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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128236
Kind Code:
A1
Abstract:
The protective layer (26) of the front plate (20) of a plasma display panel is composed of a base protective layer (26a) formed of a thin film containing magnesium oxide and a particle layer (26b) formed by sticking agglomerated particles (28) each composed of a plurality of agglomerated single-crystal particles (27)of magnesium oxide to the base protective layer (26a). A panel driving circuit temporarily arranges subfields such that luminance weight from a subfield for performing all-cell initialization operation to a subfield immediately before a subfield for performing the next all-cell initialization operation decreases monotonously, thus driving the panel.

Inventors:
MURATA MITSUHIRO
MIZOKAMI KANAME
WAKABAYASHI TOSHIKAZU
Application Number:
PCT/JP2009/001684
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
MURATA MITSUHIRO
MIZOKAMI KANAME
WAKABAYASHI TOSHIKAZU
International Classes:
G09G3/20; G09G3/28; G09G3/288; G09G3/291; G09G3/292; G09G3/294; G09G3/298; H01J11/22; H01J11/24; H01J11/34; H01J11/40
Foreign References:
JP2006147417A2006-06-08
JP2006244784A2006-09-14
JP2000105568A2000-04-11
JP2008293772A2008-12-04
JP2006054158A2006-02-23
Other References:
See also references of EP 2200067A4
Attorney, Agent or Firm:
NAITO, Hiroki et al. (JP)
Hiroki Naito (JP)
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Claims:
第1のガラス基板上に表示電極対を形成し前記表示電極対を覆うように誘電体層を形成し前記誘電体層の上に保護層を形成した前面板と、第2のガラス基板上にデータ電極を形成した背面板とを対向配置して、前記表示電極対と前記データ電極とが対向する位置に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルと、
   前記放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と書込み放電を発生させる書込み期間と維持放電を発生させる維持期間とを有する複数のサブフィールドを時間的に配置して1フィールド期間を構成して前記プラズマディスプレイパネルを駆動するパネル駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、
   前記保護層は、金属酸化物を含む薄膜で形成された下地保護層と、酸化マグネシウムの単結晶粒子が複数個凝集した凝集粒子を前記下地保護層に付着させて形成した粒子層とから構成され、
   前記パネル駆動回路は、前記初期化期間において、全ての放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作とそれ以前に維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる選択初期化動作とのいずれかを行い、かつ全セル初期化動作を行うサブフィールドから次の全セル初期化動作を行うサブフィールドの直前のサブフィールドまでの輝度重みの大きさが単調減少となるようにサブフィールドを時間的に配置して前記プラズマディスプレイパネルを駆動するように構成したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
前記単結晶粒子の平均粒径が0.9μm~2μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
下地保護層は酸化マグネシウムの薄膜で形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
Description:
プラズマディスプレイ装置

 本発明は、プラズマディスプレイパネル 用いた画像表示装置であるプラズマディス レイ装置に関する。

 プラズマディスプレイパネル(以下、「パ ネル」と略記する)は薄型の画像表示素子の でも高速表示が可能であり、かつ大型化が 易であることから、大画面表示装置として 用化されている。

 パネルは前面板と背面板とを貼り合わせ 構成されている。前面板はガラス基板と、 ラス基板上に形成された走査電極および維 電極からなる表示電極対と、表示電極対を うように形成された誘電体層と、誘電体層 に形成された保護層とを有する。保護層は 電体層をイオン衝突から保護するとともに 電を発生しやすくする目的で設けられてい 。

 背面板は、ガラス基板と、ガラス基板上 形成されたデータ電極と、データ電極を覆 誘電体層と、誘電体層上に形成された隔壁 、隔壁間に形成された赤色、緑色および青 のそれぞれに発光する蛍光体層とを有する 前面板と背面板とは、表示電極対とデータ 極とが放電空間をはさんで交差するように 向され、周囲を低融点ガラスで封着されて る。放電空間にはキセノンを含む放電ガス 封入されている。ここで表示電極対とデー 電極との対向する部分に放電セルが形成さ る。

 このような構成のパネルを用いたプラズ ディスプレイ装置は、パネルの各放電セル 選択的にガス放電を発生させ、このとき生 た紫外線で赤色、緑色および青色の各色の 光体を励起発光させてカラー表示を行って る。

 パネルを駆動する方法としてはサブフィ ルド法、すなわち、1フィールド期間を複数 のサブフィールドに分割し、発光させるサブ フィールドの組み合わせによって階調表示を 行う方法が一般的である。各サブフィールド は、初期化期間、書込み期間および維持期間 を有する。初期化期間では走査電極および維 持電極に所定の電圧を印加して初期化放電を 発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各 電極上に形成する。書込み期間では走査電極 に走査パルスを順次印加するとともに選択的 にデータ電極に書込みパルスを印加して書込 み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維 持期間では表示電極対に交互に維持パルスを 印加し、放電セルで選択的に維持放電を発生 させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光さ せることにより画像表示を行う。

 ここで、発光させるべき放電セルを確実 発光させ、発光させるべきでない放電セル は確実に発光させないように制御して品質 高い画像を表示するためには、割り当てら た時間内に確実な書込み動作を行う必要が る。そのために高速駆動の可能なパネルの 発が進められるとともに、そのパネルの性 を引き出して品質の高い画像を表示するた の駆動方法および駆動回路についての検討 進められている。

 パネルの放電特性は保護層の特性に大き 依存しており、特に高速駆動の可否を左右 る電子放出性能と電荷保持性能を改善する めに、保護層の材料、構成、製造方法等に いて多くの検討がなされている。例えば特 文献1には、マグネシウム蒸気を気相酸化し て生成することにより200nm~300nmにカソードル ネッセンス発光ピークを有する酸化マグネ ウム層が設けられたパネルと、書込み期間 おいて全表示ラインを構成する表示電極対 々の一方に走査パルスを順に印加するとと に走査パルスが印加される表示ラインに対 した書込みパルスをデータ電極に供給する 極駆動回路とを備えたプラズマディスプレ 装置が開示されている。

 近年は、大画面に加えて高精細度プラズマ ィスプレイ装置が要望されており、例えば1 920画素×1080ラインの高精細度プラズマディス プレイ装置、さらには2160ラインあるいは4320 インといった超高精細度プラズマディスプ イ装置が望まれている。このようにライン が増加する一方で、滑らかな階調を表示す ためのサブフィールド数も確保しなければ らない。そのため、1ラインあたりの書込み 動作に割り当てられる時間はますます短くな る傾向にある。そこで、割り当てられた時間 内に確実な書込み動作を行うために、従来以 上に高速かつ安定した書込み動作が可能なパ ネル、その駆動方法、それを実現する駆動回 路を備えたプラズマディスプレイ装置が望ま れている。

特開2006-54158号公報

 本発明は、第1のガラス基板上に表示電極 対を形成し表示電極対を覆うように誘電体層 を形成し誘電体層の上に保護層を形成した前 面板と、第2のガラス基板上にデータ電極を 成した背面板とを対向配置して、表示電極 とデータ電極とが対向する位置に放電セル 形成したパネルと、放電セルで初期化放電 発生させる初期化期間と書込み放電を発生 せる書込み期間と維持放電を発生させる維 期間とを有する複数のサブフィールドを時 的に配置して1フィールド期間を構成してパ ルを駆動するパネル駆動回路とを備えたプ ズマディスプレイ装置であって、保護層は 金属酸化物を含む薄膜で形成された下地保 層と、酸化マグネシウムの単結晶粒子が複 個凝集した凝集粒子を下地保護層に付着さ て形成した粒子層とから構成され、パネル 動回路は、初期化期間において全ての放電 ルで初期化放電を発生させる全セル初期化 作とそれ以前に維持放電を行った放電セル 初期化放電を発生させる選択初期化動作と いずれかを行い、かつ全セル初期化動作を うサブフィールドから次の全セル初期化動 を行うサブフィールドの直前のサブフィー ドまでの輝度重みの大きさが単調減少とな ようにサブフィールドを時間的に配置して ネルを駆動するように構成する。

図1は本発明の実施の形態におけるパネ ルの構造を示す斜視図である。 図2は同パネルの前面板の構成を示す断 面図である。 図3は同パネルの凝集粒子の一例を示す 図である。 図4は同パネルを含む試作パネルの電子 放出性能と電荷保持性能とを示す図である。 図5Aは試作パネルの単結晶粒子の粒径 変化させて電子放出性能を調べた実験結果 示す図である。 図5Bは試作パネルの単結晶粒子の粒径 隔壁の破損との関係を示す図である。 図6は本発明の実施の形態におけるパネ ルの電極配列を示す図である。 図7は同パネルの各電極に印加する駆動 電圧波形図である。 図8は本発明の実施の形態におけるサブ フィールド構成を示す図である。 図9Aは本発明の実施の形態におけるパ ルの放電遅れ時間と全セル初期化動作から 経過時間との関係を示す図である。 図9Bは同パネルの放電遅れ時間と維持 ルス数との関係を示す図である。 図10は同パネルを降順コーディングの ブフィールド構成とした場合と昇順コーデ ングのサブフィールド構成とした場合との ータ電極に印加する電圧の最低の電圧を示 図である。 図11は本発明の実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置の回路ブロック図で る。 図12は同プラズマディスプレイ装置の 査電極駆動回路および維持電極駆動回路の 路図である。 図13は本発明の他の実施の形態におけ サブフィールド構成を示す図である。

符号の説明

 10  パネル
 20  前面板
 21  (第1の)ガラス基板
 22  走査電極
 22a,23a  透明電極
 22b,23b  バス電極
 23  維持電極
 24  表示電極対
 25  誘電体層
 26  保護層
 26a  下地保護層
 26b  粒子層
 27  単結晶粒子
 28  凝集粒子
 30  背面板
 31  (第2の)ガラス基板
 32  データ電極
 34  隔壁
 35  蛍光体層
 41  画像信号処理回路
 42  データ電極駆動回路
 43  走査電極駆動回路
 44  維持電極駆動回路
 45  タイミング発生回路
 50,80  維持パルス発生回路
 60  初期化波形発生回路
 70  走査パルス発生回路
 100  プラズマディスプレイ装置

 以下、本発明の一実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置について図面を用い 説明する。

 (実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態におけるパネル 10の構造を示す斜視図である。パネル10は前 板20と背面板30とが対向して配置され、その 周部を低融点ガラスの封着材によって封着 れている。パネル10内部の放電空間15には、 キセノン等の放電ガスが400Torr~600Torrの圧力で 封入されている。

 前面板20のガラス基板(第1のガラス基板)21 上には、走査電極22および維持電極23よりな 表示電極対24が平行に複数形成されている。 ガラス基板21上には表示電極対24を覆うよう 誘電体層25が形成され、さらにその誘電体層 25の上に酸化マグネシウムを主成分とする保 層26が形成されている。

 また、背面板30のガラス基板(第2のガラス 基板)31上には、表示電極対24と直交する方向 複数のデータ電極32が互いに平行に形成さ 、これを誘電体層33が被覆している。さらに 誘電体層33上には隔壁34が形成されている。 電体層33上および隔壁34の側面には紫外線に って赤色、緑色および青色にそれぞれ発光 る蛍光体層35が形成されている。ここで、 示電極対24とデータ電極32とが交差する位置 放電セルが形成され、赤色、緑色、青色の 光体層35を有する放電セルの一組がカラー 示のための画素になる。なお誘電体層33は必 須ではなく、誘電体層33を省略した構成であ てもよい。

 図2は、本発明の実施の形態におけるパネ ル10の前面板20の構成を示す断面図であり、 1に示した前面板20と上下を逆にして示して る。ガラス基板21上に、走査電極22と維持電 23よりなる表示電極対24が形成されている。 走査電極22は、インジウムスズ酸化物や酸化 ズ等から形成された透明電極22aと、透明電 22a上に形成されたバス電極22bとにより構成 れている。同様に維持電極23は、透明電極23 aとその上に形成されたバス電極23bとにより 成されている。バス電極22b、バス電極23bは 明電極22a、透明電極23aの長手方向に導電性 付与するために設けられ、銀を主成分とす 導電性材料によって形成されている。

 誘電体層25は、本実施の形態においては 透明電極22a、透明電極23aおよびバス電極22b バス電極23bを覆うように形成された第1誘電 層25aと、第1誘電体層25a上に形成された第2 電体層25bの2層構造である。しかし、誘電体 25は必ずしも2層構造である必要はなく、単 構造または3層以上の構造であってもよい。

 そして誘電体層25上には保護層26が形成さ れている。以下に、保護層26の詳細について 明する。誘電体層25をイオン衝突から保護 るとともに駆動の速度を大きく左右する電 放出性能と電荷保持性能を改善するために 保護層26は、第2誘電体層25bの上に形成され 下地保護層26aと、下地保護層26a上に形成さ た粒子層26bとから構成されている。

 下地保護層26aは酸化マグネシウムを主成 とする薄膜であり、その厚みは、例えば0.3 m~1.0μmである。

 粒子層26bは、酸化マグネシウムの単結晶 子27が複数個凝集した凝集粒子28を、下地保 護層26aの全面にわたってほぼ均一に分布する ように離散的に付着させることにより構成し ている。なお、図2には凝集粒子28を拡大して 示している。図3は、本発明の実施の形態に けるパネル10の凝集粒子28の一例を示す図で る。凝集粒子28とは、このように単結晶粒 27が凝集またはネッキングした状態のもので 、静電気やファンデルワールス力等によって 複数の単結晶粒子27が集合体をなしているも である。単結晶粒子27としては、14面体や12 体等の7面以上の面を持ち、粒径が0.9μm~2.0μ m程度の多面体形状を有するものが望ましい また凝集粒子28としては単結晶粒子27が2個~5 凝集したものが望ましく、凝集粒子28の粒 としては、0.3μm~5μm程度のものが望ましい。

 上述した条件を満たす単結晶粒子27およ それらが凝集した凝集粒子28は、次のように して生成することができる。例えば、炭酸マ グネシウムや水酸化マグネシウム等の酸化マ グネシウム前駆体を焼成して生成する場合、 焼成温度を比較的高い1000度以上に設定する とで、粒径を0.3μm~2μm程度に制御することが できる。さらに、酸化マグネシウム前駆体を 焼成することにより、単結晶粒子27同士が凝 またはネッキングした凝集粒子28を得るこ ができる。

 次に、上述した保護層26の効果について 明する。本実施の形態における保護層26の効 果を確認するために、構成の異なる3種類の 護層を有するパネルを試作し、それらの放 特性を調べた。1種類目の試作パネルは、酸 マグネシウムを主成分とする薄膜の下地保 層26aのみからなる保護層を備えたパネルで る。2種類目の試作パネルは、酸化マグネシ ウムを主成分とする薄膜の下地保護層26aの上 に酸化マグネシウムの単結晶粒子27を凝集さ ずに散布し付着させたパネルである。3種類 目の試作パネルは本実施の形態におけるパネ ルであり、酸化マグネシウムを主成分とする 薄膜の下地保護層26aの上に酸化マグネシウム の単結晶粒子27を凝集させて凝集粒子28を全 にわたってほぼ均一に分布するように離散 に付着させたパネルである。

 これらの3種類のパネルについて、電子放 出性能と電荷保持性能とを調べた。電子放出 性能が高いほど放電が発生しやすく放電遅れ が小さくなる。そこで3種類のパネルのそれ れの放電遅れ時間を測定して統計遅れ時間 推定し、その逆数を積分した数値Kをそれぞ のパネルの電子放出性能を示す数値とした 従ってこの数値Kが大きいほど電子放出性能 が高いパネルである。

 また電荷保持性能が低いパネルでは、後 するパネルの駆動方法において、電荷を補 するために走査電極22に印加する走査パル 電圧を高くする必要がある。またデータ電 32に印加する書込みパルス電圧を高くする必 要がある。そこでそれぞれのパネルを駆動す るために必要な走査パルスの最低電圧Vminを 電荷保持性能を示す数値として用いた。従 てこの電圧Vminが小さいほど電荷保持性能が いパネルである。

 図4は、本発明の実施の形態におけるパネ ルを含む3種類の試作パネル11~試作パネル13の 電子放出性能と電荷保持性能とを示す図であ る。1種類目の試作パネル11は、電圧Vminが低 、数値Kも低い。従って、電荷保持性能は高 が電子放出性能が低いパネルであることが かる。また2種類目の試作パネル12は、電圧V min、数値Kともに高い。従って、電子放出性 は高いが電荷保持性能は低いパネルである

 一方、本実施の形態における3種類目の試 作パネル13は、電圧Vminが低く数値Kは高い。 って、電子放出性能が高く、かつ電荷保持 能も高い良好な特性を示すパネルであるこ がわかる。このように、酸化マグネシウム 主成分とする薄膜の下地保護層26aと、下地 護層26aの上に酸化マグネシウムの単結晶粒 27を凝集させて凝集粒子28を全面にわたって ぼ均一に分布するように付着させた粒子層2 6bとを有する保護層26を設けることにより、 子放出性能が高く、かつ電荷保持性能も高 良好な特性を示すパネル10を得ることができ る。

 次に、単結晶粒子27の粒径について説明 る。なお、以下の説明において粒径とはメ アン径を意味している。

 図5Aは、試作パネル13の、単結晶粒子27の 径を変化させて電子放出性能を調べた実験 果を示す図である。なお粒径は、単結晶粒 27を電子顕微鏡で観察することにより測長 た。単結晶粒子27の粒径が0.3μm程度に小さく なると電子放出性能が低くなり、粒径が0.9程 度μm以上であれば高い電子放出性能が得られ ることが実験によりわかった。しかしながら 本発明者らは、背面板30の隔壁34の頂部と接 する位置に粒径の大きい単結晶粒子27が存在 すると、隔壁34の頂部を破損させる確率が増 することを実験的に確認した。図5Bは、試 パネル13の単結晶粒子27の粒径と隔壁34の破 との関係を示す図である。このように、単 晶粒子27の粒径が2.5μm程度に大きくなると、 隔壁破損の確率が急激に高くなるが、2.5μmよ り小さい結晶粒子径であれば、隔壁破損の確 率は比較的小さく抑えることができることが わかる。

 以上の結果から、単結晶粒子27の粒径は0. 9μm以上2.5μm以下であることが望ましいと考 られる。しかし製造上のばらつき等を考慮 て、粒径が0.9μm~2μmの範囲にある単結晶粒子 27の凝集粒子28を使用することが望ましい。 のように保護層26を構成すれば、隔壁34を破 するおそれがなく、電子放出性能が高く、 つ電荷保持性能も高い良好な特性を示すパ ル10を得ることができる。

 なお本実施の形態においては、酸化マグ シウムを主成分とする薄膜の下地保護層26a 用いたパネル10について説明したが、本発 はこれに限定されるものではない。保護層26 は誘電体層25をイオン衝突から保護するとと に放電を発生しやすくする目的で設けられ いる。そして本実施の形態においては保護 26を下地保護層26aと粒子層26bとで構成し、 地保護層26aは主に誘電体層25を保護し、粒子 層26bは主に放電を発生しやすくする役割を持 つ。そのため下地保護層26aとして、アルミニ ウムを含む酸化マグネシウム、酸化アルミニ ウム、または高い耐スパッタ性能を有する金 属酸化物を含むその他の材料を用いて形成し てもよい。また、粒子層26bを形成する単結晶 粒子27としては、ストロンチウム、カルシウ 、バリウム、アルミニウム等を含む酸化マ ネシウムを用いてもよく、また酸化ストロ チウム、酸化カルシウム、酸化バリウム等 主成分とする単結晶粒子を用いて粒子層26b 形成してもよい。

 次に、本発明の実施の形態におけるパネ 10の駆動方法について説明する。

 図6は、本発明の実施の形態におけるパネ ル10の電極配列を示す図である。パネル10に 、行方向(ライン方向)に長いn本の走査電極SC 1~SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1~ SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長 m本のデータ電極D1~Dm(図1のデータ電極32)が 列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1 ~n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1~m )とが交差した部分に放電セルが形成され、 電セルは放電空間内にm×n個形成されている 放電セルの数は、高精細度プラズマディス レイ装置に用いるパネルであれば、例えば m=1920×3=5760、n=1080である。

 次に、パネル10を駆動するために各電極 印加する駆動電圧波形について説明する。 ネル10は、複数のサブフィールドを時間的に 配置して1フィールド期間を構成するサブフ ールド法を用いて駆動される。すなわち1フ ールド期間を複数のサブフィールドに分割 、サブフィールド毎に各放電セルの発光・ 発光を制御することによって階調表示を行 。それぞれのサブフィールドは初期化期間 書込み期間および維持期間を有する。

 初期化期間では初期化放電を発生し、続 書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形 する。このときの初期化動作には、全ての 電セルで初期化放電を発生させる初期化動 (以下、「全セル初期化動作」と略記する) 、直前のサブフィールドの維持期間に維持 電を行った放電セルで初期化放電を発生さ る初期化動作(以下、「選択初期化動作」と 記する)とがある。

 書込み期間では、発光させるべき放電セ で選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形 する。そして維持期間では、輝度重みに応 た数の維持パルスを表示電極対に交互に印 して、書込み放電を発生した放電セルで維 放電を発生させて発光させる。なお、サブ ィールド構成の詳細については後述するこ とし、ここではサブフィールドにおける駆 電圧波形とその動作について説明する。

 図7は、本発明の実施の形態におけるパネ ル10の各電極に印加する駆動電圧波形図であ 。図7には、全セル初期化動作を行うサブフ ィールドと選択初期化動作を行うサブフィー ルドとを示している。

 まず、全セル初期化動作を行うサブフィ ルド(全セル初期化サブフィールド)につい 説明する。

 初期化期間の前半部では、データ電極D1~D m、維持電極SU1~SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走 査電極SC1~SCnには、維持電極SU1~SUnに対して放 開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧 超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する 斜波形電圧を印加する。

 この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査 極SC1~SCnと維持電極SU1~SUn、データ電極D1~Dmと の間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。 そして、走査電極SC1~SCn上に負の壁電圧が蓄 されるとともに、データ電極D1~Dm上および維 持電極SU1~SUn上には正の壁電圧が蓄積される ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘 体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積さ た壁電荷により生じる電圧を表す。このと の初期化放電では、続く初期化期間の後半 において壁電圧の最適化を図ることを見越 て、過剰に壁電圧を蓄えておく。

 初期化期間後半部では、維持電極SU1~SUnに 電圧Ve1を印加し、走査電極SC1~SCnには、維持 極SU1~SUnに対して放電開始電圧以下となる電 Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向か て緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加す 。この間に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SU n、データ電極D1~Dmとの間でそれぞれ微弱な初 期化放電が起こる。そして、走査電極SC1~SCn の負の壁電圧および維持電極SU1~SUn上の正の 電圧が弱められ、データ電極D1~Dm上の正の 電圧は書込み動作に適した値に調整される 以上により、全ての放電セルに対して初期 放電を行う全セル初期化動作が終了する。

 続く書込み期間では、維持電極SU1~SUnに電 圧Ve2を、走査電極SC1~SCnに電圧Vcを印加する。

 次に、1ライン目の走査電極SC1に負の走査 パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電 D1~Dmのうち1ライン目に発光させるべき放電 ルのデータ電極Dk(k=1~m)に正の書込みパルス 圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と 走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印 加電圧の差(Vd-Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と 走査電極SC1上の壁電圧の差とが加算されたも のとなり放電開始電圧を超える。そして、デ ータ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電 SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こ 、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、 持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、デー 電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。

 ここで、走査パルス電圧Vaと書込みパル 電圧Vdを印加した後、書込み放電が発生する までの時間を「放電遅れ時間」と称する。仮 にパネルの電子放出性能が低く放電遅れ期間 が長くなると、確実に書込み動作を行うため に走査パルス電圧Vaと書込みパルス電圧Vdと 印加する時間、すなわち走査パルス幅と書 みパルス幅とを長く設定する必要があり、 速に書込み動作を行うことができなくなる また仮にパネルの電荷保持性能が低いと、 電圧の減少を補うために走査パルス電圧Vaと 書込みパルス電圧Vdとの電圧値を高く設定す 必要がある。しかしながら本実施の形態に けるパネル10は電子放出性能が高いので、 査パルス幅および書込みパルス幅を従来の ネルより短く設定することができ、安定し 高速に書込み動作を行うことができる。ま 本実施の形態におけるパネル10は電荷保持性 能が高いので、走査パルス電圧Vaと書込みパ ス電圧Vdとの電圧値を従来のパネルより低 設定することができる。

 このようにして、1ライン目に発光させる べき放電セルで書込み放電を起こして各電極 上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる 。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかっ データ電極D1~Dmと走査電極SC1との交差部の 圧は放電開始電圧を超えないので、書込み 電は発生しない。以上の書込み動作をnライ 目の放電セルに至るまで行い、書込み期間 終了する。

 続く維持期間では、まず走査電極SC1~SCnに 正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維 電極SU1~SUnに0(V)を印加する。すると書込み 電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上 維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vs に走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁 電圧との差が加算されたものとなり放電開始 電圧を超える。

 そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間 維持放電が起こり、このとき発生した紫外 により蛍光体層35が発光する。そして走査 極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SU i上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデー 電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込 み期間において書込み放電が起きなかった放 電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間 の終了時における壁電圧が保たれる。

 続いて、走査電極SC1~SCnには0(V)を、維持 極SU1~SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印 する。すると、維持放電を起こした放電セ では、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電 差が放電開始電圧を超えるので再び維持電 SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり 維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査 極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同 に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとに交互 に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し 、表示電極対の電極間に電位差を与えること により、書込み期間において書込み放電を起 こした放電セルで維持放電が継続して行われ る。

 そして、維持期間の最後には走査電極SC1~ SCnと維持電極SU1~SUnとの間にいわゆる細幅パ ス状の電圧差、または傾斜波形状の電位差 与えて、データ電極Dk上の正の壁電圧を残し たまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁 電圧を消去している。

 次に、選択初期化動作を行うサブフィー ド(選択初期化サブフィールド)の動作につ て説明する。

 選択初期化動作を行う初期化期間では、 持電極SU1~SUnに電圧Ve1を、データ電極D1~Dmに0 (V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1~SCnに電圧Vi 4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を 加する。すると前のサブフィールドの維持 間で維持放電を起こした放電セルでは微弱 初期化放電が発生し、走査電極SCi上および 持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデ タ電極Dkに対しては、直前の維持放電によっ てデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積 れているので、この壁電圧の過剰な部分が 電され、書込み動作に適した壁電圧に調整 れる。

 一方、前のサブフィールドで維持放電を こさなかった放電セルについては放電する とはなく、前のサブフィールドの初期化期 終了時における壁電荷がそのまま保たれる このように選択初期化動作は、直前のサブ ィールドの維持期間で維持動作を行った放 セルに対して選択的に初期化放電を行う動 である。

 続く書込み期間の動作は全セル初期化動 を行うサブフィールドの書込み期間の動作 同様であるため説明を省略する。続く維持 間の動作も維持パルスの数を除いて同様で る。

 次に、本実施の形態における駆動方法の ブフィールド構成について説明する。本実 の形態における駆動方法の特徴は、全セル 期化サブフィールドから次の全セル初期化 ブフィールドの直前のサブフィールドまで 輝度重みの大きさが単調減少となるように ブフィールドが配置されている点である。 なわち、全セル初期化サブフィールドに続 選択初期化サブフィールドの輝度重みの大 さが直前のサブフィールドの輝度重みの大 さより小さくまたは等しく設定されており 選択初期化サブフィールドに続く選択初期 サブフィールドの輝度重みの大きさが直前 サブフィールドの輝度重みの大きさより小 くまたは等しく設定されている点である。 のように、全セル初期化サブフィールドか 次の全セル初期化サブフィールドの前のサ フィールドまでの輝度重みの大きさが単調 少となるように時間的に配置されたサブフ ールド構成を、以下「降順コーディング」 略称する。

 図8は本発明の実施の形態におけるサブフ ィールド構成を示す図である。本実施の形態 においては、1フィールドを10のサブフィール ド(第1SF、第2SF、・・・、第10SF)に分割し、各 サブフィールドはそれぞれ(80、60、44、30、18 11、6、3、2、1)の輝度重みを持つ。また第1SF は全セル初期化サブフィールドであり、第2SF ~第10SFは選択初期化サブフィールドである。 お、図8は走査電極22に印加する駆動電圧波 の1フィールドの概略を示すもので、各サブ フィールドの各々の期間における駆動電圧波 形の詳細は図7に示したとおりである。

 このように本実施の形態においてはパネ 10を降順コーディングで駆動するが、降順 ーディングで駆動することにより、高速駆 可能なパネル10の性能を生かしつつ、さらに 高速かつ安定した書込み動作を行うことがで き、画像表示品質の優れたプラズマディスプ レイ装置を実現することができる。また降順 コーディングで駆動することにより、さらに 書込みパルス電圧を下げることができ、プラ ズマディスプレイ装置の消費電力を下げるこ とができる。

 以下、その理由について説明する。本発 者らは、本実施の形態におけるパネル10の 電遅れ時間を測定した。測定したパネルは 下地保護層26aの上に酸化マグネシウムの単 晶粒子27が複数個凝集した凝集粒子28を離散 に付着させた粒子層26bを有する保護層26を 成したパネル(本発明のパネル)であり、放電 ガスがキセノンガス100%の42インチ高輝度、高 精細度パネルである。また比較のために、下 地保護層26aのみを有し粒子層26bを有しない従 来のパネルについても放電遅れ時間を測定し た。

 周囲の放電セルからの放電の影響を受け いように、隣接する放電セルで書込み放電 発生させないように制御した放電セルで書 み放電の放電遅れ時間を測定した。また放 遅れ時間は蛍光体材料の影響を受けるが、 電遅れ時間が長くなる傾向の強い緑色の蛍 体を塗布された放電セルで測定を行った。

 まず、放電遅れ時間と全セル初期化動作 らの経過時間との関係を知るために、第1SF ら第10SFのうちの1つのサブフィールドのみ 書込み動作を行ったときの放電遅れ時間を れぞれ測定した。このときの維持パルス数 サブフィールドにかかわらず2パルスとした また放電遅れ時間と維持パルス数との関係 知るために、第5SFのみで書込み動作を行い その後の維持期間の維持パルス数を2パルス から256パルスまで変化させて放電遅れ時間を 測定した。

 図9Aは、本発明の実施の形態におけるパ ル10の放電遅れ時間と全セル初期化動作から の経過時間との関係を示す図であり、図9Bは 本発明の実施の形態におけるパネル10の放 遅れ時間と維持パルス数との関係を示す図 ある。図9Aおよび図9Bには、比較のための従 のパネルの特性を破線で示している。

 このように、本実施の形態におけるパネ 10は、従来のパネルに比較して放電遅れ時 が非常に短くなっていることがわかる。こ は、本実施の形態におけるパネル10の電子放 出性能が高いため放電遅れ時間が短くなった ためである。また図9Aによれば、本実施の形 におけるパネル10は、全セル初期化動作か の経過時間とともに放電遅れ時間が長くな 傾向がある。この傾向は従来のパネルも同 である。これは全セル初期化動作で発生し プライミングが時間とともに減少し、放電 発生しにくくなるためであると考えられる

 一方、放電遅れ時間と維持パルス数との 係について注目すると、図9Bに示すように 従来のパネルでは維持パルス数が増加する ともに放電遅れ時間が短くなる傾向がある に対し、本実施の形態におけるパネル10は維 持パルス数が増加するとともに放電遅れ時間 が長くなる傾向がある。一般的には維持パル ス数が多くなると維持放電にともなうプライ ミングが増加するので放電遅れ時間が短くな ると考えられている。しかし本実施の形態に おけるパネル10では、逆の傾向が現れている 本実施の形態のパネル10でこのような傾向 現れる原因について完全に解明されたわけ はないが、1つの可能性として以下のように えることができる。放電遅れ時間を決める 成遅れ時間と統計遅れ時間のうち、プライ ングの影響を大きく受ける統計遅れ時間は でに十分短いため、維持放電にともなうプ イミングが放電遅れ時間に大きく寄与する とはない。しかし本実施の形態におけるパ ル10は従来のパネルに比べて電荷保持性能 高いものの、壁電荷の減少が全くないわけ はないので、維持放電にともない壁電圧が 少し、電極間に実質的に印加される電圧が 下して放電形成遅れ時間が増加した結果、 電遅れ時間が長くなったと考えられる。

 電子放出性能の低いパネルでは、プライ ングが統計遅れ時間に及ぼす影響は大きく1 00nsから1000nsに及ぶことがあるのに対し、壁 圧の減少が形成遅れ時間に及ぼす影響は100ns 程度と比較的小さい。そのために、電子放出 性能の低いパネルでは統計遅れ時間に及ぼす プライミングの影響が勝り、維持パルス数が 増えるにつれて放電遅れ時間が短くなるもの と考えられる。しかし本実施の形態のパネル 10のように電子放出性能の高いパネルではプ イミングが放電遅れに及ぼす影響は小さく 電荷保持性能が高くても統計遅れ時間に及 す壁電圧の減少の影響が勝って、維持パル 数が増えるにつれて放電遅れ時間が長くな ものと考えられる。

 このように、本実施の形態におけるパネ 10では、維持パルスが増えると放電遅れ時 が長くなる傾向があり、かつ全セル初期化 作からの経過時間が長くなるほど放電遅れ 間が長くなる傾向がある。従って、全セル 期化動作からの経過時間が短いときは維持 ルス数を多く、全セル初期化動作からの経 時間が長くなるにつれて維持パルス数が少 くなる降順コーディングのサブフィールド 成とすることにより、放電遅れ時間の長く る条件と短くなる条件とが相殺されて、本 施の形態におけるパネル10の特徴を生かした 高速駆動が可能となる。

 またこのように降順コーディングのサブ ィールド構成とすることにより、データ電 D1~Dmに印加する電圧を下げることができる 図10は、本発明の実施の形態におけるパネル 10を、輝度重みの大きさが単調減少となるよ にサブフィールドを配置した降順コーディ グのサブフィールド構成で駆動した場合と 度重みの大きさが単調増加となるようにサ フィールドを配置した昇順コーディングの ブフィールド構成で駆動した場合とのデー 電極D1~Dmに印加する電圧の最低の電圧を示 図である。このように、点灯率の増加に応 て必要な書込みパルスの電圧は増加するも の、降順コーディングのサブフィールド構 とすることにより、書込みパルス電圧Vdをお よそ5(V)下げることができる。これによりデ タ電極駆動回路の電力を削減することがで る。

 次に、上述した駆動電圧を発生してパネ 10を駆動するパネル駆動回路の一例につい 説明する。

 図11は、本発明の実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置100の回路ブロック図 ある。プラズマディスプレイ装置100は、パ ル10とパネル駆動回路とを備えている。パネ ル10の保護層26は、酸化マグネシウムを含む 膜で形成された下地保護層26aと、酸化マグ シウムの単結晶粒子27が複数個凝集した凝集 粒子28を下地保護層26aの全面にわたって離散 に付着させて形成した粒子層26bとから構成 れている。パネル駆動回路は、初期化期間 おいて、全ての放電セルで初期化放電を発 させる全セル初期化動作と、それ以前に維 放電を行った放電セルで初期化放電を発生 せる選択初期化動作とのいずれかを行い、 つ全セル初期化動作を行うサブフィールド ら次の全セル初期化動作を行うサブフィー ドの直前のサブフィールドまでの輝度重み 大きさが単調減少となるようにサブフィー ドを時間的に配置してパネル10を駆動する パネル駆動回路は、画像信号処理回路41、デ ータ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、 持電極駆動回路44、タイミング発生回路45お び各回路ブロックに必要な電源を供給する 源回路(図示せず)を備えている。

 画像信号処理回路41は、入力された画像 号をサブフィールド毎の発光・非発光を示 画像データに変換する。データ電極駆動回 42はサブフィールド毎の画像データを各デー タ電極D1~Dmに対応する信号に変換し各データ 極D1~Dmを駆動する。タイミング発生回路45は 水平同期信号および垂直同期信号をもとにし て各回路ブロックの動作を制御する各種のタ イミング信号を発生し、それぞれの回路ブロ ックへ供給する。走査電極駆動回路43はタイ ング信号にもとづいて各走査電極SC1~SCnをそ れぞれ駆動し、維持電極駆動回路44はタイミ グ信号にもとづいて維持電極SU1~SUnを駆動す る。

 図12は、本発明の実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置100の走査電極駆動回 43および維持電極駆動回路44の回路図である

 走査電極駆動回路43は、維持パルス発生 路50、初期化波形発生回路60、走査パルス発 回路70を備えている。維持パルス発生回路50 は、走査電極SC1~SCnに電圧Vsを印加するための スイッチング素子Q55と、走査電極SC1~SCnに0(V) 印加するためのスイッチング素子Q56と、走 電極SC1~SCnに維持パルスを印加する際の電力 を回収するための電力回収部59とを有する。 期化波形発生回路60は、走査電極SC1~SCnに上 傾斜波形電圧を印加するためのミラー積分 路61と、走査電極SC1~SCnに下り傾斜波形電圧 印加するためのミラー積分回路62とを有す 。なおスイッチング素子Q63およびスイッチ グ素子Q64は、他のスイッチング素子の寄生 イオード等を介して電流が逆流することを ぐために設けている。走査パルス発生回路70 は、フローティング電源E71と、フローティン グ電源E71の高圧側の電圧または低圧側の電圧 を走査電極SC1~SCnのそれぞれに印加するため スイッチング素子Q72H1~Q72Hn、Q72L1~Q72Lnと、フ ーティング電源E71の低圧側の電圧を電圧Va 固定するスイッチング素子Q73を有する。

 維持電極駆動回路44は、維持パルス発生 路80、初期化・書込み電圧発生回路90を備え いる。維持パルス発生回路80は、維持電極SU 1~SUnに電圧Vsを印加するためのスイッチング 子Q85と、維持電極SU1~SUnに0(V)を印加するため のスイッチング素子Q86と、維持電極SU1~SUnに 持パルスを印加する際の電力を回収するた の電力回収部89とを有する。初期化・書込み 電圧発生回路90は、維持電極SU1~SUnに電圧Ve1を 印加するためのスイッチング素子Q92およびダ イオードD92と、維持電極SU1~SUnに電圧Ve2を印 するためのスイッチング素子Q94およびダイ ードD94とを有する。

 なお、これらのスイッチング素子は、MOSF ETやIGBT等の一般に知られた素子を用いて構成 することができる。またこれらのスイッチン グ素子は、タイミング発生回路45で発生した れぞれのスイッチング素子に対応するタイ ング信号により制御される。

 なお、図12に示した駆動回路は、図7に示 た駆動電圧波形を発生させる回路構成の一 であって、本発明のプラズマディスプレイ 置は、この回路構成に限定されるものでは い。

 また、本実施の形態においては、1フィー ルドを10のサブフィールドに分割し、第1SFの が全セル初期化サブフィールドであるもの して説明したが、本発明はこれに限定され ものではない。図13は、本発明の他の実施 形態におけるサブフィールド構成を示す図 ある。図13には、サブフィールド数を「14」 し、全セル初期化サブフィールドを第1SFお び第7SFとし、第1SFから第6SFまでの輝度重み 大きさが単調減少となるように設定されて り、また第7SFから第14SFまでの輝度重みの大 きさも単調減少となるように設定されている 。このように、全セル初期化サブフィールド から次の全セル初期化サブフィールドの前の サブフィールドまでの輝度重みの大きさが単 調減少となるように設定することが重要であ り、サブフィールド数は必要に応じて任意に 設定してもよく、また全セル初期化動作を行 うサブフィールド、およびその数も任意に設 定してもよい。

 また、本実施の形態において用いた具体 な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、 ネルの特性やプラズマディスプレイ装置の 様等に合わせて、適宜最適な値に設定する とが望ましい。

 本発明のプラズマディスプレイ装置は、 速かつ安定した書込み動作を行い、表示品 の優れた画像を表示することができるので ィスプレイ装置として有用である。