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Patent Searching and Data


Title:
PRINTING PLATE CYLINDER, PRINTING APPARATUS, AND METHOD FOR PRODUCING PRINTING PLATE CYLINDER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107706
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a printing plate cylinder onto which a sleeve printing plate can be removably attached. In the printing plate cylinder, lightweighting and heat radiation are enhanced while suppressing formation of rust. A printing plate cylinder (1) comprises a shaft portion (3) rotatable about the central axis (O), a tubular portion (5) formed cylindrically and arranged coaxially with the shaft portion (3) while being spaced apart from the outer circumferential surface (3a) of the shaft portion (3), and a rib (7) fixed integrally to the outer circumferential surface (3a) of the shaft portion (3) and the inner circumferential surface (5b) of the tubular portion (5) and connecting the shaft portion (3) and the tubular portion (5). An air supply channel (31) is so formed as to penetrate from the outer surface of the rib (7) exposed to the outside to the outer circumferential surface (5a) of the tubular portion (5).

Inventors:
HASHIMOTO HIROAKI (JP)
KUMASAKI KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053520
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UNIVERSAL CAN CORP (JP)
HASHIMOTO HIROAKI (JP)
KUMASAKI KENJI (JP)
International Classes:
B41F13/10; B41F7/02; B41F33/00
Foreign References:
JP2007118253A2007-05-17
JPH07186360A1995-07-25
JP2007044987A2007-02-22
JP2002347214A2002-12-04
JP2007044987A2007-02-22
JP2002347214A2002-12-04
Other References:
See also references of EP 2246191A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (JP)
Masatake Shiga (JP)
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Claims:
 円筒状をなし、拡径可能なスリーブ印刷版が着脱可能に装着される印刷版胴であって、
 中心軸周りに回転可能な軸部、円筒状に形成されて前記軸部と同軸上に配されると共に前記軸部の外周面との間に間隔をおいて配される筒状部、前記軸部の外周面と前記筒状部の内周面とに一体に固定されて前記軸部と前記筒状部とを連結するリブを備え、
 前記筒状部にはその外周面に開口するエア吹出孔が形成され、前記リブには、前記エア吹出孔に連通され、前記エア吹出孔からエアを吹き出させるためのエア供給路が形成されていることを特徴とする印刷版胴。
 前記筒状部が、前記リブに一体に形成される内側筒部と、前記内側筒部の外周面に対して装着される外側筒部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷版胴。
 前記エア吹出孔が、前記外側筒部の肉厚方向に貫通して形成されると共に、前記外側筒部の周方向に複数配列され、
 前記内側筒部の外周面及び前記外側筒部の内周面の少なくとも一方には、その周方向に延びるように形成されて、前記エア供給路と複数の前記エア吹出孔とを連通するエア流通溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の印刷版胴。
 前記複数のエア吹出孔及び前記エア流通溝が、前記中心軸方向にも複数並べて配されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷版胴。
 前記リブ及びこれに形成される前記エア供給路が、前記周方向にずらして複数形成され、
 各エア供給路は、前記中心軸方向に配列された複数のエア流通溝に対して個別に連通していることを特徴とする請求項4に記載の印刷版胴。
 前記内側筒部と前記外側筒部とが異なる材質によって形成されていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の印刷版胴。
 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の印刷版胴であって、
 中心軸周りに回転する軸部、前記軸部の外側に離間して領域を形成し前記軸部と同軸一体に配設される筒状部を備え、
 前記回転に伴って前記領域に気流を発生させるフィンが配設されていることを特徴とする印刷版胴。
 請求項7に記載の印刷版胴であって、
 前記フィンは、前記中心軸に対し傾斜して延びていることを特徴とする印刷版胴。
 請求項7又は請求項8に記載の印刷版胴であって、
 前記中心軸方向の端部に着脱可能な冷却部材が設けられ、
 前記冷却部材は、前記フィンを備えるとともに前記軸部と一体に回転して前記領域に気流を発生させることを特徴とする印刷版胴。
 請求項7又は請求項8に記載の印刷版胴であって、
 前記フィンは、少なくとも前記軸部の外周面又は前記筒状部の内周面のうちいずれか一方を基端に立設されていることを特徴とする印刷版胴。
 請求項7、請求項8、請求項10のいずれか1項に記載の印刷版胴であって、
 前記軸部の外周面と前記筒状部の内周面とを繋ぐリブが設けられており、
 前記リブが、前記フィンであることを特徴とする印刷版胴。
 請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の印刷版胴であって、
 前記軸部と同軸に配置され前記軸部を回転可能に支持する駆動軸が設けられており、
 前記気流が、前記中心軸方向の前記駆動軸の先端側から前記駆動軸の基端側へ向け流れるように設定されていることを特徴とする印刷版胴。
 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の印刷版胴であって、
 軸線に沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に画像パターンを有する印刷版が装着される印刷版胴であり、
 印刷装置の回転シャフトが嵌入される嵌入孔を有するコア部材、このコア部材の外周側に配置されて前記円筒面を有するスリーブ部材を備え、
 前記コア部材と前記スリーブ部材とが異なる材質で構成されていることを特徴とする印刷版胴。
 前記コア部材と前記スリーブ部材との間に1以上の中間層が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の印刷版胴。
 前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の印刷版胴。
 前記コア部材がステンレス鋼で構成され、前記スリーブ部材が樹脂材料で構成されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の印刷版胴。
 前記コア部材が樹脂材料で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の印刷版胴。
 前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されており、前記コア部材と前記スリーブ部材との間に、樹脂材料からなる中間層が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の印刷版胴。
 中心軸周りに回転する軸部、前記軸部の外側に離間して領域を形成し前記軸部と同軸一体に配設される筒状部、前記軸部の外周面と前記筒状部の内周面とに一体に固定されて前記軸部と前記筒状部とを連結するリブを備える印刷版胴であって、
 前記回転に伴って前記領域に気流を発生させるフィンが配設されていることを特徴とする印刷版胴。
 請求項19に記載の印刷版胴であって、
 前記フィンは、前記中心軸に対し傾斜して延びていることを特徴とする印刷版胴。
 請求項19又は請求項20に記載の印刷版胴であって、
 前記中心軸方向の端部に着脱可能な冷却部材が設けられ、
 前記冷却部材は、前記フィンを備えるとともに前記軸部と一体に回転して前記領域に気流を発生させることを特徴とする印刷版胴。
 請求項19又は請求項20に記載の印刷版胴であって、
 前記フィンは、少なくとも前記軸部の外周面又は前記筒状部の内周面のうちいずれか一方を基端に立設されていることを特徴とする印刷版胴。
 請求項19、請求項20、請求項22のいずれか1項に記載の印刷版胴であって、
 前記軸部の外周面と前記筒状部の内周面とを繋ぐリブが設けられており、
 前記リブが、前記フィンであることを特徴とする印刷版胴。
 請求項19から請求項23のいずれか1項に記載の印刷版胴であって、
 前記軸部と同軸に配置され前記軸部を回転可能に支持する駆動軸が設けられており、
 前記気流が、前記中心軸方向の前記駆動軸の先端側から前記駆動軸の基端側へ向け流れるように設定されていることを特徴とする印刷版胴。
 軸線に沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に画像パターンを有する印刷版が装着される印刷版胴であって、
 印刷装置の回転シャフトが嵌入される嵌入孔を有するコア部材、このコア部材の外周側に配置されて前記円筒面を有するスリーブ部材を備え、
 前記コア部材と前記スリーブ部材とが異なる材質で構成されていることを特徴とする印刷版胴。
 前記コア部材と前記スリーブ部材との間に1以上の中間層が設けられていることを特徴とする請求項25に記載の印刷版胴。
 前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていることを特徴とする請求項25又は請求項26に記載の印刷版胴。
 前記コア部材がステンレス鋼で構成され、前記スリーブ部材が樹脂材料で構成されていることを特徴とする請求項25又は請求項26に記載の印刷版胴。
 前記コア部材が樹脂材料で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていることを特徴とする請求項25又は請求項26に記載の印刷版胴。
 前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されており、前記コア部材と前記スリーブ部材との間に、樹脂材料からなる中間層が形成されていることを特徴とする請求項26に記載の印刷版胴。
 印刷版胴を用いて缶に印刷する印刷装置であって、
 前記印刷版胴として、請求項1から請求項30のいずれか1項に記載の印刷版胴を用いたことを特徴とする缶の印刷装置。
 請求項1から請求項30のいずれか1項に記載の印刷版胴と、前記印刷版胴を前記軸線周りに回転可能に支持する回転シャフトを備えていることを特徴とするオフセット印刷装置。
 請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の印刷版胴の製造方法であって、
 前記軸部、前記リブ及び前記内側筒部の材料となる円柱部材をその中心軸方向にわたってくり抜いて、前記軸部、前記リブ及び前記内側筒部を一体に成形したコア部材を製造し、その後に、前記コア部材を前記外側筒部に装着することを特徴とする印刷版胴の製造方法。
 前記軸部、前記リブ及び前記内側筒部の成形が、機械加工によって行われることを特徴とする請求項33に記載の印刷版胴の製造方法。
 中心軸周りに回転する軸部、前記軸部の外側に離間して領域を形成し前記軸部と同軸一体に配設される筒状部を備える印刷版胴に装着する冷却部材であって、
 前記回転に伴って前記領域に気流を発生させるフィンを備え、
 前記印刷版胴の前記中心軸方向の端部に着脱可能とされていることを特徴とする冷却部材。
Description:
印刷版胴、印刷装置、及び、印 版胴の製造方法

 本発明は、スリーブ状の印刷版を着脱可能 取り付ける印刷版胴、これを備える印刷装 、及び、印刷版胴の製造方法に関する。ま 本発明は、印刷時のインキ粘度を良好に保 ための冷却機構を備えた印刷版胴並びにそ 冷却部材及び缶の印刷装置に関する。さら 本発明は、印刷装置の回転シャフトに支持 れるとともに円筒面に画像パターンを有す 印刷版が装着されて使用される印刷版胴及 この印刷版胴を備えたオフセット印刷装置 関する。
 本願は、2008年2月28日に日本に出願された特 願2008-047583号、2008年3月28日に日本に出願され た特願2008-088332号、2008年11月26日に日本に出 された特願2008-300831号、及び2009年2月2日に日 本に出願された特願2009-021936号に基づき優先 を主張し、その内容をここに援用する。

 各種印刷に使用するスリーブ状の印刷版は 例えば特許文献1のように、これを印刷版胴 に嵌挿することで、印刷版胴の外周面に密着 するように固定される。従来の印刷版胴は、 中空のエア室を有する略円筒状に形成されて おり、その軸方向端面からエア室内に貫通す るエア供給孔と、その外周面からエア室内に 貫通するエア吹出孔とを形成して構成されて いる。
 この印刷版胴においては、その外周面にエ 吹出孔を塞ぐように印刷版を固定した状態 おいて、エア供給孔からエア室内にエアを 入してエア室の圧力を上げると、この圧力 昇に伴ってエア吹出孔から高圧エアが吹き す。したがって、印刷版を印刷版胴に対し 着脱する際には、エア吹出孔から吹き出す 圧エアにより、印刷版をその径方向外側に 張させることができるため、印刷版を容易 着脱することができる。

 また従来、運転中の印刷装置における印 品質に係る共通の課題として、次のような のが知られている。すなわち、印刷デザイ (画像部)の施された印刷版を外周面に備え 円筒状の印刷版胴が、印刷時において、印 版に接触するブランケットとの摩擦熱や回 する軸部を支持する駆動軸側からの熱伝導 によって、印刷版の表面温度を次第に上昇 せ、これに伴いインキ温度が上昇してイン 粘度が低下する結果、インキの乗り・色合 等が変動し、印刷品質を低減させることが った。また、水無し平版においては、この うな印刷版胴の温度上昇が印刷版の劣化を 長することが知られている。

 このような現象を防止するために、例え 特許文献2に開示される印刷装置では、回転 する印刷版胴の軸部に向け強制的に冷風を当 て、印刷版胴及び印刷版の温度を下げ冷却す るようになっている。

 一方、近年では、外周面に印刷版を設置 た円筒状のスリーブ部材を用い、前記印刷 に直接レーザー加工して画像部を形成した 、スリーブ部材ごと印刷版胴に着脱可能と るCTS(Computer To plate on Sleeve)なる技術が知 れている。CTS技術によれば、印刷版の位置 整が容易に精度よく行えるとともに、印刷 に画像部を形成するための作業工程や印刷 の交換(着脱)作業が簡便に行えるので、生 性が飛躍的に向上する。

 また一般に、清涼飲料水等の容器として 用される2ピース缶は、缶蓋と円筒体の缶胴 とからなり、缶胴は、DI(深絞り、しごき)加 及び洗浄がなされた後、その外面に印刷が される。缶胴のような円筒物を印刷する際 は、例えば特許文献1に示すような、オフセ ト印刷を用いたオフセット印刷装置が使用 れている。

 このようなオフセット印刷装置は、略円 状又は略円筒状をなしその円筒面に凸版等 らなる印刷版を備えた複数の印刷版胴と、 れら印刷版胴に同期して回転し外周面にゴ 製のブランケットを配設したブランケット とを備えており、これら印刷版胴の印刷版 ブランケット胴のブランケットとが接触す ようになっている。そして、印刷版胴の印 版にインキが塗布され、このインキがブラ ケットへと転写され、このブランケットが 胴の外周面に接触することで、缶胴の外周 に印刷が施されるようになっている。

 このような印刷版胴においては、円筒面に 刷版を精度良く配置する必要があるため外 寸法の安定性が求められる。また、印刷装 の回転シャフトに着脱されることから回転 ャフトが嵌合される部分の形状精度が求め れる。このため、従来の印刷版胴は、一般 に、比較的剛性が高く、かつ、加工性に優 た炭素鋼によって構成されている。

特開2007-44987号公報

特開2002-347214号公報

 上記従来の印刷版胴は、大きなエア室を有 て構成されているため、その重量が重くな という問題がある。
 また、この印刷版胴では、印刷時における 熱性が低いため、インキの粘度が安定せず 一定の印刷状態を作り出すことが困難とな 。その結果、印刷にムラが生じるという問 もある。

 さらに、高圧エアによって印刷版を膨ら せて印刷版胴に装着した後には、印刷版胴 エア室内やエア吹出孔に結露が生じやすい いう問題もある。すなわち、高圧エアによ て印刷版を膨らませて印刷版胴に装着した 態においては、エア室内が高い圧力に保持 れている。しかしながら、印刷版の装着後 エア供給用の配管をエア供給孔から取り外 と、エア室内の圧力が急激に下がり、結果 して、印刷版胴のエア室内やエア吹出孔に 露が生じる。ここで、印刷版胴が鉄等のよ に錆びる可能性がある素材からなる場合に 、結露が錆の発生源となる。そして、錆が ア室内やエア吹出孔に生じると、印刷版胴 対する印刷版の着脱性が低下する虞がある

 また、特許文献2の印刷装置では、印刷版 胴を冷却するための冷風を発生させる強制空 冷装置を設けたり、強制空冷装置で発生した 冷風を印刷版胴の軸部に向け吹き出すための 空冷ダクト等を設けたりする必要があるため 、装置の構成が複雑になり、設備費用、運転 費用及びメンテナンス費用が嵩むという課題 があった。

 ところで、炭素鋼で構成された印刷版胴に いては、使用時に錆が発生する可能性があ 。特に、円筒面に錆が発生すると印刷版を 度良く配置することができなくなってしま ため、従来の炭素鋼からなる印刷版胴にお ては、円筒面にメッキ処理を行っていた。
 このため、特に大形の印刷版胴においては メッキ処理を省略しても錆が発生しないも が求められている。
 また、炭素鋼で構成された印刷版胴は、重 が比較的重くなってしまう。このため、印 版胴を頻繁に交換して使用する場合や印刷 置の回転シャフトの剛性が低い場合には、 刷版胴の軽量化が求められる。

 さらに、炭素鋼は熱伝導が良いため、印 装置の駆動部から発生する熱が回転シャフ を通じて伝達され、印刷版胴の円筒面温度 上昇しやすい。すると、前記円筒面に配設 れた印刷版の温度も上昇し、この印刷版に 着したインクの粘性が印刷過程で変化して まい、印刷品質が大幅に低下してしまうお れがある。このため、特に長時間の印刷作 を行う必要が有る場合には、熱の伝達を抑 ることができる印刷版胴が求められること なる。

 このように、印刷版胴に要求される特性 、印刷条件(印刷状況)に応じて様々であり 炭素鋼で構成された従来の印刷版胴では、 れらの要求を満たすことはできなかった。

 本発明は、このような事情に鑑みてなされ もので、軽量化及び放熱性の向上を図ると に、錆の発生も抑制できる印刷版胴、これ 備える印刷装置、及び、印刷版胴の製造方 を提供することを目的とする。
 また本発明は、簡便な構成で印刷版胴を冷 でき、印刷版のインキ温度の上昇を抑制し インキ粘度を安定させ、連続運転時にもイ キの乗り・色合い等の精度を確保すること できる印刷版胴並びにその冷却部材及び缶 印刷装置を提供することを目的とする。
 さらに本発明は、印刷条件(印刷状況)に応 て要求される様々な特性を満たすことが可 な印刷版胴及びこの印刷版胴を備えたオフ ット印刷装置を提供することを目的とする

 上記課題を解決するために、本発明に係る 刷版胴は、円筒状をなすスリーブ印刷版が 脱可能に装着される印刷版胴であって、中 軸回りに回転可能な軸部と、円筒状に形成 れて、該軸部と同軸上に配されると共に前 軸部の外周面との間に間隔をおいて配され 筒状部と、前記軸部の外周面と前記筒状部 内周面とに一体に固定されて、前記軸部と 記筒状部とを連結するリブと、を備え、前 筒状部には、その外周面に開口するエア吹 孔が形成され、前記リブには、前記エア吹 孔に連通されるエア供給路が形成され、当 エア供給路を通じて前記エア吹出孔からエ を吹き出すことで、前記スリーブ印刷版を 径して装着する構成とされていることを特 とする。
 なお、リブに形成されたエア供給路にエア 導入するためのエア供給口は、リブの外面 軸部の外周面及び軸方向端面、筒状部の内 面、筒状部の外周面のうちスリーブ印刷版 配設されない位置等、任意の位置に形成す ことが可能である。

 この構成の印刷版胴においては、スリーブ 刷版を装着する際にエア吹出孔から高圧エ を吹き出すと、スリーブ印刷版がその径方 外側に膨張するため、スリーブ印刷版をス ーズに装着することができる。なお、この 成では、スリーブ印刷版を取り外す際にエ 吹出孔から高圧エアを吹き出しても、同様 スリーブ印刷版をスムーズに取り外すこと 可能である。
 そして、この印刷版胴によれば、軸部と筒 部とをリブにより連結しているため、軸部 径方向寸法を小さくしたり、筒状部の肉厚 薄く形成したりすることが可能となり、そ 軽量化を容易に図ることができる。

 また、軸部と筒状部とをリブで連結するこ で、軸部と筒状部との隙間領域を印刷版胴 軸方向の両端部から外方に開放することが きるため、印刷時にこの隙間領域に冷却用 エアを流す等して効率よく印刷版胴を冷却 ることが可能となる。すなわち、印刷時に ける放熱性向上を図り、インキの粘度を安 化して印刷ムラの発生を防止することがで る。
 さらに、この印刷版胴には容積の小さいエ 供給路が形成されているだけで、従来の印 版胴のように大きなエア室を設けていない め、エア供給路の圧力が急激に下がっても 結露の発生を最小限に抑えることができる その結果、印刷版胴に錆が発生することを 制し、印刷版胴に対するスリーブ印刷版の 脱性低下を防止することができる。

 そして、前記印刷版胴においては、前記 状部が、前記リブに一体に形成される内側 部と、当該内側筒部の外周面に対して装着 れる外側筒部と、を備えることが好ましい

 また、前記印刷版胴においては、前記エ 吹出孔が、前記外側筒部の肉厚方向に貫通 て形成されると共に、前記外側筒部の周方 に複数配列され、前記内側筒部の外周面及 前記外側筒部の内周面の少なくとも一方に その周方向に延びるように形成されて前記 ア供給路と複数の前記エア吹出孔とを連通 るエア流通溝が形成されていることが好ま い。

 この構成の印刷版胴によれば、エア供給路 導入された高圧エアを、エア流通溝により 方向にいきわたらせることができるため、 ア供給路の数がエア吹出孔の数よりも少な ても、エア供給路に導入された高圧エアを エア吹出孔から均等に吹き出させることが 能となる。
 また、この構成の印刷版胴では、エア供給 、エア流通溝及びエア吹出孔を容易に形成 ることが可能となるため、エア供給口から ア吹出孔までエアを導くエア供給用流路を 単に構成することができる。例えば、エア 給路は、リブの軸方向端面から軸方向に沿 て延びる軸方向孔を形成すると共に、この 方向孔に連通するように内側筒部の外周面 ら径方向内側に延びる径方向孔を形成する けで容易に形成することができる。

 さらに、前記印刷版胴においては、前記複 のエア吹出孔及び前記エア流通溝が、前記 方向にも複数並べて配されていてもよい。
 スリーブ印刷版を印刷版胴に対して着脱す 際には、スリーブ印刷版を印刷版胴に対し その軸方向に移動させるが、上記のように 成することで、外側筒部の外周面の軸方向 複数個所から高圧エアを吹き出すことが可 となるため、スリーブ印刷版を着脱する過 において、高圧エアによるスリーブ印刷版 膨張状態を長く維持することができ、さら スムーズに着脱することが可能となる。

 また、前記印刷版胴においては、前記リブ びこれに形成される前記エア供給路が、前 周方向にずらして複数形成され、各エア供 路は、前記軸方向に配列された複数のエア 通溝に対して個別に連通していることが好 しい。
 この構成の場合には、軸方向の複数箇所に 成された複数のエア吹出孔に対して、高圧 アの供給を個別に制御することができるた 、スリーブ印刷版によって覆われているエ 吹出孔のみから高圧エアを吹き出すことが 能となる。したがって、無駄に高圧エアを き出すことを防止して、効率的にスリーブ 刷版を着脱することができる。

 さらに、前記印刷版胴においては、前記内 筒部と前記外側筒部とが異なる材質によっ 形成されていてもよい。
 すなわち、内側筒部を加工性の良好な材料 よって形成し、外側筒部を剛性、耐食性の る材料で形成してもよい。この組み合わせ 具体例としては、内側筒部を機械構造用炭 鋼で形成し、外側筒部をステンレス鋼で形 することが挙げられる。この場合には、前 したエア流通溝やエア吹出孔の形成加工を 内側筒部やこれに一体に形成されたリブに して容易に行うことができる。また、印刷 に外側筒部が変形したり、インキ等によっ 腐食することを防止できる。

 また、本発明の印刷装置は、前記印刷版胴 用いて構成されることを特徴とする。
 この印刷装置によれば、軽量な印刷版胴を けることで印刷装置の軽量化を図ることが きる。また、印刷時に印刷ムラの発生を抑 できるため、缶の歩留まりを向上させるこ ができる。
 さらに、印刷版胴に錆が発生することも抑 できることから、同一の印刷版胴を交換す ことなく長期間にわたって使用することが 能となり、結果として、印刷装置のランニ グコスト削減を図ることができる。

 そして、本発明に係る印刷版胴の製造方法 、前記筒状部が前記内側筒状部及び前記外 筒部を備えて構成された前記印刷版胴を製 する方法であって、前記軸部、前記リブ及 前記内側筒部の材料となる円柱部材をその 方向にわたってくり抜いて、前記軸部、前 リブ及び前記内側筒部を一体に成形したコ 部材を製造し、その後に、当該コア部材を 記外側筒部に装着することを特徴とする。
 本発明の印刷版胴の製造方法によれば、円 部材の軸方向にわたって延びる軸部、リブ び内側筒部を一体に成形したコア部材を得 ことができる。そして、コア部材の製造終 後にコア部材を外側筒部に装着することで 外側筒部の内径寸法に対する内側筒部の外 寸法にずれが生じることを防止できる。す わち、内側筒部を高精度に成形することが 能となる。

 そして、前記印刷版胴の製造方法におい 、軸部、リブ及び内側筒部の成形をワイヤ ット加工や切削加工等の機械加工により行 場合には、これら軸部、リブ及び内側筒部 形状をさらに高精度に仕上げることができ 。

 また本発明は、前記目的を達成するために 以下の手段を提案している。
 すなわち本発明は、中心軸周りに回転する 部と、前記軸部の外側に離間して領域を形 し該軸部と同軸一体に配設される筒状部と を備える印刷版胴であって、前記回転に伴 て前記領域に気流を発生させるフィンが配 されていることを特徴とする。

 本発明に係る印刷版胴によれば、印刷時 印刷版胴が回転すると、この回転に伴って ィンが軸部と筒状部との間の領域に気流を 生させるので、この気流によって印刷版胴 冷却され、連続運転時においても過度に温 上昇するようなことが防止される。従って 印刷版胴の外周面に塗布されるインキの温 上昇が抑制されインキ粘度が安定して、イ キの乗り・色合い等の精度が良好に保たれ 。

 また、本発明の印刷版胴において、前記フ ンは、前記中心軸に対し傾斜して延びてい こととしてもよい。
 本発明の印刷版胴によれば、フィンが印刷 胴の中心軸に対し捩れるようにして傾斜し 延びており、中心軸方向とフィンの延在方 とが非平行となるように設定されている。 して、フィンの形状が、例えば中心軸を中 とした螺旋状に形成されている。このよう フィンにより、印刷時に印刷版胴が回転し 際、フィンが確実に中心軸方向の気流を発 させるようになっており、発生した気流が 域を形成する面等と熱交換して印刷版胴の 度上昇を抑制する。

 また、本発明の印刷版胴において、前記中 軸方向の端部に着脱可能な冷却部材が設け れ、前記冷却部材は、前記フィンを備える ともに前記軸部と一体に回転して前記領域 気流を発生させることとしてもよい。
 また、本発明は、中心軸周りに回転する軸 と、前記軸部の外側に離間して領域を形成 該軸部と同軸一体に配設される筒状部と、 備える印刷版胴に装着する冷却部材であっ 、前記回転に伴って前記領域に気流を発生 せるフィンを備え、前記印刷版胴の前記中 軸方向の端部に着脱可能とされていること 特徴とする。

 本発明の印刷版胴並びにその冷却部材に れば、印刷版胴の中心軸方向の端部に着脱 能な冷却部材にフィンが形成されていて、 刷版胴が回転した際に、軸部と冷却部材と 一体に回転して、該冷却部材のフィンが軸 と筒状部との間の領域に気流を発生させる 従って、例えば印刷装置に複数の印刷版胴 設けられる場合に、各々の印刷版胴の所望 冷却温度に合わせ冷却部材のフィンの枚数 形状を各々設定したり、或いは後付けで容 に冷却部材を設置したりすることができ、 々様々な印刷版胴の冷却の要望に柔軟に対 することが可能である。

 また、本発明の印刷版胴において、前記フ ンは、少なくとも前記軸部の外周面又は前 筒状部の内周面のうちいずれか一方を基端 立設されていることとしてもよい。
 本発明の印刷版胴によれば、立設されるフ ンが印刷時の回転によって軸部と筒状部と 間の領域のエアーを確実に捉え掻き込むよ にして気流を発生させるので、印刷版胴が 果的に冷却される。

 また、本発明の印刷版胴において、前記軸 の外周面と前記筒状部の内周面とを繋ぐリ が設けられており、前記リブが、前記フィ であることとしてもよい。
 本発明の印刷版胴によれば、軸部の外周面 筒状部の内周面とを繋ぐリブが、冷却のた のフィンとされているので、構成部材を従 と比べ増やすことなく、簡便な構成で印刷 胴を冷却する効果が得られる。

 また、本発明の印刷版胴において、前記軸 と同軸に配置され該軸部を回転可能に支持 る駆動軸が設けられており、前記気流が、 記中心軸方向の前記駆動軸の先端側から該 動軸の基端側へ向け流れるように設定され いることとしてもよい。
 本発明の印刷版胴によれば、フィンが発生 る気流が、中心軸方向の駆動軸の先端側か 該駆動軸の基端側へ向け流れるように設定 れているので、冷えた外気を領域に引き込 やすく、運転時に発熱する駆動軸から印刷 胴への熱伝導を抑制して、冷却効率が向上 る。

 また本発明は、印刷版胴を用いて缶に印刷 る印刷装置であって、前述の印刷版胴を用 たことを特徴としている。
 本発明に係る缶の印刷装置によれば、印刷 精度及び生産性が向上して、多種多様な缶 印刷の要望に柔軟に対応することが可能で る。

 さらに本発明に係る印刷版胴は、前述の 題を解決するために、軸線に沿って延びる 筒面を有し、この円筒面に画像パターンを する印刷版が装着される印刷版胴であって 印刷装置の回転シャフトが嵌入される嵌入 を有するコア部材と、このコア部材の外周 に配置されて前記円筒面を有するスリーブ 材と、を備え、前記コア部材と前記スリー 部材とが異なる材質で構成されていること 特徴としている。

 この構成の印刷版胴によれば、回転シャフ が嵌入されるコア部材と、印刷版が装着さ るスリーブ部材とが別体とされ、これらコ 部材とスリーブ部材とが異なる材質で構成 れているので、コア部材及びスリーブ部材 材質を、要求される特性に応じて適宜選択 ることが可能となる。例えば、コア部材を 工性の良好な材質で構成することで、嵌入 を寸法精度良く成形することが可能となり 印刷版胴と回転シャフトとの着脱を円滑に うことができる。また、印刷版が配設され スリーブ部材を錆が発生しにくい材料で構 することでメッキ処理を行う必要がなくな 。さらに、コア部材又はスリーブ部材のい れか一方を熱伝導率が炭素鋼よりも低い材 で構成することで、印刷装置の駆動部から 生する熱が印刷版に伝わりにくくなり、印 を長時間安定して行うことが可能となる。
このように、要求される特性に応じて好適な 印刷版胴を構成することが可能となるのであ る。

 ここで、前記スリーブ部材と前記コア部材 の間に1以上の中間層を設けてもよい。
 この場合、スリーブ部材とコア部材との間 設けられた中間層の材質を選択することに り、印刷版胴にさらなる特性を付加させる とが可能となる。例えば、中間層を熱伝導 が炭素鋼よりも低い材料で構成することに って、コア部材やスリーブ部材の材質を変 することなく、印刷装置の駆動部から発生 る熱の伝導を抑えることができる。

 また、前記コア部材が炭素鋼で構成され、 記スリーブ部材がステンレス鋼で構成され いてもよい。
 この場合、コア部材が加工性に優れた炭素 で構成されているので、回転シャフトが嵌 される嵌入孔を寸法精度良く成形すること でき、印刷版胴の着脱を円滑に行うこと可 となる。また、スリーブ部材がステンレス で構成されているので、錆の発生を抑える とができ、円筒面にメッキ処理を行う必要 ない。よって、印刷版胴の寿命延長を図る とができる。

 また、前記コア部材がステンレス鋼で構成 れ、前記スリーブ部材が樹脂材料で構成さ ていてもよい。
 この場合、コア部材がステンレス鋼で構成 れているので、コア部材における錆の発生 抑えることが可能となる。また、スリーブ 材が樹脂材料で構成されているので、この 刷版胴の軽量化を図ることができるととも 円筒面への錆の発生を抑制することができ 。さらに、樹脂材料は熱伝導率が低いため 印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を えることができる。

 また、前記コア部材が樹脂材料で構成され 前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成さ ていてもよい。
 この場合、コア部材が樹脂材料で構成され いるので、この印刷版胴の軽量化を図るこ が可能となる。また、印刷装置の駆動部か 発生する熱の伝導を抑えることができる。
 さらに、スリーブ部材がステンレス鋼で構 されているので、錆の発生を抑えることが 能となり、メッキ処理が不要となる。また 外周側に剛性の高いステンレス鋼で構成さ たスリーブ部材が配置されることから、樹 材料からなるコア部材が熱膨張により変形 ようとしてもスリーブ部材によって抑えら るので、印刷版胴の形状安定性を確保する とができる。

 また、前記コア部材が炭素鋼で構成され、 記スリーブ部材がステンレス鋼で構成され おり、前記コア部材と前記スリーブ部材と 間に、樹脂材料からなる中間層が形成され いてもよい。
 この場合、コア部材が加工性のよい炭素鋼 構成されているので、回転シャフトが嵌入 れる嵌入孔を寸法精度良く成形することが きる。また、スリーブ部材がステンレス鋼 構成されているので、錆の発生を抑制する とができる。さらに、コア部材とスリーブ 材との間に、樹脂材料からなる中間層が形 されているので、印刷装置の駆動部から発 する熱の伝導を抑えることができる。

 本発明に係るオフセット印刷装置は、前述 印刷版胴と、該印刷版胴を前記軸線周りに 転可能に支持する回転シャフトと、を備え いることを特徴としている。
 この構成のオフセット印刷装置によれば、 刷条件(印刷状況)に応じた特性の印刷版胴 用いることによって、印刷を安定して行う とができる。

 本発明によれば、印刷版胴の軽量化を図 と共に、印刷時における印刷ムラの発生を 止できる。また、結露の発生を最小限に抑 て、印刷版胴に対するスリーブ印刷版の着 性低下を防止することもできる。

 また本発明に係る印刷版胴並びにその冷 部材及び缶の印刷装置によれば、簡便な構 で印刷版胴を冷却でき、印刷版のインキ温 の上昇を抑制してインキ粘度を安定させ、 続運転時にもインキの乗り・色合い等の精 を確保することができる。従って、印刷の 度及び生産性が向上して、多種多様な印刷 要望に柔軟に対応することが可能である。

 さらに本発明によれば、印刷条件(印刷状 況)に応じて要求される様々な特性を満たす とが可能な印刷版胴及びこの印刷版胴を備 たオフセット印刷装置を提供することがで る。

本発明の第1実施形態に係る印刷版胴を 示す概略斜視図である。 図1の印刷版胴の概略側断面図である。 図1の印刷版胴をコア部材と外側筒部と に分離した状態を示す概略斜視図である。 図1の印刷版胴にシャフト部及びスリー ブ印刷版を固定した状態を示す概略側断面図 である。 図1の印刷版胴を用いた缶の印刷装置を 示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る印刷版胴が シャフト部に固定された状態を示す概略斜視 図である。 図6の印刷版胴の概略側断面図である。 本発明の第3実施形態に係る印刷版胴が シャフト部に固定された状態を示す概略斜視 図である。 図8の印刷版胴の概略側断面図である。 本発明の他の実施形態に係る印刷版胴 の概略を示す部分透過斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る印刷版 の概略構成を説明する部分透過斜視図であ 。 本発明の第4の実施形態に係る印刷版 を示す概略側面図である。 本発明の第4の実施形態の印刷版胴を いた缶の印刷装置を示す概略図である。 本発明の第5の実施形態に係る印刷版 の概略構成を説明する部分透過斜視図であ 。 本発明の第5の実施形態に係る印刷版 を示す概略側面図である。 本発明の第6の実施形態に係る印刷版 の概略構成を説明する部分透過斜視図であ 。 本発明の第6の実施形態に係る印刷版 を示す概略側面図である。 本発明の第7の実施形態に係る印刷版 の概略構成を説明する部分透過斜視図であ 。 本発明の第8実施形態に係る印刷版胴 示す概略斜視図である。 図19の印刷版胴の概略側断面図である 図19の印刷版胴をコア部材とスリーブ 材とに分離した状態を示す概略斜視図であ 。 図19の印刷版胴に回転シャフト及びス ーブ印刷版を固定した状態を示す概略側断 図である。 図19に示す印刷版胴に装着されるスリ ブ印刷版の斜視図である。 図23のスリーブ印刷版を軸線方向から た図である。 図19の印刷版胴を用いた缶の印刷装置 示す概略図である。 本発明の第9実施形態に係る印刷版胴 示す概略斜視図である。 本発明の第10実施形態に係る印刷版胴 示す概略斜視図である。 本発明の第11実施形態に係る印刷版胴 示す概略斜視図である。

符号の説明

 1,71,81 印刷版胴
 3 軸部
 3a 外周面
 5 筒状部
 5a 外周面
 5b 内周面
 7 リブ
 15 内側筒部
 15a 外周面
 17 外側筒部
 17b 内周面
 31,73,83A,83B エア供給用流路
 33,75A~75C,85A,85B エア流通溝
 35,77,87,88 エア供給路
 37,79,89 エア吹出孔
 O 中心軸
 P スリーブ印刷版
 1001 軸部
 1002 筒状部
 1003,1023 リブ
 1004,1014,1024,1034 フィン
 1010,1020,1030,1040 印刷版胴
 1011 駆動軸
 1041 冷却部材
 1050 缶の印刷装置
 C 中心軸
 S 軸部と筒状部との間の領域
 2006 回転シャフト
 2040、2140、2240,2340 印刷版胴
 2050、2150、2250、2350 コア部材
 2051、2151、2251、2351 嵌入孔
 2060、2160、2260、2360 スリーブ部材
 2000A オフセット印刷装置

 以下、図1~5を参照し、本発明の第1実施形態 に係る印刷版胴について説明する。図1~3に示 すように、この実施形態の印刷版胴1は、円 状に形成された軸部3と、円筒状に形成され 軸部3と同軸上に配されると共に軸部3の外 面3aとの間に間隔をおいて配される筒状部5 、軸部3と筒状部5との間に配されてこれらを 一体に連結する複数(図示例では3つ)のリブ7 、を備えており、筒状部5の外周面5aにスリ ブ状の印刷版P(以下スリーブ印刷版Pとも呼 、図4参照)を密着させるように嵌挿するもの である。
 ここで本発明において「軸部」とは、軸自 、軸受部、嵌入孔、内側筒部など、本発明 おいて軸と構造的、機能的に関連する全て 部分のことをいう。また、本発明において 軸方向」とは、中心軸方向という意味をも 含する。
 軸方向に貫通する軸部3の挿入孔11には、図 しない駆動源によって中心軸O周りに回転駆 動されるシャフト部2(図4参照)が挿入される うになっており、挿入孔11にシャフト部2を 入することで軸部3がシャフト部2に固定され る。この固定状態においては、シャフト部2 回転力が軸部3に伝達され、印刷版胴1を中心 軸O周りに回転させることができる。

 各リブ7は、軸部3や筒状部5の周方向に幅 とされた略板状に形成されており、軸部3の 外周面3aから筒状部5の内周面5bまで延びると に軸部3の軸方向にたって延びるように形成 されている。具体的に、各リブ7は、その径 向内側に位置する一端部が軸部3の外周面3a 一体に固定され、他端部が筒状部5の内周面5 bに一体に固定されている。そして、複数の ブ7は、軸部3の周方向に均等な間隔を介して 配置されている。したがって、この印刷版胴 1においては、上述したリブ7を設けることで 部3と筒状部5との隙間領域Sが軸方向の両端 から外方に開放されることになる。

 筒状部5は、その内周面5bをなす内側筒部15 、筒状部5の外周面5aをなすと共に内側筒部15 の外周面15aに対して隙間なく圧入される外側 筒部17と、を備えて構成されている。すなわ 、内側筒部15は、各リブ7と一体に形成され おり、軸部3及び複数のリブ7と共に一体の ア部材19として形成されている。
 これら外側筒部17とコア部材19とは、同一の 材質によって形成されていてもよいが、互い に異なる材質によって形成されていてもよい 。例えば、コア部材19を加工性の良好な材料 より形成し、外側筒部17を剛性、耐食性の る材料により形成してもよい。具体的には コア部材19を機械構造用炭素鋼で形成し、外 側筒部17をステンレス鋼で形成することが挙 られる。

 コア部材19においては、内側筒部15の外周面 15aから窪む1つのエア流通溝33が周方向全体に わたって形成されている。また、1つのリブ7 は、その軸方向端面(外面)から内側筒部15の 外周面15a側まで貫通するエア供給路35が形成 れている。すなわち、エア供給路35にエア 導入するためのエア供給口が、リブ7の軸方 端面に形成されている。そして、エア供給 35はエア流通溝33の底部に開口している。
 このエア供給路35は、コア部材19の軸方向の 一端部(図示例における左側の部分)側に位置 るリブ7の軸方向端面から軸方向に沿って延 びる軸方向孔35Aと、この軸方向孔35Aの先端部 に連通するようにエア流通溝33の底部から径 向内側に延びる径方向孔35Bとから構成され いる。

 外側筒部17は、内側筒部15に対して着脱可能 に装着されており、その軸方向の一端部には 、自身の内周面17bよりも径方向内側に突出す るフランジ部21が形成されている。
 フランジ部21は、外側筒部17を内側筒部15に 入した際に内側筒部15の軸方向端面に当接 るようになっており、内側筒部15に対する外 側筒部17の軸方向位置を位置決めする役割を たしている。なお、フランジ部21は、その 径寸法が内側筒部15の内周面5bの内径寸法よ も大きく設定されており、圧入状態におい 内側筒部15の内周面5bよりも内側に突出する ことがない。

 そして、外側筒部17には、その肉厚方向(径 向)に貫通するエア吹出孔37が複数形成され おり、複数のエア吹出孔37は、外側筒部17の 周方向に均等な間隔を介して配列されている 。
 これら複数のエア吹出孔37は、外側筒部17を 前述のように装着した状態においてエア流通 溝33上に配置されるため、このエア流通溝33 よってエア供給路35に連通することになる。 そして、外側筒部17をコア部材19に装着した 態においては内側筒部15の外周面15aと外側筒 部17の内周面17bとの間に隙間が生じないため 複数のエア吹出孔37は、コア部材19に形成さ れたエア供給路35及びエア流通溝33と共に、 ブ7の軸方向端面から筒状部5の外周面5aまで 通するエア供給用流路31を構成することに る。

 なお、図示例においては、エア流通溝33 び複数のエア吹出孔37が印刷版胴1の軸方向 一端部側に寄せて配されているが、例えば 方向の中間位置に配されていてもよい。そ て、図示例のようにエア流通溝33及び複数の エア吹出孔37を寄せて配置する場合には、図4 に示すように、印刷版胴1の軸方向の他端部 からシャフト部2を挿入するように、印刷版 1を構成することが好ましい。

 これらコア部材19及び外側筒部17には、これ らの相対的な周方向位置を位置決めするため の有底穴41及び貫通孔42がそれぞれ形成され いる。すなわち、コア部材19にはその外周面 15aから窪む有底の有底穴41が形成され、外側 部17にはその肉厚方向に貫通する有底穴41と 同径寸法の貫通孔42が形成されている。そし 、外側筒部17をコア部材19に装着した状態に おいては、有底穴41及び貫通孔42の軸方向位 が一致するようになっている。したがって この状態において、有底穴41及び貫通孔42が いに連通するようにコア部材19及び外側筒 17の相対的な周方向位置を調整し、これら有 底穴41及び貫通孔42にわたって位置決めピン43 を挿入することで、コア部材19及び外側筒部1 7の相対的な周方向位置も位置決めすること できる。
 すなわち、これら有底穴41、貫通孔42及び位 置決めピン43によって、コア部材19及び外側 部17の相対的な周方向位置を位置決めする周 方向位置決め手段が構成されている。

 次に、上記構成の印刷版胴1の製造方法につ いて説明する。
 印刷版胴1を製造する際には、はじめに、コ ア部材19の材料となる円柱部材(不図示)をそ 軸方向にわたってくり抜き、軸部3、リブ7及 び内側筒部15を一体に成形する。すなわち、 の円柱部材のくり抜き部分が、軸部3の挿入 孔11や軸部3と内側筒部15との隙間領域Sとなり 、これによってコア部材19が製造される。な 、これら軸部3、リブ7及び内側筒部15を成形 する円柱部材のくり抜き加工は、種々の加工 方法によって実施可能であるが、ワイヤカッ ト加工や切削加工等の機械加工によって行わ れることがより好ましい。そして、このくり 抜き加工の後に、コア部材19を外側筒部17に 入(装着)する。
 なお、フランジ部21を有する外側筒部17の製 造は、少なくともコア部材19の装着前に行わ ていればよい。また、コア部材19のエア流 溝33、エア供給路35及び有底穴41や、外側筒 17のエア吹出孔37及び貫通孔42は、上述した 間領域Sの形成前に円柱部材に予め形成され もよいが、例えば挿入孔11や隙間領域Sの形 後に形成されてもよい。ただし、有底穴41 び貫通孔42は、コア部材19を外側筒部17に装 した状態において一括して形成されること より好ましい。

 次に、この印刷版胴1に対するスリーブ状の スリーブ印刷版Pの着脱方法について説明す 。
 印刷版胴1に対してスリーブ印刷版Pを着脱 る際には、リブ7の軸方向端面に開口するエ 供給路35のエア供給口からエア供給路35内に 高圧エアを供給し、筒状部5の外周面5aに開口 するエア吹出孔37から高圧エアを吹き出して き、この状態においてスリーブ印刷版Pを印 刷版胴1に対して軸方向に移動させればよい この際、スリーブ印刷版Pは高圧エアによっ 径方向外側に膨張、拡径するため、スリー 印刷版Pをスムーズに着脱することができる 。
 なお、エア流通溝33及び複数のエア吹出孔37 が、図示例のように印刷版胴1の軸方向の一 部側に寄せて配されている場合には、スリ ブ印刷版Pを印刷版胴1の軸方向の一端部側か ら着脱することがより好ましい。このように 行うことで、スリーブ印刷版Pを軸方向に移 させる過程において、スリーブ印刷版Pが高 エアによって径方向外側に膨張する状態を り長く維持することができる。

 さらに、この印刷版胴1にスリーブ印刷版P 装着する場合には、図4に示すように、スリ ブ印刷版Pにも位置決めピン43を挿通させる 通孔44を形成しておくことがより好ましい そして、スリーブ印刷版Pを装着する際には 高圧エアが吹き出している状態において、 置決めピン43を挿通孔44、貫通孔42及び有底 41に挿通させることが好ましく、これによ 、印刷版胴1に対するスリーブ印刷版Pの位置 決めを容易に行うことができる。
 なお、図示例においては、スリーブ印刷版P が、外側筒部17の外周面5a全体に配されてい が、エア吹出孔37を覆うように配されていれ ば、例えば外周面5aのうち軸方向の一部だけ 配されてもよい。

 次に、スリーブ印刷版Pが装着された印刷版 胴1を備える缶の印刷装置50について説明する 。
 図5に示すように、この缶の印刷装置50は、 ンキ付着機構51と、缶移動機構52とを有して いる。
 インキ付着機構51は、印刷される各色それ れに設けられる複数のインカーユニット55と 、各インカーユニット55から転写されたイン をサイズコート膜が形成された略円筒状の ーク(缶)56の外周面に転写するブランケット ホイール57とを備えている。

 各インカーユニット55は、印刷される色の ンキが充填されたインキ源61と、インキ源61 接触してインキを受け取るダクティングロ ラ62と、このダクティングローラ62からゴム ローラ63にインキを受け渡す複数のローラか なる中間ローラ64と、ゴムローラ63に接触す る印刷版胴1とを有する。印刷版胴1の外周面 は、レーザー彫刻加工やエッチング加工等 より画像部を形成したスリーブ状のスリー 印刷版Pが装着されており、また印刷版胴1 缶の印刷装置50のシャフト部2に回転可能に 持されている。
 また、ブランケットホイール57の外周面に 、印刷版胴1のスリーブ印刷版Pと接触するブ ランケット66が複数枚設けられている。

 缶移動機構52は、ワーク56を取り入れる缶 シュータ67と、缶シュータ67から供給された ーク56を回転自在に保持するマンドレル68と このマンドレル68に装着されたワーク56を順 次インキ付着機構51方向に回転移動させるマ ドレルターレット69とを備える。

 缶の印刷装置50では、各インカーユニッ 55のインキ源61からそれぞれ異なる色のイン が、ダクティングローラ62、中間ローラ64及 びゴムローラ63を介して印刷版胴1の外周面に 装着されたスリーブ印刷版Pに付着する。そ て、各インキが、これらスリーブ印刷版Pか 回転するブランケットホイール57上のブラ ケット66にパターンとして乗せられ、このパ ターンがマンドレル68に保持されたワーク56 缶胴に接触しながら印刷される。そして、 れら各色のインキのパターンが重なり合っ 、缶胴に1つの図柄が印刷されるようになっ いる。すなわち、缶胴に印刷される図柄は 各色の印刷版胴1のスリーブ印刷版Pに形成 れた画像部のパターンが重なり合って形成 れている。

 上記印刷版胴1によれば、軸部3と筒状部5と リブ7により連結しているため、軸部3の径 法を小さくしたり、筒状部5の肉厚を薄く形 したりすることが可能となり、印刷版胴1の 軽量化を容易に図ることができる。
 また、軸部3と筒状部5とをリブ7で連結する とで、軸部3と筒状部5との隙間領域Sを印刷 胴1の軸方向の両端部から外方に開放するこ とができるため、印刷時にこの隙間領域に冷 却用のエアを流す等して印刷版胴1を効率よ 冷却することが可能となる。すなわち、印 時における放熱性向上を図り、インキの粘 を安定化して印刷ムラの発生を防止するこ ができる。

 さらに、この印刷版胴1には、リブ7から 状部5にわたって容積の小さいエア供給用流 31が形成されているだけで、従来の印刷版 のように大きなエア室を設けていないため エア供給用流路31の圧力が急激に下がっても 、結露の発生を最小限に抑えることができる 。その結果、印刷版胴1に錆が発生すること 抑制し、印刷版胴1に対するスリーブ印刷版P の着脱性低下を防止することができる。

 また、エア供給用流路31をエア供給路35、エ ア流通溝33及びエア吹出孔37により構成する とで、エア供給路35に導入された高圧エアを 、エア流通溝33により周方向にいきわたらせ ことができるため、エア供給路35の数がエ 吹出孔37の数よりも少なくても、エア供給路 35に導入された高圧エアを各エア吹出孔37か 均等に吹き出させることが可能となる。
 さらに、エア供給路35及びエア流通溝33はコ ア部材19に対して容易に形成することができ また、エア吹出孔37も外側筒部17に対して容 易に形成できるため、エア供給口からエア吹 出孔37までエアを導くエア供給用流路31を簡 に構成することができる。例えば、エア供 路35は、リブ7の軸方向端面から軸方向孔35A 形成すると共に、この軸方向孔35Aに連通す ように内側筒部15の外周面15aから径方向孔35B を形成するだけで容易に形成することができ る。

 また、コア部材19やその材料となる円柱部 が、機械構造用炭素鋼等のように加工性の 好な材料で形成されている場合には、軸部3 リブ7及び内側筒部15を成形するためのくり き加工や、エア流通溝33、エア供給路35の形 成加工を容易に行うことができる。
 さらに、外側筒部17がステンレス鋼等のよ に剛性、耐食性のある材料により形成され いる場合には、印刷装置50により缶に印刷す る際に、外側筒部17が変形したり、インキ等 よって腐食することを防止できる。

 そして、この印刷版胴1を備える印刷装置50 よれば、軽量な印刷版胴1を設けることで印 刷装置50の軽量化を図ることができる。また 印刷時に印刷ムラの発生を抑制できるため 缶の歩留まりを向上させることができる。
 さらに、印刷版胴1に錆が発生することも抑 制できることから、同一の印刷版胴1を交換 ることなく長期間にわたって使用すること 可能となり、結果として、印刷装置50のラン ニングコスト削減を図ることができる。

 また、印刷版胴1の製造方法によれば、円 柱部材をその軸方向にわたってくり抜いて軸 部3、リブ7及び内側筒部15を一体に成形して ア部材19を製造した後に、コア部材19を外側 部17に圧入するため、外側筒部17の内径寸法 に対する内側筒部15の外径寸法にずれが生じ ことを防止できる。すなわち、内側筒部15 高精度に成形することが可能となる。特に 上記成形をワイヤカット加工や切削加工等 機械加工により行うことで、軸部3、リブ7及 び内側筒部15の形状をさらに高精度に仕上げ ことができる。

 次に、図6,7を参照して本発明の第2実施形態 に係る印刷版胴について説明する。図6,7に示 すように、この実施形態の印刷版胴71は、第1 実施形態と同様に、軸部3、複数のリブ7及び 側筒部15を一体に形成したコア部材19と、内 側筒部15の外周面15aに対して隙間なく圧入さ る外側筒部17とを備えて構成されているが リブ7の軸方向端面から筒状部5の外周面5aま 貫通するエア供給用流路73の構成について 1実施形態と相違する。
 なお、この実施形態においては、リブ7が4 形成されているが、少なくとも軸部3の周方 に均等な間隔を介して複数配置されていれ よく、例えば第1実施形態と同様に3つ形成 れていてもよい。

 エア供給用流路73は、内側筒部15の外周面15a から窪んで形成された複数のエア流通溝75A,75 B,75C(図示例では3つ)と、1つのリブ7の軸方向 面から各エア流通溝75A,75B,75Cの底部まで貫通 するエア供給路77と、外側筒部の肉厚方向に 通して、エア流通溝75A,75B,75C上に配置され 複数のエア吹出孔79とを備えて構成されてい る。
 各エア流通溝75A,75B,75Cは、第1実施形態と同 に、内側筒部15の外周面15aの周方向全体に たって形成されており、複数のエア流通溝75 A,75B,75Cは、互いに間隔をあけて中心軸O方向 並べて配されている。

 エア供給路77は、1つのリブ7の軸方向端面か ら中心軸O方向に延びる1つの軸方向孔77Aと、 れぞれ軸方向孔77Aに連通するように各エア 通溝75A,75B,75Cの底部から径方向内側に延び 複数の径方向孔77B,77C,77D(図示例では3つ)とか ら構成されている。
 また、同一のエア流通溝75A,75B,75C上に配さ る複数のエア吹出孔79は、外側筒部17の周方 に均等な間隔を介して配列されており、そ ぞれエア吹出孔群79A,79B,79Cを構成している そして、これら複数のエア吹出孔群79A,79B,79C は、複数のエア流通溝75A,75B,75Cの配置に合わ るように、互いに間隔をあけて中心軸O方向 に並べて配されている。

 上記構成の印刷版胴71は、第1実施形態と同 に製造することができる。
 そして、この印刷版胴71にスリーブ印刷版P 着脱する際にも、第1実施形態と同様に、リ ブ7の軸方向端面に開口するエア供給用流路73 のエア供給口からエア供給用流路73内に高圧 アを供給し、筒状部5の外周面5aに開口する ア供給用流路73のエア吹出孔79から高圧エア を吹き出しておき、この状態においてスリー ブ印刷版Pを印刷版胴1に対して軸方向に移動 せればよい。
 また、この印刷版胴71は、第1実施形態に記 された缶の印刷装置50に用いることもでき 。

 上記印刷版胴71によれば、第1実施形態と 様の効果を奏する。さらに、この構成では 外側筒部17の外周面5aの軸方向の複数個所か ら高圧エアを吹き出すことができるため、ス リーブ印刷版Pを着脱する過程において、高 エアによるスリーブ印刷版Pの膨張状態を長 維持することができ、さらにスムーズに着 することが可能となる。

 次に、図8,9を参照して本発明の第3実施形 態に係る印刷版胴について説明する。図8,9に 示すように、この実施形態の印刷版胴81は、 述した2つの実施形態と同様に、軸部3、複 のリブ7及び内側筒部15を一体に形成したコ 部材19と、内側筒部15の外周面15aに対して隙 なく圧入される外側筒部17とを備えている 、エア供給用流路を複数備える点について 記2つの実施形態と相違する。

 この印刷版胴81において、内側筒部15にはそ の外周面15aから窪んで形成された複数のエア 流通溝85A,85B(図示例では2つ)が形成されてお 、互いに間隔をあけて中心軸O方向に並べて されている。
 また、外側筒部17にはその肉厚方向に貫通 てエア流通溝85A,85B上に配される複数のエア 出孔89が形成されている。そして、同一の ア流通溝85A,85B上に配される複数のエア吹出 89は、外側筒部17の周方向に均等な間隔を介 して配列されており、それぞれエア吹出孔群 89A,89Bを構成している。さらに、複数のエア 出孔群89A,89Bは、複数のエア流通溝85A,85Bの配 置に合わせるように、互いに間隔をあけて中 心軸O方向に並べて配されている。

 そして、互いに中心軸Oを中心とした軸対称 に位置する複数のリブ7(図示例では4つ)には その軸方向端部から別個のエア流通溝85A,85B 底部まで貫通する複数のエア供給路87,88(図 例では2つ)が形成されている。すなわち、 エア供給路87,88は、軸方向に配列された複数 のエア流通溝85A,85Bに対して個別に連通して る。
 ここで、第1のエア流通溝85Aに対して連通す る第1のエア供給路87は、リブ7の軸方向端面 ら中心軸O方向に延びる軸方向孔87Aと、軸方 孔87Aに連通するように第1のエア流通溝85Aの 底部から径方向内側に延びる径方向孔87Bとか ら構成されている。

 また、第2のエア流通溝85Bに対して連通する 第2のエア供給路88は、リブ7の軸方向端面か 中心軸O方向に延びる軸方向孔88Aと、軸方向 88Aに連通するように第1のエア流通溝85Bの底 部から径方向内側に延びる径方向孔88Bとから 構成されている。
 そして、第1のエア流通溝85A、第1のエア供 路87及び第1のエア吹出孔群89Aによって、第1 エア供給用流路83Aが構成されることになる また、第2のエア流通溝85B、第2のエア供給 88及び第2のエア吹出孔群89Bによって、第2の ア供給用流路83Bが構成されることになる。

 上記構成の印刷版胴81は、上述した2つの実 形態と同様に製造することが可能であり、 た、同様の缶の印刷装置50に使用すること できる。
 そして、この印刷版胴81によれば、上記2つ 実施形態と同様の効果を奏する。さらに、 方向の各箇所に形成されたエア吹出孔群89A, 89B毎に、高圧エアの供給を個別に制御するこ とが可能である。したがって、スリーブ印刷 版Pを軸方向に移動させて印刷版胴81にスリー ブ印刷版Pを着脱する際には、スリーブ印刷 Pによって覆われているエア吹出孔群89A,89Bの みから高圧エアを吹き出すことができる。す なわち、無駄に高圧エアを吹き出すことを防 止して、効率的にスリーブ印刷版Pを着脱で る、という効果も奏する。

 なお、本発明は、上述した3つの実施形態に 限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸 脱しない範囲において変更可能である。例え ば、エア流通溝33,75A~75C,85A,85Bは、内側筒部15 外周面15aに形成されるとしたが、少なくと エア供給路35,77,87,88と複数のエア吹出孔37,79 ,89とを連通するように形成されていればよい 。すなわち、エア流通溝33,75A~75C,85A,85Bは例え ば外側筒部17の内周面17bに形成されてもよい
 この場合には、エア流通溝33,75A~75C,85A,85Bの 部にエア吹出孔37,79,89が開口し、内側筒部15 の外周面15aに開口するエア供給路35,77,87,88の 口部分がエア流通溝33,75A~75C,85A,85Bに対向し 配されることになる。また、エア流通溝33,7 5A~75C,85A,85Bは、例えば内側筒部15の外周面15a び外側筒部17の内周面17bの両方に形成されて いてもよい。

 また、エア流通溝33,75A~75C,85A,85Bは、内側筒 15の外周面15aや外側筒部17の内周面17bにその 周方向全体にわたって形成されるとしたが、 例えばエア流通溝33,75A~75C,85A,85Bを周方向に分 割して複数形成し、分割された複数のエア流 通溝33,75A~75C,85A,85Bがそれぞれ個別のエア供給 路35,77,87,88に連通されてもよい。すなわち、 の場合には、周方向にわたって配列された ア吹出孔37,79,89がいずれか1つのエア供給路3 5,77,87,88に連通されるように、複数のエア流 溝33,75A~75C,85A,85Bを形成しておけばよい。
 さらに、エア供給路35,77,87,88のエア供給口 、リブ7の軸方向端面に形成されるとしたが これに限ることはなく、少なくともエア供 路35,77,87,88にエアを導入できる位置に形成 れていればよい。すなわち、このエア供給 は、外方に露出するリブ7の外面、軸部3の外 周面3a及び軸方向端面、筒状部5の内周面5b、 状部5の外周面5aのうちスリーブ印刷版Pが配 設されない位置等、任意の位置に形成するこ とが可能である。なお、リブ7の外面の具体 としては、リブ7の軸方向端面の他に、中心 Oに沿って延びるリブ7の側面が挙げられる

 また、エア供給路35,77,87,88は、互いに直交 る方向に延びる軸方向孔35A,77A,87A,88A及び径 向孔35B,77B~77D,87B,88Bから構成されるとしたが 少なくともリブ7の軸方向端面からエア流通 溝33,75A~75C,85A,85B内まで貫通して形成されてい ればよい。すなわち、エア供給路35は、例え 軸方向に対して傾斜するように、リブ7の軸 方向端面からエア流通溝33,75A~75C,85A,85Bの底部 まで直線的に延びて形成されてもよい。
 さらに、外側筒部17は、内側筒部15の外周面 15aに対して隙間なく圧入されるとしたが、少 なくともエア流通溝33,75A~75C,85A,85Bとエア吹出 孔37,79,89との連通部分が外方に対して密閉さ ていればよいため、特に圧入されていなく もよい。すなわち、エア流通溝33,75A~75C,85A,8 5Bとエア吹出孔37,79,89との連通部分から離れ 位置であれば、外側筒部17の内周面17bと内側 筒部15の外周面15aとの間に隙間が形成されて ても構わない。したがって、印刷版胴1を製 造する際にも、必ずしもコア部材19を外側筒 17に圧入した状態とする必要はなく、少な とも円柱部材を外側筒部17に装着した状態と すればよい。

 また、コア部材19は、ワイヤカット加工や 削加工等の機械加工によりくり抜き加工を 施することで製造されるとしたが、これに ることはなく、例えば鋳造によって製造さ てもよい。
 さらに、印刷版胴1は、外側筒部17とコア部 19とに分割して形成されるとしたが、これ が一体に形成されていてもよい。すなわち 筒状部5は、外側筒部17と内側筒部15とを一体 に形成した構成としてもよい。この場合には 、エア流通溝33,75A~75C,85A,85Bを形成せずに、リ ブ7に形成されたエア供給路35,77,87,88と、筒状 部5に形成されたエア吹出孔37,79,89とを直接連 ねて形成すればよい。
 このように構成しても、上記実施形態と同 に、印刷版胴1の軽量化や、印刷時における 放熱性向上を図ることは可能であり、また、 結露の発生も抑えることもできる。

 また、上記実施形態の印刷版胴1,71,81には、 例えば、その回転に伴って隙間領域Sに気流 発生させるフィンが配設されていてもよい 具体的には、例えば図10に示すように、中心 軸Oを中心として複数のリブ7を同一の周方向 捻れるように傾斜させ、前述のフィンとし 構成すればよい。
 この場合には、印刷時に印刷版胴1,71,81が回 転して隙間領域Sに気流が発生することで、 刷版胴1,71,81が冷却されるため、連続運転時 おいても過度に温度上昇するようなことを ぐことができる。したがって、印刷版胴1,71 ,81に取り付けたスリーブ印刷版Pに塗布され インキの温度上昇が抑制されてインキ粘度 安定し、結果として、印刷ムラの発生をさ に効果的に防止することができる。
 また、リブ7をフィンとして構成することで 、印刷版胴1,71,81の部品点数を増やしたり、 材の形状を複雑にすることなく、印刷版胴1, 71,81を冷却することができる。

 さらに、エア吹出孔37,79,89からの高圧エ の吹き出しは、印刷版胴1,71,81に対してスリ ブ印刷版Pを着脱する際に行われるとしたが 、少なくとも印刷版胴1,71,81に対してスリー 印刷版Pを装着する際に行われればよい。そ て、スリーブ印刷版Pを印刷版胴1,71,81から り外す際には、例えばカッター等によりス ーブ印刷版Pを切断してもよい。

 図11は本発明の第4の実施形態に係る印刷 胴の概略構成を説明する部分透過斜視図、 12は本発明の第4の実施形態に係る印刷版胴 示す概略側面図、図13は本発明の第4の実施 態の印刷版胴を用いた缶の印刷装置を示す 略図である。

 第4の実施形態の印刷版胴1010は、円筒状 形成され、その外周面に印刷デザイン(画像 )の施された樹脂製の印刷版(不図示)を備え 被印刷体として飲料缶等を対象とする缶の 刷装置に配設される。また印刷の種類とし は、凸版印刷、例えばオフセット印刷若し は低印圧で印刷可能なフレキソ印刷が採用 れている。また、本実施形態では、外周面 着脱可能な円筒状のスリーブ部材(不図示) 用いており、該スリーブ部材に配した印刷 に直接レーザー加工して作業性よく画像部 形成した後、スリーブ部材ごと印刷版胴1010 外周面に着脱するCTSなる技術を用いている

 図11、図12に示すように、印刷版胴1010は 中心軸C周りに回転される円筒状の軸部1001と 、この軸部1001の外側に該軸部1001と同軸に配 され、軸部1001と中心軸C方向に略同長に設 される円筒状の筒状部1002と、を備えている 筒状部1002は、軸部1001に比べ薄肉に形成さ て軽量化されており、また筒状部1002の内周 と軸部1001の外周面とを繋ぐようにして、中 心軸Cに平行に延びる略平板状の複数のリブ10 03が、周方向均等に配設されている。また、 れら軸部1001と筒状部1002との間の空間は領 Sとされており、領域Sの中心軸C方向の両端 は、外気に開放された状態となっている。

 軸部1001には、印刷装置本体に設置され印刷 版胴1010を回転方向Rに駆動するための駆動軸1 011の先端部分が挿入されるようになっている 。軸部1001の内径と駆動軸1011の先端部分の外 とは略同一寸法に設定されていて嵌め合わ れるようになっており、嵌合した一体の状 で、不図示のキー部材等により回転方向Rに 互いに不可動とされている。またこれら軸部 1001と駆動軸1011とは、着脱可能とされている
 また、印刷版胴1010は、例えばその外径がφ2 00mm程度、中心軸C方向の長さが略190mm程度と れ、回転数が800rpm以下に設定される。

 また、軸部1001の外周面には、略平板状の 複数のフィン1004が該外周面を基端に立設さ ている。図12に示すように、これらフィン100 4は、軸部1001の外周面に周方向均等に配設さ ており、軸部1001の外周面から径方向外方へ 延びるその高さが領域Sの径方向略中央部分 りも若干短く設定されている。また、軸部10 01と駆動軸1011とが嵌合した状態で、各々のフ ィン1004が、中心軸C方向の一方側(図11におけ 右側)の駆動軸1011の基端側から他方側(図11 おける左側)の駆動軸1011の先端側へと向かう に従い漸次回転方向Rに捩れ、傾斜するよう して略螺旋状に形成されていて、中心軸Cと 非平行な向きに延在している。

 また、これらフィン1004の中心軸C方向の さは、印刷版胴1010の中心軸C方向の全長の1/5 ~1/2程度に設定されている。これらフィン1004 材質としては、例えば鉄やチタン等の金属 料を用いることができるが、これらに限定 れるものではない。ただし、放熱効果の高 材料を用いることがより好ましい。

 次に、本発明の印刷版胴1010を用いた缶の印 刷装置1050について説明する。
 図13に示すように、この缶の印刷装置1050は インキ付着機構1051と、缶移動機構1052とを している。
 インキ付着機構1051は、印刷される各色それ ぞれに設けられる複数のインカーユニット105 5と、各インカーユニット1055から転写された ンキをサイズコート膜が形成された略円筒 のワーク(缶)1056の外周面に転写するブラン ットホイール1057とを備えている。

 インカーユニット1055は、印刷される色のイ ンキが充填されたインキ源1061と、インキ源10 61と接触してインキを受け取るダクティング ーラ1062と、ダクティングローラ1062からゴ ローラ1063にインキを受け渡す複数のローラ らなる中間ローラ1064と、ゴムローラ1063に 触する印刷版胴1010とを有する。また印刷版 1010の外周面には、着脱可能なスリーブ部材 が設けられ、さらにスリーブ部材の外周面に は画像部の形成された印刷版が配設されてい る。また、これら印刷版胴1010は缶の印刷装 1050の駆動軸1011に回転可能に支持されている 。
 また、ブランケットホイール1057の外周面に は、印刷版胴1010の印刷版と接触するブラン ット1066が複数枚設けられている。

 また、缶移動機構1052は、ワーク1056を取 入れる缶シュータ1067と、缶シュータ1067から 供給されたワーク1056を回転自在に保持する ンドレル1068と、このマンドレル1068に装着さ れたワーク1056を順次インキ付着機構1051方向 回転移動させるマンドレルターレット1069と を備える。

 缶の印刷装置1050では、各インカーユニッ ト1055のインキ源1061からそれぞれ異なる色の ンキが、ダクティングローラ1062、中間ロー ラ1064及びゴムローラ1063を介して印刷版胴1010 の外周面に配設される印刷版に付着する。そ して、各インキが、これら印刷版から回転す るブランケットホイール1057上のブランケッ 1066にパターンとして乗せられ、このパター がマンドレル1068に保持されたワーク1056の 胴に接触しながら印刷される。そして、こ ら各色のインキのパターンが重なり合って 缶胴に1つの図柄が印刷されるようになって る。すなわち、缶胴に印刷される図柄は、 色の印刷版胴1010の印刷版の画像部のパター ンが重なり合って形成されている。

 以上説明したように、本実施形態の印刷 胴1010によれば、印刷時に印刷版胴1010が回 方向Rに回転すると、この回転に伴ってフィ 1004が領域Sの空気を捉え掻き込むようにし 中心軸C方向の他方側から一方側へと気流を 生させるようになっている。従って、領域S には中心軸C方向の他方側から外気が流れ込 とともに、この外気が領域Sを形成する曲面 平面等と熱交換に用いられた後、一方側か 送出されるようになっている。すなわち、 のような気流によって印刷版胴1010が冷却さ れていて、連続運転時においても印刷版胴101 0が過度に温度上昇するようなことが防止さ ている。よって、印刷版胴1010の外周面の印 版に塗布されるインキの温度上昇が抑制さ インキ粘度が安定して、インキの乗り・色 い等の精度が良好に保たれる。

 また、前記気流の流れる向きが、中心軸C 方向の他方側から一方側へと設定されている ので、領域Sに冷えた外気を引き込みやすく れており、この外気が印刷版胴1010を効果的 冷却した後、さらに駆動軸1011を冷やし、運 転時に発熱する駆動軸1011から印刷版胴1010へ 熱伝導を抑制するので、冷却効率がより向 している。

 すなわち、従来のように、印刷版胴1010を 冷却するための冷風を発生させる強制空冷装 置を設けたり、強制空冷装置で発生した冷風 を印刷版胴1010の軸部1001に向け吹き出させる めの空冷ダクト等を設けたりする必要が一 なく、装置が簡便に構成され、設備費用、 転費用及びメンテナンス費用が低減される

 また、本実施形態の印刷版胴1010ではCTS技 術を用いているので、印刷版胴1010の印刷版 位置調整が容易に精度よく行え、また印刷 に画像部を形成するための作業工程や印刷 の交換(着脱)作業が簡便に行えて、生産性が 高められている。さらに、CTS技術を用いた印 刷版胴1010が効果的に冷却されることにより これらの相乗効果によって生産性が飛躍的 向上されている。

 次に、本発明の第5の実施形態について説明 する。
 図14は本発明の第5の実施形態に係る印刷版 の概略構成を説明する部分透過斜視図、図1 5は本発明の第5の実施形態に係る印刷版胴を す概略側面図である。
 尚、前述の第4の実施形態の印刷版胴1010と 一部材には同一の符号を付し、その説明を 略する。

 図14、図15に示すように、第5の実施形態の 刷版胴1020の筒状部1002の内周面には、略平板 状の複数のフィン1014が該内周面を基端に立 されている。図15に示すように、これらフィ ン1014は、筒状部1002の内周面に周方向均等に 設され、筒状部1002の内周面から径方向内方 へ延びるその高さが領域Sの径方向略中央部 に設定されている。また、軸部1001と駆動軸 が嵌合した状態で、各々のフィン1014が、中 心軸C方向の一方側(図14における右側)の駆動 の基端側から他方側(図14における左側)の駆 動軸の先端側へと向かうに従い漸次回転方向 Rに捩れ傾斜するようにして、略螺旋状に形 されていて、中心軸Cとは非平行な向きに延 している。また、これらフィン1014の中心軸 C方向の長さは、印刷版胴1020の中心軸C方向の 全長の1/5~1/2程度に設定されている。
 また、本実施形態の印刷版胴1020も、前述の 印刷版胴1010と同様に缶の印刷装置1050に複数 設されて、缶の印刷に用いられる。

 以上説明したように、本実施形態の印刷 胴1020によれば、印刷時に印刷版胴1020が回 方向Rに回転すると、この回転に伴ってフィ 1014が領域Sの空気を掻き込むようにして、 心軸C方向の他方側から一方側へと気流を発 させるようになっている。従って、前述の 4の実施形態の印刷版胴1010において説明し 効果と同様の効果を奏効することができる

 次に、本発明の第6の実施形態について説明 する。
 図16は本発明の第6の実施形態に係る印刷版 の概略構成を説明する部分透過斜視図、図1 7は本発明の第6の実施形態に係る印刷版胴を す概略側面図である。
 尚、前述の第4、第5の実施形態の印刷版胴10 10,1020と同一部材には同一の符号を付し、そ 説明を省略する。

 図16、図17に示すように、第6の実施形態の 刷版胴1030は、筒状部1002の内周面と軸部1001 外周面とを繋ぐようにして、中心軸Cに対し 斜するようにして形成され、中心軸Cとは非 平行な向きに延在する略平板状の複数のリブ 1023が周方向均等に配設されていて、これら ブ1023が、領域Sに気流を発生させるためのフ ィン1024とされている。すなわち、軸部1と駆 軸とが嵌合した状態で、各々のリブ1023が、 中心軸C方向の一方側(図16における右側)の駆 軸の基端側から他方側(図16における左側)の 駆動軸の先端側へと向かうに従い漸次回転方 向Rに捩れ傾斜するようにして、略螺旋状に 成されている。また、これらリブ1023の中心 C方向の長さは、印刷版胴1030の中心軸C方向 全長と略同一長に設定されている。
 また、本実施形態の印刷版胴1030も、前述の 缶の印刷装置1050に複数配設されて、缶の印 に用いられる。

 以上説明したように、本実施形態の印刷 胴1030によれば、軸部1001の外周面と筒状部10 02の内周面とを繋ぐリブ1023が冷却のためのフ ィン1024とされているので、構成部材を従来 比べ増やすことなく、簡便な構成で印刷版 1030を冷却する効果が得られる。

 次に、本発明の第7の実施形態について説明 する。
 図18は本発明の第7の実施形態に係る印刷版 の概略構成を説明する部分透過斜視図であ 。
 尚、前述の第4、第5、第6の実施形態の印刷 胴1010,1020,1030と同一部材には同一の符号を し、その説明を省略する。

 図18に示すように、第7の実施形態の印刷 胴1040は、筒状部1002の中心軸C方向の他方側( 図18における左側)の端部に、略車輪状若しく は複数の羽根の径方向外方の端部を互いに接 続してなる略プロペラ状の冷却部材1041が中 軸Cに同軸かつ着脱可能に配設されている。 なわち、冷却部材1041は、軸部1001と駆動軸10 11とが嵌合した状態で、駆動軸1011の先端側に 配設される。冷却部材1041は、略円筒状の軸 1042と、軸部1042の外側に同軸に配設される略 円環状のリング体1043とを有し、これら軸部10 42とリング体1043とを略平板状の複数のフィン 1034で繋ぐようにして形成されている。また リング体1043は、その外径が筒状部1002の外径 と略同一寸法とされている。

 これらフィン1034は、軸部1042の外周面に 方向均等に配設されており、各々のフィン10 34が、中心軸C方向の一方側(図18における右側 )から他方側へ向かうに従い漸次回転方向Rに れ傾斜するように形成されていて、中心軸C とは非平行な向きに延びている。

 また、冷却部材1041の軸部1042の中心軸を 通する貫通孔は、一方側よりも他方側の内 が大きく設定されていて、略多段円柱孔状 形成されている。軸部1042の他方側の端部に 、中空ドーム状に形成され取り外し可能な ナップフィット式のキャップ1044が配設され ており、該キャップ1044の内部には、中心軸C 向に延びる雄ネジ(不図示)が、そのネジ部 を軸部1042の貫通孔に遊嵌するとともに軸部1 042から一方側へ突出して配置している。また 、駆動軸1011の他方側の先端面には、中心軸C 向に穿設されネジ加工された雌ネジ穴1011a 形成されている。

 そして、これら雄ネジと雌ねじ穴1011aとが 合されることによって、冷却部材1041が印刷 胴1040に装着される。尚、印刷版胴1040の回 時に冷却部材1041の雄ネジが緩んで空転しな ように、図示しない回り止めピンやネジ緩 止め剤等を用いることが好ましい。
 また、本実施形態の印刷版胴1040も、前述の 缶の印刷装置1050に複数配設されて、缶の印 に用いられる。

 以上説明したように、本実施形態の印刷 胴1040によれば、印刷版胴1040の中心軸C方向 端部に着脱可能な冷却部材1041にフィン1034 形成されていて、印刷版胴1040が回転方向Rに 回転した際に、軸部1001と冷却部材1041とが一 に回転して、該冷却部材1041のフィン1034が 部1001と筒状部1002との間の領域Sに、他方側 駆動軸1011の先端側から一方側の駆動軸1011の 基端側へ気流を発生させるようになっている 。従って、缶の印刷装置1050に複数の印刷版 1040が設けられる場合に、各々の印刷版胴1040 の所望の冷却温度に合わせ冷却部材1041のフ ン1034の枚数や形状を設定したり、或いは後 けで容易に冷却部材1041を設置したりするこ とができ、種々様々な印刷版胴1040の冷却の 望に柔軟に対応することが可能である。

 尚、本発明は前述の第4~第7の実施形態に限 されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱 ない範囲において種々の変更を加えること 可能である。
 例えば、第4~第7の実施形態では、フィンを 々中心軸Cに対し傾斜させ、中心軸Cとは非 行な向きに延在させて形成することとして 明したが、フィンが領域Sに気流を発生させ ことが可能であればよく、これに限定され ものではない。すなわち、例えば複数のフ ンを周方向均等に中心軸C方向に延在させ、 シロッコファン状に形成して、印刷版胴が回 転した際に、径方向内方から外方へ向け気流 を発生させるようにしても構わない。また、 例えば複数の短寸のフィンを中心軸Cに対し 行に形成するとともに、これらフィンを中 軸C方向の一方側から他方側へと向かうに連 漸次回転方向Rに向け階段状に配置するよう にして並べても構わない。

 また、第4の実施形態ではフィン1004を軸部10 01の外周面に立設し、第5の実施形態ではフィ ン1014を筒状部1002の内周面に立設することと て説明したが、これらフィン1004,1014を共に 設してもよい。また、さらに第6の実施形態 のリブ1023(フィン1024)や第4の実施形態のフィ 1034を混在して、印刷版胴を形成しても構わ ない。
 また、フィンの径方向の高さや中心軸C方向 の長さ、或いは数量や形状は、本実施形態に 限定されるものではない。

 また、第4~第7の実施形態では、フィンが中 軸C方向の一方側から他方側に向かうに連れ 漸次回転方向Rに傾斜して形成され、印刷版 が回転して発生する気流が他方側から一方 へと向かって流れることとして説明したが これに限らずに、フィンが中心軸C方向の他 側から一方側に向かうに連れ漸次回転方向R に傾斜して形成され、印刷版胴が回転方向R 回転して発生する気流が一方側から他方側 と向かって流れるように設定しても構わな 。
 また或いは、傾斜の異なる複数のフィンを い違いに並べ、領域Sに乱流を発生させて印 刷版胴を冷却することとしても構わない。
 また、フィン(リブ)は、軸部1001の回転に伴 て領域Sに気流を発生させるように配設され ていればよく、例えば、フィンが中心軸C方 に平行に延びる平板状とされていても構わ い。

 また、第7の実施形態では、冷却部材1041 印刷版胴1040の中心軸C方向の駆動軸1011の先 側に着脱可能に配設されることとして説明 たが、これに限らず、駆動軸1011の基端側に 脱可能に配設される構成としても構わない

 また、第4~第7の実施形態では、印刷版胴 軸部1001は円筒状に形成されていることとし て説明したが、これに限定されるものではな い。すなわち、略円柱状や略テーパ状或いは それ以外の形状であっても構わない。

 また、第4~第7の実施形態では、その印刷 種類が凸版印刷であることとして説明した 、印刷の種類はこれに限定されるものでは い。すなわち、例えば水無し平版等に本発 を用いることとすれば、印刷版胴の温度上 が抑制され印刷版の劣化が防止されて、長 に亘り安定した印刷を行うことが可能とな 。

 また、第4~第7の実施形態では、印刷版胴 外周面に着脱可能なスリーブ部材が設けら 、該スリーブ部材の外周面に印刷版が配設 れていることとして説明したが、これに限 されるものではない。すなわち、スリーブ 材を用いる代わりに、例えば、印刷版胴の 周面にプレート状の印刷版を直接クランプ て着脱可能に固定する構成としてもよい。

 さらに、第4~第7の実施形態は、前記第1~ 3の実施形態と共に存在させることができる 例えば、エア供給路を通じてエア吹出孔か エアを吹き出すことで、スリーブ印刷版を 径して装着する構成とされている印刷版胴 、軸部の外周面と筒状部の間の間隔に気流 発生させるフィンを配設することもできる

 以下、本発明の第8実施形態に係る印刷版 胴について説明する。本実施形態である印刷 版胴2040は、円筒状をなすスリーブ印刷版2030 密着させるように支持するものである。こ 印刷版胴2040は、図19~21に示すように、外形 軸線L方向に延びる概略円柱状をなしており 、内周側に位置するコア部材2050と、円筒状 なしてコア部材2050の外周側に同軸上に配さ るスリーブ部材2060と、を備えている。

 コア部材2050は、軸線L方向に貫通する嵌入 2051を有する内側筒部2052と、この内側筒部205 2の外周面から間隔をおいて配される外側筒 2053と、径方向に延びて内側筒部2052と外側筒 部2053とを一体に連結する複数(図示例では3つ )のリブ2054と、を備えている。
 内側筒部2052に設けられた嵌入孔2051には、 刷装置の回転シャフト2006が嵌挿され、印刷 胴2040が印刷装置に着脱可能に装着される。 回転シャフト2006に固定された状態において 、回転シャフト2006の回転力がコア部材2050に 伝達され、印刷版胴2040が軸線L回りに回転さ られるように構成されている。

 リブ2054は、内側筒部2052や外側筒部2053の 方向に幅狭とされた略板状に形成されてお 、内側筒部2052の外周面から外側筒部2053の 周面まで延びるとともに軸線L方向にわたっ 延在するように形成されている。具体的に 各リブ2054は、その径方向内側に位置する一 端部が内側筒部2052の外周面に一体に固定さ 、他端部が外側筒部2053の内周面に一体に固 されている。そして、複数のリブ2054は、コ ア部材2050の周方向に均等な間隔を介して配 されている。したがって、この印刷版胴2040 おいては、上述したリブ2054と内側筒部2052 外側筒部2053とにより、軸線L方向の両端部か ら外方に開放された隙間領域Sが画成されて る。

 複数のリブ2054のうちの1つには、軸線L方向 面(外面)から軸線L方向に延びるエア供給路2 055が設けられている。
 また、外側筒部2053の外周面には、軸線L方 の一部に、径方向に凹んだ環状溝2056が形成 れている。この環状溝2056の底部には、前述 のエア供給路2055に連通されるとともに径方 外側に向けて延びるエア連絡路2057が開口さ られている。

 スリーブ部材2060は、コア部材2050の外周側 嵌合されており、その軸線L方向の一端部に 、図20及び図22に示すように、内周側に突出 した係止部2061が形成されている。
 係止部2061は、スリーブ部材2060にコア部材20 50を圧入した際に、コア部材2050の軸線L方向 面に当接するようになっており、コア部材20 50に対するスリーブ部材2060の軸線L方向位置 位置決めする役割を果たしている。なお、 止部2061は、その内径寸法がコア部材2050の内 周面の内径寸法よりも大きく設定されており 、圧入状態においてコア部材2050の内周面よ も内側に突出することがないように構成さ ている。

 また、スリーブ部材2060には、その肉厚方向 (径方向)に貫通するエア吹出孔2062が複数形成 されており、複数のエア吹出孔2062は、スリ ブ部材2060の周方向に均等な間隔を介して配 されている。
 これら複数のエア吹出孔2062は、スリーブ部 材2060にコア部材2050を圧入した状態において コア部材2050の環状溝2056上(径方向外側)に配 置されることになり、環状溝2056を介してエ 連絡路2057及びエア供給路2055に連通させられ ている。

 なお、図示例においては、環状溝2056及び 複数のエア吹出孔2062が印刷版胴2040の軸線L方 向の一端部側に寄せて配されているが、例え ば軸線L方向の中間位置に配されていてもよ 。なお、図示例のように環状溝2056及び複数 エア吹出孔2062を軸線L方向の一端部側に寄 て配置する場合には、図22に示すように、印 刷版胴2040の軸線L方向の他端部側から回転シ フト2006を挿入するように、印刷版胴2040を 成することが好ましい。

 コア部材2050及びスリーブ部材2060には、こ らの相対的な周方向位置を位置決めするた の有底孔2058及び貫通孔2063がそれぞれ形成さ れている。すなわち、コア部材2050にはその 周面から凹む有底孔2058が形成され、スリー 部材2060にはその肉厚方向に貫通する貫通孔 2063が形成されている。ここで、スリーブ部 2060をコア部材2050に装着した状態においては 、有底孔2058及び貫通孔2063の軸方向位置が一 するようになっている。
 したがって、この状態において、有底孔2058 及び貫通孔2063が互いに連通するようにコア 材2050及びスリーブ部材2060の相対的な周方向 位置を調整し、これら有底孔2058及び貫通孔20 63にわたって位置決めピン2041を挿入すること で、コア部材2050及びスリーブ部材2060の相対 な周方向位置も位置決めすることができる

 そして、本実施形態においては、コア部 2050とスリーブ部材2060とが互いに異なる材 によって構成されており、具体的には、コ 部材2050が、加工性に優れた炭素鋼で構成さ 、スリーブ部材2060が、耐食性及び剛性に優 れたステンレス鋼で構成されている。

 次に、前述のような構成とされた印刷版胴2 040の製造方法について説明する。
 本実施形態である印刷版胴2040を製造する際 には、はじめに、炭素鋼からなる円柱部材( 示なし)をその軸線L方向にわたってくり抜き 加工することによって、内側筒部2052、リブ20 54及び外側筒部2053を一体に成形する。すなわ ち、この円柱部材のくり抜き部分が、嵌入孔 2051や隙間領域Sとなり、これによってコア部 2050が製造される。なお、円柱部材のくり抜 き加工は、種々の加工方法によって実施可能 であるが、ワイヤカット加工や切削加工等の 機械加工によって行われることがより好まし い。このとき、嵌入孔2051は、印刷装置の回 シャフト2006が嵌入されることから高い寸法 度が求められる。
 また、円柱部材の外周面には、切削加工等 よって環状溝2056が形成される。さらに、リ ブ2054にエア供給路2055が穿設され、環状溝2056 の底部にエア連絡路2057が穿設され、これら ア供給路2055とエア連絡路2057とが連通される 。

 スリーブ部材2060は、ステンレス鋼からなる リング状の素材を、所定寸法に切削加工する とともに、複数のエア吹出孔2062が穿設され ことによって成形される。なお、スリーブ 材2060の外周面には、メッキ処理を行う必要 ない。
 そして、コア部材2050をスリーブ部材2060の 周側に圧入し、スリーブ部材2060の係止部2061 がコア部材2050の端面に当接するように軸線L 向位置を調整した後に、有底孔2058及び貫通 孔2063を穿設する。そして、この有底孔2058及 貫通孔2063に位置決めピン2041が挿入される このようにして、本実施形態である印刷版 2040が製出される。

 次に、本実施形態である印刷版胴2040に装 着されるスリーブ印刷版2030について説明す 。本実施形態で使用されるスリーブ印刷版20 30は、図23及び図24に示すように、軸線Lに沿 て延びる円筒状をなすスリーブ支持体2031と スリーブ支持体2031の外周側に配設された版 材2032と、を備えている。

 版材2032は、例えばレーザー光による彫刻が 可能な感光性樹脂からなり、肉厚が0.5mm~1.0mm 円筒状をなしている。この版材2032は、スリ ーブ支持体2031の外周面に溶融樹脂を塗布し 硬化させることによってスリーブ支持体2031 一体に成形されている。そして、エッチン やレーザー加工によって画像パターンを有 る凸版2033(版本体)が形成される。なお、本 施形態では、2つの凸版2033,2033が軸線Lを挟 で対向する位置に配設されている。
 スリーブ支持体2031は、繊維強化プラスチッ ク(FRP)若しくはポリエチレンテレフタレート( PET)樹脂で形成されており、その肉厚が0.1mm~0. 5mmとされている。
 そして、スリーブ印刷版2030全体の肉厚は、 0.6mm~1.5mmとされ、内径が印刷版胴2040の外径よ りも僅かに小さく設定されている。

 次に、この印刷版胴2040に対するスリーブ印 刷版2030の装着方法について説明する。
 印刷版胴2040に対してスリーブ印刷版2030を 着する際には、まず、スリーブ印刷版2030の 部を印刷版胴2040の一端に嵌め込む。この状 態で、リブ2054の軸線L方向端面に開口するエ 供給路2055に高圧エアを供給する。すると、 エア供給路2055及びエア連絡路2057を通じてエ が環状溝2056内に供給されて周方向に広がっ ていく。そして、スリーブ部材2060の外周面 開口するエア吹出孔2062から高圧エアが吹き される。

 エア吹出孔2062から吹き出される高圧エア によってスリーブ印刷版2030が拡径された状 で、スリーブ印刷版2030を軸線L方向に移動さ せる。そして、スリーブ印刷版2030の軸線L方 位置、周方向位置が調整された後に、高圧 アの供給を停止することにより、スリーブ 刷版2030が元の内径に戻り、スリーブ印刷版 2030が印刷版胴2040の円筒面に装着されること なる。

 次に、本実施形態である印刷版胴2040を備え たオフセット印刷装置2000Aについて説明する 本実施形態であるオフセット印刷装置2000A 、円筒状をなす缶体の外周面に印刷を施す の印刷装置である。オフセット印刷装置2000A の概略を図25に示す。
 オフセット印刷装置2000Aは、複数配置され インク付着機構2000Bと、缶移動機構2000Cとで 略構成されている。

 インク付着機構2000Bは、インクを供給する ンカーユニット2001と、このインカーユニッ 2001に接触してインクを写し取った後、缶胴 2020の外周面に接触して該インクを印刷する( 着させる)ブランケット2009を複数枚備える ランケットホイール2008とから構成される。
 インカーユニット2001は、インク源2002と、 ンク源2002に接触してインクを受けるダクテ ングロール2003と、このダクティングロール 2003に接続して複数のローラからなる中間ロ ラ2004と、この中間ローラ2004に接続するゴム ローラ2005と、このゴムローラ2005に接続する 刷版胴2040とからなり、印刷版胴2040の外周 には缶胴2020に転写する画像パターンを備え 凸版2033を備えたスリーブ印刷版2030が配設 れている。ブランケットホイール2008の外周 には、ブランケット2009が複数枚備えられて おり、このブランケット2009は、印刷版胴2040 外周面に配設されたスリーブ印刷版2030の凸 版2033に接触するとともに、缶胴2020に接触す 構成とされている。

 缶移動機構2000Cは、缶胴2020を取り入れる シュータ2010と、この缶シュータ2010から供 された缶胴2020を回転自在に保持するマンド ル2011と、このマンドレル2011に装着された 胴2020を、順次、インク付着機構2000B方向に 転移動させるマンドレルターレット2012とで 成されている。

 このオフセット印刷装置2000Aにおいては、 々のインカーユニット2001のインク源2002から 各々異なった色のインクが、ダクティングロ ール2003、中間ローラ2004、ゴムローラ2005を介 して、印刷版胴2040の外周面に配設された凸 2033に付着させられ、これら各色のインクが 回転するブランケットホイール2008上のブラ ンケット2009にパターンとして乗せられ、こ パターンがマンドレル2011に保持された缶胴2 020に接触しながら印刷される。
 このようにして本実施形態である印刷版胴2 040が使用される。

 前述の構成とされた本実施形態である印 版胴2040によれば、回転シャフト2006が嵌入 れる嵌入孔2051を有するコア部材2050と、スリ ーブ印刷版2030が装着されるスリーブ部材2060 が別体とされ、これらコア部材2050とスリー ブ部材2060とが互いに異なる材質で構成され いるので、コア部材2050及びスリーブ部材2060 の材質を、要求される特性に応じて適宜選択 することが可能となる。

 本実施形態では、コア部材2050が加工性に 優れた炭素鋼で構成されているので、印刷装 置の回転シャフト2006が嵌入される嵌入孔2051 寸法精度良く成形することができ、印刷版 2040の着脱を円滑に行うこと可能となる。特 に、本実施形態においては、コア部材2050に 隙間領域S、エア供給路2055、エア連絡路2057 び環状溝2056が設けられていることから、加 性の良い炭素鋼を用いることでこれらを容 に、かつ、寸法精度良く成形することが可 となる。また、隙間領域Sが形成されている ことから、印刷版胴2040の軽量化を図ること できる。

 また、スリーブ印刷版2030が装着されるス リーブ部材2060が耐食性、剛性に優れたステ レス鋼で構成されているので、スリーブ部 2060の円筒面にメッキ処理を行うことなく、 の発生を抑制することが可能となる。さら 、円筒面の剛性が向上することから、印刷 安定して行うことができる。

 そして、この印刷版胴2040を備えるオフセッ ト印刷装置2000Aによれば、軽量な印刷版胴2040 を回転シャフト2006に装着することにより回 動作が安定し、印刷時における印刷ムラの 生を抑制でき、缶の歩留まりを向上させる とができる。
 さらに、印刷版胴2040に錆が発生することも 抑制できることから、同一の印刷版胴2040を 換することなく長期間にわたって使用する とが可能となり、結果として、オフセット 刷装置2000Aのランニングコスト削減を図るこ とができる。

 次に、本発明の第9の実施形態である印刷版 胴について説明する。本実施形態である印刷 版胴2140は、図26に示すように、外形が軸線L 向に延びる概略円柱状をなしており、内周 に位置するコア部材2150と、円筒状をなして ア部材2150の外周側に同軸上に配されるスリ ーブ部材2160と、を備えている。
 そして、本実施形態では、コア部材2150がス テンレス鋼で構成され、スリーブ部材2160が 脂材料で構成されている。

 コア部材2150は、第8の実施形態と同様に 軸線L方向に貫通する嵌入孔2151を有する内側 筒部2152と、この内側筒部2152の外周面から間 をおいて配される外側筒部2153と、径方向に 延びて内側筒部2152と外側筒部2153とを一体に 結する複数(図示例では3つ)のリブ2154と、を 備えている。

 スリーブ部材2160を構成する樹脂材料は、例 えばポリエーテルエーテルケトン樹脂(いわ るPEEK樹脂)からなり、軽量で、かつ、炭素鋼 と比較して低い熱伝導率を有している。
 このスリーブ部材2160の内径は、コア部材215 0を圧入しない状態において、コア部材2150の 径よりも小さく設定されている。よって、 ア部材2150を圧入した状態においては、スリ ーブ部材2160は拡径されていて周方向に引張 力が負荷されることになる。

 この構成の印刷版胴2140によれば、コア部材 2150がステンレス鋼で構成されているので、 ア部材2150での錆の発生を抑えることが可能 なる。つまり、嵌入孔2151における錆の発生 をも防止できるのである。これにより、オフ セット印刷装置2000Aの回転シャフト2006の挿抜 を円滑に行うことができる。
 また、スリーブ部材2160が樹脂材料で構成さ れているので、この印刷版胴2140の一層の軽 化を図ることができる。また、スリーブ部 2160においても錆が発生するおそれがないた 、印刷版胴2140の円筒面に印刷版を精度良く 配設することができる。さらに、スリーブ部 材2160の熱伝導率が低いため、オフセット印 装置2000Aの駆動部から発生する熱の伝導を抑 えることが可能となり、長時間にわたって安 定した印刷を行うことができる。

 次に、本発明の第10の実施形態である印刷 胴について説明する。本実施形態である印 版胴2240は、図27に示すように、外形が軸線L 向に延びる概略円柱状をなしており、内周 に位置するコア部材2250と、円筒状をなして コア部材2250の外周側に同軸上に配されるス ーブ部材2260と、を備えている。
 そして、本実施形態では、コア部材2250が樹 脂材料で構成され、スリーブ部材2260がステ レス鋼で構成されている。

 コア部材2250は、第8の実施形態や第9の実施 態と異なり、隙間領域Sが形成されておらず 、軸線L方向に貫通する嵌入孔2251のみが形成 れている。コア部材2250を構成する樹脂材料 は、例えばポリエーテルエーテルケトン樹脂 (いわゆるPEEK樹脂)からなり、軽量で、かつ、 炭素鋼と比較して低い熱伝導率を有している 。
 このコア部材2250が、ステンレス鋼からなる スリーブ部材2260の内周側に圧入され、本実 形態である印刷版胴2240が構成される。

 この構成の印刷版胴2240によれば、印刷版 胴2240の大部分を占めるコア部材2250が樹脂材 で構成されていることから、印刷版胴2240の 大幅な軽量化を図ることができる。また、コ ア部材2250における錆の発生を抑えることが き、オフセット印刷装置2000Aの回転シャフト 2006の挿抜を円滑に行うことができる。さら 、コア部材2250の熱伝導率が低いため、オフ ット印刷装置2000Aの駆動部から発生する熱 伝導を抑えることができ、長時間にわたっ 安定した印刷を行うことができる。

 さらに、スリーブ部材2260が、耐食性に優 れたステンレス鋼で構成されているので、円 筒面に錆が発生するおそれがない。また、印 刷版胴2240の円筒面の剛性が向上することか 、印刷を安定して行うことができる。さら 、スリーブ部材2260の剛性が高いことから、 脂材料からなるコア部材2250が熱膨張しよう としてもスリーブ部材2260によって変形が抑 られ、安定した印刷を長時間にわたって行 ことができる。

 次に、本発明の第11の実施形態である印刷 胴について説明する。本実施形態である印 版胴2340は、図28に示すように、外形が軸線L 向に延びる概略円柱状をなしており、内周 に位置するコア部材2350と、円筒状をなして コア部材2350の外周側に同軸上に配されるス ーブ部材2360と、コア部材2350とスリーブ部材 2360との間に形成された中間層2370と、を備え いる。
 そして、本実施形態では、コア部材2350が炭 素鋼で構成され、スリーブ部材2360がステン ス鋼で構成され、中間層2370が樹脂材料で構 されている。

 コア部材2350は、第8の実施形態と同様に、 線L方向に貫通する嵌入孔2351を有する内側筒 部2352と、この内側筒部2352の外周面から間隔 おいて配される外側筒部2353と、径方向に延 びて内側筒部2352と外側筒部2353とを一体に連 する複数(図示例では3つ)のリブ2354と、を備 えている。
 中間層2370を構成する樹脂材料は、例えばポ リエーテルエーテルケトン樹脂(いわゆるPEEK 脂)からなり、軽量で、かつ、炭素鋼と比較 して低い熱伝導率を有している。

 この構成の印刷版胴2340によれば、コア部 材2350が加工性に優れた炭素鋼で構成されて るので、オフセット印刷装置2000Aの回転シャ フト2006が嵌入される嵌入孔2351を寸法精度良 成形することができ、印刷版胴2340の着脱を 円滑に行うこと可能となる。また、隙間領域 Sが形成されていることから、印刷版胴2340の 量化を図ることができる。

 また、印刷版が装着されるスリーブ部材2 360が耐食性、剛性に優れたステンレス鋼で構 成されているので、スリーブ部材2360の円筒 にメッキ処理を行うことなく、錆の発生を 制することが可能となる。さらに、円筒面 剛性が向上することから、印刷を安定して うことができる。

 さらに、コア部材2350とスリーブ部材2360 の間に、熱伝導率の低い樹脂材料からなる 間層2370が設けられているので、オフセット 刷装置2000Aの駆動部から発生する熱の伝導 抑えることができ、長時間にわたって安定 た印刷を行うことができる。

 以上、本発明の実施形態について説明した 、本発明はこれに限定されることはなく、 の発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適 変更可能である。
 例えば、本実施形態では、スリーブ印刷版 装着する印刷版胴として説明したが、これ 限定されることはなく、プレート状の印刷 を装着するものであってもよい。

 また、第11の実施形態において1つの中間層 形成したもので説明したが、これに限定さ ることはなく、2以上の中間層が形成されて いてもよい。
 さらに、樹脂材料をポリエーテルエーテル トン樹脂(いわゆるPEEK樹脂)として説明した 、これに限定されることはなく、他の樹脂 料を選択してもよい。
 また、コア部材、スリーブ部材、中間層の れぞれの材質は、実施形態に限定されるこ はなく、適宜選択することができる。
 さらに、コア部材の形状(リブの配置、本数 、形状)は、本実施形態に限定されることは く、適宜設計することができる。

 なお、第8~第11の実施形態は、前記第1~第3 の実施形態、および/または前記第4~第7の実 形態と共に存在させることができる。例え 、エア供給路を通じてエア吹出孔からエア 吹き出すことで、スリーブ印刷版を拡径し 装着する構成とされている印刷版胴のコア 材とスリーブ部材とが、異なる材質で構成 れていても構わない。また、エア供給路を じてエア吹出孔からエアを吹き出すことで スリーブ印刷版を拡径して装着する構成と れており、軸部の外周面と筒状部の間の間 に気流を発生させるフィンが配設された印 版胴のコア部材とスリーブ部材とを、異な 材質で構成することもできる。

 以下、本発明を実施例により具体的に説 する。ただし本発明はこの実施例に限定さ るものではない。

 [実施例1]
 実施例1として、缶の印刷装置1050に、図16に 示す印刷版胴1030を取り付けたものを用意し 。また、印刷版胴1030の外周面にスリーブ部 を装着し、該スリーブ部材の外周面に印刷 を配設した。そして、この缶の印刷装置1050 を用いて、ワーク1056に印刷速度:1600cpmで印刷 を行い、2時間連続運転した後、印刷版表面 温度を放射温度計にて測定した。

 [実施例2]
 実施例2として、缶の印刷装置1050に、図18に 示す印刷版胴1040を取り付けたものを用意し 。また、印刷版胴1040の前記他方側の端部に 、冷却部材1041を装着した。それ以外は、実 施例1と同様の条件として測定を行った。

 [実施例3]
 実施例3として、図18に示す印刷版胴1040から 冷却部材1041を取り外したものを用意した。 して、この印刷版胴1040を缶の印刷装置1050に 装着して、ワーク1056に印刷を行った。それ 外は、実施例1と同様の条件として測定を行 た。

 [比較例]
 また、比較例として、缶の印刷装置1050に、 チャンバー式タイプの公知の印刷版胴を取り 付けたものを用意した。詳しくは、この印刷 版胴は、その中心軸C方向の両端部分に円板 の壁部を夫々有しており、これらの壁部に いて中心軸C方向の内側を向く面、軸部の外 面及び筒状部の内周面で囲まれた領域がエ ー室とされている。そして、このエアー室 、外気と遮断された密閉状とされている。 れ以外は、実施例1と同様の条件として測定 を行った。

 表1に示す通り、実施例1~3においては、印刷 (2時間)後の印刷版表面の温度が45℃以下に抑 られており、これらの実施例のように、ス ーブ部材を用いた比較的放熱性の低い印刷 胴で印刷した場合であっても、充分な冷却 果を得られることが確認された。特に、実 例1,2のように、領域Sにおいて、フィン(リ )により駆動軸1011の先端側から基端側へ向け 気流を生じさせる構成の場合、印刷後の印刷 版表面の温度が40℃以下にまで抑えられ、顕 な効果が見受けられた。
 一方、比較例においては、印刷後の印刷版 面の温度が50℃以上に上昇しており、イン の変質が見受けられて、印刷精度に影響が ることがわかった。

 本発明によれば、印刷版胴の軽量化を図る 共に、印刷時における印刷ムラの発生を防 できる。また、結露の発生を最小限に抑え 、印刷版胴に対するスリーブ印刷版の着脱 低下を防止することもできる。また本発明 係る印刷版胴並びにその冷却部材及び缶の 刷装置によれば、簡便な構成で印刷版胴を 却でき、印刷版のインキ温度の上昇を抑制 てインキ粘度を安定させ、連続運転時にも ンキの乗り・色合い等の精度を確保するこ ができる。従って、印刷の精度及び生産性 向上して、多種多様な印刷の要望に柔軟に 応することが可能である。
さらに本発明によれば、印刷条件(印刷状況) 応じて要求される様々な特性を満たすこと 可能な印刷版胴及びこの印刷版胴を備えた フセット印刷装置を提供することができる 以上のことから、本発明は産業上極めて有 である。