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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA DISPLAY PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113256
Kind Code:
A1
Abstract:
A plasma display panel is provided with a front substrate which has a dielectric layer formed to cover a display electrode formed on a front glass substrate, and has a protection layer formed on the dielectric layer; and a rear substrate, which is arranged to face the front substrate so as to form a discharge space and to form an address electrode in a direction intersecting the display electrode and is provided with barrier ribs which partition the discharge space. The protection layer is configured by adhering a plurality of crystal grains composed of a metal oxide such that the crystal grains are distributed over the entire surface of the base film with a covering ratio of 1% or more but not more than 15%.

Inventors:
SAKAMOTO KOYO
ISHINO SHINICHIRO
MIZOKAMI KANAME
MIYAMAE YUICHIRO
OOE YOSHINAO
Application Number:
PCT/JP2009/000840
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
February 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
SAKAMOTO KOYO
ISHINO SHINICHIRO
MIZOKAMI KANAME
MIYAMAE YUICHIRO
OOE YOSHINAO
International Classes:
H01J11/02; H01J9/02; H01J11/22; H01J11/24; H01J11/34; H01J11/40
Domestic Patent References:
WO2005045872A12005-05-19
Foreign References:
JP2006147417A2006-06-08
JP2006244784A2006-09-14
JP2008293772A2008-12-04
Other References:
See also references of EP 2120253A4
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (JP)
Fumio Iwahashi (JP)
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Claims:
基板上に形成した表示電極を覆うように誘電体層を形成するとともに、前記誘電体層上に保護層を形成した前面板と、
前記前面板に放電空間を形成するように対向配置され、かつ前記表示電極と交差する方向にアドレス電極を形成するとともに、前記放電空間を区画する隔壁を設けた背面板と、を有し、
前記保護層は、前記誘電体層上に下地膜を形成するとともに、前記下地膜に金属酸化物からなる複数個の結晶粒子を、被覆率が1%以上15%以下の範囲で全面に亘って分布するように付着させて構成したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
前記金属酸化物からなる前記結晶粒子は、複数個の結晶粒子が凝集した凝集粒子で、かつ前記凝集粒子の平均粒径が0.9μm以上2μm以下の範囲のものであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
前記下地膜は、MgOにより構成したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
Description:
プラズマディスプレイパネル

 本発明は、表示デバイスなどに用いるプ ズマディスプレイパネルに関する。

 プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP 」と呼称する)は、高精細化、大画面化の実 が可能であることから、65インチクラスのテ レビなどが製品化されている。近年、PDPは従 来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハ ディフィニションテレビへの適用が進んで るとともに、環境問題に配慮して鉛成分を まないPDPが要求されている。

 PDPは、基本的には、前面板と背面板とで 成されている。前面板は、フロート法によ 硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と ガラス基板の一方の主面上に形成されたス ライプ状の透明電極とバス電極とで構成さ る表示電極と、表示電極を覆ってコンデン としての働きをする誘電体層と、誘電体層 に形成された酸化マグネシウム(MgO)からな 保護層とで構成されている。一方、背面板 、ガラス基板と、その一方の主面上に形成 れたストライプ状のアドレス電極と、アド ス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体 上に形成された隔壁と、隔壁間に形成され 赤色、緑色および青色それぞれに発光する 光体層とで構成されている。

 前面板と背面板とはその電極形成面側を 向させて気密封着され、隔壁によって仕切 れた放電空間にNe-Xeの放電ガスが400Torr~600Tor rの圧力で封入されている。PDPは、表示電極 映像信号電圧を選択的に印加することによ て放電させ、その放電によって発生した紫 線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、 色の発光をさせてカラー画像表示を実現し いる(特許文献1参照)。

 このようなPDPにおいて、前面板の誘電体 上に形成される保護層の役割は、放電によ イオン衝撃から誘電体層を保護すること、 ドレス放電を発生させるための初期電子を 出することなどがあげられる。イオン衝撃 ら誘電体層を保護することは、放電電圧の 昇を防ぐ重要な役割である。また、アドレ 放電を発生させるための初期電子を放出す ことは、画像のちらつきの原因となるアド ス放電ミスを防ぐ重要な役割である。

 保護層からの初期電子の放出数を増加さ て画像のちらつきを低減するためには、た えばMgOにSiやAlを添加するなどの試みが行わ れている。

 近年、テレビは高精細化がすすんでおり 市場では低コスト・低消費電力・高輝度の イディフィニション(1920×1080画素:プログレ シブ表示)PDPが要求されている。保護層から の電子放出性能はPDPの画質を決定するため、 電子放出性能を制御することは非常に重要で ある。

 PDPにおいて、保護層に不純物を混在させる とで電子放出性能を改善しようとする試み 行われている。しかしながら、保護層に不 物を混在させて、電子放出性能を改善した 合、これと同時に保護層表面に電荷が蓄積 れ、メモリー機能として使用しようとする の電荷が時間と共に減少する減衰率が大き なってしまう。したがって、これを押さえ ための印加電圧を大きくする等の対策が必 になる。このように保護層の特性として、 い電子放出性能を有すると共に、メモリー 能としての電荷の減衰率を小さくする、す わち高い電荷保持性能を有するという、相 する二つの特性を併せ持たなければならな という課題があった。

特開2007-48733号公報

 本発明のPDPは、前面板と、背面板と、を している。前面板は、基板上に形成した表 電極を覆うように誘電体層を形成するとと に、その誘電体層上に保護層を形成してい 。背面板は、この前面板に放電空間を形成 るように対向配置され、かつ表示電極と交 する方向にアドレス電極を形成するととも 、放電空間を区画する隔壁を設けている。 護層は、誘電体層上に下地膜を形成すると もに、その下地膜に金属酸化物からなる複 個の結晶粒子を、被覆率が1%以上15%以下の 囲で全面に亘って分布するように付着させ 構成したことを特徴とする。

 このような構成により、電子放出性能を 善するとともに、電荷保持性能も併せ持ち 高画質と、低コスト、低電圧を両立するこ のできるPDPを提供できる。すなわち、低消 電力、かつ高精細で高輝度の表示性能を備 たPDPを実現することができる。

図1は本発明の実施の形態におけるPDPの 構造を示す斜視図である。 図2は同PDPの前面板の構成を示す断面図 である。 図3は同PDPの保護層部分を拡大して示す 断面図である。 図4は同PDPの保護層において、被覆率に ついて説明するための拡大図である。 図5は同PDPの保護層において、凝集粒子 を説明するための拡大図である。 図6は結晶粒子のカソードルミネッセン ス測定結果を示す特性図である。 図7は本発明の実施の形態による効果を 説明するために行った実験結果において、PDP における電子放出性能とVscn点灯電圧の検討 果を示す特性図である。 図8は結晶粒子の粒径と電子放出性能の 関係を示す特性図である。 図9は結晶粒子の粒径と隔壁の破損の発 生率との関係を示す特性図である。 図10は本発明の実施の形態によるPDPに いて、凝集粒子の粒度分布の一例を示す特 図である。 図11は本発明の実施の形態によるPDPの 造方法において、保護層形成のステップを す工程フロー図である。

符号の説明

 1  プラズマディスプレイパネル(PDP)
 2  前面板
 3  前面ガラス基板
 4  走査電極
 4a,5a  透明電極
 4b,5b  金属バス電極
 5  維持電極
 6  表示電極
 7  ブラックストライプ(遮光層)
 8  誘電体層
 9  保護層
 10  背面板
 11  背面ガラス基板
 12  アドレス電極
 13  下地誘電体層
 14  隔壁
 15  蛍光体層
 16  放電空間
 81  第1誘電体層
 82  第2誘電体層
 91  下地膜
 92  凝集粒子
 92a  結晶粒子

 以下、本発明の一実施の形態におけるPDP ついて図面を用いて説明する。

 (実施の形態)
 図1は本発明の実施の形態におけるPDPの構造 を示す斜視図である。PDPの基本構造は、一般 的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示 ように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる 前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背 面板10とが対向して配置されている。PDP1の外 周部はガラスフリットなどからなる封着材に よって気密封着されている。封着されたPDP1 部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電 スが400Torr~600Torrの圧力で封入されている。

 前面板2の前面ガラス基板3上には、走査 極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表 示電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互 に平行にそれぞれ複数列配置されている。 面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7と 覆うようにコンデンサとしての働きをする 電体層8が形成されている。さらに、誘電体 8の表面に酸化マグネシウム(MgO)などからな 保護層9が形成されている。

 また、背面板10の背面ガラス基板11上には 、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交 する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が いに平行に配置されている。そして、アド ス電極12を下地誘電体層13が被覆している。 さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13 には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14 形成されている。

 隔壁14間の溝には、アドレス電極12毎に、 紫外線によって赤色、緑色および青色にそれ ぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成 れている。走査電極4および維持電極5がア レス電極12と交差する位置に放電セルが形成 され、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、 色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表 示のための画素になる。

 図2は、本発明の一実施の形態におけるPDP1 前面板2の構成を示す断面図であり、図2は図 1と上下反転させて示している。図2に示すよ に、フロート法などにより製造された前面 ラス基板3に、走査電極4と維持電極5よりな 表示電極6と遮光層7がパターン形成されて る。走査電極4と維持電極5はそれぞれインジ ウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO 2 )などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a 5a上に形成された金属バス電極4b、5bとによ 構成されている。金属バス電極4b、5bは透明 極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的 として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする 電性材料によって形成されている。

 誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成 れたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4 b、5bと遮光層7を覆うように設けた第1誘電体 81と、第1誘電体層81上に形成された第2誘電 層82の少なくとも2層構成としている。さら 第2誘電体層82上に保護層9を形成している。 保護層9は、誘電体層8上に形成された下地膜9 1と、その下地膜91上に付着させた凝集粒子92 ら構成している。

 次に、PDPの製造方法について説明する。 ず、前面ガラス基板3上に、走査電極4およ 維持電極5と遮光層7とを形成する。これらの 透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bは、フォ リソグラフィ法などを用いてパターニング て形成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセ スなどを用いて形成され、金属バス電極4b、5 bは銀(Ag)材料を含むペーストを所定の温度で 成して固化している。また、遮光層7も同様 に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印 刷する方法や、黒色顔料をガラス基板の全面 に形成した後、フォトリソグラフィ法を用い てパターニングし、焼成する方法により形成 される。

 次に、走査電極4、維持電極5および遮光 7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペ ーストをダイコート法などにより塗布して誘 電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。 電体ペーストを塗布した後、所定の時間放 することによって塗布された誘電体ペース 表面がレベリングされて平坦な表面になる その後、誘電体ペースト層を焼成固化する とにより、走査電極4、維持電極5および遮 層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘 電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料 、バインダおよび溶剤を含む塗料である。

 次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(Mg O)からなる保護層9を真空蒸着法により形成す る。以上のステップにより前面ガラス基板3 に所定の構成物、すなわち走査電極4、維持 極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9が形成さ れ、前面板2が完成する。

 一方、背面板10は次のようにして形成さ る。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材 を含むペーストをスクリーン印刷する方法 、金属膜を全面に形成した後、フォトリソ ラフィ法を用いてパターニングする方法な によりアドレス電極12の構成物となる材料層 を形成する。そして、その材料層を所望の温 度で焼成することによりアドレス電極12を形 する。

 次に、アドレス電極12が形成された背面 ラス基板11上にダイコート法などによりアド レス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗 して誘電体ペースト層を形成する。その後 誘電体ペースト層を焼成することにより下 誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペー トはガラス粉末などの誘電体材料とバイン および溶剤を含んだ塗料である。

 次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含 隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状 パターニングすることにより、隔壁材料層 形成する。その後、隔壁材料層を焼成する とにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘 電体層13上に塗布した隔壁形成用ペーストを ターニングする方法としては、フォトリソ ラフィ法やサンドブラスト法を用いること できる。次に、隣接する隔壁14間の下地誘 体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を む蛍光体ペーストを塗布し、焼成すること より蛍光体層15が形成される。以上のステ プにより、背面ガラス基板11上に所定の構成 部材を有する背面板10が完成する。

 このようにして所定の構成部材を備えた 面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電 極12とが直交するように対向配置して、その 囲をガラスフリットで封着し、放電空間16 Ne、Xeなどを含む放電ガスを封入することに りPDP1が完成する。

 ここで、前面板2の誘電体層8を構成する第1 電体層81と第2誘電体層82について詳細に説 する。第1誘電体層81の誘電体材料は、次の 料組成より構成されている。すなわち、酸 ビスマス(Bi 2 O 3 )を20重量%~40重量%を含み、酸化カルシウム(CaO )、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(Ba O)から選ばれる少なくとも1種を0.5重量%~12重 %含み、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )、二酸化マンガン(MnO 2 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含んでいる。

 なお、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )、二酸化マンガン(MnO 2 )に代えて、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr 2 O 3 )、酸化コバルト(Co 2 O 3 )、酸化バナジウム(V 2 O 7 )、酸化アンチモン(Sb 2 O 3 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含ませてもよい。

 また、上記以外の成分として、酸化亜鉛(ZnO )を0重量%~40重量%、酸化硼素(B 2 O 3 )を0重量%~35重量%、酸化硅素(SiO 2 )を0重量%~15重量%、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )を0重量%~10重量%など、鉛成分を含まない材 組成が含まれていてもよく、これらの材料 成の含有量に特に限定はない。

 これらの組成成分からなる誘電体材料を 湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径 0.5μm~2.5μmとなるように粉砕して誘電体材料 粉末を作製する。次に、この誘電体材料粉末 55重量%~70重量%と、バインダ成分30重量%~45重 %とを三本ロールでよく混練してダイコート 、または印刷用の第1誘電体層用ペーストを 作製する。

 バインダ成分はエチルセルロース、また アクリル樹脂1重量%~20重量%を含むターピネ ール、またはブチルカルビトールアセテー である。また、ペースト中には、必要に応 て可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタ 酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸 リブチルの少なくとも1つ以上を添加し、分 散剤としてグリセロールモノオレート、ソル ビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kao ーポレーション社製品名)、アルキルアリル のリン酸エステルの少なくとも1つ以上を添 加して印刷性を向上させてもよい。

 次に、この第1誘電体層用ペーストを用い 、表示電極6を覆うように前面ガラス基板3に イコート法あるいはスクリーン印刷法で印 して乾燥させ、その後、誘電体材料の軟化 より少し高い温度の575℃~590℃で焼成する。

 次に、第2誘電体層82について説明する。第2 誘電体層82の誘電体材料は、次の材料組成よ 構成されている。すなわち、酸化ビスマス( Bi 2 O 3 )を11重量%~20重量%を含み、さらに、酸化カル ウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バ リウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を1.6重 量%~21重量%含み、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含んでいる。

 なお、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )に代えて、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr 2 O 3 )、酸化コバルト(Co 2 O 3 )、酸化バナジウム(V 2 O 7 )、酸化アンチモン(Sb 2 O 3 )、酸化マンガン(MnO 2 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含ませてもよい。

 また、上記以外の成分として、酸化亜鉛(ZnO )を0重量%~40重量%、酸化硼素(B 2 O 3 )を0重量%~35重量%、酸化硅素(SiO 2 )を0重量%~15重量%、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )を0重量%~10重量%など、鉛成分を含まない材 組成が含まれていてもよく、これらの材料 成の含有量に特に限定はない。

 これらの組成成分からなる誘電体材料を 湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径 0.5μm~2.5μmとなるように粉砕して誘電体材料 粉末を作製する。次にこの誘電体材料粉末55 量%~70重量%と、バインダ成分30重量%~45重量% を三本ロールでよく混練してダイコート用 または印刷用の第2誘電体層用ペーストを作 製する。バインダ成分はエチルセルロース、 またはアクリル樹脂1重量%~20重量%を含むター ピネオール、またはブチルカルビトールアセ テートである。また、ペースト中には、必要 に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、 フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リ ン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリ セロールモノオレート、ソルビタンセスキオ レヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーショ 社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エス ルなどを添加して印刷性を向上させてもよ 。

 次に、この第2誘電体層用ペーストを用い て第1誘電体層81上にスクリーン印刷法である いはダイコート法で印刷して乾燥させ、その 後、誘電体材料の軟化点より少し高い温度の 550℃~590℃で焼成する。

 なお、誘電体層8の膜厚については、第1誘 体層81と第2誘電体層82とを合わせ、可視光透 過率を確保するためには41μm以下が好ましい 第1誘電体層81は、金属バス電極4b、5bの銀(Ag )との反応を抑制するために酸化ビスマス(Bi 2 O 3 )の含有量を第2誘電体層82の酸化ビスマス(Bi 2 O 3 )の含有量よりも多くし、20重量%~40重量%とし いる。そのため、第1誘電体層81の可視光透 率が第2誘電体層82の可視光透過率よりも低 なるので、第1誘電体層81の膜厚を第2誘電体 層82の膜厚よりも薄くしている。

 なお、第2誘電体層82において酸化ビスマス( Bi 2 O 3 )が11重量%以下であると着色は生じにくくな が、第2誘電体層82中に気泡が発生しやすく ましくない。また、40重量%を超えると着色 生じやすくなり透過率を上げる目的には好 しくない。

 また、誘電体層8の膜厚が小さいほどパネ ル輝度の向上と放電電圧を低減するという効 果は顕著になるので、絶縁耐圧が低下しない 範囲内であればできるだけ膜厚を小さく設定 するのが望ましい。このような観点から、本 発明の実施の形態では、誘電体層8の膜厚を41 μm以下に設定し、第1誘電体層81を5μm~15μm、 2誘電体層82を20μm~36μmとしている。

 このようにして製造されたPDPは、表示電 6に銀(Ag)材料を用いても、前面ガラス基板3 着色現象(黄変)が少なくて、なおかつ、誘 体層8中に気泡の発生などがない。したがっ 、絶縁耐圧性能に優れた誘電体層8を実現す ることができる。

 次に、本発明の実施の形態におけるPDPにお て、これらの誘電体材料によって第1誘電体 層81において黄変や気泡の発生が抑制される 由について考察する。すなわち、酸化ビス ス(Bi 2 O 3 )を含む誘電体ガラスに酸化モリブデン(MoO 3 )、または酸化タングステン(WO 3 )を添加することによって、Ag 2 MoO 4 、Ag 2 Mo 2 O 7 、Ag 2 Mo 4 O 13 、Ag 2 WO 4 、Ag 2 W 2 O 7 、Ag 2 W 4 O 13 といった化合物が580℃以下の低温で生成しや すいことが知られている。本発明の実施の形 態では、誘電体層8の焼成温度が550℃~590℃で ることから、焼成中に誘電体層8中に拡散し た銀イオン(Ag + )は誘電体層8中の酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )、酸化マンガン(MnO 2 )と反応し、安定な化合物を生成して安定化 る。すなわち、銀イオン(Ag + )が還元されることなく安定化されるために 凝集してコロイドを生成することがない。 たがって、銀イオン(Ag + )が安定化することによって、銀(Ag)のコロイ 化に伴う酸素の発生も少なくなるため、誘 体層8中への気泡の発生も少なくなる。

 一方、これらの効果を有効にするためには 酸化ビスマス(Bi 2 O 3 )を含む誘電体ガラス中に酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )、酸化マンガン(MnO 2 )の含有量を0.1重量%以上にすることが好まし が、0.1重量%以上7重量%以下がさらに好まし 。特に、0.1重量%未満では黄変を抑制する効 果が少なく、7重量%を超えるとガラスに着色 起こり好ましくない。

 すなわち、本発明の実施の形態におけるP DPの誘電体層8は、銀(Ag)材料よりなる金属バ 電極4b、5bと接する第1誘電体層81では黄変現 と気泡発生を抑制している。また、誘電体 8は、第1誘電体層81上に設けた第2誘電体層82 によって高い光透過率を実現している。その 結果、誘電体層8全体として、気泡や黄変の 生が極めて少なく透過率の高いPDPを実現す ことが可能となる。

 次に、本発明の実施の形態におけるPDPの 徴である保護層の構成及び製造方法につい 説明する。

 本発明の実施の形態におけるPDPでは、図3 に示すように、保護層9を構成している。保 層9は、前記誘電体層8上に、不純物としてAl 含有するMgOからなる下地膜91を形成する。 して、その下地膜91上に、金属酸化物である MgOの結晶粒子92aが複数個凝集した凝集粒子92 離散的に散布させ、全面に亘ってほぼ均一 分布するように複数個付着させることによ 、保護層9を構成している。また、MgOの結晶 粒子92aからなる凝集粒子92は、下地膜91上に 着させる場合、1%以上15%以下の範囲の被覆率 でかつ全面に亘って分布するように付着させ ている。

 ここで、本発明における被覆率とは、1個 の放電セルの領域において、MgOの結晶粒子92a からなる凝集粒子92が付着している面積aを、 1個の放電セルの面積bの比率で表したもので る。すなわち、被覆率(%)=a/b×100の式により めたものである。実際に測定する場合の方 としては、例えば、図4に示すように、まず 、隔壁14により区切られた1個の放電セルに相 当する領域をカメラにより画像を撮影する。 そして、x×yの1セルの大きさにトリミングし 後、トリミング後の撮影画像を白黒データ 2値化する。その後、その2値化したデータ 基づきMgOの凝集粒子92の付着により黒エリア と判別される面積aを求める。このようにし 、上述した、被覆率(%)=a/b×100の式に基づい 、被覆率を演算により求めることができる

 また、凝集粒子92とは、図5に示すように 所定の一次粒径の結晶粒子92aが凝集または ッキングした状態のものである。固体とし 大きな結合力を持って結合しているのでは く、静電気やファンデルワールス力などに って複数個の一次粒子が集合体の体をなし いるものである。すなわち、結晶粒子92aが 超音波などの外的刺激により、その一部ま は全部が一次粒子の状態になる程度で結合 ているものである。凝集粒子92の粒径とし は、約1μm程度のもので、結晶粒子92aとして 、14面体や12面体などの7面以上の面を持つ 面体形状を有するのが望ましい。

 また、このMgOの結晶粒子92aの一次粒子の 径は、結晶粒子92aの生成条件によって制御 きる。例えば、炭酸マグネシウムや水酸化 グネシウムなどのMgO前駆体を焼成して生成 る場合、焼成温度や焼成雰囲気を制御する とで、粒径を制御できる。一般的に、焼成 度は700℃程度から1500℃程度の範囲で選択で きるが、焼成温度が比較的高い1000℃以上に ることで、一次粒径を0.3~2μm程度に制御する ことが可能である。さらに、MgO前駆体を加熱 して結晶粒子92aを得ることにより、生成過程 において、複数個の一次粒子同士が凝集また はネッキングと呼ばれる現象が生じ、結合し た凝集粒子92を得ることができる。

 次に、本発明の実施の形態による保護層 有するPDPの効果を確認するために行った実 結果について説明する。

 まず、構成の異なる保護層を有するPDPを 作した。試作品1は、MgOによる保護層のみを 形成したPDPである。試作品2は、Al,Siなどの不 純物をドープしたMgOによる保護層を形成した PDPである。試作品3は、MgOによる下地膜上に 属酸化物からなる結晶粒子の一次粒子のみ 散布し、付着させたPDPである。試作品4は、 発明品で、MgOによる下地膜上に、上述した うに、複数個の結晶粒子を凝集させた凝集 子を全面に亘ってほぼ均一に分布するよう 付着させたPDPである。なお、試作品3、4に いて、金属酸化物としては、MgOの単結晶粒 を用いている。また、この本発明の実施の 態による試作品4について、下地膜上に付着 せた結晶粒子について、カソードルミネッ ンスを測定したところ、図6に示すような波 長に対する発光強度の特性を有していた。な お、発光強度は相対値で表示している。

 これらの4種類の保護層の構成を有するPDP について、その電子放出性能と電荷保持性能 を調べた。

 なお、電子放出性能は、大きいほど電子 出量が多いことを示す数値で、放電の表面 態及びガス種とその状態によって定まる初 電子放出量をもって表現する。初期電子放 量については表面にイオン、あるいは電子 ームを照射して表面から放出される電子電 量を測定する方法で測定できるが、パネル 前面板表面の評価を非破壊で実施すること 困難を伴う。そこで、特開2007-48733号公報に 記載されているように、放電時の遅れ時間の うち、統計遅れ時間と呼ばれる放電の発生し やすさの目安となる数値を測定している。そ して、その数値の逆数を積分することで、初 期電子放出量と線形に対応する数値が得られ る。ここではこのようにして得られた数値を 用いて初期電子放出量を評価している。この 放電時の遅れ時間とは、パルスの立ち上がり から放電が遅れて行われる放電遅れの時間を 意味し、放電遅れは、放電が開始される際に トリガーとなる初期電子が保護層表面から放 電空間中に放出されにくいことが主要な要因 として考えられている。

 また、電荷保持性能は、その指標として PDPとして作製した場合に電荷放出現象を抑 るために必要とする、走査電極に印加する 圧(以下、「Vscn点灯電圧」と呼称する)の電 値を用いた。すなわち、Vscn点灯電圧の低い 方が、電荷保持性能が高いことを示す。この ことは、PDPのパネル設計上でも低電圧で駆動 できるため、利点となる。すなわち、PDPの電 源や各電気部品として、耐圧および容量の小 さい部品を使用することが可能となる。現状 の製品において、走査電圧を順次パネルに印 加するためのMOSFETなどの半導体スイッチング 素子には、耐圧150V程度の素子が使用されて る。そのため、Vscn点灯電圧としては、温度 よる変動を考慮し、120V以下に抑えるのが望 ましい。

 これらの電子放出性能と電荷保持性能に いて調べた結果を図7に示している。この図 7から明らかなように、試作品4は、電荷保持 能の評価において、Vscn点灯電圧を120V以下 することができ、しかも電子放出性能は6以 の良好な性能を得ることができる。

 すなわち、一般的にはPDPの保護層の電子 出性能と電荷保持性能は相反する。例えば 保護層の製膜条件を変更したり、また、保 層中にAlやSi、Baなどの不純物をドーピング て製膜することにより、電子放出性能を向 することは可能であるが、副作用としてVscn 点灯電圧も上昇してしまう。

 本発明の実施の形態による保護層を形成 たPDPにおいては、電子放出性能としては、6 以上の特性で、電荷保持性能としてはVscn点 電圧が120V以下のものを得ることができる。 たがって、高精細化により走査線数が増加 、かつセルサイズが小さくなる傾向にある PDPの保護層に対して、電子放出性能と電荷 持性能の両方を満足させることができる。

 次に、本発明の実施の形態によるPDPの保 層に用いた結晶粒子の粒径について説明す 。なお、以下の説明において、粒径とは平 粒径を意味であり、体積累積平均径(D50)の とを意味している。

 図8は、上記図7で説明した本実施の形態 おける試作品4において、MgOの結晶粒子の粒 を変化させて電子放出性能を調べた実験結 を示すものである。なお、図8において、MgO の結晶粒子の粒径は、結晶粒子をSEM観察する ことで測定した。

 この図8に示すように、粒径が0.3μm程度に 小さくなると、電子放出性能が低くなり、ほ ぼ0.9μm以上であれば、高い電子放出性能が得 られることがわかる。

 ところで、放電セル内での電子放出数を 加させるためには、下地層上の単位面積あ りの結晶粒子数は多い方が望ましい。本発 者らの実験によれば、前面板の保護層と密 に接触する背面板の隔壁の頂部に相当する 分に結晶粒子が存在することで、隔壁の頂 を破損させることになる。その結果、その 料が蛍光体の上に乗るなどによって、該当 るセルが正常に点灯消灯しなくなる現象が 生することがわかった。この隔壁破損の現 は、結晶粒子が隔壁頂部に対応する部分に 在しなければ発生しにくいことから、付着 せる結晶粒子数が多くなれば、隔壁の破損 生確率が高くなる。

 図9は、上記図7で説明した本実施の形態 おける試作品4において、単位面積当たりに 径の異なる同じ数の結晶粒子を散布し、隔 破損の関係を実験した結果を示す図である

 この図9から明らかなように、結晶粒子径 が2.5μm程度に大きくなると、隔壁破損の確率 が急激に高くなる。しかし、結晶粒子径が、 2.5μmより小さければ、隔壁破損の確率は比較 的小さく抑えることができることがわかる。

 以上の結果に基づくと、本発明における 施の形態のPDPの保護層においては、結晶粒 として、粒径が0.9μm以上2.5μm以下のものが ましいと考えられる。しかし、PDPとして実 に量産する場合には、結晶粒子の製造上で ばらつきや保護層を形成する場合の製造上 のばらつきを考慮する必要がある。

 このような製造上でのばらつきなどの要 を考慮するために、粒度分布の異なる結晶 子を用いて実験を行った。図10は本発明の 施の形態によるPDPにおいて、凝集粒子の粒 分布の一例を示す特性図である。縦軸の頻 (%)は、横軸に示されている凝集粒子の粒径 範囲を分割し、それぞれの範囲に存在する 集粒子の量の全体に対する割合(%)を示して る。実験の結果、図10に示すように、平均粒 径が0.9μm以上2μm以下の範囲にある凝集粒子 使用すれば、上述した本発明の効果を安定 に得られることがわかった。

 以上のように本実施の形態における保護 を形成したPDPにおいては、電子放出性能と ては、6以上の特性で、電荷保持性能として はVscn点灯電圧が120V以下のものを得ることが きる。すなわち、高精細化により走査線数 増加し、かつセルサイズが小さくなる傾向 あるPDPの保護層として、電子放出性能と電 保持性能の両方を満足させることができる これにより高精細で高輝度の表示性能を備 、かつ低消費電力のPDPを実現することがで る。

 ところで、本実施の形態におけるPDPにお ては、上述したように、MgOの結晶粒子92aか なる凝集粒子92は、1%以上15%以下の範囲の被 覆率で、かつ全面に亘って分布するように付 着させている。これは、本発明者らがMgOの凝 集粒子92の被覆率を変化させたサンプルを試 し、それらのサンプルの特性を調べた結果 基づいている。

 すなわち、MgOの凝集粒子の被覆率が高く るにしたがって、Vscn点灯電圧が大きくなっ て悪化する。また、逆にMgOの凝集粒子の被覆 率が小さくなるにしたがって、Vscn点灯電圧 小さくなる特性を示すことがわかった。こ らの結果に基づき、実験と検討を繰り返し 結果、上述したようなMgOの凝集粒子を付着 せたことによる効果を十分に発揮させるた には、MgOの凝集粒子の被覆率は15%以下とす ば良いことがわかった。

 一方、Vscn点灯電圧の特性のばらつきを小 さくするためには、MgOの凝集粒子は、各放電 セルに存在していることが必要である。その ためには、MgOの凝集粒子を下地膜上に全面に 亘ってほぼ均一に分布するように付着させる 必要がある。MgOの凝集粒子の被覆率が小さい 場合、下地膜の面内での凝集粒子の分布にお けるばらつきが大きくなる傾向を示す。その 結果、凝集粒子の放電セル間における付着状 態のばらつきが大きくなってしまうことがわ かった。本発明者らが実験した結果では、被 覆率が4%以上になるようにMgOの凝集粒子を付 させると、下地膜の面内での凝集粒子の分 におけるばらつきを約4%以下に抑えること できることがわかった。また、被覆率が1%以 上になるようにMgOの凝集粒子を付着させた場 合も、下地膜の面内での凝集粒子の分布にお けるばらつきを約6%程度に抑えることができ 実用上は問題ないことがわかった。

 これらの結果より、本発明においては、 覆率が1%以上15%以下の範囲になるようにMgO 凝集粒子を付着させるのが望ましい。さら は、被覆率が4%以上12%以内の範囲になるよう にMgOの凝集粒子を付着させるのがより望まし い。

 次に、本実施の形態におけるPDPにおいて 保護層を形成する製造ステップについて、 11を用いて説明する。

 図11に示すように、第1誘電体層81と第2誘 体層82との積層構造からなる誘電体層8を形 する誘電体層形成ステップA1を行う。その 、次の下地膜蒸着ステップA2において、アル ミニウム(Al:Aluminium)を含むMgOの焼結体を原材 とした真空蒸着法によって、誘電体層8の第 2誘電体層82上にMgOからなる下地膜を形成する 。

 その後、下地膜蒸着ステップA2において 成した未焼成の下地膜上に、複数個の凝集 子を離散的に付着させる凝集粒子ペースト 形成ステップA3を行う。

 このステップA3においては、まず、所定 粒度分布を持つ凝集粒子92を樹脂成分ととも に溶剤に混合した凝集粒子ペーストを作成し 、その凝集粒子ペーストをスクリーン印刷法 などの印刷により、未焼成の下地膜上に塗布 して凝集粒子ペースト膜を形成する。なお、 凝集粒子ペーストを未焼成の下地膜上に塗布 して凝集粒子ペースト膜を形成するための方 法として、スクリーン印刷法以外に、スプレ ー法、スピンコート法、ダイコート法、スリ ットコート法等も用いることができる。

 この凝集粒子ペースト膜を形成した後、 集粒子ペースト膜を乾燥させる乾燥ステッ A4を行う。

 その後、下地膜蒸着ステップA2において 成した未焼成の下地膜と、凝集粒子ペース 膜形成ステップA3において形成し、乾燥ステ ップA4を実施した凝集粒子ペースト膜とを、 成ステップA5において、数百℃の温度で同 に加熱焼成する。この焼成ステップA5におい て、凝集粒子ペースト膜に残っている溶剤や 樹脂成分を除去することにより、下地膜91上 金属酸化物からなる複数個の結晶粒子92aが 集した凝集粒子92を付着させた保護層9を形 することができる。

 この方法によれば、下地膜91に複数個の 集粒子92を全面に亘って均一に分布するよう に付着させることが可能である。

 なお、このような方法以外にも、溶媒な を用いずに、粒子群を直接にガスなどと共 吹き付ける方法や、単純に重力を用いて散 する方法などを用いてもよい。

 なお、以上の説明では、保護層として、MgO 例に挙げたが、下地に要求される性能はあ までイオン衝撃から誘電体を守るための高 耐スパッタ性能を有することであり、あま 電子放出性能が高くなくてもよい。従来のP DPでは、一定以上の電子放出性能と耐スパッ 性能という二つを両立させるため、MgOを主 分とした保護層を形成する場合が非常に多 った。しかし、電子放出性能が金属酸化物 結晶粒子によって主に制御される構成を取 ため、MgOである必要は全くなく、Al 2 O 3 等の耐衝撃性に優れる他の材料を用いても構 わない。

 また、本実施例では、単結晶粒子としてM gO粒子を用いて説明したが、この他の単結晶 子でもよい。すなわち、MgO同様に高い電子 出性能を持つSr,Ca,Ba,Al等の金属の酸化物に る結晶粒子を用いても同様の効果を得るこ ができる。したがって、粒子種としてはMgO 限定されるものではない。

 以上のように本発明は、高精細で高輝度 表示性能を備え、かつ低消費電力のPDPを実 する上で有用な発明である。