AOYAMA MASANORI (JP)
WO2008090680A1 | 2008-07-31 |
JPH10250314A | 1998-09-22 | |||
JP2002544044A | 2002-12-24 | |||
JPH08132821A | 1996-05-28 |
少なくとも一対のビードコア間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも一層のカーカスを骨格とし、該カーカスの外周に、複数本のコードまたはフィラメントを補強要素とする2~4層のベルトを有する空気入りタイヤにおいて、 前記ベルトのうち1層または2層を、ゴム-スチールコード複合体を全体としてタイヤ周方向に沿って配向させてなるストリップより形成されたクラウン強化層とし、 前記クラウン強化層が、タイヤ幅方向の両外側に位置する一対の外側ストリップと、その間に位置する中側ストリップとに3分割され、 前記外側ストリップのスチールコードの破断伸度(Eo)と前記中側ストリップのスチールコードの破断伸度(Ei)とが次式、 Eo>Ei で表される関係を満足し、かつ、 前記外側ストリップのスチールコードが真直であることを特徴とする空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップの単位幅あたりの破断強力Toと、前記中側ストリップの単位幅あたりの破断強力Tiとが次式、 To/Ti≧0.92 で表される関係を満足する請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップのスチールコードの破断伸度(Eo)と前記中側ストリップのスチールコードの破断伸度(Ei)とが次式、 2.5≧Eo/Ei≧1.05 で表される関係を満足する請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップのスチールコードの破断伸度(Eo)と前記中側ストリップのスチールコードの破断伸度(Ei)とが次式、 2.5≧Eo/Ei≧1.05 で表される関係を満足する請求項2記載の空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップのスチールコードのコード径(Do)と前記中側ストリップのスチールコードのコード径(Di)とが次式、 1.15≧Do/Di≧0.85 で表される関係を満足する請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップのスチールコードが、n=3~6本のスチールフィラメントを撚り合せてなる1×n構造の単撚り構造を有し、コード軸方向に対し撚り角が69度以下で、かつ破断伸度が1.8%以上である請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップのスチールコードが、n=3~9本のスチールフィラメントを撚り合せてなるストランドをm=2~5本撚り合わせてなるm×nの複撚り構造を有し、コード軸方向に対し撚り角が69度以下で、かつ破断伸度が1.8%以上である請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップのスチールコードが、n=3~6本のスチールフィラメントを撚り合わせてなる1×nの単撚り構造を有し、該スチールフィラメント中心を結ぶ円周長(Lf)と該スチールフィラメントの径(Df)の和(n×Df)とが次式、 2.8≧Lf/(n×Df)≧1.15 で表される関係を満足し、かつ前記スチールコードの破断伸度が1.8%以上である請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
前記外側ストリップのスチールコードが、n=3~9本のスチールフィラメントを撚り合わせてなるストランドをm本撚り合わせてなるm×nの複撚り構造を有し、該ストランド中心を結ぶ円周長(Ls)と該ストランドの径(Ds)の和(m×Ds)とが次式、 2.8≧Ls/(m×Ds)≧1.15 で表される関係を満足し、かつ前記スチールコードの破断伸度が1.8%以上である請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
前記中側ストリップの幅(Wi)が前記クラウン強化層の全幅(Wt)に対し、次式、 0.95×Wt≧Wi≧0.5×Wt で表される関係を満足する請求項1記載の空気入りタイヤ。 |
本発明は、スチールコードをゴム補強材 して用いた空気入りタイヤに関し、特には 久性の向上を図った空気入りタイヤに関す 。
空気入りタイヤ、特に高い荷重を支え長 間走行するようなトラックやバスに適用さ るようなタイヤにおいては、長期間の過酷 使用に耐え、安定した性能を発揮するため 、高い強度と剛性、および寸法安定性が重 である。特にタイヤのクラウン部は、使用 に常に内圧による周方向に引張り入力を受 、使用によりクリープして周長が伸びるこ により歪が生じ、耐久性を悪化させたり、 イヤの断面形状を変化させ、摩耗特性を悪 させたりする。
その対策として、例えば、特許文献1には、
カーカスの周りのトレッド部に2層の交錯ベ
トを配し、さらに、その下層に、少なくと
1層の波形(またはジグザグ形)をなす多数の
ード(またはフィラメント)の補強要素からな
るストリップ状のクラウン強化層を赤道に沿
って配して、タイヤの重量増を招くことなく
セパレーションを有効に防止する技術が開示
されている。
しかしながら、近年の摩耗に対する強い 求と操縦安定性の高い要求の下では、特許 献1に記載されているようなクラウン強化層 の適用のみでは耐久性の面で必ずしも十分と はいえなくなってきており、今日、より一層 の耐久性の向上が望まれている。
そこで本発明の目的は、これまで以上に 久性の向上を図った空気入りタイヤを提供 ることにある。
本発明者は、摩耗に対する強い要求と操 安定性の高い要求のためにタイヤ周方向だ でなくタイヤ幅方向にも適度な剛性を持つ とが要求される近年の状況下で、例えば、 許文献1記載のようにクラウン強化層を設け たタイヤの幅方向に剛性を付与すると、周方 向に配向したクラウン強化層との間に高いせ ん断歪が発生し、特にタイヤ幅に対し、外側 の周方向クラウン強化層にセパレーションの 懸念が出てくることが分かった。本発明者は 、かかる知見に基づきさらに鋭意検討した結 果、コード自身が適度に伸長して発生するせ ん断歪を緩和させるために、タイヤ幅方向外 側の周方向クラウン強化層に真直で破断伸度 の大きいスチールコードを配置したところ、 これまでのクラウン強化層の場合と比較して より一層耐久性の向上を図ることができるこ とを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、少なく
も一対のビードコア間に跨ってトロイド状
延在する少なくとも一層のカーカスを骨格
し、該カーカスの外周に、複数本のコード
たはフィラメントを補強要素とする2~4層の
ルトを有する空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトのうち1層または2層を、ゴム-ス
ールコード複合体を全体としてタイヤ周方
に沿って配向させてなるストリップより形
されたクラウン強化層とし、
前記クラウン強化層が、タイヤ幅方向の両
側に位置する一対の外側ストリップと、そ
間に位置する中側ストリップとに3分割され
、
前記外側ストリップのスチールコードの破
伸度(Eo)と前記中側ストリップのスチールコ
ードの破断伸度(Ei)とが次式、
Eo>Ei
で表される関係を満足し、かつ、
前記外側ストリップのスチールコードが真
であることを特徴とするものである。
本発明の空気入りタイヤの好適例は下記の
りである。
前記外側ストリップの単位幅あたりの破断
力Toと、前記中側ストリップの単位幅あた
の破断強力Tiとが次式、
To/Ti≧0.92
で表される関係を満足する。
前記外側ストリップのスチールコードの破
伸度(Eo)と前記中側ストリップのスチールコ
ードの破断伸度(Ei)とが次式、
2.5≧Eo/Ei≧1.05
で表される関係を満足する。
前記外側ストリップのスチールコードのコ
ド径(Do)と前記中側ストリップのスチールコ
ードのコード径(Di)とが次式、
1.15≧Do/Di≧0.85
で表される関係を満足する。
前記外側ストリップのスチールコードが n=3~6本のスチールフィラメントを撚り合せ なる1×n構造の単撚り構造を有し、コード軸 向に対し撚り角が69度以下で、かつ破断伸 が1.8%以上である。
前記外側ストリップのスチールコードが n=3~9本のスチールフィラメントを撚り合せ なるストランドをm=2~5本撚り合わせてなるm× nの複撚り構造を有し、コード軸方向に対し り角が69度以下で、かつ破断伸度が1.8%以上 ある。
前記外側ストリップのスチールコードが、n
=3~6本のスチールフィラメントを撚り合わせ
なる1×nの単撚り構造を有し、該スチールフ
ラメント中心を結ぶ円周長(Lf)と該スチール
フィラメントの径(Df)の和(n×Df)とが次式、
2.8≧Lf/(n×Df)≧1.15
で表される関係を満足し、かつ前記スチール
コードの破断伸度が1.8%以上である。
前記外側ストリップのスチールコードが、n
=3~9本のスチールフィラメントを撚り合わせ
なるストランドをm本撚り合わせてなるm×nの
複撚り構造を有し、該ストランド中心を結ぶ
円周長(Ls)と該ストランドの径(Ds)の和(m×Ds)と
が次式、
2.8≧Ls/(m×Ds)≧1.15
で表される関係を満足し、かつ前記スチール
コードの破断伸度が1.8%以上である。
前記中側ストリップからなるクラウン強化
の幅(Wi)が前記クラウン強化層の全幅(Wt)に
し、次式、
0.95×Wt≧Wi≧0.5×Wt
で表される関係を満足する。
本発明によれば、これまで以上に耐久性 向上を図った空気入りタイヤを提供するこ ができる。
1 カーカス
2 ベルト
3 クラウン強化層
10 タイヤ
20 スチールコード
以下、本発明の実施の形態につき具体的に
明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係るタイヤ
のトレッド部近傍の拡大断面図を示す。図示
するタイヤ10は、少なくとも一対のビードコ
(図示せず)間に跨ってトロイド状に延在す
少なくとも一層のカーカス1を骨格とし、そ
外周に2~4層のベルト2(図示する例では2層)を
有する。ベルト2には、タイヤの中央円周を
む平面、即ち、タイヤ赤道面に対し20~50°の
斜角をなし、層間で互いに交差する複数本
コードまたはフィラメントを補強要素とす
既知のベルト構造を好適に採用することが
きる。
タイヤ10は、ベルト2の内周側であってカ カス1の外周に、ゴム-スチールコード複合 を全体としてタイヤ周方向に沿って配向さ てなるストリップより形成された、少なく も1層(図示例では2層)のクラウン強化層3を備 えている。本発明においてクラウン強化層3 、ベルト2の外周側であっても、あるいはベ ト2の層間であってもよく、特に制限される べきものではない。
本発明においては、クラウン強化層3は、タ
イヤ幅方向の両外側に位置する一対の外側ス
トリップ3aと、その間に位置する中側ストリ
プ3bとに3分割され、外側ストリップ3aのス
ールコードの破断伸度(Eo)と中側ストリップ3
bのスチールコードの破断伸度(Ei)とが次式、
Eo>Ei
好ましくは次式、
2.5≧Eo/Ei≧1.05
で表される関係を満足し、かつ、外側ストリ
ップ3aのスチールコードが真直であることが
要である。即ち、本発明においては、外側
トリップ3aに発生するせん断歪を緩和すべ
、外側ストリップ3aに対し、コード自身が適
度に伸長し、かつ、真直で、中側ストリップ
3bよりも破断伸度の大きいスチールコードを
用する。
外側ストリップ3aのスチールコードの破 伸度は、好ましくは1.8%以上である。
外側ストリップ3aに配置する真直で破断 度の大きいスチールコードは、発生するせ 断歪に対し十分な伸度を持つため、セパレ ションに至らない。波状に型付けをしたス ールコードで十分な伸度を持たせるには、 付け量を大きくする必要があり、タイヤ外 に影響を及ぼしてしまうため、本発明では 直なスチールコードを用いる必要がある。
また、タイヤ全幅にわたりクラウン強化 3に真直で破断伸度の大きいスチールコード を配置した場合には、周方向クラウン強化層 の本来の目的である十分なタガ効果を発揮す ることができないため、外側ストリップ3aの に真直で破断伸度の大きいスチールコード 必要になる。
また、本発明においては、外側ストリップ3
aの単位幅あたりの破断強力Toと、中側ストリ
ップ3bの単位幅あたりの破断強力Tiとが次式
To/Ti≧0.92
で表される関係を満足することが好ましい。
この値が0.92未満であると、全幅を中側スト
ップ3bとしたタイヤ対比、全体のケース剛性
が著しく不足してしまう。
さらに、外側ストリップ3aのスチールコー
のコード径(Do)と中側ストリップ3bのスチー
コードのコード径(Di)とが次式、
1.15≧Do/Di≧0.85
で表される関係を満足することが好ましい。
この値が0.85未満であるか、または1.15を超え
と、外側ストリップ3aと中側ストリップ3bと
の間で著しい段差が生じ、耐久性が低下して
しまう。
さらにまた、中側ストリップ3bの幅(Wi)は、
発明の所望の効果と十分なタガ効果とを得
上で、クラウン強化層の全幅(Wt)に対し、次
式、
0.95×Wt≧Wi≧0.5×Wt
で表される関係を満足することが好ましい。
さらにまた、外側ストリップ3aと中側ス リップ3bのコード打込み数は、いずれも好ま しくは20~30本/50mmである。
外側ストリップ3aに適用可能である真直 破断伸度の大きいスチールコードは、例え 、以下の方法で達成することができる。1×n 単撚り構造やm×nの複撚り構造のスチールコ ードを、短ピッチで撚り合わせ、コード軸方 向に対し撚り角が69度以下、好ましくは65度 下55度以上とすることで、十分な伸びを確保 することができる。但し、この撚り角が55度 満になると素線同士のこすれによる切断の 念が生じる。
コードを構成するフィラメントは、ゴム 浸透を促進するために、異線径を組み合わ たり、少なくともフィラメントの1本に2次 または3次元に型をつけてもよい。あるいは 1×nの単撚り構造やm×nの複撚り構造のスチ ルコードを、十分に空間を持たせて撚り合 てもよい。
好適なスチールコードとしては、n=3~6本 スチールフィラメントを撚り合せてなる1×n 造の単撚り構造を有するかまたは、n=3~9本 スチールフィラメントを撚り合せてなるス ランドをm=2~5本撚り合わせてなるm×nの複撚 構造を有し、コード軸方向に対し撚り角が69 度以下であるものを挙げることができる。
また、他の好適スチールコードとして、図2
に一例として示すような、n=3~6本のスチール
ィラメントを撚り合わせてなる1×nの単撚り
構造を有し、該スチールフィラメント中心を
結ぶ円周長(Lf)と該スチールフィラメントの
(Df)の和(n×Df)とが次式、
2.8≧Lf/(n×Df)≧1.15
で表される関係を満足するもの、あるいは図
3に一例として示すような、n=3~9本のスチール
フィラメントを撚り合わせてなるストランド
をm本撚り合わせてなるm×nの複撚り構造を有
、該ストランド中心を結ぶ円周長(Ls)と該ス
トランドの径(Ds)の和(m×Ds)とが次式、
2.8≧Ls/(m×Ds)≧1.15
で表される関係を満足するものを挙げること
ができる。
ここで、Lf/(n×Df)およびLs/(m×Ds)の値が2.8 超えると、コード径の増大による総重量の 響を無視することができなくなる。一方、 かる値が1.15未満であると十分な伸度を確保 ることができなくなる。この場合もコード 構成するフィラメントは、ゴムの浸透を促 するために、異線径を組み合わせたり、少 くとも1本に2次元または3次元に型付けをし もよい。
なお、本発明のタイヤは、補強層、特に クラウン強化層の補強材として、上記ゴム- スチールコード複合体が適用されているもの であればよく、これにより本発明の所期の効 果を得ることができるものであり、他の具体 的なタイヤ構造や材質等については、常法に 従い適宜設定することができ、特に制限され るものではない。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
(実施例および比較例)
下記の表1および表2中に示す条件にて各比
例および実施例のゴム-スチールコード複合
を作製し、これらを図1に示すクラウン強化
層3として使用し、同表に示すサイズの供試
イヤを夫々製造した。中側ストリップの幅(W
i)は、いずれもクラウン強化層の全幅(Wt)の85%
程度とした。尚、表中の波型型付け2a/λは、
9の平面図に示すようにスチールコード20を
型形状(波長:λ、振幅:2a)に型付けして平行
並べ、ゴムに埋設することでゴム-スチール
ード複合体を作製した。
各供試タイヤにつき以下の評価を実施した
タイヤ外観は、タイヤ側面に目視で凹凸が
認できる場合を×、確認できない場合を○
した。
径成長は、内圧充填時にタイヤサイズが同
もの同士のうち、比較例1、4対比著しく増
する場合を×、増大しない場合を○とした。
セパレーション性は、正規内圧、正規荷重
120%の負荷条件にかけて速度60km/hで7.0万kmド
ム走行させた後、ホログラフィ検査でセパ
ーションの有無を観察した。
得られた結果を下記の表1および表2に示す
本発明の実施例については理想的な状態 示したものであり、実際のタイヤ等への利 などゴム物品として使用される場合には、 少変形する場合もあり、本発明の請求項の 載は、その実際の変形後の状態も含むもの ある。
Next Patent: FLUSH TOILET