KAWASHIRI HIDEKI (JP)
JP2007098583A | 2007-04-19 | |||
JPH08283475A | 1996-10-29 | |||
JP2002167514A | 2002-06-11 | |||
JPH1170508A | 1999-03-16 |
Seiji Kojima (JP)
植物性繊維どうしが熱可塑性樹脂により結着された構造を有し、且つ該植物性繊維及び該熱可塑性樹脂の合計を100質量%とした場合に該植物性繊維が30~95質量%含まれた植物性繊維複合材の製造方法であって、 酸変性熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂を溶融紡糸して熱可塑性樹脂繊維を得る紡糸工程と、 植物性繊維と上記熱可塑性樹脂繊維とを混繊して繊維混合物を得る混繊工程と、 上記繊維混合物中の上記熱可塑性樹脂繊維を溶融する加熱工程と、をこの順に備えることを特徴とする植物性繊維複合材の製造方法。 |
上記酸変性熱可塑性樹脂は、酸変性ポリオレフィンである請求項1に記載の植物性繊維複合材の製造方法。 |
上記酸変性熱可塑性樹脂は、酸価が5以上である請求項1又は2に記載の植物性繊維複合材の製造方法。 |
上記酸変性熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が10,000~100,000である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の植物性繊維複合材の製造方法。 |
上記紡糸工程で用いる上記熱可塑性樹脂は、該熱可塑性樹脂全体を100質量%とした場合に、上記酸変性熱可塑性樹脂を1~10質量%含有する請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の植物性繊維複合材の製造方法。 |
上記植物性繊維は、ケナフ繊維である請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の植物性繊維複合材の製造方法。 |
本発明は植物性繊維複合材の製造方法に する。更に詳しくは、植物性材料を30質量% 上と多く含有する植物性繊維複合材の製造 法に関する。
近年、ケナフ等の成長が早く、二酸化炭 吸収量が多い植物は、二酸化炭素排出量削 及び二酸化炭素の固定化等の観点から注目 れ、樹脂と複合化した複合材料としての利 が期待されている。この植物材料を利用す 技術としては、下記特許文献1に開示された 技術が知られている。
そして、この複合材料には、近年、更なる
量化と機械的特性の向上との両立が求めら
ている。即ち、例えば、複合材料からなる
材においては、その目付を小さくすること
軽量化を達することができるものの、一般
目付を小さくすれば、それに比例して複合
料(複合材料からなる基材など)の機械的特
が低下する。従って、同じ目付であっても
より高い機械的特性を発揮できる複合材料
求められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
あり、軽量性と高い機械的特性とをより高
に両立できる植物性繊維複合材の製造方法
提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下に示す通りである。
(1)植物性繊維どうしが熱可塑性樹脂により結
着された構造を有し、且つ該植物性繊維及び
該熱可塑性樹脂の合計を100質量%とした場合
該植物性繊維が30~95質量%含まれた植物性繊
複合材の製造方法であって、
酸変性熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹
を溶融紡糸して熱可塑性樹脂繊維を得る紡
工程と、
植物性繊維と上記熱可塑性樹脂繊維とを混
して繊維混合物を得る混繊工程と、
上記繊維混合物中の上記熱可塑性樹脂繊維
溶融する加熱工程と、をこの順に備えるこ
を特徴とする植物性繊維複合材の製造方法
(2)上記酸変性熱可塑性樹脂は、酸変性ポリオ
レフィンである上記(1)に記載の植物性繊維複
合材の製造方法。
(3)上記酸変性熱可塑性樹脂は、酸価が5以上
ある上記(1)又は(2)に記載の植物性繊維複合
の製造方法。
(4)上記酸変性熱可塑性樹脂は、重量平均分子
量が10,000~100,000である上記(1)乃至(3)のうちの
ずれかに記載の植物性繊維複合材の製造方
。
(5)上記紡糸工程で用いる上記熱可塑性樹脂は
、該熱可塑性樹脂全体を100質量%とした場合
、上記酸変性熱可塑性樹脂を1~10質量%含有す
る上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の植
物性繊維複合材の製造方法。
(6)上記植物性繊維は、ケナフ繊維である上記
(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の植物性繊
維複合材の製造方法。
本発明の植物性繊維複合材の製造方法によ
ば、植物性材料を30~95質量%と多く含有しな
ら、従来に比べてより優れた機械的特性を
する植物性繊維複合材が得られる。即ち、
じ機械的特性を得るために必要な目付を小
くすることができ、従来に比べて軽量な植
性繊維複合材を得ることができる。
酸変性熱可塑性樹脂が酸変性ポリオレフィ
である場合は、他の成分を用いる場合に比
てより優れた機械的特性の向上効果が得ら
、より軽量で優れた機械的特性を有する植
性繊維複合材を得ることができる。
酸変性熱可塑性樹脂の酸価が15以上である
合は、それ未満の酸価の成分を用いる場合
比べて、より少量で高い機械的特性の向上
果が得られ、特に軽量で優れた機械的特性
有する植物性繊維複合材を得ることができ
。
酸変性熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10,0
00~100,000である場合は、酸変性熱可塑性樹脂
含有しながら、優れた紡糸効率が得られ、
に繊維化し易い。従って、酸変性熱可塑性
脂を含む熱可塑性樹脂繊維を用いて、上記
効果をよりよく得ることができる。
紡糸工程で用いる熱可塑性樹脂が熱可塑性
脂全体を100質量%とした場合に、酸変性熱可
塑性樹脂を1~10質量%含有する場合は、酸変性
可塑性樹脂を含有しながら、より優れた紡
効率が得られ、より特に繊維化し易い。従
て、酸変性熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹
繊維を用いて、上記各効果を更によりよく
ることができる。
植物性繊維がケナフ繊維である場合、ケナ
は成長が極めて早い一年草であり、優れた
酸化炭素吸収性を有するため、大気中の二
化炭素量の削減、森林資源の有効利用等に
献できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]植物性繊維複合材の製造方法
本発明の植物性繊維複合材の製造方法は、
植物性繊維どうしが熱可塑性樹脂により結
された構造を有し、且つ該植物性繊維及び
熱可塑性樹脂の合計を100質量%とした場合に
該植物性繊維が30~95質量%含まれた植物性繊維
複合材の製造方法であって、
酸変性熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹
を溶融紡糸して熱可塑性樹脂繊維を得る紡
工程と、
植物性繊維と上記熱可塑性樹脂繊維とを混
して繊維混合物を得る混繊工程と、
上記繊維混合物中の上記熱可塑性樹脂繊維
溶融する加熱工程と、をこの順に備えるこ
を特徴とする。
1.紡糸工程
上記「紡糸工程」は、酸変性熱可塑性樹脂
含有する熱可塑性樹脂を溶融紡糸して熱可
性樹脂繊維を得る工程である。この工程に
ける溶融紡糸については、従来公知の種々
溶融紡糸法を用いることができ、特に限定
れない。
上記「熱可塑性樹脂」は、酸変性熱可塑性
脂を含有する熱可塑性の樹脂である(本発明
では、以下、熱可塑性樹脂のうち、酸変性熱
可塑性樹脂を除く他の熱可塑性樹脂を「非酸
変性熱可塑性樹脂」ともいう)。
上記「酸変性熱可塑性樹脂」は、酸変性に
り酸変性基が導入された熱可塑性樹脂であ
。この熱可塑性樹脂に導入された酸変性基
種類は特に限定されないが、通常、無水カ
ボン酸残基(-CO-O-OC-)及び/又はカルボン酸残
(-COOH)である。酸変性基はどのような化合物
により導入されたものであってもよく、その
化合物としては、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無
水アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、フ
マル酸、アクリル酸、及びメタクリル酸等が
挙げられる。これらは1種のみを用いてもよ
、2種以上を併用してもよい。これらのなか
は、無水マレイン酸及び無水イタコン酸が
ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
更に、酸変性熱可塑性樹脂の骨格となる 可塑性樹脂(以下、単に「骨格熱可塑性樹脂 」という)の種類は特に限定される種々の熱 塑性樹脂を用いることができる。この骨格 可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポ エステル樹脂、ポリスチレン、アクリル樹 (メタクリレート及び/又はアクリレート等を 用いて得られた樹脂)、ポリアミド樹脂、ポ カーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂及 ABS樹脂などが挙げられる。このうち、ポリ レフィンとしては、ポリプロピレン、ポリ チレン、エチレン・プロピレンランダム共 合体などが挙げられる。ポリエステル樹脂 しては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン及 ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリ ステル樹脂、並びに、ポリエチレンテレフ レート、ポリトリメチレンテレフタレート びポリブチレンテレフタレート等の芳香族 リエステル樹脂などが挙げられる。
このような酸変性熱可塑性樹脂としては 例えば、商品名ユーメックス(三洋化成工業 株式会社製、なかでもユーメックス1001及び ーメックス1010等が好ましい)、商品名アドマ ー(三井化学株式会社製、なかでもアドマーQE 800等が好ましい)、商品名モディック(三菱化 株式会社製、なかでもモディック-AP P908等 好ましい)、商品名トーヨータック(東洋化 工業株式会社製、なかでもトーヨータックH- 1100P-P等が好ましい)、などの各種樹脂が挙げ れる。
この酸変性熱可塑性樹脂に導入される酸 性基の量は特に限定されないものの、酸価 おいて、通常、5以上(通常80以下)である。 の酸価は15以上であることが好ましい。即ち 、比較的酸価が高い酸変性熱可塑性樹脂であ ることが好ましい。このような酸変性熱可塑 性樹脂を用いることにより、酸変性熱可塑性 樹脂の添加量を抑制しつつ高い添加効果を得 ることができる。そして、後述する混繊に適 した繊度の熱可塑性樹脂繊維をスムーズに紡 糸することができる。この酸価は、15~70がよ 好ましく、20~60が更に好ましく、23~30が特に 好ましい。尚、この酸価はJIS K0070によるも である。
更に、酸変性熱可塑性樹脂の分子量は特 限定されないが、重量平均分子量において1 0,000~200,000であることが好ましく、更には、10 ,000~100,000であることがより好ましい。即ち、 比較的分子量の小さい酸変性熱可塑性樹脂で あることが好ましい。このような酸変性熱可 塑性樹脂を用いることにより、酸変性熱可塑 性樹脂の添加量を抑制しつつ高い添加効果を 得ることができる。そして、後述する混繊に 適した繊度の熱可塑性樹脂繊維をスムーズに 紡糸することができる。この重量平均分子量 の下限値は15,000が更に好ましく、25,000がより 更に好ましく、35,000が特に好ましい。一方、 この重量平均分子量の上限値は200,000が更に ましく、150,000がより更に好ましく、100,000が 特に好ましい。とりわけ35,000~60,000が好まし 。尚、この重量平均分子量はGPC法によるも である。
更に、酸変性熱可塑性樹脂の溶融粘度は、
に限定されないが、160℃において、4,000~30,0
00mPa・sであることが好ましい。このような酸
変性熱可塑性樹脂を用いることにより、酸変
性熱可塑性樹脂の添加量を抑制しつつ高い添
加効果を得ることができる。そして、後述す
る混繊に適した繊度の熱可塑性樹脂繊維をス
ムーズに紡糸することができる。この溶融粘
度は、4,000~25,000がより好ましく、5,000~20,000が
更に好ましく、10,000~20,000が特に好ましい。
、この溶融粘度は、温度160℃においてB型粘
計を用いて測定された値である。
上記酸化、重量平均分子量及び溶融粘度の
ましい範囲を充足する酸変性熱可塑性樹脂
しては、前記商品名ユーメックス(三洋化成
工業株式会社製)のなかでも、商品名ユーメ
クス1001及び/又は商品名ユーメックス1010が
り好ましい。
一方、熱可塑性樹脂を構成する酸変性熱 塑性樹脂以外の樹脂(即ち、非酸変性熱可塑 性樹脂)は、熱可塑性であること以外特に限 されない。この非酸変性熱可塑性樹脂(非酸 性熱可塑性樹脂の種類)としては、ポリオレ フィン、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、 アクリル樹脂(メタクリレート及び/又はアク レート等を用いて得られた樹脂)、ポリアミ ド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタ ール樹脂及びABS樹脂などが挙げられる。この うち、ポリオレフィンとしては、ポリプロピ レン、ポリエチレン、エチレン・プロピレン 共重合体(エチレン・プロピレンブロック共 合体、エチレン・プロピレンランダム共重 体)などが挙げられる。ポリエステル樹脂と ては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン及び リブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエ テル樹脂、並びに、ポリエチレンテレフタ ート、ポリトリメチレンテレフタレート及 ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポ エステル樹脂などが挙げられる。これらの 酸変性熱可塑性樹脂は1種のみを用いてもよ く、2種以上を併用してもよい。
上記酸変性熱可塑性樹脂を構成する骨格熱
塑性樹脂と、非酸変性熱可塑性樹脂と、は
じ(同種)であってもよく、異なっていて(異
であっても)もよいが、同じであることが好
ましく、更には、共にポリオレフィンである
ことが好ましい。ポリオレフィンは、取扱い
が容易であり、生産性を向上させることがで
きる。また、高い柔軟性と優れた賦形性が得
られる。ポリオレフィンのなかでも、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピ
レン共重合体、及びポリプロピレンとポリエ
チレンとの混合樹脂(アロイ)が好ましい。更
は、非酸変性熱可塑性樹脂としては、ポリ
ロピレン又は上記混合樹脂が特に好ましく
酸変性熱可塑性樹脂の骨格熱可塑性樹脂と
てはポリプロピレンが特に好ましい。
従って、非酸変性熱可塑性樹脂としては、
リプロピレン又は上記混合樹脂が特に好ま
く、酸変性熱可塑性樹脂としては無水マレ
ン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。
また、熱可塑性樹脂の全体を100質量%とし た場合、上記酸変性熱可塑性樹脂の割合は15 量%以下(通常0.3質量%以上)であることが好ま しい。この範囲の配合量であれば、スムーズ な紡糸を行うことができると共に、非酸変性 熱可塑性樹脂との併用により、得られる成形 体(熱可塑性樹脂成形体)の機械的特性を効果 に向上させることができる。この配合量は 0.5~15質量%が好ましく、1~13質量%がより好ま く、1~10質量%が更に好ましく、1~7質量%が特 好ましく、2~7質量%がより特に好ましく、3~7 質量%がとりわけ好ましい。これら各々好ま い範囲では、各々更に優れた上記効果を得 ことができる。
この溶融紡糸工程で得る熱可塑性樹脂繊維
繊度等は特に限定されないが、1~100dtexであ
ことが好ましい。この範囲では、植物性繊
との混繊を行いやすく、混繊工程で得られ
繊維混合物内において、植物性繊維と熱可
性樹脂繊維とをより均一に分散させて含有
せることができる。この繊度は、1~50dtexが
り好ましく、1~20dtexが更に好ましく、3~10dtex
特に好ましい。これら各々好ましい範囲で
、各々更に優れた上記効果を得ることがで
る。
尚、上記3~10dtexにおける熱可塑性樹脂繊維
平均繊維径は、非酸変性熱可塑性樹脂とし
ポリプロピレンを用い、酸変性熱可塑性樹
として無水マレイン酸変性ポリプロピレン
用いた場合には、3.8~37.5μm程度となる。
尚、熱可塑性樹脂繊維における各種形態の
定方法については、後述する植物性繊維と
様である。
2.混繊工程
上記「混繊工程」は、植物性繊維と熱可塑
樹脂繊維とを混繊して繊維混合物を得る工
である。
上記「植物性繊維」は、植物に由来する繊
である。この植物性繊維としては、ケナフ
ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮
三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤ
、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤ
、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラ
、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ
等)、広葉樹及び綿花などの各種植物体から
られた繊維が挙げられる。この植物性繊維
1種のみを用いてもよく2種以上を併用しても
よい。これらのなかではケナフが好ましい。
ケナフは成長が極めて早い一年草であり、優
れた二酸化炭素吸収性を有するため、大気中
の二酸化炭素量の削減、森林資源の有効利用
等に貢献できるからである。
また、上記植物性繊維として用いる植物体
部位は特に限定されず、繊維を採取できれ
よく、非木質部、茎部、根部、葉部及び木
部等の植物体を構成するいずれの部位であ
てもよい。更に、特定部位のみを用いても
く2ヶ所以上の異なる部位を併用してもよい
。
尚、本発明におけるケナフとは、木質茎を
する早育性の一年草であり、アオイ科に分
される植物である。学名におけるhibiscus can
nabinus及びhibiscus sabdariffa等が含まれ、更に、
通称名における紅麻、キューバケナフ、洋麻
、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻
及びボンベイ麻等が含まれる。
また、本発明におけるジュートとは、ジュ
ト麻から得られる繊維である。このジュー
麻には、黄麻(コウマ、Corchorus capsularis L.)
及び、綱麻(ツナソ)、シマツナソ並びにモ
ヘイヤ、を含む麻及びシナノキ科の植物を
むものとする。
この植物性繊維の平均繊維長及び平均繊維
等は特に限定されないが、平均繊維長は、1
0mm以上が好ましい。この範囲の植物性繊維を
用いることで、繊維どうし(植物性繊維と熱
塑性樹脂繊維)が混繊し易く(特に、絡み合い
を形成し易く)できると共に、得られる植物
繊維複合材において優れた機械的特性が発
される。この平均繊維長は10~150mmがより好ま
しく、20~100mmが更に好ましく、30~80mmが特に好
ましい。各々範囲では上記効果を更に向上さ
せることができる。
尚、この平均繊維長は、JIS L1015に準拠して
、直接法にて無作為に単繊維を1本ずつ取り
し、伸張させずにまっすぐに伸ばし、置尺
で繊維長を測定し、合計200本について測定
た平均値である。
一方、上記熱可塑性樹脂繊維は、前記紡 工程で得られた熱可塑性樹脂繊維であるが 紡糸工程から得られた熱可塑性樹脂繊維は 通常、長尺である。このため、混繊工程で いる熱可塑性樹脂繊維は、予め適当な長さ 調整された熱可塑性樹脂繊維を用いること 好ましい。即ち、本方法では、紡糸工程と 合繊維工程との間に、熱可塑性樹脂繊維の さを調整する繊維長調整工程を備えること できる。
混繊工程において植物性繊維と混繊され 熱可塑性樹脂繊維の平均繊維長及び平均繊 径等は特に限定されないが、平均繊維長は 10mm以上が好ましい。この範囲の熱可塑性樹 脂繊維を用いることで、繊維どうし(植物性 維と熱可塑性樹脂繊維)が混繊し易く(特に、 絡み合いを形成し易く)することができると に、得られる植物性繊維複合材において優 た機械的特性が発揮される。この平均繊維 は10~150mmがより好ましく、20~100mmが更に好ま く、30~70mmが特に好ましい。各々範囲では上 記効果を更に向上させることができる。尚、 平均繊維長の測定方法については植物性繊維 における方法をそのまま適用する。
一方、上記平均繊維径は、1mm以下が好ま い。この範囲の平均繊維径の熱可塑性樹脂 維を用いることで、得られる植物性繊維複 材において優れた機械的特性が発揮される この平均繊維径は0.01~1mmがより好ましく、0. 05~0.7mmが更に好ましく、0.07~0.5mmが特に好まし い。各々範囲では上記効果を更に向上させる ことができる。尚、ここでいう繊維長は、JIS L1015における直接法と同様に、1本の植物性 維を伸張させずにまっすぐに伸ばし、置尺 で測定した値(L)である。一方、繊維径は、 維長を測定した当該植物性繊維について、 維の長さ方向の中央における繊維径を光学 微鏡を用いて測定した値(t)である。
その他、混繊工程で用いる熱可塑性樹脂 維は、熱可塑性樹脂のみからなる繊維であ てもよいが、表面がコートされた繊維であ てもよい。即ち、例えば、各種機械類との りを向上させるための油剤や、親水性処理 等がコーティングされていてもよい。
上記植物性繊維と上記熱可塑性樹脂繊維 を混繊する際の各々の配合割合は、植物性 維と熱可塑性樹脂繊維との合計を100質量%と した場合に、植物性繊維が30~95質量%である。 この範囲では、植物性繊維複合材において優 れた賦形性が得られる共に、優れた機械的特 性も得られる。この植物性繊維は40~85質量%が より好ましく、45~75質量%が特に好ましい。こ れらの範囲では各々更に優れた効果が得られ る。
上記「混繊」とは、植物性繊維及び熱可塑
樹脂繊維の繊維どうしを混合して繊維混合
(例えば、マット状物など)を得ることを意
する。この際の混繊方法は特に限定されず
々の方法を用いることができるが、通常、
式法又は湿式法が用いられるが、このうち
式法が好ましい。本方法では、吸湿性を有
る植物性繊維を用いるために、湿式法(抄紙
など)を用いると高度な乾燥工程を要するこ
とになるため、より簡略に製造できる乾式法
が好ましい。
上記乾式法としては、エアーレイ法及びカ
ド法などが挙げられるが、エアーレイ法が
ましい。より簡略な装置で効率よく混繊を
うことができるからである。このエアーレ
法は植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを気
によってコンベア面上などに分散、投射し
植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維とが相互に
散された堆積物(繊維混合物)を得る方法で
る。
また、上記エアーレイ法を用いて混繊さ た繊維混合物は、通常、マット状であるが このようなマット状の繊維混合物は、1層の みを用いてもよいが、上記混繊工程の後、2 又は3層以上を積層することができる。即ち 積層工程を備えることができる。これによ 、繊維混合物の厚さを制御でき、その後、 られる植物性繊維複合物での目付を制御す こともできる。更に、このようにしてマッ 状の繊維混合物が積層されてなる繊維混合 積層体は、各マット状の繊維混合物どうし 一体化されるように交絡を行うことができ 。即ち、交絡工程を備えることができる。 絡方法は特に限定されず、ニードルパンチ 、ステッチボンド法及びウォーターパンチ 等が挙げられ、なかでも高効率であること らニードルパンチ法が好ましい。この方法 おけるニードリングは、積層物の一面側か のみ行ってもよく、表裏両面から行っても い。
この繊維混合物(例えば、マット状の繊維混
合物)の密度、目付及び厚さ等は特に限定さ
るものではないが、通常、密度は0.3g/cm 3
以下(通常0.05g/cm 3
以上)である。また、目付は400~3000g/m 2
(好ましくは600~2000g/m 2
)である。更に、厚さは10mm以上(通常50mm以下
好ましくは10~30mm、より好ましくは15~40mm)で
る。
尚、上記密度はJIS K7112(プラスチック-非発
プラスチックの密度及び比重の測定方法)に
準じて測定される値である。また、上記目付
は、含水率10%における1m 2
あたりの質量である。
3.加熱工程
上記「加熱工程」は、繊維混合物中の熱可
性樹脂繊維を溶融する工程である。この加
工程を経ることで、植物性繊維どうしが熱
塑性樹脂により結着された構造を有する植
性繊維複合材が得られることとなる。
この加熱工程における加熱温度は、用いる
可塑性樹脂(熱可塑性樹脂繊維を構成してい
る)により適宜の温度(即ち、少なくとも各種
可塑性樹脂が軟化する温度)とすることが好
ましい。例えば、非酸変性熱可塑性樹脂とし
てポリプロピレン(前記ホモポリマー又はポ
エチレンとのブロックポリマー等を含む)を
い、酸変性熱可塑性樹脂として無水マレイ
酸ポリプロピレンを用いる場合には、170~240
℃とすることが好ましい。この範囲では熱可
塑性樹脂に対する負担を抑制した上で、植物
性繊維どうしを効果的に結着することができ
る。この加熱温度は、180~230℃がより好まし
、190~220℃が更に好ましく、200~210℃が特に好
ましい。この範囲では上記効果よりよく得る
ことができる。
また、この加熱工程は、上記加熱だけを行
てもよいが、同時に(加熱圧縮工程)は又は
熱の後に圧縮を行う(加熱工程の後に圧縮工
を備える)ことが好ましい。圧縮を行うこと
で圧縮を行わない場合に比べて、より強固に
植物性繊維どうしを熱可塑性樹脂により結着
することができる。この圧縮を行う際の加圧
圧力は特に限定されないが1~10MPaとすること
好ましく、1~5MPaとすることがより好ましい
また、この圧縮を行う場合には、その際に
時に賦形を行うことができる。即ち、圧縮
金型を用いることで、板状(植物性繊維複合
材のボードなど)及びその他の各種形状(製品
態である各種形状)へ成形を行うことができ
る。上記板状に賦形を行った場合には、その
まま用いることもできるが、この板状の植物
性繊維複合材に更に本成形を施して、最終形
態を得ることもできる{即ち、板状に成形す
予備成形工程(加熱工程と同時又は加熱工程
後)と、最終形状へ賦形する本成形工程と、
を備えることとなる}。
本方法により得られる植物性繊維複合剤に
まれる植物性材料は、前記混繊工程におけ
配合割合が、通常、維持される。即ち、植
性繊維複合材に含まれる植物性繊維と熱可
性樹脂との合計を100質量%とした場合に、植
物性繊維が30~95質量%であり、40~85質量%がより
好ましく、45~75質量%が特に好ましい。得られ
る効果については前述の通りである。
また、植物性繊維複合材のうち、上記圧縮
行った場合に得られる植物性繊維複合材の
度は特に限定されるものではないが、前記
維混合物(例えば、マット状の繊維混合物)
圧縮するために、この繊維混合物よりも大
な密度となる。即ち、通常、植物性繊維複
材の密度は、0.3g/cm 3
を越える(通常1.0g/cm 3
以下)である。この密度の測定は、前記繊維
合物におけると同様である。
本発明の製造方法により得られる植物性 維複合材の形状、大きさ及び厚さ等は特に 定されない。また、その用途も特に限定さ ないが、例えば、自動車、鉄道車両、船舶 び飛行機等の内装材、外装材及び構造材等 して用いられる。このうち自動車用品とし は、自動車用内装材、自動車用インストル ントパネル、自動車用外装材等が挙げられ 。具体的には、ドア基材、パッケージトレ 、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、 オーターパネル、アームレストの芯材、自 車用ドアトリム、シート構造材、シートバ クボード、天井材、コンソールボックス、 動車用ダッシュボード、各種インストルメ トパネル、デッキトリム、バンパー、スポ ラー及びカウリング等が挙げられる。更に 例えば、建築物及び家具等の内装材、外装 及び構造材が挙げられる。即ち、ドア表装 、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪 笥など)の表装材、構造材等が挙げられる。 の他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部 材及びパーティション部材等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説
する。
[1]実施例1~5(酸変性熱可塑性樹脂が異なる植
性繊維複合材の製造)
非酸変性熱可塑性樹脂であるポリプロピレ
樹脂(商品名「ノバテックSA01」、日本ポリ
ロ株式会社製)と、酸変性熱可塑性樹脂であ
下記(A)~(E)の各樹脂と、をこれらの2種の樹
の合計を100質量%した場合に、非酸変性熱可
性樹脂が95質量%且つ酸変性熱可塑性樹脂が5
質量%となるように混合し、得られた熱可塑
樹脂混合物を溶融紡糸法により繊維化(繊度6
.6dtex)した後、長さ51mmに裁断して熱可塑性樹
繊維を得た。次いで、得られた熱可塑性樹
繊維とケナフ繊維(平均長さ70mm)とを、質量
で50:50となるようにエアーレイ装置を用い
、厚さ15mmのマット(熱可塑性樹脂繊維とケナ
フ繊維との繊維混合物)に調製した。
得られたマット(繊維混合物)を金型温度が23 5℃に設定されたプレス機を用い、圧縮物の 部温度が210℃となるまで圧力24kgf/cm 2 で加熱圧縮し、厚さ2.5mmのボード状の植物性 維複合材(予備成形体)を得た。内部温度が23 5℃に設定されたオーブンを用いて、得られ ボード状の植物性繊維複合材の内部温度が21 0℃となるまで加熱した後、オーブンから取 だし、次いで、金型温度が40℃に調温された プレス機を用いて圧力36kgf/cm 2 で60秒間圧縮し、厚さ約2.3mm且つ約目付1.8kg/m 2 のボード状の植物性繊維複合材(本成形体)を た。
実施例1~5で用いた酸変性熱可塑性樹脂(A)~(E)
実施例1
(A)商品名「ユーメックス1001」(三洋化成工
株式会社製、酸変性ポリプロピレン樹脂、
量平均分子量40,000、160℃溶融粘度16,000、酸
26)
実施例2
(B)商品名「ユーメックス1010」、(三洋化成
業株式会社製、酸変性ポリプロピレン樹脂
重量平均分子量30,000、160℃溶融粘度10,000、
化52)
実施例3
(C)商品名「アドマーQE800」、(三井化学株式
社製、酸変性ポリオレフィン樹脂)
実施例4
(D)商品名「モディック-AP P908」、(三菱化学
株式会社製、酸変性ポリオレフィン樹脂)
実施例5
(E)商品名「トーヨタックユーメックス1001」
、(東洋化成工業株式会社製、酸変性ポリオ
フィン樹脂)
[2]比較例1(酸変性熱可塑性樹脂を含まない植
性繊維複合材の製造)
酸変性熱可塑性樹脂を含有させず、熱可塑
樹脂として非酸変性熱可塑性樹脂(商品名「
ノバテックSA01」、日本ポリプロ株式会社製)
みを用いて熱可塑性樹脂繊維を得たこと以
は、上記[1]と同様にして植物性繊維複合材
得た。
[3]実施例1~5及び比較例1の各植物性繊維複合
の最大曲げ荷重の測定
実施例1~5及び比較例1の植物性繊維複合材の
各々について最大曲げ荷重を測定した。この
測定に際しては、各植物性繊維複合材から切
り出した、含水率約10%以下の状態における厚
さ約2.3mm、幅50mm、長さ150mmの長方形の板状の
験片を用いた。そして、各試験片を支点間
離(L)100mmとした2つの支点(曲率半径3.2mm)で支
持しつつ、支点間中心に配置した作用点(曲
半径3.2mm)から速度50mm/分にて荷重の負荷を行
い、各試験片の最大曲げ荷重を測定した(JIS
K7171に準拠)。
その結果、得られた厚さ約2.3mm且つ目付約1.
8kg/m 2
における最大曲げ荷重は下記の通りであった
。
実施例1 : 105N
実施例2 : 100N
実施例3 : 90N
実施例4 : 104N
実施例5 : 102N
比較例1 : 83N
上記結果から、酸変性熱可塑性樹脂(A)~(E) を用いた実施例1~5の植物性繊維複合材におい ては、いずれも比較例1を大きく上回る最大 げ荷重が得られた。このことから、酸変性 可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂繊維を用い ことで、得られる植物性繊維複合材の機械 強度を向上できることが分かる。
[4]実施例6~10及び比較例2
(酸変性熱可塑性樹脂の配合量及び植物性繊
の配合量による比較)
非酸変性熱可塑性樹脂であるポリプロピレ
樹脂(商品名「ノバテックSA01」、日本ポリ
ロ株式会社製)と、酸変性熱可塑性樹脂であ
上記(A)の各樹脂と、を用い、これらの2種の
樹脂の合計を100質量%した場合に酸変性熱可
性樹脂が表1~表3に示すように3~7質量%となる
うに混合し、得られた熱可塑性樹脂混合物
溶融紡糸法により繊維化(繊度6.6dtex)した後
長さ51mmに裁断して熱可塑性樹脂繊維を得た
。次いで、得られた熱可塑性樹脂繊維とケナ
フ繊維(平均長さ70mm)とを、表1~表3に示すよう
に、質量比50:50又は質量比30:70(樹脂30質量%)と
なるようにエアーレイ装置を用いて、厚さ15m
mのマット(熱可塑性樹脂繊維とケナフ繊維と
繊維混合物)に調製した。その後、上記[1]に
おける実施例1と同様に加工して、厚さが約2.
3mmであり、目付を約1.3~約2.0kg/m 2
の範囲で変化させたボード状の植物性繊維複
合材(本成形体)を得た。
[5]各植物性繊維複合材の機械的特性の測定
実施例6~10及び比較例2の植物性繊維複合材
各々について、JIS K7112(プラスチック-非発
プラスチックの密度及び比重の測定方法)に
じて含水率10%における密度を測定した。更
、前記[3]と同様に、JIS K7171に準じて最大曲
げ荷重、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定し、
実施例1、実施例6~10、比較例1及び比較例2の
果と合わせて表1~表3に示した。
実施例1;非酸変性PP 95質量%+酸変性PP 5質
%
実施例6;非酸変性PP 97質量%+酸変性PP 3質
%
実施例7;非酸変性PP 93質量%+酸変性PP 7質
%
実施例 8;非酸変性PP 97質量%+酸変性PP 3質
量%
実施例 9;非酸変性PP 95質量%+酸変性PP 5質
量%
実施例10;非酸変性PP 93質量%+酸変性PP 7質
%
非酸変性PP 100質量%+酸変性PP 0質量%
比較例2;植物性繊維70質量%+熱可塑性樹脂30
量%
非酸変性PP 100質量%+酸変性PP 0質量%
[4]実施例の効果
表1~3について、目付(X軸)と最大曲げ荷重(Y
)との相関をプロットし、更に、各実施例及
比較例について近似直線を付加して、図1(
較例1、実施例1、実施例6及び実施例7)及び図
2(比較例2、実施例8、実施例9及び実施例10)に
した。尚、図1内及び図2内の「PP」は本各実
施例で用いたポリプロピレンを意味し、「DPP
」は本各実施例で用いた酸変性ポリプロピレ
ンを意味する。
図1の結果から、比較例1に対して、いずれ
実施例においても酸変性熱可塑性樹脂を含
させたことにより、最大曲げ荷重が向上さ
ていることが分かる。即ち、例えば、
比較例1の近似直線において目付1.8kg/m 2
における最大曲げ荷重は82.57Nであるが、この
最大曲げ荷重は、実施例1及び実施例6では目
1.56kg/m 2
において得られ、実施例7では目付1.55kg/m 2
において得られ、各々比較例1に対して約14%
量化が可能であることが分かる。同様に、
較例1の近似直線において目付1.6kg/m 2
における最大曲げ荷重は69.46Nであるが、この
最大曲げ荷重は、実施例1及び実施例6では目
1.38kg/m 2
において得られ、実施例7では目付1.39kg/m 2
において得られ、各々比較例1に対して約14%
量化が可能であることが分かる。
また、比較例1の近似直線に対して、実施例
1及び実施例6の近似直線は比較的平行に配置
れているのに対して、実施例7の近似直線は
目付が大きい程、比較例1の近似直線との最
曲げ荷重差が大きくなる傾向が認められ、
変性熱可塑性樹脂を用いたことによる機械
特性向上の効果が特に顕著に現れているこ
が分かる。
一方、図2の結果から、比較例2に対して、
ずれの実施例においても酸変性熱可塑性樹
を含有させたことにより、最大曲げ荷重が
上されていることが分かる。即ち、例えば
比較例2の近似直線において目付1.8kg/m 2
における最大曲げ荷重は93.77Nであるが、この
最大曲げ荷重は、実施例8及び実施例9では目
1.60kg/m 2
において得られ、実施例10では目付1.55kg/m 2
において得られ、各々比較例2に対して約11~14
%軽量化が可能であることが分かる。同様に
比較例2の近似直線において目付1.6kg/m 2
における最大曲げ荷重は76.59Nであるが、この
最大曲げ荷重は、実施例8では目付1.43kg/m 2
において得られ、実施例9では目付1.44kg/m 2
において得られ、実施例10では目付1.39kg/m 2
において得られ、各々比較例2に対して約10~13
%軽量化が可能であることが分かる。
また、比較例2の近似直線に対して、実施例
8~実施例10のいずれの近似直線も目付が大き
程、比較例2の近似直線との最大曲げ荷重差
大きくなる傾向が認められ、酸変性熱可塑
樹脂を用いたことによる機械的特性向上の
果が特に顕著に現れていることが分かる。
本発明の植物性繊維複合材の製造方法は 自動車関連分野及び建築関連分野などにお て広く利用される。特に自動車、鉄道車両 船舶及び飛行機等の内装材、外装材及び構 材等に好適であり、なかでも自動車用品と ては、自動車用内装材、自動車用インスト メントパネル、自動車用外装材等に好適で る。具体的には、ドア基材、パッケージト ー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース クオーターパネル、アームレストの芯材、 動車用ドアトリム、シート構造材、シート ックボード、天井材、コンソールボックス 自動車用ダッシュボード、各種インストル ントパネル、デッキトリム、バンパー、ス イラー及びカウリング等が挙げられる。更 、例えば、建築物及び家具等の内装材、外 材及び構造材にも好適である。具体的には ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅 子、棚、箪笥など)の表装材、構造材等が挙 られる。その他、包装体、収容体(トレイ等) 、保護用部材及びパーティション部材等とし ても好適である。