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JPH021277A | 1990-01-05 | |||
JPH11379A | 1999-01-06 | |||
JPS5478397U | 1979-06-04 |
\¥0 2020/175452 61 卩(:17 2020 /007393 請求の範囲 [請求項 1 ] 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解薬剤を収容する第 2薬剤 容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であって、 軸方向の第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記 第 2薬剤容器の薬剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部の第 1端部側に配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤 排出部を受け入れるように構成され、 前記本体の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移動可能な受容部材と、 前記本体の内部において、 前記受容部材よりも、 前記第 2端部側に 配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺可能な第 1針部、 及 び当該第 1針部に連通し前記第 2薬剤容器の薬剤流入部に穿刺可能な 第 2針部を有し、 前記本体の内部の少なくとも第 3の位置と第 4の位 置との間を前記軸方向に移動可能な針ユニッ トと、 を備え、 前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において前記本体にロックされ るように構成され、 前記受容部材は、 前記第 1の位置において前記第 1薬剤容器を受け 入れ、 当該第 1薬剤容器とともに前記第 2の位置に移動したとき、 前 記針ユニッ トの前記ロックを解除するように構成され、 前記第 1薬剤容器が前記受容部材とともに、 前記第 1の位置から前 記第 2の位置に移動する間に、 前記第 1針部が前記第 1薬剤容器に穿 刺されるように構成され、 前記針ユニッ トが、 前記第 3の位置から前記第 4の位置に移動する 間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器に穿刺されるように構成され ている、 混注具。 [請求項 2] 前記本体は、 第 1 ロック具を有し、 前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 1 ロック具に 〇 2020/175452 62 卩(:171? 2020 /007393 着脱自在にロックされる第 2ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 当該受容部材が前 記第 1 ロック具を押圧することで前記 1及び第 2ロック具のロックを 解除するように構成されている、 請求項 1 に記載の混注具。 [請求項 3] 前記針ユニッ トは、 前記第 1針部及び前記第 2針部の基端部が固定 される基部を有し、 前記第 1 ロック具は、 前記軸方向に延び、 前記基部の周縁に設けら れた前記第 2ロック具に、 径方向外方から係合するように構成され、 前記受容部材は、 押圧部を備えており、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 前記押圧部は、 前 記第 1 ロック具を押圧し、 径方向外方に押し遣るように構成され、 前記針ユニッ トの前記第 2ロック具は、 前記第 1 ロック具にガイ ド されながら、 前記軸方向に移動するように構成されている、 請求項 2 に記載の混注具。 [請求項 4] 前記本体は、 第 3ロック具を有し、 前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 3ロック具に 着脱自在にロックされる第 4ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 当該受容部材が前 記第 4ロック具を押圧することで前記 3及び第 4ロック具のロックを 解除するように構成されている、 請求項 1 に記載の混注具。 [請求項 5] 前記第 3ロック具は、 前記本体の内壁面に形成され、 前記第 4ロック具は、 前記第 3ロック具に対し、 径方向内方から口 ックされ、 前記受容部材は、 前記第 2の位置において、 前記第 4ロック具を径 方向内方に押圧する押圧部を有している、 請求項 4に記載の混注具。 [請求項 6] 前記本体は、 第 5ロック具を有し、 前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 5ロック具に 着脱自在にロックされる第 6ロック具を有し、 〇 2020/175452 63 卩(:171? 2020 /007393 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 前記針ユニッ トを 前記本体の軸周りに回転させるように構成され、 前記針ユニッ トが回転したとき、 前記第 5及び第 6ロック具のロッ クが解除されるように構成されている、 請求項 1 に記載の混注具。 [請求項 7] 前記受容部材は、 径方向外方に突出する突部を有し、 前記針ユニッ トは、 前記突部の移動をガイ ドするガイ ド溝を有し、 前記ガイ ド溝は、 前記第 1端部側に配置され前記軸方向に延びる第 1溝部と、 前記第 1溝部の前記第 2端部側に連結され、 周方向に曲が る部位を有する第 2溝部と、 を備えており、 前記受容部材が前記軸方向に移動するとき、 前記突部が前記第 1溝 部から第 2溝部に移行することによって、 前記針ユニッ トが前記軸周 りに回転するように構成されている、 請求項 6に記載の混注具。 [請求項 8] 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解薬剤を収容する第 2薬剤 容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であって、 軸方向の第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記 第 2薬剤容器の薬剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部に配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺 可能な第 1針部、 及び当該第 1針部に連通し前記第 2薬剤容器の薬剤 流入部に穿刺可能な第 2針部を有し、 前記本体の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移動可能な針ユニッ トと を備え、 前記針ュニッ トは、 前記第 1の位置において前記本体にロックされ るように構成され、 前記針ユニッ トの第 1針部が、 前記第 1薬剤容器に所定位置まで穿 刺されたとき、 前記針ュニッ トの前記ロックを解除するように構成さ 〇 2020/175452 64 卩(:171? 2020 /007393 れ、 前記針ユニッ トが、 前記第 1薬剤容器とともに、 前記第 1の位置か ら前記第 2の位置に移動する間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器 に穿刺されるように構成されている、 混注具。 [請求項 9] 前記本体は、 第 7ロック具を有し、 前記針ユニッ トは、 前記第 1の位置において、 前記第 7ロック具に 着脱自在にロックされる第 8ロック具と、 前記第 1薬剤容器によって 押圧可能なアーム部と、 を有し、 前記第 1薬剤容器が、 前記第 1針部に穿刺されるとともに、 当該第 1薬剤容器の頭部が前記アーム部を押圧したとき、 前記アーム部の変 位により前記第 7及び第 8ロック具のロックが解除されるように構成 されている、 請求項 8に記載の混注具。 [請求項 10] 前記アーム部は、 前記薬剤容器の押圧によって、 径方向外方に変位 するように構成され、 前記アーム部が、 径方向外方に変位したときに、 前記第 7ロック具 を径方向外方に押圧することで、 前記第 7及び第 8ロック具のロック が解除されるように構成されている、 請求項 9に記載の混注具。 [請求項 1 1 ] 前記第 7ロック具が径方向外方に押圧された後、 前記第 8ロック具 が前記第 7ロック具にガイ ドされながら、 前記針ユニッ トが前記軸方 向に移動するように構成されている、 請求項 1 〇に記載の混注具。 [請求項 12] 前記針ユニッ トは、 第 9ロック具を有し、 前記受容部材は、 前記第 1の位置において、 前記第 9ロック具に着 脱自在にロックされる第 1 0ロック具と、 前記第 1薬剤容器を固定す る固定具と、 前記第 1薬剤容器によって押圧可能なアーム部と、 を備 え、 前記第 1薬剤容器が、 前記固定具に固定されたときに、 当該第 1薬 剤容器の頭部が前記アーム部を押圧するように構成され、 前記アーム部の変位により前記第 9及び第 1 0ロック具のロックが 〇 2020/175452 65 卩(:171? 2020 /007393 解除され、 前記受容部材が前記針ユニッ トに向かって移動可能となる ように構成されている、 請求項 1から 7のいずれかに記載の混注具。 [請求項 13] 前記受容部材は、 サイズの異なる少なくとも 2種類の前記第 1薬剤 容器の薬剤排出部が当接する当接面を有し、 前記当接面には、 サイズの小さい前記第 1薬剤容器の薬剤排出部を 配置可能な凹部が形成されている、 請求項 1から 7のいずれかに記載 の混注具。 [請求項 14] 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器を取り付け可能で、 当該被溶解 薬剤を流入させる混注容器であって、 溶解液が収容され、 開口部を有する第 2薬剤容器と、 前記第 2薬剤容器の開口部に取り付けられる、 請求項 1から 1 3の いずれかに記載の混注具と、 を備えている、 混注容器。 [請求項 15] 前記第 2薬剤容器は、 前記被溶解薬剤と溶解液とを混合した混合液 を排出可能な排出部を備えている、 請求項 1 4に記載の混注容器。 |
発明の名称 : 混注具、 及びこれを備えた混注容器
技術分野
[0001 ] 本発明は、 ゴム栓により塞がれた開口を有する被溶解薬 剤容器を取り付け 可能で、 当該被溶解薬剤容器に収容された第 1薬剤を溶解薬剤が収容された 別容器に供給させる混注具、 及びこれを備えた混注容器に関する。
背景技術
[0002] 特許文献 1 には、 バイアル瓶のような薬剤容器内に封入された 抗生剤など の薬剤を点滴投与するときの薬剤混合手段を 具備する両頭針付き薬剤容器が 開示されている。 このような薬剤容器は、 従来から様々なものが検討されて いるが、 一般的には、 ゴム栓によって閉じられ生理食塩水等の輸液 薬剤が収 容された薬剤容器と、 両端がともに鋭利な針部材(両頭針)を有す る混注具と 、 を備えている。
[0003] 混注具の両頭針は軸方向に移動可能に支持さ れており、 薬剤容器側に押し 込まれると、 両頭針の一端部がゴム栓に刺し込まれるよう になっている。 ま た、 混合すべき薬剤はゴム栓によって閉じられた バイアル瓶に収容されてお り、 このバイアル瓶のゴム栓を、 両頭針の他端部に刺し込みながら薬剤容器 側に押し込むと、 両頭針の両端が、 薬剤容器のゴム栓とバイアル瓶のゴム栓 と、 にそれぞれ刺し込まれ、 薬剤容器とバイアル瓶が連通する。 これにより 、 バイアル瓶の薬剤を薬剤容器に供給し、 混合液を調製することができる。
[0004] その後、 混合液は、 輸液セッ トを介して患者に投与される。 また、 上記の ように調製した混合液を直接患者に投与せず 、 他の輸液製剤に更に混合して 患者に投与することも有り得る。 この場合、 混合液を他の輸液製剤が収容さ れた容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液ラインに 三方活 栓を設け、 当該三方活栓に ライン(側管)を介して混合液が収容された 容器本 体を接続して投与すること(所謂、 ピギーバッグ法)等が採用される。
[0005] ところで、 特許文献 1 に係る混注具では、 バイアル瓶の頭部が両頭針の一 〇 2020/175452 2 卩(:171? 2020 /007393
方の針部に穿刺され、 混注具に嵌め込まれたときに、 両頭針が薬剤容器側に 移動するように構成されている。 すなわち、 バイアル瓶が混注具に嵌め込ま れるまでは、 両頭針がロックされているため、 両頭針の他方の針部は薬剤容 器のゴム栓には穿刺されない。 したがって、 両頭針の一方の針部が、 バイア ル瓶のゴム栓に刺し込まれた後でなければ、 他方の針部が薬剤容器のゴム栓 に刺し込まれないようになっている。 よって、 この混注具では、 両頭針の穿 朿 I」を、 バイアル瓶、 薬剤容器の順序となるように制御することが できる。 先行技術文献
特許文献
[0006] 特許文献 1 :特許第 6 1 9 1 3 7 8号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0007] 特許文献 1 に係る混注具では、 バイアル瓶の頭部を混注具に嵌め込み、 頭 部の外周面が混注具に設けられた突起を押圧 したときに、 両頭針のロックが 解除されるようになっている。 すなわち、 この混注具は、 バイアル瓶の頭部 の大きさによっては、 突起を押圧することができず、 ロックを解除すること ができない。 すなわち、 この混注具は、 規定の大きさの頭部を有するバイア ル瓶にしか適用することができないという問 題がある。 本発明は、 上記問題 を解決するためになされたものであり、 バイアル瓶、 つまり被溶解薬剤が収 容された薬剤容器の頭部の大きさや形状にか かわらず使用可能で、 穿刺の順 序を制御することが可能な混注具、 及びこれを備えた混注容器を提供するこ とを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明に係る第 1の混注具は、 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解 薬剤を収容する第 2薬剤容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬 剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であっ 、 軸方向の 第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記第 2薬剤容器の薬 〇 2020/175452 3 卩(:171? 2020 /007393
剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部の第 1端部側に 配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部を受け入れるように 成され、 前 記本体の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移 動可能な受容部材と、 前記本体の内部において、 前記受容部材よりも、 前記 第 2端部側に配置され、 前記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺可能な第 1針 部、 及び当該第 1針部に連通し前記第 2薬剤容器の薬剤流入部に穿刺可能な 第 2針部を有し、 前記本体の内部の少なくとも第 3の位置と第 4の位置との 間を前記軸方向に移動可能な針ユニッ トと、 を備え、 前記針ユニッ トは、 前 記第 3の位置において前記本体にロックされるよ に構成され、 前記受容部 材は、 前記第 1の位置において前記第 1薬剤容器を受け入れ、 当該第 1薬剤 容器とともに前記第 2の位置に移動したとき、 前記針ユニッ トの前記ロック を解除するように構成され、 前記第 1薬剤容器が前記受容部材とともに、 前 記第 1の位置から前記第 2の位置に移動する間に、 前記第 1針部が前記第 1 薬剤容器に穿刺されるように構成され、 前記針ユニッ トが、 前記第 3の位置 から前記第 4の位置に移動する間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器に穿 刺されるように構成されている。
[0009] この構成によれば、 受容部材に第 1薬剤容器が受け入れられ、 第 1薬剤容 器を押し込んで、 受容部材が第 1の位置から第 2の位置まで移動する間には 、 針ユニッ トはロックされているため、 この間に、 第 1薬剤容器の薬剤排出 部に針ユニッ トの第 1針部が穿刺されるようになっている。 また、 この間に 針ユニッ トは移動しないため、 針ユニッ トの第 2針部は第 2薬剤容器には穿 刺されない。 そして、 受容部材が第 2の位置まで移動した後は、 針ユニッ ト と本体とのロックが解除され、 第 3の位置から第 4の位置へ移動するため、 その間に第 2針部が第 2薬剤容器に穿刺される。
[0010] したがって、 本発明に係る第 1の混注具では、 第 1針部が第 1薬剤容器に 穿刺された後でなければ、 第 2針部が第 2薬剤容器に穿刺されないようにな っている。 そのため、 第 2薬剤容器に第 2針部が先に刺さって、 第 2薬剤容 器から空気が大気中に抜けるのを防止するこ とができる。 その結果、 第 2薬 〇 2020/175452 4 卩(:171? 2020 /007393
剤容器によって点滴を行う際、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じ るのを防止することができる。
[001 1 ] また、 受容部材に第 1薬剤容器を挿入し、 受容部材とともに第 1薬剤容器 を押し込むことで、 針ユニッ トと本体とのロックが解除されるので、 第 1針 部と第 1薬剤容器の穿刺、 及び第 2針部と第 2薬剤容器の穿刺を、 この順で 行うことができる。 したがって、 第 1薬剤容器の頭部の大きさにかかわらず 、 第 1薬剤容器を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。
[0012] 上記第 1の混注具においては、 本体、 針ユニッ ト、 及び受容部材を種々の 態様にすることができる。 例えば、 第 1の態様として、 前記本体は、 第 1 口 ック具を有し、 前記針ユニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 1 ロッ ク具に着脱自在にロックされる第 2ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 当該受容部材が前記第 1 ロック具を押圧すること で前記 1及び第 2ロック具のロックを解除するように構成す ことができる 〇
[0013] 第 1の態様のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記針ユニッ トは、 前 記第 1針部及び前記第 2針部の基端部が固定される基部を有し、 前記第 1 口 ック具は、 前記軸方向に延び、 前記基部の周縁に設けられた前記第 2ロック 具に、 径方向外方から係合するように構成され、 前記受容部材は、 押圧部を 備えており、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき、 前記押圧部は 、 前記第 1 ロック具を押圧し、 径方向外方に押し遣るように構成され、 前記 針ユニッ トの前記第 2ロック具は、 前記第 1 ロック具にガイ ドされながら、 前記軸方向に移動するように構成することが できる。
[0014] 例えば、 第 2の態様として、 前記本体は、 第 3ロック具を有し、 前記針ユ ニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 3ロック具に着脱自在にロック される第 4ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき 、 当該受容部材が前記第 4ロック具を押圧することで前記 3及び第 4ロック 具のロックを解除するように構成することが できる。
[0015] 第 2の態様のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記第 3ロック具は、 〇 2020/175452 5 卩(:171? 2020 /007393
前記本体の内壁面に形成され、 前記第 4ロック具は、 前記第 3固定具に対し 、 径方向内方からロックされ、 前記受容部材は、 前記第 2の位置において、 前記第 4ロック具を径方向内方に押圧する押圧部を することができる。
[0016] 例えば、 第 3の態様として、 前記本体は、 第 5ロック具を有し、 前記針ユ ニッ トは、 前記第 3の位置において、 前記第 5ロック具に着脱自在にロック される第 6ロック具を有し、 前記受容部材が前記第 2の位置に移動したとき 、 前記針ユニッ トを前記本体の軸周りに回転させるように構 成され、 前記針 ユニッ トが回転したとき、 前記第 5及び第 6ロック具のロックが解除される ように構成することができる。
[0017] 第 3の態様のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記受容部材は、 径方 向外方に突出する突部を有し、 前記針ユニッ トは、 前記突部の移動をガイ ド するガイ ド溝を有し、 前記ガイ ド溝は、 前記第 1端部側に配置され前記軸方 向に延びる第 1溝部と、 前記第 1溝部の前記第 2端部側に連結され、 周方向 に曲がる部位を有する第 2溝部と、 を備えており、 前記受容部材が前記軸方 向に移動するとき、 前記突部が前記第 1溝部から第 2溝部に移行することに よって、 前記針ユニッ トが前記軸周りに回転するように構成するこ とができ る。
[0018] 本発明に係る第 2の混注具は、 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器と溶解 薬剤を収容する第 2薬剤容器とを連通させ、 前記被溶解薬剤を、 前記第 1薬 剤容器から前記第 2薬剤容器へ移動させるための混注具であっ 、 軸方向の 第 1端部及び第 2端部に開口を有し、 前記第 2端部が前記第 2薬剤容器の薬 剤流入部に取り付け可能な、 筒状の本体と、 前記本体の内部に配置され、 前 記第 1薬剤容器の薬剤排出部に穿刺可能な第 1針部、 及び当該第 1針部に連 通し前記第 2薬剤容器の薬剤流入部に穿刺可能な第 2針部を有し、 前記本体 の内部の少なくとも第 1の位置と第 2の位置との間を前記軸方向に移動可能 な針ユニッ トと、 を備え、 前記針ユニッ トは、 前記第 1の位置において前記 本体にロックされるように構成され、 前記針ユニッ トの第 1針部が、 前記第 1薬剤容器に所定位置まで穿刺されたとき、 前記針ユニッ トの前記ロックを 〇 2020/175452 6 卩(:171? 2020 /007393
解除するように構成され、 前記針ユニッ トが、 前記第 1薬剤容器とともに、 前記第 1の位置から前記第 2の位置に移動する間に、 前記第 2針部が前記第 2薬剤容器に穿刺されるように構成されてい 。
[0019] この構成によれば、 針ユニッ トの第 1針部に第 1薬剤容器が所定位置まで 穿刺されるまでの間には、 針ユニッ トはロックされているため、 針ユニッ ト の第 2針部は第 2薬剤容器には穿刺されない。 そして、 第 1針部に第 1薬剤 容器が所定位置まで穿刺された後は、 針ユニッ トと本体とのロックが解除さ れ、 第 1の位置から第 2の位置へ移動するため、 その間に第 2針部が第 2薬 剤容器に穿刺される。
[0020] したがって、 本発明に係る第 2の混注具では、 第 1針部が第 1薬剤容器に 穿刺された後でなければ、 第 2針部が第 2薬剤容器に穿刺されないようにな っている。 そのため、 第 2薬剤容器に第 2針部が先に刺さって、 第 2薬剤容 器から空気が大気中に抜けるのを防止するこ とができる。 その結果、 第 2薬 剤容器によって点滴を行う際、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じ るのを防止することができる。
[0021 ] また、 第 1薬剤容器を第 1針部に対して押し込むことで、 針ユニッ トと本 体とのロックが解除され、 第 1針部と第 1薬剤容器の穿刺、 及び第 2針部と 第 2薬剤容器の穿刺を、 この順で行うことができる。 したがって、 第 1薬剤 容器の大きさにかかわらず、 第 1薬剤容器を押し込むだけで、 穿刺の順序を 制御することができる。
[0022] さらに、 この構成によれば、 混注具を構成する材料が、 主として本体と針 ユニッ トだけであるため、 部品点数を少なくすることができる。 したがって 、 製造コストを低減することができる。
[0023] 上記第 2の混注具において、 前記本体は、 第 7ロック具を有し、 前記針ユ ニッ トは、 前記第 1の位置において、 前記第 7ロック具に着脱自在にロック される第 8ロック具と、 前記薬剤容器によって押圧可能なアーム部と 、 を有 し、 前記第 1薬剤容器が、 前記第 1針部に穿刺されるとともに、 当該第 1薬 剤容器の頭部が前記アーム部を押圧したとき 、 前記アーム部の変位により前 〇 2020/175452 7 卩(:171? 2020 /007393
記第 7及び第 8ロック具のロックが解除されるように構成 ることができる
[0024] 上記第 2の混注具のさらに具体的な態様として、 例えば、 前記アーム部は 、 前記薬剤容器の押圧によって、 径方向外方に変位するように構成され、 前 記アーム部が、 径方向外方に変位したときに、 前記第 7ロック具を径方向外 方に押圧することで、 前記第 7及び第 8ロック具のロックが解除されるよう に構成することができる。
[0025] このとき、 前記第 7ロック具が径方向外方に押圧された後、 前記第 8ロッ ク具が前記第 7固定具にガイ ドされながら、 前記針ユニッ トが前記軸方向に 移動するように構成することができる。 これにより、 両ロック具を利用して 針ユニッ トの移動をガイ ドできるため、 ガイ ド用の専用の構成を設ける必要 がなく、 構成を簡素化することができる。
[0026] 上記第 1の混注具においては、 前記針ユニッ トが、 第 9ロック具を有し、 前記受容部材が、 前記第 1の位置において、 前記第 9ロック具に着脱自在に ロックされる第 1 0ロック具と、 前記第 1薬剤容器を固定する固定具と、 前 記第 1薬剤容器によって押圧可能なアーム部と、 を備え、 前記第 1薬剤容器 が、 前記固定具に固定されたときに、 当該第 1薬剤容器の頭部が前記アーム 部を押圧するように構成され、 前記アーム部の変位により前記第 9及び第 1 〇ロック具のロックが解除され、 前記受容部材が前記針ユニッ トに向かって 移動可能となるように構成することができる 。
[0027] この構成によれば、 第 1薬剤容器が受容部材の固定具に固定された きに 、 アーム部材が変位し、 受容部材と針ユニッ トとのロックを解除するように 構成されている。 そのため、 第 1薬剤容器が固定具に固定される前に、 受容 部材が針ユニッ トに向かって移動するのを防止することがで きる。 これによ り、 第 1薬剤容器が受容部材の正しい位置に固定さ た状態で針ユニッ トに 移動するため、 例えば、 第 1針部が斜めに第 1薬剤容器に刺し込まれるなど の不具合を防止でき、 針部材を正確に第 1薬剤容器に刺し込むことができる 〇 2020/175452 8 卩(:171? 2020 /007393
[0028] 上記第 1の混注具において、 前記受容部材は、 サイズの異なる少なくとも
2種類の前記第 1薬剤容器の薬剤排出部が当接する当接面を し、 前記当接 面には、 サイズの小さい前記第 1薬剤容器の薬剤排出部を配置可能な凹部が 形成することができる。
[0029] 本発明に係る混注容器は、 被溶解薬剤を収容する第 1薬剤容器を取り付け 可能で、 当該被溶解薬剤を流入させる混注容器であっ て、 溶解液が収容され 、 開口部を有する第 2薬剤容器と、 前記第 2薬剤容器の開口部に取り付けら れる、 上記いずれかの混注具と、 を備えている。
[0030] 上記混注容器において、 前記第 2薬剤容器は、 前記被溶解薬剤と溶解液と を混合した混合液を排出可能な排出部を備え ることができる。
[0031] これにより、 混合された被溶解薬剤と溶解液とを、 例えば、 患者に容易に 投与することができる。
発明の効果
[0032] 本発明に係る混注具によれば、 バイアル瓶、 つまり被溶解薬剤が収容され た薬剤容器における頭部の径方向の大きさに かかわらず、 使用することがで き、 穿刺の順序を制御することができる。
図面の簡単な説明
[0033] [図 1]本発明の第 1実施形態に係るバイアル瓶の正面図である
[図 2]図 1のバイアル瓶を上方から見た斜視図である
[図 3]本発明に係る混注容器の一実施形態に係 正面図である。
[図 4]図 3の混注容器に設けられた混注具の断面図で る。
[図 5]第 1実施形態に係る本体を上から見た斜視図で る。
[図 6]本体を図 5とは異なる角度から見た斜視図である。
[図 7]第 1実施形態に係る本体の断面図である。
[図 8]図 7とは 9 0度軸周りに回転した位置での本体の断面図 ある。
[図 9]第 1実施形態に係る針ユニッ トを上から見た斜視図である。
[図 10]第 1実施形態に係る針ユニッ トを下から見た斜視図である。
[図 1 1]第 1実施形態に係る受容部材を上から見た斜視 である。 〇 2020/175452 9 卩(:171? 2020 /007393
[図 12]受容部材を図 1 1 とは異なる角度から見た斜視図である。
[図 13]第 1実施形態に係る受容部材を下から見た斜視 である。
[図 14]図 4とは 9 0度軸周りに回転した位置での混注具の断面 である。
[図 15八]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 158]図 1 5八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である
[図 16八]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 168]図 1 6八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である
[図 17]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 18八]第 1実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 188]図 1 8八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である
[図 19]本発明の第 2実施形態に係る混注具を斜め方向から見た 期状態の断 面図である。
[図 20]第 2実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。
[図 21]図 2 0の断面図である。
[図 22]第 2実施形態に係る針ユニッ トの斜視図である。
[図 23]図 2 2とは異なる方向から見た針ユニッ トの斜視図である。
[図 24]図 2 2の針ユニッ トを下方から見た斜視図である。
[図 25]第 2実施形態に係る受容部材の斜視図である。
[図 26]図 2 5の受容部材を下から見た斜視図である。
[図 27]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 28]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 29]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 30]第 2実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 31]本発明の第 3実施形態に係る混注具の、 初期状態における一部切り欠 き斜視図である。
[図 32]第 3実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。
[図 33]図 3 2の断面図である。
[図 34]第 3実施形態に係る針ユニッ トの斜視図である。 20/175452 10 卩(:171? 2020 /007393
[図 35]図 3 4とは異なる方向から見た針ュニッ トの斜視図である。
[図 36]図 3 4の針ュニッ トを下方から見た斜視図である。
[図 37]第 3実施形態に係る受容部材の斜視図である。
[図 38]図 3 7とは異なる方向から見た受容部材の斜視図 ある。
[図 39]図 3 7の受容部材を下から見た斜視図である。
[図 40]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 41]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 42]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 43]第 3実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 44]本発明の第 4実施形態に係る混注具の断面図である。
[図 45]第 4実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。
[図 46]図 4 5の断面図である。
[図 47]第 4実施形態に係る針ュニッ トを上方から見た斜視図である。
[図 48]図 4 7の針ュニッ トを下方から見た斜視図である。
[図 49]第 4実施形態に係る受容部材を上方から見た斜 図である。
[図 50]図 4 9の受容部材を下から見た斜視図である。
[図 51]第 4実施形態に係る受容部材と針ュニッ トとを組み立てた斜視図であ る。
[図 52]第 4実施形態に係る本体と針ュニッ トとを組み立てた斜視図である。 [図 53]第 4実施形態に係る全ての部材を組み立てた斜 図である。
[図 54]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 55]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 56]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 57]第 4実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 58]本発明の第 5実施形態に係る混注具の一部切り欠き斜視 である。
[図 59]第 5実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。
[図 60]図 5 9の断面図である。
[図 61]第 5実施形態に係る針ュニッ トを上方から見た斜視図である。 〇 2020/175452 1 1 卩(:171? 2020 /007393
[図 62]図 6 1 とは異なる方向から見た針ユニッ トの斜視図である。
[図 63]図 6 1の針ユニッ トを下方から見た斜視図である。
[図 64八]第 5実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 648]図 6 4八とは 9 0度軸周りに回転した位置での断面図である
[図 65]第 5実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 66]第 5実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 67]第 5実施形態におけるアーム部とロック具の他 例を示す斜視図であ る。
[図 68八]第 5実施形態におけるアーム部とロック具の他 例を示す断面図であ る。
[図 688]図 6 8八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。
[図 68(:]図 6 8八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。
[図 69八]第 5実施形態におけるアーム部とロック具の他 例を示す断面図であ る。
[図 698]図 6 9八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。
[図 69(:]図 6 9八のアーム部とロック具の動作を説明する 面図である。
[図 70]本発明の第 6実施形態に係る混注具の断面図である。
[図 71]第 6実施形態に係る本体を上方から見た斜視図 ある。
[図 72]第 6実施形態にかかる本体の断面図である。
[図 73]第 6実施形態に係る針ユニッ トを上方から見た斜視図である。
[図 74]図 7 3の針ユニッ トを異なる角度から見た斜視図である。
[図 75]図 7 3の針ユニッ トを下方から見た斜視図である。
[図 76]第 6実施形態に係る受容部材を上方から見た斜 図である。
[図 77]図 7 6の受容部材を下から見た斜視図である。
[図 78]第 6実施形態に係る受容部材と針ユニッ トとを組み立てた断面図であ る。
[図 79]第 6実施形態に係る本体、 針ユニッ ト、 及び受容部材を組み立てた断 面図である。 〇 2020/175452 12 卩(:171? 2020 /007393
[図 80]図 7 9の混注具を異なる角度から見た断面図であ 。
[図 81]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 82]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 83]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 84]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 85]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 86]第 6実施形態に係る混注容器の使用方法を示す 面図である。
[図 87]第 6実施形態に係る混注容器の他の例を示す断 図である。
[図 88]受容部材の他の例を示す断面図である。
[図 89]受容部材の他の例を示す斜視図である。
発明を実施するための形態
[0034] 以下、 本発明に係る混注容器の実施形態について図 面を参照しつつ説明す る。 この混注容器は、 被溶解薬剤が収容されたバイアル瓶 (第 1薬剤容器) が取り付けられ、 被溶解薬剤を溶解薬剤と混合させるものであ り、 混注具、 及び溶解薬剤が収容された薬剤容器 (第 2薬剤容器) を備えている。 そして 、 薬剤容器に流入された被溶解薬剤は、 薬剤容器の溶解薬剤と混合され、 患 者に投与する混合液が調製される。 以下では、 混注容器の第 1〜第 5実施形 態について、 説明する。 なお、 以下の説明で用いる図面のうち、 断面図と称 する図面は、 部材の断面のみを示しているもののほか、 説明の便宜のため、 断面のほか、 当該断面よりも紙面の奥側に見える構造の一 部も合わせて表し ていることがある。 但し、 原則として断面にはハッチングが施され、 断面よ りも奥側に見える構造と区別できるようにし ているが、 見やすさを考慮して 断面にハッチングを付していないこともある 。 また、 以下の複数の実施形態 にわたって、 複数種の部材に同一の符号が付されている場 合があるが、 これ は必ずしも同一の部材であることを示してい るのではなく、 異なる部材であ っても同一の符号が付されている場合がある 。 また、 複数の実施例にわたっ て、 同一の部材であっても異なる符号が付されて いる場合がある。 すなわち 、 以下では、 各実施形態の説明と、 その説明を補足する図面の符号とが一致 〇 2020/175452 13 卩(:171? 2020 /007393
するように記載している。
[0035] <八. 第 1実施形態>
<1 . バイアル瓶の概要>
まず、 バイアル瓶について説明する。 なお、 このバイアル瓶は、 全ての実 施形態において共通するため、 第 1実施形態においてのみ説明する。 図 1は バイアル瓶の正面図、 図 2はバイアル瓶を図 1の上側から見た斜視図である 。 図 1 に示すように、 バイアル瓶 1は、 下部が底面によって閉じられた円筒 状の本体部 1 1 と、 本体部 1 1の上端部から斜め上方に円錐状に延びる肩 1 2と、 肩部 1 2から上方に延び、 本体部 1 1 よりも径の小さい円筒状の首 部 1 3と、 首部 1 3に連結され, 上部に開口を有する円柱状の頭部とを備え ており、 これらはガラス、 樹脂材料などで一体的に形成されている。 さらに 、 図 2に示すように、 頭部は、 上部開口にはめ込まれたゴム栓 1 4、 及びゴ ム栓 1 4を覆うようなアルミ等のキャップ 1 5を有する。 また、 これら本体 部 1 1、 肩部 1 2、 首部 1 3、 及び頭部によって囲まれた内部空間に被溶解 薬剤が収容されている。 被溶解薬剤は、 特には限定されないが、 例えば、 抗 生剤、 抗がん剤等の薬剤、 及びビタミン剤などとすることができ、 液体、 固 体のいずれであってもよい。 但し、 本実施形態では、 固体の薬剤が収容され ているとして説明を行う。 そして、 この被溶解薬剤は、 後述するように、 ゴ ム栓 1 4に刺し込まれた混注容器 1 0 0の針部材 6 2を介して、 混注容器 1 0 0の薬剤容器 2内に供給されるようになっている。
[0036] <2 . 混注容器の概要>
次に、 図 3を参照しつつ、 混注容器について説明する。 図 3は混注容器の 正面図である。
[0037] 図 3に示すように、 この混注容器 1 0 0は、 上部に開口を有する薬剤容器
2と、 この薬剤容器 2の上部開口に取り付けられた混注具 3と、 を備えてい る。 薬剤容器 2は、 下部が底面によって閉じられた水平断面が楕 円状で可撓 性を有する本体部 2 1 と、 本体部 2 1の上端から上方に延び、 上部に開口が 形成された円筒状の首部 2 2と、 を備えており、 これらは樹脂材料などで一 〇 2020/175452 14 卩(:171? 2020 /007393
体的に形成されている。 また、 首部 2 2の上端には、 薬剤流入部 2 3が設け られている。 この薬剤流入部 2 3は、 軸方向に延びる円筒状の開口部 2 3 1 と、 この開口部 2 3 1 に取り付けられたゴム栓 2 3 2と、 を備えている。 開 口部 2 3 1は、 薬剤容器 2の内部空間に通じており、 この開口部 2 3 1がゴ ム栓 2 3 2によって塞がれている。 また、 ゴム栓 2 3 2の上端部には、 凹部 2 3 3が形成されており、 この凹部 2 3 3に後述する第 2針部が進入するよ うになっている。 凹部 2 3 3の径方向の寸法は、 後述する針ユニッ トの第 2 針部の径方向の寸法と略同じとなっている。
[0038] そして、 図 3に示すように、 首部 2 2の上端には、 薬剤流入部 2 3を覆う ように、 後述する混注具 3が取り付けられている。 また、 薬剤容器 2の内部 空間には溶解薬剤が収容されている。 溶解薬剤は、 特には限定されないが、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖液、 リンゲル液等の輸液とすることができ、 バイアル瓶 1内の固体又は液体の薬剤を溶解する。 一方、 薬剤容器 2の下部 には、 ゴム栓で塞がれた排出部 2 6が形成されており、 後述するように、 混 合液を排出することができる。 なお、 この薬剤容器 2は、 全ての実施形態に おいて共通するため、 第 1実施形態においてのみ説明する。
[0039] < 3 . 混注具の概要 >
次に、 混注具 3について、 図 4は混注具の初期状態の断面図である。 図 4 に示すように、 この混注具 3は、 薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3に溶着等の手 段により接合されており、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端部 ( 第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2端部 ) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。
[0040] まず、 本体 4について、 図 5〜図 8を参照しつつ説明する。 図 5は本体を 上方から見た斜視図、 図 6は本体を図 5とは異なる角度から見た斜視図、 図 7は本体の断面図、 図 8は図 7から軸周りに 9 0度回転した位置での断面図 である。 図 5〜図 8に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐 体 4 1の下部開口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 を備えている。 この底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 3が形成されており、 この貫通孔 4 3に上述した薬剤 〇 2020/175452 15 卩(:171? 2020 /007393
容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。 そして、 貫通孔 4 3の周縁には、 一 対の規制具 4 4と、 一対のロック具 (第 1 ロック具) 4 5とが設けられてい る。 両規制具 4 4は、 貫通孔 4 3を挟んで向かい合うように配置され、 両口 ック具 4 5は、 規制具 4 4とは周方向に 9 0度ずれた位置に配置されている
[0041 ] 各規制具 4 4は、 上方に向かって延びる湾曲した板状に形成さ れており、 上端部には、 径方向内方に向かって延びる突部 4 4 1が形成されている。 こ の突部 4 4 1 には、 後述するように針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ ト 6の 上方への移動を規制するようになっている。 各ロック具 4 5は、 規制具 4 4 よりも高く上方に延びる湾曲した板状に形成 されている。 そして、 各ロック 具 4 5の上端部の両端には、 上方に突出する一対の突出部 4 5 1が設けられ ている。 各突出部 4 5 1の上端には、 径方向内方に段部 4 5 3が形成されて おり、 この段部 4 5 3に後述する針ユニッ ト 6の基部 6 1が係合し、 針ユニ ッ ト 6の下方への移動がロックされるようになっ いる。 また、 両突出部 4 5 1の間において、 ロック具 4 5の上端には、 径方向内方に行くにしたがっ て下方に延びる傾斜面 4 5 2が形成されている。
[0042] 筐体 4 1の内壁面には、 上下方向に延びる 4つの突条 4 6が周方向に 9 0 度おきに形成されている。 これら突条 4 6は、 後述するように、 受容部材 5 の上下方向の移動をガイ ドするようになっている。 また、 筐体 4 1の内壁面 の上端付近には、 4つの保持部 4 7が周方向に 9 0度おきに形成されている 。 これら保持部 4 7は、 筐体 4 1の内壁面からわずかに突出するように形成 されており、 後述するように、 受容部材 5を初期位置に保持し、 受容部材 5 の下方への移動を規制するようになっている 。
[0043] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 9及び図 1 0を参照しつつ説明する。 図
9は針ユニッ トの斜視図、 図 1 0は下方から見た針ユニッ トの斜視図である 。 図 9及び図 1 0に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 こ の基部 6 1の上面から突出する第 1針部 6 2と、 基部 6 1の下面から突出す る第 2針部 6 3と、 を備えている。 そして、 この針ユニッ ト 6は、 初期状態 〇 2020/175452 16 卩(:171? 2020 /007393
と後述する穿刺状態との移動の間に、 上述した本体 4の規制具 4 4及びロッ ク具 4 5で囲まれる空間内を上下方向に移動するよ になっている。 第 1針 部 6 2及び第 2針部 6 3は、 先端が鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器のゴム栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また、 両針部 6 2 , 6 3は、 基部 6 1の中央付近に形成されており、 これら 両針部 6 2 , 6 3を軸方向に貫通する 2つの流路 6 2 1 , 6 2 2が形成され ている。 したがって、 第 1針部 6 2から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 2 1 , 6 2 2を通じて第 2針部 6 3から排出されるようになっている。
[0044] また、 基部 6 1の外周縁には、 湾曲した板状に形成された、 一対の固定部
6 5が取り付けられている。 これら固定部 6 5は、 第 1針部 6 2を挟んで対 向するように配置されており、 上端部には、 径方向内方を向く突部 6 5 1が 形成されている。 また、 各固定部 6 5には、 上下方向に延びるスリッ ト 6 5 2が形成されている。 そして、 上述したバイアル瓶 1の頭部は、 後述するよ うに、 これら固定部 6 5の間に保持され、 突部 6 5 1が頭部の下端に係合す るようになっている。 すなわち、 突部 6 5 1は、 頭部の抜け止めを構成して いる。
[0045] さらに、 基部 6 1の外周縁には、 湾曲した板状に形成された、 一対の保持 部 6 6が取り付けられている。 これら保持部 6 6は、 それぞれ、 固定部 6 5 から下方に延びるように形成されており、 下端部には、 径方向外方を向く突 部 6 6 1が形成されている。 各突部 6 6 1は、 上述した本体 4の規制部 4 4 の突部 4 4 1 に係合するようになっている。 したがって、 保持部 6 6と規制 部 4 4とで、 針ユニッ ト 6が初期状態から上方へ移動しないように、 針ユニ ッ ト 6の移動を規制している。
[0046] 続いて、 受容部材 5について、 図 1 1〜図 1 3を参照しつつ説明する。 図
1 1は受容部材の斜視図、 図 1 2は図 1 1 とは異なる方向から見た受容部材 の斜視図、 図 1 3は受容部材を下から見た斜視図である。 図 1 1〜図 1 3に 示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 と、 この基部 5 1の周縁 から上方に延びる周壁部 5 2とを備えている。 周壁部 5 2には、 周方向に 9 〇 2020/175452 17 卩(:171? 2020 /007393
0度おきに上下方向に延びるスリッ ト 5 2 1が形成されており、 このスリッ 卜 5 2 1 には、 上述した本体 4の突条 4 6が嵌まるようになっている。 した がって、 受容部材 5は、 突条 4 6にガイ ドされるように、 本体 4内を軸方向 に移動可能となっている。
[0047] 基部 5 1 には、 中央に円形の第 1貫通孔 5 3が形成されており、 この第 1 貫通孔 5 3に針ユニッ ト 6の第 1針部 6 2が進入するようになっている。 ま た、 基部 5 1の上面には、 上方に突出する一対の固定部 5 6が形成されてい る。 各固定部 5 6は、 湾曲した板状に形成され、 第 1貫通孔 5 3を挟むよう に配置されている。 また、 各固定部 5 6の上端には, 径方向内方に突出する 突部 5 6 1が形成されている。 そして、 上述したバイアル瓶 1の頭部は、 こ れら固定部 5 6の間に保持され、 突部 5 6 1が頭部の下端に係合するように なっている。 すなわち、 突部 5 6 1は、 頭部の抜け止めを構成している。
[0048] さらに、 基部 5 1 には、 一対の第 2貫通孔 5 4と、 一対の第 3貫通孔 5 5 が形成されている。 各第 2貫通孔 5 4は、 第 1貫通孔 5 3を挟むように、 そ れぞれ略矩形状に形成されている。 また、 各第 2貫通孔 5 4は、 上述した固 定部 5 6とは周方向に 9 0度ずれた位置に形成されている。 一方、 各第 3貫 通孔 5 5は、 第 2貫通孔 5 3とは周方向に 9 0度ずれた位置に、 各固定部 5 6よりも径方向外方に配置され、 それぞれ略矩形状に形成されている。 なお 、 第 2貫通孔 5 4及び第 3貫通孔 5 5は、 ともに第 1貫通孔 5 3に沿うよう に湾曲しているが、 その形状は特には限定されない。
[0049] さらに、 基部 5 1の下面には、 各固定部 5 6と対応する位置に、 下方に突 出する一対の押圧部 5 7が形成されている。 各押圧部 5 7は、 湾曲した板状 に形成され、 第 1貫通孔 5 3を挟むように配置されている。 また、 各押圧部 5 7の下端には, 径方向内方にいくにしたがって下方に向かう 傾斜面 5 7 1 が形成されている。 この傾斜面 5 7 1は、 本体 4のロック具 4 5の上端の傾 斜面 4 5 2に係合するようになっている。
[0050] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。 〇 2020/175452 18 卩(:171? 2020 /007393
[0051 ] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て、 図 1 4も参 照しつつ説明する。 図 1 4は、 図 4から周方向に 9 0度回転した位置での断 面図である。 図 1 4に示すように、 初期状態では、 本体 4の規制具 4 4と針 ユニッ ト 6の保持部 6 6とが係合し、 針ユニッ ト 6の上方への移動を規制し ている。 また、 図 4に示すように、 針ユニッ ト 6の基部 6 1の周縁が、 本体 4のロック具 4 5の上端の段部 4 5 3に支持されており、 これによって、 針 ユニッ ト 6が下方へ移動するのがロックされている。 すなわち、 針ユニッ ト 6は、 初期状態では、 上下方向の移動が規制されている。 なお、 針ユニッ ト 6の基部 6 1の周縁において、 ロック具 4 5に支持されている部分が、 本発 明の第 2ロック具に相当する。
[0052] 受容部材 5は、 突条 4 6にガイ ドされるとともに、 針ユニッ ト 6の上方で 、 基部 5 1が本体 4の保持部 4 7に支持されている。 したがって、 受容部材 5の下方への移動が規制されている。 だたし、 本体 4の保持部 4 7は、 本体 1の内壁面からわずかに突出しているもので るため、 受容部材 5を下方に 押し込むと、 受容部材 5は保持部 4 7を乗り越えて、 下方に移動するように なっている。 また、 受容部材 5は、 各第 2貫通孔 5 4が、 針ユニッ トの固定 部 6 5の上方に位置するように、 回転位置が定められている。 さらに、 図示 を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 この突部が受容 部材 5の周壁部 5 2の上縁等に係合することで、 受容部材 4が本体 4から上 方へ離脱しないようにすることができる。 突部の形状、 位置、 数は特には限 定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に形成してもよ し 、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することもできる。
[0053] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。
[0054] < 4 . 混注容器の使用方法 >
次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 1 5〜図 1 8を参照しつつ説明する。 なお、 図番に八, 巳が付されている図面 (例え 〇 2020/175452 19 卩(:171? 2020 /007393
ば、 図 1 5八, 図 1 5巳) は、 周方向に互いに 9 0度回転した位置での断面 図であり、 この点は、 他の実施形態でも同じである。 まず、 図 1 5八及び図 1 5巳に示すように、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイアル瓶 1 を取り 付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部材 5の両固定 部 5 6の間に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1の頭部が両固定部 5 6の 間に固定される。
[0055] 次に、 図 1 6八及び図 1 6巳に示すように、 バイアル瓶 1 を下方に向かっ て、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1は、 受容 部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 受容部材 5とともに下方に移動する (第 1の位置 ®第 2の位置) 。 このとき、 針ユニッ ト 6は、 上下方向の移動が規 制されているため、 バイアル瓶 1が移動すると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の 第 1針部 6 2が受容部材 5の第 1貫通孔 5 3に進入し、 バイアル瓶 1のゴム 栓 1 4に穿刺される。 この過程において、 押圧部 5 7の下端の傾斜面 5 7 1 は、 本体 4のロック具 4 5の傾斜面 4 5 2に当接する。 そして、 受容部材 5 がさらに押し込まれると、 傾斜面 4 5 2 , 5 7 1同士がスライ ドし、 図 1 7 に示すように、 押圧部 5 7は、 ロック具 4 5を径方向外方に押し遣りながら 、 ロック具 4 5の内側に入り込んでいく。 これに伴い、 ロック具 4 5の段部 4 5 3と針ユニッ ト 6の基部 6 1 とのロック状態が解除され、 針ユニッ ト 6 は下方に移動可能となる。 したがって、 バイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 を押圧し、 針ユニッ ト 6 は、 受容部材 5及びバイアル瓶 1 とともに下方に移動する (第 3の位置 ®第 4の位置) 。
[0056] このときには、 第 1針部 6 2の大半はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺さ れている。 また、 図 1 6巳に示すように、 受容部材 5の下降に伴い、 針ユニ ッ ト 6の固定部 6 5は、 受容部材 5の第 2貫通孔 5 4に進入し、 バイアル瓶 1の頭部に係合する。 したがって、 受容部材 5の基部 5 1 と針ユニッ ト 6の 基部 6 1 とが当接するときには、 バイアル瓶 1の頭部は、 受容部材 5の一対 の固定部 5 6、 及び針ユニッ ト 6の一対の固定部 6 5によって保持される。 〇 2020/175452 20 卩(:171? 2020 /007393
[0057] こうして、 図 1 8八及び図 1 8巳に示すように、 針ユニッ ト 6が下降する と、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺されていく。 これによ り、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バ イアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ ト 6の流路 6 2 1 , 6 2 2を介して薬 剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方の流路 (例えば、 6 2 1) は被溶解薬 剤の通路となり、 他方の流路 (例えば、 6 2 2) は空気の通路になるため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。
[0058] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 5は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる 。 そして、 図 1 6巳に示すように、 針ユニッ ト 6の保持部 6 6が、 本体 4の 規制具 4 4に係合すると、 針ユニッ ト 6の移動が停止し、 それ以上上方に移 動しないようになる。 この状態からさらにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイ アル瓶 1 と針ユニッ ト 6の固定部 6 5との係合が解除され、 バイアル瓶 1は 、 受容部材 5とともに上方に移動する。 そして、 初期状態まで受容部材 5が 移動すると、 受容部材 5が筐体 4 1の抜け止め用突部に係合し、 受容部材 5 の移動が停止し、 それ以上は上方に移動しないようになる。 この状態からさ らにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル瓶 1は受容部材 5から外れる。 こ れにより、 第 1針部 6 2がゴム栓 1 4から引き抜かれる。 尚、 抜け止め用突 部は、 抜け止めが防止できる機構であれば、 これに限定されるものではない
[0059] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶 1 を混注容 器 1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こうして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される 〇 2020/175452 21 卩(:171? 2020 /007393
。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴ ム栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもでき る。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製 剤に更に混合して患者に投与することも有り 得る。 この場合、 混合液を他の 輸液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸 液ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が 収容された容器本体を接続して投与すること (所謂、 ピギーバッグ法)等が採 用される。
[0060] < 5 . 特徴 >
本実施形態によれば、 以下の効果を得ることができる。 受容部材 5にバイ アル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込んで、 受容部材 5が初期位 置から穿刺位置まで移動する間には、 針ユニッ ト 6は固定されているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針部 6 2が穿刺されるようにな っている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動しないため、 針ユニッ ト 6の 第 2針部 6 3は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には穿刺されない。 そして、 受容 部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ ト 6と本体 4とのロックが解 除され、 針ユニッ ト 6は初期位置から穿刺位置へ移動するため、 その間に第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺される。
[0061 ] したがって、 この混注具では、 第 1針部 6 2がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4 に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿 刺されないようになっている。 そのため、 薬剤容器 2に第 2針部 6 3が先に 刺さって、 薬剤容器 2から空気が大気中に抜けるのを防止するこ ができる 。 その結果、 薬剤容器 2によって点滴を行う際、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを防止することができ る。
[0062] また、 受容部材 5にバイアル瓶 1 を揷入し、 受容部材 5とともにバイアル 瓶 1 を押し込むことで、 第 1針部 6 2によるバイアル瓶 1のゴム栓 1 4の穿 朿 I」、 及び第 2針部 6 3による薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2の穿刺を、 この順で 行うことができる。 したがって、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず 〇 2020/175452 22 卩(:171? 2020 /007393
、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。
[0063] < 6 . 第 2実施形態 >
次に、 本発明に係る混注容器の第 2実施形態について説明する。 但し、 第 2実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。
< 1 . 混注具の概要 >
図 1 9は、 斜め方向から見た混注具の初期状態の断面図 である。 図 1 9に 示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端 部 (第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2 端部) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。
[0064] まず、 本体 4について、 図 2 0及び図 2 1 を参照しつつ説明する。 図 2 0 は本体を上方から見た斜視図、 図 2 1は本体の断面図である。 図 2 0及び図 2 1 に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3 と、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 こ の貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延 在部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤排出部 2 3が収容される。 そして、 底壁部 4 2には、 板状に形成された一対のロック具 (第 1 ロック具) 4 4が 設けられている。 各ロック具 4 4は、 貫通孔 4 2 1 を挟んで向かい合うよう に配置され、 底壁部 4 2から上方に向かって延びている。 そして各ロック具 4 4の上端部には、 径方向内方に向かって延びる突部 4 4 1が形成されてい る。 この突部 4 4 1 には、 後述するように針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ 卜 6の下方への移動を規制するようになってい 。
[0065] 次に、 針ユニッ トについて、 図 2 2〜図 2 4を参照しつつ説明する。 図 2
2は針ユニッ トの斜視図、 図 2 3は図 2 2とは異なる方向から見た針ユニッ 卜の斜視図、 図 2 4は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。 図 2 2〜図 2 4に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 この基部 6 1の 周縁から上方に延びる円筒状の周壁部 6 2と、 基部 6 1の上面から突出する 〇 2020/175452 23 卩(:171? 2020 /007393
第 1針部 6 3と、 基部 6 1の下面から突出する第 2針部 6 4と、 を備えてい る。 そして、 この針ユニッ ト 6の周壁部 6 2は、 上述した本体 4の内壁面に 接しつつ、 本体 4内を上下方向に移動するようになっている 第 1針部 6 3 及び第 2針部 6 4は、 先端が鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴ ム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また 、 両針部 6 3 , 6 4は、 基部 6 1の中央付近に形成されており、 これら両針 部 6 3 , 6 4を軸方向に貫通する 2つの流路 6 3 1 , 6 3 2が形成されてい る (図 3 0参照) 。 したがって、 第 1針部 6 3から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 3 1 , 6 3 2を通じて第 2針部 6 4から排出されるようになっている
[0066] また、 基部 6 1 には、 針部 6 3 , 6 4を挟んで対向するように一対の矩形 状の貫通孔 6 5が形成されている。 各貫通孔 6 5の径方向外方の縁部は、 基 部 6 1の周縁まで延びている。 各貫通孔 6 5には、 後述するように、 針ユニ ッ ト 6が初期位置から穿刺位置に移動する際に、 本体 4のロック具 4 4が進 入するようになっている。 また、 各貫通孔 6 5を挟むように周壁部 6 2の内 壁面には、 ガイ ドレール 6 6が設けられている。 各ガイ ドレール 6 6は、 貫 通孔 6 5の周方向の両端から上方に延びる一対のガ ド片 (第 2ロック具)
6 6 1 を有している。 各ガイ ド片 6 6 1は、 貫通孔 6 5の側縁に沿う第 1部 位と、 貫通孔 6 5の上方に突出する第 2部位とを有する断面 !_字状に形成さ れており、 第 2部位の下端部には切り欠き 6 6 2が形成されている。 初期状 態では、 ガイ ド片 6 6 1の切り欠き 6 6 2に、 本体 4のロック具 4 4が下側 から嵌まっている。 すなわち、 初期状態において、 針ユニッ ト 6は、 ロック 具 4 4によって下方に移動しないように支持され いる。 但し、 この状態か ら、 各ロック具 4 4が径方向外方に押圧されると、 ロック具 4 4は、 両ガイ ド片 6 6 1の間に挟まれ、 規制具 4の上下方向の移動をガイ ドするようにな っている。 また、 両ガイ ド片 6 6 1の間に挟まれたロック具 4 4は、 径方向 内方への移動が規制される。
[0067] 続いて、 受容部材 5について、 図 2 5及び図 2 6を参照しつつ説明する。 〇 2020/175452 24 卩(:171? 2020 /007393
図 2 5は受容部材の斜視図、 図 2 6は下から見た受容部材の斜視図である。 図 2 5及び図 2 6に示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 を備 えており、 この基部 5 1の中央には円形の貫通孔 5 2が形成されている。 こ の貫通孔 5 2には、 第 1針部 6 3が進入するようになっている。 また、 基部 5 1の上面には、 貫通孔 5 2を囲むように、 円筒状の固定部 5 3が設けられ ており、 この固定部 5 3にバイアル瓶 1の頭部が固定される。 この固定部 5 3には軸方向に延びる 4つのスリッ ト 5 3 1が形成されており、 このスリッ 卜 5 3 1 によって、 固定部 5 3は、 円弧状の 4つの固定片 5 3 2に分割され ている。 これにより、 各固定片 5 3 2は径方向に揺動可能に弾性変形するよ うになっている。 そして、 これら 4つの固定片 5 3 2のうち、 対向する 2つ の固定片 5 3 2の上端部に、 径方向内方を向く突部 5 3 3が形成されている 。 この突部 5 3 3が抜け止めとなり、 固定部 5 3に押し込まれたバイアル瓶 1の頭部を固定することができる。
[0068] 基部 5 1の周縁において対向する 2箇所には、 それぞれ矩形状の切り欠き
5 1 1が形成されており、 この切り欠き 5 1 1の内部に、 径方向外方に突出 する突部 (押圧部) 5 1 2が形成されている。 図 1 9に示すように、 混注具 3が組み立てられたときには、 針ユニッ ト 6のガイ ドレール 6 6が、 切り欠 き 5 1 1 に揷入され、 さらに両ガイ ド片 6 6 1の間に突部 5 1 2が揷入され ている。
[0069] また、 基部 5 1の周縁には、 切り欠き 5 1 1が形成されている以外の部分 に、 上方に延びる一対の円弧状の周壁部 5 4が形成されている。 そして、 こ れら周壁部 5 4は、 針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の内壁面に接しており、 これ によって、 受容部材 5は、 針ユニッ ト 6の内壁面に沿って軸方向に移動可能 となっている。
[0070] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。
[0071 ] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て説明する。 図
1 9に示すように、 初期状態では、 本体 4のロック具 4 4上に、 針ユニッ ト 〇 2020/175452 25 卩(:171? 2020 /007393
6のガイ ドレール 6 6が配置され、 針ユニッ ト 6の下方への移動を規制して ぃる。
[0072] また、 受容部材 5を初期位置に保持するためには、 図示を省略するが、 第
1実施形態の図 5で示した保持部 4 7のような凸部を針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の内壁面に設け、 この凸部と、 受容部材 5の周壁部 5 4の下端とを係合 させることで、 受容部材 5が下方に移動するのを規制することができ 。 但 し、 このような凸部以外であっても、 受容部材 5の移動を規制できる機構で あれば、 特には限定されなぃ。 さらに付言すると、 初期位置などの各部材の 位置を一時的に保持するような場合には、 係合を解除できるような係合長さ の短ぃ凸部同士、 あるぃは凸部と凹部とで位置を保持すること ができる。 一 方、 部材の移動を完全に規制する場合には、 係合が解除できなぃように、 係 合長さの大きぃ凸部同士、 あるぃは凸部と凹部とを設けることができる 。 な お、 このような凸部等の機構は、 本明細書における各実施形態の受容部材 5 や針ユニッ ト 6の保持のために適宜設けることができるた 、 特に断りのな ぃ限り、 受容部材 5や針ユニッ ト 6を保持するための種々の機構が設けられ てぃるものとする。
[0073] さらに、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 この突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上縁等に係合することで、 針ユニッ 卜 6が本体 4から上方へ離脱しなぃようにすることがで る。 突部の形状、 位置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状 に形成してもよぃし、 周方向に所定間隔をおぃて複数の突部を形成 すること もできる。 また、 図示を省略するが、 針ユニッ トの 6の周壁部 6 2の内壁面 に突部を形成し、 この突部が受容部材 5の周壁部 5 2のぃずれかに係合する ことで、 受容部材 5が針ユニッ ト 6から上方へ離脱しなぃようにすることが できる。 突部の形状、 位置、 数は特には限定されなぃ。
[0074] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入してぃるが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されてぃな い。 〇 2020/175452 26 卩(:171? 2020 /007393
[0075] < 2 . 混注容器の使用方法 >
次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 2 7〜図 3 0も参照しつつ説明する。 まず、 図 2 7に示すように、 初期状態にある混 注具 3に対し、 バイアル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部 を下側に向け、 受容部材 5の固定部 5 3に押し込む。 これにより、 バイアル 瓶 1の頭部が固定部 5 3の間に固定される。
[0076] 次に、 バイアル瓶 1 を下方に向かって、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む 。 これにより、 バイアル瓶 1は受容部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 バイ アル瓶 1 とともに受容部材 5は下方に移動する。 (第 1の位置 ®第 2の位置 ) このとき、 針ユニッ ト 6は、 下方向の移動が規制されているため、 バイア ル瓶 1が移動すると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の第 1針部 6 3が受容部材 5 の貫通孔 5 2に進入し、 図 2 8に示すように、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に 穿刺される。 この過程において、 受容部材 5の突部 5 1 2が本体 4のロック 具 4 4の上端に当接し、 受容部材 5がさらに押し込まれると、 図 2 9に示す ように、 突部 5 1 2は、 ロック具 4 4を径方向外方に押し遣りながら、 ロッ ク具 4 4の内側に入り込んでいく。 これに伴い、 ロック具 4 4と針ユニッ ト 6のガイ ド片 6 6 1 との係合状態が解除され、 針ユニッ ト 6は下方に移動可 能となる。 したがって、 バイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 図 3 0に示すよ うに、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 を押圧し、 針ユニ ッ ト 6は、 受容部材 5及びバイアル瓶 1 とともに下方に移動する (第 3の位 置 ®第 4の位置) 。 これに伴い、 本体 4のロック具 4 4は、 ガイ ド片 6 6 1 の内部に入り込み、 針ユニッ ト 6の下方への移動をガイ ドする。 なお、 この ときには、 第 1針部 6 3の大半はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺されてい る。
[0077] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 3 1 , 6 3 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 〇 2020/175452 27 卩(:171? 2020 /007393
の流路 6 3 1 , 6 3 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。
[0078] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 7は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 図 2 9に示すように、 第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 針ユニッ ト 6の突部 5 1 2が上方に移動す ると、 突部 5 1 2によるロック具 4 4の押圧が解除され、 図 2 8に示すよう に、 ロック具 4 4は径方向内方に移動する。 すなわち、 弾性変形により初期 状態に復帰する。 これにより、 ロック具 4 4が、 ガイ ドレール 6 6を支持す るため、 針ユニッ ト 6は再び下方への移動が規制される。 この状態からさら にバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル瓶 1は、 受容部材 5とともに上方に 移動する。 そして、 初期状態まで受容部材 5が移動すると、 バイアル瓶 1 を 受容部材 5から取り外す。 この過程で、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き 抜かれる。
[0079] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器
1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 〇 2020/175452 28 卩(:171? 2020 /007393
される。
[0080] < 3 . 特徴 >
本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6はロックされているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針 部 6 3が穿刺されるようになっている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動 しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ 卜 6と本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は初期位置から穿刺位置 へ移動するため、 その間に第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺 される。
[0081 ] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 4が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。
[0082] < 0 . 第 3実施形態 >
次に、 本発明に係る混注容器の第 3実施形態について説明する。 但し、 第 3実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。
< 1 . 混注具の概要 >
図 3 1は、 斜め方向から見た混注具の初期状態の一部切 り欠き斜視図であ る。 図 3 1 に示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4 の内部の上端部 (第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の 下端部 (第 2端部) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。 〇 2020/175452 29 卩(:171? 2020 /007393
[0083] まず、 本体 4について、 図 3 2及び図 3 3を参照しつつ説明する。 図 3 2 は本体を上方から見た斜視図、 図 3 3は本体の断面図である。 図 3 2及び図 3 3に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3 と、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 こ の貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延 在部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。
[0084] また、 筐体 4 1の内壁面の上端付近には、 軸線を挟んで一対の凹部 4 1 1 が形成されている。 各凹部 4 1 1は、 平面視矩形状に形成された筐体 4 1の 上部開口まで延びている。 後述するように、 この凹部 4 1 1の下端の段部 ( 第 3ロック具) 4 1 2には、 針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ ト 6の下方へ の移動を規制するようになっている。
[0085] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 3 4〜図 3 6を参照しつつ説明する。 図
3 4は針ユニッ トの斜視図、 図 3 5は図 3 4とは異なる方向から見た針ユニ ッ トの斜視図、 図 3 6は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。 図 3 4〜 図 3 6に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 基部 6 1の上 面から突出する第 1針部 6 2と、 基部 6 1の下面から突出する第 2針部 6 3 と、 を備えている。 第 1針部 6 2及び第 2針部 6 3は、 先端が鋭利に形成さ れ、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿 刺されるようになっている。 また、 両針部 6 2 , 6 3は、 基部 6 1の中央付 近に形成されており、 これら両針部 6 2 , 6 3を軸方向に貫通する 2つの流 路 6 2 1 , 6 2 2 (図 4 3参照) が形成されている。 したがって、 第 1針部 6 2から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 2 1 , 6 2 2を通じて第 2針部 6 3 から排出されるようになっている。
[0086] また、 基部 6 1の外縁には、 第 1針部 6 2を挟んで上方に延びる一対の口 ック具 (第 4ロック具) 6 4が設けられている。 各ロック具 6 4は、 上方に 延びる板状の基板 6 4 1 と、 この基板 6 4 1の上端から径方向外方に突出す る第 1突部 6 4 2と、 基板 6 4 1の上端から径方向内方に突出する一対の第 〇 2020/175452 30 卩(:171? 2020 /007393
2突部 6 4 3と、 を有している。 第 1突部 6 4 2は、 初期状態において、 上 述した本体 4の凹部 4 1 1の段部 4 1 2に係合するようになっている。 一対 の第 2突部 6 4 3は、 基板 6 4 1 を挟んで対称に、 それぞれ平面視!_字状に 形成されている。 すなわち、 各第 2突部 6 4 3は、 基板 6 4 1の内壁面の両 側からやや径方向内方へ突出し、 さらにそこから周方向に外側へ突出するよ うに、 形成されている。
[0087] さらに、 基部 6 1の外縁には、 ロック具 6 4が設けられている以外の領域 において、 一対の円弧状の周壁部 6 5が形成されている。 各周壁部 6 5は、 ロック具 6 4とは周方向にやや隙間を空けて配置され、 上方に延びるように 形成されている。 また、 各周壁部 6 5の外壁面は、 本体 4の筐体 4 1の内壁 面に当接しており、 これによって、 針ユニッ ト 6は、 本体 4の内壁面にガイ ドされつつ、 軸方向に移動可能なっている。
[0088] 続いて、 受容部材 5について、 図 3 7〜図 3 9を参照しつつ説明する。 図
3 7は受容部材の斜視図、 図 3 8は図 3 7とは異なる角度から見た受容部材 の斜視図、 図 3 9は下から見た受容部材の斜視図である。 図 3 7〜図 3 9に 示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 を備えており、 この基部 5 1の中央には円形の貫通孔 5 2が形成されている。 この貫通孔 5 2には、 第 1針部 6 2が進入するようになっている。 また、 基部 5 1の上面には、 貫 通孔 5 2を囲むように、 円筒状の固定部 5 3が設けられており、 この固定部 5 3にバイアル瓶 1の頭部が固定される。 この固定部 5 3には軸方向に延び る 4つのスリッ ト 5 3 1が形成されており、 このスリッ ト 5 3 1 によって、 固定部 5 3は、 円弧状の 4つの固定片 5 3 2に分割されている。 これにより 、 各固定片 5 3 2は径方向に揺動可能に弾性変形するように っている。 そ して、 これら 4つの固定片 5 3 2のうち、 対向する 2つの固定片 5 3 2の上 端部に、 径方向内方を向く突部 5 3 3が形成されている。 この突部 5 3 3が 抜け止めとなり、 固定部 5 3に押し込まれたバイアル瓶 1の頭部を固定する ことができる。
[0089] 基部 5 1の周縁において対向する 2箇所には、 それぞれ矩形状の切り欠き 〇 2020/175452 31 卩(:171? 2020 /007393
5 1 1が形成されている。 そして、 基部 5 1の周縁には、 各切り欠き 5 1 1 を結ぶように一対の円弧状の周壁部 5 4が形成されている。 そして、 各周壁 部 5 4の両端、 つまり切り欠き 5 1 1の両端と対応する位置には、 周壁部 5 4の両側に沿って上下方向に延びるガイ ド片 5 5が形成されている。 各ガイ ド片 5 5は、 周壁部 5 4の両側の外周面から周方向に切り欠き 5 1 1側に突 出するように形成されている。 したがって、 各切り欠き 5 1 1の両端におい て、 切り欠き 5 1 1の奧端部から径方向外方にやや離れた位置 ガイ ド片 5 5がそれぞれ配置されている。 そして、 各ガイ ド片 5 5の内壁面には、 上述 したロック具 6 4の第 2突部 6 4 3が係合するようになっており、 ガイ ド片 5 5にガイ ドされながら、 第 2突部 6 4 3がガイ ド片 5 5に対し相対的に上 下方向に移動可能となっている。 また、 各切り欠き 5 1 1 に配置された両ガ イ ド片 5 5の間には隙間が形成されており、 この隙間にロック具 6 4の基板 6 4 1が進入し、 上下方向に移動可能となっている。
[0090] さらに、 各ガイ ド片 5 5の内壁面の上端には、 突面 5 5 1が形成されてい る。 この突面 5 5 1は、 上方にいくにしたがって径方向内方に向かう ように 傾斜しており、 後述するように、 ロック具 6 4の第 2突部 6 4 3を径方向内 方に押圧するようになっている。
[0091 ] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。
[0092] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て説明する。 図
3 1及び後述する図 4 0に示すように、 初期状態では、 本体 4の凹部 4 1 1 の段部 4 1 2に、 針ユニッ ト 6のロック具 6 4の第 1突部 6 4 2が係合して おり、 これによって、 針ユニッ ト 6の下方への移動がロックされている。
[0093] また、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 こ の突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上縁等に係合することで、 針ユニッ ト 6が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位 置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に 形成してもよいし、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することも 〇 2020/175452 32 卩(:171? 2020 /007393
できる。 また、 図示を省略するが、 針ユニッ トの 6の周壁部 6 2の内壁面に 突部を形成し、 この突部が受容部材 5の周壁部 5 2のいずれかに係合するこ とで、 受容部材 5が針ユニッ ト 6から上方へ離脱しないようにすることがで きる。 突部の形状、 位置、 数は特には限定されない。
[0094] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。
[0095] < 2 . 混注容器の使用方法 >
次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 4 0〜図 4 3も参照しつつ説明する。 まず、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイア ル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部 材 5の固定部 5 3に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1の頭部が固定部 5 3の間に固定される。
[0096] 次に、 バイアル瓶 1 を下方に向かって、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む 。 これにより、 図 4 1 に示すように、 バイアル瓶 1は、 受容部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 受容部材 5とともに下方に移動する(第 1の位置 ®第 2の 位置)。 このとき、 針ユニッ ト 6は、 下方向の移動が規制されているため、 バ イアル瓶 1が移動すると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の第 1針部 6 2が受容部 材 5の貫通孔 5 2に進入し、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺される。 この 過程において、 受容部材 5のガイ ド片 5 5は、 針ユニッ ト 6のロック具 6 4 にガイ ドされつつ、 下方に移動する。
[0097] そして、 図 4 2に示すように、 受容部材 5が下方に移動し、 ガイ ド片 5 5 の突面 5 5 1が、 ロック具 6 4の第 2突部 6 4 3を径方向内方に押圧すると 、 ロック具 6 4全体が径方向内方に揺動する。 その結果、 ロック具 6 4の第 1突部 6 4 2と本体 4の段部 4 1 2との係合状態が解除され、 針ユニッ ト 6 は下方に移動可能となる。 この状態からバイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 図 4 3に示すように、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 を 押圧し、 針ユニッ ト 6は、 受容部材 5及びバイアル瓶 1 とともに下方に移動 〇 2020/175452 33 卩(:171? 2020 /007393
する(第 3の位置 ®第 4の位置)。 なお、 このときには、 第 1針部 6 2の大半 はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺されている。
[0098] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 2 1 , 6 2 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 の流路 6 2 1 , 6 2 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。
[0099] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 5は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 図 4 2に示すように、 第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 受容部材 5のガイ ド片 5 5が上方に移動す ると、 突面 5 5 1 によるロック具 6 4の押圧が解除され、 図 4 1 に示すよう に、 ロック具 6 4は径方向外方に移動する。 すなわち、 弾性変形により初期 状態に復帰する。 これにより、 ロック具 6 4の第 1突部 6 4 2が、 本体 4の 段部 4 1 2に係合するため、 針ユニッ ト 6は再び下方への移動が規制される 。 この状態からさらにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル瓶 1は、 受容部 材 5とともに上方に移動する。 そして、 図 4 0に示すように、 初期状態まで 受容部材 5が移動すると、 バイアル瓶 1 を受容部材 5から取り外す。 この過 程で、 第 1針部 6 2がゴム栓 1 4から引き抜かれる。
[0100] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器
1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 〇 2020/175452 34 卩(:171? 2020 /007393
栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 される。
[0101 ] < 3 . 特徴 >
本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6はロックされているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針 部 6 2が穿刺されるようになっている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動 しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ 卜 6と本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は初期位置から穿刺位置 へ移動するため、 その間に第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺 される。
[0102] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 2がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 3が先に刺さって、 薬剤容器 2から空気が抜けるのを防止 することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを防 止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バ イアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。
[0103] また、 第 1及び第 2実施形態のように、 本体 4に板状のロック具を設けて いないため、 本体 4の製造を容易に行うことができる。
[0104] < 0 . 第 4実施形態 > 〇 2020/175452 35 卩(:171? 2020 /007393
次に、 本発明に係る混注容器の第 4実施形態について説明する。 但し、 第 4実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。
< 1 . 混注具の概要 >
図 4 4は、 混注具の初期状態の断面図である。 図 4 4に示すように、 この 混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端部 (第 1端部) 側 に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2端部) 側に収容さ れる針ユニッ ト 6と、 を備えている。
[0105] まず、 本体 4について、 図 4 5及び図 4 6を参照しつつ説明する。 図 4 5 は本体を上方から見た斜視図、 図 4 6は本体の断面図である。 図 4 5及び図 4 6に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3 と、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 こ の貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延 在部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。
[0106] 筐体 4 1の内壁面には、 底壁部から上方に延びる一対のガイ ドレール 4 4 が形成されている。 各ガイ ドレール 4 4は、 貫通孔 4 2 1 を挟んで対向する ように配置されており、 一対の直方体状の棒材を平行に配置すること で形成 されている。 そして、 後述するように、 両棒材の間の隙間に受容部材 5の第 2突部 5 6が揷入され、 これによって受容部材 5の上下方向の移動がガイ ド されるようになっている。
[0107] また、 筐体 4 1の内壁面には、 底壁部 4 2から上方に延びる一対のロック 具 (第 5ロック具) 4 5が形成されている。 各ロック具 4 5は、 直方体状の 棒状に形成され、 貫通孔 4 2 1 を挟んで対向するように配置されている。 各 ロック 4 5具は、 各ガイ ドレール 4 4から上からの平面視で反時計回りに周 方向に約 4 5度離れた位置に配置されている。 また、 各ロック具 4 5は、 ガ イ ドレール 4 4よりも短く形成され、 その上端には、 後述するように、 初期 状態において、 針ユニッ ト 6の基部 6 1 (第 6ロック具) が配置され、 これ 〇 2020/175452 36 卩(:171? 2020 /007393
によって、 針ユニッ ト 6が下方へ移動するのをロックしている。
[0108] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 4 7及び図 4 8を参照しつつ説明する。
図 4 7は針ユニッ トを上方から見た斜視図、 図 4 8は針ユニッ トを下方から 見た斜視図である。
[0109] 図 4 7及び図 4 8に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 基部 6 1の上面から突出する第 1針部 6 2と、 基部 6 1の下面から突出する 第 2針部 6 3と、 を備えている。 第 1針部 6 2及び第 2針部 6 3は、 先端が 鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また、 両針部 6 2 , 6 3は、 基部 6 1の中央付近に形成されており、 これら両針部 6 2 , 6 3を軸方向に貫通 する 2つの流路 6 2 1 , 6 2 2が形成されている (図 4 4参照) 。 したがっ て、 第 1針部 6 2から流入した被溶解薬剤は、 流路 6 2 1 , 6 2 2を通じて 第 2針部 6 3から排出されるようになっている。
[01 10] 基部 6 1の外縁には、 第 1針部 6 2を挟んで対向する位置に一対の矩形状 の切り欠き 6 1 1が形成されている。 また、 基部 6 1の外縁には、 各切り欠 き 6 1 1 を結ぶように、 円弧状の一対の周壁部 6 4が形成されている。 各周 壁部 6 4は、 基部 6 1の外縁から上方に延びるように形成されて る。 なお 、 以下では、 説明の便宜のため、 両周壁部 6 4の間と切り欠き 6 1 1 によっ て形成された隙間を、 ガイ ド空間 6 1 2と称することとする。
[01 1 1 ] また、 各周壁部 6 4の外壁面は、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に当接してお り、 これによって、 針ユニッ ト 6は、 本体 4の内壁面にガイ ドされつつ、 軸 方向に移動可能なっている。 また、 後述するように、 周方向にも回転可能と なっている。 なお、 以下では、 説明の便宜のため、 基部 6 1の外縁において 上からの平面視で時計回りの方向を第 1方向、 反時計回りの方向を第 2方向 と称することとする。
[01 12] 各周壁部 6 4の周方向の中央付近には、 上下方向に延びる第 1ガイ ド溝 6
5が形成されている。 第 1ガイ ド溝 6 5は、 基部 6 1から上方にいくにした がって第 2方向に斜めに延びる傾斜部位 6 5 1 と、 この傾斜部位 6 5 1の上 〇 2020/175452 37 卩(:171? 2020 /007393
端から上方へ軸方向に真っ直ぐに延びる主 部位 6 5 2と、 で構成されている 。 主部位 6 5 2は、 周壁部 6 4の上端付近まで延びている。 また、 周壁部 6 4の内周面には、 傾斜部位 6 5 2に沿うように突出するガイ ド片 6 4 1が形 成されている。 各ガイ ド片 6 4 1は、 傾斜部位 6 5 1の第 2方向側に形成さ れている。 各第 1ガイ ド溝 6 5には、 後述する受容部材 5の第 1突部 5 5が 揷入されるようになっており、 第 1突部 5 5の外径と第 1ガイ ド溝 6 5の幅 が概ね同じになっている。
[01 13] また、 各第 1ガイ ド溝 6 5から第 1方向に約 4 5度ずれた位置には、 第 2 ガイ ド溝 6 6が形成されている。 各第 2ガイ ド溝 6 6は、 第 1ガイ ド溝 6 5 よりも幅が広く、 且つ第 1ガイ ド溝 6 5よりも軸方向の長さがやや短く形成 されている。 この第 2ガイ ド溝 6 6には、 上述した本体 4のロック具 4 5が 揷入されるようになっている。
[01 14] なお、 基部 6 1 において、 各ガイ ド溝 6 5 , 6 6の下端部と対応する位置 には、 各ガイ ド溝 6 5 , 6 6と連続する切り欠き 6 5 3 , 6 6 1が形成され ている。
[01 15] 続いて、 受容部材 5について、 図 4 9及び図 5 0を参照しつつ説明する。
図 4 9は受容部材を上から見た斜視図、 図 5 0は受容部材を下から見た斜視 図である。
[01 16] 図 4 9及び図 5 0に示すように、 受容部材 5は、 外形が円形の基部 5 1 を 備えており、 この基部 5 1の中央には円形の貫通孔 5 2が形成されている。 この貫通孔 5 2には、 第 1針部 6 2が進入するようになっている。 また、 基 部 5 1の上面には、 貫通孔 5 2を囲むように、 円筒状の固定部 5 3が設けら れており、 この固定部 5 3にバイアル瓶 1の頭部が固定される。 この固定部 5 3には軸方向に延びる 4つのスリッ ト 5 3 1が形成されており、 このスリ ッ ト 5 3 1 によって、 固定部 5 3は、 円弧状の 4つの固定片 5 3 2に分割さ れている。 これにより、 各固定片 5 3 2は径方向に揺動可能に弾性変形する ようになっている。 そして、 これら 4つの固定片 5 3 2のうち、 対向する 2 つの固定片 5 3 2の上端部に、 径方向内方を向く突部 5 3 3が形成されてい 〇 2020/175452 38 卩(:171? 2020 /007393
る。 この突部 5 3 3が抜け止めとなり、 固定部 5 3に押し込まれたバイアル 瓶 1の頭部を固定することができる。
[01 17] 基部 5 1の周縁には、 円筒状の周壁部 5 4が形成されている。 また、 周壁 部 5 4の外壁面の下端部には、 貫通孔 5 2を挟んで対向するように、 一対の 円柱状の第 1突部 5 5が形成されている。 各第 1突部 5 5は、 上述したよう に、 針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド溝 6 5に揷入される。 さらに、 周壁部 5 4の 外壁面の下端部には、 各第 1突部とは周方向に 9 0度ずれた位置に、 円柱状 の第 2突部 5 6が形成されている。 各第 2突部 5 6は、 針ユニッ ト 6の切り 欠き 6 1 1 と対応する位置、 つまりガイ ド空間 6 1 2に配置される。
[01 18] なお、 本体 4、 針ユニッ ト 6、 及び受容部材 5は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。
[01 19] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て、 図 5 1〜図
5 3も参照しつつ説明する。 図 5 1は、 受容部材 5と針ユニッ ト 6とを組み 立てた斜視図、 図 5 2は、 本体 4と針ユニッ トとを組み立てた斜視図、 図 5 3は、 全ての部材を組み立てた斜視図である。 図 5 1 に示すように、 初期状 態では、 受容部材 5の各第 1突部 5 5が、 針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド溝 6 5 の上端付近に揷入されている。
[0120] また、 図 5 2に示すように、 本体 4のガイ ドレール 4 4は、 針ユニッ ト 6 のガイ ド空間 6 1 2に配置され、 図 5 3に示すように、 各ガイ ドレール 4 4 には受容部材 5の第 2突部 5 6が配置される。 また、 図 5 2に示すように、 各ガイ ドレール 4 4の両側と、 ガイ ド空間 6 1 2の両側の間には隙間が形成 されている。 したがって、 針ユニッ ト 6は、 この隙間の大きさだけ、 周方向 に回転可能となっている。 換言すると、 ガイ ド空間 5 1 2とガイ ドレール 4 4によって、 針ユニッ ト 6の周方向の回転範囲が規制されている。
[0121 ] 本体 4の各ロック具 4 5は、 針ユニッ ト 6の第 2ガイ ド溝 6 6から周方向 にややずれた位置で、 針ユニッ ト 6の基部 6 1の下面に接している。 したが って、 各ロック具 4 5によって針ユニッ ト 6は、 下方への移動がロックされ ているが、 初期状態から針ユニッ トが第 2方向に回転すると、 図 5 2に示す 〇 2020/175452 39 卩(:171? 2020 /007393
ように、 ロック具 4 5が第 2ガイ ド溝 6 6に進入可能となるため、 針ユニッ 卜 6は、 下方への移動が可能となる。
[0122] また、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 こ の突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 4の上縁等に係合することで、 針ユニッ ト 6が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位 置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に 形成してもよいし、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することも できる。 尚、 受容部材 5は、 第 1突起 5 5が針ユニッ ト 6の閉じられた第 1 ガイ ド溝 6 5に揷入されているので、 上方へ離脱することはない。
[0123] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。
[0124] < 2 . 混注容器の使用方法 >
次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 5 4〜図 5 7も参照しつつ説明する。 但し、 図 5 4〜図 5 7では、 説明の便宜のため 、 主たる構造以外の構造を破線で示し、 主たる構造が見やすくなるように表 示している。 まず、 図 5 4に示すように、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイアル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部材 5の固定部 5 3に押し込む。 これにより、 バイアル瓶 1の頭部が固 定部 5 3の間に固定される。
[0125] 次に、 バイアル瓶 1 を下方に向かって、 つまり針ユニッ ト 6側に押し込む 。 これにより、 バイアル瓶 1は、 受容部材 5の基部 5 1 を下方に押圧し、 受 容部材 5とともに下方に移動する(第 1の位置 ®第 2の位置)。 このとき、 針 ユニッ ト 6は、 下方向の移動が規制されているため、 バイアル瓶 1が移動す ると、 相対的に、 針ユニッ ト 6の第 1針部 6 2が受容部材 5の貫通孔 5 2に 進入し、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺される。 この過程において、 図 5 5に示すように、 受容部材 5の第 1突部 5 5は、 針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド 溝 6 5の主部位 6 5 2に沿って、 下方に移動する。 〇 2020/175452 40 卩(:171? 2020 /007393
[0126] そして、 受容部材 5がさらに下方に移動すると、 第 1突部 5 5は傾斜部位
6 5 1 に沿って下方に移動する。 このとき、 受容部材 5の第 2突部 5 6は、 本体 4のガイ ドレール 4 4に沿って下方に移動するため、 受容部材 5は周方 向には回転しないが、 第 1突部 5 5は傾斜部位 6 5 1 に沿って斜めに移動す るため、 図 5 6に示すように、 これに伴って、 針ユニッ ト 6は、 第 2方向に 回転する。 その結果、 第 2ガイ ド溝 6 6も第 2方向に回転し、 第 2ガイ ド溝 6 6の下方にロック具 4 5が位置する。 これによって、 ロック具 4 5と針ユ ニッ ト 6の基部 6 1 とのロックが解除され、 ロック具 4 5が第 2ガイ ド溝 6 6に進入可能となる。 すなわち、 針ユニッ ト 6は下方に移動可能となる。 こ の状態からバイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 受容部材 5の基部 5 1が、 針 ユニッ ト 6の基部 6 1 を押圧し、 針ユニッ ト 6は、 受容部材 5及びバイアル 瓶 1 とともに下方に移動する(第 3の位置 ®第 4の位置)。 なお、 このときに は、 第 1針部 6 3の大半はバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺されている。
[0127] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 2 1 , 6 2 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 の流路 6 3 1 , 6 3 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。
[0128] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 0 0とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6及び受容部材 5は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過 程において、 図 5 6に示すように、 第 2針部 6 3は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 受容部材 5の第 1突部 5 5が第 1ガイ ド溝 6 5に沿って上方に移動すると、 上述したのとは反対の第 1方向に針ユニッ 〇 2020/175452 41 卩(:171? 2020 /007393
卜 6が回転し、 ロック具 4 5によって、 針ユニッ ト 6の基部 6 1が再び支持 される。 したがって、 図 5 5に示すように、 針ユニッ ト 6は再び下方への移 動が規制される。 この状態からさらにバイアル瓶 1 を引っ張ると、 バイアル 瓶 1は、 受容部材 5とともに上方に移動する。 そして、 図 5 4に示すように 、 初期状態まで受容部材 5が移動すると、 バイアル瓶 1 を受容部材 5から取 り外す。 この過程で、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き抜かれる。
[0129] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器
1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 される。
[0130] < 3 . 特徴 >
本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6はロックされているため、 この間に、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針 部 6 2が穿刺されるようになっている。 また、 この間に針ユニッ ト 6は移動 しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置まで移動した後は、 針ユニッ 卜 6が回転することで、 本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は、 初 期位置から穿刺位置へ移動する。 これにより、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2の ゴム栓 2 3 2に穿刺される。 〇 2020/175452 42 卩(:171? 2020 /007393
[0131 ] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 3が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。
[0132] また、 第 1〜第 3実施形態のように、 板状のロック具を設けておらず、 主 として、 突部 5 5 , 5 6とガイ ド溝 6 5 , 6 6とによって針ユニッ ト 6の移 動を制御している。 そのため、 各部材 4〜 6の製造を容易に行うことができ る。
[0133] < £ . 第 5実施形態 >
次に、 本発明に係る混注容器の第 5実施形態について説明する。 但し、 第 5実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。
< 1 . 混注具の概要 >
図 5 8は、 混注具の初期状態を示す一部切り欠き斜視図 である。 図 5 8に 示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部に収容 される針ユニッ ト 6と、 を備えている。
[0134] まず、 本体について、 図 5 9及び図 6 0を参照しつつ説明する。 図 5 9は 本体を上方から見た斜視図、 図 6 0は本体の断面図である。 図 5 9及び図 6 0に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開口 の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 この底壁部 4 2から下方に延びる延在部 4 3と 、 備えている。 底壁部 4 2には円形の貫通孔 4 2 1が形成されており、 この 貫通孔 4 2 1の縁部から延在部 4 3が下方に延びている。 そして、 この延在 部 4 3に、 上述した薬剤容器 2の薬剤流入部 2 3が収容される。 そして、 底 壁部 4 2には、 板状に形成された一対のロック具 (第 7ロック具) 4 4が設 けられている。 両ロック具 4 4は、 貫通孔 4 2 1 を挟んで向かい合うように 〇 2020/175452 43 卩(:171? 2020 /007393
配置され、 底壁部 4 2から上方に向かって延びている。 また、 各ロック具 4 4の上端部には、 後述するように針ユニッ ト 6が係合し、 針ユニッ ト 6の下 方への移動を規制するようになっている。
[0135] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 6 1〜図 6 3を参照しつつ説明する。 図
6 1は針ユニッ トの斜視図、 図 6 2は図 6 1 とは異なる方向から見た針ユニ ッ トの斜視図、 図 6 3は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。
[0136] 図 6 1〜図 6 3に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 こ の基部 6 1の周縁から上方に延びる円筒状の周壁部 6 2と、 基部 6 1の上面 から突出する第 1針部 6 3と、 基部 6 1の下面から突出する第 2針部 6 4と 、 を備えている。 そして、 この針ユニッ ト 6の周壁部 6 2は、 上述した本体 4の筐体 4 1の内壁面に接しつつ、 本体 4内を上下方向に移動するようにな っている。 第 1針部 6 3及び第 2針部 6 4は、 先端が鋭利に形成され、 それ それ、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺される ようになっている。 また、 両針部 6 3 , 6 4は、 基部 6 1の中央付近に形成 されており、 これら両針部 6 3 , 6 4を軸方向に貫通する 2つの流路 6 3 1 , 6 3 2が形成されている (図 6 6参照) 。 したがって、 第 1針部 6 3から 流入した被溶解薬剤は、 流路 6 3 1 , 6 3 2を通じて第 2針部 6 4から排出 されるようになっている。
[0137] また、 基部 6 1の上面には、 第 1針部 6 3を挟むように、 板状の一対の固 定部 6 5が設けられており、 この固定部 6 5にバイアル瓶 1の頭部が固定さ れる。 また、 各固定部 6 5の上端部には、 径方向内方を向く突部 6 5 1が形 成されている。 この突部 6 5 1が抜け止めとなり、 固定部 6 5に押し込まれ たバイアル瓶 1の頭部を固定することができる。
[0138] さらに、 基部 6 1の上面において、 固定部 6 5とは、 9 0度ずれた位置に は、 第 1針部 6 3を挟むように矩形状の貫通孔 6 6が形成されている。 各貫 通孔 6 6は周壁部 6 2に達するように径方向に延びており、 さらに各貫通孔 6 6の両側縁に沿って一対の支持壁 6 6 1が形成されている。 各支持壁 6 6 1は、 貫通孔 6 6の径方向へ周壁部付近まで延びているが、 各支持壁 6 6 1 〇 2020/175452 44 卩(:171? 2020 /007393
の径方向外方の端部と周壁部 6 2との間には隙間が形成されている。 そして 、 両支持壁 6 6 1の径方向外方の端部同士を連結するように 連結部 6 6 2 が形成されている。 この連結部 6 6 2の下端には、 下方に延びる一対の係止 部 (第 8ロック具) 6 7と、 両係止部 6 7の間から下方に延びるアーム部 6 8と、 が連結されている。 係止部 6 7は、 板状に形成されて下方に延びてい るが、 貫通孔 6 6までは達していない。 アーム部 6 8は、 連結部 6 6 2から 下方に延びる板状の第 1部位 6 8 1 と、 この第 1部位 6 8 1の下端部から径 方向内方に延びる板状の第 2部位 6 8 2とを備えており、 全体として側面視 1-字状に形成されている。 以下、 第 1部位 6 8 1 と第 2部位 6 8 2との連結 部分を角部と称することとする。
[0139] 第 1部位 6 8 1は、 係止部 6 7よりも下方に延びているが、 貫通孔 6 6ま では達しておらず、 第 2部位 6 8 2は、 貫通孔 6 6より上方で径方向に延び ている。 また、 第 1部位 6 8 2は、 やや径方向内方側へ傾斜するように延び ている。 さらに、 第 2部位 6 8 2の径方向内方の端部には、 上方に突出する 突部 6 8 3が形成されている。
[0140] 上記のように、 連結部 6 6 2は周壁部 6 2からは隙間を開けて配置されて いるため、 貫通孔 6 6は、 径方向外方に連結部 6 6 2を超えて、 周壁部 6 2 に達するまで延びている。 以下、 貫通孔 6 6において、 連結部 6 6 2と周壁 部 6 2との間の部分を、 端部領域 6 6 5と称することとするが、 後述するよ うに、 本体 4のロック具 4 4は、 この端部領域 6 6 5に揷入されるようにな っている。
[0141 ] なお、 本体 4、 及び針ユニッ ト 6は、 それぞれ、 樹脂材料などで一体的に 形成されている。
[0142] 次に、 上記 2つの部材の初期状態での組み立て構造につ て説明する。 図
5 8に示すように、 初期状態では、 本体 4のロック具 4 4上に、 針ユニッ ト 6の係止部 6 7が配置され、 これによって、 針ユニッ ト 6の下方への移動が ロックされている。 また、 アーム部 6 8の角部は、 ロック具 4 4の径方向内 方の面に接している。 〇 2020/175452 45 卩(:171? 2020 /007393
[0143] また、 図示を省略するが、 本体 4の筐体 4 1の内壁面に突部を形成し、 こ の突部が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上縁等に係合することで、 針ユニッ ト 6が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位 置、 数は特には限定されず、 例えば、 筐体 4 1の内周面全体に亙って環状に 形成してもよいし、 周方向に所定間隔をおいて複数の突部を形成 することも できる。
[0144] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。
[0145] < 2 . 混注容器の使用方法 >
次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 6 4〜図 6 6も参照しつつ説明する。 まず、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイア ル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 ゴム栓 に針ユニッ ト 6の第 1針部 6 3を穿刺する。 すなわち、 バイアル瓶 1 を針ユ ニッ ト 6に向けて押圧する。 これにより、 図 6 4八及び図 6 4巳に示すよう に、 第 1針部 6 3がゴム栓に徐々に刺し込まれていき、 バイアル瓶 1の頭部 は、 固定部 6 5に嵌め込まれる。 この過程において、 針ユニッ ト 6の係止部 6 7は、 本体 4のロック具 4 4上に配置されているため、 針ユニッ ト 6の下 方への移動がロックされている。
[0146] そして、 図 6 5に示すように、 バイアル瓶 1の頭部がアーム部 6 8の突部
6 8 3を押圧すると、 アーム部 6 8は、 第 1部位 6 8 1の上端部を中心に径 方向外方に揺動する。 なお第 1部位 6 8 1の長さを変更すること、 第 1部位 6 8 1 と第 2部位 6 8 2の角度を変更すること、 突出部 6 8 3の高さを変更 することで、 第 1部位 6 8 1の径方向外方への揺動量を調整することが き る。 これにより、 アーム部 6 8の角部が、 ロック具 4 4を径方向外方に押し 遣り、 係止部 6 7とロック具 4 4との係合状態が解除される。 これにより、 針ユニッ ト 6は下方に移動可能となる。 この状態から、 バイアル瓶 1 をさら に押し込むと、 図 6 6に示すように、 針ユニッ ト 6は、 バイアル瓶 1 ととも 〇 2020/175452 46 卩(:171? 2020 /007393
に下方に移動する(第 1の位置 ®第 2の位置)。 これに伴い、 本体 4のロック 具 4 4は、 針ユニッ トの端部領域 6 6 5に入り込み、 針ユニッ ト 6の下方へ の移動をガイ ドする。
[0147] こうして、 針ユニッ ト 6が下降すると、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2に穿刺されていく。 これにより、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル 瓶 1 と薬剤容器 2が連通するため、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ 卜 6の流路 6 3 1 , 6 3 2を介して薬剤容器 2に流れ込む。 このとき、 一方 の流路 6 3 1 , 6 3 2は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気の通路になる ため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。
[0148] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 〇〇とを一体化させた状態で、 上下の 反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過程において、 第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 初期 状態まで針ユニッ ト 6が移動すると、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3から取り 外す。 これにより、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き抜かれる。
[0149] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器
1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながつた輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 〇 2020/175452 47 卩(:171? 2020 /007393
される。
[0150] < 3 . 特徴 >
本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 バイアル瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針部 6 3に穿刺するようにバイア ル瓶 1 を押し込んでいる間には、 針ユニッ ト 6は本体 4にロックされている 。 そのため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2には 穿刺されない。 そして、 バイアル瓶 1がアーム部 6 8を押圧した後は、 針ユ ニッ ト 6と本体 4とのロックが解除され、 針ユニッ ト 6は、 初期位置から穿 刺位置へ移動するため、 その間に第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2 に穿刺される。
[0151 ] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 4が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1が針ユニッ ト 6のアーム部 6 8 を押圧できればよいため、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイ アル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。
[0152] また、 第 5実施形態では、 混注具 3を構成する部材が、 本体 4と針ユニッ 卜 6の 2点であるため、 第 1〜第 4実施形態と比べ部品点数が少なく、 コス 卜を低減することができる。
[0153] なお、 アーム部 6 8及びロック具 4 4の構成は、 特には限定されず、 例え ば、 次のように構成することができる。 図 6 7に示すように、 アーム部 6 8 の角部に、 径方向外方に突出する突部 6 8 5を形成し、 この突部 6 8 5に凸 状の曲面を形成する。 一方、 ロック具 4 4の上端に切り欠き 4 4 1 を形成し 、 この切り欠き 4 4 1 に突部 6 8 5の曲面と係合する凹状の曲面を形成する 。 アーム具 6 8の突部 6 8 5は、 例えば、 図 6 8八に示すように、 径方向外 方の斜め下方に突出するような形状であって もよいし、 図 6 9八に示すよう 〇 2020/175452 48 卩(:171? 2020 /007393
に、 下方に突出するような形状であってもよく、 ロック具 4 4の曲面と接す ればよい。 このように、 切り欠き 4 4 1の内部に突部 6 8 5を係合させるこ とで、 初期状態において、 アーム具 6 8はロック具 4 4に強固にロックされ る。 また、 曲面同士が接しているため、 図 6 8巳及び図 6 9巳に示すように 、 アーム部 6 8が揺動した場合には、 アーム部 6 8の力をロック具 4 4に伝 達しやすい。 さらに、 図 6 8〇及び図 6 9〇に示すように、 針ユニッ ト 6が 下方に移動したときには、 アーム部 6 8とロック具 4 4とが引っ掛かりにく く、 アーム部 6 8をロック具 4 4からスムーズに離脱させることができる。 また、 これらアーム部 6 8とロック具 4 4によるロック機構は、 前述した係 止部 6 7とロック具 4 4によるロック機構と併用することができる
[0154] < . 第 6実施形態>
次に、 本発明に係る混注容器の第 6実施形態について説明する。 但し、 第 6実施形態に係る混注容器は、 混注具のみが第 1実施形態と相違するため、 以下では、 主として混注具について説明する。
[0155] <1 . 混注具の概要>
図 7 0は、 混注具の初期状態を示す一部切り欠き斜視図 である。 図 7 0に 示すように、 この混注具 3は、 円筒状の本体 4と、 この本体 4の内部の上端 部 (第 1端部) 側に収容される受容部材 5と、 本体 4の内部の下端部 (第 2 端部) 側に収容される針ユニッ ト 6と、 を備えている。
[0156] まず、 本体 4について、 図 7 1及び図 7 2を参照しつつ説明する。 図 7 1 は本体を上方から見た斜視図、 図 7 2は本体の断面図である。 図 7 1及び図 7 2に示すように、 本体 4は、 円筒状の筐体 4 1 と、 この筐体 4 1の下部開 口の一部を塞ぐ底壁部 4 2と、 を備えている。 この底壁部 4 2には円形の貫 通孔 4 3が形成されており、 この貫通孔 4 3に上述した薬剤容器 2の薬剤流 入部 2 3が収容される。 そして、 貫通孔 4 3の周縁には、 一対の下側ロック 具 (第 1 ロック具) 4 4が設けられている。 両下側ロック具 4 4は、 貫通孔 4 3を挟んで向かい合うように配置されている 各下側ロック具 4 4は、 上 方に向かって延びる湾曲した板状に形成され ており、 上端部が径方向内方に 〇 2020/175452 49 卩(:171? 2020 /007393
向かってやや傾斜するように延びている。
[0157] 次に、 針ユニッ ト 6について、 図 7 3〜図 7 5を参照しつつ説明する。 図
7 3は針ユニッ トの斜視図、 図 7 4は図 7 3とは異なる方向から見た針ユニ ッ トの斜視図、 図 7 5は針ユニッ トを下方から見た斜視図である。 図 7 3〜 図 7 5に示すように、 針ユニッ ト 6は、 円板状の基部 6 1 と、 この基部 6 1 の周縁から上方に延びる円筒状の周壁部 6 2と、 を備えている。 また、 基部 6 1の中央には円柱状の隆起部 6 1 1が隆起しており、 この隆起部 6 1の上 面からは第 1針部 6 3が上方に突出し、 隆起部の下面からは第 2針部 6 4が 下方に突出している。 一方、 基部 6 1の下面側には隆起部 6 1 1 と対応する ように凹部 6 1 2が形成されており、 この凹部 6 1 2に薬剤容器 2の薬剤流 入部 2 3が収容されるようになっている。
[0158] そして、 この針ユニッ ト 6の周壁部 6 2は、 上述した本体 4の内壁面に接 しつつ、 本体 4内を上下方向に移動するようになっている 第 1針部 6 3及 び第 2針部 6 4は、 先端が鋭利に形成され、 それぞれ、 バイアル瓶 1のゴム 栓 1 4、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺されるようになっている。 また、 両針部 6 3 , 6 4は、 隆起部 6 1 1の中央付近に形成されており、 これら両 針部 6 3 , 6 4を軸方向に貫通する 2つの流路(図示省略)が形成されている 。 したがって、 第 1針部 6 3から流入した被溶解薬剤は、 流路を通じて第 2 針部 6 4から排出されるようになっている。
[0159] また、 基部 6 1の縁部から周壁部 6 2に亘っては、 針部 6 3 , 6 4を挟ん で対向するように一対の切り欠き部 6 5が形成されている。 各切り欠き部 6 5は、 基部 6 1の縁部において略矩形状に形成された第 1部位 6 5 1 と、 こ の第 1部位 6 5 1から上方へ向かって周壁部 6 2に形成された第 2部位 6 5 2と、 を備えている。 各切り欠き部 6 5には、 後述するように、 針ユニッ ト 6が初期位置から穿刺位置に移動する際に、 本体 4の下側ロック具 4 4が進 入するようになっている。 また、 各切り欠き部 6 5を挟むように周壁部 6 2 の内壁面には、 一対のガイ ド片 6 6が設けられている。 各ガイ ド片 6 6は、 切り欠き部 6 5の第 2部位の両側から径方向内方に延びる第 1部位 6 6 1 と 〇 2020/175452 50 卩(:171? 2020 /007393
、 第 1部位 6 6 1の先端から周方向に延びる第 2部位 (第 2ロック具) 6 6 2とを備えている。 両ガイ ド片 6 6の第 2部位 6 6 2は互いに近接している が、 両第 2部位 6 6 2の間には隙間が形成されている。 この隙間に後述する ように、 受容部材 5の突部 5 8が進入するようになっている。
[0160] また、 基部 6 1の縁部には、 各ガイ ド片 6 6から周方向に 9 0度ずれた位 置に上側ロック具 (第 9ロック具) 6 7がそれぞれ形成されている。 各上側 ロック具 6 7は、 基部 6 1から上方に延びる板状に形成されており、 その上 端部が径方向内方へやや傾斜するように延び ている。
[0161 ] 次に、 受容部材 5について、 図 7 6及び図 7 7を参照しつつ説明する。 図
7 6は受容部材の斜視図、 図 7 7は図 7 6とは異なる方向から見た針ュニッ 卜の斜視図である。
[0162] 図 7 6〜図 7 7に示すように、 受容部材 5は、 中央に貫通孔 5 1 1が形成 された円板状の基部 5 1 と、 この基部 5 1の周縁から上方に延びる円筒状の 周壁部 5 2と、 を備えている。 そして、 この受容部材 5の周壁部 5 2は、 上 述した針ュニッ トの 6周壁部 6 2の内壁面に接しつつ、 本体 4内を上下方向 に移動するようになっている。
[0163] また、 基部 5 1の上面には、 貫通孔 5 1 1 を挟むように、 板状の一対の第
1固定部 5 3が設けられており、 この第 1固定部 5 3に大径のバイアル瓶 1 の頭部が固定される。 また、 各第 1固定部 5 3の上端部には、 径方向内方を 向く突部 5 3 1が形成されている。 この突部 5 3 1が抜け止めとなり、 第 1 固定部 5 3に押し込まれたバイアル瓶 1の頭部を固定することができる。 ま た、 基部 5 1の縁部には、 第 1固定部 5 3と対応する位置に、 径方向外方に 突出する突部 5 8が形成されている。
[0164] また、 各第 1固定部 5 3と周方向に隣接する位置には、 それぞれ、 第 2固 定部 5 4が形成されている。 両第 2固定部 5 4は、 貫通孔 5 1 1 を挟んで対 向するように配置されている。 より詳細に説明すると、 各第 2固定部 5 4は 、 基部 5 1から上方に延びる第 1部位 5 4 1 と、 この第 1部位 5 4 1の上端 から貫通孔 5 1 1 に向かうように斜め下方に延びる第 2部位 5 4 2とを、 有 〇 2020/175452 51 卩(:171? 2020 /007393
し、 全体として V字状に形成されている。 第 2部位 5 4は、 第 1固定部 5 3 の突部 5 3 1 よりも径方向内方に延びており、 これによって、 第 2固定部 5 4は、 第 1固定部 5 3では保持できないような、 小径のバイアル瓶 1の頭部 を固定することができる。 また、 第 1部位 5 4 1 と第 2部位 5 4 2との連結 部分は円弧状に形成されており、 これによって第 2部位 5 4 2は、 第 1部位 5 4 1 に対して両部位 5 4 1 , 5 4 2の角度が小さくなるように弾性変形可 能となっている。 後述するように、 この形状によって種々のサイズのバイア ル瓶 1 を固定することができる。 また、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3に対し て真っ直ぐに挿入するためのガイ ドとしての役割も果たす。
[0165] さらに、 基部 5 1の上面において、 第 1固定部 5 3とは、 9 0度ずれた位 置には、 基部 5 1から周壁部 5 2に亙って延びる切り欠き部 5 5がそれぞれ 形成されている。 各切り欠き部 5 5は、 基部 5 1の周縁に矩形状に形成され た第 1部位 5 5 1 と、 この第 1部位 5 5 1から上方へ向かって周壁部 5 2に 形成された第 2部位 5 5 2とを有し、 全体として!-字状に形成されている。 そして、 各切り欠き 5 5部には、 !_字状のアーム部 5 6が設けられている。 各アーム部 5 6は、 切り欠き部 5 5の第 2部位 5 5 2の上端から下方に延び る第 1部位 5 6 1 と、 この第 1部位 5 6 1の下端から、 水平方向へ切り欠き 部 5 5の第 1部位 5 5 1内で延びる第 2部位 5 6 2と、 を備えている。 また 、 第 1部位 5 6 1の下端には下方に延びる第 3部位 5 6 3が形成されており 、 第 3部位 5 6 3の下端には径方向外方へ延びる第 1突部 5 6 4が形成され ている。 さらに、 第 2部位 5 6 2の先端には上方に突出する第 2突部 5 6 5 が形成されている。
[0166] 周壁部 5 2の外面において、 切り欠き部 5 5の第 2部位 5 5 2の両側には 、 突部 5 7 (第 1 0ロック具) が形成されており、 この突部 5 7に、 針ユニ ッ ト 6の上側ロック具 6 7の上端が係合するようになっている。
[0167] なお、 本体 4、 受容部材 5、 及び針ユニッ ト 6は、 それぞれ、 樹脂材料な どで一体的に形成されている。
[0168] 次に、 上記 3つの部材の初期状態での組み立て構造につ て、 図 7 8〜図 〇 2020/175452 52 卩(:171? 2020 /007393
8 0を参照しつつ説明する。 図 7 8は受容部材 5と針ユニッ ト 6の組み立て 構造を示す斜視図、 図 7 9は混注具の断面図、 図 8 0は図 7 9とは軸周りに 9 0度交差する断面図である。 図 7 8〜図 8 0に示すように、 初期状態では 、 針ユニッ ト 6の上側ロック具 6 7 (第 9ロック具) の上端が、 受容部材 5 の突部 5 7 (第 1 0ロック具) に接しており、 これによって受容部材 5が針 ユニッ ト 6に支持され、 受容部材 5が針ユニッ ト 6に対して下方に移動する のがロックされている。 このとき、 アーム部 5 6の第 1突部 5 6 4が上側口 ック具 6 7に、 径方向内方から当接している。
[0169] また、 図 8 0に示すように、 本体 4の下側ロック具 4 4 (第 1 ロック具) の上端が、 針ユニッ ト 6のガイ ド片 6 6の第 2部位 6 6 2 (第 2ロック具) に接しており、 これによって針ユニッ ト 6が本体 4に支持され、 針ユニッ ト 6が受容部材 5に対して下方に移動するのがロックされて る。
[0170] また、 図示を省略するが、 針ユニッ トの 6の周壁部 6 2の内壁面に突部を 形成し、 この突部が受容部材 5の周壁部 5 2のいずれかに係合することで、 受容部材 5が針ユニッ ト 6から上方へ離脱しないようにすることがで る。 また、 図示を省略するが、 本体 4の周壁部 4 1の内壁面に突起を形成し、 こ の突起が針ユニッ ト 6の周壁部 6 2の上端と係合することで、 針ユニッ ト 6 が本体 4から上方へ離脱しないようにすることがで る。 突部の形状、 位置 、 数は特には限定されない。
[0171 ] また、 初期状態では、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム 栓 2 3 2の凹部 2 3 3に進入しているが、 ゴム栓 2 3 2には穿刺されていな い。
[0172] < 2 . 混注容器の使用方法 >
次に、 上記のように構成された混注容器の使用方法 について、 図 8 1〜図 8 5も参照しつつ説明する。 まず、 初期状態にある混注具 3に対し、 バイア ル瓶 1 を取り付ける。 このとき、 バイアル瓶 1の頭部を下側に向け、 受容部 材 5の第 1固定部 5 3に対してバイアル瓶 1の頭部を嵌め込む。 すなわち、 バイアル瓶 1 を受容部材 5に向けて押圧する。 これにより、 図 8 1 に示すよ 〇 2020/175452 53 卩(:171? 2020 /007393
うに、 バイアル瓶 1の頭部は、 第 1固定部 5 3に嵌め込まれる。 この過程に おいて、 バイアル瓶 1の頭部がアーム部 5 6の第 2突部 5 6 5を押圧し、 こ れによって、 アーム部 5 6が径方向外方へ揺動する。 これに伴い、 アーム部 5 6の第 1突部 5 6 4が上側ロック具 6 7の上端を径方向外方に押し遣る。 その結果、 上側ロック具 6 7と受容部材 5の突部 5 7との係合状態が解除さ れ、 受容部材 5は、 針ユニッ ト 6に対して下方に移動可能となる。
[0173] この状態から、 バイアル瓶 1 を下方に押し込むと、 バイアル瓶 1 と受容部 材 5とが一体となって、 下方に移動する (第 1の位置 ®第 2の位置) 。 図 8 2に示すように、 この過程において、 バイアル瓶 1のゴム栓に、 第 1針部 6 3が刺し込まれていく。 こうして、 図 8 3に示すように、 受容部材 5がバイ アル瓶 1 とともに下方に移動し、 受容部材 5の基部 5 1が、 針ユニッ ト 6の 隆起部 6 1 1 に近接すると、 受容部材 5の突部 5 8が、 針ユニッ ト 6のガイ ド片 6 6の間に進入し、 本体 4の下側ロック具 4 4に当接する。 この状態か らバイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 図 8 4に示すように、 突部 5 8が下側 ロック具 4 4を径方向外方に押し遣る。 その結果、 下側ロック具 4 4と針ユ ニッ ト 6のガイ ド片 6 6の第 2部位 6 6 2との係合状態が解除され、 針ユニ ッ ト 6は本体 4に対して下方に移動可能となる。 これに伴い、 下側ロック具 4 4は、 針ユニッ ト 6の切り欠き部 6 5の第 2部位 6 5 2に進入していく。
[0174] そして、 バイアル瓶 1 をさらに押し込むと、 バイアル瓶 1、 受容部材 5、 及び針ユニッ ト 6が一体となって、 下方に移動する。 これにより、 図 8 5に 示すように、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 4が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に差 し込まれる。 そして、 図 8 6に示すように、 薬剤流入部 2 3が針ユニッ ト 6 の凹部 6 1 2に入り込んでいき、 第 2針部 6 4がゴム栓 2 3 2を貫通する。 その結果、 針ユニッ ト 6を介して、 バイアル瓶 1 と薬剤容器 2が連通するた め、 バイアル瓶 1の被溶解薬剤が、 針ユニッ ト 6の流路を介して薬剤容器 2 に流れ込む。 このとき、 一方の流路は被溶解薬剤の通路となり、 他方は空気 の通路になるため、 被溶解薬剤がスムーズに流通する。
[0175] 続いて、 バイアル瓶 1 と混注容器 1 〇〇とを一体化させた状態で、 上下の 〇 2020/175452 54 卩(:171? 2020 /007393
反転を繰り返す。 すなわち、 薬剤容器 2の溶解薬剤をバイアル瓶 1 に移動し て被溶解薬剤を溶解させた後、 溶解した薬剤を薬剤容器 2に移動する。 この 操作を繰り返すことで、 混合液が調製される。 そして、 他の薬剤を混合する 場合には、 バイアル瓶 1 を混注容器 1 〇〇から引き抜く。 これにより、 針ユ ニッ ト 6は、 バイアル瓶 1 とともに上方に移動する。 この過程において、 第 2針部 6 4は、 薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2から引き抜かれる。 そして、 初期 状態まで針ユニッ ト 6が移動すると、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3から取り 外す。 これにより、 第 1針部 6 3がゴム栓 1 4から引き抜かれる。
[0176] これに続いて、 上述したのと同様の方法で、 新たなバイアル瓶を混注容器
1 0 0に取付け、 それに収容されている薬剤を薬剤容器 2内に供給する。 こ うして、 全ての薬剤が薬剤容器 2内に供給されると、 混合液が調製される。 その後、 混注容器 1 〇〇を点滴スタンドなどに吊り下げ、 排出部 2 6のゴム 栓に輸液セッ トの針部材を刺し込み、 混合液を患者に投与することもできる 。 また、 上記のように調製した混合液を直接患者に投 与せず、 他の輸液製剤 に更に混合して患者に投与することも有り得 る。 この場合、 混合液を他の輸 液製剤が収容された容器に混注したり、 他の輸液製剤容器につながった輸液 ラインに三方活栓を設け、 当該三方活栓にライン(側管)を介して混合 液が収 容された容器本体を接続して投与すること( 所謂、 ピギーバッグ法)等が採用 される。
[0177] < 3 . 特徴 >
本実施形態によれば、 第 1実施形態と同様の効果を得ることができる す なわち、 受容部材 5にバイアル瓶 1が受け入れられ、 バイアル瓶 1 を押し込 んで、 受容部材 5が初期位置から穿刺位置まで移動する間に 、 針ユニッ ト 6は下側ロック具 4 4によってロックされているため、 この間に、 バイアル 瓶 1のゴム栓 1 4に第 1針部 6 2が穿刺されるようになっている。 また、 こ の間に針ユニッ ト 6は移動しないため、 針ユニッ ト 6の第 2針部 6 3は薬剤 容器 2のゴム栓 2 3 2には穿刺されない。 そして、 受容部材 5が穿刺位置ま で移動した後は、 本体 4と針ユニッ ト 6とのロックが解除され、 針ユニッ ト 〇 2020/175452 55 卩(:171? 2020 /007393
6は、 初期位置から穿刺位置へ移動する。 これにより、 第 2針部 6 3が薬剤 容器 2のゴム栓 2 3 2に穿刺される。
[0178] したがって、 この混注具 3では、 第 1針部 6 3がバイアル瓶 1のゴム栓 1 4に穿刺された後でなければ、 第 2針部 6 3が薬剤容器 2のゴム栓 2 3 2に 穿刺されないようになっている。 そのため、 第 1実施形態と同様に、 薬剤容 器 2に第 2針部 6 3が先に刺さって、 薬剤容器 6 3から空気が抜けるのを防 止することができため、 点滴速度が遅くなったり、 薬剤の残留が生じるのを 防止することができる。 また、 バイアル瓶 1の頭部の大きさにかかわらず、 バイアル瓶 1 を押し込むだけで、 穿刺の順序を制御することができる。
[0179] さらに、 本実施形態においては、 受容部材 5が針ユニッ ト 6に支持されて おり、 バイアル瓶 1の頭部が受容部材 5の基部 5 1付近まで嵌め込まれ、 ア —ム部 5 6の第 2突部 5 6 5を下方に押し込まなければ、 受容部材 5と針ユ ニッ ト 6とのロック状態が解除されないようになっ いる。 したがって、 バ イアル瓶 1が第 1固定部 5 3に固定される前に、 受容部材 5が針ユニッ ト 6 に対して下方に移動するのを防止することが できる。 なお、 このような受容 部材 5と針ユニッ ト 6とのロック機構は、 第 1〜第 4実施形態の保持部 4 7 のような突出部により受容部材 5の初期位置を保持し、 下方への移動を規制 する機構に代えて、 適用することができる。
[0180] また、 本実施形態では、 受容部材 5に第 2固定部 5 4が設けられているた め、 例えば、 図 8 7に示すように、 バイアル瓶 1の頭部が小さい場合には、 第 1固定部 5 3によって固定できない。 これに対して、 第 2固定部 5 4は、 第 1固定部 5 3よりも貫通孔 5 1 1側に延びているため、 頭部の小さいバイ アル瓶 1であっても、 第 2固定部 5 4の第 2部位 5 4 2によって保持するこ とができる。 なお、 大きい頭部のバイアル瓶 1が受容部材 5に取り付けられ るときには、 第 2固定部 5 4の第 2部位 5 4 2は、 バイアル瓶 1の頭部によ って径方向外方に押しやられ、 第 1固定部 5 3に頭部に固定される。 このよ うな第 2固定部についても、 第 1〜第 5実施形態にも適用することができる 〇 2020/175452 56 卩(:171? 2020 /007393
[0181 ] < 0 . 変形例 >
以上、 本発明の一実施形態について説明したが、 本発明は上記実施形態に 限定されるものではなく、 その趣旨を逸脱しない限りにおいて、 種々の変更 が可能である。 例えば、 以下の変更が可能であるが、 以下の変形例は、 適宜 組み合わせることができる。
[0182] < 1 >
第 1実施形態に係る受容部材 5を、 図 8 8のように変形することができる 。 同図に示すように、 この例では、 受容部材 5の基部 5 1の貫通孔 5 3の縁 部から下方に延びる円筒状の延在部 5 8 1 を形成し、 この延在部 5 8 1の下 端に環状の支持部 5 8 2を形成する。 支持部 5 8 2には、 第 1針部 6 2が揷 通される貫通孔 5 8 3が形成されている。
[0183] このように構成することで、 受容部材 5の基部には、 少なくとも 2種類の 大きさのバイアル瓶 1の頭部を支持することができる。 一つは、 第 1実施形 態で示したとおり、 固定部 5 6に挟まれる大きさの頭部を有するバイアル 1 八である。 これに加え、 延在部 5 8 1及び支持部 5 8 2に収容される大き さの頭部を有するバイアル瓶 1 巳も支持することができる。 これにより、 固 定部 5 6に挟めないような小型のバイアル瓶 1 巳であっても、 第 1針部 6 2 に対する位置決めを容易に行うことができ、 バイアル瓶 1 巳のゴム栓に、 確 実に第 1針部 6 2を穿刺することができる。 すなわち、 サイズの異なるバイ アル瓶 1 八, 1 巳を固定することができ、 何れのサイズであっても、 第 1針 部 6 2に確実に穿刺することができる。
[0184] なお、 このような延在部 5 8 1及び支持部 5 8 2は、 第 2〜第 4実施形態 の受容部材 5の基部 5 1 に形成することができる。
[0185] < 2 >
上記第 1実施形態では、 本体 4に設けられたロック具 4 5と針ユニッ ト 6 とをロックし、 受容部材 5に設けられた押圧部 5 7によって、 ロック具 4 5 に力を及ぼすことでロック状態を解除してい るが、 他の構成も可能である。 すなわち、 バイアル瓶 1の押し込みによる受容部材 5の移動に伴い、 受容部 〇 2020/175452 57 卩(:171? 2020 /007393
材 5が本体 4のロック具 4 5に対して力を及すことができるのであれば そ の構成は特には限定されない。 この点は、 第 2実施形態でも同様であり、 種 々の変更が可能である。
[0186] < 3 >
上記第 3実施形態では、 針ユニッ ト 6に設けられたロック具 6 4と本体 4 とをロックし、 受容部材 5に設けられた突面 5 5 1 によって、 ロック具 6 4 に力を及ぼすことでロック状態を解除してい るが、 他の構成も可能である。 すなわち、 バイアル瓶 1の押し込みによる受容部材 5の移動に伴い、 受容部 材 5がロック具 6 4に対して力を及すことができるのであれば その構成は 特には限定されない。
[0187] < 4 >
上記第 4実施形態では、 本体 4に設けられたロック具 4 5と針ユニッ ト 6 とをロックし、 受容部材 5の第 1突部 5 5と針ユニッ ト 6の第 1ガイ ド溝 6 5とによって針ユニッ ト 6を回転させることで、 ロック状態を解除している が、 その他の構成も可能である。 すなわち、 バイアル瓶 1の押し込みによる 受容部材 5の移動に伴い、 針ユニッ ト 6を回転させることができれば、 その 構成は特には限定されない。
[0188] < 5 >
以上の第 1〜第 4実施形態に限られず、 針ユニッ ト 6のロック状態を、 バ イアル瓶 1の押し込みによる受容部材 5の移動によって解除できるのであれ ば、 その構成は特には限定されない。
[0189] < 6 >
上記第 5実施形態では、 本体 4に設けられたロック具 4 4と針ユニッ ト 6 とをロックしている。 そして、 バイアル瓶 1の頭部の先端面で、 針ユニッ ト 6に設けられたアーム部 6 8を押圧することで、 アーム部 6 8を揺動し、 ア —ム部 6 8がロック具 4 4を押圧することでロック状態を解除してい が、 その他の構成も可能である。 すなわち、 アーム部 6 8以外でも、 バイアル瓶 1の針ユニッ トへの押し込みによって、 針ユニッ ト 6がロック具 4 4に力を 〇 2020/175452 58 卩(:171? 2020 /007393
及ぼしてロック状態を解除できるのであれ ば、 その構成は特には限定されな い。 さらには、 針ユニッ ト 6のロック状態を、 バイアル瓶 1の押し込みによ って解除できるのであれば、 その構成は特には限定されない。
[0190] < 6 >
各混注具の形状は一例であり、 円形以外の形状であってもよく、 適宜変更 することができる。
[0191 ] < 7 >
薬剤容器 2の形状は特には限定されない。 また、 排出部 2 6は必ずしも設 けなくてもよい。 また、 薬剤容器 2には、 輸液以外の薬剤を収容することも でき、 薬剤の種類は特には限定されない。
[0192] < 8 >
上記各実施形態では、 本発明の被溶解薬剤容器としてバイアル瓶 1の説明 を行ったが、 バイアル瓶以外の、 例えば被溶解薬剤を収容した樹脂製の容器 なども被溶解薬剤容器として利用することが できる。
[0193] < 9 >
本発明に係る混注容器 1 〇〇は、 上記実施形態で説明した態様以外でも用 いることができ、 種々の薬剤容器に取り付けることができる。
[0194] < 1 0 >
本発明の混注具を構成する各部品は、 金属、 プラスチック等の種々の材料 によって製造することができ、 特には限定されない。 例えば、 医療用器具に 汎用されているポリエチレンやポリプロピレ ン等の熱可塑性樹脂を用い、 射 出成形等の公知の方法により製造するのが好 ましい。 特に、 特許第 3 0 0 5 1 4 5号公報に記載のポリプロピレンを好適に用 ることができる。
[0195] < 1 1 >
上記各実施形態では、 一対の固定部によりバイアル瓶を受容部材に 固定し ているが、 バイアル瓶を固定部に誘導しやすくするため に、 ガイ ド部材を設 けることができる。 図 8 9にその例を示す。 図 8 9は、 第 5実施形態に基づ く変形例であるが、 他の実施形態にも適用することができる。 〇 2020/175452 59 卩(:171? 2020 /007393
[0196] 図 8 9に示す例では、 受容部材 5の支持壁と 6 6 1 と固定部 6 5との間の 4力所に板状のガイ ド部材 6 6 9を設けている。 すなわち、 4つのガイ ド部 材 6 6 9は、 第 1針部 6 3を中心とする円周上に所定間隔をおいて配 され 、 且つこの円周上におけるガイ ド部材 6 6 9の間に固定部 6 5が配置されて いる。 また、 各ガイ ド部材 6 6 9は、 第 1針部 6 3と平行に、 固定部 6 5よ りも上方に延びている。
[0197] 以上のように、 4つのガイ ド部材 6 6 9は、 第 1針部 6 3と平行に、 これ を囲むように設けられているため、 バイアル瓶 1 を 4つのガイ ド部材 6 6 9 で囲まれた領域に揷入して下方に押し込むと 、 バイアル瓶 1 を第 1針部 6 3 の軸方向に沿って真っ直ぐに移動させること ができる。 したがって、 バイア ル瓶 1が傾きながら、 針部材 6 3に刺し込まれたり、 あるいは固定部 6 5に 傾いた状態で固定されるのを防止することが できる。 また、 ガイ ド部材 6 6 9は固定部 6 5よりも上方に延びているため、 第 1針部 6 3の位置を視認し やすくなる。 その結果、 利用者が第 1針部 6 3に向けてバイアル瓶 1 を誘導 しやすくなり、 バイアル瓶 1 を固定部 6 5に容易に固定することができる。
[0198] なお、 図 8 9の例では、 ガイ ド部材 6 6 9と固定具 6 5との間に隙間が形 成されているが、 例えば、 ガイ ド部材 6 6 9または固定具 6 5の少なくとも 一方を周方向に延長し、 ガイ ド部材 6 6 9と固定具 6 5とを一体化すること もできる。
[0199] < 1 2 >
使用時の破損を防止するため、 上述した各部材を補強することができる。 例えば、 規制具 4 4、 アーム部 5 6等の揺動する部分の肉厚を大きくするな ど、 適宜変更することができる。
符号の説明
[0200] 1 バイアル瓶
2 薬剤容器
3 混注具
4 本体 \¥0 2020/175452 60 卩(:17 2020 /007393
5 受容部材
6 針ユニッ ト