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Title:
POWER TRANSMISSION DEVICE FOR HYBRID VEHICLE AND SPEED CHANGE OPERATION METHOD THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148019
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a power transmission device for hybrid vehicle which is more compact, lightweight and inexpensive than the conventional ones wherein speed change operation can be performed smoothly such that rotary power does not break off while making use of an advantage of using a plurality of prime movers together.  Also provided is a speed change operation method thereof. A power transmission device comprises a power switching mechanism (2) for transmitting the rotary power of a main prime mover (engine (91)) selectively, a second input shaft (4) coupled selectively with the power switching mechanism (2) and not coupled with a first input shaft (3) which is coupled with a sub-prime mover (motor (94)) and the sub-prime mover (motor (94)), a plurality of gear trains (51-55 and 5R) having different speed change ratios and arranged with a first input shaft (3) or a second input shaft (4) as an initial point in order to transmit a rotary power by engaging selectively, an output shaft (6) for outputting a rotary power transmitted by the gear trains (51-55 and 5R), and a control operation section (7) for controlling the rotary speed of the main prime mover (91) and the sub-prime mover (94) and performing the switching operation of the power switching mechanism (2).

Inventors:
SASAKI KAN (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059990
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 01, 2009
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AI CO LTD (JP)
SASAKI KAN (JP)
International Classes:
B60K6/36; B60K6/387; B60K6/48; B60K6/547; B60L50/16; B60W10/02; B60W10/06; B60W10/08; B60W10/10; B60W20/00; F16H61/04; F16H63/40; F16H59/42; F16H59/46
Foreign References:
JP2003237393A2003-08-27
EP0845618A21998-06-03
JP2005297786A2005-10-27
Other References:
None
Attorney, Agent or Firm:
OHKAWA, HIROSHI (JP)
Okawa 宏 (JP)
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Claims:
主原動機の回転動力を選択的に伝達する動力切替機構と、
該動力切替機構に選択的に結合され、かつ副原動機が連結された第1入力軸及び該副原動機が連結されない第2入力軸と、
該第1入力軸または該第2入力軸を始点として配設され選択的に係合することにより回転動力を伝達するとともに、互いに異なる変速比を有する複数のギヤトレーンと、
該ギヤトレーンにより伝達された回転動力を出力する出力軸と、
該主原動機及び該副原動機の回転速度を制御するとともに、該動力切替機構を切替操作する制御操作部と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車用動力伝達装置。
前記主原動機はエンジンであり、前記副原動機は発電機を兼ねたモータである請求項1に記載のハイブリッド車用動力伝達装置。
前記モータが連結された前記第1入力軸を始点として第1速の前記ギヤトレーンが配設される請求項2に記載のハイブリッド車用動力伝達装置。
前記動力切替機構は、前記主原動機の主出力軸とともに回転しかつ軸方向に移動可能に設けられ、さらに軸方向に移動したとき前記第1入力軸及び前記第2入力軸の一方に結合する切替操作部材を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のハイブリッド車用動力伝達装置。
前記主原動機の前記主出力軸はその外周側に駆動側内スプラインを有し、前記第1入力軸はその外周側に従動側第1内スプラインを有し、前記第2入力軸はその外周側に従動側第2内スプラインを有し、前記切替操作部材はその内周側に該駆動側内スプラインに嵌合する駆動側外スプラインと該従動側第1内スプライン及び該従動側第2内スプラインの一方に選択的に嵌合する従動側外スプラインとを有するスリーブである、請求項4に記載のハイブリッド車用動力伝達装置。
前記第1入力軸及び前記第2入力軸は、一方が棒状とされ他方が筒状とされて同軸内外に配置されている請求項1~5のいずれか一項に記載のハイブリッド車用動力伝達装置。
請求項1~6のいずれか一項に記載したハイブリッド車用動力伝達装置の変速操作方法であって、前記主原動機及び前記副原動機の一方から第1のギヤトレーンを経て前記出力軸へ回転動力を伝達しているときに、新たな第2のギヤトレーンを係合するギヤトレーン係合工程と、前記制御操作部からの制御により該主原動機及び該副原動機の他方を該第2のギヤトレーンを介して該出力軸に同期させる同期工程と、該主原動機及び該副原動機の両方から該出力軸へ回転動力を伝達する並列工程と、該一方から該他方へ回転動力を移行する移行工程と、を有することを特徴とするハイブリッド車用動力伝達装置の変速操作方法。
前記動力切替機構をいずれの入力軸にも結合しない切り離し状態とし、前記副原動機から前記第1入力軸及び第1のギヤトレーンを経て前記出力軸まで回転動力を伝達しているときに、前記第2入力軸を始点とする新たな第2のギヤトレーンを係合するギヤトレーン係合工程と、
前記制御操作部からの制御により前記主原動機を該第2入力軸に対して同期させる同期工程と、
該動力切替機構を該第2入力軸に結合することにより、該主原動機から該第2入力軸及び該第2のギヤトレーンを経て該出力軸に達する伝達経路を確立する並列工程と、
該副原動機から該主原動機へ回転動力を移行する移行工程と、
を有する請求項7に記載のハイブリッド車用動力伝達装置の変速操作方法。
前記副原動機を休止し、前記動力切替機構を前記第2入力軸に結合して、前記主原動機から該第2入力軸及び第3のギヤトレーンを経て前記出力軸まで回転動力を伝達しているときに、前記第1入力軸を始点とする新たな第4のギヤトレーンを係合するギヤトレーン係合工程と、
該副原動機を始動し該第1入力軸に対して同期させるとともに該副原動機から該第1入力軸及び該第4のギヤトレーンを経て該出力軸に達する伝達経路を確立する予備同期並列工程と、
該主原動機から該副原動機へ回転動力を移行し、その後に該動力切替機構をいずれの入力軸にも結合しない切り離し状態とする予備移行工程と、
前記制御操作部からの制御により該主原動機を該第1入力軸に対して同期させる同期工程と、
該動力切替機構を該第1入力軸に結合することにより、該主原動機から該第1入力軸及び該第4のギヤトレーンを経て該出力軸に達する伝達経路を確立する並列工程と、
該副原動機から該主原動機へ回転動力を再度移行する移行工程と、
を有する請求項7に記載のハイブリッド車用動力伝達装置の変速操作方法。
前記副原動機を休止し、前記動力切替機構を前記第1入力軸に結合して、前記主原動機から前記第1入力軸及び第5のギヤトレーンを経て前記出力軸まで回転動力を伝達しているときに、該副原動機を始動し該第1入力軸に対して同期させるとともに該副原動機から該第1入力軸及び該第5のギヤトレーンを経て該出力軸に達する伝達経路を確立する予備同期並列工程と、
該主原動機から該副原動機へ回転動力を移行した後に、該動力切替機構をいずれの入力軸にも結合しない切り離し状態とする予備移行工程と、
該第2入力軸を始点とする新たな第6のギヤトレーンを形成するギヤトレーン形成工程と、
前記制御操作部からの制御により該主原動機を該第2入力軸に対して同期させる同期工程と、
該動力切替機構を該第2入力軸に結合することにより、該主原動機から該第2入力軸及び該第6のギヤトレーンを経て該出力軸に達する伝達経路を確立する並列工程と、
該副原動機から該主原動機へ回転動力を再度移行する移行工程と、
を有する請求項7に記載のハイブリッド車用動力伝達装置の変速操作方法。
Description:
ハイブリッド車用動力伝達装置 びその変速操作方法

本発明は複数の原動機を搭載したハイブリ ッド車の動力伝達装置に関し、より詳細には 、複数の原動機と複数の入力軸を備える変速 機とを組み合わせたハイブリッド車の動力伝 達装置及びその変速操作方法に関する。

複数の原動機を搭載し、それぞれの原動機 の長所を活かして、燃費改善・高出力・環境 保護を実現するハイブリッド車が実用化され ている。特に、エンジン及び発電機兼用モー タを搭載したハイブリッド車は、電気自動車 と異なり充電設備などのインフラ整備が不要 であるため急速に普及しつつある。エンジン は経済速度以上での効率が高くなるように設 計され、発電機兼用モータは走行を駆動する 他にエンジン動力や制動時の回生エネルギを 利用して電力を生成するように構成されるの が一般的である。そして、発進時や低速走行 時はモータ駆動とし、加速されて高速走行に 移行した時点でエンジン駆動に切り替えるこ とにより、総合効率を向上し、エンジンのみ を搭載した車両と比較して燃費を改善してい る。また、大きなトルクが必要なときには、 一時的にエンジン及びモータの両方で駆動す ることにより、高出力を得ることができる。 さらには、燃費改善や回生エネルギの利用に より、燃焼ガスの排出量を削減して環境保護 に貢献することができる。

一方、車両用変速機の一種に、2つのクラ チ部をもつデュアルクラッチと、2本の入力 と1本の出力軸との間に構成された複数のギ ヤトレーンと、を備えるデュアルクラッチ式 自動変速機がある。この変速機には、2つの ラッチ部を半継合状態として架け替え操作 行うことにより回転動力が途切れないよう して円滑に変速操作を行える、という利点 ある。デュアルクラッチには駆動側及び従 側の摩擦プレートが摩擦継合して回転動力 伝達する摩擦クラッチが用いられ、電子制 装置及びアクチュエータにより自動制御さ るのが一般的である。

上記のような複数の原動機とデュアルクラ ッチ式自動変速機とを組み合わせてハイブリ ッド車の動力伝達装置を構成することが考え られ、一例が特許文献1の「デュアルクラッ 式変速機を搭載したハイブリッド車両」に 示されている。特許文献1の請求項1には、エ ンジンのクランク軸に電動発電機及び変速用 クラッチを介して変速機を連結した構成が開 示されている。変速用クラッチは2つのクラ チからなり、奇数段ギヤ列及び偶数段ギヤ を交互に接続するようになっている。また 請求項2には、エンジン出力を継断する動力 換クラッチと、変速用クラッチに一体的に 成される電動発電機と、2個の多板式摩擦ク ラッチと、を有する構成が開示されている。

特開2005-329813号公報

ところで、特許文献1の技術は主にトラッ やバスなどの大型車両を対象としており、 用車などの普通車両では動力伝達装置搭載 制約が厳しくなっている。つまり、一般的 構成と比較して電動発電機及び動力切換ク ッチが増加し、変速用クラッチが2個で大形 し、変速機本体も2入力軸で大形化しており 、これら全ての部材を搭載することはきわめ て難しくなっている。また、部材の増加や大 形化は、動力伝達効率を低下させて燃費に悪 影響を及ぼし、さらには装置コストを増加さ せる原因となっている。

本発明は上記背景に鑑みてなされたもので あり、複数の原動機を併用する利点を活かし つつ回転動力が途切れないように円滑に変速 操作を行うことができる、従来よりも小形で 軽量かつ低廉なハイブリッド車用動力伝達装 置及びその変速操作方法を提供する。

本発明のハイブリッド車用動力伝達装置は 、主原動機の回転動力を選択的に伝達する動 力切替機構と、該動力切替機構に選択的に結 合され、かつ副原動機が連結された第1入力 及び該副原動機が連結されない第2入力軸と 該第1入力軸または該第2入力軸を始点とし 配設され、かつ選択的に係合することによ 回転動力を伝達するとともに、互いに異な 変速比を有する複数のギヤトレーンと、該 ヤトレーンにより伝達された回転動力を出 する出力軸と、該主原動機及び該副原動機 回転速度を制御するとともに、該動力切替 構を切替操作する制御操作部と、を備える とを特徴とする。

本発明は、主原動機と第1入力軸との間、 び主原動機と第2入力軸との間を、動力切替 構で選択的に結合するとともに、副原動機 第1入力軸に常時連結し、主原動機及び副原 動機の回転速度を制御操作部から直接的に制 御することにより、デュアルクラッチによる 摩擦同期操作を不要として、装置構成を簡素 化したことを主旨とする。なお、入力軸の第 1及び第2の区別は、副原動機が連結された入 軸を識別するために冠したものである。

前記主原動機はエンジンであり、前記副原 動機は発電機を兼ねたモータである、ことが 好ましい。

主原動機をエンジンとすることにより、第 1入力軸または第2入力軸を始点とする全ての ヤトレーンをエンジン駆動に用いることが きる。つまり、通常のエンジン駆動による 行では、任意のギヤトレーンの変速比を選 することができる。また、副原動機を発電 兼用モータとすることにより、第1入力軸を 始点とするギヤトレーンをモータ駆動に用い ることができる。さらに、エンジン動力や制 動時の回生エネルギを第1入力軸から発電機 用モータに入力することにより、電力を生 することができる。

前記モータが連結された前記第1入力軸を 点として第1速の前記ギヤトレーンが配設さ る、ことが好ましい。

上記の態様によれば、第1速による発進及 低速走行をモータ駆動で行い、低速時の効 が低いエンジン駆動の欠点を補うことがで て、総合効率の向上に効果的となる。

前記動力切替機構は、前記主原動機の主出 力軸とともに回転しかつ軸方向に移動可能に 設けられ、さらに軸方向に移動したとき前記 第1入力軸及び前記第2入力軸の一方に結合す 切替操作部材を有する、ようにしてもよい

さらに、前記主原動機の前記主出力軸はそ の外周側に駆動側内スプラインを有し、前記 第1入力軸はその外周側に従動側第1内スプラ ンを有し、前記第2入力軸はその外周側に従 動側第2内スプラインを有し、前記切替操作 材はその内周側に該駆動側内スプラインに 合する駆動側外スプラインと該従動側第1内 プライン及び該従動側第2内スプラインの一 方に選択的に嵌合する従動側外スプラインと を有するスリーブである、ことが好ましい。

動力切替機構は、主原動機の主出力軸とと もに回転しかつ軸方向移動可能にスプライン 嵌合で保持されるスリーブとし、スリーブが 第1入力軸または第2入力軸に選択的に嵌合す ように構成することができる。この態様で 、制御操作部は、スリーブを軸方向に移動 せる嵌合操作に先立ち、主原動機の回転速 を嵌合させようとする入力軸に対して同期 御しておく。スリーブを用いた動力切替機 は、特許文献1に例示された従来の動力切換 クラッチ及び変速用クラッチを併用する構成 と比較して格段に簡易であり、小形で軽量か つ廉価とすることができる。なお、動力切替 機構はこの態様に限定されず、例えば、周知 のドッグクラッチを用いることもできる。

前記第1入力軸及び前記第2入力軸は、一方 棒状とされ他方が筒状とされて同軸内外に 置されている、ことでもよい。

小形軽量化の観点から2本の入力軸は同軸 外配置とすることが好ましく、副原動機は 外のいずれの入力軸に連結するようにして よい。なお、2本の入力軸を並行配置とする ともできる。

上述のハイブリッド車用動力伝達装置を対 象とする本発明の変速操作方法は、前記主原 動機及び前記副原動機の一方から第1のギヤ レーンを経て前記出力軸へ回転動力を伝達 ているときに、新たな第2のギヤトレーンを 合するギヤトレーン係合工程と、前記制御 作部からの制御により該主原動機及び該副 動機の他方を該第2のギヤトレーンを介して 該出力軸に同期させる同期工程と、該主原動 機及び該副原動機の両方から該出力軸へ回転 動力を伝達する並列工程と、該一方から該他 方へ回転動力を移行する移行工程と、を有す ることを特徴とする。

本発明の変速操作方法は、基本的にギヤト レーン係合工程、同期工程、並列工程、移行 工程の4工程を有し、変速操作の前後で使用 る原動機、入力軸、及びギヤトレーンの組 合わせにより以下に例示されるようにバリ ーションが派生する。

本発明の変速操作方法は、前記動力切替機 構をいずれの入力軸にも結合しない切り離し 状態とし、前記副原動機から前記第1入力軸 び第1のギヤトレーンを経て前記出力軸まで 転動力を伝達しているときに、前記第2入力 軸を始点とする新たな第2のギヤトレーンを 合するギヤトレーン係合工程と、前記制御 作部からの制御により前記主原動機を該第2 力軸に対して同期させる同期工程と、該動 切替機構を該第2入力軸に結合することによ り、該主原動機から該第2入力軸及び該第2の ヤトレーンを経て該出力軸に達する伝達経 を確立する並列工程と、該副原動機から該 原動機へ回転動力を移行する移行工程と、 有することでもよい。

駆動源を副原動機から主原動機へ移すとき には、基本的な4工程で変速操作を終えるこ ができる。ギヤトレーン係合工程により第2 ギヤトレーンが係合されると、第2入力軸は 出力軸に結合されて、出力軸側から駆動され ることになる。したがって、同期工程におい て主原動機を第2入力軸に対して同期させる 作は、主原動機を第2のギヤトレーンを介し 出力軸に同期させる操作と同義になる。ま 、並列工程で動力切替機構を該第2入力軸に 結合したとき、出力軸は副原動機及び主原動 機の両方から駆動され、一時的に並列運転状 態となる。並列運転状態から、移行工程にお いて副原動機を停止させつつ主原動機の出力 を増加させることにより、回転動力が移行さ れる。なお、駆動源を主原動機から副原動機 へ移すときも、同様の4工程で変速操作を終 ることができる。

本発明の変速操作方法は、前記副原動機を 休止し、前記動力切替機構を前記第2入力軸 結合して、前記主原動機から該第2入力軸及 第3のギヤトレーンを経て前記出力軸まで回 転動力を伝達しているときに、前記第1入力 を始点とする新たな第4のギヤトレーンを係 するギヤトレーン係合工程と、該副原動機 始動し該第1入力軸に対して同期させるとと もに該副原動機から該第1入力軸及び該第4の ヤトレーンを経て該出力軸に達する伝達経 を確立する予備同期並列工程と、該主原動 から該副原動機へ回転動力を移行し、その に該動力切替機構をいずれの入力軸にも結 しない切り離し状態とする予備移行工程と 前記制御操作部からの制御により該主原動 を該第1入力軸に対して同期させる同期工程 と、該動力切替機構を該第1入力軸に結合す ことにより、該主原動機から該第1入力軸及 該第4のギヤトレーンを経て該出力軸に達す る伝達経路を確立する並列工程と、該副原動 機から該主原動機へ回転動力を再度移行する 移行工程と、を有することでもよい。

また、本発明の変速操作方法は、前記副原 動機を休止し、前記動力切替機構を前記第1 力軸に結合して、前記主原動機から前記第1 力軸及び第5のギヤトレーンを経て前記出力 軸まで回転動力を伝達しているときに、該副 原動機を始動し該第1入力軸に対して同期さ るとともに該副原動機から該第1入力軸及び 第5のギヤトレーンを経て該出力軸に達する 伝達経路を確立する予備同期並列工程と、該 主原動機から該副原動機へ回転動力を移行し た後に、該動力切替機構をいずれの入力軸に も結合しない切り離し状態とする予備移行工 程と、該第2入力軸を始点とする新たな第6の ヤトレーンを形成するギヤトレーン形成工 と、前記制御操作部からの制御により該主 動機を該第2入力軸に対して同期させる同期 工程と、該動力切替機構を該第2入力軸に結 することにより、該主原動機から該第2入力 及び該第6のギヤトレーンを経て該出力軸に 達する伝達経路を確立する並列工程と、該副 原動機から該主原動機へ回転動力を再度移行 する移行工程と、を有することでもよい。

変速操作前後の駆動源は主原動機のままで 回転動力を伝達する入力軸を移すときには、 一旦副原動機に回転動力を移行し、動力切替 機構に結合される入力軸を切替操作した後に 、回転動力を主原動機に戻す操作となるため 、工程数が増加する。また、変速操作前後の ギヤトレーンがどちらの入力軸を始点として いるかにより、工程内容に変化が生じる。

さらに、上述の変速操作方法を応用するこ とにより、飛び越し変速操作や両原動機で駆 動する並列運転操作も行うことができる。

本発明のハイブリッド車用動力伝達装置は 、主原動機と第1入力軸との間、及び主原動 と第2入力軸との間を動力切替機構で選択的 結合するとともに、副原動機を第1入力軸に 常時連結し、主原動機及び副原動機の回転速 度を制御操作部から直接的に制御するように した。したがって、デュアルクラッチを用い て摩擦同期操作を行う必要がなく、かつ回転 動力を途切れさせないで変速操作を行う簡易 な装置を実現することができた。

また、主原動機をエンジンとし、副原動機 を発電機兼用モータとした態様では、全ての ギヤトレーンをエンジン駆動に用いることが でき、第1入力軸を始点とするギヤトレーン モータ駆動に用いることができ、エンジン 力や制動時の回生エネルギを第1入力軸から 電機兼用モータに入力することにより電力 生成することができる。つまり、装置構成 簡素化しても、従来のハイブリッド車と同 の機能を維持しつつ、回転動力を途切れさ ないというデュアルクラッチの特徴的機能 付与することができた。

さらに、モータが連結された第1入力軸を 点として第1速の前記ギヤトレーンを配設し 態様では、第1速による発進及び低速走行を モータ駆動で行うことができて、総合効率の 向上に効果的である。

また、動力切替機構として、主原動機の主 出力軸とともに回転しかつ軸方向移動可能に スプライン嵌合で保持されるスリーブを用い た態様は、従来の動力切換クラッチ及び変速 用クラッチを併用する構成と比較して格段に 簡易であり、小形で軽量かつ廉価とすること ができる。

本発明の実施例のハイブリッド車用動 伝達装置を模式的に説明する図である。 図1の実施例において、変速操作方法を 説明するフローチャートの図である。

本発明を実施するための最良の形態を、図 1及び図2を参考にして説明する。図1は本発明 の実施例のハイブリッド車用動力伝達装置を 模式的に説明する図である。実施例のハイブ リッド車用動力伝達装置1は、エンジン91を主 原動機とし、モータ94を副原動機として、デ ァレンシャル装置97に回転動力を伝達出力 る装置である。動力伝達装置1は、動力切替 構2、第1入力軸3及び第2入力軸4、複数のギ トレーン51~55及び5R、出力軸6、制御操作部7 構成されている。

第1入力軸3は筒状に形成され、第2入力軸4 棒状に形成されている。第2入力軸4が第1入 軸3を図中左方に突き抜けるように同軸内外 配置されている。第1入力軸3及び第2入力軸4 は、後述するようにそれぞれの図中右端で動 力切替機構2に選択的に結合されるようにな ている。出力軸6は両入力軸3、4の図中下方 て、両入力軸3、4に平行して配置されている 。出力軸6の図中右端には出力歯車61が一体に 設けられている。出力歯車61は、デファレン ャル装置97の入力歯車98に噛合して回転動力 を出力するように構成されている。なお、第 1入力軸3、第2入力軸4、及び出力軸6は、図略 軸受部により図略のケーシングに回動自在 軸支されている。

第1入力軸3の図中右寄りの外周側には、モ タ94のロータ95が第1入力軸3と一体的に回転 るように設けられている。一方、ロータ95 対向する外周のケーシング側にステータ96が 設けられている。ステータ96は、制御操作部7 と電力をやりとりするように構成されて、モ ータ94は発電機を兼ねている。そして、制御 作部7から所定の周波数の電力がステータ96 入力されると、モータ94は所定の回転速度 副原動機として作用する。逆に、第1入力軸3 から回転動力がロータ95に入力されると、モ タ94は電力を生成して制御操作部7に出力す 。生成された電力は、一旦図略のバッテリ 蓄えられて、車両内の図略の電気負荷に供 され、またモータ94駆動時の走行に消費さ るようになっている。

動力切替機構2は、エンジン91の回転動力を 選択的に伝達する機構である。動力切替機構 2は、切替操作部材としてスリーブ21を有して いる。詳述すると、エンジン91の主出力軸92 外周側には駆動側内スプライン93が設けられ ている。第1入力軸3及び第2入力軸4の図中右 は拡径されてその外周側にそれぞれ、従動 第1内スプライン31及び従動側第2内スプライ 41が設けられている。第1入力軸3の従動側第 1内スプライン31及び第2入力軸4の従動側第2内 スプライン41は、等径、同ピッチの同一仕様 されている。図示されるように、従動側第1 内スプライン31及び従動側第2内スプライン41 、軸方向に間隔を開けて配置されている。 方、スリーブ21は略筒状とされ、スリーブ21 の内周側の図中右側に駆動側外スプライン22 設けられている。スリーブ21の内周側の図 左側に従動側外スプライン23が設けられてい る。スリーブ21の駆動側外スプライン22は主 力軸92の駆動側内スプライン93に常時嵌合し いる。スリーブ21は、主出力軸92とともに回 転しかつ軸方向に移動可能となっている。ス リーブ21の従動側外スプライン23は、軸方向 中左側に移動したときに第1入力軸3の従動側 第1内スプライン31に嵌合する。また、スリー ブ21の従動側外スプライン23は、軸方向右側 移動したときに第2入力軸4の従動側第2内ス ライン41に嵌合する。これにより、スリーブ 21はエンジン91の回転動力を選択的に各入力 3、4に伝達するようになっている。また、ス リーブ21の従動側外スプライン23は、図中左 いずれにも移動していないときに2つの従動 内スプライン31、41の中間に位置し、回転動 力を伝達しない切り離し状態となるように構 成されている。図1では、スリーブ21は軸方向 図中左側に移動して、エンジン91から第1入力 軸3へ回転動力を伝達している状態が示され いる。

複数のギヤトレーン51~55及び5Rは、選択的 係合することにより回転動力を伝達すると もに、互いに異なる変速比を有するように 成されている。第1速、第3速、第5速の各ギ トレーン51、53、55は、第1入力軸3に図中左側 から配置された符号略の各駆動歯車と、対向 して出力軸6に配置された符号略の各従動歯 とがそれぞれ対になって噛合することによ 形成されている。同様に、第2速、第4速の各 ギヤトレーン52、54は、第2入力軸4に図中左側 から配置された各駆動歯車と、対向して出力 軸6に配置された各従動歯車とがそれぞれ対 なって噛合することにより形成されている また、後進用ギヤトレーン5Rは、第1入力軸3 設けられた後進駆動歯車と出力軸6に設けら れた後進従動歯車とが中間歯車を介して噛合 することにより形成されている。なお、各ギ ヤトレーン51~55及び5Rは、周知の図略のシン ロメッシュ機構により選択的に係合される うに構成されている。

制御操作部7は、エンジン91及びモータ94の 転速度を制御するとともに、動力切替機構2 を切替操作するものである。制御操作部7は 図示されていない電子制御装置、各種アク ュエータ、各種センサ、及び電源供給部で 成されている。エンジン91の回転速度の制御 は、主出力軸92の回転数を検出して、燃料供 量や給気量を調整することにより行なわれ 。モータ94の回転速度の制御は、電源供給 から供給する電力の周波数や電圧を調整し モータに供給することにより行なわれる。 た、動力切替機構2の切替操作は、油圧や電 のアクチュエータでスリーブ21を操作する とにより行なわれる。これらの制御及び操 の方法は特に限定されず、周知の技術を適 することができる。

次に、上述の実施例のハイブリッド車用動 力伝達装置1の操作方法及び作用について説 する。最初に、車両停止状態からの発進操 方法について説明する。車両停止状態では エンジン91及びモータ94は停止しており、動 切替機構2は切り離し状態とされ、ギヤトレ ーン51~55及び5Rはいずれも係合されていない ここでまず、第1入力軸3を始点とする第1速 ヤトレーン51がシンクロメッシュ機構により 係合される。次に、制御操作部7が電源供給 からモータ94に電力を供給すると、モータ94 始動して第1入力軸3が回転し始める。そし 、第1速ギヤトレーン51を介して出力軸6から ファレンシャル装置97に回転動力が出力さ る。これにより、車両は第1速で発進し走行 る。

続いて、モータ94駆動の第1速からエンジン 91駆動の第2速へのシフトアップ変速操作につ いて、図2を参考に説明する。図2は、本発明 実施例のハイブリッド車用動力伝達装置1の 変速操作方法を説明するフローチャートの図 である。第1速走行中に第2速への変速要求が じると、まずギヤトレーン係合工程P1で、 2入力軸4を始点とする第2速ギヤトレーン52が シンクロメッシュ機構により係合される。次 に同期工程P2で、制御操作部7からの制御によ りエンジン91が始動され、エンジン91の回転 度が第2入力軸4に対して同期される。つまり 、エンジン91は、第2入力軸4及び第2速ギヤト ーン52を介して出力軸6に同期される。次に 列工程P3で、動力切替機構2が第2入力軸4に 合されると、エンジン91から出力軸6へ回転 力を伝達するようになる。つまり、エンジ 91とモータ94とが並列運転される。最後に移 工程P4で、モータ94の出力を減少させつつエ ンジン91の出力を増加させる。そして、最終 にモータ94を休止させることにより、回転 力が移行されて、変速操作が終了する。

続いて、エンジン91駆動の第2速からエンジ ン91駆動の第3速への変速操作について説明す る。第2速走行中に第3速への変速要求が生じ と、まずギヤトレーン係合工程で、第1入力 軸3を始点とする第3速ギヤトレーン53がシン ロメッシュ機構により係合される。次に予 同期並列工程で、モータ94が始動され、モー タ94の回転速度が第1入力軸3に対して同期さ る。つまり、モータ94からも第1入力軸3及び 3速ギヤトレーン53を経て出力軸6に回転動力 が伝達され、エンジン91とモータ94とが並列 転される。次に予備移行工程で、エンジン91 からモータ94へ回転動力が移行され、その後 動力切替機構2が切り離し状態とされる。次 に同期工程で、エンジン91の回転速度が第1入 力軸3に対して同期される。次に並列工程で 動力切替機構2が第1入力軸3に結合され、エ ジン91から第1入力軸3及び第3速ギヤトレーン 53を経て出力軸6に達する伝達経路が確立され 、エンジン91とモータ94とが並列運転される 最後に移行工程で、モータ94の出力を減少さ せつつエンジン91の出力を増加させる。そし 、最終的にモータ94を休止させることによ 、回転動力が移行されて、変速操作が終了 る。

続いて、エンジン91駆動の第3速からエンジ ン91駆動の第4速への変速操作について説明す る。第3速走行中に第4速への変速要求が生じ と、まず予備同期並列工程で、モータ94が 動され、モータ94の回転速度が第1入力軸3に して同期される。つまり、モータ94からも 1入力軸3及び第3速ギヤトレーン53を経て出力 軸6に回転動力が伝達され、エンジン91とモー タ94とが並列運転される。次に予備移行工程 、エンジン91からモータ94へ回転動力が移行 され、その後に動力切替機構2が切り離し状 とされる。次にギヤトレーン形成工程で、 1入力軸2を始点とする第4速ギヤトレーン54が シンクロメッシュ機構により係合される。次 に同期工程で、エンジン91の回転速度が第2入 力軸4に対して同期される。次に並列工程で 動力切替機構2が第2入力軸4に結合され、エ ジン91から第2入力軸4及び第4速ギヤトレーン 54を経て出力軸6に達する伝達経路が確立され 、エンジン91とモータ94とが並列運転される 最後に移行工程で、モータ94の出力を減少さ せつつエンジン91の出力を増加させる。そし 、最終的にモータ94を休止させることによ 、回転動力が移行されて、変速操作が終了 る。

以下、第4速から第5速へのシフトアップ変 操作も、第2速から第3速への変速操作と同 にして行うことができる。また高速側から 速側へのシフトダウン変速動作や飛び越し 速操作も、同様にして行うことができる。

なお、モータ94の発電作用は、奇数速のギ トレーン51、53、55での走行時にはエンジン9 1から直接第1入力軸3に回転動力が入力される ことで実現される。また、モータ94の発電作 は、偶数速のギヤトレーン52、54での走行時 にはエンジン91から出力軸6を介して第1入力 3に回転動力が入力されることで実現される さらに、制動により回生エネルギが発生し いる時も、出力軸6を介して第1入力軸3に回 動力が入力されて、モータ94の発電作用が 現される。

以上説明したように、本実施例では、制御 操作部7からの直接的な制御によりエンジン91 及びモータ94の回転速度を調整して同期させ ようにしている。したがって、従来のよう 摩擦係合により同期を達成する摩擦クラッ に替えて、スリーブを用いた簡易な構造の 力切替機構2を用いることができ、装置の小 形軽量化及び低廉化を達成することができた 。

1:ハイブリッド車用動力伝達装置
2:動力切替機構             21:スリー
3:第1入力軸
4:第2入力軸
51~55:第1速~第5速ギヤトレーン  5R:後進ギヤ レーン
6:出力軸
7:制御操作部
91:エンジン    94:モータ    97:
デファレンシャル装置