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Patent Searching and Data


Title:
CURABLE RESIN COMPOSITION FOR SEALING LIQUID CRYSTAL, AND METHOD FOR PRODUCTION OF LIQUID CRYSTAL DISPLAY PANEL USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102550
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a curable resin composition for sealing a liquid crystal, which can be used as a sealing agent for a liquid crystal. The curable resin composition comprises an acrylic resin and/or a (meth)acrylic modified epoxy resin having at least one epoxy group and at least one (meth)acrylate group per molecule, a thermal radical polymerization initiator and a filler. The viscosity of the curable resin composition is 50 to 500 Pa•s as measured at 25˚C and 1.0 rpm on an E-type viscometer, and is greater than 500 Pa•s as measured at 80˚C and 1.0 rpm on an E-type viscometer. The curable resin composition has a high curing rate, and therefore can prevent the leakage of a liquid crystal and the contamination in a liquid crystal. A liquid crystal sealing agent comprising the curable resin composition can be used for producing a high-quality liquid crystal display panel at a high productivity rate.

Inventors:
MIZUTA YASUSHI
NAKAMURA KENICHI
GOMI TOSHIKAZU
OTSUKA HIROAKI
MIYAWAKI TAKAHISA
Application Number:
PCT/JP2008/000273
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
MIZUTA YASUSHI
NAKAMURA KENICHI
GOMI TOSHIKAZU
OTSUKA HIROAKI
MIYAWAKI TAKAHISA
International Classes:
G02F1/1339; C08L33/14; C09J4/00; C09J11/06; C09J133/14; C09J163/10; C09K3/10
Foreign References:
JP2006023580A2006-01-26
JP2002088228A2002-03-27
JP2005263987A2005-09-29
JP2006023419A2006-01-26
Attorney, Agent or Firm:
WASHIDA, Kimihito (Shintoshicenter Bldg.24-1, Tsurumaki 1-chome,Tama-sh, Tokyo 34, JP)
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Claims:
 アクリル樹脂、および/または
 1分子内にエポキシ基および(メタ)アクリル基をそれぞれ1個以上有する(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂、
 熱ラジカル重合開始剤、ならびに
 フィラー
 を含み、E型粘度計で測定された25℃、1.0rpmでの粘度が50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa・sを超える液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記フィラーの、平均一次粒子径が1.5μm以下、比表面積が1~500m 2 /g、含有量が前記アクリル樹脂と(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂の合計100質量部に対して1~50質量部であり、
 [E型粘度計で測定された25℃、0.5rpmでの粘度]/[E型粘度計で測定された25℃、5.0rpmでの粘度]で定義されるチキソトロピー指数が、1.1~5.0である、請求項1に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記熱ラジカル重合開始剤の、一定温度で10時間熱分解反応した際に熱ラジカル重合開始剤濃度が半分となる温度で定義される10時間半減期温度が40~80℃である請求項1に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 1分子内にラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合を有するラジカル硬化性樹脂と、
 熱ラジカル重合開始剤と、
 ラジカル連鎖移動剤と、
 フィラーと、
 を含む、液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記ラジカル連鎖移動剤はチオール類である、請求項4に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記ラジカル連鎖移動剤であるチオール類は、数平均分子量が400~2000の2級チオール類である、請求項4に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は、E型粘度計で測定された25℃、1.0rpmでの粘度が50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa・sを超える、請求項4に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合と、水素結合性官能基と、エポキシ基を含む樹脂組成物、
 熱ラジカル重合開始剤、および
 フィラーを含む、液晶シール用硬化性樹脂組成物であって、
 前記樹脂組成物は、
 (1A)1分子内に水素結合性官能基と、ラジカル重合可能な2つの炭素-炭素二重結合を有し、前記水素結合性官能基量が1.5×10 -3 ~6.0×10 -3 mol/gであるラジカル反応性樹脂、
 (1B)1分子内に水素結合性官能基と、エポキシ基と、ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合を有し、前記水素結合性官能基量が1.0×10 -4 ~5.0×10 -3 mol/gであるラジカル反応性樹脂、および
 (1C)1分子内にエポキシ基を有するがラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合を有しないエポキシ樹脂であって、環球法による軟化点が40℃以上であり、重量平均分子量が500~5000であるエポキシ樹脂、
 からなる群より選ばれる2種以上の樹脂からなり、
 前記樹脂組成物中の水素結合性官能基量は、1.0×10 -4 ~6.0×10 -3 mol/gであり、
 前記樹脂組成物中のエポキシ基量は、1.0×10 -4 ~2.6×10 -3 mol/gである、液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記樹脂組成物中の水素結合性官能基は、水酸基である、請求項8に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記(1A)のラジカル反応性樹脂は、下記一般式(a1)または一般式(a2)で表される樹脂である、請求項8に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 [前記一般式(a1)中の、
 R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し;
 R m はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のアルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基を表し;
 nは1~4の整数を表し;
 lは1~4の整数を表し;
 Aは、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-SO 2 -、または-O-で表される有機基である]
 [前記一般式(a2)中の、
 R 5 、R 6 、R 7 、R 8 はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し;
 R q はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のアルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基を表し;
 rは1~4の整数を表し;
 pは1~4の整数を表す]
 前記(1A)のラジカル反応性樹脂は、下記一般式(a3)または一般式(a4)で表される樹脂である、請求項8に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 [前記一般式(a3)中の、
 R 1 、R 2 はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し;
 R m はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のアルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基を表し;
 nは1~4の整数を表し;
 Aは、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-SO 2 -、または-O-で表される有機基である]
 [前記一般式(a4)中の、
 R 5 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す]
 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は、E型粘度計で測定された25℃、1.0rpmでの粘度が50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa・sを超える、請求項8に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は、ラジカル連鎖移動剤をさらに含む、請求項8に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は、E型粘度計で測定された25℃、1.0rpmでの粘度が50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa・sを超える、請求項13に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 対向する2枚の基板が液晶シール用硬化性樹脂組成物を介して貼り合わされた液晶表示パネルの製造方法において、
 請求項1、4、または8に記載の液晶シール用硬化性樹脂組成物によって画素配列領域が包囲されるように形成された枠状の表示領域を含む第1の基板を準備する工程と、
 未硬化状態の前記表示領域内、またはもう一方の基板に液晶を滴下する工程と、
 前記第1の基板と、これに対向する第2の基板とを重ね合わせる工程と、
 加熱によって前記液晶シール用樹脂組成物を硬化させる工程と、を含む、液晶表示パネルの製造方法。
Description:
液晶シール用硬化性樹脂組成物 よび、これを使用した液晶表示パネルの製 方法

 本発明は、液晶シール用硬化性樹脂組成 および、これを使用した液晶表示パネルの 造方法に関する。

 近年、携帯電話をはじめ各種電子機器の 示パネルとして、薄型・軽量・高精細であ などの特徴から、液晶表示パネルが広く使 されている。液晶表示パネルは、2枚の基板 で挟み込まれた液晶の外周が液晶シール剤で 封止された構造を有しており、液晶に電圧を 印加して液晶の配向を制御し、透過する光の 変調を調節することによって画像を表示する 装置をいう。

 液晶表示パネルは、例えば、以下に示す うな液晶注入工法によって製造される。液 注入工法では、先ず、2枚の基板のうちいず れか一方に、液晶シール剤を塗布して枠を形 成してから、この枠状の液晶シール剤をプレ キュア処理によって乾燥させる。ここで、枠 の一部には液晶注入口となる切り欠き部を設 けておく。次に、2枚の基板を対向させて重 合わせてから、これを加熱圧締することに って基板同士を接着させる。これにより、2 の基板の間には液晶を封入するためのセル 形成される。そして、真空中で空のセル内 液晶注入口から液晶を注入した後、液晶シ ル剤などによって液晶注入口を封止するこ により液晶表示パネルが製造される。

 液晶注入工法用の液晶シール剤としては 例えば、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬 性の液晶シール剤(以下、単に熱硬化性シー ル剤と称する)が提案されている(例えば、特 文献1参照)。

 ところで、近年、電子機器の小型・薄型 高画質化などに伴って液晶表示パネルの需 が著しく増加している。そのため、液晶表 パネルの製造分野では、製品の高品質化や 造時間の短縮などを含めた生産性の向上が く望まれている。しかしながら、上記液晶 入工法では、液晶の注入時間が長いこと、 硬化性シール剤を硬化させるため、120~150℃ の温度で数時間の加熱処理が必要であること 、などの理由から生産性の低さが問題視され ている。

 これに対して、最近では、生産性の向上 実現し得る液晶表示パネルの製造方法とし 、液晶滴下工法が注目されている。液晶滴 工法は、通常、以下の工程から構成される 先ず、液晶表示パネルを構成する2枚の基板 のうちいずれか一方に、ディスペンサーやス クリーン印刷などによって液晶シール剤を塗 布し、液晶を充填する枠を形成する。次に、 この枠内に適量の液晶を滴下した後、高真空 中で未硬化状態の液晶シール剤を介して2枚 基板を重ね合わせる。そして、重ね合わせ 2枚の基板を大気圧に戻すなどして基板同士 貼り合わせてから、液晶シール剤を硬化さ ることによって2枚の基板の間に液晶が封入 された液晶表示パネルを製造する。なお、本 発明では、液晶シール剤によって作られる枠 をシール部またはシールパターンと称する。

 また、液晶滴下工法では、液晶シール剤 硬化時間の短縮などを目的として、光およ 熱硬化性の液晶シール剤を使い、紫外線な を液晶シール剤に照射して液晶シール剤を 硬化させてから、加熱による後硬化を行う 法が採用されている(例えば、特許文献2、3 照)。当該液晶滴下工法によると、従来の液 晶注入工法と比べて、短時間で液晶を基板間 に封入することができ、かつ液晶シール剤の 硬化時間が短縮されるため生産性が向上する から、最近では、液晶表示パネルの製造方法 として主流となりつつある。

 ところが、年々高まる、携帯電話に搭載 れるような小型パネルの配線の複雑化に伴 て、シールパターンと配線などが重なり合 、シールパターンに光が直接当たらない遮 部分が生じやすくなっている。しかしなが 、遮光部分では液晶シール剤の硬化が不十 となるため、加熱による後硬化時に、液晶 シールパターンに侵入してシールパターン 変形したり、液晶がシールパターンを突き って漏洩したりするような液晶のリークが 発している。液晶がリークすると、液晶表 パネルの表示特性が著しく低下するため大 な問題となる。

 さらに、未硬化状態の液晶シール剤に液 が接触すると、未硬化の液晶シール剤が液 に溶け出し、液晶が汚染されやすくなるが 液晶の汚染もまた液晶表示パネルの表示特 を著しく低下させる。したがって、液晶の ークや液晶の汚染が抑制され得る液晶シー 剤の提案が望まれている。

 今までに、液晶のリークを改善し得る液 シール剤として、例えば、E型粘度計による 25℃、1.0rpmの測定条件下での粘度が200~400Pa・s であって、80℃、1.0rpmの測定条件下での粘度 20~500Pa・sである、液晶表示素子用硬化性樹 組成物が提案されている(例えば、特許文献 4、5参照)。また、遮光部分でも十分に硬化し 得る液晶シール剤として、例えば、光硬化性 樹脂、光ラジカル重合開始剤、およびジスル フィド結合を有するラジカル連鎖移動剤を含 む液晶シール剤が提案されている(例えば、 許文献6参照)。

 また、特許文献7には、液晶の汚染を低く抑 える液晶シール剤として、1分子内の水素結 性官能基量が3.5×10 -3 以上である液晶シール用熱硬化性樹脂が提案 されている。当該文献における1分子内の水 結合性官能基量は、水素結合性官能基数/分 量で定義され、この値が3.5×10 -3 以上である樹脂は、液晶への親和性が低いた め、液晶シール剤としたときの液晶汚染性を 低減することができるとある。

国際公開第2004/039885号パンフレット

特開2001-133794号公報

特開2002-214626号公報

特開2005-308811号公報

特開2006-023580号公報

特開2006-030481号公報

特開2005-308813号公報

 しかしながら、近年、情報量の増加に伴 て、液晶表示パネルの高精細化がよりいっ う進んでおり、液晶表示パネル上の遮光部 の割合が増加している。前述した各文献で 示されているような従来の技術では、加熱 化時のシール部の変形や、シール部への液 のリークを十分に抑えるに至っていない。 た、特許文献6のような光ラジカルによる高 活性エネルギーを利用した液晶シール剤では 、現在の高精細化において未硬化部分を残さ ずに液晶シール剤を硬化させることが難しい 。

 遮光部分での液晶シール剤の未硬化を低 する有用な方法としては、1)光の照射具合 考慮しながらシールパターンを設計するこ 、2)液晶滴下工法で液晶シール剤を硬化させ る際の紫外線照射を加熱に変更すること、な どの方法が考えられる。しかしながら、1)の 法は、パネル設計に制約が生じてしまうた 好ましくない。また、従来から、光硬化性 液晶シール剤では、紫外線照射用の設備コ トやエネルギーコストがかかるため、製造 スト面が問題視されている。一方、2)の方 は、一般に、熱硬化反応は光硬化反応より く、また加熱時に樹脂の粘度が低下しやす 。そのため、従来から熱硬化性樹脂を使っ 液晶シール剤では、液晶リークの問題を解 することが困難であるという問題を抱えて る。

 これを受けて、本発明者らは、耐リーク に優れる液晶シール剤の予備検討を行った その結果、1)熱硬化時の液晶シール剤の粘 、2)ラジカル連鎖移動剤や液晶シール剤に含 まれる硬化性樹脂などに応じた液晶シール剤 の組成が、硬化性や耐リーク性に影響するこ とを見出した。

 また、本発明者らは当該予備検討の中で、 許文献7に開示されている液晶シール剤の耐 リーク性を検討したところ、耐リーク性が十 分でないことを明らかにした。本検討ではさ らに、同文献の比較例に記載されている、水 素結合性官能基量が2.1×10 -3 であって、エポキシ基量が2.9×10 -3 である樹脂を含む液晶シール剤についても耐 リーク性を検討したが、当該シール剤の耐リ ーク性も十分ではないことが明らかになった 。

 そこで、本発明は上記課題に鑑みて、液 のリークおよび液晶の汚染が抑制され得る 晶シール用硬化性樹脂組成物および、当該 晶シール用硬化性樹脂組成物を使って、生 性の高さを保持しながら高品質の液晶表示 ネルを製造する方法を提供することを目的 する。

 本発明者らは、鋭意検討の結果、樹脂組成 の組成、また熱硬化時の樹脂組成物の粘度 着目し、本発明を完成させた。すなわち、 記課題は本発明の液晶シール用硬化性樹脂 成物により解決される。
 [1] アクリル樹脂、および/または1分子内に エポキシ基および(メタ)アクリル基をそれぞ 1個以上有する(メタ)アクリル変性エポキシ 脂、熱ラジカル重合開始剤、ならびにフィ ーを含み、E型粘度計で測定された25℃、1.0r pmでの粘度が50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmで 粘度が500Pa・sを超える液晶シール用硬化性 脂組成物。
 [2] 前記フィラーの、平均一次粒子径が1.5μ m以下、比表面積が1~500m 2 /g、含有量が前記アクリル樹脂と(メタ)アク ル変性エポキシ樹脂の合計100質量部に対し 1~50質量部であり、[E型粘度計で測定された25 ℃、0.5rpmでの粘度]/[E型粘度計で測定された25 ℃、5.0rpmでの粘度]で定義されるチキソトロ ー指数が、1.1~5.0である、[1]に記載の液晶シ ル用硬化性樹脂組成物。
 [3] 前記熱ラジカル重合開始剤の、一定温 で10時間熱分解反応した際に熱ラジカル重合 開始剤濃度が半分となる温度で定義される10 間半減期温度が40~80℃である[1]または[2]に 載の液晶シール用硬化性樹脂組成物。

 [4] 1分子内にラジカル重合可能な炭素-炭素 二重結合を有するラジカル硬化性樹脂と、熱 ラジカル重合開始剤と、ラジカル連鎖移動剤 と、フィラーと、を含む、液晶シール用硬化 性樹脂組成物。
 [5]前記ラジカル連鎖移動剤はチオール類で る、[4]に記載の液晶シール用硬化性樹脂組 物。
 [6] 前記ラジカル連鎖移動剤であるチオー 類は、数平均分子量が400~2000の2級チオール である、[4]または[5]に記載の液晶シール用 化性樹脂組成物。
 [7] 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は E型粘度計で測定された25℃、1.0rpmでの粘度 50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa sを超える、[4]~[6]のいずれかに記載の液晶 ール用硬化性樹脂組成物。

 [8] ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合 、水素結合性官能基と、エポキシ基を含む 脂組成物、熱ラジカル重合開始剤、および ィラーを含む、液晶シール用硬化性樹脂組 物であって、前記樹脂組成物は、(1A)1分子 に水素結合性官能基と、ラジカル重合可能 2つの炭素-炭素二重結合を有し、前記水素結 合性官能基量が1.5×10 -3 ~6.0×10 -3 mol/gであるラジカル反応性樹脂、(1B)1分子内 水素結合性官能基と、エポキシ基と、ラジ ル重合可能な炭素-炭素二重結合を有し、前 水素結合性官能基量が1.0×10 -4 ~5.0×10 -3 mol/gであるラジカル反応性樹脂、および(1C)1 子内にエポキシ基を有するがラジカル重合 能な炭素-炭素二重結合を有しないエポキシ 脂であって、環球法による軟化点が40℃以 であり、重量平均分子量が500~5000であるエポ キシ樹脂、からなる群より選ばれる2種以上 樹脂からなり、前記樹脂組成物中の水素結 性官能基量は、1.0×10 -4 ~6.0×10 -3 mol/gであり、前記樹脂組成物中のエポキシ基 は、1.0×10 -4 ~2.6×10 -3 mol/gである、液晶シール用硬化性樹脂組成物
 [9] 前記樹脂組成物中の水素結合性官能基 、水酸基である、[8]に記載の液晶シール用 化性樹脂組成物。
 [10] 前記(1A)のラジカル反応性樹脂は、下記 一般式(a1)または一般式(a2)で表される樹脂で る、[8]または[9]に記載の液晶シール用硬化 樹脂組成物。
                     ・・・・一般 式(a1)
 前記一般式(a1)中の、
 R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 を表し;
 R m は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のア ルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシ アルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基 を表し;
 nは、1~4の整数を表し;
 lは、1~4の整数を表し;
 Aは、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-SO 2 -、または-O-で表される有機基を表す。
                     ・・・・一般 式(a2)
 前記一般式(a2)中の、
 R 5 、R 6 、R 7 、R 8 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 を表し;
 R q は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のア ルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシ アルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基 を表し;
 rは、1~4の整数を表し;
 pは、1~4の整数を表す。
 [11] 前記(1A)のラジカル反応性樹脂は、下記 一般式(a3)または一般式(a4)で表される樹脂で る、[8]~[10]のいずれかに記載の液晶シール 硬化性樹脂組成物。
                     ・・・・一般 式(a3)
 前記一般式(a3)中の、
 R 1 、R 2 はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を 表し;
 R m は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のア ルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシ アルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基 を表し;
 nは、1~4の整数を表し;
 Aは、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-SO 2 -、または-O-で表される有機基を表す。
                     ・・・・一般 式(a4)
 前記一般式(a4)中の、
 R 5 、R 6 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 を表す。
 [12] 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は E型粘度計で測定された25℃、1.0rpmでの粘度 50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa ・sを超える、[8]に記載の液晶シール用硬化 樹脂組成物。
 [13] 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は ラジカル連鎖移動剤をさらに含む、[8]に記 の液晶シール用硬化性樹脂組成物。
 [14] 前記液晶シール用硬化性樹脂組成物は E型粘度計で測定された25℃、1.0rpmでの粘度 50~500Pa・sであり、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa ・sを超える、[13]に記載の液晶シール用硬化 樹脂組成物。

 また、上記課題は、本発明の液晶表示パネ の製造方法により解決される。
 [15] 対向する2枚の基板が液晶シール用硬化 性樹脂組成物を介して貼り合わされた液晶表 示パネルの製造方法において、上記[1]、[4]、 または[8]に記載の液晶シール用硬化性樹脂組 成物によって画素配列領域が包囲されるよう に形成された枠状の表示領域を含む第1の基 を準備する工程と、未硬化状態の前記表示 域内、またはもう一方の基板に液晶を滴下 る工程と、前記第1の基板と、これに対向す 第2の基板とを重ね合わせる工程と、加熱に よって前記液晶シール用樹脂組成物を硬化さ せる工程と、を含む、液晶表示パネルの製造 方法。

 本発明により、液晶のリークおよび液晶 汚染が抑制され得る液晶シール用硬化性樹 組成物および、この樹脂組成物を使って、 産性の高さを保持しながら高品質の液晶表 パネルを製造する方法を提供できる。

 次に、本発明を詳細に説明する。以下の 明では、数値範囲を「~」で規定するが、本 発明の「~」はその境界値を含む。例えば、 10~100」とは、10以上100以下を意味する。

 本発明の「液晶シール用」とは、「液晶 シールするために使用する」という意味で り、「液晶をシールする」とは、「液晶を る空間に封入する」という意味である。し がって、本発明でいう「液晶シール用硬化 樹脂組成物」は、一般的に「液晶シール剤 と呼ばれるものと同じものを意味する。「 晶シール剤」は、液晶表示パネルにおいて 2枚の基板の間に液晶を封入し、また2枚の 板を貼り合わせるための接着剤としても作 する。また、液晶シール剤のうち、液晶滴 工法に使用されるものを、本発明では、「 晶滴下工法用液晶シール剤」と呼ぶことも る。さらに、以下の説明では、「液晶シー 用硬化性樹脂組成物」を、「組成物」、「 晶シール剤」または「シール剤」と呼ぶこ もある。

 1.液晶シール用硬化性樹脂組成物
 本発明の第一の液晶シール用硬化性樹脂組 物は、(1)アクリル樹脂、および/または(2)一 分子内にエポキシ基および(メタ)アクリル基 少なくともそれぞれ1個有する(メタ)アクリ 変性エポキシ樹脂、(3)熱ラジカル重合開始 、および(4)フィラーを含み、E型粘度計で測 定された25℃、1.0rpmでの粘度が50~500Pa・sであ 、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa・sを超えるこ を特徴とする。本発明では、アクリル基、 タクリル基を合わせて(メタ)アクリル基とい う。また、上記特徴を持つ本発明の液晶シー ル用硬化性樹脂組成物を、「液晶シール用硬 化性樹脂組成物I」または「樹脂組成物I」と 呼ぶ。

 上記の粘度は、E型回転粘度計(例えばBROOK FIEL社製のデジタルレオメータ型式DII-III ULTRA )を使い、半径12mm、角度3°のCP-52型コーンプ ート型センサを使って回転数1.0rpmとして測 する。この際、所定の温度で測定するが、25 ℃での粘度とは、液晶シール用硬化性樹脂組 成物Iを25℃で5分間放置した後に上記方法に り測定した粘度である。80℃での粘度とは、 上記組成物をE型回転粘度計のカップの中に れ、昇温速度5℃/分で80℃まで昇温させて、 の後5分間80℃で放置した後、上記方法で測 した粘度である。

 上記E型回転粘度計での1.0rpmでの粘度が780 Pa・sを超える場合は、パラレルプレート法で 測定することが好ましい。上記E型回転粘度 は、ロータコード5を使った場合、約780Pa・s 測定限界となるためである。パラレルプレ ト法による測定は、例えば、RheoStress RS150(H AAKE製)などの粘弾性型測定器を使って、その 種の標準法に準じて行えばよい。

 液晶シール用硬化性樹脂組成物Iは、25℃ 1.0rpmでの粘度が50~500Pa・sであり、80℃、1.0rp mでの粘度が500Pa・sを超えることを特徴とす が、より好ましくは、25℃、1.0rpmでの粘度が 100~400Pa・sである。このような組成物は、液 シール剤として基板に塗布する工程におい 、液晶シール剤に含まれている気泡を除去 ることが容易となるため、高品質の液晶表 パネルを与え得る。

 また、前述の通り、液晶シール用硬化性 脂組成物Iは、80℃、1.0rpmでの粘度が500Pa・s り大きいことを特徴とする。一般に、熱硬 性樹脂は、加熱による硬化時に、樹脂の粘 がいったん低下した後、硬化反応が進行す につれて再び粘度が上昇する。通常、液晶 示パネルの製造時における液晶シール剤の 化温度は、80~150℃程度である。既に述べた うに、当該硬化工程において組成物の粘度 低下しすぎると、液晶のリークなどの問題 発生する。

 したがって、液晶のリークを防ぐ(耐リーク 性を向上させる)ためには、加熱硬化時の組 物の粘度低下を抑制することが有効な手段 なりうる。加熱硬化時の組成物の粘度低下 抑えるためには、当該粘度低下が起こる前 組成物の硬化反応を進めて、組成物の粘度 上昇させることが有効である。また、液晶 リークを抑えるためには、80℃、1.0rpmでの組 成物の粘度が500Pa・sであるということがひと つの目安となる。そこで、本発明の樹脂組成 物Iは、後述するように10時間半減期温度が所 定範囲の熱ラジカル重合開始剤を使用するこ となどして、組成物の硬化が促進されるよう 組成設計を行っている。これにより、当該組 成物の80℃、1.0rpmでの粘度は500Pa・sより大き なり、粘度低下が起こる前に組成物の粘度 上昇させることができるため、加熱硬化時 粘度低下が抑えられる。ここで、組成物の 度低下をより低く抑えるという観点から、 記80℃での粘度は10 3 ~10 9 Pa・sであることが好ましく、10 3 ~10 7 Pa・sであることがより好ましい。

 さらに、液晶シール用硬化性樹脂組成物I は、[25℃、0.5rpmでの粘度]/[25℃、5.0rpmでの粘 ]で定義されるチキソトロピー指数が1.1~5.0 あり、好ましくは1.2~2.5である。チキソトロ ー指数とは、比較的低いせん断速度で測定 た粘度と比較的高いせん断速度で測定した 度との比である。この値が高いと、その流 は、低せん断速度下では高粘度であるが、 せん断速度下では低粘度としてふるまう。

 液晶表示パネルを製造する場合、液晶シ ル剤を基板に塗布する工程では、液晶シー 剤は比較的高いせん断速度の状況下におか るが、その後基板を重ね合わせて後硬化す 工程では、液晶シール剤は極めて低いせん 速度の状況下におかれる。ここで、液晶シ ル剤を基板に塗布する工程(高せん断速度領 域)では、塗布が容易であり、かつ液晶シー 剤の脱泡が容易である必要があるため、液 シール剤は低粘度であることが好ましい。 た、硬化過程(低せん断領域)では、前述の通 り、液晶のリークを起こさないため、液晶シ ール剤は高粘度であることが好ましい。この ような観点から、液晶シール用硬化性樹脂組 成物Iは、液晶シール剤とした際の塗布性、 泡性、信頼性を良好とするため、チキソト ピー指数を上記の範囲としている。

 当該組成物Iは、(1)アクリル樹脂、および /または(2)一分子内にエポキシ基および(メタ) アクリル基を少なくともそれぞれ1個有する( タ)アクリル変性エポキシ樹脂をベース樹脂 とし、これに(3)熱ラジカル重合開始剤、(4)フ ィラーを含むことを特徴とするが、未硬化状 態の主剤(硬化性樹脂)と硬化剤(硬化促進剤) 混合してある、いわゆる一液硬化性樹脂組 物である。一液硬化性樹脂組成物は使用に して主剤と硬化剤を混合する必要がないの 作業性に優れる。

 次に、本発明の液晶シール用硬化性樹脂 成物Iにかかる各成分について説明する。

 (1)アクリル樹脂
 本発明のアクリル樹脂とは、アクリル酸エ テルおよび/またはメタクリル酸エステルモ ノマー、またはこれらのオリゴマーをいう。 これらの例には、以下のものが含まれる。

 ポリエチレングリコール、プロピレング コール、ポリプロピレングリコールなどの アクリレートおよび/またはジメタクリレー ト;トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレ トのジアクリレートおよび/またはジメタク リレート;ネオペンチルグリコール1モルに4モ ル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピ レンオキサイドを付加して得たジオールのジ アクリレートおよび/またはジメタクリレー ;ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオ サイド若しくはプロピレンオキサイドを付 して得たジオールのジアクリレートおよび/ またはジメタクリレート;トリメチロールプ パン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド 若しくはプロピレンオキサイドを付加して得 たトリオールのジまたはトリアクリレートお よび/またはジまたはトリメタクリレート;ビ フェノールA1モルに4モル以上のエチレンオ サイド若しくはプロピレンオキサイドを付 して得たジオールのジアクリレートおよび/ またはジメタクリレート;トリス(2-ヒドロキ エチル)イソシアヌレートトリアクリレート よび/またはトリメタクリレート;トリメチ ールプロパントリアクリレートおよび/また トリメタクリレート、またはそのオリゴマ ;ペンタエリスリトールトリアクリレートお よび/またはトリメタクリレート、またはそ オリゴマー;ジペンタエリスリトールのポリ クリレートおよび/またはポリメタクリレー ト;トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレ ート;カプロラクトン変性トリス(アクリロキ エチル)イソシアヌレート;カプロラクトン 性トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌ レート;アルキル変性ジペンタエリスリトー のポリアクリレートおよび/またはポリメタ リレート;カプロラクトン変性ジペンタエリ スリトールのポリアクリレートおよび/また ポリメタクリレート;ヒドロキシピバリン酸 オペンチルグリコールジアクリレートおよ /またはジメタクリレート;カプロラクトン 性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ ールジアクリレートおよび/またはジメタク レート;エチレンオキサイド変性リン酸アク リレートおよび/またはジメタクリレート;エ レンオキサイド変性アルキル化リン酸アク レートおよび/またはジメタクリレート;ネ ペンチルグルコール、トリメチロールプロ ン、ペンタエリスリトールのオリゴアクリ ートおよび/またはオリゴメタクリレートな 。

 また、上記アクリル樹脂の具体例には、 レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェ ールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型 ポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポ シ樹脂、トリフェノールエタン型エポキシ 脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ジ ェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロ ンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型 ポキシ樹脂などの総てのエポキシ基を(メタ) アクリル酸と反応させて得られる、エポキシ 樹脂を完全に(メタ)アクリル化した樹脂も含 れる。さらに、本発明のアクリル樹脂は、 洗法などによって高純度化されているもの 好ましい。

 本発明のアクリル樹脂は、数平均分子量が3 00~2000の範囲にあり、かつFedorsの理論溶解度 ラメータ(sp値)が、10.0~13.0(cal/cm 3 ) 1/2 の範囲にあることが好ましい。このようなア クリル樹脂は、液晶に対する溶解性、拡散性 が低くなるため、当該樹脂を含む液晶シール 剤は、表示特性が良好な液晶表示パネルを与 え得るので好ましい。また、後述の(6)エポキ シ樹脂に対する相溶性も良好となるため、均 質な液晶シール剤を与え得る。上記数平均分 子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロ マトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを 準として測定できる。

 溶解度パラメータ(sp値)の算出方法として は、さまざまな手法や計算方法が存在するが 、本発明の理論溶解度パラメータは、Fedorsが 考案した計算法に基づくものが好ましい(日 接着学会誌、vol.22、no.10(1986)(53)(566)など参照 )。当該計算法は密度の値を必要としないた 、溶解度パラメータを容易に算出すること できるためである。上記Fedorsの理論溶解度 ラメータは、以下の式で算出される。

 溶解度パラメータが上記範囲内にあると 上記アクリル樹脂の液晶に対する溶解性が さく、液晶に対する汚染性が抑制されるた 、液晶表示パネルの表示特性が良好となる で好ましい。

 当該アクリル樹脂は、上述したものを数種 組み合わせた混合物であってもよい。この 合、これらの混合組成物の全体としての理 溶解度パラメータは、混合される各アクリ 酸エステルモノマーおよび/またはメタクリ ル酸エステルモノマー、あるいはこれらのオ リゴマーのモル分率の和に基づいて算出する ことができる。当該値は、上述の10.0~13.0(cal/c m 3 ) 1/2 であることが好ましい。

 数平均分子量が300~2000で、かつ、Fedorsの理 溶解度パラメータが10.0~13.0(cal/cm 3 ) 1/2 の範囲内であるアクリル樹脂の例には、ペン タエリスリトールテトラアクリレート(数平 分子量:352、sp値12.1)が挙げられる。

 (2)一分子内にエポキシ基および(メタ)アク ル基をそれぞれ1個以上有する(メタ)アクリ 変性エポキシ樹脂
 本発明の「一分子内にエポキシ基および(メ タ)アクリル基をそれぞれ1個以上有する(メタ )アクリル変性エポキシ樹脂(単に、「変性エ キシ樹脂」ともいう)」は、一分子内に(メ )アクリル基とエポキシ基とを併せ持つ化合 をいう。

 変性エポキシ樹脂の例には、ビスフェノ ル型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ 脂などのエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸 フェニルメタクリレートを、例えば、塩基 触媒下で反応することにより得られる樹脂 含まれる。

 上記変性エポキシ樹脂の原料となるエポ シ樹脂の例には、クレゾールノボラック型 ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ シ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、 ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリフェ ールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノー エタン型エポキシ樹脂、トリスフェノール エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エ キシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂など 含まれる。

 中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などの分 内にエポキシ基を2つ有する二官能性エポキ 樹脂と、アクリル酸をエポキシ基とアクリ 酸がほぼ1:1となるモル比率で反応させて得 れる樹脂が好ましい。また、上記エポキシ 脂は、分子蒸留法、洗浄法などにより高純 化されていることが好ましい。

 上記変性エポキシ樹脂は、樹脂骨格内に ポキシ基と(メタ)アクリル基を併せ持って るため、液晶シール用硬化性樹脂組成物中 (1)アクリル樹脂と、後述する(6)エポキシ樹 との相溶性に優れる。そのため、ガラス転 温度(Tg)が高く、かつ接着性に優れる組成物 硬化物を与え得る。組成物の硬化物が接着 に優れるということは、当該硬化物と基板 の接着強度が高いことを意味するため、高 質の液晶表示パネルを与え得る。

 本発明において、(1)アクリル樹脂および( 2)変性エポキシ樹脂は、任意の比率で使用す ばよい。その中には、a)(2)の変性エポキシ 脂を使わずに、(1)のアクリル樹脂のみを使 形態や、b)(1)のアクリル樹脂を使わずに、(2) の変性エポキシ樹脂のみを使う形態が含まれ る。この場合、a)の場合、耐リーク性が良好 液晶シール用硬化性樹脂組成物を与え得る b)の場合、(2)の変性エポキシ樹脂と、後述 (5)エポキシ硬化剤とを適宜組み合せること より、接着強度が大きな液晶シール用硬化 樹脂組成物を与え得る。本発明では、液晶 ール剤の特性のうち、基板のような被接着 象部材に対する液晶シール剤の接着強度が きいことを、接着信頼性に優れるという。

 また、(1)アクリル樹脂および(2)変性エポ シ樹脂は併用してもよい。各樹脂の混合比 、重量比にして(1)アクリル樹脂:(2)変性エポ キシ樹脂=10~70:90~30であることが好ましく、20~ 50:80~50であることがより好ましい。これによ 、接着信頼性に優れる液晶シール用硬化性 脂組成物を与え得る。また、本発明では、( 1)アクリル樹脂と(2)変性エポキシ樹脂とを合 せた樹脂組成物を、「樹脂ユニット」と呼 ことがある。

 (3)熱ラジカル重合開始剤
 熱ラジカル重合開始剤とは、加熱されてラ カルを発生する化合物、すなわち、熱エネ ギーを吸収し、分解してラジカル種を発生 る化合物をいう。このような熱ラジカル重 開始剤は、基板を貼り合わせた後に、加熱 より液晶シール剤を硬化させる場合に好適 ある。

 熱ラジカル重合開始剤は、その10時間半 期温度が30~80℃の範囲内であることが好まし く、より好ましくは40~80℃であり、特に好ま くは50~70℃である。10時間半減期温度とは、 熱ラジカル重合開始剤を不活性ガスの下、一 定の温度で10時間、熱分解反応を行った際に 熱ラジカル重合開始剤の濃度が元の半分に るときの温度である。10時間半減期温度が 記範囲にある熱ラジカル重合開始剤を使っ 液晶シール剤は、粘度安定性と硬化性のバ ンスがよくなる。

 前述の通り、液晶シール用硬化性樹脂組 物は、加熱硬化時の過度の粘度低下による 晶のリークなどを抑制する観点から、上記 度低下を抑制することが好ましいが、これ 組成物の硬化反応を促進させてゲル化を早 ることでも達成することができる。ゲル化 早めるという観点から、熱ラジカル重合開 剤の10時間半減期温度は80℃以下、さらには 70℃以下であることが好ましい。これにより 上記組成物を加熱硬化させる際(通常硬化温 度は80~150℃)、ラジカルが容易に発生し硬化 応が促進されるため、加熱硬化時の粘度低 が抑制される。

 一方で、熱ラジカル重合開始剤の10時間 減期温度が低すぎると、室温でも硬化反応 進行しやすくなるため、液晶シール剤の安 性が損なわれる。その点、熱ラジカル重合 始剤の10時間半減期温度が30℃、好ましくは4 0℃以上であれば、保存時や、基板への塗布 程(通常は室温で行われる)における液晶シー ル剤の安定性が良好となる。

 ここで、10時間半減期温度が80℃を超える ような熱ラジカル重合開始剤は、ラジカルを 発生しにくい。そのため、当該熱ラジカル重 合開始剤を含む液晶シール剤は硬化性が低く なるから好ましくない。一方で、熱ラジカル 重合開始剤の10時間半減期温度が30℃未満の 合、室温でも硬化反応が進行しやすくなる め、当該熱ラジカル重合開始剤を含む液晶 ール剤は粘度安定性が著しく低くなる。以 から、熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期 温度は上記範囲内であることが好ましい。

 10時間半減期温度は、具体的に以下のよ に求められる。先ず、熱分解反応を1次反応 として取り扱うと、以下の式の関係が成り つ。

 半減期は熱ラジカル重合開始剤の濃度が半 になる時間、すなわち、C t =C 0 /2となる場合である。よってt時間後に熱ラジ カル重合開始剤が半減期を迎える場合は以下 の式が成り立つ。

 一方、速度定数の温度依存性はアレニウス 式で表されから、以下の式が成立する。

 上記式より、以下の式が導ける。

 AおよびδEの値は、J.Brandrup他著、Polymer HandB ook fourth edition、volume 1、II-2~II-69、WILEY-INTERS CIENCE、(1999)に記載されている。以上から、t=1 0時間とすれば、10時間半減期温度Tが求めら る。

 熱ラジカル重合開始剤としては、公知の 合物を使うことができる。その代表例には 有機過酸化物、アゾ化合物が含まれる。

 有機過酸化物は、ケトンパーオキサイド パーオキシケタール、ハイドロパーオキサ ド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキ エステル、ジアシルパーオキサイド、パー キシジカーボネートに分類されるものが好 しいが、特に限定されず、公知のものを使 することができる。

 上記有機過酸化物の具体例を以下に示す かっこ内の数字は10時間半減期温度を意味 る(和光純薬カタログ、エーピーアイコーポ ーションカタログおよび前述のポリマーハ ドブック参照)。

 ケトンパーオキサイド類の例には、メチ エチルケトンパーオキサイド(109℃)、シク ヘキサノパーオキサイド(100℃)などが含まれ る。また、パーオキシケタール類の例には、 1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリメチ シクロヘキサン(87℃)、1,1-ビス(t-ヘキシル ーオキシ)シクロヘキサン(87℃)、1,1-ビス(t- チルパーオキシ)シクロヘキサン(91℃)、2,2- ス(t-ブチルパーオキシ)ブタン(103℃)、1,1-(t- ミルパーオキシ)シクロヘキサン(93℃)、n-ブ チル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート( 105℃)、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシ ロヘキシル)プロパン(95℃)が含まれる。

 ハイドロパーオキサイド類の例には、p- ンタンハイドロパーオキサイド(128℃)、ジイ ソプロピルベンゼンパーオキサイド(145℃)、1 ,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキ イド(153℃)、クメンハイドロパーオキサイド (156℃)、t-ブチルハイドロパーオキサイド(167 )などが含まれる。

 ジアルキルパーオキサイドの例には、α, -ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ ンゼン(119℃)、ジクミルパーオキサイド(116℃ )、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ) キサン(118℃)、t-ブチルクミルパーオキサイ ド(120℃)、t-アミルパーオキサイド(123℃)、ジ -t-ブチルパーオキサイド(124℃)、2,5-ジメチル -2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキセン-3(129℃ )が含まれる。

 パーオキシエステル類の例には、クミル ーオキシネオデカノエート(37℃)、1,1,3,3-テ ラメチルブチルパーオキシネオデカノエー (41℃)、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエ ト(45℃)、t-ブチルパーオキシネオデカノエ ト(46℃)、t-アミルパーオキシネオデカノエ ト(46℃)、t-ヘキシルパーオキシピバレート( 53℃)、t-ブチルパーオキシピバレート(55℃)、 t-アミルパーオキシピバレート(55℃)、1,1,3,3- トラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキ ノエート(65℃)、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチ ルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(66℃)、t -ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエー (70℃)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサ エート(72℃)、t-アミルパーオキシ-2-エチル キサノエート(75℃)、t-ブチルパーオキシイ ブチレート(82℃)、t-ヘキシルパーオキシイ プロピルモノカーボネート(95℃)、t-ブチル ーオキシマレイックアシッド(96℃)、t-アミ パーオキシノルマルオクトエート(96℃)、t- ミルパーオキシイソノナノエート(96℃)、t- チルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエ ト(97℃)、t-ブチルパーオキシラウレート(98 )、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカ ボネート(99℃)、t-ブチルパーオキシ-2-エチ ヘキシルモノカーボネート(99℃)、t-ヘキシ パーオキシベンゾエート(99℃)、2,5-ジメチ -2,5ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(100 )、t-アミルパーオキシアセテート(100℃)、t- アミルパーオキシベンゾエート(100℃)、t-ブ ルパーオキシアセテート(102℃)、t-ブチルパ オキシベンゾエート(104℃)が含まれる。

 ジアシルパーオキサイド類の例には、ジ ソブチリルパーオキサイド(33℃)、ジ-3,5,5- リメチルヘキサノイルパーオキサイド(60℃) ジラウロイルパーオキサイド(62℃)、ジスク シニックアシッドパーオキサイド(66℃)、ジ ンゾイルパーオキサイド(73℃)が含まれる。

 パーオキシジカーボネート類の例には、 -n-プロピルパーオキシジカーボネート(40℃) 、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート (41℃)、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パー キシジカーボネート(41℃)、ジ-2-エチルヘキ ルパーオキシジカーボネート(44℃)、t-アミ パーオキシプロピルカーボネート(96℃)、t- ミルパーオキシ2エチルヘキシルカーボネー ト(99℃)が含まれる。

 次に、熱ラジカル重合開始剤として作用 るアゾ化合物(「アゾ系熱ラジカル重合開始 剤」とも称する)について説明する。アゾ系 ラジカル重合開始剤の例には、水溶性アゾ 熱ラジカル重合開始剤、油溶性アゾ系熱ラ カル重合開始剤、高分子アゾ系熱ラジカル 合開始剤が含まれる。

 水溶性アゾ系熱ラジカル重合開始剤の例 は、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル )プロパン]ジスルフェートジハイドレート(46 )、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2- チルプロピオンアミジン]ハイドレート(57℃ )、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2- イミダゾリン-2-イル]プロパン}ジハイドロク ライド(60℃)、2,2’-アゾビス(1-イミノ-1-ピ リジノ-2-エチルプロパン)ジハイドロクロラ ド(67℃)、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒド キシエチル)プロピオンアミド](87℃)、2,2’- ゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン] ハイドロクロライド(44℃)、2,2’-アゾビス(2- メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロ イド(56℃)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン -2-イル)プロパン](61℃)、2,2’-アゾビス{2-メ ル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキ エチル]プロピオンアミド}(80℃)が含まれる

 油溶性アゾ系熱ラジカル重合開始剤の例 は、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチル レロニトリル)(30℃)、ジメチル-2,2’-アゾビ ス(2-メチルプロピオネート)(66℃)、1,1’-アゾ ビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)(88℃) 、1,1’-[(シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルム ミド(104℃)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシ -2-メチルプロピオンアミド)(111℃)、2,2’-ア ゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(51℃)、2, 2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(67℃) 2,2’-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロ ピオンアミド](96℃)、2,2’-アゾビス(N-ブチル -2-メチルプロピオンアミド)(110℃)が含まれる 。

 高分子アゾ系熱ラジカル重合開始剤の例 は、ポリジメチルシロキサンユニット含有 分子アゾ系熱ラジカル重合開始剤、ポリエ レングリコールユニット含有高分子アゾ系 ラジカル重合開始剤などが含まれる。また これらの化合物を任意に組み合わせた混合 も熱ラジカル重合開始剤として使ってもよ 。

 熱ラジカル重合開始剤は、上記(1)と(2)と 合わせた樹脂ユニット100質量部に対して0.01 ~3.0質量部であることが好ましい。熱ラジカ 重合開始剤の量が多すぎると粘度安定性が くなり、少なすぎると硬化性が悪くなる。

 (4)フィラー
 本発明のフィラーは、液晶シール剤の粘度 御、硬化物の強度向上、線膨張性制御など 目的として添加される充填剤をいう。フィ ーを充填させることにより、液晶シール剤 接着信頼性が向上する。フィラーは、通常 子材料分野で使用されるものであれば限定 れない。

 当該フィラーの例には、炭酸カルシウム 炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マ ネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコ ウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニ ム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、 タン酸カリウム、カオリン、タルク、ガラ ビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイ 、窒化アルミニウム、窒化ケイ素のような 機フィラーが含まれる。

 また、本発明では、有機フィラーを使っ もよい。有機フィラーとは、一般に環球法( JACT試験法:RS-2)による軟化点温度が120℃を超 るような有機化合物をいう。ただし、本発 では、軟化点が室温以下であるようなゴム 子も有機フィラーとして有用である。有機 ィラーの例には、ポリメタクリル酸メチル ポリスチレンおよびこれと共重合可能なモ マー類を共重合した共重合体、ポリエステ 微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子 含まれる。

 中でも、液晶シール剤の線膨張率を低減 せ形状を良好に保持することができるとい 点から、フィラーとしては無機フィラーが ましく、その中でも特に、紫外線を透過し くいため二酸化ケイ素、タルクが好ましい

 フィラーの形状は、無機または有機の違い かかわらず特に限定されない。すなわち、 状、板状、針状などの定形状あるいは非定 状のいずれの形状のフィラーも使用してよ 。また、フィラーの平均一次粒子径は、1.5 m以下であることが好ましく、かつその比表 積は1~500m 2 /gであることが好ましい。このようなフィラ を含む液晶シール用硬化性樹脂組成物は、 キソトロピー性と粘度のバランスが良好で る。フィラーの平均一次粒子径はJIS Z8825-1 記載のレーザー回折法で測定可能であり、 表面積測定はJIS Z8830に記載のBET法により測 定可能である。

 また、液晶のリークを抑えるという観点 ら、2種類以上のフィラーを併用することが 好ましい。2種類以上のフィラーとは、材質 異なる2種類以上;材質が同じであるが、平均 粒子径が異なる2種類以上、またはこれらの み合わせ、をいう。平均粒子径が異なる場 は、フィラーの平均粒子径が0.3μm以上異な ことが好ましい。

 フィラーの充填量は、上記(1)と(2)を合わ た樹脂ユニット100質量部に対して、1~50質量 部であることが好ましく、10~30質量部である とがより好ましい。フィラーの充填量が上 範囲内であれば、液晶シール用硬化性樹脂 成物のチキソトロピー指数を1.1~5.0に制御す ることが容易となるので好ましい。上記チキ ソトロピー指数は、[E型粘度計で測定された2 5℃、0.5rpmでの粘度]/[E型粘度計で測定された2 5℃、5.0rpmでの粘度]で求められる値である。

 (5)エポキシ硬化剤
 液晶シール用硬化性樹脂組成物Iは、エポキ シ硬化剤をさらに含んでいてもよい。中でも 、エポキシ硬化剤としては潜在性エポキシ硬 化剤が好ましい。潜在性エポキシ硬化剤とは 、エポキシ樹脂に混合されていても、樹脂を 通常保存する状態(室温、可視光線下など)で エポキシ樹脂を硬化させないが、熱や光に りエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤をいう 潜在性エポキシ硬化剤を使うことにより、 晶シール用硬化性樹脂組成物Iの熱硬化性が 向上する。

 潜在性エポキシ硬化剤は、公知のものを ってよい。中でも、粘度安定性に優れると う観点から、融点あるいは環球法による軟 点温度が100℃以上である潜在性エポキシ硬 剤が好ましい。当該潜在性エポキシ硬化剤 含む組成物は、一液タイプとして有用であ 。当該潜在性エポキシ硬化剤の例には、有 酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよ その誘導体、ジシアンジアミド、芳香族ア ンなどが含まれる。これらは、適宜組み合 せた混合物として使ってもよい。

 組成物の塗布に使うスクリーン印刷やデ スペンサーでは、組成物が装置内に滞留す 時間が長いため、保存安定性が劣る組成物 使用することが難しい。その点、特に融点 たは環球法による軟化点温度が100℃以上で るアミン系潜在性硬化剤を含む組成物は、 温での粘度安定性が極めて良好であるため スクリーン印刷やディスペンサーでの長時 使用が可能となり有用である。

 上記アミン系潜在性硬化剤の例には、ジ アンジアミド(融点209℃)などのジシアンジ ミド類;アジピン酸ジヒドラジド(融点181℃) 1,3-ビス(ヒドラジノカルボエチル)-5-イソプ ピルヒダントイン(融点120℃)、ドデカン二酸 ジヒドラジド(融点190℃)、セバシン酸ジヒド ジド(融点189℃)などの有機酸ジヒドラジド;2 ,4-ジアミノ―6―[2’-エチルイミダゾール-1’ -イル]-エチルトリアジン(融点215℃~225℃)、2- ェニルイミダゾール(融点137℃~147℃)などの ミダゾール誘導体が含まれる。

 粘度安定性および接着信頼性に優れる液 シール用硬化性樹脂組成物Iを得る観点から 、潜在性エポキシ硬化剤の含有量は、樹脂ユ ニット100質量部に対して3~30質量部であるこ が好ましい。また、潜在性エポキシ硬化剤 、水洗法、再結晶法などによって高純度化 れていることが好ましい。

 (6)エポキシ樹脂
 液晶シール用硬化性樹脂組成物Iは、エポキ シ樹脂をさらに含んでいてもよい。本発明の エポキシ樹脂とは、分子内にエポキシ基を一 以上有する化合物(ただし、上記(2)変性エポ シ樹脂を除く)。

 本発明に適用可能なエポキシ樹脂の例に 、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビ フェノールF、ビスフェノールADなどで代表 れる芳香族ジオール類およびそれらをエチ ングリコール、プロピレングリコール、ア キレングリコール変性したジオール類と、 ピクロルヒドリンとの反応で得られた芳香 多価グリシジルエーテル化合物(以下、例え ビスフェノールAを原料としたものは「ビス フェノールA型エポキシ樹脂」のように表記 る。);フェノールまたはクレゾールとホルム アルデヒドとから誘導されたノボラック樹脂 、ポリアルケニルフェノールやそのコポリマ ーなどで代表されるポリフェノール類と、エ ピクロルヒドリンとの反応で得られたノボラ ック型多価グリシジルエーテル化合物;キシ レンフェノール樹脂のグリシジルエーテル 合物類が含まれる。

 中でも、エポキシ樹脂としては、クレゾ ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノール ボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ 樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹 、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂、 リスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロ ンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルエ テル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキ 樹脂が好ましい。これらの樹脂は、混合し 使ってもよい。また、エポキシ樹脂は、分 蒸留法などによって高純度化処理されたも が好ましい。

 エポキシ樹脂は、環球法による軟化点が4 0℃以上でかつ、重量平均分子量が500~10000で ることが好ましい。エポキシ樹脂の軟化点 重量平均分子量が上記範囲内にあると、エ キシ樹脂の液晶に対する溶解性、拡散性が く、得られる液晶表示パネルの表示特性が 好となるからである。さらに、前記(1)アク ル樹脂との相溶性も良好となるため、液晶 ール用硬化性樹脂組成物の被接着対象部材 対する接着信頼性が向上するからである。 のような観点から、中でも、エポキシ樹脂 重量平均分子量は1000~2000の範囲内であるこ が好ましい。エポキシ樹脂の重量平均分子 は、例えば、GPCによってポリスチレンを標 として測定することができる。

 (7)光ラジカル重合開始剤
 液晶シール用硬化性樹脂組成物Iは、光ラジ カル重合開始剤をさらに含んでいてもよい。 光ラジカル重合開始剤とは、光によってラジ カルを発生する化合物をいう。光ラジカル重 合開始剤を含む液晶シール用硬化性樹脂組成 物Iは、光硬化による仮硬化が可能となるた 、作業性が容易となる。もちろん、液晶シ ル用硬化性樹脂組成物Iは、光ラジカル重合 始剤を含んでいなくてもよい。光ラジカル 合開始剤を含まない液晶シール用硬化性樹 組成物は、加熱のみで硬化するため、コス 面での負担が大きい光硬化工程を省略でき という利点がある。

 光ラジカル重合開始剤は特に限定されず 公知の化合物を使用することができる。例 ば、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン 、ベンゾフェノン類、チオキサトン類、α- シロキシムエステル類、フェニルグリオキ レート類、ベンジル類、アゾ系化合物、ジ ェニルスルフィド系化合物、アシルホスフ ンオキシド系化合物、有機色素系化合物、 -フタロシアニン系、ベンゾイン類、ベンゾ インエーテル類、アントラキノン類が含まれ る。

 光ラジカル重合開始剤の含有量は、樹脂 ニット100質量部に対して0.1~5.0質量部である ことが好ましく、0.3~5.0質量部がより好まし 。当該光ラジカル重合開始剤の含有量が0.3 量部以上の組成物は、光照射による硬化性 良好である。一方、当該含有量が5.0質量部 下の組成物は、基板へ塗布する際の安定性 良好となる。

 光ラジカル重合開始剤を含む樹脂組成物を 化させる場合、その光源は、紫外線、可視 などが好ましい。また、光の照射量は、500~ 1800mJ/cm 2 が好ましい。

 (8)熱可塑性ポリマー
 液晶シール用硬化性樹脂組成物Iは、熱可塑 性ポリマーをさらに含んでいてもよい。熱可 塑性ポリマーとは、加熱することによって軟 らかくなり、目的の形に成形できる高分子化 合物をいう。

 本発明に適用可能な熱可塑性ポリマーの 化点温度は、通常50~120℃、好ましくは60~80 である。軟化点温度が上記範囲内であると 前記樹脂組成物の熱硬化時に熱可塑性ポリ ーが樹脂組成物に溶融し、上記(1)のアクリ 樹脂、(2)の変性エポキシ樹脂、(6)のエポキ 樹脂と相溶するため、加熱時の組成物の粘 低下を抑制することができるので、液晶の ークなどが抑制される。

 熱可塑性ポリマーの含有量は、樹脂ユニ ト100質量部に対して1~30質量部が好ましい。 上記軟化点温度は環球法(JACT試験法:RS-2)によ 測定する。

 また、熱可塑性ポリマーは、液晶シール 用硬化性樹脂組成物中に良好な相溶性を示 ため、平均粒径が通常0.05~5μm、好ましくは0 .07~3μmの範囲であることが望ましい。このよ な熱可塑性ポリマーとしては公知のものを ってもよいが、(メタ)アクリル酸エステル ノマー、当該モノマーと共重合可能なモノ ーを50~99.9質量%:50~0.1質量%(より好ましくは60~ 80質量%:40~20質量%)で共重合させて得られるコ リマーが好ましい。さらに、上記コポリマ は、乳化重合または懸濁重合などによって マルションの状態で重合されたものが好ま い。

 前記(メタ)アクリル酸エステルモノマー 例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル (メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ ート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシ ル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリ ート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オ クタデシル(メタ)アクリレート、ブトキシエ ル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル( タ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ )アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー トなどの単官能(メタ)アクリル酸エステルモ マー、またはこれらの混合物が含まれる。 でも、メチル(メタ)アクリレート、ブチル クリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリ ート、またはこれらの混合物が好ましい。

 前記(メタ)アクリル酸エステルモノマー 共重合可能なモノマーの例には、アクリル ミド類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マ イン酸などの酸モノマー;スチレン、スチレ 誘導体などの芳香族ビニル化合物;1,3-ブタ エン、1、3-ペンタジエン、イソプレン、1、3 -ヘキサジエン、クロロプレンなどの共役ジ ン類;ジビニルベンゼン、ジアクリレート類 どの多官能モノマーが含まれる。これらは 合して使ってもよい。

 (9)その他の添加剤
 液晶シール用硬化性樹脂組成物Iは、必要に 応じて、シランカップリング剤などのカップ リング剤、イオントラップ剤、イオン交換剤 、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡 剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。 また、液晶表示パネルのギャップを調整する ためにスペーサーなどを配合してもよい。

 本発明の第二の液晶シール用硬化性樹脂 成物は、上記(3)の熱ラジカル重合開始剤、( 4)のフィラーに加えて、(10)1分子内にラジカ 重合可能な炭素-炭素二重結合を有するラジ ル硬化性樹脂、および(11)ラジカル連鎖移動 剤、を含むことを特徴とする。当該特徴を持 つ本発明の液晶シール用硬化性樹脂組成物を 、「液晶シール用硬化性樹脂組成物II」また 「樹脂組成物II」とも呼ぶ。

 樹脂組成物IIに含まれる(3)熱ラジカル重 開始剤、(4)フィラーの具体例は、既に説明 た通りである。その中でも、樹脂組成物IIの (3)熱ラジカル重合開始剤としては、有機過酸 化物、アゾ化合物、ベンゾイン類、ベンゾイ ンエーテル類、アセトフェノン類が特に好ま しい。

 (10)1分子内にラジカル重合可能な炭素-炭素 重結合を有するラジカル硬化性樹脂
 本発明の1分子内にラジカル重合可能な炭素 -炭素二重結合を有するラジカル硬化性樹脂( に、「ラジカル硬化性樹脂」ともいう)とは 、1分子内にエチレン性不飽和結合のような ジカル重合が可能である炭素-炭素二重結合 持つ化合物をいう。

 当該ラジカル硬化性樹脂の例には、(メタ )アクリル酸エステルモノマーまたはこれら オリゴマー、アリルアルコール誘導体、ビ ル化合物が含まれるが特に限定されない。 述の(1)アクリル樹脂および(2)変性エポキシ 脂は、当該ラジカル硬化性樹脂に含まれる

 上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー たはこれらのオリゴマーは特に限定されず 例えば、前述の(1)アクリル樹脂で列挙した のが含まれる。

 上記アリルアルコール誘導体の例には、 リアリルシアヌレート、トリアリルイソシ ヌレート、ジアリルマレエート、ジアリル ジペート、ジアリルフタレート、ジアリル ソフタレート、トリアリルトリメリテート テトラアリルピロメリテート、グリセリン アリルエーテル、トリメチロールプロパン アリルエーテル、ペンタエリスリトールジ リルエーテル、ペンタエリスリトールトリ リルエーテル、アリルエステル樹脂類が含 れる。上記ビニル化合物の例には、ジビニ ベンゼンが含まれる。

 また、ラジカル硬化性樹脂としては、1分 子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基と エポキシ基などの異種の官能基とを併せ持 化合物を使用することができる。当該炭素- 素二重結合としては(メタ)アクリロイル基 好ましく、異種の官能基としてはエポキシ が好ましい。当該ラジカル硬化性樹脂は、 脂骨格内にエポキシ基と(メタ)アクリル基と を併せ持っているため、他のラジカル硬化性 樹脂や、組成物IIの任意成分となり得る前記( 6)エポキシ樹脂に対する相溶性が高い。よっ 、当該ラジカル硬化性樹脂を含む組成物は 質となり、シールの外観性が向上するほか 接着信頼性が良好となる。

 ラジカル硬化性樹脂の数平均分子量、Fedors 理論溶解度パラメータ(sp値)もまた前述の(1) アクリル樹脂と同範囲内にあることが好まし い。すなわち、数平均分子量は300~2000の範囲 であり、かつ理論溶解度パラメータは、10.0 ~13.0(cal/cm 3 ) 1/2 である。当該ラジカル硬化性樹脂は、液晶に 対する溶解性、拡散性が低いため、当該ラジ カル硬化性樹脂を含む組成物は、表示特性が 良好な液晶表示パネルを与え得る。また、当 該ラジカル硬化性樹脂は、前記(6)エポキシ樹 脂に対する相溶性も良好となるため、均質な 組成物を与え得るから、接着信頼性に優れる 樹脂組成物を与え得る。当該数平均分子量お よび溶解度パラメータ(sp値)の求め方は、前 (1)のアクリル樹脂の説明で提示した方法と じであるため、説明は省略する。

 (11)ラジカル連鎖移動剤
 本発明のラジカル連鎖移動剤は、ラジカル 合反応において連鎖移動反応により、反応 活性点を移動させる化合物をいう。ラジカ 連鎖移動剤(T)は、下記式(1)に示すように、 長ラジカル(P・)と反応して、新たな重合活 能を有するラジカル(T・)を生成する。生長 ジカル(P・)とは、開始剤が分解されて発生 たラジカルに重合性化合物が次々に付加し 生じるラジカルである。こうして生成した たなラジカル(T・)は下記式(2)に示すように 重合性化合物(M)と反応して、生長ラジカル( P1・)を生成する。

 一方、下記式(3)に示すように、生長ラジカ は重合性化合物と反応し、生長ラジカルP2 を生成する。このときの、右向き生長速度 数をKpとし、下記式(1)の右向き反応速度定数 をk tr とすると、ラジカル連移動反応が生じるため には、Kp<k tr である必要がある。なお、ここに示すラジカ ル反応の詳細は、ラジカル重合ハンドブック (1999年)のP38などに記載されている。

 式(1) P・+T→P+T・
 式(2) T・+M→P1・
 式(3) P・+M→P2・

 上記の通り、ラジカル連鎖移動剤を含む 発明の液晶シール用硬化性樹脂組成物IIは 硬化反応中に生じた生長ラジカルP・は、上 式(3)よりも上記式(1)の反応を生じやすい。 なわちラジカルT・が生成されやすい。T・ 、式(2)により重合性化合物と反応してP1・を 生じる。P1・は、さらに式(1)の反応によって たなT・ラジカルを発生させる。このような 式(1)、(2)の反応は、連続して行われることか ら、液晶シール剤中には、T・、P1・などのラ ジカルが多く発生するために、液晶シール剤 の隅々に至るまで効率よく硬化反応が行われ る。その結果、重合性化合物の消費速度が増 大し、液晶シール剤の硬化時間が短縮され、 かつ硬化後の液晶シール剤に含まれる未硬化 の重合性化合物の量は低減される。

 このようなラジカル連鎖移動剤の例には i)チオール類、ii)α-メチルスチレンダイマ 類、iii)末端不飽和メタクリル酸エステル類 iv)ジフェニルジスルフィドなどのジスルフ ド類、およびv)ポリフィリンコバルト錯体 が含まれる。

 i)チオール類
 中でも、ラジカル連鎖移動剤としては、以 の理由からi)チオール類が好ましい。チオ ル類とは1分子内にチオール基を含む化合物 いう。チオール基は反応性に富むため、他 ラジカル連鎖移動剤にはない、前記(10)のラ ジカル硬化性樹脂の炭素-炭素二重結合に対 る付加反応性を示す。そのため、チオール をラジカル連鎖移動剤として使用すると、 記ラジカル連鎖移動反応に加えて、前記付 反応がさらに起こるため、液晶シール剤の 化速度がより向上する。

 また、チオール基はエポキシ基に対して 付加反応性を示す。そのため、後述するよ に本発明の樹脂組成物IIは、上記成分のほ に前記(6)エポキシ樹脂のようなエポキシ基 有化合物をさらに含んでもよいが、このよ な樹脂組成物IIは硬化速度がよりいっそう向 上する。

 また、ラジカル連鎖移動反応を伴う硬化 応は、一般に硬化速度は向上するものの、 化物の分子量が低くなることがある。しか 、ラジカル連鎖移動剤としてチオール類を 用すると、前記付加反応による硬化物の分 増大効果も期待されるため、硬化後の液晶 ール剤の強度が向上し得るなどのさらなる 果も得られる。

 ラジカル連鎖移動剤として有用なチオー 類の例には、(i-1)メルカプトエステル類、(i -2)脂肪族ポリチオール類、(i-3)芳香族ポリチ ール類、(i-4)チオール変性反応性シリコン イル類が含まれる。

 (i-1)メルカプトエステル類とは、メルカ トカルボン酸と多価アルコールとの反応で られたエステル系のチオール化合物をいう 以下に、メルカプトエステル類を得るため 有用なメルカプトカルボン酸および多価ア コール、およびメルカプトエステル類につ て説明する。

 上記メルカプトカルボン酸の例には、チ グリコール酸、2-メルカプトプロピオン酸 3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトイ 酪酸、3-メルカプトイソ酪酸が含まれる。 記多価アルコールの例には、エタンジオー 、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオー 、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリ メチロールプロパン、ジトリメチロールプロ パン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ スリトール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル )イソシアヌル酸、ソルビトールが含まれる

 上記メルカプトエステル類の例には、ト メチロールプロパントリス(3-メルカプトプ ピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ キス(3-メルカプトプロピオネート)、2-エチル ヘキシル-3-メルカプトプロピオネートが含ま れる。

 (i-2)脂肪族ポリチオール類の例には、デ ンチオール、エタンジチオール、プロパン チオール、ヘキサメチレンジチオール、デ メチレンジチオール、ジグリコールジメル プタン、トリグリコールジメルカプタン、 トラグリコールジメルカプタン、チオジグ コールジメルカプタン、チオトリグリコー ジメルカプタン、チオテトラグリコールジ ルカプタンが含まれる。この他にも、1,4-ジ アン環含有ポリチオール化合物などの環状 ルフィド化合物や、エピスルフィド樹脂と ミンなどの活性水素化合物の付加反応によ て得られるエピスルフィド樹脂変性ポリチ ールなども脂肪族ポリチオール類に含まれ 。

 (i-3)芳香族ポリチオールの例には、トリ ン-2,4-ジチオール、キシリレンジチオールが 含まれる。また、(i-4)チオール変性反応性シ コンオイル類の例には、メルカプト変性ジ チルシロキサン、メルカプト変性ジフェニ シロキサンが含まれる。

 上述のチオール類は、1級チオール類、2 チオール類を含んでいる。1級チオール類と 、チオール基に結合している炭素に1つの炭 化水素基が結合しているチオール化合物をい う。2級チオールとは、チオール基に結合し いる炭素に2つの炭化水素基が結合している オール化合物をいう。

 ラジカル連鎖移動剤として1級チオールを 使うと、前述の通り、炭素-炭素二重結合基 の付加反応性に優れるため、硬化物の物性 優れるというメリットがある。ただし、反 性が高いため、液晶シール剤の保存安定性 低下することがある。一方、2級チオールは 素-炭素二重結合基との付加反応性が1級チ ールほどではないため、液晶シール剤の保 安定性に優れるというメリットがある。し がって、本発明のラジカル連鎖移動剤とし は、2級チオールがより好ましい。このよう 2級チオールを含む液晶シール剤は、後述す るような、いわゆる一液タイプの液晶シール 剤として特に好適である。

 中でも、2級チオールとしては、分子内に 2つ以上の2級チオール基を含み、数平均分子 が400~2000であるものが好ましい。ラジカル 鎖移動剤を含む液晶シール剤を硬化させた 合、当該硬化物において、ラジカル連鎖移 剤が架橋体中に取り込まれず、単体として 存すると、ラジカル連鎖移動剤が液晶に溶 ・拡散し、製造される液晶表示パネルの表 特性を低下させるおそれがある。その一方 、数平均分子量が400~2000の多官能な2級チオ ルは架橋体に取り込まれやすい。そのため 当該ラジカル連鎖移動剤を含む液晶シール は、液晶に溶解・拡散しにくくなるので、 造される液晶表示パネルの表示特性が良好 なる。

 上記のような2級チオールは、前述の通り 、2級メルカプトカルボン酸と多価アルコー を反応させて得られるものが好ましい。数 均分子量が400~2000である2級チオールの例に 、前述のペンタエリスリトールテトラキス(3 -メルカプトブチレート)(数平均分子量544.8)、 1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル )-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)(数平 均分子量567.7)が含まれる。ラジカル連鎖移動 剤の数平均分子量は、例えば、GPCにより、ポ リスチレンを標準として測定することができ る。

 次に、チオール類以外の連鎖移動剤につ て説明する。

 ii)α-メチルスチレンダイマー類
 α-メチルスチレンダイマー類とは、1分子内 に反応性の炭素-炭素二重結合を含み、付加 裂型の連鎖移動剤として機能する化合物を う。その例には、2,4-ジフェニル-4-メチル-1- ンテン、2,4-ジフェニル-4-メチル-2-ペンテン 、および1,1,3-トリメチル-3-フェニルインダン が含まれる。本発明のα-メチルスチレンダイ マー類は特に限定されず、公知のものを使用 すればよい。

 iii)末端不飽和メタクリル酸エステル類
 末端不飽和メタクリル酸エステル類とは、 端に不飽和結合を有し、付加反応に寄与す メタクリル酸エステル化合物をいう。この うな末端不飽和メタクリル酸エステル類の には、1量体、2量体、・・・・、n量体が含 れる。

 iv)ジスルフィド類
 ジスルフィド類の例には、ジフェニルスル ィド、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 ジエトキシメタンポリサルファイドポリマ が含まれる。

 v)ポリフィリンコバルト錯体類
 ポリフィリンコバルト錯体類の例には、テ ラメシチルポルフィリンCoIII錯体、テトラ ェニルポルフィリンCoIII錯体が含まれる。ま た、Co錯体は、Co-CH 2 C(CH 3 ) 3 、Co-CH(CO 2 CH 3 )CH 3 、Co-CH(CO 2 CH 3 )CH 2 CH(CO 2 CH 3 )CH 3 であってもよい。

 ラジカル連鎖移動剤は、イニファタ性を つものでもよい。イニファタ性とは、ラジ ル重合開始剤、ラジカル連鎖移動剤、ラジ ル停止剤の三つの役割を果たす性質をいう このようなイニファタ性を持つラジカル連 移動剤は、光や熱のエネルギーを与えるこ によって上記の式(1)の逆反応を起こすこと できるので、ラジカルを連鎖移動させなが 、液晶シール剤の硬化性を高めることがで る。

 当該イニファタ性を持つラジカル連鎖移 剤の例には、テトラエチルチウラムジスル ィドなどのチオカーバメート系化合物、ト フェニルメチルアゾベンゼン、テトラフェ ルエタン誘導体が含まれる。

 上記液晶シール用硬化性樹脂組成物IIは 前述の(3)、(4)、(10)、(11)に加えて、さらに前 述(5)エポキシ硬化剤、(6)エポキシ樹脂、(7)光 ラジカル重合開始剤、(8)熱可塑性ポリマー、 (9)その他の添加剤をさらに含んでいてもよい 。これらの化合物などに関する詳細は既に述 べた通りであるため、ここでの説明は省略す る。

 樹脂組成物IIにおいて、各成分の配合量 特に限定されないが、樹脂組成物IIの硬化性 や保存安定性などの観点から、上記(10)ラジ ル硬化性樹脂100質量部に対する(3)熱ラジカ 重合開始剤の含有量は、0.01~5.0質量部である ことが好ましい。当該樹脂組成物IIは、熱ラ カルによる硬化性が良好であり、かつその 化物と基板との接着強度が高くなる。ただ 、(10)ラジカル硬化性樹脂に対する(3)熱ラジ カル重合開始剤の含有量が5.0質量部を超える と、樹脂組成物IIの粘度安定性が悪くなる。 方、当該含有量が0.01質量部未満では、熱ラ ジカル重合開始剤の量が少なすぎるため、樹 脂組成物IIの硬化性が低くなることがある。

 また、(10)のラジカル硬化性樹脂に対する (11)ラジカル連鎖移動剤の含有量は、0.01~5.0質 量部であることが好ましく、0.05~3.0質量部で ることがより好ましい。当該樹脂組成物II 粘度安定性が優れており、また基板上の配 が複雑で微細な場合にも、樹脂組成物IIの硬 化反応が十分に進むため、未硬化部分が極め て少ないから液晶のリークや液晶汚染が抑制 され得る。ただし、(10)のラジカル硬化性樹 に対する(11)ラジカル連鎖移動剤の含有量が5 .0質量部を超えると、(10)ラジカル硬化性樹脂 と、前述の(6)エポキシ樹脂との反応が過度に 進むなどして硬化反応が適切に行われないた め、粘度安定性が悪化することがある。一方 で、(11)ラジカル連鎖移動剤の含有量が、0.01 量部未満では、ラジカルを連鎖移動させる 果が低いため、樹脂組成物IIの硬化性が低 なることがある。

 また、100質量部の樹脂組成物IIに対する(4 )フィラーの含有量は、1~30質量部であること 好ましく、5~25質量部であることがより好ま しい。樹脂組成物IIにとっては、耐湿性向上 どの観点から無機フィラーが有用であるが 無機フィラーを多量に含む樹脂組成物IIは 高粘度となり流動性が低くなるため、基板 塗布しづらく、かつ樹脂組成物IIを硬化させ た硬化物の硬化強度が低くなることがある。 一方で、無機フィラーが少ないと、耐湿性が 低くなることがある。その点、無機フィラー の含有量が上記範囲内で調整された樹脂組成 物IIは、その硬化物と基板との接着強度が高 なる。

 樹脂組成物IIの硬化性や保存安定性のよ な諸特性をより向上させる観点から、(10)の ジカル硬化性樹脂100質量部に対する(5)エポ シ硬化剤の含有量は、1~10質量部であること が好ましく、2~5質量部であることがより好ま しい。エポキシ硬化剤の含有量が上記範囲内 で調整された樹脂組成物IIは、優れた粘度安 性が保持され、かつ接着信頼性の高い液晶 示パネルを製造することができる。また、 脂組成物IIにおいて、(10)ラジカル硬化性樹 100質量部に対する(6)エポキシ樹脂の含有量 1~40質量部であることが好ましい。

 樹脂組成物IIは、E型粘度計により測定さ た25℃、2.5rpmの粘度が、50~500Pa・sであるこ が好ましく、150~450Pa・sであることがより好 しい。樹脂組成物IIの粘度は、各成分の配 量などによって適宜調節可能である。E型粘 計によって25℃、2.5rpmの条件下で測定され 粘度(初期粘度)が、上記範囲内にあるような 樹脂組成物IIは、基板に対して塗布ムラを発 させずに塗布することができるため、塗布 業性が極めて良好である。

 中でも、初期粘度が50Pa・s以上であれば 塗布後のシール形状保持性が特に優れる。 ール形状保持性とは、塗布した後から時間 経過しても、シールの形状が変わらず保持 れる性質をいう。なお、シール形状保持性 、初期粘度が150Pa・s以上であると、より良 となる。また、初期粘度が450Pa・s以下であ ば、ディスペンサーによって液晶シール剤 塗布する場合に、ノズル径が0.15~0.5mm径のよ に細径であっても塗布作業性が良好である

 また、樹脂組成物IIのチキソトロピー指 、すなわち、E型粘度計により測定される25 、0.5rpmでの粘度η1と、25℃、5.0rpmでの粘度η2 との比η1/η2は、1.1~5.0であることが好ましく 1.2~2.5であることがより好ましい。当該樹脂 組成物IIの粘度は、E型回転粘度計(例えば、BR OOKFIELD社製のデジタルレオメータ型式 DV-III  ULTRA)で、半径12mm、角度3°のCP-52型コーンプレ ート型センサにて所定の温度で液晶シール剤 を5分間放置した後に測定される値である。

 上記チキソトロピー指数は、前述の通り 比較的低いせん断速度で測定した粘度と、 較的高いせん断速度で測定した粘度との比 あるため、チキソトロピー指数が高い流体 、低せん断速度下では高粘度であるが、高 ん断速度下では低粘度としてふるまう。そ ため、上記樹脂組成物IIは、樹脂組成物IIに 対して高せん断速度が働く塗布時において低 粘度であるから、基板に対する塗布性が良好 である。このような樹脂組成物IIから形成さ たシール部では液晶リークが起き難く、ま 、当該樹脂組成物IIは脱泡性に優れるため 製造される液晶表示パネルは信頼性に優れ 。

 本発明の第三の液晶シール用硬化性樹脂組 物は、上記(3)熱ラジカル重合開始剤および( 4)のフィラーに加えて、(12)ラジカル重合可能 な炭素炭素二重結合と水素結合性官能基とエ ポキシ基とを含む樹脂組成物をさらに含み、 当該樹脂組成物は、後で述べる特定の樹脂か らなる群より選ばれる二種以上の樹脂からな り、前記(12)の樹脂組成物中の水素結合性官 基量は、1.0×10 -4 ~6.0×10 -3 mol/gであり、前記(12)の樹脂組成物中のエポキ シ基量は、1.0×10 -4 ~2.6×10 -3 mol/gであることを特徴とする。当該特徴を持 本発明の液晶シール用硬化性樹脂組成物を 「液晶シール用硬化性樹脂組成物III」また 「樹脂組成物III」とも呼ぶ。

 (12)ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合 、水素結合性官能基と、エポキシ基を含む 脂組成物
 本発明の液晶シール用硬化性樹脂組成物III 、特定の樹脂群から選択された二種以上の 脂からなり、ラジカル重合可能な炭素-炭素 二重結合と水素結合性官能基とエポキシ基と を有する樹脂組成物(単に、「硬化性樹脂」 もいう)を含む。

 ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合と は、ラジカルにより重合反応しうる官能基を いう。ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結 の好ましい例には、ビニル基、アリル基、 クリル基、メタクリル基が含まれる。この でも、ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結 としては、(メタ)アクリル基が好ましい。

 水素結合性官能基とは、水素結合性を有す 官能基または結合基をいう。水素結合性を する官能基の例には、-OH基、-NH 2 基、-NHR基(Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族基 を表す)、-CONH 2 基、-NH-基、-NHOH基が含まれる。水素結合性を 有する結合基の例には、-NHCO-結合基、-CONHCO- 合基、または-NH-NH-結合基が含まれる。これ らの中でも、本発明における水素結合性官能 基としては、-OHで表される水酸基、-NHCO-で表 されるウレタン結合基(単に、「ウレタン基 ともいう)が好ましい。

 当該(12)硬化性樹脂は、(メタ)アクリル基 ようなラジカル重合可能な炭素-炭素二重結 合を含む。よって、(12)の硬化性樹脂は前述(1 0)ラジカル硬化性樹脂に含まれる。

 前述の通り、液晶シール剤に対しては、 リーク性に優れることが求められる。液晶 ークは、液晶シール剤の硬化が遅い場合に じやすいため、光で硬化させる場合に遮光 分があると液晶リークはより顕著になるこ から、液晶シール剤としては熱のみで硬化 得ることが好ましい。しかし、一般に、加 硬化時に液晶シール剤の粘度は低下するた 、熱による硬化でも液晶リークは起こりう 。よって、液晶シール剤の加熱時の粘度低 を低減させることが有効となる。液晶シー 剤の加熱時の粘度低下を低減させるために 、液晶シール剤に含まれる硬化性樹脂の硬 性を高めることが好ましい。

 その点、樹脂組成物IIIに含まれる硬化性樹 は、1.0×10 -4 ~6.0×10 -3 mol/gの水素結合性官能基量を持つため、硬化 度が速い。このメカニズムは明らかではな が、ある一定の量の水素結合性官能基が存 すると、硬化性樹脂の分子同士が水素結合 より引き寄せられ、接近して存在するよう なるため、硬化反応がより進行しやすくな のではないかと推察される。言い換えると 接近させられたラジカル重合可能な炭素-炭 素二重結合同士、および接近させられたエポ キシ基同士が速やかに反応するため、本発明 の硬化性樹脂は硬化速度が速いと考えられる 。

 水素結合性官能基量は、上記水素結合性官 基の数をラジカル反応性樹脂の分子量で除 ことにより求められ、その単位はmol/gであ 。硬化性樹脂中の水素結合性官能基量が前 上限値を超えると、当該硬化性樹脂を含む 晶シール剤の耐水性が低下することがある 一方、硬化性樹脂中の水素結合性官能基量 前記下限値未満であると、当該硬化性樹脂 含む液晶シール剤の硬化性が低下する。そ 点、水素結合性官能基量が1.0×10 -4 ~6.0×10 -3 mol/gである樹脂を含む液晶シール剤は、耐水 と硬化性とのバランスに優れる。

 水素結合性官能基は液晶の汚染にも関与す 。一般に液晶は疎水性であるため、極性基 有する化合物とはなじみにくい。その点、 合物中の水素結合性官能基の量が多くなる 、その化合物は極性が高くなるため、液晶 なじみにくくなる。よって、水素結合性官 基の量が1.0×10 -4 ~6.0×10 -3 mol/gである硬化性樹脂を含む液晶シール剤は 液晶を汚染しにくい。

 前述の通り、本発明の硬化性樹脂は分子内 エポキシ基を持つ。エポキシ基とは、下記 造式で表される基である。

 本発明の硬化性樹脂中のエポキシ基量は、1 .0×10 -4 ~2.6×10 -3 mol/gである。エポキシ基量は、エポキシ基の を硬化性樹脂の分子量で除すことにより求 られ、その単位はmol/gである。エポキシ基 高い付加重合性を有するため、エポキシ基 有する硬化性樹脂は硬化性が高い。さらに ポキシ基は液晶シール剤とガラス基板との 着性を向上させる。

 本発明の硬化性樹脂は、以下に示す樹脂か なる群より選ばれる二種以上の樹脂を配合 ることによって得られる。
 (1A)分子内に水素結合性官能基と、ラジカル 重合可能な2つの炭素-炭素二重結合を有し、 記水素結合性官能基量が1.5×10 -3 ~6.0×10 -3 mol/gであるラジカル反応性樹脂
 (1B)分子内に水素結合性官能基と、エポキシ 基と、ラジカル重合可能な炭素-炭素二重結 を有し、前記水素結合性官能基量が1.0×10 -4 ~5.0×10 -3 mol/gであるラジカル反応性樹脂
 (1C)分子内にエポキシ基を有するがラジカル 重合可能な炭素-炭素二重結合を有しないエ キシ樹脂であって、環球法による軟化点が40 ℃以上であって、重量平均分子量が500~5000で るエポキシ樹脂

 本発明の硬化性樹脂は、(1A)~(1C)の樹脂を 宜選択して配合することにより、水素結合 官能基量およびエポキシ基量が前述の範囲 で調整される。(1A)~(1C)の樹脂を配合してな 本発明の硬化性樹脂の水素結合性官能基量 、次のように求められる。

 (1A)の水素結合性官能基数Na(個)、分子量Ma(g/ mol)、配合比率a(質量%)
 (1B)の水素結合性官能基数Nb(個)、分子量Mb(g/ mol)、配合比率b(質量%)
 (1C)の水素結合性官能基数Nc(個)、分子量Mc(g/ mol)、配合比率c(質量%)とした場合、硬化性樹 の水素結合性官能基量は下記の式で求めら る。
 硬化性樹脂の水素結合性官能基量=
 (Na)/(Ma)×a/100+(Nb)/(Mb)×b/100+(Nc)/(Mc)×c/100
 硬化性樹脂のエポキシ基量も同様に求めら る。

 以下に、(1A)~(1C)の樹脂について説明する

 (1A)の樹脂
 (1A)の樹脂は、分子内に水素結合性官能基と 、ラジカル重合可能な2つの炭素-炭素二重結 を有し、水素結合性官能基量が1.5×10 -3 ~6.0×10 -3 mol/gの樹脂である。本発明では、ラジカル重 可能な2つの炭素-炭素二重結合を単に「二 結合」といい、また(1A)の樹脂を「ラジカル2 官能性樹脂」ともいう。当該ラジカル2官能 樹脂は、エポキシ基を含まないことが好ま い。

 ラジカル2官能性樹脂の水素結合性官能基は 前述の通りに求められる。その値は1.5×10 -3 ~6.0×10 -3 mol/gであるが、1.5×10 -3 ~3.4×10 -3 mol/gであることが好ましい。水素結合性官能 量の算出に使用するラジカル2官能性樹脂の 分子量は、GPCによりポリスチレン換算して求 めることが好ましい。この場合、数平均分子 量と重量平均分子量が算出されるが、水素結 合性官能基量は数平均分子量により算出され ることが好ましい。

 ラジカル2官能性樹脂は、例えば、「分子 内に二重結合とカルボン酸を有する化合物」 と「分子内に二重結合と水酸基を有する化合 物」とをエステル化反応させて得られる。

 「分子内に二重結合とカルボン酸を有す 化合物」の例には、(メタ)アクリル酸や、( タ)アクリル酸を酸無水物と反応させて得た (メタ)アクリル酸誘導体が含まれる。また、 分子内に二重結合とカルボン酸を有する化 物」は、ヒドロキシアルキルアクリレート 6-ヘキサノリドを付加させて得た化合物を さらに酸無水物と反応させて得られる化合 であってもよい。ヒドロキシアルキルアク レートの例には、ヒドロキシエチルアクリ ート、ヒドロキシブチルアクリレートが含 れる。

 「分子内に二重結合と水酸基を有する化 物」の例には、ヒドロキシアルキルアクリ ート、4-ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア クリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリ ートが含まれる。

 ラジカル2官能性樹脂は、「分子内に二重 結合とカルボン酸を有する化合物」のカルボ キシル基と「芳香族ジオール類の多価グリシ ジルエーテル化合物」のエポキシ基を開環付 加反応させても得られる。

 「芳香族ジオール類の多価グリシジルエ テル化合物」の例には、ビスフェノールA、 ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビスフ ノールAD、ジフェニルエーテル、レゾルシ などの多価グリシジルエーテル化合物が含 れる。

 この中でも、ラジカル2官能性樹脂として は、多価グリシジルエーテル化合物と(メタ) クリル酸との反応で得られた樹脂が好まし 、下記一般式(a1)~(a4)で示される樹脂、また これらの混合物がより好ましい。


                     ・・・・一般 式(a1)
 一般式(a1)中の、
 R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 を表し、
 R m は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のア ルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシ アルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基 を表し、
 nは、1~4の整数を表し、
 lは、1~4の整数を表し、
 Aは、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-SO 2 -、または-O-で表される有機基を表す。


                      ・・・・一 式(a2)
 一般式(a2)中の、
 R 5 、R 6 、R 7 、R 8 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 を表し、
 R q は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~4のア ルキル基、アリル基、炭素数1~4のヒドロキシ アルキル基、または炭素数1~4のアルコキシ基 を表し、
 rは、1~4の整数を表し、
 pは、1~4の整数を表す。


                      ・・・・一 式(a3)
 一般式(a3)中の、
 R 1 、R 2 、R m 、n、Aは、一般式(a1)と同様に定義される。


                      ・・・・一 式(a4)
 一般式(a4)中の、R 5 、R 6 は、一般式(a2)と同様に定義される。

 これらの中でも、本発明のラジカル2官能 性樹脂としては、一般式(a3)または(a4)で表さ る樹脂が特に好ましい。

 (1B)の樹脂
 (1B)の樹脂は、分子内に水素結合性官能基、 エポキシ基、および二重結合を有し、水素結 合性官能基量が、1.0×10 -4 mol/g~5.0×10 -3 mol/gの樹脂である。(1B)の樹脂は、エポキシ樹 脂のエポキシ基と(メタ)アクリル酸やその誘 体のカルボキシル基を反応させて得られる

 (1B)の樹脂の水素結合性官能基量は既に述べ たように求められる。当該水素結合性官能基 量の好ましい値は、1.0×10 -4 ~5.0×10 -3 mol/gであるが、より好ましくは1.0×10 -4 ~3.4×10 -3 mol/gである。水素結合性官能基量を求める際 使用する分子量は、ラジカル2官能性樹脂と 同様にGPCで求められる数平均分子量であるこ とが好ましい。

 (1B)の樹脂のエポキシ基量は特に限定されな いが、1.0×10 -4 ~6.0×10 -3 mol/gであることが好ましく、より好ましくは1 .0×10 -4 ~3.5×10 -3 mol/gである。

 (1B)の樹脂の数平均分子量は、300~2000であ ことが好ましい。当該数平均分子量がこの 囲であると、硬化性樹脂の液晶に対する溶 性、拡散性が低くなる。よって、当該樹脂 含む液晶シール剤は液晶を汚染しにくい。

 (1B)の樹脂の原料となるエポキシ樹脂の例 には、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビ スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ ルF型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン エポキシ樹脂、トリフェノールエタン型エ キシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹 、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、 フェニル型エポキシ樹脂が含まれる。これ は、分子蒸留法、洗浄法などにより高純度 されていることが好ましい。

 (1B)の樹脂の原料となる(メタ)アクリルの 導体の例には、エポキシ基と反応する基と( メタ)アクリル基を有する化合物が含まれる このような化合物の具体例には、多価カル ン酸とヒドロキシ(メタ)アクリレート類との 反応物であって、カルボキシル基を有する化 合物が含まれる。

 多価カルボン酸の具体例には、無水フタ 酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリッ 酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、フマ 酸、無水アジピン酸、4-(メタ)アクリルロイ ルオキシエチルトリメリット酸無水物が含ま れる。

 ヒドロキシ(メタ)アクリレート類の具体 には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー 、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート 4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メ タ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物 (メタ)アクリル酸のプロピレンレンオキサイ ド付加物、(メタ)アクリル酸のカプロラクト 変性物が含まれる。

 (1B)の樹脂は、分子内にエポキシ基と二重 結合を併せ持っているため、(1A)ラジカル2官 性樹脂と(1C)エポキシ樹脂との相溶性に優れ る。そのため、(1B)の樹脂と、(1A)ラジカル2官 能性樹脂または(1C)エポキシ樹脂を含む液晶 ール剤は、均一な硬化物を与える。このよ な液晶シール剤はガラス転移温度(Tg)、接着 度が高くなる。

 (1C)の樹脂
 (1C)の樹脂は、分子内にエチレン性不飽和二 重結合を有せずエポキシ基を1つ以上有する 脂である。本発明のエポキシ樹脂は、環球 による軟化点が40℃以上であり、かつ重量平 均分子量が500~5000である。

 (1C)の樹脂の軟化点および分子量は、液晶 シール剤としたときの粘度に影響を与える。 軟化点および重量平均分子量が上記範囲内に ある(1C)の樹脂を含む液晶シール剤は、特に 硬化時の液晶シール剤中の硬化性樹脂の粘 が低すぎることなく適切な範囲となるため シールパターンが変形されにくくなり、耐 ーク性に優れる。軟化点は40℃以上であれば 特に限定されないが、液晶シール剤としたと きの粘度を適正な範囲とするために160℃以下 であることが好ましい。

 また、軟化点および重量平均分子量が上 範囲内にある(1C)の樹脂を含む液晶シール剤 は、液晶に対する当該(1C)の樹脂の溶解性、 散性が低くなるため、液晶を汚染しにくい (1C)の樹脂の重量平均分子量は、例えば、GPC よってポリスチレンを標準として測定する とができる。

 上記(1C)の樹脂の例には、以下のものであっ て軟化点および重量平均分子量が前記の範囲 にあるものが含まれる。
 ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビス ェノールF、ビスフェノールADなどで代表さ る芳香族ジオール類、またはこれらをエチ ングリコール、プロピレングリコール、ア キレングリコール変性したジオール類と、 ピクロルヒドリンとの反応で得られた芳香 多価グリシジルエーテル化合物。
 フェノールまたはクレゾールとホルムアル ヒドとから誘導されたノボラック樹脂やポ アルケニルフェノールやそのコポリマーな で代表されるポリフェノール類と、エピク ルヒドリンとの反応で得られたノボラック 多価グリシジルエーテル化合物。
 キシリレンフェノール樹脂のグリシジルエ テル化合物類。

 ノボラック型多価グリシジルエーテル化 物の具体例には、クレゾールノボラック型 ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ シ樹脂が含まれる。芳香族多価グリシジル ーテル化合物の具体例には、ビスフェノー A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ シ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ 脂、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂 トリスフェノール型エポキシ樹脂、ジシク ペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニル ーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ シ樹脂が含まれる。

 (1C)の樹脂のエポキシ基量は、(1B)の樹脂 様に、エポキシ基の数を(1C)の樹脂の分子量 除して求められる。当該分子量は、エポキ 当量の値から求めた分子量を使うことが好 しい。(1C)の樹脂が水素結合性官能基を有す る場合の水素結合性官能基量の求め方につい ても同様である。

 エポキシ基量はエポキシ当量の逆数と等 く、(1C)の樹脂のエポキシ当量を測定するこ とで求めることができる。エポキシ当量は、 試料をジオキサン溶解させ、塩酸-ジオキサ 溶液を加え放置した後、エタノール・トル ン混合液を加え、指示薬としてクレゾール ッドを使い、試料により消費された塩酸量 ら算出してよい。

 (1A)の樹脂と(1C)の樹脂とから構成された 化性樹脂を含む液晶シール剤は特に耐リー 性と接着強度のバランスに優れる。また、(1 B)の樹脂と(1C)の樹脂とから構成された硬化性 樹脂を含む液晶シール剤は特に接着強度に優 れる。さらに、(1A)の樹脂と(1B)の樹脂とから 成された硬化性樹脂を含む液晶シール剤は 特に耐リーク性に優れる。

 また、液晶シール剤が(1A)の樹脂と(1C)の 脂を硬化性樹脂として含む場合、これらの 合比は、質量比にして(1A)の樹脂:(1C)の樹脂=7 0~97:30~3であることが好ましい。液晶シール剤 が(1A)の樹脂と(1B)の樹脂を硬化性樹脂として む場合、これらの配合比は、質量比にして( 1A)の樹脂:(1B)の樹脂=10~70:90~30であることが好 しい。液晶シール剤が(1B)の樹脂と(1C)の樹 を硬化性樹脂として含む場合、これらの配 比は、質量比にして(1B)の樹脂:(1C)の樹脂=70~9 7:30~3であることが好ましい。液晶シール剤が (1A)の樹脂と(1B)の樹脂と(1C)の樹脂を硬化性樹 脂として含む場合、これらの配合比は、質量 比にして(1A)の樹脂:(1B)の樹脂:(1C)の樹脂=10~87: 10~87:3~30であることが好ましい。

 上記液晶シール用硬化性樹脂組成物IIIは 前述の(3)、(4)、(12)に加えて、さらに前述(5) エポキシ硬化剤、(6)エポキシ樹脂、(7)光ラジ カル重合開始剤、(8)熱可塑性ポリマー、(9)そ の他の添加剤をさらに含んでいてもよい。こ れらの化合物などに関する詳細は既に述べた 通りであるため、ここでの説明は省略する。

 2.液晶シール用硬化性樹脂組成物の製造方
 本発明の液晶シール用硬化性樹脂組成物は 明の効果を損なわない範囲で任意に製造で 、例えば、既に述べた各成分を混合して調 される。当該混合方法は特に限定されず、 えば、双腕式攪拌機、ロール混練機、2軸押 出機、ボールミル混練機、遊星式撹拌機など の公知の混練機械を使えばよい。混合物をゲ ル化させず、かつ均一に混練するため、ロー ル温度は15~35℃に設定されることが好ましく 25~35℃がより好ましい。ここで、組成物の 度安定性を向上させる観点から、調製時に ける混合物の温度は15~30℃未満の範囲内であ ることが好ましい。最終的に得た混合物は、 必要に応じてフィルターによってろ過され、 真空脱泡処理された後にガラス瓶やポリ容器 に密封充填される。

 3.液晶表示パネルの製造方法
 本発明の液晶表示パネルは、本発明の液晶 ール用硬化性樹脂組成物を使って製造する とができるが、以下、好ましい製造方法を 明する。

 当該液晶表示パネルの製造方法は、対向す 2枚の基板が液晶シール用硬化性樹脂組成物 を介して貼り合わされた液晶表示パネルの製 造方法において、
 1)本発明の液晶シール用硬化性樹脂組成物 よって画素配列領域が包囲されるように形 された枠状の表示領域を含む第1の基板を準 する工程と、
 2)未硬化状態の前記表示領域内、またはも 一方の基板に液晶を滴下する工程と、
 3)前記第1の基板と、これに対向する第2の基 板とを重ね合わせる工程と、
 4)加熱によって前記液晶シール用樹脂組成 を硬化させる工程と、を含むことを特徴と る。

 1)の工程では、2枚の基板のうちいずれか 方に液晶シール剤を塗布して、枠状の表示 域を配置した基板を準備する。枠状の表示 域とは、当該樹脂組成物で描画されたシー の形状を意味し、シールパターンともいう 基板は、表示パネルの基礎をなす部材であ 通常は2枚のガラスなどで構成される。液晶 表示パネルに使用される2枚の基板の例には TFTがマトリックス状に形成されたガラス基 や、カラーフィルタ、ブラックマトリクス 形成された基板が含まれる。基板の材質の には、ガラスやポリカーボネート、ポリエ レンテレフタレート、ポリエーテルサルフ ン、PMMAなどのプラスチックが含まれる。

 各基板の対向する面には、配向膜が形成 れていてもよい。配向膜としては、特に限 されず、例えば、公知の有機配向剤や無機 向剤から作られたものを使うことができる また、基板には、予めスペーサーが散布さ ていてもよい。スペーサーは、真球状のシ カ粒子が一般的に使われ、セルギャップを 一に保つ上で有効である。通常は、予め基 上に散布した状態の面内スペーサーである 、或いは液晶シール剤に含ませたスペーサ が使われる。なお、スペーサーの種類やサ ズは特に限定されず、所望とするセルギャ プの大きさなどに応じて、公知のものを使 ばよい。

 基板上に液晶シール剤を塗布する方法の には、ディスペンサーによる塗布やスクリ ン印刷による塗布が含まれるが、特に限定 れず公知の技術を使えばよい。小型の液晶 示パネルを製造する場合には、生産性の向 という観点から、スクリーン印刷による塗 が好ましい。

 2)の工程では、未硬化状態の表示領域内 またはもう一方の基板に適量の液晶が滴下 れる。「未硬化状態」とは、樹脂組成物の 化反応がゲル化点まで進行していない状態 いう。上記液晶滴下は、通常、大気圧下で なわれる。

 上記液晶の滴下量は、液晶が枠内に収ま ように枠のサイズに応じて調節することが ましい。これにより、液晶の容量が、2枚の 基板の間に存在する液晶シール剤で囲まれた 空間(セル)の容量を超えることがないため、 に過剰の圧力がかからないから枠を作るシ ルが破れることもない。また、(2)の工程に いて、表示領域が形成されていないもう一 の基板に滴下する場合は、基板同士を重ね わせたときに表示領域となり得る領域内に 下すればよい。

 3)の工程では、液晶が滴下された基板が もう一方の基板と重ね合わされる。重ね合 せは、気圧差を利用して基板同士を貼り合 るため、真空貼り合せ装置などを使い、減 下で行うことが好ましい。

 また、3)の工程の後には、重ね合わせた2 の基板を減圧下から大気圧に戻す工程を含 でもよい。このように減圧下において重ね わせた基板同士を、減圧下から大気圧の環 へと戻せば、その枠の内側と外側とにおい 気圧差が発生するために、2枚の基板をその 両外側から押圧されるので、基板同士が貼り 合わされる。

 4)の工程では、基板間にある液晶シール を硬化させる。本発明の液晶シール剤は、 熱のみによって速やかに硬化させることが きる。加熱温度や時間などの硬化処理条件 、液晶シール剤の組成に応じて適宜選択す ばよい。4)の工程は、光を照射して液晶シー ル剤を硬化させる工程を含んでいてもよい。 この場合、光照射により液晶シール剤を仮硬 化させた後、加熱して後硬化させればよい。 光照射とは、硬化性樹脂を反応させうるエネ ルギーを有する光(好ましくは紫外線)を照射 ることをいう。パネル製造時の工程を簡素 する観点から、4)の工程は加熱のみで液晶 ール剤を硬化させる工程であることが好ま い。

 4)の工程において、加熱のみで液晶シー 剤を硬化させる場合、その加熱条件は、80~15 0℃で10~240分とすることが好ましく、100~130℃ 30~120分とすることがより好ましい。一方、 照射と加熱硬化を併用する場合、その加熱 件は、40~90℃で1~120分とすることが好ましい 。また、いずれの場合も、必要に応じて、110 ~150℃で30~90分の後硬化を行ってもよい。

 また、最近の液晶滴下工法では、生産性 更なる向上を目的として、基板の上に液晶 ール剤による複数の枠を形成した後、各枠 または対となる基板の上に適量の液晶を滴 してから2枚の基板同士を貼り合わせる方法 が採用されている。本方法は、基板同士を貼 り合わせた後、枠の外周を切断することによ って個々の液晶表示パネルを切り出すもので あるが、本方法にも本発明の組成物は有用で ある。

 本発明の液晶シール剤は、光を使わずに 熱のみで速やかにかつ十分に硬化が進行す 。そのため、遮光部分での未硬化部分の残 問題を考慮する必要もないし、またパネル 計にかかる制約も非常に少ない。さらには 液晶シール剤の硬化時に紫外線照射装置な を使う必要もないため、製造コストが低減 れ得る。また、上記組成物I~IIIのように、 発明の液晶シール剤は、所定の熱ラジカル 合開始剤や連鎖移動剤を含有するため、当 液晶シール剤を加熱すると、ラジカルなど 活性化するから短時間のうちに硬化が十分 進む。よって、携帯電話に搭載される小型 ネルのように、ブラックマトリクスや配線 複雑な液晶表示パネルを製造する場合でも 遮光部分における未硬化部分の問題がない

 ここで、ブラックマトリクスとは、フォ レジストから規定され、カラーフィルタを 成する光の3原色、R(赤)G(緑)B(青)を包囲する 格子状の囲みなどである。また、紫外線照射 、または加熱に使う装置は特に限定されない 。本発明で使用可能な加熱装置の例には、オ ーブン、ホットプレート、ホットプレスが含 まれる。

 上記方法により、本発明の液晶シール用 化性樹脂組成物を使って製造された液晶表 パネルは、耐リーク性に優れ、かつ液晶汚 が抑制されているとともに、液晶シール剤 硬化物と基板との接着強度が高いから表示 性が良好である。

 以下に、本発明にかかる実施例、比較例 挙げて、本発明をより詳細に説明する。た し、本発明はここに示す形態に限定されな 。また、以下に記載の「%」、「部」は、そ れぞれ「質量%」、「質量部」を意味する。

 先ず、本発明の液晶シール用硬化性樹脂 成物Iについて行った実施例および比較例に ついて説明する。

 [実施例I-1~13、比較例I-1~4に使用する材料な の調製]
 (1)アクリル樹脂
 以下の樹脂に対し、トルエン使って希釈し 純水にて洗浄する工程を12回繰り返して、 純度化処理を行った。
 アクリル樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ 脂変性ジアクリレート(3002A:共栄社化学製、 分子量600)
 アクリル樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ 脂変性ジアクリレート(EB3700:ダイセル・サ テック社製、分子量485)

 (2)変性エポキシ樹脂
 以下の方法で合成した変性エポキシ樹脂を 備した(合成例I-1)。

 [合成例I-1]
 攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備 た500mlの四つ口フラスコにビスフェノールF エポキシ樹脂(エポトートYDF-8170C:東都化成 製)160g、アクリル酸36g、トリエタノールアミ ン0.2gを仕込み、乾燥エア気流下、110℃、5時 加熱攪拌してアクリル変性エポキシ樹脂を た。得られた樹脂は超純水にて12回洗浄し 。

 (3)熱ラジカル重合開始剤
 熱ラジカル重合開始剤88:1,1-アゾビス(2,4-シ ロヘキサン-1-カルボニトリル)(V-40:和光純薬 製、10時間半減期温度88℃)
 熱ラジカル重合開始剤75:t-アミルパーオキ -2-エチルヘキサノエート(ルパゾール575:エー ピーアイコーポレーション製、10時間半減期 度75℃)
 熱ラジカル重合開始剤65:2,2’-アゾビス(2-メ チルプロピオネート)(V-601:和光純薬製、10時 半減期温度65℃)
 熱ラジカル重合開始剤51:2,2’-アゾビス(2.4- メチルバレロニトリル)(V-65:和光純薬製、10 間半減期温度51℃)

 (4)フィラー
 フィラー1:球状シリカ(シーフォスターS-30: 本触媒製、平均一次粒子径0.3μm、比表面積11 m 2 /g)
 フィラー2:球状シリカ(SO-C2:アドマテックス 製、平均一次粒子径0.9μm、比表面積4m 2 /g)

 (5)エポキシ硬化剤
 潜在性エポキシ硬化剤1:1,3-ビス(ヒドラジノ カルボエチル)-5-イソプロピルヒダントイン( ミキュアVDH:味の素社製、融点120℃)
 潜在性エポキシ硬化剤2:アジピン酸ジヒド ジド(ADH:大塚化学社製、融点181℃)

 (6)エポキシ樹脂
 エポキシ樹脂1:o-クレゾールノボラック型固 形エポキシ樹脂(EOCN-1020-75:日本化薬社製、環 法による軟化点75℃、エポキシ当量215g/eq)
 エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ 脂(エピコート828EL:JER製、エポキシ当量190g/e q)

 (7)光ラジカル重合開始剤
 光ラジカル重合開始剤1:1-ヒドロキシ-シク ヘキシル-フェニル-ケトン(イルガキュア184: バスペシャリティ・ケミカルズ社製)
 光ラジカル重合開始剤2:2,2-ジメトキシ‐2‐ フェニルアセトフェノン(イルガキュア651:チ スペシャリティーケミカル製)

 (8)熱可塑性ポリマー
 メタクリル酸-アルキル共重合体微粒子(F-325 :日本ゼオン社製、平均一次粒子径0.5μm)を準 した。

 [評価方法]
 実施例I-1~13および比較例I-1~4で行った評価 法について説明する。ここでは、i)粘度測定 、ii)液晶シール剤の耐リーク性、iii)液晶シ ル剤の塗布性、iv)接着強度、を測定し、液 シール剤の特性を評価した。各測定評価方 の詳細を以下に示す。

 i)粘度測定
 E型回転型粘度計(デジタルレオメータ型式DI I-III ULTRA:BROOKFIELD社製)と、半径12mm、角度3° CP-52型コーンプレート型センサとを使って、 以下の条件にて回転数1.0rpmで測定した。
 25℃での粘度:本発明の液晶シール剤を25℃ 5分間放置後測定した。
 80℃での粘度:本発明の液晶シール剤をE型回 転粘度計のカップ中に設置し、昇温速度5℃/ で80℃まで昇温させて5分間80℃で放置した 測定した。

 上記測定方法では、液晶シール剤の80℃ の粘度が測定限界を超えるため測定不可な 合、パラレルプレート法(RheoStress RS150:HAAKE )で測定した。パラレルプレート法による測 は、上記機種の標準法に則り、昇温速度5℃ /分で80℃まで昇温させた後、直ちに測定した 。

 ii)液晶シール剤の耐リーク性
 透明電極および、配向膜を付した40mm×45mmガ ラス基板(RT-DM88PIN:EHC社製)上に、5μmのガラス ァイバを1部添加した液晶シール剤を、ディ スペンサー(ショットマスター:武蔵エンジニ リング社製)にて0.5mmの線幅、50μmの厚みで35 mm×40mmの枠型に描画した。

 次に、貼り合わせ後のパネル内容量に相 する液晶材料(MLC-11900-000:メルク社製)を、デ ィスペンサーにより精密に滴下した。続いて 、対向するガラス基板を90Paの減圧下で重ね わせ、荷重をかけて固定し、大気解放後120 、60分加熱硬化した。

 得られた液晶表示パネルのシール直線性は 下の基準で評価した。
 [シールの最大幅と最小幅の比率]%
                =[シールの最小幅]/[ ールの最大幅]×100
 上記比率が95%以上のもの:○(優れる)
 50%以上95%未満であるもの:△(やや優れる)
 50%未満であるもの:×(劣る)

 iii)液晶シール剤の塗布性
 300mm×400mmの液晶表示パネル用ガラス基板(日 本電気硝子社製)に、5μmのガラスファイバを1 %添加した液晶シール剤を、針先口径0.4mmのシ リンジに真空下で充填した。次にディスペン サー(ショットマスター:武蔵エンジニアリン 社製)にて吐出圧力0.3MPa、塗布厚み20μm、塗 速度100mm/secで35mm×40mmの枠型に50個描画した

 描画したシールパターンのシール形状は以 の基準で評価した。
 シール切れ、シールかすれが全く発生して ない枠型が48個~50個:○(優れる)
 上記枠型が45個~48個未満:△(やや優れる)
 上記枠型が44個未満:×(劣る)

 iv)接着強度
 5μmのガラスファイバを1%添加した液晶シー 剤を、25mm×45mm×厚さ5mmの無アルカリガラス に直径1mmの円状にスクリーン印刷し、対と る同様のガラスを貼り合せて、固定しなが 120℃1時間加熱し接着試験片を作製した。引 張試験機(model210:インテスコ社製)を使って、 られた試験片を速度2mm/分でガラス底面に平 行な方向に引き剥がし、平面引張強度を測定 した。

 接着強度は以下の基準で評価した。
 引張強度が10MPa以上:○(優れる)
 引張強度が7MPa以上10MPa未満:△(やや優れる)
 引張強度が7MPa未満:×(劣る)

 [実施例I-1]
 アクリル樹脂1を30部、合成例I-1で得たメタ リル変性エポキシ樹脂70部、10時間半減期温 度が75℃である熱ラジカル重合開始剤75を1部 フィラー1を20部、をミキサーで予備混合し 次に3本ロールで固体原料が5μm以下になる で混練した。続いて当該組成物を目開き10μm のフィルター(MSP-10-E10S:ADVANTEC社製)でろ過し 後、真空脱泡処理して液晶シール用樹脂組 物を得た。

 得られた液晶シール用樹脂組成物の25℃粘 は、0.5rpmで260Pa・s、1.0rpmで180Pa・s、5rpmで120P a・sであった。
 80℃でのE型回転型粘度計の粘度は780Pa・sを えたため、パラレルプレート法(RheoStress RS1 50:HAAKE製)で測定したところ、9.00E+05Pa・sであ た。また、チキソトロピー指数は2.2であっ 。
 そして、前記評価方法によって液晶シール 樹脂組成物に関する各測定を行い、その特 を評価した。

 [実施例I-2~13]
 実施例I-1と同様にして表1、表2に示す組成 液晶シール用樹脂組成物を得た。さらに実 例I-1と同様の評価を行った。

 [比較例I-1~2]
 実施例1と同様にして表3に示す組成の液晶 ール用樹脂組成物を得た。さらに実施例1と 様の評価を行った。

 [比較例I-3]
 アクリル樹脂2を60部と、エポキシ樹脂2を40 とを、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した。

 次に、当該樹脂に、光ラジカル重合開始 2を2部、熱可塑性ポリマーを10部、シランカ ップリング剤(S510:チッソ社製)1部、フィラー2 を10部、潜在性エポキシ硬化剤2を10部、さら 添加し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した 続いて、セラミックス3本ロールミルでこれ らの混合物を混合し、液晶シール用樹脂組成 物を得た。得られた樹脂組成物について実施 例1と同様の評価を行った。

 [比較例I-4]
 アクリル樹脂2を60部と、エポキシ樹脂2を40 と、を遊星式攪拌装置にて混合攪拌した。

 次に、当該樹脂に、熱可塑性ポリマーを1 0部、シランカップリング剤(S510:チッソ社製)1 部、フィラー2を10部、潜在性エポキシ硬化剤 2を10部、さらに配合し、遊星式攪拌装置で混 合攪拌した。続いて、セラミックス3本ロー ミルで混合物をさらに混合し、液晶シール 樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物に いて実施例1と同様の評価を行った。

 実施例I-1~13、比較例I-1~4で調製した液晶 下工法用シール剤のリーク性、塗布性、接 強度の結果を表1~表3に示した。

 実施例I-1~13に示す液晶シール剤は、耐リ ク性、塗布性、接着強度に優れている。こ らと比較例I-1、3および4の結果を比べると 液晶シール剤の80℃での粘度が500Pa・s以下で ある場合は、耐リーク性に問題が生じること が明らかである。また、実施例と比較例I-2を 比べると、25℃、1.0rpmでの粘度が500Pa・sを超 、かつチキソトロピー指数が5を超えると塗 布性に問題が生じることも明らかである。さ らに、実施例I-1~13と比較例I-3、4の結果から フィラーの含有量が少ないと接着強度に問 が生じることが明らかである。

 次に、本発明の液晶シール用硬化性樹脂 成物IIについて行った実施例および比較例 説明する。

 [実施例II-1~6、比較例II-1、2]
 各実施例などで使った材料は下記の通りで る。

 (3)熱ラジカル重合開始剤
 熱ラジカル重合開始剤:2,2’-アゾビス(2-メ ルプロピオネート)(商品名 V-601 和光純薬製 、10時間半減期温度65℃)

 (4)フィラー
 フィラー:球状シリカ(シーフォスターS-30:日 本触媒社製、平均一次粒子径0.3μm、比表面積 11m 2 /g)

 (5)エポキシ硬化剤
 熱潜在性エポキシ硬化剤:1,3-ビス(ヒドラジ カルボエチル)-5-イソプロピルヒダントイン (アミキュアVDH:味の素社製、融点120℃)

 (6)エポキシ樹脂
 エポキシ樹脂:o-クレゾールノボラック型固 エポキシ樹脂(EOCN-1020-75:日本化薬社製、環 法による軟化点75℃、エポキシ当量215g/eq)

 (9)その他の添加剤
 シランカップリング剤(γ-グリシドキシプロ ピルトリメトキシシラン KBM-403:信越化学工 社製)

 (10)ラジカル硬化性樹脂
 以下に示す各樹脂をトルエンで希釈した後 超純水を使って洗浄する工程を繰り返し行 高純度化したラジカル硬化性樹脂を準備し 。ここで、下記のラジカル硬化性樹脂2は、 後述の合成例II-1の方法により合成した樹脂 ある。
 ラジカル硬化性樹脂1:ビスフェノールA型エ キシ樹脂変性ジアクリレート(3002A:共栄社化 学製、分子量600)
 ラジカル硬化性樹脂2:1分子内にエポキシ基 よび(メタ)アクリル基を含む(メタ)アクリル 変性エポキシ樹脂

 [合成例II-1]
 攪拌機、気体導入管、温度計、冷却管を備 た500mlの四つ口フラスコに、ビスフェノー F型エポキシ樹脂(エポトートYDF-8170C 東都化 社製)160g、アクリル酸36g、トリエタノール ミン0.2gを仕込み、乾燥エア気流下、110℃、5 時間加熱攪拌してアクリル変性エポキシ樹脂 を得た。得られた樹脂は超純水を使って12回 浄した。

 (11)ラジカル連鎖移動剤
 ラジカル連鎖移動剤1:1,3,5-トリス(3-メルカ トブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6 (1H,3H,5H)-トリオン(カレンズMT NR-1:昭和電工社 製)
 ラジカル連鎖移動剤2:テトラエチルチラウ ジスルフィド(和光純薬工業製)
 ラジカル連鎖移動剤3:ジエトキシメタンポ サルファイドポリマー(チオコールLP-2:東レ ファインケミカル社製)
 ラジカル連鎖移動剤4:t-ドデシルメルカプタ ン

 [評価方法]
 実施例II-1~6および比較例II-1,2で行った評価 法について説明する。ここでは、i)液晶表 パネルの表示性、ii)液晶シール剤のシール 、iii)硬化した液晶シール剤の接着強度、を 定し、液晶シール剤の特性を評価した。各 定評価方法の詳細を以下に示す。

 i)液晶表示パネルの表示性
 透明電極および配向膜を付した40mm×45mmガラ ス基板(RT-DM88PIN:EHC社製)上に、5μmのガラスフ イバを1%添加した液晶シール剤を使って、0. 5mmの線幅、50μmの厚みで35mm×40mmの枠型を描画 した。描画にはディスペンサー(ショットマ ター:武蔵エンジニアリング社製)を使った。

 次に、貼り合わせ後のパネル内容量に相 する液晶材料(MLC-6848-000 メルク社製)を、デ ィスペンサーにて精密に滴下した。続いて、 90Paの減圧下で2枚のガラス基板を対向するよ に重ね合わせてから、荷重をかけて固定し さらに、減圧下から大気圧に戻すことによ 基板同士を貼り合わせた。そして、この貼 合わされた基板同士を循環式オーブンに投 し、70℃で30分加熱してから、さらに120℃で 60分加熱することにより液晶シール剤を硬化 せた。

 貼り合わされた2枚の基板の両面に、それぞ れ偏光フィルムを貼り付けて液晶表示パネル とした。この液晶表示パネルに対して、直流 電源装置にて5Vの電圧をかけることにより、 晶表示パネルを駆動させた。このとき、液 シール剤によって形成されたシール近傍の 晶表示機能が駆動初期から正常に機能する 否かを目視によって観察し、液晶表示パネ の表示性を以下の基準で評価した。
 シールの際まで表示機能が発現されている 合:○(表示性が良好)
 シールの際付近から0.3mmを超えて離れてい ところまで表示機能が発現されていない場 :×(表示性が著しく悪い)

 ii)液晶シール剤のシール性
 上記の液晶表示パネルの製造方法と同じ方 で、3枚の液晶表示パネルを作製し、以下に 示す基準により各液晶表示パネルにおいて表 示領域となる枠(シール)のシール性を4段階で 評価した。
 メインシールの破れが無くかつ液晶からシ ルラインへの侵入(以下、差込みと称する) 無い場合:◎
 差込みは見られるが、メインシール破れの い場合:○
 1箇所メインシール破れがある場合:△
 2箇所以上メインシール破れがある場合:×

 iii)硬化した液晶シール剤の接着強度
 先ず、5μmのガラスファイバを1%添加した液 シール剤を、25mm×45mm×厚さ5mmの無アルカリ ラス上に直径1mmの円状にスクリーン印刷し 対となる同様のガラスを十字に貼り合わせ 。次に、この貼り合わせた2枚の基板をクリ ップで挟みこむことにより荷重をかけながら 循環式オーブンに投入した後に、70℃で30分 熱し、さらに120℃で60分加熱して液晶シール 剤を硬化させた。その後に、2枚の基板の両 に、それぞれ偏向フィルムを貼り付けてか 、窒素雰囲気中において120℃で60分加熱する ことにより、加熱のみで液晶シール剤を硬化 させた試験片を作成した。

 引張試験機(モデル210 インテスコ社製)を 使って、得られた試験片をガラス底面に平行 な方向に引張速度を2mm/分として引き剥がす とにより平面引張強度を測定した。

 接着強度は以下の基準で評価した。
 引張強度が10MPa以上となる場合:○(接着強度 が良好)
 引張強度が10MPa未満となる場合:×(接着強度 悪い)

 iv)液晶シール剤の粘度安定性
 後述する方法で調製された液晶シール剤の 度安定性を、E型回転型粘度計(BROOKFIELD社製: デジタルレオメータ型式DII-III ULTRA)で測定し た。このとき、液晶シール剤の粘度は、調製 直後の粘度と、25℃で5日間、保管した後の粘 度とを測定した。測定には半径12mm、角度3° CP-52型コーンプレート型センサを使って、回 転数を2.5rpmとした。

 測定された液晶シール剤の粘度のうち、調 直後の粘度をη1、25℃で5日間保管後の粘度 η2として、液晶シール剤の粘度安定性を以 の基準で評価した。
 η2/η1の値が1.5未満である場合:○
 η2/η1が1.5以上2.0未満である場合:△
 η2/η1の値が2.0以上である場合:×

 [実施例II-1]
 エポキシ樹脂を15部と、ラジカル硬化性樹 1を45部と、を100℃で1時間加熱溶解し、均一 溶液とした。次に、この溶液を冷却した後 、上記の合成例II-1で得たラジカル硬化性樹 脂2を20部、ラジカル連鎖移動剤1を0.5部、フ ラーを15部、潜在性エポキシ硬化剤を3部、 よび添加剤としてシランカップリング剤を1 、加え、ミキサーで予備混合し、次に3本ロ ールで固体原料が5μm以下になるまで混練し 。続いて、この混合物を、目開き10μmのフィ ルター(MSP-10-E10S:ADVANTEC社製)でろ過した後に 熱ラジカル重合開始剤を0.5部加えてから、 星式攪拌機によって真空攪拌脱泡処理する とにより液晶シール剤を調製した。

 [実施例II-2]
 ラジカル連鎖移動剤2を使った以外は、すべ て実施例II-1と同じように液晶シール剤を調 した。

 [実施例II-3]
 ラジカル連鎖移動剤3を使った以外は、すべ て実施例II-1と同じように液晶シール剤を調 した。

 [実施例II-4]
 ラジカル硬化性樹脂1を42.5部、ラジカル硬 性樹脂2を15部、さらに、ラジカル連鎖移動 1を2.5部、フィラーを20.5部とした以外は、す べて実施例II-1と同じように液晶シール剤を 製した。

 [実施例II-5]
 ラジカル硬化性樹脂1を48部、ラジカル硬化 樹脂2を15部、さらに、フィラーを22部、エ キシ樹脂を10部とした以外は、すべて実施例 II-1と同じように液晶シール剤を調製した。

 [実施例II-6]
 ラジカル連鎖移動剤4を0.5部とした以外は、 全て実施例II-1と同じように液晶シール剤を 製した。

 [比較例II-1]
 ラジカル連鎖移動剤を一切使用しなかった と、ラジカル硬化性樹脂1を45.5部、ラジカ 硬化性樹脂2を20部とした以外は、すべて実 例II-1と同じように液晶シール剤を調製した

 [比較例II-2]
 熱ラジカル重合開始剤を使用しなかったこ 、ラジカル硬化性樹脂1を45.5部とした以外 、全て実施例II-1と同じように液晶シール剤 調製した。

 各実施例および比較例で使った液晶シー 剤の各成分の配合量、および調製した液晶 ール剤のシール性、接着強度、およびそれ 使った液晶表示パネルの表示性に関する評 結果を表4にまとめて示す。

 表4から明らかなように、本願発明を適用 した実施例II-1~6の液晶シール剤は、上記のシ ール性、接着強度、および表示性に非常に優 れることが確認された。その一方で、ラジカ ル連鎖移動剤を使わない場合、比較例II-1の 果から明らかなように、実施例と比べて表 性はやや劣るものの、シール性が悪くなる とが明らかである。また、熱硬化性剤とし 、チオール系のものを使った場合、1級チオ ルよりも2級チオールを使うと、液晶シール 剤の粘度安定性を向上させることができるこ とが確認された。その一方で、熱ラジカル重 合開始剤を使かわない場合、比較例II-2の結 から明らかなように、シール性、接着強度 表示性のいずれも問題となることが明らか ある。

 [実施例III-1~6、比較例III-1~4]
 以下、本発明の液晶シール用硬化性樹脂組 物IIIについて行った実施例および比較例を 体的に説明する。

 [実施例III-1~6、比較例III-1~4に使用する材料 どの調製]
 各実施例などで使った材料は下記の通りで る。

 (3)熱ラジカル重合開始剤
 熱ラジカル重合開始剤1:2,2’-アゾビス(2.4- メチルバレロニトリル)(V-65:和光純薬製、10 間半減期温度51℃、発熱開始温度51℃)
 熱ラジカル重合開始剤2:ジメチル2,2’-アゾ ス(2-メチルプロピオネート)(V-601:和光純薬 、10時間半減期温度66℃、発熱開始温度60℃)
 熱ラジカル重合開始剤3:t-アミルパーオキシ -2-エチルヘキサノエート(ルパゾール575:エー ーアイコーポレーション製、10時間半減期 度75℃、発熱開始温度88℃)
 熱ラジカル重合開始剤4:1,1-アゾビス(2,4-シ ロヘキサン-1-カルボニトリル)(パーヘキシル O:日本油脂社製、10時間半減期温度70℃、発熱 開始温度105℃)

 (4)フィラー
 フィラー1:球状シリカ(シーフォスターS-30: 本触媒製、平均一次粒子径0.3μm、比表面積 11m 2 /g)
 フィラー2:球状シリカ(SO-C2:アドマテックス 製、平均一次粒子径0.9μm、比表面積4m 2 /g)
 フィラー3:球状シリカ(SO-C1:アドマテックス 製、平均一次粒子径0.25μm、比表面積17.4m 2 /g)
 フィラー4:タルク(SG-2000:日本タルク社製、 均一次粒子径1.0μm、比表面積36.6m 2 /g)

 (5)エポキシ硬化剤
 潜在性エポキシ硬化剤1:1,3-ビス(ヒドラジノ カルボエチル)-5-イソプロピルヒダントイン( ミキュアVDH:味の素ファインテクノ社製、融 点120℃)
 潜在性エポキシ硬化剤2:アジピン酸ジヒド ジド(ADH:大塚化学社製、融点181℃)
 潜在性エポキシ硬化剤3:アミキュアPN-23J(味 素ファインテクノ社製、融点105℃)

 (7)光ラジカル重合開始剤
 光ラジカル重合開始剤1:2,2-ジメトキシ‐2‐ フェニルアセトフェノン(イルガキュア651:チ スペシャリティーケミカル製)

 (8)熱可塑性ポリマー
 メタクリル酸-アルキル共重合体微粒子(F-325 :日本ゼオン社製、平均一次粒子径0.5μm)

 (9)その他の添加剤
 カップリング剤1:シランカップリング剤(S-51 0:チッソ社製)
 カップリング剤2:シランカップリング剤(KBM- 403:信越化学社製)

 (12)硬化性樹脂
 下記の(1A)の樹脂、(1B)の樹脂、(1C)の樹脂を 宜選択し、使った。

 (1A)の樹脂(ラジカル二官能性樹脂)
 樹脂(A-1):下記の合成例III-1で合成した樹脂
 樹脂(A-2):下記の合成例III-2で合成した樹脂
 樹脂(A-3):下記の合成例III-3で合成した樹脂
 樹脂(A-4):下記の合成例III-4で合成した樹脂
 樹脂(A-5):下記の合成例III-5で合成した樹脂
 樹脂(A-6):ビスフェノールA型エポキシジアク リレート
 樹脂(A-7):下記の合成例III-6で合成した樹脂

 (1B)の樹脂
 樹脂(B-1):下記の合成例III-7で合成したジフ ニルエーテル型部分アクリル化エポキシ樹
 樹脂(B-2):下記の合成例III-8で合成したビス ェノールF型部分アクリル化エポキシ樹脂
 樹脂(B-3):下記の合成例III-9で合成したレゾ シンジグリシジルエーテル型部分アクリル エポキシ樹脂
 樹脂(B-4):下記の合成例III-10で合成した樹脂
 樹脂(B-5):下記の合成例III-11で合成した樹脂
 樹脂(B-6):下記の合成例III-12で合成した樹脂

 (1C)の樹脂
 樹脂(C-1):o-クレゾールノボラック型固形エ キシ樹脂(市販品)
 樹脂(C-2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂( 販品)
 樹脂(C-3)(比較用):ビスフェノールA型エポキ 樹脂(市販品)

[樹脂の分析方法]
 また、各合成例で合成した樹脂の品質など 把握するため、下記の方法にしたがって適 エポキシ当量測定および酸化測定を行った

 1)エポキシ当量測定
 エポキシ当量は、樹脂を塩酸-ジオキサン溶 液に溶解させた後、エポキシ基によって消費 された塩酸量を滴定する方法により算出した 。

 2)酸価測定
 酸価は次のように測定した。まず樹脂をジ チルエーテル・エタノール溶液に溶解させ 脂溶液を調製した。当該樹脂溶液にフェノ ルフタレインエタノール溶液を添加した。 いて、エタノール性0.1NのKOHを当該樹脂溶液 に滴下し、溶液が無色になるまでに消費した KOHの量から酸価を算出した。

 [合成例III-1]
 ラジカル2官能性樹脂(A-1)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、ビスフェノ ルFジグリシジルエーテル(大日本インキ化 工業社製、エピクロン830S、エポキシ当量170g /eq)170g、アクリル酸79g、トルエン500g、ターシ ャリーブチルアンモニウムブロマイド0.1gを 入し、攪拌して均一な溶液とした。

 当該溶液を90℃で2時間攪拌した後、さらに 流させながら36時間攪拌して反応させた。 の後、超純水で反応溶液を水洗した後、ト エンを除去して、樹脂を得た。得られた樹 のGPCによる数平均分子量は457であり、その ークは単一であった。得られた樹脂は分子 に水酸基を2つ有するため、水素結合性官能 量は4.38×10 -3 mol/gと算出された。本例によって得た樹脂の 造を以下に示す。


                         ・・・( A-1)

 [合成例III-2]
 ラジカル2官能性樹脂(A-2)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、エピクロン8 50CRP(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:大日本 ンキ化学工業製)を200g、メタクリル酸100g、 ルエン900g、トリエチルアミン0.4g、パラメ キシフエノール0.4gを装入して混合した。当 混合物を90℃で8時間攪拌して反応させた。 応終了後、反応混合物を超純水洗浄および ラム精製することにより、エポキシ基の100% がメタクリル化された樹脂を得た。

 得られた樹脂のGPCによる数平均分子量は513 あり、そのピークは単一であった。得られ 樹脂は分子内に水酸基を2つ有するため、水 素結合性官能基量は3.90×10 -3 mol/gと算出された。本例によって得た樹脂の 造を以下に示す。


                         ・・・( A-2)

 [合成例III-3]
 ラジカル2官能性樹脂(A-3)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、レゾルシノ ルジグリシジルエーテル(ナガセケムテック ス社製、デナコールEX-201、エポキシ当量117eq/ g)117g、アクリル酸79g、トルエン500g、ターシ リーブチルアンモニウムブロマイド1gを装入 して攪拌し、均一な溶液とした。当該溶液を 90℃で2時間攪拌した後、さらに還流させなが ら6時間攪拌して反応させた。

 その後、超純水で反応溶液を水洗した後、 ルエンを除去して樹脂を得た。得られた樹 のGPCによる数平均分子量は366であり、その ークは単一であった。得られた樹脂は分子 に水酸基を2つ有するため、水素結合性官能 基量は5.46×10 -3 mol/gと算出された。本例によって得た樹脂の 造を以下に示す。


                         ・・・( A-3)

 [合成例III-4]
 ラジカル2官能性樹脂(A-4)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、ジフェニル ーテル型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製:YSLV- 80DE、融点84℃)100g、重合禁止剤としてp-メト シフェノール0.2g、反応触媒としてトリエチ アミン0.2g、アクリル酸40g、トルエン500gを 入して攪拌し、均一溶液とした。次にフラ コ内に空気を送り込みながら、この溶液を80 ℃で2時間、さらに還流させながら36時間攪拌 して反応させた。

 その後、超純水で反応混合物を水洗した後 トルエンを除去し、エポキシ基が100%アクリ ル化された樹脂を得た。得られた樹脂のGPCに よる数平均分子量は459であり、そのピークは 単一であった。得られた樹脂は分子内に水酸 基を2つ有するため、水素結合性官能基量は4. 36×10 -3 mol/gと算出された。本例によって得た樹脂の 造を以下に示す。


                         ・・・( A-4)

 [合成例III-5]
 ラジカル2官能性樹脂(A-5)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、無水フタル 296.2g(2モル)、2-ヒドロキシエチルアクリレ トの6-ヘキサノリド付加物(プラクセルFA3、 子量:459g/mol、ダイセル化学社製)917.0g(2モル) トリエチルアミン4g、ヒドロキノン0.9gを装 して混合した。この反応混合物を110℃で攪 して反応させた。反応は、反応混合物の酸 をモニターしながら行い、反応混合物の酸 が48mgKOH/gとなったところで、反応温度を90 にした。続いて、当該反応混合物にビスフ ノールAジグリシジルエーテル680.82g(2モル)、 テトラブチルアンモニウムブロマイド1.6gを 加し、反応混合物の酸価が2mgKOH/gとなるまで 90℃で反応を行った。

 その後、反応混合物にアクリル酸144.1g(2 ル)、ヒドロキノン1.8gをさらに加え、フラス コ内に空気を送り込みながら、80℃で2時間反 応させ、さらに温度を90℃に上げて反応を継 した。反応は、反応混合物の酸価が2mgKOH/g なるまで行った。

 反応終了後の混合物を、超純水洗浄および ラム精製して樹脂を得た。当該樹脂は、ビ フェノールAジグリシジルエーテルの一つの グリシジル基が「2-ヒドロキシエチルアクリ ートの6-ヘキサノリド付加物を無水フタル と反応させた化合物」のカルボキシル基と 応し、ビスフェノールAジグリシジルエーテ のもう一つのグリシジル基が「アクリル酸 のカルボキシル基と反応して得られた樹脂 ある。本例で得られた樹脂をGPC測定したと ろ、ピークは単一であり、分子量は1005であ った。得られた樹脂は、分子内に水酸基を2 有するため、水素結合性官能基量は1.99×10 -3 mol/gと算出された。

 ラジカル2官能性樹脂(A-6)
 ビスフェノールA型エポキシジアクリレート (EB3700:ダイセル・サイテック社製)を使った。 水素結合性官能基量は、4.12×10 -3 mol/gであった。

 [合成例III-6]
 ラジカル2官能性樹脂(A-7)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、ジイソシア 酸ヘキサメチレン(関東化学社製)172g、グリ ドール(和光純薬社製)148gを装入し、80℃で1 間攪拌して混合した。その後、当該反応混 物にジブチル錫ジラウレート0.05gを添加し 80℃で2時間撹拌して反応させた。さらに、 応混合物にアクリル酸144gを加え、90℃で12時 間撹拌して反応させた。反応混合物の赤外分 光分析を行い、イソシアネートに基づく吸収 が消失したことを確認した。

 その後、反応混合物を超純水洗浄およびカ ム精製することにより、ジイソシアン酸ヘ サメチレンジグリシジルエーテルの100%アク リル化物を得た。本例で得られた樹脂をGPC測 定したところ、ピークは単一であり、分子量 は460であった。得られた樹脂は分子内に水酸 基を2つ、ウレタン結合基を2つ有するため、 素結合性官能基量は8.70×10 -3 mol/gと算出された。

 (1B)の樹脂
 [合成例III-7]
 樹脂(B-1):ジフェニルエーテル型部分アクリ 化エポキシ樹脂の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、ジフェニル ーテル型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製:YSLV- 80DE、融点84℃)100g、重合禁止剤としてp-メト シフェノール0.2g、アクリル酸20g、トルエン5 00g、反応触媒としてトリエチルアミン0.2gを 入し、攪拌して均一溶液とした。フラスコ に空気を送り込みながら、この溶液を80℃で 2時間攪拌、さらに還流させながら24時間攪拌 して反応させた。

 反応終了後、反応混合物をカラム精製した 、超純水を使って水洗し、さらにトルエン 除去して、エポキシ基が50%アクリル化され 部分アクリル化エポキシ樹脂を得た。得ら た樹脂のGPCによる数平均分子量は386であり そのピークは単一であった。得られた樹脂 分子内に水酸基を1つ有するため、水素結合 性官能基量は2.59×10 -3 mol/gと算出された。また、当該樹脂は分子内 1つのエポキシ基を有するため、エポキシ基 量は2.59×10 -3 mol/gと算出された。

 [合成例III-8]
 樹脂(B-2):ビスフェノールF型部分アクリル化 エポキシ樹脂の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、ビスフェノ ルF型エポキシ樹脂(エポトートYDF-8170C:東都 成社製)160g、アクリル酸36g、トリエタノー アミン0.2gを装入して攪拌した。続いて、乾 エアをフラスコ内に吹き込みながら、110℃ 5時間攪拌して当該混合物を反応させて、ア クリル変性エポキシ樹脂を得た。得られた樹 脂はカラム精製した後、樹脂と同量のトルエ ンに溶解された。

 超純水を使って当該樹脂のトルエン溶液を 洗した後、さらにトルエンを除去して、エ キシ基が50%アクリル化された部分アクリル エポキシ樹脂を得た。得られた樹脂のGPCに る数平均分子量は384であり、そのピークは 一であった。得られた樹脂は分子内に水酸 を1つ有するため、水素結合性官能基量は2.6 0×10 -3 mol/gと算出された。また、当該樹脂は分子内 1つのエポキシ基を有するため、エポキシ基 量は2.60×10 -3 mol/gと算出された。

 [合成例III-9]
 樹脂(B-3):レゾルシンジグリシジルエーテル 部分アクリル化エポキシ樹脂の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、レゾルシノ ルジグリシジルエーテル(ナガセケムテック ス社製、デナコールEX-201、エポキシ当量117eq/ g)234g、アクリル酸72g、トルエン500g、ターシ リーブチルアンモニウムブロマイド1gを装入 して攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を 90℃で2時間、さらに還流させながら6時間攪 して反応を行った。

 反応終了後、反応混合物をカラム精製およ 超純水洗浄して、エポキシ基が50%アクリル された部分アクリル化エポキシ樹脂を得た 得られた樹脂のGPCによる数平均分子量は294 あり、そのピークは単一であった。得られ 樹脂は分子内に水酸基を1つ有するため、水 素結合性官能基量は3.40×10 -3 mol/gと算出された。得られた樹脂は分子内に ポキシ基を1つ有するため、エポキシ基量は 3.40×10 -3 mol/gと算出された。

 [合成例III-10]
 樹脂(B-4)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、無水フタル 296.2g(2モル)、2-ヒドロキシエチルアクリレ トの6-ヘキサノリド付加物(プラクセルFA5、 子量:686g/mol、ダイセル化学社製)1372.0g(2モル) 、トリエチルアミン4g、ヒドロキノン0.9gを装 入した。当該混合物を110℃で攪拌して反応さ せた。反応は、酸価をモニターしながら行い 、酸化が36mgKOH/gとなった時点で、反応温度を 90℃とした。

 続いて、ビスフェノールAジグリシジルエ ーテル680.82g(2モル)、テトラブチルアンモニ ムブロマイド1.6gを添加し、反応混合物の酸 が2mgKOH/gとなるまで加熱攪拌を続けた。

 反応終了後、反応混合物を超純水洗浄およ カラム精製して、2-ヒドロキシエチルアク レートの6-ヘキサノリド付加物と無水フタル 酸を反応させた化合物と、ビスフェノールA グリシジルエーテルを反応させて得られた 脂を得た。当該樹脂をGPCで分析したところ そのピークは単一であり、数平均分子量は11 60であった。得られた樹脂は分子内に水酸基 1つ有するため、水素結合性官能基量は8.6×1 0 -4 mol/gと算出された。得られた樹脂は分子内に ポキシ基を1つ有するため、エポキシ基量は 8.6×10 -4 mol/gと算出された。

 [合成例III-11]
 樹脂(B-5)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、フェノール ボラック型エポキシ樹脂N-770(大日本インキ )190g、トルエン500mL装入して攪拌し、さらに トリフェニルホスフィン0.1gを加えて、均一 溶液とした。当該溶液を還流状態にして、 拌しながらアクリル酸35gを2時間かけて滴下 た。その後、還流状態で撹拌を6時間行い反 応させた。

 反応終了後、反応混合物をカラム精製およ 超純水洗浄し、樹脂を得た。当該樹脂をGPC 測定したところ、ピークは単一であり、数 均分子量は1177であった。得られた樹脂のエ ポキシ当量を測定したところ、エポキシ基の 50%がアクリル酸で変性されていたことが明ら かとなった。得られた樹脂は分子内に水酸基 を3つ有するため、水素結合性官能基数は2.55 10 -3 mol/gと算出された。得られた樹脂は分子内に ポキシ基を3つ有するため、エポキシ基数は 2.55×10 -3 mol/gと算出された。

 [合成例III-12]
 樹脂(B-6)の合成
 温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラス を準備した。当該フラスコに、ジイソシア 酸ヘキサメチレン(関東化学社製)172g、グリ ドール(和光純薬社製)148gを装入し、80℃で1 間攪拌して反応させた。次に、当該反応混 物にジブチル錫ジラウレート0.05gを添加し 80℃で2時間撹拌した。さらに、当該反応混 物にアクリル酸72gを加え、100℃で3時間撹拌 て混合した。

 反応終了後、反応混合物の赤外分光分析を い、イソシアネートに基づく吸収が消失し ことを確認した。続いて、反応混合物を超 水洗浄およびカラム精製して、ジイソシア 酸ヘキサメチレンとグリシジルエーテル反 物の50%アクリル化物を得た。当該樹脂をGPC 測定したところ、そのピークは単一であり 数平均分子量は388であった。得られた樹脂 分子内にウレタン結合基を2つ、水酸基を1 有するため、水素結合性官能基量は7.73×10 -3 mol/gと算出された。得られた樹脂は分子内に ポキシ基を1つ有するため、エポキシ基量は 2.58×10 -3 mol/gと算出された。

 (1C)の樹脂
 樹脂(C-1):カラム分離したo-クレゾールノボ ック型固形エポキシ樹脂(EOCN-1020:日本化薬社 製、環球法による軟化点75℃、エポキシ当量2 15g/eq)

 当該樹脂のエポキシ当量が215g/eqであること から、当該樹脂(C-1)のエポキシ基1個あたりの 分子量は215である。よってこの樹脂のエポキ シ基量は、4.65×10 -3 mol/gと算出された。当該樹脂は水素結合性官 基を含まないため、水素結合性官能基量は0 であった。また、当該樹脂の重量平均分子量 をGPCで測定したところ、1075であった。

 樹脂(C-2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (エピコート1003:JER製、環球法による軟化点89 、エポキシ当量720g/eq)

 当該樹脂はエポキシ基を分子内に2つ含むた め、当該樹脂の分子量は1440と算出された。 該樹脂のエポキシ基量は、1.39×10 -3 mol/gと算出された。当該樹脂は分子量分布を とんど持たないため、重量平均分子量も1440 である。また、当該樹脂は、下記構造式で表 され、繰返単位(分子量284.4)あたり1つの水酸 を有する。当該樹脂の分子量は1440であるた め、nは3.87と算出される。したがって、1分子 当たり平均で3.87個の水酸基を有するため、 素結合性官能基量は2.69×10 -3 mol/gと算出された。

 上記構造式において、数字は分子量を示す

 エポキシ樹脂(C-3)(比較用):ビスフェノー A型エポキシ樹脂(エピコート828EL:JER製、エポ キシ当量190g/eq)

 当該樹脂(C-3)は、エポキシ基を分子内に2つ むため、当該樹脂の分子量は380と算出され 。よって、当該樹脂のエポキシ基量は、5.26 ×10 -3 mol/gと算出された。また、当該樹脂も式(2)で される構造であり、nは0.14と算出される。 たがって、0.14個の水酸基を有するため、水 結合性官能基量は3.7×10 -4 mol/gと算出された。当該樹脂は室温で液状で るため、軟化点は40℃未満であった。

 [評価方法]
 実施例III-1~6および比較例III-1~4で行った評 方法について説明する。ここでは、i)液晶シ ール剤の耐リーク性、ii)液晶シール剤の塗布 性、iii)シール外観および接着強度、iv)液晶 ール剤の粘度、を測定し、液晶シール剤の 性を評価した。各評価測定方法の詳細を以 に示す。

 i)液晶シール剤の耐リーク性
 後述する方法で調製した液晶シール剤に、 らに4.8μmの球状スペーサーを1部添加して、 スペーサーが添加された液晶シール剤を調製 した。次に、透明電極および、配向膜を付し た40mm×45mmガラス基板(RT-DM88PIN:EHC社製)を準備 た。前記組成物をディスペンサー(日立プラ ントテクノロジー社製)に充填し、ガラス基 の上に、35mm×40mm角の四角形のシールパター (断面積3500μm 2 )を描画した。

 ディスペンサー(日立プラントテクノロジ ー社製)を使って、貼り合わせ後のパネル内 量に相当する液晶材料(MLC-11900-000:メルク社 )を当該基板のシールパターン内に精密に滴 した。

 真空貼り合せ装置(信越エンジニアリング 社製)を使って10Paの減圧下で、前述のガラス 板と対向するガラス基板とを重ね合わせた 次に、あらかじめ準備しておいた40mm×45mmガ ラス基板2枚で、前記重ね合わされたガラス 板をはさみ、荷重をかけて固定した。当該 ラス基板は、その両面がクロムスパッタ処 されたものを使った。続いて、重ね合わさ たガラス基板を大気下に解放し、120℃で60分 加熱して硬化させた(以下、「耐リーク性試 における硬化工程」という)。

 耐リーク性の指標となる液晶表示パネルの ーパターン直線性、すなわちシール直線性 以下の方法で評価した。
 [シールの最大幅と最小幅の比率]%
                =[シールの最小幅]/[ ールの最大幅]×100
 上記比率が95%以上のもの:◎(優れる)
 80%以上95%未満であるもの:○(やや優れる)
 80%未満であるもの:×(劣る)

 ii)液晶シール剤の塗布性
 前記i)で使った液晶シール剤をシリンジに 空下で充填した。次に、口径0.4mmの針先をつ けたシリンジをディスペンサー(日立プラン テクノロジー社製)にセットし、当該シリン を使って、300mm×400mmの液晶表示パネル用ガ ス基板(日本電気硝子社製)の上に35mm×40mmの ールパターンを50個描画した。このとき、 出圧力を0.3MPa、断面積断面積3500μm 2 、塗布速度を100mm/秒とした。

 描画されたシールパターンのシール形状を 下の基準で評価した。
 シール切れ、シールかすれが全く発生して ない枠型が48~50個:◎(優れる)
 上記枠型が45個以上48個未満:○(やや優れる)
 上記枠型が44個未満:×(劣る)

 iii)シール外観および接着強度
 スクリーン版を使って、前記1)で調製した 晶シール剤を、25mm×45mm厚さ4mmの無アルカリ ラス上に直径1mmの円状のシールパターンを 布した。次に、当該無アルカリガラスと、 となる同様のガラスを十字に重ね合わせ固 した後、この固定したガラス対を120℃で60 間加熱し、貼り合わせた(以下「接着試験に ける硬化工程」という)。得られた2枚のガ ス板(以下、「試験片」という)を、25℃湿度5 0%の恒温槽にて24時間保管した後、目視によ シール外観を観察した。シール外観は、液 シール剤の液晶汚染性の目安ともなる。

 シール外観は、以下の基準で評価した。
 目視で空隙、流れ出しがない:◎(優れる)
 目視でわずかな空隙あるいは流れ出しあり: △(やや劣る)
 目視で流れ出しおよび空隙あり:×(劣る)

 また、恒温槽から取り出した試験片につ て、引張り試験装置(インテスコ製)を使っ 引張り速度2mm/分における平面引張り強度を 定した。

 接着強度は、以下の基準で評価した。
 接着強度が10MPa以上:◎(優れる)
 接着強度が7MPa以上10MPa未満:○(やや優れる)
 接着強度が7MPa未満:×(劣る)

 iv)液晶シール剤の粘度測定
 組成物の粘度は、E型回転型粘度計(BROOKFIELD 製:デジタルレオメータ型式DV-III ULTRA)と、 径12mm、角度3°のCP-52型コーンプレート型セ サとを使って、以下の条件にて回転数1.0rpm 測定した。

 25℃での粘度:本発明の液晶シール剤を25℃ 5分間放置後測定した。
 80℃での粘度:本発明の液晶シール剤をE型回 転粘度計のカップ中に設置し、昇温速度5℃/ で80℃まで昇温させて5分間80℃で放置した 測定した。

 ここで、液晶シール剤の80℃での粘度が 記測定方法では測定限界を超えるため測定 きない場合、パラレルプレート法(RheoStress R S150:HAAKE製)で測定した。パラレルプレート法 よる測定は、上記機種の標準法に準じて、 温速度5℃/分で80℃まで昇温させた後、直ち に測定した。また、チキソトロピー指数(TI) 、E型回転型粘度計(デジタルレオメータ型式 DV-III ULTRA:BROOKFIELD社製)と、半径12mm、角度3° CP-52型コーンプレート型センサとを使って 25℃にて回転数0.5rpmおよび5.0rpmで測定し、[25 ℃、0.5rpmでの粘度]/[25℃、5.0rpmでの粘度]の値 で示した。

 [実施例III-1]
 硬化性樹脂として、樹脂(A-1)を30部、樹脂(A- 3)を30部、樹脂(A-5)を30部、エポキシ樹脂1を10 、フィラー1を20部、熱ラジカル重合開始剤1 を1部、エポキシ硬化剤1を8部準備した。これ らをミキサーで予備混合した。次に、この混 合物を3本ロールで固体原料が4μm以下になる で混練してした。続いて、当該混練物を目 き10μmのフィルター(MSP-10-E10S:ADVANTEC社製)で 過した後、真空脱泡処理して液晶シール剤 得た。

 当該液晶シール剤に含まれる硬化性樹脂中 水素結合性官能基量は、3.55×10 -3 mol/g、エポキシ基量は0.47×10 -3 mol/gであった。

 このようにして得た液晶シール剤の25℃粘 は、0.5rpmで440Pa・s、1.0rpmで350Pa・s、5rpmで280P a・sであった。
 80℃でのE型回転型粘度計の粘度は780Pa・sを えたため、パラレルプレート法(RheoStress RS1 50:HAAKE製)で測定した。その結果、9.00E+05Pa・s あった。チキソトロピー指数は1.6であった
 液晶シール剤は各種試験により評価された

 [実施例III-2~6]
 後述の表5に示す各成分を準備し、実施例III -1と同様にして液晶シール剤を調製した。各 晶シール剤について、実施例III-1と同様の 価を行った。

 [比較例III-1]
 後述の表6に示す各成分を準備し、実施例III -1と同様にして液晶シール剤を調製した。各 晶シール剤について、実施例III-1と同様の 価を行った。ただし、「耐リーク性評価に ける硬化工程」は、120℃で60分加熱する前に 3000mJの紫外線を照射することにより行った。 また、「接着試験における硬化工程」も、120 ℃で60分加熱前に3000mJの紫外線を照射するこ により行った。

 [比較例III-2、3]
 後述の表6に示す各成分を準備し、実施例III -1と同様にして液晶シール剤を調製した。各 晶シール剤について、実施例III-1と同様の 価を行った。

 [比較例III-4]
 後述の表6に示す各成分を準備し、比較例III -1と同様にして液晶シール剤を調製した。各 晶シール剤について、実施例III-1と同様の 価を行った。

 実施例III-1~6と比較例III-1~4との比較から 水素結合性官能基量およびエポキシ基量が 定の範囲にある硬化性樹脂を含む本発明の 晶シール剤は、耐リーク性、接着性、塗布 に優れていることが明らかである。特に、 実施例と比較例III-4との比較から、軟化点お よび分子量が特定の範囲にあるエポキシ樹脂 を含む本発明の液晶シール剤は、軟化点およ び分子量が当該範囲外のエポキシ樹脂を含む 液晶シール剤に比べて、耐リーク性、接着性 に優れることが明らかである。

 本発明の液晶シール用硬化性樹脂組成物は 光を使わないでも加熱のみで速やかにかつ 分に硬化しうる。そのため、本発明の液晶 ール用硬化性樹脂組成物を用いて製造され 液晶シール剤は硬化性の高さを有すること ら、耐リーク性に優れ、また液晶汚染が抑 されるため、表示特性が良好な液晶表示パ ルを与え得る液晶シール剤として有用であ 。

 本出願は、1)2007年2月20日出願の出願番号J P2007-039938、2)2007年6月27日出願の出願番号JP2007 -169749、3)2007年11月14日出願の出願番号JP2007-295 925に基づく優先権を主張する。当該出願明細 書に記載された内容は、すべて本願明細書に 援用される。