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Title:
PROCESS FOR PRODUCING VINYLSULFONIC ACID
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078767
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing vinylsulfonic acid which comprises the step of demetallizing a vinylsulfonic acid salt, wherein the degree of demetallization represented by the equation: degree of demetallization (%) = {(acid value after demetallization)/(acid value before demetallization)} Π100 is 95% or higher. Also provided is a process for producing vinylsulfonic acid which comprises the step of demetallizing a vinylsulfonic acid salt, wherein the demetallization is a treatment with a strongly acidic ion-exchange resin. The processes for vinylsulfonic acid production may further include the step of purification with a thin-film distillation apparatus.

Inventors:
AKIKAZE HIROSHI (JP)
MIYAI TAKEHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074933
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI KASEI FINECHEM CO LTD (JP)
AKIKAZE HIROSHI (JP)
MIYAI TAKEHIKO (JP)
International Classes:
C07C303/44; C07C309/20
Foreign References:
JP2000191629A2000-07-11
US3312735A1967-04-04
US2619452A1952-11-25
US3312735A1967-04-04
US2597696A1952-05-20
Other References:
SANGO KUNICHIKA; TAKAO KATAGIRI, JOURNAL OF THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN, INDUSTRIAL CHEMISTRY SECTION, vol. 64, no. 5, 1961, pages 929 - 932
See also references of EP 2128131A4
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA, Eiji et al. (1-7-1 Doshomachi,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 45, JP)
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Claims:
ビニルスルホン酸塩を脱金属処理する工程を有するビニルスルホン酸の製造方法であって、前記脱金属処理における下記式で表される脱金属率が95%以上である方法:
脱金属率(%)={(脱金属処理後の酸価)/(脱金属処理前の酸価)}×100。
ビニルスルホン酸塩を脱金属処理する工程を有するビニルスルホン酸の製造方法であって、前記脱金属処理が強酸性イオン交換樹脂を用いて行う処理である方法。
更に、得られた脱金属処理物を薄膜蒸留により精製する工程を有する請求項1又は2に記載のビニルスルホン酸の製造方法。
Description:
ビニルスルホン酸の製造方法

 本発明は、ビニルスルホン酸の製造方法 特に、ビニルスルホン酸塩を脱金属処理す 工程を有するビニルスルホン酸の製造方法 関する。

 近年、ビニルスルホン酸は、機能性ポリ ーや導電性材料を構成するモノマーとして 高い注目を集めるようになっている。

 ビニルスルホン酸を製造する方法につい は、各種の方法が知られている(非特許文献 1参照)。しかし、ビニルスルホン酸を工業的 製造する方法については、未だ十分な方法 確立されていない。

 例えば、特許文献1には、ビニルスルホン 酸ナトリウムを塩酸で脱ナトリウム処理する ことによりビニルスルホン酸を製造する方法 が記載されている。しかし当該記載された方 法では十分な品質のものが得られず、また得 られたビニルスルホン酸を蒸留すると固形残 渣が大量に生じ、工業的に用いることは困難 であった。

 また、特許文献2には、イセチオン酸を、五 酸化ニリン酸或いはピロリン酸を脱水剤とし て脱水処理することによりビニルスルホン酸 を製造する方法が記載されている。しかし、 この方法では脱水剤を多量に使用する必要が あり、また脱水剤の処理が必要であるため、 工業的に適した製造方法とはいえなかった。  

米国特許第3312735号

米国特許第2597696号 国近三吾、片桐孝夫、工業化学雑誌、第 64巻第5号、1961、pp.929-932

 本発明は、ビニルスルホン酸の工業的な 造方法を提供することを主な目的とする。

 本発明は、上記課題を解決するため、ビ ルスルホン酸の製造方法について鋭意検討 重ねた結果、ビニルスルホン酸塩を原料と て用い、脱金属処理において金属の水素へ 交換率を一定値以上とすること、また、イ ン交換樹脂を用いて脱金属処理を行うこと より、収率が向上し得ることを見出し、更 鋭意検討を重ねて本発明を完成するに至っ 。

 即ち、本発明は、以下の製造方法に関す 。 

 項1:ビニルスルホン酸塩を脱金属処理する 程を有するビニルスルホン酸の製造方法で って、前記脱金属処理における下記式で表 れる脱金属率が95%以上である方法:
脱金属率(%)={(脱金属処理後の酸価)/(脱金属処 理前の酸価)}×100。

 好ましくは、ビニルスルホン酸塩がビニ スルホン酸ナトリウムであって、金属がナ リウムである項1に記載の方法。

 項2:ビニルスルホン酸塩を脱金属処理す 工程を有するビニルスルホン酸の製造方法 あって、脱金属処理が強酸性イオン交換樹 を用いて行う処理である方法。

 好ましくは、脱金属処理における下記式で される脱金属率が95%以上である項2に記載の 方法:
 脱金属率(%)={(脱金属処理後の酸価)/(脱金属 理前の酸価)}×100。

 好ましくは、ビニルスルホン酸塩がビニ スルホン酸ナトリウムであって、金属がナ リウムである項2に記載の方法。

 項3:更に、得られた脱金属処理物を薄膜 留により精製する工程を有する、項1又は2に 記載のビニルスルホン酸の製造方法。

 好ましくは、ビニルスルホン酸塩を脱金属 理する工程、及び得られた脱金属処理物を 膜蒸留装置により精製する工程を有するビ ルスルホン酸の製造方法であって、前記脱 属処理において下記式で表される脱金属率 95%以上である項1又は項2に記載の方法:
 脱金属率(%)={(脱金属処理後の酸価)/(脱金属 理前の酸価)}×100。

 好ましくは、ビニルスルホン酸塩を強酸 イオン交換樹脂に接触させて脱金属処理す 工程、及び得られた脱金属処理物を薄膜蒸 により精製する工程を有する項1又は2に記 のビニルスルホン酸の製造方法。

 以下、本発明について、更に詳細に説明 る。

  1.ビニルスルホン酸塩
 本発明においては、ビニルスルホン酸塩を いてビニルスルホン酸を製造する。ビニル ルホン酸塩としては、例えば、ナトリウム 、カリウム塩、リチウム塩またはそれらの 合物を挙げることができる。このうち特に ニルスルホン酸ナトリウムが好適に用いら る。

 ビニルスルホン酸塩は、組成物の形態で されるものでもよい。例えば、ビニルスル ン酸塩の他にイセチオン酸塩やビススルホ チルエーテルの塩などを含む組成物を原料 して用いてもよい。組成物を用いる場合、 成物全体におけるビニルスルホン酸塩の割 は通常25%以上程度である。

  2.脱金属処理
 本明細書において、脱金属処理とは、ビニ スルホン酸塩から金属を除去して水素に交 する処理をさす。換言すると、ビニルスル ン酸塩から金属イオンを除去してビニルス ホン酸に変換する処理をいう。

 脱金属処理工程を一般式で示すと、下記の うになる:
 CH 2 =CHSO 3 M   →  CH 2 =CHSO 3
(ここで、Mは塩を形成する金属を示す。具体 には、ナトリウムやカリウムなどを示す)。

  (1)脱金属率
 本発明において、脱金属率は95%以上、特に9 7%以上、更に99%以上であることが好ましい。

 本明細書において、脱金属率とは、下記式 表される値をいう:
脱金属率(%)={(脱金属処理後の酸価)/(脱金属処 理前の酸価)}×100。

 脱金属率とは、換言すると、原料に含ま る金属の水素への交換率である。例えばナ リウムから水素への交換率(ナトリウム交換 率)である。更に別言すると、原料に含まれ 金属塩化合物の低減率である。

 脱金属率は、公知の方法により酸価を測 することにより求めることができる。例え 、中和滴定により酸価を測定して求めるこ ができる。

 脱金属率が95%以上であると、化合物の分 又はその影響が著しく低減される。また脱 属処理後の精製工程において薄膜蒸留を導 することが可能になり、高い回収率で大量 蒸留を行うことが可能になる。

 さらに、高品質のビニルスルホン酸を得 ことが可能になり、蒸留工程の留出時に着 の少ないビニルスルホン酸を得ることが可 になる。また経時変色の少ないビニルスル ン酸を得ることが可能になる。

 脱金属率を95%以上とする処理であれば、 金属処理の方式は特に限定されないが、強 性イオン交換樹脂を用いる処理が特に好ま い。

  (2)強酸性イオン交換樹脂による処 理
 本発明において、脱金属処理は、強酸性イ ン交換樹脂を用いて行うことが好ましい。 言すると、ビニルスルホン酸塩を強酸性イ ン交換樹脂に接触させて脱金属処理を行う とが好ましい。

 強酸性イオン交換樹脂に接触させる方法 、常法に従って行うことができるが、イオ 交換樹脂をカラムに充填し、ビニルスルホ 酸塩水溶液を通液させて行うことが、イオ 交換が確実に行えるため、好ましい。

 強酸性イオン交換樹脂の種類は、本発明 効果を奏する範囲であれば特に限定されず 公知のものから適宜選定することができる 例えば、架橋された不溶性の有機高分子化 物の側鎖に強酸基を有する化合物を用いる とができる。強酸基の例としては、硫酸基 リン酸基およびスルホン酸基などが挙げら る。

 具体的な例としては、ダイヤイオン(SK1B,S K116,PK216等)、アンバーライト(IR-120B,IR-124等)、 ダウエックス(50wx8, HCR-S、モノスフィア 650C )、レバチット(S-100等)などが挙げられる。

 強酸性イオン交換樹脂を用いて脱金属処 を行うことにより、高い割合でビニルスル ン酸塩を低減することができ、化合物の分 を抑え、収率を向上させることが可能にな 。

 また品質に優れ、着色の少ないビニルス ホン酸を得ることが可能になる。

 また強酸性イオン交換樹脂を用いること より1度の処理で効率よく脱金属処理を行う ことができる。

 また後の精製工程において薄膜蒸留の導 が可能になり、大量に蒸留を行うことが可 になる。

 強酸性イオン交換樹脂を用いて行う脱金 処理において、脱金属率は、95%以上、特に9 7%以上、更には99%以上であることが、ガスの 生が低減され、蒸留における回収率がより 上する等の点から、好ましい。

  3.薄膜蒸留工程
 上記脱金属処理により得られた処理物は、 に公知の方法によって精製することが好ま い。脱金属処理物とは、ビニルスルホン酸 又はその組成物を脱金属処理して得られた 、具体的には、脱金属処理により得られた ニルスルホン酸またはその組成物を意味す 。

 精製方法は、公知の方法から適宜設定し るが、蒸留、特に薄膜蒸留による精製が好 しい。

 薄膜蒸留で精製することにより、品質に れ、留出時の着色が少なく、経時着色の問 が少ないビニルスルホン酸を得ることが可 になる。また高い回収率で、大量に精製を うことが可能になる。

 薄膜蒸留は、公知の方法に従って行うこ ができる。

 薄膜蒸留の条件は、適宜設定し得るが、 常温度が150~250℃程度、好ましくは150~200℃ 度である。また圧力は通常30~400Pa程度、好ま しくは30~200Pa程度である。このような条件で う場合、分解や重合がより抑制される。

 薄膜蒸留は、必要に応じて二度以上繰り して行うこともでき、連続蒸留とすること できる。

 薄膜蒸留装置は、公知のものを用いるこ ができるが、ビニルスルホン酸の接液部が タンタルで形成されているものが、腐食の それが少ない点で好適である。

 好ましくは、ビニルスルホン酸塩を脱金 率が95%以上となるように脱金属処理して得 れた処理物を薄膜蒸留することが好ましい また好ましくはビニルスルホン酸塩を強酸 イオン交換樹脂を用いて脱金属処理して得 れた処理物を薄膜蒸留することが好ましい 特にビニルスルホン酸塩を強酸性イオン樹 に接触させて脱金属率が95%以上となるよう 脱金属処理して得られた処理物を薄膜蒸留 ることが好ましい。

 このような処理物は、薄膜蒸留に際し、 留時における化合物の分解がほとんどなく 回収率を向上させることができる。また蒸 におけるガスの発生が低減され、減圧度を 定して保持することが容易となる。また、 続蒸留が可能となり、大量に蒸留すること 可能になる。

 更に、残渣が、高粘性の固形状のもので く流動性のあるものとして得られる。この め、装置や設備の洗浄が容易となる。

 また得られるビニルスルホン酸も品質の いものが得られ、留出時にはほとんど無色 ビニルスルホン酸が得られる。また経時変 の少ないビニルスルホン酸が得られる。

  4.他の工程 
 本発明の製造方法においては、上記脱金属 理工程及び蒸留工程以外の工程を必要に応 て付加することができる。例えば原料精製 程などを付加することができる。

 また、本発明においては、ビニルスルホ 酸の製造に関する公知技術を必要に応じて 加することができる。

  5.特性
 本発明の製造方法を用いて得られるビニル ルホン酸は、高品質であり、着色が少なく 経時変色も少ない。

 このような優れた性質から、本発明の方 を用いて得られるビニルスルホン酸は、例 ば、電解質膜、塗料或いは接着剤等の水溶 剤などの原料などとして好適に利用し得る

 本発明によれば、高品質のビニルスルホ 酸を大量に効率よく生産することが可能に り、ビニルスルホン酸の生産性が格段に向 する。

 従来、ビニルスルホン酸の製造方法とし 種々の合成方法が知られていたが、工程が 雑で収率も低く、蒸留スケールを上げるこ ができず、工業化することが困難であった

 これに対し、本発明の製造方法によれば 化合物の分解が抑制され、収率が格段に向 する。更に、1段階で処理を行うことができ 、工程も煩雑でない。 

 また、ガスの発生が低減され、減圧度の 持も容易になり、蒸留工程の回収率が向上 る。更に残渣は流動性のものが得られ、装 や設備の洗浄が容易となる。

 更に、薄膜蒸留の導入が可能となり、ス ールアップが可能であり、生産性が格段に 上する。

 更に、品質の優れたビニルスルホン酸が られ、着色や経時変色の問題も低減される

 このように、本発明は、ビニルスルホン の工業的な製造のために優れた方法及び手 を提供するものであり、ビニルスルホン酸 現実的な工業生産を可能にするものである

 以下に実施例及び比較例を示し、本発明 より具体的に説明するが、本発明はこれら 限定されるものではない。

  材料及び測定方法
 ビニルスルホン酸塩としては、ビニルスル ン酸ナトリウムを用いた。

 酸価およびよう素価の測定は、日本工業 格 JIS K0070-1992に準じて行った。酸価は中 滴定法で測定した。

 酸価の測定値から下記式により脱金属率(脱 ナトリウム率)を決定した。
脱金属率(%)={(脱金属処理後の酸価)/(脱金属処 理前の酸価)}×100
 また製造工程の収率を、よう素価の測定値 ら、下記式により計算した。
収率(%)={(脱金属処理後のよう素価)/(脱金属処 理前のよう素価)}×100
 また蒸留工程の回収率を、よう素価の測定 から下記式により計算した。
回収率(%)={(蒸留後のよう素価)/(蒸留前のよう 素価)}×100
 尚、特記しない限り、各例中の%はモル%、 率はモル収率を示す。

  比較例1:塩酸による脱ナトリウム 理
 25%ビニルスルホン酸ナトリウム水溶液(旭化 成ファインケム株式会社製、N-SVS-25)7.5Kgに35% 酸3Kgを加え、室温で30分撹拌した。次いで 圧下、水を約4L濃縮し、析出した塩を濾別す ることにより、脱ナトリウム処理を行った。 この脱ナトリウム処理をさらに2度行い、ビ ルスルホン酸ナトリウムのナトリウムを水 に交換させて、ビニルスルホン酸水溶液を た。

 脱ナトリウム処理前の酸価と3度の脱ナト リウム処理後の酸価から求めた脱ナトリウム 率は93.5%であった。また脱ナトリウム処理前 よう素価と3度の脱ナトリウム処理後のよう 素価から求めた収率は94.8%であった。

  比較例2:塩酸による脱ナトリウム 理及びバッチ蒸留
 比較例1で得られたビニルスルホン酸水溶液 4.5Kgを5Lガラスフラスコで減圧下蒸留を行い ビニルスルホン酸2.1Kgを得た。回収率は67%で あった。減圧度は500-1000Pa程度となり、変動 大きく、減圧度を保持することが困難であ た。また、得られたビニルスルホン酸は留 時から濃い暗紫色に着色した。また残渣は 色の流動性の無いものが生じた。

  比較例3:塩酸による脱ナトリウム 理及びバッチ蒸留 
 比較例1で得られたビニルスルホン酸水溶液 1200gを1Lガラスフラスコで減圧下蒸留を行い ビニルスルホン酸740gを得た。回収率は82%で った。比較例2と同様に、減圧度は500-1000Pa 度であり、変動が大きく、減圧度を保持す ことが困難であった。また得られたビニル ルホン酸は留出時から濃い暗紫色に着色し 。また残渣は黒色の流動性の無いものが生 た。

  比較例4:塩酸による脱ナトリウム 理及び薄膜蒸留
 比較例1で得られたビニルスルホン酸水溶液 を、薄膜蒸留装置(SIBATA社製MS-300)を用いて蒸 したが、蒸発面に分解物が固着し、蒸留で なかった。

  実施例1:強酸性イオン交換樹脂に る脱ナトリウム処理
 あらかじめ塩酸で再生した強酸性イオン交 樹脂(DOWEX社製モノスフィア 650C)26Lを内径180 mm高さ690mmのカラム塔に充填し、カラム下よ 25%ビニルスルホン酸ナトリウム12.2Kgを流入 、次にイオン交換水100Kgでカラム下より洗浄 して脱ナトリウム処理を行った。1回の脱ナ リウム処理前後の酸価から求めた脱ナトリ ム率は98.4%であった。また収率は94.3%であっ 。

  実施例2~8:強酸性イオン交換樹脂 よる脱ナトリウム処理
 イオン交換樹脂として実施例1に用いたもの を再生して繰り返し使用する以外は、実施例 1と同様の操作を7回行い、実施例2~8とした。

 イオン交換樹脂は、実施例1で使用した後 のイオン交換樹脂カラムに5%塩酸を通液し、 いでイオン交換水でよく洗浄することで再 した。また各実施例で同様の再生を行い、 り返し使用した。

 実施例2~8における収率と脱ナトリウム率( ナトリウム交換率)を表1に示す。

  実施例9:強酸性イオン交換樹脂に る脱ナトリウム処理
 あらかじめ塩酸で再生した強酸性イオン交 樹脂26Lを内径180mm高さ690mmのカラム塔に充填 し、カラム上より25%ビニルスルホン酸ナトリ ウム12.2Kgを流入し、次にイオン交換水100Kgで ラム上より洗浄して脱ナトリウム処理した 1回の脱ナトリウム処理の前後の酸価から求 めた脱ナトリウム率は84.4%であった。また収 は92.0%であった。

  実施例10:強酸性イオン交換樹脂に よる脱ナトリウム処理及びバッチ蒸留
 実施例1の脱ナトリウム処理により得られた ビニルスルホン酸組成物0.6kgを減圧下濃宿し 500mLのスケールで減圧下蒸留を行った。そ 結果、わずかに亜硫酸ガスの臭気はするも の減圧度は150Paに保たれ、回収率は94%であっ た。得られたビニルスルホン酸は、留出時は 薄い黄色であり、経時で着色した。また蒸留 時に残渣が生じたものの、黒褐色で流動性の あるものとなり、容易に洗浄できた。

  実施例11:強酸性イオン交換樹脂に よる脱ナトリウム処理及びバッチ蒸留
 ビニルスルホン酸組成物を1.2Kg及びスケー を1Lとした他は実施例10と同様に減圧下、蒸 を行った。その結果、亜硫酸ガスの臭気が くして、減圧度は220Pa程度であった。回収 は92%であった。得られたビニルスルホン酸 、留出時は薄い黄色であり、経時で着色亢 した。また蒸留時に残渣が生じたものの、 褐色で流動性のあるものとなり、容易に洗 できた。

  実施例12:強酸性イオン交換樹脂に よる脱ナトリウム処理及びバッチ蒸留
 ビニルスルホン酸組成物を2.4Kg及びスケー を2Lとした他は実施例10と同様に減圧下、蒸 を行った。その結果、亜硫酸ガスの臭気が くして、減圧度は360Pa程度であった。回収 は89%であった。得られたビニルスルホン酸 留出時は薄い黄色であったが、経時で着色 進した。また蒸留時に残渣が生じたものの 黒褐色で流動性のあるものとなり、容易に 浄できた。

  実施例13:強酸性イオン交換樹脂に よる脱ナトリウム処理及びバッチ蒸留
 ビニルスルホン酸組成物を5Kg及びスケール 5Lとした他は実施例10と同様に減圧下、蒸留 を行った。その結果、亜硫酸ガスの臭気がき わめて強く、減圧度は600Pa程度であった。回 率は78%であった。得られたビニルスルホン は留出時は薄い黄色であったが、経時で着 亢進した。また蒸留時に残渣が生じたもの 、黒褐色で流動性のあるものとなり、容易 洗浄できた。

  実施例14:強酸性イオン交換樹脂に よる脱ナトリウム処理及び薄膜蒸留
 実施例1の脱ナトリウム処理で得られたビニ ルスルホン酸組成物を連続して3.6Kgフィード 、薄膜蒸留装置で減圧下連続蒸留を試みた 温度条件は160~200℃とした。その結果、減圧 度は70Paに保たれ、安定に蒸留運転を継続す ことができた。また亜硫酸ガスの臭気は全 なく、回収率は96%程度に保たれた。

 得られたビニルスルホン酸は、留出時は い黄色であり、6ヶ月経時後も着色の進行は みられなかった。また蒸留時に残渣が生じた ものの、黒褐色で流動性のあるものとなり、 容易に洗浄できた。