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Title:
RADON EMITTING RADIATION SOURCE, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME AND PROCESS FOR PRODUCING RADON GAS WITH USE OF RADON EMITTING RADIATION SOURCE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084255
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a radon emitting radiation source that ensures low cost while satisfying the requirements of high-efficiency emission, durability and stability for especially a radon emitting radiation source for radon mist. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The radon emitting radiation source is obtained by fixing radioactive radium onto a support of porous ceramic composed mainly of alumina. In particular, preferably, the surface of the support is etched with an acid prior to the fixing of the radioactive radium. The radon emitting radiation source is obtained by immersing a support in a solution of radioactive radium, drying the same and sintering the dried support.

Inventors:
WADA KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060458
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
June 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
RADON MEDICAL RES & DEV ORGANI (JP)
OZ PLAN CO LTD (JP)
WADA KENICHI (JP)
International Classes:
C04B41/85; A61N5/10; C01B23/00
Foreign References:
JP2000327457A2000-11-28
JP2004161587A2004-06-10
JPS56119264A1981-09-18
Attorney, Agent or Firm:
MORI, Hisao et al. (Ohjima Kurashiki-sh, Okayama 47, JP)
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Claims:
アルミナを主成分とする多孔質セラミックスからなる担体に放射性ラジウムを定着させてなるラドン放出線源。
放射性ラジウムの定着前に、担体表面を酸エッチングしたことを特徴とする請求項1記載のラドン放出線源。
担体を放射性ラジウム溶液内に浸漬し、乾燥後に担体の焼結処理を行うこととした請求項1記載のラドン放出線源の製造方法。
担体の表面を酸エッチングする第1工程と、担体を放射性ラジウム溶液内に浸漬する第2工程と、乾燥後に担体の焼結処理を行う第3工程とからなる請求項1記載のラドン放出線源の製造方法。
ガス注入口とガス排出口を備えた密閉容器内にラドン放出線源を収容し、ガス注入口側から湿潤ガスを注入しつつ、ガス排出口側の出力を絞ることによって密閉容器内を高圧にしながら、ガス排出口側から放射性ラドンガスを得ることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載のラドン放出線源を用いた放射性ラドンガスの生成方法。
Description:
ラドン放出線源、その製造方法 び該ラドン放出線源を用いたラドンガスの 成方法

 本発明は、取り扱い容易なラドン放出線 とその製造方法、及び該ラドン放出線源を いた高率かつ長期間安定的な放射性ラドン スの生成方法に関するものである。こうし ラドン放出線源は例えば生活習慣病の対処 法などに利用される。

 従来より、ラドン等の放射性壊変生成物 含有する温泉などの限られた天然施設に各 疾病に対する治癒効果があることが知られ いる(日本国内では鳥取県東伯郡にある岡山 大学病院三朝医療センターにおける複合温泉 療法が有名)。そこで、こうした天然施設と 等の効果を簡易に得るために、放射性壊変 成物を含有する水溶液を人工的に生成する 置が提案されてきた。例えば、特許文献1で 、抽出槽内の温水溶液中に沈設した撹拌槽 を上下フィルター板で区画し、当該区画内 顆粒状の放射性物質含有鉱石を収容して、 出槽上部に存在する気体を前記下部フィル ーの底部側に圧送して撹拌槽中に噴射させ ことにより顆粒状鉱石を撹拌する一方、抽 槽底部より導出した温水溶液を抽出槽の上 から噴霧することによって抽出槽上部の気 中に溶出したガス状の放射性壊変生成物を 水溶液中に溶融させることとした装置が提 されている。

 前記装置では、放射性物質含有鉱石を顆 状にすることで温水溶液との接触面積を広 確保しつつ気泡で撹拌しながら効果的な溶 を促進することが企図されていたが、顆粒 鉱石の粒径を小さくすると必然的に上下フ ルター板の開孔径も細かくせざるをえない ころ、上下フィルター板の開孔径が小さく ればなるほど気泡が通過しづらくなるとい 欠点があった。

 一方、ラドン放出線源であるラジウムは 溶液にはほとんど溶けないが、ラドンには によく溶け空気中にも気化発散しやすい性 があるため、ミスト(霧状)にして利用する 法が提案されている。ラドンが溶出した温 蒸気をミストサウナとして浴びることで、 ドンが溶出した温水溶液中に身体を浸ける 合に比べて弱放射能が希薄されないし、身 表面のみならず呼吸器系にもラドンが到達 やすいという利点がある。すなわち、こう たミストサウナでは、ラドン分子の周囲が 分子で覆われた状態で空中に浮遊するため 呼吸により人体内に入ったラドンは再び人 外へと排出されやすく、人体内に滞留して る間に放出されたα線が人体細胞に対して好 影響を与えるものと考えられている。

 ラドンミストを利用する装置としては、 えば、遠赤外線ヒーターで加温する大型箱 本体内に、座席とミスト発生器を設けたサ ナ風呂(特許文献2)や、密閉室内に設置した ットと上乗せマット間に患者を仰臥させて 両マット内部にラドン温泉湯を通水しつつ 密閉室内にラドン温泉湯をミスト状にして 満させることにより、ラドン温泉湯の波動 よるマッサージ効果とともに呼吸器系から ドンミストを吸入させることができるとし 弱放射能温泉療法施設(特許文献3)などが提 されている。

 ところで、ラドンをミストとして利用す には、高濃度のラドンガスが得られる高率 出性と、ラドンガスを安定して長期間放出 きる持続性、そして取り扱い容易な安定性 備えた線源が必要不可欠である。しかるに 前記従来のラドンミスト装置ではラジウム 溶液やラドン放出土壌等が想定されている みで、いずれも十分な性能が得られるもの はなかったし、取り扱いや保管性にも劣る のであったが、最近になって多孔質セラミ クスを担体として使用し、これに水に不溶 ラジウム塩を定着させたラドン放出線源が 発されるに至っている(特許文献4)。

特公平6-48320号公報(特許請求の範囲、第5 欄25行目~第6欄1行目、第1図)

実開昭63-38539号公報(実用新案登録請求の 範囲、第2図)

特開平11-128375号公報(特許請求の範囲、 2)

特開2000-327457号公報(特許請求の範囲、発 明の効果)

 前記セラミックスラドン放出線源はSiCの多 質焼結体又はTiO 2 をコーティングしたSiCの多孔質焼結体に水に 不溶なラジウム塩を定着させたもので、取扱 容易かつ高率放出性、持続性そして安定性を 備えた画期的なラドン放出線源であったが、 母材となるSiCは加工が容易でないことに加え て、ラジウムが直接定着しないので不溶性塩 を用いる特別処理が必要となるし、母材自体 が高価なためにコスト高になるという欠点が あった。

 また、前記セラミックスラドン放出線源 、ラドンガス生成のために乾燥空気を用い こととしており、温水蒸気にして呼吸器よ 吸引利用されることは想定されていなかっ し、放射線管理に関する諸法との関係から 源としてのスケールに制約があるため、臨 的に効果があるとされる数値(性能)を達成 るのは困難であった。

 本発明は叙上の事情に鑑みてなされたも であり、その主な課題とするところは、と にラドンミスト用のラドン放出線源として められる高率放出性、持続性、安定性の各 件を満たしながらも低コストなラドン放出 源を提供することにある。

 前記所期の課題解決を図るため、本発明に るラドン放出線源では、前記特許文献4記載 のラドン放出線源のように多孔質セラミック スからなる担体に放射性ラジウムを定着させ ることとしつつも、前記担体としてアルミナ を主成分とする多孔質セラミックスを用いた 。本発明者は、安価で加工性がよく耐熱部品 として汎用されているアルミナ(Al 2 O 3 )とラジウム(Ra)の親和性が良好であることを 見し、多孔質にしたアルミナを主成分とす セラミックスを担体としてその表面にラジ ムを定着させることにより、高率放出性等 備えたラドン放出線源を簡易に得たのであ 。

 前記担体とする多孔質セラミックスとし は、例えば80%以上の空孔率を有する軽量セ ミック多孔体(セラミックフォーム)が好適 用いられ、濾紙等の多孔質有機物基体に対 てセラミックス前駆体である無機高分子を 浸させてこれを焼成する方法や、セラミッ ス粉末と粉末バインダとを適当な割合で均 に混合し、型枠内でパネル形状に加圧成形 たり、あるいは溶剤で溶解した有機バイン にセラミックス粉末を均一に混合・分散さ てセラミックススラリーとし、これを押出 形等によりパネル形状に成形して、乾燥後 焼成する方法といった、常法により得られ ものが挙げられる。

 前記ラドン放出線源は、多孔質セラミッ スからなる担体の表面を塩酸や硫酸等でエ チングすることにより、担体表面に付着し いる微粉末や被膜等を除去するとともに、 数の微小穴を露出又は形成することによっ 、ラジウムの定着性をより向上させながら ジウムロスを防ぐことができる。つまり、 り多孔質とすることで表面積が格段に大き なった担体に多量のラジウムが担持される とになるのである。

 本発明に係るラドン放出線源は、アルミ を主成分とする多孔質セラミックスからな 担体を放射性ラジウム溶液内に浸漬し、乾 後に当該担体の焼結処理を行うことで製造 ることができる。これらの処理工程に先立 て、事前に担体の表面を酸でエッチングし もよい。

 放射性ラジウム溶液としては、シリカ微 末や低融点ガラス微粉末などをポリビニル ルコールに分散させたものに天然ラジウム 石の粉末を混合してスラリー状としたもの ほか、市販のラジウム標準液も好適に用い れる。本発明では、こうしたラジウム溶液 に前記多孔質セラミックスを浸漬するので るが、溶液中に浸漬する代わりに多孔質セ ミックスに塗布することでも同等の効果が られる(つまり、本発明では、こうした塗布 方法も含めて「浸漬」と称する)。

 ラジウム溶液内に浸漬・乾燥後に焼結処 を行う場合の温度は200℃程度、より望まし は120℃程度とするのがよい。高温で焼結す と、多孔質セラミックスを用いた担体の最 面層に化学結合されて安定担持されるべき ジウム(Ra)が担体の微小穴内に隠れてしまい 、ラジウムの崩壊生成核種であるラドン(Rn) 放出量が減少するので低温焼結するのが望 しい。反面、ラドン放出線源自体が水没す ような使用方法が予想される場合には焼結 度をやや高めに設定することになる。

 また、本発明では、以上のようなラドン 出線源を用いた放射性ラドンガスの生成方 として、ガス注入口とガス排出口を備えた 閉容器内にラドン放出線源を収容し、ガス 入口側から湿潤ガスを注入しつつ、ガス排 口側の出力を絞ることによって密閉容器内 高圧にしながら、ガス排出口側から放射性 ドンガスを得る方法とした。

 前述のように、放射性ラドンを用いた治 方法ではラドン分子の周囲が水分子で覆わ た状態のラドンガスを呼吸により人体内に 引するのが効果的とされているため最終的 はラドンガスを水蒸気と混合する必要があ が、本発明者らは、本発明に係るラドン放 線源に対して直接に湿潤ガス(Wet Gas)を通過 させることにより、乾燥した室内空気をラド ン放出線源に通過させた場合よりも格段に高 率なラドン放出が行われることを見出したの である。

 その反面、湿潤ガスの相対湿度が高すぎ と、密閉容器内が結露してしまい、かえっ 放射性ラドンガスの放出率が低下し、場合 よっては全く放出しなくなることも判明し 。こうした実験結果を踏まえて、湿潤ガス 相対湿度としては30%以上85%以下の範囲とす のがよい。場合によってはラドン放出線源 収容した密閉容器の外部にシーズヒーター の加温設備や断熱材を配設すれば、結露防 に効果的である。なお、湿潤ガスとしては 酸素や炭酸ガスなども使用できるが、室内 の空気を利用するのが最も簡易である。

 なお、ここにいう高圧とは、密封容器に けるガス注入口側からの送風圧よりも密封 器内の圧力が高い状態にすることをいい、 潤ガスとしては、空気のほか酸素や窒素等 ガスが挙げられる。

 本発明に係るラドン放出線源は、取扱容 で高効率かつ持続性のあるラドンガス放出 得られるのみならず、耐熱セラミックスと て汎用されているアルミナを主成分とする のを母材として使用したことで、製造原価 大幅な低減と加工性の容易化を実現するこ ができた。とくに担体表面を酸エッチング ることで、ラジウム担持量を大幅に増やす とができた。

 また、前記ラドン放出線源の製造方法で 、とくに特殊な処理を必要とすることがな ので、製造設備の簡素化による製造コスト 大幅な低減を図ることができた。

 そして、前記ラドン放出線源を用いた本 明に係る放射性ラドンガスの生成方法では 国内外の天然ラドン療法施設で用いられて るよりも格段に高濃度の放射線ラドンガス 人工的に創出することができるため、特定 天然施設にかぎられることなく、一般家庭 どいかなる場所においても効果的なラドン 法を実施することができるようになったの ある。

 なお、生成された放射性ラドンガスの半 期は約3.5日であるから、たとえば活性炭や レキュラーシーブ等の吸着材を充填した容 内に貯留させて携帯し、加湿器などに接続 ることにより場所や時間を選ぶことなくラ ン療法を行うこともできるようになるなど 応用範囲は極めて広い。

本発明に係るラドン放出線源の性能試 を行った装置構成を示す概略図である。 図1の装置構成において、ラドン放出線 源収納ユニットが非加圧状態になるように湿 潤空気の注入・排出量を調整した場合の経過 時間とラドン濃度の変化を示すグラフである 。 図1の装置構成において、ラドン放出線 源収納ユニット前後における圧力差を設けた 場合の経過時間とラドン放出量の変化を示す グラフである。 図1の装置構成において、ラドン放出線 源収納ユニット前後における圧力差をより高 めた場合の経過時間とラドン放出量の変化を 示すグラフである。 図1の装置構成において、ラドン放出線 源収納ユニット前後における圧力差をさらに 高めた場合の経過時間とラドン放出量の変化 を示すグラフである。

符号の説明

  1   加湿器装置
  2   コンプレッサ
  3A~3C  ラドン放出線源収納ユニット
  4    調整バルブ
  5    ラドンモニタ

 以下、本発明を実施例にしたがって詳細 説明する。なお、ラドン放出線源としての 能試験は、図1に示す装置構成により計測し た。すなわち、温湿度センサと水位調整制御 機能を備えた加湿器装置1によって湿度コン ロールした湿潤空気を生成し、実験室内に 満させたうえで、当該湿潤空気をコンプレ サ2によってラドン放出線源収納ユニット3A ガス注入口側から注入した。ラドン放出線 収納ユニット3Aは密閉容器とし、その内壁に 沿うように板状をした本発明に係るラドン放 出線源8枚を隙間なく収容した。収容したラ ン放出線源におけるラジウムの担持総量は14 ,400Bqである。ラドン放出線源収納ユニット3A ガス排出口側には同じ構成からなる2個のラ ドン放出線源収納ユニット3B,3Cを連結した。 のように3個のラドン放出線源収納ユニット 3A,3B,3Cを直列に連結して実験したのは、法規 から1個当りの能力を低く抑制していること を考慮したものである。最後尾のラドン放出 線源収納ユニット3Cにおけるガス排出口側に 整バルブ4を介してラドンモニタ5を設置す ことによりラドン濃度の計測を行った。ラ ンモニタ5としては米国SUN NUCLEAR社製のモデ 1027を用いた。

 担体としては、株式会社成田製陶所製のセ ミックフォーム(品番:M-6CH-T1素地)を用いた アルミナを主鉱物とする多孔質セラミック であり、79.2重量濃度(mass%)のアルミナ(Al 2 O 3 )を含有し、連続気泡を備えて空隙率80%以上 したものである。本実施例では板状(マット )のものを採用したが、すでにブロック状、 円柱状など各種形状のものが市販されている ので、ラドン放出線源収納ユニット3の内部 状に合わせたものを選択すればよい。例え 、加圧状態を考慮してラドン放出線源収納 ニット3を円筒状に形成した場合には、その 壁に沿うような円柱状のセラミックフォー を用いるといった具合である。

 まず、担体の吸水量を測定し、あらかじ 平均的な吸水量を求めた。具体的には、担 の乾燥重量(ア)を測定した後、蒸留水に数 間浸漬し、静かに取り出して軽く水切りを てから再び担体の吸水重量(イ)の測定をする ことにより、吸水量((ア)-(イ))を求めた。100mm 角の担体5個を用いて平均吸水量を測定した 果を表1に示す。

 次いで担体の酸エッチングと洗浄を行っ 。0.5モル(mol/l)の塩酸溶液中に担体を30分間 漬して酸エッチングを行った後、流水(水道 水)ですすぎ、さらに蒸留水で2回すすいだ。 の後、120℃で1時間加熱することにより十分 に乾燥させた。

 一方、予め求めておいた前記担体の吸水量 参考として、当該担体に担持させるラジウ (Ra)の量を決定した。本実施例では前記100mm の担体1枚当りに1,800Bq(1.8kBq)のラジウムを担 持させることとしたので、平均吸水量20g(=20ml )に対して1,800Bqとするために、放射性ラジウ 溶液1ml当り90Bq(1,800Bqí20ml=90Bq/ml)とすること した。具体的には、市販されているラジウ 標準液が175kBq/5ml(35kBq/ml)であったので、同 ジウム標準液1mlに、0.1モルの塩酸(HCl)3.24mlと 、前記ラジウム標準液の10倍モルのバリウム( BaCl 2 )580μgを添加し、最終的に蒸留水を加えて389ml とすることにより、90Bq/mlの放射性ラジウム 液を調製したうえで、担体1枚当りに20gの放 性ラジウム溶液を担持させた。

 担体を放射性ラジウム溶液内に浸漬する 程は次の手順により行った。すなわち、予 担体の重量測定を行った後、前記放射性ラ ウム溶液内に担体を5ないし10秒間浸漬させ 静かに引き上げて軽く液をきる。再度重量 定を行いながら、当初測定重量からの差分 平均吸水量に近くなるように浸漬又は液ぎ を繰り返して調整した後、120℃で数時間、 体が完全に乾燥するまで加熱乾燥を行う。 いで200℃で2時間、担体の焼結処理を行った うえ、室温にて放冷させた。

 以上の処理工程により得られたラドン放 線源を用いて、図1に示す装置構成により、 室内温度21℃から25℃、湿度25%から40%の条件 において、ラドン放出線源収納ユニット3Aの ガス注入口側から0.05MPa(0.5気圧)で湿潤空気を 注入する一方、調整バルブ4を調整すること より0.5リットル毎分(l/min)でラドンガスを放 させ、ラドンモニタ5よってラドン濃度を計 測した。結果を図2に示す。

 次に、同じ条件下において同じ装置構成 用い、ラドン放出線源収納ユニット3Aのガ 注入口側からは0.1MPaで湿潤空気を注入する 方、調整バルブ4から毎分0.5リットル(l/min)で ラドンガスを放出させ、ラドンモニタ5よっ ラドン濃度を計測した。結果を図3に示す。

 図2及び3に示されるとおり、コンプレッサ 送圧を抑制して湿潤空気がラドン放出線源 納ユニット内を通過するにすぎないように 定した場合にでも最大3,750Bq/m 3 のラドン濃度が認められたものの、7時間経 以降は概ね3,000Bq/m 3 程度のラドン濃度で推移しているのに対して 、ガス注入口側とガス放出口側(調整バルブ )とで圧力差を設けてラドン放出線源収納ユ ット内を加圧するように設定した場合には 大4,250Bq/m 3 のラドン濃度を記録し、また7時間経過以降 概ね4,000Bq/m 3 程度の高いラドン濃度のままで推移していた 。したがって、ラドン放出線源収納ユニット 内を高圧にする方がラドン放出率が高くなる ことが判明した。

 そこで、ラドン放出線源収納ユニット内を らに高圧にしてラドンガスにおけるラドン 度の状態を計測した。図4はラドン放出線源 収納ユニット3Aのガス注入口側から0.2MPa(2気 )で湿潤空気を注入する一方、調整バルブ4か らは先の例と同様に毎分0.5リットルでラドン ガスを放出させた場合のラドン濃度の計測結 果であり、図5はラドン放出線源収納ユニッ 3Aのガス注入口側から0.3MPa(3気圧)で湿潤空気 を注入する一方、調整バルブ4からは毎分0.5 ットルでラドンガスを放出させた場合のラ ン濃度の計測結果である。図示されるよう 、湿潤空気の注入圧を高めてラドン放出線 収納ユニット内を高圧にするほど、高濃度 ラドンガスが安定的に得られることが判明 た。例えば岡山大学病院三朝医療センター おける複合温泉療法では天然ラドンを用い 2,080Bq/m 3 程度のラドン濃度が使用されているが、本発 明によれば、これを遥かに上回る高濃度のラ ドンガスを人工的に得ることが実証できたわ けである。