Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
LINCOSAMIDE DERIVATIVE, AND ANTIBACTERIAL AGENT COMPRISING THE SAME AS ACTIVE INGREDIENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146919
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a compound represented by the formula (I) or a pharmacologically acceptable salt or solvate thereof [in the formula (I), A represents an aryl group and R1 represents a 5- or 6-membered monocyclic heterocyclic group, or A represents a 4- to 6-membered monocyclic heterocyclic group and R1 represents an aryl group or 5- or 6-membered monocyclic heterocyclic group; R2 represents a hydrogen atom or a C1-6 alkyl group; R3 represents a C1-6 alkyl group or a (C3-6 cycloalkyl)-(C1-4 alkyl) group; R4, R5 and R6 independently represent a hydrogen atom; R7 represents a C1-6 alkyl group; and m represents a number of 1 to 3]. The compound is a novel lincosamide derivative having a potent activity against a drug-resistant Streptococcus pneumoniae bacterium. The compound can be used as an antibacterial ingredient, and is useful for the prevention or treatment of a bacterium-mediated infectious disease.

Inventors:
UMEMURA EIJIROU (JP)
KUMURA KOU (JP)
MASAKI SATOMI (JP)
UEDA KAZUTAKA (JP)
WAKIYAMA YOSHINARI (JP)
SATO YASUO (JP)
YAMAMOTO MIKIO (JP)
AJITO KEIICHI (JP)
WATANABE TAKASHI (JP)
KAJI CHIZUKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060045
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 30, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MEIJI SEIKA KAISHA (JP)
UMEMURA EIJIROU (JP)
KUMURA KOU (JP)
MASAKI SATOMI (JP)
UEDA KAZUTAKA (JP)
WAKIYAMA YOSHINARI (JP)
SATO YASUO (JP)
YAMAMOTO MIKIO (JP)
AJITO KEIICHI (JP)
WATANABE TAKASHI (JP)
KAJI CHIZUKO (JP)
International Classes:
C07H15/16; A61K31/7052; A61K31/7056; A61K31/706; A61P11/00; A61P31/04
Domestic Patent References:
WO2005012320A22005-02-10
WO2005007665A22005-01-27
WO2006055070A22006-05-26
WO2007066805A12007-06-14
WO2005012320A22005-02-10
Foreign References:
JP2006504673A2006-02-09
JP2007146200A2007-06-14
US3915954A1975-10-28
US3870699A1975-03-11
US3767649A1973-10-23
DE2229950A11972-12-28
US3689474A1972-09-05
US3544551A1970-12-01
US3418414A1968-12-24
Other References:
SZTARICSKAI F. ET AL.: "Semisynthetic modification of antibiotic lincomycin", J. ANTIBIOTICS, vol. 49, no. 9, 1996, pages 941 - 943, XP009044907
BIRKENMEYER R.D. ET AL.: "Synthesis and antimicrobial activity of clindamycin analogues: Pirlimycin, a potent antibacterial agent", J. MED. CHEM., vol. 27, no. 2, 1984, pages 216 - 223, XP002174848
See also references of EP 2166015A4
J. ANTIBIOTICS, vol. 49, 1996, pages 941
TETRAHEDRON LETT., vol. 43, 2002, pages 3499
TETRAHEDRON LETT., vol. 35, 1994, pages 2053
J. AM. CHEM. SOC., vol. 110, 1998, pages 3894
J. MED. CHEM., vol. 32, 1989, pages 829
J. MED. CHEM., vol. 13, 1970, pages 616
J. CHEM. SOC., PERKIN TRANS 1, 1984, pages 435
J. MED. CHEM., 1984, pages 27
J. MED. CHEM., vol. 39, 1996, pages 480
CHEM. PHARM. BULL., vol. 32, 1984, pages 2241
CHEMOTHERAPY, vol. 16, no. 1, 1968, pages 99
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Kenji et al. (Room 323 Fuji Bldg.,2-3, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 05, JP)
Download PDF:
Claims:
 次式(I)の化合物、またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
[式中、
 Aは、
  ベンジル基(このベンジル基のメチレンがSに結合している);
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、アリール基;または
  C 1-6 アルキル、およびハロゲン化C 1-6 アルキル基からなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、各環が4~6員である単環もしくは二環式の複素環基
   (ここでこの複素環基は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群より選択される1~4個の異種原子を含む)
を表し、
 R 1 は、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびニトロ基からなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、アリールチオ基;
  置換されていてもよい、アリール基
   (ここでこのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C 1-6 アルキル、シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、ハロゲン化C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルチオカルバモイル、C 1-6 アルキルカルボニルアミノ、C 1-6 アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジニルからなる群より選択される同一または異なる1以上の基により置換されていてもよい);
  置換されていてもよい、5~7員の単環式の複素環基
   (ここでこの5~7員複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキルアミノ、アミノ、オキソ、チオキソ、カルバモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);または
  各環が4~6員である、二環式の複素環基
を表し、
 R 2 は、
  水素原子;
  置換されていてもよい、C 1-6 アルキル基;
  置換されていてもよい、C 2-6 アルケニル基;
  置換されていてもよい、アシル基;
  C 1-6 アルキルカルボニルアミノメチル基;
  C 1-6 アルキルカルボニルオキシメチルカルボニル基;
  C 1-6 アルキルカルボニルオキシメチルオキシカルボニル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル)メチル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル)メチルオキシカルボニル基;
  置換されていてもよいC 1-6 アルキルオキシカルボニル基
   (ここでR 2 における前記C 1-6 アルキル基、C 2-6 アルケニル基、アシル基、およびC 1-6 アルキルオキシカルボニル基は、C 1-6 アルキル基により置換されていてもよい複素環、アミノ、ヒドロキシ、およびシアノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
  アリールオキシカルボニル基;または
  C 3-6 シクロアルキル基
を表し、
 R 3 は、
  置換されていてもよいC 1-6 アルキル基
   (ここでこのC 1-6 アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、、シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、および、ハライド、ヒドロキシもしくはC 1-4 アルキルにより置換されていてもよいアリールからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
  C 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基;または、
  C 2-6 アルケニル基
を表し、
 R 4 、R 5 、およびR 6 は、同一または異なっていてもよく
  水素原子;
  置換されていてもよい、C 1-6 アルキル基; 
  置換されていてもよい、アシル基
   (ここでR 4 、R 5 、およびR 6 における前記C 1-6 アルキル基、およびアシル基上の水素原子は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、ニトロハライド、C 1-6 アルキルオキシ、オキソ、複素環、アジド、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、および、ハライド、ヒドロキシもしくはC 1-4 アルキルにより置換されていてもよいアリールからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);または
  ベンゾイル基
を表し、
 R 7 は、
  ハライドおよびヒドロキシからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、C 1-6 アルキル基
を表し、
 mは、1~3を表し、
 ただし、
 R 3 が、置換されていてもよいC 1-6 アルキル基または、C 2-6 アルケニル基である場合には、R 1 -A-は、
 5-ピリミジニル-フェニル-、2-ピリミジニル-フェニル-、3-ピペリジニル-フェニル-、4-ピペリジニル-フェニル-、3-テトラヒドロピリジル-フェニル-、2-ピラジニル-フェニル-、6-テトラヒドロピリダジニル-フェニル-、1,2-オキサゾール-5-イル-フェニル-、1,3-オキサゾリジン-3-イル-フェニル-、1,2,3-チアジアゾール-4-イル-フェニル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル-フェニル、2-(3-ピペリジニル)-ピリジン-3-イル、1,3-オキサゾール-5-イル-フェニル-、フェニルチオ-フェニル-、C 1-6 アルキルオキシ(ピリジル)メチル-フェニル-、ヒドロシ(ピリジル)メチル-フェニル-、チアゾール-4-イル-フェニル-、チアゾール-2-イル-フェニル-、1-ピペラジニル-フェニル-、1-ピロリジニル-フェニル-、1-ジヒドロイミダゾリル-フェニル-、2-(1,3-オキサゾール-5-イル)-チオフェン-4-イル-、2-(ピリミジン-5-イル)-チオフェン-4-イル、3-(ピリミジン-5-イル)-ピリジン-6-イル、2-(ピリミジン-5-イル)-ピリジン-5-イル、2-(テトラヒドロピリジン-3-イル)-ピリジン-5-イル、2-(ピロリジン-1-イル)-ピリジン-5-イル、5-(ピリミジン-5-イル)-ピリミジン-2-イル、および、2-(ピリミジン-5-イル)-ピリミジン-5-イル
からなる群から選択される基を表す(ここでR 1 -A-基中のR 1 およびAはそれぞれ前記した定義にしたがって置換されていてもよい)]。
 式(I)が下記式(II)により表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
[式中、A、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、およびmは、請求項1に記載の式(I)における定義と同義である]。
 Aが、
  ベンジル基(このベンジル基のメチレンがSに結合している);
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、アリール基;または
  C 1-6 アルキル、およびハロゲン化C 1-6 アルキル基からなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、各環が4~6員である単環もしくは二環式の複素環基
   (ここでこの複素環基は、アゼチジニル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基および、オキサゾリル基からなる群から選択される)
を表し、かつ
 R 1 が、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびニトロ基からなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、アリールチオ基;
  置換されていてもよい、アリール基
   (ここでこのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C 1-6 アルキル、シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、ハロゲン化C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルチオカルバモイル、C 1-6 アルキルカルボニルアミノ、C 1-6 アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジニルからなる群より選択される同一または異なる1以上の基により置換されていてもよい);
  置換されていてもよい、5~7員の単環式の複素環基
   (ここでこの5~7員複素環基は、ピリジル基、フリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ジヒドロイミダゾリル基、ピロリジニル基、ジヒドロピロリル基、1,3-オキサゾリジニル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,3,4-トリアゾリル基、ピリミジニル基、1,2-オキサゾリル基、1,3-オキサゾリル基、ピラジニル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、テトラヒドロピリダジニル基、テトラヒドロピリジル基、1,4-オキサゼパニル基、アゼパニル基、テトラヒドロアゼピニル基、および、1,4-ジアゼパニル基からなる群より選択される基であり、かつ
    この5~7員複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキルアミノ、アミノ、オキソ、チオキソ、カルバモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);または
  各環が4~6員である、二環式の複素環基
   (ここでこの二環式複素環基は、キノリン基、キナゾリン基、ベンゾオキサゾール基および、ベンゾチアゾール基からなる群より選択される基である)
を表す、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 Aが、
  置換されていてもよいアリール基;または
  置換されていてもよい、各環が4~6員である単環もしくは二環式の複素環基
であり、
 R 1 が、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  置換されていてもよい、アリールチオ基;
  置換されていてもよいアリール基;または
  置換されていてもよい5~7員の単環式の複素環基
であり、かつ
 R 3 が、
  置換されていてもよいC 1-6 アルキル基;または
  C 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基
である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 Aが、
  ハライド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、フェニル基;または
  4~6員である単環の複素環基(ここでこの複素環基は、チエニル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基および、オキサゾリル基からなる群から選択される)
であり、
 R 1 が、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  ニトロ基で置換されていてもよい、フェニルチオ基;
  置換されていてもよい、フェニル基
   (ここでこのフェニル基は、ニトロ、アミノ、C 1-6 アルキル、および、C 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される同一または異なる1以上の基により置換されていてもよい);または
  置換されていてもよい、5~7員の単環式の複素環基
   (ここでこの5~7員複素環基は、ピリジル基、イミダゾリル基、ジヒドロイミダゾリル基、ピロリジニル基、チアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、ピリミジニル基、1,2-オキサゾリル基、1,3-オキサゾリル基、ピラジニル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、テトラヒドロピリダジニル基および、テトラヒドロピリジルからなる群より選択される基であり、かつ
    この5~7員複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、アミノ、オキソ、チオキソ、カルバモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
であり、かつ
 R 3 が、
  C 1-6 アルキル基;または
  C 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基
である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 R 2 が、
  水素原子;
  ヒドロキシ基により置換されていてもよい、C 1-6 アルキル基;
  アシル基;
  C 1-4 アルキルカルボニルアミノメチル基;
  C 1-4 アルキルカルボニルオキシメチルカルボニル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル)メチル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル)メチルオキシカルボニル基;
  C 1-6 アルキルオキシカルボニル基;または
  アリールオキシカルボニル基
であり、
 R 4 、R 5 、およびR 6 が、共に水素原子であり、かつ
 R 7 が、C 1-4 アルキル
である、請求項5に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 Aが、置換されていてもよいアリール基であって、R 1 が、置換されていてもよい5または6員の単環式の複素環基であるか、または、
 Aが、置換されていてもよい4~6員の単環式の複素環基であって、R 1 が、置換されていてもよいアリール基または、置換されていてもよい5または6員の単環式の複素環基である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 R 1 -A-が5-ピリミジニル-フェニル-または、3-テトラヒドロピリジル-フェニル-である(ここでR 1 -A-基中のR 1 およびAはそれぞれ請求項1に記載した定義にしたがって置換されていてもよい)、請求項1~7のいずれか一項にに記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 R 3 が、置換されていてもよいC 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 細菌感染症の治療に用いられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
 請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物と、薬学上許容されうる担体とを含んでなる、医薬組成物。
 細菌感染症の治療に用いられる、請求項11に記載の医薬組成物。
 感染症が、呼吸器における細菌感染症である、請求項12に記載の医薬組成物。
 製剤用添加剤をさらに含んでなる、請求項11または12に記載の医薬組成物。
 請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の治療上の有効量を、薬学上許容されうる担体と共に哺乳類または家禽に投与することを含んでなる、細菌感染症の治療方法。
 感染症が、呼吸器における細菌感染症である、請求項15に記載の方法。
 抗菌剤の有効成分としての、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用。
 細菌感染症の予防または治療用の医薬組成物の製造のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用。
 感染症が、呼吸器における細菌感染症である、請求項18に記載の使用。
Description:
リンコサミド誘導体及びこれを 効成分とする抗菌剤 関連出願の参照

 本願は、先行する日本国特許出願である 願2007-146200号(出願日:2007年5月31日)に基づく のであって、その優先権の利益を主張する のであり、その開示内容全体は参照するこ によりここに組み込まれる。

発明の背景

発明の分野
 本発明は、抗菌活性を有する、新規リンコ ミド誘導体またはそれらの薬理学的に許容 うる塩に関する。また本発明は、そのよう 化合物を有効成分とする抗菌剤に関する。

関連技術
 抗菌活性を有するリンコサミド誘導体は、 れまでにも種々の化合物が報告されており 本発明と構造類似の化合物が抗菌活性を有 ることも開示されている。例えば、(1)米国 許第3915954号公報、(2)米国特許第3870699号公 、(3)米国特許第3767649号公報、(4)ドイツ国公 特許第2229950号公報、(5)米国特許第3689474号 報、(6)米国特許第3544551号公報、(7)国際公開W O2005/012320号、(8)J. Antibiotics., 49, (1996), 941. および(9)Structure-Activity Relationships among the  Semisynthetic antibiotics, 601-651.を参照のこと。
 しかしながら、これら文献に記載の化合物 、最近臨床上問題となっている、マクロラ ド耐性肺炎球菌には無効である。このため このような耐性肺炎球菌に対しても有効な 剤の開発が望まれている。

発明の概要

 本発明者らは今般、式(I)に表されるリン サミド誘導体群が、リンコマイシンやクリ ダマイシンが無効なマクロライド耐性肺炎 菌に対し強い抗菌活性を有することことを 出した。本発明はかかる知見に基づくもの ある。

 よって本発明は、近年問題となっている 染症治療における、耐性肺炎球菌に強い活 を有する新規リンコサミド誘導体を提供す ことをその目的とする。

 本発明による化合物、すなわち本発明によ 新規リンコサミド誘導体は、下記式(I)の化 物、またはその薬理学的に許容されうる塩 しくは溶媒和物である:
[式中、
 Aは、
  ベンジル基(このベンジル基のメチレンがS に結合している);
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1 上の基により置換されていてもよい、アリ ル基;または
  C 1-6 アルキル、およびハロゲン化C 1-6 アルキル基からなる群より選択される1以上 基により置換されていてもよい、各環が4~6 である単環もしくは二環式の複素環基
   (ここでこの複素環基は、窒素原子、酸 原子、および硫黄原子からなる群より選択 れる1~4個の異種原子を含む)
を表し、
 R 1 は、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびニトロ基 からなる群より選択される1以上の基により 換されていてもよい、アリールチオ基;
  置換されていてもよい、アリール基
   (ここでこのアリール基は、フッ素原子 塩素原子、ニトロ、アミノ、C 1-6 アルキル、シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、ハロゲン化C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルチオカルバモイル、C 1-6 アルキルカルボニルアミノ、C 1-6 アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ 、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジ ニルからなる群より選択される同一または異 なる1以上の基により置換されていてもよい);
  置換されていてもよい、5~7員の単環式の 素環基
   (ここでこの5~7員複素環基は、ハライド ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ 、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキルアミノ、アミノ、オキソ、チオキソ 、カルバモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より 択される1以上の基により置換されていても よい);または
  各環が4~6員である、二環式の複素環基
を表し、
 R 2 は、
  水素原子;
  置換されていてもよい、C 1-6 アルキル基;
  置換されていてもよい、C 2-6 アルケニル基;
  置換されていてもよい、アシル基;
  C 1-6 アルキルカルボニルアミノメチル基;
  C 1-6 アルキルカルボニルオキシメチルカルボニル 基;
  C 1-6 アルキルカルボニルオキシメチルオキシカル ボニル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル )メチル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル )メチルオキシカルボニル基;
  置換されていてもよいC 1-6 アルキルオキシカルボニル基
   (ここでR 2 における前記C 1-6 アルキル基、C 2-6 アルケニル基、アシル基、およびC 1-6 アルキルオキシカルボニル基は、C 1-6 アルキル基により置換されていてもよい複素 環、アミノ、ヒドロキシ、およびシアノから なる群より選択される1以上の基により置換 れていてもよい);
  アリールオキシカルボニル基;または
  C 3-6 シクロアルキル基
を表し、
 R 3 は、
  置換されていてもよいC 1-6 アルキル基
   (ここでこのC 1-6 アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキ シ、アミノ、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、 シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、オキソ、複素環、アジド、 C 1-6 アルキルアミノカルボニル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、および、ハライ ドもしくはC 1-4 アルキルにより置換されていてもよいアリー ルからなる群より選択される1以上の基によ 置換されていてもよい);
  C 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基;または、
  C 2-6 アルケニル基
を表し、
 R 4 、R 5 、およびR 6 は、同一または異なっていてもよく
  水素原子;
  置換されていてもよい、C 1-6 アルキル基; 
  置換されていてもよい、アシル基
   (ここでR 4 、R 5 、およびR 6 における前記C 1-6 アルキル基、およびアシル基上の水素原子は 、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、 C 1-6 アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、 シアノ、ニトロハライド、C 1-6 アルキルオキシ、オキソ、複素環、アジド、 C 1-6 アルキルアミノカルボニル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、および、ハライ ド、ヒドロキシもしくはC 1-4 アルキルにより置換されていてもよいアリー ルからなる群より選択される1以上の基によ 置換されていてもよい);または
  ベンゾイル基
を表し、
 R 7 は、
  ハライドおよびヒドロキシからなる群よ 選択される1以上の基により置換されていて よい、C 1-6 アルキル基
を表し、
 mは、1~3を表し、
 ただし、
 R 3 が、置換されていてもよいC 1-6 アルキル基または、C 2-6 アルケニル基である場合には、R 1 -A-は、
 5-ピリミジニル-フェニル-、2-ピリミジニル- フェニル-、3-ピペリジニル-フェニル-、4-ピ リジニル-フェニル-、3-テトラヒドロピリジ -フェニル-、2-ピラジニル-フェニル-、6-テ ラヒドロピリダジニル-フェニル-、1,2-オキ ゾール-5-イル-フェニル-、1,3-オキサゾリジ -3-イル-フェニル-、1,2,3-チアジアゾール-4-イ ル-フェニル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル-フ ニル、2-(3-ピペリジニル)-ピリジン-3-イル、 1,3-オキサゾール-5-イル-フェニル-、フェニル チオ-フェニル-、C 1-6 アルキルオキシ(ピリジル)メチル-フェニル- ヒドロシ(ピリジル)メチル-フェニル-、チア ール-4-イル-フェニル-、チアゾール-2-イル- ェニル-、1-ピペラジニル-フェニル-、1-ピロ リジニル-フェニル-、1-ジヒドロイミダゾリ -フェニル-、2-(1,3-オキサゾール-5-イル)-チオ フェン-4-イル-、2-(ピリミジン-5-イル)-チオフ ェン-4-イル、3-(ピリミジン-5-イル)-ピリジン- 6-イル、2-(ピリミジン-5-イル)-ピリジン-5-イ 、2-(テトラヒドロピリジン-3-イル)-ピリジン -5-イル、2-(ピロリジン-1-イル)-ピリジン-5-イ 、5-(ピリミジン-5-イル)-ピリミジン-2-イル および、2-(ピリミジン-5-イル)-ピリミジン-5- イル
からなる群から選択される基を表す(ここでR 1 -A-基中のR 1 およびAはそれぞれ前記した定義にしたがっ 置換されていてもよい)]。

 本発明によれば、本発明による式(I)の化 物またはそれらの薬理学的に許容されうる もしくは溶媒和物と、薬学上許容されうる 体とを含んでなる医薬組成物が提供される 好ましい態様によれば、有効成分である上 の物質とともに製剤用添加剤をさらに含む 薬組成物が提供される。これらの医薬組成 は細菌感染症(好ましくは呼吸器における細 菌感染症)の予防または治療に有用であり、 菌剤(すなわち抗菌剤組成物)として用いるこ とができる。

 本発明の別の態様によれば、本発明によ 化合物またはその薬理学的に許容されうる もしくは溶媒和物を有効成分とする抗菌剤 提供される。

 また本発明の別の態様によれば、本発明 よる化合物またはその薬理学的に許容され る塩もしくは溶媒和物の治療上の有効量を 薬学上許容されうる担体と共に哺乳類また 家禽に投与することを含んでなる、細菌感 症の治療方法が提供される。

 本発明のさらに別の態様によれば、細菌 染症の予防または治療用の医薬組成物の製 のための、本発明による化合物またはその 理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物 使用が提供される。また、本発明の別の態 によれば、抗菌剤の有効成分としての、本 明による化合物またはその薬理学的に許容 れうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供さ る。ここで感染症は、好ましくは呼吸器に ける細菌感染症である。

 本発明による式(I)のリンコサミン誘導体 、クリンダマイシン等のリンコサミド系の ならず、他のマクロライド系等の抗生物質 無効である耐性肺炎球菌に強い抗菌力を有 る。このため、本発明による化合物は、優 た呼吸器における感染症治療薬となること 期待される。

発明の具体的説明

  式(I)の化合物
 本明細書において、基または基の一部とし の「C 1-6 アルキル基」という語は、基が直鎖または分 枝鎖の炭素数1~6のアルキル基を意味する。C 1-6 アルキル基は、好ましくはC 1-4 アルキル、より好ましくはC 1 - 2 アルキルである。
 C 1-6 アルキルの例としては、メチル、エチル、n- ロピル、イソプロピル、n-ブチル、i-ブチル 、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-へキシ 等が挙げられる。

 アルケニル基およびこれらの基部分を含む 換基のアルケニル部分は、特に断らない限 、ビニル、アリル、1-プロペニル、イソプ ペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、プロパル ル、1-ブチニル、1-ペンチニル、2-ブチニル の直鎖状、分岐鎖状、環状、又はそれらの み合わせのいずれであってもよく、好まし は直鎖状又は分岐鎖状である。C 2-6 アルケニルは、炭素数2~6のアルケニルを意味 し、好ましくはC 2-4 アルケニルである。またアルケニル部分に含 まれる二重結合の数は特に限定されず、アル ケニル部分に含まれる二重結合はZ配置又はE 置のいずれでもよい。

 本明細書において、アシル基及びアシル基 分を含む置換基(例えばアセトキシ基等のア シルオキシ基)のアシル部分は、特に断らな 限り、アセチル基、プロピオニル基、ブチ ル基、イソブチリル基、バレリル基、イソ レリル基等の、C 2 ~C 5 の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルカルボニル 基またはホルミル基を意味する。

 本明細書において「によって置換されて てもよいアルキル」とは、アルキル上の1ま たはそれ以上の水素原子が1またはそれ以上 置換基(同一または異なっていてもよい)によ り置換されたアルキルおよび非置換アルキル を意味する。置換基の最大数はアルキル上の 置換可能な水素原子の数に依存して決定でき ることは当業者に明らかであろう。これらは アルキル以外の置換基を有する基、例えば、 アルケニル、アシル、さらには、フェニルの ようなアリール基、1,3,4-チアジアゾリルのよ うな複素環等についても同様である。

 本明細書において、「ハライド」(ハロゲ ン原子)とは、フッ素原子、塩素原子、臭素 子、またはヨウ素原子を意味する。

 本明細書において、基または基の一部と ての「ハロゲン化アルキル基」等に用いら る「ハロゲン化」とは、各基上の1以上の水 素原子がハロゲン原子によって置換されてい ることを意味する。

 本明細書において、アリール基とは、特 断らない限り、フェニル基、1-ナフチル基 2-ナフチル基、1-アンスリル基、2-アンスリ 基等のヘテロ原子を含有しない6~14員(単環式 ~3環式、好ましくは単環式~2環式)の芳香環を 味する。ここで6~14員のアリール基は、その 環系中に6~14個の炭素原子を有する。

 本明細書において、「複素環基」とは、 に断らない限り、窒素原子、酸素原子およ 硫黄原子から選択される異種原子を1~4個含 、残りの環員原子が炭素原子であり、各環 4~7員(好ましくは5~7員、より好ましくは5ま は6員)である単環または二環式の複素環であ ることができ、飽和、部分飽和または、不飽 和いずれでもあることができる。これら複素 環基の例としては、アゼチジノ、ピロリル、 ピロリジニル、ピロリジノ、フリル、チエニ ル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキ サゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ト リアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾ リル、テトラゾリル、ピリジル、ピラゾリル 、ピリミジル、ピラジニル、ピペラジニル、 ピペラジノ、ピペリジノ、モルホリニル、モ ルホリノ、チオモルホリノ、ピラジニル、キ ノリル、クロメニル、ベンゾオキサゾリル、 ベンゾチアゾリル、チアゾロピリジル、チア ゾロピリミジニル、およびイミダゾチアゾリ ル(ここで、結合位置は特に限定されない)が げられる。

 Aが表す置換されていてもよいアリール基は 、好ましくは置換されていてもよいフェニル 基であり、より好ましくはフェニル基である 。ここでアリール基を置換していてもよい置 換基は、好ましくは、ハライド、シアノおよ びC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択され、よ り好ましくは、ハライド、シアノおよびC 1-2 アルキルオキシからなる群より選択される。

 Aが表す複素環基は、好ましくは、単環の複 素環基であり、より好ましくは、
 異種原子としてSまたはNを一個含んでなる4~ 6員複素環基、
 異種原子としてNを二または三個含んでなる 5または6員複素不飽和環基、または、
 異種原子としてOまたはSと、Nを二個とを含 でなる5員複素不飽和環基である。さらに好 ましくは、該複素環基は、アゼチジニル基、 チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基 、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリ ル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-トリア ゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベ ンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、 または、オキサゾリル基であり、さらにより 好ましくは、チエニル基、オキサゾリル基、 1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリ ル基、ピリジル基、ピリミジニル基、特に好 ましくはピリジル基である。

 Aが表す複素環基は、より具体的に示せば 、典型的には、2-アゼチジニル基、2-チエニ 基、2-イミダゾリル基、(2-または5-)チアゾリ ル基、2-オキサゾリル基、1,3,4-チアジアゾー -2-イル基、1,2,4-チアジアゾール-5-イル基、1 ,3,4-オキサジアゾール-2-イル基、1,2,4-トリア ール-3-イル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基 、2-ピリミジニル基、5-ピリミジニル基、2-ベ ンゾチアゾリル基、または、2-ベンゾキサゾ ル基が挙げられ、好ましくは2-チエニル基 1,3,4-チアジアゾール-2-イル基、1,3,4-オキサ アゾール-2-イル基、2-ピリジル基、3-ピリジ 基、2-ピリミジニル基、5-ピリミジニル基お よび、2-オキサゾリル基である。

 本発明の好ましい態様によれば、Aは、ハラ イド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1 上の基により置換されていてもよいアリー 基;または
  4~6員である単環の複素環基(ここでこの複 環基は、チエニル基、1,3,4-チアジアゾリル 、1,3,4-オキサジアゾリル基、ピリジル基、 リミジニル基および、オキサゾリル基から る群から選択される)であり、より好ましく はAはフェニル基である。

 R 1 が表す基ピリジル-CHR 8 -は、好ましくはここで、R 8 は水酸基またはC 1-4 アルキルオキシ、より好ましくは水酸基、メ チルオキシ、またはエチルオキシを表し、さ らに好ましくはメチルオキシを表す。

 R 1 が表す置換されていてもよいアリールチオ基 は、好ましくはニトロ基で置換されていても よいアリールチオ基であり、さらに好ましく はニトロ基で置換されていてもよいフェニル 基である。

 R 1 が表す置換されていてもよいアリール基は、 好ましくは置換されていてもよいフェニル基 であり、このアリール基の置換基は好ましく は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ 、C 1-6 アルキルおよび、C 1-6 アルキルオキシ、より好ましくはニトロ、ア ミノ、C 1-6 アルキルおよび、C 1-6 アルキルオキシから選択される同一または異 なる1以上の基である。

 R 1 が表す置換されていてもよい5~7員の単環式の 複素環基は、好ましくは5または6員複素環基 あり、より好ましくは、ピリジル基、フリ 基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ジヒ ロイミダゾリル基、ピロリジニル基、ジヒ ロピロリル基、1,3-オキサゾリジニル基、テ トラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3-チアジア ゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリ アジニル基、1,3,4-トリアゾリル基、ピリミジ ニル基、1,2-オキサゾリル基、1,3-オキサゾリ 基、ピラジニル基、モルホリニル基、ピペ ジニル基、ピペラジニル基、テトラヒドロ リダジニル基、テトラヒドロピリジル基、1 ,4-オキサゼパニル基、アゼパニル基、テトラ ヒドロアゼピニル基、および、1,4-ジアゼパ ル基からなる群より選択される基である。

 R 1 が表す置換されていてもよい5~7員の単環式の 複素環基の好ましいより具体的な基は、ピリ ジル基、イミダゾリル基、ジヒドロイミダゾ リル基、ピロリジニル基、1,3-オキサゾリジ ル基、チアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル 、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニ 基、ピリミジニル基、1,2-オキサゾリル基、1 ,3-オキサゾリル基、ピラジニル基、モルホリ ニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、 テトラヒドロピリダジニル基、テトラヒドロ ピリジル基であり、
 さらに好ましくは(2-、4-または5-)チアゾリ 基、1,2,3-チアジアゾール-4-イル基、1,2,3-チ ジアゾール-5-イル基、1,3,4-チアジアゾール-2 -イル基、1-ピロリジニル基、1,3-オキサゾリ ン-3-イル基、(2-、3-または4-)ピリジル基、2- ラジニル基、1,2,3-トリアゾール-1-イル基、1 ,2,3-トリアゾール-2-イル基、1,2,4-トリアゾー -1-イル基、1,2,4-トリアゾール-2-イル基、イ ダゾール-1-イル基、3-ジヒドロイミダゾリ 基、2-ピリミジニル基、5-ピリミジニル基、1 ,3-オキサゾール-5-イル基、1,2-オキサゾール-5 -イル基、1,3,5-トリアジン-2-イル基、2-モルホ リニル基、ピペラジノ基、3-ピペリジニル基 4-ピペリジニル基、3-テトラヒドロピリジル 基、6-テトラヒドロピリダジニル基であり、
 さらにより好ましくは2-ピラジニル基、5-ピ リミジニル基、1,3,5-トリアジン-2-イル基、1,2 ,3-チアジアゾール-4-イル基、3-ピリジル基、2 -モルホリニル基、3-ピペリジニル基、イミダ ゾール-1-イル基、3-テトラヒドロピリジル基 あり、
 特に好ましくは5-ピリミジニル基、3-テトラ ヒドロピリジル基である。。

 またこの5~7員複素環基は、ハライド、ニト 、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ 、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキルアミノ、アミノ、オキソ、チオキソ 、カルバモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より 択される1以上の基により置換されていても よく、
 このような複素環基の置換基は、好ましく ハライド、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、アミノ、チオキソ、カルバモイル 、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドである。

 R 1 が表す二環式の複素環基は、このましくは、 キノリン基、キナゾリン基、ベンゾオキサゾ ール基および、ベンゾチアゾール基からなる 群より選択される基であり、より好ましくは 、3-キノリニル基、2-ベンゾオキサゾリル基 ある。

 本発明の好ましい態様によれば、R1は、好 しくはピリジル-CHR8-(ここでR8は式(I)で定義 たことと同じ意味を表す)、モルホリノカル ニル基、ニトロ基で置換されていてもよい リールチオ基、置換されていてもよいアリ ル基(ここでこのアリール基は、ニトロ、ア ミノおよび、C1-6アルキルオキシからなる群 り選択される同一または異なる1以上の基に り置換されていてもよい)、置換されていて もよい5~7員の単環式の複素環基(ここでこの5~ 7員複素環基は、ピリジル基、イミダゾリル 、ジヒドロイミダゾリル基、ピロリジニル 、チアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1, 3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基 ピリミジニル基、1,2-オキサゾリル基、1,3-オ キサゾリル基、ピラジニル基、モルホルニル 基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、テト ラヒドロピリダジニル基および、テトラヒド ロピリジル基からなる群より選択される基で あり、
 この複素環基は、ハライド、ニトロ、シア 、C1-6アルキルアミノ、ジC1-6アルキルアミ 、アシル、C1-6アルキルオキシ、ヒドロキシ C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、ジC1 -6アルキルアミノ-C1-6アルキル、アシルアミ -C1-6アルキル、アミノ、オキソ、チオキソ、 カルバモイル、ジC1-6アルキルアミノカルボ ル、C1-6アルキルオキシ-C1-6アルキル、およ N-オキシドからなる群より選択される1以上 基により置換されていてもよい)であり、
 より好ましくは、R1は、置換されていても いアリール基、置換されていてもよい5また 6員の単環式の複素環基、
 さらに好ましくはR1は、置換されていても い5または6員の単環式の複素環基である。

 また本発明の好ましい態様によれば、AとR 1 の組み合わせは、Aが、置換されていてもよ アリール基である場合は、R 1 が、置換されていてもよい5または6員の単環 の複素環基であるか、または、Aが、置換さ れていてもよい4~6員の単環式の複素環基であ る場合は、R 1 が、置換されていてもよいアリール基または 、置換されていてもよい5または6員の単環式 複素環基である。本発明のよりこのましい 様によればR 1 -A-は、R 1 、Aがそれぞれ置換されていてもよい5-ピリミ ジニル-フェニル-または、3-テトラヒドロピ ジル-フェニル-である。

 本発明の好ましい態様によれば、R 2 は、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基で 置換されていてもよいC 1-6 アルキル基、アシル基、C 1-6 アルキルカルボニルアミノメチル基、C 1-6 アルキルカルボニルオキシメチルカルボニル 基、(5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イ )メチル基、(5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オ ソ-4-イル)メチルオキシカルボニル基、C 1-6 アルキルオキシカルボニル基、またはアリー ルオキシカルボニル基であり、
 より好ましくは、R 2 は、水素原子、または、C 1-6 アルキル基である。

 本発明の好ましい態様によれば R 3 は、好ましくは、置換されていてもよいC 1 - 6 アルキル基、または、C 3 - 6 シクロアルキル-C 1 - 4 アルキル基であり、より好ましくは、C 1 - 6 アルキル基、または、C 3 - 6 シクロアルキル-C 1 - 4 アルキル基であり、さらに好ましくは、C 3 - 6 シクロアルキル-C 1 - 4 アルキル基であり、特に好ましくはシクロプ ロピルメチル基である。

 本発明の好ましい態様によれば、R 4 、R 5 、およびR 6 基は、同一もしくは異なっていてもよい、水 素原子または置換されていてもよいC 1-6 アルキル基であり、より好ましくは水素原子 、メチル基、またはエチル基、さらに好まし くは共に水素原子である。

 本発明の好ましい態様によれば、R 7 は、好ましくはC 1-6 アルキル基であり、より好ましくはC 1-4 アルキル基であり、さらに好ましくはメチル 基またはエチル基であり、特に好ましくはメ チル基である。

 mは、好ましくは、1または2である。

 本発明の一つの好ましい態様によれば、
 Aが、
  ベンジル基(このベンジル基のメチレンがS に結合している);
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1 上の基により置換されていてもよい、アリ ル基;または
  C 1-6 アルキル、およびハロゲン化C 1-6 アルキル基からなる群より選択される1以上 基により置換されていてもよい、各環が4~6 である単環もしくは二環式の複素環基
   (ここでこの複素環基は、アゼチジニル 、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリ 基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジア リル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-ト アゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基 ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル および、オキサゾリル基からなる群から選 される)
を表し、かつ
 R 1 が、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびニトロ基 からなる群より選択される1以上の基により 換されていてもよい、アリールチオ基;
  置換されていてもよい、アリール基
   (ここでこのアリール基は、フッ素原子 塩素原子、ニトロ、アミノ、C 1-6 アルキル、シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、ハロゲン化C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルチオカルバモイル、C 1-6 アルキルカルボニルアミノ、C 1-6 アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ 、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジ ニルからなる群より選択される同一または異 なる1以上の基により置換されていてもよい);
  置換されていてもよい、5~7員の単環式の 素環基
   (ここでこの5~7員複素環基は、ピリジル 、フリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル 、ジヒドロイミダゾリル基、ピロリジニル 、ジヒドロピロリル基、1,3-オキサゾリジニ 基、テトラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3- アジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1 ,3,5-トリアジニル基、1,3,4-トリアゾリル基、 リミジニル基、1,2-オキサゾリル基、1,3-オ サゾリル基、ピラジニル基、モルホリニル 、ピペリジニル基、ピペラジニル基、テト ヒドロピリダジニル基、テトラヒドロピリ ル基、1,4-オキサゼパニル基、アゼパニル基 テトラヒドロアゼピニル基、および、1,4-ジ アゼパニル基からなる群より選択される基で あり、かつ
    この5~7員複素環基は、ハライド、ニト 、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ 、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキルアミノ、アミノ、オキソ、チオキソ 、カルバモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より 択される1以上の基により置換されていても よい);または
  各環が4~6員である、二環式の複素環基
   (ここでこの二環式複素環基は、キノリ 基、キナゾリン基、ベンゾオキサゾール基 よび、ベンゾチアゾール基からなる群より 択される基である)
を表す。

 本発明の一つの好ましい態様によれば、
 Aは、
  置換されていてもよいアリール基;または
  置換されていてもよい、各環が4~6員であ 単環もしくは二環式の複素環基
であり、
 R 1 は、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  置換されていてもよい、アリールチオ基;
  置換されていてもよいアリール基;または
  置換されていてもよい5~7員の単環式の複 環基
であり、かつ
 R 3 は、
  置換されていてもよいC 1-6 アルキル基;または
  C 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基
である。

 本発明の一つのより好ましい態様によれば
 Aは、
  ハライド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1 上の基により置換されていてもよい、フェ ル基;または
  4~6員である単環の複素環基(ここでこの複 環基は、チエニル基、1,3,4-チアジアゾリル 、1,3,4-オキサジアゾリル基、ピリジル基、 リミジニル基および、オキサゾリル基から る群から選択される)
であり、
 R 1 は、
  ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  ニトロ基で置換されていてもよい、フェ ルチオ基;
  置換されていてもよい、フェニル基
   (ここでこのフェニル基は、ニトロ、ア ノ、C 1-6 アルキル、および、C 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される同 一または異なる1以上の基により置換されて てもよい);または
  置換されていてもよい、5~7員の単環式の 素環基
   (ここでこの5~7員複素環基は、ピリジル 、イミダゾリル基、ジヒドロイミダゾリル 、ピロリジニル基、チアゾリル基、1,2,3-チ ジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5 -トリアジニル基、ピリミジニル基、1,2-オキ ゾリル基、1,3-オキサゾリル基、ピラジニル 基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペ ラジニル基、テトラヒドロピリダジニル基お よび、テトラヒドロピリジルからなる群より 選択される基であり、かつ
    この5~7員複素環基は、ハライド、ニト 、シアノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、アミノ、オキソ、チオキソ、カル バモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より 択される1以上の基により置換されていても よい);
であり、かつ
 R 3 は、
  C 1-6 アルキル基;または
  C 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基
である。

 前記の場合において、本発明の一つの好ま い態様によれば、
 R 2 は、
  水素原子;
  ヒドロキシ基により置換されていてもよ 、C 1-6 アルキル基;
  アシル基;
  C 1-4 アルキルカルボニルアミノメチル基;
  C 1-4 アルキルカルボニルオキシメチルカルボニル 基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル )メチル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル )メチルオキシカルボニル基;
  C 1-6 アルキルオキシカルボニル基;または
  アリールオキシカルボニル基
であり、
 R 4 、R 5 、およびR 6 は、共に水素原子であり、かつ
 R 7 は、C 1-4 アルキル
である。

 本発明による式(I)の化合物の分子内には、 中の-S-A-(R 1 ) n が結合する不斉炭素が存在するが、本発明は この立体異性体の分離されたものおよび混合 物のいずれも包含する。この炭素は、S配置 あることが望ましく、本発明の好ましい態 としては、次の式(II)で表される化合物群と の薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒 物が挙げられる。

[式中、A、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、mは、式(I)で定義したことと同じ意味を表 ]

 本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物 またはその薬理学的に許容されうる塩もし は溶媒和物であって、該式中のA、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、およびmが下記のように定義されれうもの 提供される。
 すなわち、式(I)において、
 Aは、ベンジル基(このベンジル基のメチレ がSに結合している);
C 1-6 アルキル、ハライド、シアノおよびC 1-6 アルキルオキシからなる群より選択される1 上の基により置換されていてもよいアリー 基;または
  C 1-6 アルキル、およびハロゲン化C 1-6 アルキル基からなる群より選択される基によ り置換されていてもよい、各環が4~6員である 単環もしくは二環式の複素環基
   (ここでこの複素環基は、アゼチジニル 、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリ 基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジア リル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-ト アゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基 ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル および、オキサゾリル基からなる群から選 される)
を表し、
 R 1 は、ピリジル-CHR 8 -(ここでR 8 は水酸基またはC 1-6 アルキルオキシを表す);
  モルホリノカルボニル基;
  ニトロ基で置換されていてもよいアリー チオ基;
  置換されていてもよいアリール基
   (ここでこのアリール基は、フッ素原子 塩素原子、ニトロ、アミノ、C 1-6 アルキル、シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、ハロゲン化C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 アルキルチオカルバモイル、C 1-6 アルキルカルボニルアミノ、C 1-6 アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ 、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジ ニルからなる群より選択される同一または異 なる1以上の基により置換されていてもよい);
  置換されていてもよい5~7員の単環式の複 環基
   (ここでこの5~7員複素環基は、ピリジル 、フリル基(例えば2-フリル)、ピラゾリル基( 例えば4-ピラゾリル)、イミダゾリル基、ジヒ ドロイミダゾリル基、ピロリジニル基、ジヒ ドロピロリル基、1,3-オキサゾリジニル基、 トラゾリル基(例えばテトラゾール-1-イル、 トラゾール-2-イル)、チアゾリル基、1,2,3-チ アジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3 ,5-トリアジニル基、1,3,4-トリアゾリル基、ピ リミジニル基、1,2-オキサゾリル基、1,3-オキ ゾリル基、ピラジニル基、モルホリニル基 ピペリジニル基、ピペラジニル基、テトラ ドロピリダジニル基、テトラヒドロピリジ 基、1,4-オキサゼパニル基、アゼパニル基、 テトラヒドロアゼピニル基および、1,4-ジア パニル基からなる群より選択される基であ 、
この複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ 、C 1-6 アルキルアミノ、ジC 1-6 アルキルアミノ、アシル、C 1-6 アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ 、C 1-6 アルキル、ヒドロキシC 1-6 アルキル、ジC 1-6 アルキルアミノ-C 1-6 アルキル、アシルアミノ-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキルアミノ、アミノ、オキソ、チオキソ 、カルバモイル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アルキルオキシ-C 1-6 アルキル、およびN-オキシドからなる群より 択される1以上の基により置換されていても よい);または
  各環が4~6員である、二環式の複素環基(こ でこの二環式複素環基は、キノリン基、キ ゾリン基、ベンゾオキサゾール基および、 ンゾチアゾール基からなる群より選択され 基である)
を表し、
 R 2 は、水素原子;
  置換されていてもよいC 1-6 アルキル基;
  置換されていてもよいC 2-6 アルケニル基;
  置換されていてもよいアシル基;
  C 1-6 アルキルカルボニルアミノメチル基;
  C 1-6 アルキルカルボニルオキシメチルカルボニル 基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル )メチル基;
  (5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オキソ-4-イル )メチルオキシカルボニル基;
  置換されていてもよいC 1-6 アルキルオキシカルボニル基
   (ここで前記C 1-6 アルキル基、C 2-6 アルケニル基、アシル基、およびC 1-6 アルキルオキシカルボニル基は、C 1-6 アルキル基により置換されていてもよい複素 環、アミノ、ヒドロキシ、およびシアノから なる群より選択される1以上の基により置換 れていてもよい);または
 アリールオキシカルボニル基
を表し、
 R 3 は、置換されていてもよいC 1-6 アルキル基
   (ここでこのC 1-6 アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキ シ、アミノ、C 1-6 アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、 シアノ、C 1-6 アルキルオキシ、オキソ、複素環、アジド、 C 1-6 アルキルアミノカルボニル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、置換されていて もよいアリールからなる群より選択される1 上の基により置換されていてもよい);
 C 3-6 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基;または、
  C 2-6 アルケニル基
を表し、
 R 4 、R 5 、およびR 6 は、同一または異なっていてもよく
  水素原子;
  置換されていてもよいC 1-6 アルキル基; 
  置換されていてもよいアシル基
   (ここで前記C 1-6 アルキル基、およびアシル基上の水素原子は 、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、 C 1-6 アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、 シアノ、ニトロハライド、C 1-6 アルキルオキシ、オキソ、複素環、アジド、 C 1-6 アルキルアミノカルボニル、ジC 1-6 アルキルアミノカルボニル、および、ハライ ド、ヒドロキシもしくはC 1-4 アルキルにより置換されていてもよいアリー ルからなる群より選択される1以上の基によ 置換されていてもよい);または
ベンゾイル基
を表し、
 R 7 は、ハライドおよびヒドロキシからなる群よ り選択される1以上の基により置換されてい もよいC 1-6 アルキル基を表し、
 mは、1~3を表すがただし、
 R 3 が、置換されていてもよいC 1-6 アルキル基または、C 2-6 アルケニル基である場合は、R 1 -A-がR 1 、Aがそれぞれ置換されていてもよい
5-ピリミジニル-フェニル-、2-ピリミジニル- ェニル-、3-ピペリジニル-フェニル-、4-ピペ ジニル-フェニル-、3-テトラヒドロピリジル -フェニル-、2-ピラジニル-フェニル-、6-テト ヒドロピリダジニル-フェニル-、1,2-オキサ ール-5-イル-フェニル-、1,3-オキサゾリジン- 3-イル-フェニル-、1,2,3-チアジアゾール-4-イ -フェニル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル-フェ ニル、2-(3-ピペリジニル)-ピリジン-3-イル、1, 3-オキサゾール-5-イル-フェニル-、フェニル オ-フェニル-、C 1-6 アルキルオキシ(ピリジル)メチル-フェニル- ヒドロシ(ピリジル)メチル-フェニル-、チア ール-4-イル-フェニル-、チアゾール-2-イル- ェニル-、1-ピペラジニル-フェニル-、1-ピロ リジニル-フェニル-、1-ジヒドロイミダゾリ -フェニル-、2-(1,3-オキサゾール-5-イル)-チオ フェン-4-イル-、2-(ピリミジン-5-イル)-チオフ ェン-4-イル、3-(ピリミジン-5-イル)-ピリジン- 6-イル、2-(ピリミジン-5-イル)-ピリジン-5-イ 、2-(テトラヒドロピリジン-3-イル)-ピリジン -5-イル、2-(ピロリジン-1-イル)-ピリジン-5-イ 、5-(ピリミジン-5-イル)-ピリミジン-2-イル 2-(ピリミジン-5-イル)-ピリミジン-5-イルから なる群から選択される基を表す。

 本発明による化合物は、その薬理学的に 容されうる塩とすることができる。このよ な塩の好ましい例としては、ナトリウム塩 カリウム塩またはカルシウム塩のようなア カリ金属またはアルカリ土類金属塩、フッ 水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化 素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸 、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無 酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ タンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩の うな低級アルキルスルホン酸塩、ベンゼン ルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のよ なアリールスルホン酸塩、フマル酸、コハ 酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩 マレイン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、乳酸 、アスコルビン酸塩のような有機酸塩、お びグリシン塩、フェニルアラニン塩、グル ミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミ 酸塩などが挙げられる。

 本発明による化合物は溶媒和物とするこ ができる。このような溶媒和物としては、 和物、アルコール和物(例えば、メタノール 和物、エタノール和物)、およびエーテル和 (例えば、ジエチルエーテル和物)が挙げられ る。

化合物の用途/医薬組成物
 本発明による化合物は、イン・ビトロ(in vi tro)において細菌、特に耐性肺炎球菌、の発 を阻害し、抗菌活性を実際に示す(試験例1参 照)。
 本発明による化合物は、各種細菌、例えば 性菌を含む肺炎球菌( S.   pneumoniae )等に対して極めて優れた抗菌活性を示すリ コサミド誘導体である。本発明による化合 は、リンコサミド誘導体であるため、従来 告されている各種細菌に対し、抗菌活性を することに加えて、臨床上問題となってい 耐性肺炎球菌に対しても強い抗菌活性を有 る。このため、呼吸器感染症をはじめとす 各種細菌感染症の予防または治療において めて有効であるといえる。
 従って本発明による化合物は、細菌感染症 予防または治療に用いることができる。こ ような感染症としては、例えば、肺炎、慢 気管支炎、急性中耳炎、急性副鼻腔炎等が げられる。

 本発明によれば、本発明による化合物また それらの薬理学的に許容されうる塩もしく 溶媒和物と、薬学上許容されうる担体とを んでなる医薬組成物が提供される。好まし 態様によれば、有効成分である上記の物質 ともに製剤用添加剤をさらに含む医薬組成 が提供される。これらの医薬組成物は細菌 染症(好ましくは呼吸器における細菌感染症 )の予防または治療に有用であり、抗菌剤(す わち抗菌剤組成物)として用いることができ る。
 本発明の別の態様によれば、本発明による 合物またはその薬理学的に許容されうる塩 しくは溶媒和物を有効成分とする抗菌剤が 供される。

 また本発明の別の態様によれば、本発明に る化合物またはその薬理学的に許容されう 塩もしくは溶媒和物の治療上の有効量を、 学上許容されうる担体と共に哺乳類に投与 ることを含んでなる、細菌感染症の治療方 が提供される。
 本発明のさらに別の態様によれば、細菌感 症の治療用の医薬組成物の製造のための、 発明による化合物またはその薬理学的に許 されうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供 れる。また、本発明の別の態様によれば、 菌剤の有効成分としての、本発明による化 物またはその薬理学的に許容されうる塩も くは溶媒和物の使用が提供される。
 ここで好ましくは感染症は、呼吸器におけ 細菌感染症である。

 本明細書において「治療」とは、一般的に 所望の薬理学的効果および/または生理学的 効果を得ることを意味する。効果は、疾病お よび/または症状を完全にまたは部分的に防 する点では予防的であり、疾病および/また 疾病に起因する悪影響の部分的または完全 治癒という点では治療的である。本明細書 おいて「治療」とは、哺乳動物、特にヒト 疾病の任意の治療を含み、例えば以下の(a)~ (c)の治療を含む: 
(a)疾病または症状の素因を持ちうるが、まだ 持っていると診断されていない患者において 、疾病または症状が起こることを予防するこ と;
(b)疾病症状を阻害する、即ち、その進行を阻 止または遅延すること;
(c)疾病症状を緩和すること、即ち、疾病また は症状の後退、または症状の進行の逆転を引 き起こすこと。

 本発明による化合物は、経口および非経 (例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投 与、直腸投与、経皮投与) のいずれかの投与 経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与す ることができる。

 従って、本発明による化合物を含んでな 医薬組成物は、投与経路に応じた適当な剤 に処方される。具体的には、経口剤として 、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤 細粒剤、トローチ剤、シロップ剤などが挙 られ、非経口剤としては、静注もしくは筋 等の注射剤、座剤、テープ剤、軟膏剤など 挙げられる。

 これらの各種製剤は、通常用いられてい 賦形剤、増量剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤 着色剤、希釈剤、湿潤化剤、界面活性化剤 分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防 剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤など 製剤用添加剤(担体)等を用いて常法により 造することができる。

 賦形剤としては、例えば、乳糖、果糖、 ドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結 セルロースなどが、崩壊剤としては、例え 、デンプン、アルギン酸ナトリウム、ゼラ ン末、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウ 、デキストリンなどが、結合剤としては例 ばジメチルセルロースもしくはその塩、ポ ビニルアルコール、ポリビニルエーテル、 チルセルロース、エチルセルロース、アラ アゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセ ロース、ポリビニルピロリドンなどが、滑 剤としては、例えば、タルク、ステアリン マグネシウム、ポリエチレングリコール、 化植物油などがそれぞれ挙げられる。この の使用可能な無毒性の添加剤としては、例 ば、シロップ、ワセリン、ラノリン、グリ リン、エタノール、プロピレングリコール クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ リン酸ナトリウム、β-シクロデキストリン ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン 、Tween80等が挙げられる。

 また、上記注射剤は、必要により緩衝剤 pH調整剤、安定化剤、等張化剤、保存剤な を添加して製造することができる。

 本発明による医薬組成物中、本発明によ 化合物の含有量は、その剤型に応じて異な が、通常全組成物中10~95 重量%,好ましくは3 0~80重量%である。

 投与量は患者の年齢、体重、性別、疾患 相違、症状の程度などを考慮して、個々の 合に応じて適宜決定されるが、例えば、肺 球菌による感染症の治療のためには、経口 与では通常、成人1日1人当たり本発明の化 物の重量として約1~2000mg、好ましくは、10~100 0mgの投与量であり、これを症状に応じて1日1 から6回にわけて投与することができる。

 本発明による化合物は他の医薬、例えば ニシリン、カルバペネム、キノロン等の他 抗菌剤と組み合わせて投与してもよい。投 は、同時にあるいは経時的にすることがで る。他の医薬の種類や投与間隔等は症状の 類や患者の状態に依存して決定できる。

式(I)の化合物の製造
 本発明による式(I)で表される化合物は、下 に説明する製造方法に従って製造すること できるが本発明の化合物の製造方法はこれ に限定されるものではなく、本発明の化合 の範囲も下記の製造方法により製造された 合物に限定されることはない。本明細書の 施例には本発明化合物の製造方法の具体例 示されているので、当業者は下記の一般的 製造方法の説明および実施例の具体的な説 を参照しつつ、原料化合物、反応条件、試 などを適宜選択し、必要に応じて適宜の修 ないし改良を行うことにより、式(I)に包括 れる化合物をいずれも容易に製造する事が 能である。なお本発明の製造方法は、本発 によって明らかにされた化合物の性状に基 き、公知の手段を施してこれらを製造する べての方法を包括する。

 以下において、構造式中のA、R 1 からR 7 、mの文字は、式(I)において定義されたもの 同じ意味を表す。またB、R 9 からR 11 はR 1 の部分構造を意味するため、式(I)で定義した 範囲を超えないものとする。また式(I)以外で 以下に随時出てくる新たな文字はその都度、 意味を定義し、それ以降に出てきた場合は、 上述の定義と同じ意味を表す。またこれより 以下に示す全反応工程において、同じ番号の 反応工程は同じ反応条件を表す。

 第1に式(I)においてR 2 がメチル基(以下、Meと略記する)、R 3 がプロピル基(以下、Prと略記する)、R 4 、R 5 および、R 6 が水素原子(以下、Hと略記する)、mが1で表さ る化合物群は、たとえば下記の一般的方法 従って製造することができる。

  スキーム1
[式(4)中に記載のLはC 1-6 アルキルスルホニル基またはアリールスルホ ニル基等の脱離基を表し、式(6)中に記載のR C 1-6 アルキルまたはアリール基を表し、TMSはトリ メチルシリル基を表す。]

 第1、2工程において、リンコマイシン(以 LCMと省略する)から式(2)の化合物への変換お よび式(2)の化合物から式(3)の化合物への変換 は、たとえば米国特許第3418414号に記述され 方法に準じて製造できる。

 第3工程において、式(3)の化合物から式(5)の 化合物への変換は、たとえば反応試薬として 用いるチオール(HS-A-R 1 )またはジスルフィド(R 1 -A-S-S-A-R 1 )に応じて以下の(i)、(ii)のいずれかの方法を 宜選択することにより製造できる。即ち、( i) テトラヒドロフラン溶液中で式(3)の化合 、トリフェニルホスフィン、ジエチルアゾ カルボキシレート存在下、前記チオールま は前記ジスルフィドのいずれかを1~10当量用 反応させた後、トリメチルシリル基を希薄 酸-メタノール溶液等で除去することにより 製造できる。本反応における反応溶媒はテト ラヒドロフランの他に、一般的な反応溶媒で あってもよく、好ましくはベンゼン、トルエ ン、トリフルオロメチルベンゼン、アセトニ トリル等がよく、ホスフィン試薬はトリフェ ニルホスフィンの他に、一般的に文献などで 知られるホスフィン試薬であってもよく、好 ましくはトリルホスフィン、トリ-n-ブチルホ スフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン等がよ く、1~5当量も用いると良い。

 アゾ試薬はジエチルアゾジカルボキシレ トの他に、一般的に文献などで知られるア 試薬であっても良く、好ましくはジイソプ ピルアゾジカルボキシレート、1,1’-(アゾ カルボニル)ジピペリジン等がよく、1~5当量 いると良い。反応温度は0~50℃の範囲で行い 、反応時間は0.5~24時間である。(ii) ベンゼン 溶液中、式(3)の化合物、シアノメチレントリ -n-ブチルホスホラン存在下、前記チオールを 反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩 酸-メタノール溶液等で除去することにより 造できる。本反応における反応溶媒はベン ンの他に、一般的な反応溶媒でもあっても く、好ましくはテトラヒドロフラン、トル ン、トリフルオロメチルベンゼン、アセト トリル等がよく、反応促進剤はシアノメチ ントリ-n-ブチルホスホランの他に、一般的 文献などで知られるホスフィンイリド等で っても良く、好ましくはシアノメチレント メチルホスホラン等がよく、1~5当量用いる 良い。反応温度は0~150℃の範囲で行い、反応 時間は0.5~24時間である。

 第4工程において、式(3)の化合物から式(4) の化合物への変換は、たとえば以下の方法を 用いることにより製造できる。即ち、クロロ ホルム溶媒中、塩基存在下、式(3)の化合物に スルホニル化剤を反応させることにより製造 できる。本反応における反応溶媒はクロロホ ルムの他に、一般的な反応溶媒であってもよ く、好ましくは塩化メチレン、四塩化炭素等 のハロゲン性溶媒等やジメチルスルホキシド 、ピリジン、1-メチルピロリドン等の極性溶 がよい。塩基とは一般的に知られる無機塩 または有機塩基であり、好ましくは、炭酸 リウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチル ミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリ ン等であり、1~10当量用いると良い。スルホ ニル化剤は、一般的なアルキルスルホニルク ロリドまたはアリールスルホニルクロリドま たはスルホン酸無水物を指し、好ましくは塩 化メタンスルホニル、塩化トルエンスルホニ ル、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等 がよく1~10当量用いるとよい。反応温度は-10~5 0℃の範囲で行い、反応時間は0.5~24時間であ 。

 第5工程において、式(4)の化合物から式(5) の化合物への変換は、たとえば以下の方法を 用いることにより製造できる。即ち、N,N-ジ チルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(4 )の化合物に前記チオールを1~10当量用い反応 せた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸-メ タノール溶液等で除去することにより製造で きる。本反応における反応溶媒はN,N-ジメチ ホルムアミドの他に、一般的な反応溶媒で っても良く、好ましくはジメチルスルホキ ド、ピリジン、1-メチルピロリドン等の極性 溶媒が良い。塩基とは一般的に知られる無機 塩基または有機塩基であり、好ましくは炭酸 カリウム、炭酸水素ナトリウムまたはトリエ チルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジ ン等であり、1~10当量用いると良い。反応温 は-10~120℃の範囲で行い、反応時間は0.5~24時 である。

 第6工程において、式(3)の化合物から式(6) の化合物への変換は、たとえば第3工程のチ ールを一般的に知られるアルキルチオカル ン酸または一般的に知られるアリールチオ ルボン酸に代え、好ましくはチオ酢酸、チ プロピオン酸またはチオ安息香酸等に代え 1~10当量用い反応させることにより製造でき 。

 第7工程において、たとえば式(4)の化合物 から式(6)の化合物への変換は、たとえば第5 程のチオールを一般的に知られるアルキル オカルボン酸またはその塩や一般的に知ら るアリールチオカルボン酸またはその塩に え、好ましくはチオ酢酸、チオプロピオン またはそのカリウム塩、ナトリウム塩等や オ安息香酸またはそのカリウム塩、ナトリ ム塩等に代え、1~10当量用い反応させること より製造できる。

 第8工程において、式(6)の化合物から式(5) の化合物への変換は、たとえば以下の方法を 用いることにより製造できる。即ち、メタノ ール溶媒中、塩基存在下、系中でアシル基を 除去し、これにアルキルハライド、アリール ハライドまたはヘテロ環ハライド等を1~10当 反応させた後、トリメチルシリル基を希薄 酸-メタノール溶液等で除去することにより 造できる。本反応における反応溶媒はメタ ールの他に、一般的な極性溶媒であっても く、好ましくはエタノール、プロパノール ブタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ジ メチルスルホキシド、1-メチルピロリドンな が良く、塩基は一般的に知られる無機塩基 アルカリ金属メトキシド、アルカリ金属エ キシドであっても良く、好ましくは炭酸水 ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウ やナトリウムメトキシド、ナトリウムエト シドが良く1~10当量用いるとよい。反応温度 は0~120 ℃の範囲で行い、反応時間は0.5~24時 である。

 第9工程において、式(6)の化合物から式(7) の化合物への変換は、たとえば以下の方法を 用いることにより製造できる。即ち、メタノ ール溶媒中、式(6)の化合物のトリメチルシリ ル基を希薄塩酸-メタノール溶液等で除去し 後、式(6)の化合物中のアシル基を塩基によ 脱保護することにより製造できる。本反応 おける反応溶媒はメタノールの他に、一般 な極性溶媒であっても良く、好ましくはエ ノール、プロパノール、ブタノール、N,N-ジ チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド 1-メチルピロリドンなどが良く、塩基は一 的に知られる無機塩基やアルカリ金属メト シド、アルカリ金属エトキシドであっても く、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化 リウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウ エトキシドが良く1~10当量用いるとよい。反 温度は0~40℃の範囲で行い、反応時間は0.5~24 時間である。

 第10工程において、式(7)の化合物から式(5) 化合物への変換は、たとえば以下の(i)、(ii) どちらかの方法を適宜選択することにより 造できる。即ち、(i) N,N-ジメチルホルムア ド溶媒中、塩基存在下、式(7)の化合物にX 1 -A-R 1 で表される反応剤(X 1 はRSO 2 基または、ハライドを表す)を1~10当量用い反 させることにより製造できる。

 本反応における反応溶媒はN,N-ジメチルホル ムアミドの他に、一般的な反応溶媒を用いて もよく、好ましくは、ジメチルスルホキシド 、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、 1-メチルピロリドンが良い。塩基は、一般的 知られる無機塩基または有機塩基であって よく、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭 ナトリウム、リン酸カリウム、ナトリウム tert-ブトキシド、カリウム tert-ブトキシド またはジイソプロピルエチルアミン、トリ チルアミンがよく1~10当量用いるとよい。反 温度は室温~150℃の範囲で行い、反応時間は 1~24時間である。(ii)ジオキサン溶媒中、塩基 X 2 -A-R 1 で表される反応剤(X 2 はI、Br、Cl、OTfまたは、OTsを表し、Tfはトリ ルオロメタンスルホニル基、Tsはトシル基を 表す)、添加剤、一般的なパラジウム触媒存 下、式(7)の化合物を反応させることにより 造できる。本反応における反応溶媒はジオ サンの他に、一般的な反応溶媒を用いても く、好ましくはN,N-ジメチルホルムアミド、 ンゼン、トルエン、シクロペンチルメチル ーテル、テトラヒドロフラン、ブタノール ジメチルスルホキシドがよい。塩基は、一 的に知られる無機塩基または有機塩基であ てもよく、好ましくは炭酸ナトリウム、リ 酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシ ム、ナトリウム tert-ブトキシド、カリウム  tert-ブトキシド、またはジイソプロピルエ ルアミン、トリエチルアミンがよく1~10当量 いるとよい。添加剤は一般的に知られるホ フィン配位子を表し、好ましくは4, 5-ビス( ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルザンテン 、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビ フチル、トリフェニルホスフィン、トリ te rt-ブチルホスフィン等が良く0.01~0.5当量用い のが良い。一般的なパラジウム触媒は、好 しくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジ ラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス( フェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム 等が良く、またパラジウム触媒の他に銅触媒 等の金属触媒であっても良く0.01~0.5当量用い と良い。反応温度は室温~150℃の範囲で行い 、反応時間は1~48時間である。

 第2に式(5)においてR 1 が5~7員の飽和環状アミン(R 9 は水素原子またはC 1-6 のアルキル基を表す)で表される化合物群(式( 8))のように、スキーム1に記載の方法では製 上または精製上等で効率的に製造し難い化 物群も存在する。これらの化合物群(式(8))は 、別法として、たとえばスキーム1に記載の 法により製造した式(5)(R 1 がピリジル基または環内にN-R 9 を有する5~7員の不飽和環状アミン)より、以 の方法を用いても製造できる。

  スキーム2

 即ち、第10工程において、式(5)の化合物か 式(8)の化合物への変換は、たとえば以下の(i )または(ii)のどちらかの方法を適宜選択する とにより製造できる。たとえば(i)メタノー 溶媒中、酸存在下、白金ブラック触媒を加 、水素雰囲気下で反応させることにより製 できる。本反応における反応溶媒はメタノ ルの他に、一般的な溶媒であっても良く、 ましくはエタノール、プロパノール、ブタ ール等の溶媒が良い。酸は酢酸、塩酸、硫 等を用いるのが好ましい。反応温度は0~120 の範囲で行い、反応時間は6~36時間である。( ii)トルエン溶媒中、4-メチルベンゼンスルホ ドラジドを1~10当量用い反応させることによ り製造できる。本反応における反応溶媒はト ルエンの他に、一般的な溶媒であっても良く 、好ましくはベンゼン、テトラヒドロフラン 溶媒等が良い。
反応温度は90~120℃の範囲で行い、反応時間は 0.5~24時間である。 

 第3に式(5)において、R 1 が-B-NR 10 R 11 (Bは置換されていても良いアリールまたは複 環を表し、R 10 は水素原子またはC 1 - 6 のアルキル基を表すかまた、BとR 10 が一緒になって4~7の複素環を形成することを 表す。R 11 はC 1 - 6 のアルキル基またはアシル基を表す)で表さ る化合物群(式(10))のうち、スキーム1に記載 方法では製造上または精製上等で効率的に 造し難い化合物群も存在する。これらの化 物群(式(10))は、別法として、たとえばスキ ム1またはスキーム2に記載の方法により、 の前駆体である式(9)の化合物を製造した後 以下の方法を用いても製造できる。

  スキーム3

 即ち、第11工程において、式(9)の化合物 ら式(10)の化合物への変換は、(i)、(ii)および (iii)の手法を適宜選択することにより製造で る。たとえば(i)1,2-ジクロロエタン溶媒中、 酸と還元剤存在下、ケトンまたはアルデヒド を1~10当量用い式(9)の化合物に反応させるこ により製造できる。本反応における反応溶 は1,2-ジクロロエタンの他に、一般的な溶媒 あっても良く、好ましくは塩化メチレン、 ロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチ エーテル、メタノール、エタノール、ブタ ール等の溶媒が良い。酸は酢酸、塩酸、硫 等を用いるのが好ましい。還元剤は、一般 に知られる還元剤であっても良く、好まし はトリアセトキシホウ素ナトリウム等が良 1~10当量用いると良い。反応温度は0~120℃の 囲で行い、反応時間は0.5~4時間である。(ii) セトニトリル溶媒中、塩基存在下、式(9)の 合物にアルキルハライドを1~10当量用い反応 させることにより製造できる。本反応におけ る反応溶媒はアセトニトリルの他に、一般的 な溶媒であっても良く、好ましくはN,N-ジメ ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1- メチルピロリドンなどの極性溶媒等が良い。 塩基は、一般的に知られる無機塩基または有 機塩基であっても良く、好ましくは、炭酸カ リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム 、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル アミン、4-ジメチルアミノピリジン等が良く1 ~10当量用いると良い。反応温度は0~50℃の範 で行い、反応時間は0.5~24時間である。(iii)た とえばメタノール溶媒中、無水酢酸を1~10当 用い反応させることにより製造できる。本 応における反応溶媒はメタノールの他に、 般的な溶媒であっても良く、好ましくはエ ノール、プロパノール等の極性溶媒が良い 反応温度は0~60℃の範囲で行い、反応時間は0 .5~6時間である。

 第4に式(I)において、R 4 、R 5 、およびR 6 がHであり、mが1または2である化合物群は、 とえば下記の一般的方法に従って製造する とができる。

  スキーム4

 第12、13工程において、式(11)の化合物か 式(12)の化合物への変換および式(12)の化合物 から式(13)の化合物への変換は、たとえばTetra hedron Lett., 43, (2002), 3499.に記述された方法 準じて製造できる。

 第14~16工程において、式(13)の化合物から (14)の化合物への変換、式(14)の化合物から (15)の化合物への変換および式(15)の化合物か ら式(16)の化合物への変換は、たとえばTetrahed ron Lett., 35, (1994), 2053.及びJ. Am. Chem. Soc., 110, (1998), 3894.に記述された方法に準じて製 造できる。

 第17工程において、式(16)の化合物から式(17) の化合物への変換は、式(17)のR 3 中に(i)2重結合を残すか(ii)残さないを適宜選 し下記の方法を用いることにより製造でき 。たとえば(i)メタノール溶媒中、塩基存在 、式(16)の化合物を加水分解することにより 製造できる。本反応における反応溶媒はメタ ノールの他に、一般的なアルコール溶媒であ っても良く、好ましくはエタノール、プロパ ノール、ブタノール等が良い。反応温度は0~1 20℃の範囲で行い、反応時間は0.5~24時間であ 。(ii)J. Am. Chem. Soc., 110, (1998), 3894.に記 された方法に準じて製造できる。

 第18工程において、式(17)の化合物から式( 18)の化合物への変換は、たとえばN,N-ジメチ ホルムアミド溶媒中、1-エチル-3-(3-ジメチル アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩およ 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール存在下、式 (17)の化合物にメチル 1-チオ-α-リンコサミド (MTLと略す)を1~10当量用い反応させることによ り製造できる。本反応における反応溶媒はN,N -ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶 であっても良く、好ましくはテトラヒドロ ラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホ シド、1-メチルピロリドン等の極性溶媒が良 い。また縮合剤は1-エチル-3-(3-ジメチルアミ プロピル)カルボジイミド塩酸塩および1-ヒ ロキシベンゾトリアゾールの組み合わせの に、一般的な縮合剤であっても良く、好ま くはジシクロヘキシルカルボジイミドと4- メチルアミノピリジン等を1~10当量用いると い。反応温度は0~120℃の範囲で行い、反応 間は0.5~24時間である。

 第19工程において、式(18)の化合物から式( 19)の化合物への変換は、たとえば上述の第1 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第20工程において、式(19)の化合物から式( 20)の化合物への変換は、たとえば上述の第2 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第21工程において、式(20)の化合物から式( 22)の化合物への変換は、たとえば上述の第3 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第22工程において、式(20)の化合物から式( 21)の化合物への変換は、たとえば上述の第4 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第23工程において、式(21)の化合物から式( 22)の化合物への変換は、たとえば上述の第5 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第24工程において、式(20)の化合物から式( 23)の化合物への変換は、たとえば上述の第6 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第25工程において、式(21)の化合物から式( 23)の化合物への変換は、たとえば上述の第7 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第26工程において、式(23)の化合物から式( 22)の化合物への変換は、たとえば上述の第8 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第27工程において、式(23)の化合物から式( 24)の化合物への変換は、たとえば上述の第9 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第28工程において、式(22)の化合物から式( 24)の化合物への変換は、たとえば上述の第10 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第29工程において、式(22)の化合物から式( 25)の化合物への変換は、たとえば式(22)の化 物に95%トリフルオロ酢酸水溶液または1N塩化 水素メタノール溶液のどちらか用いて反応を 行うことにより得られる。反応温度は0℃か 50℃の範囲で行い、反応時間は0.5~24時間であ る。

 第30工程において、式(25)の化合物から式( 26)の化合物への変換は、(i)、(ii)および(iii)の 手法を適宜選択することにより製造できる。 たとえば(i)1,2-ジクロロエタン溶媒中、酸と 元剤存在下、ケトンまたはアルデヒドを1~10 量用い式(25)の化合物に反応させることによ り製造できる。本反応における反応溶媒は1,2 -ジクロロエタンの他に、一般的な溶媒であ ても良く、好ましくは塩化メチレン、クロ ホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエ テル、メタノール、エタノール、ブタノー 等の溶媒が良い。酸は酢酸、塩酸、硫酸等 用いるのが好ましい。還元剤は、一般的に られる還元剤であっても良く、好ましくは リアセトキシホウ素ナトリウム等が良く1~10 量用いると良い。反応温度は0~120℃の範囲 行い、反応時間は0.5~4時間である。(ii)アセ ニトリル溶媒中、塩基存在下、式(53)の化合 にアルキルハライドを1~10当量用い反応させ ることにより製造できる。本反応における反 応溶媒はアセトニトリルの他に、一般的な溶 媒であっても良く、好ましくはN,N-ジメチル ルムアミド、ジメチルスルホキシド、1-メチ ルピロリドンなどの極性溶媒等が良い。塩基 は、一般的に知られる無機塩基または有機塩 基であっても良く、好ましくは、炭酸カリウ ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ト リエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ ン、4-ジメチルアミノピリジン等が良く1~10当 量用いると良い。反応温度は0~50℃の範囲で い、反応時間は0.5~24時間である。(iii)たとえ ばN,N-ジメチルホルムアミド溶媒中、1-エチル -3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ 塩酸塩および1-ヒドロキシベンゾトリアゾー ル存在下、式(25)の化合物にアルキルまたは リールカルボン酸を1~10当量用い反応させる とにより製造できる。本反応における反応 媒はN,N-ジメチルホルムアミドの他に、一般 的な溶媒であっても良く、好ましくはジメチ ルスルホキシド、1-メチルピロリドン等の極 溶媒が良い。また縮合剤は1-エチル-3-(3-ジ チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 よび1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの組 合わせの他に、一般的な縮合剤であっても く、好ましくはジシクロヘキシルカルボジ ミドと4-ジメチルアミノピリジン等を1~10当 用いると良い。反応温度は0~120℃の範囲で行 い、反応時間は0.5~24時間である。

 第31~33工程において式(27)の化合物から式( 28)の化合物、式(28)の化合物から式(29)の化合 、式(29)の化合物から式(30)の化合物への変 は、たとえば、J. Med. Chem., 32, (1989), 829. 記述された方法に準じて製造できる。

 第34工程において式(30)の化合物から式(31) の化合物への変換は、たとえば酢酸溶媒中、 式(30)の化合物、酸化白金を加え、水素雰囲 下(常圧)で反応を行うことにより製造できる 。反応温度は0~50℃の範囲で行い、反応時間 0.5~24時間である。

 第35工程において式(31)の化合物から式(32) の化合物への変換は、第64工程に記載した方 に準じて製造できる。

 第36工程において式(32)の化合物から式(33) の化合物への変換は、たとえば上述の第18工 に記載した方法に準じて製造できる。

 第37工程において式(33)の化合物から式(19) の化合物への変換は、たとえば上述の第1工 に記載した方法に準じて製造できる。

 第5に式(22)、式(26)、においてR 1 が5~7員の飽和環状アミン(R 9 は水素原子またはC 1-6 のアルキル基を表す)で表される化合物群(式( 35)、式(36))のように、スキーム4に記載の方法 では製造上または精製上等で効率的に製造し 難い化合物群も存在する。これらの化合物群 (式(35)、式(36))は、別法として、たとえばス ーム4に記載の方法により製造した式(22)また は式(26)(R 1 がピリジル基または環内にN-R 9 を有する5~7員の不飽和環状アミン)より、以 の方法を用いても製造できる。

  スキーム5

 第38、39工程において、それぞれ式(22)の 合物から式(34)の化合物および式(26)の化合物 から式(36)の化合物への変換は、たとえば上 、第10工程に記載した方法に準じて製造でき る。

 第40工程において、式(34)の化合物から式( 35)の化合物への変換は、たとえば上記、第29 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第6にスキーム6において、R 1 が-B-NR 10 R 11 (Bは置換されていても良いアリールまたは複 環を表し、R 10 は水素原子またはC 1-6 のアルキル基を表すかまたは、BとR 10 が一緒になって4~7の複素環を形成することを 表す。R 11 はC 1-6 のアルキル基またはアシル基を表す)で表さ る化合物群のうち、スキーム4に記載の方法 は製造上または精製上等で効率的に製造し い化合物群(式(39)、式(41))も存在する。これ らの化合物群は、別法として、たとえばスキ ーム4またはスキーム5に記載の方法により、 の前駆体である式(37)、式(40)の化合物を製 した後、以下の方法を用いても製造できる

  スキーム6

 第41、42工程において、それぞれ式(37)の 合物から式(38)の化合物および式(40)の化合物 から式(41)の化合物への変換は、たとえば上 、第11工程に記載した方法に準じて製造でき る。

 第43工程において、式(38)の化合物から式( 39)の化合物への変換は、たとえば上記、第29 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第7に式(I)おいてR 4 およびR 5 がアシル基、R 6 が水素原子またはアシル基で表される化合物 群は、式(22)または式(26)の化合物より以下の 法を用いて製造できる。

  スキーム7

 第44、45工程において、式(22)の化合物か 式(42)の化合物および式(26)の化合物から式(46 )の化合物への変換は、たとえば、ピリジン 媒中、塩基存在下、式(22)または式(26)に置換 基を有していてもよい酸無水物、またはアシ ルハライドを3~10当量用い反応温度-10~15℃で1~ 3時間反応させることにより製造できる。本 応における反応溶媒はピリジンの他に、一 的な極性溶媒であっても良く、好ましくは トラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド 1-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド 等の溶媒が良い。塩基は一般的な、有機塩基 または無機塩基であっても良く、好ましくは ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン 等がよく過剰量用いるとよい。

 また式(22)の化合物から式(43)の化合物お び式(26)の化合物から式(47)の化合物への変換 は、たとえば上記式(43)および式(46)と同様の 媒、塩基存在下、酸無水物またはアシルハ イドを5~10当量用い、反応温度0~100℃で0.5~24 間反応させることにより製造できる。

 第46工程において、式(42)の化合物から式( 44)の化合物および式(43)の化合物から式(45)の 合物への変換は、たとえば上記、第29工程 記載した方法に準じて製造できる。

 第8に式(I)おいてR 4 がアシル基、R 5 およびR 6 が水素原子で表される化合物群は、式(22)ま は式(26)の化合物より以下の方法を用いて製 できる。

  スキーム8

 第47、48工程において、式(22)の化合物か 式(48)の化合物および式(26)の化合物から式(51 )の化合物への変換は、たとえばJ. Med. Chem.,1 3,(1970) 616.に記述された方法に準じて製造で る。

 第49、50工程において、式(48)の化合物か 式(49)の化合物および式(51)の化合物から式(52 )の化合物への変換は、たとえば上記、第44、 45工程に記載した方法に準じて製造できる。

 第51、52工程において、式(49)の化合物か 式(50)の化合物および式(52)の化合物から式(53 )の化合物への変換は、たとえば上記、第29工 程に記載した方法に準じて製造できる。

 第9に式(I)において、R 4 、R 5 、およびR 6 が水素原子であり、mが3である化合物群は、 とえば下記の一般的方法に従って製造する とができる。

  スキーム9

 スキーム9中のR 3 は、R’ 3 (CR’’ 3 )(R’’’3)を表し、Nsはo-ニトロベンゼンスル ホニル基を表す。

 第53工程において、式(54)の化合物から式( 55)の化合物への変換は、以下(i)または(ii)ど らかの方法を用いる事により製造できる。 えば(i)メタノール溶媒中、1~10当量の4N 塩酸 -ジオキサン存在下、式(54)の化合物を反応さ ることにより製造できる。本反応における は塩酸の他に一般的に知られる強酸であっ も良く、好ましくは、硫酸等が良く1~10当量 用いると良い。反応温度は0~50℃の範囲で行 、反応時間は0.5~120時間である。(ii)メタノー ル溶媒中、1~10当量のチオニルクロリド存在 、式(54)の化合物を反応させることにより製 できる。本反応における反応試薬はチオニ クロリドの他に一般的に知られるカルボン 活性化剤であっても良く、好ましくはチオ ルブロミド、オキザリルクロリド、ジシク ヘキシルカルボジイミド-4-ジメチルアミノ リジン複合系縮合剤等がよく1~10当量用いる と良い。反応温度は0~50℃の範囲で行い、反 時間は0.5~24時間である。

 第54工程において、式(55)の化合物から式( 56)の化合物への変換は、たとえばジエチルエ ーテル溶媒中、塩基存在下、式(55)の化合物 o-ニトロベンゼンスルホニルクロリドを1~10 量反応させることにより製造できる。本反 における反応溶媒はジエチルエーテルの他 、一般的な溶媒であっても良く、好ましく テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ 、1-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルム ミド、塩化メチレンなどが良く、塩基は一 的に知られる無機塩基または有機塩基であ ても良く、好ましくは炭酸水素ナトリウム 炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化リ ウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミ 、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザ シクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等が良く1~10当量 いると良い。反応温度は0~50℃の範囲で行い 反応時間は0.5~24時間である。

 第55工程において、式(57)の化合物から式(58) の化合物への変換は、たとえばジエチルエー テル溶媒中、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレ ジアミン、n-ブチルリチウム存在下、0℃で3 -メチル-3-ブテン-1-オールを反応させた後、-7 8℃において、R’ 3 Brで表されるアルキルブロミドを1~5当量加え 反応系を室温まで昇温させる事により製造 きる。本反応における反応溶媒はジエチル ーテルの他に、一般的なエーテル系溶媒で あってもよく、好ましくはテトラヒドロフ ン等がよく、反応温度は-78℃~室温の範囲で 行い、反応時間は15~36時間である。

 第56工程において、式(56)の化合物と式(58) の化合物から式(59)の化合物への変換は、た えばテトラヒドロフラン溶液中、式(58)の化 物、トリフェニルホスフィン、ジイソプロ ルアゾジカルボキシレート存在下、式(56)の 化合物を1~10当量用い反応させることにより 造できる。本反応における反応溶媒はテト ヒドロフランの他に、一般的な反応溶媒で あってもよく、好ましくはベンゼン、トル ン、トリフルオロメチルベンゼン、アセト トリル等がよく、ホスフィン試薬はトリフ ニルホスフィンの他に、一般的に文献など 知られるホスフィン試薬であってもよく、 ましくはo-トリルホスフィン、トリ-n-ブチル ホスフィン等がよく、1~5当量も用いると良い 。アゾ試薬はジイソプロピルアゾジカルボキ シレートの他に、一般的に文献などで知られ るアゾ試薬であっても良く、好ましくはジエ チルアゾジカルボキシレート、1,1’-(アゾジ ルボニル)ジピペリジン等がよく、1~5当量用 いると良い。反応温度は0~50℃の範囲で行い 反応時間は0.5~24時間である。

 第57工程において、式(59)の化合物から式( 60)の化合物への変換は、たとえば塩化メチレ ン溶媒中、0.01~0.1当量のベンジリデン[1,3-ビ (2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニ リデン]ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフ ン)ルテニウム存在下、式(59)の化合物を閉 させる事により製造できる。本反応におけ 反応溶媒は塩化メチレン溶媒の他に、一般 なハロゲン系溶媒であっても良く、好まし はクロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロ タン等が良い。反応温度は室温~100℃の範囲 で行い、反応時間は0.5~24時間である。

 第58工程において、式(60)の化合物から式(61) の化合物への変換は、たとえばジオキサン- 混合溶媒中、塩基存在下、式(60)の化合物を 水分解することにより製造できる。
 本反応における反応溶媒はジオキサン-水混 合溶媒の他に、一般的なアルコール-水混合 媒であっても良く、好ましくはメタノール エタノール、プロパノール、ブタノールと との混合溶媒等が良い。塩基は一般的に知 れる無機塩基であっても良く、好ましくは 酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化 リウム、水酸化バリウム等を1~10当量用いる 良い。反応温度は0~120℃の範囲で行い、反 時間は0.5~24時間である。

 第59工程において、式(61)の化合物から式( 62)の化合物への変換は、たとえば上述のスキ ーム4における第18工程に記載した方法に準じ て製造できる。

 第60工程において、式(62)の化合物から式(63) の化合物への変換は、たとえばN,N-ジメチル ルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(62)の化 物にベンゼンチオールを1~10当量反応させる ことにより製造できる。本反応における反応 溶媒はN, N-ジメチルホルムアミドの他に、一 般的な溶媒であっても良く、好ましくはテト ラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1- チルピロリドン、ジエチルエーテルなどが く、塩基は一般的に知られる無機塩基また 有機塩基であっても良く、好ましくは炭酸 リウム、水酸化ナトリウム、トリエチルア ン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジア ザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、7-メチル-1,5,7 -トリアザビシクロ-[4,4,0]デク-5-エン等が良く 1~10当量用いると良い。チオールはベンゼン オールの他に、一般的に知られるアルキル オールまたはアリールチオールであっても く、好ましくは、4-ブロモベンゼンチオール 、4-t-ブチルベンゼンチオール等が良く1~10当 用いると良い。
 反応温度は0~50℃の範囲で行い、反応時間は 0.5~24時間である。

 第61工程において、式(63)の化合物から式( 64)の化合物への変換は、たとえば、メタノー ル溶媒中、金属触媒存在下、水素雰囲気下で 反応を行うことにより製造できる。本反応に おける金属触媒は一般的に水素還元で使用さ れる金属触媒であっても良く、好ましくは、 ラネーニッケル、パラジウム/カーボン、水 化パラジウム/カーボンなどが良い、反応温 は0~50℃の範囲で行い、反応時間は0.5~24時間 である。

 第62工程において、式(64)の化合物から式( 65)の化合物への変換は、たとえば上述のスキ ーム4の第35工程に記載した方法に準じて製造 できる。

 式(65)の化合物から式(19)の化合物への変 は、たとえば上述のスキーム4の第19工程ま は第37工程に記載した方法に準じて製造でき る。

 スキーム9の式(19)の化合物(m=3)から式(26) 化合物への変換は、たとえば上述のスキー 4に記載した方法に準じて製造できる。

 以下本発明を以下の実施例によって詳細 説明するが、本発明はこれらに限定される のではない。以下に、本発明化合物を得る めの参考例および実施例と本発明化合物の 化学性状を示す。

参考例1  5-(4-ブロモフェニル)ピリミジン
 5-ブロモピリミジン954mg(6mmol)及び4-ブロモフ ェニルボロン酸1.0g(5.0 mmol)をN,N-ジメチルホ ムアミド20ml及び水5mlに溶解し、テトラキス リフェニルホスフィンパラジウム590mg(0.5mmol )及び炭酸ナトリウム830mg(7.5mmol)を加え、80℃ 2.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチル60ml及 び水8.5mlを加え、セライト濾過し、濾液の有 層を水30mlで5回洗浄した。有機層を無水硫 ナトリウムで乾燥し、濾過後、溶媒を留去 、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて 製し、表題化合物を960mg(収率82%)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 7.52 (2H, d, J = 7.5 Hz), 7.56 (2H, d, J = 7.5 Hz), 9.00 (2H, s), 9.22 (1H, ddd, J = s).
MS (FAB) m/z: 234 (M + +1).

 参考例1と同様の方法にて以下の化合物を合 成し、実施例に用いた。
 5-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロフェニル)ピリミ ン、5-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)ピリミ ン、5-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)ピリミ ン、2-ブロモ-5-(ピリミジン-5-イル)ベンゾニ リル、5-ブロモ-2-(ピリミジン-5-イル)ベンゾ ニトリル、5-(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニ )ピリミジン、2-(4-ブロモフェニル)ピリミジ 、2-(4-ブロモフェニル)ピラジン、5-(4-ブロ フェニル)-2-メトキシピリミジン、5-(4-ブロ フェニル)チアゾール、5-(4-ブロモフェニル)- N,N-ジメチルチアゾール-4-カルビキサミド、5- (5-ブロモチオフェン-2-イル)ピリミジン、5-(4- ブロモフェニル)ピラジン-2-アミン、5-(6-ブロ モピリジン-3-イル)ピリミジン、5-(5-ブロモピ リジン-2-イル)ピリミジン、2-ブロモ-2,5’-ビ リミジン、5-ブロモ-2,5’-ビピリミジン、3-( 4-ブロモフェニル)ピリジン、5-(4-ブロモフェ ル)ニコチノニトリル、3-(4-ブロモフェニル) -5-フルオロピリジン、3-(4-ブロモフェニル)-5- メトキシピリジン、3-(4-ブロモフェニル)-4-ニ トロピリジン1-オキサイド、5-(4-ブロモフェ ル)-2-フルオロピリジン、5-ブロモ-2,3’-ビピ リジン、6-ブロモ-3,3’-ビピリジン。

参考例2  5-(4-ブロモフェニル)-1-メチル)-1,2, 3,6-テトラヒドロピリジン
 3-(4-ブロモフェニル)ピリジン199 mg (0.85 mmo l)のアセトニトリル(11 ml)溶液にヨードメタ 0.5 ml (8.0 mmol)を加え、加熱還流下14時間撹 した。溶媒を留去し、得られた残渣をメタ ール2.7 ml及び水2.7 ml に溶解し、氷冷下で 水素化ホウ素ナトリウム292 mgを加え、氷冷 で1時間、室温で20時間撹拌した。5 N 塩酸 反応溶液をpH 1に調整した後濃縮し、得られ た残渣をアンモニア水でpH 9に調整した。こ 水溶液を酢酸エチル10 mlで3回抽出し、得ら れた有機層を併せて無水硫酸ナトリウムで乾 燥後、これを濾過し、濾液を減圧濃縮して得 られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ フィー(n-ヘキサン : 酢酸エチル = 1 : 1 ~ クロロホルム:メタノール = 20 : 1)で精製 、表題化合物を126 mg (収率59 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 2.31 - 2.39 (2H, m), 2.44 (3H, s), 2.55 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.22 - 3.24 (2H, m), 6.08 - 6.1 2 (1H, m), 7.19 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.41 (2H, d , J = 8.4 Hz).
MS (API) m/z: 252 (M + +1).

 参考例2と同様の方法にて以下の化合物を合 成し、実施例に用いた。
5-(4-ブロモフェニル)-1-エチル)-1,2,3,6-テトラ ドロピリジン、5-(4-ブロモフェニル)-1-(2-メ キシエチル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、5 -(4-ブロモフェニル)-1-(2-ヒドロキシエチル)-1, 2,3,6-テトラヒドロピリジン、2-(3-(4-ブロモフ ニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)-N,N-ジ メチルエタナミン、5-ブロモ-2-(1-メチル-1,2,3, 6-テトラヒドロピリジン-3-イル)ピリジン。

参考例3(i)  (4-ブロモフェニル)(ピリジン-3-イ )メタノール
 3-ブロモピリジン 0.4 ml (4.0 mmol)をアルゴ 雰囲気下、テトラヒドロフラン 15 mlに溶 し、-78℃でn-ブチルリチウム 2.4 ml (1.58 M  n-ヘキサン溶液、3.8 mmol)を加え、25分撹拌し 。続いて-78℃で4-ブロモベンズアルデヒド  502 mg (2.7 mmol)のテトラヒドロフラン(2 ml)溶 液を滴下し、-78℃で1時間、氷冷下で1時間、 温で1時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル  30 mlで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶 で洗浄した。水層を酢酸エチル5 mlで2回抽 し、有機層を併せて25 %食塩水で洗浄した 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、こ を濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n- キサン : 酢酸エチル = 1 : 1)で精製し、 題化合物を282 mg (収率40 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 5.80 (1H, s), 7.23 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.47  (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.66 (1H, ddd, J = 1.5, 1 .8, 7.8 Hz), 8.40 (1H, dd, J = 1.8, 4.8 Hz), 8.48  (1H, s).
MS (API) m/z: 264 (M + +1).

(ii)  3-((4-ブロモフェニル)(メトキシメ ル)メチル)ピリジン
 参考例3(i)の表題化合物 97.9 mg (0.37 mmol)の N, N - ジメチルホルムアミド(2 ml)溶液に水 化ナトリウム 24.8 mg (0.62 mmol)及びヨード タン 35μ1 (0.56 mmol)を加え、室温で2時間撹 拌した。反応溶液を酢酸エチル 10 mlで希釈 、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した 水層を酢酸エチル3 mlで2回抽出し、有機層 併せて25 %食塩水で洗浄した。有機層を無 硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し、 液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン : 酢 酸エチル = 3 : 1)で精製し、表題化合物を56 .2 mg (収率55 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 3.38 (3H, s), 5.23 (1H, s), 7.22 (2H, d, J =  8.7 Hz), 7.25-7.28 (1H, m), 7.48 (2H, d, J = 8.4  Hz), 7.61 (1H, dt, J = 1.8, 7.8 Hz), 8.52 (1H,  dd, J = 1.8, 4.8 Hz), 8.58 (1H, d, J = 2.1 Hz).
MS (API) m/z: 278 (M + +1).

 参考例2と同様の方法にて以下の化合物を合 成し、実施例に用いた。
2-((4-ブロモフェニル)(メトキシメチル)メチル )ピリジン、5-((4-ブロモフェニル)(メトキシメ チル)メチル)ピリジン。

参考例4(i) エチル 2-(4-ブロモフェニル)チア ール-4-カルボキシレート
 4-ブロモベンゾチオアミド529mg (1.0mmol)のエ ノール(3ml)溶液に2-ブロモピルビン酸エチル 0.18mlを加えた室温で6時間撹拌した。析出し 結晶を濾取、乾燥後、濃硫酸5 mlに滴下し室 温で3時間撹拌した。溶媒を留去し得られた 渣を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水及び で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウム 乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた 晶を濾取、乾燥して表題化合物285mg(91%)を得 。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 1.30 (3H, t,J=7.5Hz),4.30(1H,q,J=7.5Hz),7.65(2H,d,J= 7.8Hz), 7.85(2H,d,J=7.8Hz),8.15(1H,s)
MS (FAB) m/z: 313 (M + +1).

(ii) 2-(4-ブロモフェニル)チアゾール-4- カルボキサミド
 参考例4(i)の表題化合物100mg(0.32mmol)を7Nアン ニアメタノール溶液に溶解し、封管中100℃ 16時間攪拌した。溶媒を留去し得られた結 を濾取、乾燥して表題化合物85mg(93%)を得た

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 7.68(2H,d,J=7.8Hz), 7.88(2H,d,J=7.8Hz)),8.21(1H,s)
MS (FAB) m/z: 284 (M + +1).

 参考例4と同様の方法にて以下の化合物を合 成し、実施例に用いた。
2-(4-ブロモフェニル)-N,N-ジメチルチアゾール- 4-カルボキサミド、2-(4-ブロモフェニル)-N,N- メチルチアゾール-5-カルボキサミド、2-(4-ブ ロモフェニル)チアゾール-5-カルボキサミド (4-ブロモフェニル)(モルフォリノ)メタノン

参考例5  tert-ブチル 1-(5-ブロモピリジン-2- イル)ピロリジン-3-イルカルバメート
 5 -ブロモ-2-フルオロピリジン1.76 mg (10mmol) 及びtert-ブチル ピロリジン-3-イルカルバメ ト3.62 g (10 mmol)をN, N-ジメチルホルムアミ 20 mlに溶解し、炭酸カリウム1.38g (10 mmol) 加え、100 ℃で6時間撹拌した。反応液に酢 エチル60 ml及び水8.5 mlを加え、有機層を水3 0mlで5回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリ ムで乾燥し、濾過後、溶媒を留去し、得ら た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ー(n-ヘキサン : 酢酸エチル = 4 : 1)にて 製し、表題化合物を1.23g (収率36 %)得た

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 1.39(9H,s),1.5-2.0(2H,m),2.6-3.2(4H,m),7.05(1H,d,J=7.8 Hz), 7.88(1H,d,J=7.8Hz),8.21(1H,s)
MS (FAB) m/z: 343 (M + +1).

参考例6(i)  4-(1-ヒドロキシ-2-(2-ニトロフェニ スルホナミド)エチル)フェニル 2-ニトロベ ゼンスルホネート
 4-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)フェノール5 g(26.4mmol)のジオキサン(50ml)溶液に1N 水酸化ナ トリウム水溶液79.1ml(79.1mmol)を加え室温で5分 拌した。この溶液に2 - ニトロベンゼンス ホニルクロリド14.6g(65.9mmol)を加え室温にて1 7時間攪拌した後、減圧下ジオキサン溶媒を 去し塩化メチレンにより抽出した。無水硫 ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減 下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精 し、表題化合物13.3g(収率97%)を得た。

(ii)  4-(1-ヒドロキシ-2-(N-(2-ヒドロキシ チル)-2-ニトロフェニルスルホナミド)エチ )フェニル 2-ニトロベンゼンスルホネート
 参考例6(i)の表題化合物3.0g(5.82mmol)のN,N -ジ チルホルムアミド(19.1ml)溶液に水素化ナト ウム0.31g(7.0mmol)を加え30分室温にて攪拌した その後tert-ブチル(2-ヨードエトキシ)ジメチ シラン1.65g(5.82mmol)を加え100℃にて21時間攪 した。炭酸水素ナトリウムを用いて反応を 止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた 機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水 酸ナトリウムで乾燥後、濾過し濾液を減圧 濃縮した。
 この残渣にメタノール48mlを加えた後、1N  酸11.6ml (11.6mmol)を加え室温にて30分攪拌した 。炭酸水素ナトリウムを加え反応を停止させ た後、減圧下メタノール溶媒を除去し酢酸エ チルにて抽出した。得られた有機層を水、飽 和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウム で乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、表 題化合物2.22g(収率68%)を得た。

(iii)  4-(4-(2-ニトロベンゼンスルホニル) モルホリン-2-イル)フェニル 2-ニトロベンゼ スルホネート
 参考例6(ii)の表題化合物2.22g(3.91mmol)のトル ン(55.0ml)溶液に1M (シアノメチレン)トリブチ ルホスホランのトルエン溶液5.87ml(5.87mmol)を え加熱還流下1時間20分攪拌した。その後室 まで冷却し、溶媒を減圧下除去した。得ら た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ー(n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表 化合物1.16g(収率54%)を得た。

(iv)  4-(モルホリン-2-イル)フェノール
 参考例6(iii)の表題化合物1.16g(2.11mmol)のN,N - ジメチルホルムアミド(8.5ml)溶液に炭酸カリ ム0.88g(6.33mmol)を加え室温にて5分攪拌した。 これに4 - ブロモベンゼンチオール1.20g(6.33mm ol)を加え室温にて3.5時間攪拌した。1N 塩酸 加えて反応を停止させpH=3とした。酢酸エチ を用いて水層を洗浄し得られた水層を減圧 濃縮乾固した。残渣にメタノールを加え濾 した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム :メタノール=20:1、クロロホルム:メタノール:2 8% アンモニア水 = 9 : 2 : 0.2)で精製し、 題化合物240mg(収率63%)を得た。

(v)  4-(4-メチルモルホリン-2-イル)フェ ノール
 参考例6(iv)の表題化合物15mg(0.084mmol)のメタ ール(0.7ml)溶液に36%ホルムアルデヒド水溶液2 0.1mg(2.51mmol)、酢酸0.029ml (0.502mmol)、トリアセ キシ水素化ホウ素ナトリウム53.2mg(0.251mmol) 順次加え室温にて15分攪拌した。その後、分 取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メ ノール:28% アンモニア水 = 9 : 2 : 0.2)で 製し、表題化合物15mg(収率93%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CD 3 OD : CDCl 3  = 1 : 1)δ: 2.15 (1H, dd, J = 10.7, 11.7 Hz),  2.30 (1H, dt, J = 3.4, 11.7 Hz), 2.79 (1H, d, J  = 11.7 Hz), 2.86 (1H, d, J = 11.9 Hz), 3.82 (1H, dt, J = 2.2, 11.7 Hz), 7.02 (1H, dd, J = 2.2, 1 1.7 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 3.2, 10.4 Hz), 6.80 (2 H, ddd, J = 2.0, 2.7, 8.5 Hz), 7.20 (2H, ddd, J  = 2.0, 2.7, 8.8 Hz).
MS (ESI + ) m/z: 194(M + +1).

参考例7  5-(5-メチル-2-ニトロフェニル)-1,3,4 -チアジアゾール-2-チオール  
 5-メチル-2-ニトロベンゾヒドラジド1.95g (10m mol)のメタノール(8ml)溶液に二硫化炭素4mlを加 えた後、水酸化カリウム616mg(11mmol)のメタノ ル(10ml)溶液を加え、室温で6時間撹拌した。 出した結晶を濾取、乾燥後、濃硫酸5 mlに 下し室温で3時間撹拌した。反応液を氷水100m lに滴下し、得られた沈殿を濾取、乾燥して 題化合物1.28g(51%)を得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 2.35 (3H, s),7.28(1H,d,J=7.8Hz), 7.54(1H,s), 8.13( 1H,d,J=7.8Hz)
MS (FAB) m/z: 254 (M + +1).

 参考例7と同様の方法にて以下の化合物を合 成し、実施例に用いた。
5-(5-(メチルアミノ)チアゾール-4-イル)-1,3,4-チ アジアゾール-2-チオール。

参考例8(i) 5-(4,5-ジメトキシ)-2-ニトロベンゾ ドラジド
 4,5-メトキシ-2-ニトロ安息香酸メチル5.00g(21m mol)のエタノール(20ml)溶液に、ヒドラジン一 和物3.2ml(10mmol)を加え、過熱還流下一晩攪拌 た。さらに、ヒドラジン一水和物16.2ml(52mmol )を加え、一晩攪拌した。室温として、析出 た結晶をろ過し、表題化合物1.24g(25%)を得た

1 H - NMR (400 MHz, DMSO d-6 )δ: 3.32 (1H, s), 4.43 (2H, br), 7.04 (1H, s), 7. 59 (1H, s), 9.60(1H, s).
MS(FAB) m/z 242 (M+1) + .

(ii) 5-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニ )-1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール
 参考例8(i)の表題化合物600mg(2.49mmol)のエタノ ール(10ml)溶液に、20%ナトリウムエトキシドエ タノール溶液847μl加え、過熱還流下17時間30 間攪拌した。室温に下げた後、濃縮し水に 解させ、1N塩酸を加えてpH2として析出した結 晶をろ過し、水洗後乾燥することで表題化合 物500mg(収率71%)で得た。

1 H - NMR (400 MHz, DMSO d-6 )δ: 3.93 (3H, s), 3.95 (3H, s), 7.47 (1H, s), 7.8 0 (1H, s).
MS(FAB) m/z 284 (M+1) + .

 参考例8と同様の方法にて以下の化合物を合 成し、実施例に用いた。
5-(5-(メチルアミノ)チアゾール-4-イル)-1,3,4-オ キサジアゾール-2-チオール。

参考例9  5-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニ ル)オキサゾール-2-チオール
 文献(J. Chem. Soc., Perkin Trans 1 1984, 435.)に 従い合成したフェニルチオ(トリメチルシリ )メチル イソチオシアネート1.51 g (5.97 mmol )のアセトニトリル (36 ml)溶液に4,5-ジメトキ シ-2-ニトロベンズアルデヒド 1.52 g (7.19 mmo l)、フッ化カリウム353.0 mg (6.07 mmol)及びベ ジルトリエチルアンモニウム クロリド 134. 8 mg (0.59 mmol) を加え、室温にて一晩攪拌し た。反応液の溶媒を留去後、水及びクロロホ ルムを加え、水層をクロロホルムで抽出した 。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無 水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後 、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1→1:1)に て精製し、表題の化合物302.4 mg (収率18%)を た。

参考例10  3-(4-ブロモフェニル)ピぺリジン
 3-フェニルピペリジン1.18 g(7.32 mmol)の50%硫 (12 ml)溶液にN-ブロモスクシイミド912 mg(5.12  mmol)を加え、70℃で30分攪拌した。氷冷下、 和炭酸カリウム水溶液を加え、ジエチルエ テルで2回抽出した。有機層を無水硫酸ナト リウムで乾燥後、濾過し、減圧下濃縮し得ら れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 水=9:0.6:0.06)により精製し、表題化合物352 mg( 率20%)を得た。
MS (GC) m/z 239 M + 1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 1.53-1.66(3H, m), 1.74-1.83(1H, m), 1.94-2.00(1H, m) 2.56-2.69(3H, m), 3.06-3.16(2H, m), 7.09(2H, d, J  = 8.5 Hz), 7.42(2H, d, J = 8.5 Hz).

参考例11  3-(4-ブロモフェニル)-1-メチルピロ リジン
 参考例1と同様の方法にて合成した3-(4-ブロ フェニル)ピロリジン42 mg(0.186 mmol)のクロ ホルム-エタノール3:1(2 ml)溶液にホルマリン 0.0452 ml(0.557 mmol)、酢酸0.0319 ml(0.557 mmol)、 素化トリアセトキシボロハイドライド118 mg( 0.557 mmol)室温で40分攪拌した。酢酸エチルで 釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄 た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後 濾過し、減圧下濃縮することにより表題化 物43 mg(収率97%)を得た。
MS (GC) m/z 239 M + 1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 1.71-1.88(1H, m), 2.29-2.50(5H, m), 2.61-2.69(1H, m), 2.72-2.80(1H, m), 2.94-3.00(1H, m), 3.28-3.38(1H, m), 7.15(2H, d, J = 8.3 Hz), 7.40(2H, d, J = 8.3  Hz).

実施例1(i)  2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリン コマイシン
 リンコマイシン50g(122mmol)のピリジン(200ml)溶 液に氷冷下塩化トリメチルシリル90ml(71mmol)及 びヘキサメチルジシラザン65ml(60mmol)を加え、 室温で2時間攪拌した。溶媒を留去し得られ 残渣をヘキサンで希釈し、水で2回洗浄した 溶媒を留去し得られた残渣のメタノール(150 ml) 溶液に、80%酢酸水溶液22.5mlを加え室温で1 6時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナト ウム水溶液(30ml)を加え、溶媒を留去後、残 をヘキサンで希釈し、水で2回洗浄した。溶 を留去し表題化合物69.5g(収率91%)を得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ:0.25 - 0.45 (27H, m).

(ii)  7-O-メチルスルホニル-2,3,4-トリ-O- リメチルシリルリンコマイシン
 実施例1(i)の表題化合物4.0g(6.42mmol) のクロ ホルム(20ml) 溶液に氷冷下トリエチルアミン 2.45ml(16.1mmol)及び塩化メチルスルホニル0.99ml(1 2.8mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。クロロ ホルム150mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム 溶液150mlを加え洗浄し、有機層を無水硫酸 トリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=100:0-75:25)に て精製し表題化合物4.2g(収率93%)を得た。

(iii)  7-アセチルチオ-7-デオキシ-7-エ -2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシ
 実施例1(ii)の表題化合物200mg(0.285mmol)のN,N-ジ メチルホルムアミド(0.65ml)溶液にチオ酢酸カ ウム163mg(1.43mmol)を加え、60 ℃で4時間攪拌 た。酢酸エチル50mlで希釈後、10%炭酸水素ナ リウム水溶液50mlを加え洗浄し、有機層を無 水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液 を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムク ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0- 75:25)にて精製し表題化合物170mg(収率88%)を得 。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.12 - 0.17 (27H, m), 2.31 (3H, s), 2.40 (3H,  s), 5.18 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (API) m/z: 422 (M + +1).

(iv)  7-アセチルチオ-7-デオキシ-7-エ リンコマイシン
 実施例1(iii)の表題化合物10.6g(15.6mmol)のメタ ール(50ml)溶液に2 N塩酸38.9mlを加え、室温で 10分攪拌した。反応液に10%炭酸水素ナトリウ 水溶液30 mlを加え、減圧下メタノールを留 した。酢酸エチル250ml、10%食塩水250mlを加え 抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥 した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸 チル:メタノール=100:0-95:5)にて精製し表題化 物7.05g(収率97%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 2.38 (3H, s), 2.41 (3H, s), 5.31 (1H, d, J =  5.6 Hz).

(v)  7-デオキシ-7-エピ-7-メルカプト ンコマイシン
 実施例1(iv)の表題化合物7.05g(15.2mmol)のメタ ール(50ml)溶液にナトリウムメトキシド2.46g(45 .5mmol)を加え、室温で20分攪拌した。反応液に 飽和塩化アンモニウム水溶液を加え中和した 後、減圧下メタノールを留去した。10%炭酸水 素ナトリウム水溶液300mlを加え、酢酸エチル3 00mlで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム 乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( ロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=95:5 :0.1)にて精製し表題化合物6.06g(収率94%)を得た 。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 2.23 (3H, s), 2.42 (3H, s), 5.34 (1H, d, J =  5.6 Hz).
MS (EI) m/z: 422 (M + ).

(vi)  7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン -5-イル)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物 1)
 実施例1(v)の表題化合物70mg (0.17mmol)、4,5-ビ (ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルザンテ ン9.7mg(0.017mmol)、トリス(ジベンジリデンアセ ン)ジパラジウム7.6mg(0.0084mmol)のジオキサン( 1ml)溶液に5-(4-ブロモフェニル)ピリミジン77.0 mg(0.33mmol)とジイソプロピルエチルアミン0.058 ml(0.33mmol)を加えた後6時間加熱還流した。飽 炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)を加え反応 停止させた後、不溶物をセライト濾過した 酢酸エチル(30ml)で抽出し有機層を水および 和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで 燥した。濾液を濃縮し得られた残渣を分取 層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ ール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題 合物77.2mg(収率79%)を得た。

 実施例1(vi)の表題化合物(1)及び同様の方法 より得た化合物(2~48)の 1 H - NMR、MSのデータを表2~4に示す。

実施例2  7-(6-(3-アミノピロリジン-1-イル)ピ リジン-3-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコ イシン(化合物49)
 実施例1(v)の表題化合物100mg (0.24mmol)及びtert -ブチル 1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジ ン-3-イルカルバメート100 mg(0.29mmol)を用い実 例1(vi)と同様の方法で処理した後、得られ 残渣にトリフルオロ酢酸0.5mlを加え室温で30 撹拌した。
反応液にジイソプロピルエーテル10mlを加え 得られた沈殿を分取薄層クロマトグラフィ (クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9 :2:0.2)にて精製し表題化合物87.2mg(収率62%)を得 た。

 実施例2の表題化合物(49)及びと同様の方法 より得た化合物(47及び48)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例3(i)  7-デオキシ-7-エピ-7-(4 -(ピリジン- 3-イル)フェニルチオ)リンコマイシン
 実施例1 (vi)と同様の手法により、実施例1  (v)の表題化合物 113 mg (0.268 mmol)と3-(4-ブロ フェニル)ピリジン118 mg (0.502 mmol)から表 化合物を136 mg (収率88%)得た。

MS (FAB) m/z: 576 (M + +1).  1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.96 (3H, s), 2.39 (3H, s), 3.93 (1H, dq, J  = 2.7, 6.6 Hz), 5.27 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.47- 7.51 (1H, m), 7.52 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.63(2H,  d, J = 8.4 Hz), 8.07 (1H, ddd, J = 1.5, 2.4, 8.1  Hz), 8.49 (1H, dd, J = 1.5, 4.8 Hz), 8.78 (1H,  dd, J = 0.9, 2.7 Hz).
MS (FAB) m/z: 576 (M + +1).

(ii)  7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピペリジン -3-イル)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物 50)
 実施例3(i)の表題化合物 80.2 mg (0.139 mmol) メタノール(5 ml)溶液に1 N 塩酸 0.5 ml及び 金(黒色) 81.8 mgを加え、水素雰囲気下室温 27時間撹拌した。白金(黒色) 81.8 mgを加え 水素雰囲気下室温でさらに6日間、白金(黒色 ) 80.8 mgを加えて水素雰囲気下室温でさらに5 日間、白金(黒色) 79.9 mgを加えて水素雰囲気 下室温でさらに2日間撹拌した。反応溶液を ライトろ過し、メタノールで洗浄し、濾液 減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層ク マトグラフィー(クロロホルム : メタノー :アンモニア水 = 4 : 1 : 0.1)で精製し、表 化合物を47.9 mg (収率59%)得た。

実施例3(ii)の表題化合物(50)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例4  7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(1-メチルピ リジン-3-イル)フェニルチオ)リンコマイシ (化合物51)
 実施例3 (ii)の表題化合物 17.9 mg (0.0308 mmo l)のメタノール(1 ml)溶液に、酢酸 17.5 μl (0 .306 mmol)、37 %ホルムアルデヒド水溶液 23μl (0.309 mmol)、トリアセトキシホウ素ナトリウ  68.2 mg (0.306 mmol)を加え、室温で44分撹拌 た。溶媒を留去し、得られた残渣を分取用 層クロマトグラフィー(クロロホルム : メ ノール:アンモニア水 = 5 : 1 : 0.1)で精製 し、表題化合物を13.9 mg (収率76 %)得た。

実施例4の表題化合物(51)及び同様の方法によ 得た化合物(52~54)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例5  7-(4-(1-アセチルピペリジン-3-イル) フェニルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイ ン(化合物55)
 実施例3 (ii)の表題化合物 22.8 mg (0.0392 mmo l)のクロロホルム(1 ml)溶液に、氷冷下でトリ エチルアミン 66 μl (0.468 mmol)およびアセチ ルクロライド 17 μl (0.234 mmolを加え、2時間 撹拌した。反応溶液を酢酸エチル 10 mlで希 し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し 。水層を酢酸エチル3 mlで2回抽出し、有機 を併せて25 %食塩水で洗浄した。有機層を 水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し 濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用 層クロマトグラフィー(クロロホルム : メ ノール:アンモニア水 = 10 : 1 : 0.1)で精製 し、表題化合物を14.9 mg (収率61 %)得た。

実施例5の表題化合物(55)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例6  7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(1-エチルピ リジン-3-イル)フェニルチオ)リンコマイシ (化合物56)
 実施例1 (vi)と同様の方法により得られた7- オキシ-7-エピ-7-(4-(1-エチル-1,2,3,6-テトラヒ ロピリジン-3-イル)フェニルチオ)リンコマ シン(化合物34) 46.5 mg (0.0765 mmol)のトルエ (2.5 ml)溶液に、p -トルエンスルホンヒドラ ド 294 mg (1.53 mmol)を加え、加熱還流下3時 撹拌した。p -トルエンスルホンヒドラジド  295 mg (1.53 mmol)を加えて加熱還流下でさら 3時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル 10  mlで希釈し、1 N 水酸化ナトリウム水溶液で 浄した。水層を酢酸エチル5 mlで2回抽出し 有機層を併せて25 %食塩水で洗浄した。有 層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを 過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣を 取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール:アンモニア水 = 10 : 1 : 0.1) で精製し、表題化合物を5.5 mg (収率12 %)得 。

実施例6の表題化合物(56)及び同様の方法によ 得た化合物(57)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例7(i) ベンジル (S)-1-tert-ブトキシカル ニル-5-オキソピロリジン-2-カルボキシレー
 (S)-5-オキソピロリジン-2-カルボン酸からTetr ahedron Lett., 43, (2002), 3499.と同様の方法によ り表題化合物200g(2工程収率94%)を得た。

(ii) ベンジル (2S,4R)-4-アリル-1-tert-ブ キシカルボニルピロリジン-2-カルボキシレ ト
 実施例7(i)の表題化合物を用いTetrahedron Lett. , 35, (1994), 2053.及びJ. Am. Chem. Soc., 110, (19 98), 3894. と同様の方法により表題化合物95.1 g (3工程 収率51%)を得た。

(iii) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメ チル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマ シン
 アルゴン雰囲気下、実施例7(ii)の表題化合  30.2g(87.4mmol)のメタノール(350ml)溶液にPd-C(5g) を加えた後、水素雰囲気下、室温で7.5時間攪 拌した。不要物をセライト濾過し濾液を減圧 下濃縮した。得られた残渣のピリジン(207ml) 液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール17.7g(131 .1mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド27.1g  (131.1 mmol)、メチル 1-チオ-α-リンコサミド3 3.2g (131.1mmol)を順次加え16時間室温で攪拌し 。
水を加え析出物をろ別し濾液を濃縮乾固した 。得られた残渣の半量を用い、実施例1(i)と 様の方法により表題化合物18.2g(4工程)を得た 。

1 H - NMR (400 MHz, CDCl 3 ) δ: 0.12 (9H, s), 0.12 (9H, s), 0.15 (9H, s), 1 .34 (9H, s), 1.92 (3H, s), 5.05 (1H, brd, J = 5.4  Hz).

(iv) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメ チル-7-O-メチルスルホニル-2,3,4-トリ-O-トリメ チルシリルリンコマイシン
 実施例7(iii)の表題化合物5g(7.1mmol)、クロロ ルム(22ml)、トリエチルアミン2.5 ml (17.6 mmol )、メチルスルホニルクロライド1.1ml (14.1mmol) を用い実施例1(ii)と同様の方法により粗生成 として表題化合物を得た。 

(v)  7-アセチルチオ-1'- tert-ブトキシ ルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4- トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
 実施例7 (iv)の表題化合物555mg(0.705mmol)を用 実施例1(iii)と同様の方法により表題化合物21 8mg(収率40%)を得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 0.13 - 0.16 (27H, m), 1.51 (9H, s), 1.99 (3H,  s), 2.29 (3H, s), 4.02 (1H, dq, J = 2.4, 6.9 Hz ), 5.16 (1H, d, J = 5.4 Hz).
MS (API) m/z: 767 (M + +1).

(vi) 7-アセチルチオ-1'- tert-ブトキシ ルボニル-1'-デメチル -7-デオキシ-7-エピリ コマイシン
 実施例7(v)の表題化合物218mg(0.284mmol)を用い 施例1(iv)と同様の方法により表題化合物137mg( 収率88%)を得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.47 (9H, s), 2.01 (3H, s), 2.32 (3H, s), 3 .96 (1H, dq, J = 2.4, 6.9 Hz), 5.21 (1H, d, J = 5.7 Hz).
MS (API) m/z: 551 (M + +1).

(vii) 1'- tert-ブトキシカルボニル-1'-デ チル-7-デオキシ-7-エピ-7-メルカプトリンコ イシン
 実施例7(vi)の表題化合物137mg(0.249mmol)を用い 施例1(v)と同様の方法により表題化合物120mg( 収率95%)を得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.47 (9H, s), 2.15 (3H, s), 3.40 - 3.52 (1H , m), 5.25 (1H, d, J = 5.7 Hz).
MS (FAB + ) m/z: 509 (M + +1).

(viii) 1'- tert-ブトキシカルボニル-1'-デ チル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イ ル)フェニルチオ)リンコマイシン
 実施例1 (vi)と同様の手法により、実施例7(v ii)の表題化合物 116 mg (0.229 mmol)と5-(4-ブロ フェニル)ピリミジン107 mg (456 mmol)から表 化合物を118 mg (収率78 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.48 (9H, s), 1.92 (3H, s), 5.28 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.69 (2H,  d, J = 8.1 Hz), 9.07 (2H, s), 9.13 (1H, s).
MS (FAB) m/z: 663 (M + +1).

 (ix)  1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4- (ピリミジン-5-イル)フェニルチオ)リンコマイ シン(化合物58)
 実施例7 (ix)の表題化合物 118 mg(0.178 mmol) ジクロロメタン(2.5 ml)溶液を-20℃に冷却し トリフルオロ酢酸 0.265 ml (3.53 mmol)を加え 氷冷下で10分撹拌し、室温で5.5時間撹拌し 。反応溶液にメタノール 1 mlを加え、これ 減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層ク マトグラフィー(クロロホルム : メタノー :アンモニア水 = 5 : 1 : 0.1)で精製し、表 題化合物を82.2 mg (収率82 %)得た。

実施例7(ix)表題化合物(58)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例8(i)  メチル 6-N-((2S,4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-プロピル)ピぺコロイル-2,3,4-トリ -O-トリメチルシリル-1-チオ-α-リンコサミド
 文献(J. Med. Chem., 27, (1984), 216.)に記載さ た方法に準じて得た4-プロピルピリジン-2-カ ルボン酸塩酸塩1.05g(5.22mmol)の酢酸(8ml)溶液に 化白金(IV)79.8mg(0.35mmol)を加え、常圧の水素 囲気下24時間攪拌した。セライト濾過後、溶 媒を留去し、4-プロピルピペリジン-2-カルボ 酸酢酸塩の粗結晶9.9gを得た。得られた粗結 晶のtert-ブチルアルコール(40ml)溶液に二炭酸 -tert-ブチル11.9ml(52mmol)及び2N水酸化ナトリウ ム水溶液43mlを順次加え、室温で24時間攪拌し た。溶媒留去後、水及びジエチルエーテルを 加え、得られた水層に酢酸エチル及び2N塩酸 加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和 塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥 た。濾過後、濾液を留去し1-(tert-ブトキシ ルボニル)-4-プロピルピぺコリン酸7.9g(収率68 %)を得た。
 1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-プロピルピぺ リン酸7.9g、メチル 1-チオ-α-リンコサミド1 0.96g(43.5mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミ ド8.95g(43.4mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾ ル5.86g(43.4mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド 85mlを用い、実施例7(iii)中の対応する手法と 様の方法によりメチル 6-N-((2S,4R)-1-(tert-ブト キシカルボニル)-4-プロピル)ピぺコロイル-1- オ-α-リンコサミド14.5 g (収率99%)を得た。
 メチル 6-N-((2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニ )-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコ ミド1.35g(2.68mmmol)を用い、実験例1(i)と同様の 方法により表題化合物0.80g(収率41%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 ) d: 0.11 (18H, s), 0.16 (9H, s), 1.33 (9H, s), 5 .14 (1H, d, J = 5.4 Hz), 6.32 (1H, brd, J = 8.7 Hz).
MS (FAB + ) m/z: 724 (M + +1).

(ii) メチル 7-アセチルチオ-6-N-((2S,4R)- 1- tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピぺ リル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-2,3,4-トリ-O-ト メチルシリル-α-リンコサミド
 実施例8(i)の表題化合物530mg(0.662mmol)を用い 施例1(ii)及び(iii)と同様の方法により表題化 物357mg(収率69%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.13 (18H, m), 0.18 (9H, s), 0.88 (3H, t, J  = 6.6 Hz), 1.35 (3H, d, J = 6.2 Hz), 1.49 (9H, s ), 1.99 (3H, s), 2.29 (3H, s), 5.15 (1H, d, J =  5.6 Hz).
MS (FAB+) m/z: 781 (M + +1).

(iii) メチル 7-アセチルチオ-6-N- ((2S,4R )-1-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピぺ ロイル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-α-リンコサ ド
 実施例8(ii)の表題化合物341 mg (0.436 mmol)を い実施例1(iv)と同様の方法により表題化合 250 mg を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.43 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.46 (9H, s), 2.15 (3H, s), 2.36 (3H, s) , 5.29 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (FAB+) m/z: 565 (M + +1).

(iv) メチル 6-N-((2S,4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-プロピル)ピぺコロイル-7-デオキ -7-エピ-7-メルカプト-1-チオ-α-リンコサミド
 実施例8(iii)の表題化合物244mg(0.432mmol)を用い 実施例1(v)と同様の方法により表題化合物234mg (収率96%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.90 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.47 (9H, s), 2.22  (3H, s), 5.33 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (FAB+) m/z: 523 (M + +1).

(v)  メチル 6-N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシ カルボニル-4-プロピル)ピペコロイル-7-デオ シ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチ オ)-1-チオ-α-リンコサミド
 実施例1 (vi)と同様の手法により、実施例8(i v)の表題化合物 152 mg (0.291 mmol)と5-(4-ブロ フェニル)ピリミジン103 mg (0.440 mmol)から表 題化合物を163 mg (収率83 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.46 (9H, s), 1.92 (3H, s), 5.30 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.69 (2H,  d, J = 8.7 Hz), 9.07 (2H, s), 9.13 (1H, s).
MS (FAB) m/z: 677 (M + +1).

(vi)  メチル 7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2S, 4R)-4-プロピル)ピペコリル-7-(4-(ピリミジン-5-  イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド( 化合物59)
 実施例7 (ix)と同様の手法により、実施例8  (v)の表題化合物 163 mg(0.241 mmol)から表題化 物を123 mg (収率88 %)得た。

 実施例8(vi)の表題化合物(59)及び同様の方法 より得た化合物(60~64)及びその 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例9 メチル-7-デオキシ-7-エピ-6-N-(2S, 4 R)-1-メチル-4-プロピル)ピペコリル-7-(4-(ピリ ジン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコ ミド(化合物65)
 実施例4と同様の手法により、実施例8 (vii) 表題化合物 60.8 mg (0.105 mmol)から表題化合 物を58.6 mg (収率94 %)得た。

 実施例9の表題化合物(65)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例10(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-ブチル)ピぺコロイル-2,3,4-トリ-O- トリメチルシリル-1-チオ-α-リンコサミド
 4-ブチルピリジン-2-カルボン酸塩酸塩10.8g(50 mmol)を用い実施例8(i)及び(ii)と同様の方法に り表題化合物11.4g(5工程収率31%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.14 (18H, m), 0.19 (9H, s), 0.88 (3H, m), 1. 15 (3H, d, J = 6.6 Hz), 5.17 (1H, d, J = 5.4 Hz ).
MS (FAB+) m/z: 737 (M + +1).

(ii) メチル7-アセチルチオ-6-N-((2S, 4R)- 1- tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル)ピぺコ ル- 7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-2, 3, 4-トリ-O- リメチルシリル-α-リンコサミド
 実施例1 (ii)と同様の手法により、メチル 6 -N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル )ピぺコリル-1-チオ-2, 3, 4-O-トリメチルシリ  -α - リンコサミド 1.01 g (1.37 mmol)から チル 6-N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシカルボニル- 4-ブチル)ピぺコリル-7-O-メタンスルフォニル- 1-チオ-2, 3, 4-O -トリメチルシリル-α-リンコ サミドの粗生成物を1.17 g得た。実施例1 (iii) と同様の手法により、得られた粗生成物 1.17  gから表題化合物を565 mg (収率52 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 0.13 (9H, s), 0.13 (9H, s), 0.18 (9H, s), 1.4 9 (9H, s), 1.99 (3H, s), 2.29 (3H, s), 5.15 (1H,  d, J = 5.4 Hz).
MS (FAB) m/z: 795 (M + +1).

(iii) メチル7-アセチルチオ-6-N-((2S, 4R)- 1-tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル)ピぺコリ -7-デオキシ-7-エピ-α-リンコサミド
 実施例1 (iv)と同様の手法により、実施例10 (ii)の表題化合物 565 mg (0.711 mmol)から表題 合物を378 mg (収率92 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.38 (9H, s), 1.94 (3H, s), 2.25 (3H, s), 5 .16 (1H, d, J = 5.7 Hz).
MS (FAB) m/z: 579 (M + +1).

(iv)  メチル6-N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-ブチル)ピぺコロイル-7-デオキシ- 7-エピ-7-メルカプト-1-チオ-α-リンコサミド
 実施例1 (v)と同様の手法により、実施例10  (iii)の表題化合物 378 mg (0.652 mmol)から表題 合物を373 mg (収率100 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.46 (9H, s), 2.15 (3H, s), 5.26 (1H, d, J = 5.7 Hz).
MS (FAB) m/z: 537 (M + +1).

(v)  メチル 6-N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシ カルボニル-4-ブチル)ピペコロイル-7-デオキ -7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチオ )-1-チオ-α-リンコサミド
 実施例1 (vi)と同様の手法により、実施例10( iv)の表題化合物 150 mg (0.280 mmol)と5-(4-ブロ フェニル)ピリミジン99.3 mg (0.422 mmol)から 題化合物を151 mg (収率78 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.46 (9H, s), 1.92 (3H, s), 5.28 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.55 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.68 (2H,  d, J = 8.1 Hz), 9.07 (2H, s), 9.13 (1H, s).

(vi)  メチル 6-N-((2S, 4R)-4-ブチル)ピペ ロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5- イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド( 合物66)
 実施例7 (ix)と同様の手法により、実施例10 (v)の表題化合物 151 mg(0.218 mmol)から表題化 物を103 mg (収率80 %)得た。

 実施例10(vi)の表題化合物(66)の 1 H - NMR、MSのデータを表4に示す。

実施例11  メチル 6-N-((2S, 4R)-4-ブチル-1-メ ル)ピペコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリ ミジン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコ サミド(化合物67)
 実施例4と同様の手法により、実施例10 (vi) 表題化合物 54.4 mg (0.092 mmol)から表題化合 物を54.3 mg (収率98 %)得た。

 実施例11の表題化合物(67)の 1 H - NMR、MSのデータを表5に示す。

実施例12(i)  4-シクロプロピルメチルピリジン
 4-ピコリン19.5ml(200mmol)のテトラヒドロフラ (120ml)溶液を-78℃に冷却し、リチウムジイソ ロピルアミド(2Mヘプタン、テトラヒドロフ ン、エチルベンゼン溶液)200mlを20分で滴下 、-40℃で20分攪拌し、-78℃に冷却した。 反 液にシクロプロピルブロミド16.0ml(200mmol)を2 5分で滴下し、-78℃で1時間攪拌後、飽和塩化 ンモニウム水溶液300mlに加え、水100mlで洗い こんだ。溶液を酢酸エチル200mlで2回抽出し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を濃縮 し減圧蒸留(8mmHg 86-87℃)と、蒸留残渣のシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酸エチル=70:30)により精製し、表題化合物17.6 g(収率66%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz, CDCl 3 )δ: 0.19-0.25 (2H, m), 0.55-0.61 (2H, m), 0.93-1.04 (1H, m), 2.54 (2H, d, J = 7.1 Hz), 7.17-7.22 (2H,  m), 8.47-8.52 (2H, m).
MS(FAB) m/z 134 (M+1) + .

(ii) 4-シクロプロピルメチルピリジン- N-オキシド
 実施例12(i)の表題化合物21.4g(161mmol)のジクロ ロメタン(240ml)溶液に、メタクロロ過安息香 42.7g(純度>65%)を加え、室温で1時間20分攪拌 した。反応液に20%(w/v)チオ硫酸ナトリウム五 和物溶液120mlを加え、室温下で1時間攪拌し 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200ml、飽和 酸カリウム水溶液50mlを加え、クロロホルム イソプロパノールの混液(8:1, 450ml)で3回抽 した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾液 濃縮し表題化合物23.9g(収率100%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz, CDCl 3 )δ: 0.19-0.27 (2H, m), 0.58-0.66 (2H, m), 0.90-1.02 (1H, m), 2.54 (2H, d, J = 7.1 Hz), 7.21 (2H, d, J = 6.8 Hz), 8.15 (2H, d, J = 6.8 Hz).

(iii) 2-シアノ-4-シクロプロピルメチル リジン
 実施例12(ii)の表題化合物23.9g(160mmol)のジク ロメタン (300ml)溶液に、トリメチルシリル アニド25.8ml(0.193mmol)を加え、ジメチルカルバ ミン酸クロリド17.8ml(193mmol)を3回に分け20分間 隔で加え、室温で24時間攪拌した。反応液に1 0%(w/v)炭酸カリウム水溶液300mlを加え30分攪拌 た後、ジクロロメタン100mlを加え抽出した 水相にジクロロメタン200mlを加え抽出し、合 わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥 した。濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 チル=100:0→85:15)により精製し、表題化合物2 2.6g(収率89%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz, CDCl 3 )δ: 0.22-0.29 (2H, m), 0.62-0.68 (2H, m), 0.93-1.04 (1H, m), 2.61 (2H, d, J = 7.1 Hz), 7.41-7.45 (1H,  m), 7.63-7.66 (1H, m), 8.58-8.62 (1H, m).
MS(EI) m/z 158 M + .

(iv) 4-(シクロプロピルメチル)ピコリ 酸
 実施例12(iii)の表題化合物25.5g(161mmol)のメタ ール (250ml)溶液に、5N水酸化ナトリウム水 液250mlを加え、50℃で8時間攪拌した。氷冷下 、反応液に5N塩酸250mlを加えた後、1N塩酸を加 え弱酸性に調整し、クロロホルムとイソプロ パノールの混液(5:1, 600ml)で7回抽出した。合 せた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥 た。濾液を濃縮し表題化合物27.6g(収率97%)を 得た。

1 H - NMR (400 MHz, CDCl 3 )δ: 0.24-0.30 (2H, m), 0.60-0.67 (2H, m), 0.98-1.08 (1H, m), 2.67 (2H, d, J = 7.1 Hz), 7.48-7.53 (1H,  m), 8.15-8.19 (1H, m), 8.52-8.56 (1H, m).
MS(FAB) m/z 178 (M+H) + .

(v) メチル 6-N-((2S,4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-シクロプロピルメチル)ピぺコロ ル-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α- ンコサミド
 実施例12(iv)の表題化合物30.0(168mmol)を用い実 施例8(i)と同様の手法により、メチル 6-N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロプロピ メチル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミ 35.0g(3工程収率40%)を得た。メチル 6-N-((2S,4R)- 1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロプロピル チル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド35. 0g(67.5mmol)を用い実施例1(i)と同様の方法によ 表題化合物30.6g(収率62%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: -0.04-0.02 (2H, m), 0.13 (9H, s), 0.14(9H, s), 0.19 (9H, s), 0.39-0.46 (2H, m), 0.62-0.72 (1H, m),  1.11-1.34 (6H, m), 1.47 (9H, s), 1.56-1.68 (2H, m) , 1.82-1.92 (1H, m), 2.00-2.16 (4H, m), 2.86 (1H, d , J = 6.6 Hz), 3.30-3.65 (3H, m), 3.88-4.23 (5H, m ), 4.29-4.39 (1H, m), 5.17 (1H, d, J = 5.4 Hz), 6 .42 (1H, d, J = 9.3 Hz).
MS(FAB) m/z 735 (M+H) +

(vi) メチル 6-N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシ カルボニル--4-シクロプロピルメチル)ピぺコ イル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(4 -(メチルアミ )チアゾール-4-イル)- 1,3,4-チアジアゾール-2 -イルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド
 実施例12(v)の表題化合物100.0g(0.13mmol)のトル ン(2ml)溶液に氷冷下、トリフェニルホスフ ン52.5mg(0.2mmol)、ジエチルアゾジカルボキシ ート0.032ml(0.2mmol)及び5-(5-(メチルアミノ)チア ゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオー 46.2mg(0.2mmol)を加え、室温で16時間撹拌した 実施例1 (vi)と同様の手法により後処理を行 表題化合物98.4mg(収率81%)を得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )1.51(9H,s),2.19 (3H, s), 3.17 (3H, d, J = 5.4 Hz),  5.38 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.51 (1H, d, J = 5.4  Hz), 8.00 (1H, s)

(vii) メチル 6-N-((2S, 4R)-4-シクロプロ ルメチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-( 5-(4 -(メチルアミノ)チアゾール-4-イル)- 1,3,4 -チアジアゾール-2-イルチオ)-1-チオ-α-リンコ サミド(化合物68)
 実施例7(ix)と同様の手法により、実施例12(vi )の表題化合物95.0(0.10mmol)から表題化合物を74. 3 mg (収率89 %)得た。

実施例12(vii)の表題化合物(68)及びと同様の方 により得た化合物(69~71)の 1 H - NMR、MSのデータを表5に示す。

実施例13(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-シクロプロピルメチル)ピぺコロ ル-7-O-メタンスルホニル-1-チオ-2,3,4-トリ-O- リメチルシリル-α-リンコサミド
 実施例12(v)の表題化合物1.00g(1.36mmol)を用い 実施例1(ii)と同様の方法により表題化合物1.0 6g(収率96%)を得た。

MS(EI) m/z 813 (M+1) + .

(ii) メチル 7-アセチルチオ-6-N-((2S,4R)- 1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロプロピル チル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ- 2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミ
 実施例13(i)の表題化合物8.75g(9.37mmol) を用い 、実施例1(iii)と同様の方法により、表題化合 物4.00g(収率54%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: -0.03-0.05 (2H, m), 0.13 (18H, m), 0.18 (9H, s ), 0.38-0.46 (2H, m), 0.62-0.73 (1H, m), 1.17-1.29 ( 3H, m), 1.36 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.50 (9H, s),  1.58-1.72 (2H, m), 1.87-2.17 (5H, m), 2.29 (3H, s), 3.11 (1H, br), 3.58 (1H, dd, J = 2.2, 9.5 Hz), 3 .67-3.84 (2H, m), 3.88-4.03 (2H, m), 4.12 (1H, dd,  J = 5.4 Hz, 9.5 Hz), 4.30-4.40 (1H, m), 4.52-4.62  (1H, m), 5.16 (1H, d, J = 5.4 Hz), 6.27 (1H, br).
MS(EI) m/z 793 (M+1) + .

(iii) メチル 6-N-((2S,4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-シクロプロピルメチル)ピぺコロ ル-7-デオキシ-7-エピ-7-メルカプト-1-チオ-α- リンコサミド
 実施例13(ii)の表題化合物5.20g(6.55mmol) を用 、実施例1(iv)及び(v)と同様の方法により、表 題化合物3.45g(収率99%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: -0.02-0.07 (2H, m), 0.41-0.48 (2H, m), 0.63-0.74  (1H, m), 1.14-1.49 (6H, m), 1.44 (1H, d, J = 4.9  Hz), 1.48 (9H, s), 1.65-1.78 (2H, m), 1.86-1.97 (1 H, m), 2.02-2.12 (1H, m), 2.22 (3H, s), 2.39 (1H,  d, J = 5.1 Hz), 2.65 (1H, d, J = 10.2 Hz), 3.31 (1H, br), 3.55 (1H, dt, J = 3.7, 10.0 Hz), 3.63  (1H, br), 3.70-3.79 (H, m), 3.84-3.92 (2H, m), 4.06- 4.19 (2H, m), 4.26 (1H, br), 4.85 (1H, d, J = 3.7  Hz), 5.33 (1H, d, J = 5.6 Hz), 6.69 (1H, d, J  = 9.0 Hz).
MS(FAB) m/z 535 (M+1) + .

(iv)  メチル 6-N -((2S, 4R)-1-tert-ブトキ カルボニル-4-シクロプロピルメチル)ピペコ ロイル- 7 -デオキシ-7-エピ-7-(4-(1-メチル-1,2, 3,6-テトラヒドロピリジン-3-イル)フェニルチ )-1-チオ -α-リンコサミド
 実施例1 (vi)と同様の手法により、実施例13( iii)の表題化合物 222 mg (0.416 mmol)と5-(4-ブロ モフェニル)-1-メチル)-1,2,3,6-テトラヒドロピ ジン 126 mg (0.498 mmol)から表題化合物を252 mg (収率86 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CDCl 3 )δ: 1.47 (9H, s), 2.09 (3H, s), 2.36-2.45 (2H, m),  2.47 (3H, s), 2.59 (2H, t, J = 5.4 Hz), 3.28 (2 H, d, J = 1.8 Hz), 5.35 (1H, d, J = 5.7 Hz), 6. 12-6.17 (1H, m), 7.28 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.35 ( 2H, d, J = 8.4 Hz).
MS (FAB) m/z: 706 (M + +1).

(v)  メチル 6-N -((2S, 4R)- 4-シクロプ ピルメチル)ピペコロイル- 7 -デオキシ-7- ピ-7-(4-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジ -3-イル)フェニルチオ)-1-チオ -α-リンコサミ ド(化合物86)
 実施例7 (ix)と同様の手法により、実施例13 (iv)の表題化合物 127 mg(0.18 mmol)から表題化 物を101 mg (収率89 %)得た。

 実施例13(v)の表題化合物(86)及びと同様の方 により得た化合物(72~85,87~93、145)の 1 H-NMR、MSのデータを表5、6、17に示す。

(vi)  メチル 6-N -((2S, 4R)-1-tert-ブトキ カルボニル-4-シクロプロピルメチル)ピペコ ロイル- 7 -デオキシ-7-エピ-7-(4-(4-メチルモ ホリン-2-イル)フェニルチオ)-1-チオ -α-リン コサミド
 参考例6(v)の表題化合物15mg(0.078mmol)の塩化メ チレン(1ml)溶液に2,6-ルチジン0.011ml(0.093mmol)を 加え0 o Cにて10分攪拌した。この溶液にトリフルオロ メタンスルホン酸無水物0.019ml(0.116mmol)を加え 15分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶 を加え反応を停止させた後、塩化メチレン 抽出し有機層を水および飽和食塩水で洗浄 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を 圧下濃縮し残渣を乾燥した。実施例1 (vi)と 同様の手法により、この粗生成物のジオキサ ン(0.7ml)溶液と実施例13(iii)の表題化合物39.4mg( 0.0931mmol)を用い表題化合物42.5mg(収率81%)を得 。

(vii)  メチル 6-N -((2S, 4R)- 4-シクロプ ピルメチル)ピペコロイル- 7 -デオキシ-7- ピ-7-(4-(4-メチルモルホリン-2-イル)フェニル オ)-1-チオ -α-リンコサミド(化合物94)
実施例7 (ix)と同様の手法により、実施例13 ( v)の表題化合物40mg(0.056mmol)から表題化合物30.5 mg(収率88%)を得た。

 実施例13(v)の表題化合物(94)の 1 H - NMR、MSのデータを表6に示す。

実施例14(i)  メチル 6-N-((2S, 4R)-1-tert-ブトキシ カルボニル-4 -シクロプロピルメチル)ピペコ リル-7- デオキシ-7-エピ-7-(4-(1-メチルピペリ ン-3-イル)フェニルチオ)-1- チオ-α-リンコ ミド
 実施例6と同様の手法により、実施例13 (iv) 表題化合物 202 mg (0.289 mmol)から表題化合 を27.7 mg (収率14 %)得た。

1 H - NMR (300 MHz,CD 3 OD)δ: 1.45-1.55 (1H, m), 1.46 (9H, s), 1.66-2.18 (5 H, m), 1.94 (3H, s), 2.37 (3H, s), 2.75-2.85 (1H,  m), 2.94-3.03 (2H, m), 5.25 (1H, d, J = 5.4 Hz),  7.20 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.4  Hz).
MS (FAB) m/z: 708 (M + +1).

(ii)  メチル 6-N-((2S, 4R)-4-シクロプロ ルメチル)ピペコリル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-( 1-メチルピペリジン-3-イル)フェニルチオ)-1- オ-α-リンコサミド(化合物95)
 実施例7 (ix)と同様の手法により、実施例14 (i)の表題化合物 6.9 mg(0.0098mmol)から表題化 物を4.5 mg (収率76 %)得た。

 実施例14(ii)の表題化合物(95)の 1 H - NMR、MSのデータを表6に示す。

実施例15(i)  メチル 6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピ メチル-1-メチル)ピペコロイル-7-(4-(ピリミ ン-5-イル)フェニルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-1- チオ-α-リンコサミド(化合物100)
 実施例4と同様の手法により、化合物(72) 59. 4 mg (0.10 mmol)から表題化合物を56.9 mg (収率 94 %)得た。

 実施例15(i)の表題化合物(100)及び同様の方法 により得た化合物(96~99、101~120、146)の 1 H-NMR、MSのデータを表6、7、17に示す。

(ii)  メチル 6-N-((2S, 4R)-4-シクロプロ ルメチル-1-(2-ヒドロキシ)エチル)ピペコロイ ル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル) ェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物1 21)  
 化合物(72) 59.3 mg (0.1 mmol)のメタノール(1  ml)溶液にジイソプロピルエチルアミン34.0 μl  (0.2 mmol) 及び1.0 Mエチレンオキシド塩化メ チレン溶液2 ml (2.0 mmol)を加え、0 ℃にて一 晩攪拌した。溶媒を留去し得られる残査をプ レパラティブクロマトグラフィー(クロロホ ム : アセトン : 28 % アンモニア水 = 10  : 1: 0.1) にて精製し、表題の化合物36.2 mg ( 収率22%)を得た。

実施例15(ii)の表題化合物(121)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

(iii)  メチル 6-N-((2S,4R)-1-シクロプロピ -4-シクロプロピルメチル)ピペコロイル-7-(4- (ピリミジン-5-イル)フェニルチオ)-7-デオキシ -7-エピ-1-チオ-α-リンコサミド(化合物122)
 化合物(72) 59.3 mg (0.1 mmol)のメタノール(1  ml)溶液に酢酸0.03mg (0.5 mmol) 、(1-メトキシシ クロプロピル)トリメチルシラン80mg(0.5mmol)及 水素化シアノホウ素ナトリウム38mg (0.5 mmol )を加え、50 ℃にて一晩攪拌した。溶媒を留 し得られる残査をプレパラティブクロマト ラフィー(クロロホルム : アセトン : 28 %  アンモニア水 = 10 : 1: 0.1) にて精製し、 表題の化合物35.4 mg (収率33%)を得た。

 実施例15(iii)の表題化合物(122)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

実施例16(i)  (S)-メチル 2-(2-ニトロフェニルス ホナミド)ペント-4-エノエート
 0 o Cに冷却したチオニルクロリド3.18ml(43.5mmol)の タノール(40ml)溶液にL-2-アミノ-4-ペンテン酸 を加えた。その後、室温にて24時間攪拌した 反応溶液を減圧下濃縮し乾燥した。この粗 成物のジエチルエーテル(26ml)溶液を0 o Cに冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水 液(26ml)を加えた。これに2-ニトロベンゼンス ルホニルクロリド4.24g(19.14mmol)を加え室温に 7時間攪拌した。その後反応溶液を0 o Cに冷却しN,N-ジメチルエチレンジアミン(2ml) 加え室温にて30分攪拌した。有機層を分離し た後、水層にクエン酸を加えpH3としてジエチ ルエーテルにて抽出した。合わせて得られた 有機層を3%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナ リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し無 硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液 減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で 精製し、表題化合物4.52g(収率83%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 2.58 (2H, dd, J = 5.9, 6.8 Hz), 3.52 (3H, s) , 4.30 (1H, dt, J = 5.8, 8.8 Hz), 5.12-5.15 (1H,  m), 5.17 (1H, s), 5.62-5.72 (1H, m), 6.09 (1H, d,  J = 8.7 Hz), 7.72-7.76 (2H, m), 7.91-7.96 (1H, m), 8.06-8.10 (1H, m).
MS (FAB + ) m/z: 315(M + +1).

(ii)  3-メチレンヘキサン-1-オール
 0 o Cに冷却したN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジ ミン39ml(258mmol)のジエチルエーテル(148ml)溶 にブチルリチウム(2.66Mトルエン溶液)82ml(218.2 mmol)を加えた後、室温にて1時間攪拌した。こ の反応溶液を0 o Cに冷却し3-メチル-3-ブテン-1-オール10.1ml(99.2m mol)を加えた後、室温にて6時間攪拌した。こ 反応溶液を-78 o Cに冷却し、そこへブロモエタン8.9ml(119mmol)の ジエチルエーテル(29.2ml)溶液を加え、室温ま ゆっくり昇温させ15時間攪拌した。飽和塩 アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテ にて抽出した。得られた有機層を3%クエン酸 水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽 和食塩水で順次洗浄し無水硫酸マグネシウム で乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、 残渣を減圧蒸留にて精製し、表題化合物1.4g( 率12%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.80 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.35 (2H, tq, J =  7.3. 7.5 Hz), 1.89 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.17 (2 H, t, J = 6.3 Hz), 3.59 (2H, dt, J = 5.3, 6.1 H z), 4.70 (1H, dd, J = 0.7, 1.2 Hz), 4.74 (1H, d, J = 1.5 Hz).
MS (GC) m/z: 114(M + ).

(iii)  (S)-メチル 2-(N-(3-メチレンヘキシ )-2-ニトロフェニルスルホナミド) ペント-4- エノエート
 実施例16(i)の表題化合物2.27g(7.22mmol)、実施 16(ii)の表題化合物1.07g(9.39mmol)にテトラヒド フラン(30.2ml)を加え0 o Cに冷却しトリフェニルホスフィン2.84g(10.8mmol )を加え10分攪拌した。この溶液にジイソプロ ピルアゾジカルボキシレート2.1ml(10.8mmol)を加 えた後、2時間かけて昇温させ19時間攪拌した 。減圧下溶媒を除去した後、残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 チル=20:1)で精製し、表題化合物2.42g(収率82%) を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.45 (2H, tq, J =  7.3. 7.6 Hz), 1.99 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.32 (1 H, dt, J = 5.1, 12.9 Hz), 2.44-2.55 (2H, m), 2.83 (1H, dtt, J = 1.5, 6.0, 15.1 Hz), 3.25 (1H, ddd, J = 5.1, 12.2, 15.4 Hz), 3.53 (1H, ddd, J = 5.1,  12.0, 15.3 Hz), 3.58 (3H, s), 4.71-4.75 (2H, m),  4.79 (1H, d, J = 1.4 Hz), 5.14 (1H, dq, J = 1.5,  10.2 Hz), 5.20 (1H, dq, J = 1.5, 17.1 Hz), 5.82 (ddt, J = 6.8, 10.5, 17.0 Hz), 7.56-7.60 (1H, m), 7.67-7.74 (2H, m), 8.02-8.06 (1H, m).
MS (FAB + ) m/z: 411(M + +1).

(iv)  (S,Z)-メチル 1-(2-ニトロフェニル ルホニル)-5-プロピル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H- アゼピン-2-カルボキシレート
 実施例16(iii)の表題化合物2.42g(5.89mmol)の塩化 メチレン(295ml)溶液にベンジリデン[1,3-ビス(2, 4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリ ン]ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィ )ルテニウム250mg(0.295mmmol)を加え1時間加熱還 した。室温まで冷却した後、減圧下溶媒を 去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製 、表題化合物1.84g(収率82%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CDCl 3 )δ: 0.82 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.22-1.42 (2H, m), 1.91 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.28 (1H, ddd, J = 1. 9, 6.1, 16.3 Hz), 2.38-2.47 (1H, m), 2.56-2.64 (1H, m), 2.79 (1H, dt, J = 7.3, 14.9 Hz), 3.45 (1H, d dd, J = 2.2, 10.5, 14.4 Hz), 3.62 (3H, s), 3.83 ( 1H, ddd, J = 3.2, 6.3, 14.4 Hz), 4.90 (1H, dd, J = 3.4, 6.8 Hz), 5.45 (1H, ddd, J = 1.0, 5.3, 7.3  Hz), 7.61-7.65 (1H, m), 7.66-7.71 (2H, m), 8.05-8.1 0 (1H, m).
MS (ESI + ) m/z: 383(M + +1).

(v)  メチル 6-N-((2S,Z)-1-(2-ニトロフェ ルスルホニル)-5-プロピル -2-(2,3,6,7-テトラ ドロアゼピン)カルボニル)-1-チオ-α-リンコ ミド
 実施例16(iv)の表題化合物500mg(1.31mmol)の1,4-ジ オキサン:水=4:1(7ml)溶液に水酸化リチウム1水 物164.6mg(3.92mmol)を加え4時間室温にて攪拌し 。水、ジエチルエーテルを加えて希釈した 、セライト濾過した。有機層を分離し水層 3%クエン酸水溶液を加え酢酸エチルにて抽 した。合わせて得られた有機層を無水硫酸 トリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧 濃縮し乾燥した。この粗生成物に1-ヒドロキ シベンゾトリアゾール265.0mg(1.96mmol)、1-エチ -3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ 塩酸塩375.8mg(1.96mmol)、 N,N-ジメチルホルム ミド(5.0ml) を順次加え、室温にて20分攪拌し た。その後、メチル 1-チオ-α-リンコサミド4 96.8mg(1.96mmol)を加え室温にて13時間攪拌した。 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、 酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾 燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク ロホルム:メタノール=50:1)で精製し、表題化 物660mg(収率84%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CD 3 OD)δ: 0.83 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.15 (3H, d, J  = 6.3 Hz), 1.26-1.34 (2H, m), 1.80 (2H, t, J = 7. 3 Hz), 2.05 (3H, s), 2.25-2.55 (3H, m), 2.75 (1H,  dt, J = 7.5, 15.8 Hz), 3.58 (1H, dd, J = 3.4, 10 .2 Hz), 3.75-3.83 (3H, m), 4.03-4.11 (3H, m), 4.38  (1H, d, J = 5.8 Hz), 5.22 (1H, d, J = 5.6 Hz),  5.37-5.42 (1H, m), 7.74-7.78 (1H, m), 7.79-7.86 (2H, m), 8.09-8.14 (1H, m).
MS (FAB + ) m/z: 604(M + +1).

(vi)  メチル 6-N-((2S,5S)-5-プロピル-2-ア パンカルボニル)-1-チオ-α-リンコサミド  実施例16(v)の表題化合物660mg(1.09mmol)のN,N -  ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に4-ブロモベ ゼンチオール413.4mg(2.19mmol)を加え0 o Cに冷却した。この溶液に1,3,4,6,7,8-ヘキサヒ ロ-1-メチル-2H-ピリミド[1,2-a]ピリミジンを加 え6時間攪拌した。溶媒を減圧下除去し残渣 カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ チル=1:1、クロロホルム:メタノール=10:1)で精 した。この粗生成物475mgのメタノール(5ml)溶 液にラネーニッケル1gを加え水素雰囲気下37 間攪拌した。反応溶液をセライト濾過後、 液を減圧下除去した。得られた残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル :メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1)で精製 、表題化合物130mg(収率28%)を得た。

1 H - NMR (400 MHz,CD 3 OD)δ: 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.18 (3H, d, J  = 6.6 Hz), 1.19-1.42 (7H, m), 1.61-1.71 (1H, m), 1. 80-1.86 (1H, m), 1.95-2.03 (2H, m), 2.08 (3H, s), 2 .74-2.82 (1H, m), 3.03 (1H, ddd, J = 2.4, 5.6, 14. 2 Hz), 3.57 (1H, dd, J = 3.4, 10.2 Hz), 3.59 (1H,  t, J = 5.6 Hz), 3.96 (1H, d, J = 2.7 Hz), 4.06  (1H, q, J = 6.4 Hz), 4.10 (1H, dd, J = 5.6, 10 .2 Hz), 4.18 (1H, dd, J = 6.3, 7.8 Hz), 4.24 (1H,  d, J = 7.8 Hz), 5.24 (1H, d, J = 5.4 Hz).
MS (FAB + ) m/z: 421(M + +1).

(vii)  メチル 7-アセチルチオ-7-デオキ -7-エピ-6-N-((2S,5S)-1-tert-ブトキシカルボニル-5 -プロピル-2-アゼパンカルボニル)-2,3,4-トリ-O- トリメチルシリル-1-チオ-α-リンコサミド
 実施例16(vi)の表題化合物110mg(0.262mmol)の1,4- オキサン:水=4:1(5.5ml)溶液に水酸化リチウム1 和物16.5mg(0.393mmol)を加え室温にて5分攪拌し 後、二炭酸-tert-ブチルを加え1時間室温にて 攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を 加えた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナト リウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃 縮後、乾燥し粗生成物としてメチル 6-N-((2S,5 S)-1- tert-ブトキシカルボニル-5-プロピル-2-ア ゼパンカルボニル)-1-チオ-α-リンコサミドを た。この粗生成物とトリメチルシリルクロ ド0.166ml(1.31mmol)、ヘキサメチルジシラザン0. 275mol(1.31mmol)ピリジン(5.5ml)、メタノール(5.5ml) 、2N 酢酸水溶液0.171ml(0.341mmol)を用い実施例1( i)と同様の方法により、メチル 6-N-((2S,5S)-1-te rt-ブトキシカルボニル-5-プロピル-2-アゼパン カルボニル)-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-1- オ-α-リンコサミドを得た。この粗生成物と トリエチルアミン0.182ml(1.31mmol)、塩化メタン ルホニル0.082ml(1.05mmol)、クロロホルム(3.0ml) 用い実施例2(i)と同様の方法によりメチル6-N -((2S,5S)-1- tert-ブトキシカルボニル-5-プロピ -2-アゼパンカルボニル)-7-O-メチルスルホニ -2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-1-チオ-α-リン コサミドを得た。この粗生成物とチオ酢酸カ リウム181.3mg(1.59mmol)、N,N - ジメチルホルム ミド(1.5ml)を用い実施例1(iii)と同様の方法に り表題化合物96mg(46%)を得た。

1 H-NMR (400 MHz,CDCl 3 ) δ: -0.0043 (9H, s), 0.00 (9H, s), 0.042 (9H, s) , 0.76 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.06-1.23 (9H, m), 1. 35-1.38 (1H, m), 1.38 (9H, s), 1.50-1.80 (4H, m), 1 .85 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.70-2.95 (1H, m), 3.35- 3.45 (2H, m), 3.58-4.20 (4H, m), 4.25-4.50 (2H, m), 5.02 (1H, d, J = 5.6 Hz), 6.16 (1H, brd).
MS(FAB + ) m/z: 795(M + +1).

(viii)  メチル 6-N-((2S,5S)-1-tert-ブトキシ ルボニル-5-プロピル-2-アゼパンカルボニル)- 7-デオキシ-7-エピ-7-メルカプト-1-チオ-α-リン コサミド
 実施例16(vii)の表題化合物96mg(0.121mmol)のメタ ノール(2.0ml)溶液に1N塩酸0.424ml(0.424mmol)を加え 室温にて40分攪拌した。減圧下濃縮後乾燥し 。得られた粗生成物のメタノール(2ml)溶液 4.1Nナトリウムメトキシドのメタノール溶液0 .03mlを加え室温にて30分攪拌した。飽和炭酸 素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルに 抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過 た。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メ タノール:28%アンモニア水=20:1:0.1)で精製し、 題化合物40mg(収率62%)を得た。

1 H-NMR (400 MHz,CD 3 OD) δ: 0.91 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.24-1.35 (8H,  m), 1.45-1.50 (1H, m), 1.48 (9H, s), 1.60-1.75 (3H, m), 1.90-2.05 (2H, m), 2.15 (3H, s), 3.45-3.59 (3H,  m), 3.80-3.90 (1H, m), 4.02-4.15 (2H, m), 4.24-4.34  (1H, m), 4.36-4.32 (2H, m), 5.24 (1H, d, J = 5.6  Hz).
MS(ESI + ) m/z: 537(M + +1).

(ix)  メチル 6-N-((2S,5S)-1-tert-ブトキシ ルボニル-5-プロピル-2-アゼパンカルボニル)- 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フ ニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド
 実施例1 (vi)と同様の手法により、実施例16( viii)の表題化合物 100 mg (0.19 mmol)と5-(4-ブロ モフェニル)ピリミジン66.0 mg (0.289 mmol)から 表題化合物を101 mg (収率77 %)得た。

(x)  メチル 6-N-((2S,5S)-5-プロピル-2-ア パンカルボニル)-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピ ミジン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リン サミド
 実施例7 (ix)と同様の手法により、実施例10 (v)の表題化合物 100 mg(0.15 mmol)から表題化 物を78.2 mg (収率91 %)得た。

 実施例16(x)の表題化合物(123)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

実施例17  メチル 6-N-((2S,5S)-1-メチル-5-プロ ル-2-アゼパンカルボニル)-7-デオキシ-7-エピ -7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ -α-リンコサミド(化合物124)
 実施例4と同様の手法により、実施例16(x)の 題化合物40.0mg (0.069mmol)から表題化合物を34. 3 mg (収率84 %)得た。

 実施例17の表題化合物(124)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

実施例18(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-アセトアミド チル-4-シクロプロピルメチル) ピぺコロイ -7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル) ェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物12 5)
 化合物(72)一塩酸塩50mg(80.0μmol)のメタノール (0.5ml)溶液に、ベンズアミド145mg(1.20mmol)、ホ マリン40μlを加え、室温で3日間攪拌した。 らに、ベンズアミド145mg(1.20mmol)、ホルマリ 40μlを加え、50℃で4日間攪拌後、反応液を酢 酸エチルで希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水 溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し た。濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲル カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メ ノール=100:0-90:10)により精製し、表題化合物 35mg(収率61%)を得た。

 実施例18(i)の表題化合物(125)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

(ii) メチル6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピル メチル-1-エトキシカルボニル)ピぺコロイル-7 -デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェ ニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物126)
 化合物(72)40mg(68μmol)のジオキサン(0.4ml)溶液 、1N水酸化ナトリウム水溶液136μl、エチル ロロホルメート8.9μlを加え、室温で1時間攪 した。さらに、1N水酸化ナトリウム水溶液68 μl、エチルクロロホルメート4.4μlを加え、室 温で30分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで 釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を 縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロ トグラフィー(クロロホルム:メタノール=100: 0→96:4)により精製し、表題化合物31mg(収率69%) を得た。

 実施例18(ii)の表題化合物(126)及び同様の方 で得た化合物(127)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

(iii) メチル 6 -N-((2S,4R)-4-シクロプロ ルメチル-1-((5-メチル-2-オキソ-1, 3-ジオキソ ール-4-イル)メトキシ)カルボニル)ピぺコロイ ル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル) ェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物1 28)
 化合物(72)40mg(68μmol)のN,N-ジメチルホルムア ド(0.5ml)溶液に、ジイソプロピルエチルアミ ン18μl(102μmol)、J. Med. Chem., 1996, 39, 480の手 法で得た(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール- 4-エン-4-イル)メチルp-ニトロフェニルカーボ ート22mg(75μmol)を加え、室温で6時間攪拌し 。反応液を酢酸エチルで希釈後、10%塩化ナ リウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウ で乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エ ル:アセトン=100:0→80:20)により精製し、表題 化合物37mg(収率73%)を得た。

実施例18(iii)の表題化合物(128)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

(iv) メチル6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピル メチル-1-((5-メチル-2-オキソ-1, 3-ジオキソー -4-イル)メチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7- ピ-7-(4-(ピリミジン-5-イルフェニルチオ)-1-チ オ-α-リンコサミド(化合物129)
 化合物(72)30mg(51μmol)のN,N-ジメチルホルムア ド(0.5ml)溶液に、炭酸ナトリウム5.9mg(56μmol) Chem. Pharm. Bull., 32, 2241(1984) の手法で得た 4-クロロメチル-5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキ レン13mg(56μmol)を加え、室温で1時間30分攪拌 た。
反応液を酢酸エチルで希釈後、10%塩化ナトリ ウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで 乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣をシリ カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ :アセトン=100:0→80:20)により精製し、表題化 物37mg(収率100%)を得た。

実施例18(iv)の表題化合物(129)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

(v) メチル6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピル メチル-1-((クロロメトキシ)カルボニル))ピぺ ロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5- イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド
 化合物(72)100mg(170μmol)のジオキサン(0.6ml)溶 に、1N水酸化ナトリウム水溶液255μl、水250μl 、クロロメチルクロロホルメート18μlを加え 室温で4時間攪拌した。
反応液を酢酸エチルで希釈し、10%炭酸水素ナ トリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウ ムで乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ ホルム:メタノール=100:0→97:3)により精製し 表題化合物58mg(収率50%)を得た。 

MS(EI) m/z 681 (M+1) + .

(vi) メチル6-N-((2S,4R)-1-((アセトシメト シ)カルボニル)-4-シクロプロピルメチル)ピ コロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン -5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド (化合物131)  
 実施例18(iv)の表題化合物29mg(43μmol)のN,N-ジ チルホルムアミド (0.3ml)溶液に、酢酸カリ ム8.4mg(85μmol)を加え、室温で2時間20分攪拌し た。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%塩化ナ トリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウ ムで乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣を 分取用TLC(酢酸エチル:メタノール=7:1)により 製し、表題化合物16mg(収率53%)を得た。 

実施例18(vi)の表題化合物(131)及び同様の方法 得た化合物(132)の 1 H - NMR、MSのデータを表8に示す。

(vii) メチル6-N-((2S,4R) -4-シクロプロピ メチル-1-ホルミル)ピぺコロイル-7-デオキシ -7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチオ) -1-チオ-α-リンコサミド(化合物130)  
 無水酢酸20μlとギ酸40μlの混合溶媒を60℃で1 時間加熱し、化合物(72)20mg(34μmol)のメタノー (0.2ml)溶液を加え60℃で16時間攪拌した。反 液濃縮し得られた残渣をプレパラティブク マトグラフィー(クロロホルム : アセトン  : 28 % アンモニア水 = 10 : 1: 0.1) にて精 し、表題の化合物19.2 mg (収率22%)を得た。

 実施例18(vii)の表題化合物(130)の 1 H - NMR、MSのデータを表7に示す。

実施例19(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-tert-ブトキシ ルボニル-4-シクロプロピルメチル)ピぺコロ ル-7-デオキシ-2,3-O-ジアセチル-7-エピ-7-(4-( リミジン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リ コサミド  
 実施例13(iv)と同様の方法で得たメチル 6-N-( (2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロプロ ピルメチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7 -(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ- -リンコサミド300mg(0.435mmol)のピリジン(2.4ml) 液に、無水酢酸0.123ml(1.31mmol)を加え、室温で 18時間攪拌した。反応液を濃縮し得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ キサン:酢酸エチル=70:30→30:70)で精製し、表 化合物244mg(収率73%)を得た。

MS(FAB) m/z 773 (M+1) + .

(ii) メチル 6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピ メチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-2,3-O-ジア チル-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニル チオ)-1-チオ-α-リンコサミド一塩酸塩(化合物 133)
 実施例19(i)の表題化合物46mg(0.059mmol)を用い 実施例7 (ix)と同様の手法により、表題化合 38mg(収率91%)を得た。

実施例19(ii)表題化合物(133)の 1 H - NMR、MSのデータを表8に示す。

(iii) メチル6-N-((2S,4R)- 1-tert-ブトキシ ルボニル-4-シクロプロピルメチル)ピぺコロ ル-7-デオキシ-7-エピ-2,3-O-(プロパン-2,2-ジイ ル)-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチオ)-1- オ-α-リンコサミド  
 実施例13(iv)と同様の方法で得たメチル 6-N-( (2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロプロ ピルメチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7 -(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ- -リンコサミド300mg(0.435mmol)のN,N-ジメチルホ ムアミド (5ml)溶液に、2,2-ジメトキシプロパ ン190μl(2.95mmol)、トシル酸254mg(1.7mmol)を加え、 室温で18時間攪拌した。反応液を酢酸エチル 希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、10% 化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナ リウムで乾燥した。濾液を濃縮し得られた 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( クロロホルム:メタノール=100:0→98.5:1.5)で精 し、表題化合物302mg(収率92%)を得た。

(iv) メチル 2-O-アセチル-6-N-((2S,4R)-4- クロプロピルメチル)ピぺコロイル-7-デオキ -7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フェニルチ )-1-チオ-α-リンコサミド(化合物134)
 実施例19(iii)の表題化合物250mg(343μmol)のピリ ジン (2ml)溶液に、無水酢酸88μl(993μmol)、触 量のN,N-ジメチルアミノピリジンを加え、室 で30分間攪拌した。
 反応液を酢酸エチルで希釈し、10%炭酸水素 トリウム水溶液、10%塩化ナトリウム水溶液 洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 液を濃縮し得られた残渣のジクロロメタン( 3ml)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸1.5mlを加 え、室温で30分攪拌した。反応液を酢酸エチ で希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、1 0%塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸 トリウムで乾燥した。濾液を濃縮し得られ 残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィー( クロロホルム:メタノール=100:0-98:2)で精製し 表題化合物185mg(収率86%)を得た。

 実施例19(iv)表題化合物(134)の 1 H - NMR、MSのデータを表8に示す。

実施例20(i) メチル 6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピ メチル-1-メチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-2, 3-O-ジアセチル7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル) ェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物1 38)
 化合物(100)180mg(299μmol)のピリジン (1.5ml)溶 に、無水酢酸113μl(1.19mmol)を加え、室温で18 間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し 10%塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫 ナトリウムで乾燥した。濾液を濃縮し得ら た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ー(クロロホルム:メタノール=100:0-98.5:1.5)で 製し、表題化合物166mg(収率78%)を得た。

 実施例20(i)の表題化合物(138)及び同様の方法 で得た化合物(141)の 1 H - NMR、MSのデータを表8に示す。

(ii) メチル6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピル メチル-1-メチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7- ピ-2,3-O-(プロパン-2,2-ジイル)-7-(4-(ピリミジ -5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミ  
 実施例19(ii)と同様の手法により、化合物(100 )592mg(982μmol)から表題化合物520mg(収率82%)を得 。

(iii) メチル 2-O-アセチル-6-N-((2S,4R)-4- クロプロピルメチル-1-メチル)ピぺコロイル- 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イル)フ ニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物139)
 実施例19(ii)と同様の手法により、実施例20(i i)の表題化合物200mg(311μmol)から表題化合物177m g(収率88%)を得た。

実施例20(iii)の表題化合物(139)及び同様の方法 で得た化合物(137、142~144)の 1 H - NMR、MSのデータを表8に示す。

(iv) メチル 6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピ メチル-1-メチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-2, 3,4-O-トリアセチル7-エピ-7-(4-(ピリミジン-5-イ ル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化 物140)  
 化合物(100)180mg(299μmol)のピリジン (0.5ml)溶 に、無水酢酸113μl(1.19μmol)、 触媒量のN,N-ジ メチルアミノピリジンを加え、室温で15時間 拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10% 酸水素ナトリウム水溶液、10%塩化ナトリウ 水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾 した。濾液を濃縮し得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢 エチル=50:50-0:100)で精製し、表題化合物37mg( 率89%)を得た。

 実施例20(iv)の表題化合物(140)の 1 H - NMR、MSのデータを表8に示す。

実施例21(i) メチル6-N-((2S,4R)-4-シクロプロピル メチル-1-((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール -4-イル)メトキシ)カルボニル)ピぺコロイル-7- デオキシ-2,3-O-ジアセチル-7-エピ-7-(4-(ピリミ ン-5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサ ド(化合物135)  
 実施例18(iii)と同様の手法により、化合物(13 3)50mg(65μmol)から表題化合物を15 mg (収率28%) た。

 実施例21(i)の表題化合物(135)の 1 H - NMR、MSのデータを表8に示す。

(ii) メチル 2-アセチル-6-N-((2S,4R)-4-シ ロプロピルメチル-1-((5-メチル-2-オキソ-1,3- オキソール-4-イル)メトキシ)カルボニル)ピ コロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリミジン -5-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド (化合物136)
 実施例18(iii)と同様の手法により、化合物(13 4)15mg(23μmol)から表題化合物9mg(収率51%)を得た

 実施例21(ii)の表題化合物(136)の 1 H-NMR、MSのデータを表8に示す。

 本発明の化合物の具体例としては下記の 9~16に示される化合物が挙げられる。

[試験例1]抗菌活性
 以下に、本発明のリンコマイシン誘導体の ちの代表的化合物の各種肺炎球菌に対する 小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)をCHEMOTHERAPY, vol. 16, No. 1, 99, 1968. 記載の方法に準じて測定 し、結果を表1に示した。測定培地は、Sensitiv ityDisk agar-N + 5% Horse bloodであり、接種菌量 は、10 6 CFU/mlである。表1中CLDMはクリンダマイシンを す。

 結果から、本発明による式(I)のリンコマ シン誘導体が、マクロライド耐性肺炎球菌 対して強い抗菌力を有することが示された