TABATA MITSUHIRO (JP)
TOYORA SACHIO (JP)
SATO HIROSHI (JP)
MURAKAMI KOJI (JP)
MORIMURA JUNICHI (JP)
KOMEDA OSAMU (JP)
TABATA MITSUHIRO (JP)
TOYORA SACHIO (JP)
SATO HIROSHI (JP)
MURAKAMI KOJI (JP)
MORIMURA JUNICHI (JP)
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原動機として内燃機関とモータとを備えた車両に用いられ、内燃機関及びモータからの機械的動力を、変速機構により変速して、駆動輪に係合する車両推進軸に伝達可能な車両用駆動装置であって、 機関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、車両推進軸に伝達可能な第1変速機構と、 機関出力軸及びモータからの機械的動力を第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、車両推進軸に伝達可能な第2変速機構と、 機関出力軸と第1入力軸とを係合可能な第1クラッチと、 機関出力軸と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、 第1変速機構及び第2変速機構における変速段の選択と、第1クラッチ及び第2クラッチの係合状態とを制御可能な制御手段と、 を有し、 制御手段は、 内燃機関のクランキングを行うときに、 第2入力軸が受けた機械的動力を減速して第1入力軸に伝達するよう第1変速機構及び第2変速機構の変速段を選択すると共に、第1クラッチを係合状態にする ことを特徴とする車両用駆動装置。 |
請求項1に記載の車両用駆動装置において、 内燃機関のクランキングは、原動機としてモータのみを用いた車両走行であるモータ走行中に行われるものであり、 制御手段は、 クランキングを行うときの機関回転速度が、予め設定された必要回転速度以上となり且つ最も低くなるよう、第1変速機構の変速段を選択する 車両用駆動装置。 |
請求項2に記載の車両用駆動装置において、 制御手段は、 第1変速機構の各変速段を選択した場合について、第1クラッチを係合状態にした場合の機関回転速度である第1クラッチ係合時回転速度を推定可能な第1クラッチ係合時回転速度推定手段と、 第1クラッチ係合時回転速度が、予め設定された必要回転速度を上回るか否かを判定する回転速度判定手段と、 第1クラッチ係合時回転速度が必要回転速度を上回った場合に、当該第1クラッチ係合時回転速度の算出の基となる変速段を、第1変速機構において選択する変速段選択手段と、を備え、 回転速度判定手段は、最も高速側の変速段である最高速段について、第1クラッチ係合時回転速度が必要回転速度を上回るか否かを判定し、必要回転速度以下であると判定された場合には、最高速段より低速側の変速段について判定する 車両用駆動装置。 |
請求項3に記載の車両用駆動装置において、 制御手段は、 第2クラッチを係合状態にした場合の機関回転速度である第2クラッチ係合時回転速度を推定する第2クラッチ係合時回転速度推定手段を有し、 第2クラッチ係合時回転速度が必要回転速度を上回り、且つ第1クラッチ係合時回転速度を下回る場合には、第2クラッチを係合状態にして、モータからの機械的動力を第2クラッチから内燃機関に伝達させる 車両用駆動装置。 |
請求項1に記載の車両用駆動装置において、 第2変速機構及び第1変速機構からの機械的動力を統合して、車両推進軸に伝達可能な動力統合機構と、 動力統合機構と駆動輪との間における機械的動力の伝達を遮断可能な動力遮断機構と、 を有し、 制御手段は、 車両停止中に内燃機関のクランキングを行う際に、動力遮断機構を制御して、動力統合機構と駆動輪との間における機械的動力の伝達を遮断する 車両用駆動装置。 |
請求項5に記載の車両用駆動装置において、 制御手段は、 第2変速機構の変速段のうち最も低速側の変速段と選択すると共に、 第1変速機構の変速段のうち最も高速側の変速段を選択する 車両用駆動装置。 |
請求項5又は6に記載の車両用駆動装置において、 動力遮断機構は、動力統合機構に結合された駆動装置出力軸と車両推進軸とを係合可能なクラッチ機構である 車両用駆動装置。 |
請求項5又は6に記載の車両用駆動装置において、 動力遮断機構は、動力統合機構と車両推進軸とを係合可能なカップリング機構である 車両用駆動装置。 |
本発明は、原動機として内燃機関とモー を備えた車両に用いられる駆動装置に関し 詳細には、内燃機関及びモータからの機械 動力を、変速機構により変速して駆動輪に 合する車両推進軸に伝達可能な駆動装置に する。
車両用の変速機には、近年、変速時にお る機械的動力の伝達の途切れをなくすため 、奇数段の変速段で構成される第1の変速機 構の入力軸(以下、第1入力軸と記す)と、内燃 機関の出力軸(以下、機関出力軸と記す)とを 合可能な第1のクラッチと、偶数段の変速段 で構成される第2の変速機構の入力軸(以下、 2入力軸と記す)と、機関出力軸とを係合可 な第2のクラッチとを備え、これら2つのクラ ッチを交互につなぎ替えることで変速を行う 、いわゆるデュアルクラッチ式変速機が知ら れている(例えば、特許文献1~3参照)。
デュアルクラッチ式変速機は、例えば、 数段から偶数段に変速する際には、偶数段 歯車対を予め噛み合わせておき、奇数段に 械的動力を伝達する第1のクラッチを解放状 態にすると共に、偶数段に機械的動力を伝達 する第2のクラッチを係合状態にすることで 変速時における動力伝達の途切れを抑制し いる。
また、下記の特許文献1には、上述のよう に2つの変速機構を備え、一方の変速機構(第2 ギヤ部)の入力軸(第2入力シャフト)に係合す 電動機(第2駆動ユニット)を備えた、デュア クラッチ式変速機(ダブルクラッチギヤ装置) が開示されている。特許文献1には、第2クラ チを係合状態にして、第2駆動ユニットから 第2入力シャフトに出力された機械的動力を 第2クラッチからエンジンに伝達させること 、クランキングを行い内燃機関を始動する とが記載されている。また、特許文献1には 、第1クラッチ及び第2クラッチを非係合状態( 非締結状態)にして、第2駆動ユニットからの 械的動力を、第2変速機構(第2ギア部)を介し て出力して、自動車を走行させることが記載 されている。
また、下記の特許文献2,3には、デュアル ラッチ式変速機の第1入力軸と第2入力軸に それぞれ第1モータと第2モータが接続された 自動車について開示されている。入力軸ごと にモータを備えることで、モータに要求され る最大トルクを小さなものにすることが提案 されている。
ところで、特許文献1に記載の技術のよう に、第2駆動ユニット(電動機)から第2入力シ フトに出力された機械的動力を、第2クラッ から機関出力軸(エンジン)に伝達させて、 ランキングを行う場合、機関出力軸と第2入 シャフトとの回転速度は、同一となるため 第2駆動ユニットは、内燃機関のクランキン グに必要な比較的高いトルクを発生する必要 がある。しかし、このようなクランキングに 要するトルクを、原動機として用いられる電 動機(例えば、永久磁石式交流同期電動機)に り発生させるには、電動機には、ロータの 面積等の寸法が大きく、最大出力トルクの きいものを採用する必要がある。
また、従来から、内燃機関に装着され機 出力軸に係合するブラシ付きDCモータ、い ゆるスタータモータにより、機関出力軸を 転駆動してクランキングを行うことが知ら ている。しかし、このような内燃機関用ス ータモータは、ブラシを有する構上、始動 数に限度がある。原動機として内燃機関と ータとを備えたハイブリッド車両において 、モータ走行中の内燃機関の始動や、ブレ キ負圧を確保するため、頻繁にクランキン を行う必要があるため、これらのクランキ グの全てを、当該スタータモータのみを用 て行うことは、スタータモータの耐久性の で問題がある。
したがって、原動機として内燃機関とモ タとを備えた車両に用いられ、内燃機関及 モータからの機械的動力を、変速機構によ 変速して、駆動輪に係合する車両推進軸に 達可能な車両用駆動装置においては、変速 構の変速時においては内燃機関から車両推 軸への機械的動力の伝達が途切れることを 制しつつ、原動機として設けられたモータ 出力するトルクを抑制して、当該モータを いて内燃機関のクランキングを良好に行う とが可能な技術が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、原動機として設けられたモータの出 トルクを抑制して、当該モータを用いて内 機関のクランキングを良好に行うことが可 な車両用駆動装置を提供することを目的と る。
上記の目的を達成するために、本発明に る車両用駆動装置は、原動機として内燃機 とモータとを備えた車両に用いられ、内燃 関及びモータからの機械的動力を、変速機 により変速して、駆動輪に係合する車両推 軸に伝達可能な車両用駆動装置であって、 関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受 け、複数の変速段のうちいずれか1つにより 速して、車両推進軸に伝達可能な第1変速機 と、機関出力軸及びモータからの機械的動 を第2入力軸で受け、複数の変速段のうちい ずれか1つにより変速して、車両推進軸に伝 可能な第2変速機構と、機関出力軸と第1入力 軸とを係合可能な第1クラッチと、機関出力 と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、 第1変速機構及び第2変速機構における変速段 選択と、第1クラッチ及び第2クラッチの係 状態とを制御可能な制御手段と、を有し、 御手段は、内燃機関のクランキングを行う きに、第2入力軸が受けた機械的動力を減速 て第1入力軸に伝達するよう第1変速機構及 第2変速機構の変速段を選択すると共に、第1 クラッチを係合状態にすることを特徴とする 。モータから第2入力軸に出力された機械的 力を、第2変速機構及び第1変速機構により減 速させて、第1入力軸から第1クラッチを介し 機関出力軸に伝達させる。
本発明に係る車両用駆動装置において、 燃機関のクランキングは、原動機としてモ タのみを用いた車両走行であるモータ走行 に行われるものであり、制御手段は、クラ キングを行うときの機関回転速度が、予め 定された必要回転速度以上となり且つ最も くなるよう、第1変速機構の変速段を選択す るものとすることができる。
本発明に係る車両用駆動装置において、 御手段は、第1変速機構の各変速段を選択し た場合について、第1クラッチを係合状態に た場合の機関回転速度である第1クラッチ係 時回転速度を推定可能な第1クラッチ係合時 回転速度推定手段と、第1クラッチ係合時回 速度が、予め設定された必要回転速度を上 るか否かを判定する回転速度判定手段と、 1クラッチ係合時回転速度が必要回転速度を 回った場合に、当該第1クラッチ係合時回転 速度の算出の基となる変速段を、第1変速機 において選択する変速段選択手段とを備え 回転速度判定手段は、最も高速側の変速段 ある最高速段について、第1クラッチ係合時 転速度が必要回転速度を上回るか否かを判 し、必要回転速度以下であると判定された 合には、最高速段より低速側の変速段につ て判定するものとすることができる。
本発明に係る車両用駆動装置において、 御手段は、第2クラッチを係合状態にした場 合の機関回転速度である第2クラッチ係合時 転速度を推定する第2クラッチ係合時回転速 推定手段を有し、第2クラッチ係合時回転速 度が必要回転速度を上回り、且つ第1クラッ 係合時回転速度を下回る場合には、第2クラ チを係合状態にして、モータからの機械的 力を第2クラッチから内燃機関に伝達させる ものとすることができる。
本発明に係る車両用駆動装置において、 2変速機構及び第1変速機構からの機械的動 を統合して、車両推進軸に伝達可能な動力 合機構と、動力統合機構と駆動輪との間に ける機械的動力の伝達を遮断可能な動力遮 機構とを有し、制御手段は、車両停止中に 燃機関のクランキングを行う際に、動力遮 機構を制御して、動力統合機構と駆動輪と 間における機械的動力の伝達を遮断するも とすることができる。
本発明に係る車両用駆動装置において、 御手段は、第2変速機構の変速段のうち最も 低速側の変速段と選択すると共に、第1変速 構の変速段のうち最も高速側の変速段を選 するものとすることができる。
本発明に係る車両用駆動装置において、 力遮断機構は、動力統合機構に結合された 動装置出力軸と車両推進軸とを係合可能な ラッチ機構であるものとすることができる
本発明に係る車両用駆動装置において、 力遮断機構は、動力統合機構と車両推進軸 を係合可能なカップリング機構であるもの することができる。
本発明によれば、制御手段は、内燃機関 クランキングを行うときに、第2入力軸が受 けた機械的動力を減速して第1入力軸に伝達 るよう第1変速機構及び第2変速機構の変速段 を選択すると共に、第1クラッチを係合状態 することで、モータから第2入力軸に出力さ た機械的動力を、第2変速機構及び第1変速 構により減速しトルクを増大させて、第1入 軸から第1クラッチを介して機関出力軸に伝 達させる。これにより、原動機として設けら れたモータの出力トルクを、増大させて機関 出力軸を回転駆動することができ、モータの 出力トルクを抑制しつつ、内燃機関のクラン キングを良好に行うことができる。
1,1B 車両
5 内燃機関
8 機関出力軸
10,10B 駆動装置
20 デュアルクラッチ機構
21 第1クラッチ
22 第2クラッチ
27 第1入力軸
28 第2入力軸
30 第1変速機構
31,33,35,39 ギヤ段(変速段)
37 第1出力軸
48 第2出力軸
40 第2変速機構
42,44,46 ギヤ段(変速段)
50 モータ(モータジェネレータ)
52 ロータ
58,58c 動力統合ギヤ(動力統合機構)
58a 駆動装置出力軸
58e カップリング機構
66 車両推進軸
70 終減速装置
80 駆動軸
88 駆動輪
90 出力側クラッチ(動力遮断機構)
100,100B 電子制御装置(ECU、制御手段、第1ク
ッチ係合時回転速度推定手段、第2クラッチ
係合時回転速度推定手段、回転速度判定手段
、変速段選択手段)
以下に、本発明に係る実施例を図面に基 いて詳細に説明する。なお、この実施例に りこの発明が限定されるものではない。
まず、本実施例に係る駆動装置が適用さ るハイブリッド車両、及び駆動装置の概略 成について、図1を用いて説明する。図1は 駆動装置を備えた車両の概略構成を示す模 図である。
本実施例に係る車両1は、駆動輪88を回転 動するための原動機として、内燃機関5とモ ータ50とを備えている、いわゆるハイブリッ 車両である。モータ50は、内燃機関5からの 械的動力を変速して、車両推進軸66に伝達 る駆動装置10に含まれている。内燃機関5は モータ50を備えた駆動装置10と共に結合され 、車両1に搭載される。
内燃機関5は、図示しない燃料噴射装置、 点火装置、及びスロットル弁装置を備えてい る。これら装置は、後述する駆動装置10を制 する制御手段として設けられた電子制御装 100(以下、ECUと記す)により制御される。内 機関5が発生した機械的動力は、出力軸(クラ ンク軸)8から出力される。内燃機関5の出力軸 8(以下、機関出力軸と記す)には、後述する駆 動装置10のクラッチ機構20の入力側、例えば クラッチハウジング14a(図2参照)が結合され 。ECU100は、内燃機関5の出力軸8(以下、機関 力軸と記す)から出力する機械的動力を調整 ることが可能となっている。なお、内燃機 5には、機関出力軸8の回転角位置(以下、ク ンク角と記す)を検出する図示しないクラン ク角センサが設けられており、クランク角に 係る信号をECU100に送出している。
なお、内燃機関5には、機関出力軸8を回 駆動するため、スタータモータ(図示せず)が 装着されている。スタータモータは、ブラシ 付きDCモータで構成されており、ECU100により 御される。ECU100は、車両停止時や、冷間始 時において、スタータモータにより機関出 軸8を回転駆動してクランキングを行うこと が可能となっている。
また、車両1には、原動機としての内燃機 関5及びモータ50からの機械的動力を、変速し て、駆動輪88に伝達する動力伝達装置として 機関出力軸8及びモータ50からの機械的動力 変速してトルクを変化させて車両推進軸66 伝達可能な駆動装置10と、原動機から車両推 進軸66に伝達された機械的動力を、減速する 共に、駆動輪88に係合する左右の駆動軸80に 分配する終減速装置70が設けられている。
駆動装置10は、第1クラッチ21及び第2クラ チ22のいずれかを用いて内燃機関5からの機 的動力を後述する変速機構に伝達するデュ ルクラッチ機構20と、内燃機関5から第1クラ ッチ21を介して伝達される機械的動力を、第1 入力軸27で受けて、第1群の変速段のうちいず れか1つにより変速して、第1出力軸37から車 推進軸66に伝達可能な第1変速機構30と、内燃 機関5から第2クラッチ22を介して伝達される 械的動力を、第2入力軸28で受けて、第2群の 速段のうちいずれか1つにより変速して、第 2出力軸48から車両推進軸66に伝達可能な第2変 速機構40を有している。
第1変速機構30及び第2変速機構40は、前進 第1速ギヤ段31から第6速ギヤ段46までの6つの 変速段を有しており、後進に1つの変速段39を 有している。前進の変速段である第1速~第6速 ギヤ段31~46の減速比は、第1速ギヤ段31、第2速 ギヤ段42、第3速ギヤ段33、第4速ギヤ段44、第5 速ギヤ段35、第6速ギヤ段46の順に小さくなる う設定されている。
第1変速機構30は、複数の歯車対を備えた 行軸歯車装置として構成されており、第1群 の変速段は、奇数段、すなわち第1速ギヤ段31 と、第3速ギヤ段33と、第5速ギヤ段35に加えて 、後進ギヤ段39で構成されている。第1変速機 構30の前進の変速段31,33,35のうち、第5速ギヤ 35が最も高速側の変速段(最高速段)となって いる。
第1速ギヤ段31は、第1入力軸27に結合され いる第1速メインギヤ31aと、第1出力軸37を中 心に回転可能に設けられ、第1速メインギヤ31 aと噛み合う第1速カウンタギヤ31cと、第1速カ ウンタギヤ31cと第1出力軸37とを係合させるこ とが可能な第1速カップリング機構31eを有し いる。
ECU100が第1速ギヤ段31を選択する、即ち第1 速カップリング機構31eを係合状態にして、第 1速カウンタギヤ31cと第1出力軸37を係合させ ことで、第1入力軸27からの機械的動力は、 1速メインギヤ31a及び第1速カウンタギヤ31cを 介して第1出力軸37に伝達される。これにより 、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機 械的動力を、第1速ギヤ段31により変速し、ト ルクを変化させて第1出力軸37に伝達すること が可能となっている。
第3速ギヤ段33は、第1速ギヤ段31と同様に 第1入力軸27に結合されている第3速メインギ ヤ33aと、第1出力軸37を中心に回転可能に設け られ、第3速メインギヤ33aと噛み合う第3速カ ンタギヤ33cと、第3速カウンタギヤ33cと第1 力軸37とを係合可能な第3速カップリング機 33eを有している。
ECU100が第3速ギヤ段31を選択する、即ち第3 速カップリング機構33eを係合状態にして、第 3速カウンタギヤ33cと第1出力軸37を係合させ ことで、第1変速機構30は、第1入力軸27から けた機械的動力を、第3速ギヤ段33により変 し、トルクを変化させて、第1出力軸37に伝 することが可能となっている。
また、第5速ギヤ段35は、第1入力軸27に結 されている第5速メインギヤ35aと、第1出力 37を中心に回転可能に設けられ、第5速メイ ギヤ35aと噛み合う第5速カウンタギヤ35cと、 5速カウンタギヤ35cと第1出力軸37とを係合可 能な第5速カップリング機構35eを有している
ECU100が第5速ギヤ段35を選択する、即ち第5 速カップリング機構35eを係合状態にして、第 5速カウンタギヤ35cと第1出力軸37を係合させ ことで、第1変速機構30は、第1入力軸27から けた機械的動力を、第5速ギヤ段35により変 し、トルクを変化させて、第1出力軸37に伝 することが可能となっている。
また、後進ギヤ段39は、第1入力軸27に結 されている後進メインギヤ39aと、後進メイ ギヤ39aと噛み合う後進中間ギヤ39bと、後進 間ギヤ39bと噛み合い、第1出力軸37を中心に 転可能に設けられた後進カウンタギヤ39cと 後進カウンタギヤ39cと第1出力軸37とを係合 能な後進カップリング機構39eを有している
ECU100が後進ギヤ段39を選択する、即ち後 カップリング機構39eを係合状態にして、後 カウンタギヤ39cと第1出力軸37を係合させる とで、第1変速機構30は、第1入力軸27から受 た機械的動力を、後進ギヤ段39により、回転 方向を逆方向に変えると共に変速し、トルク を変化させて第1出力軸37に伝達することが可 能となっている。
第1変速機構30における各カップリング機 31e,33e,35e,39eの係合状態と非係合状態(解放状 態)との切替えは、図示しないアクチュエー を介してECU100により制御される。ECU100は、 1変速機構30の各変速段31,33,35,39のうちいずれ か1つの変速段を選択して、選択した変速段 対応するカップリング機構を係合状態にす 。これにより、第1変速機構30は、内燃機関5 機関出力軸8から第1入力軸27が受けた機械的 動力を、各変速段(奇数段)31,33,35,39のうちい れか1つにより変速し、トルクを変化させて 1出力軸37から出力することが可能となって る。
第1変速機構30において、第1出力軸37には 第1推進軸駆動ギヤ37cが結合されており、当 該ギヤ37cは、車両推進軸66に結合された動力 合ギヤ58と噛み合っている。これにより、 1変速機構30は、第1入力軸27から第1出力軸37 伝達された機械的動力を、第1推進軸駆動ギ 37cから動力統合ギヤ58を介して車両推進軸66 に伝達することが可能となっている。
一方、第2変速機構40は、第1変速機構30と 様に、複数の歯車対を備えた平行軸歯車装 として構成されており、第2群の変速段は、 偶数段、すなわち第2速ギヤ段42と、第4速ギ 段44と、第6速ギヤ段46で構成されている。第 2変速機構40の変速段42,44,46のうち、第2速ギヤ 段42が最も低速側の変速段となっている。
第2速ギヤ段42は、第2入力軸28に結合され いる第2速メインギヤ42aと、第2出力軸48を中 心に回転可能に設けられ、第2速メインギヤ42 aと噛み合う第2速カウンタギヤ42cと、第2速カ ウンタギヤ42cと第2出力軸48とを係合可能な第 2速カップリング機構42eを有している。
ECU100が第2速ギヤ段42を選択する、即ち第2 速カップリング機構42eを係合状態にして、第 2速カウンタギヤ42cと第2出力軸48を係合させ ことで、第2入力軸28からの機械的動力は、 2速メインギヤ42a及び第2速カウンタギヤ42cを 介して第2出力軸48に伝達される。これにより 、第2変速機構40は、第2入力軸28から受けた機 械的動力を、第2速ギヤ段42により変速し、ト ルクを変化させて、第2出力軸48に伝達させる ことが可能となっている。
第4速ギヤ段44は、第2入力軸28に結合され いる第4速メインギヤ44aと、第2出力軸48を中 心に回転可能に設けられ、第4速メインギヤ44 aと噛み合う第4速カウンタギヤ44cと、第4速カ ウンタギヤ44cと第2出力軸48とを係合可能な第 4速カップリング機構44eを有している。
ECU100が第4速ギヤ段44を選択する、即ち第4 速カップリング機構44eを係合状態にして、第 4速カウンタギヤ44cと第2出力軸48とを係合さ ることで、第2変速機構40は、第2入力軸28か 受けた機械的動力を、第4速ギヤ段44により 速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に 達することが可能となっている。
また、第6速ギヤ段46は、第2入力軸28に結 されている第6速メインギヤ46aと、第2出力 48を中心に回転可能に設けられ、第6速メイ ギヤ46aと噛み合う第6速カウンタギヤ46cと、 6速カウンタギヤ46cと第2出力軸48とを係合可 能な第6速カップリング機構46eを有している
ECU100が第6速ギヤ段46を選択する、即ち第6 速カップリング機構46eを係合状態にして、第 6速カウンタギヤ46cと第2出力軸48とを係合さ ることで、第2変速機構40は、第2入力軸28か 受けた機械的動力を、第6速ギヤ段46により 速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に 達することが可能となっている。
第2変速機構40における各カップリング機 42e,44e,46eの係合状態と非係合状態(解放状態) との切替えは、図示しないアクチュエータを 介してECU100により制御される。ECU100は、第2 速機構40の各変速段42,44,46のうちいずれか1つ の変速段を選択して、選択した変速段に対応 するカップリング機構42e,44e,46eを係合状態に る。これにより、第2変速機構40は、内燃機 5の機関出力軸8及びモータ50のロータ52から 機械的動力を、第2入力軸28から受けた機械 動力を、変速段(偶数段)42,44,46のうちいずれ か1つにより変速し、トルクを変化させて第2 力軸48から出力することが可能となってい 。
第2出力軸48には、第2推進軸駆動ギヤ48cが 結合されており、第2推進軸駆動ギヤ48cは、 両推進軸66に結合された動力統合ギヤ58と噛 合っている。第1変速機構30は、第2入力軸28 ら第2出力軸48に伝達された機械的動力を、 2推進軸駆動ギヤ48cから動力統合ギヤ58を介 て車両推進軸66に伝達することが可能とな ている。第2変速機構40が第2出力軸48から出 する機械的動力は、第1変速機構30が第1出力 37から出力する機械的動力と、動力統合ギ 58において統合されて、車両推進軸66に伝達 れる。
また、駆動装置10には、原動機としての ータ50が設けられている。モータ50は、供給 れた電力を機械的動力に変換して出力する 動機としての機能と、入力された機械的動 を電力に変換する発電機としての機能とを ね備えた回転電機、いわゆるモータジェネ ータである。モータ50は、永久磁石式交流 期電動機で構成されており、後述するイン ータ110から(三相)交流電力の供給を受けて回 転磁界を形成するステータ54と、回転磁界に き付けられて回転するロータ52とを有して る。ロータ52は、第2入力軸28に結合されてお り、モータ50が発生する機械的動力は、第2変 速機構40の第2入力軸28に出力される。また、 ータ50は、第2出力軸48からロータ52に伝達さ れた機械的動力を、交流電力に変換すること も可能となっている。モータ50は、後述する ンバータ110を介して、ECU100により制御され 。
また、駆動装置10には、モータ50に交流電 力を供給する電力供給装置として、インバー タ110が設けられている。インバータ110は、二 次電池120から供給される直流電力を交流電力 に変換してモータ50に供給することが可能に 成されている。また、インバータ110は、モ タ50からの交流電力を直流電力に変換して 次電池120に回収することも可能に構成され いる。このようなインバータ110からモータ50 への電力供給、及びモータ50からの電力回収 、ECU100により制御される。
ECU100は、インバータ110を介して、モータ5 0の電動機/発電機としての機能の切替えと、 ータ50のロータ52から第2変速機構40の第2入 軸28に出力するトルクを調整することが可能 となっている。なお、以下の説明において、 モータ50のロータ52から機械的動力(トルク)を 出力させることを、「力行」と記す。すなわ ち、モータ50の力行は、ECU100により制御され 。
また、駆動装置10には、内燃機関5の機関 力軸8からの機械的動力を、第1変速機構30及 び第2変速機構40のうちいずれか一方に伝達さ せる動力伝達手段として、デュアルクラッチ 機構20が設けられている。デュアルクラッチ 構20は、機関出力軸8と第1変速機構30の第1入 力軸27とを係合させることが可能な第1クラッ チ21と、機関出力軸8と第2変速機構40の第2入 軸28とを係合させることが可能な第2クラッ 22とを有している。
第1クラッチ21は、円板状の摩擦板を有し 摩擦板の摩擦力により機械的動力を伝達す 摩擦式ディスククラッチ等で構成されてい 。第1クラッチ21は、内燃機関5の機関出力軸 8と第1変速機構30の第1入力軸27とを係合させ ことが可能に構成されている。第1クラッチ2 1を係合状態にすることで、機関出力軸8と第1 入力軸27が係合して一体に回転することが可 となる。
第2クラッチ22は、第1クラッチ21と同様に 摩擦式ディスククラッチ等で構成されてお 、内燃機関5の機関出力軸8と第2変速機構40 第2入力軸28とを係合させることが可能に構 されている。第2クラッチ22を係合状態にす ことで、機関出力軸8と第2入力軸28が係合し 一体に回転することが可能となる。なお、 1クラッチ21及び第2クラッチ22には、湿式多 クラッチや、乾式単板クラッチを用いるこ ができる。
第1クラッチ21及び第2クラッチ22の係合状 と非係合状態(解放状態)との切替えは、図 しないアクチュエータを介してECU100により 御される。ECU100は、デュアルクラッチ機構20 において、第1クラッチ21又は第2クラッチ22の うちいずれか一方を係合状態にして、他方を 解放状態にすることで、内燃機関5からの機 的動力を、第1変速機構30及び第2変速機構40 うちいずれか一方を介して車両推進軸66に伝 達させることが可能となっている。
ここで、第1クラッチ21と第2クラッチ22で 成されるデュアルクラッチ機構20の構造に いて、図2及び図3を用いて説明する。図2は デュアルクラッチ機構の構造を説明する模 図である。図3は、他の態様のデュアルクラ チ機構の構造を説明する模式図である。
図2に示すように、デュアルクラッチ機構 20において、機関出力軸8には、デュアルクラ ッチ機構20のクラッチハウジング14aが結合さ ている。すなわち、クラッチハウジング14a 、機関出力軸8と一体に回転する。クラッチ ハウジング14aは、後述する摩擦板27a,28aを収 可能に構成されている。これに対して、第1 速機構30の第1入力軸27と、第2変速機構40の 2入力軸28は、同軸に配置されており、2重軸 造となっている。具体的には、第1入力軸27 、中空シャフトとして構成されており、第1 入力軸27内には、第2入力軸28が延びている。 側の軸である第2入力軸28は、外側の軸であ 第1入力軸27に比べて長く構成されている。 関出力軸8側から車両推進軸66側に向かうに って、まず、第1変速機構30の各変速段のメ ンギヤ31a,33a,35a,39aが配設されており、次に 第2変速機構40の各変速段のメインギヤ42a,44a ,46aが配設されている。
第1入力軸27の端には、円板状の摩擦板27a 結合されており、一方、第2入力軸28の端に 、同様に、摩擦板28aが結合されている。こ ら摩擦板27a,28aは、上述のクラッチハウジン グ14a内に収容されている。第1クラッチ21は、 摩擦板27aと対向して設けられた摩擦相手板( 示せず)と、摩擦相手板を駆動するアクチュ ータ(図示せず)とを有している。摩擦相手 が摩擦板27aをクラッチハウジング14aに押し けることで、第1クラッチ21は、機関出力軸8 、第1変速機構30の第1入力軸27とを係合する とが可能となっている。
これと同様に、第2クラッチ22は、摩擦板2 8aに対向して設けられた摩擦相手板(図示せず )が、摩擦板28aをクラッチハウジング14aに押 付けることで、機関出力軸8と、第2変速機構 40の第2入力軸28とを係合することが可能とな ている。デュアルクラッチ機構20における 第1及び第2クラッチ21,22にそれぞれ対応して けられた摩擦相手板の駆動は、ECU100により 御されることとなる。
また、本実施例に係る他の態様のデュア クラッチ機構20においては、図3に示すよう 、機関出力軸8の端に、駆動ギヤ14cが結合さ れている。駆動ギヤ14cには、第1ギヤ16と、第 2ギヤ18が噛み合っており、第1ギヤ16は、第1 ラッチ21に結合されており、第2ギヤ18は、第 2クラッチ22に結合されている。第1クラッチ21 は、第1変速機構30の第1入力軸27と、機関出力 軸8に係合する第1ギヤ16とを係合可能に構成 れている。一方、第2クラッチ22は、第2変速 構40の第2入力軸28と、機関出力軸8に係合す 第2ギヤ18とを係合可能に構成されている。
第1及び第2クラッチ21,22は、それぞれ円板 状の摩擦式クラッチ等の任意のクラッチで構 成することができる。第1クラッチ21及び第2 ラッチ22において交互に係合状態と解放状態 を切替ることで、機関出力軸8から出力され 内燃機関5の機械的動力は、駆動ギヤ14から 第1変速機構30の第1入力軸27、又は第2変速機 40の第2入力軸28のいずれかに伝達されるこ となる。
以上のように構成されたデュアルクラッ 機構20においては、図1に示すように、ECU100 第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2ク ラッチ22を解放状態にすると、機関出力軸8と 、第1入力軸27、第1出力軸37、動力統合ギヤ58 車両推進軸66が係合する。これにより、駆 装置10は、内燃機関5からの機械的動力を、 1変速機構30の変速段31,33,35,39のうちいずれか 1つの変速段により変速して、車両推進軸66に 伝達することが可能となる。
一方、ECU100が第2クラッチ22を係合状態に ると共に第1クラッチ21を解放状態にするこ で、機関出力軸8と、第2入力軸28、第2出力 48、及び車両推進軸66が係合する。これによ 、駆動装置10は、内燃機関5からの機械的動 を、第2変速機構40の変速段42,44,46のうちい れか1つの変速段により変速して、車両推進 66に伝達することが可能となる。
また、車両1には、原動機から車両推進軸 66に伝達された機械的動力を、減速すると共 、駆動輪88に係合する左右の駆動軸80に分配 する終減速装置70が設けられている。終減速 置70は、車両推進軸66に結合された駆動ピニ オン68と、駆動ピニオン68と直交して噛み合 リングギヤ72と、リングギヤ72に固定された 動機構74をと有している。終減速装置70は、 原動機すなわち内燃機関5及びモータ50のうち 少なくとも一方から車両推進軸66に伝達され 機械的動力を、駆動ピニオン68及びリング ヤ72により減速し、差動機構74により左右の 動軸80に分配して、駆動輪88を回転駆動する ことが可能となっている。このように、車両 推進軸66は、終減速装置70を介して、駆動輪88 と係合しており、車両1の速度に応じて回転 る。
また、車両1には、駆動装置10を制御する 御手段として、上述の電子制御装置(ECU)100 設けられている。ECU100は、以下に説明する 種の信号と、当該信号から算出された各種 制御変数に基づいて、内燃機関5と協調して 第1変速機構30及び第2変速機構40における変 段の選択と、第1クラッチ21及び第2クラッチ 22の係合状態と、モータ50が出力する機械的 力を制御することが可能に構成されている
ECU100は、内燃機関5のクランク角センサか らのクランク角に係る信号と、エアフロメー タ(図示せず)から内燃機関5の吸入空気量に係 る信号と、アクセルペダルポジションセンサ からの運転者によるアクセルペダルの操作量 (以下、アクセル操作量と記す)に係る信号と 検出可能となっている。また、ECU100は、二 電池120の蓄電状態(電気エネルギ残存容量、 SOC)に係る信号と、車両1のブレーキ倍力装置 ための負圧(以下、ブレーキ負圧と記す)に る信号と、駆動輪88の回転速度に係る信号と 、モータ50のロータ52の回転速度に係る信号 を検出可能となっている。さらに、ECU100は 第1変速機構30及び第2変速機構40において選 されている変速段、すなわちカップリング 構31e~46eの係合状態に係る信号と、第1クラッ チ21及び第2クラッチ22の係合状態又は解放状 に係る信号とを検出可能となっている。
ECU100は、検出されたクランク角に係る信 から、内燃機関5の機関出力軸8の回転速度( 下、機関回転速度と記す)を算出している。 また、ECU100は、算出された機関回転速度と、 検出された吸入空気量に係る信号から、内燃 機関5が機関出力軸8から出力するトルク(以下 、機関負荷と記す)を算出している。また、EC U100は、検出されたアクセル操作量に係る信 から、車両1に要求される車両駆動力を算出 ている。さらに、ECU100は、検出された駆動 88の回転速度から、車両1の走行速度(以下、 車速と記す)を算出している。なお、ECU100は 検出されたロータ52の回転速度に係る信号と 、第2変速機構40において選択されている変速 段、すなわち各カップリング機構42e,44e,46eの 合状態に係る情報から、車両1の走行速度( 下、車速と記す)を算出することも可能とな ている。
以上のように構成された車両1は、第1ク ッチ21及び第2クラッチ22を交互につなぎ替え ることで、変速時において、機関出力軸8と 両推進軸66との間における動力伝達の途切れ を抑制しており、以下、これについて説明す る。
まず、ECU100が第1及び第2変速機構30,40の変 速段31~46のうちいずれか1つの変速段を選択す る。例えば、選択した変速段が第1変速機構30 の第1群(奇数段)の変速段31~39のうち第1速ギヤ 段31である場合、ECU100は、第1速ギヤ段31に対 する第1速カップリング機構31eを係合状態に すると共にカップリング機構33e,35eを解放状 にする。これと共に、ECU100は、第1クラッチ2 1を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解 状態にする。これにより、駆動装置10は、内 燃機関5からの機械的動力を、第1入力軸27で け、第1群(奇数段)の変速段31~39のうち選択し た変速段である第1速ギヤ段31により変速し、 第1出力軸37から車両推進軸66に伝達して、駆 輪88を回転駆動することができる。
このとき、ECU100は、第2変速機構40の第2群 (偶数段)の変速段42,44,46のうち、第1変速機構3 0において選択している第1速ギヤ段31より一 高速(ハイギヤ)側の変速段である第2速ギヤ 42に対応する第2速カップリング機構42eを係 状態にすることで、第2変速機構40の第2入力 28を空転させて、次の第2速ギヤ段42への変 (アップシフト)時における第2クラッチ22の係 合動作に備えている。
そして、第2変速機構40の第2群(偶数段)の 速段である第2速ギヤ段42への変速(アップシ フト)が選択されると、ECU100が、第1クラッチ2 1を解放状態にしながら第2クラッチ22を係合 態にすることで、駆動装置10は、第1クラッ 21と第2クラッチ22とを掴み替える動作、いわ ゆる「クラッチ・トゥ・クラッチ」を行う。 この動作により、駆動装置10は、機関出力軸8 からの動力伝達経路を、徐々に第1変速機構30 の第1入力軸27から第2変速機構40の第2入力軸28 に移していき、第2速ギヤ段42への変速が完了 することとなる。
このようにして、駆動装置10は、奇数段 ある第1速ギヤ段31から、偶数段である第2速 ヤ段42への変速時において、機関出力軸8か 車両推進軸66への動力伝達に途切れを生じ せることなく変速することができる。
また、以上のように構成された車両1は、 原動機として内燃機関5とモータ50とを併用又 は選択使用することが可能な、いわゆる「ハ イブリッド車両」であり、様々な車両走行( 行モード)を実現することができる。例えば 原動機として内燃機関5のみを選択使用する 「エンジン走行」、原動機として内燃機関5 びモータ50を併用する「HV走行」、原動機と てモータ50のみを選択使用する「モータ走 」等がある。これら車両走行は、運転者が 求する車両駆動力や、モータ50に供給する電 力を貯蔵する二次電池120の蓄電状態に応じて 、ECU100により、逐次、自動的に切替えられる 。以下に、各走行モードにおけるECU100の制御 と、内燃機関5、第1クラッチ21及び第2クラッ 22、第1変速機構30及び第2変速機構40、及び ータ50の動作を併せて説明する。
ECU100が、第1クラッチ21を係合状態にする 共に第2クラッチ22を解放状態にすることで 駆動装置10は、内燃機関5の機関出力軸8から の機械的動力を、第1入力軸27で受け、第1変 機構30の変速段31,33,35,39のいずれか1つにより 変速し、第1出力軸37から車両推進軸66に伝達 て駆動輪88を回転駆動することができる。 のようにして、車両1は、原動機として内燃 関5のみを選択使用する「エンジン走行」を 実現することができる。
この場合、車両推進軸66には、動力統合 ヤ58を介して第2出力軸48が係合しているため 、第2変速機構40のカップリング機構42e,44e,46e いずれか1つが係合状態にある場合、第2入 軸28と、これに係合するロータ52は、車両1の 走行速度(以下、車速と記す)に応じて回転す こととなる。
このとき、ECU100がモータ50を力行させて ロータ52から第2入力軸28に出力トルクを伝達 することで、駆動装置10は、内燃機関5からの 機械的動力とモータ50からの機械的動力とを それぞれ第1変速機構30及び第2変速機構40に り変速し、動力統合ギヤ58で統合して車両 進軸66に伝達することができる。このように して、車両1は、原動機として内燃機関5とモ タ50とを併用する「HV走行」を実現すること ができる。
また、ECU100が第1クラッチ21を解放状態に ると共に第2クラッチ22を係合状態にするこ で、駆動装置10は、機関出力軸8からの機械 動力を、第2入力軸28で受け、第2変速機構40 変速段42,44,46のいずれか1つにより変速し、 2出力軸48から車両推進軸66に伝達して駆動 88を回転駆動することができ、車両1は、原 機として内燃機関5のみを選択使用する「エ ジン走行」を実現することができる。
この場合、車両推進軸66には、動力統合 ヤ58を介して第1出力軸37が係合しているため 、第1変速機構30のカップリング機構31e,33e,35e, 39eのいずれか1つが係合状態にある場合、第1 力軸27は、車両1の走行速度(以下、車速と記 す)に応じて回転することとなる。
このとき、ECU100がモータ50を力行させて ロータ52から第2入力軸28に出力トルクを伝達 することで、駆動装置10は、内燃機関5からの 機械的動力とモータ50からの機械的動力とを 第2入力軸28で統合し、第2変速機構40により 速して、動力統合ギヤ58を介して車両推進 66に伝達することができ、車両1は、原動機 して内燃機関5とモータ50とを併用する「HV走 行」を実現することができる。
一方、車両1にモータ走行を行わせる場合 、上述のエンジン走行及びHV走行の制御とは なり、ECU100は、第1クラッチ21及び第2クラッ チ22をいずれも解放状態に制御すると共に、 ータ50を力行させる。ECU100は、第2変速機構4 0の変速段42,44,46のうち、いずれか1つの変速 を選択して、当該変速段に対応するカップ ング機構を係合状態にする。駆動装置10は、 モータ50からの機械的動力を、第2入力軸28で け、第2変速機構40の変速段42,44,46のうち選 した変速段で変速して、第2出力軸48から車 推進軸66に伝達する。
このような車両1のモータ走行中において は、ECU100が第1及び第2クラッチ21,22の双方を 放状態にしているため、モータ50の力行によ り、非作動状態にある内燃機関5の機関出力 8が回転駆動されて、内燃機関5のポンピング ロス等の動力損失が生じてしまうことを防止 している。
以上のように本実施例に係る車両1は、原 動機として内燃機関5とモータ50とを備えてお り、内燃機関5とモータ50と併用又は選択使用 して車両1を推進することが可能となってい 。車両1は、非作動状態にある内燃機関5の機 関出力軸8を回転駆動することで、ファイア ングを行って内燃機関5を始動させることや ファイアリングを行わずにブレーキ倍力装 等に用いられる負圧を内燃機関5により発生 させることが可能となっている。なお、非作 動状態にある内燃機関5の機関出力軸8を、外 動力により回転駆動することを、以下の説 において「クランキング」と記す。
このような車両1は、内燃機関5を非作動 態にして車両走行を行うことがあるため、 動機として内燃機関5のみを備える、いわゆ 「通常の車両」に比べて、内燃機関5を始動 する回数が多く、クランキングを行う頻度が 高い。また、ハイブリッド式車両1は、車両1 走行している時間のうち、内燃機関5が作動 状態にある時間が短いため、通常の車両と異 なり、ブレーキ倍力装置等のための負圧を確 保するために、内燃機関5のファイアリング 行うことなく、クランキングを行うことが る。
このように、車両1において内燃機関5の ランキングを行う頻度が高いと、内燃機関5 装着されているブラシ付きDCモータ、いわ るスタータモータにより、車両走行中にお て内燃機関5のクランキングを行ったのでは スタータモータの耐久性の点で問題が生じ 虞がある。また、車両走行中における内燃 関5のクランキングは、自動的に行われ、車 両乗員にとって予期しないものであるため、 車両走行中にスタータモータによりクランキ ングを行うと、スタータモータの作動音が車 両乗員にとって耳障りに感じるという問題も ある。
このため、車両走行中においては、ブラ 付きDCモータであるスタータモータではな 、車両推進軸66を回転駆動するために、第2 速機構40の第2入力軸28に結合されているモー タ50からの機械的動力を利用して、内燃機関5 のクランキングを行うことが求められている 。しかしながら、このモータ50は、車両推進 66を回転駆動するためのモータジェネレー であり、永久磁石式交流同期モータ等で構 されている。モータ50は、ブラシ付きDCモー (スタータモータ)のように、短時間に高い ルクを出力するものではない。
モータ50が出力した機械的動力を、第2入 軸28から第2クラッチ22を介して機関出力軸8 伝達させて、クランキングを行うには、モ タ50に、高いトルクを出力させる必要があ 。これを実現しようとすると、モータ50には 、ロータ52の表面積が大きい、すなわち寸法 大きい回転電機を用いる必要が生じる。し がって、原動機として内燃機関5とモータ50 を備えたハイブリッド式の車両1においては 、モータ50からの機械的動力を、トルクを増 させて機関出力軸8に伝達することで、車両 走行中において内燃機関5のクランキングを 好に行うことが可能な技術が要望されてい 。
そこで、本実施例に係る駆動装置におい 、制御手段としてのECUは、車両走行中にお て内燃機関のクランキングを行うときに、 ータからの機械的動力を、第2変速機構及び 第1変速機構により回転速度を減速させて、 1クラッチから機関出力軸に伝達させること 特徴としている。以下に、車両がモータ走 をしている場合に、ECUが実行する内燃機関 クランキングに係る制御処理(以下、モータ 走行中クランキング制御と記す)について、 1、図4及び図5を用いて説明する。図4は、ECU 実行するモータ走行中クランキング制御を すフローチャートである。図5は、モータ走 行中クランキング制御において、第1変速機 で選択すべき変速段を決定する変速段決定 ーチンを示すフローチャートである。
図1に示すように、まず、車両1のモータ 行中において、駆動装置10は、モータ50を力 させており、第2変速機構40の変速段42,44,46 うちいずれか1つの変速段を選択して、対応 るカップリング機構42e,44e,46eを係合状態に ている。モータ50から第2入力軸28に出力され た機械的動力は、第2変速機構40のいずれか1 の変速段により変速されて、第2出力軸48か 車両推進軸66に伝達されている。なお、この とき、ECU100は、第1クラッチ21及び第2クラッ 22を双方とも解放状態に制御しており、機関 出力軸8は、静止している。
そして、ECU100は、上述のように検出され 、二次電池120の蓄電状態、ブレーキ負圧、 はアクセル操作量等に基づいて、内燃機関5 の始動のためや、ブレーキ負圧を確保するた めなど、内燃機関5のクランキングが必要で ると判断した場合に、以下に説明する、モ タ走行時クランキング制御を実行する。
図4に示すように、ステップS100において ECU100は、各種制御変数を取得する。制御変 には、現在、第1変速機構30及び第2変速機構4 0において選択している変速段に係る情報や 駆動輪88の回転速度、又はモータ50のロータ5 2の回転速度が含まれている。これにより、EC U100は、車速、第1入力軸27及び第2入力軸28の 転速度を把握している。
そして、ステップS102において、ECU100は、 第1変速機構30において選択すべき変速段を決 定する制御処理(以下、単に「変速段決定ル チン」と記す)を実行する。以下に、図5を用 いて、第1変速機構30の変速段決定制御につい て説明する。
まず、ステップS202において、第5速ギヤ 35を選択した場合に、第1クラッチ21を選択し て係合状態にしたときの、内燃機関5の機関 力軸8の回転速度(機関回転速度)を算出する 同様に、第3速ギヤ段33を選択した場合や、 1速ギヤ段31を選択した場合についても、第1 ラッチ21を選択して係合状態にした場合の 機関回転速度を算出する。なお、以下の説 において、第1変速機構30の変速段31,33,35のう ちいずれか1つの変速段を選択して、第1クラ チ21を係合状態にした場合の機関回転速度C1 を「第1クラッチ係合時回転速度」と記す。
そして、ステップS206において、ECU100は、 第5速ギヤ段35を選択した場合、第1クラッチ 合時回転速度C1が、予め設定された必要回転 速度以上となるか否かを判定する。必要回転 速度は、内燃機関5を始動させるのに必要な 関回転速度の下限値であり、例えば、200rpm 設定されている。すなわち、ECU100は、モー 50からの機械的動力を第1クラッチ21から機関 出力軸8に伝達させてクランキングを行う場 、第5速ギヤ段35で変速することで、必要回 速度を確保できるか否かを判定している。
なお、必要回転速度は、内燃機関5の仕様 や適合実験等により予め求められており、制 御定数としてECU100のROM(図示せず)に記憶され いる。なお、ブレーキ負圧を確保するため クランキングを行う場合には、内燃機関5を 始動するためのクランキングを行う場合と異 なり、必要回転速度を200~400rpmに設定するも としても良い。
第5速ギヤ段35を選択した場合の第1クラッ チ係合時回転速度C1が、必要回転速度以上と る(Yes)と判定された場合、モータ50からの機 械的動力を第1クラッチ21から機関出力軸8に 達させる場合、第1変速機構30においては第5 ギヤ段35で変速すると、機関出力軸8が必要 転速度以上となり且つなるべく低回転速度 クランキングできるものと判断して、ECU100 、ステップS208において、第1変速機構30にお いては、第5速ギヤ段35を選択するものと、仮 決定する。ECU100は、第5速ギヤ段35が選択され た場合の第1クラッチ係合時回転速度C1をRAM( 示せず)に記憶しておく。そして、第1変速機 構30の変速段決定ルーチンを終了して、モー 走行中クランキング制御のステップS102に戻 る。
一方、第5速ギヤ段35を選択した場合の第1 クラッチ係合時回転速度C1が、必要回転速度 下回る(No)と判定された場合、ECU100は、ステ ップS210において、第3速ギヤ段33を選択した 合の第1クラッチ係合時回転速度C1が、必要 転速度以上となるか否かを判定する。
第3速ギヤ段33を選択した場合の第1クラッ チ係合時回転速度C1が、必要回転速度以上と る(Yes)と判定された場合、モータ50からの機 械的動力を第1クラッチ21から機関出力軸8に 達させる場合、第1変速機構30においては第3 ギヤ段33で変速すると、機関出力軸8が必要 転速度以上となり且つなるべく低回転速度 クランキングできるものと判断して、ECU100 、ステップS212において、第1変速機構30にお いては、第3速ギヤ段33を選択するものと、仮 決定する。ECU100は、第3速ギヤ段33が選択され た場合の第1クラッチ係合時回転速度C1をRAM( 示せず)に記憶しておく。そして、第1変速機 構30の変速段決定制御ルーチンを終了して、 ータ走行中クランキング制御のステップS102 に戻る。
一方、第3速ギヤ段33を選択した場合の第1 クラッチ係合時回転速度C1が、必要回転速度 下回る(No)と判定された場合、モータ50から 機械的動力を第1クラッチ21から機関出力軸8 に伝達させる場合、第1変速機構30においては 第1速ギヤ段31で変速すると、機関出力軸8が 要回転速度以上となり且つなるべく低回転 度でクランキングできるものと判断して、EC U100は、ステップS214において、第1変速機構30 おいては、第1速ギヤ段31を選択するものと 仮決定する。ECU100は、第1速ギヤ段が選択さ れた場合の第1クラッチ係合時回転速度C1をRAM (図示せず)に記憶しておく。そして、第1変速 機構30の変速段決定ルーチンを終了して、モ タ走行中クランキング制御のステップS102に 戻る。
そして、図4に示すモータ走行中クランキ ング制御のステップS106において、ECU100は、 2変速機構40の変速段42,44,46のうち、現在選択 されている変速段で、第2クラッチ22を係合状 態にした場合の機関回転速度C2(以下、第2ク ッチ係合時回転速度と記す)を算出する。
そして、ステップS110において、ECU100は、 算出された第2クラッチ係合時回転速度C2が、 必要回転速度を上回り、且つ第1変速機構30の 変速段決定ルーチンにおいて、仮決定された 変速段の第1クラッチ係合時回転速度C1を下回 るか否かを判定する。すなわち、モータ50か 第2入力軸28に出力された機械的動力を、第2 変速機構40及び第1変速機構30で変速して、第1 クラッチ21から機関出力軸8にトルクを伝達さ せるよりも、そのまま第2クラッチ22から機関 出力軸8に伝達させた方が、必要回転速度以 であり、且つ第1クラッチ係合時回転速度C1 りも低い回転速度でクランキングが行える 否かを判定している。
ステップS110において、第2クラッチ係合 回転速度C2が、必要回転速度を上回り、且つ 第1変速機構30の変速段決定ルーチンにおいて 、仮決定された変速段の第1クラッチ係合時 転速度C1を下回る(Yes)と判定された場合、ECU1 00は、モータ50からの機械的動力を、第2クラ チ22から機関出力軸8に伝達させた方が、第1 クラッチ係合時回転速度C1よりも低い回転速 でクランキングが行えるものと判断して、 2クラッチ22を選択する(S112)。具体的には、 2クラッチ22を係合状態にすると共に第1クラ ッチ21を解放状態にして、モータ50から第2入 軸28に出力された機械的動力を、そのまま 2クラッチ22から機関出力軸8に伝達させて、 ランキングを行う。
このとき、ECU100は、第2入力軸28すなわち ータ52の回転速度を維持するよう、モータ50 から第2入力軸28に出力するトルク(以下、出 トルクと記す)を増大させる(S114)。これは、 2入力軸28又はロータ52の回転速度を検出し 当該回転速度が一定となるようモータ50の出 力トルクを増大させるフィードバック制御を 行うことにより実現することができる。
なお、モータ50の出力トルクの増大は、 ず、機関出力軸8の回転速度ごとに、クラン ングに必要なトルク(以下、クランキング必 要トルクと記す)を予め求めておき、ECU100が 第2クラッチ22を係合状態にすると共に、モ タ50の出力トルクを、クランキングに必要な トルク分だけ増大させるフィードフォワード 制御を行うことにより実現することもできる 。
一方、ステップS110において、第2クラッ 係合時回転速度C2が、必要回転速度以下であ る、又は、第1変速機構30の変速段決定ルーチ ンにおいて、仮決定された変速段の第1クラ チ係合時回転速度C1以上であると判定された 場合、ECU100は、モータ50からの機械的動力を 第2変速機構40及び第1変速機構30により減速 て、第1クラッチ21から機関出力軸8に伝達さ せた方が、第2クラッチ22から機関出力軸8に 達するよりも良好にクランキングが行える のと判断して、第1クラッチ21を選択する(S116 )。具体的には、第1クラッチ21を係合状態に ると共に第2クラッチ22を解放状態にして、 ータ50から第2入力軸28に出力された機械的動 力を、第2変速機構40及び第1変速機構30により 減速させ、第1クラッチ21から機関出力軸8に 達させて、クランキングを行う。このとき モータ50の出力トルクは、第2変速機構40及び 第1変速機構30により減速されトルクが増大さ れて、機関出力軸8に伝達されることとなる
このとき、ECU100は、ステップS114と同様に 、第2入力軸28の回転速度を維持するよう、モ ータ50から第2入力軸28に出力する出力トルク 増大させる(S118)。これは、第2入力軸28又は ータ52の回転速度を検出し、当該回転速度 一定となるようモータ50の出力トルクを増大 させるフィードバック制御を行うことにより 実現することができる。
このようにして、駆動装置10は、第2入力 28の回転速度、すなわち、車両推進軸66及び これに係合する駆動輪88の回転速度を変化さ ることなく、モータ50からの機械的動力を 第2変速機構40及び第1変速機構30により減速 、モータ50の出力トルクを増大させて第1ク ッチ21から機関出力軸8に伝達し、クランキ グを行うことができる。モータ50の出力トル クを、第2変速機構40及び第1変速機構30で増大 させて機関出力軸8に伝達するため、モータ50 は、出力トルクを第2クラッチ22から機関出力 軸8に伝達させる場合に比べて、より小さな 力トルクで内燃機関5のクランキングを良好 行うことができる。
以上に説明したように本実施例において 、機関出力軸8からの機械的動力を第1入力 27で受け、複数の変速段31,33,35,39のうちいず か1つにより変速して、車両推進軸66に伝達 能な第1変速機構30と、機関出力軸8及びモー タ50からの機械的動力を第2入力軸28で受け、 数の変速段42,44,46のうちいずれか1つにより 速して、車両推進軸66に伝達可能な第2変速 構40と、機関出力軸8と第1入力軸27とを係合 能な第1クラッチ21と、機関出力軸8と第2入 軸28とを係合可能な第2クラッチ22と、第1変 機構30及び第2変速機構40における変速段の選 択と、第1クラッチ21又は第2クラッチ22の選択 とを制御可能な制御手段としてのECU100とを有 している。
ECU100は、内燃機関5のクランキングを行う ときに、第2入力軸28が受けた機械的動力を減 速して第1入力軸27に伝達するよう第1変速機 30及び第2変速機構40の変速段を選択すると共 に、第1クラッチ21を係合状態にする。モータ 50から第2入力軸27に出力された機械的動力を 第2変速機構40及び第1変速機構30により減速 トルクを増大させて、第1入力軸27から第1ク ラッチ21を介して機関出力軸8に伝達させる。 これにより、原動機として設けられたモータ 50の出力トルクを、増大させて機関出力軸8を 回転駆動することができ、モータ50の出力ト クを抑制しつつ、内燃機関5のクランキング を良好に行うことができる。
また、本実施例において、ECU100は、クラ キングを行うときの機関回転速度が、予め 定された必要回転速度以上となり且つ最も くなるよう、第1変速機構30の変速段を選択 るものとした。内燃機関5の始動やブレーキ 負圧の確保のために設定された必要回転速度 (例えば、200rpm)以上となり、且つ最も低くな 変速段を選択することで、モータ50の出力 ルクを極力抑制しつつ、内燃機関5の始動や レーキ負圧の確保のためのクランキングを 好に行うことができる。
また、本実施例において、ECU100は、第1変 速機構30の各変速段31,33,35を選択した場合に いて、第1クラッチ21を係合状態にした場合 機関回転速度である第1クラッチ係合時回転 度C1を推定する第1クラッチ係合時回転速度 定手段(S202)と、第1クラッチ係合時回転速度 C1が、予め設定された必要回転速度を上回る 否かを判定する回転速度判定手段(S206,S210) 、第1クラッチ係合時回転速度C1が必要回転 度を上回った場合に、当該第1クラッチ係合 回転速度C1の算出の基となる変速段を第1変 機構30において選択する変速段選択手段(S208 ,S212,S214)とを有している。ECU100の回転速度判 手段は、最も高速側の変速段である最高速 35について、第1クラッチ係合時回転速度C1 必要回転速度を上回るか否かを判定し、必 回転速度以下であると判定された場合には 最高速段35より低速側の変速段33,31について 定するものとした。
第1変速機構30において、クランキングを うときの機関回転速度が、予め設定された 要回転速度以上となり且つ最も低くなるよ 、第1変速機構30の変速段を選択することを 率よく実現することができる。
また、本実施例において、ECU100は、第2ク ラッチ22を係合状態にした場合の機関回転速 である第2クラッチ係合時回転速度C2を推定 る第2クラッチ係合時回転速度推定手段(S106) を有し、第2クラッチ係合時回転速度C2が必要 回転速度を上回り、且つ第1クラッチ係合時 転速度C1を下回る場合には、第2クラッチ22を 係合して、モータ50からの機械的動力を第2ク ラッチ22から内燃機関5に伝達させるものとし た。
モータ50から第2入力軸28に出力された機 的動力を、第2変速機構40及び第1変速機構30 より変速して、第1クラッチ21から機関出力 8に伝達させるよりも、第2入力軸28に出力さ た機械的動力を、そのまま第2クラッチ22か 機関出力軸8に伝達させた方が、第1クラッ 係合時回転速度C1よりも低い回転速度であり 、且つ必要回転速度以上でクランキングが行 える場合には、モータ50から第2入力軸28に出 された機械的動力を、そのまま第2クラッチ 22から機関出力軸8に伝達させることで、第1 ラッチ21を選択するよりも、良好にクランキ ングを行うことができる。
本実施例に係る駆動装置の構成について 図6~図8を用いて説明する。図6は、駆動装置 を備えた車両の概略構成を示す模式図である 。図7は、ECUが実行する車両停止中クランキ グ制御を示すフローチャートである。図8は 他の態様の動力遮断機構を有する駆動装置 備えた車両の概略構成を示す模式図である 本実施例に係る駆動装置は、第1変速機構及 び第2変速機構からの機械的動力を統合して 車両推進軸に伝達可能な動力統合機構であ 動力統合ギヤと、動力統合ギヤと駆動輪と 間における機械的動力の伝達を遮断可能な 力遮断機構を有しており、制御手段として ECUは、車両停止中に内燃機関のクランキン を行う際に、動力遮断機構を遮断状態にし 、動力統合機構と駆動輪との間における機 的動力の伝達を遮断する点で、第1実施例と 異なり、以下に詳細を説明する。なお、実 例1と略共通の構成については、同一の符号 を付して説明を省略する。
図6に示すように、駆動装置10Bにおいて、 動力統合ギヤ58は、第1変速機構30の第1出力軸 37に結合された第1推進軸駆動ギヤ37cと、第2 速機構40の第2出力軸48に結合された第2推進 駆動ギヤ48cとの双方に噛み合っている。動 統合ギヤ58には、駆動装置出力軸58aが結合さ れている。駆動装置10Bは、第1出力軸37及び第 2出力軸48から出力された機械的動力を、動力 統合ギヤ58で統合して、駆動装置出力軸58cか 車両推進軸66に向けて出力可能となってい 。
駆動装置出力軸58cと車両推進軸66との間 は、駆動装置10Bの動力統合ギヤ58と駆動輪88 の間における機械的動力の伝達を遮断可能 動力遮断機構として、駆動装置出力軸58と 両推進軸66とを係合可能なクラッチ機構90(以 下、出力側クラッチと記す)が設けられてい 。なお、出力側クラッチ90は、円板状の摩擦 式クラッチ等、任意のクラッチ機構で構成す ることができる。出力側クラッチ90の係合状 と非係合状態(解放状態)との切替えは、図 しないアクチュエータ等を介してECU100Bによ 制御される。
ECU100Bが出力側クラッチ90を解放状態にし 、動力統合ギヤ58と駆動輪88との間における 機械的動力の伝達を遮断することで、駆動装 置10Bは、駆動輪88が静止している状態、すな ち車両1Bの停止中(以下、車両停止中と記す) においても、モータ50を力行させて、モータ5 0から第2入力軸28に出力された機械的動力を 第2変速機構40及び第1変速機構30により変速 て、第1クラッチ21から機関出力軸8に伝達し 、クランキングを行うことが可能となって る。なお、モータ50から第2入力軸28に出力 れた機械的動力を、そのまま第2クラッチ22 ら機関出力軸8に伝達して、クランキングを うことも可能となっている。
このように構成された車両1Bにおいて、EC U100Bは、二次電池120の蓄電状態(SOC)が所定値 下に低下した場合など、車両停止中におい 内燃機関5の始動が必要であると判断した場 や、ブレーキ負圧を確保するため等、車両 止中に内燃機関5のクランキングが必要であ ると判断した場合に、以下の車両停止中にお けるクランキング制御処理(以下、車両停止 クランキング制御と記す)を実行する。
図7に示すように、ステップS300において ECU100Bは、動力遮断機構としての出力側クラ チ90を解放状態にすることで、駆動装置10B 動力統合ギヤ58と駆動輪88との間における機 的動力の伝達を遮断する。これにより、駆 輪88の静止、回転に関係なく、動力統合ギ 58と、これに係合する第1出力軸37及び第2出 軸48を回転させることが可能となる。
そして、ステップS302において、ECU100Bは 第2変速機構40の変速段42,44,46のうち最も低速 側の変速段である第2速ギヤ段42を選択して、 対応する第2速カップリング機構42eを係合状 にする。これにより、モータ50から第2入力 28に出力された機械的動力を、極力回転速度 を減速して、第2出力軸48に伝達することが可 能となる。
これと共に、ステップS304において、ECU100 Bは、第1変速機構30の変速段31,33,35のうち最も 高速側の変速段である第5速ギヤ段35を選択し て、対応する第5速カップリング機構35eを係 状態にする。これにより、モータ50から、第 2出力軸48、第2推進軸駆動ギヤ48c、動力統合 ヤ58、第1推進軸駆動ギヤ37cを介して、第1出 軸37に伝達された機械的動力を、極力回転 度を減速して、第1入力軸27に伝達すること 可能となる。
これと共に、ステップS306において、ECU100 Bは、第1クラッチ21を選択して、第1クラッチ2 1を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解 状態にする。モータ50から第1入力軸27に伝達 された機械的動力を、第1クラッチ21から機関 出力軸8に伝達することが可能となる。
そして、ステップS308において、ECU100Bは モータ50を力行させることで、モータ50から 2入力軸28に出力された機械的動力を、第2変 速機構40の第2速ギヤ段42、及び第1変速機構30 第5速ギヤ段35により、それぞれ回転速度を 速しトルクを増大させて、第1クラッチ21か 機関出力軸8に伝達させる。これにより、駆 動装置10Bは、車両停止中においても、モータ 50から機械的動力を、第1及び第2変速機構30,40 によりトルクを増大させて機関出力軸8に伝 してクランキングを行うことができる。
この後、ECU100Bは、ファイアリングを行わ せて内燃機関5を始動することができる。こ により、駆動装置10Bは、車両停止中におい 、始動した内燃機関5が機関出力軸8から出力 した機械的動力を、ロータ52に伝達させてモ タ50の発電に供することができ、二次電池12 0を充電することができる。また。駆動装置10 Bは、ファイアリングを行わずに内燃機関5の ランキングを所定期間継続することにより ブレーキ負圧を生成することもできる。
なお、本実施例において、動力統合機構 しての動力統合ギヤ58と、駆動輪88との間に おける機械的動力の伝達を遮断可能な動力遮 断機構として、駆動装置出力軸58aと車両推進 軸66とを係合可能なクラッチ機構である出力 クラッチ90を設けるものしたが、動力遮断 構の態様は、これに限定されるものではな 。
動力遮断機構としては、例えば、図8に示 すように、第1出力軸37と第2出力軸48からの機 械的動力を統合可能な動力統合ギヤ58と車両 進軸66とを係合可能な出力側カップリング 構58eを設けて、出力側カップリング機構58e 係合状態と解放状態とを、ECU100Bにより制御 能に構成するものとしても良い。このよう 構成することで、上述の出力側クラッチ90 設ける場合と同様に、動力統合機構(動力統 ギヤ)と駆動輪88との間における機械的動力 伝達を遮断可能な動力遮断機構を実現する とができる。
以上に説明したように本実施例において 、第1変速機構30及び第2変速機構40からの機 的動力を統合して、車両推進軸66に伝達可 な動力統合機構としての動力統合ギヤ58と、 動力統合ギヤ(58;58c)と駆動輪88との間におけ 機械的動力の伝達を遮断可能な動力遮断機 (90;58e)とを有し、ECU100Bは、車両停止中に内 機関5のクランキングを行う際に、動力遮断 構(90;58e)を制御して、動力統合ギヤ58と駆動 輪88との間における機械的動力の伝達を遮断 るものとした。これにより、駆動装置10Bは モータ50から機械的動力を、駆動輪88に伝達 させて車両を走行させることなく、車両停止 中において内燃機関5のクランキングを行う とができる。
また、本実施例において、ECU100Bは、第2 速機構40の変速段42,44,46のうち最も低速側の 速段である第2速ギヤ段42と選択すると共に 第1変速機構30の変速段31,33,35のうち最も高 側の変速段である第5速ギヤ段35を選択する のとしたので、モータ50から第2入力軸28に出 力された機械的動力を、第2変速機構40と第1 速機構30との双方において、極力、回転速度 を減速しトルクを増大させて、第1クラッチ21 から機関出力軸8に伝達させることができ、 ータ50の出力トルクを最小限に抑制しつつ、 内燃機関5の始動やブレーキ負圧の確保のた のクランキングを良好に行うことができる
また、本実施例において、動力遮断機構 、動力統合ギヤ58に結合された駆動装置出 軸58aと車両推進軸66とを係合可能なクラッチ 機構である出力側クラッチ90であるものとし ので、第2変速機構及び第1変速機構からの 械的動力を統合する動力統合機構と駆動輪 の間における機械的動力の伝達を遮断可能 動力遮断機構を、クラッチ機構により実現 ることができる。
また、本実施例において、動力遮断機構 、動力統合機構である動力統合ギヤ58cと車 推進軸66とを係合可能な出力側カップリン 機構58eであるものとしたので、第2変速機構 び第1変速機構からの機械的動力を統合する 動力統合機構と駆動輪との間における機械的 動力の伝達を遮断可能な動力遮断機構を、動 力を伝達する軸(シャフト)と、軸に対して回 可能に設けられたギヤとを結合させるカッ リング機構により実現することができる。
なお、上述した各実施例において、駆動 置(10;10B)は、内燃機関5及びモータ50からの 械的動力を統合して、車両推進軸66に伝達す るものとしたが、本発明に係る車両推進軸の 態様は、これに限定されるものではない。駆 動装置は、駆動輪に係合する車両推進軸に機 械的動力を伝達できれば良く、例えば、駆動 装置が、内燃機関及びモータからの機械的動 力を統合して、駆動輪と同一の回転速度で回 転する車両推進軸である駆動軸(ドライブシ フト)に直接、伝達するものとしても良い。
また、上述した各実施例において、駆動 置(10;10B)に原動機として設けられたモータ50 は、供給された電力を機械的動力に変換して 出力する電動機としての機能と、入力された 機械的動力を電力に変換する発電機としての 機能とを兼ね備えたモータジェネレータであ るものとしたが、本発明に係るモータは、こ れに限定されるものではない。モータは、変 速機構の入力軸に機械的動力を出力できれば 良く、例えば、モータを、電力を機械的動力 に変換して出力する機能のみを有する電動機 として構成しても良い。
また、上述した各実施例において、駆動 置(10;10B)は、第1変速機構30が、第1入力軸27 受けた機械的動力を、第1出力軸37から駆動 88と係合する車両推進軸66に伝達し、第2変速 機構40が、第2入力軸28で受けた機械的動力を 第2出力軸48から車両推進軸66に伝達するも としたが、第1変速機構及び第2変速機構の態 様は、これに限定されるものではない。第1 速機構及び第2変速機構は、それぞれの入力 で受けた機械的動力を、駆動輪に向けて伝 可能であれば良く、例えば、第1変速機構と 第2変速機構の各変速段は、それぞれ第1入力 又は第2入力軸で受けた機械的動力を、駆動 輪と係合する共通の出力軸に伝達するものと しても良い。
また、上述した各実施例において、駆動 置(10;10B)は、内燃機関5の機関出力軸8及び電 気モータ50のロータ52からの機械的動力を、 1変速機構30及び第2変速機構40のうち少なく も一方により変速して、動力統合ギア58から 、推進軸66、終減速装置70の差動機構74を介し て駆動輪88に伝達するものとしたが、第1変速 機構及び第2変速機構から駆動輪に向けての 力伝達の態様は、これに限定されるもので ない。駆動装置において、第1変速機構及び 2変速機構は、それぞれの入力軸で受けた機 械的動力を、駆動輪に向けて伝達可能であれ ば良く、例えば、動力統合ギア、又は当該動 力統合ギアと噛み合う駆動ギアが、直接に差 動機構のリングギアと噛み合うものとしても 良い。
以上のように、本実施例に係る駆動装置 、原動機として内燃機関とモータとを備え ハイブリッド車両に有用であり、特に、デ アルクラッチ式変速機を備えた車両に有用 ある。