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Patent Searching and Data


Title:
LEADING EDGE STRUCTURE OF AIRCRAFT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087861
Kind Code:
A1
Abstract:
A leading edge structure of aircraft comprises a body part (11) constituting the leading edge part (1) of the aircraft and a surface part (12) which is formed on the outer surface of the body part (11) and on which a large number of pins (13) of nano-structure are arranged. Thus, anti-icing and deicing at the leading edge part (1) of the aircraft can be realized without consumption of energy.

Inventors:
MAEDA IWAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000033
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHINMAYWA IND LTD (JP)
MAEDA IWAO (JP)
International Classes:
B64D15/18; B64C3/16; B82B1/00; B82B3/00
Foreign References:
FR854317A1940-04-10
JP2004261910A2004-09-24
US4779823A1988-10-25
US2440240A1948-04-27
JP2006058506A2006-03-02
JP2005335980A2005-12-08
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 53, JP)
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Claims:
 航空機の前縁部を構成する本体部と、
 前記本体部の外表面に形成されかつ、ナノ構造のピンが多数配列された表面部と、を備えている航空機の前縁構造。
 請求項1に記載の前縁構造において、
 前記表面部は、前記ナノ構造のピンを多数形成する表面処理を施した部材を、前記本体部の外表面に取り付けることによって構成されている前縁構造。
 請求項1に記載の前縁構造において、
 前記表面部は、前記本体部の外表面に対して前記ナノ構造のピンを多数形成する表面処理を施すことによって構成されている前縁構造。
Description:
航空機の前縁構造

 本発明は、航空機の前縁構造に関する。

 航空機の飛行中において、例えば主翼等の 縁部には過冷却水の衝突により氷が付着す ことがある。その付着した氷が成長した場 は、空気抵抗の増加や、揚力減少等を招く とから、その対策として、加熱空気式や電 式等の防氷及び除氷装置を備えることが従 から知られている(例えば特許文献1,2参照)

特開平9-71298号公報

特開2004-25925号公報

 しかしながら、例えば加熱空気式の防氷 び除氷装置は、エンジン抽気を利用するこ から燃費の悪化を招くと共に、例えば電熱 等の防氷及び除氷装置もまた、電力消費に い燃費の悪化を招くという問題がある。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、エネル を消費することなく、航空機の前縁部にお る防氷及び除氷を実現することにある。

 本発明の一側面によると、航空機の前縁 造は、航空機の前縁部を構成する本体部と 前記本体部の外表面に形成されかつ、ナノ 造のピンが多数配列された表面部と、を備 ている。

 この構成によると、前縁部の外表面に、 ノ構造のピンが多数配列された表面部が形 されている。この表面部は、その表面にお る凹部に空気が存在している状態であると に、表面における空気層の割合が増大して ることになるため、その表面は超撥水性に る(例えば、細野英司、周豪慎,「ナノ構造 御により親水性表面を超撥水表面へ」,産総 TODAY,2006-01,P26-27参照)。

 従って、前記の前縁部は、その外表面が 水性(超撥水性)を有することになる。この め、その前縁部を有する航空機が飛行中に 過冷却水が前縁部におけるよどみ点に衝突 ても氷の付着が抑制される。また、仮に氷 表面に付着してそれが多少成長したとても その氷と表面との接着力は極めて弱い。こ ため、例えば翼の変位や気流の変化によっ よどみ点の位置が変化することに伴い、氷 表面から容易に脱落する。尚、よどみ点以 の箇所においては、過冷却水はその表面に 着せずに後方に流れていくため、着氷は発 しない。

 前記表面部は、前記ナノ構造のピンを多 形成する表面処理を施した部材を、前記本 部の外表面に取り付けることによって構成 てもよいし、前記本体部の外表面に対して 記ナノ構造のピンを多数形成する表面処理 施すことによって構成してもよい。

 以上説明したように、本発明によると、 縁部の表面が超撥水性を有しているため、 ネルギを消費することなく、航空機の前縁 の防氷及び除氷を行うことができる。

図1は、主翼の前縁部を示す断面図であ る。 図2は、前縁部の一部を拡大して示す拡 大断面図である。 図3は、ナノサイズのピン構造の拡大図 である。

符号の説明

1  前縁部
11 本体部
12 表面部
13 ピン

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 説明する。尚、以下の好ましい実施形態の 明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、そ 適用物或いはその用途を制限することを意 するものではない。

 図1は、本発明に係る航空機の前縁構造が 適用された主翼の前縁部分を示しており、こ の前縁部1は、例えばカーボン繊維強化複合 料によって形成されている。

 尚、前記主翼は、桁等を含めその全ての 位を繊維強化複合材料によって形成しても いし、前縁部1を繊維強化複合材料によって 形成する一方で、他の部位は繊維強化複合材 料以外の材料、例えば金属材料等によって形 成してもよい。また、前記主翼の全ての部位 を金属材料によって形成してもよい。また、 主翼の翼型等については何ら制限がない。

 図2は、前記前縁部1の断面を拡大して示 図である。この前縁部1は、前述した繊維強 複合材料を積層してなる本体部11と、その 体部11の外表面に形成された表面部12と、か なり、表面部12は、ナノ構造のピン13が多数 配列された構造を有している。

 このナノ構造のピン13が多数配列された 造では、図3に示すように、水2がピン13の先 に接触することで表面における空気の割合 高くなり、その結果、超撥水性を有するこ になる。このように表面部12が超撥水性を していることにより、前記主翼は、その前 部1への着氷や氷の成長が防止されるように っている。

 ここで、こうした前縁部1を製造する方法 としては、以下の方法が挙げられる。

 先ず従来周知の方法により、少なくとも 縁部1(本体部11)を製造する。例えばカーボ 繊維強化複合材料によって本体部11を形成す る場合は、前縁部1の形状を有する所定の型 対して、例えばハンドレイアップ法等によ て、カーボン繊維を順次積層していき、前 部1の形状を有する積層体を成形し、そこに 脂を含浸させると共にそれを硬化させるこ によって、本体部11を製造することができ 。

 こうして製造された本体部11とは別に、 面部12を製造する。この表面部12は、所定材 (この材料は前記本体部11を形成する材料と じであってもよいし、異なっていてもよい) の部材(母材)に対して、ナノ構造のピンを多 形成する表面処理を施すことによって製造 ることができる。

 そうして製造した表面部12(表面処理後の 記母材)を、本体部11の外表面に対して、例 ば接着等によって取り付けることによって 本体部11と表面部12とを備え、その表面部12 ナノ構造のピンを有する前縁部1が完成する 。

 尚、これとは異なる製造方法として、例 ば前記の如く製造した本体部11に対して直 、ナノ構造のピンを多数形成する表面処理 施すことによっても、前記前縁部1を製造す ことが可能である。

 このようにして製造された前縁部1は、前 述したように、その表面が超撥水性を有して いる。これによって、この前縁部1を有する 空機が飛行している最中に、その前縁部1に 冷却水が衝突しても氷が付着することが抑 される。また、仮に氷が付着してそれが成 したとしても、氷と前縁部1の表面との接着 力は極めて弱いため、主翼の変位や気流の変 化によって氷は容易に剥がれる。そうして、 防氷及び除氷効果が得られる。

 この構成では、前縁部1の表面が撥水性を 有していることによって防氷及び除氷効果が 得られるため、例えばエンジン抽気の利用や 電力の消費がなく、それによって燃費の悪化 を抑制することができる。

 尚、主翼において表面部12を設ける範囲 、少なくともその前縁を含む範囲として適 設定すればよい。

 また本発明は、主翼の前縁部1に適用する ことに限らず、航空機において従来より防氷 乃至除氷システムが適用されている箇所に広 く適用することが可能である。

 以上説明したように、本発明は、航空機 前縁部の表面が超撥水性を有しているから エネルギを消費することなく防氷及び除氷 行うことができ、航空機の前縁構造として 用である。