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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MANUFACTURING PLASMA DISPLAY PANEL AND PLASMA DISPLAY PANEL, AND METHOD FOR MANUFACTURING PLASMA DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/133622
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for manufacturing a plasma display panel comprising a step of arranging a front substrate structure and a rear substrate structure opposite each other and putting them together. In a step of preparing the front substrate structure, after glass fibers (26) having different color tones are arranged on the inner surface side of a front substrate (13), the glass fibers (26) are heated to be integrated as a dielectric layer. In the step of arranging the glass fibers (26), in each predetermined region facing each of phosphors having different luminescent colors which are formed in the rear substrate structure, the glass fiber (26) having a color tone similar to the luminescent color is arranged. Thus, a positional displacement caused by screen printing or the like can be eliminated, so that the dielectric layer serving as an optical filter can be accurately formed.

Inventors:
OSAWA MICHITAKA (JP)
KAWAI MICHIFUMI (JP)
OSAWA ATSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058394
Publication Date:
November 05, 2009
Filing Date:
May 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI LTD (JP)
OSAWA MICHITAKA (JP)
KAWAI MICHIFUMI (JP)
OSAWA ATSUO (JP)
International Classes:
H01J9/02; H01J11/12; H01J11/38; H01J11/44
Foreign References:
JPH05205643A1993-08-13
JPH02146503A1990-06-05
JP2008059832A2008-03-13
JPH04249032A1992-09-04
JP2003123638A2003-04-25
JP2004119049A2004-04-15
Other References:
N. M. POLEY: "FLAT DISPLAY PANEL FABRICATION PROCESS", IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN, vol. 23, no. 9, February 1981 (1981-02-01), pages 4192 - 4193
Attorney, Agent or Firm:
TSUTSUI, YAMATO (JP)
Tsutsui Daiwa (JP)
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Claims:
 表示面側の基板である第1基板と、前記第1基板の内面側に形成される複数の表示電極対と、前記複数の表示電極対を被覆する誘電体層とを有する第1基板構造体を準備する工程と、
 背面側の基板である第2基板と、前記第2基板の内面側に形成され、前記内面側を複数の放電空間に区画する隔壁と、前記放電空間内に形成され、発光色の異なる複数種の蛍光体とを有する第2基板構造体を準備する工程と、
 前記第1基板構造体と前記第2基板構造体を対向配置して組み立てる工程とを有し、
 前記第1基板構造体を準備する工程には、
 前記第1基板の内面側に色調の異なる複数種のガラスファイバを並べて配置する工程と、
 前記ガラスファイバを加熱して一体化させて前記誘電体層とする工程とが含まれ、
 前記ガラスファイバを並べて配置する工程では、前記発光色の異なる前記蛍光体と対向する予定領域毎に、前記発光色と同系の色調を有する前記ガラスファイバを配置することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 同系の色調を有する複数のガラスファイバを、隣り合って配置することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記ガラスファイバの断面は、それぞれ幅方向の長さが厚さ方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記ガラスファイバは、前記第1基板と対向する面に平坦部を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記ガラスファイバは、隣り合うガラスファイバ同士の対向面が互いに沿うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記ガラスファイバの断面の外形寸法は、10~50μmの範囲内であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記ガラスファイバを並べて配置する工程では、色調の異なるガラスファイバの間に、それぞれ黒色の色調を有するガラスファイバを配置することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記黒色の色調を有するガラスファイバの断面における厚さは、黒色以外の色調を有する前記ガラスファイバの断面における厚さよりも厚いことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記ガラスファイバを並べて配置する工程では、前記色調の異なる複数種のガラスファイバを一体化した供給装置から同時に供給することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記ガラスファイバを並べて配置する工程では、前記第1基板を傾斜させた状態で前記ガラスファイバを配置することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記第1基板構造体を準備する工程には、前記ガラスファイバを並べて配置する工程の前に、前記第1基板に誘電体材料が混合されたペースト材を塗布する工程を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 表示面側の基板である第1基板と、前記第1基板の内面側に形成される複数の表示電極対と、前記複数の表示電極対を被覆する誘電体層とを有する第1基板構造体と、
 背面側の基板である第2基板と、前記第2基板の内面側に形成され、前記内面側を複数の放電空間に区画する隔壁と、前記放電空間内に形成される蛍光体とを有し、前記第1基板構造体と対向配置される第2基板構造体とを有し、
 前記誘電体層は、色調の異なる複数種のガラスファイバで形成され、かつ、発光色の異なる前記蛍光体と対向する領域毎に、前記発光色と同系の色調を有し、
 前記複数種のガラスファイバは、前記発光色の異なる蛍光体が配置される方向に並べて配置され、隣接する前記ガラスファイバの接触面は一体化していることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
 プラズマディスプレイパネルを形成する工程と、
 前記プラズマディスプレイパネルと電気回路とを電気的に接続する工程とを有し、
 前記プラズマディスプレイパネルを形成する工程は、
 表示面側の基板である第1基板と、前記第1基板の内面側に形成される複数の表示電極対と、前記複数の表示電極対を被覆する誘電体層とを有する第1基板構造体を準備する工程と、
 背面側の基板である第2基板と、前記第2基板の内面側に形成され、前記内面側を複数の放電空間に区画する隔壁と、前記放電空間内に形成され、発光色の異なる複数種の蛍光体とを有する第2基板構造体を準備する工程と、
 前記第1基板構造体と前記第2基板構造体を対向配置して組み立てる工程とを有し、
 前記第1基板構造体を準備する工程には、
 前記第1基板の内面側に色調の異なる複数種のガラスファイバを並べて配置する工程と、
 前記ガラスファイバを加熱して一体化させて前記誘電体層とする工程とが含まれ、
 前記ガラスファイバを並べて配置する工程では、前記発光色の異なる前記蛍光体と対向する予定領域毎に、前記発光色と同系の色調を有する前記ガラスファイバを配置することを特徴とするプラズマディスプレイ表示装置の製造方法。
Description:
プラズマディスプレイパネルの 造方法およびプラズマディスプレイパネル 並びにプラズマディスプレイ表示装置の製 方法

 本発明は、プラズマディスプレイパネル よびこれを用いたプラズマディスプレイ表 装置の技術に関し、特に、対向配置される 対の基板の内面側に光学フィルタを形成す プラズマディスプレイパネルおよびこれを いたプラズマディスプレイ表示装置に適用 て有効な技術に関する。

 プラズマディスプレイパネル(Plasma Display  Panel:以下「PDP」と記す)の構造は、現在主流 の交流型3電極面放電パネル(以下、単に「PDP と記す)を例に取ると、例えば以下の構成を なす。すなわち、対をなす2本1組の表示電極 (サステイン電極とも呼ばれる)が複数スト イプ状に形成された第1のガラス基板(発光に よって形成された画像光が出射する側の基板 であり、以下「前面基板」と称する)と、該 面基板に対向して100~150μm程離れて配置され 上記表示電極対と交差する形で複数のスト イプ状のアドレス電極が形成された第2のガ ラス基板(以下、「背面基板」と称する)と、 面基板と背面基板の間で生じる放電領域を 画する複数の隔壁とからなる。

 背面基板上には各隔壁の間に例えばアド ス電極に沿って蛍光体が塗布され、放電空 内には放電ガス、例えばネオン(Ne)とキセノ ン(Xe)の混合ガスが封入されている。また、1 の表示電極対とアドレス電極の交点部分の 域が放電セルを形成し、赤、緑、青の3色1 で画素を形成する。そして、映像信号に応 て所定の放電セルでプラズマ放電が生じ、 プラズマ放電により紫外線が放出され、蛍 体で可視光に変換され画像が表示され、前 基板から画像光が出射される。

 1画素を構成するピクセルは、赤、緑、青 に発光する3個のサブピクセル(放電セル1個分 に対応する)からなる。PDPでは、各サブピク ルで発光する各発光色の色純度を上げるた 、あるいは、赤、緑、青の発光量を調整し 望の色バランスを実現するため、一般に前 基板の観視者側に光学フィルタを配置する

 この光学フィルタの配置位置や構造につ ては、光学特性を向上させるため、現在ま に種々の検討がなされている。例えば、特 平8-287834号公報(特許文献1)には明室でのコ トラストを改善する手段として、前面基板 形成された表示電極対を被覆する誘電体層 着色剤を混合し、中性灰色フィルタを構成 た構造が開示されている。

 また、例えば特開平4-36930号公報(特許文献2) や、特開2000-294148号公報(特許文献3)には、発 色の色純度を上げる手段として、放電セル とに発光色にあわせた色フィルタ(光学フィ ルタ)をスクリーン印刷法によりPDPの内面に 置する技術が開示されている。

特開平8-287834号公報

特開平4-36930号公報

特開2000-294148号公報

 しかしながら、上記特許文献1に記載され る構造の場合、光学フィルタの色が一様な中 性灰色であるため、上記特許文献2あるいは3 記載されるように、発光色にあわせた光学 ィルタを放電セル毎に配置する方法と比較 て発光色の吸収性が高く、結果として輝度 低下してしまうという課題がある。

 また、上記特許文献2に記載される方法の 場合、赤、緑、青の各光学フィルタを色ごと に印刷するので、PDPの製造工程に少なくとも 3回の印刷工程を追加する必要が生じる。し がって、製造効率の低下、あるいは製造設 の増加などの課題がある。

 また、スクリーン印刷法は、被印刷物上 所望のパターンの開口部が形成されたスク ーンマスクを配置した後、スキージと呼ば る治具を用いて、スクリーンマスクの上か 光学フィルタペーストなどの印刷材料を擦 つける(スキージングと呼ぶ)ことにより、 口部を通過させて塗布する印刷方法である この方法では、被印刷物の外形寸法(平面寸 )の大きさに応じた外形寸法のスクリーンマ スクを用いるが、大きいスクリーンマスクで は、スキージングの際に発生する印刷位置ず れの発生確率が高くなる。つまり、被印刷物 が大きくなるほど印刷位置精度が低下すると いう課題がある。この印刷位置ずれにより、 蛍光体と対向する領域に該蛍光体の発光色と 異なる色調を有する光学フィルタが配置され ると、発光色の吸収特性が高くなるため、結 果として輝度が低下してしまう。PDPを組み込 んだFPD(Flat Panel Display)などの表示装置では 大画面化とともに、高精細化(1画素の占める 平面積の微細化)が進められており、この印 位置精度の問題は今後特に重要な課題とな 。

 また、上記特許文献3に記載される構造の 場合も、光学フィルタの形成は印刷技術を用 いて行うため、製造効率の低下、あるいは製 造設備の増加などの課題がある点は上記特許 文献2の場合と同様である。また、この構造 は、蛍光体層を前面基板側(前面基板の内面 よび隔壁の側面)に形成するため、隔壁の側 面に形成された蛍光体層で発光された可視光 は、前面基板の内面に形成された蛍光体層を 通って観視者側に出射されることとなる。こ のため、蛍光体層を通過する際に、可視光の 一部が吸収され減衰することとなるため、輝 度が低下する原因となる。

 また、光学フィルタを印刷により形成す 場合、光学フィルタの層厚を十分に厚くす ことができず、所望の光学特性を得られな 場合があった。

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたも であり、その目的は、PDPの放電セルの発光 に応じた光吸収特性を有する光学フィルタ 精度良く形成することができる技術を提供 ることにある。

 本発明の前記ならびにその他の目的と新 な特徴は、本明細書の記述および添付図面 ら明らかになるであろう。

 本願において開示される発明のうち、代 的なものの概要を簡単に説明すれば、次の おりである。

 すなわち、本発明の一つの実施の形態に けるPDPの製造方法は、第1基板構造体と第2 板構造体を対向配置して組み立てる工程を するPDPの製造方法であって、以下である。

 前記第1基板構造体は、表示面側の基板で ある第1基板と、前記第1基板の内面側に形成 れる複数の表示電極対を被覆する誘電体層 を有する。

 また、前記第2基板構造体は背面側の基板 である第2基板と、前記第2基板の内面側に形 され、前記内面側を複数の放電空間に区画 る隔壁と、前記放電空間内に形成され、発 色の異なる複数種の蛍光体とを有する。

 ここで、前記第1基板構造体を準備する工 程には、前記第1基板の内面側に色調の異な 複数種のガラスファイバを並べて配置する 程と、前記ガラスファイバを加熱して一体 させて前記誘電体層とする工程とが含まれ 。

 また、前記ガラスファイバを並べて配置 る工程では、前記発光色の異なる前記蛍光 と対向する予定領域毎に、前記発光色と同 の色調を有する前記ガラスファイバを配置 るものである。

 本願において開示される発明のうち、代 的なものによって得られる効果を簡単に説 すれば以下のとおりである。

 すなわち、PDPの放電セルの発光色に応じ 光吸収特性を有する光学フィルタを精度良 形成することができる。

本発明の一実施の形態であるPDPの要部 拡大して示す要部拡大組み立て斜視図であ 。 図1に示すPDPの行方向に沿った要部拡大 断面図である。 本発明の第1の変形例であるPDPの行方向 に沿った要部拡大断面図である。 図1に示す前面基板構造体の誘電体層を 形成する工程を示すフロー図である。 図1に示す前面基板構造体の誘電体層の 形成に用いるガラスファイバの一例を示す要 部拡大斜視図である。 図1に示す前面基板に図5に示すガラス ァイバを配置する工程を示す要部拡大斜視 である。 図5に示すガラスファイバを配置する工 程を示す図であって前面基板の設置方法を示 す要部斜視図である。 図7に示すガラスファイバを配置した後 、一体化させた状態を示す要部拡大斜視図で ある。 本発明の第2の変形例であるガラスファ イバ26の要部拡大斜視図である。 本発明の第3の変形例であるガラスフ イバを前面基板に配置した状態を示す要部 大斜視図である。 本発明の第4の変形例であるガラスフ イバを前面基板に配置した状態を示す要部 大斜視図である。 本発明の第5の変形例であるガラスフ イバを前面基板に配置した状態を示す要部 大斜視図である。 本発明の第6の変形例であるPDPの行方 に沿った要部拡大断面図である。 本発明の一実施の形態であるPDPの前面 基板構造体の誘電体層を形成する工程を示す フロー図である。

 本実施の形態を説明するための全図にお て同一機能を有するものは同一の符号を付 ようにし、その繰り返しの説明は原則とし 省略する。また、本実施の形態を説明する めの全図においては、各部材の構成をわか やすくするために、平面図あるいは斜視図 あってもハッチングや模様を付す場合があ 。以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て詳細に説明する。

 (実施の形態1)
 <PDPの基本構造>
 まず、図1を用いて本実施の形態のPDPの構造 の一例について交流面放電型のPDPを例に説明 する。図1は本実施の形態のPDPの要部を拡大 て示す要部拡大組み立て斜視図である。

 図1において、PDP1は前面基板構造体(第1基 板構造体)11と背面基板構造体(第2基板構造体) 12とを有している。前面基板構造体11と背面 板構造体12とは対向配置された状態で重ね合 わされ、その間に放電空間24を有している。 まり、前面基板構造体11と背面基板構造体12 とは放電空間24を介して対向配置されている

 前面基板構造体11はPDP1の表示面を有し、 にガラスで構成される前面基板(第1基板)13 有している。前面基板13の内面側にはPDP1の 示電極であるX電極(維持電極)14と、Y電極(走 電極)15とがそれぞれ複数形成されている。

 X電極14およびY電極15は維持放電(表示放電 、サステイン放電)を行うための一対の表示 極対を構成し、例えば、行方向DXに沿って帯 状に延在するようにそれぞれ交互に配置され ている。この一対の表示電極対(X電極14とY電 15)がPDP1における行方向DXの表示ラインを構 する。なお、図1では、3つのX電極14および2 のY電極15の配置例を拡大して示しているが PDP1は、表示ラインの行数に応じて複数のX 極14およびY電極15を有している。

 このX電極14およびY電極15は一般に例えば ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な電極材料で 成されるX透明電極14a、Y透明電極15aと、例え ば、Ag、Au、Al、Cu、Cr、あるいはこれらの積 体(例えばCr/Cu/Crの積層体)などからなるXバス 電極(金属電極部)14b、Yバス電極(金属電極部)1 5bとで構成される。

 図1では、X透明電極14a、Y透明電極15aが帯 に延びる形状を示しているが、X透明電極14a 、Y透明電極15aの電極構造はこれに限定され い。例えば、維持放電の安定化や放電効率 向上のため、一対の電極対間の最短距離(放 ギャップと呼ばれる)がセル25の位置に対応 て局所的に近づくようにXバス電極14b、Yバ 電極15bと重なる位置からそれぞれ対向する 向に突出部を形成する構造としても良い。

 これらの電極群(X電極14、Y電極15)は、誘 体層17で被覆されている。X電極14およびY電 15は、PDP1の画像表示領域においては、全面 わたって誘電体層17に被覆され、端部は、誘 電体層17から露出している。このX電極14およ Y電極15の端部は、各電極を外部の電気回路( 例えば、サステイン回路やスキャン回路)と 気的に接続するための外部接続端子に電気 に接続されている。誘電体層17のさらに詳細 な構造については後述する。

 誘電体層17の内面側(すなわち、背面基板 造体12側)には、保護膜18が形成されている 保護膜18は誘電体層17の内面を被覆するよう 形成されている。保護膜18は、イオンある は電子など荷電粒子のスパッタから誘電体 17を保護する機能と、一次荷電粒子の衝突に より、表面から二次電子を放出する機能を有 している。このような機能を有する材料とし て例えばMgOを例示することができる。

 一方、背面基板構造体12は、主にガラス 構成される背面基板(第2基板)19を有している 。背面基板19の前面基板構造体11と対向する (内側面)上には、複数のアドレス電極20が形 されている。各アドレス電極20は、X電極14 よびY電極15が延在する方向と交差する(略直 する)列方向DYに沿って延在するように形成 れている。また、各アドレス電極20は、互 に略平行となるように所定の配置間隔を持 て配置されている。

 アドレス電極20を構成する材料としては 例えば、Ag、Au、Al(アルミニウム)、Cu、Cr、 るいはこれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層 )などを用いることができる。

 このアドレス電極20と、前面基板構造体11 に形成されたY電極15とは、セル25の点灯/非点 灯を選択するための放電であるアドレス放電 を行うための電極対を構成する。つまり、Y 極15は維持放電用の電極としての機能とアド レス放電用の電極(走査電極)としての機能と 併せ持っている。

 アドレス電極20は、主にガラス材料で構 される誘電体層21で被覆されている。このア ドレス電極20も前述したX電極14およびY電極15 同様に、PDP1の画像表示領域においては、全 面にわたって誘電体層21に被覆されている。 た、アドレス電極20の端部も誘電体層21から 露出しており、外部の電気回路(例えばアド ス駆動回路)と電気的に接続するための外部 続端子に電気的に接続されている。

 誘電体層21上には背面基板構造体12の厚さ 方向に伸びる複数の隔壁22が形成されている 隔壁22は例えば、アドレス電極20が延在する 列方向DYに沿って形成される第1隔壁22aと、ア ドレス電極20と交差する行方向DXに沿って形 される第2隔壁22bとで構成される。前面基板 造体11と背面基板構造体12とは、保護膜18が 成された面と隔壁22が形成された面とが対 した状態で固定されている。第1隔壁22aの平 上の位置は、隣り合うアドレス電極20の間 配置されている。他方、第2隔壁22bは、隣り う表示電極対(X電極14とY電極15の対)の間に 置されている。

 背面基板19の内面側は隔壁22により複数の 放電空間24に区画されている。図1に示すよう に、放電空間をセル25毎にボックス状に区画 る隔壁22の配置構造はボックスリブ構造と ばれる。

 アドレス電極20上の誘電体層21の上面、お よび隔壁22の側面には、真空紫外線により励 されて赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の可視光を 生する蛍光体23r、23g、23bがそれぞれ所定の 置に形成されている。

 また、各放電空間24には、放電ガスと呼 れる希ガスなどのガスが所定の圧力で封入 れている。放電ガスとしては、例えばXeの分 圧比が数%~数十%に調整されたXe-Neなどの混合 スを用いることができる。

 PDP1では、一対のX電極14、Y電極15とアドレ ス電極20との交差に対応して1個のセル25が構 される。つまり、セル25は表示電極対(X電極 14とY電極15の対)とアドレス電極20の交差毎に 成される。セル25の平面積は一対のX電極14 Y電極15の配置間隔と、隔壁22の配置間隔によ り規定される。また、各セル25には、赤用の 光体23r、緑用の蛍光体23g、または青用の蛍 体23bのいずれかがそれぞれ形成されている

 このR、G、Bの各セル25のセットにより画 (ピクセル)が構成される。つまり、各蛍光体 23r、23g、23bのそれぞれはPDP1のサブピクセル 構成する発光素子であり維持放電によって 生する所定波長の真空紫外線に励起されて (R)、緑(G)、青(B)の各色の可視光を発光する

 なお、図1では隔壁22の配置構造としてボ クスリブ構造について示しているが、隔壁 配置構造はこれには限定されない。例えば 方向DYに沿って延在する第1隔壁22aを帯状に 在させて第2隔壁22bは形成しない構造として も良い。このような隔壁22の配置構造はスト イプリブ構造と呼ばれる。また、図1ではア ドレス電極20を背面基板構造体12に形成する について示したが、アドレス電極20を前面基 板構造体11に形成することもできる。

 <誘電体層の詳細構造>
 次に図1~図3を用いて誘電体層の詳細な構造 機能について説明する。図2は図1に示すPDP 行方向に沿った要部拡大断面図である。ま 、図3は本実施の形態1の第1の変形例であるPD Pの行方向に沿った要部拡大断面図である。 お、図3に示すPDP30は黒色の誘電体層brが形成 されていない点を除き、図1および図2に示すP DP1と同様な構造である。したがって、PDP30の 部拡大組み立て斜視図の図示および重複す 説明は省略する。

 図2において、誘電体層17はそれぞれ蛍光 23r、23g、23bの発光色に対応した赤、緑、青 複数種の色調を有する誘電体層17r、17g、17b 有している。誘電体層17rは赤色の色調を、 電体層17gは緑色の色調を、誘電体層17bは青 の色調をそれぞれ有している。

 各誘電体層17r、17g、17bは、発光色の異な 蛍光体23r、23g、23bのそれぞれと対向する領 毎に蛍光体23r、23g、23bの発光色と同系の色 を有する誘電体層17r、17g、17bとなるように 置されている。

 このように、蛍光体23r、23g、23bの発光色 同系の色調を有する誘電体層17r、17g、17bを れぞれ対向させて配置することにより、蛍 体23r、23g、23bからそれぞれ発生する発光色 色純度を向上させることができる。誘電体 17r、17g、17bは、蛍光体23r、23g、23bそれぞれ 発光色以外の波長を有する可視光をより多 吸収する光学特性を有する。したがって、 光色の異なる蛍光体23が配置された隣の放 空間24から発光される可視光が洩れた場合で あっても、誘電体層17r、17g、17bで吸収されて 減衰する結果、各セル25(図1参照)の色純度が 上する。

 また、図2に示すようにPDP1に例えば外光L1 が照射された場合について説明する(単純の め、外光L1は白色光として説明する)と、ま 、外光L1は誘電体層17r、17g、17bそれぞれの吸 光特性によって、蛍光体23r、23g、23bそれぞれ の発光色以外の波長を有する可視光が多く吸 収されて蛍光体23r、23g、23bに到達する。蛍光 体23r、23g、23bに到達した外光L1はその一部が 面基板13方向に反射される。前面基板13方向 に反射された外光L1は、再び誘電体層17r、17g 17bを経由して前面基板13から出射されるこ となるが、出射された反射光L2は誘電体層17r 、17g、17bを2回経由することとなるため、蛍 体23r、23g、23bそれぞれの発光色以外の波長 有する可視光の多くは減衰している。この め、PDP1では明室コントラストを向上させる とができる。このように、本実施の形態1の 誘電体層17はPDP1のコントラストを向上させる ための光学フィルタとして機能している。

 ところで、上述したコントラストを向上 せるために、蛍光体23の発光色に対応した 数種の光学フィルタを配置する場合、光学 ィルタと、発光源である蛍光体23との距離は 短いほど良い。蛍光体23との距離を短くする とにより隣のセル25(図1参照)から発光され 可視光に与える影響(例えば、過剰に減衰さ てしまうことにより輝度低下を招くこと)を 小さくすることができるからである。本実施 の形態1のPDP1は誘電体層17を光学フィルタと て機能させることにより、光学フィルタを 面基板13の表示面側に配置する場合と比較し て蛍光体23との距離を短くすることができる で、隣のセル25(図1参照)から発光される光 与える影響を小さくすることができる。

 また、PDP1は、色調の異なる誘電体層17r、 17g、17bの間にそれぞれ黒色の色調を有する誘 電体層17brが配置されている。詳しくは、誘 体層17brは隔壁22と対向する領域に配置され 各誘電体層17r、17g、17b、17brの接触面はそれ れ一体化されている。このように誘電体層1 7brを配置することにより、発光色の異なる蛍 光体23が配置された隣の放電空間24から発光 れる可視光、あるいは反射光L2は黒色の誘電 体層17brにより吸収され、減衰するので、色 度の低下を抑制することができる。また、 光L1がPDP1の表示面に対して斜めに入射した 合を考えると、外光L1は誘電体層17brを経由 る際に、減衰する。したがって、明室コン ラストを向上させることができる。

 なお、黒色の誘電体層17brを配置しない場 合には図3に示す本実施の形態1の第1の変形例 であるPDP30のように、各誘電体層17r、17g、17b それぞれ隣接配置して、各接触面を一体化 る構造としても良い。この場合、各誘電体 17r、17g、17bの接触面を隔壁22と対向する領 に配置することにより、発光色の異なる蛍 体23が配置された隣の放電空間24から発光さ る可視光、あるいは反射光L2を減衰させる とができるので、誘電体層17を透明な誘電体 材料で形成する場合と比較すると、コントラ ストを向上させることができる。

 ここで、誘電体層17は、異なる色調を有 る各誘電体層17r、17g、17b、17brで構成される め、各誘電体層17r、17g、17b、17brは精度良く 配置する必要がある。例えば、蛍光体23rと対 向する領域に誘電体層17bが配置されたと仮定 すると、蛍光体23rから発生する可視光は誘電 体層17bによって減衰してしまう。このため、 蛍光体23rからの発光輝度が低下する原因とな る。

 本実施の形態1では、各誘電体層17r、17g、 17b、17brを色調の異なる複数種のガラスファ バで形成することにより、この位置精度を 上させるものである。以下PDP1の製造方法と わせて説明する。

 <PDPの製造方法の概要>
 次に、本実施の形態1のPDP1の製造方法の概 について図1を用いて説明する。なお、図3に 示すPDP30の製造方法は、黒色の誘電体層17brを 形成しない点を除きPDP1の製造方法と同様で る。したがって、重複する説明は省略する 本実施の形態1のPDP1の製造方法は以下の工程 を有している。

 (a)まず、図1に示す前面基板構造体11を準 する。前面基板構造体11は例えば以下のよ に形成される。

 まず、前面基板(第1基板)13を用意して表 面の反対側に位置する内面側に表示電極対(X 電極14およびY電極15)を形成する。表示電極対 は、例えば前面基板13の内面側にX透明電極14a およびY透明電極15aを所定のパターンで形成 た後、X透明電極14a、Y電極15a上にそれぞれX ス電極14b、Yバス電極15bを形成する。

 次に、前面基板13の内面側に、表示電極 (X電極14およびY電極15)を被覆する誘電体層17 保護膜18を順次積層して形成する。誘電体 17の形成方法については、後で詳細に説明す る。なお、保護膜18は例えばMgOで構成され、 えば蒸着法により形成することができるが 保護膜18を構成するMgOなどの金属酸化物は 囲気中の水分などを吸着しやすい性質を有 ている。このため、本保護層形成工程は真 (減圧)雰囲気中で行い、保護膜18への水分の 着を防止ないしは抑制することが好ましい

 (b)また、図1に示す背面基板構造体12を準 する。背面基板構造体12は例えば以下のよ に形成される。

 まず、背面側の基板である背面基板(第2 板)19を用意してその内面側にアドレス電極20 を形成する。アドレス電極20は例えば、列方 DYに沿って延在するように複数形成される 次に、背面基板19の表面にアドレス電極20を うように誘電体層21を形成する。次に誘電 層21の表面に放電空間24を区画する隔壁22を 成する。隔壁22の形成工程では、列方向DYに った第1隔壁22aと行方向DXに沿った第2隔壁22b とを形成する。次に、隔壁22で区画された各 電空間24内に蛍光体23を塗布、加熱して形成 する。蛍光体23は発光色の異なる複数種(本実 施の形態1では赤、緑、青の3種類)の蛍光体23r 、23g、23bをそれぞれ異なる放電空間24内に形 する。

 (c)次に前面基板構造体11と背面基板構造 12とを対向配置して組み立てる。

 本工程では、前面基板構造体11に形成さ た各誘電体層17r、17g、17bが背面基板構造体12 に形成された各蛍光体23r、23g、23bとそれぞれ 対向するように位置合わせを行う。また、こ の位置合わせする工程では、誘電体層17brが 壁22(第1隔壁22a)と対向するように位置合わせ を行う。図3に示したPDP30の場合は各誘電体層 17r、17g、17bの接触面が隔壁22(第1隔壁22a)と対 する領域(厚さ方向に重なる位置)に配置さ るように位置合わせを行う。

 次に、前面基板構造体11と背面基板構造 12とを所定の位置関係で対向配置した状態で 固定し、各基板構造体11、12の外周を図示し い封着剤(例えばシールフリット)などで封着 する。

 各基板構造体11、12の外周が封着された後 、少なくともいずれか一方の基板構造体11、1 2に形成された図示しない通気孔を介して放 空間24の内部空間のガスを排出する。また、 その後該通気孔を介して所定の放電ガスが所 定の圧力で封入される。放電ガスが封入され た後、通気孔を封止して図1に示すPDP1あるい 図3に示すPDP30が得られる。

 <前面基板構造体の誘電体層の形成工程> ;
 次に、前記(b)工程で説明した誘電体層17を 成する工程について詳細に説明する。図4は 図1に示す前面基板構造体の誘電体層を形成 する工程を示すフロー図、図5は図1に示す前 基板構造体の誘電体層の形成に用いるガラ ファイバの一例を示す要部拡大斜視図であ 。また、図6は図1に示す前面基板に図5に示 ガラスファイバを配置する工程を示す要部 大斜視図、図7は図5に示すガラスファイバ 配置する工程を示す図であって前面基板の 置方法を示す要部斜視図である。また、図8 図7に示すガラスファイバを配置した後、一 体化させた状態を示す要部拡大斜視図である 。また図9は本実施の形態1の第2の変形例であ るガラスファイバ26の要部拡大斜視図、図10~ 12はそれぞれ、本実施の形態1の第3、第4、 5の変形例であるガラスファイバを配置した 態を示す要部拡大斜視図である。

 まず、ステップS1として、誘電体層17(図1 照)の形成に用いるガラスファイバ26を準備 る。ガラスファイバ26は、色調の異なる複 種(図1に示すPDPモジュール1では赤、緑、青 黒の4種類、図3に示すPDPモジュール30では赤 緑、青の3種類)のガラスファイバ26r、26g、26 b、26brをそれぞれ複数本ずつ用意する。

 ここで、ガラスファイバ26は、ガラスの主 分となるSiO 2 に各色調を付与するための無機顔料や軟化点 を低下させるための材料など(この他、成形 のガラスファイバ26の硬さを調節するための 材料を添加しても良い)、が添加された棒状( 状)の部材である。色調を付与するための顔 料として無機顔料を用いるのは、PDP1の製造 程中(例えば加熱工程)に、顔料の光吸収特性 が変質することを防止するためである。

 また、ガラスファイバ26の断面形状は、 えば図5に示すように円形となっているが断 形状はこれに限定されない。

 また、ガラスファイバ26の断面の外形寸 は種々設定可能であるが、外形寸法を小さ すると、1つのセル25(図1参照)に対して同色 ガラスファイバ26を複数本並べることとなる 。つまり、同系の色調を有する複数のガラス ファイバ26r、26g、26b、26br(図3に示すPDPモジュ ール30では複数のガラスファイバ26r、26g、26b) を、それぞれ隣り合って配置することとなる 。PDP1は、その画面サイズや、要求される画 数などの仕様に応じて1つのセル25の大きさ( 面積)が異なる。しかし、同系の色調を有す る複数のガラスファイバ26r、26g、26b、26brを り合って並べる本数などの配列を調整する とにより、PDP1の仕様によらず、ガラスファ バ26、あるいは後述するガラスファイバの 給装置27aの仕様を共通化することができる したがって、ガラスファイバ26、および供給 装置27aの汎用性を向上させることができる。

 ところで、ガラスファイバ26を形成する方 としては、例えば光ファイバとして用いら るガラスファイバの製造技術など、ガラス 維加工技術を応用して用いることができる 例えば、図5に示すガラスファイバ26は、ガ スファイバ26の原材料となるSiO 2 と無機顔料、および必要に応じてその他の添 加材料を加えてして混合し、これを加熱して 母材を形成する。この母材を加熱炉にいれて 線引き(母材を溶かして自重で落下させて線 に形成する方法)することにより得られる。

 次にステップS2として、図6に示すように ラスファイバ26を前面基板13の内面側に配置 する。なお、図6および図7では図1に示す前面 基板13を上下反転させた状態で示している。

 このステップS2では、図6に示すように、 数種の色調(図1に示すPDPモジュール1では赤 緑、青、黒の4種類、図3に示すPDPモジュー 30では赤、緑、青の3種類)を有するガラスフ イバ26r、26g、26b、26brを並べて配置する。詳 しくは、ガラスファイバ26は行方向DX、すな ち、発光色の異なる蛍光体23(図1参照)と対向 する予定領域毎に、発光色と同系の色調を有 するガラスファイバ26を並べて配置する。

 ガラスファイバ26の配置手段は、ガラス ァイバ26r、26g、26bが蛇行して発光色の異な 蛍光体23r、23g、23b(図1参照)と対向する予定 域に張り出ない程度の位置精度を有してい ば特に限定されるものではない。しかし、 置精度を向上させるためには、例えば図6に すような色調の異なる複数種のガラスファ バ26r、26g、26bを一体化した供給装置27aから 時に供給することが好ましい。供給装置27a 前面基板13との位置関係を調整することに り、個々のガラスファイバ26r、26g、26b、26br 位置は自ずと調整され、位置精度を向上さ ることができるからである。また、供給装 27aと前面基板13との位置関係さえ調整すれ 良いので、容易に位置合わせをすることが きる。

 図7に示す配置装置27では前面基板13が作 ステージ27bに固定され、供給装置27aは、列 向DY、すなわち、対向配置される背面基板構 造体12(図1参照)において、同系の発光色を有 る蛍光体23が隣り合って配置される方向に って移動可能な状態で取り付けられている したがって、供給装置27aを列方向DYに沿って 移動させながらガラスファイバ26を供給する とにより、X電極14およびY電極15の上に、ガ スファイバ26を配置する際に、これらの電 群に引っかかることなくガラスファイバ26を 配置することができる。

 また、X電極14およびY電極15の上にガラス ァイバ26を配置する際にできる隙間が大き なりすぎると、誘電体層17(図1参照)と前面基 板13との密着性が低下する場合がある。しか 、ガラスファイバ26を数十μm程度の細線と ることにより、剛性を低下させることがで るので、X電極14およびY電極15に倣って配置 ることができる。また、必要に応じて、前 のようにガラスファイバ26の硬さを調整する ための材料を予め添加しておくことにより、 ガラスファイバ26の剛性を調整することがで る。

 また、図6に示すように同系の色調を有す る複数のガラスファイバ26r、26g、26b、26brを それぞれ隣り合って配置している。また、 ガラスファイバ26r、26g、26b、26brの外形寸法 揃えてある。このガラスファイバ26r、26g、2 6b、26brの外形寸法を揃えるとは、完全に同一 の寸法である必要はなく、配列を変更した場 合でも、供給装置27aから問題なく供給できる 程度に揃っていれば良い。これにより、PDP1 仕様によらず、ガラスファイバ26、あるいは ガラスファイバの供給装置27aの仕様を共通化 することができることは既に説明した通りで ある。なお、図6ではガラスファイバ26r、26g 26bを各4本ずつ、ガラスファイバ26brを2本ず 隣合わせて配置する例を示しているが、配 する本数はこれに限定されず、PDP1の仕様と ラスファイバ26の外形寸法に応じて適宜選 可能であることは言うまでもない。

 また、図5に示すようにガラスファイバ26 断面が円形など前面基板13との接触面が不 定で有る場合には、ガラスファイバ26を配置 した後に位置ずれが発生することを防止する ため、図7に示すガラスファイバの配置装置27 のように、前面基板13の1つの角部13aを他の3 の角部よりも低い位置で作業ステージ27bに 接させて、角部13aに最も近いガラスファイ 配置位置から、それぞれ前面基板13の長辺お よび短辺に沿ってストッパ27cを延在させる構 造とすることが好ましい。つまり、前面基板 13を傾斜させた状態でガラスファイバ26を配 する。これにより、配置されたガラスファ バ26は、所定の位置に固定されるため、配置 後の位置ずれを防止することができる。なお 、図7では、特徴を理解し易くするため、傾 角度を極端にして示しているが、僅かに傾 させれば、ガラスファイバ26を固定すること ができる。

 また、ガラスファイバ26の長さを所定の さに調整する手段としては、例えば、糸状 長いガラスファイバ26を用いる場合には、所 定の位置で余分なガラスファイバ26を切断す 方法用いることができる。また、ガラスフ イバ26を予め所定の長さに切断しておき、 れを供給部27aから供給する方法としても良 。

 このステップS2が完了すると、ガラスフ イバ26は行方向DX、すなわち、発光色の異な 蛍光体23(図1参照)が配置される方向に並べ 配置される。

 次にステップS3として、ガラスファイバ26 を加熱して一体化させる。この加熱、一体化 工程が完了すると、ガラスファイバ26は図8に 示すように一体化し、誘電体層17となる。こ 工程では、ガラスファイバ26の軟化点より 高い温度まで加熱することによりガラスフ イバ26が軟化して、隣接するガラスファイバ 26と一体化する。この時、ガラスファイバ26 断面形状が変形し、図8に示すように、ガラ ファイバ26と前面基板13との間の隙間は無視 できる程度にまで小さくなる、あるいは隙間 が無くなる。また、前述のようにガラスファ イバ26に軟化点を低下させるための材料(一般 に誘電体層の軟化点を低下させる作用を有す るものであれば特に限定されない)を予め添 しておくことにより、加熱到達温度を前面 板13の軟化点よりも低い温度とすることがで きる。

 ここで、図5~図7に示すガラスファイバ26 、PDP1(図1参照)の誘電体層17(図8参照)となる 料である。したがって、ガラスファイバ26の 厚さは誘電体層17としての機能を有する程度 厚さを確保する必要がある。また、誘電体 17の光学フィルタとしての機能を発揮させ 点からも、ガラスファイバ26の厚さは厚い方 が好ましい。一方、PDP1の仕様によらず、ガ スファイバ26、あるいはガラスファイバの供 給装置27aの汎用性を向上させるためには、1 のガラスファイバ26の幅は小さい方が良い。 この外形寸法に対する相反する要求に応える ため、ガラスファイバ26の外形寸法は10μm~50μ mの範囲内とすることが好ましい。

 また、図9に示すように、ガラスファイバ 26の断面を、それぞれ幅方向の長さ26Wが厚さ 向の長さ26Tよりも短く形成すれば、誘電体 17として十分な厚さを確保しつつ、汎用性 さらに向上させることができる。なお、図9 示すガラスファイバ26の断面は楕円形であ 、配置後の位置安定性(配置された位置で静 させ易さの程度)は円形の方が好ましいが、 図7で説明したように前面基板13を傾斜させる 配置手段を用いれば、位置安定性を向上させ ることができる。

 また、ガラスファイバ26の断面形状は、 形あるいは楕円形には限定されず、例えば 10~図12に示すように円弧型、四角形、あるい は釣鐘形としても良い。なお、円弧型には、 半円形や半楕円形なども含まれる。また、釣 鐘形とは厚さ方向に直線成分を有する形状が これに相当する。図10~図12に示すようにガラ ファイバ26の前面基板13との対向面に平坦部 を有する構造とすると、前面基板13との密着 をさらに向上させることができる。また、 置後の位置安定性を円形の場合よりも向上 せることができる。

 また、図11あるいは図12に示すように四角 形あるいは釣鐘形とすると、隣り合うガラス ファイバ26同士の対向面が互いに沿う構造と るので、複数のガラスファイバ26を並べて 置する際に、隣り合うガラスファイバ26の接 触面積を大きくすることができ、結果として 密着性良く一体化することができる。

 ステップS3が完了すると、ステップS4に示 すように誘電体層17が完成し、前面基板13は の工程(例えば図1に示す保護膜18を形成する 程)に搬送される。

 以上のように本実施の形態1によれば、色 調の異なる誘電体層17r、17g、17b、17brを色調 異なる複数種のガラスファイバ26r、26g、26b 26brを並べて配置することにより、これらを 置精度良く形成することができる。すなわ 、光学フィルタとしての誘電体層17r、17g、1 7b、17brを精度良く形成することができる。ま た、同系の色調を有するガラスファイバ26r、 26g、26b、26brを隣り合って配置することによ 、PDP1の仕様によらず、ガラスファイバ26、 るいは製造装置である供給装置27aを共通化 ることができるので、汎用性を向上させる とができる。

 また、ガラスファイバ26の断面の外形寸 を10μm~50μmの範囲内とすることにより、誘電 体層17を、誘電特性上、あるいは光学特性上 要な厚さを確保しつつ、汎用性を向上させ ことができる。また、ガラスファイバ26の 面は、幅方向の長さLWを厚さ方向の長さLTよ も短く形成することにより、誘電体層17を 誘電特性上、あるいは光学特性上必要な厚 を確保しつつ、汎用性をさらに向上させる とができる。また、ガラスファイバ26の前面 基板13と対向する面を平坦部とすることによ 、前面基板13との密着性を向上させること できる。また、隣り合って配置されるガラ ファイバ26の対向面を互いに沿うような構造 とすることにより、ガラスファイバ26同士の 触面積を大きくすることができるので、密 性良く一体化することができる。

 また、ガラスファイバ26を配置する工程 は、複数種のガラスファイバ26を一体化した 供給装置27aから同時に供給することにより、 供給装置27aと前面基板13との位置関係を調整 れば、各ガラスファイバ26の位置関係が自 的に調整されることとなるので、位置精度 向上させることができる。また、この工程 は、前面基板13を傾斜させた状態でガラスフ ァイバ26を配置することにより、配置された ラスファイバ26は、所定の位置に固定され ので、配置後の位置ずれを防止することが きる。

 <変形例>
 次に本実施の形態1の変形例について図13を いて説明する。図13は図1に示すPDPの第6の変 形例であるPDPの行方向に沿った要部拡大断面 図である。

 図1に示すPDP1において、各基板構造体11、 12の外周が封着された後、放電空間24の内部 間のガスを排出する工程、および放電空間24 内に所定の放電ガスを封入する工程では、各 放電空間24に外部とのガスの通気経路を確保 る必要がある。

 図1に示すPDP1は、誘電体層17の厚さが略一 様である。図1ではPDP1では、ガスの通気経路 確保する目的で第1隔壁22aと第2隔壁22bとの 部は高さが異なるように形成している。第1 壁22aと第2隔壁22bとの頂部を異なる高さとす ることにより保護膜18と隔壁22との間に隙間 生じさせて、この隙間をガスの通気経路と るためである。

 ここで、図13に示すPDP31では、第1隔壁22a 対向する位置に配置される黒色の色調を有 る誘電体層17brの厚さが黒色以外(赤色、緑色 、青色)の色調を有する誘電体層17r、17g、17b 厚さよりも厚くなるように形成されている このため、保護膜18は、誘電体層17brの配置 倣って盛り上がった凸部を有する形状とな 。なお、保護膜18は蒸着法などの方法により 形成されるので、誘電体層17の厚さが一様で ければこれに倣って形成されるため、誘電 層17brの厚さを変えることにより誘電体層17 一部が放電空間24に露出する心配はない。

 このように誘電体層17brの厚さを他の誘電 体層17r、17g、17bよりも厚くすることにより、 第1隔壁22a(図1参照)と第2隔壁22b(図1参照)との 部を同じ高さとしても、第1隔壁22aの頂部と 保護膜18の凸部とが接触し、保護膜18の凸部 外の領域は、第1隔壁22aあるいは第2隔壁22bの 頂部とは接触しないので、隙間(すなわちガ の通気経路)を確保することができる。つま 、図13に示すPDP31は、第1隔壁22aと第2隔壁22b の頂部を同じ高さとした状態で放電空間24 のガスの排気および放電空間24への放電ガス の封入をすることができる。また、第1隔壁22 aと第2隔壁22bとの頂部を同じ高さとすること より、隔壁22を形成する工程を非常に簡略 することができるため製造効率を向上させ ことができる。

 ところで、一般に、誘電体層17の第1隔壁2 2と対向する領域のみを厚くする場合、その 置合わせ精度などの観点から製造工程は非 に煩雑となる。しかし、本実施の形態1では 誘電体層17を形成する工程がガラスファイ 26を用いて行うので、極めて容易に厚くする ことができる。

 すなわち、黒色の色調を有するガラスフ イバ26brの断面における厚さを、黒色以外( 色、緑色、青色)の色調を有するガラスファ バ26r、26g、26bの断面における厚さよりも厚 することにより容易に実現することができ 。例えば、図5に示す円形の断面を有するガ ラスファイバ26においては、黒色のガラスフ イバ26brの直径を他のガラスファイバ26r、26g 、26bの直径よりも長くすることにより厚さを 厚くすることができる。また例えば、図9に す楕円形の断面を有するガラスファイバ26で は、黒色のガラスファイバ26brの厚さ26Tを他 ガラスファイバ26r、26g、26bの厚さ26Tよりも くすれば良い。その他、図10から図12に示す 3、第4、第5の変形例であるガラスファイバ2 6においても同様である。

 本実施の形態1の第6の変形例によれば、 電体層17をガラスファイバ26により形成する とにより、特に工程を追加することなく、 1隔壁22aと第2隔壁22bとの頂部を同じ高さと ることができる。このため、PDP31の製造効率 を向上させることができる。

 (実施の形態2)
 次に、誘電体層を形成する別の実施態様に いて説明する。図14は本実施の形態2の前面 板構造体の誘電体層を形成する工程を示す ロー図である。なお、本実施の形態2で説明 するPDPの製造方法は、ペースト材塗布工程が 追加されている点を除き、前記実施の形態1 説明した製造方法と同様である。したがっ 、本実施の形態2説明に際しては、前記実施 形態1で説明した図1~図12を適宜参照して説 する。

 本実施の形態2では、図14に示すようにス ップS1とステップS2の間にステップS5として ースト塗布工程が追加されている点が前記 施の形態1と相違する。このステップS5では 誘電体材料が混合された誘電体ペーストと ばれる図7に示すペースト材を前面基板13の ラスファイバ26を配置する領域全体に薄く 布する。誘電体ペーストには、一般にPDPの 電体層を形成する際に用いられる公知の材 を用いることができる。ただし、ガラスフ イバ26を配置する領域全体に配置するため透 明な材料、すなわち、無機顔料を添加しない 材料であることが好ましい。

 誘電体ペーストを塗布することにより、 えば、前記実施の形態1で説明した断面形状 が円形、あるいは楕円形のガラスファイバ26 配置する場合でも、前面基板13の表面に誘 体ペーストが塗布されているため、位置安 性を向上させることができる。例えば、図7 用いて説明したように、前面基板13を傾斜 せた状態でなくとも、これらのガラスファ バ26を精度良く配置することができる。

 また、ペースト材に誘電体材料を混合す ことにより、誘電体層17と前面基板13との間 の僅かな隙間を排除することができるので、 ステップS3の加熱工程を経た後の誘電体層17 、前面基板13との密着性を向上させることが できる。

 このように本実施の形態2で塗布する誘電 体ペーストは、ガラスファイバ26の位置安定 の向上、あるいは、前面基板13とガラスフ イバ26との間の隙間の排除が達成出来ればよ いので、誘電体ペーストを塗布する厚さはガ ラスファイバ26の厚さより薄く、例えば数μm 度で塗布すれば良い。誘電体ペーストを塗 する方法としては、薄く塗布できる方法で れば、特に限定されず、例えばスクリーン 刷などの印刷法を用いて塗布することがで る。

 このように、本実施の形態2によれば、前 記実施の形態1と比較して、製造工程は1つ追 されるが、ガラスファイバ26の断面形状を 角形などの形状としなくとも、蛍光体23の発 光色に応じた光吸収特性を有する光学フィル タとしての誘電体層17を精度良く形成するこ ができる。

 なお、本実施の形態2により形成されるPDP の構造は、前記実施の形態1で説明した図1に すPDP1の誘電体層17と前面基板13の間に薄い 明の誘電体膜が形成される。

 ところで、前記実施の形態1では、ガラス ファイバ26を列方向DYに沿って配置したが、 れに加えて、列方向DYと交差する行方向DXに ってガラスファイバを配置することもでき 。例えば、列方向DYに沿って配置するガラ ファイバ26を縦糸、行方向DXに沿って配置す ガラスファイバを横糸として編み込むと、 ラス繊維布様のシートが得られる。ガラス ァイバをシート状に形成することにより、 テップS2に示すガラスファイバ配置工程を り簡易的に行うことができる。ただし、こ 場合、縦糸と横糸とで編み込むため、前面 板13との密着性、あるいはガラスファイバ同 士の密着性が前記実施の形態1で説明したPDP1 りも低下する。そこで、図14に示すように テップS1とステップS2の間にステップS5とし ペースト塗布工程を追加することにより、 電体ペーストが隙間を埋めることとなるた 、前面基板13との密着性、あるいはガラスフ ァイバ同士の密着性を向上させることができ る。

 なお、前記実施の形態1で説明した効果は 、製造方法の違いによる効果の程度の差はあ るが本実施の形態2でも得られることは言う でもない。

 以上、本発明者によってなされた発明を 施の形態に基づき具体的に説明したが、本 明は前記発明の実施の形態に限定されるも ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種 変更可能である。

 例えば、実施の形態1、2では、PDP1、PDP30 あるいはPDP31の構造および製造方法について 説明したが、PDPが表示装置として機能するた めには、PDPに駆動電位、あるいは制御信号な どを供給するための電気回路基板と接続する 必要がある。このようにPDPを電気回路基板と 電気的に接続したプラズマディスプレイ表示 装置はPDPモジュールと呼ばれる。また、PDPを テレビ受像機として用いるためには、PDPモジ ュールを筐体内に収納し、あるいは、テレビ チューナと電気回路とを電気的に接続する( 続手段は、ケーブル接続に限定されず、例 ば電磁波で通信する接続手段でも良い)必要 ある。PDPモジュールを筐体内に収納し、ま 、テレビチューナと電気回路とを電気的に 続したプラズマディスプレイ表示装置はPDP ットと呼ばれる。

 本実施の形態で説明したPDP1、PDP30、ある はPDP31はこのようなPDPモジュール、あるい PDPセットなどのプラズマディスプレイ表示 置にも適用することができる。

 この場合、プラズマディスプレイ表示装 の放電セルの発光色に応じた光吸収特性を する光学フィルタを精度良く形成すること できることは言うまでもない。

 本発明は、PDPやこれを用いたプラズマデ スプレイ表示装置に適用できる。




 
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