WO/1999/016139 | METHOD AND DEVICE FOR COOLING FUEL CELLS |
WO/2023/121994 | GEOTHERMAL HEAT EXTRACTOR |
WO/2023/274636 | VALVE DEVICE FOR A FUEL CELL |
YOSHIDA RIKIYA (JP)
OSHIKAWA KATSUHIKO (JP)
US20080118783A1 | 2008-05-22 | |||
JP2016156813A | 2016-09-01 | |||
US20060199270A1 | 2006-09-07 | |||
JP2008123943A | 2008-05-29 | |||
JP2003166937A | 2003-06-13 | |||
US20180358636A1 | 2018-12-13 |
\¥02021/059144 卩(:17132020 /058863 16 【書類名】請求の範囲 【請求項 1】 電解質膜 (1) を備える燃料電池 (10) と、 前記電解質膜 (1) に光を照射し、前記電解質膜 ( 1) が発する光を検出する分光計 (30) と、を備え、 前記燃料電池 ( 1 0) には、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) に 通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 6 2) が設けられ、 前記分光計 (3 0) は、前記窓 ( 8 1, 6 2) を介して前記光の照射と検出を行う、 燃料電池システム ( 1 0 0) 。 【請求項 2】 前記分光計 (3 0) は、前記電解質膜 ( 1) に角振動数が異なる 2つの光 ( 1_ 3, し 13) を照 射し、前記電解質膜 ( 1) が発する 0 R 光 (し 〇) を検出する、 0八 8 分光計である、 請求項 1に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。 【請求項 3】 前記分光計 (3 0) は、 前記電解質膜 ( 1) に照射する光の焦点の位置を、 前記電解質膜 ( 1 ) 内で変更する、 請求項 1又は 2に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。 【請求項 4】 前記分光計 (3 0) による検出結果を解析して、前記電解質膜 ( 1) の湿潤状態を診断する診 断装置 ( 5 0) を備える、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。 【請求項 5】 前記燃料電池 ( 1 0) に対して送風し、前記電解質膜 ( 1) 中の水分を八 ° -ジする送風装置 (4 〇) と、 前記送風装置 (4 0) の送風量を制御する制御装置 ( 6 0) と、を備え、 \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863 17 前記制御装置 (6 0) は、前記診断装置 (5 0) による診断の結果に基づいて、前記送風量を 制御する、 請求項 4に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) 。 【請求項 6】 電解質膜 ( 1) を備える燃料電池 ( 1 0) であって、 前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) に通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 巳 2) を備える、 燃料電池 ( 1 0) 。 【請求項 7】 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) を備える車両 ( 2 0 0) 。 【請求項 8】 請求項 5に記載の燃料電池システム ( 1 0 0) を備える車両 ( 2 0 0) であって、 前記制御装置 (6 0) は、前記電解質膜 ( 1) の湿潤状態が一定範囲内となるまで前記送風 量の制御を行う、 車両 ( 2 0 0) 。 【請求項 9】 燃料電池 ( 1 0) が備える電解質膜 ( 1) 中の水分量を制御する方法であって、 前記燃料電池 ( 1 0) には、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) に 通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 6 2) が設けられ、 分光計 (3 0) が、前記窓 (巳 1, 巳 2) を介して前記電解質膜 ( 1) に光を照射し、前記電 解質膜 ( 1) が発する光を検出するステップと、 診断装置 (5 0) が、前記分光計 (3 0) による検出結果を解析して、前記電解質膜 ( 1) 中 の湿潤状態を診断するステップと、 制御装置 (6 0) が、送風装置 (4 0) により前記燃料電池 ( 1 0) に対して送風する送風量 を、前記診断装置 (5 0) による診断の結果に基づいて制御するステップと、 \¥0 2021/059144 卩(:17162020 /058863 18 を含む方法。 |
【発明の名称】燃料電池システム、燃料電 池、車両及び方法 【技術分野】
[ 0 0 0 1 ] 本発明は、燃料電池システム、燃料電池、車 両及び方法に関する。
【背景技術】
[ 0 0 0 2 ] 固体高分子電解質型の燃料電池 (P E F C : Polymer Electrolyte Fuel Cell) は、電解質膜 を湿潤状態に保つため加湿が必要である一方 、発電時には電解質膜から水が生成される。 そのため、発 電状況によって燃料電池内の水分量が変動す る。
【0 0 0 3】 このような P E F Cが搭載される車両では、当該車両の運転停 時に過剰な水分が燃料電池内に 残っていると、低温下で凍結した氷が次回の 運転開始時に電解質膜と燃料ガスの接触を妨 げ、発電を 阻害することがある。また、氷によって電解 質膜に隣接する電極の剥がれ又は破損が生じ ることがある。そ のため、例えば、車両の運転停止時等(こ送 風によって過剰な水分をパ-ジすることが行 れる。
【0 0 0 4】 従来は、車両の運転状況から燃料電池内の水 分量を谁測し、推測した水分量から必要なパ -ジ量 を計算していた (例えば、特許文献 1参照) 。
【先行技術文献】
【特許文献】
[ 0 0 0 5 ]
【特許文献 1】米国特許第 2 0 0 7 / 0 2 9 8 2 8 9号明細書 【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
[ 0 0 0 6 ] \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863
2 しかしながら、推測による水分量に応じた八 -ジの制御では、推測による水分量と実際の 分量とに差 が生じることにより、送風の過不足が生じ、 風不足の場合は水分の八 ° -ジが十分でなぐ過剰な送風は電 解質膜を過剰に乾燥させるとともに送風装置 を稼働させる電気エネルギーの消費を増カロ させるため、燃料 電池の発電効率が低下する可能性がある。
[ 0 0 0 7 ] 本発明は、内部の水分量を実測できる燃料電 池を提供することを目的とする。
【課題を角军決するための手段】
【0008 】 本発明の一態様の燃料電池システム ( 1 0 0) は、電解質膜 ( 1) を備える燃料電池 ( 1 0) と 、前記電解質膜 ( 1) に光を照射し、前記電解質膜 ( 1) が発する光を検出する分光計 (3 0) と 、を備え、前記燃料電池 ( 1 0) には、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1 ) に通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 巳 2) が設けられ、前記分光計 (3 0) は、前記窓 (日 1, 巳 2) を介して前記光の照射と検出を行う。
[ 0 0 0 9 ] 本発明の他の一態様の燃料電池 ( 1 0) は、電解質膜 ( 1) を備える燃料電池 ( 1 0) であっ て、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質膜 ( 1) (こ通じる 1又は複数の窓 (巳 1 , 巳 2) を備える。
[0010 】 本発明の他の一態様の車両 ( 2 0 0) は、上記燃料電池システム (1 0 0) を備える。
【0011 】 本発明の他の一態様の方法は、燃料電池 ( 1 0) が備える電解質膜 ( 1) 中の水分量を制御す る方法であって、前記燃料電池 ( 1 0) (こは、前記燃料電池 ( 1 0) の外部から内部の前記電解質 膜 ( 1) に通じる 1又は複数の窓 (巳 1, 6 2) が設けられ、分光計 (3 0) が、前記窓 (巳 1, 巳 2) を介して前記電解質膜 ( 1) に光を照射し、前記電解質膜 ( 1) が発する光を検出するステツ プと、診断装置 (5 0) が、前記分光計 (3 0) による検出結果を解析して、前記電解質膜 ( 1) \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863
3 中の湿潤状態を診断するステップと、制御装 置 (6 0) が、送風装置 (4 0) により前記燃料電池
( 1 0) に対して送風する送風量を、前記診断装置 (5 0) による診断の結果に基づいて制御するス テップと、を含む方法。
【発明の効果】
[0012 】 本発明によれば、内部の水分量を実測できる 燃料電池の提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0 0 1 3】
【図 1】本実施形態の燃料電池システムの構成例 示すブロック図である。
【図 2】本実施形態の燃料電池の外観を示す斜視 である。
【図 3】ケ-シングを取り外した燃料電池の内部を す斜視図である。
【図 4】燃料電池のセルを示す斜視図である。
【図 5】 0 6 分光計の構成例を示すブロック図である。
【図 6】燃料電池内の水分量の計算に使用される ファレンスデ-夕の一例を示すグラフである
【図 7】燃料電池システムが燃料電池の水分量を 御するときの処理手順、を示すフローチヤ トであ る。
【発明を実施するための形態】
【0 0 1 4】 以下、本発明の燃料電池システム、燃料電池 、車両及び方法の実施形態の例について、図 面を参 照して説明する。以下に説明する構成は、本 発明の一実施態様としての一例 (代表例) であり、本発 明は以下に説明する構成に限定されない。
[0 0 1 5] 下記実施形態では、車両に搭載され、車両の 駆動電力を供給する燃料電池システムの例を 説明する が、車両での電力供給以外にも、移動体の発 電システム、定置発電システム等にも本発明 を適用できる \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863
4
[ 0 0 1 6 ] 図 1は、本発明の一実施形態の燃料電池システ 1 0 0の構成例を示す。 図 1に示すように、燃料電池システム 1 0 0は、燃料電池 1 0、分光計 3 0、送風装置 4 0、診断 装置 5 0及び制御装置 6 0を備える。本実施形態の燃料電池システム 1 0 0は、車両 2 0 0に搭載 される。
[ 0 0 1 7】 燃料電池システム 1 〇 0は、燃料電池 1 0に対して送風装置 4 0により送風することで燃料電池 1 0 内の水分、例えば、カツ-ド側のガス流路内 水分をパ-ジすることができる。パ-ジ量は送 風量が多い ほど増加し、送風量は燃料電池 1 0内の水分量に応じてフイ-ドパック制御され 。具体的には、分光 計 3 0が燃料電池 1 0内の水分を検出し、その検出結果に基づい 診断装置 5 0が水分量を計算 する。制御装置 6 0は、計算された水分量に基づいて送風装置 4 0の送風量を制御する。
【0 0 1 8】
(燃料電池) 図 2は、本発明の一実施形態の燃料電池 1 0の外観を示す。 図 2に示すように、燃料電池 1 0は、スタック 1 0 3及びケーシング 1 0 13を備える。スタック 1 0 3は 、周囲をケーシング 1 〇 13に覆われて封止されている。
[ 0 0 1 9】 図 3は、ケ-シング 1 0 13を取り除いた燃料電池 1 0の内部を示す。 図 3に示すように、スタック 1 0 3は、一列に重ねられたプレート状の複数の ル 1 1からなる。セル 1 1 は、周囲をシーリングゴム 1 2によって覆われ、封止されている。
[ 0 0 2 0 ] 図 4は、セル 1 1の構成例を示す。 図 4に示すように、セル 1 1は、電解質膜 1、 1対の電極 2及び 1対のセパレ-夕 4を備える。 1対の 電極 2及び 1対のセパレ-夕 4は電解質膜 1を挟むように配置され、電解質膜 1の両側にそれぞれ電 極 2及びセ八 °レ-夕 4が積層されている。電解質膜 1と 1対の電極 2の積層体は、膜電極接合体 (1\^
E A : Membrane Electrode Assembly) と呼ばれている。
【0 0 2 1】 セル 1 1の電解質膜 1、 電極 2及びセパレ-夕 4は、 z方向に積層される。電解質膜 1及び電極 2 の積層方向 ( z方向) を中心とする周縁部はセパレータ 4で覆われていない。そのため、シーリング ム 1 2 が、セル 1 1の積層方向を中心とする周縁部を覆い、 電解質膜 1及び電極 2の露出を防いでいる。
[ 0 0 2 2 ] スタック 1 0 aにおいて、複数のセル 1 1は電解質膜 1、 電極 2及びセパレ-夕 4の積層方向と同じ z 方向に重ねられる。 X方向及び y方向は、セル 1 1の面内で互いに z方向に直交する方向である。
【 0 0 2 3】 電解質膜 1は、イオン伝導性の高分子電解質の膜であ 。電解質膜 1としては、例えばナフィオン ( 登録商標) 、アクイヴィオン (登録商標) 等の八-フルオ □スルホン酸ポリマ- ; スルホン化ポリエ-テルエ- テルケトン (S P E E K) 、スルホン化ポリイミド等の芳香族系ポリマ - ; ポリビニルスルホン酸、ポリビニル リン酸等の脂肪族系ポリマ-等が挙げられる
【 0 0 2 4】 電解質膜 1は、 耐久性向上の観点か S、 多孔質基材に高分子電解質を含浸させた複合 膜であって もよい。多孔質基材としては、 高分子電解質を担持できるのであれば特に限 定されず、 多孔質、織布状 、不織布状、 フィブリル状等の膜を用いることができる。 多孔質基材の材料としても特に限定されない が、 イオン伝導性を高める観点から、上述したよ うな高分子電解質を用いることができる。な かでも、フッ素系 ポリマーであるポリテトラフルオ □エチレン、ポリテトラフルオ □エチレンーク □ □トリフルオ □エチレン共重合体、ポ リク □ □トリフルオ □エチレン等は、強度及び形状安定性に優れ る。
[ 0 0 2 5 ]
1対の電極 2のうち、 一方の電極 2はアノ-ドであり、燃料極とも呼ばれる。他 の電極 2はカソ-ドで あり、空気極とも呼ばれる。燃料ガスとして 、 アノードには水素ガスが供給され、カソード には酸素ガスを含む 空気が供給される。 図 4中、黒色の矢印は水素ガスを表し、 白色の矢印は空気を表す。 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863
6
[ 0 0 2 6 ] アノードでは、セパレータ 4を介して供給された水素ガス (1 ~ 1 2 ) から電子 (6一) とプロトン (1 ~ 1 + ) を 生成する反応が生じる。電子は、図示しない 外部回路を経由してカソードへ移動する。こ の電子の移動に より外部回路では電流が発生する。プロトン は電解質膜 1を経由してカソ-ドへ移動する。
[ 0 0 2 7 ] カソ-ドでは、セパレ-夕 4を介して酸素ガス (0 2 ) が供給され、外部回路から移動してきた電子 により 酸素イオン (〇 2 — ) が生成される。酸素イオンは、電解質膜 1から移動してきたプロトン ( ㈠十) と結 合して、水 (1·! 2 0) になる。
【0 0 2 8】 電極 2は、触媒層 2 1を備える。本実施形態の電極 2は、燃料ガスの拡散性向上のため、さ 6にガス 拡散層 2 2を備える。
[ 0 0 2 9 ] 触媒層 2 1は、触媒によって水素ガス及び酸素ガスの 応を促進する。触媒層 2 1は、触媒と、触 媒を担持する担体及びこれらを被覆するアイ オノマーを含む。 触媒としては、例えば白金 ( 七) 、ルテニウム (R u) 、イリジウム ( I 「) 、ロジウム ( ) 、パ ラジウム ( 〇1) 、タングステン 等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙 げられる。なかでも、 触媒活性、 _酸化炭素に対する耐被毒性、耐熱性等の観 から、 白金、 白金を含む混合物、合金 等が好ましい。
【0 0 3 0】 担体としてはメソポ-ラスカ-ボン、 セブラック等の細孔を有する導電性の多孔性 金属化合物が挙げ られる。分散性が良好で表面積が大きく、触 媒の担持量が多い場合でも高温での粒子成長 が少ない観 点からは、メソポーラスカーボンが好ましい 。 アイオノマーとしては、後述する電解質膜 1と同様のイオン伝導性の高分子電解質を使 することがで ぎる。
【0 0 3 1】 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863
7 ガス拡散層 2 2は、セパレ-夕 4を介して供給された燃料ガスを触媒層 2 1に均一に拡散することがで きる。ガス拡散層 2 2としては、例えば導電性、ガス透過性及び ス拡散性を有する力-ボン繊維等の多 孔性繊維シ-卜の他、発泡金属、エキスパン メタル等の金属板等を用いることができる
【0 0 3 2】 セ八 °レ-夕 4は、ガスの流路 4 3を形成する複数のリブ 4 匕が表面に設けられたプレ-卜であり、パ ' イボ-ラ プレートとも呼ばれる。リブ 4 13はセパレータ 4の両面に設けられ、一方の表面上のリブ 4 匕は 方向に直 線状に延び、他方の表面上のリブ 4 13はソ方向に直線状に延びる。
【0 0 3 3】 セ八 ° レ-夕 4の材料としては、一般的に金属が用いられ 。例えば、軽量化の観点からは力-ボン等が い 6れ、厚みを薄くする観点からはステンレス 等が用いられる。
【0 0 3 4】
(窓) 燃料電池 1 〇は、ケーシング 1 0 に設けられた窓巳 1と、シーリングゴム 1 2に設けられた窓巳 2と、 を備える。各窓巳 1及び巳 2は、燃料電池 1 0の外部から当該燃料電池 1 0内部の電解質膜 1に 通じる。分光計 3 0は、この窓巳 1及び巳 2を介して燃料電池 1 0の内部に位置する電解質膜 1にレ -ザー光を照射できるとともに、照射によっ 電解質膜 1から発生した光を検出することができる。
【0 0 3 5】 窓巳 1及び 8 2は、電解質膜 1、電極 2及びセ八 °レ-夕 4の積層方向、すなわち å方向に直交する X 方向において、電解質膜 1と対向する位置に酉己置される。なお、窓 1及び巳 2は、 å方向に直交す るソ方向において電解質月莫 1と対向する位置に酉己置されてもよい。こ ように、積層方向 方向) を 中心とする積層体の周縁部側に窓 8 1及び日 2を配置することにより、分光計 3 0は電解質膜 1に対 して直接光を照射し検出することができる。
【0 0 3 6】 図 2に示すように、分光計 3 0が燃料電池 1 0と離れて配置された場合でも燃料電池 1 0を封止で きるように、本実施形態の窓巳 1及び日 2は、ガラスプレ-卜が設けられた開口部であ が、燃料電池 1 0 を封止できるのであれば、ガラス以外の光を 通す素材で構成されるプレ-卜等が開口部に けられてもよ いし、プレート等が設けられない単なる開口 部であってもよい。
【0 0 3 7】 例えば、ガラスプレ-卜がない開口部である B 1及び B 2を介して、分光計 3 0をシ-リングゴム 1 2 の内部に挿入して電解質膜 1と対向させ、かつ分光計 3 0の外壁が窓 B 1及び B 2の内壁と接して窓 B 1及び B 2の開口を塞ぐことにより、燃料電池 1 0を封止することができる。この場合、分光 3 0の 位置も固定でき、水分測定の安定性を向上さ せることができる。
【0 0 3 8】
(分光計) 分光計 3 0は、電解質膜 1に光、例えばレ-ザ-光を照射し、照射による 反射光、散乱光、及び発 光等の電解質膜 1が発した光を検出することによって、電解 膜 1の水分を検出する。分光計 3 0は、 この光の照射と検出を窓 B 1及び B 2を介して行う。
【0 0 3 9】 なお、図 2に示、すように、分光計 3 0を電角军質 B莫 1と対向する位置に酉己置して、電角军質膜 1に ¾寸して 光を直接照射してもよいし、分光計 3 0と電解質膜 1間 (こ光ファイバ ' -等の導波路を設け、当該導波 3各を介して分光計 3 0からの光を照射するよう (こしてもよい。
【0 0 4 0】 分光計 3 0の分光分析法としては、例えばコヒーレン 反ストークスラマン散舌し ( C A R S : Coherent Anti-Stokes Raman Scattering) 法、ラマン分光法、赤外分光法 ( I R : I nfrared Spectroscopy) 、及び F 「 - I R (Fourier Transform I nfrared Spectros copy) 法等が挙げられる。
【0 0 4 1】 なかでも、分光計 3 0は、 C A R S法により測定を行う C A R S分光計であることが好ましい。 C A R
5 分光計は、ラマン分光法等の他の分光分析法 に比ベて水に対する感度が高く、微量の水分 も精度 良く検出することができる。また、 0八 R 5分光計は時間分解能が高い。例えば、中性 検出器の時間 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863
9 分解能では水分の検出に 分光計は約〇. 1秒で検出が可能であり
、運転中に常に変動する燃料電池 1 0の水分量をリアルタイムに測定することが 能になる。
【0 0 4 2】
0 8 分光計は、電解質膜 1に角振動数が異なる 2つの光を照射し、電解質膜 1から発生する 0 八 8 £光を検出する。
【0 0 4 3】 図 5は、 0 8 5分光計の構成例を示す。 図 5に示すように、 0 8 分光計は、チタンサファイヤレーザー等の光 源 3 1からのレーザ-光を、光分 岐器 3 2により分岐する。分岐した一方の光は遅延 路 3 3に導びかれ遅延させられた後、角振動数 のポンプ光し 3としてプロ-ブ 3 5に導かれる。分岐した他方の光はフォトニ ク結晶ファイバ-等の変換 器 3 4に導かれた後、角振動数 のスト-クス光し 匕としてポンプ光 1_ 3と合流し、プロ-プ 3 5に導か れる。なお、光は光ファイバー、導波路等に よって導くことができる。
【0 0 4 4】 ポンプ光し 3及びストークス光 1_ 13は、プローブ 3 5によってサンプル に照射され、サンプル からの散 乱光のうち、角振動数が なお、図 5は一例を示し、 0八 8 分光計の構成はこれに限定されない。
【0 0 4 5】 分光計 3 0は、電解質膜 1に照射する光の焦点位置を変更することで 光が照射される X方向にお いて任意の位置の水分を検出することができ る。
【0 0 4 6】 焦点位置を変更する場合、窓 8 1及び 8 2の 方向におけるサイズを拡大し、分光計 3 0を 方向 に移動するか、又は X方向に対する分光計 3 0から照射する光の角度を傾、斜させる構成 あってもよい。 この構成によれば、分光計 3 0が電解質膜 1に照射する光の焦点位置を、 X ゾ平面上、すなわち電解 質膜 1の面内で変更することができる。
【0 0 4 7】 すなわち、電解質膜 1の内部の任意の位置で水分を検出すること 可能になる。診断装置 5 0は、 検出器 3 6により実際に検出された C A R S光 L cに基づいて、電解質膜 1内の異なる位置における 水分量を計算することができるので、膜内( こおける水分量のばらつき、及び複数位置で 計算された水分量 の平均値等を求めることができる。これら統 計は送風による水分のパ-ジ状況の解析等に いることができ る。
【0 0 4 8】
(送風装置) 送風装置 4 0は、燃料電池 1 0に対して送風するファン等である。送風に り、電解質膜 1中の水 分を八 ° -ジすることができる。送風装置 4 0は、例えばセパレ-夕 4の空気のガス供給口 4 c付近に配置 され、このガス供給口 4 cを介してセル 1 1内部に空気を送り込む。
【0 0 4 9】 分光計 3 0は、燃料ガスのガス供給口 4 cか、又はガス排出口付近に配置されること 好ましい。ガス 排出口付近はガス供給口 4 cに比べて水分が多くなりやすいため、水分 パージする場合の分光計 3 0 はガス排出口付近に配置されることが好まし い。
[ 0 0 5 0 ]
(診断装置) 診断装置 5 0は、分光計 3 0による検出結果を解析して、電解質膜 1中の水分量を計算すること で、電解質膜 1中の湿潤状態を診断する。
[ 0 0 5 1】 診断装置 5 0の計算方法は特に限定されないが、例えば ファレンスデ-夕を用いて水分量を計算する ことができる。リファレンスデ-夕は、既知 水分量に対し、分光計 3 0により検出された光の強度が関連 付けられたデ-夕である。 C A R S分光計により検出される光の強度は、水分 の 0 - H結合の振動に 起因するピークの強度又は面積として求める ことができる。
[ 0 0 5 2 ] 図 6は、 リファレンスデータの一例を示す。 図 6に示すように、 リファレンスデータは、水分子の光の強度 P i に対する水分量 K wを表す。例えば、 診断装置 5 0は、分光計 3 0により得られる光のスペクトルを解析して 水分子由来のピ-クを抽出し、 そのピークの強度 P 1を求める。診断装置 5 0は、 リファレンスデータからピークの強度 P 1(こ対応する水分 量 K 1を取得することができる。
【 0 0 5 3】
(制御装置) 制御装置 6 0は、診断装置 5 0により計算された水分量に基づいて、送風 置 4 0の送風量を制 御する。制御装置 6 0は、例えば電子制御ユニット ( E C U : Engine Control Unit) である。
【 0 0 5 4】 具体的(こは、制御装置 6 0は、計算された水分量を閾値と比較し、 閾値を超える場合は閾値を超え る水分量、すなわち計算された水分量と閾値 との差に応じて送風量を決定する。制御装置 6 0は、例え ば、 閾値を超える水分量を八 ° -ジするのに必要な送風量の関係式を実験的 求めておき、その関係式を 用いて送風量を計算するようにしてもよいし 、 閾値を超える水分量に対してあらかじめ計算 された送風量が 定められたテーブルから送風量を取得するよ うにしてもよい。
[ 0 0 5 5 ] また、制御装置 6 0は、例えば、一定の送風量を送風する送風 置を 0 N - 0 F F制御する構成 でもよい。 0 N - 0 F F制御において、制御装置 6 0は、計算された水分量が閾値を超える場合 は送 風状態に制御し、水分量が閾値を下回る場合 には非送風状態に制御する。この場合、送風 状態の継 続時間を制御することで水分の八 ° -ジ量を制御できる。
[ 0 0 5 6 ]
(水分の制御処理) 燃料電池システム 1 0 0は、上述した電解質膜 1の水分量の測定と過剰な水分のパ-ジを一定 隔で又は任意のタイミングで行うことができ る。低温下での凍結による発電性能低下を防 ぐ観点からは、 燃料電池システム 1 〇 0は、 電源スイッチのオフに応じて車両 2 0 0の運転システムを停止する前に過乗 1J な水分の八 ° -ジを行うことが好ましい。 \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863
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[ 0 0 5 7 ] 図 7は、燃料電池システム 1 0 0が水分を制御するときの処理例として、シ テム停止前に行うフィード パック制御の処理手順を示す。
【0 0 5 8】 図 7に示すように、燃料電池システム 1 0 0において、 ドライバの操作により車両 2 0 0の電源スイッチ のオフの信号が制御装置 6 0に入力されると (ステップ 3 1 : 丫巳 3) 、制御装置 6 0は分光計 3 0 と診断装置 5 0に水分の測定を指示する。この指示に従い 分光計 3 0は、電解質膜 1中の水の検 出を行う (ステップ 5 2) 。診断装置 5 0は、分光計 3 0の検出結果に基づいて水分量を計算する ( ステップ 5 3) 。
[ 0 0 5 9 ] 計算された水分量が閾値以下である場合 (ステップ 5 4 : N 0) 、制御装置 6 0は、水分が過剰 でないため、水分の八 ° -ジは行わずに車両 2 0 0の運転システムを停止する (ステップ 5 9) 。 一方、計算された水分量が閾値を超える場合 (ステップ 4 : 丫 ) 、制御装置 6 0は、水分 量が過剰であるため、計算された水分量と閾 値との差分に応じて送風量を決定し、送風装 置 4 0に送 風を指示する。送風装置 4 0は、指示された送風量で送風し、水分をパ- する (ステップ 5) 。
[ 0 0 6 0 ] 送風の開始から _定時間後、制御装置 6 0は分光計 3 0と診断装置 5 0に水分の測定を指示す る。分光計 3 0は、電解質膜 1中の水分の検出を行う (ステップ £ 6) 。診断装置 5 0は、分光計 3 0の検出結果に基づいて水分量を計算する (ステップ 3 7) 。
[ 0 0 6 1】 制御装置 6 0は、計算された水分量が閾値を超えて過剰 あれば (ステップ 5 8 : 丫已 5) 、ステッ ブ 5の処理に戻り、ステップ 5 5 ~ 5 8の処理を繰り返す。すなわち、測定された 分量が閾値以下 になるまで送風が継続して行われる。送風に より、計算された水分量が閾値以下まで減る と (ステップ 8 : 0) 、制御装置 6 0は車両 2 0 0の運転システムを停止する (ステップ 9) 。
[ 0 0 6 2 ] \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863
13 このように、運転システムの停止前にフイー ドパック制御によって過剰な水分を八 ° -ジすることにより、電解 質膜 1の湿潤状態を一定範囲内に保つことができ 次回の運転システムの始動時に燃料電池 1 0の 正常な発電を保証することができる。分光計 3 0が 0 6 分光計である場合は、水分の測定時間が 短く、運転システムの停止前の八 ° -ジを速やかに行うことが可能である。
【0 0 6 3】 以上のように、本実施形態の燃料電池 1 0は、ケ-シング 1 0 [3及びシ-リングゴム 1 2等の封止材 に外部から内部の電解質膜 1に通じる窓 8 1及び日 2が設けられるため、外部から電解質膜 1に直接 光を照射して電解質膜 1からの光を取り出すことができる。したが て、分光計 3 0による水分量の実測 が可能になる。
【0 0 6 4】 また、本実施形態の燃料電池システム 1 0 0によれば、電解質膜 1中の水分を分光計 3 0により検 出して、その水分量を診断装置 5 0により計算することができる。運転状況に って水分を谁測するので はなく、水分量を実測するため、水分量の検 出精度を高めることができる。検出精度が高 いと、水分を八 ° -ジするための送風装置 4 0の送風量も正確に決定することができ、送 装置 4 0を効率的に駆動する ことができる。ひいては、燃料電池 1 0の発電効率が向上する。
[ 0 0 6 5 ] 固体高分子型の燃料電池の電解質膜は、本実 施形態の燃料電池 1 0と同様に、電極及びセパレ -夕によって挟まれ、周囲を封止されている とが一般的である。電解質膜の水分量をレ- -光による分 光分析によって測定しようとすると、封止材 によってまずレーザー光が遮られる。また、 セパレータ及び電極の 素材は力-ボンが使用されることが多い。力- ンは黒色であり、 レ-ザ-光が吸収されるため、電解質膜ま でレーザー光を到達させることが難しい。 X線による分光分析の場合も、セ八 °レ-夕の素材が金属であるため
、同様に電解質膜への X線照射が難しい。
[ 0 0 6 6 ] \¥0 2021/059144 卩(:17132020 /058863
14 中性子検出器を用いれば、電解質膜中の水分 の分析が可能かもしれないが、中性子検出器 は時間 分解能が低い。水分の検出に 1 0秒以上要することが予想され、燃料電池の 分量をフイ-ドパ ' ック制 御するには、十分な時間分解能とはいえない 。
[ 0 0 6 7 ] これに対し、本実施形態の燃料電池 1 0は、封止されながらも窓巳 1及び巳 2によってレ-ザ-光を電 解質膜 1まで到達させることができ、谁測ではなく 測が可能である。 さらに、分光計 3 0として、水分の検出精度及び検出の時間分 能が高い 0 R 5分光計を使用 すれば、車両 2 0 0のように運転状況によって水分量が変動し すい移動体に搭載された燃料電池 1 0 においても精度の高いフイ-ドパック制御が 能である。
【0 0 6 8】 以上、本発明の好ましい実施形態について説 明したが、本発明は、これらの実施形態に限 定されず、 その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可 能である。
[ 0 0 6 9 ] 例えば、上記実施形態ではケ-シング 1 0 [3とシ-リングゴム 1 2の 2つの封止材により燃料電池 1 0 が封止されていたため、 2つの窓巳 1及び巳 2が設けられたが、 1つの封止材の場合は 1つの窓でよい。
[ 0 0 7 0 ] また、上記実施形態では、ケーシング 1 0 匕とシーリングゴム 1 2に窓巳 1及び巳 2を 1つずつ設けて、 水分量を検出する対象を 1つのセル 1 1としているが、複数のセル 1 1を対象としてもよい。例えば、複数 のセル 1 1の各電解質膜 1と対向する位置に複数の窓 8 1及び 2が設けられた構成でもよい。また、 各電解質膜 1と対向するように 1つの窓巳 1及び巳 2の å方向のサイズを拡大して、複数のセル 1 1に ついて水分量を検出できる構成であってもよ い。
[ 0 0 7 1 ] 複数のセル 1 1を水分の検出対象とする場合、分光計 3 0をセル 1 1が重なる方向 ( å方向) に 移動させてセル 1 1の電解質膜 1と対向する位置に酉己置するようにしても い。また、各窓巳 1及び巳 2 を介して、分光計 3 0と各セル 1 1の電解質膜 1間に光を導く導光路が設けられてもよい。 \¥02021/059144 卩(:17132020 /058863
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[ 0 0 7 2 ] また、診断装置 5 0は、複数のセル 1 1について測定された水分量を平均し、平均 た水分量を各セ ル 1 1の水分量の代表·(直として制掏]装置 6 0(こ提供してもよい。
[ 0 0 7 3 ] 上記実施形態では、水分をパ-ジする送風量 制御していたが、 電解質膜 1の乾燥防止のため水分 を供給し、その供給量を制御する場合にも本 発明を適用することができる。例えば、加湿 した空気を供給 する加湿器等の電解質膜 1に水を供給する供給装置が設けられている 合、 電解質膜 1中の水分量 を測定することで、制御装置 6 0が目的の水分量に対する過不足を判断し、 給装置からの水の供給 量をフイードパック制御することができる。 水のパージと供給のいずれもフイードパック 芾 I]御することにより、 電解 質膜 1 中の湿潤状態を常に一定範囲内に維持するこ とができる。
[ 0 0 7 4 ] 水分を供給する場合、ガス供給口 4 〇付近はガス排出口に比べて水分が少なくな りやすく、 電解質 膜 1の乾燥状態が分かりやすい。よって、水分 供給する場合の分光計 3 0はガス供給口 4 〇付近に 配置されることが好ましい。
【符号の説明】
[ 0 0 7 5 ]
1 0 0 . · · 燃料電池システム、 1 0 · · · 燃料電池、 1 0 3 .. · スタック、 1 0 匕 · ..ケーシング、 1 1 · · . セル、 1 2 ...シーリングゴム、 1 . · · 電解質膜、 2 . · · 電極、 4 . · · セパレ-夕、 4 〇 . · · ガス供給口、 3 〇 · · ·分光計、 4 0 · · ·送風装置、 5 0 · · ·診断装置、 6 0 · · ·制御装置、 2 0 0 · · ·車両
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