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Title:
METHOD FOR PRODUCING METAL COMPLEX OXIDE SINTERED BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041206
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a highly functional low-cost metal complex oxide having low resistivity and excellent high-temperature stability, which places only little burden on the environment. Specifically, a metal complex oxide is produced by a method which is characterized by comprising a calcination step for obtaining a calcine containing a metal complex oxide, a cleaning step for cleaning the calcine with purified water, and a firing step for firing the cleaned calcine. Preferably, the calcine is cleaned with purified water a plurality of times for obtaining a sintered body having less structural defects. Since a perovskite oxide produced by this method has a low resistivity and a high output factor, it can be used as a thermoelectric material.

Inventors:
TAKAHASHI KOH (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065253
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
August 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ARUZE CORP (JP)
TAKAHASHI KOH (JP)
International Classes:
C04B35/622; C04B35/00
Domestic Patent References:
WO2005124881A12005-12-29
Foreign References:
JPH03261002A1991-11-20
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki (25-8 Higashi-ikebukuro 1-chome, Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 金属複合酸化物を含む仮焼物を得る仮焼成工程と、前記仮焼物を純水で洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程を経た仮焼物を本焼成する本焼成工程と、を有することを特徴とする金属複合酸化物焼結体の製造方法。
 前記洗浄工程を経た仮焼物を成形する成形工程を、前記洗浄工程と前記本焼成工程との間にさらに有することを特徴とする請求項1に記載の金属複合酸化物焼結体の製造方法。
 前記金属複合酸化物焼結体が、一般式Ca (1-x) M x MnO 3 (Mはイットリウム及びランタノイドの中から選ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、かつ0.001≦x≦0.05である)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属複合酸化物焼結体の製造方法。
 前記仮焼物を湿式粉砕する湿式粉砕工程を、前記仮焼成工程と前記洗浄工程との間にさらに有することを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の金属複合酸化物焼結体の製造方法。
 前記洗浄工程において、前記仮焼物を純水で複数回洗浄することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の金属複合酸化物焼結体の製造方法。
Description:
金属複合酸化物焼結体の製造方

 本発明は、熱電変換材料等として有用な 属複合酸化物焼結体の製造方法に関し、特 希土類元素、アルカリ土類金属元素、及び ンガンを含有するペロブスカイト型複合酸 物焼結体の製造方法に関する。

 熱電変換素子は、P型及びN型の熱電半導体2 類によりπ型素子とし、これを多数直列に 続することで構成される。これらの熱電半 体としては、Bi 2 Te 3 系やSiGe系等の半導体が好ましく用いられて る。しかしながら、Bi 2 Te 3 系やSiGe系は、原料コストが極めて高く、高 安定性に劣る。また、有毒な元素が含まれ いるため、環境負荷が大きいこと等から、 電変換モジュールの汎用化・大型化が困難 あった。

 これに対し、酸化物セラミックス系の熱電 換材料は、稀少元素や環境負荷物質を含ま い。また、高い耐熱性を有し、高温で長時 使用しても熱電特性の劣化が少ないという 徴を有する。そのため、化合物半導体に代 る材料として注目されている。例えば、一 式CaMnO 3 で表されるペロブスカイト型化合物のCaサイ の10%が、Bi、La、Ce等の金属元素に置換され ものが開示されている(非特許文献1参照)。

 非特許文献1の酸化物セラミックス系の熱電 変換材料は、高抵抗を示すn型半導体であるCa MnO 3 のCaサイトの一部を原子価の高い元素と置換 ることによって、電気伝導率が著しく増加 る。また、置換元素としてBiを用いたとき 、最大の出力因子が得られる。しかし、ゼ ベック係数は、キャリア濃度と負の相関が るので、キャリア濃度を増大させると、ゼ ベック係数を減少させてしまうという問題 あり、到達可能な性能指数に限界がある。

 そこで、最近では従来材料に比べ、高温安 性に優れ、環境負荷が小さい材料としてコ ルト含有のペロブスカイト型酸化物が注目 れている(特許文献1参照)。
Michitaka Ohtaki et.al., Journal of Solid State Chemistry 120, 105-111(1995)

特開2005-225735号公報

 しかしながら、特許文献1のコバルト含有酸 化物では、主成分に高価なコバルトが含まれ ているため、熱電変換モジュールの汎用化・ 大型化の観点から、十分とはいえない。この 課題を解決する材料として新たな安価で高機 能なCaMnO 3 系熱電材料が考えられているが、熱電特性の 更なる向上が望まれている。

 本発明は以上のような課題を解決するた になされたものであり、その目的は、電気 抗率が低く、安価で、高温安定性に優れ、 境負荷の小さい等の高機能材料を提供する とにある。

 本発明者は、熱電変換素子の熱電特性向 のために、抵抗率を低下させることに着目 鋭意研究を重ねた。その結果、結晶粒界中 不純物が熱電特性の悪化を招いていること 見出し、金属複合酸化物焼結体の製造方法 おいて、仮焼成後の粉末を純水で洗浄する とにより、未反応物を取り除くことで、本 明を完成するに至った。より具体的には、 発明は以下のようなものを提供する。

 (1) 金属複合酸化物を含む仮焼物を得る 焼成工程と、前記仮焼物を純水で洗浄する 浄工程と、前記洗浄工程を経た仮焼物を本 成する本焼成工程と、を有することを特徴 する金属複合酸化物焼結体の製造方法。

 (1)の発明によれば、仮焼物の洗浄を純水 行うことで、金属複合酸化物焼結体の結晶 界中の不純物が除去できるので、従来の製 方法で製造された金属複合酸化物焼結体よ も、電気抵抗率が低下し、熱電特性の良好 金属複合酸化物焼結体を製造することがで る。

 (2) 前記洗浄工程を経た仮焼物を成形す 成形工程を、前記洗浄工程と前記本焼成工 との間にさらに有することを特徴とする(1) 記載の金属複合酸化物焼結体の製造方法。

 (2)の発明によれば、成形する工程を備え ことで、好適なサイズの金属複合酸化物焼 体が得られ、熱電変換素子として使用可能 なる。

 (3) 前記金属複合酸化物焼結体が、一般式Ca (1-x) M x MnO 3 (Mはイットリウム及びランタノイドの中から ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、 かつ0.001≦x≦0.05である)で表されることを特 とする(1)又は(2)に記載の金属複合酸化物焼 体の製造方法。

 (3)の発明によれば、ペロブスカイト型複合 化物の一般式ABO 3 を一般式Ca (1-x) M x MnO 3 (Mはイットリウム及びランタノイドの中から ばれる少なくとも1種類の元素であり、かつ 0.001≦x≦0.05である)としたことによって、耐 性が優れ、出力因子が高い等の高機能なペ ブスカイト型複合酸化物を、安価で製造す ことができる。

 (4) 前記仮焼物を湿式粉砕する湿式粉砕 程を、前記仮焼成工程と前記洗浄工程との にさらに有することを特徴とする(1)から(3) ずれかに記載の金属複合酸化物焼結体の製 方法。

 (4)の発明によれば、仮焼成工程と洗浄工 との間に湿式粉砕工程を設けることで、仮 物を微粉砕することにより、未反応物の除 が容易となるため、より電気抵抗率が低下 、出力因子の増加した金属複合酸化物焼結 を製造することができる。

 (5) 前記洗浄工程において、前記仮焼物 純水で複数回洗浄することを特徴とする(1) ら(4)いずれかに記載の金属複合酸化物焼結 の製造方法。

 (5)の発明によれば、洗浄する工程を増加 ることで、より未反応物が除去でき、電気 抗率が低下し、出力因子の増加した、金属 合酸化物焼結体を製造することができる。

 本発明によれば、金属複合酸化物を含む 焼物を得る仮焼成工程と、前記仮焼物を純 で洗浄する洗浄工程と、を備えることを特 とする方法で金属複合酸化物焼結体を製造 ることにより、電気抵抗率が低下し、安価 、高温安定性に優れ、環境負荷の小さい金 複合酸化物焼結体を製造することができる

発明を実施するための形態

 以下、本発明の金属複合酸化物焼結体の 施形態について詳細に説明するが、本発明 、以下の実施形態に何ら限定されるもので なく、本発明の目的の範囲内において、適 変更を加えて実施することができる。なお 説明が重複する箇所については、適宜説明 省略する場合があるが、発明の要旨を限定 るものではない。

 [金属複合酸化物焼結体の製造方法]
 先ず、原料を秤量し混合する。原料は特に 定されない。例えば、アルカリ土類金属元 、遷移金属元素、希土類元素等の金属元素 含む炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、酸化物、 酸塩、蓚酸塩、ハロゲン化物等が挙げられ 。

 混合には様々な手法を用いることができ が、例えば、乳鉢による混合、ボールミル よる混合、V字型混合機による混合、クロス ロータリーミキサーによる混合、ジェットミ ルによる混合、攪拌機による混合等があり、 これらの混合方法は周知の技術である。また 、混合方式としては、溶媒をまったく用いず 原料だけを混合する乾式混合、あるいは、水 や有機溶媒等の溶媒中に原料を投入し、上記 溶媒中でこれを分散させて混合する湿式混合 等を用いることができる。なお、本発明で好 適に用いられる湿式混合を行った場合には、 混合原料を濾過・乾燥する工程が必要になる 。乾燥方法は、特に限定されない。

 なお、原料の粉末化合物は秤量前に熱処 することが好ましい。熱処理することによ 、粉末中の水分を除去でき、正確に秤量で る。

 次いで、混合後に得られた混合粉末を仮 成する。仮焼成工程を有することにより、 焼物が複合酸化物を構成する原料酸化物粉 より安定で、反応性が低いため、本焼成時 異常粒成長や、ガラス相の生成を抑制し、 料の高温強度特性が一層向上する。

 焼成するとは、混合物質を高温で反応さ ることにより、別の物質へ変化させること いう。また、成形体の密度を上昇させるプ セスでもある。

 焼成に使用する加熱装置は、混合粉末を 望温度の所望雰囲気中で所望時間、焼成し るものであれば特に限定されない。例えば 気炉やガス炉等の加熱装置を用いることが きる。加熱装置として電気炉を用いる場合 一例をあげると、管状雰囲気炉、雰囲気制 箱型炉、ベルトコンベア炉、ローラーハー 炉、トレイプッシャ連続炉等を用いること できる。また、一般には、前駆体粉末を、 堝やボート等の焼成容器に入れ、場合によ ては焼成容器に蓋をし、焼成容器とともに 熱するが、焼成容器を用いずに混合原料だ を焼成してもよい。なお、焼成容器として 、材質が、白金、石英、アルミナ、ジルコ ア、マグネシア、シリコンカーバイト、窒 珪素、磁器、カーボン等からなるものが使 可能であり、場合によってはこれらを複合 て用いることができる。

 仮焼成の焼成条件は特に限定されないが 焼成温度は900℃~1100℃が好ましく、より好 しくは950℃~1050℃である。焼成温度は900℃以 上で焼成するとほぼ反応が終了するので好ま しく、1100℃以下で焼成すると過焼結や異常 成長が抑制できるので好ましい。

 焼成時間は2時間~10時間が好ましく。より 好ましくは3時間~7時間である。2時間以上で ると反応がほぼ終了するので好ましく、10時 間以下であると過焼結や異常粒成長が抑制で きるので好ましい。

 仮焼成雰囲気は、大気や酸素気流中等の 化雰囲気で行うことが好ましい。

 焼成回数については、特に限定されるも ではないが、製造効率を高める観点から、 ない回数が好ましい。

 次いで、仮焼物を粉砕する。粉砕するこ で、未反応物を、後の工程で除去しやすく ることができる。

 粉砕には、上記仮焼成によって得られた 焼体(粒子の凝集体)を粒子状に砕く。なお 仮焼体の粉砕には様々な手法を用いること できる。一例を上げると、乳鉢による解砕 ボールミルによる解砕、V字型混合機を利用 た解砕、クロスロータリーミキサーを利用 た解砕、ジェットミルによる解砕、クラッ ャー、モーターグラインダー、振動カップ ル、ディスクミル、ロータースピードミル カッティングミル、ハンマーミル、媒体攪 ミルによる粉砕等がある。また、粉砕方式 しては、分散媒を全く用いず焼成物を解砕 る乾式解砕、あるいは、水や有機溶媒等の 散媒中に焼成物を投入し、上記分散媒中で れを解砕する湿式方式を用いることができ 。本発明においては、分散媒は純水である とが未反応物を除去できるため好ましい。

 次いで、粉砕した仮焼物を純水で洗浄す 。純水で洗浄することで、仮焼体内の未反 物を除去することができるので、従来の製 方法で製造された金属複合酸化物焼結体よ も、電気抵抗率が低下した、金属複合酸化 焼結体を製造することができる。

 洗浄に用いる純水は、純水が含まれる液 であって、不純物である塩基性酸化物を洗 により除去できるものであれば特に限定さ ない。

 洗浄に用いる仮焼体の量、純水の量、洗 時間は特に限定されない。洗浄回数は、複 回行うことで粒界部に析出する不純物(塩基 性酸化物)の除去がより進むので好ましい。 純物が除去されているか否かの確認は、原 又は不純物が金属酸化物の場合は、これら 塩基性酸化物のため水と反応して塩基性の 酸化物になるためpHを測定することにより確 認することができる。

 洗浄後の仮焼体粉砕物を濾過・乾燥する 乾燥方法は、特に限定されない。

 次いで、乾燥した洗浄後の仮焼体粉砕物 造粒する。造粒とは粉粒体を取り扱う時に 使用目的に適した大きさや形に整えるため 操作をいう。造粒することにより、成形を 易にすることができる。

 造粒時には、バインダーを添加してもよ 。バインダーを添加することで、後に行わ る成形工程後に得られる成形体の強度を保 することができる。バインダーとしては例 ば、ポリビニルアルコール等が挙げられる

 次いで、造粒した仮焼体を成形する。焼 粉を成形する工程を備えることで、好適な 法の熱電変換素子として使用可能となる。

 成形は、プレス成形、塑性成形、鋳込成形 ドクターブレード法等の方法を用いること できるが、プレス成形であることが好まし 。なお、プレス成形を行なう際の圧力は、0 .5~2t/cm 2 であることが好ましく、0.8~1.2t/cm 2 であることがさらに好ましい(1kgf/cm 2 =9.80665×10 4 (Pa))。また、成形方式は乾式成形、湿式成形 いずれであってもよい。

 成形によって得られる成形体を、乾燥、 断、加工、脱脂等する工程をさらに有して よい。

 次いで、成形した仮焼物を本焼成する工 である。本焼成することによって、金属複 酸化物焼結体を得ることができる。

 本焼成の焼成条件は特に限定されないが 焼成温度は1100℃~1300℃が好ましく、1150℃~12 50℃であることがより好ましい。焼成温度は1 100℃以上で焼成すると焼結体の緻密化が起こ るので好ましく、1300℃以下で焼成すると緻 化に伴うクラックの発生を抑制するので好 しい。

 焼成時間は2時間~10時間が好ましく。4時 ~7時間であることがより好ましい。2時間以 であると緻密化が起こるので好ましく、10時 間以下であると緻密化に伴うクラックの発生 を抑制するので好ましい。

 焼成雰囲気は特に限定されないが、大気 酸素気流中等の酸化雰囲気が好ましい。

 焼成回数については、良好な結晶を得る とができれば、特に限定されるものではな が、製造効率を高める観点から、少ない回 が好ましい。

 なお、仮焼物を純水で洗浄する工程を有 ていれば特に限定されず、上記の各工程の み合わせ方や、順序、回数等は、金属複合 化物焼結体の種類や目的に応じて、適宜決 することができる。

 [金属複合酸化物焼結体]
 本発明によって製造される金属複合酸化物 、一般式Ca (1-x) M x MnO 3 (Mはイットリウム及びランタノイドの中から ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、 かつ0.001≦x≦0.05である)で表される酸化物を げることができる。これらの元素を加える とでキャリアを導入することがでるため、 気伝導率を大幅に向上させることができる xはCaを微量元素で置換するときの置換率を すものである。用途によって最適な置換量 異なるが、例えば熱電変換材料として用い 場合、xは0.001~0.05であることが好ましく、 り好ましくは0.01~0.03である。置換率が0.001以 上であると電気伝導率が10(S/cm)以上となるの 好ましく、0.05以下であるとゼーベック係数 の絶対値が150μV/K以上となるので好ましい。

 [用途]
 例えば、本発明により製造される金属複合 化物焼結体であるCa (1-x) M x MnO 3 (Mはイットリウム及びランタノイドの中から ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、 かつ0.001≦x≦0.05である)は、熱電変換材料と て用いることができる。

 熱電変換とは、セーベック効果やペルチ 効果を利用して、熱エネルギと電気エネル とを相互に変換することをいう。熱電変換 利用すれば、ゼーベック効果を用いて熱流 ら電力を取り出したり、ペルチェ効果を用 て電流を流すことで吸熱・冷却現象を起こ たりすることが可能である。熱電変換素子 は、金属や半導体からなる単素子が一般に いられており、その性能指数は熱電変換材 の化合物の高次構造(結晶化度等)に依存す 。そのため、性能指数の高い単素子を得る めには、構造欠陥の少ない化合物を熱電変 材料にする必要がある。本発明により製造 れる金属複合酸化物は、結晶の粒界部に析 する不純物等が取り除かれた金属複合酸化 焼結体であるから、構造欠陥の少ない化合 である。従って、熱電変換材料に用いるこ ができる。

 本発明により製造される金属複合酸化物 、導電性を持つ化合物であり、導電材料と ても用いることができる。例えば電極に用 ることができる。

 <実施例1>
 粉砕ボールを投入した混合ポット内で、0.24 4molの炭酸カルシウムと、0.25molの炭酸マンガ 及び0.003molの酸化イットリウムを純水150mlに 分散し、この混合ポットを振動ボールミルに 装着して2時間振動させることにより、混合 ットの内容物を混合した。次いで、得られ 混合物を濾過し、乾燥し、乾燥後の混合物 電気炉において1000℃、5時間で仮焼成した。 次いで、得られた仮焼成体を振動ミルで湿式 粉砕した後、濾過・乾燥し、仮焼粉砕物を得 た。この仮焼粉砕物10gを純水200mlで1時間攪拌 することにより洗浄した。この洗浄操作を3 行った後、濾過し、乾燥した。次いで、乾 後の粉砕物にバインダーを添加し、造粒し 。その後、得られた造粒体をプレス機で成 し、得られた成形体を1200℃で5時間本焼成し た。これにより焼結体を得た。

 <実施例2>
 「洗浄操作を3回」を「洗浄操作を5回」と た以外は実施例1と同様の方法で、焼結体を 成した。

 <実施例3>
 「洗浄操作を3回」を「洗浄操作を10回」と た以外は実施例1と同様の方法で、焼結体を 作成した。

 <比較例1>
 純水で3回洗浄する工程を除いた以外は実施 例1と同様の方法で、焼結体を作成した。

 [pHの評価]
 pHの評価は実施例においては洗浄終了後の 焼物濾過液のpHをpH試験紙で測定した。比較 においては、湿式粉砕後の仮焼物のpHを測 した。測定結果を表1に示す。

 [熱電特性の測定]
 得られた焼結体両端に銀ペーストを塗布し 焼付けることで電極を形成し、ゼーベック 数及び抵抗率の測定を行った。なお、ゼー ック係数は、熱電変換素子の上下面に温度 を与え、試料両端の電位差を測定し、次式 り算出した。
S=dV/dT(S=ゼーベック係数,dV=二点間の電位差,dT= 二点間の温度差)
また、抵抗は4端子法で測定した。4端子法と 、測定試料の両端に電極端子を2つずつ、計 4つ付け、一定電流を流した時に生じる電位 を測定し、抵抗を算出する方法をいう。そ 結果を表1に示す。

 表1から分かるように、塩基性の不純物を 、仮焼物の湿式粉砕後に純水で洗浄すること によって取り除くことで、出力因子が向上す ることを確認した。