を参照して本発明の第1の実施 形態について説明する。

図1Aは、実施例の静油圧式無段変速機(HST;Hy drostatic Transmission)と、このHSTを制御するコン トローラ10と、操作装置30と、センサ41A、41B 42、43の構成を示している。これらHST、コン ローラ10、操作装置30、センサ40(41A、41B、42 43、44、45、46)は、車両100に搭載されている 車両100は、たとえばホイールローダ、ホイ ル式ショベル、ブルドーザ、フォークリフ 等の作業車両を想定している。

同図1Aに示すように、エンジン4の出力軸4a 、入力軸が連結される油圧ポンプ1と、駆動 輪5に駆動軸5aを介して、出力軸が連結される 油圧モータ2、油圧ポンプ1と油圧モータ2とを 連通する閉回路3とによって閉回路のHSTが構 されている。

閉回路3は、油路3aと油路3bとからなる。油 3aは、油圧ポンプ1の一方のポート1aと油圧 ータ2の一方のポート2aとを連通している。 路3bは、油圧ポンプ1の他方のポート1bと油圧 モータ2の他方のポート2bとを連通している。

油圧ポンプ1は、可変容量型で2方向流れ、1 方向回転型の油圧ポンプである。油圧ポンプ 1の斜板1cの傾転量は、容量調整弁6によって 整される。容量調整弁6は、電磁比例弁7A、7B から与えられる油圧信号に応じて駆動される 。電磁比例弁7Aに制御電流が加えられると、 磁比例弁7Aから油圧信号が容量調整弁6に加 られ、油圧ポンプ1の一方のポート1aから制 電流に応じた容量qp(cc/rev)の圧油が吐出され るように、油圧ポンプ1の斜板1cが駆動される 。同様に、電磁比例弁7Bに制御電流が加えら ると、電磁比例弁7Bから油圧信号が容量調 弁6に加えられ、油圧ポンプ1の他方のポート 1bから制御電流に応じた容量qp(cc/rev)の圧油が 吐出されるように、油圧ポンプ1の斜板1cが駆 動される。

油圧モータ2は、可変容量型で2方向流れ、2 方向回転型の油圧モータである。油圧モータ 2の斜板2cの傾転量は、容量調整弁8によって 整される。容量調整弁8は、電磁比例弁9から 与えられる油圧信号に応じて駆動される。電 磁比例弁9に制御電流が加えられると、電磁 例弁9から油圧信号が容量調整弁8に加えられ 、油圧モータ2の一方のポートから他方のポ トへ、制御電流に応じた容量qM(cc/rev)の圧油 流入出されるように、油圧モータ2の斜板2c 駆動される。

油圧ポンプ1の一方のポート1aが吐出ポート 側となるときに、駆動輪5が前進方向(F)側に 動され、油圧ポンプ1の他方のポート1bが吐 ポート側となるときに、駆動輪5が後進方向( R)側に駆動される。

コントローラ10は、モータ容量制限計算部1 1と、モータ制御電流計算部12と、インチング 率計算部14と、エンジン回転ポンプ容量指令 換部15と、降坂判定部16と、第1の乗算部18と 、第2の乗算部19と、ポンプ制御電流計算部20 から構成されている。降坂判定部16は、差 算出手段16aと、変速禁止判定部13と、ブレー キ率計算部17とを含んで構成されている。

本実施例のHSTでは、自動的に変速が行なわれ る。すなわち、油圧ポンプ1と油圧モータ2の 速比
r=qp/qM
を自動的に変化させることで、変速が行なわ れる。油圧モータ2の容量qMをより小さな値に 制限することで、油圧モータ2は高回転、低 ルクとなり、油圧ポンプ1と油圧モータ2の変 速比r(=qp/qM)が高くなり、シフトアップが行な われる。また油圧モータ2の容量qMをより大き な値に制限することで、油圧モータ2は低回 、高トルクとなり、油圧ポンプ1と油圧モー 2の変速比r(=qp/qM)が低くなり、シフトダウン が行なわれる。このような油圧モータ2の容 qMの制限値は、コントローラ10のモータ容量 限計算部11で演算される。つまりモータ容 制限計算部11は、シフトダウン手段を構成し ている。

また、本実施例のHSTでは、油圧ポンプ1の 量qpを小さくすることで、HSTブレーキをかけ るようにしている。すなわち、油圧ポンプ1 容量qpを小さくすることで、油圧モータ2の 転速度つまり車速が減速される。本実施例 は、後述するように、油圧ポンプ1の容量qp ブレーキ率K1またはK2を乗算することでHSTブ ーキをかけるようにしている。ブレーキ率K 1またはK2が1よりも小さくなるほど、HSTブレ キ力が大きくなる。なお、ブレーキ率K1は、 インチングペダル32の踏み込み量に対応する ンチング率で定められるブレーキ率のこと ある。また、ブレーキ率K2は、図2(b)で定義 れるブレーキ率のことである。

圧力センサ41A、41Bはそれぞれ、油路3a、3b 設けられている。圧力センサ41A、41Bはそれ れ、油圧ポンプ1のポート1a側、1b側の圧油の 圧力Pa、Pbを検出する。なお、圧力センサ41A 41Bは、自動変速のタイミングを決定するた に用いられるセンサとして、既存の車両に えられているものをそのまま利用すること できる。

エンジン回転数センサ42は、エンジン4の出 力軸4aに設けられている。エンジン回転数セ サ42は、エンジン4の回転数Neを検出する。

車速センサ43は、駆動輪5の駆動軸5aに設け れている。車速センサ43は、車両100の速度V 検出する。

操作装置30は、シフトダウン指示手段とし の速度調整ダイヤル31と、インチングペダ 32と、シフトレバー33とから構成されている 操作装置30は、車両100の運転室内に設けら ている。

速度調整ダイヤル31は、操作量に応じた速 までシフトダウンさせることを指示するシ トダウン指示手段を構成している。速度調 ダイヤル31の操作量は、ポテンショメータ46 にて検出され、シフトダウン手段としてのモ ータ容量制限計算部11に入力される。

インチングペダル32は、マニュアル操作に ってHSTブレーキをかけるために設けられて る。インチングペダル32の踏込み量に応じ ブレーキ率K1が変化し、油圧ポンプ1の容量qp が変化する。インチングペダル32には、イン ングペダル操作量検出センサ45が設けられ いる。インチングペダル操作量検出センサ45 は、インチングペダル32の踏込み操作量を検 する。

シフトレバー33は、車両100の前進走行(F)、 立(N)、後進走行(R)を選択するために設けら ている。シフトレバー33には、車両進行方 検出手段としてのシフト位置センサ44が設け られている。シフト位置センサ44は、シフト バー33で現在選択されている車両100の進行 向、つまり前進走行(F)、中立(N)、後進走行(R )を検出する。

図2(a)は、変速禁止判定部13に予め記憶され ているシフトダウン判定テーブルの内容を示 している。また、図2(b)は、ブレーキ計算部17 に予め記憶されているブレーキ率テーブルの 内容を示している。

図2(a)の横軸は、油圧ポンプ1の吐出ポート の圧力と吸込みポート側の圧力との差圧δP あり、縦軸は、シフトダウンの「禁止」の 定、シフトダウンの禁止の「解除」の判定 ある。差圧δPの大きさに応じて、シフトダ ンの禁止、または禁止の解除の判定がなさ る。差圧δPがP1以上の値をとるときシフト ウンの禁止の解除の判定がなされ、差圧δP P2以下の値をとるときシフトダウンの禁止の 判定がなされる。なお、差圧δPが0付近では ハンチングの防止のため、ヒステリシスを けている。

図2(b)の横軸は、同様に差圧δPであり、縦 は、ブレーキ率K2である。差圧δPの大きさに 応じて、ブレーキ率K2が変化する。差圧δPがP 3以上の値をとるときブレーキ率K2は1となり 差圧δPがP3よりも低い値をとるときブレーキ 率K2は1よりも小さくなる。

図3Aは、コントローラ10で行われる処理の 順を示したフローチャートである。以下、 図3Aを併せ参照してコントローラ10で行なわ る処理について説明する。

コントローラ10の降坂判定部16には、シフ 位置センサ44で検出されたシフトレバー33の 在の進行方向、つまり前進走行(F)、中立(N) 後進走行(R)が入力され、また圧力センサ41A 41Bで検出された油圧ポンプ1のポート1a側、1 b側の圧油の圧力Pa、Pbが入力される。また、 速センサ43で検出された車速Vが車速情報と て入力される(ステップ101)。

つぎに、車速Vが所定のしきい値Vthよりも大 いか否か、つまり、
V>Vth   …(1)
が成立している否かが判断される。

車速Vが所定のしきい値Vth以下である場合に (ステップ102の判断NO)、油圧ポンプ1の吐出ポ ート側の圧力と吸込みポート側の圧力との差 圧δPの大きさにかかわりなく、降坂判定部16 ブレーキ率計算部17でブレーキ率K2が強制的 に1に設定され、容量
qp=K1・qp´ …(2)
が得られるように油圧ポンプ1の容量が制御 れる(ステップ106)とともに、降坂判定部16の 速禁止判定部13で、油圧ポンプ1の吐出ポー 側の圧力と吸込みポート側の圧力との差圧 Pの大きさにかかわりなく、シフトダウン禁 が解除されるとの判定がなされ、速度調整 イヤル31で今回調整された変速比rにシフト ウンされるように、油圧モータ2の容量qMが 御される(ステップ107)。

すなわち、車両100が降坂中であっても積載 物が重く車重が大きいときには、車速Vが低 段階で、差圧δPが図2のしきい値(P3、P2)より 小さくなり、それによって車速Vが低い段階 で、車両100が不要に減速され、作業効率が損 なわれることになる。そこで、車速Vがしき 値Vthに達していない段階では、たとえ差圧δ Pがしきい値以下になったとしても、車両100 減速させる制御を行わないようにしたもの ある。

これに対して、車速Vが所定のしきい値Vth りも大きい場合には(ステップ102の判断YES)、 車両100を減速させる制御を許容するものとし て、つぎのステップ103に進む。

ここで車両100が降坂中であるか否かはつぎ のようにして判定することができる。

・ 車両100が前進走行で降坂
シフトレバー33の選択位置が前進走行(F)また 中立(N)、かつ
Pa<Pb   …(3)
・ 車両100が後進走行で降坂
シフトレバー33の選択位置が後進走行(R)、か
Pa>Pb   …(4)
 すなわち、HSTを搭載した車両100が坂道を下 とき、駆動輪5が重力によって回される。こ のため、たとえば車両100が前進走行している 場合、油圧モータ2が駆動輪5によって回転駆 され高圧Pbの圧油が吸込み側の油路3bに吐出 される。この結果、吸込み側の圧力Pbの方が 出側の圧力Paよりも大きくなる。車両後進 は、吸込み側の圧力Paの方が吐出側の圧力Pb りも大きくなる。

 そこで、車両100が前進進行方向Fであると きは(ステップ103の判断NO)、差圧δPを、δP=Pa-P bと定義して算出して、上記(3)式から、車両10 0が降坂中であるか判断すればよい(ステップ1 05)。一方、車両100が後進方向Rであるときは( テップ103の判断YES)、差圧δPを、δP=Pb-Paと定 義して算出して、上記(4)式から、車両100が降 坂中であるか判断すればよい(ステップ104)。 述の差圧δPの算出は、差圧算出手段16aによ て行われる。

車両100が前進走行Fのときには、油圧ポン 1の吐出ポート側の圧力Paと吸込みポート側 圧力Pbとの差圧δP(=Pa-Pb)に応じて、ブレーキ K2が図2(b)のブレーキ率テーブルより読み出 れる。また車両100が後進走行Rのときには、 油圧ポンプ1の吐出ポート側の圧力Pbと吸込み ポート側の圧力Paとの差圧δP(=Pb-Pa)に応じて ブレーキ率K2が図2(a)のブレーキ率テーブル り読み出される。この処理は、コントロー 10のブレーキ率計算部17で行われる。

コントローラ10のエンジン回転ポンプ容量 令変換部15には、回転数センサ42で検出され たエンジン回転数Neが入力され、エンジン回 数Neに対応する油圧ポンプ1の容量qp´に変換 される。エンジン回転数Neが大きくなるほど 圧ポンプ1の容量qp´が大きくなるように、 圧ポンプ1の容量qp´が求められる。

コントローラ10の第1の乗算部18では、油圧ポ プ1の容量qp´に、ブレーキ率K2を乗算して、
K2・qp´
を求める処理が行われる。

コントローラ10のインチング率計算部14に 、インチングペダル操作量検出センサ45で検 出されたインチングペダル32の踏込み操作量 入力され、このインチングペダル32の踏込 量に対応するインチング率、つまりブレー 率K1が求められる。インチングペダル32の踏 み量が大きくなるほど、ブレーキ率K1が小 くなり、HSTブレーキ力が大きくなるように ブレーキ率K1が求められる。

第2の乗算部19では、ブレーキ率K1と、ブレー 率K2が乗算されたポンプ容量K2・qp´とを乗 して、ポンプ容量qp、
qp=K1・K2・qp´ …(5)
を求める処理が行なわれる。

コントローラ10のポンプ制御電流計算部20 は、ブレーキ率K1およびK2が乗算されたポン 容量qp(=K1・K2・qp´)を油圧ポンプ1で得るた の制御電流が生成されて、電磁比例弁7Aまた は7Bに出力される。これにより油圧ポンプ1の 斜板1cの傾転量が調整されて、油圧ポンプ1の 容量qpが上記(5)式で示される容量に制限され 。ここで、差圧δPがしきい値P3以下となる ブレーキ率K2が1よりも小さくなり油圧ポン 1の容量qpは低い容量に制限される。これに り油圧ポンプ1の容量qpを制御し制限される この結果、油圧モータ2の回転速度、つまり 速も減速される。これにより、エンジン4お よび/または油圧ポンプ1および/または油圧モ ータ2のオーバーランが抑制される。これに して、差圧δPがしきい値P3よりも大きくなる と、上記ステップ106と同様にブレーキ率K2が1 に設定され、上記(2)式(qp=K1・qp´)のごとくブ ーキ率K1に応じて油圧ポンプ1の容量が制限 れることになる(ステップ108)。

一方、車両100が前進走行のときには、油圧 ポンプ1の吐出ポート側の圧力Paと吸込みポー ト側の圧力Pbとの差圧δP(=Pa-Pb)に応じて、シ トダウン禁止(または禁止の解除)の判定結果 が図2(a)のシフトダウン判定テーブルより読 出される。また車両100が後進走行のときに 、油圧ポンプ1の吐出ポート側の圧力Pbと吸 みポート側の圧力Paとの差圧δP(=Pb-Pa)に応じ 、シフトダウン禁止(または禁止の解除)の 定が図2(a)のシフトダウン判定テーブルより み出される。この処理は、コントローラ10 変速禁止判定部13で行われる。

差圧δPがしきい値P2以下となりシフトダウ 禁止の判定結果が図2(a)のシフトダウン判定 テーブルより読み出された場合について以下 説明する。

コントローラ10のモータ容量制御計算部11 は、センサ46で検出された速度調整ダイヤル 31の操作量が入力されるとともに、シフトダ ン禁止の判定結果が入力される。

速度調整ダイヤル31は、ダイヤル操作量に応 て、油圧ポンプ1と油圧モータ2の変速比
r=qp/qM
を調整するものである。シフトダウン禁止の 判定結果が入力された場合には、速度調整ダ イヤル31で今回、調整された変速比rが前回の 変速比r´よりも小さくシフトダウンがなされ る変速比であるときには、前回の変速比r´が 維持されシフトダウンが禁止されるように、 油圧モータ2の容量qMが小さい値に制限される 。

コントローラ10のモータ制御電流計算部12 は、ポンプ容量qp(=K1・K2・qp´)と、前回の変 比r´を用いてモータ容量qM(=qp/r´)が求めら 、この容量qMを油圧モータ2で得るための制 電流が生成されて、電磁比例弁9に出力され 。これにより油圧モータ2の斜板2cの傾転量 調整されて、油圧モータ2の容量が、シフト ダウンが禁止された低い容量に制限される。

一方、差圧δPがしきい値P1以上となりシフ ダウン禁止解除の判定結果が図2(a)のシフト ダウン判定テーブルより読み出された場合に は、上記ステップ107と同様に、速度調整ダイ ヤル31で今回、調整された変速比rにシフトダ ウンされるように、油圧モータ2の容量qMが制 御される(ステップ109)。

以上説明した実施例では、車速Vが所定の きい値Vth以下であるときに(ステップ102の判 NO)、ブレーキ率K2を強制的に1に設定すると もに(ステップ106)、強制的にシフトダウン 止解除とし(ステップ107)、車速Vが所定のし い値Vth以上であるときに(ステップ102の判断Y ES)、差圧δPに対応するブレーキ率K2をブレー 率テーブルから読み出す(ステップ108)とと に、差圧δPに対応するシフトダウン禁止(ま は禁止解除)判定結果をシフトダウン判定テ ーブルから読み出す(ステップ109)ようにして るが、車速Vの大きさの判定結果如何にかか わらず、差圧δPに対応するブレーキ率K2をブ ーキ率テーブルから読み出す(ステップ108) ともに、差圧δPに対応するシフトダウン禁 (または禁止解除)判定結果をシフトダウン判 定テーブルから読み出す(ステップ109)ような 施も可能である。

この場合のフローチャートは図4Aに示すご くなる。すなわち、図3Aにおける、車速Vの きさを判断するステップ102の処理およびブ ーキ率K2を強制的に1に設定するステップ106 びに強制的にシフトダウン禁止解除とする テップ107の処理が省略され、ステップ101の 理を終えるとステップ103、ステップ108、ス ップ109の手順で順次処理が行われる。

つぎに本実施例による効果について説明す る。

図5は、車両100が坂道を下っているときに 体に作用する力を示した図である。図5は、 重mの車両100が、勾配θの坂道を、重力mgに 応する力F=mg・sinθと、タイヤ摩擦、エンジ ブレーキ等に対応する力F´とが釣り合って 行している様子を示している。

図6(a)は、車両100が平坦地を前進走行して るときに圧力センサ41A、41Bそれぞれで検出 れる吐出側圧力Pa、吸込み側圧力Pbを、時間t の経過に応じて示した図である。

図6(b)は、車両100が前進走行しつつ下りの 道を降坂しているときに圧力センサ41A、41B れぞれで検出される吐出側圧力Pa、吸込み側 圧力Pbを、時間tの経過に応じて示した図であ る。図6(b)において、実線で示すL1は、坂道の 傾斜角θが小さいか、または/および車両100の 重量mが小さい場合の吸込み側圧力Pbの時間変 化を示し、破線で示すL2は、坂道の傾斜角θ 大きいか、または/および車両100の重量mが大 きい場合の吸込み側圧力Pbの時間変化を示し いる。

図5、図6(a)に示すように、車両100が平坦地 走行中には、重力によって車両100が下り方 に加速される度合いがほぼ0であるため、油 圧ポンプ1の吸込み側圧力Pbが吐出側圧力Paを 回ることがなく、車両降坂制御、シフトダ ンを禁止する制御は、行なわれない。

図5、図6(b)に示すように、坂道の傾斜角θ 小さいか、または/および車両100の重量mが小 さい場合には、重力によって車両100が下り方 向に加速される度合いが小さいため、吸込み 側圧力Pbが高圧になる時期が遅く、遅い時刻t 1で差圧δPがマイナスに転じしきい値(P3、P2) 下となるため、遅いタイミングで車両降坂 御、シフトダウンを禁止する制御が有効と り、オーバーランが防止される(実線L1)。こ に対して、坂道の傾斜角θが大きいか、ま は/および車両100の重量mが大きい場合には、 重力によって車両100が下り方向に加速される 度合いが大きいため、吸込み側圧力Pbが高圧 なる時期が早く、早い時刻t2で差圧δPがマ ナスに転じしきい値(P3、P2)以下となるため 早めに車両降坂制御、シフトダウンを禁止 る制御が有効となり、オーバーランが防止 れる(破線L2)。

このように本実施例によれば、オーバーラ ンを抑制する制御を行なうタイミングを正確 に判定することができる。このため車両100が 不必要に低い速度で走行することが回避され 、作業時間の短縮が図られ、作業効率の低下 が抑制される。

なお、本実施例では、車両降坂制御とシフ トダウンを禁止する制御の2つの制御を同時 行ないオーバーランを防止している。しか 、車両降坂制御、シフトダウンを禁止する 御のいずれか一方のみの制御でオーバーラ を防止することも可能である。

本実施例では、車両進行方向検出手段と、 油圧ポンプの吐出ポート側と吸込みポート側 の検出圧とに基づいて、油圧ポンプ1の容量 調整することにより、オーバーランを抑制 るようにしているが、図1Bに示すように、エ ンジン4を制御する電子装置50が車両100に搭載 されている場合には、エンジン4のスロット 量、つまりエンジン回転数を制限すること より、オーバーランを抑制してもよい。

図1Bは、前述の図1Aに対応する構成図であ 。

図1Bの構成に対応するフローチャートは、 3B、図4Bに示される。図3Bは、前述の図3Aに 応するフローチャートであり、図4Bは、前述 の図4Aに対応するフローチャートである。

図1Bに示すように、本実施例装置では、図1 Aの構成に対して、エンジン4のスロットル量 つまりエンジン回転数を制御するエンジン 御電子装置50が付加されるとともに、降坂 定部16にスロットル制限率計算部51が付加さ ている。

スロットル制限率計算部51では、図2(c)に例 示されるデータテーブルにしたがいスロット ル制限率K3が計算される。

図2(c)に示されるスロットル制限率テーブ は、前述の図2(b)に示すブレーキ率テーブル おいて、ブレーキ率K2をスロットル制限率K3 に置換したものであり、同様に、差圧δPに対 してスロットル制限率K3が対応づけられてい 。スロットル制限率テーブルは、差圧δPに じてエンジン4のスロットル量、つまりエン ジン回転数を制限するために設けられている 。スロットル制限率K3が1から小さくなるにつ れてエンジン4のスロットル量が絞られ、エ ジン回転数の上限値が低くなる。

図3Bに示すフローチャートでは、前述の図3 Aのフローチャートに対して、ステップ111、 テップ110が付加されている。

ステップ111では、前述のステップ108と同様 に、差圧δPに応じてスロットル制限率テーブ ルからスロットル制限率K3が読み出されてエ ジン4のスロットル量、つまりエンジン回転 数が制御される。

ステップ110では、前述のステップ106と同様 に、スロットル制限率K3が強制的に1に設定さ れて、エンジン4のスロットル量、つまりエ ジン回転数が制限される。

図4Bに示すフローチャートでは、前述の図4 Aのフローチャートに対して、図3Bのステップ 111が付加されている。

図3B、図4Bに示すように、前述の図3A、図4A 処理と同様に、ステップ104ないしはステッ 105に示される差圧δPを算出する処理を終え と、スロットル制限率計算部51では、図2(c) 示すスロットル制限率テーブルにしたがい 差圧δPに応じてスロットル制限率K3が計算 れる。スロットル制限率計算部51で計算され たスロットル制限率K3の情報はエンジン制御 子装置50に送られる。エンジン制御電子装 50は、送られてきたスロットル制限率K3に応 てエンジン4のスロットル量を調整してエン ジン回転数を制御する(図3B、図4Bのステップ1 11)。

また、図3Bに示すように、前述の図3Aの処 と同様に、車速Vの大きさがしきい値Vth以下 あると判断された場合(ステップ102の判断が NO)には、スロットル制限率K3が強制的に1に設 定され、同様にして、スロットル制限率K3の 報がエンジン制御電子装置50に送られる。 の結果、スロットル制限率K3に応じてエンジ ン4のスロットル量を調整してエンジン回転 を制御する(図3Bのステップ110)。

なお、本実施例では、図1A、図1Bに示すよ に、可変容量型の油圧ポンプ1と可変容量型 油圧モータ2とからなるHSTを想定して説明し たが、可変容量型の油圧ポンプ1と固定容量 の油圧モータ2とからなるHSTに、本発明を適 してもよく、固定容量型の油圧ポンプ1と可 変容量型の油圧モータ2とからなるHSTに、本 明を適用してもよい。

図1Aは、実施例のHSTと、このHSTを制御 るコントローラと、操作装置と、センサの 成図である。 図1Bは、図1Aと一部が異なる構成例で エンジン制御電子装置を用いてエンジンの 転数を制限する装置構成例である。 図2(a)は、シフトダウン判定テーブルの 内容を示した図で、図2(b)は、ブレーキ率テ ブルの内容を示した図で、図2(c)は、スロッ ル制限率テーブルの内容を示した図である 図3Aは、図1Aの構成に対応するフロー ャートである。 図3Bは、図1Bの構成に対応するフロー ャートである。 図4Aは、図1Aの構成に対応する他の実 例のフローチャートである。 図4Bは、図1Bの構成に対応する他の実 例のフローチャートである。 図5は、車両が坂道を下っているときに 車体に作用する力を示した図である。 図6(a)は、車両が前進走行しつつ車両が 平坦地を走行しているときに検出される吐出 側圧力、吸込み側圧力を、時間の経過に応じ て示した図で、図6(b)は、車両が前進走行し つ下りの坂道を降坂しているときに検出さ る吐出側圧力、吸込み側圧力を、時間の経 に応じて示した図である。 図7は、HSTの構成図である。

符号の説明

 1 油圧ポンプ、2 油圧モータ、3 閉回路 10 コントローラ、41A、41B圧力センサ、43  速センサ、44 シフト位置センサ