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Patent Searching and Data


Title:
FASTENING PRESSURE CONTROL DEVICE FOR STARTING FRICTION ELEMENT AT TIME OF CONTROLLING IDLE STOP OF VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/147950
Kind Code:
A1
Abstract:
An electric oil pump is reduced in its requesting discharge capacity by devising how to feed a starting friction element fastening pressure command value, so that the electric oil pump can be small-sized.  In response to an idle stop OFF command at t1, an engine is restarted so that a shift controlling oil pressure is raised by the working oil from an engine driving oil pump.  When the shift controlling oil pressure reaches the set oil pressure at t2, an idle stop releasing time control of the engine is allowed by a torque-down unrequesting decision.  Thus, when an engine torque (Te) is raised at a predetermined gradient (ΔTe1) from a torque-down value toward a driving operation corresponding value, the command value of the starting friction element fastening pressure (Ps) is so made during the idle stop control including the idle stop releasing time control that the drain port opening of a clutch oil pressure control valve for a control maximum (a clutch oil pressure (a fastening pressure) command value) may be smaller than that for the ordinary control (may be harder to drain).  When the starting friction element fastening pressure (Ps) is controlled in response to that command value, therefore, the working oil from the electric oil pump is not drained, and the electric oil pump need not discharge the working oil for the drainage so that the oil pump can be small-sized.

Inventors:
NIHEI HIRONORI
KOGA MASATO
MATSUDA TAKASHI
Application Number:
PCT/JP2009/059309
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
May 21, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NISSAN MOTOR (JP)
NIHEI HIRONORI
KOGA MASATO
MATSUDA TAKASHI
International Classes:
F16D48/02; F02D29/02; F16H61/02; F16H59/74; F16H61/662
Foreign References:
JP2006170399A2006-06-29
JP3807145B22006-08-09
JP2001041067A2001-02-13
Other References:
See also references of EP 2287488A4
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (JP)
Hashimoto 剛 (JP)
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Claims:
 エンジンと、
駆動車輪と、
発進摩擦要素を介して該エンジンの動力を該駆動車輪へ変速下に伝達する変速機と、
該エンジンの運転中、該エンジンにより駆動されるエンジンオイルポンプからの油圧で該変速機を変速制御する変速制御部と、
停車判定時は、所定条件が揃ったところでエンジンを自動的に停止させるアイドルストップを行うと共に、電動オイルポンプからの作動油を発進摩擦要素締結圧制御が一部ドレンして作り出した締結圧により該発進摩擦要素を締結開始直前状態となし、該所定条件が揃わなかったところで、アイドルストップの解除により該エンジンを再始動させると共に、該エンジンを運転操作対応の状態にするアイドルストップ制御部とを備える車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置であって、前記アイドルストップ制御部の作動中、該発進摩擦要素締結圧制御部への締結圧指令値に対するクラッチ油圧制御弁のドレンポート開度を通常制御に比べて小さくすることを特徴とする、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置。
請求項1に記載の、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置において、
前記電動オイルポンプは、前記発進摩擦要素締結圧制御部への締結圧指令値が制御最大値にしておくよう構成したことを特徴とする、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置。
 請求項2に記載の、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置において、
 前記電動オイルポンプは、前記発進摩擦要素締結圧制御部への締結圧指令値が制御最大値であるとき丁度、前記発進摩擦要素を締結開始直前状態となすような量の作動油を吐出するポンプ容量を持つものであることを特徴とする、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置。
 請求項2または3に記載の、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置において、
 前記電動オイルポンプが正規の油圧を発生し得ない故障時は、前記発進摩擦要素締結圧制御部への締結圧指令値を制御最大値に代えて、中間的な棚圧相当値にするよう構成したことを特徴とする、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置において、
 前記エンジンの出力制御系が故障している時は、前記発進摩擦要素締結圧制御部への締結圧指令値を制御最大値に代えて、中間的な棚圧相当値にするよう構成したことを特徴とする、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置において、
 前記アイドルストップの解除によるエンジン再始動から、前記アイドルストップ解除時制御が開始されるまでの間に、前記変速機の選択レンジが切り替わった時は、前記発進摩擦要素締結圧制御部への締結圧指令値を制御最大値に代えて、中間的な棚圧相当値にするよう構成したことを特徴とする、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置。
 請求項4~6のいずれか1項に記載の、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置において、
 前記中間的な棚圧相当値は、前記発進摩擦要素を内蔵リターンスプリングに抗して締結開始直前状態にするのに必要なリターンスプリング相当圧であることを特徴とする、車両のアイドルストップ制御時における発進摩擦要素の締結圧制御装置。
Description:
車両のアイドルストップ制御時 おける発進摩擦要素の締結圧制御装置

 本発明は、発進摩擦要素を介しエンジン 動力を駆動車輪へ変速下に伝達し、エンジ の運転中はエンジン駆動オイルポンプから 油圧で上記の変速を行うようにした変速機 具える車両に関し、特に、停車判定時は所 条件が揃ったところでエンジンを自動的に 止させるアイドルストップを行うと共に、 動オイルポンプからの作動油により発進摩 要素を締結開始直前状態となし、上記の所 条件が揃わなくなったところで、アイドル トップの解除によりエンジンを再始動させ と共に、変速制御用の油圧が十分高くなっ ときエンジンを運転操作対応の状態にする イドルストップ解除時制御を行うアイドル トップ制御装置の作動時における発進摩擦 素の締結圧制御を、電動オイルポンプの小 化が可能な態様で実行させるための装置に するものである。

 車両の燃費を向上させる一手法として、停 時に発進意志のない停車状態が設定時間だ 経過する等の所定条件が揃ったところで、 ンジンを自動的に停止させるアイドルスト プ制御技術がある。
 このアイドルストップ制御技術は、ブレー ペダルを釈放してブレーキを作動状態から 作動状態にする等の、発進を意図したと思 れる操作を運転者が行った時、アイドルス ップの解除によりエンジンを自動的に再始 させるものである。

 一方で変速機は、エンジンにより駆動され エンジン駆動オイルポンプからの油圧によ て変速制御される。
 ところで上記のアイドルストップ中は、エ ジンが運転されていないことから、エンジ 駆動オイルポンプからの油圧もなくて、変 機の発進摩擦要素が解放状態にされ、変速 を動力伝達不能状態にしている。
 この状態からアイドルストップの解除によ エンジンが再始動されると、これにより駆 されるエンジン駆動オイルポンプからの油 が発生して、変速機の発進摩擦要素が締結 れることから、変速機を動力伝達可能状態 し得る。
 しかし、エンジンの再始動によりエンジン 動オイルポンプが油圧を発生して、発進摩 要素の締結により変速機が動力伝達可能状 になるまでには応答遅れがある。

 かかる応答遅れの間に、エンジンを運転 作対応の状態にするアイドルストップ解除 制御が行われると、これにより上昇するエ ジン出力が、動力伝達可能状態になる前の( 動力伝達不能状態の)変速機へ入力され、変 機の耐久性に悪影響が及ぶという問題を生 る。

 そこで以前から、例えば特許文献1に記載の ごとく、アイドルストップ中はエンジン駆動 オイルポンプに代えて電動オイルポンプから の作動油により、変速機の発進摩擦要素を締 結開始直前状態(締結容量を持ち始める直前 状態)にストローク作動させておき、これに り変速機を動力伝達開始直前状態に保って く技術が提案されている。
 この技術によればアイドルストップ中、電 オイルポンプからの作動油により、発進摩 要素を締結開始直前状態にストローク作動 せて変速機を動力伝達開始直前状態に保つ め、アイドルストップの解除によりエンジ が再始動されたとき速やかに、エンジン駆 オイルポンプからの作動油が発進摩擦要素 締結開始させ得ることとなり、これにより ンジンの再始動に速やかに変速機を動力伝 可能状態にすることができる。
 従って、再始動により上昇中のエンジント クが、動力伝達可能状態になる前の(動力伝 達不能状態の)変速機へ入力されることがな 、変速機の耐久性に悪影響が及ぶという問 を解消することができる。

特開2001-041067号公報(図3、第6欄)

 しかし、発進摩擦要素の締結圧制御に際し 進摩擦要素締結圧制御手段は、電動オイル ンプからの作動油を媒体とする場合も、エ ジン駆動オイルポンプからの作動油を媒体 する場合と同じく、締結圧指令値に応じ作 油(ポンプ吐出圧)を一部ドレンして指令値 応の発進摩擦要素締結圧を作り出すのが常 である。
 一方、電動オイルポンプは、前記したごと 、発進摩擦要素を締結開始直前状態にスト ーク作動させて変速機を動力伝達開始直前 態に保つために設けたものであり、従って 記の締結圧指令値は、この要求を満たす発 摩擦要素締結開始直前状態達成油圧値に定 る。

 ところで、かように発進摩擦要素締結開 直前状態達成油圧値に定めた締結圧指令値 応じ作動油(ポンプ吐出圧)を一部ドレンし 、発進摩擦要素締結開始直前状態達成用の 進摩擦要素締結圧を作り出すのでは、電動 イルポンプが、発進摩擦要素締結開始直前 態達成油圧を発生させて発進摩擦要素を締 開始直前状態に作動させるのに必要な作動 量に加えて、発進摩擦要素の締結圧制御に して上記のごとくに行うドレンに相当する の作動油を吐出する必要が生じ、その分だ 電動オイルポンプへの要求容量が多くなる

 一方で電動オイルポンプは、設置スペース 制約やコスト上の制約から、できるだけポ プ容量の小さな小型ポンプ電動オイルポン である必要がある。
 しかしながら、上記のように発進摩擦要素 締結圧制御に際して行うドレンに相当する の作動油を余分に吐出する必要があるので 、その分だけ電動オイルポンプへの要求容 が多くなって、電動オイルポンプの大型化 招き、電動オイルポンプを、設置スペース 制約やコスト上の制約から、できるだけポ プ容量の小さな小型ポンプ電動オイルポン にするとの要求を満足させることができな 。

 本発明は、発進摩擦要素の締結圧指令値と て、前記の発進摩擦要素締結開始直前状態 成油圧値を設定するのでなく、締結圧指令 に対するクラッチ油圧制御弁のドレンポー 開度を通常制御に比して小さくする。詳細 は、締結圧指令値を制御最大値を設定する うにすれば、
 前記のドレンが不要になって電動オイルポ プをポンプ容量の小さな小型ポンプ電動オ ルポンプにし得るとの観点から、この着想 具体化して、上記の問題を解消可能にした 車両のアイドルストップ制御時における発 摩擦要素の締結圧制御装置を提案すること 目的とする。

 この目的のため、本発明のアイドルストッ 制御時における発進摩擦要素の締結圧制御 置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
 先ず、本発明の前提となる車両を説明する 、これは、エンジンと、駆動車輪と、
発進摩擦要素を介して該エンジンの動力を該 駆動車輪へ変速下に伝達する変速機と、該エ ンジンの運転中、該エンジンにより駆動され るエンジンオイルポンプからの油圧で該変速 機を変速制御する変速制御部と、停車判定時 は、所定条件が揃ったところでエンジンを自 動的に停止させるアイドルストップを行うと 共に、電動オイルポンプからの作動油を発進 摩擦要素締結圧制御が一部ドレンして作り出 した締結圧により該発進摩擦要素を締結開始 直前状態となし、該所定条件が揃わなかった ところで、アイドルストップの解除により該 エンジンを再始動させると共に、該エンジン を運転操作対応の状態にするアイドルストッ プ制御部とを備える車両である。 

 本発明は、かかる車両において、前記ア ドルストップ制御装置の作動中、前記発進 擦要素締結圧制御手段への締結圧指令値を 御最大値にしておく(すなわち、クラッチ油 圧(締結圧)指令値に対するクラッチ油圧制御 のドレンポート開度を通常制御に比して小 くする)よう構成したことを特徴とするもの である。

 かかる本発明のアイドルストップ制御時に ける発進摩擦要素の締結圧制御装置によれ 、アイドルストップ制御装置の作動中、発 摩擦要素締結圧制御手段への締結圧指令値 制御最大値にしておくため、発進摩擦要素 結圧制御手段が、発進摩擦要素の締結圧制 に際し電動オイルポンプからの作動油をド ンしないこととなる。
 従って電動オイルポンプは、ドレン分を含 て作動油を吐出する必要がなくなり、ポン 容量の小さな小型ポンプ電動オイルポンプ し得て、設置スペース上の制約やコスト上 制約に十分対応することができる。

Vベルト式無段変速機を搭載する車両用 に構成した、アイドルストップ制御時におけ る発進摩擦要素の締結圧制御装置の一実施例 を示すシステム図である。 図1におけるエンジン自動停止コントロ ーラが実行するアイドルストップ制御時用発 進摩擦要素締結圧制御プログラムを示すフロ ーチャートである。 図2によるアイドルストップ制御時用発 進摩擦要素締結圧制御の動作を、システムが 正常である場合につき示すタイムチャートで ある。 システムの電動オイルポンプが故障し いる場合に、図2によるアイドルストップ制 御時用発進摩擦要素締結圧制御を行わなかっ た時の動作を示すタイムチャートである。 図2によるアイドルストップ制御時用発 進摩擦要素締結圧制御の動作を、システムの 電動オイルポンプが故障している場合につき 示すタイムチャートである。 アイドルストップOFF指令によるエンジ 再始動時から、トルクダウン不要判定によ エンジンのアイドルストップ解除時制御が 始されるまでの間に、変速機のレンジ切り えがあった場合に、図2によるアイドルスト ップ制御時用発進摩擦要素締結圧制御を行わ なかった時の動作を示すタイムチャートであ る。 図2によるアイドルストップ制御時用発 進摩擦要素締結圧制御の動作を、図6におけ と同様なレンジ切り替えがあった場合につ 示すタイムチャートである。 図1におけるエンジン自動停止コントロ ーラが実行する、エンジンアイドルストップ 解除時制御プログラムの参考例を示すフロー チャートである。 発進摩擦要素がスリップしているのに 図8によるエンジンアイドルストップ解除時 制御を行わなかった場合の動作を示すタイム チャートである。 図8によるエンジンアイドルストップ 除時制御の動作を、発進摩擦要素がスリッ している場合につき示すタイムチャートで る。

 以下、本発明の実施の形態を、図面に示す 施例に基づき詳細に説明する。
 図1は、Vベルト式無段変速機を搭載するア ドルストップ制御装置付き車両用に構成し 、アイドルストップ制御時における発進摩 要素締結圧制御装置の一実施例を示す。

 1は、Vベルト式無段変速機のプライマリプ リ、2は、Vベルト式無段変速機のセカンダリ プーリで、これらプライマリプーリ1および カンダリプーリ2は、相互に略同じ軸直角面 に整列配置する。
 そして、これらプライマリプーリ1およびセ カンダリプーリ2間にVベルト3を掛け渡して、 Vベルト式無段変速機の伝動部を構成する。
 プライマリプーリ1には、前後進切り替え機 構(図示せず)内における前進クラッチや後退 レーキなどの発進摩擦要素F/Eおよびトルク ンバータT/Cを介してエンジンEを結合し、エ ンジンEからの回転をトルクコンバータT/Cお び発進摩擦要素F/Eによりプライマリプーリ1 入力可能にする。
 プライマリプーリ1の回転はVベルト3を介し セカンダリプーリ2へ伝達し、セカンダリプ ーリ2の回転を駆動車輪へ伝達して車両の走 に供する。

 かかる伝動中Vベルト式無段変速機は、セカ ンダリプーリ2のV溝を形成する対向シーブ面 うち一方のV溝シーブ面(図1では、左側の可 シーブ面)を他方の固定シーブ面に対し接近 、または離間させてV溝幅を小さく、または きくすると同時に、
 プライマリプーリ1の図1中右側におけるV溝 ーブ面(可動シーブ面)を反対側におけるV溝 ーブ面(固定シーブ面)に対し離間、または 近させV溝幅を大きく、または小さくするこ により、
 プライマリプーリ1およびセカンダリプーリ 2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を連続的 に変化させて無段変速を行うものとする。

 Vベルト式無段変速機の変速制御は、セカン ダリプーリ2の可動シーブ面押し付け油圧を 減することにより実行し、
 この変速制御に際しては、プライマリプー 1に結合されたエンジンにより駆動されるエ ンジン駆動オイルポンプ4からライン圧油路5 の作動油を媒体とし、変速制御回路6(電子 御部および油圧制御部)が当該変速制御を以 のごとくに行うものとする。
 ちなみにエンジン駆動オイルポンプ4は、ロ ータリーベーンポンプなどの、非可逆式のポ ンプ(停止状態において油路5内の作動油をオ ルパンへ流下させることのないポンプ)とす る。

 つまり運転状態検出手段7により、車両の運 転状態を表すエンジンスロットル開度TVOや車 速VSPなどを検出し、変速制御回路6はこれら 転情報をもとに、その内部における図示せ るレギュレータバルブにより、オイルポン 4から油路5への作動油を変速機入力トルク対 応のライン圧P L に調圧する。
 このライン圧P L は、本発明における変速制御用油圧に相当し 、プライマリプーリ圧油路8を経てプライマ プーリ1の可動シーブ面に作用させ、これに りプライマリプーリ1の可動シーブ面を変速 機入力トルク対応のスラスト力で固定シーブ 面に向け附勢して、これらシーブ面間にVベ ト3を変速機入力トルク対応の力で挟圧する

 変速制御回路6は更に、上記運転状態検出手 段7で検出したエンジンスロットル開度TVOお び車速VSPなどの運転情報をもとに予定の変 マップから現在の運転状態に適した目標入 回転数(目標変速比)を求める。
 そして変速制御回路6は、油路5内のライン P L を元圧とし、これを減圧して上記の目標入力 回転数(目標変速比)が達成されるような変速 御圧Pcを作り出し、この変速制御圧Pcを変速 制御圧油路9によりセカンダリプーリ2の可動 ーブ面押し付け油圧としてセカンダリプー 2に供給する。
 セカンダリプーリ2は、上記の油圧による可 動シーブ面押し付け力と、可動シーブ面を固 定シーブ面に向け附勢するセカンダリプーリ 内蔵バネ(図示せず)によるバネ力とで、両シ ブ面間にVベルトを挟圧することにより、V ルト式無段変速機を、その入力回転数(変速 )が目標入力回転数(目標変速比)に一致する う変速制御する。
 従って変速制御圧Pcも、ライン圧P L と同じく、本発明における変速制御用油圧に 相当する。

 ところで変速制御圧Pcは、外乱などを受け 目標入力回転数(目標変速比)を達成するのに 必要な油圧値からずれ、正確な変速制御に支 障をきたす虞があり、この危惧を排除するた めに以下のフィードバック制御系を付加する 。
 つまり、セカンダリプーリ2の可動シーブ面 押し付け油圧を検出する油圧センサ10を設け この油圧センサ10により検出した可動シー 面押し付け油圧を変速制御回路6にフィード ックする。

 変速制御回路6は、当該フィードバックした セカンダリプーリ2の可動シーブ面押し付け 圧が、目標入力回転数(目標変速比)を達成す るのに必要な変速制御圧Pcの指令値からどの 度乖離しているかを演算し、この乖離が解 されるよう変速制御圧Pcの指令値を変化さ 、
 これにより、外乱などを受けても、変速制 圧Pcが目標入力回転数(目標変速比)を達成す るのに必要な油圧値からずれることのないよ うにし、正確な変速制御を継続的に遂行し得 るようにする。

 変速制御回路6は更に、ライン圧P L をその一部ドレンにより減圧して発進摩擦要 素F/Eの締結を司る発進要素締結圧Psを作り出 、この発進要素締結圧Psを発進要素締結圧 路15により発進摩擦要素F/Eへ供給する。
 従って変速制御回路6は、本発明における発 進摩擦要素締結圧制御手段に相当する。
 ここで発進要素締結圧Psは、発進摩擦要素F/ Eがプライマリプーリ1への入力トルクを伝達 能なトルク容量をもって締結されるような に制御する。

 なお本実施例において、プライマリプーリ1 に結合されたエンジンEは燃費向上のために イドルストップ制御装置付きとし、車速が 車判定用の微少設定車速未満となる停車判 状態であって、この停車判定状態が発進意 のないまま設定時間に亘って継続する等の 定条件が揃ったところで、エンジンを自動 に停止(アイドルストップ)させるものとする 。
 本実施例においては、上記のように車速が 車判定用の微少設定車速未満となる停車判 状態をアイドルストップ条件としたことに り、上記のアイドルストップが停車時に行 れるものを含むのは勿論であるが、停車直 における微速走行中から行われるものをも むことは言うまでもない。
 アイドルストップ制御の解除は、ブレーキ ダルを釈放してブレーキを作動状態から非 動状態にする等の、発進を意図したと思わ る操作を運転者が行った時、エンジンを自 的に再始動させて当該解除を行うものとす 。

 ところで上記のアイドルストップ中は、エ ジンが運転されないことから、これにより 動されるエンジン駆動オイルポンプ4からの 吐出油もなくて、ライン圧P L を発生させ得ないと共に、変速制御回路6が 速制御圧Pcおよび発進摩擦要素締結圧Psを作 出すこともできない。
 よって、プライマリプーリ1の対向シーブ面 間、および、セカンダリプーリ2の対向シー 面間にVベルト3を挟圧することができず、発 進摩擦要素F/Eを締結させることもできないこ とから、Vベルト式無段変速機は動力伝達不 状態になっている。

 この状態から、アイドルストップ制御の解 によりエンジンが再始動されると、 これ より駆動されるエンジン駆動オイルポンプ4 ら作動油が吐出されて、ライン圧P L を発生させ得るようになると共に、変速制御 回路6が変速制御圧Pcおよび発進摩擦要素締結 圧Psを作り出すことができるようになること ら、
 これら油圧の発生によりVベルト式無段変速 機が動力伝達可能状態になる。

 ところで、アイドルストップ制御の解除に うエンジンの再始動によりエンジン駆動オ ルポンプ4が作動油を吐出し、これによりラ イン圧P 、変速制御圧Pcおよび発進摩擦要素締結圧Ps 発生してVベルト式無段変速機を動力伝達可 状態にするまでには応答遅れがある。
 かかる応答遅れの間に、車両駆動系(エンジ ン)を運転操作対応の状態にするアイドルス ップ解除時制御を行うと、これにより上昇 るエンジントルクが、動力伝達可能状態に る前の(動力伝達不能状態の)Vベルト式無段 速機へ入力され、変速機の耐久性に悪影響 及ぶという問題を生ずる。

 そこで本実施例においては、アイドルスト プ中はエンジン駆動オイルポンプ4に代えて 電動オイルポンプ11を作動させ、これからの 動油により後述のごとく、Vベルト式無段変 速機を動力伝達開始直前状態に保っておくよ うにする。
 なお電動オイルポンプ11は、専用モータ12に より駆動し、専用モータ12は、電動オイルポ プ11を駆動するのに必要な最小限の出力を した小型のものとする。

 電動オイルポンプ11の吐出ポートを電動オ ルポンプ油路13により、ライン圧油路5に接 し、電動オイルポンプ油路13中に、ライン圧 油路5からの油流を阻止する向きに配した逆 弁14を挿置する。
 この逆止弁13は、エンジン駆動オイルポン 4から作動油が吐出される時、この作動油が 動オイルポンプ11を経てオイルパンに向け れ、ライン圧P L を発生させ得なくなるのを防止するためのも のである。

 かかる構成によれば、エンジンのアイドル トップ中は電動オイルポンプ11からの作動 を媒体として変速制御回路6が、油路5,9,18を む変速制御油路内に、変速機を以下のごと 動力伝達開始直前状態にする油圧を発生さ ることができる。
 つまり、前記したごとく本発明における発 摩擦要素締結圧制御手段を成す変速制御回 6は、油路5,9内に、Vベルト3をプライマリプ リ1の対向シーブ面間、および、セカンダリ プーリ2の対向シーブ面間に丁度隙間がなく るよう挟んでおく油圧を生じさせると共に 油路15内に、発進摩擦要素F/E(前後進切り替 機構内の前進クラッチや、後退ブレーキ)が 蔵リターンスプリングに抗して、締結容量 持ち始める直前状態に作動するのに必要な 圧(発進摩擦要素締結開始直前状態達成油圧 )Psを発生させ、これらによりVベルト式無段 速機を動力伝達開始直前状態に保っておく とができる。

 なお油路15内に、発進摩擦要素F/E(前後進切 替え機構内の前進クラッチや、後退ブレー )が締結容量を持ち始める直前状態にストロ ーク作動させるのに必要な油圧(発進摩擦要 締結開始直前状態達成油圧)Psを発生させる 際し、
 変速制御回路6は、発進摩擦要素締結圧指令 値を後で詳述するごとく制御最大値となし、 これにより油路5内の作動油をドレンするこ なく最大限、発進摩擦要素締結圧油路15に向 かわせることにより、電動オイルポンプ11か の作動油量で決まる発進摩擦要素締結開始 前状態達成油圧値相当の発進摩擦要素締結 Psを作り出すものとする。

 従って、電動オイルポンプ11のポンプ容量 、油路15内の発進摩擦要素締結圧Psを丁度、 進摩擦要素締結開始直前状態達成油圧値に るのに必要な量の作動油を吐出するような ポンプ容量が限界まで小さな小型の電動オ ルポンプにすることができ、
 電動オイルポンプ11を、設置スペースの制 や、コスト上の制約があっても、これに応 得るものとなし得る。

 上記のごとくアイドルストップ中、Vベルト 式無段変速機を動力伝達開始直前状態に保っ ておくことで、アイドルストップの解除によ りエンジンが再始動されたとき直ちに、エン ジン駆動オイルポンプ4からの作動油を媒体 して変速制御回路6が変速制御用油圧を、電 オイルポンプ11からの作動油を媒体として 生させていた上記の動力伝達開始直前状態 成油圧値から、変速機を動力伝達可能状態 する油圧値へと上昇させることができる。
 このため、エンジンの再始動直後からVベル ト式無段変速機がスリップ無しに動力伝達を 行い得て車両の再発進応答を改善し得ると共 に、動力伝達可能状態となる前の変速機へエ ンジン出力が伝達されて、変速機の耐久性に 悪影響が及ぶという問題を回避することがで きる。

 前記したアイドルストップ制御(アイドル ストップON,OFF指令)および電動オイルポンプ11 (専用モータ12)のON,OFF指令は、図1におけるエ ジン自動停止コントローラ21によってこれ を実行し、エンジン自動停止コントローラ21 は更に、電動オイルポンプ11を小型化すると う本発明の目的のため、図2に示す制御プロ グラムを実行して、図3のタイムチャートに り示すような、アイドルストップ制御時用 発進摩擦要素締結圧制御を行うようになす

 そのためエンジン自動停止コントローラ21 は、
 アイドルストップ許可条件検出部22からの 号と、
 Vベルト式無段変速機の選択レンジを検出す るインヒビタスイッチ23からの信号と、
 発進摩擦要素F/Eの入力側回転数Nciおよび出 側回転数Ncoを検出する発進摩擦要素入出力 転センサ24からの信号と、
 エンジンEの出力を制御するスロットル開度 電子制御システムなどのエンジン出力制御系 が故障しているか否かを判定するエンジン出 力制御系故障判定部25からの信号と、
 前記した油圧センサ10からの信号とを入力 る。

 アイドルストップ許可条件検出部22が検 するアイドルストップ許可条件としては、V ルト式無段変速機のプーリ1,2間における回 速度比であるプーリ比や、変速機作動油温 、ブレーキ作動状態や、車速VSPや、アクセ 開度APOや、停車路面の勾配度などがある。

 ちなみに、プーリ比は、最ロー変速比近 の領域におけるプーリ比であることが、ア ドルストップを許可される条件であり、変 機作動油温は暖機運転終了後の温度域であ ことが、アイドルストップを許可される条 であり、ブレーキが作動状態であることが アイドルストップを許可される条件であり 車速VSPが前記した停車判定用の微少設定車 未満の値であることが、アイドルストップ 許可される条件であり、アクセル開度APOが 近辺の領域における値であることが、アイ ルストップを許可される条件であり、停車 面の勾配度は零近辺の領域における平坦路 配であることが、アイドルストップを許可 れる条件である。

 先ず、エンジン自動停止コントローラ21が 行するアイドルストップ制御(アイドルスト プON,OFF指令)、および電動オイルポンプ11(専 用モータ12)のON,OFF指令を説明する。
 検出部22で検出したアイドルストップ許可 件(プーリ比、変速機作動油温、ブレーキ作 状態、車速VSP、アクセル開度APO、および路 勾配度)に基づく、アイドルストップ制御許 可判断を行い、アイドルストップを許可すべ きか、禁止すべきかを判断する。

 このアイドルストップ制御許可判断結果が 許可」でない場合(「禁止」である場合)、 ントローラ21は、アイドルストップOFF指令を エンジン側に発すると共に、電動オイルポン プ11(専用モータ12)へ電動オイルポンプOFF指令 を発し、アイドルストップをさせずにエンジ ンを運転させ続け、
 Vベルト式無段変速機は、エンジン駆動オイ ルポンプ4からの作動油によって通常通りに 速制御する。

 上記のアイドルストップ制御許可判断結果 「許可」である場合、
 コントローラ21は、アイドルストップON,OFF 令の決定の前に、先ず電動オイルポンプ11( 用モータ12)へ電動オイルポンプON指令を発す る。
 電動オイルポンプ11がこの電動オイルポン ON指令に呼応した実駆動を行ったか否かを、 油圧センサ10によるセンサ検出値により判定 、油圧センサ10のセンサ検出値が電動オイ ポンプ11の実駆動を示す値であるとき、電動 オイルポンプ11(専用モータ12)に係わる電力系 および制御系が正常であると共に、電動オイ ルポンプ11が異物噛み込みによる故障も生じ いないと判定し得る。

 電動オイルポンプ11(専用モータ12)が正常で る場合、上記アイドルストップ制御許可判 の「許可」と相まって、コントローラ21は アイドルストップON指令をエンジン側に発し 、エンジンを自動停止させる。
 なお、上記したごとく既に電動オイルポン 11(専用モータ12)へ電動オイルポンプON指令 出力されていることから、電動オイルポン 11は引き続き駆動されて、アイドルストップ 後は、電動オイルポンプ11からの作動油によ Vベルト式無段変速機を前記した動力伝達開 始直前状態にしておくことができる。
 よって、アイドルストップの解除によりエ ジンが再始動されるとき、エンジン駆動オ ルポンプ4からの作動油で直ちに、Vベルト 無段変速機を動力伝達可能状態にすること できる。

 電動オイルポンプ11(専用モータ12)が故障 ている場合、また、電動オイルポンプ11(専 モータ12)正常であっても前記アイドルスト プ制御許可判断が「禁止」である場合、コ トローラ21は、アイドルストップOFF指令を ンジン側に発し、エンジンを自動停止させ アイドルストップを実行させないと同時に 電動オイルポンプ11(専用モータ12)へ電動オ ルポンプOFF指令を発して、電動オイルポン 11を停止させる。

 よって、電動オイルポンプ11(専用モータ12) 故障しているのにアイドルストップが実行 れることがなくなり、当該アイドルストッ の強行によって、その後におけるアイドル トップの解除に伴うエンジン再始動時に、 力伝達不能状態のVベルト式無段変速機へエ ンジン回転が入力されて、変速機の耐久性に 悪影響が及ぶという問題を回避することがで きる。
 また、アイドルストップ制御許可判断が「 止」である場合は、要求通りにアイドルス ップを行わせないようにすることができる

 前記した通り、アイドルストップ中は電 オイルポンプ11からの作動油でVベルト式無 変速機を動力伝達開始直前状態にしておき アイドルストップの解除に伴うエンジンの 始動直後に、動力伝達不能状態のVベルト式 無段変速機へエンジン回転が入力されてその 耐久性に悪影響が及ぶことのないようにする が、これを補佐して、エンジンの再始動直後 に、動力伝達不能状態のVベルト式無段変速 へエンジン回転が入力されるのを防止する いう上記の機能を一層確実なものにするた 、コントローラ21は以下のようなエンジンの アイドルストップ解除時制御を行う。

 この際コントローラ21は、油圧センサ10によ り検出した変速制御用油圧(図示例では変速 御圧Pcであるが、ライン圧P L でもよい)が設定油圧以上であるか否かをチ ックする。
 この設定油圧値は、変速機へエンジン出力 入力されても変速機の耐久性に悪影響が及 ことのない変速制御用油圧(変速制御圧Pcま はライン圧P L )の下限値とする。

 変速制御用油圧(変速制御圧Pcまたはライン P L )が設定油圧以上になるよりも前においては コントローラ21は、かかる低い変速制御用油 圧(変速制御圧Pcまたはライン圧P L )のもとでも、エンジントルクが変速機の耐 性に悪影響を及ぼすことのないようにエン ントルクを低下させるエンジントルクダウ 指令を、図1に示すごとくエンジン側に発す 。
 変速制御用油圧(変速制御圧Pcまたはライン P L )が設定油圧以上になったら、コントローラ21 は、エンジントルクを上記のトルクダウン値 から運転操作対応のトルク値に向け、ショッ クのない時系列変化で徐々に上昇復帰させる エンジントルク復帰指令を、図1に示すごと エンジン側に発し、エンジンのアイドルス ップ解除時制御を実行させる。

 なお、アイドルストップ中に前記したご く電動オイルポンプ11からの作動油によりV ルト式無段変速機を前記した動力伝達開始 前状態にしておくに際し、コントローラ21 変速制御回路6への発進摩擦要素締結圧(Ps)用 の指令値を、図2に示す制御プログラムの実 により、図3~5のタイムチャートに示すごと に決定する。

 図2のステップS11においては、Vベルト式無 変速機が中立(N)レンジにされているか否か チェックする。
 中立(N)レンジが選択されている間、コント ーラ21はステップS12において、変速制御回 6への発進摩擦要素締結圧(Ps)用の指令値を、 中立(N)レンジでの制御最大値とする。

 ステップS11で中立(N)レンジ以外(走行レンジ )であると判定するときは、ステップS13にお て、変速制御用油圧Pc(またはP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生してい るか否かを(電動オイルポンプ11が故障してい ないか否かを)、また、電子制御スロットル ルブなどのエンジン出力制御系が正常か否 を、更に、前記したエンジンのアイドルス ップ解除時制御が開始される前に選択レン の切り替え(セレクト操作)が無かったか否か をチェックする。
 ステップS13で、変速制御用油圧Pc(またはP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生してい る(電動オイルポンプ11が故障していない)と 定し、且つ、エンジン出力制御系が正常で ると判定し、且つ、エンジンのアイドルス ップ解除時制御が開始される前にセレクト 作が無かったと判定するときは、
 ステップS14において、選択中の走行レンジ 前進走行(D)レンジおよび後退走行(R)レンジ 何れであるのかをチェックする。

 ステップS14で前進走行(D)レンジ選択中と判 するとき、コントローラ21はステップS15に いて、変速制御回路6への発進摩擦要素締結 (Ps)用の指令値を、前進走行(D)レンジで締結 すべき発進摩擦要素(前後進切り替え機構内 おける前進クラッチ)の制御最大値とする。
 ステップS14で後退走行(R)レンジ選択中と判 するとき、コントローラ21はステップS16に いて、変速制御回路6への発進摩擦要素締結 (Ps)用の指令値を、後退走行(R)レンジで締結 すべき発進摩擦要素(前後進切り替え機構内 おける後退ブレーキ)の制御最大値とする。

 ステップS11、ステップS13、ステップS14、ス ップS15、ステップS16を含むループによる上 した発進要素締結圧制御を、図3に基づき以 下に詳述する。
 図3は、瞬時t1にアイドルストップOFF指令で ンジンが再始動されて、エンジン回転数Ne 図示の時系列変化をもって上昇し、これに りエンジン駆動オイルポンプ4からの作動油 変速制御用油圧(ライン圧P L 、または変速制御圧Pc)が図示のように上昇し 、瞬時t2に変速制御用油圧(ライン圧P L 、または変速制御圧Pc)が前記の設定油圧値に 達したことでなされるトルクダウン不要判定 により、エンジンのアイドルストップ解除時 制御が許可され、これによりエンジントルク Teを、前記のトルクダウンにより低下された から運転操作対応値に向け、ショック対策 に定めた所定の勾配δTe1で上昇復帰させる 合の動作タイムチャートである。

 本実施例においては、アイドルストップ は勿論、アイドルストップOFF指令後のアイ ルストップ解除時制御中を含むアイドルス ップ制御中、変速制御回路6への発進摩擦要 素締結圧(Ps)用の指令値を、前進走行(D)レン 選択中なら当該レンジでの発進摩擦要素で る前進クラッチの制御最大値とし、後退走 (R)レンジ選択中なら当該レンジでの発進摩 要素である後退ブレーキの制御最大値とす 。

 このため、変速制御回路6が、上記の指令値 を受けて発進摩擦要素F/E(Dレンジでは前進ク ッチ、Rレンジでは後退ブレーキ)の締結圧Ps を制御するに際し、電動オイルポンプ11から 作動油をドレンしないこととなる。
 従って電動オイルポンプ11は、ドレン分を めて作動油を吐出する必要がなくなり、ポ プ容量の小さな小型ポンプ電動オイルポン にし得て、設置スペース上の制約やコスト の制約に十分対応することができる。

 図2のステップS13で、変速制御用油圧Pc(また はP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生してい ない(電動オイルポンプ11が故障している)と 定したり、または、エンジン出力制御系が 常でないと判定したり、或いは、エンジン アイドルストップ解除時制御が開始される にセレクト操作があったと判定するときは 制御をステップS17に進める。
 ステップS17においては、エンジンの前記し アイドルストップ解除時制御が許可され、 ンジントルクTeをトルクダウン値から運転 作対応値に向け上昇復帰させるアイドルス ップ解除時制御が行われているか否かをチ ックする。

 エンジンのアイドルストップ解除時制御が 行されていれば、これにより上昇復帰して るエンジントルクTeを発進摩擦要素が、シ ック防止下に確実に伝達し得る締結容量を つよう、ステップS18において、変速制御回 6への発進摩擦要素締結圧(Ps)用の指令値を通 常通りに漸増させる。
 ステップS17で未だエンジンのアイドルスト プ解除時制御が許可(実行)されていないと 定する場合は、ステップS19において、選択 の走行レンジが前進走行(D)レンジおよび後 走行(R)レンジの何れであるのかをチェック る。

 ステップS19で前進走行(D)レンジ選択中と 定するとき、コントローラ21はステップS20 おいて、変速制御回路6への発進摩擦要素締 圧(Ps)用の指令値を、前進走行(D)レンジで締 結すべき発進摩擦要素(前後進切り替え機構 における前進クラッチ)の制御最大値よりも さい中間的な棚圧、好ましくは、発進摩擦 素(前進クラッチ)を内蔵リターンスプリン に抗して締結開始直前状態にするのに必要 リターンスプリング相当圧とする。

 ステップS19で後退走行(R)レンジ選択中と 定するとき、コントローラ21はステップS21 おいて、変速制御回路6への発進摩擦要素締 圧(Ps)用の指令値を、後退走行(R)レンジで締 結すべき発進摩擦要素(前後進切り替え機構 における後退ブレーキ)の制御最大値よりも さい中間的な棚圧、好ましくは、発進摩擦 素(後退ブレーキ)を内蔵リターンスプリン に抗して締結開始直前状態にするのに必要 リターンスプリング相当圧とする。

 ステップS11、ステップS13、ステップS17、 テップS19、ステップS20、ステップS21を含む ープによる上記した発進要素締結圧制御を 図4,5および図6,7に基づき以下に詳述する。

 図4は、図2のステップS13で変速制御用油圧Pc (またはP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生してい ない(電動オイルポンプ11が故障している)と 定した瞬時t0以降も、ステップS15やステップ S16の実行により発進摩擦要素締結圧(Ps)用の 令値を図示のごとく制御最大値にした場合 動作タイムチャートである。
 電動オイルポンプ11の故障で変速制御用油 Pc(またはP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生しなく なった異常判定が瞬時t0になされたにもかか らず、瞬時t1までのアイドルストップ中、 よび、その後の瞬時t2に、トルクダウン不要 判定によってエンジンのアイドルストップ解 除時制御が開始されるまでの間において、発 進摩擦要素締結圧(Ps)用の指令値を制御最大 にしたのでは、以下のような問題を生ずる

 つまり電動オイルポンプ11の故障で変速制 用油圧Pc(またはP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生しなく なった場合は、発進摩擦要素締結圧Psの不足 よって発進摩擦要素F/Eがスリップし、その 力回転数Nciが図示するごとくに回転上昇す ことがある。
 この場合、エンジンの再始動後における回 上昇によりエンジン駆動オイルポンプ4が作 動油を吐出するようになって発進摩擦要素締 結圧Psの制御が可能になった瞬時t2'以降、当 の発進摩擦要素締結圧Psと、制御最大値に れている指令値との偏差が大きいことから 発進摩擦要素締結圧Psが図4に示すように急 昇して、発進摩擦要素F/Eをその入力回転数Nc iの急低下から明らかなように急締結させ、 結ショックが生ずる。

 これに対し本実施例のように、図2のステッ プS13で変速制御用油圧Pc(またはP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生してい ない(電動オイルポンプ11が故障している)と 定した時は、ステップS20やステップS21の実 により発進摩擦要素締結圧(Ps)用の指令値を 御最大値よりも小さい中間的な棚圧(好まし くは、発進摩擦要素を締結開始直前状態にす るリターンスプリング相当圧)にする場合、 5につき以下に説明するように上記のショッ に関する問題を解消することができる。

 図5は、図4と同じ条件での動作タイムチャ トを示すが、図2のステップS13で変速制御用 圧Pc(またはP L )や発進摩擦要素締結圧Psが正常に発生してい ない(電動オイルポンプ11が故障している)と 定した瞬時t0以降、エンジンのアイドルスト ップ解除時制御許可瞬時t2までの間、ステッ S15やステップS16の実行により発進摩擦要素 結圧(Ps)用の指令値を図示のごとく、制御最 大値よりも小さい中間的な棚圧(好ましくは 発進摩擦要素を締結開始直前状態にするリ ーンスプリング相当圧)にした場合の動作タ ムチャートである。

 この場合、エンジンの再始動後における 転上昇によりエンジン駆動オイルポンプ4が 作動油を吐出するようになって発進摩擦要素 締結圧Psの制御が可能になった瞬時t2'以降、 初の発進摩擦要素締結圧Psと、制御最大値 りも小さい棚圧にされている指令値との偏 が小さいことから、また、エンジンのアイ ルストップ解除時制御許可瞬時t2以降はステ ップS18の実行により発進摩擦要素締結圧(Ps) の指令値が図5に示すごとく所定勾配で徐々 増大されることとも相まって、発進摩擦要 締結圧Psが図示のように緩やかに上昇し、 進摩擦要素F/Eをその入力回転数Nciの緩やか 低下から明らかなように徐々に締結させえ 締結ショックが発生するのを防止すること できる。

 なお本実施理例においては、図2のステッ プS13で電子制御スロットルバルブなどのエン ジン出力制御系が正常でないと判定する場合 も、エンジンのアイドルストップ解除時制御 が許可される前は(ステップS17)、ステップS20 たはステップS21の実行により発進摩擦要素 結圧(Ps)用の指令値を、制御最大値よりも小 さい棚圧にするが、これにより以下の作用効 果が奏し得られる。

 つまり、エンジン出力制御系が正常でない もかかわらず、ステップS15またはステップS 16の実行により発進摩擦要素締結圧(Ps)用の指 令値を制御最大値にすると、
 エンジン始動によってもエンジン駆動オイ ポンプ4から所定量の作動油が吐出させ得ず 、変速機が動力伝達可能状態になっていない のに、制御最大値にされた発進摩擦要素締結 圧(Ps)用の指令値に基づく発進摩擦要素F/Eの 結圧Psの制御で、この締結圧Psが発進摩擦要 F/Eを締結進行させてしまう。
 この場合、未だ動力伝達可能状態になって ない変速機にエンジン動力が入力されるこ となり、変速機の耐久性に悪影響を与えた 、その後に変速機が動力伝達可能状態にな たとき、大きなショックが発生するという 題を生ずる。

 これに対し本実施例のように、図2のステッ プS13でエンジン出力制御系が正常でないと判 定した時は、ステップS20やステップS21の実行 により発進摩擦要素締結圧(Ps)用の指令値を 御最大値よりも小さい中間的な棚圧(好まし は、発進摩擦要素を締結開始直前状態にす リターンスプリング相当圧)にする場合、
 発進摩擦要素締結圧(Ps)用の指令値に基づく 発進摩擦要素締結圧Psの制御が、発進摩擦要 F/Eを棚圧対応状態(締結開始直前状態)を越 て締結進行させることがなく、従って、未 動力伝達可能状態になっていない変速機に ンジン動力が入力されることがなくなり、 速機の耐久性に悪影響を与えたり、その後 変速機が動力伝達可能状態になったとき、 きなショックが発生するという問題を解消 ることができる。

 図6は、図2のステップS13で、アイドルス ップOFF指令によるエンジン再始動瞬時t1から 、エンジンのアイドルストップ解除時制御が 許可される瞬時t2までの間の瞬時t1'において 選択レンジの切り替え(D→Rセレクト操作)が あったと判定したにもかかわらず、ステップ S20またはステップS21の実行による棚圧指令制 御を行わなかった場合の動作タイムチャート である。

 瞬時t1'におけるDレンジからRレンジへのセ クト操作により、Dレンジで締結状態であっ 前進クラッチ(Dレンジの発進摩擦要素)を解 し、Rレンジの発進摩擦要素である後退ブレ ーキを締結する必要がある。
 そのため、発進摩擦要素締結圧Psのうち、 進クラッチ締結圧の指令値を図示のごとく 時t1'に制御最大値から0にして、前進クラッ 圧の排除により前進クラッチを解放させ、 退ブレーキ圧の指令値を図示のごとく、瞬 t1'からプリチャージ期間中、後退ブレーキ 速やかにストロークを終了して締結開始直 状態になるようにするためのプリチャージ とし、その後、所定の勾配で制御最大値へ 上昇させる。

 ところで、トルクダウン不要判定によるエ ジンのアイドルストップ解除時制御(エンジ ントルク増大復帰制御)が開始される瞬時t2ま では、エンジン駆動オイルポンプ4からの作 油量が少なく、後退ブレーキ圧は上記のご く設定した指令値に追従するとき、これに し大きな応答遅れを持つことになる。
 この間、それにもかかわらず後退ブレーキ の指令値を上記したごとく通常通りに設定 て後退ブレーキ圧の制御に資するのでは、 時t2のアイドルストップ解除時制御(エンジ トルク増大復帰制御)でエンジン駆動オイル ポンプ4からの作動油量が多くなったとき、 退ブレーキ圧が図示のごとく急上昇する。
 このため、瞬時t2以降における後退ブレー の出力回転数Ncoに対する入力回転数Nciの急 近状況から明らかなように、後退ブレーキ 急締結されることとなり、ショックを発生 るという問題を生ずる。

 これに対し本実施例においては、図2のス テップS13で、アイドルストップOFF指令による エンジン再始動時から、エンジンのアイドル ストップ解除時制御が開始される許可される までの間に(ステップS17)、選択レンジの切り え(D→Rセレクト操作)があったと判定した場 合は、ステップS20またはステップS21の実行に よる棚圧指令制御を行うこととしたため、図 7につき以下に説明するように上記のショッ に関する問題を解消することができる。

 図7は、図6と同じ条件での動作タイムチャ トを示すが、図2のステップS13で、アイドル トップOFF指令によるエンジン再始動瞬時t1 ら、エンジンのアイドルストップ解除時制 が許可される瞬時t2までの間の瞬時t1'に、選 択レンジの切り替え(D→Rセレクト操作)があ たと判定した場合、ステップS20またはステ プS21の実行による棚圧指令制御を行った場 の動作タイムチャートである。
 つまり、D→Rセレクト操作判定瞬時t1'から エンジンのアイドルストップ解除時制御開 瞬時t2までの間を棚圧制御期間とし、発進摩 擦要素締結圧Psである後退ブレーキ圧の指令 を棚圧(好ましくは、後退ブレーキを締結開 始直前状態にするリターンスプリング相当圧 )に保ち、
 その後ステップS18の実行により、後退ブレ キ圧の指令値を上記の棚圧から図示のごと 所定勾配で徐々に増大させる。

 この場合、エンジンのアイドルストップ解 時制御(エンジントルク増大復帰制御)の開 瞬時t2まで、エンジン駆動オイルポンプ4か の作動油量が少なくても、後退ブレーキ圧 指令値をD→Rセレクト操作判定瞬時t1'から、 エンジンのアイドルストップ解除時制御開始 瞬時t2までの間、棚圧(好ましくは、後退ブレ ーキを締結開始直前状態にするリターンスプ リング相当圧)に保つため、後退ブレーキ圧 かかる指令値に追従するとき、図7に示すご くこれに対し大きな応答遅れを持つことが い。
 このため、瞬時t2のアイドルストップ解除 制御(エンジントルク増大復帰制御)でエンジ ン駆動オイルポンプ4からの作動油量が多く ったときも、後退ブレーキ圧が急上昇する となく、ほぼ指令値の時系列変化に沿って 示のごとく緩やかに上昇する。
 このため、瞬時t2以降における後退ブレー の出力回転数Ncoに対する入力回転数Nciの急 近状況から明らかなように、後退ブレーキ 滑らかに締結されることとなり、後退ブレ キの締結時にショックを発生するという問 を生ずることがない。

 図8は、図1におけるコントローラ21が実行す る、エンジンのアイドルストップ解除時制御 の参考例を示す。
 ステップS31においては、エンジンの前記し トルクダウンが不要になったとの判定によ 、エンジントルクを運転操作対応値に増大 帰させるアイドルストップ解除時制御を許 すべきか否かをチェックする。
 アイドルストップ解除時制御を許可すべき ない(エンジンの前記したトルクダウンを継 続すべき)間は、ステップS32においてエンジ トルク指令値tTeをトルクダウン値とし、コ トローラ21はこのエンジントルク指令値tTe(= ルクダウン値)を、図1に示すごとくエンジ トルク復帰指令としてエンジン側に送信し エンジンのトルクダウンを行って前記の要 を実現する。

 ステップS31でエンジンのトルクダウンを終 すべき(アイドルストップ解除時制御を許可 すべき)と判定するときは、ステップS33で発 摩擦要素がスリップしているか否かをチェ クする。
 このチェックに当たっては、発進摩擦要素 入力回転数Nciおよび出力回転数Nco間の差回 (スリップ量)δNc(=Nco-Nci)を算出し、この差回 転δNcがスリップ発生判定値δNcin以上になっ 時から、差回転δNcがスリップ解消判定値δNc out(<δNcin)未満になった時までをもって、発 進摩擦要素がスリップしていると判定するこ とができる。

 ステップS33で発進摩擦要素がスリップして ないと判定する間は、ステップS34において エンジントルク指令値tTeを、ショック対策 に定めた所定値δTe1(図3参照)ずつ大きくな 値とし、コントローラ21はこのエンジントル ク指令値tTeを、図1に示すごとくエンジント ク復帰指令としてエンジン側に送信する。
 これによりエンジントルクTeは、図3に例示 るごとく所定値δTe1に対応した時間変化勾 で増大される。

 ステップS33で発進摩擦要素がスリップして ると判定する間は、ステップS35において、 ンジントルク指令値tTeを所定値δTe2(<δTe1) ずつ大きくなる値とし、コントローラ21はこ エンジントルク指令値tTeを、図1に示すごと くエンジントルク復帰指令としてエンジン側 に送信する。
 これによりエンジントルクTeは、所定値δTe2 に対応した時間変化勾配で増大されるが、所 定値δTe2はショック対策用の所定値δTe1より 更に小さくし、例えばエンジントルクTeを変 化させない0にするのが良い。

 図8によるエンジンのアイドルストップ解除 時制御を、図9,10に基づき以下に詳述する。
 ステップS31での判定結果に基づきエンジン アイドルストップ解除時制御を行うに際し ステップS33での発進摩擦要素のスリップ判 を行うことなく、従ってステップS35を実行 ることなく、ステップS34の実行によりエン ントルク指令値tTeを一義的に、δTe1に対応 た勾配で増大復帰させた場合の動作タイム ャートを図9に示す。

 この図9は、瞬時t1にアイドルストップOFF指 でエンジンが再始動されて、エンジン回転 Neが図示の時系列変化をもって上昇し、
 これによりエンジン駆動オイルポンプ4から の作動油で変速制御用油圧(ライン圧P L 、または変速制御圧Pc)が図示のように上昇し 、
 瞬時t2に変速制御用油圧(ライン圧P L 、または変速制御圧Pc)が前記の設定油圧値に 達したことでなされるトルクダウン不要判定 により、エンジンのアイドルストップ解除時 制御が許可され、 これによりエンジントル 指令値tTeを、トルクダウン値から運転操作 応値に向け、ショック対策用に定めた所定 勾配δTe1で上昇復帰させたことで、エンジ トルクTeが図示のように上昇する場合の動作 タイムチャートである。

 瞬時t2以降、発進摩擦要素が図示のように きくスリップしているのに、エンジントル 指令値tTeをショック対策用の所定勾配δTe1で 上昇させ続けるのでは、発進摩擦要素締結圧 Psの指令値が制御最大値であってその増大に る発進摩擦要素締結圧Psの上昇を望み得な こともあり、発進摩擦要素のスリップがな なか収束しない。
 一方でエンジントルクTeは、所定勾配δTe1で 上昇しているエンジントルク指令値tTeに追従 するよう上昇し、発進摩擦要素のスリップ収 束を更に遅延させる。
 これらの理由によって発進摩擦要素が、耐 性を著しく低下されるという問題を生ずる

 ところで本実施例においては、図8のステ ップS31での判定結果に基づきエンジンのアイ ドルストップ解除時制御を行うに際し、ステ ップS33で発進摩擦要素がスリップを生じてい ると判定する間、ステップS35の実行によりエ ンジントルク指令値tTeをショック対策用の所 定勾配δTe1(ステップS34)よりも小さな所定勾 δTe2(本実施例では0)で増大させることとした から、この場合の動作タイムチャートを示す 図10につき以下に説明する通り上記の問題を 消することができる。

 図10は、図9と同じ条件での動作タイムチャ トを示すが、図8のステップS33で発進摩擦要 素の差回転δNcがスリップ発生判定値δNcin以 であると判定した瞬時t3から、発進摩擦要素 の差回転δNcがスリップ解消判定値δNcout(<δ Ncin)未満であると判定した瞬時t4までの間、 進摩擦要素がスリップを発生期間している 判定して、発進摩擦要素スリップ判定をONに する。
 この間は、図8のステップS35を実行すること により、エンジントルク指令値tTeを所定勾配 δTe2(=0)で増大させるため、エンジントルク指 令値tTeは結果として図10に示すごとく、スリ プ発生判定開始時t3の値をスリップ解消判 時t4まで保持する。

 これに呼応してエンジントルクTeは瞬時t3~t4 間において、上昇を緩和、若しくは0にされ 一方でこの間、発進摩擦要素締結圧Psがエン ジン駆動オイルポンプ4からの作動油供給で 示のごとく上昇する。
 これらにより発進摩擦要素のスリップは、 の入出力回転数Nci,Nco間の乖離程度から明ら かなように、図9の場合よりも速やかに収束 ると共に、差回転δNcの大きさから明らかな うにスリップ量そのものも、図9の場合より 小さくなる。
 従って、発進摩擦要素がスリップにより耐 性を著しく低下されるという上記の問題を 避することができる。

以下に、図2を参照しつつ本願発明に係る車 のアイドルストップ制御時における
発進摩擦要素の締結圧制御装置の発明ポイン トを説明する。
(一般的な発進摩擦要素の制御)
図2に示すように、変速機には、発進摩擦要 F/Eを有する。この発進摩擦要素F/Eとは、本 実施例のようなCVTでは、前後進切替クラッ に相当し、有段ATでは、前後進1速選択クラ チや後進段選択クラッチに相当する。
 発進摩擦要素の伝達トルク容量は、入力ト クの大きさに応じて設定される値であり、 力トルクが大きいほど大きく設定される。 の伝達トルク容量は、発進摩擦要素の締結 (クラッチ油圧)により決まる値であること ら、入力トルクが大きいほど、クラッチ油 を大きくして、伝達トルク容量を大きくす ことになる。
クラッチ油圧(締結圧)は、クラッチ油圧制御 (クラッチレギュレータバルブ)26により制御 される。クラッチ油圧制御弁26は、一定元圧 減圧してクラッチ油圧を生成する減圧弁で り、減圧は、元圧をドレンすることで実現 ている。どの程度ドレンするかはドレンポ トの開度で決まる。
 制御上は、入力トルクに応じたクラッチ油 (=ドレンポート開度)になるよう、スプール 置を制御することになる。つまり、入力ト クに応じてクラッチ油圧指令値が決まり、 のクラッチ油圧指令値に対応したスプール 置に相当する電流をクラッチ油圧制御弁26 ソレノイドに印加することになる。
(問題点)
 しかしながら、上記通常制御はアイドルス ップ制御装置(部)を搭載した車両にそのま 適用した場合、以下のような問題が発生す 。すなわち、アイドルストップ中(エンジン 止中)は、発進摩擦要素の入力トルクが0と るため、発進摩擦要素の伝達トルク容量も0 良く、上記通常制御をそのまま使うと、ク ッチ油圧(締結圧)指令値を締結開始直前(締 開始点とは、発進摩擦要素が完全解放状態 ら締結状態になる過程で締結が開始される を指します。)
(特徴)
アイドルストップ制御が作動中は、クラッチ 油圧指令値に対するクラッチ油圧制御弁26の レンポート開度を通常制御に比して小さく る(ドレンし難くする)。
(効果)
これによりドレン量を抑制でき,電動オイル ンプ11を不要に大きくする必要がなくなる。

 なお、上記では変速機がVベルト式無段変 速機である場合について述べたが、変速機が 有段式自動変速機や、マニュアルトランスミ ッションを自動変速化させた自動マニュアル トランスミッションなどである場合も、本発 明の前記した着想はそのまま適用して同様な 作用効果を奏し得ること勿論である。

  E エンジン
 T/C トルクコンバータ
 F/E 発進摩擦要素
 1 プライマリプーリ
 2 セカンダリプーリ
 3 Vベルト
 4 エンジン駆動オイルポンプ
 5 ライン圧油路
 6 変速制御回路
 7 運転状態検出手段
 8 プライマリプーリ圧油路
 9 変速制御圧油路
 10 油圧センサ
 11 電動オイルポンプ
 12 専用モータ
 13 電動オイルポンプ油路
 14 逆止弁
15発進摩擦要素締結圧油路
21エンジン自動停止コントローラ
22アイドルストップ許可条件検出部
23 インヒビタスイッチ
24 発進摩擦要素入出力回転センサ
25 エンジン出力制御系故障判定部
26 クラッチ油圧制御弁