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Title:
FLUORINE-CONTAINING COPOLYMER, METHOD FOR PRODUCING SAME, WATER REPELLENT OIL REPELLENT AGENT COMPOSITION, AND ARTICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175197
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a fluorine-containing copolymer which enables the achievement of an article that has excellent water repellent oil repellent properties and excellent durability of the water repellent oil repellent properties in terms of friction. A fluorine-containing copolymer which has a unit based on a monomer a described below and a unit based on a monomer b described below, and which is configured such that: the ratio of the unit based on the monomer a relative to the total number of moles of the units that constitute the fluorine-containing copolymer is 20-50% by mole; the weight average molecular weight is from 20,000 to 100,000; and the ratio of the half-value width W1 of the peak of the fluorine-containing copolymer to the peak width W2 is from 0.35 to 0.55 in the chromatogram as obtained by high-speed liquid chromatography. Monomer a: a compound represented by CH2=CH-Rf (wherein Rf represents a perfluoroalkyl group having 1-8 carbon atoms) Monomer b: a monomer which is copolymerizable with the monomer a

Inventors:
HARA HIROYUKI (JP)
TAKEMURA MOTOHIRO (JP)
TOMIZUKA YUJIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/005883
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 14, 2020
Export Citation:
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Assignee:
AGC INC (JP)
International Classes:
C08F214/18; C08F2/22; C08F218/08; C09K3/18
Foreign References:
JP2013100532A2013-05-23
JP2009513796A2009-04-02
JP2010519399A2010-06-03
JPH07133325A1995-05-23
JPS61281112A1986-12-11
JPS6426601A1989-01-27
JPS517977B11976-03-12
JP2009215370A2009-09-24
JP2019033222A2019-02-28
Other References:
See also references of EP 3932959A4
Attorney, Agent or Firm:
T.S. PARTNERS et al. (JP)
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Claims:
\¥02020/175197 39 卩(:17 2020 /005883

請求の範囲

[請求項 1] 下記単量体 3に基づく単位と下記単量体 に基づく単位とを含む含 フッ素共重合体であり、

前記単量体 3に基づく単位の割合が、 前記含フッ素共重合体を構成 する単位の全モル数に対して 20〜 50モル%であり、

質量平均分子量が 20, 000〜 1 00, 000であり、 高速液体クロマトグラフィ測定により得られるクロマトグラムにお ける前記含フッ素共重合体のピークの半値幅のピーク幅に対する比が 〇. 35〜〇. 55である含フッ素共重合体。

単量体 8 :下式 1で表される化合物。

式 1

但し、 炭素数 1〜 8のペルフルオロアルキル基である。 単量体 :前記単量体 3と共重合可能な単量体。

[請求項 2] 前記単量体 8における ナが炭素数 4〜 6のペルフルオロアルキル 基である請求項 1 に記載の含フッ素共重合体。

[請求項 3] 前記単量体 3が、

=〇!!-〇 222223である請求項1又は 2に 記載の含フッ素共重合体。

[請求項 4] 前記単量体 に基づく単位の割合が、 前記含フッ素共重合体を構成 する単位の全モル数に対して 50〜 80モル%である請求項 1〜 3の いずれか一項に記載の含フッ素共重合体。

[請求項 5] 前記単量体 に基づく単位が、 下記単量体 1 に基づく単位を含む 請求項 1〜 4のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体。

単量体 1 :下式 2で表される化合物。

CH2 = CH-0-C (=〇) 一[¾ 式 2

但し、 炭素数 1〜 4のアルキル基である。

[請求項 6] 前記単量体 13 1 における がメチル基である請求項 5に記載の含フ ッ素共重合体。 \¥02020/175197 40 卩(:171?2020/005883

[請求項 7] 分子量分布 が 1 . 〇〜 4 . 5である請求項 1〜 6の いずれか一項に記載の含フッ素共重合体。

[請求項 8] 下記単量体 3と下記単量体 とを含む第 1の単量体成分と水性媒体 と乳化剤とを含む第 1の混合液を乳化して乳化液を得、 前記乳化液に 、 前記単量体 3を含む第 2の単量体成分と重合開始剤とを添加して第 2の混合液を得、 前記第 2の混合液中で前記第 1の単量体成分及び前 記第 2の単量体成分を重合する、 含フッ素共重合体の製造方法であっ て、 前記第 1の単量体成分に含まれる単量体 3の割合が、 前記第 1の 単量体成分に含まれる単量体 3と前記第 2の単量体成分に含まれる単 量体 8との合計に対して 3 0〜 7 0質量%である、 含フッ素共重合体 の製造方法。

単量体 8 :下式 1で表される化合物。

式 1

但し、 炭素数 1〜 8のペルフルオロアルキル基である。 単量体 :前記単量体 3と共重合可能な前記単量体 3以外の単量体

[請求項 9] 前期第 2の混合液中の単量体成分の割合 (第 1の単量体成分及び第

2の単量体成分の合計含有量) が、 1 〇〜 7 0質量%である請求項 8 に記載の含フッ素共重合体の製造方法。

[請求項 10] 前記第 1の混合液を、 せん断をかけるか又は高圧条件下で乳化する 請求項 8又は 9に記載の含フッ素共重合体の製造方法。

[請求項 1 1 ] 前記含フッ素共重合体が、 請求項 1〜 7のいずれか一項に記載の含 フッ素共重合体である請求項請求項 8〜 1 0のいずれか一項に記載の 含フッ素共重合体の製造方法。

[請求項 12] 請求項 1〜 7のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体の製造方法 であって、

前記単量体 3と前記単量体 とからなる単量体成分と水性媒体と乳 化剤と重合開始剤とを含む乳化液中で前記単量体成分を重合して含フ \¥0 2020/175197 41 卩(:171? 2020 /005883

ッ素共重合体分散液を得、 前記含フッ素共重合体分散液から含フッ素 共重合体を回収し、 前記含フッ素共重合体を水又は極性溶媒で洗浄す る含フッ素共重合体の製造方法。

[請求項 13] 請求項 1〜 7のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体を含む、 撥 水撥油剤組成物。

[請求項 14] 請求項 1 3に記載の撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品。

[請求項 15] 前記物品の表面における摩擦試験後の水の接触角が 1 0〇度超であ る請求項 1 4に記載の物品。

Description:
\¥02020/175197 1 卩(:171?2020/005883

明 細 書

発明の名称 :

含フッ素共重合体、 その製造方法、 撥水撥油剤組成物及び物品

技術分野

[0001 ] 本発明は、 含フッ素共重合体、 その製造方法、 撥水撥油剤組成物及び物品 に関する。

背景技術

[0002] 物品 (樹脂表面や繊維製品、 多孔質基材等) に撥水撥油性を付与する方法 としては、 ペルフルオロアルキル基を有する (メタ) アクリ レートに基づく 単位を有する含フッ素共重合体を水性媒体に 分散させた撥水撥油剤組成物を 用いて物品を処理する方法が知られている。 さらに、 近年では環境対応型と して炭素数 6のペルフルオロアルキル基を有する (メタ) アクリ レートに基 づく単位を有する含フッ素重合体が用いられ ている。 しかし、 (メタ) アク リ レートに基づく単位におけるエステル結合は 、 アルカリ等による加水分解 や紫外線による光分解で切断されやすい。 そのため、 含フッ素共重合体から ベルフルオロアルキル基が失われて、 物品の撥水撥油性が低下することがあ る。

[0003] 環境に対応し、 かつアルカリ等による加水分解や紫外線によ る光分解によ り撥水撥油性が低下しにくい含フッ素共重合 体としては、 ベルフルオロアル キル基を有する (メタ) アクリレートに基づく単位を有しない含フッ 素共重 合体が知られている。 ペルフルオロアルキル基を有する (メタ) アクリレー 卜に基づく単位を有しない含フッ素共重合体 を含む撥水撥油剤組成物として は、 (ベルフルオロアルキル) エチレンに基づく単位を有する含フッ素共重 合体を含む撥水撥油剤組成物が提案されてい る (特許文献 1、 2) 。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 : 日本特公平 1 —2 6 6 0 1号公報 \¥02020/175197 2 卩(:171?2020/005883

特許文献 2 : 日本特許第 3 5 1 7 9 7 7号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005] 特許文献 1 には、 含フッ素共重合体を有機溶媒に溶解した撥水 撥油剤組成 物が記載されている (特許文献 1の第 9頁左欄) 。 この撥水撥油剤組成物を 用いて物品を処理する場合、 有機溶媒が揮発し、 環境への影響が懸念される また、 特許文献 1 に記載の含フッ素共重合体は、 有機溶媒に溶解性しやす くするために比較的低分子量とされている (特許文献 1の第 2頁左欄) 。 ま た、 特許文献 1、 2に記載の含フッ素共重合体は、 塊状重合によって製造さ れているため、 比較的低分子量の重合体が得られている (特許文献 1、 2の 実施例) 。 比較的低分子量の含フッ素共重合体を含む撥 水撥油剤組成物で処 理された物品は、 撥水撥油性の摩擦耐久性が不充分になりやす い。 例えば、 撥水撥油剤組成物で処理された物品同士の擦 れや、 撥水撥油剤組成物で処理 された物品と他の物品との擦れが続くと、 撥水撥油性が低下しやすい。

[0006] 本発明は、 撥水撥油性及び撥水撥油性の摩擦耐久性に優 れた物品を得るこ とができる含フッ素共重合体、 その製造方法、 撥水撥油性及び撥水撥油性の 摩擦耐久性に優れた物品を得ることができる 撥水撥油剤組成物、 及び撥水撥 油性及び撥水撥油性の摩擦耐久性に優れた物 品を提供する。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明は、 以下の態様を有する。

< 1 >下記単量体 3に基づく単位と下記単量体 に基づく単位とを含む含 フッ素共重合体であり、

前記単量体 3に基づく単位の割合が、 前記含フッ素共重合体を構成する単 位の全モル数に対して 2 0〜 5 0モル%であり、

質量平均分子量が 2 0 , 0 0 0〜 1 0 0 , 0 0 0であり、

高速液体クロマトグラフィ測定により得られ るクロマトグラムにおける前 記含フッ素共重合体のピークの半値幅のピー ク幅に対する比が〇. 3 5〜〇 \¥02020/175197 3 卩(:171?2020/005883

. 55である含フッ素共重合体。

単量体 8 :下式 1で表される化合物。

〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-[^ 式 1

但し、 炭素数 1〜 8のペルフルオロアルキル基である。 単量体 :前記単量体 3と共重合可能な単量体。

<2>前記単量体 3における ナが炭素数 4〜 6のベルフルオロアルキル基 である前記< 1>の含フッ素共重合体。

<3>前記単量体 3が、 CH 2 = CH-C F 2 C F 2 C F 2 C F 3 又は(31 ~ 1 2 = 〇1 ~ 1—〇 2 2 2 2 2 3 である前記<1>又は<2>の含フ ッ素共重合体。

<4>前記単量体 に基づく単位の割合が、 前記含フッ素共重合体を構成 する単位の全モル数に対して 5〇〜 80モル%である前記< 1>〜<3>の いずれかの含フッ素共重合体。

< 5>前記単量体 に基づく単位が、 下記単量体 1 に基づく単位を含む 前記<1>〜< 4>のいずれかの含フッ素共重合体。

単量体 1 :下式 2で表される化合物。

CH 2 = CH-0-C (=〇) 一[¾ 式 2

但し、 炭素数 1〜 4のアルキル基である。

< 6>前記単量体 1 における がメチル基である前記<5>の含フッ素 共重合体。

< 7>分子量分布 が 1. 〇〜 4. 5である前記<1>〜<

6>のいずれの含フッ素共重合体。

<8>下記単量体 3 と下記単量体匕とを含む第 1の単量体成分と水性媒体 と乳化剤とを含む第 1の混合液を乳化して乳化液を得、 前記乳化液に、 前記 単量体 3を含む第 2の単量体成分と重合開始剤とを添加して第 2の混合液を 得、 前記第 2の混合液中で前記第 1の単量体成分及び前記第 2の単量体成分 を重合する、 含フッ素共重合体の製造方法であって、 前記第 1の単量体成分 に含まれる単量体 3の割合が、 前記第 1の単量体成分に含まれる単量体 3と \¥02020/175197 4 卩(:171?2020/005883

前記第 2の単量体成分に含まれる単量体 3との合計に対して 3 0〜 7 0質量 %である、 含フッ素共重合体の製造方法。

単量体 8 :下式 1で表される化合物。

〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1 - [^ 式 1

但し、 炭素数 1〜 8のペルフルオロアルキル基である。

単量体 :前記単量体 3と共重合可能な前記単量体 3以外の単量体。

< 9>前期第 2の混合液中の単量体成分の割合 (第 1の単量体成分及び第 2の単量体成分の合計含有量) が 1 〇〜 7 0質量%である前記<8>の含フ ッ素共重合体の製造方法。

<1 〇>前記第 1の混合液を、 せん断をかけるか又は高圧条件下で乳化す る前記< 8>又は< 9>の含フッ素共重合体の製造方法。

<1 1>前記含フッ素共重合体が、 前記< 1>〜<7>のいずれかの含フ ッ素共重合体である前記<8>〜< 1 0>のいずれかの含フッ素共重合体の 製造方法。

<1 2>前記<1>〜< 7>のいずれかの含フッ素共重合体の製造方 で あって、 前記単量体 3と前記単量体 とからなる単量体成分と水性媒体と乳 化剤と重合開始剤とを含む乳化液中で前記単 量体成分を重合して含フッ素共 重合体分散液を得、 前記含フッ素共重合体分散液から含フッ素共 重合体を回 収し、 前記含フッ素共重合体を水又は極性溶媒で洗 浄する含フッ素共重合体 の製造方法。

<1 3>前記< 1>〜< 7>のいずれかの含フッ素共重合体を含む、 撥水 撥油剤組成物。

<1 4>前記<1 3>の撥水撥油剤組成物を用いて処理された 品。

<1 5>前記物品の表面における摩擦試験後の水 接触角が 1 0 0度超で ある前記< 1 4>の物品。

発明の効果

[0008] 本発明の含フッ素共重合体によれば、 撥水撥油性及び撥水撥油性の摩擦耐 久性に優れた物品を得ることができる。 \¥02020/175197 5 卩(:171?2020/005883

本発明の含フッ素共重合体の製造方法によ れば、 撥水撥油性及び撥水撥油 性の摩擦耐久性に優れた物品を得ることがで きる含フッ素共重合体を製造で きる。

本発明の撥水撥油剤組成物によれば、 撥水撥油性及び撥水撥油性の摩擦耐 久性に優れた物品を得ることができる。

本発明の物品は、 撥水撥油性及び撥水撥油性の摩擦耐久性に優 れる。

図面の簡単な説明

[図 2]例 1及び例 2で 1 ~ 1 !_〇測定により得たクロマトグラムを重ねて した 図である。

[図 3]例 1及び例 3で 1 ~ 1 !_〇測定により得たクロマトグラムを重ねて した 図である。

[図 4]例 1及び例 4で 1 ~ 1 !_〇測定により得たクロマトグラムを重ねて した 図である。

[図 5]例 1及び例 1 0で 1 ~ 1 !_〇測定により得たクロマトグラムを重ねて し た図ムである。

発明を実施するための形態

[0010] 本明細書における用語の意味や定義は、 以下の通りである。

「単量体に基づく単位」 は、 単量体 1分子が重合して直接形成される原子 団と、 該原子団の一部を化学変換して得られる原子 団との総称である。 単量 体に基づく単位を、 単に、 「単量体単位」 とも記す。

「 (メタ) アクリレート」 は、 アクリレート及びメタクリレートの総称で ある。 同様に、 「 (メタ) アクリロイルオキシ基」 は、 アクリロイルオキシ 基及びメタアクリロイルオキシ基の総称であ る。

固形分濃度は、 加熱前の試料の質量を試料質量とし、 1 2 0 ° 〇の対流式乾 燥機にて試料を 4時間乾燥した後の質量を固形分質量として 固形分質量/ 試料質量 X 1 〇〇によって計算される。

[001 1] 含フッ素共重合体の数平均分子量 (以下、 IV! n と記す。 ) 及び質量平均分 \¥02020/175197 6 卩(:171?2020/005883

子量 (以下、 1\/1 と記す。 ) は、 標準ポリメチルメタクリレート試料を用い て作成した検量線を用い、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ (以下、 〇 〇測定とも記す。 ) で測定することによって得られるポリメチル メタク リレート換算分子量である。 分子量分布は、 1\/1 /1\/1 nの式に当てはめて算 出される値である。

「高速液体クロマトグラフィ (以下、 とも記す。 ) 測定により得 られるクロマトグラムにおける前記含フッ素 共重合体のピークの半値幅 (以 下、 とも記す。 ) のピーク幅 (以下、 \/\/ 2 とも記す。 ) に対する比 (以下 、 とも記す。 ) は、 後述の方法で算出した値である。

[0012] 「 】」 は、 1 ~ 1 !_〇測定により得られるクロマトグラムにお る含フッ素 共重合体のピークの半値幅である。 測定は、 後述する実施例に示す 測定条件により行うものとする。

「 は、 前記クロマトグラムにおける含フッ素共重合 体のピークのピー ク幅であり、 後述のスタートポイントと後述のエンドポイ ントとの間の幅で ある。

「スタートポイント」 は、 前記クロマトグラムの幅方向に平行な直線で あ って前記含フッ素共重合体のピークのピーク スタートの位置から上方にピー ク高さの 1 / 2 0ずれた位置を通る直線と前記クロマトグラ との交点のう ち最も前記ピークスタートに近い交点である 。

[0013] 「エンドポイント」 は、 前記クロマトグラムの幅方向に平行な直線で あっ て前記含フッ素共重合体のピークのピークエ ンドの位置から上方にピーク高 さの 1 / 2 0ずれた位置を通る直線と前記クロマトグラ との交点のうち最 も前記ピークエンドに近い交点である。

スタートポイント及びエンドボイントをそれ ぞれピークスタート及びピー クエンドの位置から上方にピーク高さ IIの 1 / 2 0ずらしているのは、 ベー スラインの変動による影響を少なくするため である。

[0014] 図 1 を参照して、 の算出方法について詳しく説明する。 図 1 は、 !! !_〇測定により得られるクロマトグラムの例 模式的に示したもの \¥02020/175197 7 卩(:171?2020/005883

である。 図 1中の横方向を X軸、 縦方向を丫軸とする。 X軸は保持時間 (分 ) を示し、 図中の右側ほど保持時間が長い。 丫軸は検出器で検出される信号 強度を示す。

( 1 ) 含フッ素共重合体のピーク のピークトップ !から X軸に向けて垂 線 をひく。 ピーク が不分離の複数のピークを含む場合、 最大のピークの ピークトップをピーク のピークトップ 1とする。

( 2 ) ピーク のべースライン 丨 8 と垂線丨 1 との交点 8 からピークトップ !までの距離をピーク高さ とする。

(3) 交点 とピークトップ !とを結ぶ線分の中間点、 つまりピーク高 さ IIの 1 /2の位置で、 X軸と平行な直線丨 V を引く。 直線 I V とクロマトグ ラムの左右の交点の距離、 つまり各交点の保持時間の差を半値幅 とする。

[0015] (4) ピーク のピークスタート 2 (ベースライン 丨 8とクロマトグラム の交点のうち保持時間の短い方の交点) の位置から丫軸方向にピーク高さ II の 1 /20ずれた位置 4 を通る、 X軸と平行な直線 | 2を引く。 直線丨 2 と、 クロマトグラムとの交点のうち最もピークス タート 2 に近い交点をスタート ポイン とする。

(5) ピーク のピークエンド 3 (ベースライン 丨 8とクロマトグラムの 交点のうち保持時間の長い方の交点) の位置から丫軸方向にピーク高さ 1 * 1の

1 /20ずれた位置 5 を通る、 X軸と平行な直線丨 3 を引く。 直線丨 3と、 ク ロマトグラムとの交点のうち最もピークエン ド 3 に近い交点をエンドポイン 卜 巳とする。

(6) スタートポイント 及びエンドボイント のそれぞれを通る乂軸 に垂直な 2本の垂線を引き、 これらの垂線間の距離、 つまりスタートポイン

[0016] <含フッ素共重合体>

本発明の含フッ素共重合体 (以下、 共重合体八とも記す。 ) は、 下式 1で \¥02020/175197 8 卩(:171?2020/005883

表される単量体の 3単位と、 上記単量体 3と共重合可能な単量体 の単位と を有する。

〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-[^ 式 1

但し、 炭素数 1〜 8のペルフルオロアルキル基である。

[0017] 単量体 3 における | の炭素数は、 共重合体 の製造時に乳化状態を調整し やすく、 共重合体 への転化率が良好になりやすい点、 共重合体 を含む組 成物 (後述する本発明の撥水撥油剤組成物) で処理された物品の撥水撥油性 が優れる点から、 4〜 6が好ましく、 6が特に好ましい。 は、 直鎖状であ ってもよく分岐状であってもよく、 直鎖状であることが好ましい。

[0018] 単量体 3としては、 例えば、 CH 2 = CH-C F 3 . CH 2 = CH-C F 2 C

3、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 3 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 (〇 3 2 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 2 3 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 〇 (〇 3 2 、 〇 1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 (〇 3 3 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 2 2 3 、 〇 1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 〇 (〇 3 2 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 2 〇 2〇 2 3 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ |-〇 2 2 2 2 2 〇 (〇 3 2 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 2 2 2 2 2 3 が挙げられる 〇

[0019] 単量体 3としては、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1_〇 3 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1_〇 2 3 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 (〇 3 2 、 CH 2 = CH -〇 2 2 2 3 又は〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 2 2 2 3 が好ましく、 CH 2 = CH-C F 3 、 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 3 、 CH 2 = CH -〇 2 2 2 3 又は〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1 -〇 2 2 2 2 2 3 がより好ましく、 CH 2 = CH - 〇 2 2 2 3 又は〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 2 2 2 3 がさらに好ましい。 単量体 3は、 2種以上を併用してもよい。

[0020] 単量体匕としては、 単量体 3と共重合しやすい点から、 ビニル基又はアリ ル基を有する化合物が好ましい。

単量体 は、 重合反応性の炭素一炭素二重結合を 2個以上有する化合物で あってもよい。 単量体 における重合反応性の炭素一炭素二重結合の 数は、 \¥02020/175197 9 卩(:171?2020/005883

1〜 3が好ましく、 1又は 2がより好ましく、 1が特に好ましい。

[0021] 単量体匕としては、 単量体 3と共重合性が良い点、 撥油性、 撥アルコール 性に優れる物品が得られる点、 取り扱いが容易である点から、 下式 2で表さ れる単量体 1が好ましい。

C H 2 = C H - 0 - C (=〇) 一[¾ 式 2

但し、 炭素数 1〜 4のアルキル基である。

式 2中、 の炭素数は、 共重合体 への転化率が良好になりやすい点、 共 重合体 を含む組成物で処理された物品の撥水撥油性 が優れる点から、 1又 は 2が好ましく、 撥油性、 撥アルコール性に優れる物品が得られる点か ら、

1が特に好ましい。 すなわち、 はメチル基であることが特に好ましい。 は、 直鎖状であつてもよく分岐状であつてもよく 、 直鎖状であることが好ま しい。

[0022] 単量体匕 1 としては、 単量体 3と共重合可能であれば、 特に限定されない が、 炭素数が 1〜 7のカルボン酸ビニルエステルが好ましく、 例えば、 酢酸 ビニル、 プロピオン酸ビニル、 酪酸ビニル、 ピバル酸ビニル、 モノクロロ酢 酸ビニル、 メタクリル酸ビニル、 クロトン酸ビニルが挙げられる。 単量体匕 1 としては、 撥油性、 撥アルコール性に優れる物品が得られる点か ら、 酢酸 ビニルが特に好ましい。

[0023] 単量体 としては、 単量体 1 と他の単量体 (以下、 単量体 2と記す 。 ) とを併用してもよい。

単量体匕 2としては、 炭素数が 8以上のカルボン酸ビニルエステル、 カル ボン酸アリルエステル、 ビニルエーテル、 アリルエーテル、 ハロゲン化ビニ ル、 オレフイン、 (メタ) アクリレート、 (メタ) アクリルアミ ド、 ハロゲ ン化ビニル以外のハロゲン化オレフイン、 等が挙げられるが、 これらに限定 されるものでは無い。

[0024] 炭素数が 8以上のカルボン酸ビニルエステルとしては 例えば、 カブロン 酸ビニル、 カプリル酸ビニル、 カプリン酸ビニル、 ラウリン酸ビニル、 ミリ スチン酸ビニル、 パルミチン酸ビニル、 ステアリン酸ビニル、 オクチル酸ビ \¥02020/175197 10 卩(:171?2020/005883

ニル、 アジピン酸ジビニル、 桂皮酸ビニルが挙げられる。

カルボン酸アリルエステルとしては、 例えば、 酢酸アリル、 アジピン酸ジ アリルが挙げられる。

[0025] ビニルエーテルとしては、 例えば、 メチルビニルエーテル、 エチルビニル エーテル、 プチルビニルエーテル、 丨 3 0—プチルビニルエーテル、 ㊀ 「 ープチルビニルエーテル、 4—ヒドロキシブチルビニルエーテル、 ス テアリルビニルエーテル、 クロロメチルビニルエーテル、 2—クロロエチル ビニルエーテル、 クロロプロピルビニルエーテル、 シクロヘキシルビニルエ —テル、 エチレングリコールモノビニルエーテル、 ジエチレングリコールモ ノビニルエーテルが挙げられる。

アリルエーテルとしては、 例えば、 アリルエチルエーテル、 ジアリルエー テル、 1 , 3—ジアリルオキシ _ 2—プロパノール、 エチレングリコールモ ノアリルエーテルが挙げられる。

[0026] ハロゲン化ビニルとしては、 例えば、 塩化ビニルやフッ化ビニルが挙げら れる。

オレフィンとしては、 エチレン、 プロピレンが挙げられる。

(メタ) アクリレートとしては、 例えば、 アルキル (メタ) アクリレート 、 ヒドロキシアルキル (メタ) アクリレート、 芳香族 (メタ) アクリレート 、 脂肪族環状 (メタ) アクリレート、 (メタ) アクリル酸が挙げられる。

(メタ) アクリルアミ ドとしては、 例えば、 アルキル (メタ) アクリルア ミ ド、 ヒドロキシアルキル (メタ) アクリルアミ ドが挙げられる。

ハロゲン化ビニル以外のハロゲン化オレフィ ンとしては、 例えば、 塩化ビ ニリデン、 フッ化ビニリデン、 テトラフルオロエチレン、 トリフルオロクロ ロエチレン、 〇 2 =〇 〇〇 3 、 〇 2 =〇 〇〇 2 3 、 〇 2 =〇 〇〇 2 2 3 、 〇 2 =〇 〇〇 2 2 2 3 、 〇 2 =〇 〇 〇 2 〇 (〇 3 ) 〇〇 2 2 3 が挙げられる。

[0027] 単量体匕 2の他の例としては、 1\1—ビニルピロリ ドン、 1\1—ビニルー £— カプロラクタム、 エチルビニルスルフィ ドが挙げられるが、 これらに限定さ \¥02020/175197 11 卩(:171?2020/005883

れるものではない。

[0028] 単量体 3 単位の割合は、 共重合体 を構成する単位の全モル数 (すなわち 、 単量体 3単位及び単量体 単位の合計のモル数) に対して 2 0〜 5 0モル %であり、 3 0〜 4 5モル%が好ましい。 単量体 3単位の割合が前記範囲の 下限値以上であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共重合体 への転 化率を向上させ、 かつ共重合体八の分子量も高くできるととも に、 共重合体 八を含む組成物で処理された物品の撥水撥油 性に優れる。 単量体 8単位の割 合が前記範囲の上限値以下であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共 重合体 への転化率を向上させ、 かつ共重合体 の分子量を高くできる。 ま た、 共重合体 の水分散性に優れる。

[0029] 単量体匕単位の割合は、 共重合体 を構成する単位の全モル数に対して 5 〇〜 8 0モル%であり、 5 5〜 7 0モル%が好ましい。 単量体 単位の割合 が前記範囲の下限値以上であれば、 共重合体八の分子量を高くできる。 また 、 共重合体 の水分散性に優れる。 単量体 単位の割合が前記範囲の上限値 以下であれば、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥水撥油性 に優 れる。

[0030] 単量体匕 1単位の割合は、 共重合体 を構成する単位の全モル数に対して

5 0〜 8 0モル%が好ましく、 5 5〜 7 0モル%がより好ましい。 単量体匕 1 に基づく単位の割合が前記範囲の下限値以上 であれば、 撥油性、 撥アルコ —ル性に優れる物品が得られる。 単量体 1単位の割合が前記範囲の上限値 以下であれば、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥水撥油性 に優 れる。

[0031 ] 単量体匕 2単位の割合は、 共重合体 を構成する単位の全質量に対して 3 〇質量%未満が好ましく、 2 0質量%未満がより好ましく、 0質量%であつ てもよい。 上記範囲内であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共重合 体八への転化率を向上させ、 かつ共重合体八の分子量も高くできるととも に 、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥水撥油性 に優れる。

単量体 3単位及び単量体 1単位の合計の割合は、 共重合体 を構成する \¥02020/175197 12 卩(:171?2020/005883

単位の合計に対して 70質量%以上が好ましく、 80質量%以上がより好ま しく、 1 〇〇質量%であってもよい。 上記範囲内であれば、 単量体成分の重 合時に単量体成分の共重合体 への転化率を向上させ、 かつ共重合体 の分 子量も高くできるとともに、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥 水撥油性に優れる。

[0032] 各単量体単位の割合は、 1 によって算出できる。 後述する含フッ 素共重合体の製造方法において単量体成分の 重合後に残存する単量体がほと んど検出されないことから、 含フッ素共重合体の製造方法における単量体 の 仕込み量に基づいて算出してもよい。

[0033] 共重合体八の1\/1\/\/は、 20, 000以上であり、 21 , 000以上が好ま しく、 23, 000以上がより好ましい。 共重合体八の1\/1\/\/は、 1 00 , 0 00以下であり、 80, 000以下が好ましく、 70, 000以下がより好 ましい。 共重合体 の1\/1%が前記範囲の下限値以上であれば、 共重合体八を 含む組成物で処理された物品の撥水撥油性の 摩擦耐久性に優れる。 共重合体 八の IV! %が前記範囲の上限値以下であれば、 共重合体 の水分散性に優れる

[0034] 共重合体八の1\/^は、 5, 000以上が好ましく、 1 0, 000以上がよ り好ましく、 1 5, 000以上がさらに好ましい。 共重合体 AのMnは、 1 00, 000以下が好ましく、 70, 000以下がより好ましく、 60, 0 〇〇以下がさらに好ましい。 共重合体八の1\/1 nが前記範囲の下限値以上であ れば、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥水撥油性 の摩擦耐久性 がさらに優れる。 共重合体 の1\/1 n が前記範囲の上限値以下であれば、 共重 合体 の水分散性がさらに優れる。

共重合体 の分子量分布 (Mw/M n ) は、 ·! . 0以上が好ましく、 ·! .

2以上がより好ましく、 1. 4以上がさらに好ましく、 1. 8超が最も好ま しい。 共重合体八の分子量分布 (Mw/Mn) は、 4. 5以下が好ましく、

3. 5以下がより好ましく、 2. 5以下がさらに好ましい。 共重合体八の1\/1 w/M nが前記範囲の下限値以上であれば、 共重合体 を含む組成物で処理 \¥02020/175197 13 卩(:171?2020/005883

された物品の撥水撥油性の摩擦耐久性に優 れる。 が 前記範囲の上限値以下であれば、 共重合体 の水分散性に優れる。

[0035] 共重合体 は、 分子量が 1 , 0 0 0以下の共重合体 を含まないか、 含む 場合はその割合は、 共重合体 の分子量分布を◦ <3測定により測定して得 られたチヤートにおいて、 共重合体 全体のピーク面積に対する分子量が 1 , 0 0 0以下の部分のピーク面積の割合 (%) として 1 %以下であることが 好ましい。 共重合体八は、 分子量が 1 , 0 0 0以下の共重合体八を含まない ことがより好ましい。

共重合体 が、 分子量が 1 , 0 0 0以下の共重合体 を含まないか、 含む 場合はその割合が上記範囲内であれば、 共重合体 を含む組成物で処理され た物品の撥水撥油性がさらに優れる。

[0036] 共重合体八は、 が〇. 3 5〜〇. 5 5であり、 〇. 4 0〜〇 . 5 0が好ましい。 が前記範囲の下限値以上であれば、 単量体成分 の重合時に単量体成分の共重合体 への転化率を向上させ、 かつ共重合体八 の分子量も高くできる。 が前記範囲の上限値以下であれば、 単量体 成分の重合時に単量体成分の共重合体 への転化率を向上させ、 かつ共重合 体八の分子量を高くできる。 また、 共重合体 を含む組成物で処理された物 品の撥水撥油性に優れる。

[0037] は、 含フッ素共重合体の組成分布の均一性を示し 、 2 が小 さいほど、 含フッ素共重合体の組成分布の均一性が高い 、 と考えられる。 従来、 塊状重合によって製造される含フッ素共重合 体は、 塊状重合の重合 場が不均一となることで、 組成分布が不均 _となっていたと考えられる。 こ のことが原因で、 含フッ素共重合体を含む組成物で処理した物 品の撥水撥油 性が不充分になっていたと考えられる。

共重合体 は、 従来よりも組成分布の均一性に優れる。 具体的には、 分子 中の単量体 3単位の割合、 分子中の単量体 3単位の分布状態、 それらが相違 することに起因する分子間の極性の違いが少 ない、 と考えられる。

[0038] は、 例えば、 含フッ素共重合体を製造する際の重合条件に より調 \¥0 2020/175197 14 卩(:171? 2020 /005883

整できる。 例えば、 後述する製造方法 1のように、 単量体 3の一部を乳化液 に後添加して乳化重合を行う方法が挙げられ る。 単量体 3の_部を乳化液に 後添加する場合、 後添加する単量体

できる。

は、 例えば、 重合により得られた含フッ素共重合体を精製 するこ とによっても調整できる。 精製方法としては、 例えば、 後述する製造方法 2 のように、 含フッ素共重合体を、 水及び極性溶媒で洗浄する方法が挙げられ る。

上記の各方法の 2以上を組み合わせて ! /\^/ 2 を調整してもよい。

[0039] 以上説明した共重合体 にあっては、 単量体 3 単位を有するので、 共重合 体八を含む組成物で処理された物品の撥水撥 油性が優れる。

そして、 共重合体 にあっては、 共重合体 を構成する全単位に対する単 量体 3単位の割合が特定の範囲内にあるので、 共重合体 を含む組成物で処 理された物品の撥水撥油性、 共重合体 の水分散性に優れる。 また、

2 が特定の範囲内にあるので、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥 水撥油性がより優れる。 さらに、 1\/1 が高いので、 共重合体 を含む組成物 で処理された物品の撥水撥油性の摩擦耐久性 にも優れる。

[0040] <含フッ素共重合体の製造方法>

本発明の共重合体 を得る重合方法としては、 乳化重合法、 溶液重合法、 懸濁重合法、 塊状重合法等が挙げられる。 これらの中でも乳化重合法が好ま しい。 単量体成分を乳化重合法により重合すること により、 水性媒体以外の 溶媒を使用することなく、 単量体成分の共重合体 への転化率を向上できる とともに、 共重合体八の1\/1 \/\/を高くできる。

乳化重合法では、 例えば、 単量体成分と水性媒体と乳化剤と重合開始剤 と を含む乳化液中で単量体成分を重合する。

[0041 ] 重合方法が乳化重合法である場合に、 が前記した範囲内とする方 法としては、 例えば、 以下の方法 1又は方法 2が挙げられる。 これらの方法 はいずれか 1つを単独で用いてもよく 2つ以上を組み合わせて用いてもよい \¥02020/175197 15 卩(:171?2020/005883

。 重合により生成した含フッ素共重合体の

合には、 重合後に、 含フッ素共重合体の を調整してもよい。

方法 1 :単量体 3と単量体 とからなる第 1の単量体成分と水性媒体と乳 化剤とを含む第 1の混合液を乳化して乳化液を得、 乳化液に、 単量体 3を含 む第 2の単量体成分と重合開始剤とを添加して第 2の混合液を得、 第 2の混 合液中で第 1の単量体成分及び第 2の単量体成分を重合 (乳化重合) する方 法。

方法 2 :単量体 3と単量体 とからなる単量体成分と水性媒体と乳化剤と 重合開始剤とを含む乳化液中で単量体成分を 重合 (乳化重合) して含フッ素 共重合体分散液を得、 含フッ素共重合体分散液から含フッ素共重合 体を回収 し、 含フッ素共重合体を、 水及び極性溶媒で洗浄する方法。

以下、 共重合体 の製造方法について、 方法 1 による製造方法 (以下、 製 造方法 1 とも記す。 ) 、 方法 2による製造方法 (以下、 製造方法 2とも記す 。 ) を例に挙げて詳しく説明する。

[0042] (製造方法 1)

この製造方法 1は、 上記方法 1のように、 単量体 3を乳化工程前後で分割 して仕込むことにより、 を前記した範囲にできる。 また、 単量体成 分の重合時における単量体成分の共重合体 への転化率を向上させ、 かつ共 重合体八の分子量を高くできる。

第 2の単量体成分は、 単量体匕を含んでもよく、 含まなくてもよい。

[0043] 単量体成分の全モル数に対する単量体 8の割合は、 2 0〜 5 0モル%であ り、 3 0〜 4 5モル%が好ましい。 単量体 3の割合が前記範囲の下限値以上 であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共重合体 への転化率を向上 させ、 かつ共重合体八の分子量も高くできるととも に、 共重合体八を含む組 成物で処理された物品の撥水撥油性に優れる 。 単量体 3の割合が前記範囲の 上限値以下であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共重合体 への転 化率を向上させ、 かつ共重合体八の分子量を高くできる。 また、 共重合体八 の水分散性に優れる。 \¥02020/175197 16 卩(:171?2020/005883

製造方法 1 においては、 第 1の単量体成分のモル数及び第 2の単量体成分 のモル数の合計が単量体成分の全モル数であ る。

[0044] 単量体成分の全モル数に対する単量体匕 1の割合は、 5〇〜 8 0モル%が 好ましく、 5 5〜 7 0モル%がより好ましい。 単量体匕 1の割合が前記範囲 の下限値以上であれば、 撥油性、 撥アルコール性に優れる物品が得られる。 単量体 1の割合が前記範囲の上限値以下であれば、 共重合体 を含む組成 物で処理された物品の撥水撥油性に優れる。

[0045] 単量体成分の全質量に対する単量体 2の割合は、 3 0質量%未満が好ま しく、 2 0質量%未満がより好ましく、 0質量%であってもよい。 上記範囲 内であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共重合体 への転化率を向 上させ、 かつ共重合体八の分子量も高くできるととも に、 共重合体八を含む 組成物で処理された物品の撥水撥油性に優れ る。

単量体成分の全質量に対する単量体 3及び単量体 1の合計の割合は、 7 〇質量%以上が好ましく、 8 0質量%以上がより好ましく、 1 0 0質量%で あってもよい。 上記範囲内であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共 重合体 への転化率を向上させ、 かつ共重合体 の分子量も高くできるとと もに、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥水撥油性 に優れる。

[0046] 第 1の単量体成分に含まれる単量体 3の割合は、 第 1の単量体成分に含ま れる単量体 3 の質量と第 2の単量体成分に含まれる単量体 3の質量との合計 の質量 (第 2の混合液に含まれる単量体 3 の全質量) に対して 3 0〜 7 0質 量%が好ましく、 4 0〜 6 8質量%がさらに好ましい。 上記範囲内であれば 、 が前記した範囲になりやすい。 また、 単量体成分の重合時に単量 体成分の共重合体 への転化率をより向上させ、 かつ共重合体 の分子量を より高くできる。

[0047] 水性媒体としては、 後述する撥水撥油剤組成物における水性媒体 と同様の ものが挙げられる。 また、 乳化剤としては、 後述する撥水撥油剤組成物にお ける乳化剤と同様のものが挙げられる。

[0048] 重合開始剤としては、 例えば、 熱重合開始剤、 光重合開始剤、 放射線重合 \¥02020/175197 17 卩(:171?2020/005883

開始剤、 ラジカル重合開始剤、 イオン性重合開始剤が挙げられ、 ラジカル重 合開始剤が好ましい。 ラジカル重合開始剤としては、 例えば、 アゾ系重合開 始剤、 過酸化物系重合開始剤、 レドックス系開始剤が重合温度に応じて用い られる。 ラジカル重合開始剤としては、 アゾ系化合物が好ましく、 アゾ系化 合物の塩がより好ましい。 重合温度は、 2 0〜 1 5 0 ° 〇が好ましく、 3 5〜 9 0がさらに好ましい。

重合開始剤の添加量は、 単量体成分 1 〇〇質量部に対して〇. 1〜 5質量 部が好ましく、 〇. 1〜 3質量部がより好ましい。

[0049] 単量体成分を重合する際には、 分子量調整剤を用いてもよい。 分子量調整 剤としては、 例えば、 芳香族化合物、 メルカプトアルコール、 メルカプトカ ルボン酸、 アルキルメルカブタンが好ましく、 メルカプトカルボン酸又はア ルキルメルカブタンがより好ましい。 分子量調整剤としては、 例えば、 メル カプトエタノール、 メルカプトプロピオン酸、 _オクチルメルカプタン、 门ードデシルメルカプタン、 6 「 1:—ドデシルメルカプタン、 ステアリル メルカブタン、 《—メチルスチレンダイマ (〇1 ~ 1 2 =〇 ( ) 〇1 ~ 1 2 〇 (〇 1 ~ 1 3 2 、 但し はフエニル基である。 ) が挙げられる。

分子量調整剤の添加量は、 単量体成分 1 〇〇質量部に対して〇〜 5質量部 が好ましく、 〇〜 2質量部がより好ましい。

[0050] 第 1の混合液は、 第 1の単量体成分と水性媒体と乳化剤とを混合 ること により調製できる。 混合方法は特に制限はない。

第 1の混合液の乳化方法としては、 乳化液を均一に分散できる点で、 ホモ ジナイザー等を用い、 せん断をかけて乳化する方法、 又は高圧乳化機等を用 い、 高圧条件下で乳化する方法が好ましい。

せん断を掛ける際の条件としては、 例えば、 ホモジナイザーを用い、 5 0 0 0〜 3 0 0 0 0回転/分で 1〜 2 0分間処理する条件が挙げられる。 高圧条件下で乳化する際の条件としては、 例えば、 高圧乳化機を用い、 5 られる。

第 1の混合液を乳化する際の温度は、 例えば 1 〇〜 6 0 ° 〇である。 \¥02020/175197 18 卩(:171?2020/005883

[0051 ] 第 2の混合液中の単量体成分の割合 (第 1の単量体成分及び第 2の単量体 成分の合計含有量) は、 1 〇〜 7 0質量%が好ましく、 2 0〜 6 0質量%が より好ましい。 第 2の混合液中の単量体成分の濃度が前記範囲 であれば、 単量体成分の重合時に単量体成分の共重合体 への転化率を向上させること ができるとともに、 共重合体八の分子量を充分に高くできる。

[0052] 第 2の混合液中の乳化剤の合計量は、 単量体成分の 1 〇〇質量部に対して

1〜 6質量部が好ましい。 乳化剤の合計量が前記範囲の下限値以上であ れば 、 第 2の混合液の分散安定性に優れる。 乳化剤の合計量が前記範囲の上限値 以下であれば、 共重合体 を含む組成物で処理された物品の撥水撥油性 への 悪影響が少ない。

[0053] 第 2の混合液中の単量体成分を重合するには、 例えば、 第 2の混合液の温 度を 3 5〜 9 0 °〇に昇温すればよい。 重合時間は、 例えば 3〜 1 4 4時間で ある。

重合終了時の単量体成分の共重合体 への転化率は、 8 0 %以上が好まし く、 9 0 %以上がより好ましい。 転化率を高くすることにより、 共重合体八 の分子量も高くなり、 撥水撥油性能も良好となる。 また、 高い転化率にする ことで、 残存単量体による性能低下が抑えられるとと もに、 共重合体 中に 含まれるフッ素原子の量が多くなるため、 撥水撥油性が良好となる。 転化率 を 8 0 %以上とするには、 乳化方法、 乳化液組成、 第 2の混合液組成、 重合 温度、 重合時間等の最適化を行うことが好ましい。

[0054] 第 2の混合液中で単量体成分に重合することに り、 共重合体 を含む含 フッ素共重合体分散液が得られる。

重合後、 必要に応じて、 含フッ素共重合体分散液に含まれる共重合体 八を 回収する。 回収方法は特に限定されず、 例えば後述する製造方法 2で例示す るような公知の方法を適宜採用できる。 回収された含フッ素共重合体 は水 及び極性溶媒で洗浄することができる。 この場合の洗浄の方法は、 それぞれ の好ましい態様も含めて、 後記する製造方法 2において回収された含フッ素 共重合体 を水及び極性溶媒で洗浄する方法と同様であ る。 かかる含フッ素 \¥02020/175197 19 卩(:171?2020/005883

共重合体八の洗浄により、

[0055] なお、 前記含フッ素共重合体分散液は、 そのまま、 後述の本発明の撥水撥 油剤組成物としてもよい。 又は、 含フッ素共重合体分散液を水性媒体で希釈 して固形分濃度を調整し、 必要に応じて他の成分を添加して、 後述の本発明 の撥水撥油剤組成物としてもよい。

含フッ素共重合体分散液から回収した共重合 体 と、 有機溶媒と、 必要に 応じて他の成分とを混合して、 後述の本発明の撥水撥油剤組成物としてもよ い。

[0056] (製造方法 2)

この製造方法 2は、 上記方法 2のように、 前記含フッ素共重合体分散液を 水性媒体で希釈して固形分濃度を調整し、 必要に応じて他の成分を添加した 後述の撥水撥油剤組成物を調整して、 該撥水撥油剤組成物から、 前記フッ素 共重合体分散液に含まれていた含フッ素共重 合体を回収し、 水及び極性溶媒 で洗浄する方法でもよい。

[0057] 単量体成分、 水性媒体、 乳化剤、 重合開始剤はそれぞれ製造方法 1 と同様 である。 単量体成分の全モル数に対する単量体 3の割合、 単量体成分の全モ ル数に対する単量体 1の割合、 単量体成分の全質量に対する単量体 2の 割合、 単量体成分の全質量に対する単量体 3及び単量体 1の合計の割合等 も製造方法 1 と同様である。

単量体成分を重合する際には、 分子量調整剤を用いてもよい。 分子量調整 剤についても製造方法 1 と同様である。

[0058] 製造方法 2において、 乳化液の調製方法は特に限定されない。 例えば、 単 量体成分と水性媒体と乳化剤と重合開始剤と を混合して混合液を得、 混合液 を乳化し、 重合開始剤を添加することによって調製でき る。 乳化液は、 製造 方法 1 において第 2の混合液を調製する方法と同様の方法で乳 液を調製し てもよい。

乳化液中の単量体成分の好ましい濃度、 乳化剤の好ましい合計量はそれぞ れ、 製造方法 1 における第 2の混合液と同様である。 乳化液中の単量体成分 \¥02020/175197 20 卩(:171?2020/005883

の重合方法、 重合終了時の単量体成分の共重合体 への好ましい転化率も製 造方法 1 と同様である。

[0059] 含フッ素共重合体分散液又は後述の撥水撥油 剤組成物からの含フッ素共重 合体の回収方法は特に限定されず、 公知の方法を適宜採用できる。 例えば、 後述する実施例に示すように、 含フッ素共重合体分散液にヘキサン及び 1 6 「 I _ブタノールの混合溶媒を添加して含フッ素 重合体を沈殿させ、 固液 分離する方法が挙げられる。 ヘキサン及び

中のヘキサンの割合は、 1 0〜 9 0質量%が好ましい。

[0060] 回収した含フッ素共重合体を、 水、 極性溶媒、 又は水と極性溶媒の混合溶 媒で洗浄することにより、 含フッ素共重合体から比較的極性の高い分子 を除 去して \^/ 1 /\^/ 2を小さく、 分子量を高くできる。 水の温度は、 4 0〜 7 0 °〇が好ましい。

水の使用量は、 例えば、 含フッ素共重合体に対し、 質量比で 1〜 2 0倍で ある。

極性溶媒としては、 共重合体 が溶解または膨潤せず、 比較的低沸点な極 性溶媒が作業性の面で好ましい。 極性溶媒の沸点としては、 作業性の観点か ら、 4 0〜 1 2 0 °〇が好ましく、 5 0〜 9 0 °〇がより好ましい。 極性溶媒の 具体例としては、 ㊀ 「 ーブタノールやイソプロピルアルコールが挙 げら れる。 極性溶媒の温度は、 特に制限はないが、 例えば 1 〇〜 5 0 ° 〇である。

[0061 ] 極性溶媒の使用量は、 例えば、 含フッ素共重合体に対し、 質量比で 1〜 2

0倍である。

水と極性溶媒の混合溶媒である場合、 水に対する極性溶媒の質量比 (極性 溶媒/水) は、 極性溶媒の除去性の観点から、 1 / 9 9〜 9 9 / 1が好まし く、 1 0 / 9 0〜 9 0 / 1 0がより好ましい。

含フッ素共重合体を洗浄するには、 例えば、 含フッ素共重合体と 4 0〜 7 0 ° 〇の温水、 又は極性溶媒とを混合すればよい。 洗浄時間は、 例えば 1〜 3 0分間である。

[0062] <撥水撥油剤組成物> \¥0 2020/175197 21 卩(:171? 2020 /005883

本発明の撥水撥油剤組成物 (以下、 本組成物とも記す。 ) は、 共重合体八 を含む。

本組成物は、 共重合体 と水性媒体と乳化剤とを含む含フッ素共重合 体分 散液であることが好ましい。

本組成物は、 必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。

本組成物は、 前記含フッ素共重合体分散液を後述の水性媒 体で希釈して固 形分濃度を調整し、 必要に応じて他の成分を添加して調製したも のでもよい 本組成物は、 共重合体 と有機溶媒を含み、 乳化剤を含まない含フッ素共 重合体溶液であつてもよい。

[0063] (水性媒体)

水性媒体としては、 水、 又は水と水溶性有機溶媒との混合媒体が挙げ られ る。

水溶性有機溶媒としては、 アルコール (但し、 エーテル結合を有するアル コールを除く。 ) 又はエーテル結合を有するアルコールが好ま しい。 アルコ —ルとしては、 例えば、 イソプロピルアルコール、 ㊀ 「 1:—ブタノール、 プロピレングリコール、 ヘキシレングリコールが挙げられる。 エーテル結合 を有するアルコールとしては、 例えば、 3—メ トキシメチルブタノール、 ジ プロピレングリコール、 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 、 トリ プロピレングリコールが挙げられる。 水溶性有機溶媒としては、 共重合体八 と水性媒体との相溶性を向上して基材上で均 一な膜をつくりやすくする点か ら、 エーテル結合を有するアルコールが好ましく 、 ジプロピレングリコール 、 トリプロピレングリコール又はジプロピレン グリコールモノメチルエーテ ルがより好ましい。

水性媒体が水溶性有機溶媒を含む場合、 水溶性有機溶媒の含有量は、 水の 1 0 0質量部に対して、 1〜 8 0質量部が好ましく、 1 0〜 6 0質量部がよ り好ましい。

[0064] (乳化剤) \¥02020/175197 22 卩(:171?2020/005883

乳化剤は、 親水部位と疎水部位の両方を有する界面活性 剤である。

乳化剤としては、 アニオン性乳化剤、 ノニオン性乳化剤、 カチオン性乳化 剤、 両性乳化剤が挙げられる。 乳化剤はフッ素原子を有さないものが好まし い。

乳化剤としては、 本組成物の分散安定性に優れる点から、 ノニオン性乳化 剤の単独使用、 ノニオン性乳化剤とカチオン性乳化剤もしく は両性乳化剤と の併用、 又はアニオン性乳化剤の単独使用が好ましく 、 ノニオン性乳化剤と カチオン性乳化剤との併用がより好ましい。 の制御の点から、 ノニ オン性乳化剤単独の使用もまた好ましい。

[0065] ノニオン性乳化剤とカチオン性乳化剤との比 (ノニオン性乳化剤/カチオ ン性乳化剤) は、 1 00 /0〜 40/60 (質量比) が好ましく、 97/3 〜 40/60 (質量比) がより好ましい。

ノニオン性乳化剤とカチオン性乳化剤との特 定の組み合わせにおいては、 共重合体 の 1 00質量部に対する乳化剤の合計量を、 5質量部以下にでき るので、 乳化剤に起因する本組成物で処理された物品 の撥水撥油性への悪影 響を低減できる。

[0066] ノニオン性乳化剤の例としては、 日本特開 2009-2 1 5370号公報 の段落 [0067] 〜 [0095] に記載の界面活性剤 3 1〜 36が挙げら れる。

界面活性剤 3 1は、 ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル 、 ポリオ キシアルキレンモノアルケニルエーテル、 ポリオキシアルキレンモノアルカ ポリエニルエーテル、 又はポリオキシアルキレンモノポリフルオロ アルキル エーテルである。 界面活性剤 3 1 としては、 ポリオキシエチレンアルキルエ —テルが好ましい。

[0067] 界面活性剤 32は、 分子中に 1個以上の炭素一炭素三重結合及び 1個以上 の水酸基を有する化合物である。 界面活性剤 32としては、 アセチレングリ コールエチレンオキシド付加物がノニオン性 乳化剤として好ましい。

界面活性剤 33は、 ポリオキシエチレン鎖と、 炭素数が 3以上のオキシア \¥02020/175197 23 卩(:171?2020/005883

ルキレンが 2個以上連続して連なったポリオキシアルキ ン鎖とが連結し、 かつ、 両末端が水酸基である化合物である。 界面活性剤 3 3としては、 ェチ レンオキシドプロピレンオキシド重合物が好 ましい。

ノニオン性乳化剤は、 2種以上を併用してもよい。

[0068] カチオン性乳化剤の例としては、 日本特開 2 0 0 9 - 2 1 5 3 7 0号公報 の段落 [0 0 9 6] 〜 [0 1 0 0] に記載の界面活性剤 3 7が挙げられる。 界面活性剤 3 7は、 置換アンモニウム塩形のカチオン性乳化剤で ある。 界面活性剤 3 7としては、 窒素原子に結合する水素原子の 1個以上が、 ア ルキル基、 アルケニル基又は末端が水酸基であるポリオ キシアルキレン鎖で 置換されたアンモニウム塩が好ましく、 下式 3 7 1で表される化合物 3 7 1 がより好ましい。

[ ( 1 4 +] X - 式 3 7 1。

8 2 1 は、 水素原子、 炭素数が 1〜 2 2のアルキル基、 炭素数が 2〜 2 2の アルケニル基、 炭素数が 1〜 9のフルオロアルキル基、 又は末端が水酸基で あるポリオキシアルキレン鎖である。 は、 同一であってもよく、 異なっていてもよいが、 は同時に水素原子ではない。 X -は、 対イ オンである。

X -としては、 塩素イオン、 ェチル硫酸イオン、 又は酢酸イオンが好ましい 化合物 3 7 1 としては、 例えば、 モノステアリルトリメチルアンモニウム クロリ ド、 モノステアリルジメチルモノエチルアンモニ ウムエチル硫酸塩、 モノ (ステアリル) モノメチルジ (ポリエチレングリコール) アンモニウム クロリ ド、 モノフルオロヘキシルトリメチルアンモニウ ムクロリ ド、 ジ (牛 脂アルキル) ジメチルアンモニウムクロリ ド、 ジメチルモノココナッツアミ ン酢酸塩が挙げられる。

カチオン性乳化剤は、 2種以上を併用してもよい。

[0069] 両性乳化剤の例としては、 日本特開 2 0 0 9 - 2 1 5 3 7 0号公報の段落 [0 1 0 1] 〜 [0 1 0 2] に記載の界面活性剤 3 8が挙げられる。 これら \¥02020/175197 24 卩(:171?2020/005883

は 2種以上を併用してもよい。 界面活性剤 38は、 アラニン、 イミダゾリニ ウムベタイン、 アミ ドべタイン又は酢酸べタインである。

[0070] (有機溶媒)

有機溶媒としては、 共重合体 を溶解可能なものであればよく、 例えば、 上記水溶性有機溶媒、 ケトン、 アミ ド結合を有する化合物、 エーテル結合を 有し水酸基を有さない化合物、 フッ素原子を有する有機溶媒が挙げられる。 水溶性有機溶媒としては上記と同様の化合物 を例示できる。 ケトンとしては 、 例えば、 アセトン、 メチルエチルケトン、 メチルイソプチルケトンが挙げ られる。 アミ ド結合を有する化合物としては、 例えば、 ジメチルアセトアミ ド、 3—メ トキシージメチルプロパンアミ ド、 3—ブトキシージメチルプロ パンアミ ド、 メチルピロリ ドンが挙げられる。 エーテル結合を有し水酸基を 有さない化合物としては、 例えば、 テトラヒドロフラン、 ジプロピレングリ コールジメチルエーテル、 トリエチレングリコールジメチルエーテル、 テト ラエチレングリコールジメチルエーテルが挙 げられる。 フッ素原子を有する 有機溶媒としては、 例えば、 1, 1, 1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 5, 5 , 6, 6 -トリデカフルオロオクタン、 1 , 1 , 2, 2 -テトラフルオロエ チルー 2, 2, 2—トリフルオロエチルエーテル、 1 —メ トキシ _ 1 , 1 ,

2, 2, 3, 3, 3—ヘプタフルオロプロパン、 1 —メ トキシ _ 1, 1, 2 , 2, 3, 3, 4, 4, 4—ノナフルオロブタン、 1 —エトキシ _ 1 , 1 ,

2, 2, 3, 3, 4, 4, 4—ノナフルオロブタン、 1 , 1 , 1 , 2, 2,

3, 4, 5, 5, 5 - 1デカフルオロー 3 -メ トキシー4 -トリフルオロメ チルペンタン、 1 , 1 , 1 , 2, 2, 3, 4, 5, 5, 5 -デカフルオロぺ ンタン、 ポリ (1 , 1 , 2, 3, 3, 3—ヘキサフルオロプロペンオキシド ) 、 1 , 3—ビストリフルオロメチルベンゼン、 1 , 4—トリフルオロメチ ルベンゼン、 トリフルオロトルエン、 ペルフルオロベンゼン及びペルフルオ ロブチルアミンが挙げられる。

[0071] (他の成分)

他の成分としては、 例えば、 共重合体 以外の含フッ素重合体、 非フッ素 \¥02020/175197 25 卩(:171?2020/005883

系重合体、 非フッ素系撥水撥油剤、 水溶性高分子樹脂 (例えば、 親水性ポリ エステル及びその誘導体、 親水性ポリエチレングリコール及びその誘導 体)

、 架橋剤、 浸透剤 (例えば、 アセチレン基を中央に持ち左右対称の構造を し たノニオン性界面活性剤、 日油社製のディスパノール (製品名) シリーズ)

、 コロイダルシリカ (例えば、 日産化学社製のスノーテックス (製品名) シ リーズ、 八〇巳 八社製のアデライ トシリーズ) 、 消泡剤 (例えば、 日信化 学社製のオルフィン (製品名) シリーズ、 東レダウコーニング社製の 3ア ンチフォームシリーズ) 、 造膜助剤、 防虫剤、 難燃剤、 帯電防止剤 (例えば 、 明成化学社製のディレクトールシリーズ) 、 防しわ剤、 柔軟剤、 1 ~ 1調整 剤 (例えば、 ジエタノールアミン、 トリエタノールアミン、 酢酸、 クエン酸 ) が挙げられる。

[0072] 本組成物が架橋剤を含む場合、 基材との接着性が向上しやすい。 架橋剤と しては、 イソシアネート系架橋剤、 メチロール系架橋剤、 カルポジイミ ド系 架橋剤、 及びオキサゾリン系架橋剤が好ましい。

イソシアネート系架橋剤としては、 例えば、 芳香族ブロックタイプイソシ アネート系架橋剤、 脂肪族ブロックタイプイソシアネート系架橋 剤、 芳香族 非ブロックタイプイソシアネート系架橋剤、 脂肪族非ブロックタイプイソシ アネート系架橋剤が挙げられる。 イソシアネート系架橋剤は、 界面活性剤に よって乳化された水分散型、 又は親水基を有した自己水分散型が好ましい 。

[0073] メチロール系架橋剤としては、 例えば、 尿素又はメラミンとホルムアルデ ヒドとの縮合物又は予備縮合物、 メチロールージヒドロキシエチレンー尿素 又はその誘導体、 メチロールーエチレンー尿素、 メチローループロピレンー 尿素、 メチロールートリアゾン、 ジシアンジアミ ドーホルムアルデヒドの縮 合物、 メチロールーカルバメート、 メチロールー (メタ) アクリルアミ ド、 これらの重合体が挙げられる。

[0074] カルポジイミ ド系架橋剤は、 分子中にカルポジイミ ド基を有するポリマー であり、 基材等のカルボキシ基、 アミノ基、 活性水素基と優れた反応性を示 す架橋剤である。 \¥02020/175197 26 卩(:171?2020/005883

オキサゾリン系架橋剤は、 分子中にオキサゾリン基を有するポリマーで あ り、 基材等のカルボキシ基と優れた反応性を示す 架橋剤である。

[0075] 他の架橋剤としては、 例えば、 ジビニルスルホン、 ポリアミ ド若しくはそ のカチオン誘導体、 ポリアミン又はそのカチオン誘導体、 ジグリシジルグリ セロール等のエポキシ誘導体、 (エポキシ _ 2 , 3—プロピル) トリメチル アンモニウムクロライ ド、 1\1—メチルー 1\1— (エポキシー2 , 3—プロピル ) モルホリニウムクロライ ド等のハライ ド誘導体、 エチレングリコールのク ロロメチルエーテルのピリジニウム塩、 ポリアミンーポリアミ ドーエピクロ ヒドリン樹脂、 ポリビニルアルコール又はその誘導体、 ポリアクリルアミ ド 又はその誘導体、 グリオキサール樹脂系防しわ剤が挙げられる 。

[0076] 本組成物が、 メチロール系架橋剤又はグリオキサール樹脂 系防しわ剤を含 む場合、 添加剤として、 触媒を含むことが好ましい。 好ましい触媒としては 、 例えば、 無機アミン塩、 有機アミン塩が挙げられる。 無機アミン塩として は、 例えば、 塩化アンモニウムが挙げられる。 有機アミン塩としては、 例え ば、 アミノアルコール塩酸塩、 セミカルバジド塩酸塩が挙げられる。 アミノ アルコール塩酸塩としては、 例えば、 モノエタノールアミン塩酸塩、 ジエタ ノールアミン塩酸塩、 トリエタノール塩酸塩、 2 -アミノー 2 -メチルプロ パノール塩酸塩が挙げられる。

[0077] (各成分の割合)

本組成物の固形分濃度は、 本組成物の製造直後の含フッ素共重合体分散 液 においては、 2 5〜 7 0質量%が好ましく、 3 0〜 6 0質量%がより好まし い。

本組成物の乳化剤の合計量は、 本組成物の製造直後の含フッ素共重合体分 散液においては、 共重合体 の 1 0 0質量部に対して 1〜 6質量部が好まし い。

[0078] 本組成物の固形分濃度は、 基材の処理に用いる際には、 〇. 1〜 1 0質量 %が好ましく、 〇. 2〜 7質量%がより好ましい。 本組成物中の架橋剤の濃 度は、 基材の処理に用いる際には、 〇. 1〜 3質量%が好ましい。 \¥02020/175197 27 卩(:171?2020/005883

[0079] 以上説明した本組成物にあっては、 共重合体 が単量体 3 単位を有するの で、 本組成物で処理された物品の撥水撥油性が優 れる。 本組成物で処理され た物品は、 例えば、 後記する実施例により例示されるように、 」 丨 3 3 2 5 7 : 1 9 9 9 「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」 に準拠して測定さ れた水の接触角は、 1 〇〇度以上、 更には、 1 0 2〜 1 1 5度を有する。 こ の場合には、 摩擦後であっても撥水性が良好であることを 示す。

そして、 本組成物にあっては、 共重合体 を構成する全単位に対する単量 体 3単位の割合が特定の範囲内にあるので、 本組成物で処理された物品の撥 水撥油性に優れ、 本組成物が水分散液である場合には、 共重合体 の分散安 定性にも優れる。 また、 が特定の範囲内にあるので、 共重合体八を 含む組成物で処理された物品の撥水撥油性が より優れる。 さらに、 共重合体 八の IV! %が高いので、 本組成物で処理された物品の撥水撥油性の摩 擦耐久性 にも優れる。

[0080] <物品>

本発明の物品は、 本組成物を用いて処理された物品である。

本組成物で処理される物品としては、 例えば、 繊維、 繊維織物、 繊維編物 、 不織布、 ガラス、 紙、 木、 皮革、 人工皮革、 石、 コンクリート、 セラミツ クス、 金属、 金属酸化物、 窯業製品、 樹脂成形品、 多孔質樹脂、 多孔質繊維 が挙げられる。 多孔質樹脂は、 例えば、 フィルターとして用いられる。 多孔 質樹脂の材料としては、 例えば、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリエチ レンテレフタレート、 ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。 多孔質繊 維の材料としては、 例えば、 ガラス繊維、 セルロースナノファイバー、 炭素 繊維、 セルロースアセテートが挙げられる。

処理方法としては、 例えば、 公知の塗工方法によって物品に本組成物を塗 布又は含浸した後、 乾燥する方法が挙げられる。

[0081 ] 以上説明した本発明の物品にあっては、 単量体 3単位を有する共重合体八 を含む本組成物を用いて処理されているため 、 撥水撥油性が優れる。

そして、 本物品にあっては、 共重合体 を構成する全単位に対する単量体 \¥02020/175197 28 卩(:171?2020/005883

3単位の割合が特定の範囲内にあり、 共重合体 の が特定の範囲内 にあるので、 撥水撥油性に優れる。 また、 共重合体八の1\/1 \/\/が高いので、 撥 水撥油性の摩擦耐久性にも優れる。 したがって、 摩擦前の優れた撥水撥油性 を、 物品を摩擦させた後も充分に維持できる。

実施例

[0082] 以下、 実施例によって本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定 されない。 なお、 例 2〜 4、 6、 1 0は実施例であり、 例 1、 5、 7〜 9は 比較例である。

[0083] (外観)

重合後の含フッ素共重合体分散液の外観を目 視で確認した。 外観が均一で ある (残渣や層分離が見られない) ものを〇 (良) とし、 それ以外は、 外観 の状態を表中に記載した。

[0084] (転化率)

原料の仕込み量から計算された含フッ素共重 合体の分散液又は溶液の固形 分濃度の理論値と、 含フッ素共重合体の分散液又は溶液の固形分 濃度の実測 値とを、 実測値/理論値 X 1 0 0の式に当てはめて得られた値を単量体成分 の含フッ素共重合体への転化率とした。 転化率が 9 0 %以上である場合を〇 (良) 、 8 0 %以上 9 0 %未満である場合を△ (可) 、 8 0 %未満である場 合を X (不可) とした。

含フッ素共重合体の分散液又は溶液から、 次のようにして含フッ素共重合 体を回収した。 含フッ素共重合体の分散液又は溶液の 6 9を、 イソプロピル アルコール (以下、 I 八と記す。 ) の 6 0 9に滴下し、 撹拌して固体を析 出させた。 3 0 0 0 「 で 5分間遠心分離した後、 固体を分離した。 再度 、 I 八の 1 2 9を加えてよく撹拌した。 3 0 0 0 「 で 5分間遠心分離 した後、 固体を上澄み液から分離し、 3 5 ° 〇で一晚真空乾燥して含フッ素共 重合体を得た。

[0086] 回収した含フッ素共重合体を ! ~ 1〇 〇2 2 5 (八[< - 2 2 5、 八〇〇社製 品名) (以下、 AK— 225と記す。 ) /テトラヒドロフラン (以下、 TH Fと記す。 ) =6/4 (体積比) の混合溶媒に溶解させて、 固形分濃度 0.

5質量%の溶液とし、 0. 2 Mmのフィルターに通し、 分析サンプルとした 。 分析サンプルについて、 〇 ?(3測定により1\/^、 1\/1\«及び1\/1\/\//1\/^を測 定した。 測定条件は下記のとおりである。

装置:東ソー社製、 H LC- 8320 G PC、

カラム: P o l yme r l a b o r a t o r i e s社製、 M I X E D—

C 300X 7. 5 mm 5 yu, m %

移動相: AK— 225/TH F = 6/4 (体積比) の混合溶媒、 流速 = 1. 0 m L/分、 オーブン温度: 37°C、 試料濃度: 1. 0質 量%、

注入量: 50 M L、 検出器: R I (屈折率検出器) 、

分子量標準:ポリメチルメタクリレート (Mw=2, 1 36, 000, 9 55, 000、 569, 000、 332, 800、 1 2 1 , 600、 67,

400、 3 1 , 1 1 0、 1 3, 300、 7, 360、 1 , 950、 1 , 01 0、 及び 550) 。

[0087] (W ! /W 2

含フッ素共重合体を AK_225/TH F = 5/5 (体積比) の混合溶媒 に溶解させて、 固形分濃度 1質量%の溶液とし、 〇. 45 Mmのフィルター に通し、 分析サンプルとした。 分析サンプルについて、 H P LC測定を行つ た。 測定条件は下記のとおりである。 測定結果から、 半値幅 W ! 及び幅 W 2 を 求め、 \^/ 1 /\^/ 2 を算出した。

装置: A g i l e n t社製、 H P 1 1 00

カラム:ペンタフルオロフエニル基を持つプ ロピル基を有するシリカゲル を固定相として持つもの (島津ジーエルシー社製品名、 p h e n ome n e X L u n a P F P、 内径 2mmX長さ 1 50mm X粒子径 3 yu, m) 移動相: A液: メタノール、 B液: AK— 225/TH F = 5/5 (体積 比) \¥02020/175197 30 卩(:171?2020/005883 グラジェント条件: 巳液の体積%で、 0— 95 (5— 20分) 一

95 (30分) -95-00 (30-40分) -00 (45分)

流速 = 0. 3〇! !_/分、 オーブン温度: 40°〇、 試料濃度: 1質量% ( 巳液中)

注入量: 1 0 し、 検出器: 巳 !_ 30 (蒸発光散乱検出器)

[0088] 前記したグラジェント条件の詳細は、 以下のとおりである。

(1) 開始時は 液比率 1 00体積% (巳液比率 0体積%) で 5分間流す 、 (2) 開始 5分後から巳液比率を上げていき、 開始 5分後から 20分後ま での 1 5分間を掛けて、 巳液比率を 95体積%まで上げる、 (3) 開始 20 分後から巳液比率を 95体積%に固定して 1 0分間そのまま流す、 (4) 開 始 30分後から巳液比率を下げていき、 開始 30分後から 40分後までの 1 〇分間を掛けて、 巳液比率を 0体積%まで下げる (八液比率 1 00体積%)

、 (5) 開始 40分後から 液比率 1 00%で 5分間流す。

[0089] (水の接触角)

」 丨 3 3257 : 1 999 「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」 に 準拠して、 物品の表面の 5箇所に水滴を静置し、 各水滴について静滴法によ って水の接触角を測定した。 水滴は約 2 し /滴であり、 測定は 23 ° 〇で行 った。 水の接触角は、 5箇所の測定値の平均値で示す。 水の接触角は、 物品 の撥水性の目安となる。 水の接触角の平均値が 1 〇〇度以上であれば撥水性 が良好であることを示す。 後述の摩擦試験を行った後の水の接触角の平 均値 は 1 00度以上であれば、

[0090] (丨 八80%の接触角)

」 丨 3 3257 : 1 999 「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」 に 準拠して、 物品の表面の 5箇所にイソプロピルアルコール 80質量%水溶液 滴を静置し、 各液滴について静滴法によってイソプロピル アルコール 80質 量%水溶液の接触角を測定した。 液滴は約 2^JiL /滴であり、 測定は 23 ° 〇 で行った。 イソプロピルアルコール 80質量%水溶液の接触角は、 5箇所の 測定値の平均値で示す。 イソプロピルアルコール 80質量%水溶液の接触角 \¥02020/175197 31 卩(:171?2020/005883

は、 物品の撥水性、 撥アルコール性の目安となる。 イソプロピルアルコール 80質量%水溶液の接触角の平均値が 50度以上であれば撥水性、 撥アルコ —ル性が良好であることを示す。 後述の摩擦試験を行った後のイソプロピル アルコール 80質量%水溶液の接触角の平均値は 40度以上であれば、 摩擦 後であっても撥水性、 撥アルコール性が良好であることを示す。

[0091] (1·! _へキサデカンの接触角)

」 丨 3 3257 : 1 999 「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」 に 準拠して、 物品の表面の 5箇所に n _へキサデカンの液滴を静置し、 各液滴 について静滴法によって —へキサデカンの接触角を測定した。 液滴は約 2 1-/滴であり、 測定は 23 °〇で行った。 n—へキサデカンの接触角は、 5 箇所の測定値の平均値で示す。 门 _へキサデカンの接触角は、 物品の撥油性 の目安となる。 1·! -へキサデカンの接触角の平均値が 60度以上であれば撥 油性が良好であることを示す。 後述の摩擦試験を行った後の门 _へキサデカ ンの接触角の平均値は 50度以上であれば、 摩擦後であっても撥油性が良好 であることを示す。

[0092] (摩擦試験)

」 丨 3 3257 : 1 999 「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」 に 準拠して準備した物品の表面を、 日本シール社製のエチケッ トブラシ (品番 ^ 5 1 ワンプッシュ回転機能付き、 材質パイルナイロン 1 00%) を用い て 1 〇回往復摩耗した。 摩擦試験前の水の接触角が 1 〇〇度超であり、 摩擦 試験後における水の接触角が 1 〇〇度超であると、 摩擦耐久性が良好である

[0093] (単量体 3) : 〇6〇!_ : 〇1 ~ 1 2 =〇1 ~ 1-〇 2 2 2 2 2

3

(単量体 |3) : \/八0 :酢酸ビニル

[0094] (媒体)

水:イオン交換水。

0 ? 0 :ジプロピレングリコール。 \¥02020/175197 32 卩(:171?2020/005883

メチルイソプチルケトン。

[0095] (乳化剤)

巳4 3 0 :ポリオキシエチレンオレイルエーテル (エチレンオキシド約 3 0モル付加物、 花王社製品名、 エマルゲン 4 3 0) 。

9 2 0 4 :エチレンオキシド · プロピレンオキシド重合物 (オキシエチレ ン基含有量 4 0質量%、 日油社製品名、 プロノン# 2 0 4、 1 ~ 1〇一 (0 ^ 4

八〇 1 8 :モノステアリルトリメチルアンモニウムク リ ドの 6 3質量% 水及びイソプロピルアルコール溶液 (ライオン社製品名、 リポカード 1 8—

6 3) 。

[0096] (重合開始剤)

八一0 6 1 八 : 2 , 2,ーアゾビス [ 2 - (2 -イミダゾリンー 2 -イル

) プロパン] (和光純薬社製、 八一0 6 1) と 8 0質量%の酢酸水溶液と を、 質量比 1 : 1で混合して得られたもの。

パープチル : I 6 「 I—ブチルパーオキシピバレート (日油社製) 。

[0097] (例 1)

撹拌装置付きの〇. 5リッ トルのオートクレープに、 表 1 に示す種類及び 仕込み量の単量体、 媒体及び乳化剤を入れて撹拌し、 第 1の混合液を得た。 第 1の混合液をホモジナイザーに投入して 1 8 0 0 0回転/分で 5分間、 せ ん断を掛けて分散し、 乳化液を得た。 この乳化液に、 表 1 に示す種類及び仕 込み量の重合開始剤を添加して第 2の混合液を得た。 オートクレープ内を窒 素置換し、 4 5 °◦に昇温し、 第 2の混合液中で単量体成分を 2 4時間重合さ せて含フッ素共重合体分散液を得た。 含フッ素共重合体分散液の外観、 転化 率、 含フッ素共重合体の 含フッ素共重合体の を表 1 に示す。 以下の例についても同様である。

[0098] 含フッ素共重合体分散液をイオン交換水で希 釈し、 固形分濃度を 1 0質量 %に調整して撥水撥油剤組成物を得た。

撥水撥油剤組成物を事前にアセトンで脱脂し たガラス基板の表面に塗布し \¥02020/175197 33 卩(:171?2020/005883

、 2 0 0 ° 〇で 1 0分間乾燥したものを評価用の物品とした。 ガラス基板は、

. 2 〇〇 を用い、 ガラス基板の表面への塗布は、 ディップコーター (装置 名 : 2 5 5、 速度〇. を使用した。

物品について、 上述した各液滴の接触角を測定した。 測定結果を初期撥液 性として表 1 に示す。 次いで、 物品に対し、 上記の方法に従って摩擦試験を 行い、 その後、 上述した各液滴の接触角を測定した。 測定結果を摩擦後撥液 性として表 1 に示す。 以下の例についても同様に測定結果を表 1又は表 2に 示す。

[0099] (例 2及び例 5〜例 8)

表 1、 表 2に示す種類及び仕込み量の単量体、 媒体及び乳化剤とする他は 、 例 1 と同様にして、 第 1の混合液を得、 乳化液を得た。 乳化液に、 表 1、 表 2に示す種類及び仕込み量の単量体及び重合 始剤を添加する他は、 例 1 と同様にして、 含フッ素共重合体分散液を得た。

含フッ素共重合体分散液を各例で得られたも のに変更した以外は、 例 1 と 同様にして物品を得た。 これらの物品について、 上記と同様にして初期撥液 性及び摩擦後撥液性を測定した。

[0100] (例 3及び例 4)

表 1 に示す種類及び仕込み量の単量体、 媒体及び乳化剤とし、 得られた混 合液を高圧乳化機 (装置名 : !_八巳 6 0) に投入して 4 0 1\/1 3 の圧力にて 強制乳化分散する他は例 1 と同様にして乳化液を得た。 乳化液に、 表 1の 「 乳化後仕込み」 の欄に示す種類及び仕込み量の単量体及び重 合開始剤を添加 する他は例 1 と同様にして、 含フッ素共重合体分散液を得た。 含フッ素共重 合体分散液を各例で得られたものに変更した 以外は、 例 1 と同様にして物品 を得た。 物品について、 上記と同様にして初期撥液性及び摩擦後撥液 性を測 定した。

[0101 ] (例 9) 撹拌装置付きの〇. 5リッ トルのオートクレープに、 表 2に示す種類及び 仕込み量の単量体、 媒体及び重合開始剤を添加した。 オートクレープ内を窒 素置換し、 45°〇に昇温し、 単量体成分を 24時間重合させて含フッ素共重 合体溶液を得た。 含フッ素共重合体溶液を IV! I 巳 で希釈し、 固形分濃度を 1 〇質量%に調整して撥水撥油剤組成物を得た 。 例 1 と同様にしてガラス基 板の表面に塗布し、 乾燥して評価用の物品を得た。 物品について、 上記と同 様にして初期撥液性及び摩擦後撥液性を測定 した。

[0102] (例 1 0)

例 1で得られた含フッ素共重合体分散液の 1 9を、 1 9のヘキサン及び 9 3000 「 〇1で 5 分間遠心分離した後、 固体を分離した。 得られた固体を、 固体質量の 1 〇倍 量の温水 ( 50 ° 〇 で 1 0分間洗浄し、 3000 「 で 5分間遠心分離し た後、 固体を分離した。 分離した固体を、 固体質量の 1 0倍量の丨 八 (2 5°〇 で 1 0分間洗浄し、 3000 「 で 5分間遠心分離した後、 固体を 分離して含フッ素共重合体を得た。 含フッ素共重合体を [<_225/丁1 ~ 1 = 5/5 (体積比) の混合溶媒に溶解し、 固形分濃度 1 0質量%の含フッ 素共重合体溶液を得た。 含フッ素共重合体分散液を含フッ素共重合体 溶液に 変更した以外は、 例 1 と同様にして物品を得た。 物品について、 上記と同様 にして初期撥液性及び摩擦後撥液性を測定し た。

[0103]

\¥0 2020/175197 35 卩(:17 2020 /005883

[表 1 ]

[0104]

\¥0 2020/175197 36 卩(:171? 2020 /005883

[表 2]

[0105] 表 1、 2中、 単量体 8のモル比 (%) は、 単量体成分の全モル数に対する 単量体 3の割合 (モル%) を示す。 単量体 3の後添加比率 (%) は、 単量体 3の乳化前仕込み量と乳化後仕込み量との合 (単量体 3の全質量) に対す る乳化後仕込み量の割合を示す。

乳化方法 1は、 ホモジナイザーを用い、 1 8 0 0 0回転/分で 5分間、 せ ん断を掛けて分散したことを示す。 乳化方法 2は、 高圧乳化機を用いて 4 0 M P aの圧力にて強制乳化により分散したことを す。

[0106] 単量体 8単位の割合が単量体単位の全モル数に対し 2〇〜 5 0モル%で あり、 1\/1 が 2 0 , 0 0 0〜 1 0 0 , 0 0 0であり、 が〇. 3 5〜 \¥0 2020/175197 37 卩(:17 2020 /005883

〇. 5 5である含フッ素共重合体を含む組成物で処 された例 2〜 4、 6、

1 〇の物品は、 初期の撥水撥油性及び摩擦試験後の撥水撥油 性に優れていた 2 が〇. 5 5超である含フッ素共重合体を含む組成物で 理された 例 1、 5、 8の物品は、 初期の撥水撥油性に劣っていた。

IV! が 2 0 , 0 0 0未満である含フッ素共重合体を含む組成物 処理され た例 7、 9の物品は、 摩擦試験後の撥水撥油性に劣っていた。

[0107] 例 1、 例 2、 例 3、 例 4、 例 6、 例 7の対比から、 単量体 3の一部を乳化 液に後添加して乳化重合を行うことで、 1 /\^/ 2 の値が小さくなることが確 認できた。 また、 後添加する単量体 3の割合が、 単量体 3の全質量に対して 3 0〜 7 0質量%であれば、 IV! が 2 0 , 0 0 0〜 1 0 0 , 0 0 0であり、 が〇. 3 5〜〇. 5 5である含フッ素共重合体が得られやすいこ 、 重合後の含フッ素共重合体分散系の外観が優 れること、 重合転化率を高く できること、 が確認できた。

例 1〜 9の対比から、 重合法として乳化重合を用いると、 溶液重合を用い る場合に比べて、 重合後の外観が優れること、 重合転化率を高くできること 、 の高い含フッ素共重合体が得られやすいこと が確認できた。

例 1 と例 1 0の対比から、 含フッ素共重合体を温水及び極性溶媒で洗浄 す ることで、

[0108] 図 2に、 例 1及び例 2の含フッ素共重合体の 1 ~ 1 !_ ( 3測定により得られた クロマトグラムを重ねて示す。 図 3に、 例 1及び例 3の含フッ素共重合体の 1 ~ 1 !_〇測定により得られたクロマトグラムを重 て示す。 図 4に、 例 1及 び例 4の含フッ素共重合体の 1 ~ 1 !_ ( 3測定により得られたクロマトグラムを 重ねて示す。 図 5に、 例 1及び例 1 0の含フッ素共重合体の 1 ~ 1 !_ ( 3測定に より得られたクロマトグラムを重ねて示す。

図 2〜図 5から、 単量体 3の一部を乳化液に後添加して乳化重合を行 た 例 2〜 4、 含フッ素共重合体を温水及び極性溶媒で洗浄 した例 1 0ではいず れも、 例 1 に比べて、 保持時間の比較的短い成分、 つまり 液で溶出しやす \¥02020/175197 38 卩(:171?2020/005883

い比較的高極性の成分が減少している傾向 があることが確認できた。

産業上の利用可能性

[0109] 本発明の含フッ素共重合体及びこれを含む組 成物は、 撥水撥油剤組成物、 離型剤、 剥離剤等として有用である。

なお、 2 0 1 9年 2月 2 6日に出願された日本特許出願 2 0 1 9 - 0 3 3 2 2 2号の明細書、 特許請求の範囲、 図面、 及び要約書の全内容をここに引 用し、 本発明の明細書の開示として、 取り入れるものである。