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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128255
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a plasma display device characterized by comprising: a protective layer (26) for a front plate (20) in a plasma display panel, the protective layer (26) comprising a substrate protective layer (26a) formed of a thin film of a metal oxide comprising at least one of magnesium oxide, strontium oxide, calcium oxide, and barium oxide, and a particulate layer (26b) formed by adhering single crystal particles (27) of magnesium oxide having an NaCl crystal structure, surrounded by specific two types of oriented planes of (100) plane and (111) plane or by specific three types of oriented planes of (100) plane, (110) plane and (111) plane, to the substrate protective layer (26a); and a panel drive circuit configured so that the panel is driven by temporally arranging subfields in such a manner that the weight of brightness from the subfield where an entire cell initialization operation is performed, to the subfield just before the subfield where the next entire cell initialization operation is performed is monotonically decreased. The above constitution can lower a writing pulse voltage.

Inventors:
MURATA MITSUHIRO
FUKUI YUSUKE
WAKABAYASHI TOSHIKAZU
ASANO HIROSHI
Application Number:
PCT/JP2009/001717
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 14, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
MURATA MITSUHIRO
FUKUI YUSUKE
WAKABAYASHI TOSHIKAZU
ASANO HIROSHI
International Classes:
G09G3/20; G09G3/288; G09G3/291; G09G3/292; G09G3/294; G09G3/298; H01J11/10; H01J11/12; H01J11/34; H01J11/36; H01J11/40
Domestic Patent References:
WO2007139184A12007-12-06
Foreign References:
JP2006251337A2006-09-21
JP2000105568A2000-04-11
JPH1195718A1999-04-09
JP2006098751A2006-04-13
Attorney, Agent or Firm:
NAITO, Hiroki et al. (JP)
Hiroki Naito (JP)
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Claims:
   第1のガラス基板上に表示電極対を形成し前記表示電極対を覆うように誘電体層を形成し前記誘電体層の上に保護層を形成した前面板と、第2のガラス基板上にデータ電極を形成した背面板とを対向配置して、前記表示電極対と前記データ電極とが対向する位置に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルと、
   前記放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と書込み放電を発生させる書込み期間と維持放電を発生させる維持期間とを有する複数のサブフィールドを時間的に配置して1フィールド期間を構成して前記プラズマディスプレイパネルを駆動するパネル駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、
   前記保護層は、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化バリウムの少なくとも1つを含む金属酸化物の薄膜で形成された下地保護層と、(100)面および(111)面からなる特定2種配向面、または(100)面、(110)面および(111)面からなる特定3種配向面で囲まれたNaCl結晶構造を有する酸化マグネシウムの単結晶粒子を、前記下地保護層に付着させて形成した粒子層とから構成され、
   前記パネル駆動回路は、前記初期化期間において、全ての放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作とそれ以前に維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる選択初期化動作とのいずれかを行い、かつ全セル初期化動作を行うサブフィールドから次の全セル初期化動作を行うサブフィールドの直前のサブフィールドまでの輝度重みの大きさが単調減少となるようにサブフィールドを時間的に配置して前記プラズマディスプレイパネルを駆動するように構成したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
   前記粒子層は酸化マグネシウム前駆体の焼成生成物であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
Description:
プラズマディスプレイ装置

 本発明は、プラズマディスプレイパネル 用いた画像表示装置であるプラズマディス レイ装置に関する。

 プラズマディスプレイパネル(以下、「パ ネル」と略記する)は薄型の画像表示素子の でも高速表示が可能であり、かつ大型化が 易であることから、大画面表示装置として 用化されている。

 パネルは前面板と背面板とを貼り合わせ 構成されている。前面板はガラス基板と、 ラス基板上に形成された走査電極および維 電極からなる表示電極対と、表示電極対を うように形成された誘電体層と、誘電体層 に形成された保護層とを有する。保護層は 電体層をイオン衝突から保護するとともに 電を発生しやすくする目的で設けられてい 。

 背面板は、ガラス基板と、ガラス基板上 形成されたデータ電極と、データ電極を覆 誘電体層と、誘電体層上に形成された隔壁 、隔壁間に形成された赤色、緑色および青 のそれぞれに発光する蛍光体層とを有する 前面板と背面板とは、表示電極対とデータ 極とが放電空間をはさんで交差するように 向され、周囲を低融点ガラスで封着されて る。放電空間にはキセノンを含む放電ガス 封入されている。ここで表示電極対とデー 電極との対向する部分に放電セルが形成さ る。

 このような構成のパネルを用いたプラズ ディスプレイ装置は、パネルの各放電セル 選択的にガス放電を発生させ、このとき生 た紫外線で赤色、緑色および青色の各色の 光体を励起発光させてカラー表示を行って る。

 パネルを駆動する方法としてはサブフィ ルド法、すなわち、1フィールド期間を複数 のサブフィールドに分割し、発光させるサブ フィールドの組み合わせによって階調表示を 行う方法が一般的である。各サブフィールド は、初期化期間、書込み期間および維持期間 を有する。初期化期間では走査電極および維 持電極に所定の電圧を印加して初期化放電を 発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各 電極上に形成する。書込み期間では走査電極 に走査パルスを順次印加するとともに選択的 にデータ電極に書込みパルスを印加して書込 み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維 持期間では表示電極対に交互に維持パルスを 印加し、放電セルで選択的に維持放電を発生 させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光さ せることにより画像表示を行う。

 ここで、発光させるべき放電セルを確実 発光させ、発光させるべきでない放電セル は確実に発光させないように制御して品質 高い画像を表示するためには、割り当てら た時間内に確実な書込み動作を行う必要が る。そのために高速駆動の可能なパネルの 発が進められるとともに、そのパネルの性 を引き出して品質の高い画像を表示するた の駆動方法および駆動回路についての検討 進められている。

 パネルの放電特性は保護層の特性に大き 依存しており、特に高速駆動の可否を左右 る電子放出性能と電荷保持性能を改善する めに、保護層の材料、構成、製造方法等に いて多くの検討がなされている。例えば特 文献1には、マグネシウム蒸気を気相酸化し て生成することにより200nm~300nmにカソードル ネッセンス発光ピークを有する酸化マグネ ウム層が設けられたパネルと、書込み期間 おいて全表示ラインを構成する表示電極対 々の一方に走査パルスを順に印加するとと に走査パルスが印加される表示ラインに対 した書込みパルスをデータ電極に供給する 極駆動回路とを備えたプラズマディスプレ 装置が開示されている。

 近年は、大画面に加えて高精細度プラズマ ィスプレイ装置が要望されており、例えば1 920画素×1080ラインの高精細度プラズマディス プレイ装置、さらには2160ラインあるいは4320 インといった超高精細度プラズマディスプ イ装置が望まれている。このようにライン が増加する一方で、滑らかな階調を表示す ためのサブフィールド数も確保しなければ らない。そのため、1ラインあたりの書込み 動作に割り当てられる時間はますます短くな る傾向にある。そこで、割り当てられた時間 内に確実な書込み動作を行うために、従来以 上に高速かつ安定した書込み動作が可能なパ ネル、その駆動方法、それを実現する駆動回 路を備えたプラズマディスプレイ装置が望ま れている。

特開2006-54158号公報

 本発明は、第1のガラス基板上に表示電極 対を形成し表示電極対を覆うように誘電体層 を形成し誘電体層の上に保護層を形成した前 面板と、第2のガラス基板上にデータ電極を 成した背面板とを対向配置して、表示電極 とデータ電極とが対向する位置に放電セル 形成したパネルと、放電セルで初期化放電 発生させる初期化期間と書込み放電を発生 せる書込み期間と維持放電を発生させる維 期間とを有する複数のサブフィールドを時 的に配置して1フィールド期間を構成してパ ルを駆動するパネル駆動回路とを備えたプ ズマディスプレイ装置であって、保護層は 酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、 化カルシウム、酸化バリウムの少なくとも1 つを含む金属酸化物の薄膜で形成された下地 保護層と、(100)面および(111)面からなる特定2 配向面、または(100)面、(110)面および(111)面 らなる特定3種配向面で囲まれたNaCl結晶構 を有する酸化マグネシウムの単結晶粒子を 下地保護層に付着させて形成した粒子層と ら構成され、パネル駆動回路は、初期化期 において全ての放電セルで初期化放電を発 させる全セル初期化動作とそれ以前に維持 電を行った放電セルで初期化放電を発生さ る選択初期化動作とのいずれかを行い、か 全セル初期化動作を行うサブフィールドか 次の全セル初期化動作を行うサブフィール の直前のサブフィールドまでの輝度重みの きさが単調減少となるようにサブフィール を時間的に配置してパネルを駆動するよう 構成することを特徴とする。

図1は本発明の実施の形態におけるパネ ルの構造を示す斜視図である。 図2は同パネルの前面板の構成を示す断 面図である。 図3Aは同パネルの単結晶粒子の形状の 例を示す図である。 図3Bは同パネルの単結晶粒子の形状の 例を示す図である。 図3Cは同パネルの単結晶粒子の形状の 例を示す図である。 図3Dは同パネルの単結晶粒子の形状の 例を示す図である。 図4Aは同パネルの粒子層に含まれる酸 マグネシウム単結晶粒子の形状を示す電子 微鏡写真を示す図である。 図4Bは同パネルの粒子層に含まれる酸 マグネシウム単結晶粒子の形状を示す電子 微鏡写真を示す図である。 図4Cは同パネルの粒子層に含まれる酸 マグネシウム単結晶粒子の形状を示す電子 微鏡写真を示す図である。 図5Aは同パネルの粒子層に含まれる単 晶粒子の他の形状を示す図である。 図5Bは同パネルの粒子層に含まれる単 晶粒子の他の形状を示す図である。 図5Cは同パネルの粒子層に含まれる単 晶粒子の他の形状を示す図である。 図5Dは同パネルの粒子層に含まれる単 晶粒子の他の形状を示す図である。 図5Eは同パネルの粒子層に含まれる単 晶粒子の他の形状を示す図である。 図5Fは同パネルの粒子層に含まれる単 晶粒子の他の形状を示す図である。 図6は同パネルの電極配列を示す図であ る。 図7は同パネルの各電極に印加する駆動 電圧波形図である。 図8は本発明の実施の形態におけるサブ フィールド構成を示す図である。 図9Aは本発明の実施の形態におけるパ ルの放電遅れ時間と全セル初期化動作から 経過時間との関係を示す図である。 図9Bは同パネルの放電遅れ時間と維持 ルス数との関係を示す図である。 図10は同パネルを降順コーディングの ブフィールド構成とした場合と昇順コーデ ングのサブフィールド構成とした場合との ータ電極に印加する電圧の最低の電圧を示 図である。 図11は本発明の実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置の回路ブロック図で る。 図12は同プラズマディスプレイ装置の 査電極駆動回路および維持電極駆動回路の 路図である。 図13は本発明の他の実施の形態におけ サブフィールド構成を示す図である。

符号の説明

 10  パネル
 20  前面板
 21  (第1の)ガラス基板
 22  走査電極
 22a,23a  透明電極
 22b,23b  バス電極
 23  維持電極
 24  表示電極対
 25  誘電体層
 26  保護層
 26a  下地保護層
 26b  粒子層
 27  単結晶粒子
 30  背面板
 31  (第2の)ガラス基板
 32  データ電極
 34  隔壁
 35  蛍光体層
 41  画像信号処理回路
 42  データ電極駆動回路
 43  走査電極駆動回路
 44  維持電極駆動回路
 45  タイミング発生回路
 50,80  維持パルス発生回路
 60  初期化波形発生回路
 70  走査パルス発生回路
 100  プラズマディスプレイ装置

 以下、本発明の一実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置について図面を用い 説明する。

 (実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態におけるパネル 10の構造を示す斜視図である。パネル10は前 板20と背面板30とが対向して配置され、その 周部を低融点ガラスの封着材によって封着 れている。パネル10内部の放電空間15には、 キセノン等の放電ガスが400Torr~600Torrの圧力で 封入されている。

 前面板20のガラス基板(第1のガラス基板)21 上には、走査電極22および維持電極23よりな 表示電極対24が平行に複数配置されている。 ガラス基板21上には表示電極対24を覆うよう 誘電体層25が形成され、さらにその誘電体層 25の上に酸化マグネシウムを主成分とする保 層26が形成されている。

 また、背面板30のガラス基板(第2のガラス 基板)31上には、表示電極対24と直交する方向 複数のデータ電極32が互いに平行に配置さ 、これを誘電体層33が被覆している。さらに 誘電体層33上には隔壁34が形成されている。 電体層33上および隔壁34の側面には紫外線に って赤色、緑色および青色にそれぞれ発光 る蛍光体層35が形成されている。ここで、 示電極対24とデータ電極32とが交差する位置 放電セルが形成され、赤色、緑色、青色の 光体層35を有する放電セルの一組がカラー 示のための画素になる。なお誘電体層33は必 須ではなく、誘電体層33を省略した構成であ てもよい。

 図2は、本発明の実施の形態におけるパネ ル10の前面板20の構成を示す断面図であり、 1に示した前面板20と上下を逆にして示して る。ガラス基板21上に、走査電極22と維持電 23よりなる表示電極対24が形成されている。 走査電極22は、インジウムスズ酸化物や酸化 ズ等から形成された透明電極22aと、透明電 22a上に形成されたバス電極22bとにより構成 れている。同様に維持電極23は、透明電極23 aとその上に形成されたバス電極23bとにより 成されている。バス電極22b、バス電極23bは 明電極22a、透明電極23aの長手方向に導電性 付与するために設けられ、銀を主成分とす 導電性材料によって形成されている。

 誘電体層25は、酸化鉛または酸化ビスマ または酸化リンを主成分とする低融点ガラ 等を、スクリーン印刷、ダイコート等によ 塗布し、焼成して形成されている。

 そして誘電体層25上には保護層26が形成さ れている。以下に、保護層26の詳細について 明する。誘電体層25をイオン衝突から保護 るとともに駆動の速度を大きく左右する電 放出性能と電荷保持性能を改善するために 保護層26は、誘電体層25の上に形成された下 保護層26aと、下地保護層26a上に形成された 子層26bとから構成されている。

 下地保護層26aは、真空蒸着法、イオンプ ーティング法等の薄膜形成法で形成された 化マグネシウムを主成分とする薄膜であり その厚みは、例えば0.3μm~1.0μmである。なお 下地保護層26aとしては、酸化マグネシウム、 酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化 バリウムの少なくとも1つを含む金属酸化物 形成してもよい。

 粒子層26bは、酸化マグネシウムの単結晶 子27を下地保護層26aの全面にわたってほぼ 一に分布するように付着させることにより 成している。

 図3Aは、本発明の実施の形態におけるパ ル10の単結晶粒子27の形状の一例を示す図で り、6面体を基本形状とし、その各頂点が切 除された切頂面をもつ14面体形状の単結晶粒 27aを示す。ここで主要面41aは(100)面、切頂 42aは(111)面である。図3Bは、同単結晶粒子27 形状の一例を示す図であり、8面体を基本形 とし、その各頂点が切除された切頂面をも 14面体形状の単結晶粒子27bを示す。ここで 要面42bは(111)面、切頂面41bは(100)面である。 のように単結晶粒子27a、単結晶粒子27bは(100 )面および(111)面からなる特定2種配向面で囲 れたNaCl結晶構造を有する。

 図3Cは、同単結晶粒子27の形状の一例を示 す図であり、単結晶粒子27bの形状にさらに(11 1)面の境界が切除された斜方面をもつ26面体 状の単結晶粒子27cを示す。ここで主要面42c (111)面、切頂面41cは(100)面、斜方面43cは(110) である。図3Dは、同単結晶粒子27の形状の一 を示す図であり、単結晶粒子27aの形状にさ に隣接する(100)面の稜線が切除された斜方 をもつ26面体形状の単結晶粒子27dを示す。こ こで主要面41dは(100)面、切頂面42dは(111)面、 方面43dは(110)面である。このように単結晶粒 子27c、単結晶粒子27dは(100)面、(110)面および(1 11)面からなる特定3種配向面で囲まれたNaCl結 構造を有する。

 図4Aは、本発明の実施の形態におけるパ ル10の粒子層26bに含まれる酸化マグネシウム 単結晶粒子27aの形状を示す電子顕微鏡写真を 示す図である。図4Bは、同粒子層26bに含まれ 酸化マグネシウム単結晶粒子27bの形状を示 電子顕微鏡写真を示す図である。図4Cは、 粒子層26bに含まれる酸化マグネシウム単結 粒子27cを示す電子顕微鏡写真を示す図であ 。このように実際にはややひずんだ形状の 結晶粒子27も含まれている。

 また切頂面は全ての頂点に形成されるわ ではなく、斜方面も全ての稜線に形成され わけではない。図5Aは、本発明の実施の形 におけるパネル10の粒子層26bに含まれる単結 晶粒子27の他の形状を示す図であり、単結晶 子27aのバリエーションであって、切頂面が1 つ存在する形状を示している。図5Bは、同単 晶粒子27aのバリエーションであって、切頂 が2つ存在する形状を示している。図5Cは、 発明の実施の形態におけるパネル10の粒子 26bに含まれる単結晶粒子27の他の形状を示す 図であり、単結晶粒子27bのバリエーションで あって、切頂面が1つ存在する形状を示して る。図5Dは、同単結晶粒子27bのバリエーショ ンであって、切頂面が2つ存在する形状を示 ている。また図5Eは、本発明の実施の形態に おけるパネル10の粒子層26bに含まれる単結晶 子27の他の形状を示す図であり、単結晶粒 27cのバリエーションであって、切頂面が6つ 斜方面が1つ存在する形状を示している。ま た図5Fは、本発明の実施の形態におけるパネ 10の粒子層26bに含まれる単結晶粒子27の他の 形状を示す図であり、単結晶粒子27dのバリエ ーションであって、切頂面が8つ、斜方面が1 存在する形状を示している。

 上述したように、酸化マグネシウム単結 は立方格子のNaCl結晶構造であり、主要な配 向面として(100)面、(110)面、(111)面をもつ。こ のうち(100)面は最稠密面であって、低温から 温までの広い温度範囲にわたり水、炭化水 、炭酸ガス等の不純ガスが吸着しにくい。 のため主として(100)面をもつ単結晶粒子27を 用いると、広い温度範囲にわたり安定して良 好な電子放出性能と電荷保持性能とをあわせ もつ粒子層26bを形成することができる。

 一方(111)面は、常温以上で特に良好な電 放出性能を示すため、主として(111)面をもつ 単結晶粒子27は、高速駆動の可能なパネル10 実現する上で重要である。

 上述した(100)面および(111)面からなる特定 2種配向面で囲まれたNaCl結晶構造を有する単 晶粒子、あるいは(100)面、(110)面および(111) からなる特定3種配向面で囲まれたNaCl結晶 造を有する単結晶粒子は、液相法により生 することができる。

 具体的には、例えば以下のように酸化マ ネシウムの前駆体である水酸化マグネシウ を高温の酸素含有雰囲気中で均一に焼成し 生成することができる。

 (液相法1)
 純度99.95%以上のマグネシウムアルコキシド たはマグネシウムアセチルアセトンの水溶 に少量の酸を加えて加水分解して、水酸化 グネシウムのゲルを作製する。そして、そ ゲルを空気中で焼成して脱水することによ 、単結晶粒子27の粉体を生成する。

 (液相法2)
 純度99.95%以上の硝酸マグネシウムを溶かし 水溶液にアルカリ溶液を添加して水酸化マ ネシウムを沈殿させる。次に、水酸化マグ シウムの沈殿物を水溶液から分離し、それ 空気中で焼成して脱水することにより、単 晶粒子27の粉体を生成する。

 (液相法3)
 純度99.95%以上の塩化マグネシウムを溶かし 水溶液に水酸化カルシウムを添加して水酸 マグネシウムを沈殿させる。次に、水酸化 グネシウムの沈殿物を水溶液から分離し、 れを空気中で焼成して脱水することにより 単結晶粒子27の粉体を生成する。

 焼成温度としては、700℃以上が望ましく1 000℃以上がさらに望ましい。これは、700℃未 満では、結晶面が十分発達せず欠陥が多くな るためである。また、700℃以上1500℃未満で 成すると特定3種配向面で囲まれた単結晶粒 27c、27dの生成頻度が高く、1500℃以上の温度 で焼成を行うと、(110)面が縮小して特定2種配 向面で囲まれた単結晶粒子27a、27bの生成頻度 が高くなる傾向がみられることがわかった。 ただし、焼成温度を高くしすぎると酸素欠損 が生じ酸化マグネシウム結晶の欠陥が多くな るため、1800℃以下に設定することが望まし 。

 酸化マグネシウム前駆体としては、上述 た水酸化マグネシウム以外にも、マグネシ ムアルコキシド、マグネシウムアセチルア トン、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウ 、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、 ュウ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等 うちの1種以上を用いることができる。ここ で酸化マグネシウム前駆体としてのマグネシ ウム化合物の純度は99.95%以上が望ましく、99. 98%以上がさらに望ましい。これは、アルカリ 金属、ホウ素、珪素、鉄、アルミニウム等の 不純物元素が多く含まれると、焼成時に粒子 間の融着や焼結が起こり、結晶性の高い粒子 が成長しにくいからである。

 これら液相法で生成される単結晶粒子27 、特定2種配向面または特定3種配向面で囲ま れた単結晶粒子27であり、かつ欠陥の少ない 晶が得られる。加えて液相法を用いると、 結晶粒子27の粒径のばらつきが比較的少な 粉体が得られるという特徴がある。

 酸化マグネシウムの結晶は気相酸化法で 成することもできるが、気相酸化法で生成 れた酸化マグネシウム単結晶粒子は主に(100 )面が成長し、その他の配向面は成長しにく という欠点がある。これは、気相酸化法で 化マグネシウムを生成する場合、例えば、 活性ガスが満たされた槽中で、金属マグネ ウムを高温に加熱しながら酸素ガスを少量 し、金属マグネシウムを直接酸化させて酸 マグネシウム結晶粉体を生成するため、最 密面である(100)面が優先的に成長するものと 考えられる。

 しかし本実施の形態における液相法によ ば、酸化マグネシウムの前駆体である水酸 マグネシウムは六方晶系の化合物であり、 化マグネシウムの立方晶系の構造とは異な ている。水酸化マグネシウムが熱分解して 化マグネシウムの結晶を生成する結晶成長 程は複雑であるが、六方晶系の形態を残し がら酸化マグネシウム単結晶が形成される め、結晶面として(100)面および(111)面、さら に(110)面が形成されるものと考えられる。

 同様に、マグネシウムアルコキシド、硝 マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マ ネシウム、硫酸マグネシウム、シュウ酸マ ネシウム、酢酸マグネシウム等のマグネシ ム化合物も立方晶系ではないため、これら 酸化マグネシウムの前駆体として熱分解し 酸化マグネシウム結晶を生成すると、マグ シウム元素に配位している(OR)2基、Cl2基、(N O3)2基、CO3基、C2O4基等が脱離する際に、(100) だけでなく(110)面や(111)面も形成されると考 られる。

 また、気相酸化法で生成された酸化マグ シウム単結晶粒子は粒径のばらつきが大き なる傾向がある。このため気相酸化法を用 た酸化マグネシウムの製造工程では、粒径 そろえるための分級工程が必要であった。

 しかし本実施の形態における液相法を用 れば、比較的粒径のそろった、かつ比較的 きい単結晶粒子を得ることができる。例え 、上述した液相法を用いると粒径が0.3μm~2μ mの結晶粒子が得られる。このため、微小粒 を取り除く分級工程を省略することが可能 ある。加えて本実施の形態における液相法 用いれば大きな粒径の結晶が得られるので 気相酸化法で生成された酸化マグネシウム 晶よりも比表面積が小さくなり、耐吸着性 優れた酸化マグネシウム結晶を得ることが きる。

 このように、本実施の形態における粒子 26bは、(100)面および(111)面からなる特定2種 向面で囲まれたNaCl結晶構造を有する単結晶 子27、あるいは(100)面、(110)面および(111)面 らなる特定3種配向面で囲まれたNaCl結晶構造 を有する単結晶粒子27dを下地保護層26aに付着 させることにより構成している。そして、広 い温度範囲にわたり安定して良好な電子放出 性能と電荷保持性能とをあわせもち、高速駆 動の可能なパネル10を実現している。

 次に、本発明の実施の形態におけるパネ 10の駆動方法について説明する。

 図6は、本発明の実施の形態におけるパネ ル10の電極配列を示す図である。パネル10に 、行方向(ライン方向)に長いn本の走査電極SC 1~SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1~ SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長 m本のデータ電極D1~Dm(図1のデータ電極32)が 列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1 ~n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1~m )とが交差した部分に放電セルが形成され、 電セルは放電空間内にm×n個形成されている 放電セルの数は、高精細度プラズマディス レイ装置に用いるパネルであれば、例えば m=1920×3=5760、n=1080である。

 次に、パネル10を駆動するために各電極 印加する駆動電圧波形について説明する。 ネル10は、サブフィールド法、すなわち1フ ールド期間を複数のサブフィールドに分割 、サブフィールド毎に各放電セルの発光・ 発光を制御することによって階調表示を行 。それぞれのサブフィールドは初期化期間 書込み期間および維持期間を有する。

 初期化期間では初期化放電を発生し、続 書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形 する。このときの初期化動作には、全ての 電セルで初期化放電を発生させる初期化動 (以下、「全セル初期化動作」と略記する) 、直前のサブフィールドの維持期間に維持 電を行った放電セルで初期化放電を発生さ る初期化動作(以下、「選択初期化動作」と 記する)とがある。

 書込み期間では、発光させるべき放電セ で選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形 する。そして維持期間では、輝度重みに応 た数の維持パルスを表示電極対に交互に印 して、書込み放電を発生した放電セルで維 放電を発生させて発光させる。なお、サブ ィールド構成の詳細については後述するこ とし、ここではサブフィールドにおける駆 電圧波形とその動作について説明する。

 図7は、本発明の実施の形態におけるパネ ル10の各電極に印加する駆動電圧波形図であ 。図7には、全セル初期化動作を行うサブフ ィールドと選択初期化動作を行うサブフィー ルドとを示している。

 まず、全セル初期化動作を行うサブフィ ルド(全セル初期化サブフィールド)につい 説明する。

 初期化期間の前半部では、データ電極D1~D m、維持電極SU1~SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走 査電極SC1~SCnには、維持電極SU1~SUnに対して放 開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧 超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する 斜波形電圧を印加する。

 この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査 極SC1~SCnと維持電極SU1~SUn、データ電極D1~Dmと の間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。 そして、走査電極SC1~SCn上に負の壁電圧が蓄 されるとともに、データ電極D1~Dm上および維 持電極SU1~SUn上には正の壁電圧が蓄積される ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘 体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積さ た壁電荷により生じる電圧を表す。このと の初期化放電では、続く初期化期間の後半 において壁電圧の最適化を図ることを見越 て、過剰に壁電圧を蓄えておく。

 初期化期間後半部では、維持電極SU1~SUnに 電圧Ve1を印加し、走査電極SC1~SCnには、維持 極SU1~SUnに対して放電開始電圧以下となる電 Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向か て緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加す 。この間に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SU n、データ電極D1~Dmとの間でそれぞれ微弱な初 期化放電が起こる。そして、走査電極SC1~SCn の負の壁電圧および維持電極SU1~SUn上の正の 電圧が弱められ、データ電極D1~Dm上の正の 電圧は書込み動作に適した値に調整される 以上により、全ての放電セルに対して初期 放電を行う全セル初期化動作が終了する。

 続く書込み期間では、維持電極SU1~SUnに電 圧Ve2を、走査電極SC1~SCnに電圧Vcを印加する。

 次に、1ライン目の走査電極SC1に負の走査 パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電 D1~Dmのうち1ライン目に発光させるべき放電 ルのデータ電極Dk(k=1~m)に正の書込みパルス 圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と 走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印 加電圧の差(Vd-Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と 走査電極SC1上の壁電圧の差とが加算されたも のとなり放電開始電圧を超える。そして、デ ータ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電 SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こ 、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、 持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、デー 電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。

 ここで、走査パルス電圧Vaと書込みパル 電圧Vdを印加した後、書込み放電が発生する までの時間を「放電遅れ時間」と称する。仮 にパネルの電子放出性能が低く放電遅れ期間 が長くなると、確実に書込み動作を行うため に走査パルス電圧Vaと書込みパルス電圧Vdと 印加する時間、すなわち走査パルス幅と書 みパルス幅とを長く設定する必要があり、 速に書込み動作を行うことができなくなる また仮にパネルの電荷保持性能が低いと、 電圧の減少を補うために走査パルス電圧Vaと 書込みパルス電圧Vdとの電圧値を高く設定す 必要がある。しかしながら本実施の形態に けるパネル10は電子放出性能が高いので、 査パルス幅および書込みパルス幅を従来の ネルより短く設定することができ、安定し 高速に書込み動作を行うことができる。ま 本実施の形態におけるパネル10は電荷保持性 能が高いので、走査パルス電圧Vaと書込みパ ス電圧Vdとの電圧値を従来のパネルより低 設定することができる。

 このようにして、1ライン目に発光させる べき放電セルで書込み放電を起こして各電極 上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる 。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかっ データ電極D1~Dmと走査電極SC1との交差部の 圧は放電開始電圧を超えないので、書込み 電は発生しない。以上の書込み動作をnライ 目の放電セルに至るまで行い、書込み期間 終了する。

 続く維持期間では、まず走査電極SC1~SCnに 正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維 電極SU1~SUnに0(V)を印加する。すると書込み 電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上 維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vs に走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁 電圧との差が加算されたものとなり放電開始 電圧を超える。

 そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間 維持放電が起こり、このとき発生した紫外 により蛍光体層35が発光する。そして走査 極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SU i上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデー 電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込 み期間において書込み放電が起きなかった放 電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間 の終了時における壁電圧が保たれる。

 続いて、走査電極SC1~SCnには0(V)を、維持 極SU1~SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印 する。すると、維持放電を起こした放電セ では、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電 差が放電開始電圧を超えるので再び維持電 SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり 維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査 極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同 に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとに交互 に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し 、表示電極対の電極間に電位差を与えること により、書込み期間において書込み放電を起 こした放電セルで維持放電が継続して行われ る。

 そして、維持期間の最後には走査電極SC1~ SCnと維持電極SU1~SUnとの間にいわゆる細幅パ ス状の電圧差、または傾斜波形状の電位差 与えて、データ電極Dk上の正の壁電圧を残し たまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁 電圧を消去している。

 次に、選択初期化動作を行うサブフィー ド(選択初期化サブフィールド)の動作につ て説明する。

 選択初期化動作を行う初期化期間では、 持電極SU1~SUnに電圧Ve1を、データ電極D1~Dmに0 (V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1~SCnに電圧Vi 4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を 加する。すると前のサブフィールドの維持 間で維持放電を起こした放電セルでは微弱 初期化放電が発生し、走査電極SCi上および 持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデ タ電極Dkに対しては、直前の維持放電によっ てデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積 れているので、この壁電圧の過剰な部分が 電され、書込み動作に適した壁電圧に調整 れる。

 一方、前のサブフィールドで維持放電を こさなかった放電セルについては放電する とはなく、前のサブフィールドの初期化期 終了時における壁電荷がそのまま保たれる このように選択初期化動作は、直前のサブ ィールドの維持期間で維持動作を行った放 セルに対して選択的に初期化放電を行う動 である。

 続く書込み期間の動作は全セル初期化動 を行うサブフィールドの書込み期間の動作 同様であるため説明を省略する。続く維持 間の動作も維持パルスの数を除いて同様で る。

 次に、本実施の形態における駆動方法の ブフィールド構成について説明する。本実 の形態における駆動方法の特徴は、全セル 期化サブフィールドから次の全セル初期化 ブフィールドの直前のサブフィールドまで 輝度重みの大きさが単調減少となるように ブフィールドが時間的に配置されている点 ある。すなわち、全セル初期化サブフィー ドに続く選択初期化サブフィールドの輝度 みの大きさが直前のサブフィールドの輝度 みの大きさより小さくまたは等しく設定さ ており、選択初期化サブフィールドに続く 択初期化サブフィールドの輝度重みの大き が直前のサブフィールドの輝度重みの大き より小さくまたは等しく設定されている点 ある。このように、全セル初期化サブフィ ルドから次の全セル初期化サブフィールド 前のサブフィールドまでの輝度重みの大き が単調減少となるように設定されたサブフ ールド構成を、以下「降順コーディング」 略称する。

 図8は本発明の実施の形態におけるサブフ ィールド構成を示す図である。本実施の形態 においては、1フィールドを10のサブフィール ド(第1SF、第2SF、・・・、第10SF)に分割し、各 サブフィールドはそれぞれ(80、60、44、30、18 11、6、3、2、1)の輝度重みをもつ。また第1SF は全セル初期化サブフィールドであり、第2SF ~第10SFは選択初期化サブフィールドである。 お、図8は走査電極22に印加する駆動電圧波 の1フィールドの概略を示すもので、各サブ フィールドの各々の期間における駆動電圧波 形の詳細は図7に示したとおりである。

 このように本実施の形態においてはパネ 10を降順コーディングで駆動するが、降順 ーディングで駆動することにより、高速駆 可能なパネル10の性能を生かしつつ、さらに 高速かつ安定した書込み動作を行うことがで き、画像表示品質の優れたプラズマディスプ レイ装置を実現することができる。また降順 コーディングで駆動することにより、さらに 書込みパルス電圧を下げることができ、プラ ズマディスプレイ装置の消費電力を下げるこ とができる。

 以下、その理由について説明する。本発 者らは、本実施の形態におけるパネル10の 電遅れ時間を測定した。測定したパネルは (100)面および(111)面からなる特定2種配向面で 囲まれたNaCl結晶構造を有する単結晶粒子、 よび(100)面、(110)面および(111)面からなる特 3種配向面で囲まれたNaCl結晶構造を有する単 結晶粒子を下地保護層26aの全面にわたってほ ぼ均一に分布するように付着させた粒子層26b を有する保護層26を形成したパネル(本発明の パネル)であり、放電ガスがキセノンガス100% 42インチ高輝度、高精細度パネルである。 た比較のために、下地保護層26aのみを有し 子層26bを有しない従来のパネルについても 電遅れ時間を測定した。

 周囲の放電セルからの放電の影響を受け いように、隣接する放電セルで書込み放電 発生させないように制御した放電セルで書 み放電の放電遅れ時間を測定した。また放 遅れ時間は蛍光体材料の影響を受けるが、 電遅れ時間が長くなる傾向の強い緑色の蛍 体を塗布された放電セルで測定を行った。

 まず、放電遅れ時間と全セル初期化動作 らの経過時間との関係を知るために、第1SF ら第10SFのうちの1つのサブフィールドのみ 書込み動作を行ったときの放電遅れ時間を れぞれ測定した。このときの維持パルス数 サブフィールドにかかわらず2パルスとした また放電遅れ時間と維持パルス数との関係 知るために、第5SFのみで書込み動作を行い その後の維持期間の維持パルス数を2パルス から256パルスまで変化させて放電遅れ時間を 測定した。

 図9Aは、本発明の実施の形態におけるパ ル10の放電遅れ時間と全セル初期化動作から の経過時間との関係を示す図であり、図9Bは 本発明の実施の形態におけるパネル10の放 遅れ時間と維持パルス数との関係を示す図 ある。図9Aおよび図9Bには、比較のための従 のパネルの特性を破線で示している。

 このように、本実施の形態におけるパネ 10は、従来のパネルに比較して放電遅れ時 が非常に短くなっていることがわかる。こ は、本実施の形態におけるパネル10の電子放 出性能が高いため放電遅れ時間が短くなった ためである。また図9Aによれば、本実施の形 におけるパネル10は、全セル初期化動作か の経過時間とともに放電遅れ時間が長くな 傾向がある。この傾向は従来のパネルも同 である。これは全セル初期化動作で発生し プライミングが時間とともに減少し、放電 発生しにくくなるためであると考えられる

 一方、放電遅れ時間と維持パルス数との 係について注目すると、図9Bに示すように 従来のパネルでは維持パルス数が増加する ともに放電遅れ時間が短くなる傾向がある に対し、本実施の形態におけるパネル10は維 持パルス数が増加するとともに放電遅れ時間 が長くなる傾向がある。一般的には維持パル ス数が多くなると維持放電にともなうプライ ミングが増加するので放電遅れ時間が短くな ると考えられている。しかし本実施の形態に おけるパネル10では、逆の傾向が現れている 本実施の形態のパネル10でこのような傾向 現れる原因について完全に解明されたわけ はないが、1つの可能性として以下のように えることができる。放電遅れ時間を決める 成遅れ時間と統計遅れ時間のうち、プライ ングの影響を大きく受ける統計遅れ時間は でに十分短いため、維持放電にともなうプ イミングが放電遅れ時間に大きく寄与する とはない。しかし本実施の形態におけるパ ル10は従来のパネルに比べて電荷保持性能 高いものの、壁電荷の減少が全くないわけ はないので、維持放電にともない壁電圧が 少し、電極間に実質的に印加される電圧が 下して放電形成遅れ時間が増加した結果、 電遅れ時間が長くなったと考えられる。

 電子放出性能の低いパネルでは、プライ ングが統計遅れ時間に及ぼす影響は大きく1 00nsから1000nsに及ぶことがあるのに対し、壁 圧の減少が形成遅れ時間に及ぼす影響は100ns 程度と比較的小さい。そのために、電子放出 性能の低いパネルでは統計遅れ時間に及ぼす プライミングの影響が勝り、維持パルス数が 増えるにつれて放電遅れ時間が短くなるもの と考えられる。しかし本実施の形態のパネル 10のように電子放出性能の高いパネルではプ イミングが放電遅れに及ぼす影響は小さく 電荷保持性能が高くても統計遅れ時間に及 す壁電圧の減少の影響が勝って、維持パル 数が増えるにつれて放電遅れ時間が長くな ものと考えられる。

 このように、本実施の形態におけるパネ 10では、維持パルスが増えると放電遅れ時 が長くなる傾向があり、かつ全セル初期化 作からの経過時間が長くなるほど放電遅れ 間が長くなる傾向がある。従って、全セル 期化動作からの経過時間が短いときは維持 ルス数を多く、全セル初期化動作からの経 時間が長くなるにつれて維持パルス数が少 くなる降順コーディングのサブフィールド 成とすることにより、放電遅れ時間の長く る条件と短くなる条件とが相殺されて、本 施の形態におけるパネル10の特徴を生かした 高速駆動が可能となる。

 またこのように降順コーディングのサブ ィールド構成とすることにより、データ電 D1~Dmに印加する電圧を下げることができる 図10は、本発明の実施の形態におけるパネル 10を、輝度重みの大きさが単調減少となるよ にサブフィールドを配置した降順コーディ グのサブフィールド構成で駆動した場合と 度重みの大きさが単調増加となるようにサ フィールドを配置した昇順コーディングの ブフィールド構成で駆動した場合とのデー 電極D1~Dmに印加する電圧の最低の電圧を示 図である。このように、点灯率の増加に応 て必要な書込みパルスの電圧は増加するも の、降順コーディングのサブフィールド構 とすることにより、書込みパルス電圧Vdをお よそ5(V)下げることができる。これによりデ タ電極駆動回路の電力を削減することがで る。

 次に、上述した駆動電圧を発生してパネ 10を駆動するパネル駆動回路の一例につい 説明する。

 図11は、本発明の実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置100の回路ブロック図 ある。プラズマディスプレイ装置100は、パ ル10とパネル駆動回路とを備えている。パネ ル10の保護層26は、酸化マグネシウムを含む 膜で形成された下地保護層26aと、(100)面およ び(111)面からなる特定2種配向面で囲まれたNaC l結晶構造を有する酸化マグネシウムの単結 粒子27、あるいは(100)面、(110)面および(111)面 からなる特定3種配向面で囲まれたNaCl結晶構 を有する酸化マグネシウムの単結晶粒子27 、下地保護層26aに付着させて形成した粒子 26bとから構成されている。パネル駆動回路 、初期化期間において、全ての放電セルで 期化放電を発生させる全セル初期化動作と それ以前に維持放電を行った放電セルで初 化放電を発生させる選択初期化動作とのい れかを行い、かつ全セル初期化動作を行う ブフィールドから次の全セル初期化動作を うサブフィールドの直前のサブフィールド での輝度重みの大きさが単調減少となるよ にサブフィールドを時間的に配置してパネ 10を駆動する。パネル駆動回路は、画像信号 処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電 駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミン 発生回路45および各回路ブロックに必要な 源を供給する電源回路(図示せず)を備えてい る。

 画像信号処理回路41は、入力された画像 号をサブフィールド毎の発光・非発光を示 画像データに変換する。データ電極駆動回 42はサブフィールド毎の画像データを各デー タ電極D1~Dmに対応する信号に変換し各データ 極D1~Dmを駆動する。タイミング発生回路45は 水平同期信号および垂直同期信号をもとにし て各回路ブロックの動作を制御する各種のタ イミング信号を発生し、それぞれの回路ブロ ックへ供給する。走査電極駆動回路43はタイ ング信号にもとづいて各走査電極SC1~SCnをそ れぞれ駆動し、維持電極駆動回路44はタイミ グ信号にもとづいて維持電極SU1~SUnを駆動す る。

 図12は、本発明の実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置100の走査電極駆動回 43および維持電極駆動回路44の回路図である

 走査電極駆動回路43は、維持パルス発生 路50、初期化波形発生回路60、走査パルス発 回路70を備えている。維持パルス発生回路50 は、走査電極SC1~SCnに電圧Vsを印加するための スイッチング素子Q55と、走査電極SC1~SCnに0(V) 印加するためのスイッチング素子Q56と、走 電極SC1~SCnに維持パルスを印加する際の電力 を回収するための電力回収部59とを有する。 期化波形発生回路60は、走査電極SC1~SCnに上 傾斜波形電圧を印加するためのミラー積分 路61と、走査電極SC1~SCnに下り傾斜波形電圧 印加するためのミラー積分回路62とを有す 。なおスイッチング素子Q63およびスイッチ グ素子Q64は、他のスイッチング素子の寄生 イオード等を介して電流が逆流することを ぐために設けている。走査パルス発生回路70 は、フローティング電源E71と、フローティン グ電源E71の高圧側の電圧または低圧側の電圧 を走査電極SC1~SCnのそれぞれに印加するため スイッチング素子Q72H1~Q72Hn、Q72L1~Q72Lnと、フ ーティング電源E71の低圧側の電圧を電圧Va 固定するスイッチング素子Q73を有する。

 維持電極駆動回路44は、維持パルス発生 路80、初期化・書込み電圧発生回路90を備え いる。維持パルス発生回路80は、維持電極SU 1~SUnに電圧Vsを印加するためのスイッチング 子Q85と、維持電極SU1~SUnに0(V)を印加するため のスイッチング素子Q86と、維持電極SU1~SUnに 持パルスを印加する際の電力を回収するた の電力回収部89とを有する。初期化・書込み 電圧発生回路90は、維持電極SU1~SUnに電圧Ve1を 印加するためのスイッチング素子Q92およびダ イオードD92と、維持電極SU1~SUnに電圧Ve2を印 するためのスイッチング素子Q94およびダイ ードD94とを有する。

 なお、これらのスイッチング素子は、MOSF ETやIGBT等の一般に知られた素子を用いて構成 することができる。またこれらのスイッチン グ素子は、タイミング発生回路45で発生した れぞれのスイッチング素子に対応するタイ ング信号により制御される。

 なお、図12に示した駆動回路は、図7に示 た駆動電圧波形を発生させる回路構成の一 であって、本発明のプラズマディスプレイ 置は、この回路構成に限定されるものでは い。

 また、本実施の形態においては、1フィー ルドを10のサブフィールドに分割し、第1SFの が全セル初期化サブフィールドであるもの して説明したが、本発明はこれに限定され ものではない。図13は、本発明の他の実施 形態におけるサブフィールド構成を示す図 ある。図13には、サブフィールド数を「14」 し、全セル初期化サブフィールドを第1SFお び第7SFとし、第1SFから第6SFまでの輝度重み 大きさが単調減少となるように設定されて り、また第7SFから第14SFまでの輝度重みの大 きさも単調減少となるように設定されている 。このように、全セル初期化サブフィールド から次の全セル初期化サブフィールドの前の サブフィールドまでの輝度重みの大きさが単 調減少となるように設定することが重要であ り、サブフィールド数は必要に応じて任意に 設定してもよく、また全セル初期化動作を行 うサブフィールド、およびその数も任意に設 定してもよい。

 また、本実施の形態において用いた具体 な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、 ネルの特性やプラズマディスプレイ装置の 様等に合わせて、適宜最適な値に設定する とが望ましい。

 本発明のプラズマディスプレイ装置は、 速かつ安定した書込み動作を行い、表示品 の優れた画像を表示することができるので ィスプレイ装置として有用である。