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Title:
REGENERATED CELLULOSE HARD-TWISTED WEFT FABRIC FOR NATIVE-DRESS SARI
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175193
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are: a hard-twisted weft fabric that utilizes regenerated cellulose fibers as weft, has low basis weight, and has a uniform texture in the width direction; and a native-dress sari cloth that is the hard-twisted weft fabric. The hard-twisted weft fabric includes regenerated cellulose fibers as weft, with a twist constant (K) of at least 135 and a swell of 55–70%, wherein the hard-twisted weft fabric has basis weight of 30–100 g/m2 and, when the pitch distance of textural relief in the weft direction of the hard-twisted weft fabric is measured at one end, the center, and another end in the width direction, the maximum value is 120% or less of the minimum value.

Inventors:
JITSUMATSU SHOGO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/005868
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 14, 2020
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI CHEMICAL IND (JP)
International Classes:
D03D15/567; D06M13/17; D06M15/564; D06M101/06
Foreign References:
JPH1072781A1998-03-17
JP2012001830A2012-01-05
JP2000355812A2000-12-26
JP2001164418A2001-06-19
JPS50148668A1975-11-28
JPH04228687A1992-08-18
JPH11189946A1999-07-13
Attorney, Agent or Firm:
AOKI, Atsushi et al. (JP)
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Claims:
\¥02020/175193 21 卩(:17 2020/005868

請求の範囲

[請求項 1 ] 撚り係数 (<) 1 3 5以上、 膨潤度 5 5 %以上 7 0 %以下の再生セ ルロース繊維を緯糸として用いた緯糸強撚織物であって、

前記緯糸強撚織物が、 目付 3 0 9 /〇!2以上 1 0 0 9 /〇!2以下を有 し、

前記緯糸強撚織物における緯糸方向のシボ凹凸ピッチ間距離を前記 緯糸方向の一端、 中央及び他端で測定したときに、 最大値が最小値の 1 2 0 %以下である、 緯糸強撚織物。

[請求項 2] 算術平均高さ 3〇 以上のシボ高さを有するクレープジョーゼッ 卜織物である、 請求項 1 に記載の緯糸強燃織物。

[請求項 3] 算術平均高さ 1 5 以上のシボ高さを有するクレープデシン織物 である、 請求項 1 に記載の緯糸強燃織物。

[請求項 4] 民族衣装サリー用である、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の緯 糸強撚織物。

Description:
\¥02020/175193 1 卩(:17 2020/005868

明 細 書

発明の名称 : 民族衣装サリー用再生セルロース緯糸強撚織 物 技術分野

[0001 ] 本発明は、 再生セルロース繊維を緯糸として含む緯糸強 撚織物に関し、 よ り詳細には、 再生セルロース繊維を緯糸として含む民族衣 装サリー用緯糸強 撚織物及びそれを用いた民族衣装サリーに関 する。

背景技術

[0002] 南アジア地域の民族衣装であるサリーは、 スカーフの様に体に巻き付けて 着用されることから、 サリー用生地としては、 従来、 経方向が長さ 5 程度 にカッ トされ、 緯方向がカッ トされていない低目付の織物生地が用いられ て きた。 素材としては、 シルクに次いで再生セルロース繊維が好まれ 、 シボを 有する生地 (例えば、 ジョーゼッ ト及びデシンのように、 緯糸が強撚糸で構 成され、 解撚によりシボを発現させている織物生地) が非常に好まれている 。 しかしながら再生セルロース繊維を用いて製 造された低目付の緯糸強撚織 物生地においては、 シボが巾方向に不均一になってしまう問題が あった。

[0003] このような問題を解決するために、 例えば、 以下の特許文献 1 には、 人造 セルロース繊維についてグリオキザール系樹 脂との架橋処理を行うことで、 糸のスレを抑制し、 シボが発現できる解撚条件での加工を可能に することで シボの均一性を得ることが記載されている。

[0004] また以下の特許文献 2においては、 生機にエンボス加工を施すことでシボ 発現箇所を均一に固定化し、 浴比·! . 2〜 2の超低浴比による気流染色機に よる解撚によって、 糸のスレを抑制して均一解撚を促す技術が記 載されてい る。

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開平 1 1 —2 0 0 2 5 1号公報

特許文献 2 :特開 2 0 0 0 _ 3 2 8 4 3 1号公報 \¥02020/175193 2 卩(:17 2020/005868

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] しかし、 特許文献 1 に記載される技術は低目付に着目していない 。 また特 許文献 2に記載される技術において、 低目付の再生セルロース繊維からなる 強撚織物は、 凹凸のあるエンボス加工に耐えうる強度を保 持しておらず生地 に穴が開くことがある。 また低目付の生地は、 気流搬送がしにくく均一解撚 が難しい。 したがって、 特許文献 1及び 2に記載される技術では、 再生セル ロース繊維を用いて製造された低目付の緯糸 強撚織物におけるシボの均一性 (特に織物の巾方向 (すなわち緯糸方向) での均一性) は実現できていない

[0007] 前述した従来技術の問題点に鑑み、 本発明が解決しようとする課題は、 緯 糸に再生セルロース繊維を用いつつ、 低目付でかつ巾方向に均一なシボを有 する緯糸強撚織物を提供すること、 並びに当該緯糸強撚織物である民族衣装 サリー生地及びこれを用いた民族衣装サリー を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明者は、 前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ね た結果、 緯糸の 撚り係数及び膨潤度を制御して低目付でかつ 巾方向に均一なシボを有する緯 糸強撚織物を製造することを見出し、 本発明を完成するに至った。

[0009] すなわち、 本発明は以下を包含する。

[ 1 ] 燃り係数 (<) 1 3 5以上、 膨潤度 5 5 %以上 7 0 %以下の再生セ ルロース繊維を緯糸として用いた緯糸強撚織 物であって、

前記緯糸強撚織物が、 以下を有し、 前記緯糸強撚織物における緯糸方向のシボ凹 凸ピッチ間距離を前記緯糸方 向の一端、 中央及び他端で測定したときに、 最大値が最小値の 1 2 0 %以下 である、 緯糸強撚織物。

[ 2 ] 算術平均高さ 3〇 以上のシボ高さを有するクレープジョーゼッ 卜織物である、 上記態様 1 に記載の緯糸強撚織物。

[ 3 ] 算術平均高さ 1 5 以上のシボ高さを有するクレープデシン織物 \¥02020/175193 3 卩(:171?2020/005868

である、 上記態様 1 に記載の緯糸強撚織物。

[ 4 ] 民族衣装サリー用である、 上記態様 1〜 3のいずれかに記載の緯糸 強撚織物。

発明の効果

[0010] 本発明の一態様によれば、 緯糸に再生セルロース繊維を用いつつ、 低目付 でかつ巾方向に均一なシボを有する緯糸強撚 織物、 並びに当該緯糸強撚織物 である民族衣装サリー生地及びこれを用いた 民族衣装サリーが提供され得る 発明を実施するための形態

[001 1 ] 以下、 本発明の例示の態様を詳細に説明するが、 本発明は以下の態様に限 定されるものではない。 なお本開示の各種特性値は、 特記がない限り本開示 の [実施例] の項に記載される方法又はこれと同等である ことが当業者に理解 される方法で測定される値を意図する。

[0012] 本発明の一態様は、 撚り係数 (<) 1 3 5以上、 膨潤度 5 5 %以上 7 0 % 以下の再生セルロース繊維を緯糸として用い た緯糸強撚織物であって、 緯糸 強撚織物が、 を有し、 緯糸強撚織物に おける緯糸方向のシボ凹凸ピッチ間距離を緯 糸方向の一端、 中央及び他端で 測定したときに、 最大値が最小値の 1 2 0 %以下である、 緯糸強撚織物を提 供する。

[0013] 緯糸として再生セルロース繊維を用いた緯糸 強撚織物が低目付である場合 、 湿潤状態で生地と生地との又は生地と機械と の衝撃力を用いた解撚工程に 供すると、 解繊は巾方向に均一にできるものの、 染色加工後の生地を目標巾 に仕上げるためにテンターなどで巾出しする 際に巾方向に不均一に伸ばされ ること、 これによりシボの不均一性が生まれることが わかった。 特に民族衣 装サリーで求められる生地では、 仕上げ柔軟剤を付与した風合いが好まれな いことから、 生地に仕上げ柔軟剤が付着していない状態、 すなわち経糸と緯 糸との摩擦力が強い状態で巾出しされるため 、 シボの不均一性が顕著に表れ る。 本発明者は、 再生セルロース繊維の膨潤度を制御すること が、 巾方向に \¥02020/175193 4 卩(:171?2020/005868

均一なシボの形成に有利であることを見出 した。 膨潤度の制御 (特に抑制) は、 生機で低濃度の樹脂加工剤にて再生セルロー ス繊維を架橋する方法等に よって実現できる。 膨潤度が低いと、 染色加工までの湿潤状態における巾収 縮が抑えられ、 目標仕上げ巾への巾出し率を低くできるため 、 巾方向に均一 なシボを有する緯糸強撚織物が得られる。

[0014] 本開示で、 緯糸に使用される再生セルロース繊維とは、 キュプラアンモニ ウムレーヨン、 ピスコースレーヨン、 ポリノジック、 リヨセル等の、 セルロ —ス原料を溶解して紡糸した繊維のことをい う。 キュプラアンモニウムレー ヨン及びビスコースレーヨンは、 特に良好な効果を奏する。 再生セルロース 繊維は、 長繊維、 短繊維又はこれらの組合せであってよく、 2種以上の繊維 の混繊複合、 混紡複合、 又は長繊維短繊維複合であってもよい。

[0015] 本開示における再生セルロース繊維の撚糸方 法については、 一般的な撚糸 機、 例えばイタリー撚糸機、 リング撚糸機、 ダブルツイスターなどであれば 特に限定はされないが、 イタリー撚糸機、 及びダブルツイスターが好ましい 。 再生セルロース繊維は、 撚り係数<が 1 3 5以上の撚りを有する。 撚り係 数<の上限は、 好ましくは 3 6 0未満、 より好ましくは 3 0 0未満、 更に好 ましくは 2 5 0未満である。 ここでいう撚り係数<とは、 短繊維の撚り係数 計算方法 (すなわち、 撚り係数<=撚り数 ÷ 綿番手) で表される値である 。 撚り係数<が 1 3 5未満になると、 シボが弱すぎ望ましくない。 撚り係数 が 1 3 5未満の撚糸を緯糸として用いても、 所望のシボを有する織物が得ら れない。 なお、 撚り係数が 3 6 0未満の撚糸は、 生産時の糸切れの増加、 生 産時間の増加などによる生産効率の低下が生 じにくく、 一般的な使用に好適 である。 撚り数は、 」 丨 3 !_ 1 0 9 5 = 2 0 1 0に準拠して検撚器にて測 定でき、 綿番手においては重量 1ポンド (約 4 5 3 9 ) で長さ 8 4 0ヤード (約 7 6 8 ) の場合が 1番手である。 なお、 緯糸強撚織物においては当該 再生セルロース繊維が解撚された状態となる が、 緯糸強撚織物中の再生セル ロース繊維が上記撚り係数の再生セルロース 繊維に由来することは、 」 丨 3 !_ 1 0 3 0 - 1 : 2 0 1 2に準拠して確認できる。 \¥02020/175193 5 卩(:171?2020/005868

[0016] 経糸及び緯糸の繊度、 並びに織物密度は、 特に限定されず、 緯糸強撚織物 の目付が

経糸及び緯糸の好ましい繊度は、 それぞれ 4 4〇1 6父~ 8 4〇1 1 6父であ る。 織物密度は、 例えばクレープジョーゼッ ト織物では、 経緯ともに、 好ま しくは、 1 0 0本/インチ以下、 又は 9 0本/インチ以下であり、 例えばク レープデシン織物では、 経密度が、 好ましくは、 1 7 0本/インチ以下、 又 は 1 6 0本/インチ以下、 又は 1 5 0本/インチ以下であり、 緯密度が、 好 ましくは、 1 0 0本/インチ以下、 又は 9 0本/インチ以下である。 クレー プジョーゼッ ト織物の織物密度は、 好ましくは、 4 0本/インチ以上、 又は 6 0本/インチ以上であってよく、 クレープデシン織物の経密度は、 好まし くは、 9 0本/インチ以上、 又は 1 0 0本/インチ以上、 緯密度は、 好まし くは、 4 0本/インチ以上、 又は 6 0本/インチ以上であってよい。

[0017] 本開示の緯糸強撚織物においては、 前述した特定の撚りを付与された再生 セルロース繊維が緯糸に用いられている。 前述した特定の撚りを付与された 再生セルロース繊維は、 緯糸全体に対して、 重量基準で、 8 0 %以上である ことが好ましく、 9 0 %以上がより好ましく、 1 0 0 %が更に好ましい。

[0018] 本開示の緯糸強撚織物において、 経糸の素材としては、 シルク、 綿、 麻な どの天然繊維、 ポリエステル、 ナイロンなどの合成繊維、 及び再生セルロー ス繊維を例示できるが、 一般的にはセルロース由来の天然繊維又は再 生セル 口ース繊維が用いられる。 その中でも好ましくは再生セルロース繊維、 より 好ましくは、 緯糸と同じ再生セルロース繊維である。 経糸としては長繊維及 び短繊維のいずれも使用できる。

[0019] 本開示で、 クレープデシンとは、 経糸の撚り係数<が 1 3 5未満、 かつ緯 糸の撚り係数<が 1 3 5以上、 3 6 0未満で構成された強撚織物を意味し、 クレープジョーゼッ トとは、 経糸の撚り係数<が 1 3 5以上、 かつ緯糸の撚 り係数<が 1 3 5以上、 3 6 0未満の強撚織物を意味する。 本開示の緯糸強 撚織物の組織は特に限定されないが、 シボを大きくするためには、 織密度を 低くできる点で平組織が好ましい。 また、 民族衣装サリー用途としては、 シ \¥02020/175193 6 卩(:171?2020/005868

ボを有しつつ楊柳織物のような畝形成を抑 えることができる点で、 経糸、 緯 糸ともに撚糸方向が 3撚若しくは 撚のみで構成される織物よりも、 3撚と 撚との両方が配列された織物がより望ましい 。 配列方法は特に問わないが 、 33 の配列方法が好ましい。

[0020] 本開示におけるシボの高さとは、 シボ凹凸高さを意味し、 丨 3025 1 7

8-2 : 201 2に記載の表面粗さにおける面全体 (すなわち測定領域全体 ) 算術平均高さ 3 3 を画像解析から実測した値である。 シボ高さが大きくシ ボ表情が良好に発現されるためには、 33値がクレープジヨーゼッ トで、 好 ましくは、 30 以上、 又は 40 以上、 又は 50 以上、 クレープ デシンで、 好ましくは、 1 5 〇1以上、 又は 20 〇1以上である。 シボの高 さは、 糸の撚り数、 織物の密度、 解撚条件等で調整することができる。 シボ の高さは、 クレープジヨーゼッ トにおいて、 好ましくは、 1 50 以下、 又は 1 00 以下であってよく、 クレープデシンにおいて、 好ましくは、

1 50 以下、 又は 1 00 以下であってよい。

[0021] 本開示における緯糸方向のシボ凹凸ピッチ間 距離とは、 シボ凹凸の平均間 隔を意味し、 」 1 3 606001 : 2001 ( 1 304287 : 1 997

) における表面粗さ曲線要素の平均長さ を画像解析から実測した値で ある。 測定は、 緯糸強撚織物の緯糸方向 (すなわち巾方向) の一端及び他端 (すなわち左右端部) 並びに中央の 3か所での実測を一定数 (例えば経糸方 向に 5〇 間隔に 5か所) 行い、 緯糸の一端、 中央及び他端の各々の値を、 上記経糸方向 1 〇か所の数平均値として求める。 シボ凹凸ピッチ間距離を、 緯糸方向の一端、 中央及び他端で比較したときの最大値は、 最小値の 1 20 %以下であり、 好ましくは 1 1 5%以下である。 最大値は最小値と等しい ( すなわち最大値が最小値の 1 00%である) ことが最も好ましいが、 織物の 製造容易性の観点から、 最大値が最小値の 1 03%以上、 又は 1 05%以上 であってもよい。 一般的に、 緯糸強撚織物のシボ凹凸ピッチ間距離は中央 部 で最大値になる傾向にあるが、 巾出し時の巾方向の保有水分率、 巾出しまで の加工で生じた小ジワなどによって、 生地が伸び始める部位は変化すること \¥02020/175193 7 卩(:171?2020/005868

がある。 本発明の一態様に係る緯糸強撚織物は、 緯糸方向 (すなわち織物の 巾方向) の一端、 中央及び他端におけるシボ凹凸ピッチ間距離 の差が小さい という特徴を有する。

[0022] 巾方向の左右端部及び中央部の 3か所の 3〇!値の最大値を最小値の 1 2

0 %以下とする手段としては、 染色加工後の仕上げ乾燥時の巾出し率を調整 する方法を例示できる。 値の最大値が最小値の 1 2 0 %を超える場合 、 巾方向でシボ間隔が局部的に大きくなってお り、 均一なシボが発現できて おらず好ましくない。 巾出し率を調整する方法としては、 再生セルロース繊 維の膨潤度を制御する方法等を例示できる。

[0023] —態様において、 緯糸強撚織物の目付は、 以上、 1 0 0 9 / 2 以下である。 目付が 3 0 9 / 2 未満である場合、 織物が薄すぎシボがわかり にくいこと、 及び強度面で実用に耐えないことから好まし くない。 また目付 が 1 0 0 超である場合、 再生セルロース繊維がフイブリルを生じ、 ス レを誘発するために好ましくない。 目付は、 好ましくは、 4 以上、 又は 5 0 9 / 01 2 以上であり、 好ましくは、 9 0 9 / 01 2 以下、 又は 8 0 9 / 01 2 以下である。

[0024] 緯糸として用いられる再生セルロース繊維の 膨潤度は、 5 5 %以上、 7 0 %以下である。 再生セルロース繊維を用いた緯糸強撚織物の 解撚において、 一般的に、 再生セルロース繊維が膨潤する際に物理的衝 撃力が与えられると 、 解撚トルクが発生する。 しかしながら、 膨潤が高度のままであると、 解撚 トルクが強く、 シボが立ちすぎ、 生地収縮も大きくなる。 よって、 再生セル ロース繊維の膨潤度を制御すること (典型的には、 再生セルロース繊維が本 来的に有する膨潤度を抑制すること) が望ましい。 具体的には、 膨潤度が 7 0 %より高くなると、 解撚トルクが強くなりすぎ好ましくない。 一方、 膨潤 度が 5 5 %より低くなると、 解撚トルクが弱すぎてシボが立たず、 好ましく ない。 膨潤度は、 好ましくは、 5 8 %以上であり、 好ましくは、 6 5 %以下 である。 膨潤度を制御する手段としては、 例えば高圧熱水処理、 蒸気処理、 後述するような再生セルロース繊維の繊維間 での架橋等が挙げられる。 架橋 は、 巾方向に均一なシボを容易に形成できる点で 好ましい。

[0025] 緯糸強撚織物の製造方法は特に限定されず、 例えば、 原糸から、 製織、 精 練、 染色、 ソービング、 巾出し乾燥、 カムフィッ ト加工等の工程を経て製造 できる。 再生セルロース繊維の膨潤度を抑制する処理 を行う場合には、 当該 処理を解撚工程前に行うことが極めて好まし い。 膨潤度の制御方法としては 、 緯糸を繊維間で架橋する方法が好ましい。 例えば、 生機に対して、 N , N ’ ージメチルージヒドロキシエチレン尿素を主 成分 (例えば濃度 4 5重量% ) とする非ホルマリン系樹脂加工剤 3〜 6重量%及び金属塩酸性触媒 1〜 2 重量%をディップ ニップ法で付与し、 1 0 0 ° C〜 1 4 0 ° Cの温度で乾燥さ せたのち、 1 5 0 °C〜 1 8 0 °Cの温度でキュアリングを行い架橋反応させ る ことが好ましい。 その際に、 重合度 3 0 0〜 5 0 0のポリエチレングリコー ル樹脂を加工剤浴の中に 1〜 4重量%で混ぜても良い。 解撚前の膨潤度の抑 制処理は、 解撚前のどのタイミングで行ってもよく、 例えば、 製織前での糸 処理、 又は生機での処理であってよい。

[0026] 生地の解撚に用いる装置としては、 ドラムワッシャー、 液流染色機などが 挙げられるが、 均一にシボが得られやすいことからドラムワ ッシャーが好適 であり、 例えば 2 0 °C〜 4 0 °C、 1 0〜 9 0分にて解撚を施せばよい。

[0027] 精練方法及び染色方法については、 特に限定されない。 例えば精練、 染色 ともに液流染色機を用い、 ソーダ灰のような弱アルカリ剤を 1〜 5重量%、 界面活性剤を 1〜 5重量%添加し、 8 5 °C〜 9 5 °Cで精練を行い、 次いで中 和水洗した後に、 染色を行う。 染料としては反応染料又は直接染料を使用で き、 常法にしたがって染色を行えば良い。 また経糸がセルロース系以外の素 材である場合には、 その素材にあった精練、 染色を追加して行ってよい。 染 色後は従来公知の方法でソービングを行う。

[0028] 巾出しについては、 ソービング後、 脱水を行った生地を直接テンターで巾 出ししても、 一度乾燥した生地を再度テンターなどで所定 の巾に巾出しを行 ってもよい。 一態様において、 緯糸強撚織物には仕上げ剤 (例えば柔軟仕上 げ剤) が付与されていない。 前述のように、 民族衣装サリー用生地としては 、 柔軟仕上げ剤が付与されていないものが一般 的に好まれる。 仕上げ剤が付 与されていない緯糸強撚織物は例えば民族衣 装サリー用生地として好適であ る。 しかし別の一態様において、 緯糸強撚織物に仕上げ剤が付与されてもよ い。 巾出し後に、 カムフィッ ト機、 セミデカタイザー、 エアーダンブラーな どを用いた風合い出し加工を施してもよい。

[0029] 本発明の緯糸強撚織物は、 巾方向に均一なシボを有することで特に民族 衣 装サリー用生地として好適に用いることがで きる。 したがって、 本発明の一 態様は、 前述の緯糸強撚織物を用いた民族衣装サリー を提供する。

実施例

[0030] 以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す るが、 本発明はこれらの実施 例により何ら限定されるものではない。

なお測定方法及び評価方法は以下のとおりで ある。

[0031] (1) シボの高さ

観察機器として KEYE NCE社製 3 D Me a s u r e me n t M i c r o s c o p e VR— 3 1 00を用い、 観察アプリケーシヨンとして同 社製 VR-H 1 V、 解析アプリケーシヨンとして同社製 VR-H 1 Aを用い て、 緯糸強撚織物の巾方向両端 (すなわち左右両端) 、 及び巾方向中央につ いて、 I SO 25 1 78— 2 : 201 2に記載の表面粗さにおける面全体算 術平均高さ S aを下記作業手順によって求めた。 測定部位は、 織物の緯糸方 向 (巾方向) の両側縁の各々から巾方向中央側に 5 c mの部位である点を中 心とする経糸方向 7. 6mmX緯糸方向 5. 7 m mの画像領域 (巾方向両端 について) 、 及び緯糸方向中央の点を中心とする経糸方向 7. 6mmX緯糸 方向 5. 7 mmの画像領域 (巾方向中央について) である。 この 3か所の測 定部位を 1セッ トとし、 織物の経糸方向に 5 c m間隔で選択した 5セッ トの 測定部位にて測定を行った。 得られた全測定値の数平均値を算出し、 シボの 高さとした (数値は小数点以下一桁に丸めた) 。

[0032] (作業手順)

1) 張力がかからない状態で緯糸強撚織物を観察 機器の観察ステージに静 \¥02020/175193 10 卩(:171?2020/005868

置する。

2) 観察アプリケーションから、 高倍カメラ ·倍率X 40に設定して才一 トフォーカスを行う。

3) 観察アプリケーションから、 3口測定 〇门 ㊀一 3(1 〇 30 フル 才一卜〇 で画像を取得する。

4) 解析アプリケーションから、 取得された画像領域 (7. 6 5.

7〇!〇〇 全体を指定し、 面全体算術平均高さ 3 3 を下記解析条件にて計測し た。

[0033] (解析条件)

1 ) カッ トオフ値: 1 〇! 01以上の高さをカッ トオフ

2) フイルター種別 : ガウシアン

3) 終端効果の補正 :有効

4) 粗さ規格: 1 30- 25 1 78- 2 - 20 1 2

[0034] (2) 緯糸シボ凹凸のピッチ間距離

( 1 ) のシボ高さと同様の観察機器、 観察アプリケーション、 解析アプリ ケーションを用いて、 緯糸強撚織物の巾方向両端 (すなわち左右両端) 、 及 び巾方向中央について、 」 1 3 60600 1 : 200 1 ( 1 304287

= 1 997) に記載の表面粗さ曲線要素の平均長さ を下記作業手順に より求めた。 測定部位は、 織物の緯糸方向 (巾方向) の両側縁の各々から巾 方向中央側に 5〇 の部位である点を中心とする緯糸方向 5. 7 の領域

(巾方向両端について) 、 及び緯糸方向中央の点を中心とする緯糸方向 5. の領域 (巾方向中央について) である。 この 3か所の測定部位を 1 セ ッ トとし、 織物の経糸方向に 5〇 間隔で選択した 5セッ トの測定部位にて 測定を行った。 巾方向一端、 巾方向他端、 及び巾方向中央の各々について、 シボ凹凸ピッチ間距離の 5セッ トでの数平均値を算出し、 この数平均値から 最大値及び最小値を決定した (数値は小数点以下一桁に丸めた) 。

[0035] (作業手順)

1 ) 上記 ( 1 ) シボの高さの作業手順 1 ) 〜 3) と同じ \¥02020/175193 11 卩(:171?2020/005868

2) 解析アプリケーションから、 緯糸直上を画面両端まで指定し、 緯糸シ ボ凹凸のピッチ間距離を下記解析条件にて計 測する。

[0036] (解析条件)

1) カッ トオフ値:なし

2) 傾き補正:なし

3) 粗さ規格: 」 1 3 60601 : 2001 ( 1 304287 :

1 997)

3) 2) の操作を 5セッ トの測定部位で (すなわち緯糸 5本分) 行い、 その 数平均値を算出した。

[0037] (3) 緯糸の膨潤度

20 °〇 X 60 % [¾ の調湿状態に 6時間以上静置した織物 (試料) から緯 糸を 30本抜き出し、 1 長さの緯糸 1 0本を 1組の試料片として 3組の試 料片を作製し、 これらを 20 ° 〇のイオン交換水に 30分浸潰した。 その後、 遠心脱水装置を用いて 3500 「 で 5分間脱水したものの試験片の重量 (9) 、 及び該試験片の絶乾後の重量 〇 (9) を測定し、 下記の式で飽 和水分率 (%) を求めた。 3点の測定値の数平均値を算出し、 小数点以下一 桁に丸めた。

膨潤度 (%) = [ X 1 00

[0038] (4) 民族衣装サリー用としてのシボ立ち性評価

民族衣装サリー用としてのシボ立ち性につい て、 被験者 1 〇名に、 見た目 及び触感を判定してもらった。 比較例 1のセルロース 1 〇〇%の緯糸強撚織 物からなるサリーを 5点として評価をしてもらい、 シボの凹凸感、 シャリ感 、 目視による均一性が高いものほど高得点にな るよう、 最高 1 0点で各人に 評価してもらい、 その総点から数平均値を算出し、 下記の基準に従いシボ立 ち性を判定した。

9点以上〜 1 0点 :優 (非常に良好)

7点以上〜 9点未満:良 (良好)

4点以上〜 7点未満:可 (やや良好) \¥02020/175193 12 卩(:171?2020/005868

0点以上〜 4点未満:不良 (不十分)

[0039] [実施例 1 ]

経糸、 緯糸ともに、 撚り数 2200丁/ (撚り係数 1 80) (3 燃り

) の 66〇1 6父/36干 (綿番手 1 503) のキユプラアンモニウムレー ヨンを用いて 33 撚配列且つ平組織のクレープジョーゼッ ト織物として 巾 1 38〇〇1、 経糸密度 74本/インチ、 緯糸密度 72本/インチにて生機 を製織した。

[0040] 該生機を、 非ホルマリン系樹脂 (ユニオン化学社製、 ユニレジン ー 1

681\1 : 5 1 %) 、 触媒として金属塩系触媒 (ユニオン化学社製、 ユニカ タリスト 5 %) を用いてディップ ·ニップ後、 ピンテン 夕一式乾燥機にて 1 20 ° 〇で乾燥し、 架橋のための熱処理をさらにピンテン 夕一式乾燥機にて 1 70 ° 〇で 1分間行った。 その後ドラムワッシャーにて解 燃シボ立て処理を 45分行った。

[0041] 次いで、 液流染色機を用いて精練を行ったのち、 染料としてビニルスルフ ォン系反応染料 (3111\/1 1 1 乂 巳 「 丨 1 1 巳 1 リ 6 1 50%0

I a n : 2%〇 †) を、 助剤として無水芒硝 50 9 / !_及び炭酸ソーダ 1 59/1_を含む染色浴を用い、 浴比 1 : 20で染色を行い、 十分なソーピン グ処理を施し青色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 1 経糸密度 93本/インチ、 緯糸密度 90本/インチであった

[0042] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 92本/インチ、 緯糸密度 90本/インチのクレ —プジョーゼッ ト織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上が り目付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につ いて評価した結果を表 3に示す。

[0043] [実施例 2 ]

実施例 1で使用した生機を、 非ホルマリン系樹脂 (ユニオン化学社製、 ユ ニレジン ー 1 68 !\1 : 5 I %) 、 触媒として金属塩系触媒 (ユニオン \¥02020/175193 13 卩(:171?2020/005868

化学社製、 ユニカタリスト 5 1 %) 、 巳〇-400 (2 . 0\/\/ 1 %) を用いてディップ ·ニップ後、 ピンテンター式乾燥機にて 1 2 〇°〇で乾燥し、 架橋のための熱処理をさらにピンテンター式 乾燥機にて 1 7 0 ° 〇で 1分間行った。 その後の解撚シボ立て処理、 精練、 染色については実 施例 1 と同様の処理を行い、 青色の強撚生地を得た。

脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 1 〇 9〇〇1、 経糸密度 94本/イ ンチ、 緯糸密度 90本/インチであった。

[0044] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 92本/インチ、 緯糸密度 90本/インチのクレ —プジョーゼッ ト織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上が り目付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につ いて評価した結果を表 3に示す。

[0045] [比較例 1 ]

実施例 1で使用した生機に架橋処理は行わず、 そのまま解撚シボ立て処理 、 精練、 染色について実施例 1 と同様の処理を行い、 青色の強撚生地を得た 脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 99 経糸密度 1 04本/イ ンチ、 緯糸密度 92本/インチであった。

[0046] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 92本/インチ、 緯糸密度 90本/インチのクレ —プジョーゼッ ト織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上が り目付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につ いて評価した結果を表 3に示す。

[0047] [比較例 2 ]

実施例 1で使用した生機を、 非ホルマリン系樹脂 (ユニオン化学社製、 ユ ニレジン ー 1 681\1 : 8 1 %) 、 触媒として金属塩系触媒 (ユニオン 化学社製、 ユニカタリスト 4 1 %) 、 巳〇-400 (5 . を用いてディップ ·ニップ後、 ピンテンター式乾燥機にて 1 2 \¥02020/175193 14 卩(:171?2020/005868

〇°〇で乾燥し、 架橋のための熱処理をさらにピンテンター式 乾燥機にて 1 7 0 ° 〇で 1分間行った。 その後の解撚シボ立て処理、 精練、 染色については実 施例と同様の処理を行い、 青色の強撚生地を得た。

脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 1 2 0〇 経糸密度 8 6本/イ ンチ、 緯糸密度 7 8本/インチであった。

[0048] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 経糸密度 8 6本/インチ、 緯糸密度 7 8本/インチのクレ —プジョーゼッ ト織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上が り目付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につ いて評価した結果を表 3に示す。

[0049] [実施例 3 ]

経糸、 緯糸ともに、 撚り数 2 2 0 0丁/ (撚り係数 1 8 0) (3 燃り

) の 6 6〇1 6父/ 2 4干 (綿番手 1 5 0 3) のピスコースレーヨンを用い て 3 3 撚配列且つ平組織のクレープジョーゼッ ト織物として巾 1 3 8〇 経糸密度 7 4本/インチ、 緯糸密度 7 2本/インチにて生機を製織した

[0050] 該生機に、 実施例 1同様の、 架橋処理、 解撚、 精練、 染色処理を行い、 青 色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 1 0 9〇 01、 経糸密度 9 4本/インチ、 緯糸密度 9 0本/インチであった。

[0051 ] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 9 2本/インチ、 緯糸密度 9 0本/インチのクレ —プジョーゼッ ト織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上が り目付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につ いて評価した結果を表 3に示す。

[0052] [比較例 3 ]

実施例 3で使用した生機を用い、 比較例 1 と同様の操作で解撚、 精練、 染 色処理を行い、 青色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れた状態での生地性量は 、 経糸密度 1 0 8本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチであっ \¥02020/175193 15 卩(:171?2020/005868

た。

[0053] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 9 3本/インチ、 緯糸密度 9 0本/インチのクレ —プジョーゼッ ト織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上が り目付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につ いて評価した結果を表 3に示す。

[0054] [実施例 4 ]

経糸に 5 6 I 6父/ 3 0干 (綿番手 1 8 0 3) のキュプラアンモニウム レーヨン、 緯糸に撚り数 2 5 5〇丁/ (撚り係数 1 9 0) (3 燃り) の

5 6〇1 6父/ 3 0干 (綿番手 1 8 0 3) のキュプラアンモニウムレーヨン を用いて 3 3 撚配列且つ平組織のクレープデシン織物とし て巾 1 3 8〇 経糸密度 1 4 4本/インチ、 緯糸密度 8 6本/インチにて生機を製織し た。

[0055] 該生機に、 実施例 1 と同様の、 架橋処理、 解撚、 精練、 染色処理を行い、 青色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 1 0 9〇 、 経糸密度 1 8 2本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチであった。

[0056] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 1 7 8本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチのク レープデシン織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上がり目 付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につい て 評価した結果を表 3に示す。

[0057] [比較例 4 ]

実施例 4で使用した生機を用い、 比較例 1 と同様の操作で解撚、 精練、 染 色処理を行い、 青色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れた状態での生地性量は 、 巾 1 0 0〇〇!、 経糸密度 1 9 9本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチであ った。

[0058] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 1 7 8本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチのク \¥02020/175193 16 卩(:171?2020/005868

レープデシン織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上がり目 付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につい て 評価した結果を表 3に示す。

[0059] [実施例 5 ]

経糸に 5 6〇1 6父/ 2 4干 (綿番手 1 8 0 3) のピスコースレーヨン、 緯糸に撚り数 2 5 5〇丁/ (撚り係数 1 9 0) (3 燃り) の 5 6 I 6 父/ 3 0干 (綿番手 1 8 0 3) のキュプラアンモニウムレーヨンを用いて 3 3 7 撚配列且つ平組織のクレープデシン織物とし て巾 1 3 8〇 、 経糸密 度 1 4 4本/インチ、 緯糸密度 8 6本/インチにて生機を製織した。

[0060] 該生機に、 実施例 1 と同様の、 架橋処理、 解撚、 精練、 染色処理を行い、 青色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 1 0 9〇 、 経糸密度 1 8 2本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチであった。

[0061 ] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 1 7 8本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチのク レープデシン織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上がり目 付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につい て 評価した結果を表 3に示す。

[0062] [比較例 5 ]

実施例 5で使用した生機を用い、 比較例 1 と同様の操作で解撚、 精練、 染 色処理を行い、 青色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れた状態での生地性量は 、 経糸密度 1 9 7本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチであ った。

[0063] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 1 7 8本/インチ、 緯糸密度 9 2本/インチのク レープデシン織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上がり目 付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につい て 評価した結果を表 3に示す。

[0064] [実施例 6 ] \¥02020/175193 17 卩(:171?2020/005868

経糸に 5 6〇1 6父/ 2 4干 (綿番手 1 8 0 3) のポリエステル、 緯糸に 撚り数 2 5 5 0丁/ (撚り係数 1 9 0) (3 燃り) の 5 6 1 6 父/ 3

〇干 (綿番手 1 8 0 3) のキュプラアンモニウムレーヨンを用いて 3 3 撚配列且つ平組織のクレープデシン織物とし て巾 1 3 8 経糸密度 1 4 4本/インチ、 緯糸密度 8 6本/インチにて生機を製織した。

[0065] 該生機に、 実施例 1 と同様の、 架橋処理、 解撚を行ったあと、 液流染色機 を用いて精練を行ったのち、 染料として分散染料 (3 11 1\/1 1 [<八[¾〇 巳 I リ 6 を、 助剤として分散剤 (明成化学社製 ディスパー丁 1_ : 1 9 / 1_) を含む染色浴にて、 浴比 1 : 2 0でポリエス テルの染色を 1 3 0 ° 〇、 3 0分にて行い、 充分なソービング処理を施し、 次 いでビニルスルフオン系反応染料 (3 11 1\/1 丨 丨 乂 巳 「 丨 丨 丨 巳 丨 リ 6 1 5 0 % 0 I 3 n : 2 %〇 〇 6 I) を、 助剤として無水芒硝 5 0 9 及び炭酸ソーダ 1 5 9 / 1_を含む染色浴にて、 浴比 1 : 2 0でキュプラ アンモニウムレーヨンの染色を行い、 十分なソービング処理を施し青色の染 色生地を得た。

[0066] 脱水後の濡れた状態での生地性量は、 巾 1 1 0〇 経糸密度 1 8 1本/ インチ、 緯糸密度 9 4本/インチであった。

[0067] その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 全巾 1 経糸密度 1 7 8本/インチ、 緯糸密度 9 4本/インチのク レープデシン織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上がり目 付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につい て 評価した結果を表 3に示す。

[0068] [比較例 6 ]

実施例 6で使用した生機を用い、 架橋処理は行わず、 そのまま実施例 6と 同様の解撚、 精練、 染色処理を行い、 青色の強撚生地を得た。 脱水後の濡れ た状態での生地性量は、 巾 1 0 2〇 経糸密度 1 9 5本/インチ、 緯糸密 度 9 4本/インチであった。

その後ピンテンターで巾出し乾燥を行った後 、 カムフィッ ト加工を施し、 \¥02020/175193 18 卩(:171?2020/005868 全巾 1 経糸密度 1 7 8本/インチ、 緯糸密度 9 4本/インチのク レープデシン織物を得た。 上記で得られた染色織物の工程性量、 仕上がり目 付を表 1 に、 性能を表 2に、 民族衣装サリー用としてのシボ立て性につい て 評価した結果を表 3に示す。

[0069] [表 1 ]

表 1

[0070] \¥02020/175193 19 卩(:171?2020/005868

[表 2]

表 2

[0071 ] [表 3]

表 3

[0072] 上記の表 1及び表 2の結果から、 実施例においては、 生機にて解撚前に架 橋処理を行い膨潤度を 5 5 %〜 7 0 %に調整したことで、 解撚から染色まで の大幅な生地収縮が抑制され、 巾出し率が低くなり、 巾方向のシボの均一性 が向上していることがわかる。 \¥02020/175193 20 卩(:171?2020/005868

これに対して、 比較例 1、 3〜 6の織物は、 膨潤度を調整していないため 、 解撚から染色までで生地が大きく収縮し、 巾出し率が高くなったために、 巾方向のシボが不均一になったことがわかる 。 さらに、 比較例 2のように、 膨潤度を下げすぎると、 解撚力が大幅に低くなり、 巾方向のシボは均一にな るものの、 シボ高さが低くなってしまうことがわかる。

また、 表 3の結果から、 実施例 1〜 6の織物は、 民族衣装サリー用として 有利な特性を有する (すなわち巾方向のシボが均一になっている ) ことから 非常に優れている一方、 比較例 1、 3〜 6の織物は民族衣装サリー用として は従来のものと変わりなく、 さらに比較例 2では民族衣装サリー用に適して いないことが分かる。

産業上の利用可能性

[0073] 本開示の緯糸強撚織物は、 巾方向に均一なシボを有することで例えば民 族 衣装サリー用生地として好適に適用され得る 。