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Patent Searching and Data


Title:
PRESSURE REGULATING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084767
Kind Code:
A1
Abstract:
A pressure regulator (1) is provided with a housing (2), which has a small diameter channel (6) having an inflow port (9) and a large diameter channel (5) having a fluid outflow port (12). The small diameter channel (6) and the large diameter channel (5) communicate with each other in the housing (2), and an opening (8) of the small diameter channel (6) is formed to face the large diameter channel (5) at a connecting section between the small diameter channel (6) and the large diameter channel (5). A ball (3) abutting to the periphery (11) of the opening (8) is arranged in the large diameter channel (5). The ball (3) is brought into pressure-contact with the periphery (11) by a valve spring (4), and a valve section (16) is formed. Since the opening area of the channel does not change before the valve section (16), pressure loss is not generated before the valve section (16), and pressure gradient is suppressed.

Inventors:
SHIMOGAWA MAKI (JP)
IKARUGI TAKAO (JP)
ONO TOMOHIRO (JP)
HOMMA BUNJI (JP)
HAYASAKA ATSUSHI (JP)
KIKUCHI MASAHIKO (JP)
ARAI TOSHIHIRO (JP)
FUKUDA MICHIRU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050013
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
January 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBA CORP (JP)
KEIHIN CORP (JP)
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
SHIMOGAWA MAKI (JP)
IKARUGI TAKAO (JP)
ONO TOMOHIRO (JP)
HOMMA BUNJI (JP)
HAYASAKA ATSUSHI (JP)
KIKUCHI MASAHIKO (JP)
ARAI TOSHIHIRO (JP)
FUKUDA MICHIRU (JP)
International Classes:
F16K17/04; F02M37/00; F02M69/00
Foreign References:
JPH0224170U1990-02-16
JPH11148442A1999-06-02
JP2005214303A2005-08-11
JPS59196779U1984-12-27
DE19509776A11996-09-19
Attorney, Agent or Firm:
TAKANO, Yasushi (Miyamasuzaka-Toho-Estate 6021-12-12, Shibuya, Shibuya-ku, Tokyo 02, JP)
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Claims:
 流体流入口を備えた小径流路と、流体流出口を備え前記小径流路と連通して設けられた大径流路とを有し、前記小径流路と前記大径流路との接続部に、前記大径流路に臨んで前記小径流路の開口が形成されたハウジングと、
 前記大径流路内に配置され、前記開口の周縁部に当接することにより前記小径流路を閉鎖する弁体と、
 前記大径流路内に配置され、前記弁体を前記周縁部に圧接させる弾性部材とを有することを特徴とする圧力制御装置。
 請求項1記載の圧力制御装置において、前記大径流路は、前記小径流路側の端部に下流側に向かって拡径するテーパ部を有し、前記テーパ部の前記大径流路垂直断面に対する傾斜角をθ、前記小径流路の内径をD1、前記弁体の外径をD2としたとき、前記θの正弦sinθが(D1/D2)以下であることを特徴とする圧力制御装置。
 請求項1記載の圧力制御装置において、前記小径流路の内径D1が、2.0mm以上、4.0mm以下であることを特徴とする圧力制御装置。
 請求項1記載の圧力制御装置において、前記圧力制御装置の前段に流体中のダストを除去するフィルタを配置すると共に、最小流量時における前記弁体の開弁距離が前記フィルタを通過可能な最大粒子径の1.3~1.7倍であることを特徴とする圧力制御装置。
 請求項1記載の圧力制御装置において、前記小径流路を形成する貫通孔を有するリング部材を前記ハウジング内に装着し、前記貫通孔の開口により前記開口を形成することを特徴とする圧力制御装置。
 請求項5記載の圧力制御装置において、前記リング部材は、底部に前記貫通孔を有する有底円筒形状に形成され、前記弾性部材を保持するリテーナとしても使用可能であることを特徴とする圧力制御装置。
 請求項6記載の圧力制御装置において、前記リング部材及び前記リテーナとして使用可能な共用部品はプレス加工にて形成され、該プレス加工時に生じるエッジが前記共用部品の周壁部の外周側に形成されてなることを特徴とする圧力制御装置。
Description:
圧力制御装置

 本発明は、流体圧力の調整を行う圧力制 装置に関し、特に、エンジンの燃料供給系 使用される圧力制御装置に関する。

 自動二輪車や四輪乗用車等の車両(以下、 自動二輪車等と略記する)の燃料供給システ や油圧回路などの流体送給系では、流体の 力が過大になるのを防止するため種々の圧 制御装置が用いられている。このような圧 制御装置としては、ダイヤフラム式やバル 式のプレッシャレギュレータが知られてい 。例えば、特開平9-166059号公報(特許文献1)に は、チェックバルブタイプの圧力制御弁を備 えた燃料供給装置が示されている。特許文献 1の圧力制御弁では、圧縮コイルスプリング よって保持された弁体(スリーブ)の移動によ り、弁の開閉が制御され、燃料供給装置から 吐出される燃料の圧力(燃圧)が調整される。 た、実開昭48-46220号公報(特許文献3)には、 状面を備えたバルブとスプリングを用いた 力制御弁が開示されている。

 図10は、バルブ式のプレッシャレギュレ タの構成を示す説明図である。図10のプレッ シャレギュレータ51では、小径流路52と大径 路53との境界部に、弁体として、ボール54が 置されている。プレッシャレギュレータ51 、金属製のハウジング55内に、鋼製のボール 54とバルブスプリング56が収容されている。 ウジング55内には、大径流路53が貫通形成さ ている。大径流路53の上流側(図中下方側)に は、小径流路52が形成されている。大径流路5 3内には、ボール54とバルブスプリング56が収 されている。大径流路53の小径流路52側の端 部には、テーパ部57が形成されている。テー 部57は、上流側から下流側に向かって拡径 ている。テーパ部57の上流側(下端)は、小径 路52の開口58となっている。小径流路52の上 側の端部には、流入口59が設けられている

 一方、大径流路53の下流側の端部は、流出 61となっている。流出口61には、リテーナ62 固定されている。リテーナ62は、リング状に 形成されている。リテーナ62の上流側(下端面 )には、バルブスプリング56の一端側が当接し ている。バルブスプリング56には、コイルバ が使用されている。バルブスプリング56の 端側は、ボール54に当接している。ボール54 、バルブスプリング56の付勢力によって、 常時はテーパ部57に圧接されている(閉弁状 )。これに対し、小径流路52側から流体圧が わり、流体圧がバルブスプリング56の付勢力 に勝ると、ボール54が上方に移動する。これ より、テーパ部57とボール54との間に隙間が 生じ、開弁状態となる。また、流体圧が低下 し、バルブスプリング56の付勢力が流体圧に ると、バルブスプリング56の付勢力によっ 、ボール54が下方に移動する。そして、ボー ル54がテーパ部57に当接し、閉弁状態となる

特開平9-166059号公報

特開平6-117549号公報

実開昭48-46220号公報

 しかしながら、図10のような従来のバル 式プレッシャレギュレータでは、テーパ部57 でボール54を受ける構成となっているため、 のような問題があった。まず、第1に、図10 プレッシャレギュレータ51は、ボール54がテ ーパ部57と接触・離脱するバルブ部63と、小 流路52の開口58との間に距離があり、バルブ 63と開口58の間では、流路が徐々に小さくな る(図3(a)参照)。すなわち、バルブ部63と開口5 8との間の弁前流路部64では、開口58からバル 部63に向かって、流路面積が徐々に小さく る。このため、プレッシャレギュレータ51で は、バルブ部63より前の流路での圧損が大き なり、その分、圧力勾配が高くなるという 題があった。

 一般に、小型二輪車では、燃料流量が最 40(l/h)の場合、250~350(kPa)程度の実制御圧力範 囲が求められる。ところが、図10のようなプ ッシャレギュレータは圧力勾配が高く、圧 制御装置としての機能成立範囲が狭いため 小型二輪車で求められる仕様を満たすこと 難しい。このため、従来より、バルブ式の レッシャレギュレータでは、車両燃料配管 のシステム燃圧を一定に制御する性能は得 れない、と考えられていた。バルブ式のプ ッシャレギュレータは、一般的なダイヤフ ム式のプレッシャレギュレータに比べて、 常に安価で小型、シンプルな構造であり、 きなコスト低減メリットが期待できる。し しながら、このようなメリットがあるにも かわらず、前述のような事情のため、自動 や二輪車等の車両には、実際のところ、余 使用されていないのが実情であった。

 また、第2の問題点として、図10のような レッシャレギュレータ51では、ボール54とテ ーパ部57との接触距離が大きくなり、その分 接触状態にバラツキが生じ易い、という問 があった。このため、ボール54とテーパ部57 と間にシール面が形成されづらく、シール性 確保が難しいという問題が生じていた。この 場合、テーパ部57に対し、ボール54によって ンチングを行えば、シール面の形成という では改善される。しかしながら、テーパ部57 の角度やポンチングの深さ寸法など、受圧面 積を決定するバラツキ因子が多くなり、製品 性能のバラツキが大きくなるという問題が生 じる。

 本発明の目的は、バルブ式のプレッシャ ギュレータの圧力勾配を改善すると共に、 圧面積のバラツキを低減させ製品性能の安 化を図ることにある。

 本発明の圧力制御装置は、流体流入口を えた小径流路と、流体流出口を備え前記小 流路と連通して設けられた大径流路とを有 、前記小径流路と前記大径流路との接続部 前記大径流路に臨んで前記小径流路の開口 形成されたハウジングと、前記大径流路内 配置され、前記開口の周縁部に当接するこ により前記小径流路を閉鎖する弁体と、前 大径流路内に配置され、前記弁体を前記周 部に圧接させる弾性部材とを有することを 徴とする。

 本発明にあっては、弁体が小径流路の開 周縁部に当接するため、弁体以前の流路が 径一定の小径流路となるため、流路開口面 に変化がない。このため、弁体前の流路で 圧損が生じず、圧力勾配が低く抑えられる また、弁体を開口周縁部にて受けるため、 ンチングによるバルブ面形成が容易であり シール面を容易に確保できる。さらに、受 面積を決定するバラツキ因子が開口径のみ なり、寸法精度が出し易く、製品性能のバ ツキも抑えられる。

 前記圧力制御装置において、前記大径流 の前記小径流路側の端部に下流側に向かっ 拡径するテーパ部を設けると共に、前記テ パ部の前記大径流路垂直断面に対する傾斜 をθ、前記小径流路の内径をD1、前記弁体の 外径をD2としたとき、前記θの正弦sinθが(D1/D2 )以下に設定するようにしても良い。これに り、大径流路端部にテーパ部を設けた場合 あっても、弁体がテーパ部に当接せず、小 流路の開口周縁部に当接する。

 また、前記圧力制御装置において、前記 径流路の内径D1を2.0mm以上、4.0mm以下に設定 ても良い。D1を2.0mm以上に設定することによ り、圧力勾配を低くすることができ、例えば 、小型二輪車等の燃料供給系に求められる仕 様を満たすことが可能となる。一方、D1を4.0m m以下に設定することにより、開弁時におけ 弁体と開口周縁部との間の距離(開弁距離)を 10μm以上とすることができ、ダストの噛み込 を防止し、信頼性の向上が図られる。

 さらに、本発明の圧力制御装置では、当 圧力制御装置の前段に流体中のダストを除 するフィルタを配置すると共に、最小流量 における前記弁体の開弁距離が前記フィル を通過可能な最大粒子径の1.3~1.7倍となるよ うに設定しても良い。これにより、フィルタ を通過したダストが開弁時に弁体と開口との 間をスムーズに通過し、弁体周囲に異物が堆 積するのを防止できる。

 加えて、前記圧力制御装置において、前 小径流路を形成する貫通孔を有するリング 材を前記ハウジング内に装着し、前記貫通 の開口により前記開口を形成しても良い。 の場合、前記リング部材を、底部に前記貫 孔を有する有底円筒形状に形成することに り、前記弾性部材を保持するリテーナとし も使用できるようにしても良い。また、こ ような、リング部材及びリテーナとして使 可能な共用部品をプレス加工にて形成する 共に、プレス加工時に生じるエッジが前記 用部品の周壁部の外周側に形成されるよう しても良い。これにより、共用部品をハウ ング内に装着する際、形成されたエッジが け止めとして機能し、共用部品がより確実 ハウジング内に固定される。

 本発明の圧力制御装置によれば、小径流 と大径流路とを有し、両者の接続部に大径 路に臨んで小径流路の開口が形成されたハ ジングと、大径流路内に配置され小径流路 開口周縁部に当接する弁体と、弁体を周縁 に圧接させる弾性部材とを設けたことによ 、弁体以前の流路開口面積の変化をなくし 弁体前の流路における圧損が抑えることが 能となる。このため、圧力制御装置におけ 圧力勾配を低く抑えることができ、例えば 従来、採用が難しいとされていた自動二輪 等の燃料供給系にもバルブ式のプレッシャ ギュレータを使用することが可能となる。

 また、本発明の圧力制御装置によれば、 径流路の内径D1を2.0mm以上、4.0mm以下に設定 ることにより、圧力勾配を低くすることが き、例えば、小型二輪車等の燃料供給系に められる仕様を満たすことが可能となる。 た、開弁距離を10μm以上とすることができ ダストの噛み込みを防止し、製品の信頼性 上を図ることも可能となる。

 さらに、本発明の圧力制御装置によれば 最小流量時における弁体開弁距離を、フィ タを通過可能な最大粒子径の1.3~1.7倍となる ように設定することにより、開弁時にダスト をスムーズに通過させることができ、弁体周 囲に異物が堆積するのを防止することが可能 となる。

本発明の実施例1であるプレッシャレギ ュレータ(圧力制御装置)の構成を示す断面図 ある。 ボールと開口との関係を示す説明図で る。 プレッシャレギュレータの流路開口面 の変化を示す説明図であり、(a)は従来のプ ッシャレギュレータ、(b)は本発明によるプ ッシャレギュレータにおける流路開口面積 変化を示している。 プレッシャレギュレータの圧力勾配を 較して示した説明図である。 本発明の実施例1であるプレッシャレギ ュレータにおける寸法関係を示す説明図であ り、(a)は小径流路の内径D1、(b)はバルブ部の 弁距離hをそれぞれ示している。 小径流路の内径D1を1.5mm,2.0mm,2.5mmとした 場合の圧力勾配を示す説明図である。 小径流路径D1と開弁距離hとの関係を示 説明図である。 本発明によるプレッシャレギュレータ 変形例を示す説明図である。 本発明によるプレッシャレギュレータ 他の変形例を示す説明図である。 バルブ式のプレッシャレギュレータの 構成を示す説明図である。

符号の説明

 1  プレッシャレギュレータ(圧力制御装置)
 2  ハウジング           3  ボール( 体)
 4  バルブスプリング(弾性部材)  5  大径 流路
 6  小径流路            7  テーパ部
 8  開口              9  流入口(流 流入口)
11  周縁部            12  流出口(流 流出口)
13  リテーナ           13a フック孔
14  連通孔            15  凹部
16  バルブ部
21  プレッシャレギュレータ(圧力制御装置)
25  スプリング固定部       26  フック
27  シートリング         28  大径流路
28a 内周壁            29  共用部品
29a 開口             29b 周壁部
51  プレッシャレギュレータ    52  小径 路
53  大径流路           54  ボール
55  ハウジング          56  バルブス リング
57  テーパ部           58  開口
59  流入口            61  流出口
62  リテーナ           63  バルブ部
64  弁前流路部          D1  小径流路
D2  ボール直径          Db  ボール断 径
Rb  ボール半径          θ   テーパ 傾斜角度
h   開弁距離

 以下、本発明の実施例を図面に基づいて 細に説明する。

 図1は、本発明の実施例1であるプレッシ レギュレータ(圧力制御装置)の構成を示す断 面図である。図1のプレッシャレギュレータ1 、例えば、自動二輪車等の燃料供給系に使 され、エンジンに送給される燃料の圧力を 定レベルに調整する。

 プレッシャレギュレータ1は、金属製のハ ウジング2内に、鋼球からなるボール(弁体)3 バルブスプリング(弾性部材)4を収容した構 となっている。ハウジング2内には、下流側( 図中上方側)に大径流路5が、上流側に小径流 6が形成されている。大径流路5と小径流路6 互いに連通しており、ハウジング2内を流路 方向(図1において上下方向)に貫通している。 大径流路5内には、ボール3とバルブスプリン 4が収容されている。大径流路5の小径流路6 の端部には、テーパ部7が形成されている。 テーパ部7は、上流側から下流側に向かって 径する形で設けられている。テーパ部7の上 側(下端)には、大径流路5に臨んで、小径流 6の開口8が形成されている。小径流路6の上 側の端部には、流入口(流体流入口)9が設け れている。

 プレッシャレギュレータ1では、ボール3 、小径の小径流路6と大径の大径流路5との境 界部(接続部)に、小径流路6の開口8を塞ぐよ な形で設けられている。ボール3は、開口8の 周縁部11に当接しており、小径流路6の孔径が すなわちバルブ受圧径となっている。なお、 周縁部11には、ポンチングにより、開口8のエ ッジを塑性変形させてバルブ面が形成されて いる。ボール3は、このバルブ面に密接する で周縁部11に当接しており、厳密に言えば、 バルブ面の内径寸法がバルブ受圧径となる。

 一方、大径流路5の下流側の端部は、流出 口(流体流出口)12となっている。流出口12には 、リテーナ13が固定されている。リテーナ13 リング状に形成されており、その上流側(下 面)には、バルブスプリング4の一端側が当 している。リテーナ13の中央部には、ハウジ ング2の内外を連通させる連通孔14が形成され ている。また、リテーナ13の下面には、凹部1 5が形成されている。凹部15には、バルブスプ リング4の外周部が圧入固定されている。

 一般に、バルブ式のプレッシャレギュレ タに燃料が流れると、ボール周辺では燃料 流れが必ずしも均一にならない。このため 開弁時にボールに回転力が加わり、バルブ プリングがボールと共に回転する場合があ 。バルブスプリングが回転すると、バルブ の開弁面積が安定せず、制御特性が不安定 なったり、振動音が発生したりするおそれ ある。また、回転による擦れにより、摩耗 が発生する可能性もある。これに対し、プ ッシャレギュレータ1では、バルブスプリン グ4が凹部15に圧入固定されているため、開弁 時におけるバルブスプリング4の回転が抑え れる。従って、バルブの特性を安定させる とができ、振動音や摩耗も抑えられる。

 バルブスプリング4はコイルバネからなり 、その他端側はボール3に当接している。ボ ル3は、バルブスプリング4の付勢力によって 、通常時は、開口8の周縁部11に圧接されてい る(閉弁状態)。これに対し、小径流路6側から 流体圧が加わり、流体圧がバルブスプリング 4の付勢力に勝ると、ボール3が上方に移動し 周縁部11とボール3との間に隙間が生じ、開 状態となる。また、流体圧が低下し、バル スプリング4の付勢力が勝ると、バルブスプ リング4の付勢力によってボール3が下方に移 して周縁部11に当接し、小径流路6を閉鎖し 閉弁状態となる。

 ここで、本発明によるプレッシャレギュレ タ1では、図10のプレッシャレギュレータ51 比して、テーパ部7の傾斜角度θ(テーパ部7の 大径流路垂直断面に対する傾斜角)が小さく 定されている。このため、ボール3は、テー 部7ではなく、開口8の周縁部11に当接するよ うになっている。図2は、ボール3と開口8との 関係を示す説明図である。この場合、ボール 3は、小径流路6の内径をD1とすると、テーパ 7とボール3との接触位置におけるボール断面 径DbがD1以下の場合(Db≦D1)、図2に示すように ボール3が周縁部11に当接する。Dbは、ボー 直径をD2(=2Rb)とすると、Db=2Rbsinθ=D2sinθとな 。従って、ボール3が周縁部11に当接する条 は、
   Db≦D1
   D2sinθ≦D1
   sinθ≦(D1/D2)
となり、プレッシャレギュレータ1は、これ 満たすようなθに設定されている。

 テーパ部7の傾斜角度θをこのような設定 し、ボール3が開口8の周縁部11に当接する構 成とすると、当該プレッシャレギュレータ1 は、ボール3が接触・離脱するバルブ部16は 小径流路6の開口8そのものとなる。すなわち 、プレッシャレギュレータ1においては、図10 のプレッシャレギュレータ51のように、バル 部63と開口58との間に、流路面積が徐々に小 さくなる弁前流路部64が存在しない。図3は、 プレッシャレギュレータ51,1の流路開口面積 変化を比較して示した説明図であり、(a)は レッシャレギュレータ51、(b)はプレッシャレ ギュレータ1における流路開口面積の変化を れぞれ示している。

 図3(a)に示すように、プレッシャレギュレ ータ51では、小径流路52から開口58を経て、弁 前流路部64にて流路開口面積が減少する。そ 後、バルブ部63の弁間隙にて開口面積が極 値を取り、テーパ部57にて開口面積が徐々に 増加し、大径流路53に至っている。これに対 、プレッシャレギュレータ1では、図3(b)に すように、小径流路6から開口8を経て、その 周縁部11における弁間隙にて開口面積が急減 て極小値となる。そして、その後、テーパ 7にて開口面積が増加し、大径流路5に至る

 図3からも明らかなように、プレッシャレ ギュレータ1では、バルブ部16以前の流路では 開口面積に変化がなく、このため、バルブ部 16前の流路では圧損が生じない。従って、プ ッシャレギュレータ1は、プレッシャレギュ レータ51に比して、圧力勾配を低く抑えるこ が可能となる。図4は、プレッシャレギュレ ータ1,51の圧力勾配を比較して示した説明図 ある。図4に実線にて示したように、プレッ ャレギュレータ1の圧力勾配は、プレッシャ レギュレータ51よりも大幅に傾斜が小さくな ている。このため、従来、採用が難しいと れていた自動二輪車等の燃料供給系にもバ ブ式のプレッシャレギュレータを使用する とが可能となる。

 また、当該プレッシャレギュレータ1にお いては、ボール3を開口8のエッジ(周縁部11)に て受けるため、ポンチングによるバルブ面形 成が容易である。このため、テーパ面にポン チングを行う場合よりも、シール面を容易に 確保できる。さらに、受圧面積を決定するバ ラツキ因子として、テーパ部の加工寸法が除 かれ、バラツキ因子は、開口8の孔径のみと る。この場合、開口8の加工、すなわち、小 流路6の加工は容易な孔加工であり、寸法精 度も出し易い。従って、受圧面積のバラツキ も抑えることができ、製品性能のバラツキも 小さく抑えることが可能となる。

 次に、本発明の実施例2であるプレッシャ レギュレータ21について説明する。図5は実施 例2のプレッシャレギュレータ21における寸法 関係を示す説明図であり、(a)は小径流路6の 径D1、(b)はバルブ部16の開弁距離hをそれぞれ 示している。なお、当該実施例では、実施例 1と同様の部材、部分については同一の符号 付し、その説明は省略する。

 前述のように、実施例1のプレッシャレギ ュレータ1では、従来のテーパ受けのプレッ ャレギュレータに比して圧力勾配を低く抑 ることが可能である。一方、バルブ式プレ シャレギュレータの圧力勾配は、小径流路 D1の圧損と、バルブ部16の開弁距離hによる圧 損の合算により決定される。開弁距離hによ 圧損は、バルブ部16の細部形状や、バルブス プリング4の仕様等により、出来るだけ小さ なるように調整できる。しかしながら、開 時の隙間は微小であり、流体の粘性抵抗も きいため、ある程度の勾配は避けられず、 整にも限界がある。これに対し、小径流路 D1による圧損は、寸法・流量等により決まっ た値を取る。このため、D1に基づく圧損は、 レッシャレギュレータ全体の圧力勾配とし 合算されてしまうものの、孔径を大きくす ば0に近付けることが可能である。

 図6は、D1を1.5mm,2.0mm,2.5mmとした場合の圧 勾配を示す説明図である。図6における領域P は、小型二輪車にて求められるプレッシャレ ギュレータ仕様(燃料流量:最大40(l/h)、燃圧:30 0±50(kPa))を示している。図6に示すように、D1 2.0mmの場合が領域Pの境界であり、D1を1.5mmと すると、勾配がきつく領域Pを外れてしまう( 域Q)。従って、小型二輪車への適用を考え 場合、制御圧力を所定仕様範囲内に収める は、小径流路径D1を2.0mm以上にする必要があ 。

 発明者らの実験によれば、D1=2.0mmのオリ ィスにガソリン相当燃料を流した場合、0→1 00(l/h)のとき、約40(kPa)の圧損が生じ、圧力勾 は約0.4(kPa)/(l/h)となった。これに対し、一 的な乗用車(四輪)に搭載されているプレッシ ャレギュレータでは、シート径(孔径)2.0mmの 品の圧力勾配は約0.2前後である。従って、 ンプ流量範囲やインジェクタの制御方法、 計安全率等を勘案し、システム全体として 来品の約2倍まで特性低下が許容されるとし 場合、小径流路径D1は2.0mm以上が必要となる 。このため、自動二輪車や乗用車への適用を 考えると、小径流路径D1は2.0mm以上必要であ 、しかも、できるだけ大きい方が好ましい

 一方、バルブ部16の開弁距離hが小さいと バルブ部16にダストが噛み込み、プレッシ レギュレータに作動不良が生じるおそれが る。燃料供給系にはフィルタが設けられて るものの、フィルタメッシュ径以下のダス はそこを通過し、プレッシャレギュレータ にも流入する。従って、プレッシャレギュ ータでは、バルブ部におけるダスト通過を 慮した設計も必要となり、開弁距離hは、少 くともダスト粒径より大きくする必要があ 。図7は、300(kPa),15(l/h)の場合における孔径( 径流路径D1)と開弁距離hとの関係を示す説明 図である。図7の領域Rは、市場で比較的小さ メッシュ径である10μmの開弁距離hを満たす 囲を示している。

 図7に示すように、孔径が小さくなるほど 開弁距離hは大きくなる。発明者らの実験に れば、前述の条件下において10μmの開弁距離 hを確保するには、D1を約4.5mm以下にする必要 あることが分かった。ダスト通過を考慮す と、最小流量時の開弁距離hは、安全性を見 込み、フィルタを通過可能なダスト最大粒子 径の1.3倍以上に設定すれば良い。すなわち、 最小流量時におけるD1と開弁距離との関係か 、13μm程度の開弁距離が確保できる孔径(あ いはボール径)を設定することが好ましく、 図7より、D1は4.0mm以下に設定すれば良いこと なる。

 このように、ダスト通過を考慮すると、D 1は4.0mm以下が好ましく、できるだけ小さい方 がより好ましい。しかしながら、前述のよう に、D1の径を小さくすると、圧力勾配が高く り圧力制御装置としての仕様を満たさなく る。従って、ダスト通過と圧力勾配の要求 共に満足するためには、まず、最小流量時 開弁距離hとして、フィルタを通過可能なダ スト最大粒子径の1.5倍程度(1.3~1.7倍)を設定し 、D1を4.0mm以下とする。これにより、最小流 時においても、フィルタを通過したダスト ボール3と開口周縁部11との間をスムーズに 過し、ボール3の周囲に異物が堆積するのを 止することが可能となる。一方、圧力勾配 、D1が2mm未満となると急激に増大すること ら、D1は2.0mm以上とし、これにより、圧力勾 についても燃料制御装置としての仕様を満 させることが可能となる。

 そこで、これらの条件を総合し、小径流 径D1を2.0~4.0mmの範囲内、より好ましくは、2. 5~4.0mmに設定する。このような設定を採用す と、小径流路6による圧損を低減させて圧力 配を低く抑えつつ、ダストの噛み込みを防 可能なプレッシャレギュレータを得ること できる。なお、実施例2のプレッシャレギュ レータ21では、D1=3.5mmに設定されている。従 て、小径流路径D1を少なくとも2.0~4.0mmの範囲 内に設定することにより、バルブ式のプレッ シャレギュレータを実車にて使用可能な設定 とすることができると共に、装置の信頼性向 上も図られる。このため、自動二輪車等の燃 料供給系にもバルブ式のプレッシャレギュレ ータを採用することがさらに容易となり、ダ イヤフラム式のプレッシャレギュレータに比 して部品コストを大幅に低減させることが可 能となる。

 本発明は前記実施例に限定されるものでは く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更 能であることは言うまでもない。
 例えば、前述の実施例では、エンジンの燃 供給系に使用されるプレッシャレギュレー を例にとって説明したが、その用途はエン ンには限定されず、種々の油圧回路に適用 能である。また、調圧対象となる流体は、 ソリンや軽油などのエンジン燃料には限定 れず、水や空気、油圧回路の作動油などに 適用可能である。さらに、前述の実施例で 、弁体として球状の鋼球を用いたプレッシ レギュレータについて述べたが、下端部を 球状としたスリーブ状の部材などを弁体と て用いることも可能であり、プレッシャレ ュレータ自体の構成も前述のものには限定 れない。

 加えて、前述の実施例では、リテーナ13 下面に凹部15を設け、そこにバルブスプリン グ4の一端側を圧入固定する構成を示したが 図8(a)に示すように、リテーナ13の下面にス リング固定部25を突設させ、そこにバルブス プリング4の内周を圧入固定して回転止めを っても良い。これにより、前述同様、バル スプリング4の回転が抑えられ、バルブの特 を安定させることができる。また、図8(b)に 示すように、バルブスプリング4の一端側に ック26を形成し、これをリテーナ13に形成し フック孔13aに挿入する形でバルブスプリン 4の回転を止めても良い。

 一方、前述の実施例では、ハウジング2に 小径流路6を形成する形で、バルブ部16の開口 8を形成した例を示したが、図9(a)に示すよう 、シートリング(リング部材)27を別途形成し 、それを大径流路28の底部(テーパ部7は形成 ない)に装着(圧入固定)して開口8を形成して 良い。この場合、シートリング27の中央孔( 通孔)27aは小径流路6の一部となり、その開 が開口8となる。

 さらに、図9(b)に示すように、バルブスプ リング4を保持するリテーナ13と、バルブ部16 形成するシートリング27を同一部品として 両者の共用化を図ることも可能である。こ により、部品仕様を削減することができ、 品組付時の部品取り違えミスも防止できる このような共用部品29は、底部に中央孔29aを 有する有底円筒形状となっており、大径流路 28の内周壁28aに圧入固定される。その際、共 部品29では、プレス加工時に生じるエッジ 周壁部29bの外周側となるように形成されて り、このエッジが圧入後の抜け止めとして 能する。この場合も、上流側に配置された 用部品29の中央孔29aは小径流路6の一部とな 、その開口が開口8となる。

 なお、前述の実施例では、バルブスプリ グ4として、軸方向に沿って径の変わらない コイルバネを使用したものを示したが、図8,9 の変形例を含め、上方(下流側)に向けて外径 拡大するテーパスプリングを使用しても良 。