NAKASHIMA HIROTAKA (JP)
KOMAI KAZUNARI (JP)
OIKAWA TAKAHIRO (JP)
JP2018152227A | 2018-09-27 | |||
JPS6410940U | 1989-01-20 | |||
JP2007305673A | 2007-11-22 | |||
JP2007305673A | 2007-11-22 | |||
JP2008298614A | 2008-12-11 |
\¥0 2020/175676 13 卩(:17 2020 /008345 請求の範囲 [請求項 1 ] 光を出す投光部及び光を受ける受光部の少なくとも一方を筐体内に 収容する光電センサであって、 前記筐体は、 前記投光部からの光及び前記受光部への光の少なくと も一方を通過させる開口を有し、 前記開口を覆うと共に前記光を透過させるカバーレンズが配設され 前記カバーレンズは、 前記開口を画成する前記筐体の縁部に接合さ れており、 前記カバーレンズの外面には、 防汚コートが施されている一方、 前 記カバーレンズの内面における前記縁部に接する部分には前記防汚コ —卜が施されていない、 光電センサ。 [請求項 2] 前記防汚コートを構成する材料はコート基材と防汚コート材料が化 学的に架橋された、 一層構造の構成となっている、 請求項 1 に記載の光電センサ。 [請求項 3] 前記カバーレンズの内面における前記縁部に接する部分と前記筐体 とは、 レーザー溶着により接合されている、 請求項 1又は 2に記載の光電センサ。 [請求項 4] 前記カバーレンズの内面における前記縁部に接する部分と前記筐体 とは、 接着剤により接合されている、 請求項 1又は 2に記載の光電センサ。 [請求項 5] 前記カバーレンズの内面または外面のいずれか一方に、 前記カバー レンズが表裏逆に前記筐体に配設されたことを示すマークが印字され ている、 請求項 1乃至 4のいずれか一項に記載の光電センサ。 [請求項 6] 前記マークは、 前記カバーレンズが表裏逆に前記筐体に配設されて いる場合に、 前記カバーレンズにおける前記投光部を覆う位置に設け られている、 〇 2020/175676 14 卩(:171? 2020 /008345 請求項 5に記載の光電センサ。 [請求項 7] 前記防汚コートを構成する材料は、 フッ素系化合物、 シリコン系化合 物、 シリカ系化合物及び酸化チタン系化合物からなる群から選択され る一種以上の化合物である、 請求項 1乃至 6のいずれか一項に記載の光電センサ。 [請求項 8] 光を出す投光部及び光を受ける受光部の少なくとも一方を筐体内に 収容する光電センサであって、 前記筐体は、 前記投光部からの光及び前記受光部への光の少なくと も一方を通過させる開口を有し、 前記開口を覆うと共に前記光を透過させるカバーレンズが配設され 前記カバーレンズは、 前記開口を画成する前記筐体の縁部に接合さ れており、 前記カバーレンズの外面の _部は防汚コートが施されている _方、 他の一部は前記縁部に接していると共に前記防汚コートが施されてい ない、 光電センサ。 [請求項 9] 筐体内に収容された投光部から発射された光及び受光部が受ける外部 からの光の少なくとも一方を通過させるよう前記筐体に設けられた開 口をカバーレンズで覆った光電センサの製造方法であり、 前記カバーレンズの外面及び内面に防汚コートを施すステップと、 前記カバーレンズの一部分に防汚コートが施されていない領域を生 成するステップと、 前記カバーレンズが前記開口を覆うように配設するステップと、 前記カバーレンズの防汚コートが施されていない前記領域において 、 前記カバーレンズと前記筐体とを接合するステップと、 を含む光電 センサの製造方法。 |
発明の名称 : 光電センサ及びその製造方法
技術分野
[0001 ] 本発明は、 光電センサ及びその製造方法に関する。
背景技術
[0002] 光電センサは、 例えば工場の生産ラインや設備等に取り付け られ、 ワーク の検出有無に利用されることがある。
[0003] 上記光電センサは、 一般的に、 光を出射する投光部と、 光を受ける受光部 と、 がケース (以下、 筐体と称する) の内部に収容されている。 また、 筐体 の内部には、 投光部を構成する投光素子、 受光部を構成する受光素子に加え 、 信号処理部を構成する電子部品等が搭載され た基板が収容されている。 筐 体は、 投光部から発せられる検出光及び受光部が受 ける戻り光を通すための 光学的開口を有し、 当該開口に、 光学部品としてのカバー又はカバーー体型 のレンズが配設されることがある。 当該カバーレンズは、 検出光が通過する 投光レンズ及び反射光が通過する受光レンズ 又はそれらレンズの保護として 機能する。 このようなカバーレンズを、 投光
素子又は受光素子の前面側に配置した例が下 記特許文献 1 に記載されている 先行技術文献
特許文献
[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 0 7 - 3 0 5 6 7 3号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0005] 工場の生産ラインや設備等に光電センサが取 り付けられた場合には、 投光 素子又は受光素子の前面側に配置したカバー レンズが、 例えば洗浄水、 加工 油や粉塵等により汚れ、 その結果、 カバーレンズを透過する光量が低下して 光電センサによる検出性能が低下してしまう おそれがある。 〇 2020/175676 2 卩(:171? 2020 /008345
[0006] 上記特許文献 1 には、 カバーレンズの表面に、 熱又は光架橋性の樹脂組成 物をコーティングすることが記載されている が、 前述した洗浄水、 加工油や 粉塵等による汚れ対策としては十分な機能を 有さないという問題がある。 こ のような問題を解決するために、 例えば、 カバーレンズに防汚コートを施す という考え方がある。 しかしながら、 レーザー溶着によりカバーレンズと筐 体の界面を高温にして溶かし、 溶着するといった接合方法を施す時、 当該防 汚コートを構成する材料の融点が高いため、 防汚コート材が十分に溶けず、 筐体に接合することが困難になるという問題 がある。 また、 接着剤を用いて 、 カバーレンズと
筐体の界面を接合するといった接合工法を施 す時、 防汚コートが表面に露出 された状態で接合を行うと、 基材のみの場合と比べ、 防汚コート材を構成す る材料が一般的にフッ素系化合物を含むため 、 接着剤によるカバーレンズと 筐体の接合性を低下させてしまうという問題 がある。 加工油や粉塵等により 汚れる環境下で光電センサを使用する場合に は、 カバーレンズの汚れを防ぎ つつ、 カバーレンズを筐体に接合できることが望ま しい。
[0007] そこで、 本発明は、 汚れを十分に防ぎながら、 筐体に強固に接合できる力 パーレンズを備えた光電センサを提供するこ とを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明の一態様に係る光電センサは、 光を出す投光部及び光を受ける受光 部の少なくとも一方を筐体内に収容する光電 センサであって、 筐体は、 投光 部からの光及び受光部への光の少なくとも一 方を通過させる開口を有し、 開 口を覆うと共に光を透過させるカバーレンズ が配設され、 カバーレンズは、 開口を画成する筐体の縁部に接合されており 、 カバーレンズの外面には、 防 汚コートが施されている一方、 カバーレンズの内面における縁部に接する部 分には防汚コートが施されていない。
[0009] この態様によれば、 カバーレンズの外面には防汚コートが施され ているの で、 例えば洗浄水、 加工油や粉塵等により汚れる環境下で光電セ ンサを使用 する場合であっても、 汚れを十分に防ぐことができる。 また、 カバーレンズ 〇 2020/175676 3 卩(:171? 2020 /008345
の内面のうち、 開口を画成する筐体の縁部に接する部分には 、 防汚コートが 施されていないので、 当該部分と、 筐体の縁部とを、 例えばレーザー溶着等 により強固に接合することができる。 その結果、 汚れを十分に防ぎながら、 筐体に強固に接合できるカバーレンズを備え た光電センサを提供することが できる。
[0010] 上記態様において、 防汚コートを構成する材料はコート基材とコ ーティン グ剤が化学的に架橋された、 一層構造の構成となっていてもよい。
[001 1 ] 上記態様において、 カバーレンズの内面における縁部に接する部 分と筐体 とは、 レーザー溶着により接合されていてもよい。 また、 カバーレンズの内 面における縁部に接する部分と筐体とは、 接着剤により接合されていてもよ い。
[0012] 上記態様によれば、 カバーレンズの内面と縁部とは、 防汚コートを介さず にレーザー溶着又は接着剤により接合するこ とができる。 防汚コートを構成 する材料が一般的にフッ素系化合物のため、 接着剤での接合の際には機械的 に基材に比べると接合強度が弱くなってしま うことを防ぐことができる。
[0013] 上記態様において、 カバーレンズの内面に、 マークが印字されていてもよ い。 また、 マークは、 カバーレンズが表裏逆に筐体に配設されてい る場合に 、 カバーレンズにおける投光部を覆う位置に設 けられていてもよい。
[0014] この態様によれば、 カバーレンズの内面に印字されたマークは、 カバーレ ンズが表裏逆に筐体に配設されている場合に 、 カバーレンズにおける投光部 を覆う位置に設けられているので、 カバーレンズが表裏逆に筐体に配設され ていることを容易に判別することができる。
発明の効果
[0015] 本発明によれば、 汚れを十分に防ぎながら、 筐体に強固に接合できるカバ —レンズを備えた光電センサを提供すること ができる。
図面の簡単な説明
[0016] [図 1 ]図 1は、 実施形態に係る光電センサを一方向から見た 斜視図である。
[図 2]図 2は、 図 1 に示す光電センサを前方側から見た正面図で ある。 〇 2020/175676 4 卩(:171? 2020 /008345
[図 3八]図 3八は、 図 2の ー 線に沿った断面図である。
[図 38]図 3巳は、 図 2の V 丨 一V 丨線に沿った断面図である。
[図 4]図 4は、 カバーレンズが表裏逆に開口にはめ込まれた 状態を説明するた めの図である。
[図 5]図 5は、 受光素子の分光感度特性の一例を示す図であ る。
[図 6]図 6は、 受光素子の分光感度特性の他の例を示す図で ある。
[図 7八]図 7八は、 一層のコーティング構成を示す説明図である 。
[図 78]図 7巳は、 二層のコーティング構成を示す説明図である 。
[図 8]図 8は、 カバーレンズを内側からはめ込む変形例を示 す断面図である。 発明を実施するための形態
[0017] 添付図面を参照して、 本発明の実施形態について説明する。 説明の便宜上 、 前後、 左右及び上下に関しては、 図 1 に示すものを基準にしている。 各図 において、 同 _ の符号を付したものは、 同 _ の又は同様の構成を有する。 [0018] 図 1 に示すように、 光電センサ 1 0は、 筐体 1 2を備えている。 筐体 1 2 の内部には、 投光部 1 4及び受光部 1 6が収容されている。 筐体 1 2は、 投 光部 1 4から発せられる検出光及び受光部 1 6が受ける戻り光を通すための 開口 1 2 1 を有し、 この開口 1 2 1 にカバーレンズ 5 0が配設されている。 また、 筐体 1 2の外面には、 例えば、 ティーチボタン 1 8及びインジケータ 2 2が設けられている。 以下では、 筐体 1 2内に投光部 1 4及び受光部 1 6 を収容した例を前提として説明するが、 図示の例に限定されずに、 本実施形 態では、 筐体 1 2内に投光部 1 4及び受光部 1 6の少なくとも一方を収容し ていればよい。 す
なわち、 投光部 1 4及び受光部 1 6それぞれを別個の筐体に収容した形態も 本実施形態のセンサに含まれる。
[0019] 投光部 1 4は、 被検出物に対して光を投射するものであり、 発光素子及び 投光レンズを有している。 発光素子は、 例えばレーザダイオードであり、 そ の光軸 Xは前後方向に平行になっている。 受光部 1 6は、 被検出物に対して 投射された光の反射光を受けるものであり、 受光素子及び受光レンズを有し ている。 受光素子は、 例えば、 2分割フォトダイオード又は位置検出素子で ある。 被検出物までの距離を求める測距の検出原理 としては、 例えば、 T〇 F (T i me of F l i ght) や三角測距の原理を用いることができる。 例えば、 上 記構成において三角測距の原理を用いた場合 、 発光素子から出射された光が 投光レンズを通って被検出物に投射され、 被検出物によって反射した光が受 光レンズを通って受光素子上で結像する。 受光素子は、 この結像位置に応じ た 2つの受光信号を出力し、 アンプを介して制御回路へと送信する。 アンプ 及び制御回路は光電センサ 1 0に内蔵されており、 制御回路において、 受信 した 2つの受光信号から演算した位置信号値がし い値と比較され、 被検出 物までの距離が求められる。
[0020] ティーチボタン 1 8は、 センサ本体の設定を変更する設定部として機 能す るものであり、 例えば、 外部からの入力操作を受けてしきい値を設定 する機 能を有する。 ここで、 しきい値とは、 光電センサ 1 0において被検出物の検 出の有無又は被検出物までの距離を判断する ための基準値をいい、 感度を調 整するための感度パラメータの一つである。 感度パラメータとしては、 この しきい値のほかに、 投光部 1 4から出る光のパワー、 すなわち投光強度や、 受光部 1 6で受ける光の量の増幅率、 すなわちゲインなどが挙げられる。 例 えば、 反射率が低い透明な被検出物の場合には、 高い投光強度に設定される 。 ユーザがティーチボタン 1 8を押すと、 少なくともしきい値を含む感度パ ラメータを設定するティーチング処理が行わ れ、 少なくともしきい値を含む 感度パラメータが自動的にある程度の値に自 動設定される。 ティーチング処 理としては、 例えば 1点ティーチング処理及び 2点ティーチング処理があり 、 その内容については、 本出願人による過去の特許文献 (例えば特開 2 0 0 8 - 2 9 8 6 1 4号公報) などに詳述されているため、 ここでは説明を省略 する。
[0021 ] インジケータ 2 2は、 光電センサ 1 0の電源状況や検出状況に応じて点灯 するものである。 例えば、 インジケータ 2 2は、 電源が〇 Nされているとき に点灯する電源灯と、 被検出物を検出したときに点灯する動作表示 灯と、 を 〇 2020/175676 6 卩(:171? 2020 /008345
有している。 電源灯及び動作表示灯は、 それぞれ、 例えば 1-日 0からなり、 互いに異なる表示色で点灯する。
[0022] 筐体 1 2は、 例えば樹脂又は金属により形成され、 略直方体形状を有して いる。 筐体 1 2は、 直方体を構成する六面に関して、 前面 3 1、 背面 3 2、 頂面 3 3、 底面 3 4、 側面 3 5及び側面 3 6を有している。 前面 3 1及び背 面 3 2は、 筐体 1 2の内部を挟んで対向している。 同様に、 頂面 3 3及び底 面 3 4は筐体 1 2の内部を挟んで互いに対向し、 また、 側面 3 5及び側面 3 6は筐体 1 2の内部を挟んで互いに対向している。 前面 3 1及び背面 3 2は 、 上下方向が左右方向よりも長く形成されてい る。 同様に、 頂面 3 3及び底 面 3 4は前後方向が左右方向よりも長く、 また、 側面 3 5及び 3 6は上下方 向が前後方向よりも長く形成されている。 頂面 3 3は、 前面 3 1 に隣接し、 前面 3 1及び背面 3 2に直交する方向に延在している。 頂面 3 3には、 前面 3 1側から順番に、 インジケータ 2 2及びティーチボタン 1 8が設けられて いる。
[0023] 筐体 1 2の底面 3 4にはケーブル 4 0が接続されている。 ケーブル 4 0は 、 例えば、 光電センサ 1 0による検出結果を示す検出信号を光電セン 1 0 の外部に送信するために使用される。
[0024] なお、 筐体 1 2内には、 光電センサとして通常設けられる構成 (例えば、 投光素子、 受光素子、 投光素子を駆動する図示しない投光回路、 受光素子の 受光信号を電気処理する図示しない受光回路 が搭載された基板等) が収容さ れている。 前述のケーブル 4 0は、 その内部にケーブル芯線 (不図示) を有 し、 当該ケーブル芯線が筐体 1 2内部を通り、 筐体 1 2内に配置された上記 基板に接続されている。 なお、 筐体 1 2に関する上記の 「略直方体形状」 と は、 内角が全て 9 0度となる直方体ということではなく、 少なくとも、 その ような直方体の一つの角を面取りしたことを 含むものをいう。
[0025] 筐体 1 2には、 図 1 に示すように、 投受光用の開口 1 2 1 を塞ぐように光 学部品としてのカバーレンズ 5 0 (透明アクリルカバーレンズ) が配設され ている。 言い換えれば、 光電センサ 1 0は、 筐体 1 2の前面にカバーレンズ 〇 2020/175676 7 卩(:171? 2020 /008345
5 0がはめ込まれた窓が設けられている。 カバーレンズ 5 0は、 開口 1 2 1 を覆うと共に光を透過させる機能を有する。 カバーレンズ 5 0は、 開口 1 2 1 を画成する筐体 1 2の縁部 1 2 1 3 (図 2参照) に接合されている。
[0026] カバーレンズ 5 0の構成について更に説明する。 図 2は、 図 1 に示す光電 センサ 1 〇を前方側から見た正面図である。 図 3八は、 線に沿 った断面図である。 図 3巳は、 図 2の V 丨 - V 丨線に沿った断面図である。
[0027] 本実施形態では、 カバーレンズ 5 0の外面 5 1 (前方側の面) には、 防汚 コート 6 1が施されている。 防汚コート 6 1は、 例えば、 フッ素系化合物を 含有する材料が用いられる。 防汚コート 6 1 に用いられる材料は、 この例に 限定されず、 例えば、 シリコン系化合物、 シリカ系化合物、 又は酸化チタン 系化合物のうちの少なくとも 1つを含む材料が用いられる。 また、 これら防 汚コーティング材料は基材と化学的に架橋さ れており、 一層構造 (一層のコ —ティング構成) となっている。 当該一層のコーティング構成及び二層のコ —ティング構成について以下で説明する。
[0028] 図 7八は、 カバーレンズ 5 0の表面に形成したコーティング剤を一層の —ティング構成とした例であり、 図 7巳は、 カバーレンズ 5 0の表面に形成 したコーティング剤を二層のコーティング構 成とした例である。
[0029] カバーレンズ 5 0にコーティング剤を形成する場合、 通常のコーティング 剤は、 図 7巳に示すように、 二層のコーティング構成 (コーティング剤 6 1 0及びコート基材 6 2 0) となるが、 この場合に干渉現象を生じ特性の不安 定性、 生産バラツキを生じるという問題がある。 この二層のコーティング構 成の場合に生じる問題について、 図 5及び図 6を参照しながら説明する。
[0030] 図 5は、 カバーレンズ 5 0から受光素子までの受光経路に一層コーテ ン グを施した光学的薄膜層が存在する時の分光 感度特性 (グラフ 0 1) を表し ている。 図 6は、 カバーレンズ 5 0から受光素子までの経路に二層のコーテ ィング ( 1 9 4 5 n 厚の 3 1 〇 2 コ_ティング (屈折率 1 . 4 6) と、 8 0 0门 厚の 3 丨 3 1\1 4 コーティング (屈折率 2 . 0 5) との隣接した二層のコー ティング構成) とした場合の、 光電センサ 1 〇の受光部 1 6 (受光素子) の 〇 2020/175676 8 卩(:171? 2020 /008345
分光感度特性 (グラフ 0 2) を表している。 図 5及び図 6の横軸は光の波長 を示し、 縦軸は分光感度を示す。 図 5に示すように、 可視光域を透過し紫外 光、 赤外光の領域はほぼカツ トされていることが分かる。 図 6の二層コーテ ィング構成としたときの分光感度特性に示す ように、 二層コーティングによ る干渉により分光感度特性にうねりを生じ、 小さな波長の変化に対して大き な受光感度の増減が生じることが分かる。 光電センサでは光源として単波長 の赤 (約 6 6 0 1^ 111) や赤外 (約 9 5 0 1^ 111) の 1_巳口や 1_口を用いること がおおく、 図 6のようなうねりを生じた分光感度特性では 電センサ個体間 の製造バラツキや温度変化により大きな感度 変動を生じるという問題がある 。 防汚コートを二層コーティング構成とした場 合も同様の干渉現象を生じ特 性の不安定性、 生産/ ラツキを生じるという問題がある。
[0031 ] 上記問題を解決するため、 本実施形態では、 二層のコーティング剤 (図 7 巳に示すコート基材 6 2 0とコーティング剤 6 1 0) が化学的に架橋されて 、 一層のコーティング剤 6 1 (図 7八) で防汚コートが構成されている。 一 層のコーティング剤 6 1で防汚コートが構成されることにより、 図 5及び図 6を参照しながら説明したように、 カバーレンズ 5 0の分光感度特性が二層 のコーティング剤の時と比べ、 波長変動時のバラツキを低減し、 変動の傾き が安定的になる。 その結果、 光源やコーティング剤の温度特性による変動 時 にも安定した光学特性をえることができる。
[0032] ところで、 カバーレンズ 5 0の内面 5 2の全面に防汚コート 6 1が塗布さ れている場合、 当該防汚コート 6 1 を構成する材料の融点が高いため、 カバ —レンズ 5 0をレーザー溶着により筐体 1 2に接合することが困難である。 また防汚コート 6 1が筐体接合面に露出された状態で接合を行 と、 基材の みの場合 (防汚コート無しの場合) と比べ、 接着剤によるカバーレンズ 5 0 と筐体 1 2の接合性が悪化する。
[0033] そこで、 本実施形態では、 カバーレンズ 5 0の内面 5 2 (後方側の面) の うち、 少なくとも、 開口 1 2 1 を画成する筐体 1 2の縁部 1 2 1 3に接する 接合部 (以下、 カバーレンズ 5 0の裏面周縁部 5 2 3 とも称する) には、 防 〇 2020/175676 9 卩(:171? 2020 /008345
汚コート 6 1が施されていない。 これにより、 カバーレンズ 5 0を筐体 1 2 に接合する際に、 カバーレンズ 5 0の裏面周縁部 5 2 8と、 筐体 1 2の縁部 1 2 1 3とを、 レーザー溶着又は接着剤により接合すること ができる。
[0034] なお、 本実施形態では、 少なくとも裏面周縁部 5 2 3 に防汚コート 6 1が 施されていなければよく、 カバーレンズ 5 0の内面 5 2のうち裏面周縁部 5 2 3を除いた部分には、 防汚コート 6 1が施されていてもよく、 施されてい なくてもよい。 言い換えれば、 カバーレンズ 5 0を筐体 1 2に接合する際に 、 カバーレンズ 5 0のうち筐体 1 2に接する部分を除いた部分には、 防汚コ —卜 6 1が施されていてもよく、 施されていなくてもよい。
[0035] カバーレンズ基材 (カバーレンズ本体) については、 その材料は特に限定 されないが、 例えば、 アクリル樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 ポリアリレー 卜樹脂又はガラスのうちの少なくとも 1つを含む材料が用いられる。
[0036] カバーレンズ 5 0は次の工程により製造される。 この工程によれば防汚コ —ティングを基材の片側の面に、 効率よく製造することができる。
( 1 ) 力ーテンコートのような工法により、 基材表面にコーティング剤を 塗布する。
( 2 ) 乾燥及び 照射工程によって、 コーティング剤を硬化させる。 この とき 照射により、 コーティング剤の表面にフッ素層が析出し、 防汚コート 6 1の層を形成する。
( 3 ) シルクスクリーン印刷等の工法により、 裏面にマーク 7 0を印刷す る。
( 4 ) フライス加工等の工法により、 個々のカバーレンズ 5 0を切り出す
[0037] さらに続けて次の工程により筐体 1 2とカバーレンズ 5 0を組み立てて、 光電センサ 1 0が製造される。
( 1 ) 製造されたカバーレンズ 5 0を筐体 1 2の開口 1 2 1 を覆う位置に 配設する。 このときカバーレンズ 5 0の裏面周縁部 5 2 8と、 筐体 1 2の縁 部 1 2 1 3 とが、 接する状態となる。 〇 2020/175676 10 卩(:171? 2020 /008345
(2) カバーレンズ 5 0の裏面周縁部 5 2 3と、 筐体 1 2の縁部 1 2 1 3 とを、 レーザー溶着で加工するか又は接着剤を塗布 、 硬化させてカバーレン ズ 5 0を筐体 1 2に接合する。
[0038] カバーレンズ 5 0の内面 5 2には、 マーク 7 0が印字されている。 マーク
7 0は、 カバーレンズ 5 0が表裏逆に筐体 1 2にはめ込まれている場合には 、 図 4に示すように、 カバーレンズ 5 0における投光部 1 4を覆う位置に設 けられている。 このようにカバーレンズ 5 0にマーク 7 0が印字されること により、 カバーレンズ 5 0を筐体 1 2の開口 1 2 1 にはめ込む場合 (すなわ ち、 カバーレンズ 5 0の内面 5 2の縁を、 箇体 1 2における開口 1 2 1の周 縁に接合する場合) に、 カバーレンズ 5 0が表裏逆であるか否かを判別する ことができ、 誤ってカバーレンズ 5 0を表裏逆に筐体 1 2に配設することを 防ぐことがで
きる。
[0039] なお、 カバーレンズ 5 0の内面 5 2に印字されるマーク 7 0は、 例えば、 図 4に示すカバーレンズ 5 0の中央軸八乂 (カバーレンズ 5 0の左右方向中 央を通り上下方向に延びる軸) を跨がない位置に設けられていることが好適 である。 しかしながら、 このような位置に限定されず、 前述したように、 力 バーレンズ 5 0が表裏逆に筐体 1 2にはめ込まれている場合に、 マーク 7 0 が投光部 1 4を覆う位置であれば、 前述の中央軸 乂を跨ぐ位置に設けても よく、 その位置は特に限定されない。 また、 本実施形態におけるマーク 7 0 は、 カバーレンズ 5 0が表裏逆に筐体 1 2にはめ込まれていることを判別す る機能を有して
いれば、 内面 5 2に印字することに限定されず、 様々な態様を採用すること が可能である。
[0040] (実施形態の変形例)
以上で説明した実施形態ではカバーレンズ 5 0を筐体 1 2の外側から内側 に向かって嵌め込むものであったが、 図 8に示すように筐体 1 2の内側から 外側に向かってカバーレンズ 5 0を嵌め込むものであってもよい。 この場合 〇 2020/175676 1 1 卩(:171? 2020 /008345
はカバーレンズ 1 2の外面 5 1 に防汚コート 6 1が塗布されていない領域 5 1 3を形成し、 当該領域 5 1 3においてカバーレンズ 5 0と筐体 1 2とをレ —ザー溶着や接着剤により接合すればよい。
[0041 ] 防汚コート 6 1が塗布された領域 5 1 匕は、 開口 1 2 1 と同じか僅かに大 きく形成されている。 カバーレンズ 5 0は、 筐体 1 2の開口 1 2 1 よりも大 きく形成されているため、 防汚コート 6 1が塗布されていない領域 5 1 3は 、 防汚コート 6 1が塗布された領域 5 1 13を囲繞するように形成されている 。 領域 5 1 3は、 前述した裏面周縁部 5 2 3 と同様に、 筐体 1 2の縁部 1 2 1 3に接する接合部の他の一例である。
[0042] 以上説明した実施形態は、 本発明の理解を容易にするためのものであり 、 本発明を限定して解釈するためのものではな い。 実施形態が備える各要素並 びにその配置、 材料、 条件、 形状及びサイズ等は、 例示したものに限定され るわけではなく適宜変更することができる。 また、 異なる実施形態で示した 構成同士を部分的に置換し又は組み合わせる ことが可能である。
[0043] (附記)
1 . 光を出す投光部 1 4及び光を受ける受光部 1 6の少なくとも一方を 筐体 1 2内に収容する光電センサ 1 0であって、
筐体 1 2は、 投光部 1 4からの光及び受光部 1 6への光の少なくとも一方 を通過させる開口 1 2 1 を有し、
開口 1 2 1 を覆うと共に光を透過させるカバーレンズ 5 0が配設され、 カバーレンズ 5 0は、 開口 1 2 1 を画成する筐体 1 2の縁部 1 2 1 3に接 合されており、
カバーレンズ 5 0の外面 5 1 には、 防汚コート 6 1が施されている一方、 カバーレンズ 5 0の内面 5 2における縁部 1 2 1 3に接する部分には防汚コ —卜 6 1が施されていない、 光電センサ 1 0。 符号の説明
[0044] 1 〇 光電センサ、 1 2 筐体、 1 4 投光部、 1 6 受光部、 5 0 力 バーレンズ、 6 1 防汚コート、 7 0 マーク、 1 2 1 開口、 1 2 1 a \¥0 2020/175676 12 卩(:17 2020 /008345
縁部。