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Patent Searching and Data


Title:
MIXING AND INJECTING TOOL, AND MIXING AND INJECTING CONTAINER PROVIDED WITH SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175452
Kind Code:
A1
Abstract:
This first mixing and injecting tool is for allowing a first medicine container storing a medicine to be dissolved to communicate with a second medicine container storing a dissolving medicine, and for moving the medicine to be dissolved from the first medicine container to the second medicine container. The mixing/injecting tool comprises: a cylindrical body that includes openings on a first end and a second end in an axial direction, the second end being attachable to a medicine inlet section of the second medicine container; a receiving member that is arranged on a first end side of an interior of the body, is configured so as to receive a medicine discharge section of the first medicine container, and is movable in the axial direction between at least a first position and a second position inside the body; and a needle unit that is arranged more to the second end side than the receiving member inside the body, includes a first needle part capable of puncturing a medicine discharge section of the first medicine container and a second needle part that communicates with the first needle part and is capable of puncturing the medicine inlet section of the second medicine container, and is movable in the axial direction between at least a third position and a fourth position inside the body. The needle unit is configured so as to be locked to the body at the third position. The receiving member is configured to release the fixing of the needle unit when receiving member has received the first medicine container at the first position and has moved to the second position together with the first medicine container. The first needle part is configured to puncture the first medicine container while the first medicine container is moved with the receiving member from the first position to the second position. The second needle part is configured to puncture the second medicine container while the needle unit moves from the third position to the fourth position.

Inventors:
OZAKI YUKI (JP)
SATO HIROAKI (JP)
UESUGI FUMITO (JP)
FUJI MASASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007393
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 25, 2020
Export Citation:
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Assignee:
OTSUKA PHARMA FACTORY INC (JP)
OTSUKA TECHNO CORP (JP)
International Classes:
A61J1/20
Foreign References:
JPH08308905A1996-11-26
JP2015077217A2015-04-23
JPH021277A1990-01-05
JPH11379A1999-01-06
JPS5478397U1979-06-04
Attorney, Agent or Firm:
TACHIBANA, Kenji et al. (JP)
Download PDF:
Claims:
\¥0 2020/175452 61 卩(:17 2020 /007393

請求の範囲

[請求項 1 ] 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解薬剤を収容する第 2薬剤 容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であって、

軸方向の第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記 第 2薬剤容器の薬剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部の第 1端部側に配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤 排出部を受け入れるように構成され、 前記本体の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移動可能な受容部材と、 前記本体の内部において、 前記受容部材よりも、 前記第 2端部側に 配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺可能な第 1針部、 及 び当該第 1針部に連通し前記第 2薬剤容器の薬剤流入部に穿刺可能な 第 2針部を有し、 前記本体の内部の少なくとも第 3の位置と第 4の位 置との間を前記軸方向に移動可能な針ユニッ トと、 を備え、

前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において前記本体にロックされ るように構成され、

前記受容部材は、 前記第 1の位置において前記第 1薬剤容器を受け 入れ、 当該第 1薬剤容器とともに前記第 2の位置に移動したとき、 前 記針ユニッ トの前記ロックを解除するように構成され、

前記第 1薬剤容器が前記受容部材とともに、 前記第 1の位置から前 記第 2の位置に移動する間に、 前記第 1針部が前記第 1薬剤容器に穿 刺されるように構成され、

前記針ユニッ トが、 前記第 3の位置から前記第 4の位置に移動する 間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器に穿刺されるように構成され ている、 混注具。

[請求項 2] 前記本体は、 第 1 ロック具を有し、

前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 1 ロック具に 〇 2020/175452 62 卩(:171? 2020 /007393

着脱自在にロックされる第 2ロック具を有し、

前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 当該受容部材が前 記第 1 ロック具を押圧することで前記 1及び第 2ロック具のロックを 解除するように構成されている、 請求項 1 に記載の混注具。

[請求項 3] 前記針ユニッ トは、 前記第 1針部及び前記第 2針部の基端部が固定 される基部を有し、

前記第 1 ロック具は、 前記軸方向に延び、 前記基部の周縁に設けら れた前記第 2ロック具に、 径方向外方から係合するように構成され、 前記受容部材は、 押圧部を備えており、

前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 前記押圧部は、 前 記第 1 ロック具を押圧し、 径方向外方に押し遣るように構成され、 前記針ユニッ トの前記第 2ロック具は、 前記第 1 ロック具にガイ ド されながら、 前記軸方向に移動するように構成されている、 請求項 2 に記載の混注具。

[請求項 4] 前記本体は、 第 3ロック具を有し、

前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 3ロック具に 着脱自在にロックされる第 4ロック具を有し、

前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 当該受容部材が前 記第 4ロック具を押圧することで前記 3及び第 4ロック具のロックを 解除するように構成されている、 請求項 1 に記載の混注具。

[請求項 5] 前記第 3ロック具は、 前記本体の内壁面に形成され、

前記第 4ロック具は、 前記第 3ロック具に対し、 径方向内方から口 ックされ、

前記受容部材は、 前記第 2の位置において、 前記第 4ロック具を径 方向内方に押圧する押圧部を有している、 請求項 4に記載の混注具。

[請求項 6] 前記本体は、 第 5ロック具を有し、

前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 5ロック具に 着脱自在にロックされる第 6ロック具を有し、 〇 2020/175452 63 卩(:171? 2020 /007393

前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 前記針ユニッ トを 前記本体の軸周りに回転させるように構成され、

前記針ユニッ トが回転したとき、 前記第 5及び第 6ロック具のロッ クが解除されるように構成されている、 請求項 1 に記載の混注具。

[請求項 7] 前記受容部材は、 径方向外方に突出する突部を有し、

前記針ユニッ トは、 前記突部の移動をガイ ドするガイ ド溝を有し、 前記ガイ ド溝は、 前記第 1端部側に配置され前記軸方向に延びる第 1溝部と、 前記第 1溝部の前記第 2端部側に連結され、 周方向に曲が る部位を有する第 2溝部と、 を備えており、

前記受容部材が前記軸方向に移動するとき、 前記突部が前記第 1溝 部から第 2溝部に移行することによって、 前記針ユニッ トが前記軸周 りに回転するように構成されている、

請求項 6に記載の混注具。

[請求項 8] 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解薬剤を収容する第 2薬剤 容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であって、

軸方向の第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記 第 2薬剤容器の薬剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部に配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺 可能な第 1針部、 及び当該第 1針部に連通し前記第 2薬剤容器の薬剤 流入部に穿刺可能な第 2針部を有し、 前記本体の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移動可能な針ユニッ トと を備え、

前記針ュニッ トは、 前記第 1の位置において前記本体にロックされ るように構成され、

前記針ユニッ トの第 1針部が、 前記第 1薬剤容器に所定位置まで穿 刺されたとき、 前記針ュニッ トの前記ロックを解除するように構成さ 〇 2020/175452 64 卩(:171? 2020 /007393

れ、

前記針ユニッ トが、 前記第 1薬剤容器とともに、 前記第 1の位置か ら前記第 2の位置に移動する間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器 に穿刺されるように構成されている、 混注具。

[請求項 9] 前記本体は、 第 7ロック具を有し、

前記針ユニッ トは、 前記第 1の位置において、 前記第 7ロック具に 着脱自在にロックされる第 8ロック具と、 前記第 1薬剤容器によって 押圧可能なアーム部と、 を有し、

前記第 1薬剤容器が、 前記第 1針部に穿刺されるとともに、 当該第 1薬剤容器の頭部が前記アーム部を押圧したとき、 前記アーム部の変 位により前記第 7及び第 8ロック具のロックが解除されるように構成 されている、 請求項 8に記載の混注具。

[請求項 10] 前記アーム部は、 前記薬剤容器の押圧によって、 径方向外方に変位 するように構成され、

前記アーム部が、 径方向外方に変位したときに、 前記第 7ロック具 を径方向外方に押圧することで、 前記第 7及び第 8ロック具のロック が解除されるように構成されている、 請求項 9に記載の混注具。

[請求項 1 1 ] 前記第 7ロック具が径方向外方に押圧された後、 前記第 8ロック具 が前記第 7ロック具にガイ ドされながら、 前記針ユニッ トが前記軸方 向に移動するように構成されている、 請求項 1 〇に記載の混注具。

[請求項 12] 前記針ユニッ トは、 第 9ロック具を有し、

前記受容部材は、 前記第 1の位置において、 前記第 9ロック具に着 脱自在にロックされる第 1 0ロック具と、 前記第 1薬剤容器を固定す る固定具と、 前記第 1薬剤容器によって押圧可能なアーム部と、 を備 え、

前記第 1薬剤容器が、 前記固定具に固定されたときに、 当該第 1薬 剤容器の頭部が前記アーム部を押圧するように構成され、

前記アーム部の変位により前記第 9及び第 1 0ロック具のロックが 〇 2020/175452 65 卩(:171? 2020 /007393

解除され、 前記受容部材が前記針ユニッ トに向かって移動可能となる ように構成されている、 請求項 1から 7のいずれかに記載の混注具。

[請求項 13] 前記受容部材は、 サイズの異なる少なくとも 2種類の前記第 1薬剤 容器の薬剤排出部が当接する当接面を有し、

前記当接面には、 サイズの小さい前記第 1薬剤容器の薬剤排出部を 配置可能な凹部が形成されている、 請求項 1から 7のいずれかに記載 の混注具。

[請求項 14] 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器を取り付け可能で、 当該被溶解 薬剤を流入させる混注容器であって、

溶解液が収容され、 開口部を有する第 2薬剤容器と、

前記第 2薬剤容器の開口部に取り付けられる、 請求項 1から 1 3の いずれかに記載の混注具と、

を備えている、 混注容器。

[請求項 15] 前記第 2薬剤容器は、 前記被溶解薬剤と溶解液とを混合した混合液 を排出可能な排出部を備えている、 請求項 1 4に記載の混注容器。

Description:
\¥0 2020/175452 1 卩(:17 2020 /007393 明 細 書

発明の名称 : 混注具、 及びこれを備えた混注容器

技術分野

[0001 ] 本発明は、 ゴム栓により塞がれた開口を有する被溶解薬 剤容器を取り付け 可能で、 当該被溶解薬剤容器に収容された第 1薬剤を溶解薬剤が収容された 別容器に供給させる混注具、 及びこれを備えた混注容器に関する。

背景技術

[0002] 特許文献 1 には、 バイアル瓶のような薬剤容器内に封入された 抗生剤など の薬剤を点滴投与するときの薬剤混合手段を 具備する両頭針付き薬剤容器が 開示されている。 このような薬剤容器は、 従来から様々なものが検討されて いるが、 一般的には、 ゴム栓によって閉じられ生理食塩水等の輸液 薬剤が収 容された薬剤容器と、 両端がともに鋭利な針部材(両頭針)を有す る混注具と 、 を備えている。

[0003] 混注具の両頭針は軸方向に移動可能に支持さ れており、 薬剤容器側に押し 込まれると、 両頭針の一端部がゴム栓に刺し込まれるよう になっている。 ま た、 混合すべき薬剤はゴム栓によって閉じられた バイアル瓶に収容されてお り、 このバイアル瓶のゴム栓を、 両頭針の他端部に刺し込みながら薬剤容器 側に押し込むと、 両頭針の両端が、 薬剤容器のゴム栓とバイアル瓶のゴム栓 と、 にそれぞれ刺し込まれ、 薬剤容器とバイアル瓶が連通する。 これにより 、 バイアル瓶の薬剤を薬剤容器に供給し、 混合液を調製することができる。

[0004] その後、 混合液は、 輸液セッ トを介して患者に投与される。 また、 上記の ように調製した混合液を直接患者に投与せず 、 他の輸液製剤に更に混合して 患者に投与することも有り得る。 この場合、 混合液を他の輸液製剤が収容さ れた容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液ラインに 三方活 栓を設け、 当該三方活栓に ライン(側管)を介して混合液が収容された 容器本 体を接続して投与すること(所謂、 ピギーバッグ法)等が採用される。

[0005] ところで、 特許文献 1 に係る混注具では、 バイアル瓶の頭部が両頭針の一 〇 2020/175452 2 卩(:171? 2020 /007393

方の針部に穿刺され、 混注具に嵌め込まれたときに、 両頭針が薬剤容器側に 移動するように構成されている。 すなわち、 バイアル瓶が混注具に嵌め込ま れるまでは、 両頭針がロックされているため、 両頭針の他方の針部は薬剤容 器のゴム栓には穿刺されない。 したがって、 両頭針の一方の針部が、 バイア ル瓶のゴム栓に刺し込まれた後でなければ、 他方の針部が薬剤容器のゴム栓 に刺し込まれないようになっている。 よって、 この混注具では、 両頭針の穿 朿 I」を、 バイアル瓶、 薬剤容器の順序となるように制御することが できる。 先行技術文献

特許文献

[0006] 特許文献 1 :特許第 6 1 9 1 3 7 8号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007] 特許文献 1 に係る混注具では、 バイアル瓶の頭部を混注具に嵌め込み、 頭 部の外周面が混注具に設けられた突起を押圧 したときに、 両頭針のロックが 解除されるようになっている。 すなわち、 この混注具は、 バイアル瓶の頭部 の大きさによっては、 突起を押圧することができず、 ロックを解除すること ができない。 すなわち、 この混注具は、 規定の大きさの頭部を有するバイア ル瓶にしか適用することができないという問 題がある。 本発明は、 上記問題 を解決するためになされたものであり、 バイアル瓶、 つまり被溶解薬剤が収 容された薬剤容器の頭部の大きさや形状にか かわらず使用可能で、 穿刺の順 序を制御することが可能な混注具、 及びこれを備えた混注容器を提供するこ とを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明に係る第 1の混注具は、 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解 薬剤を収容する第 2薬剤容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬 剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であっ 、 軸方向の 第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記第 2薬剤容器の薬 〇 2020/175452 3 卩(:171? 2020 /007393

剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部の第 1端部側に 配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部を受け入れるように 成され、 前 記本体の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移 動可能な受容部材と、 前記本体の内部において、 前記受容部材よりも、 前記 第 2端部側に配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺可能な第 1針 部、 及び当該第 1針部に連通し前記第 2薬剤容器の薬剤流入部に穿刺可能な 第 2針部を有し、 前記本体の内部の少なくとも第 3の位置と第 4の位置との 間を前記軸方向に移動可能な針ユニッ トと、 を備え、 前記針ユニッ トは、 前 記第 3の位置において前記本体にロックされるよ に構成され、 前記受容部 材は、 前記第 1の位置において前記第 1薬剤容器を受け入れ、 当該第 1薬剤 容器とともに前記第 2の位置に移動したとき、 前記針ユニッ トの前記ロック を解除するように構成され、 前記第 1薬剤容器が前記受容部材とともに、 前 記第 1の位置から前記第 2の位置に移動する間に、 前記第 1針部が前記第 1 薬剤容器に穿刺されるように構成され、 前記針ユニッ トが、 前記第 3の位置 から前記第 4の位置に移動する間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器に穿 刺されるように構成されている。

[0009] この構成によれば、 受容部材に第 1薬剤容器が受け入れられ、 第 1薬剤容 器を押し込んで、 受容部材が第 1の位置から第 2の位置まで移動する間には 、 針ユニッ トはロックされているため、 この間に、 第 1薬剤容器の薬剤排出 部に針ユニッ トの第 1針部が穿刺されるようになっている。 また、 この間に 針ユニッ トは移動しないため、 針ユニッ トの第 2針部は第 2薬剤容器には穿 刺されない。 そして、 受容部材が第 2の位置まで移動した後は、 針ユニッ ト と本体とのロックが解除され、 第 3の位置から第 4の位置へ移動するため、 その間に第 2針部が第 2薬剤容器に穿刺される。

[0010] したがって、 本発明に係る第 1の混注具では、 第 1針部が第 1薬剤容器に 穿刺された後でなければ、 第 2針部が第 2薬剤容器に穿刺されないようにな っている。 そのため、 第 2薬剤容器に第 2針部が先に刺さって、 第 2薬剤容 器から空気が大気中に抜けるのを防止するこ とができる。 その結果、 第 2薬 〇 2020/175452 4 卩(:171? 2020 /007393

剤容器によって点滴を行う際、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じ るのを防止することができる。

[001 1 ] また、 受容部材に第 1薬剤容器を挿入し、 受容部材とともに第 1薬剤容器 を押し込むことで、 針ユニッ トと本体とのロックが解除されるので、 第 1針 部と第 1薬剤容器の穿刺、 及び第 2針部と第 2薬剤容器の穿刺を、 この順で 行うことができる。 したがって、 第 1薬剤容器の頭部の大きさにかかわらず 、 第 1薬剤容器を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。

[0012] 上記第 1の混注具においては、 本体、 針ユニッ ト、 及び受容部材を種々の 態様にすることができる。 例えば、 第 1の態様として、 前記本体は、 第 1 口 ック具を有し、 前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 1 ロッ ク具に着脱自在にロックされる第 2ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 当該受容部材が前記第 1 ロック具を押圧すること で前記 1及び第 2ロック具のロックを解除するように構成す ことができる 〇

[0013] 第 1の態様のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記針ユニッ トは、 前 記第 1針部及び前記第 2針部の基端部が固定される基部を有し、 前記第 1 口 ック具は、 前記軸方向に延び、 前記基部の周縁に設けられた前記第 2ロック 具に、 径方向外方から係合するように構成され、 前記受容部材は、 押圧部を 備えており、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 前記押圧部は 、 前記第 1 ロック具を押圧し、 径方向外方に押し遣るように構成され、 前記 針ユニッ トの前記第 2ロック具は、 前記第 1 ロック具にガイ ドされながら、 前記軸方向に移動するように構成することが できる。

[0014] 例えば、 第 2の態様として、 前記本体は、 第 3ロック具を有し、 前記針ユ ニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 3ロック具に着脱自在にロック される第 4ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき 、 当該受容部材が前記第 4ロック具を押圧することで前記 3及び第 4ロック 具のロックを解除するように構成することが できる。

[0015] 第 2の態様のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記第 3ロック具は、 〇 2020/175452 5 卩(:171? 2020 /007393

前記本体の内壁面に形成され、 前記第 4ロック具は、 前記第 3固定具に対し 、 径方向内方からロックされ、 前記受容部材は、 前記第 2の位置において、 前記第 4ロック具を径方向内方に押圧する押圧部を することができる。

[0016] 例えば、 第 3の態様として、 前記本体は、 第 5ロック具を有し、 前記針ユ ニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 5ロック具に着脱自在にロック される第 6ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき 、 前記針ユニッ トを前記本体の軸周りに回転させるように構 成され、 前記針 ユニッ トが回転したとき、 前記第 5及び第 6ロック具のロックが解除される ように構成することができる。

[0017] 第 3の態様のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記受容部材は、 径方 向外方に突出する突部を有し、 前記針ユニッ トは、 前記突部の移動をガイ ド するガイ ド溝を有し、 前記ガイ ド溝は、 前記第 1端部側に配置され前記軸方 向に延びる第 1溝部と、 前記第 1溝部の前記第 2端部側に連結され、 周方向 に曲がる部位を有する第 2溝部と、 を備えており、 前記受容部材が前記軸方 向に移動するとき、 前記突部が前記第 1溝部から第 2溝部に移行することに よって、 前記針ユニッ トが前記軸周りに回転するように構成するこ とができ る。

[0018] 本発明に係る第 2の混注具は、 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解 薬剤を収容する第 2薬剤容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬 剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であっ 、 軸方向の 第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記第 2薬剤容器の薬 剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部に配置され、 前 記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺可能な第 1針部、 及び当該第 1針部に連 通し前記第 2薬剤容器の薬剤流入部に穿刺可能な第 2針部を有し、 前記本体 の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移動可能 な針ユニッ トと、 を備え、 前記針ユニッ トは、 前記第 1の位置において前記 本体にロックされるように構成され、 前記針ユニッ トの第 1針部が、 前記第 1薬剤容器に所定位置まで穿刺されたとき、 前記針ユニッ トの前記ロックを 〇 2020/175452 6 卩(:171? 2020 /007393

解除するように構成され、 前記針ユニッ トが、 前記第 1薬剤容器とともに、 前記第 1の位置から前記第 2の位置に移動する間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器に穿刺されるように構成されてい 。

[0019] この構成によれば、 針ユニッ トの第 1針部に第 1薬剤容器が所定位置まで 穿刺されるまでの間には、 針ユニッ トはロックされているため、 針ユニッ ト の第 2針部は第 2薬剤容器には穿刺されない。 そして、 第 1針部に第 1薬剤 容器が所定位置まで穿刺された後は、 針ユニッ トと本体とのロックが解除さ れ、 第 1の位置から第 2の位置へ移動するため、 その間に第 2針部が第 2薬 剤容器に穿刺される。

[0020] したがって、 本発明に係る第 2の混注具では、 第 1針部が第 1薬剤容器に 穿刺された後でなければ、 第 2針部が第 2薬剤容器に穿刺されないようにな っている。 そのため、 第 2薬剤容器に第 2針部が先に刺さって、 第 2薬剤容 器から空気が大気中に抜けるのを防止するこ とができる。 その結果、 第 2薬 剤容器によって点滴を行う際、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じ るのを防止することができる。

[0021 ] また、 第 1薬剤容器を第 1針部に対して押し込むことで、 針ユニッ トと本 体とのロックが解除され、 第 1針部と第 1薬剤容器の穿刺、 及び第 2針部と 第 2薬剤容器の穿刺を、 この順で行うことができる。 したがって、 第 1薬剤 容器の大きさにかかわらず、 第 1薬剤容器を押し込むだけで、 穿刺の順序を 制御することができる。

[0022] さらに、 この構成によれば、 混注具を構成する材料が、 主として本体と針 ユニッ トだけであるため、 部品点数を少なくすることができる。 したがって 、 製造コストを低減することができる。

[0023] 上記第 2の混注具において、 前記本体は、 第 7ロック具を有し、 前記針ユ ニッ トは、 前記第 1の位置において、 前記第 7ロック具に着脱自在にロック される第 8ロック具と、 前記薬剤容器によって押圧可能なアーム部と 、 を有 し、 前記第 1薬剤容器が、 前記第 1針部に穿刺されるとともに、 当該第 1薬 剤容器の頭部が前記アーム部を押圧したとき 、 前記アーム部の変位により前 〇 2020/175452 7 卩(:171? 2020 /007393

記第 7及び第 8ロック具のロックが解除されるように構成 ることができる

[0024] 上記第 2の混注具のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記アーム部は 、 前記薬剤容器の押圧によって、 径方向外方に変位するように構成され、 前 記アーム部が、 径方向外方に変位したときに、 前記第 7ロック具を径方向外 方に押圧することで、 前記第 7及び第 8ロック具のロックが解除されるよう に構成することができる。

[0025] このとき、 前記第 7ロック具が径方向外方に押圧された後、 前記第 8ロッ ク具が前記第 7固定具にガイ ドされながら、 前記針ユニッ トが前記軸方向に 移動するように構成することができる。 これにより、 両ロック具を利用して 針ユニッ トの移動をガイ ドできるため、 ガイ ド用の専用の構成を設ける必要 がなく、 構成を簡素化することができる。

[0026] 上記第 1の混注具においては、 前記針ユニッ トが、 第 9ロック具を有し、 前記受容部材が、 前記第 1の位置において、 前記第 9ロック具に着脱自在に ロックされる第 1 0ロック具と、 前記第 1薬剤容器を固定する固定具と、 前 記第 1薬剤容器によって押圧可能なアーム部と、 を備え、 前記第 1薬剤容器 が、 前記固定具に固定されたときに、 当該第 1薬剤容器の頭部が前記アーム 部を押圧するように構成され、 前記アーム部の変位により前記第 9及び第 1 〇ロック具のロックが解除され、 前記受容部材が前記針ユニッ トに向かって 移動可能となるように構成することができる 。

[0027] この構成によれば、 第 1薬剤容器が受容部材の固定具に固定された きに 、 アーム部材が変位し、 受容部材と針ユニッ トとのロックを解除するように 構成されている。 そのため、 第 1薬剤容器が固定具に固定される前に、 受容 部材が針ユニッ トに向かって移動するのを防止することがで きる。 これによ り、 第 1薬剤容器が受容部材の正しい位置に固定さ た状態で針ユニッ トに 移動するため、 例えば、 第 1針部が斜めに第 1薬剤容器に刺し込まれるなど の不具合を防止でき、 針部材を正確に第 1薬剤容器に刺し込むことができる 〇 2020/175452 8 卩(:171? 2020 /007393

[0028] 上記第 1の混注具において、 前記受容部材は、 サイズの異なる少なくとも

2種類の前記第 1薬剤容器の薬剤排出部が当接する当接面を し、 前記当接 面には、 サイズの小さい前記第 1薬剤容器の薬剤排出部を配置可能な凹部が 形成することができる。

[0029] 本発明に係る混注容器は、 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器を取り付け 可能で、 当該被溶解薬剤を流入させる混注容器であっ て、 溶解液が収容され 、 開口部を有する第 2薬剤容器と、 前記第 2薬剤容器の開口部に取り付けら れる、 上記いずれかの混注具と、 を備えている。

[0030] 上記混注容器において、 前記第 2薬剤容器は、 前記被溶解薬剤と溶解液と を混合した混合液を排出可能な排出部を備え ることができる。

[0031] これにより、 混合された被溶解薬剤と溶解液とを、 例えば、 患者に容易に 投与することができる。

発明の効果

[0032] 本発明に係る混注具によれば、 バイアル瓶、 つまり被溶解薬剤が収容され た薬剤容器における頭部の径方向の大きさに かかわらず、 使用することがで き、 穿刺の順序を制御することができる。

図面の簡単な説明

[0033] [図 1]本発明の第 1実施形態に係るバイアル瓶の正面図である

[図 2]図 1のバイアル瓶を上方から見た斜視図である

[図 3]本発明に係る混注容器の一実施形態に係 正面図である。

[図 4]図 3の混注容器に設けられた混注具の断面図で る。

[図 5]第 1実施形態に係る本体を上から見た斜視図で る。

[図 6]本体を図 5とは異なる角度から見た斜視図である。

[図 7]第 1実施形態に係る本体の断面図である。

[図 8]図 7とは 9 0度軸周りに回転した位置での本体の断面図 ある。

[図 9]第 1実施形態に係る針ユニッ トを上から見た斜視図である。

[図 10]第 1実施形態に係る針ユニッ トを下から見た斜視図である。

[図 1 1]第 1実施形態に係る受容部材を上から見た斜視 である。 〇 2020/175452 9 卩(:171? 2020 /007393

[図 12]受容部材を図 1 1 とは異なる角度から見た斜視図である。

[図 13]第 1実施形態に係る受容部材を下から見た斜視 である。

[図 14]図 4とは 9 0度軸周りに回転した位置での混注具の断面 である。

[図 15八]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 158]図 1 5八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である

[図 16八]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 168]図 1 6八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である

[図 17]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 18八]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 188]図 1 8八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である

[図 19]本発明の第 2実施形態に係る混注具を斜め方向から見た 期状態の断 面図である。

[図 20]第 2実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。

[図 21]図 2 0の断面図である。

[図 22]第 2実施形態に係る針ユニッ トの斜視図である。

[図 23]図 2 2とは異なる方向から見た針ユニッ トの斜視図である。

[図 24]図 2 2の針ユニッ トを下方から見た斜視図である。

[図 25]第 2実施形態に係る受容部材の斜視図である。

[図 26]図 2 5の受容部材を下から見た斜視図である。

[図 27]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 28]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 29]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 30]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 31]本発明の第 3実施形態に係る混注具の、 初期状態における一部切り欠 き斜視図である。

[図 32]第 3実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。

[図 33]図 3 2の断面図である。

[図 34]第 3実施形態に係る針ユニッ トの斜視図である。 20/175452 10 卩(:171? 2020 /007393

[図 35]図 3 4とは異なる方向から見た針ュニッ トの斜視図である。

[図 36]図 3 4の針ュニッ トを下方から見た斜視図である。

[図 37]第 3実施形態に係る受容部材の斜視図である。

[図 38]図 3 7とは異なる方向から見た受容部材の斜視図 ある。

[図 39]図 3 7の受容部材を下から見た斜視図である。

[図 40]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 41]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 42]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 43]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 44]本発明の第 4実施形態に係る混注具の断面図である。

[図 45]第 4実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。

[図 46]図 4 5の断面図である。

[図 47]第 4実施形態に係る針ュニッ トを上方から見た斜視図である。

[図 48]図 4 7の針ュニッ トを下方から見た斜視図である。

[図 49]第 4実施形態に係る受容部材を上方から見た斜 図である。

[図 50]図 4 9の受容部材を下から見た斜視図である。

[図 51]第 4実施形態に係る受容部材と針ュニッ トとを組み立てた斜視図であ る。

[図 52]第 4実施形態に係る本体と針ュニッ トとを組み立てた斜視図である。 [図 53]第 4実施形態に係る全ての部材を組み立てた斜 図である。

[図 54]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 55]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 56]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 57]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 58]本発明の第 5実施形態に係る混注具の一部切り欠き斜視 である。

[図 59]第 5実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。

[図 60]図 5 9の断面図である。

[図 61]第 5実施形態に係る針ュニッ トを上方から見た斜視図である。 〇 2020/175452 1 1 卩(:171? 2020 /007393

[図 62]図 6 1 とは異なる方向から見た針ユニッ トの斜視図である。

[図 63]図 6 1の針ユニッ トを下方から見た斜視図である。

[図 64八]第 5実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 648]図 6 4八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である

[図 65]第 5実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 66]第 5実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 67]第 5実施形態におけるアーム部とロック具の他 例を示す斜視図であ る。

[図 68八]第 5実施形態におけるアーム部とロック具の他 例を示す断面図であ る。

[図 688]図 6 8八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。

[図 68(:]図 6 8八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。

[図 69八]第 5実施形態におけるアーム部とロック具の他 例を示す断面図であ る。

[図 698]図 6 9八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。

[図 69(:]図 6 9八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。

[図 70]本発明の第 6実施形態に係る混注具の断面図である。

[図 71]第 6実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。

[図 72]第 6実施形態にかかる本体の断面図である。

[図 73]第 6実施形態に係る針ユニッ トを上方から見た斜視図である。

[図 74]図 7 3の針ユニッ トを異なる角度から見た斜視図である。

[図 75]図 7 3の針ユニッ トを下方から見た斜視図である。

[図 76]第 6実施形態に係る受容部材を上方から見た斜 図である。

[図 77]図 7 6の受容部材を下から見た斜視図である。

[図 78]第 6実施形態に係る受容部材と針ユニッ トとを組み立てた断面図であ る。

[図 79]第 6実施形態に係る本体、 針ユニッ ト、 及び受容部材を組み立てた断 面図である。 〇 2020/175452 12 卩(:171? 2020 /007393

[図 80]図 7 9の混注具を異なる角度から見た断面図であ 。

[図 81]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 82]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 83]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 84]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 85]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 86]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。

[図 87]第 6実施形態に係る混注容器の他の例を示す断 図である。

[図 88]受容部材の他の例を示す断面図である。

[図 89]受容部材の他の例を示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0034] 以下、 本発明に係る混注容器の実施形態について図 面を参照しつつ説明す る。 この混注容器は、 被溶解薬剤が収容されたバイアル瓶 (第 1薬剤容器) が取り付けられ、 被溶解薬剤を溶解薬剤と混合させるものであ り、 混注具、 及び溶解薬剤が収容された薬剤容器 (第 2薬剤容器) を備えている。 そして 、 薬剤容器に流入された被溶解薬剤は、 薬剤容器の溶解薬剤と混合され、 患 者に投与する混合液が調製される。 以下では、 混注容器の第 1〜第 5実施形 態について、 説明する。 なお、 以下の説明で用いる図面のうち、 断面図と称 する図面は、 部材の断面のみを示しているもののほか、 説明の便宜のため、 断面のほか、 当該断面よりも紙面の奥側に見える構造の一 部も合わせて表し ていることがある。 但し、 原則として断面にはハッチングが施され、 断面よ りも奥側に見える構造と区別できるようにし ているが、 見やすさを考慮して 断面にハッチングを付していないこともある 。 また、 以下の複数の実施形態 にわたって、 複数種の部材に同一の符号が付されている場 合があるが、 これ は必ずしも同一の部材であることを示してい るのではなく、 異なる部材であ っても同一の符号が付されている場合がある 。 また、 複数の実施例にわたっ て、 同一の部材であっても異なる符号が付されて いる場合がある。 すなわち 、 以下では、 各実施形態の説明と、 その説明を補足する図面の符号とが一致 〇 2020/175452 13 卩(:171? 2020 /007393

するように記載している。

[0035] <八. 第 1実施形態>

<1 . バイアル瓶の概要>

まず、 バイアル瓶について説明する。 なお、 このバイアル瓶は、 全ての実 施形態において共通するため、 第 1実施形態においてのみ説明する。 図 1は バイアル瓶の正面図、 図 2はバイアル瓶を図 1の上側から見た斜視図である 。 図 1 に示すように、 バイアル瓶 1は、 下部が底面によって閉じられた円筒 状の本体部 1 1 と、 本体部 1 1の上端部から斜め上方に円錐状に延びる肩 1 2と、 肩部 1 2から上方に延び、 本体部 1 1 よりも径の小さい円筒状の首 部 1 3と、 首部 1 3に連結され, 上部に開口を有する円柱状の頭部とを備え ており、 これらはガラス、 樹脂材料などで一体的に形成されている。 さらに 、 図 2に示すように、 頭部は、 上部開口にはめ込まれたゴム栓 1 4、 及びゴ ム栓 1 4を覆うようなアルミ等のキャップ 1 5を有する。 また、 これら本体 部 1 1、 肩部 1 2、 首部 1 3、 及び頭部によって囲まれた内部空間に被溶解 薬剤が収容されている。 被溶解薬剤は、 特には限定されないが、 例えば、 抗 生剤、 抗がん剤等の薬剤、 及びビタミン剤などとすることができ、 液体、 固 体のいずれであってもよい。 但し、 本実施形態では、 固体の薬剤が収容され ているとして説明を行う。 そして、 この被溶解薬剤は、 後述するように、 ゴ ム栓 1 4に刺し込まれた混注容器 1 0 0の針部材 6 2を介して、 混注容器 1 0 0の薬剤容器 2内に供給されるようになっている。

[0036] <2 . 混注容器の概要>

次に、 図 3を参照しつつ、 混注容器について説明する。 図 3は混注容器の 正面図である。

[0037] 図 3に示すように、 この混注容器 1 0 0は、 上部に開口を有する薬剤容器

2と、 この薬剤容器 2の上部開口に取り付けられた混注具 3と、 を備えてい る。 薬剤容器 2は、 下部が底面によって閉じられた水平断面が楕 円状で可撓 性を有する本体部 2 1 と、 本体部 2 1の上端から上方に延び、 上部に開口が 形成された円筒状の首部 2 2と、 を備えており、 これらは樹脂材料などで一 〇 2020/175452 14 卩(:171? 2020 /007393

体的に形成されている。 また、 首部 2 2の上端には、 薬剤流入部 2 3が設け られている。 この薬剤流入部 2 3は、 軸方向に延びる円筒状の開口部 2 3 1 と、 この開口部 2 3 1 に取り付けられたゴム栓 2 3 2と、 を備えている。 開 口部 2 3 1は、 薬剤容器 2の内部空間に通じており、 この開口部 2 3 1がゴ ム栓 2 3 2によって塞がれている。 また、 ゴム栓 2 3 2の上端部には、 凹部 2 3 3が形成されており、 この凹部 2 3 3に後述する第 2針部が進入するよ うになっている。 凹部 2 3 3の径方向の寸法は、 後述する針ユニッ トの第 2 針部の径方向の寸法と略同じとなっている。

[0038] そして、 図 3に示すように、 首部 2 2の上端には、 薬剤流入部 2 3を覆う ように、 後述する混注具 3が取り付けられている。 また、 薬剤容器 2の内部 空間には溶解薬剤が収容されている。 溶解薬剤は、 特には限定されないが、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖液、 リンゲル液等の輸液とすることができ、 バイアル瓶 1内の固体又は液体の薬剤を溶解する。 一方、 薬剤容器 2の下部 には、 ゴム栓で塞がれた排出部 2 6が形成されており、 後述するように、 混 合液を排出することができる。 なお、 この薬剤容器 2は、 全ての実施形態に おいて共通するため、 第 1実施形態においてのみ説明する。

[0039] < 3 . 混注具の概要 >

次に、 混注具 3について、 図 4は混注具の初期状態の断面図である。 図 4 に示すように、 この混注具 3は、 薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3に溶着等の手 段により接合されており、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端部 ( 第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2端部 ) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。

[0040] まず、 本体 4について、 図 5〜図 8を参照しつつ説明する。 図 5は本体を 上方から見た斜視図、 図 6は本体を図 5とは異なる角度から見た斜視図、 図 7は本体の断面図、 図 8は図 7から軸周りに 9 0度回転した位置での断面図 である。 図 5〜図 8に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐 体 4 1の下部開口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 を備えている。 この底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 3が形成されており、 この貫通孔 4 3に上述した薬剤 〇 2020/175452 15 卩(:171? 2020 /007393

容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。 そして、 貫通孔 4 3の周縁には、 一 対の規制具 4 4と、 一対のロック具 (第 1 ロック具) 4 5とが設けられてい る。 両規制具 4 4は、 貫通孔 4 3を挟んで向かい合うように配置され、 両口 ック具 4 5は、 規制具 4 4とは周方向に 9 0度ずれた位置に配置されている

[0041 ] 各規制具 4 4は、 上方に向かって延びる湾曲した板状に形成さ れており、 上端部には、 径方向内方に向かって延びる突部 4 4 1が形成されている。 こ の突部 4 4 1 には、 後述するように針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ ト 6の 上方への移動を規制するようになっている。 各ロック具 4 5は、 規制具 4 4 よりも高く上方に延びる湾曲した板状に形成 されている。 そして、 各ロック 具 4 5の上端部の両端には、 上方に突出する一対の突出部 4 5 1が設けられ ている。 各突出部 4 5 1の上端には、 径方向内方に段部 4 5 3が形成されて おり、 この段部 4 5 3に後述する針ユニッ ト 6の基部 6 1が係合し、 針ユニ ッ ト 6の下方への移動がロックされるようになっ いる。 また、 両突出部 4 5 1の間において、 ロック具 4 5の上端には、 径方向内方に行くにしたがっ て下方に延びる傾斜面 4 5 2が形成されている。

[0042] 筐体 4 1の内壁面には、 上下方向に延びる 4つの突条 4 6が周方向に 9 0 度おきに形成されている。 これら突条 4 6は、 後述するように、 受容部材 5 の上下方向の移動をガイ ドするようになっている。 また、 筐体 4 1の内壁面 の上端付近には、 4つの保持部 4 7が周方向に 9 0度おきに形成されている 。 これら保持部 4 7は、 筐体 4 1の内壁面からわずかに突出するように形成 されており、 後述するように、 受容部材 5を初期位置に保持し、 受容部材 5 の下方への移動を規制するようになっている 。

[0043] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 9及び図 1 0を参照しつつ説明する。 図

9は針ユニッ トの斜視図、 図 1 0は下方から見た針ユニッ トの斜視図である 。 図 9及び図 1 0に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 こ の基部 6 1の上面から突出する第 1針部 6 2と、 基部 6 1の下面から突出す る第 2針部 6 3と、 を備えている。 そして、 この針ユニッ ト 6は、 初期状態 〇 2020/175452 16 卩(:171? 2020 /007393

と後述する穿刺状態との移動の間に、 上述した本体 4の規制具 4 4及びロッ ク具 4 5で囲まれる空間内を上下方向に移動するよ になっている。 第 1針 部 6 2及び第 2針部 6 3は、 先端が鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器のゴム栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また、 両針部 6 2 , 6 3は、 基部 6 1の中央付近に形成されており、 これら 両針部 6 2 , 6 3を軸方向に貫通する 2つの流路 6 2 1 , 6 2 2が形成され ている。 したがって、 第 1針部 6 2から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 2 1 , 6 2 2を通じて第 2針部 6 3から排出されるようになっている。

[0044] また、 基部 6 1の外周縁には、 湾曲した板状に形成された、 一対の固定部

6 5が取り付けられている。 これら固定部 6 5は、 第 1針部 6 2を挟んで対 向するように配置されており、 上端部には、 径方向内方を向く突部 6 5 1が 形成されている。 また、 各固定部 6 5には、 上下方向に延びるスリッ ト 6 5 2が形成されている。 そして、 上述したバイアル瓶 1の頭部は、 後述するよ うに、 これら固定部 6 5の間に保持され、 突部 6 5 1が頭部の下端に係合す るようになっている。 すなわち、 突部 6 5 1は、 頭部の抜け止めを構成して いる。

[0045] さらに、 基部 6 1の外周縁には、 湾曲した板状に形成された、 一対の保持 部 6 6が取り付けられている。 これら保持部 6 6は、 それぞれ、 固定部 6 5 から下方に延びるように形成されており、 下端部には、 径方向外方を向く突 部 6 6 1が形成されている。 各突部 6 6 1は、 上述した本体 4の規制部 4 4 の突部 4 4 1 に係合するようになっている。 したがって、 保持部 6 6と規制 部 4 4とで、 針ユニッ ト 6が初期状態から上方へ移動しないように、 針ユニ ッ ト 6の移動を規制している。

[0046] 続いて、 受容部材 5について、 図 1 1〜図 1 3を参照しつつ説明する。 図

1 1は受容部材の斜視図、 図 1 2は図 1 1 とは異なる方向から見た受容部材 の斜視図、 図 1 3は受容部材を下から見た斜視図である。 図 1 1〜図 1 3に 示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 と、 この基部 5 1の周縁 から上方に延びる周壁部 5 2とを備えている。 周壁部 5 2には、 周方向に 9 〇 2020/175452 17 卩(:171? 2020 /007393

0度おきに上下方向に延びるスリッ ト 5 2 1が形成されており、 このスリッ 卜 5 2 1 には、 上述した本体 4の突条 4 6が嵌まるようになっている。 した がって、 受容部材 5は、 突条 4 6にガイ ドされるように、 本体 4内を軸方向 に移動可能となっている。

[0047] 基部 5 1 には、 中央に円形の第 1貫通孔 5 3が形成されており、 この第 1 貫通孔 5 3に針ユニッ ト 6の第 1針部 6 2が進入するようになっている。 ま た、 基部 5 1の上面には、 上方に突出する一対の固定部 5 6が形成されてい る。 各固定部 5 6は、 湾曲した板状に形成され、 第 1貫通孔 5 3を挟むよう に配置されている。 また、 各固定部 5 6の上端には, 径方向内方に突出する 突部 5 6 1が形成されている。 そして、 上述したバイアル瓶 1の頭部は、 こ れら固定部 5 6の間に保持され、 突部 5 6 1が頭部の下端に係合するように なっている。 すなわち、 突部 5 6 1は、 頭部の抜け止めを構成している。

[0048] さらに、 基部 5 1 には、 一対の第 2貫通孔 5 4と、 一対の第 3貫通孔 5 5 が形成されている。 各第 2貫通孔 5 4は、 第 1貫通孔 5 3を挟むように、 そ れぞれ略矩形状に形成されている。 また、 各第 2貫通孔 5 4は、 上述した固 定部 5 6とは周方向に 9 0度ずれた位置に形成されている。 一方、 各第 3貫 通孔 5 5は、 第 2貫通孔 5 3とは周方向に 9 0度ずれた位置に、 各固定部 5 6よりも径方向外方に配置され、 それぞれ略矩形状に形成されている。 なお 、 第 2貫通孔 5 4及び第 3貫通孔 5 5は、 ともに第 1貫通孔 5 3に沿うよう に湾曲しているが、 その形状は特には限定されない。

[0049] さらに、 基部 5 1の下面には、 各固定部 5 6と対応する位置に、 下方に突 出する一対の押圧部 5 7が形成されている。 各押圧部 5 7は、 湾曲した板状 に形成され、 第 1貫通孔 5 3を挟むように配置されている。 また、 各押圧部 5 7の下端には, 径方向内方にいくにしたがって下方に向かう 傾斜面 5 7 1 が形成されている。 この傾斜面 5 7 1は、 本体 4のロック具 4 5の上端の傾 斜面 4 5 2に係合するようになっている。

[0050] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。 〇 2020/175452 18 卩(:171? 2020 /007393

[0051 ] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て、 図 1 4も参 照しつつ説明する。 図 1 4は、 図 4から周方向に 9 0度回転した位置での断 面図である。 図 1 4に示すように、 初期状態では、 本体 4の規制具 4 4と針 ユニッ ト 6の保持部 6 6とが係合し、 針ユニッ ト 6の上方への移動を規制し ている。 また、 図 4に示すように、 針ユニッ ト 6の基部 6 1の周縁が、 本体 4のロック具 4 5の上端の段部 4 5 3に支持されており、 これによって、 針 ユニッ ト 6が下方へ移動するのがロックされている。 すなわち、 針ユニッ ト 6は、 初期状態では、 上下方向の移動が規制されている。 なお、 針ユニッ ト 6の基部 6 1の周縁において、 ロック具 4 5に支持されている部分が、 本発 明の第 2ロック具に相当する。

[0052] 受容部材 5は、 突条 4 6にガイ ドされるとともに、 針ユニッ ト 6の上方で 、 基部 5 1が本体 4の保持部 4 7に支持されている。 したがって、 受容部材 5の下方への移動が規制されている。 だたし、 本体 4の保持部 4 7は、 本体 1の内壁面からわずかに突出しているもので るため、 受容部材 5を下方に 押し込むと、 受容部材 5は保持部 4 7を乗り越えて、 下方に移動するように なっている。 また、 受容部材 5は、 各第 2貫通孔 5 4が、 針ユニッ トの固定 部 6 5の上方に位置するように、 回転位置が定められている。 さらに、 図示 を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 この突部が受容 部材 5の周壁部 5 2の上縁等に係合することで、 受容部材 4が本体 4から上 方へ離脱しないようにすることができる。 突部の形状、 位置、 数は特には限 定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に形成してもよ し 、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することもできる。

[0053] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。

[0054] < 4 . 混注容器の使用方法 >

次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 1 5〜図 1 8を参照しつつ説明する。 なお、 図番に八, 巳が付されている図面 (例え 〇 2020/175452 19 卩(:171? 2020 /007393

ば、 図 1 5八, 図 1 5巳) は、 周方向に互いに 9 0度回転した位置での断面 図であり、 この点は、 他の実施形態でも同じである。 まず、 図 1 5八及び図 1 5巳に示すように、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイアル瓶 1 を取り 付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部材 5の両固定 部 5 6の間に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1の頭部が両固定部 5 6の 間に固定される。

[0055] 次に、 図 1 6八及び図 1 6巳に示すように、 バイアル瓶 1 を下方に向かっ て、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1は、 受容 部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 受容部材 5とともに下方に移動する (第 1の位置 ®第 2の位置) 。 このとき、 針ユニッ ト 6は、 上下方向の移動が規 制されているため、 バイアル瓶 1が移動すると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の 第 1針部 6 2が受容部材 5の第 1貫通孔 5 3に進入し、 バイアル瓶 1のゴム 栓 1 4に穿刺される。 この過程において、 押圧部 5 7の下端の傾斜面 5 7 1 は、 本体 4のロック具 4 5の傾斜面 4 5 2に当接する。 そして、 受容部材 5 がさらに押し込まれると、 傾斜面 4 5 2 , 5 7 1同士がスライ ドし、 図 1 7 に示すように、 押圧部 5 7は、 ロック具 4 5を径方向外方に押し遣りながら 、 ロック具 4 5の内側に入り込んでいく。 これに伴い、 ロック具 4 5の段部 4 5 3と針ユニッ ト 6の基部 6 1 とのロック状態が解除され、 針ユニッ ト 6 は下方に移動可能となる。 したがって、 バイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 を押圧し、 針ユニッ ト 6 は、 受容部材 5及びバイアル瓶 1 とともに下方に移動する (第 3の位置 ®第 4の位置) 。

[0056] このときには、 第 1針部 6 2の大半はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺さ れている。 また、 図 1 6巳に示すように、 受容部材 5の下降に伴い、 針ユニ ッ ト 6の固定部 6 5は、 受容部材 5の第 2貫通孔 5 4に進入し、 バイアル瓶 1の頭部に係合する。 したがって、 受容部材 5の基部 5 1 と針ユニッ ト 6の 基部 6 1 とが当接するときには、 バイアル瓶 1の頭部は、 受容部材 5の一対 の固定部 5 6、 及び針ユニッ ト 6の一対の固定部 6 5によって保持される。 〇 2020/175452 20 卩(:171? 2020 /007393

[0057] こうして、 図 1 8八及び図 1 8巳に示すように、 針ユニッ ト 6が下降する と、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺されていく。 これによ り、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バ イアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ ト 6の流路 6 2 1 , 6 2 2を介して薬 剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方の流路 (例えば、 6 2 1) は被溶解薬 剤の通路となり、 他方の流路 (例えば、 6 2 2) は空気の通路になるため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。

[0058] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 5は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる 。 そして、 図 1 6巳に示すように、 針ユニッ ト 6の保持部 6 6が、 本体 4の 規制具 4 4に係合すると、 針ユニッ ト 6の移動が停止し、 それ以上上方に移 動しないようになる。 この状態からさらにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイ アル瓶 1 と針ユニッ ト 6の固定部 6 5との係合が解除され、 バイアル瓶 1は 、 受容部材 5とともに上方に移動する。 そして、 初期状態まで受容部材 5が 移動すると、 受容部材 5が筐体 4 1の抜け止め用突部に係合し、 受容部材 5 の移動が停止し、 それ以上は上方に移動しないようになる。 この状態からさ らにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル瓶 1は受容部材 5から外れる。 こ れにより、 第 1針部 6 2がゴム栓 1 4から引き抜かれる。 尚、 抜け止め用突 部は、 抜け止めが防止できる機構であれば、 これに限定されるものではない

[0059] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶 1 を混注容 器 1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こうして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される 〇 2020/175452 21 卩(:171? 2020 /007393

。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴ ム栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもでき る。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製 剤に更に混合して患者に投与することも有り 得る。 この場合、 混合液を他の 輸液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸 液ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が 収容された容器本体を接続して投与すること (所謂、 ピギーバッグ法)等が採 用される。

[0060] < 5 . 特徴 >

本実施形態によれば、 以下の効果を得ることができる。 受容部材 5にバイ アル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込んで、 受容部材 5が初期位 置から穿刺位置まで移動する間には、 針ユニッ ト 6は固定されているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針部 6 2が穿刺されるようにな っている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動しないため、 針ユニッ ト 6の 第 2針部 6 3は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には穿刺されない。 そして、 受容 部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ ト 6と本体 4とのロックが解 除され、 針ユニッ ト 6は初期位置から穿刺位置へ移動するため、 その間に第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺される。

[0061 ] したがって、 この混注具では、 第 1針部 6 2がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4 に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿 刺されないようになっている。 そのため、 薬剤容器 2に第 2針部 6 3が先に 刺さって、 薬剤容器 2から空気が大気中に抜けるのを防止するこ ができる 。 その結果、 薬剤容器 2によって点滴を行う際、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを防止することができ る。

[0062] また、 受容部材 5にバイアル瓶 1 を揷入し、 受容部材 5とともにバイアル 瓶 1 を押し込むことで、 第 1針部 6 2によるバイアル瓶 1のゴム栓 1 4の穿 朿 I」、 及び第 2針部 6 3による薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2の穿刺を、 この順で 行うことができる。 したがって、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず 〇 2020/175452 22 卩(:171? 2020 /007393

、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。

[0063] < 6 . 第 2実施形態 >

次に、 本発明に係る混注容器の第 2実施形態について説明する。 但し、 第 2実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。

< 1 . 混注具の概要 >

図 1 9は、 斜め方向から見た混注具の初期状態の断面図 である。 図 1 9に 示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端 部 (第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2 端部) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。

[0064] まず、 本体 4について、 図 2 0及び図 2 1 を参照しつつ説明する。 図 2 0 は本体を上方から見た斜視図、 図 2 1は本体の断面図である。 図 2 0及び図 2 1 に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3 と、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 こ の貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延 在部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤排出部 2 3が収容される。 そして、 底壁部 4 2には、 板状に形成された一対のロック具 (第 1 ロック具) 4 4が 設けられている。 各ロック具 4 4は、 貫通孔 4 2 1 を挟んで向かい合うよう に配置され、 底壁部 4 2から上方に向かって延びている。 そして各ロック具 4 4の上端部には、 径方向内方に向かって延びる突部 4 4 1が形成されてい る。 この突部 4 4 1 には、 後述するように針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ 卜 6の下方への移動を規制するようになってい 。

[0065] 次に、 針ユニッ トについて、 図 2 2〜図 2 4を参照しつつ説明する。 図 2

2は針ユニッ トの斜視図、 図 2 3は図 2 2とは異なる方向から見た針ユニッ 卜の斜視図、 図 2 4は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。 図 2 2〜図 2 4に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 この基部 6 1の 周縁から上方に延びる円筒状の周壁部 6 2と、 基部 6 1の上面から突出する 〇 2020/175452 23 卩(:171? 2020 /007393

第 1針部 6 3と、 基部 6 1の下面から突出する第 2針部 6 4と、 を備えてい る。 そして、 この針ユニッ ト 6の周壁部 6 2は、 上述した本体 4の内壁面に 接しつつ、 本体 4内を上下方向に移動するようになっている 第 1針部 6 3 及び第 2針部 6 4は、 先端が鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴ ム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また 、 両針部 6 3 , 6 4は、 基部 6 1の中央付近に形成されており、 これら両針 部 6 3 , 6 4を軸方向に貫通する 2つの流路 6 3 1 , 6 3 2が形成されてい る (図 3 0参照) 。 したがって、 第 1針部 6 3から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 3 1 , 6 3 2を通じて第 2針部 6 4から排出されるようになっている

[0066] また、 基部 6 1 には、 針部 6 3 , 6 4を挟んで対向するように一対の矩形 状の貫通孔 6 5が形成されている。 各貫通孔 6 5の径方向外方の縁部は、 基 部 6 1の周縁まで延びている。 各貫通孔 6 5には、 後述するように、 針ユニ ッ ト 6が初期位置から穿刺位置に移動する際に、 本体 4のロック具 4 4が進 入するようになっている。 また、 各貫通孔 6 5を挟むように周壁部 6 2の内 壁面には、 ガイ ドレール 6 6が設けられている。 各ガイ ドレール 6 6は、 貫 通孔 6 5の周方向の両端から上方に延びる一対のガ ド片 (第 2ロック具)

6 6 1 を有している。 各ガイ ド片 6 6 1は、 貫通孔 6 5の側縁に沿う第 1部 位と、 貫通孔 6 5の上方に突出する第 2部位とを有する断面 !_字状に形成さ れており、 第 2部位の下端部には切り欠き 6 6 2が形成されている。 初期状 態では、 ガイ ド片 6 6 1の切り欠き 6 6 2に、 本体 4のロック具 4 4が下側 から嵌まっている。 すなわち、 初期状態において、 針ユニッ ト 6は、 ロック 具 4 4によって下方に移動しないように支持され いる。 但し、 この状態か ら、 各ロック具 4 4が径方向外方に押圧されると、 ロック具 4 4は、 両ガイ ド片 6 6 1の間に挟まれ、 規制具 4の上下方向の移動をガイ ドするようにな っている。 また、 両ガイ ド片 6 6 1の間に挟まれたロック具 4 4は、 径方向 内方への移動が規制される。

[0067] 続いて、 受容部材 5について、 図 2 5及び図 2 6を参照しつつ説明する。 〇 2020/175452 24 卩(:171? 2020 /007393

図 2 5は受容部材の斜視図、 図 2 6は下から見た受容部材の斜視図である。 図 2 5及び図 2 6に示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 を備 えており、 この基部 5 1の中央には円形の貫通孔 5 2が形成されている。 こ の貫通孔 5 2には、 第 1針部 6 3が進入するようになっている。 また、 基部 5 1の上面には、 貫通孔 5 2を囲むように、 円筒状の固定部 5 3が設けられ ており、 この固定部 5 3にバイアル瓶 1の頭部が固定される。 この固定部 5 3には軸方向に延びる 4つのスリッ ト 5 3 1が形成されており、 このスリッ 卜 5 3 1 によって、 固定部 5 3は、 円弧状の 4つの固定片 5 3 2に分割され ている。 これにより、 各固定片 5 3 2は径方向に揺動可能に弾性変形するよ うになっている。 そして、 これら 4つの固定片 5 3 2のうち、 対向する 2つ の固定片 5 3 2の上端部に、 径方向内方を向く突部 5 3 3が形成されている 。 この突部 5 3 3が抜け止めとなり、 固定部 5 3に押し込まれたバイアル瓶 1の頭部を固定することができる。

[0068] 基部 5 1の周縁において対向する 2箇所には、 それぞれ矩形状の切り欠き

5 1 1が形成されており、 この切り欠き 5 1 1の内部に、 径方向外方に突出 する突部 (押圧部) 5 1 2が形成されている。 図 1 9に示すように、 混注具 3が組み立てられたときには、 針ユニッ ト 6のガイ ドレール 6 6が、 切り欠 き 5 1 1 に揷入され、 さらに両ガイ ド片 6 6 1の間に突部 5 1 2が揷入され ている。

[0069] また、 基部 5 1の周縁には、 切り欠き 5 1 1が形成されている以外の部分 に、 上方に延びる一対の円弧状の周壁部 5 4が形成されている。 そして、 こ れら周壁部 5 4は、 針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の内壁面に接しており、 これ によって、 受容部材 5は、 針ユニッ ト 6の内壁面に沿って軸方向に移動可能 となっている。

[0070] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。

[0071 ] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て説明する。 図

1 9に示すように、 初期状態では、 本体 4のロック具 4 4上に、 針ユニッ ト 〇 2020/175452 25 卩(:171? 2020 /007393

6のガイ ドレール 6 6が配置され、 針ユニッ ト 6の下方への移動を規制して ぃる。

[0072] また、 受容部材 5を初期位置に保持するためには、 図示を省略するが、 第

1実施形態の図 5で示した保持部 4 7のような凸部を針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の内壁面に設け、 この凸部と、 受容部材 5の周壁部 5 4の下端とを係合 させることで、 受容部材 5が下方に移動するのを規制することができ 。 但 し、 このような凸部以外であっても、 受容部材 5の移動を規制できる機構で あれば、 特には限定されなぃ。 さらに付言すると、 初期位置などの各部材の 位置を一時的に保持するような場合には、 係合を解除できるような係合長さ の短ぃ凸部同士、 あるぃは凸部と凹部とで位置を保持すること ができる。 一 方、 部材の移動を完全に規制する場合には、 係合が解除できなぃように、 係 合長さの大きぃ凸部同士、 あるぃは凸部と凹部とを設けることができる 。 な お、 このような凸部等の機構は、 本明細書における各実施形態の受容部材 5 や針ユニッ ト 6の保持のために適宜設けることができるた 、 特に断りのな ぃ限り、 受容部材 5や針ユニッ ト 6を保持するための種々の機構が設けられ てぃるものとする。

[0073] さらに、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 この突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上縁等に係合することで、 針ユニッ 卜 6が本体 4から上方へ離脱しなぃようにすることがで る。 突部の形状、 位置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状 に形成してもよぃし、 周方向に所定間隔をおぃて複数の突部を形成 すること もできる。 また、 図示を省略するが、 針ユニッ トの 6の周壁部 6 2の内壁面 に突部を形成し、 この突部が受容部材 5の周壁部 5 2のぃずれかに係合する ことで、 受容部材 5が針ユニッ ト 6から上方へ離脱しなぃようにすることが できる。 突部の形状、 位置、 数は特には限定されなぃ。

[0074] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入してぃるが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されてぃな い。 〇 2020/175452 26 卩(:171? 2020 /007393

[0075] < 2 . 混注容器の使用方法 >

次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 2 7〜図 3 0も参照しつつ説明する。 まず、 図 2 7に示すように、 初期状態にある混 注具 3に対し、 バイアル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部 を下側に向け、 受容部材 5の固定部 5 3に押し込む。 これにより、 バイアル 瓶 1の頭部が固定部 5 3の間に固定される。

[0076] 次に、 バイアル瓶 1 を下方に向かって、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む 。 これにより、 バイアル瓶 1は受容部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 バイ アル瓶 1 とともに受容部材 5は下方に移動する。 (第 1の位置 ®第 2の位置 ) このとき、 針ユニッ ト 6は、 下方向の移動が規制されているため、 バイア ル瓶 1が移動すると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の第 1針部 6 3が受容部材 5 の貫通孔 5 2に進入し、 図 2 8に示すように、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に 穿刺される。 この過程において、 受容部材 5の突部 5 1 2が本体 4のロック 具 4 4の上端に当接し、 受容部材 5がさらに押し込まれると、 図 2 9に示す ように、 突部 5 1 2は、 ロック具 4 4を径方向外方に押し遣りながら、 ロッ ク具 4 4の内側に入り込んでいく。 これに伴い、 ロック具 4 4と針ユニッ ト 6のガイ ド片 6 6 1 との係合状態が解除され、 針ユニッ ト 6は下方に移動可 能となる。 したがって、 バイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 図 3 0に示すよ うに、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 を押圧し、 針ユニ ッ ト 6は、 受容部材 5及びバイアル瓶 1 とともに下方に移動する (第 3の位 置 ®第 4の位置) 。 これに伴い、 本体 4のロック具 4 4は、 ガイ ド片 6 6 1 の内部に入り込み、 針ユニッ ト 6の下方への移動をガイ ドする。 なお、 この ときには、 第 1針部 6 3の大半はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺されてい る。

[0077] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 3 1 , 6 3 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 〇 2020/175452 27 卩(:171? 2020 /007393

の流路 6 3 1 , 6 3 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。

[0078] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 7は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 図 2 9に示すように、 第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 針ユニッ ト 6の突部 5 1 2が上方に移動す ると、 突部 5 1 2によるロック具 4 4の押圧が解除され、 図 2 8に示すよう に、 ロック具 4 4は径方向内方に移動する。 すなわち、 弾性変形により初期 状態に復帰する。 これにより、 ロック具 4 4が、 ガイ ドレール 6 6を支持す るため、 針ユニッ ト 6は再び下方への移動が規制される。 この状態からさら にバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル瓶 1は、 受容部材 5とともに上方に 移動する。 そして、 初期状態まで受容部材 5が移動すると、 バイアル瓶 1 を 受容部材 5から取り外す。 この過程で、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き 抜かれる。

[0079] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器

1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 〇 2020/175452 28 卩(:171? 2020 /007393

される。

[0080] < 3 . 特徴 >

本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6はロックされているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針 部 6 3が穿刺されるようになっている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動 しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ 卜 6と本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は初期位置から穿刺位置 へ移動するため、 その間に第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺 される。

[0081 ] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 4が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。

[0082] < 0 . 第 3実施形態 >

次に、 本発明に係る混注容器の第 3実施形態について説明する。 但し、 第 3実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。

< 1 . 混注具の概要 >

図 3 1は、 斜め方向から見た混注具の初期状態の一部切 り欠き斜視図であ る。 図 3 1 に示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4 の内部の上端部 (第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の 下端部 (第 2端部) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。 〇 2020/175452 29 卩(:171? 2020 /007393

[0083] まず、 本体 4について、 図 3 2及び図 3 3を参照しつつ説明する。 図 3 2 は本体を上方から見た斜視図、 図 3 3は本体の断面図である。 図 3 2及び図 3 3に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3 と、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 こ の貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延 在部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。

[0084] また、 筐体 4 1の内壁面の上端付近には、 軸線を挟んで一対の凹部 4 1 1 が形成されている。 各凹部 4 1 1は、 平面視矩形状に形成された筐体 4 1の 上部開口まで延びている。 後述するように、 この凹部 4 1 1の下端の段部 ( 第 3ロック具) 4 1 2には、 針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ ト 6の下方へ の移動を規制するようになっている。

[0085] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 3 4〜図 3 6を参照しつつ説明する。 図

3 4は針ユニッ トの斜視図、 図 3 5は図 3 4とは異なる方向から見た針ユニ ッ トの斜視図、 図 3 6は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。 図 3 4〜 図 3 6に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 基部 6 1の上 面から突出する第 1針部 6 2と、 基部 6 1の下面から突出する第 2針部 6 3 と、 を備えている。 第 1針部 6 2及び第 2針部 6 3は、 先端が鋭利に形成さ れ、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿 刺されるようになっている。 また、 両針部 6 2 , 6 3は、 基部 6 1の中央付 近に形成されており、 これら両針部 6 2 , 6 3を軸方向に貫通する 2つの流 路 6 2 1 , 6 2 2 (図 4 3参照) が形成されている。 したがって、 第 1針部 6 2から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 2 1 , 6 2 2を通じて第 2針部 6 3 から排出されるようになっている。

[0086] また、 基部 6 1の外縁には、 第 1針部 6 2を挟んで上方に延びる一対の口 ック具 (第 4ロック具) 6 4が設けられている。 各ロック具 6 4は、 上方に 延びる板状の基板 6 4 1 と、 この基板 6 4 1の上端から径方向外方に突出す る第 1突部 6 4 2と、 基板 6 4 1の上端から径方向内方に突出する一対の第 〇 2020/175452 30 卩(:171? 2020 /007393

2突部 6 4 3と、 を有している。 第 1突部 6 4 2は、 初期状態において、 上 述した本体 4の凹部 4 1 1の段部 4 1 2に係合するようになっている。 一対 の第 2突部 6 4 3は、 基板 6 4 1 を挟んで対称に、 それぞれ平面視!_字状に 形成されている。 すなわち、 各第 2突部 6 4 3は、 基板 6 4 1の内壁面の両 側からやや径方向内方へ突出し、 さらにそこから周方向に外側へ突出するよ うに、 形成されている。

[0087] さらに、 基部 6 1の外縁には、 ロック具 6 4が設けられている以外の領域 において、 一対の円弧状の周壁部 6 5が形成されている。 各周壁部 6 5は、 ロック具 6 4とは周方向にやや隙間を空けて配置され、 上方に延びるように 形成されている。 また、 各周壁部 6 5の外壁面は、 本体 4の筐体 4 1の内壁 面に当接しており、 これによって、 針ユニッ ト 6は、 本体 4の内壁面にガイ ドされつつ、 軸方向に移動可能なっている。

[0088] 続いて、 受容部材 5について、 図 3 7〜図 3 9を参照しつつ説明する。 図

3 7は受容部材の斜視図、 図 3 8は図 3 7とは異なる角度から見た受容部材 の斜視図、 図 3 9は下から見た受容部材の斜視図である。 図 3 7〜図 3 9に 示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 を備えており、 この基部 5 1の中央には円形の貫通孔 5 2が形成されている。 この貫通孔 5 2には、 第 1針部 6 2が進入するようになっている。 また、 基部 5 1の上面には、 貫 通孔 5 2を囲むように、 円筒状の固定部 5 3が設けられており、 この固定部 5 3にバイアル瓶 1の頭部が固定される。 この固定部 5 3には軸方向に延び る 4つのスリッ ト 5 3 1が形成されており、 このスリッ ト 5 3 1 によって、 固定部 5 3は、 円弧状の 4つの固定片 5 3 2に分割されている。 これにより 、 各固定片 5 3 2は径方向に揺動可能に弾性変形するように っている。 そ して、 これら 4つの固定片 5 3 2のうち、 対向する 2つの固定片 5 3 2の上 端部に、 径方向内方を向く突部 5 3 3が形成されている。 この突部 5 3 3が 抜け止めとなり、 固定部 5 3に押し込まれたバイアル瓶 1の頭部を固定する ことができる。

[0089] 基部 5 1の周縁において対向する 2箇所には、 それぞれ矩形状の切り欠き 〇 2020/175452 31 卩(:171? 2020 /007393

5 1 1が形成されている。 そして、 基部 5 1の周縁には、 各切り欠き 5 1 1 を結ぶように一対の円弧状の周壁部 5 4が形成されている。 そして、 各周壁 部 5 4の両端、 つまり切り欠き 5 1 1の両端と対応する位置には、 周壁部 5 4の両側に沿って上下方向に延びるガイ ド片 5 5が形成されている。 各ガイ ド片 5 5は、 周壁部 5 4の両側の外周面から周方向に切り欠き 5 1 1側に突 出するように形成されている。 したがって、 各切り欠き 5 1 1の両端におい て、 切り欠き 5 1 1の奧端部から径方向外方にやや離れた位置 ガイ ド片 5 5がそれぞれ配置されている。 そして、 各ガイ ド片 5 5の内壁面には、 上述 したロック具 6 4の第 2突部 6 4 3が係合するようになっており、 ガイ ド片 5 5にガイ ドされながら、 第 2突部 6 4 3がガイ ド片 5 5に対し相対的に上 下方向に移動可能となっている。 また、 各切り欠き 5 1 1 に配置された両ガ イ ド片 5 5の間には隙間が形成されており、 この隙間にロック具 6 4の基板 6 4 1が進入し、 上下方向に移動可能となっている。

[0090] さらに、 各ガイ ド片 5 5の内壁面の上端には、 突面 5 5 1が形成されてい る。 この突面 5 5 1は、 上方にいくにしたがって径方向内方に向かう ように 傾斜しており、 後述するように、 ロック具 6 4の第 2突部 6 4 3を径方向内 方に押圧するようになっている。

[0091 ] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。

[0092] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て説明する。 図

3 1及び後述する図 4 0に示すように、 初期状態では、 本体 4の凹部 4 1 1 の段部 4 1 2に、 針ユニッ ト 6のロック具 6 4の第 1突部 6 4 2が係合して おり、 これによって、 針ユニッ ト 6の下方への移動がロックされている。

[0093] また、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 こ の突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上縁等に係合することで、 針ユニッ ト 6が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位 置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に 形成してもよいし、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することも 〇 2020/175452 32 卩(:171? 2020 /007393

できる。 また、 図示を省略するが、 針ユニッ トの 6の周壁部 6 2の内壁面に 突部を形成し、 この突部が受容部材 5の周壁部 5 2のいずれかに係合するこ とで、 受容部材 5が針ユニッ ト 6から上方へ離脱しないようにすることがで きる。 突部の形状、 位置、 数は特には限定されない。

[0094] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。

[0095] < 2 . 混注容器の使用方法 >

次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 4 0〜図 4 3も参照しつつ説明する。 まず、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイア ル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部 材 5の固定部 5 3に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1の頭部が固定部 5 3の間に固定される。

[0096] 次に、 バイアル瓶 1 を下方に向かって、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む 。 これにより、 図 4 1 に示すように、 バイアル瓶 1は、 受容部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 受容部材 5とともに下方に移動する(第 1の位置 ®第 2の 位置)。 このとき、 針ユニッ ト 6は、 下方向の移動が規制されているため、 バ イアル瓶 1が移動すると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の第 1針部 6 2が受容部 材 5の貫通孔 5 2に進入し、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺される。 この 過程において、 受容部材 5のガイ ド片 5 5は、 針ユニッ ト 6のロック具 6 4 にガイ ドされつつ、 下方に移動する。

[0097] そして、 図 4 2に示すように、 受容部材 5が下方に移動し、 ガイ ド片 5 5 の突面 5 5 1が、 ロック具 6 4の第 2突部 6 4 3を径方向内方に押圧すると 、 ロック具 6 4全体が径方向内方に揺動する。 その結果、 ロック具 6 4の第 1突部 6 4 2と本体 4の段部 4 1 2との係合状態が解除され、 針ユニッ ト 6 は下方に移動可能となる。 この状態からバイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 図 4 3に示すように、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 を 押圧し、 針ユニッ ト 6は、 受容部材 5及びバイアル瓶 1 とともに下方に移動 〇 2020/175452 33 卩(:171? 2020 /007393

する(第 3の位置 ®第 4の位置)。 なお、 このときには、 第 1針部 6 2の大半 はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺されている。

[0098] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 2 1 , 6 2 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 の流路 6 2 1 , 6 2 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。

[0099] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 5は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 図 4 2に示すように、 第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 受容部材 5のガイ ド片 5 5が上方に移動す ると、 突面 5 5 1 によるロック具 6 4の押圧が解除され、 図 4 1 に示すよう に、 ロック具 6 4は径方向外方に移動する。 すなわち、 弾性変形により初期 状態に復帰する。 これにより、 ロック具 6 4の第 1突部 6 4 2が、 本体 4の 段部 4 1 2に係合するため、 針ユニッ ト 6は再び下方への移動が規制される 。 この状態からさらにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル瓶 1は、 受容部 材 5とともに上方に移動する。 そして、 図 4 0に示すように、 初期状態まで 受容部材 5が移動すると、 バイアル瓶 1 を受容部材 5から取り外す。 この過 程で、 第 1針部 6 2がゴム栓 1 4から引き抜かれる。

[0100] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器

1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 〇 2020/175452 34 卩(:171? 2020 /007393

栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 される。

[0101 ] < 3 . 特徴 >

本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6はロックされているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針 部 6 2が穿刺されるようになっている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動 しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ 卜 6と本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は初期位置から穿刺位置 へ移動するため、 その間に第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺 される。

[0102] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 2がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 3が先に刺さって、 薬剤容器 2から空気が抜けるのを防止 することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを防 止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バ イアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。

[0103] また、 第 1及び第 2実施形態のように、 本体 4に板状のロック具を設けて いないため、 本体 4の製造を容易に行うことができる。

[0104] < 0 . 第 4実施形態 > 〇 2020/175452 35 卩(:171? 2020 /007393

次に、 本発明に係る混注容器の第 4実施形態について説明する。 但し、 第 4実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。

< 1 . 混注具の概要 >

図 4 4は、 混注具の初期状態の断面図である。 図 4 4に示すように、 この 混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端部 (第 1端部) 側 に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2端部) 側に収容さ れる針ユニッ ト 6と、 を備えている。

[0105] まず、 本体 4について、 図 4 5及び図 4 6を参照しつつ説明する。 図 4 5 は本体を上方から見た斜視図、 図 4 6は本体の断面図である。 図 4 5及び図 4 6に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3 と、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 こ の貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延 在部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。

[0106] 筐体 4 1の内壁面には、 底壁部から上方に延びる一対のガイ ドレール 4 4 が形成されている。 各ガイ ドレール 4 4は、 貫通孔 4 2 1 を挟んで対向する ように配置されており、 一対の直方体状の棒材を平行に配置すること で形成 されている。 そして、 後述するように、 両棒材の間の隙間に受容部材 5の第 2突部 5 6が揷入され、 これによって受容部材 5の上下方向の移動がガイ ド されるようになっている。

[0107] また、 筐体 4 1の内壁面には、 底壁部 4 2から上方に延びる一対のロック 具 (第 5ロック具) 4 5が形成されている。 各ロック具 4 5は、 直方体状の 棒状に形成され、 貫通孔 4 2 1 を挟んで対向するように配置されている。 各 ロック 4 5具は、 各ガイ ドレール 4 4から上からの平面視で反時計回りに周 方向に約 4 5度離れた位置に配置されている。 また、 各ロック具 4 5は、 ガ イ ドレール 4 4よりも短く形成され、 その上端には、 後述するように、 初期 状態において、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 (第 6ロック具) が配置され、 これ 〇 2020/175452 36 卩(:171? 2020 /007393

によって、 針ユニッ ト 6が下方へ移動するのをロックしている。

[0108] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 4 7及び図 4 8を参照しつつ説明する。

図 4 7は針ユニッ トを上方から見た斜視図、 図 4 8は針ユニッ トを下方から 見た斜視図である。

[0109] 図 4 7及び図 4 8に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 基部 6 1の上面から突出する第 1針部 6 2と、 基部 6 1の下面から突出する 第 2針部 6 3と、 を備えている。 第 1針部 6 2及び第 2針部 6 3は、 先端が 鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また、 両針部 6 2 , 6 3は、 基部 6 1の中央付近に形成されており、 これら両針部 6 2 , 6 3を軸方向に貫通 する 2つの流路 6 2 1 , 6 2 2が形成されている (図 4 4参照) 。 したがっ て、 第 1針部 6 2から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 2 1 , 6 2 2を通じて 第 2針部 6 3から排出されるようになっている。

[01 10] 基部 6 1の外縁には、 第 1針部 6 2を挟んで対向する位置に一対の矩形状 の切り欠き 6 1 1が形成されている。 また、 基部 6 1の外縁には、 各切り欠 き 6 1 1 を結ぶように、 円弧状の一対の周壁部 6 4が形成されている。 各周 壁部 6 4は、 基部 6 1の外縁から上方に延びるように形成されて る。 なお 、 以下では、 説明の便宜のため、 両周壁部 6 4の間と切り欠き 6 1 1 によっ て形成された隙間を、 ガイ ド空間 6 1 2と称することとする。

[01 1 1 ] また、 各周壁部 6 4の外壁面は、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に当接してお り、 これによって、 針ユニッ ト 6は、 本体 4の内壁面にガイ ドされつつ、 軸 方向に移動可能なっている。 また、 後述するように、 周方向にも回転可能と なっている。 なお、 以下では、 説明の便宜のため、 基部 6 1の外縁において 上からの平面視で時計回りの方向を第 1方向、 反時計回りの方向を第 2方向 と称することとする。

[01 12] 各周壁部 6 4の周方向の中央付近には、 上下方向に延びる第 1ガイ ド溝 6

5が形成されている。 第 1ガイ ド溝 6 5は、 基部 6 1から上方にいくにした がって第 2方向に斜めに延びる傾斜部位 6 5 1 と、 この傾斜部位 6 5 1の上 〇 2020/175452 37 卩(:171? 2020 /007393

端から上方へ軸方向に真っ直ぐに延びる主 部位 6 5 2と、 で構成されている 。 主部位 6 5 2は、 周壁部 6 4の上端付近まで延びている。 また、 周壁部 6 4の内周面には、 傾斜部位 6 5 2に沿うように突出するガイ ド片 6 4 1が形 成されている。 各ガイ ド片 6 4 1は、 傾斜部位 6 5 1の第 2方向側に形成さ れている。 各第 1ガイ ド溝 6 5には、 後述する受容部材 5の第 1突部 5 5が 揷入されるようになっており、 第 1突部 5 5の外径と第 1ガイ ド溝 6 5の幅 が概ね同じになっている。

[01 13] また、 各第 1ガイ ド溝 6 5から第 1方向に約 4 5度ずれた位置には、 第 2 ガイ ド溝 6 6が形成されている。 各第 2ガイ ド溝 6 6は、 第 1ガイ ド溝 6 5 よりも幅が広く、 且つ第 1ガイ ド溝 6 5よりも軸方向の長さがやや短く形成 されている。 この第 2ガイ ド溝 6 6には、 上述した本体 4のロック具 4 5が 揷入されるようになっている。

[01 14] なお、 基部 6 1 において、 各ガイ ド溝 6 5 , 6 6の下端部と対応する位置 には、 各ガイ ド溝 6 5 , 6 6と連続する切り欠き 6 5 3 , 6 6 1が形成され ている。

[01 15] 続いて、 受容部材 5について、 図 4 9及び図 5 0を参照しつつ説明する。

図 4 9は受容部材を上から見た斜視図、 図 5 0は受容部材を下から見た斜視 図である。

[01 16] 図 4 9及び図 5 0に示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 を 備えており、 この基部 5 1の中央には円形の貫通孔 5 2が形成されている。 この貫通孔 5 2には、 第 1針部 6 2が進入するようになっている。 また、 基 部 5 1の上面には、 貫通孔 5 2を囲むように、 円筒状の固定部 5 3が設けら れており、 この固定部 5 3にバイアル瓶 1の頭部が固定される。 この固定部 5 3には軸方向に延びる 4つのスリッ ト 5 3 1が形成されており、 このスリ ッ ト 5 3 1 によって、 固定部 5 3は、 円弧状の 4つの固定片 5 3 2に分割さ れている。 これにより、 各固定片 5 3 2は径方向に揺動可能に弾性変形する ようになっている。 そして、 これら 4つの固定片 5 3 2のうち、 対向する 2 つの固定片 5 3 2の上端部に、 径方向内方を向く突部 5 3 3が形成されてい 〇 2020/175452 38 卩(:171? 2020 /007393

る。 この突部 5 3 3が抜け止めとなり、 固定部 5 3に押し込まれたバイアル 瓶 1の頭部を固定することができる。

[01 17] 基部 5 1の周縁には、 円筒状の周壁部 5 4が形成されている。 また、 周壁 部 5 4の外壁面の下端部には、 貫通孔 5 2を挟んで対向するように、 一対の 円柱状の第 1突部 5 5が形成されている。 各第 1突部 5 5は、 上述したよう に、 針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド溝 6 5に揷入される。 さらに、 周壁部 5 4の 外壁面の下端部には、 各第 1突部とは周方向に 9 0度ずれた位置に、 円柱状 の第 2突部 5 6が形成されている。 各第 2突部 5 6は、 針ユニッ ト 6の切り 欠き 6 1 1 と対応する位置、 つまりガイ ド空間 6 1 2に配置される。

[01 18] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。

[01 19] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て、 図 5 1〜図

5 3も参照しつつ説明する。 図 5 1は、 受容部材 5と針ユニッ ト 6とを組み 立てた斜視図、 図 5 2は、 本体 4と針ユニッ トとを組み立てた斜視図、 図 5 3は、 全ての部材を組み立てた斜視図である。 図 5 1 に示すように、 初期状 態では、 受容部材 5の各第 1突部 5 5が、 針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド溝 6 5 の上端付近に揷入されている。

[0120] また、 図 5 2に示すように、 本体 4のガイ ドレール 4 4は、 針ユニッ ト 6 のガイ ド空間 6 1 2に配置され、 図 5 3に示すように、 各ガイ ドレール 4 4 には受容部材 5の第 2突部 5 6が配置される。 また、 図 5 2に示すように、 各ガイ ドレール 4 4の両側と、 ガイ ド空間 6 1 2の両側の間には隙間が形成 されている。 したがって、 針ユニッ ト 6は、 この隙間の大きさだけ、 周方向 に回転可能となっている。 換言すると、 ガイ ド空間 5 1 2とガイ ドレール 4 4によって、 針ユニッ ト 6の周方向の回転範囲が規制されている。

[0121 ] 本体 4の各ロック具 4 5は、 針ユニッ ト 6の第 2ガイ ド溝 6 6から周方向 にややずれた位置で、 針ユニッ ト 6の基部 6 1の下面に接している。 したが って、 各ロック具 4 5によって針ユニッ ト 6は、 下方への移動がロックされ ているが、 初期状態から針ユニッ トが第 2方向に回転すると、 図 5 2に示す 〇 2020/175452 39 卩(:171? 2020 /007393

ように、 ロック具 4 5が第 2ガイ ド溝 6 6に進入可能となるため、 針ユニッ 卜 6は、 下方への移動が可能となる。

[0122] また、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 こ の突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 4の上縁等に係合することで、 針ユニッ ト 6が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位 置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に 形成してもよいし、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することも できる。 尚、 受容部材 5は、 第 1突起 5 5が針ユニッ ト 6の閉じられた第 1 ガイ ド溝 6 5に揷入されているので、 上方へ離脱することはない。

[0123] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。

[0124] < 2 . 混注容器の使用方法 >

次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 5 4〜図 5 7も参照しつつ説明する。 但し、 図 5 4〜図 5 7では、 説明の便宜のため 、 主たる構造以外の構造を破線で示し、 主たる構造が見やすくなるように表 示している。 まず、 図 5 4に示すように、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイアル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部材 5の固定部 5 3に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1の頭部が固 定部 5 3の間に固定される。

[0125] 次に、 バイアル瓶 1 を下方に向かって、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む 。 これにより、 バイアル瓶 1は、 受容部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 受 容部材 5とともに下方に移動する(第 1の位置 ®第 2の位置)。 このとき、 針 ユニッ ト 6は、 下方向の移動が規制されているため、 バイアル瓶 1が移動す ると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の第 1針部 6 2が受容部材 5の貫通孔 5 2に 進入し、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺される。 この過程において、 図 5 5に示すように、 受容部材 5の第 1突部 5 5は、 針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド 溝 6 5の主部位 6 5 2に沿って、 下方に移動する。 〇 2020/175452 40 卩(:171? 2020 /007393

[0126] そして、 受容部材 5がさらに下方に移動すると、 第 1突部 5 5は傾斜部位

6 5 1 に沿って下方に移動する。 このとき、 受容部材 5の第 2突部 5 6は、 本体 4のガイ ドレール 4 4に沿って下方に移動するため、 受容部材 5は周方 向には回転しないが、 第 1突部 5 5は傾斜部位 6 5 1 に沿って斜めに移動す るため、 図 5 6に示すように、 これに伴って、 針ユニッ ト 6は、 第 2方向に 回転する。 その結果、 第 2ガイ ド溝 6 6も第 2方向に回転し、 第 2ガイ ド溝 6 6の下方にロック具 4 5が位置する。 これによって、 ロック具 4 5と針ユ ニッ ト 6の基部 6 1 とのロックが解除され、 ロック具 4 5が第 2ガイ ド溝 6 6に進入可能となる。 すなわち、 針ユニッ ト 6は下方に移動可能となる。 こ の状態からバイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 受容部材 5の基部 5 1が、 針 ユニッ ト 6の基部 6 1 を押圧し、 針ユニッ ト 6は、 受容部材 5及びバイアル 瓶 1 とともに下方に移動する(第 3の位置 ®第 4の位置)。 なお、 このときに は、 第 1針部 6 3の大半はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺されている。

[0127] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 2 1 , 6 2 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 の流路 6 3 1 , 6 3 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。

[0128] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 5は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 図 5 6に示すように、 第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 受容部材 5の第 1突部 5 5が第 1ガイ ド溝 6 5に沿って上方に移動すると、 上述したのとは反対の第 1方向に針ユニッ 〇 2020/175452 41 卩(:171? 2020 /007393

卜 6が回転し、 ロック具 4 5によって、 針ユニッ ト 6の基部 6 1が再び支持 される。 したがって、 図 5 5に示すように、 針ユニッ ト 6は再び下方への移 動が規制される。 この状態からさらにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル 瓶 1は、 受容部材 5とともに上方に移動する。 そして、 図 5 4に示すように 、 初期状態まで受容部材 5が移動すると、 バイアル瓶 1 を受容部材 5から取 り外す。 この過程で、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き抜かれる。

[0129] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器

1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 される。

[0130] < 3 . 特徴 >

本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6はロックされているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針 部 6 2が穿刺されるようになっている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動 しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ 卜 6が回転することで、 本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は、 初 期位置から穿刺位置へ移動する。 これにより、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2の ゴム栓 2 3 2に穿刺される。 〇 2020/175452 42 卩(:171? 2020 /007393

[0131 ] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 3が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。

[0132] また、 第 1〜第 3実施形態のように、 板状のロック具を設けておらず、 主 として、 突部 5 5 , 5 6とガイ ド溝 6 5 , 6 6とによって針ユニッ ト 6の移 動を制御している。 そのため、 各部材 4〜 6の製造を容易に行うことができ る。

[0133] < £ . 第 5実施形態 >

次に、 本発明に係る混注容器の第 5実施形態について説明する。 但し、 第 5実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。

< 1 . 混注具の概要 >

図 5 8は、 混注具の初期状態を示す一部切り欠き斜視図 である。 図 5 8に 示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部に収容 される針ユニッ ト 6と、 を備えている。

[0134] まず、 本体について、 図 5 9及び図 6 0を参照しつつ説明する。 図 5 9は 本体を上方から見た斜視図、 図 6 0は本体の断面図である。 図 5 9及び図 6 0に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開口 の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3と 、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 この 貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延在 部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。 そして、 底 壁部 4 2には、 板状に形成された一対のロック具 (第 7ロック具) 4 4が設 けられている。 両ロック具 4 4は、 貫通孔 4 2 1 を挟んで向かい合うように 〇 2020/175452 43 卩(:171? 2020 /007393

配置され、 底壁部 4 2から上方に向かって延びている。 また、 各ロック具 4 4の上端部には、 後述するように針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ ト 6の下 方への移動を規制するようになっている。

[0135] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 6 1〜図 6 3を参照しつつ説明する。 図

6 1は針ユニッ トの斜視図、 図 6 2は図 6 1 とは異なる方向から見た針ユニ ッ トの斜視図、 図 6 3は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。

[0136] 図 6 1〜図 6 3に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 こ の基部 6 1の周縁から上方に延びる円筒状の周壁部 6 2と、 基部 6 1の上面 から突出する第 1針部 6 3と、 基部 6 1の下面から突出する第 2針部 6 4と 、 を備えている。 そして、 この針ユニッ ト 6の周壁部 6 2は、 上述した本体 4の筐体 4 1の内壁面に接しつつ、 本体 4内を上下方向に移動するようにな っている。 第 1針部 6 3及び第 2針部 6 4は、 先端が鋭利に形成され、 それ それ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺される ようになっている。 また、 両針部 6 3 , 6 4は、 基部 6 1の中央付近に形成 されており、 これら両針部 6 3 , 6 4を軸方向に貫通する 2つの流路 6 3 1 , 6 3 2が形成されている (図 6 6参照) 。 したがって、 第 1針部 6 3から 流入した被溶解薬剤は、 流路 6 3 1 , 6 3 2を通じて第 2針部 6 4から排出 されるようになっている。

[0137] また、 基部 6 1の上面には、 第 1針部 6 3を挟むように、 板状の一対の固 定部 6 5が設けられており、 この固定部 6 5にバイアル瓶 1の頭部が固定さ れる。 また、 各固定部 6 5の上端部には、 径方向内方を向く突部 6 5 1が形 成されている。 この突部 6 5 1が抜け止めとなり、 固定部 6 5に押し込まれ たバイアル瓶 1の頭部を固定することができる。

[0138] さらに、 基部 6 1の上面において、 固定部 6 5とは、 9 0度ずれた位置に は、 第 1針部 6 3を挟むように矩形状の貫通孔 6 6が形成されている。 各貫 通孔 6 6は周壁部 6 2に達するように径方向に延びており、 さらに各貫通孔 6 6の両側縁に沿って一対の支持壁 6 6 1が形成されている。 各支持壁 6 6 1は、 貫通孔 6 6の径方向へ周壁部付近まで延びているが、 各支持壁 6 6 1 〇 2020/175452 44 卩(:171? 2020 /007393

の径方向外方の端部と周壁部 6 2との間には隙間が形成されている。 そして 、 両支持壁 6 6 1の径方向外方の端部同士を連結するように 連結部 6 6 2 が形成されている。 この連結部 6 6 2の下端には、 下方に延びる一対の係止 部 (第 8ロック具) 6 7と、 両係止部 6 7の間から下方に延びるアーム部 6 8と、 が連結されている。 係止部 6 7は、 板状に形成されて下方に延びてい るが、 貫通孔 6 6までは達していない。 アーム部 6 8は、 連結部 6 6 2から 下方に延びる板状の第 1部位 6 8 1 と、 この第 1部位 6 8 1の下端部から径 方向内方に延びる板状の第 2部位 6 8 2とを備えており、 全体として側面視 1-字状に形成されている。 以下、 第 1部位 6 8 1 と第 2部位 6 8 2との連結 部分を角部と称することとする。

[0139] 第 1部位 6 8 1は、 係止部 6 7よりも下方に延びているが、 貫通孔 6 6ま では達しておらず、 第 2部位 6 8 2は、 貫通孔 6 6より上方で径方向に延び ている。 また、 第 1部位 6 8 2は、 やや径方向内方側へ傾斜するように延び ている。 さらに、 第 2部位 6 8 2の径方向内方の端部には、 上方に突出する 突部 6 8 3が形成されている。

[0140] 上記のように、 連結部 6 6 2は周壁部 6 2からは隙間を開けて配置されて いるため、 貫通孔 6 6は、 径方向外方に連結部 6 6 2を超えて、 周壁部 6 2 に達するまで延びている。 以下、 貫通孔 6 6において、 連結部 6 6 2と周壁 部 6 2との間の部分を、 端部領域 6 6 5と称することとするが、 後述するよ うに、 本体 4のロック具 4 4は、 この端部領域 6 6 5に揷入されるようにな っている。

[0141 ] なお、 本体 4、 及び針ユニッ ト 6は、 それぞれ、 樹脂材料などで一体的に 形成されている。

[0142] 次に、 上記 2つの部材の初期状態での組み立て構造につ て説明する。 図

5 8に示すように、 初期状態では、 本体 4のロック具 4 4上に、 針ユニッ ト 6の係止部 6 7が配置され、 これによって、 針ユニッ ト 6の下方への移動が ロックされている。 また、 アーム部 6 8の角部は、 ロック具 4 4の径方向内 方の面に接している。 〇 2020/175452 45 卩(:171? 2020 /007393

[0143] また、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 こ の突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上縁等に係合することで、 針ユニッ ト 6が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位 置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に 形成してもよいし、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することも できる。

[0144] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。

[0145] < 2 . 混注容器の使用方法 >

次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 6 4〜図 6 6も参照しつつ説明する。 まず、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイア ル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 ゴム栓 に針ユニッ ト 6の第 1針部 6 3を穿刺する。 すなわち、 バイアル瓶 1 を針ユ ニッ ト 6に向けて押圧する。 これにより、 図 6 4八及び図 6 4巳に示すよう に、 第 1針部 6 3がゴム栓に徐々に刺し込まれていき、 バイアル瓶 1の頭部 は、 固定部 6 5に嵌め込まれる。 この過程において、 針ユニッ ト 6の係止部 6 7は、 本体 4のロック具 4 4上に配置されているため、 針ユニッ ト 6の下 方への移動がロックされている。

[0146] そして、 図 6 5に示すように、 バイアル瓶 1の頭部がアーム部 6 8の突部

6 8 3を押圧すると、 アーム部 6 8は、 第 1部位 6 8 1の上端部を中心に径 方向外方に揺動する。 なお第 1部位 6 8 1の長さを変更すること、 第 1部位 6 8 1 と第 2部位 6 8 2の角度を変更すること、 突出部 6 8 3の高さを変更 することで、 第 1部位 6 8 1の径方向外方への揺動量を調整することが き る。 これにより、 アーム部 6 8の角部が、 ロック具 4 4を径方向外方に押し 遣り、 係止部 6 7とロック具 4 4との係合状態が解除される。 これにより、 針ユニッ ト 6は下方に移動可能となる。 この状態から、 バイアル瓶 1 をさら に押し込むと、 図 6 6に示すように、 針ユニッ ト 6は、 バイアル瓶 1 ととも 〇 2020/175452 46 卩(:171? 2020 /007393

に下方に移動する(第 1の位置 ®第 2の位置)。 これに伴い、 本体 4のロック 具 4 4は、 針ユニッ トの端部領域 6 6 5に入り込み、 針ユニッ ト 6の下方へ の移動をガイ ドする。

[0147] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 3 1 , 6 3 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 の流路 6 3 1 , 6 3 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。

[0148] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 〇〇とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過程において、 第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 初期 状態まで針ユニッ ト 6が移動すると、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3から取り 外す。 これにより、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き抜かれる。

[0149] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器

1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながつた輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 〇 2020/175452 47 卩(:171? 2020 /007393

される。

[0150] < 3 . 特徴 >

本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針部 6 3に穿刺するようにバイア ル瓶 1 を押し込んでいる間には、 針ユニッ ト 6は本体 4にロックされている 。 そのため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 バイアル瓶 1がアーム部 6 8を押圧した後は、 針ユ ニッ ト 6と本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は、 初期位置から穿 刺位置へ移動するため、 その間に第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2 に穿刺される。

[0151 ] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 4が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1が針ユニッ ト 6のアーム部 6 8 を押圧できればよいため、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイ アル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。

[0152] また、 第 5実施形態では、 混注具 3を構成する部材が、 本体 4と針ユニッ 卜 6の 2点であるため、 第 1〜第 4実施形態と比べ部品点数が少なく、 コス 卜を低減することができる。

[0153] なお、 アーム部 6 8及びロック具 4 4の構成は、 特には限定されず、 例え ば、 次のように構成することができる。 図 6 7に示すように、 アーム部 6 8 の角部に、 径方向外方に突出する突部 6 8 5を形成し、 この突部 6 8 5に凸 状の曲面を形成する。 一方、 ロック具 4 4の上端に切り欠き 4 4 1 を形成し 、 この切り欠き 4 4 1 に突部 6 8 5の曲面と係合する凹状の曲面を形成する 。 アーム具 6 8の突部 6 8 5は、 例えば、 図 6 8八に示すように、 径方向外 方の斜め下方に突出するような形状であって もよいし、 図 6 9八に示すよう 〇 2020/175452 48 卩(:171? 2020 /007393

に、 下方に突出するような形状であってもよく、 ロック具 4 4の曲面と接す ればよい。 このように、 切り欠き 4 4 1の内部に突部 6 8 5を係合させるこ とで、 初期状態において、 アーム具 6 8はロック具 4 4に強固にロックされ る。 また、 曲面同士が接しているため、 図 6 8巳及び図 6 9巳に示すように 、 アーム部 6 8が揺動した場合には、 アーム部 6 8の力をロック具 4 4に伝 達しやすい。 さらに、 図 6 8〇及び図 6 9〇に示すように、 針ユニッ ト 6が 下方に移動したときには、 アーム部 6 8とロック具 4 4とが引っ掛かりにく く、 アーム部 6 8をロック具 4 4からスムーズに離脱させることができる。 また、 これらアーム部 6 8とロック具 4 4によるロック機構は、 前述した係 止部 6 7とロック具 4 4によるロック機構と併用することができる

[0154] < . 第 6実施形態>

次に、 本発明に係る混注容器の第 6実施形態について説明する。 但し、 第 6実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。

[0155] <1 . 混注具の概要>

図 7 0は、 混注具の初期状態を示す一部切り欠き斜視図 である。 図 7 0に 示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端 部 (第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2 端部) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。

[0156] まず、 本体 4について、 図 7 1及び図 7 2を参照しつつ説明する。 図 7 1 は本体を上方から見た斜視図、 図 7 2は本体の断面図である。 図 7 1及び図 7 2に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 を備えている。 この底壁部 4 2には円形の貫 通孔 4 3が形成されており、 この貫通孔 4 3に上述した薬剤容器 2の薬剤流 入部 2 3が収容される。 そして、 貫通孔 4 3の周縁には、 一対の下側ロック 具 (第 1 ロック具) 4 4が設けられている。 両下側ロック具 4 4は、 貫通孔 4 3を挟んで向かい合うように配置されている 各下側ロック具 4 4は、 上 方に向かって延びる湾曲した板状に形成され ており、 上端部が径方向内方に 〇 2020/175452 49 卩(:171? 2020 /007393

向かってやや傾斜するように延びている。

[0157] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 7 3〜図 7 5を参照しつつ説明する。 図

7 3は針ユニッ トの斜視図、 図 7 4は図 7 3とは異なる方向から見た針ユニ ッ トの斜視図、 図 7 5は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。 図 7 3〜 図 7 5に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 この基部 6 1 の周縁から上方に延びる円筒状の周壁部 6 2と、 を備えている。 また、 基部 6 1の中央には円柱状の隆起部 6 1 1が隆起しており、 この隆起部 6 1の上 面からは第 1針部 6 3が上方に突出し、 隆起部の下面からは第 2針部 6 4が 下方に突出している。 一方、 基部 6 1の下面側には隆起部 6 1 1 と対応する ように凹部 6 1 2が形成されており、 この凹部 6 1 2に薬剤容器 2の薬剤流 入部 2 3が収容されるようになっている。

[0158] そして、 この針ユニッ ト 6の周壁部 6 2は、 上述した本体 4の内壁面に接 しつつ、 本体 4内を上下方向に移動するようになっている 第 1針部 6 3及 び第 2針部 6 4は、 先端が鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム 栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また、 両針部 6 3 , 6 4は、 隆起部 6 1 1の中央付近に形成されており、 これら両 針部 6 3 , 6 4を軸方向に貫通する 2つの流路(図示省略)が形成されている 。 したがって、 第 1針部 6 3から流入した被溶解薬剤は、 流路を通じて第 2 針部 6 4から排出されるようになっている。

[0159] また、 基部 6 1の縁部から周壁部 6 2に亘っては、 針部 6 3 , 6 4を挟ん で対向するように一対の切り欠き部 6 5が形成されている。 各切り欠き部 6 5は、 基部 6 1の縁部において略矩形状に形成された第 1部位 6 5 1 と、 こ の第 1部位 6 5 1から上方へ向かって周壁部 6 2に形成された第 2部位 6 5 2と、 を備えている。 各切り欠き部 6 5には、 後述するように、 針ユニッ ト 6が初期位置から穿刺位置に移動する際に、 本体 4の下側ロック具 4 4が進 入するようになっている。 また、 各切り欠き部 6 5を挟むように周壁部 6 2 の内壁面には、 一対のガイ ド片 6 6が設けられている。 各ガイ ド片 6 6は、 切り欠き部 6 5の第 2部位の両側から径方向内方に延びる第 1部位 6 6 1 と 〇 2020/175452 50 卩(:171? 2020 /007393

、 第 1部位 6 6 1の先端から周方向に延びる第 2部位 (第 2ロック具) 6 6 2とを備えている。 両ガイ ド片 6 6の第 2部位 6 6 2は互いに近接している が、 両第 2部位 6 6 2の間には隙間が形成されている。 この隙間に後述する ように、 受容部材 5の突部 5 8が進入するようになっている。

[0160] また、 基部 6 1の縁部には、 各ガイ ド片 6 6から周方向に 9 0度ずれた位 置に上側ロック具 (第 9ロック具) 6 7がそれぞれ形成されている。 各上側 ロック具 6 7は、 基部 6 1から上方に延びる板状に形成されており、 その上 端部が径方向内方へやや傾斜するように延び ている。

[0161 ] 次に、 受容部材 5について、 図 7 6及び図 7 7を参照しつつ説明する。 図

7 6は受容部材の斜視図、 図 7 7は図 7 6とは異なる方向から見た針ュニッ 卜の斜視図である。

[0162] 図 7 6〜図 7 7に示すように、 受容部材 5は、 中央に貫通孔 5 1 1が形成 された円板状の基部 5 1 と、 この基部 5 1の周縁から上方に延びる円筒状の 周壁部 5 2と、 を備えている。 そして、 この受容部材 5の周壁部 5 2は、 上 述した針ュニッ トの 6周壁部 6 2の内壁面に接しつつ、 本体 4内を上下方向 に移動するようになっている。

[0163] また、 基部 5 1の上面には、 貫通孔 5 1 1 を挟むように、 板状の一対の第

1固定部 5 3が設けられており、 この第 1固定部 5 3に大径のバイアル瓶 1 の頭部が固定される。 また、 各第 1固定部 5 3の上端部には、 径方向内方を 向く突部 5 3 1が形成されている。 この突部 5 3 1が抜け止めとなり、 第 1 固定部 5 3に押し込まれたバイアル瓶 1の頭部を固定することができる。 ま た、 基部 5 1の縁部には、 第 1固定部 5 3と対応する位置に、 径方向外方に 突出する突部 5 8が形成されている。

[0164] また、 各第 1固定部 5 3と周方向に隣接する位置には、 それぞれ、 第 2固 定部 5 4が形成されている。 両第 2固定部 5 4は、 貫通孔 5 1 1 を挟んで対 向するように配置されている。 より詳細に説明すると、 各第 2固定部 5 4は 、 基部 5 1から上方に延びる第 1部位 5 4 1 と、 この第 1部位 5 4 1の上端 から貫通孔 5 1 1 に向かうように斜め下方に延びる第 2部位 5 4 2とを、 有 〇 2020/175452 51 卩(:171? 2020 /007393

し、 全体として V字状に形成されている。 第 2部位 5 4は、 第 1固定部 5 3 の突部 5 3 1 よりも径方向内方に延びており、 これによって、 第 2固定部 5 4は、 第 1固定部 5 3では保持できないような、 小径のバイアル瓶 1の頭部 を固定することができる。 また、 第 1部位 5 4 1 と第 2部位 5 4 2との連結 部分は円弧状に形成されており、 これによって第 2部位 5 4 2は、 第 1部位 5 4 1 に対して両部位 5 4 1 , 5 4 2の角度が小さくなるように弾性変形可 能となっている。 後述するように、 この形状によって種々のサイズのバイア ル瓶 1 を固定することができる。 また、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3に対し て真っ直ぐに挿入するためのガイ ドとしての役割も果たす。

[0165] さらに、 基部 5 1の上面において、 第 1固定部 5 3とは、 9 0度ずれた位 置には、 基部 5 1から周壁部 5 2に亙って延びる切り欠き部 5 5がそれぞれ 形成されている。 各切り欠き部 5 5は、 基部 5 1の周縁に矩形状に形成され た第 1部位 5 5 1 と、 この第 1部位 5 5 1から上方へ向かって周壁部 5 2に 形成された第 2部位 5 5 2とを有し、 全体として!-字状に形成されている。 そして、 各切り欠き 5 5部には、 !_字状のアーム部 5 6が設けられている。 各アーム部 5 6は、 切り欠き部 5 5の第 2部位 5 5 2の上端から下方に延び る第 1部位 5 6 1 と、 この第 1部位 5 6 1の下端から、 水平方向へ切り欠き 部 5 5の第 1部位 5 5 1内で延びる第 2部位 5 6 2と、 を備えている。 また 、 第 1部位 5 6 1の下端には下方に延びる第 3部位 5 6 3が形成されており 、 第 3部位 5 6 3の下端には径方向外方へ延びる第 1突部 5 6 4が形成され ている。 さらに、 第 2部位 5 6 2の先端には上方に突出する第 2突部 5 6 5 が形成されている。

[0166] 周壁部 5 2の外面において、 切り欠き部 5 5の第 2部位 5 5 2の両側には 、 突部 5 7 (第 1 0ロック具) が形成されており、 この突部 5 7に、 針ユニ ッ ト 6の上側ロック具 6 7の上端が係合するようになっている。

[0167] なお、 本体 4、 受容部材 5、 及び針ユニッ ト 6は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。

[0168] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て、 図 7 8〜図 〇 2020/175452 52 卩(:171? 2020 /007393

8 0を参照しつつ説明する。 図 7 8は受容部材 5と針ユニッ ト 6の組み立て 構造を示す斜視図、 図 7 9は混注具の断面図、 図 8 0は図 7 9とは軸周りに 9 0度交差する断面図である。 図 7 8〜図 8 0に示すように、 初期状態では 、 針ユニッ ト 6の上側ロック具 6 7 (第 9ロック具) の上端が、 受容部材 5 の突部 5 7 (第 1 0ロック具) に接しており、 これによって受容部材 5が針 ユニッ ト 6に支持され、 受容部材 5が針ユニッ ト 6に対して下方に移動する のがロックされている。 このとき、 アーム部 5 6の第 1突部 5 6 4が上側口 ック具 6 7に、 径方向内方から当接している。

[0169] また、 図 8 0に示すように、 本体 4の下側ロック具 4 4 (第 1 ロック具) の上端が、 針ユニッ ト 6のガイ ド片 6 6の第 2部位 6 6 2 (第 2ロック具) に接しており、 これによって針ユニッ ト 6が本体 4に支持され、 針ユニッ ト 6が受容部材 5に対して下方に移動するのがロックされて る。

[0170] また、 図示を省略するが、 針ユニッ トの 6の周壁部 6 2の内壁面に突部を 形成し、 この突部が受容部材 5の周壁部 5 2のいずれかに係合することで、 受容部材 5が針ユニッ ト 6から上方へ離脱しないようにすることがで る。 また、 図示を省略するが、 本体 4の周壁部 4 1の内壁面に突起を形成し、 こ の突起が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上端と係合することで、 針ユニッ ト 6 が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位置 、 数は特には限定されない。

[0171 ] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。

[0172] < 2 . 混注容器の使用方法 >

次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 8 1〜図 8 5も参照しつつ説明する。 まず、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイア ル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部 材 5の第 1固定部 5 3に対してバイアル瓶 1の頭部を嵌め込む。 すなわち、 バイアル瓶 1 を受容部材 5に向けて押圧する。 これにより、 図 8 1 に示すよ 〇 2020/175452 53 卩(:171? 2020 /007393

うに、 バイアル瓶 1の頭部は、 第 1固定部 5 3に嵌め込まれる。 この過程に おいて、 バイアル瓶 1の頭部がアーム部 5 6の第 2突部 5 6 5を押圧し、 こ れによって、 アーム部 5 6が径方向外方へ揺動する。 これに伴い、 アーム部 5 6の第 1突部 5 6 4が上側ロック具 6 7の上端を径方向外方に押し遣る。 その結果、 上側ロック具 6 7と受容部材 5の突部 5 7との係合状態が解除さ れ、 受容部材 5は、 針ユニッ ト 6に対して下方に移動可能となる。

[0173] この状態から、 バイアル瓶 1 を下方に押し込むと、 バイアル瓶 1 と受容部 材 5とが一体となって、 下方に移動する (第 1の位置 ®第 2の位置) 。 図 8 2に示すように、 この過程において、 バイアル瓶 1のゴム栓に、 第 1針部 6 3が刺し込まれていく。 こうして、 図 8 3に示すように、 受容部材 5がバイ アル瓶 1 とともに下方に移動し、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の 隆起部 6 1 1 に近接すると、 受容部材 5の突部 5 8が、 針ユニッ ト 6のガイ ド片 6 6の間に進入し、 本体 4の下側ロック具 4 4に当接する。 この状態か らバイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 図 8 4に示すように、 突部 5 8が下側 ロック具 4 4を径方向外方に押し遣る。 その結果、 下側ロック具 4 4と針ユ ニッ ト 6のガイ ド片 6 6の第 2部位 6 6 2との係合状態が解除され、 針ユニ ッ ト 6は本体 4に対して下方に移動可能となる。 これに伴い、 下側ロック具 4 4は、 針ユニッ ト 6の切り欠き部 6 5の第 2部位 6 5 2に進入していく。

[0174] そして、 バイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 バイアル瓶 1、 受容部材 5、 及び針ユニッ ト 6が一体となって、 下方に移動する。 これにより、 図 8 5に 示すように、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に差 し込まれる。 そして、 図 8 6に示すように、 薬剤流入部 2 3が針ユニッ ト 6 の凹部 6 1 2に入り込んでいき、 第 2針部 6 4がゴム栓 2 3 2を貫通する。 その結果、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル瓶 1 と薬剤容器 2が連通するた め、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ ト 6の流路を介して薬剤容器 2 に流れ込む。 このとき、 一方の流路は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気 の通路になるため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。

[0175] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 〇〇とを一体化させた状態で、 上下の 〇 2020/175452 54 卩(:171? 2020 /007393

反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過程において、 第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 初期 状態まで針ユニッ ト 6が移動すると、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3から取り 外す。 これにより、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き抜かれる。

[0176] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器

1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 される。

[0177] < 3 . 特徴 >

本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6は下側ロック具 4 4によってロックされているため、 この間に、 バイアル 瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針部 6 2が穿刺されるようになっている。 また、 こ の間に針ユニッ ト 6は移動しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は薬剤 容器 2のゴム栓 2 3 2には穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置ま で移動した後は、 本体 4と針ユニッ ト 6とのロックが解除され、 針ユニッ ト 〇 2020/175452 55 卩(:171? 2020 /007393

6は、 初期位置から穿刺位置へ移動する。 これにより、 第 2針部 6 3が薬剤 容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺される。

[0178] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 3が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。

[0179] さらに、 本実施形態においては、 受容部材 5が針ユニッ ト 6に支持されて おり、 バイアル瓶 1の頭部が受容部材 5の基部 5 1付近まで嵌め込まれ、 ア —ム部 5 6の第 2突部 5 6 5を下方に押し込まなければ、 受容部材 5と針ユ ニッ ト 6とのロック状態が解除されないようになっ いる。 したがって、 バ イアル瓶 1が第 1固定部 5 3に固定される前に、 受容部材 5が針ユニッ ト 6 に対して下方に移動するのを防止することが できる。 なお、 このような受容 部材 5と針ユニッ ト 6とのロック機構は、 第 1〜第 4実施形態の保持部 4 7 のような突出部により受容部材 5の初期位置を保持し、 下方への移動を規制 する機構に代えて、 適用することができる。

[0180] また、 本実施形態では、 受容部材 5に第 2固定部 5 4が設けられているた め、 例えば、 図 8 7に示すように、 バイアル瓶 1の頭部が小さい場合には、 第 1固定部 5 3によって固定できない。 これに対して、 第 2固定部 5 4は、 第 1固定部 5 3よりも貫通孔 5 1 1側に延びているため、 頭部の小さいバイ アル瓶 1であっても、 第 2固定部 5 4の第 2部位 5 4 2によって保持するこ とができる。 なお、 大きい頭部のバイアル瓶 1が受容部材 5に取り付けられ るときには、 第 2固定部 5 4の第 2部位 5 4 2は、 バイアル瓶 1の頭部によ って径方向外方に押しやられ、 第 1固定部 5 3に頭部に固定される。 このよ うな第 2固定部についても、 第 1〜第 5実施形態にも適用することができる 〇 2020/175452 56 卩(:171? 2020 /007393

[0181 ] < 0 . 変形例 >

以上、 本発明の一実施形態について説明したが、 本発明は上記実施形態に 限定されるものではなく、 その趣旨を逸脱しない限りにおいて、 種々の変更 が可能である。 例えば、 以下の変更が可能であるが、 以下の変形例は、 適宜 組み合わせることができる。

[0182] < 1 >

第 1実施形態に係る受容部材 5を、 図 8 8のように変形することができる 。 同図に示すように、 この例では、 受容部材 5の基部 5 1の貫通孔 5 3の縁 部から下方に延びる円筒状の延在部 5 8 1 を形成し、 この延在部 5 8 1の下 端に環状の支持部 5 8 2を形成する。 支持部 5 8 2には、 第 1針部 6 2が揷 通される貫通孔 5 8 3が形成されている。

[0183] このように構成することで、 受容部材 5の基部には、 少なくとも 2種類の 大きさのバイアル瓶 1の頭部を支持することができる。 一つは、 第 1実施形 態で示したとおり、 固定部 5 6に挟まれる大きさの頭部を有するバイアル 1 八である。 これに加え、 延在部 5 8 1及び支持部 5 8 2に収容される大き さの頭部を有するバイアル瓶 1 巳も支持することができる。 これにより、 固 定部 5 6に挟めないような小型のバイアル瓶 1 巳であっても、 第 1針部 6 2 に対する位置決めを容易に行うことができ、 バイアル瓶 1 巳のゴム栓に、 確 実に第 1針部 6 2を穿刺することができる。 すなわち、 サイズの異なるバイ アル瓶 1 八, 1 巳を固定することができ、 何れのサイズであっても、 第 1針 部 6 2に確実に穿刺することができる。

[0184] なお、 このような延在部 5 8 1及び支持部 5 8 2は、 第 2〜第 4実施形態 の受容部材 5の基部 5 1 に形成することができる。

[0185] < 2 >

上記第 1実施形態では、 本体 4に設けられたロック具 4 5と針ユニッ ト 6 とをロックし、 受容部材 5に設けられた押圧部 5 7によって、 ロック具 4 5 に力を及ぼすことでロック状態を解除してい るが、 他の構成も可能である。 すなわち、 バイアル瓶 1の押し込みによる受容部材 5の移動に伴い、 受容部 〇 2020/175452 57 卩(:171? 2020 /007393

材 5が本体 4のロック具 4 5に対して力を及すことができるのであれば そ の構成は特には限定されない。 この点は、 第 2実施形態でも同様であり、 種 々の変更が可能である。

[0186] < 3 >

上記第 3実施形態では、 針ユニッ ト 6に設けられたロック具 6 4と本体 4 とをロックし、 受容部材 5に設けられた突面 5 5 1 によって、 ロック具 6 4 に力を及ぼすことでロック状態を解除してい るが、 他の構成も可能である。 すなわち、 バイアル瓶 1の押し込みによる受容部材 5の移動に伴い、 受容部 材 5がロック具 6 4に対して力を及すことができるのであれば その構成は 特には限定されない。

[0187] < 4 >

上記第 4実施形態では、 本体 4に設けられたロック具 4 5と針ユニッ ト 6 とをロックし、 受容部材 5の第 1突部 5 5と針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド溝 6 5とによって針ユニッ ト 6を回転させることで、 ロック状態を解除している が、 その他の構成も可能である。 すなわち、 バイアル瓶 1の押し込みによる 受容部材 5の移動に伴い、 針ユニッ ト 6を回転させることができれば、 その 構成は特には限定されない。

[0188] < 5 >

以上の第 1〜第 4実施形態に限られず、 針ユニッ ト 6のロック状態を、 バ イアル瓶 1の押し込みによる受容部材 5の移動によって解除できるのであれ ば、 その構成は特には限定されない。

[0189] < 6 >

上記第 5実施形態では、 本体 4に設けられたロック具 4 4と針ユニッ ト 6 とをロックしている。 そして、 バイアル瓶 1の頭部の先端面で、 針ユニッ ト 6に設けられたアーム部 6 8を押圧することで、 アーム部 6 8を揺動し、 ア —ム部 6 8がロック具 4 4を押圧することでロック状態を解除してい が、 その他の構成も可能である。 すなわち、 アーム部 6 8以外でも、 バイアル瓶 1の針ユニッ トへの押し込みによって、 針ユニッ ト 6がロック具 4 4に力を 〇 2020/175452 58 卩(:171? 2020 /007393

及ぼしてロック状態を解除できるのであれ ば、 その構成は特には限定されな い。 さらには、 針ユニッ ト 6のロック状態を、 バイアル瓶 1の押し込みによ って解除できるのであれば、 その構成は特には限定されない。

[0190] < 6 >

各混注具の形状は一例であり、 円形以外の形状であってもよく、 適宜変更 することができる。

[0191 ] < 7 >

薬剤容器 2の形状は特には限定されない。 また、 排出部 2 6は必ずしも設 けなくてもよい。 また、 薬剤容器 2には、 輸液以外の薬剤を収容することも でき、 薬剤の種類は特には限定されない。

[0192] < 8 >

上記各実施形態では、 本発明の被溶解薬剤容器としてバイアル瓶 1の説明 を行ったが、 バイアル瓶以外の、 例えば被溶解薬剤を収容した樹脂製の容器 なども被溶解薬剤容器として利用することが できる。

[0193] < 9 >

本発明に係る混注容器 1 〇〇は、 上記実施形態で説明した態様以外でも用 いることができ、 種々の薬剤容器に取り付けることができる。

[0194] < 1 0 >

本発明の混注具を構成する各部品は、 金属、 プラスチック等の種々の材料 によって製造することができ、 特には限定されない。 例えば、 医療用器具に 汎用されているポリエチレンやポリプロピレ ン等の熱可塑性樹脂を用い、 射 出成形等の公知の方法により製造するのが好 ましい。 特に、 特許第 3 0 0 5 1 4 5号公報に記載のポリプロピレンを好適に用 ることができる。

[0195] < 1 1 >

上記各実施形態では、 一対の固定部によりバイアル瓶を受容部材に 固定し ているが、 バイアル瓶を固定部に誘導しやすくするため に、 ガイ ド部材を設 けることができる。 図 8 9にその例を示す。 図 8 9は、 第 5実施形態に基づ く変形例であるが、 他の実施形態にも適用することができる。 〇 2020/175452 59 卩(:171? 2020 /007393

[0196] 図 8 9に示す例では、 受容部材 5の支持壁と 6 6 1 と固定部 6 5との間の 4力所に板状のガイ ド部材 6 6 9を設けている。 すなわち、 4つのガイ ド部 材 6 6 9は、 第 1針部 6 3を中心とする円周上に所定間隔をおいて配 され 、 且つこの円周上におけるガイ ド部材 6 6 9の間に固定部 6 5が配置されて いる。 また、 各ガイ ド部材 6 6 9は、 第 1針部 6 3と平行に、 固定部 6 5よ りも上方に延びている。

[0197] 以上のように、 4つのガイ ド部材 6 6 9は、 第 1針部 6 3と平行に、 これ を囲むように設けられているため、 バイアル瓶 1 を 4つのガイ ド部材 6 6 9 で囲まれた領域に揷入して下方に押し込むと 、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3 の軸方向に沿って真っ直ぐに移動させること ができる。 したがって、 バイア ル瓶 1が傾きながら、 針部材 6 3に刺し込まれたり、 あるいは固定部 6 5に 傾いた状態で固定されるのを防止することが できる。 また、 ガイ ド部材 6 6 9は固定部 6 5よりも上方に延びているため、 第 1針部 6 3の位置を視認し やすくなる。 その結果、 利用者が第 1針部 6 3に向けてバイアル瓶 1 を誘導 しやすくなり、 バイアル瓶 1 を固定部 6 5に容易に固定することができる。

[0198] なお、 図 8 9の例では、 ガイ ド部材 6 6 9と固定具 6 5との間に隙間が形 成されているが、 例えば、 ガイ ド部材 6 6 9または固定具 6 5の少なくとも 一方を周方向に延長し、 ガイ ド部材 6 6 9と固定具 6 5とを一体化すること もできる。

[0199] < 1 2 >

使用時の破損を防止するため、 上述した各部材を補強することができる。 例えば、 規制具 4 4、 アーム部 5 6等の揺動する部分の肉厚を大きくするな ど、 適宜変更することができる。

符号の説明

[0200] 1 バイアル瓶

2 薬剤容器

3 混注具

4 本体 \¥0 2020/175452 60 卩(:17 2020 /007393

5 受容部材

6 針ユニッ ト