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Title:
PNEUMATIC TIRE FOR HEAVY LOADS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/099154
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a heavy-load pneumatic tire, which makes both durability and desired circumferential rigidity compatible while saving weight. The heavy-load pneumatic tire includes a steel belt of at least one layer, which is formed such that a plurality of steel cords (1) twisted of a plurality of filaments (11) are arranged in parallel in a bundle state. The height of a cord bundle (2), that is, the shorter diameter (A mm) of the steel cords (1), and a bundle width (B mm) satisfy the following formula (1) of B/A ≥ 2.0 (1). The value of S = B/(B+D), which is defined by the bundle width (B mm) of the cord bundle (2) and a cord-bundle distance (D mm), satisfies the following formula (2) of 0.60 ≤ S ≤ 0.80 (2).

Inventors:
OYAMA YUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051992
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
February 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
OYAMA YUJI (JP)
International Classes:
B60C9/20; B60C9/00; B60C9/18; D07B1/06
Foreign References:
JPH05213007A1993-08-24
JPS62120004U1987-07-30
JPH0495505A1992-03-27
JPH1178410A1999-03-23
JP2004066911A2004-03-04
JP2004217158A2004-08-05
JPH05213007A1993-08-24
Other References:
See also references of EP 2248683A4
Attorney, Agent or Firm:
HONDA, Ichiro (Ikeden Building 12-5, Shimbashi 2-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 複数本のフィラメントを撚合せてなる複数本のスチールコードが束状に並列配置されて形成された少なくとも1層のスチールベルトを有する重荷重用空気入りタイヤであって、前記コード束の、高さ、すなわち、前記スチールコードの短径A(mm)と、束幅B(mm)とが下記式(1)、
B/A≧2.0         (1)
で示される関係を満足し、かつ、前記コード束の束幅B(mm)と、コード束間間隔D(mm)とにより定義されるS=B/(B+D)の値が下記式(2)、
0.60≦S≦0.80     (2)
で示される関係を満足することを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
 前記スチールコードの短径A(mm)と前記フィラメントの径F(mm)とが下記式(3)および(4)、
0.24≦F≦0.50     (3)
A/F≦3.0         (4)
で示される関係を満足する請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ。
 前記スチールコードの短径A(mm)と前記フィラメントの径F(mm)とが下記式(5)および(4)、
0.30<F≦0.50     (5)
A/F≦3.0         (4)
で示される関係を満足する請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ。
Description:
重荷重用空気入りタイヤ

 本発明は重荷重用空気入りタイヤ(以下、 単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しく 、スチールベルトの改良に係る重荷重用空 入りタイヤに関する。

 重荷重用空気入りタイヤのスチールベル には、通常、スチールコードが等間隔に配 されて埋設されている。かかるベルトに適 されるスチールコードの改良に関しては、 えば、特許文献1に、ベルト層のスチールコ ードを、複数のスチール素線を撚り合わせた ストランドをN本実質的に無撚りで引き揃え 扁平な外郭形状を有する集束コードとして 成した空気入りラジアルタイヤが開示され いる。

 また、例えば、特許文献2には、ベルト層の 補強素子を数本以内の束毎に区分して、その 束とこれに隣接する補強素子との分散間隔を 広げて並置配列させるとともに、補強素子に 直交する方向における束の幅d、および、そ 束とこれに隣接する補強素子との間隔lの比d /lを所定範囲に規定した空気入りラジアルタ ヤが開示されている。

特開2004-217158号公報(特許請求の範囲等)

特開平5-213007号公報(特許請求の範囲等)

 近年、省資源・環境性能のニーズは増す 方であり、タイヤについても例外ではなく 軽量化の技術がますます必要となってきて る。このタイヤ軽量化の要請に対し、従来 ベルト軽量化手法として、細線径コードを いたベルトの薄ゲージ化が知られている。 かし、この場合、タイヤ強度を保つために 込み数を増す必要があることから、コード 隔が密になって、ベルト端からの亀裂発生 関する、いわゆるベルトエンドセパレーシ ン(BES)性が悪化してしまうという問題があ た。

 これに対し、コード間隔が密となること 避ける技術として、特許文献2に開示されて いるような束コードを用いる方法が提案され ている。特許文献2に係る技術は、ベルトの 良により耐久性確保を図ることを主目的と るものであるが、一方で、高圧高荷重で使 される重荷重用空気入りタイヤにおいては 径成長を抑制するための周方向剛性の必要 が増してくる。軽量化と引き換えに周方向 性が低下してしまうことは、重荷重用空気 りタイヤの性能において致命的な欠点とな 。したがって、重荷重用空気入りタイヤの ルト軽量化に当たっては、耐久性だけでな 剛性との両立設計が必須となる。

 そこで本発明の目的は、上記問題を解消 て、タイヤ軽量化を図りつつ、耐久性と、 望の周方向剛性とを両立させた重荷重用空 入りタイヤを提供することにある。

 スチールベルトを軽量化するためには、 リートの厚さ、すなわち、スチールコード 短径を小さくすることが効果的である。ま 、耐久性を確保するためには、スチールコ ド間の間隔および層間ゲージを大きくする とが有利である。しかし、スチールコード 束状に配置することにより、むやみにコー 間の間隔を広げたり層間ゲージを大きくし りすると、剛性の低下につながるため、耐 性と剛性との両立は大きな技術課題となっ いた。

 これに対し、本発明においては、スチール ードを束状に配置した場合の剛性発揮のメ ニズムにつき検討し、これを明らかにする とで、コード束の束幅Bと束間隔Dとにより 義されるS(S=B/(B+D))の値の最適な範囲を見出 た。
 すなわち、そもそもスチールベルトは、通 、2層で交差して配置されることにより、強 い剛性を発揮する。効率良く剛性を発揮させ るためには、2層間のゴムの変形を拘束する とが重要であり、その拘束効果は、ベルト に占めるスチールの割合(S=B/(B+D))で決まる。 したがって、コード束の配置を、このSの値 最適な領域内となるように設計することで 上記問題を解決できるものと考えられる。 かる観点から、本発明者はさらに検討した 果、下記構成とすることにより、軽量化と 耐久性および剛性との両立を実現できるこ を見出して、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明の重荷重用空気入りタイ は、複数本のフィラメントを撚合せてなる 数本のスチールコードが束状に並列配置さ て形成された少なくとも1層のスチールベル トを有する重荷重用空気入りタイヤであって 、
 前記コード束の、高さ、すなわち、前記ス ールコードの短径A(mm)と、束幅B(mm)とが下記 式(1)、
B/A≧2.0         (1)
で示される関係を満足し、かつ、前記コード 束の束幅B(mm)と、コード束間間隔D(mm)とによ 定義されるS=B/(B+D)の値が下記式(2)、
0.60≦S≦0.80     (2)
で示される関係を満足することを特徴とする ものである。

 本発明においては、前記スチールコードの 径A(mm)と前記フィラメントの径F(mm)とが下記 式(3)および(4)、
0.24≦F≦0.50     (3)
A/F≦3.0         (4)
で示される関係を満足することが好ましく、 より好ましくはスチールコードの短径A(mm)と ィラメントの径F(mm)とが下記式(5)および(4)
0.30<F≦0.50     (5)
A/F≦3.0         (4)
で示される関係を満足する。

 本発明によれば、スチールベルトを構成 るスチールコードを、上記式(1)および(2)を 足するコード束として配置したことで、タ ヤの軽量化を図りつつ、耐久性と、所望の 方向剛性とを両立させた重荷重用空気入り イヤを実現することが可能となった。特に 上記式(3)および(4)を満足するコード束とす ば、より軽量化効果を向上することができ 。また、好ましくは(5)および(4)を満足する ードとすれば、耐久性、周方向剛性および 量化を高次元で得ることができる。

(a)は、本発明に係るスチールベルト内 スチールコードの配列状態を示す概略断面 であり、(b)は、その1本のスチールコードを 取り出して示す断面図である。

符号の説明

1 スチールコード
2 コード束
11 フィラメント

 以下、本発明の好適実施形態について、図 を参照しつつ詳細に説明する。
 図1(a)に、本発明に係るスチールベルト内の スチールコードの配列状態を示す概略断面図 を、同図(b)に、その1本のスチールコードを り出して示す断面図を、それぞれ示す。図 するように、本発明の重荷重用空気入りタ ヤは、複数本のフィラメント11を撚合せてな る複数本のスチールコード1が束状に並列配 されて形成された少なくとも1層のスチール ルトを有するものである。

 本発明のタイヤにおいては、コード束2の、 高さ、すなわち、スチールコードの短径A(mm) 、束幅B(mm)とが下記式(1)、
B/A≧2.0         (1)
で示される関係を満足するとともに、コード 束2の束幅B(mm)と、コード束2間の間隔D(mm)とに より定義されるS=B/(B+D)の値が下記式(2)、
0.60≦S≦0.80     (2)
で示される関係を満足することが重要である 。

 コード束2が、上記式(1)を満足するものと することで軽量化を確保することができ、か つ、上記式(2)を満足するものとすることで周 方向剛性と耐久性とをバランスさせることが できる。Sが0.60未満であると、コード束間の 隔が大きくなると同時に層間ゴムの拘束が まることから、周方向剛性が不足してしま 。一方、Sが0.80より大きいと、束幅に対し 束間の間隔が狭すぎるため、亀裂進展によ BES性が悪化してしまう。

 また、ベルトをより軽量化する観点からは スチールコードの短径A(mm)とフィラメント11 の径F(mm)とが、下記式(3)および(4)、
0.24≦F≦0.50     (3)
A/F≦3.0         (4)
で示される関係を満足することが好ましく、 より好ましくは下記式(5)および(4)、
0.30<F≦0.50     (5)
A/F≦3.0         (4)
である。
これにより、トリート厚さAを小さくして、 らなる軽量化効果を得ることができる。

 本発明のタイヤにおいては、上記条件を 足するスチールベルトを構成するスチール ードが、上記条件を満足する束状に配置さ ているものであればよく、これにより本発 の所期の効果を得ることができる。例えば 本発明に用いるスチールコードは、図示す 例では扁平コードであるが、これには限ら ず、通常の円形断面コードであってもよい かかる束状のコード配置の以外のタイヤ構 の詳細については特に制限されず、常法に い適宜構成することが可能である。例えば 本発明のタイヤにおいて、スチールベルト 少なくとも1層で配置することが必要であり 、好適には3~4層で配置する。本発明において 、スチールベルトを複数層で配置する場合に は、そのうち少なくとも1層に上記束状のコ ド配置を適用すればよい。

 以下、本発明を、実施例を用いてより詳細 説明する。
 4層のスチールベルトのうち2層の主交錯ベ トに、下記の表中に示す条件に従う束状の ード配置を適用して、タイヤサイズ11R22.5の 荷重用空気入りタイヤを作製した。

<トリート重量>
 得られた各供試タイヤにつき、トリート重 を、スチールコードとゴムシートとからな トリートの単位面積あたりの実測重量とし 求めた。結果は、従来例1を100とした指数で 表示した。値が小さいほど、軽量効果が大き いことを意味する。

<周方向剛性>
 得られた各供試タイヤにつき、実地試験10 km走行後においてタイヤ外周を測定すること により、周方向剛性を求めた。具体的には、 10万km走行後のタイヤで、内圧を50kPaから700kPa まで充填したときのセンター部溝底の外周成 長量を測定し、その逆数から周方向剛性を算 出した。結果は、従来例1を100とする指数で 示した。値が大きいほど、高い剛性を持つ とを意味する。

<BES性>
 得られた各供試タイヤにつき、10万km走行後 に主交錯ベルトを解剖し、ベルト層間の亀裂 長さをタイヤ周方向に測定して、平均した値 に基づいて、BES性を求めた。結果は従来例1 平均亀裂長さを100とした指数で表示した。 が小さいほど、耐久性が良いことを意味す 。

 上記評価結果を、下記表中に併せて示す なお、同表中の判定は、結果が特に良好で る場合を◎、良好である場合を○、普通の 合を△、やや劣る場合を×とした。

 上記表中に示すように、従来例1~3はいず もSの値が0.6程度であり、これらから、軽量 化および剛性確保を実現するには、Sの値を げることが必要であることがわかる。これ 対し、実施例1~9は、従来例1よりも軽量化が られており、かつ、剛性と耐久性とが両立 れている。これら実施例1~9においては、Sの 値が、従来例1のSの値(=0.60)よりも大きく、本 発明の条件を満足するよう設計されており、 これにより、剛性と耐久性とを両立できるこ とが確かめられた。さらに、FおよびA/Fの値 ついても満足するものとすることで、剛性 よび耐久性に加えて、さらなる軽量性につ ても図ることができることが確かめられた

 一方、比較例1はS<0.60とした例であり、 軽量化が極端に図られ、耐久性も向上してい るものの、周方向剛性が大きく低下しており 、径成長が大きくなってしまった。また、比 較例2はS>0.80とした例であり、周方向剛性 向上しているものの、耐久性が大幅に悪化 てしまった。したがって、比較例1、2ともに 、軽量性と剛性と耐久性とを同時に実現する ことはできなかった。