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Title:
FUEL CELL SYSTEM, FUEL CELL, VEHICLE, AND METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2021/059144
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a fuel cell that enables actual measurement of the water content therein. A fuel cell system (100) is equipped with: a fuel cell (10) that is equipped with an electrolyte membrane (1); and a spectrometer (30) that irradiates the electrolyte membrane (1) with light and detects the light emitted by the electrolyte membrane (1). The fuel cell (10) is provided with one or a plurality of windows (B1, B2) leading from the outside of the fuel cell (10) to the electrolyte membrane (1) therein. The spectrometer (30) radiates and detects said light through the windows (B1, B2).

Inventors:
TAKAMUKU SHOGO (JP)
YOSHIDA RIKIYA (JP)
OSHIKAWA KATSUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/IB2020/058863
Publication Date:
April 01, 2021
Filing Date:
September 23, 2020
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
H01M8/04119; H01M8/04492; H01M8/04746; H01M8/04828; H01M8/1018
Foreign References:
US20080118783A12008-05-22
JP2016156813A2016-09-01
US20060199270A12006-09-07
JP2008123943A2008-05-29
JP2003166937A2003-06-13
US20180358636A12018-12-13
Other References:
ATSUSHI SYOUJI ET AL: "Drying process of water in a Nafion membrane embedded in the fuel cell analyzed by coherent anti-Stokes Raman scattering spectroscopy", JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, vol. 57, no. 11, 26 September 2018 (2018-09-26), JP, pages 117101-1 - 117101-5, XP055755383, ISSN: 0021-4922, DOI: 10.7567/JJAP.57.117101
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Claims:
\¥02021/059144 卩(:17132020 /058863

16

【書類名】請求の範囲

【請求項 1】 電解質膜 (1) を備える燃料電池 (10) と、 前記電解質膜 (1) に光を照射し、前記電解質膜 ( 1) が発する光を検出する分光計 (30) と、を備え、 前記燃料電池 ( 1 0) には、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) に 通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 6 2) が設けられ、 前記分光計 (3 0) は、前記窓 ( 8 1, 6 2) を介して前記光の照射と検出を行う、 燃料電池システム ( 1 0 0) 。

【請求項 2】 前記分光計 (3 0) は、前記電解質膜 ( 1) に角振動数が異なる 2つの光 ( 1_ 3, し 13) を照 射し、前記電解質膜 ( 1) が発する 0 R 光 (し 〇) を検出する、 0八 8 分光計である、 請求項 1に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。

【請求項 3】 前記分光計 (3 0) は、 前記電解質膜 ( 1) に照射する光の焦点の位置を、 前記電解質膜 ( 1 ) 内で変更する、 請求項 1又は 2に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。

【請求項 4】 前記分光計 (3 0) による検出結果を解析して、前記電解質膜 ( 1) の湿潤状態を診断する診 断装置 ( 5 0) を備える、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。

【請求項 5】 前記燃料電池 ( 1 0) に対して送風し、前記電解質膜 ( 1) 中の水分を八 ° -ジする送風装置 (4 〇) と、 前記送風装置 (4 0) の送風量を制御する制御装置 ( 6 0) と、を備え、 \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863

17 前記制御装置 (6 0) は、前記診断装置 (5 0) による診断の結果に基づいて、前記送風量を 制御する、 請求項 4に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。

【請求項 6】 電解質膜 ( 1) を備える燃料電池 ( 1 0) であって、 前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) に通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 巳 2) を備える、 燃料電池 ( 1 0) 。

【請求項 7】 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) を備える車両 ( 2 0 0) 。

【請求項 8】 請求項 5に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) を備える車両 ( 2 0 0) であって、 前記制御装置 (6 0) は、前記電解質膜 ( 1) の湿潤状態が一定範囲内となるまで前記送風 量の制御を行う、 車両 ( 2 0 0) 。

【請求項 9】 燃料電池 ( 1 0) が備える電解質膜 ( 1) 中の水分量を制御する方法であって、 前記燃料電池 ( 1 0) には、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) に 通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 6 2) が設けられ、 分光計 (3 0) が、前記窓 (巳 1, 巳 2) を介して前記電解質膜 ( 1) に光を照射し、前記電 解質膜 ( 1) が発する光を検出するステップと、 診断装置 (5 0) が、前記分光計 (3 0) による検出結果を解析して、前記電解質膜 ( 1) 中 の湿潤状態を診断するステップと、 制御装置 (6 0) が、送風装置 (4 0) により前記燃料電池 ( 1 0) に対して送風する送風量 を、前記診断装置 (5 0) による診断の結果に基づいて制御するステップと、 \¥0 2021/059144 卩(:17162020 /058863

18 を含む方法。

Description:
【書類名】明細書

【発明の名称】燃料電池システム、燃料電 池、車両及び方法 【技術分野】

[ 0 0 0 1 ] 本発明は、燃料電池システム、燃料電池、車 両及び方法に関する。

【背景技術】

[ 0 0 0 2 ] 固体高分子電解質型の燃料電池 (P E F C : Polymer Electrolyte Fuel Cell) は、電解質膜 を湿潤状態に保つため加湿が必要である一方 、発電時には電解質膜から水が生成される。 そのため、発 電状況によって燃料電池内の水分量が変動す る。

【0 0 0 3】 このような P E F Cが搭載される車両では、当該車両の運転停 時に過剰な水分が燃料電池内に 残っていると、低温下で凍結した氷が次回の 運転開始時に電解質膜と燃料ガスの接触を妨 げ、発電を 阻害することがある。また、氷によって電解 質膜に隣接する電極の剥がれ又は破損が生じ ることがある。そ のため、例えば、車両の運転停止時等(こ送 風によって過剰な水分をパ-ジすることが行 れる。

【0 0 0 4】 従来は、車両の運転状況から燃料電池内の水 分量を谁測し、推測した水分量から必要なパ -ジ量 を計算していた (例えば、特許文献 1参照) 。

【先行技術文献】

【特許文献】

[ 0 0 0 5 ]

【特許文献 1】米国特許第 2 0 0 7 / 0 2 9 8 2 8 9号明細書 【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

[ 0 0 0 6 ] \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863

2 しかしながら、推測による水分量に応じた八 -ジの制御では、推測による水分量と実際の 分量とに差 が生じることにより、送風の過不足が生じ、 風不足の場合は水分の八 ° -ジが十分でなぐ過剰な送風は電 解質膜を過剰に乾燥させるとともに送風装置 を稼働させる電気エネルギーの消費を増カロ させるため、燃料 電池の発電効率が低下する可能性がある。

[ 0 0 0 7 ] 本発明は、内部の水分量を実測できる燃料電 池を提供することを目的とする。

【課題を角军決するための手段】

【0008 】 本発明の一態様の燃料電池システム ( 1 0 0) は、電解質膜 ( 1) を備える燃料電池 ( 1 0) と 、前記電解質膜 ( 1) に光を照射し、前記電解質膜 ( 1) が発する光を検出する分光計 (3 0) と 、を備え、前記燃料電池 ( 1 0) には、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1 ) に通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 巳 2) が設けられ、前記分光計 (3 0) は、前記窓 (日 1, 巳 2) を介して前記光の照射と検出を行う。

[ 0 0 0 9 ] 本発明の他の一態様の燃料電池 ( 1 0) は、電解質膜 ( 1) を備える燃料電池 ( 1 0) であっ て、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) (こ通じる 1又は複数の窓 (巳 1 , 巳 2) を備える。

[0010 】 本発明の他の一態様の車両 ( 2 0 0) は、上記燃料電池システム (1 0 0) を備える。

【0011 】 本発明の他の一態様の方法は、燃料電池 ( 1 0) が備える電解質膜 ( 1) 中の水分量を制御す る方法であって、前記燃料電池 ( 1 0) (こは、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質 膜 ( 1) に通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 6 2) が設けられ、分光計 (3 0) が、前記窓 (巳 1, 巳 2) を介して前記電解質膜 ( 1) に光を照射し、前記電解質膜 ( 1) が発する光を検出するステツ プと、診断装置 (5 0) が、前記分光計 (3 0) による検出結果を解析して、前記電解質膜 ( 1) \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863

3 中の湿潤状態を診断するステップと、制御装 置 (6 0) が、送風装置 (4 0) により前記燃料電池

( 1 0) に対して送風する送風量を、前記診断装置 (5 0) による診断の結果に基づいて制御するス テップと、を含む方法。

【発明の効果】

[0012 】 本発明によれば、内部の水分量を実測できる 燃料電池の提供が可能である。

【図面の簡単な説明】

【0 0 1 3】

【図 1】本実施形態の燃料電池システムの構成例 示すブロック図である。

【図 2】本実施形態の燃料電池の外観を示す斜視 である。

【図 3】ケ-シングを取り外した燃料電池の内部を す斜視図である。

【図 4】燃料電池のセルを示す斜視図である。

【図 5】 0 6 分光計の構成例を示すブロック図である。

【図 6】燃料電池内の水分量の計算に使用される ファレンスデ-夕の一例を示すグラフである

【図 7】燃料電池システムが燃料電池の水分量を 御するときの処理手順、を示すフローチヤ トであ る。

【発明を実施するための形態】

【0 0 1 4】 以下、本発明の燃料電池システム、燃料電池 、車両及び方法の実施形態の例について、図 面を参 照して説明する。以下に説明する構成は、本 発明の一実施態様としての一例 (代表例) であり、本発 明は以下に説明する構成に限定されない。

[0 0 1 5] 下記実施形態では、車両に搭載され、車両の 駆動電力を供給する燃料電池システムの例を 説明する が、車両での電力供給以外にも、移動体の発 電システム、定置発電システム等にも本発明 を適用できる \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863

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[ 0 0 1 6 ] 図 1は、本発明の一実施形態の燃料電池システ 1 0 0の構成例を示す。 図 1に示すように、燃料電池システム 1 0 0は、燃料電池 1 0、分光計 3 0、送風装置 4 0、診断 装置 5 0及び制御装置 6 0を備える。本実施形態の燃料電池システム 1 0 0は、車両 2 0 0に搭載 される。

[ 0 0 1 7】 燃料電池システム 1 〇 0は、燃料電池 1 0に対して送風装置 4 0により送風することで燃料電池 1 0 内の水分、例えば、カツ-ド側のガス流路内 水分をパ-ジすることができる。パ-ジ量は送 風量が多い ほど増加し、送風量は燃料電池 1 0内の水分量に応じてフイ-ドパック制御され 。具体的には、分光 計 3 0が燃料電池 1 0内の水分を検出し、その検出結果に基づい 診断装置 5 0が水分量を計算 する。制御装置 6 0は、計算された水分量に基づいて送風装置 4 0の送風量を制御する。

【0 0 1 8】

(燃料電池) 図 2は、本発明の一実施形態の燃料電池 1 0の外観を示す。 図 2に示すように、燃料電池 1 0は、スタック 1 0 3及びケーシング 1 0 13を備える。スタック 1 0 3は 、周囲をケーシング 1 〇 13に覆われて封止されている。

[ 0 0 1 9】 図 3は、ケ-シング 1 0 13を取り除いた燃料電池 1 0の内部を示す。 図 3に示すように、スタック 1 0 3は、一列に重ねられたプレート状の複数の ル 1 1からなる。セル 1 1 は、周囲をシーリングゴム 1 2によって覆われ、封止されている。

[ 0 0 2 0 ] 図 4は、セル 1 1の構成例を示す。 図 4に示すように、セル 1 1は、電解質膜 1、 1対の電極 2及び 1対のセパレ-夕 4を備える。 1対の 電極 2及び 1対のセパレ-夕 4は電解質膜 1を挟むように配置され、電解質膜 1の両側にそれぞれ電 極 2及びセ八 °レ-夕 4が積層されている。電解質膜 1と 1対の電極 2の積層体は、膜電極接合体 (1\^

E A : Membrane Electrode Assembly) と呼ばれている。

【0 0 2 1】 セル 1 1の電解質膜 1、 電極 2及びセパレ-夕 4は、 z方向に積層される。電解質膜 1及び電極 2 の積層方向 ( z方向) を中心とする周縁部はセパレータ 4で覆われていない。そのため、シーリング ム 1 2 が、セル 1 1の積層方向を中心とする周縁部を覆い、 電解質膜 1及び電極 2の露出を防いでいる。

[ 0 0 2 2 ] スタック 1 0 aにおいて、複数のセル 1 1は電解質膜 1、 電極 2及びセパレ-夕 4の積層方向と同じ z 方向に重ねられる。 X方向及び y方向は、セル 1 1の面内で互いに z方向に直交する方向である。

【 0 0 2 3】 電解質膜 1は、イオン伝導性の高分子電解質の膜であ 。電解質膜 1としては、例えばナフィオン ( 登録商標) 、アクイヴィオン (登録商標) 等の八-フルオ □スルホン酸ポリマ- ; スルホン化ポリエ-テルエ- テルケトン (S P E E K) 、スルホン化ポリイミド等の芳香族系ポリマ - ; ポリビニルスルホン酸、ポリビニル リン酸等の脂肪族系ポリマ-等が挙げられる

【 0 0 2 4】 電解質膜 1は、 耐久性向上の観点か S、 多孔質基材に高分子電解質を含浸させた複合 膜であって もよい。多孔質基材としては、 高分子電解質を担持できるのであれば特に限 定されず、 多孔質、織布状 、不織布状、 フィブリル状等の膜を用いることができる。 多孔質基材の材料としても特に限定されない が、 イオン伝導性を高める観点から、上述したよ うな高分子電解質を用いることができる。な かでも、フッ素系 ポリマーであるポリテトラフルオ □エチレン、ポリテトラフルオ □エチレンーク □ □トリフルオ □エチレン共重合体、ポ リク □ □トリフルオ □エチレン等は、強度及び形状安定性に優れ る。

[ 0 0 2 5 ]

1対の電極 2のうち、 一方の電極 2はアノ-ドであり、燃料極とも呼ばれる。他 の電極 2はカソ-ドで あり、空気極とも呼ばれる。燃料ガスとして 、 アノードには水素ガスが供給され、カソード には酸素ガスを含む 空気が供給される。 図 4中、黒色の矢印は水素ガスを表し、 白色の矢印は空気を表す。 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863

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[ 0 0 2 6 ] アノードでは、セパレータ 4を介して供給された水素ガス (1 ~ 1 2 ) から電子 (6一) とプロトン (1 ~ 1 + ) を 生成する反応が生じる。電子は、図示しない 外部回路を経由してカソードへ移動する。こ の電子の移動に より外部回路では電流が発生する。プロトン は電解質膜 1を経由してカソ-ドへ移動する。

[ 0 0 2 7 ] カソ-ドでは、セパレ-夕 4を介して酸素ガス (0 2 ) が供給され、外部回路から移動してきた電子 により 酸素イオン (〇 2 — ) が生成される。酸素イオンは、電解質膜 1から移動してきたプロトン ( ㈠十) と結 合して、水 (1·! 2 0) になる。

【0 0 2 8】 電極 2は、触媒層 2 1を備える。本実施形態の電極 2は、燃料ガスの拡散性向上のため、さ 6にガス 拡散層 2 2を備える。

[ 0 0 2 9 ] 触媒層 2 1は、触媒によって水素ガス及び酸素ガスの 応を促進する。触媒層 2 1は、触媒と、触 媒を担持する担体及びこれらを被覆するアイ オノマーを含む。 触媒としては、例えば白金 ( 七) 、ルテニウム (R u) 、イリジウム ( I 「) 、ロジウム ( ) 、パ ラジウム ( 〇1) 、タングステン 等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙 げられる。なかでも、 触媒活性、 _酸化炭素に対する耐被毒性、耐熱性等の観 から、 白金、 白金を含む混合物、合金 等が好ましい。

【0 0 3 0】 担体としてはメソポ-ラスカ-ボン、 セブラック等の細孔を有する導電性の多孔性 金属化合物が挙げ られる。分散性が良好で表面積が大きく、触 媒の担持量が多い場合でも高温での粒子成長 が少ない観 点からは、メソポーラスカーボンが好ましい 。 アイオノマーとしては、後述する電解質膜 1と同様のイオン伝導性の高分子電解質を使 することがで ぎる。

【0 0 3 1】 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863

7 ガス拡散層 2 2は、セパレ-夕 4を介して供給された燃料ガスを触媒層 2 1に均一に拡散することがで きる。ガス拡散層 2 2としては、例えば導電性、ガス透過性及び ス拡散性を有する力-ボン繊維等の多 孔性繊維シ-卜の他、発泡金属、エキスパン メタル等の金属板等を用いることができる

【0 0 3 2】 セ八 °レ-夕 4は、ガスの流路 4 3を形成する複数のリブ 4 匕が表面に設けられたプレ-卜であり、パ ' イボ-ラ プレートとも呼ばれる。リブ 4 13はセパレータ 4の両面に設けられ、一方の表面上のリブ 4 匕は 方向に直 線状に延び、他方の表面上のリブ 4 13はソ方向に直線状に延びる。

【0 0 3 3】 セ八 ° レ-夕 4の材料としては、一般的に金属が用いられ 。例えば、軽量化の観点からは力-ボン等が い 6れ、厚みを薄くする観点からはステンレス 等が用いられる。

【0 0 3 4】

(窓) 燃料電池 1 〇は、ケーシング 1 0 に設けられた窓巳 1と、シーリングゴム 1 2に設けられた窓巳 2と、 を備える。各窓巳 1及び巳 2は、燃料電池 1 0の外部から当該燃料電池 1 0内部の電解質膜 1に 通じる。分光計 3 0は、この窓巳 1及び巳 2を介して燃料電池 1 0の内部に位置する電解質膜 1にレ -ザー光を照射できるとともに、照射によっ 電解質膜 1から発生した光を検出することができる。

【0 0 3 5】 窓巳 1及び 8 2は、電解質膜 1、電極 2及びセ八 °レ-夕 4の積層方向、すなわち å方向に直交する X 方向において、電解質膜 1と対向する位置に酉己置される。なお、窓 1及び巳 2は、 å方向に直交す るソ方向において電解質月莫 1と対向する位置に酉己置されてもよい。こ ように、積層方向 方向) を 中心とする積層体の周縁部側に窓 8 1及び日 2を配置することにより、分光計 3 0は電解質膜 1に対 して直接光を照射し検出することができる。

【0 0 3 6】 図 2に示すように、分光計 3 0が燃料電池 1 0と離れて配置された場合でも燃料電池 1 0を封止で きるように、本実施形態の窓巳 1及び日 2は、ガラスプレ-卜が設けられた開口部であ が、燃料電池 1 0 を封止できるのであれば、ガラス以外の光を 通す素材で構成されるプレ-卜等が開口部に けられてもよ いし、プレート等が設けられない単なる開口 部であってもよい。

【0 0 3 7】 例えば、ガラスプレ-卜がない開口部である B 1及び B 2を介して、分光計 3 0をシ-リングゴム 1 2 の内部に挿入して電解質膜 1と対向させ、かつ分光計 3 0の外壁が窓 B 1及び B 2の内壁と接して窓 B 1及び B 2の開口を塞ぐことにより、燃料電池 1 0を封止することができる。この場合、分光 3 0の 位置も固定でき、水分測定の安定性を向上さ せることができる。

【0 0 3 8】

(分光計) 分光計 3 0は、電解質膜 1に光、例えばレ-ザ-光を照射し、照射による 反射光、散乱光、及び発 光等の電解質膜 1が発した光を検出することによって、電解 膜 1の水分を検出する。分光計 3 0は、 この光の照射と検出を窓 B 1及び B 2を介して行う。

【0 0 3 9】 なお、図 2に示、すように、分光計 3 0を電角军質 B莫 1と対向する位置に酉己置して、電角军質膜 1に ¾寸して 光を直接照射してもよいし、分光計 3 0と電解質膜 1間 (こ光ファイバ ' -等の導波路を設け、当該導波 3各を介して分光計 3 0からの光を照射するよう (こしてもよい。

【0 0 4 0】 分光計 3 0の分光分析法としては、例えばコヒーレン 反ストークスラマン散舌し ( C A R S : Coherent Anti-Stokes Raman Scattering) 法、ラマン分光法、赤外分光法 ( I R : I nfrared Spectroscopy) 、及び F 「 - I R (Fourier Transform I nfrared Spectros copy) 法等が挙げられる。

【0 0 4 1】 なかでも、分光計 3 0は、 C A R S法により測定を行う C A R S分光計であることが好ましい。 C A R

5 分光計は、ラマン分光法等の他の分光分析法 に比ベて水に対する感度が高く、微量の水分 も精度 良く検出することができる。また、 0八 R 5分光計は時間分解能が高い。例えば、中性 検出器の時間 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863

9 分解能では水分の検出に 分光計は約〇. 1秒で検出が可能であり

、運転中に常に変動する燃料電池 1 0の水分量をリアルタイムに測定することが 能になる。

【0 0 4 2】

0 8 分光計は、電解質膜 1に角振動数が異なる 2つの光を照射し、電解質膜 1から発生する 0 八 8 £光を検出する。

【0 0 4 3】 図 5は、 0 8 5分光計の構成例を示す。 図 5に示すように、 0 8 分光計は、チタンサファイヤレーザー等の光 源 3 1からのレーザ-光を、光分 岐器 3 2により分岐する。分岐した一方の光は遅延 路 3 3に導びかれ遅延させられた後、角振動数 のポンプ光し 3としてプロ-ブ 3 5に導かれる。分岐した他方の光はフォトニ ク結晶ファイバ-等の変換 器 3 4に導かれた後、角振動数 のスト-クス光し 匕としてポンプ光 1_ 3と合流し、プロ-プ 3 5に導か れる。なお、光は光ファイバー、導波路等に よって導くことができる。

【0 0 4 4】 ポンプ光し 3及びストークス光 1_ 13は、プローブ 3 5によってサンプル に照射され、サンプル からの散 乱光のうち、角振動数が なお、図 5は一例を示し、 0八 8 分光計の構成はこれに限定されない。

【0 0 4 5】 分光計 3 0は、電解質膜 1に照射する光の焦点位置を変更することで 光が照射される X方向にお いて任意の位置の水分を検出することができ る。

【0 0 4 6】 焦点位置を変更する場合、窓 8 1及び 8 2の 方向におけるサイズを拡大し、分光計 3 0を 方向 に移動するか、又は X方向に対する分光計 3 0から照射する光の角度を傾、斜させる構成 あってもよい。 この構成によれば、分光計 3 0が電解質膜 1に照射する光の焦点位置を、 X ゾ平面上、すなわち電解 質膜 1の面内で変更することができる。

【0 0 4 7】 すなわち、電解質膜 1の内部の任意の位置で水分を検出すること 可能になる。診断装置 5 0は、 検出器 3 6により実際に検出された C A R S光 L cに基づいて、電解質膜 1内の異なる位置における 水分量を計算することができるので、膜内( こおける水分量のばらつき、及び複数位置で 計算された水分量 の平均値等を求めることができる。これら統 計は送風による水分のパ-ジ状況の解析等に いることができ る。

【0 0 4 8】

(送風装置) 送風装置 4 0は、燃料電池 1 0に対して送風するファン等である。送風に り、電解質膜 1中の水 分を八 ° -ジすることができる。送風装置 4 0は、例えばセパレ-夕 4の空気のガス供給口 4 c付近に配置 され、このガス供給口 4 cを介してセル 1 1内部に空気を送り込む。

【0 0 4 9】 分光計 3 0は、燃料ガスのガス供給口 4 cか、又はガス排出口付近に配置されること 好ましい。ガス 排出口付近はガス供給口 4 cに比べて水分が多くなりやすいため、水分 パージする場合の分光計 3 0 はガス排出口付近に配置されることが好まし い。

[ 0 0 5 0 ]

(診断装置) 診断装置 5 0は、分光計 3 0による検出結果を解析して、電解質膜 1中の水分量を計算すること で、電解質膜 1中の湿潤状態を診断する。

[ 0 0 5 1】 診断装置 5 0の計算方法は特に限定されないが、例えば ファレンスデ-夕を用いて水分量を計算する ことができる。リファレンスデ-夕は、既知 水分量に対し、分光計 3 0により検出された光の強度が関連 付けられたデ-夕である。 C A R S分光計により検出される光の強度は、水分 の 0 - H結合の振動に 起因するピークの強度又は面積として求める ことができる。

[ 0 0 5 2 ] 図 6は、 リファレンスデータの一例を示す。 図 6に示すように、 リファレンスデータは、水分子の光の強度 P i に対する水分量 K wを表す。例えば、 診断装置 5 0は、分光計 3 0により得られる光のスペクトルを解析して 水分子由来のピ-クを抽出し、 そのピークの強度 P 1を求める。診断装置 5 0は、 リファレンスデータからピークの強度 P 1(こ対応する水分 量 K 1を取得することができる。

【 0 0 5 3】

(制御装置) 制御装置 6 0は、診断装置 5 0により計算された水分量に基づいて、送風 置 4 0の送風量を制 御する。制御装置 6 0は、例えば電子制御ユニット ( E C U : Engine Control Unit) である。

【 0 0 5 4】 具体的(こは、制御装置 6 0は、計算された水分量を閾値と比較し、 閾値を超える場合は閾値を超え る水分量、すなわち計算された水分量と閾値 との差に応じて送風量を決定する。制御装置 6 0は、例え ば、 閾値を超える水分量を八 ° -ジするのに必要な送風量の関係式を実験的 求めておき、その関係式を 用いて送風量を計算するようにしてもよいし 、 閾値を超える水分量に対してあらかじめ計算 された送風量が 定められたテーブルから送風量を取得するよ うにしてもよい。

[ 0 0 5 5 ] また、制御装置 6 0は、例えば、一定の送風量を送風する送風 置を 0 N - 0 F F制御する構成 でもよい。 0 N - 0 F F制御において、制御装置 6 0は、計算された水分量が閾値を超える場合 は送 風状態に制御し、水分量が閾値を下回る場合 には非送風状態に制御する。この場合、送風 状態の継 続時間を制御することで水分の八 ° -ジ量を制御できる。

[ 0 0 5 6 ]

(水分の制御処理) 燃料電池システム 1 0 0は、上述した電解質膜 1の水分量の測定と過剰な水分のパ-ジを一定 隔で又は任意のタイミングで行うことができ る。低温下での凍結による発電性能低下を防 ぐ観点からは、 燃料電池システム 1 〇 0は、 電源スイッチのオフに応じて車両 2 0 0の運転システムを停止する前に過乗 1J な水分の八 ° -ジを行うことが好ましい。 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863

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[ 0 0 5 7 ] 図 7は、燃料電池システム 1 0 0が水分を制御するときの処理例として、シ テム停止前に行うフィード パック制御の処理手順を示す。

【0 0 5 8】 図 7に示すように、燃料電池システム 1 0 0において、 ドライバの操作により車両 2 0 0の電源スイッチ のオフの信号が制御装置 6 0に入力されると (ステップ 3 1 : 丫巳 3) 、制御装置 6 0は分光計 3 0 と診断装置 5 0に水分の測定を指示する。この指示に従い 分光計 3 0は、電解質膜 1中の水の検 出を行う (ステップ 5 2) 。診断装置 5 0は、分光計 3 0の検出結果に基づいて水分量を計算する ( ステップ 5 3) 。

[ 0 0 5 9 ] 計算された水分量が閾値以下である場合 (ステップ 5 4 : N 0) 、制御装置 6 0は、水分が過剰 でないため、水分の八 ° -ジは行わずに車両 2 0 0の運転システムを停止する (ステップ 5 9) 。 一方、計算された水分量が閾値を超える場合 (ステップ 4 : 丫 ) 、制御装置 6 0は、水分 量が過剰であるため、計算された水分量と閾 値との差分に応じて送風量を決定し、送風装 置 4 0に送 風を指示する。送風装置 4 0は、指示された送風量で送風し、水分をパ- する (ステップ 5) 。

[ 0 0 6 0 ] 送風の開始から _定時間後、制御装置 6 0は分光計 3 0と診断装置 5 0に水分の測定を指示す る。分光計 3 0は、電解質膜 1中の水分の検出を行う (ステップ £ 6) 。診断装置 5 0は、分光計 3 0の検出結果に基づいて水分量を計算する (ステップ 3 7) 。

[ 0 0 6 1】 制御装置 6 0は、計算された水分量が閾値を超えて過剰 あれば (ステップ 5 8 : 丫已 5) 、ステッ ブ 5の処理に戻り、ステップ 5 5 ~ 5 8の処理を繰り返す。すなわち、測定された 分量が閾値以下 になるまで送風が継続して行われる。送風に より、計算された水分量が閾値以下まで減る と (ステップ 8 : 0) 、制御装置 6 0は車両 2 0 0の運転システムを停止する (ステップ 9) 。

[ 0 0 6 2 ] \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863

13 このように、運転システムの停止前にフイー ドパック制御によって過剰な水分を八 ° -ジすることにより、電解 質膜 1の湿潤状態を一定範囲内に保つことができ 次回の運転システムの始動時に燃料電池 1 0の 正常な発電を保証することができる。分光計 3 0が 0 6 分光計である場合は、水分の測定時間が 短く、運転システムの停止前の八 ° -ジを速やかに行うことが可能である。

【0 0 6 3】 以上のように、本実施形態の燃料電池 1 0は、ケ-シング 1 0 [3及びシ-リングゴム 1 2等の封止材 に外部から内部の電解質膜 1に通じる窓 8 1及び日 2が設けられるため、外部から電解質膜 1に直接 光を照射して電解質膜 1からの光を取り出すことができる。したが て、分光計 3 0による水分量の実測 が可能になる。

【0 0 6 4】 また、本実施形態の燃料電池システム 1 0 0によれば、電解質膜 1中の水分を分光計 3 0により検 出して、その水分量を診断装置 5 0により計算することができる。運転状況に って水分を谁測するので はなく、水分量を実測するため、水分量の検 出精度を高めることができる。検出精度が高 いと、水分を八 ° -ジするための送風装置 4 0の送風量も正確に決定することができ、送 装置 4 0を効率的に駆動する ことができる。ひいては、燃料電池 1 0の発電効率が向上する。

[ 0 0 6 5 ] 固体高分子型の燃料電池の電解質膜は、本実 施形態の燃料電池 1 0と同様に、電極及びセパレ -夕によって挟まれ、周囲を封止されている とが一般的である。電解質膜の水分量をレ- -光による分 光分析によって測定しようとすると、封止材 によってまずレーザー光が遮られる。また、 セパレータ及び電極の 素材は力-ボンが使用されることが多い。力- ンは黒色であり、 レ-ザ-光が吸収されるため、電解質膜ま でレーザー光を到達させることが難しい。 X線による分光分析の場合も、セ八 °レ-夕の素材が金属であるため

、同様に電解質膜への X線照射が難しい。

[ 0 0 6 6 ] \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863

14 中性子検出器を用いれば、電解質膜中の水分 の分析が可能かもしれないが、中性子検出器 は時間 分解能が低い。水分の検出に 1 0秒以上要することが予想され、燃料電池の 分量をフイ-ドパ ' ック制 御するには、十分な時間分解能とはいえない 。

[ 0 0 6 7 ] これに対し、本実施形態の燃料電池 1 0は、封止されながらも窓巳 1及び巳 2によってレ-ザ-光を電 解質膜 1まで到達させることができ、谁測ではなく 測が可能である。 さらに、分光計 3 0として、水分の検出精度及び検出の時間分 能が高い 0 R 5分光計を使用 すれば、車両 2 0 0のように運転状況によって水分量が変動し すい移動体に搭載された燃料電池 1 0 においても精度の高いフイ-ドパック制御が 能である。

【0 0 6 8】 以上、本発明の好ましい実施形態について説 明したが、本発明は、これらの実施形態に限 定されず、 その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可 能である。

[ 0 0 6 9 ] 例えば、上記実施形態ではケ-シング 1 0 [3とシ-リングゴム 1 2の 2つの封止材により燃料電池 1 0 が封止されていたため、 2つの窓巳 1及び巳 2が設けられたが、 1つの封止材の場合は 1つの窓でよい。

[ 0 0 7 0 ] また、上記実施形態では、ケーシング 1 0 匕とシーリングゴム 1 2に窓巳 1及び巳 2を 1つずつ設けて、 水分量を検出する対象を 1つのセル 1 1としているが、複数のセル 1 1を対象としてもよい。例えば、複数 のセル 1 1の各電解質膜 1と対向する位置に複数の窓 8 1及び 2が設けられた構成でもよい。また、 各電解質膜 1と対向するように 1つの窓巳 1及び巳 2の å方向のサイズを拡大して、複数のセル 1 1に ついて水分量を検出できる構成であってもよ い。

[ 0 0 7 1 ] 複数のセル 1 1を水分の検出対象とする場合、分光計 3 0をセル 1 1が重なる方向 ( å方向) に 移動させてセル 1 1の電解質膜 1と対向する位置に酉己置するようにしても い。また、各窓巳 1及び巳 2 を介して、分光計 3 0と各セル 1 1の電解質膜 1間に光を導く導光路が設けられてもよい。 \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863

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[ 0 0 7 2 ] また、診断装置 5 0は、複数のセル 1 1について測定された水分量を平均し、平均 た水分量を各セ ル 1 1の水分量の代表·(直として制掏]装置 6 0(こ提供してもよい。

[ 0 0 7 3 ] 上記実施形態では、水分をパ-ジする送風量 制御していたが、 電解質膜 1の乾燥防止のため水分 を供給し、その供給量を制御する場合にも本 発明を適用することができる。例えば、加湿 した空気を供給 する加湿器等の電解質膜 1に水を供給する供給装置が設けられている 合、 電解質膜 1中の水分量 を測定することで、制御装置 6 0が目的の水分量に対する過不足を判断し、 給装置からの水の供給 量をフイードパック制御することができる。 水のパージと供給のいずれもフイードパック 芾 I]御することにより、 電解 質膜 1 中の湿潤状態を常に一定範囲内に維持するこ とができる。

[ 0 0 7 4 ] 水分を供給する場合、ガス供給口 4 〇付近はガス排出口に比べて水分が少なくな りやすく、 電解質 膜 1の乾燥状態が分かりやすい。よって、水分 供給する場合の分光計 3 0はガス供給口 4 〇付近に 配置されることが好ましい。

【符号の説明】

[ 0 0 7 5 ]

1 0 0 . · · 燃料電池システム、 1 0 · · · 燃料電池、 1 0 3 .. · スタック、 1 0 匕 · ..ケーシング、 1 1 · · . セル、 1 2 ...シーリングゴム、 1 . · · 電解質膜、 2 . · · 電極、 4 . · · セパレ-夕、 4 〇 . · · ガス供給口、 3 〇 · · ·分光計、 4 0 · · ·送風装置、 5 0 · · ·診断装置、 6 0 · · ·制御装置、 2 0 0 · · ·車両