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Title:
MEMBER WITH CORROSION-RESISTANT COATING FILM, PROCESS FOR PRODUCTION OF THE SAME, AND COATING COMPOSITION FOR THE PRODUCTION THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093318
Kind Code:
A1
Abstract:
A coating film capable of attaining excellent corrosion resistance which is provided with both the first coat formed on a member having a metal surface by heating the first coating composition which comprises, based on the whole composition, 5 to 40% by mass of an organosilicon compound, 0.05 to 5.0% by mass of an organotitanate compound, 20 to 60% by mass of one or more metal powders selected from the group consisting of zinc powder, zinc alloy powders and aluminum powder, and 10 to 60% by mass of an organic solvent in such a way to cover the surface including the metal surface and the second coat formed on the first coat by heating the second coating composition which is an aqueous one comprising, based on the whole composition, 5 to 16% by mass of a silane coupling agent and 30 to 60% by mass of an alkali silicate.

Inventors:
SUZUKI TOSHIMICHI (JP)
IIJIMA MASAYUKI (JP)
TAKAYAMA YASUHARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050963
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YUKEN KOGYO CO LTD (JP)
SUZUKI TOSHIMICHI (JP)
IIJIMA MASAYUKI (JP)
TAKAYAMA YASUHARU (JP)
International Classes:
B32B27/00; B05D7/24; B32B15/08; C09D1/04; C09D5/00; C09D5/10; C23C26/00
Domestic Patent References:
WO2003085171A12003-10-16
Foreign References:
JP2004501233A2004-01-15
JP2002115084A2002-04-19
JPH1158599A1999-03-02
JP2006028372A2006-02-02
JPH11293200A1999-10-26
JP2004359800A2004-12-24
JP2006265291A2006-10-05
Other References:
See also references of EP 2236283A4
Attorney, Agent or Firm:
HIROSE, Shoichi (4-2 Nihonbashi Honcho 4-chom, Chuo-ku Tokyo 23, JP)
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Claims:
 全組成物に基づいて、5~40質量%の有機ケイ素化合物、0.05~5.0質量%の有機チタネート化合物、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末およびアルミニウム粉末からなる群から選ばれる一種または二種以上の20~60質量%の金属粉末、ならびに10~60質量%の有機溶剤を含有する第一の塗料組成物が加熱されてなるものであって、金属表面を有する部材の当該金属表面を含む表面上に形成された第一の塗膜と、
 全組成物に基づいて、5~25質量%のシランカップリング剤および30~60質量%のアルカリシリケートを含有する水系の第二の塗料組成物が加熱されてなるものであって、前記第一の塗膜上に形成された第二の塗膜と
を備えることを特徴とする耐食性塗膜を有する部材。
 前記第一の塗料組成物における有機ケイ素化合物が、炭素数が3以下のアルキル基を有するテトラアルキルシリケート化合物およびそのオリゴマーからなる群から選ばれた一種または二種以上の化合物である請求項1記載の耐食性塗膜を有する部材。
 前記第一の塗料組成物における有機チタネート化合物が、一般式Ti(X) 4 で表される有機化合物およびそのオリゴマーであって、Xは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、およびtert-ブトキシの炭素数4以下のアルコキシ基、ラクテート、トリエタノールアミネート、アセチルセトネート、アセトアセテート、およびエチルアセトアセテートを含むキレート性置換基、ならびに水酸基からなる群から選ばれた一種または二種以上の官能基である請求項1または2記載の耐食性塗膜を有する部材。
 前記第一の塗料組成物における金属粉末が鱗片状である請求項1から3のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材。
 前記第二の塗料組成物が、全組成物に基づいて20質量%以下でワックスエマルジョンを含有する請求項1から4のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材。
 前記第二の塗料組成物におけるシランカップリング剤が、ビニル基、エポキシ基およびメタクリロキシ基からなる群から選ばれる一種または二種以上の基を有する請求項1から5のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材。
 前記第二の塗料組成物におけるシランカップリング剤がグリシジルオキシアルキルトリアルコキシシランである請求項6記載の耐食性塗膜を有する部材。
 前記第二の塗料組成物におけるアルカリシリケートがリチウムシリケートであって、そのリチウムシリケートの、リチウム分のリチウム酸化物換算モル比に対するシリコン分のシリコン酸化物のモル比(SiO 2 /Li 2 O)が6以上10以下である請求項1から6のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材。
 前記第一の塗膜が形成される表面が鉄鋼部材の表面である請求項1から8のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材。
 請求項1から9に記載される耐食性塗膜を有する部材を製造するための塗料組成物であって、
 全組成物に基づいて、5~40質量%の有機ケイ素化合物、0.05~5.0質量%の有機チタネート化合物、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末およびアルミニウム粉末からなる群から選ばれる一種または二種以上の20~60質量%の金属粉末、ならびに10~60質量%の有機溶剤を含有すること
を特徴とする塗料組成物。
 請求項1から9に記載される耐食性塗膜を有する部材を製造するための塗料組成物であって、
 全組成物に基づいて、5~25質量%のシランカップリング剤および30~60質量%のアルカリシリケートを含有すること
を特徴とする水系塗料組成物。
 全組成物に基づいて、5~40質量%の有機ケイ素化合物、0.05~5.0質量%の有機チタネート化合物、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末およびアルミニウム粉末からなる群から選ばれる一種または二種以上の20~60質量%の金属粉末、ならびに10~60質量%の有機溶剤を含有する第一の塗料組成物を、金属表面を有する部材の当該金属表面を含む表面に塗布する第一の塗布工程と、
 当該塗布された第一の塗料組成物を200~400℃に加熱して第一の塗膜を形成する第一の加熱工程と、
 全組成物に基づいて、5~25質量%のシランカップリング剤および30~60質量%のアルカリシリケートを含有する水系の第二の塗料組成物を、前記第一の塗膜上に塗布する第二の塗布工程と、
 当該塗布された第二の塗料組成物を50℃~200℃に加熱して第二の塗膜を形成する第二の加熱工程と
を備えることを特徴とする耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第一の塗料組成物における有機ケイ素化合物が、炭素数が3以下のアルキル基を有するテトラアルキルシリケート化合物およびそのオリゴマーからなる群から選ばれた一種または二種以上の化合物である請求項12記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第一の塗料組成物における有機チタネート化合物が、一般式Ti(X) 4 で表される有機化合物およびそのオリゴマーであって、Xは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、およびtert-ブトキシの炭素数4以下のアルコキシ基、ラクテート、トリエタノールアミネート、アセチルセトネート、アセトアセテート、およびエチルアセトアセテートを含むキレート性置換基、ならびに水酸基からなる群から選ばれた一種または二種以上の官能基である請求項12または13記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第一の塗料組成物における金属粉末が鱗片状である請求項12から14のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第二の塗料組成物が、その残部水の一部に代えて、ワックスエマルジョンを、全組成物に基づいて20質量%以下で含有する請求項12から15のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第二の塗料組成物におけるシランカップリング剤が、ビニル基、エポキシ基およびメタクリロキシ基からなる群から選ばれる一種または二種以上の基を有する請求項12から16のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記シランカップリング剤がグリシジルオキシアルキルトリアルコキシシランである請求項17記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第二の塗料組成物におけるアルカリシリケートがリチウムシリケートであって、そのリチウムシリケートの、リチウム分のリチウム酸化物換算モル比に対するシリコン分のシリコン酸化物のモル比(SiO 2 /Li 2 O)が6以上10以下である請求項12から18のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第一の塗布工程後、前記第一の加熱工程の前に、前記塗布された第一の塗料組成物80℃~200℃で加熱する予備加熱工程を備える請求項12から19のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
 前記第一の塗膜が形成される表面が鉄鋼部材の表面である請求項12から20のいずれかに記載の耐食性塗膜を有する部材の製造方法。
Description:
耐食性塗膜を有する部材、その 造方法、およびそれを製造するための塗料 成物

 本発明は、クロム等の有害金属を含まな 耐食性塗膜を有する部材、その製造方法、 よびそれを製造するための塗料組成物に関 る。詳しくは、たとえば精密機器や自動車 プレス成形用鋼板に適用可能なほどの薄膜 あっても耐食性に優れる塗膜を有する部材 その製造方法、およびそれを製造するため 塗料組成物に関する。

 鉄鋼などの金属の表面を有する部材の防 を目的とする塗料として、亜鉛粉末とクロ 酸とを主成分とする防錆塗料が多用されて た。この塗料は、6価クロムの持つ不働態化 作用によって亜鉛粉末を長期間安定に保つこ とができ、液の保存安定性に優れている。ま た、この亜鉛粉末を含有する塗料からなる塗 膜は、周知の亜鉛による犠牲防食作用が有効 に働いて、下地の鉄鋼等の金属の腐食を防止 するため、優れた防錆効果が得られる。

 ところが、近年、6価クロムの有害性によ る環境汚染、人体への健康被害が懸念される ようになり、6価クロム等の有害金属を法的 使用規制する動きが加速している。こうし 流れを受け、多くの業界において6価クロム の有害金属を全く使用しないことが検討さ ている。そのため、防錆塗料の分野でもク ム等の有害金属を全く含まない塗料が強く まれている。

 このようなクロムを含まない防錆塗料の 例としては、亜鉛粉末とバインダー成分を 機溶剤に分散または溶解させた種類の塗料 即ち、ジンクリッチペイントがある。この ンクリッチペイントのバインダー成分には 機系と無機系とがある。耐久性の観点から 有機ケイ素化合物をバインダーとする無機 のほうが優れており、たとえば船舶や橋梁 重防食塗装において下塗り剤として用いら ている。

 ところが、無機系ジンクリッチペイント 膜中に空隙部(ボイド)が発生しやすく、ま 塗膜の厚さを制御しにくい。このような欠 を克服すべく、以下のような技術が開示さ ている。

 特許文献1には、長径が20~30μmのウイスカ 状の炭酸カルシウムを追加含有させる技術 開示されている。この技術において、添加 たウイスカーは被膜のクラック発生を防止 る機能を有する。

 また、特許文献2には、重量平均分子量/数 均分子量の比が40以下であるアルキルシリケ ート樹脂を用い、塗料のモルホリンゲルタイ ムが60秒以下であるジンクリッチペイントが 示されている。このような塗料は硬化時間 早く、それがゆえにクラックが進展して空 とつながる現象が抑制されると説明されて る。

特開平11-293200号公報

特開2004-359800号公報

 上記の特許文献に開示される技術は、厚 のジンクリッチペイントとしては確かに有 ではあるものの、10μm程度の薄膜を安定に 成可能であって、なおかつその塗膜が高い 食性を有するような塗料を提供することは きていない。

 このような薄膜で高い耐食性を有する塗 の主たる用途は、事務機器、電気機器、自 車などであり、具体的には、ボルトやナッ などの締結部品、クランプ、クリップ等の め具、プレート、ハウジング、ヒンジ、パ ル等のプレス成形品などが挙げられる。こ らの部材は、組み付け精度が厳しいにもか わらず、加工時や組み付け時に強いせん断 を受ける場合が多いため、塗膜自体の強度 密着力に高いレベルが求められている。

 かかる要求に応えるひとつの有効な手段 塗膜の高温での焼き付けである。しかしな ら、従来技術に係るジンクリッチペイント 300℃程度の高温で焼き付けようとすると、 インダーとなる有機ケイ素化合物が急激に 縮し、上記のような特許文献に開示される 術を用いても塗膜内のクラック進展を止め ことができず、被処理部材内にも破断が発 する場合すらある。

 したがって、クロム等の有害な金属化合 を全く使用せずに、高温で焼き付け処理を ってもクラックが発生しにくい薄膜を形成 能な防錆塗料を提供することは重要な技術 題である。この点に関し、本発明者の一人 より、非水系のバインダーと金属粉末とを み、非水系のバインダーとして有機ケイ素 合物と有機チタネート化合物とを含む溶液 使用する防錆塗料が提案されている(特願200 6-265291)。この防錆塗料は、高い耐食性を有す るだけでなく、ポットライフが長いという有 利な効果を有する。

 本発明は、上記の防錆塗料を用い、さらに 度な耐食性を達成しうる塗膜、特に薄膜を する部材を製造する方法を提供することを 的とする。
 上記の目的を達成するために、本発明者は 次のような検討を最初に行った。

 一般に、耐食性のさらなる向上を図るた に、ジンクリッチペイント上に別の塗料を 布する場合がある。例えば、上記の特許文 2には、エポキシ樹脂などからなる防食塗料 を塗布してもよいことが開示されている。し かしながら、特許文献2では、この防食塗料 種類は特に限定されないことが明記されて る。したがって、防食塗料は耐食性の観点 らは付加的な機能を果たしているに過ぎな ことが示唆されている。

 また、上記のように本発明が対象とする 材は組み付け精度が厳しいため、塗膜を厚 形成することは許されず、塗膜全体の厚さ 薄く(典型的には10μm程度)なるようにしなけ ればならない。このため、上記のようにジン クリッチペイント上に防食塗料を塗布したと しても、その防食塗料からなる塗膜の厚さも 薄くせざるをえない。そうすると、この防食 塗料は上記のような防食性の観点からは付加 的な機能を果たしているに過ぎないのである から、そのような機能の低い防食塗料からな る塗膜を薄膜として追加しても、その防食性 の向上はわずかであり、ほとんど無意味であ る。むしろ、同じ厚さが全てジンクリッチペ イントの塗膜に比べて、機能の低い塗膜を有 している分だけ防食性に劣っていることにな る。したがって、特許文献2に記載されるよ な防食性の観点からは付加的な機能しか有 ない防食塗料は、本発明の用途には全く使 できないことになる。

 以上の検討を基礎としてさらに検討した 果、本発明者は、上記の防錆塗料からなる 錆塗膜の特性を詳細に把握し、その塗膜の 性に合わせた塗膜をさらに形成することで 特に優れた耐食性塗膜を得ることができる ではないかとの発想を得た。

 この発想を出発点として、鋭意研究した 果、次の知見を得ることができた。なお、 下の説明では、金属板などの被処理部材に 接塗布される塗料(すなわち上記の防錆塗料 )をベースコート剤、このベースコート剤に り形成される塗膜をベースコート、ベース ートの上に塗布される塗料(すなわち上記の 食塗料)をトップコート剤、このトップコー ト剤により形成される塗膜をトップコート、 そして、ベースコートとトップコートとから なる塗膜を複合塗膜とも称する。

 (A)ベースコートはクラックの発生を抑制す ことを実現しているが、肉眼では把握でき い微小なクラックであるマイクロクラック ベースコート表面に形成されている。
 (B)トップコート剤として水系の有機無機複 ケイ素系処理液をベースコート上に塗布す と、このマイクロクラック内部に上記処理 が浸透する。

 (C)このため、トップコート剤を硬化させる 、ベースコートの表面近傍には、トップコ ト剤由来の成分をも含む組成傾斜領域が形 される。
 (D)このような組成傾斜領域が存在するため ベースコートとトップコートとからなる複 塗膜は、ベースコートのみの場合に比べて2 倍程度の耐食性を示す。

 (E)トップコート剤に含まれる水系の有機 機複合ケイ素系処理液(マイクロクラック内 に浸透させることを目的とするので、以下、 「水系の有機無機複合ケイ素系浸透処理液」 ともいう。)には、グリシジルオキシ基を有 るアルキルアルコキシシランを用いると、 に優れた効果が得られる。

 本発明は、上記の知見に基づき完成された ので、次のとおりである。
 本発明が一態様として提供する耐食性塗膜( 複合塗膜)を有する部材は、全組成物に基づ て、5~40質量%の有機ケイ素化合物、0.05~5.0質 %の有機チタネート化合物、亜鉛粉末、亜鉛 合金粉末およびアルミニウム粉末からなる群 から選ばれる一種または二種以上の20~60質量% の金属粉末、ならびに10~60質量%の有機溶剤を 含有する第一の塗料組成物(ベースコート剤) 加熱されてなるものであって、金属表面を する部材のその金属表面を含む表面上に形 された第一の塗膜(ベースコート)と、全組 物に基づいて、5~25質量%のシランカップリン グ剤および30~60質量%のアルカリシリケートを 含有する水系の第二の塗料組成物(トップコ ト剤)が加熱されてなるものであって、第一 塗膜上に形成された第二の塗膜(トップコー ト)とを備える。

 本発明が別の一態様として提供する耐食 塗膜(複合塗膜)を有する部材の製造方法は 全組成物に基づいて、5~40質量%の有機ケイ素 化合物、0.05~5.0質量%の有機チタネート化合物 、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末およびアルミニウ ム粉末からなる群から選ばれる一種または二 種以上の20~60質量%の金属粉末、ならびに10~60 量%の有機溶剤を含有する第一の塗料組成物 (ベースコート剤)を、金属表面を有する部材 その金属表面を含む表面に塗布する第一の 布工程と、その塗布された第一の塗料組成 を200~400℃に加熱して第一の塗膜(ベースコ ト)を形成する第一の加熱工程と、全組成物 基づいて、5~25質量%のシランカップリング および30~60質量%のアルカリシリケートを含 する水系の第二の塗料組成物(トップコート )を、第一の塗膜上に塗布する第二の塗布工 程と、その塗布された第二の塗料組成物を50 ~200℃に加熱して第二の塗膜(トップコート) 形成する第二の加熱工程とを備える。

 本発明は、さらに別の態様として、上記 耐食性塗膜を有する部材を製造するための 料組成物として、上記の第一の塗料組成物( ベースコート剤)および上記の第二の塗料組 物(トップコート剤)を提供する。

 上記の本発明に係る部材、製造方法、第一 塗料組成物および/もしくは第二の塗料組成 物における好ましい態様は次の(a)~(h)のとお である。
 (a)上記の第一の塗料組成物における有機ケ 素化合物が、炭素数が3以下のアルキル基を 有するテトラアルキルシリケート化合物およ びそのオリゴマーからなる群から選ばれた一 種または二種以上の化合物である。

 (b)上記の第一の塗料組成物における有機チ ネート化合物が、一般式Ti(X) 4 で表される有機化合物およびそのオリゴマー であって、Xは、メトキシ、エトキシ、プロ キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ キシ、およびtert-ブトキシの炭素数4以下の ルコキシ基、ラクテート、トリエタノール ミネート、アセチルセトネート、アセトア テート、およびエチルアセトアセテートを むキレート性置換基、ならびに水酸基から る群から選ばれた一種または二種以上の官 基である。

 (c)上記の第一の塗料組成物における金属粉 が鱗片状である。
 (d)上記の第二の塗料組成物が、全組成物に づいて20質量%以下でワックスエマルジョン 含有する。

 (e)上記の第二の塗料組成物におけるシラン ップリング剤がグリシジルオキシアルキル リアルコキシシランである。
 (f)上記の第二の塗料組成物におけるアルカ シリケートがリチウムシリケートであって そのリチウムシリケートの、リチウム分の チウム酸化物換算モル比に対するシリコン のシリコン酸化物のモル比(SiO 2 /Li 2 O)が6以上10以下であってもよい。

 (g)上記の第一の塗布工程後、第一の加熱工 の前に、塗布された第一の塗料組成物80℃~2 00℃で加熱する予備加熱工程を備えていても い。
 (h)上記の第一の塗膜が形成される表面が鉄 部材の表面であってもよい。

 本発明の複合塗膜は、これを構成するベ スコートおよびトップコートのいずれもク ム等の有害な金属化合物を含有していない このため、環境汚染や人体への健康被害を 配する必要がない。

 また、ベースコートに発生するマイクロ ラックにトップコート剤が含浸・固化する め、一種の組成傾斜膜がベースコートとト プコートとの間に形成される。したがって 薄膜でありながら耐食性に特に優れた防錆 膜を形成することができる。

 以下に、本発明を実施するための最良の形 として、まず、ベースコート剤について説 し、次にトップコート剤について説明する
 1.ベースコート剤
 本発明に係るベースコート剤は、有機ケイ 化合物と、有機チタネート化合物と、所定 金属粉末と、有機溶剤とを含み、必要に応 て少量の添加剤を含む。

 以下、これらの成分、ベースコート剤の 整方法、およびこのベースコート剤を用い ベースコートの製造方法について詳しく説 する。なお、以下のベースコート剤の説明 おいて、%は特に指定しない限り全ベースコ ート剤に基づく質量%である。

 (1)有機ケイ素化合物
 本発明のベースコート剤におけるバインダ 成分としては、高温での焼付け処理でも大 なクラックが発生しにくくなるように、有 ケイ素化合物および有機チタネート化合物 使用する。

 このうち、有機ケイ素化合物は、アルコキ シランおよびその加水分解物からなる群か 選ばれた一種または二種以上とする。アル キシシランは、(X’)Si(X”) 3 なる一般式で表される化合物であることが好 ましい。

 ここで、X’は、ヒドロキシ基;メトキシ エトキシ、イソプロポキシ、等の低級アル キシ基;メチル、エチル、等の低級アルキル ;ビニル基、等の低級アルケニル基;およびγ -グリシドキシプロピル、γ-メタクリロキシ ロピル、γ-メルカプトプロピル、等の官能 含有低級アルキル基から選ばれる。X”は、 ドロキシ基ならびにメトキシ、エトキシ、 ソプロポキシ、等のアルコキシ基から選ば 、3個のX”は同一でも異なっていてもよい

 アルコキシシランの具体例としては、テ ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、 ニルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシ ロピルトリメトキシシラン、等が挙げられ が、それに限られるものではない。シラン ップリング剤として市販されている各種の ルコキシシランを使用してもよい。

 これらのアルコキシシランの中でも、テ ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン テトラプロポキシシランなどのテトラアル キシシランまたはこれらのオリゴマーが好 しく、特に好ましいのは炭素数が3以下のテ トラアルコキシシランまたはこれらのオリゴ マーである。焼き付け処理によって縮合反応 を起こした際に、三次元架橋構造の塗膜を形 成することができ、塗膜強度が向上しやすい 。また、縮合する際の体積収縮が比較的少な いため、クラックが成長しにくい。

 上記の有機ケイ素化合物の含有量は、全 ースコート剤の5~40%とすることが望ましい 5%未満の場合には塗膜強度が低くなる傾向が 見られ、さらに少ない含有量になると金属粉 末同士の間に明らかな空隙部(ボイド)が発生 るようになって耐食性も低下するようにな 。一方、40%よりも過剰に含有させると、相 的にベースコート中の金属粉末の分散濃度 低下するため、耐食性が低下する傾向が見 れるようになる。また、積層される金属粉 の重なり面積が少なくなることから、クラ ク進展の抑制機能が低下する可能性を生ず 。特に好ましい範囲は10~35%である。

 (2)有機チタネート化合物
 本発明に係るベースコートは、塗膜特性の 上の目的で、有機チタネート化合物を有す 。有機チタネート化合物は一般式としてTi(X ) 4 で表される有機化合物およびそのオリゴマー を意味する。ここで、Xは、水酸基、低級ア コキシ基、およびキレート性置換基から選 れ、4個のXは同一であってもよいし異なって いてもよい。

 低級アルコキシ基は、メトキシ、エトキ 、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ イソブトキシ、tert-ブトキシ、等の炭素数6 下、好ましくは4以下のアルコキシ基を意味 する。

 キレート性置換基とは、キレート形成能 持つ有機化合物から誘導された基を意味す 。そのような有機化合物としては、アセチ アセトン等のβ-ジケトン、アセト酢酸等の ルキルカルボニルカルボン酸およびそのエ テル、乳酸等のヒドロキシ酸、トリエタノ ルアミン等のアルカノールアミン、等が例 される。キレート性置換基の具体例として 、ラクテート、アンモニウムラクテート、 リエタノールアミネート、アセチルアセト ート、アセトアセテート、エチルアセトア テート、等がある。

 本発明に係るベースコートにおいて、こ 有機チタネート化合物は後述するように少 含有させることで高い性能を示す。すなわ 、高温での焼付け処理を受けたときに、添 された有機チタネート化合物が硬化剤ある は触媒として機能し、有機ケイ素化合物の 次元的な架橋反応を促進する。このため、 インダー成分の硬化速度が速まり、クラッ の進展が抑制される。

 また、有機ケイ素化合物と金属粉末との 学的な結合、および有機ケイ素化合物と被 理部材の表面にある金属との化学的な結合 この有機チタネート化合物の存在によって 進され、結合強度が高まる。このため、金 粉末とバインダーとの界面剥離や、被処理 材とバインダーとの界面剥離が抑制され、 ラックの進展が抑制される。

 有機チタネート化合物の含有量は、0.05~5. 0%とすることが好ましい。有機チタネート化 物が少なすぎるとその効果が得られなくな てベースコートが形成される被処理部材に るほどの大きなクラックが入りやすくなる このため、ベースコートの耐食性が低下す 傾向を示す。一方、過剰になると、ベース ート剤が大気中の湿度を吸収して加水分解 やすくなる。このため、そのポットライフ 短くなる傾向を示す。また、本発明におい 重要なベースコート表面部のマイクロクラ クが形成されにくくなってしまう。この観 で有機チタネート化合物の含有量のさらに ましい範囲は0.1~3.5%である。特に好ましい 囲は0.1~2%であり、この範囲では好適なマイ ロクラックが安定的に形成される。

 (3)金属粉末
 本発明に係るベースコートに含有される金 粉末は、従来からジンクリッチ防錆塗料に 用されている、亜鉛粉末、亜鉛合金金属粉 、およびアルミニウム粉末からなる群から ばれた一種または二種以上からなる。亜鉛 金の例としては、Zn-Ni、Zn-Sn、Zn-Fe、Zn-Al、Zn -Al-Mg、等が挙げられる。

 ベースコート剤における金属粉末の含有 は、20~60%の範囲内とすることが好ましく、 り好ましく30~50%である。含有量が多すぎる ベースコート剤の薄膜状での塗布が難しく ると共に、ベースコートの強度が低下する 逆に、含有量が少なすぎるとクラックが進 しやすくなったり、塗膜全体の耐食性が低 したりする。

 ベースコート剤の原料としての金属粉末 形状は、ベースコートの厚さを薄くしても い耐食性を有するように、鱗片形状である とが好ましい。鱗片状であることによって ベースコート中で金属粉末が厚み方向に積 する構造をとることが実現される。この積 構造は、バインダー成分の重合に起因する 縮によってベースコート中にクラックが発 しても、その進展を抑制し、被処理部材が 出するような大きなクラックの発生を防止 る。

 鱗片形状の金属粉末の平均厚さがベース ートの平均厚さの1/200~1/2であって、かつ金 粉末の長径(鱗片形状の最長部分の長さ)の 均値が、金属粉末の平均厚さに対して1/20~10 であることが好ましい。ベースコート剤の 布条件によって塗膜の厚さにばらつきが発 するような条件であっても、後述する加熱 理によって焼付けたときにクラックが発生 ることが安定的に抑制される。金属粉末の 均厚さのより好ましい範囲はベースコート 平均厚さの1/200~1/10であり、1/200~1/20であれ 特に好ましい。金属粉末の長径の平均値の り好ましい範囲は金属粉末の平均厚さの1/10~ 5倍であり、2/5~2倍であれば特に好ましい。

 塗膜が例えば10μm程度の場合には、この ましい範囲の金属粉末とは、鱗片形状の平 厚さが0.05~5μmであって、長径の平均値が0.5~1 00μmである。より好ましい範囲の金属粉末と 、鱗片形状の平均厚さが0.05~1μm、長径の平 値が1~50μmである。特に好ましい範囲の金属 粉末とは、鱗片形状の平均厚さが0.05~0.5μm、 径の平均値が4~20μmである。

 鱗片形状の平均厚さが上記の範囲よりも さい場合にはベースコート剤の調製におけ 攪拌・混練作業の際に破壊されやくすくな ことが懸念される。金属粉末が破壊される 、鱗片形状が維持されず、積層構造が得ら にくくなる可能性がある。一方、上記範囲 りも大きい場合にはベースコートの厚み方 に複数の金属粉末が積層される構造が得ら にくくなり、クラックの進展を抑制する効 が減少する傾向を示すことが懸念される。

 長径の平均値が上記の範囲よりも小さい 合には、ベースコート内で鱗片状金属粉末 積層された構造を得にくくなって、クラッ 進展の抑制効果が小さくなる傾向を示すこ が懸念される。一方、上記の範囲よりも大 い場合にはベースコート内で金属粉末の分 が疎となってしまう可能性がある。

 ベースコート剤における金属粉末が複数 類から構成される場合の組成比率は特に制 されないが、耐食性をより重視する場合に 亜鉛粉末または亜鉛合金粉末を含むことが ましい。外観特性の向上などの観点からア ミニウム粉末の比率を高めることが有利な 合があるが、この場合であっても、亜鉛粉 または亜鉛合金粉末を含むことが耐食性の 点からは好ましい。

 (4)有機溶剤
本発明のベースコート剤は、塗布作業にあた って有機溶剤を含有させると被処理部材への 液なじみがよく、密着性が高い塗膜を得るこ とが実現される。また、有機溶剤を含有させ ることにより、塗料化に際して添加される各 種の成分の分散性が向上する。このためベー スコート剤の均一性が高まる。

 好適な有機溶剤としては、メタノール、 タノール、プロパノール、イソプロパノー 、ブタノール、ヘキサノール、メトキシブ ノール、メトキシメチルブタノール等のア コール類;これらのアルコール類の酢酸エス テル、プロピオン酸エステル等のエステル類 ;エチレングリコール、ジエチレングリコー 、トリエチレングリコール、ポリエチレン リコール、プロピレングリコール、ジプロ レングリコール、トリプロピレングリコー などのグリコール類;およびこれらのグリコ ルのモノメチルエーテル、モノエチルエー ル、モノブチルエーテルなどのエーテル類 例示される。また、トルエン、キシレン、 ネラルスピリット、ソルベントナフサなど 炭化水素類を使用してもよい。これらは、 独でも数種類の混合物として用いてもよい

 有機溶剤の含有量は、作業環境によって 変動するものであるが、10~60%とすることが ましく、より好ましくは20~30%である。この 囲を超えると、薄膜化しにくくなったり、 膜中で金属粉末が積層構造を作りにくくな たりして、他の成分の含有量との関係もあ が所望の塗膜を得にくくなる場合もありう 。

 (5)その他の添加剤
 本発明のベースコート剤には、必要に応じ 、塗料に一般に使用されている各種の添加 を含有させることができる。そのような添 剤としては、増粘剤、防錆顔料、コロイド シリカ微粒子、等が挙げられる。

 増粘剤の例として、脂肪酸アミド、ポリア イド、酸化ポリエチレン、ヒドロキシプル ルセルロース、さらにはケイ酸塩系の無機 粘剤等が挙げられる。
 防錆顔料の例として、リン酸亜鉛、リン酸 グネシウム、モリブデン酸亜鉛、リンモリ デン酸アルミニウム等が挙げられる。

 コロイド状シリカ微粒子とは、粒径が約1 μm以下の微細なゾル状のシリカ粒子であり、 上述したケイ素化合物と同様に、塗膜の耐食 性と塗膜強度を改善する効果がある。コロイ ド状シリカ微粒子の例としては、コロイダル シリカを有機溶媒に分散させたオルガノシリ カゾル(たとえば日産化学工業株式会社製ス ーテックス)、フュームドシリカ(気相シリカ )、等が挙げられる。

 その他、湿潤剤、消泡剤、等の慣用の塗料 添加剤も本発明のベースコートに含有させ ことができる。
 これらの他の添加剤の含有量は、合計で0.1~ 10%の範囲とすることが好ましい。0.1%未満の 合には添加剤の効果が得られないおそれが り、10%を超えると主剤である金属粉末やバ ンダー成分の含有量が相対的に低下し、基 特性である耐食性が低下する傾向を示すこ が懸念される。

 なお、以上に述べた、本発明のベースコー 剤を構成する各成分は、いずれも一種また 二種以上を使用することができる。
 (6)ベースコート剤の調整、ベースコートの 造方法等
 本発明のベースコート剤は、上述した各成 を十分に攪拌・混合して、金属粉末を液中 均一に分散させることにより調製される。

 このベースコート剤が適用される被処理 材は金属表面を有する部材であればいかな ものでもよい。金属系材料でもよいし、金 系材料と例えば樹脂および/またはセラミッ クスとの複合材料であってその表面の少なく とも一部が金属であるものでもよい。あるい は、樹脂部材など非金属部材であって少なく とも一部の表面がめっき処理などにより金属 化されているものでもよい。このような部材 の中でも鉄系材料、すなわち鋼材を含むもの であることが好ましい。鋼材の表面は、ショ ットブラスト処理、リン酸塩塗膜処理、等の 塗装の密着性向上および/または耐食性向上 ための塗装前処理として広く使われる処理 施されたものでもよい。あるいは、電気亜 めっき処理もしくは電気亜鉛合金(Zn-Sn、Zn-Fe 、Zn-Niなど)めっき処理、または溶融亜鉛めっ き処理、溶融亜鉛合金めっき処理もしくは合 金化溶融亜鉛めっき処理(以下、これらを総 して「亜鉛系めっき処理」という。)が鋼材 表面に施されていてもよい。ただし、本発 に係る複合塗膜は優れたバリア効果を有す ので、鋼材そのままの表面が処理対象であ ても、亜鉛系めっき処理が施された表面が 理対象の場合と同様の耐食性が実現される したがって、生産性が重視される場合など 、鋼材そのままの表面を処理対象とした方 むしろ有利である。

 部材の形態にも特に制限されず、鋼材を にして説明すれば、鋼板、棒材、鋼管、型 から、成形品、さらにはボルト、等の小物 材まで、あらゆる形態の部材に対して適用 能である。

 被処理部材へのベースコート剤の塗布は 例えば、ロール塗布、スプレー、刷毛塗り スピンコート、浸漬(ディッピング)等の常 により行うことができ、その部材の形態に じて適当な塗布方法を選択すればよい。塗 は、加熱処理後に形成される塗膜厚みが2~30 mの範囲となるように行うことが好ましい。 食性および密着性または二次加工性の両立 観点から塗膜厚みは5~20μmとすることがさら に好ましく、7~15μmとすれば特に好ましい。 お、この塗布工程におけるベースコート剤 液温は特に制限されない。通常は常温で行 ばよい。

 塗布後の加熱処理(焼付け)は、200~400℃で い、マイクロクラックを適切に発生させる 点からは、250~350℃とすることが好ましい。 処理時間は塗膜厚さにも依存するが、2~30μm 範囲であれば、10~120分間の範囲とすること 好ましい。加熱処理により、有機ケイ素化 物が有機チタネート化合物を硬化剤または 媒として縮合反応して、多量の金属粉末を む塗膜が被処理部材の表面に形成される。

 なお、この加熱処理に先立って、乾燥の めに予備加熱を行ってもよい。予備加熱を うことにより、その後の加熱処理での温度 ばらつきが抑制され、マイクロクラックの 度が他の部位と大きく異なる部位が局所的 生じる可能性がさらに低減する。このこと 耐食性の向上に寄与する。したがって、特 複合塗膜の品質向上を求める場合には予備 熱を行うことが有効となる可能性がある。 備加熱温度は80℃~120℃の範囲とすることが ましく、100℃~120℃とすれば特に好ましい。 予備加熱時間は塗膜厚さにより適宜決定され るべきものであるが、2~30μmの範囲であれば 5~20分間とすることが好ましい。ただし、本 明は、このような予備加熱処理を行わない 合でも行った場合と同等の耐食性が得られ ため、工程の追加による生産性の低下の影 が重視される場合には、むしろこのような 備加熱を行わないほうが有利である。

 2.トップコート剤
 本発明に係るトップコート剤は、シランカ プリング剤およびアルカリシリケートとを む水系の塗料組成物であって、必要に応じ 少量のワックスエマルジョンなどの添加剤 含む。

 以下、これらの成分、トップコート剤の 整方法、およびこのトップコート剤を用い トップコートの製造方法について詳しく説 する。なお、以下のトップコート剤の説明 おいて、%は特に指定しない限り全トップコ ート剤に基づく質量%である。

 (1)シランカップリング剤
 本発明に係るトップコート剤が含有するシ ンカップリング剤は、トップコート剤を硬 させる機能に加え、ベースコートに含まれ 金属粉末や、有機ケイ素化合物、有機チタ ート化合物とも化学的に相互作用し、トッ コートとベースコートとを強固に結合させ 機能も有する。
シランカップリング剤は、例えば、アミノ基 を有するものとして、具体的には、3-アミノ ロピルトリエトキシシラン(γ-APTES)、N-2(ア ノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキ シラン,N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルト リメトキシシラン,N-2(アミノエチル)3-アミノ ロピルトリエトキシシラン,3-アミノプロピ トリメトキシシラン,3-トリエトキシシリル- N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン,N- フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラ ンを挙げることができる。

 イソシアネート基を有するシランカップリ グ剤としては、具体的には、3-イソシアネ トプロピルトリエトキシシランを挙げるこ ができる。
 メルカプト基を有するシランカップリング としては、具体的には、3-メルカプトプロ ルメチルジメトキシシラン,3-メルカプトプ ピルトリメトキシシランを挙げることがで る。

 また、ビニル基を有するシランカップリン 剤としては、具体的には、ビニルトリクロ シラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニル リエトキシシランを挙げることができる。
 さらに、エポキシ基を有するシランカップ ング剤としては、具体的には、2-(3,4-エポキ シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ ,3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシ ラン,3-グリシドキシプロピルメチルジエト シシラン,3-グリシジルオキシプロピルトリ トキシシラン,スチリルp-スチリルトリメト シシランを挙げることができる。

 その他、メタクリロキシ基を有するシラ カップリング剤としては、具体的には、3- タクリロキシプロピルメチルジメトキシシ ン,3-メタクリロキシプロピルトリメトキシ ラン,3-メタクリロキシプロピルメチルジエ キシシラン,3-メタクリロキシプロピルトリ トキシシラン,アクリロキシ3-アクリロキシ ロピルトリメトキシシランを挙げることが きる。

 ウレイド基、クロロプロピル基、および ルフィド基を有するシランカップリング剤 しては、具体的には、それぞれ、3-ウレイ プロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロ ピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキ シリルプロピル)テトラスルフィドを挙げる とができる。

 これらのシランカップリング剤は、モノ ーであってもよいし、オリゴマーであって よい。オリゴマーの場合には、分子量が過 に大きくなるとマイクロクラックへの浸透 に影響を及ぼすことが懸念されるので、一 子内のシリコン数を10以下とすることが好 しく、6以下であれば特に好ましい。

 本発明に係るトップコート剤が含有する ランカップリング剤としては、トップコー としての耐食性の観点に加え、ベースコー に発生するマイクロクラックへの浸透性お びベースコートとの結合性、さらにはトッ コート剤の安定性(ポットライフ)を考慮し ビニル基、エポキシ基およびメタクリロキ 基からなる群から選ばれる一種または二種 上の基を有することが好ましい。

 これらの好ましいシランカップリング剤 中でも、一般式として下記式(1)で示される リシジルオキシアルキルトリアルコキシシ ンを使用することが特に好ましい。

 ここで、mは1から6のいずれかの整数であ 、nは0または1から6のいずれかの整数であり 、Rは互いに同一または異なっている炭素数1 ら6のいずれかのアルキル基であり、xは1か 4のいずれかの整数である。

 このうち、グリシジルオキシアルキルト アルコキシシランは、3-グリシジルオキシ ロピルトリメトキシシランであることが好 しい。この場合には、特に優れたマイクロ ラック浸透性を有し、結果的に特に優れた 食性を有する複合塗膜が得られる。

 上記のシランカップリング剤の含有量は 5~25%とする。5%未満の場合にはトップコート の強度が低くなる。一方、25%よりも過剰に添 加すると、トップコートが耐食性の向上に対 する寄与が少なくなる。また、トップコート 剤の粘度が高くなり、作業性が低下したり、 薄膜形成が困難となったりする。

 皮膜特性および作業性の両立の観点から シランカップリング剤が上記のビニル基等 シランカップリング剤である場合には含有 を5~20%とすることが好ましい。また、シラ カップリング剤が上記式(1)で示されるグリ ジルオキシアルキルトリアルコキシシラン ある場合には含有量を5~16%とすることが好ま しい。6~14%であればさらに好ましく、7~12%で れば特に好ましい。

 (2)アルカリシリケート
 本発明に係るトップコート剤が含有するア カリシリケート(ケイ酸アルカリ水溶液)の ルカリ金属としては、Na、K、Liが例示される 。これらは単独で用いてもよいし、複数が所 定の比率で混合されていてもよい。

 アルカリシリケートの含有量は、30~60%と ることが好ましい。アルカリシリケート化 物が30%未満となると耐食性を向上させる効 が乏しくなる。一方、過剰になって60%を超 ると、乾燥後の仕上がり表面に白い粉状の 物が認められるようになり、外観の低下が 著になる傾向がある。好ましい範囲は35~55% 特に好ましい範囲は40~50%である。

 また、上記のシランカップリング剤の含 量に対する比率([アルカリシリケート]/[シ ンカップリング剤])としては、2~10とするこ が好ましい。10を超える場合にはアルカリシ リケートが過剰な場合のような外観不良を発 生させることが懸念される。2未満の場合に 、相対的に粘度が高くなり、作業性に影響 及ぼす可能性を生ずる。この比率における らに好ましい範囲は3~8であり、4~7とすれば に好ましい。

 このアルカリシリケートの中でも、リチウ シリケート(ケイ酸リチウム水溶液)が好ま い。リチウムシリケートは、無水ケイ酸含 量が20%以上であることが好ましい。また、pH は10~12程度であることが好ましい。さらに、 チウムシリケートにおけるリチウムのリチ ム酸化物換算モル比に対するシリコンのシ コン酸化物のモル比(SiO 2 /Li 2 O)は6~10程度であることが好ましい。このよう にSiO 2 /Li 2 Oが高い場合には、例えばこの比率が4~5程度 ものに比べて相対的にアルカリ金属イオン 度が低いため、形成される皮膜の耐水性が く、したがって耐食性に優れる。さらに、 ースコート剤に含まれる有機ケイ素化合物 の化学的な相互作用が発生しやすくなるた 、この観点からも耐食性に優れた皮膜が得 れやすい。なお、ポットライフも考慮する 、7~9程度のものが取り扱いやすい。

 (3)その他の添加剤
 本発明に係るトップコート剤には、上記の 成分(シランカップリング剤およびアルカリ シリケート)のほかに、意匠性付与、潤滑性 与、撥水性付与などの観点から、ワックス マルジョンを含有させてもよい。ワックス マルジョンとしては、植物系のキャンデリ ワックス、カルナバワックス、ライスワッ ス、木ロウなど;動物系の蜜ロウ、ラノリン 鯨ロウなど、鉱物系のモンタンワックス、 ゾケライト、セレシンなど、石油系のパラ ィンワックス、マイクロクリスタリンワッ ス、ペトロラタムなど;合成炭化水素系のフ ィッシャートロプシュワックス、酸化ポリエ チレンワックス、ポリエチレンワックス、ア クリル-エチレン共重合体ワックスなど;変性 ックス系のモンタンワックス誘導体、パラ ィンワックス誘導体、マイクロクリスタリ ワックス誘導体、水素添加ヒマシ油などの ックスを乳化分散したものが例示される。

 その含有量は、トップコートに求められる 本性能を阻害しない範囲であれば任意であ 、典型的には20%以下である。10%以下とする とが好ましい。
 本発明に係るトップコート剤には、ワック エマルジョン以外に、顔料および/または染 料による着色剤、界面活性剤などを含有させ てもよい。この場合においても、これらその 他の添加剤全体の含有量は20%以下であること が好ましく、10%以下であれば特に好ましい。

 (4)溶媒
 本発明に係るトップコート剤の溶媒は、い ゆる「水系」溶媒であって、水を主体とし 溶媒としての基本機能が阻害されない範囲 可溶性の有機系溶媒を含みうるものである 溶媒としての基本機能とは、この場合には 上記の主成分を保管時および作業時におい 溶解させることである。なお、上記の有機 溶媒としては、メチルアルコール、エチル ルコール、イソプロピルアルコールなどの ルコールが例示される。

 (5)トップコート剤の調整、トップコートの 造方法等
 本発明に係るトップコート剤は、上述した 成分を十分に攪拌・混合することにより調 される。配合順序に特に制限はなく、任意 順番で配合してもよい。好ましい調整方法 一例を示せば、十分な攪拌条件下でのアル リシリケート水溶液の中にシランカップリ グ剤を添加した後、さらに十分な攪拌を約1 時間程度継続することが好ましい。液の安定 性の観点から、調整後のpHは9~12の範囲である ことが好ましく、このために酸(例えば硫酸) アルカリ(例えば水酸化ナトリウム)を添加 てもよい。

 ベースコートが形成された被処理部材へ トップコート剤の塗布は、例えば、ロール 布、スプレー、刷毛塗り、スピンコート、 漬(ディップコート)等の常法により行うこ ができ、その部材の形態に応じて適当な塗 方法を選択すればよい。塗布は、加熱処理 に形成される塗膜厚みが0.05~5μmの範囲とな ように行うことが好ましい。なお、トップ ート剤はベースコート内に含浸されるため 数μmの厚さで組成傾斜領域が形成されてい と推測される。耐食性および密着性または 次加工性の両立の観点から塗膜厚みは0.1~2.0 mとすることがさらに好ましく、0.5~1.0μmとす れば特に好ましい。なお、この塗布工程にお けるトップコート剤の液温は特に制限されな い。通常は常温で行えばよい。

 ベースコートはその形成工程において上 のように焼き付け工程を含むため、形成直 は高温となっている。過剰に温度が高い状 でトップコートの塗布を行うと、均一な塗 形成ができなくなったり、熱によって好ま くない反応が進行してしまったりすること 懸念される。このため、被処理部材の温度 トップコートの温度が50℃以下になるまで 却を行うことが好ましく、40℃以下であれば 特に好ましい。

 塗布後の加熱処理(焼付け)は50~200℃で行 ことが好ましい。残留溶媒である水分を効 的に揮発させる観点からは、100℃以上とす ことが特に好ましい。処理時間は塗膜厚さ も依存するが、0.05~5μmの範囲であれば、10~12 0分間の範囲とすることが好ましい。

 以下に実施例を用いて本発明をさらに詳し 説明するが、本発明の範囲はこれらの実施 によっていかなる意味においても制限され い。
 1.ベースコートの作製
 まず、鱗片状の亜鉛粉末を以下のようにし 作成した。平均粒径5μmの金属亜鉛粉末100重 量部をミネラルスピリット200重量部中に分散 させ、さらに少量の脂肪酸を加えて、金属亜 鉛粉末の分散濃度が約30重量%のスラリーとし た。このスラリーをビーズミル(アシザワ・ ァインテック株式会社製スターミルZRS)で粉 処理し、処理後のスラリーを減圧下で蒸発 燥させて、径の分布の中心値が10μm、厚さ 分布の中心値が0.3μmの鱗片状亜鉛粉末を得 。また、鱗片状のアルミ粉末は東洋アルミ ウム株式会社製アルペースト0200M(平均径10μm 、平均厚み0.2μm)を用いた。

 表1に示した配合(質量部)に従って、塗料用 速攪拌機を用いて各成分を一緒に3時間攪拌 して、塗料組成物AおよびBを調整した。
 次に、あらかじめ脱脂・洗浄した軟鋼板に バーコーターにより各塗料を塗布し、280  ×30分の加熱処理を行って、膜厚10μm のベー スコートを形成した。

 なお、各原料についての詳細情報は以下の おりである。
 リチウムシリケート75:日産化学工業(株)製  リチウムシリケート75
 チタンエチルアセトアセテート:松本製薬工 業(株)製 オルガチックスTC-750
 テトラブトキシチタンポリマー:日本曹達( )製 TBTポリマーB-10

 2.トップコートの作製
 表2に示した配合(質量部)に従って、十分な 拌条件下でのリチウムシリケート水溶液の にシランカップリング剤等他の成分を添加 た後、さらに十分な攪拌を1時間継続して、 塗料組成物aからgを調整した。

 次に、あらかじめ室温(25℃)まで冷却した 上記のトップコートが形成された鋼板、およ び比較用として、上記のベースコートが形成 された鋼板と同じように準備された鋼板に電 気亜鉛めっきが形成されたものに、各塗料を バーコーターにより塗布し、100 ℃×20分の加 熱処理を行って、膜厚0.5μmのトップコートを 形成した。

 なお、各原料についての詳細情報は以下の おりである。
 リチウムシリケート:日産化学工業(株)製  チウムシリケート75
 3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシ ラン:日本ユニカー(株)製 A187
 ワックスエマルジョン:BASFジャパン(株)製  リゲンWE6

 3.評価方法
 (1)耐食性試験
 このベースコートとトップコートとからな 複合塗膜を有する鋼板の耐食性の評価を、J ASO M609に規定されるCCT(自動車部品外観腐食 験方法)に基づく耐食性試験を用い、赤錆が 生するまでのサイクル数を計測し、そのサ クル数により耐食性を評価した。

 耐食性試験の条件について以下に示す。
 (A)塩水噴霧
  温度:35±1℃
  塩水濃度:5±0.5%
  その他はJIS Z 2371に準拠した。

 (B)乾燥
  温度:60±1℃
  相対湿度:20~30%RH
 (C)湿潤
  温度:50±1℃
  相対湿度:95%RH以上
 (D)1サイクルの時間および内容
  塩水噴霧2時間、乾燥4時間、湿潤2時間
  各時間は、それぞれの移行時間(各条件に 行後、その条件の規定の温度および相対湿 に達するまでの時間)を含む。

 (E)移行時間
  噴霧から乾燥:30分以内
  乾燥から湿潤:15分以内
  湿潤から噴霧:30分以内(通常はこの移行時 は瞬時である。)
 (F)試験片保持角度
  原則として、試験片の評価対象面が垂直 対し15~20°となるように保持する。

 (2)トップコート剤性状
 トップコート剤の性状を目視で観察し、粘 が高くなく取り扱い性に支障がないものを 、粘性が特に高く取り扱い性に劣るものを とした。

 (3)トップコート外観
 トップコートの外観を目視で観察し、良好 仕上がりであるものを○、白い粉状の異物 認められるなど不芳なものを×とした。

 4.評価結果
 評価結果を表3に示した。

 表3に示されるように、本発明に従って所 定の含有量を有するトップコート剤から得ら れるトップコートを備える複合皮膜は、トッ プコートを有さないベースコートのみの場合 (比較例4)に比べておおむね2倍の耐食性を有 ていることが確認された。また、ベースコ トに代えて電気亜鉛めっきを施した場合(比 例5)に対する比較では、3.5倍から4倍程度の 食性を有していることも確認された。

 本発明例1~3の結果と比較例1~3の結果との比 により、リチウムシリケートの含有量が多 場合(比較例1)には、耐食性には優れるもの 外観不良となった。
 シランカップリング剤の含有量が少ない場 (比較例2)には、ベースコートのみの場合に べて耐食性は1.5倍程度であって、トップコ トの外観不良となった。

 シランカップリング剤の含有量が過剰の 合(比較例3)には、ベースコートのみの場合 比べて耐食性は1.5倍程度であって、しかも ップコート剤の粘性が高くなるため作業性 低下した。