Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCING ALDOSE DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099560
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a simple process by which 5-deoxy-L-arabinose can be efficiently produced. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The process includes a step in which a compound represented by the formula (5) is hydrolyzed to obtain an aldose derivative represented by the formula (6). (In the formula (5), n is an integer of 1-3 and R1 represents alkyl.) (In the formula (6), n is an integer of 1-3.)

Inventors:
KAJIWARA MASAHIRO (JP)
TAKATORI KAZUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073839
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
December 11, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KAJIWARA MASAHIRO (JP)
TAKATORI KAZUHIKO (JP)
International Classes:
C07H7/02; C07H15/04
Foreign References:
JPS504667B11975-02-22
US4362869A1982-12-07
JPH09176179A1997-07-08
JPS60169493A1985-09-02
JPS617287A1986-01-13
Other References:
AN'NO K. AND SENO N.: "To-kagaku no Kiso", KODANSHA LTD., 10 August 1995 (1995-08-10), pages 43 - 45
MORRISON R.T. ET AL.: "Morrison Boyd Yuki Kagaku", TOKYO KAGAKU KOJIN, vol. 5TH ED., 1 March 1990 (1990-03-01), pages 1630
CICERO D. ET AL.: "Synthesis of furanoid and pyranoid derivatives of 6-deoxy-4-thio-D-galactose", TETRAHEDRON, vol. 46, no. 4, 1990, pages 1131 - 1144, XP026608080, DOI: doi:10.1016/S0040-4020(01)86679-5
YAMAZAKI O. ET AL.: "1,1,2-2-Tetraphenyldisilane as a diversified radical reagent", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 39, no. 14, 1998, pages 1921 - 1924, XP004109585
GIULIANO R.M. ET AL.: "Structure of methyl 6-deoxy-alpha-D-idopyranoside", CARBOHYDRATE RESEARCH, vol. 191, no. 1, 1989, pages 1 - 11, XP026647758, DOI: doi:10.1016/0008-6215(89)85041-4
Attorney, Agent or Firm:
SEKINE, Takeshi et al. (1-20-10-203 Takadanobab, Shinjuku-ku Tokyo 75, JP)
Download PDF:
Claims:
下記工程(a)~(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。
(a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアルキル基を導入して、
   HOH 2 C(CHOH) n CHO    (1)
 (式中、nは3又は4を表わす。)
 下記式(2)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(b)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式(
3)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わ
す。)
(c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ
ンで置換して、式(4)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす
。)
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で
表わされるアルドース誘導体を得る工程。
 (式中、nは3又は4を表わす)
下記工程(b)~(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。
(b)式(2)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式(3)で表わされる化合
物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わ
す。)
(c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ
ンで置換して、式(4)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす
。)
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わしす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で
表わされるアルドース誘導体を得る工程。
(式中、nは3又は4を表わす)
下記工程(c)~(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。
(c)式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して、式(4
)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わ
す。)
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす
。)
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(5)
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で
表わされるアルドース誘導体を得る工程。
(式中、nは3又は4を表わす)
下記工程(d)及び(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。
(d)式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式(5)で表わされる化
合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす
。)
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で
表わされるアルドース誘導体を得る工程。
(式中、nは3又は4を表わす)
式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルドース誘導体
を得る工程を含む、アルドース誘導体の製造方法。
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(式中、nは3又は4を表わす)
下記工程(a)、(k)、(d)及び(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘
導体の製造方法。
(a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアルキル基を導入して、
   HOH 2 C(CHOH) n CHO    (1)
 (式中、nは3又は4を表わす。)
 下記式(2)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(k)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置
換して、式(4)で得られる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす
。)
(d)工程(k)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で
表わされるアルドース誘導体を得る工程。
(式中、nは3又は4を表わす)
下記工程(k)、(d)及び(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製
造方法。
(k)式(2)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(4)で得
られる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす
。)
(d)工程(k)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で
表わされるアルドース誘導体を得る工程。
(式中、nは3又は4を表わす)
下記工程(f)~(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。
(f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、
 下記式(7)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(g)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式(
8)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)
(h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ
ンで置換して、式(9)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(10)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ
キシ-L-アラビノースを得る工程。
下記工程(g)~(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。
(g)式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式(8)で表わされる化合
物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)
(h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ
ンで置換して、式(9)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(10)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ
キシ-L-アラビノースを得る工程。
下記工程(h)~(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。
(h)式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して、式(9
)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(10)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ
キシ-L-アラビノースを得る工程。
下記工程(i)及び(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。
(i)式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わされる
化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ
キシ-L-アラビノースを得る工程。
 式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノースを
得る工程を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
下記工程(f)、(m)、(i)及び(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの
製造方法。
(f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、
 下記式(7)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(m)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置
換して、式(9)で得られる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
(i)工程(m)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(10)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ
キシ-L-アラビノースを得る工程。
下記工程(m)、(i)及び(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法

(m)式(7)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(9)で得
られる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
(i)工程(m)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式
(10)で表わされる化合物を得る工程;
(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ
キシ-L-アラビノースを得る工程。
Description:
アルドース誘導体の製造方法

 本発明はアルドース誘導体の製造方法に関 、特には、5,6,7,8-テトラヒドロ
-L-ビオプテリン、L-ビオプテリン等の合成中 体として有用な5-デオキシ-L-アラビノース 新規な製造方法に関する。

 5,6,7,8-テトラヒドロ-L-ビオプテリン、L-ビオ プテリンは、L-フェニルアラニン、L-チロシ 、及びL-トリプトファン等の水酸化酵素の補 酵素として有用であり、フェニルケトン尿症 の治療薬として知られている。 また、5-デ キシ-L-
アラビノースは、5,6,7,8-テトラヒドロ-L-ビオ テリン、L-ビオプテリン等の合成中間体と て用いられている。

 上述のように、5-デオキシ-L-アラビノー は治療薬として用いられている化合物の合 中間体として有用であるが、天然に存在し いため、合成によって製造する必要がある 5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法として は、従来より、6炭糖であるL-ラムノースを原 料する方法(特許文献1及び2)と、5炭糖であるL -アラビノース又はD-リボースを原料として製 造する方法(特許文献3)が知られている。

 特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記 の方法によれば、5-デオキシ-L-アラビノー を製造することが可能であるが、更に効率 く5-デオキシ-L-アラビノースを製造すること のできる方法を確立することが望まれている のが現状である。

国際出願公開WO2006/07862

特開昭60-169493号公報

特開昭61-7287号公報

 従って、本発明は、上記現状に鑑み、5- オキシ-L-アラビノースを効率よく製造する とのできる、簡単な製造方法を提供するこ を目的とする。特に、本発明は、L-アラビノ ースを原料として、L-アラビノースの全ての 斉炭素の立体配置を崩さず、立体異性体の 入なしに効率よく5-デオキシ-L-アラビノー を製造することのできる製造方法を提供す ことを目的とする。また、本発明は、チオ ル等の悪臭を発する試薬を用いず、安価な 薬と平易な反応のみで、効率よく5-デオキシ -L-アラビノースを製造することのできる製造 方法を提供することを目的とする。

 本発明者らは、アルドース類を原料として いた、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方 について検討し、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明は、下記工程(a)~(e)を含む 、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造 方法を提供するものである。
(a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアル キル基を導入して、
   HOH 2 C(CHOH) n CHO    (1)
 (式中、nは3又は4を表わす。)
 下記式(2)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(b)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物 にスルホニル基を導入し、式(3)で表わされる 化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)
(c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物 のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して 、式(4)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物 の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド ース誘導体を得る工程。

 (式中、nは3又は4を表わす)

 また、本発明は、下記工程(b)~(e)を含む、式 (6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法 を提供する。
(b)式(2)で表わされる化合物にスルホニル基を 導入し、式(3)で表わされる化合物を得る工程 ;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)
(c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物 のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して 、式(4)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式(5)で表わされ る化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わしす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物 の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド ース誘導体を得る工程。

  (式中、nは3又は4を表わす)

 また、本発明は、下記工程(c)~(e)を含む、式 (6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法 を提供する。
(c)式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキ シ基をハロゲンで置換して、式(4
)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物 の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド ース誘導体を得る工程。

 (式中、nは3又は4を表わす)

 また、本発明は、下記工程(d)及び(e)を含む 式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造 法を提供する。
(d)式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反 応を行い、式(5)で表わされる化合物を得る工 程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物 の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド ース誘導体を得る工程。

 (式中、nは3又は4を表わす)

 また、本発明は、式(5)で表わされる化合 の加水分解を行い、式(6)で表わされるアル ース誘導体を得る工程を含む、アルドース 導体の製造方法を提供する。

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)

 (式中、nは3又は4を表わす)

 また、本発明は、下記工程(a)、(k)、(d)及び( e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導 の製造方法を提供する。
(a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアル キル基を導入して、
   HOH 2 C(CHOH) n CHO    (1)
 (式中、nは3又は4を表わす。)
 下記式(2)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(k)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物 の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(4) で得られる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(d)工程(k)で得られた式(4)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。)
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物 の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド ース誘導体を得る工程。

(式中、nは3又は4を表わす)

 また、本発明は、下記工程(f)~(j)を含む、5- オキシ-L-アラビノースの製造方法を提供す 。
(f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、
 下記式(7)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(g)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物 にスルホニル基を導入し、式(8)で表わされる 化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)
(h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物 のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して 、式(9)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ る化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合 の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー スを得る工程。

 また、本発明は、下記工程(g)~(j)を含む、5- オキシ-L-アラビノースの製造方法を提供す 。
(g)式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を 導入し、式(8)で表わされる化合物を得る工程 ;

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)
(h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物 のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して 、式(9)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ る化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合 の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー スを得る工程。

 また、本発明は、下記工程(h)~(j)を含む、5- オキシ-L-アラビノースの製造方法を提供す 。
(h)式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキ シ基をハロゲンで置換して、式(9)で表わされ る化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。)

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ る化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合 の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー スを得る工程。

 また、本発明は、下記工程(i)及び(j)を含む 5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。
(i)式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反 応を行い、式(10)で表わされる化合物を得る 程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合 の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー スを得る工程。

 また、本発明は、式(10)で表わされる化合 物の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノ スを得る工程を含む、5-デオキシ-L-アラビ ースの製造方法を提供する。

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)

 また、本発明は、下記工程(f)、(m)、(i)及び( j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造 法を提供する。
(f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、
 下記式(7)で表わされる化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(m)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物 の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(9) で得られる化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を わす。)
(i)工程(m)で得られた式(9)で表わされる化合物 の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ る化合物を得る工程;

(式中、R 1 はアルキル基を表わす。)
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合 の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー スを得る工程。

 本発明によれば、5-デオキシ-L-アラビノ スを、簡単な操作で収率良く得ることので る、アルドース誘導体の製造方法が得られ 。この方法は、工業的製法としても有利な 法である。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 従来より、5炭糖であるL-アラビノース又はD -リボースを原料として、5-デオキシ-L-アラビ ノースを製造する方法が知られているが(例 ば、特許文献3を参照)、この方法は、溶媒と してジメチルスルホキシド(DMSO)を用いている 。このDMSOは不揮発性溶媒のため、工業的生 には不向きであり、収率良く目的化合物を ることも困難であった。
 本発明の方法は、アセトン、エタノール等 揮発性溶媒中で実施することができ、得ら る化合物の収率を高くすることができ、工 的生産にも有利な方法である。
 本発明の第一の実施態様である、アルドー 誘導体の製造方法を、具体的な化学反応式 示すと、以下の通りである。

 上記化学反応式において、R 1 はアルキル基を表わし、R 2 はスルホニル基を表わす。R 1 (アルキル基)としては、例えば、炭素数が1~3 のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル 等が挙げられる。上記アルキル基の中でも メチル基が好ましい。また、nは3又は4を表 し、好ましくは3である。
 本発明のアルドース誘導体の製造方法によ 、目的とする、式(6)で表わされるアルドー 誘導体を製造することができるが、本発明 方法は、特に、L-アラビノースを原料とし 用い、5-デオキシ-L-アラビノースを製造する 方法として有用であるが、本発明は、5-デオ シ-L-アラビノースを製造する方法に限定さ ず、例えば、6-デオキシグルコース、6-デオ キシマンノース、6-デオキシガラクトース、5 -デオキシキシロース、5-デオキシリボース等 の6-デオキシ六炭糖および5-デオキシ五炭糖 のD-およびL-体の製造にも適用することがで る。
 L-アラビノースを原料として用い、5-デオキ シ-L-アラビノースを製造する反応を化学反応 式で示すと、以下の通りである。

 以下、本発明のアルドース誘導体の製造方 について、L-アラビノースを原料として用 、5-デオキシ-L-アラビノースを製造する場合 について、代表例として説明する。
 工程(f)は、L-アラビノースにアルキル基を 入して(グリコシル化して)、式(7)で表わされ る化合物を得る工程である。
 式(7)において、R 1 (アルキル基)としては、例えば、炭素数が1~3 のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル 等が挙げられる。上記アルキル基の中でも メチル基が好ましい。また、nは3又は4を表 し、好ましくは3である。

 L-アラビノースにアルキル基を導入する 法については特に制限はなく、従来公知の 法で実施することができる。工程(f)におい は、L-アラビノースの1位のホルミル基の部 のみをグリコシル化(アルキル化)する必要が ある。アルキル化する方法としては、例えば 、酸の存在下で対応するアルコールと反応さ せる方法が挙げられる。アルキル化する方法 としては、公知のアルキル化試薬を用いる方 法が挙げられる。アルキル化試薬としては、 例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ 化プロピル、ヨウ化イソプロピル、臭化メチ ル等が挙げられる。

上記方法のうち、酸の存在下で対応するアル コールと反応させる方法が好ましい。対応す るアルコールとは、例えば、メチル基を導入 する場合、メチルアルコールを意味する。ア ルコールの使用量は、L-アラビノース1 gに対 して、好ましくは10~100mLであり、更に好まし は20~30mLである。反応の際に用いる酸とは、 少なくとも1つの水素イオン(H + )を供与するプロトン酸、または、ルイス酸 ある。典型的なプロトン性の酸(protic acid)と しては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、 硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフル オロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸 、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢 酸、酢酸などの酸が挙げられる。ルイス酸と しては、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エ ーテル錯体、塩化亜鉛、臭化マグネシウム、 塩化アルミニウムなどが挙げられる。用いら れる酸の量は、アルドースに対して、好まし くは、0.1~10当量であり、更に好ましくは、0.5 ~1当量である。使用する酸は、好ましくはプ トン酸であり、更に好ましくは塩化水素で る。酸は、そのまま用いるか、又は、酢酸 ギ酸等の液体のカルボン酸、テトラヒドロ ラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジ トキシエタン、ジエチレングリコールジメ ルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、N,N- ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセト ミド等のアミド系溶媒又はこれらの混合溶 の溶液として用いることができる。上記溶 の中でもジオキサンが好ましい。この反応 溶媒としては、対応するアルコール、又は 上記、酸溶液の溶媒と対応するアルコール 混合溶媒を用いることができる。
 反応温度は、0~100 ℃の温度で実施できるが 、室温(約25℃の温度、本明細書において、以 下同じ意味である)で行なうこともできる。 た、反応時間は、2~4時間程度でよい。

 次に、工程(g)について説明する。工程(g)は 式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を 入し、式(8)で表わされる化合物を得る工程 ある。
 ここで、R 2 基、すなわちスルホニル基としては、通常、 有機合成において水酸基を脱離基に変換する ために用いられるスルホニル基を、特に制限 なく用いることができる。このような水酸基 を脱離基に変換するために用いられるスルホ ニル基としては、メシル基(メタンスルホニ 基)、トシル基(p-トルエンスルホニル基)、ベ ンゼンスルホニル基、ブロシル基(p-ブロモベ ンゼンスルホニル基)、ノシル基(o-またはp-ニ トロベンゼンスルホニル基)2,4,6-トリメチル ンゼンスルホニル基等が挙げられる。本発 においては、特にトシル基を用いることが ましい。

 式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を 入する方法については特に制限はなく、従 公知の方法によって実施することができる トシル基を導入する方法について説明する 以下の通りである。
 式(7)で表わされる化合物をスルホニル化す 方法としては、例えば、式(7)で表わされる 合物を、塩基の存在下、塩化p-トルエンス ホニルと反応させ、トシル化する方法が挙 られる。この場合、塩化p-トルエンスルホニ ルは、式(7)で表わされる化合物に対し、1~1.2 量用いることが好ましい。
 塩基としては、例えば、ピリジン、4-(N,N-ジ メチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン ジイソプロピルエチルアミン、ルチジンな のアミン塩基、又はそれらの混合物が挙げ れる。反応溶媒としては、ピリジン、ジク ロメタン、1,2-ジクロロエタン又はそれらの 合物が挙げられる。ピリジンは、塩基及び 媒の両方の役割を果たすので、この反応に いて好ましく用いられる。
 反応温度に特に制限はなく、-10~40℃の温度 実施することができるが、-10℃~室温で行な うこともできる。また、反応時間は、12~72時 程度でよい。

 なお、工程(f)で用いる溶媒と、工程(g)で用 る溶媒とが異なる場合、工程(f)が終了した 、一旦、工程(g)で用いる溶媒(塩基)を加え 減圧濃縮し、次いで、工程(g)で用いる塩基 及び必要であれば溶媒を加えて化合物を溶 して用いることが好ましい。
 工程(g)で得られた、式(8)で表わされる化合 は、特別な精製をすることなく、次の工程( h)で用いることができるが、有機化学の分野 用いられる、通常の精製操作を行ってもよ 。

 次に、工程(h)について説明する。工程(h)は 式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキ 基をハロゲンで置換して、式(9)で表わされ 化合物を得る工程である。
 式(9)において、Xはハロゲン原子であり、塩 素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げら れる。式(8)で表わされる化合物をハロゲンで 置換する方法としては特に制限はなく、従来 公知の方法によって実施することができる。

 式(8)で表わされる化合物をハロゲンで置換 る方法としては、例えば、式(8)で表わされ 化合物を、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲ 化リチウム等の金属ハロゲン化物と反応さ 、ハロゲンで置換する方法が挙げられる。 の場合、ハロゲン化剤は、式(8)で表わされ 化合物に対し、2~20当量用いることが好まし い。
 上記反応を行う溶媒としては、例えば、ア トン、2-ブタノンなどのケトン類、N,N-ジメ ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミ などのアミド系溶媒の他、テトラヒドロフ ン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ 、及びそれらの混合物が挙げられる。
 反応温度に特に制限はなく、室温~150℃の温 度で実施することができるが、室温で行なう こともできる。また、反応時間は、3~12時間 度でよい。

 本発明の方法においては、工程(g)及び(h) 代え、工程(m)を実施してもよい。工程(m)は 式(7)で表わされる化合物の第一級水酸基を ロゲンで置換式、式(9)で得られる化合物を る工程である。この反応は、糖類の第一級 酸基を直接ハロゲンで置換する方法であり トリフェニルホスフィンと、四ハロゲン化 素(フッ素を除く)を用いることによって実 することができる。四ハロゲン化炭素の使 量は、式(7)の化合物に対し、1~1.5当量、トリ フェニルホスフィンの使用量は、1~3当量であ ることが好ましい。また、用いられる溶媒と しては、ピリジン、ジクロロメタン、1,2-ジ ロロエタン、アセトニトリル、THF、DMF等が げられる。反応温度に特に制限はなく、0~100 ℃の温度で実施することができる。

 次に、工程(i)について説明する。工程(i)は 式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反 を行い、式(10)で表わされる化合物を得る工 程である。
 式(9)で表わされる化合物のスルホニルオキ 基をハロゲンで置換する方法としては特に 限はなく、従来公知の方法によって実施す ことができる。
 脱ハロゲン化反応は、水素化トリブチルス 、水素化トリエチルシラン、亜リン酸エス ル、次亜リン酸及び次亜リン酸塩、ナトリ ム、リチウム等のアルカリ金属またはアル リ土類金属、ヨウ化サマリウム等を用いる ジカル還元、パラジウム触媒、ニッケル触 等を用いる水素還元、又は水素化アルミニ ムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水 化トリエチルホウ素リチウム等によるヒド ド還元によって脱ハロゲン化 することが きる。本発明においては、パラジウム触媒 用いる方法が好ましい。パラジウム触媒を いて脱ハロゲン化を行う場合、水素雰囲気 で行う。パラジウム触媒の使用量は特に限 されないが、式(9)の化合物に対し、0.01~0.5当 量用いることが好ましい。また、反応には、 アンモニア、トリエチルアミン等の塩基を共 存させて行うことが好ましい。

 用いられる溶媒としては、エタノール、 タノール等のアルコール類、酢酸エチル、 トラヒドロフラン、酢酸、又はこれらの混 物等が挙げられる。反応温度に特に制限は く、室温~100℃の温度で実施することができ るが、室温で行なうこともできる。また、反 応時間は、1~12時間程度でよい。

 次に、工程(j)について説明する。工程(j) 、式(10)で表わされる化合物の加水分解を行 い、5-デオキシ-L-アラビノースを得る工程で る。式(10)の化合物を加水分解する方法とし ては特に制限はなく、従来公知の方法によっ て実施することができる。加水分解反応には 、通常、酸触媒が用いられる。酸触媒として は、ブレンステッド酸を用いることができる 。具体的には、塩酸、硫酸等の無機酸、ベン ゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等 のアリールスルホン酸、メタンスルホン酸、 トリフルオロメタンスルホン酸等のアルキル スルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、 強酸性イオン交換樹脂等の固体酸が挙げられ る。好ましくは、塩酸、硫酸等の無機酸、強 酸性イオン交換樹脂樹脂等が挙げられる。好 ましくは、塩酸、硫酸等の無機酸、強酸性イ オン交換樹脂樹脂である。

 以下、硫酸を用いる場合の加水分解反応 ついて説明する。硫酸を用いて加水分解を うには、式(10)で表わされる化合物の水溶液 に硫酸を混合し、加熱して行う。加熱温度温 度に関しては、特に制限されるものではなく 、通常0℃~100℃の範囲で行われる。また、反 時間は、2~12時間程度でよい。

 加水分解反応に用いられる溶媒としては 水が用いられる。また、テトラヒドロフラ 、ジオキサン等の水と混合するエーテル系 媒と水の混合溶媒を用いることもできる。 得られた生成物は、有機化学の分野におい 通常に用いられる精製方法、例えばカラム ロマトグラフィーを用いて精製することが きる。

 以上、本発明を、5-デオキシ-L-アラビノ スを製造する場合について説明したが、本 明は、5-デオキシ-L-アラビノースの製造に適 用する場合に限定されず、例えば、6-デオキ -D-グルコース、5-デオキシ-L-ラムノース、6- デオキシ-D-マンノース、6-デオキシ-D-ガラク ース、5-デオキシ-D-キシロース、5-デオキシ -D-リキソース等の製造にも適用することがで きる。

 本発明の方法で得られた5-デオキシ-L-ア ビノースは、例えば、5,6,7,8-テトラヒドロ-L- ビオプテリン、L-ビオプテリン等の合成に用 ることができる。これらの化合物の合成方 としては、従来公知の方法を組み合わせて 施することができる。

 上記化合物は、従来公知の方法により、 造することもできるが、例えば、環化反応 際に、通常はオイルバスによって加熱を行 が、オイルバスによる加熱に換え、マイク 波照射下で環化反応を行うことができる。 体的には、5-デオキシ-Lのアラビノースを、 ヒドラゾンと反応させてヒドラゾン誘導体と し、次いで、無水酢酸と反応させてアセチル 化誘導体とする。次いで、2,5,6-トリアミノピ リミジノールと反応させて環化反応を行う。 この環化反応の際に、マイクロ波照射を行う ことにより、通常の加熱よりも、反応時間の 短縮が可能となり、また収率の向上が期待で きる。

 以下、本発明を実施例により更に詳細に説 する。なお、本発明の範囲は、かかる実施 に限定されないことはいうまでもない。
 実施例1
 L-アラビノース25gに、メタノール600mL及び4M 化水素ジオキサン溶液 40mLを加えて室温で3 .5時間攪拌した。撹拌後、反応液にピリジン3 0mLを加えて減圧濃縮し、得られた残渣(メチ L-アラビノフラノシド、式(7)において、R 1 がメチル基である化合物)をピリジン400mLに溶 解した。次いで、この溶液を、氷冷攪拌下、 2時間毎に塩化p-トルエンスルホニル8.33gを4回 に分けて加え、0℃から室温で攪拌した。24時 間撹拌を行った後に、再び氷冷し、更に塩化 p-トルエンスルホニル8.33gを加えた。4℃で2昼 夜攪拌し、得られた反応液に氷を加えて30分 攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をク ロホルムで抽出した。有機層を6 M 塩酸、 和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水 酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗 チルL-5-O-トシルアラビノシド(式(8)において 、R 1 がメチル基であり、R 2 がトシル基である化合物、49.98g、粗収率94%) 得た。得られた粗メチルL-5-O-トシルアラビ シドはそのまま次の反応に用いた。

L-アラビノース
EA: Anal. Calcd for C 5 H 10 O 5 : H, 40.00; H, 6.71.  Found: C, 39.91; H, 6.89. 
HR-FAB-MS (グリセロール) m/z: Calcd for C 5 H 10 O 5 : 149.0450.  Found: 149.0446 ([M-H] - ).
1 H-NMR (300 MHz, D 2 O) δ: 3.40 and 3.64-4.04 (total 5H, each m), 4.40 and 4.70 (total 1H, d, J = 7.7 Hz and s).  
13 C-NMR (75.4 MHz, D 2 O) δ: 69.1, 71.2, 74.6, 75.2, 99.5 (ピラノシド α-アノマー), 65.2, 71.2, 71.4, 71.5, 95.3 (ピ ノシドのβ-アノマー), 63.9, 78.3, 9.0, 
97.8, 103.8 (ピラノシド以外の形).  mp. 165-166  °C
メチルL-アラビノフラノシド
1 H-NMR (300 MHz, D 2 O) δ: 3.31 and 3.32 (3H, each s), 3.48-4.20 (5H,  m), 4.79 and 4.83 (total 1H, d, J = 7.7 Hz and s ).  
メチルL-O-アラビノフラノシド  低極性  1 H-NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ: 2.37 (1H, brs), 2.46 (3H, s), 2.77 (1H, brs) , 3.37 (3H, s), 3.91 (1H, m), 3.94-4.29 (4H, m), 4 .86 (1H, s), 7.36 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.81 (2H, d, J = 8.2 Hz). 
13 C-NMR (74.5 MHz, CDCl 3 ) δ: 21.7 (q), 55,1 (q), 69.0 (t), 77.8 (d), 80.0  (d), 
83.4 (d), 108.9 (d), 128.0, (d) 129.0 (d), 132.5 (s ), 145,7 (s).  
メチルL-5-O-トシルアラビノフラノシド 高極   1 H-NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ: 2.45 (3H, s), 2.66 (1H, brs), 2.90 (1H, brs) , 3.36 (3H, s), 3.95-4.20 (5H, m), 4.79 (1H, d, J = 4.1 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.81 (2H,  d, J = 8.2 Hz).  
13 C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3 ) δ: 21.7, 55.4, 70.0, 76.8, 78.1, 79.2, 102.0, 12 7.9, 
129.9, 132.8, 145.0.  

 実施例2
 実施例1で得られた、メチルL-5-O-トシルアラ ビノフラノシド48.58gを、アセトン310mLに溶解 、この溶液に、ヨウ化ナトリウム80.06gを加 た。次いで、この混合物を5時間還流し、室 温まで放冷した後、沈殿を濾去した。濾液を 減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えてろ過 し、濾液を飽和重曹水-チオ硫酸ナトリウム 液(比率1:5)で洗浄し、次いで、飽和食塩水で 洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾 燥し、減圧濃縮して粗メチルL-5-ヨード-5-デ キシアラビノシド(式(9)において、R 1 がメチル基であり、Xがヨウ素である化合物)( 42.88g)を得た。

 メチルL-5-ヨード-5-デオキシアラビノシド
 HR-FAB-MS (mNBA) m/z: Calcd for C 6 H 11 O 4 NaI: 296.9600.  Found: 296.9610 ([M+Na] + ).
1 H-NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ: 2.24 (1H, brs), 2.74 (1H, brs), 3.28-3.44 (2H , m), 3.42 and 3.48 (3H, both s), 3.89-4.20 (3H, m ), 4.86 and 4.97 (1H, d, J = 4.4 Hz and s).  
13 C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3 ) δ: 6.6 (t), 55.2 (q), 80.9 (d), 81.0 (d), 84.5 (d), 108.8 (d) (a set of major isomer) and 8.0 (t ), 55.6 (q), 78.5 (d), 80.6 (d),81.5
 (d), 101.9 (d) (a set of minor isomer).  

 実施例3
 実施例2で得られた、メチルL-5-ヨード-5-デ キシアラビノシド40.96gをエタノール300mLに溶 解した溶液に、10%Pd-cを7.95g加えた。次いで、 この溶液に、水素雰囲気下、アンモニア水12. 8mLを加えて、室温で6時間激しく攪拌した。 拌終了後、混合物をろ過し、濾液を減圧濃 した。残渣に酢酸エチル及びエーテル混合 液(1:3)を加えて不溶物を濾去し、濾液を減圧 濃縮した。残渣に水を加え、エーテルで洗浄 し、水層を減圧濃縮し、粗メチルL-5-デオキ アラビノシドを得た。得られた粗メチルL-5- オキシアラビノシドをシリカゲルカラムク マトグラフィー(クロロホルム:メタノール=8 :1~6:1)で精製し、メチルL-5-デオキシアラビノ ド(式(10)において、R 1 がメチル基である化合物)(8.76g)(L-アラビノー から収率38%)を得た。

 メチルL-5-デオキシアラビノシド
 HR-EI-MS m/z: Calcd for C 5 H 9 O 3 : 117.0552.  Found: 117.0556 ([M-OMe] + ).  
1 H-NMR (300 MHz, CDCl 3 ) δ: 1.34 and 1.37 (3H, d, J = 6.3 Hz, and d,  J = 6.6 Hz), 2.75 (1H, d, J = 4.4 Hz), 2.97 (1H,  d, J = 8.5 Hz), 3.40 and 3.44 (3H, both s), 3.9 7 (1H, m), 3.80-4.18 (2H, m), 4.78 and 4.86 (1H, d , J = 4.9 Hz and s).  
13 C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3 ) δ: 19.3, 54.8, 81.4, 81.6, 82.4, 108.4 (a set o f major isomer) and 20.8, 55.0, 78.1, 78.7, 81.9, 1 01.7 (a set of minor isomer).  
IR (KBr) cm -1 : 3239, 2972, 2921, 2836, 1454, 1379, 1332, 1312, 1 191, 1132, 1101, 1077, 1022, 997, 940.  
mp. 80.5-83.9 °C (AcOEt-hexane) for the major isomer .  微量の異性体はシロップであった。

 実施例4
 実施例4で得られた、メチルL-5-デオキシア ビノシド8.00gに、0.5M硫酸80mlを加え、90℃で5 間反応させた。室温まで放冷後、炭酸ナト ウムで中和し、反応液を20mlまで減圧濃縮し た。濃縮液に0.5M硫酸49mlを加え、90℃で2時間 応させた。放冷後、炭酸ナトリウムで中和 、反応液を減圧濃縮した。残渣をよく乾燥 せた後に、メタノールを加えて溶解し、不 物を濾去した。濾液を減圧濃縮して、5-デ キシ-L-アラビノース7.76gを得た(定量的)。
5-デオキシ-L-アラビノース
1 H-NMR (300 MHz, D 2 O) δ: 1.15 and 1.17 (3H, d, J = 6.3 Hz), 3.60-4. 08 (3H, m), 5.11 and 5.14 (1H, d, J = 2.5 Hz and  d, J = 4.7 Hz).  
13 C-NMR (75.4 MHz, D 2 O) δ: 20.5, 81.3, 83.7, 84.8, 103.5 (a set of maj or isomer) and 22.0, 78.8, 79.6, 81.8, 97.5 (a set of minor isomer).  

 実施例5
 L-アラビノース2.5gに、メタノール60mL及び4M 化水素ジオキサン溶液4mLを加えて室温で3.5 間攪拌した。撹拌後、反応液にピリジン3mL 加えて減圧濃縮し、得られた残渣をピリジ 125mLに溶解した。次いで、この溶液にトリ ェニルホスフィン9.17gを加えて溶解し、さら に四塩化炭素1.65mLを加えて65℃で30分加熱攪 した。次いで、メタノール25mLを加えた後、 圧濃縮した。残渣にエーテルを加え、水で 出した。水層を減圧濃縮し、酢酸エチルで 出した。有機層を0.5M塩酸、飽和重曹水、飽 和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム で乾燥後、減圧濃縮し、メチルL-5-クロロ-5- オキシアラビノシド2.14gを得た。
メチルL-5-クロロ-5-デオキシアラビノシド
  1 H-NMR (300 MHz, CDCl 3 )δ: 2.11 and 2.34 (1H, d, J = 6.9 Hz and brs, O H), 2.46 and 2.61(1H, each d, J = 9.3 Hz, and J  = 9.6 Hz, OH), 3.42 and 3.46 (3H, both s), 3.50-3. 70 and 3.75 (2H, m and d, J = 5.2 Hz), 3.98-4.27 (3H, m), 4.85 and 4.95 (1H, d, J = 4.1 Hz and s ).  
13 C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3 )δ: 44.5 (t), 55.1 (q), 78.8 (d), 80.5 (d), 85.1  (d), 108.9 (d) (a set of major isomer) and 45.6 (t ), 55.4 (q), 78.3 (d), 78.6 (d), 81.5 (d), 102.0 ( d) (a set of minor isomer).

 上述のようにして得られた、メチルL-5-ク ロロ-5-デオキシアラビノシド502mgをテトラヒ ロフラン10mLに溶解し、氷冷した。水素化ア ルミニウムリチウム240mgを少しずつ加えた。 泡が収まった後、12時間還流した。室温ま 放冷後、エーテル120mLで希釈し、40% KOH水溶 3.5 mlを少しずつ加えた。エーテル層が透明 になった後、クロロホルム50 mlと無水硫酸マ グネシウムを加えて乾燥させ、ろ過した。ろ 液を減圧濃縮し、メチルL-5-デオキシアラビ シド341mgを得た。