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Patent Searching and Data


Title:
RESIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/102035
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a resin composition comprising: a resin (a1) which contains a siloxane bond and has a number average molecular weight of 500 to 300,000 (inclusive); and a resin (a2) which contains no siloxane bond and has a number average molecular weight of 1000 to 300,000 (inclusive).

Inventors:
SHIMURA TADASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052436
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
February 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI KASEI E MATERIALS CORP (JP)
SHIMURA TADASHI (JP)
International Classes:
C08F299/06; B41C1/05; B41N1/12
Domestic Patent References:
WO2005070691A12005-08-04
Foreign References:
JP2005212144A2005-08-11
JP2003206362A2003-07-22
JP2003183572A2003-07-03
JP2001254047A2001-09-18
JPS6197318A1986-05-15
JPH09146264A1997-06-06
JPH07239548A1995-09-12
JP2005212144A2005-08-11
Other References:
See also references of EP 2246377A4
THE SOCIETY OF POLYMER SCIENCE: "Polymer Data Handbook, Fundamental Edition", 1986, BAIFUKAN CO., LTD.
"Photosensitive Polymer", 1977, KODANSHA LTD., pages: 228
"Encyclopedia of Polymer Science and Engineering", vol. 11, 1988, JOHN WILEY & SONS, pages: 1
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (Roppongi Hills Mori Tower6-10-1, Roppongi,Minato-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 シロキサン結合を含み、数平均分子量が500以上30万以下の樹脂(a1)と、
 シロキサン結合を含まず、数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a2)と、を含有する樹脂組成物。
 前記樹脂(a1)が、2つ以上の-CO-NH-結合を、さらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
 前記樹脂(a1)が重合性不飽和基を有し、前記数平均分子量が1300以上30万以下であり、前記樹脂(a2)が重合性不飽和基を有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
 重合性不飽和基を有し、数平均分子量が1000未満の有機化合物(b)を、さらに含有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 光重合開始剤(c)を、さらに含有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 前記樹脂(a1)が、数平均分子量が500以上1万以下の、シロキサン結合を含む繰り返し単位を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 前記シロキサン結合を含む繰り返し単位の数平均分子量が、600以上9000以下である、請求項6に記載の樹脂組成物。
 前記樹脂(a2)が、カーボネート結合、ウレタン結合、及びエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合を含む繰り返し単位を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 前記有機化合物(b)全量中の20質量%以上が、脂環族の誘導体及び芳香族の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項4から8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 前記光重合開始剤(c)が、水素引き抜き型光重合開始剤及び崩壊型光重合開始剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項5から9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 前記樹脂組成物が、20℃において液状である、請求項1から10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 数平均粒子径が0.01μm以上10μm以下の無機系微粒子を、さらに含有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 前記樹脂組成物が、レーザー彫刻印刷原版用である、請求項1から12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 請求項1から13のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化して得られうるレーザー彫刻印刷原版。
 前記レーザー彫刻印刷原版の非印刷面側に、さらに支持体を有する、請求項14に記載のレーザー彫刻印刷原版。
 前記支持体が中空円筒状支持体である、請求項15に記載のレーザー彫刻印刷原版。
 前記レーザー彫刻印刷原版と前記支持体の間に、さらに一層以上のクッション層を有する、請求項15又は16に記載のレーザー彫刻印刷原版。
 前記クッション層が、中空マイクロカプセルを含有する、請求項17に記載のレーザー彫刻印刷原版。
 前記レーザー彫刻印刷原版と前記支持体の間に、さらに一層以上の周長調整層を有する、請求項15から18のいずれか1項に記載のレーザー彫刻印刷原版。
 前記レーザー彫刻印刷原版の印刷面が、切削、研削、及び研磨からなる群より選択される少なくとも一種類の方法で表面調整される、請求項14から19のいずれか1項に記載のレーザー彫刻印刷原版。
 請求項1から13のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られうるレーザー彫刻印刷原版の製造方法であって、
 前記樹脂組成物の樹脂層を形成する工程と、
 該樹脂層を硬化する工程と、を含む、
レーザー彫刻印刷原版の製造方法。
 請求項14から20のいずれか1項に記載のレーザー彫刻印刷原版がレーザー彫刻されてなるレーザー彫刻印刷版。
 シロキサン結合と、2つ以上の-CO-NH-結合と、を含み、数平均分子量が500以上30万以下であるレーザー彫刻印刷原版用樹脂。
 シロキサン結合を有する化合物とジイソシアネート化合物とを重合させて得られうる、請求項23に記載のレーザー彫刻印刷原版用樹脂。
Description:
樹脂組成物

 本発明は、樹脂組成物、レーザー彫刻印 原版、レーザー彫刻印刷版、レーザー彫刻 刷原版の製造方法、及びレーザー彫刻印刷 版用樹脂に関する。

 近年、紙及びフィルムなどの軟包装に印刷 施す方法としてフレキソ印刷法が広汎に用 られている。
 中でも、段ボール、紙器、紙袋、及び軟包 用フィルムなどの包装材、壁紙及び化粧板 どの建装材、並びにラベル印刷などの印刷 用いられるフレキソ印刷法は各種の印刷方 の中でその比重を高めている。フレキソ印 に用いる印刷版の製作には、感光性樹脂が いられることが多い。フレキソ印刷法で用 られる印刷版の製作においては、まず、フ トマスクを感光性樹脂上に置き、フォトマ クを通して光を照射し架橋反応を起こさせ 。次いで、非架橋部分を現像液で洗い落と て、印刷版を得る。

 印刷版の製作法として、いわゆるフレキソC TP(Comuputer to Plate)という技術が開発されてい る。印刷版の効率的な製作の観点から、フレ キソCTPによる印刷版の製作が増加している。
 フレキソCTPでは、感光性樹脂表面にブラッ レイヤーという薄い光吸収層を設け、該光 収層にレーザー光を照射して、感光性樹脂 に直接マスク画像を形成する。該マスクを して光を照射して、感光性樹脂を架橋反応 た後、光の非照射部分の非架橋部分を現像 で洗い落として、印刷版を得る。
 しかしながら、フレキソCTPにおいても非架 部分を現像液で洗い落とす現像工程が必要 あり、フレキソCTPによる印刷版製作の効率 善効果は限定的である。

 フレキソ印刷に用いる印刷版をさらに効率 に製造する方法が求められている。
 そのような方法として直接レーザーで印刷 版を彫刻する方法が挙げられる。該方法に り、フレキソ印刷に代表される凸版印刷に いられる印刷版として、レーザー彫刻版が られる。該方法は、製版時間の短縮、廃棄 の減少などの利点がある。

 特許文献1には、シリコーンオイルを添加し たレーザー彫刻印刷原版用樹脂組成物が開示 されている。
 特許文献2には、レーザー光を熱に変換する 化合物、フィルム形成能を有する高分子化合 物、光重合開始剤およびエチレン性不飽和モ ノマーを含有する光熱交換層並びにシリコー ンゴム層をこの順に積層し、該シリコーンゴ ム層形成後にエネルギー線による全面露光を 施すことにより光熱変換層とシリコーンゴム 層とを反応させたことを特徴とするレーザー 感光性湿し水不要平版印刷原版が開示されて いる。

国際公開2005/070691号パンフレット

特開平9-146264号公報

 しかしながら、依然として、レーザー彫刻 刷版において十分に撥インキ性に優れ、十 に印刷版のインキ汚れが抑制されたものは られていないのが実情である。
 特許文献1に開示された技術では、シリコー ンオイルの添加量を増加すると他の成分と均 一に混合せずに分離が発生することがある。 また、特許文献1に開示された技術は、シリ ーンオイルをレーザー彫刻印刷原版用樹脂 成物の成分として添加しており、樹脂中に ロキサン結合を導入するものではない。
 特許文献2に開示された技術は、光熱変換層 に更にシリコーンゴム層を積層してなる湿し 水不要平版印刷原版であり、樹脂中へのシロ キサン結合の導入とは異なり、また特許文献 2には印刷版のインキ汚れ抑制に関する記載 ない。

 本発明が解決しようとする課題は、効率 に印刷版を製造することができ、かつ、イ キ汚れ抑制にきわめて優れるレーザー彫刻 能な印刷原版及びレーザー彫刻印刷版を提 することである。

 本発明者らは上記課題を解決するために鋭 検討した結果、従来は他の成分との相分離 起こりやすく導入が困難であったシロキサ 結合を、主鎖及び/又は側鎖に含む樹脂を含 有する樹脂組成物を利用することにより、イ ンキ汚れ抑制効果を有するレーザー彫刻可能 な印刷原版及びレーザー彫刻印刷版が得られ ることを見出し、本発明を完成した。
 すなわち、本発明は以下の通りである。
1.シロキサン結合を含み、数平均分子量が500 上30万以下の樹脂(a1)と、
 シロキサン結合を含まず、数平均分子量が1 000以上30万以下の樹脂(a2)と、を含有する樹脂 組成物。
2.前記樹脂(a1)が、2つ以上の-CO-NH-結合を、さ に含む、上記1に記載の樹脂組成物。
3.前記樹脂(a1)が重合性不飽和基を有し、前記 数平均分子量が1300以上30万以下であり、前記 樹脂(a2)が重合性不飽和基を有する、上記1又 2に記載の樹脂組成物。
4.重合性不飽和基を有し、数平均分子量が1000 未満の有機化合物(b)を、さらに含有する、上 記1から3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.光重合開始剤(c)を、さらに含有する、上記1 から4のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.前記樹脂(a1)が、数平均分子量が500以上1万 下の、シロキサン結合を含む繰り返し単位 含む、上記1から5のいずれかに記載の樹脂組 成物。
7.前記シロキサン結合を含む繰り返し単位の 平均分子量が、600以上9000以下である、上記 6に記載の樹脂組成物。
8.前記樹脂(a2)が、カーボネート結合、ウレタ ン結合、及びエステル結合からなる群より選 ばれる少なくとも一種の結合を含む繰り返し 単位を含む、上記1から7のいずれかに記載の 脂組成物。
9.前記有機化合物(b)全量中の20質量%以上が、 環族の誘導体及び芳香族の誘導体からなる より選ばれる少なくとも一種である、上記4 から8のいずれかに記載の樹脂組成物。
10.前記光重合開始剤(c)が、水素引き抜き型光 重合開始剤及び崩壊型光重合開始剤からなる 群より選ばれる少なくとも一種である、上記 5から9のいずれかに記載の樹脂組成物。
11.前記樹脂組成物が、20℃において液状であ 、上記1から10のいずれかに記載の樹脂組成 。
12.数平均粒子径が0.01μm以上10μm以下の無機系 微粒子を、さらに含有する、上記1から11のい ずれかに記載の樹脂組成物。
13.前記樹脂組成物が、レーザー彫刻印刷原版 用である、上記1から12のいずれかに記載の樹 脂組成物。
14.上記1から13のいずれか1項に記載の樹脂組 物を硬化して得られうるレーザー彫刻印刷 版。
15.前記レーザー彫刻印刷原版の非印刷面側に 、さらに支持体を有する、上記14に記載のレ ザー彫刻印刷原版。
16.前記支持体が中空円筒状支持体である、上 記15に記載のレーザー彫刻印刷原版。
17.前記レーザー彫刻印刷原版と前記支持体の 間に、さらに一層以上のクッション層を有す る、上記15又は16に記載のレーザー彫刻印刷 版。
18.前記クッション層が、中空マイクロカプセ ルを含有する、上記17に記載のレーザー彫刻 刷原版。
19.前記レーザー彫刻印刷原版と前記支持体の 間に、さらに一層以上の周長調整層を有する 、上記15から18のいずれかに記載のレーザー 刻印刷原版。
20.前記レーザー彫刻印刷原版の印刷面が、切 削、研削、及び研磨からなる群より選択され る少なくとも一種類の方法で表面調整される 、上記14から19のいずれかに記載のレーザー 刻印刷原版。
21.上記1から13のいずれかに記載の樹脂組成物 から得られうるレーザー彫刻印刷原版の製造 方法であって、
 前記樹脂組成物の樹脂層を形成する工程と
 該樹脂層を硬化する工程と、を含む、
レーザー彫刻印刷原版の製造方法。
22.上記14から20のいずれかに記載のレーザー 刻印刷原版がレーザー彫刻されてなるレー ー彫刻印刷版。
23.シロキサン結合と、2つ以上の-CO-NH-結合と を含み、数平均分子量が500以上30万以下で るレーザー彫刻印刷原版用樹脂。
24.シロキサン結合を有する化合物とジイソシ アネート化合物とを重合させて得られうる、 上記23に記載のレーザー彫刻印刷原版用樹脂

 本発明により、撥インキ性に優れた樹脂 成物を提供することができる。また、該樹 組成物を提供することのできる新規レーザ 彫刻印刷原版用途に適した樹脂を提供する とができる。さらに、本発明により、該樹 組成物を用いることによりインキ汚れ抑制 果にきわめて優れたレーザー彫刻可能な印 原版及びレーザー彫刻印刷版を提供するこ ができる。

 以下、本発明を実施するための最良の形 (以下、本実施の形態)について詳細に説明 る。尚、本発明は、以下の実施の形態に限 されるものではなく、その要旨の範囲内で 々変形して実施することができる。

[樹脂組成物]
 本実施の形態の樹脂組成物は、シロキサン 合を含み、数平均分子量が500以上30万以下 樹脂(a1)と、シロキサン結合を含まず、数平 分子量が1000以上30万以下の樹脂(a2)と、を含 有する樹脂組成物である。
 樹脂組成物が、樹脂(a1)と樹脂(a2)とを含有 ることにより、インク汚れ抑制効果にきわ て優れるレーザー彫刻可能な印刷原版及び ーザー彫刻印刷版を製造することができる

 樹脂組成物は、20℃で液状であることが好 しい。
 本実施の形態において、「20℃で液状」と 、容易に流動変動し、かつ冷却により変形 れた形状に固化できるという性質を有する とを意味する。
 外力を加えたときに、その外力に応じて瞬 に変形し、かつ外力を除いたときには、短 間に元の形状に回復する性質を有するエラ トマーに対応する用語である。樹脂組成物 、20℃で液状であるという性質を有するこ により、印刷原版を得るために樹脂組成物 シート状又は円筒状に成形する際、良好な み精度や寸法精度を得ることができる。

 樹脂組成物の20℃における粘度は、好まし は10Pa・s以上10kPa・s以下、さらに好ましくは 50Pa・s以上5kPa・s以下である。
 20℃における粘度が、10Pa・s以上であれば、 作製される印刷版の機械的強度が十分であり 、円筒状に成形する際であっても形状を保持 し易く、加工し易い。
 20℃における粘度が、10kPa・s以下であれば 高温にしなくとも変形し易く、加工が容易 あり。シート状又は円筒状の印刷版に成形 易く、プロセスも簡便である。
 特に厚み精度の高い印刷版を得るためには 樹脂組成物が重力により液ダレなどの現象 起こさないように、20℃における粘度は、 ましくは100Pa・s以上、より好ましくは200Pa・ s以上、さらに好ましくは500Pa・s以上である

 本実施の形態において、20℃における粘 は、以下の実施例に示す方法により測定す ことができる。

[樹脂(a1)]
 本実施の形態において用いられる樹脂(a1)は 、シロキサン結合を含み、数平均分子量が500 以上30万以下の樹脂である。

[シロキサン結合]
 樹脂(a1)は、撥インキ性の観点からシロキサ ン結合を含む必要がある。シロキサン結合は 、樹脂の主鎖及び側鎖のいずれに含んでいて もよく、主鎖及び側鎖の両方に含んでいても よい。
 撥インキ性の観点からは、少なくとも主鎖 シロキサン結合を含むことが好ましい。

 本実施の形態において、「シロキサン結合 とは、ケイ素(Si)と酸素(O)が交互に結合した 分子構造を意味する。
 樹脂組成物が優れた撥インキ性を有するこ に関する機構について詳細は明らかではな が、樹脂(a1)中に安定的に結合しているシロ キサン結合により、添加物として添加する、 シリコーンオイルなどのシロキサン結合を有 する化合物などよりもインキとの親和性が低 いため、撥インキ性が向上するものと本発明 者らは推定している。

 前記シロキサン結合を含む樹脂(a1)の主鎖及 び/又は側鎖は、下記式(1)で示される平均組 を有するシリコーン化合物を含むことが好 しい。
 式(1):
R p Q r X s SiO (4-p-r-s)/2
 式(1)中、
 Siは、ケイ素を表し、Oは、酸素を表し、
 Rは、無置換又は炭素数1~20のアルキル基、 素数1~20のアルコキシ基、若しくはアリール で置換された、置換前の炭素数として、炭 数1~30のアルキル基、炭素数5~20のシクロア キル基、無置換又はハロゲン原子で置換さ た、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~30のア ルコキシカルボニル基、カルボキシル基又は その塩を含む1価の基、スルホ基又はその塩 含む1価の基、及びポリオキシアルキレン基 らなる群より選ばれる1種又は2種以上の基 表し、
 Q及びXは、各々、水素原子、直鎖状又は分 状の、炭素数1~30のアルキル基、炭素数5~20の シクロアルキル基、無置換又は炭素数1~20の ルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、若し はアリール基で置換された、置換前の炭素 として、炭素数1~30のアルキル基、無置換又 はハロゲン原子で置換された、炭素数6~20の リール基、炭素数2~30のアルコキシカルボニ 基、カルボキシル基又はその金属塩基、ス ホ基又はその金属塩基、及びポリオキシア キレン基からなる群より選ばれる1種又は2 以上の基を表し、
 p,r及びsは、
0<p<4、
0≦r<4、
0≦s<4、
及び(p+r+s)<4を満たす数である。
 本実施の形態において、カルボキシル基又 その金属塩基の金属塩基は、-CO 2 M(Mは1価の金属を意味する)である。2つ以上の カルボキシル基が一緒になって、-(CO 2 ) 2 M(Mは2価の金属を意味する。)であってもよい
 本実施の形態において、スルホ基又はその 属塩基の金属塩基は、-SO 3 M(Mは1価の金属を意味する)である。2つ以上の カルボキシル基が一緒になって、-(SO 3 ) 2 M(Mは2価の金属を意味する。)であってもよい

 本実施の形態において、樹脂(a1)は、シロキ サン結合を導入するためのシロキサン結合を 有する化合物から得られうる。
 シロキサン結合を有する化合物としては、 えば、シリコーンオイルが挙げられる。
 シリコーンオイルとしては、例えば、ジメ ルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ キサン、メチルハイドロジェンポリシロキ ン、及びジメチルシロキサン・メチルフェ ルシロキサン共重合体などの低粘度から高 度のオルガノポリシロキサン;オクタメチル シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロ ペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキ サシロキサン、テトラメチルテトラハイドロ ジェンシクロテトラシロキサン、及びテトラ メチルテトラフェニルシクロテトラシロキサ ンなどの環状シロキサン;高重合度のガム状 メチルポリシロキサン及びガム状のジメチ シロキサン・メチルフェニルシロキサン共 合体などのシリコーンゴム;並びにシリコー ゴムの環状シロキサン溶液、トリメチルシ キシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の 状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン どの高級アルコキシ変性シリコーン、及び 級脂肪酸変性シリコーンなどが挙げられる

 シロキサン結合を有する化合物としては、 応性を有するシリコーンオイルが好ましく 反応性を有するシリコーンオイルとしては 例えば、モノアミン変性シリコーンオイル ジアミン変性シリコーンオイル、特殊アミ 変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリ ーンオイル、脂環式エポキシ変性シリコー オイル、カルビノール変性シリコーンオイ 、メルカプト変性シリコーンオイル、カル キシル変性シリコーンオイル、ハイドロジ ン変性シリコーンオイル、アミノ・ポリエ テル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポ エーテル変性シリコーンオイル、エポキシ アラルキル変性シリコーンオイル、反応性 リコーンオイルシリコーンオイル、メタク ル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変 シリコーンオイル、メルカプト変性シリコ ンオイル、フェノール変性シリコーンオイ 、シラノール変性シリコーンオイル、フッ 変性シリコーンオイル、側鎖アミノ・両末 メトキシ変性シリコーンオイル、及びジオ ル変性シリコーンオイルなどが挙げられる
 これら反応性を有するシリコーンオイルを いることで、樹脂(a1)へのシロキサン結合の 導入が容易となる。

 シロキサン結合を樹脂の主鎖部分へ導入す ために、反応性を有するシリコーンオイル 中でも両末端変性シリコーンオイルが好ま い。
 両末端変性シリコーンオイルとしては、例 ば、両末端アミノ変性シリコーンオイル、 末端エポキシ変性シリコーンオイル、両末 脂環式エポキシ変性シリコーンオイル、両 端カルビノール変性シリコーンオイル、両 端メタクリル変性シリコーンオイル、両末 ポリエーテル変性シリコーンオイル、両末 メルカプト変性シリコーンオイル、両末端 ルボキシ変性シリコーンオイル、両末端フ ノール変性シリコーンオイル、及び両末端 ラノール変性シリコーンオイルなどが挙げ れる。
中でも反応速度の制御の観点、種類の豊富さ の観点から両末端カルビノール変性シリコー ンオイルが好ましい。

 シロキサン結合を樹脂の側鎖部分へ導入す ために、反応性を有するシリコーンオイル 中でも片末端変性シリコーンオイル及び側 変性シリコーンオイルが好ましい。
 片末端変性シリコーンオイル及び側鎖変性 リコーンオイルとしては、例えば、片末端 オール変性シリコーンオイル、側鎖モノア ン変性シリコーンオイル、側鎖ジアミン変 シリコーンオイル、側鎖エポキシ変性シリ ーンオイル、側鎖カルビノール変性シリコ ンオイル、側鎖カルボキシ変性シリコーン イル、側鎖アミノ・ポリエーテル変性シリ ーンオイル、側鎖エポキシポリエーテル変 シリコーンオイル、及び側鎖エポキシ・ア ルキル変性シリコーンオイルなどが挙げら る。
 中でも反応性、臭いや刺激性などの取扱い の観点から両末端カルビノール変性シリコ ンオイルや片末端ジオール変性シリコーン イルが好ましい。

 シロキサン結合を樹脂(a1)の主鎖に導入する ためのシロキサン結合を有する化合物の数平 均分子量は、好ましくは500以上1万以下、よ 好ましくは600以上9000以下、さらに好ましく 700以上8000以下、よりさらに好ましくは800以 上7000以下である。
 数平均分子量が上記範囲内であれば、シロ サン結合による撥インキ性が十分に発揮さ 、また該シリコーン化合物として流動性が 保でき、さらに樹脂(a1)と樹脂(a2)との相溶 が確保できる傾向にあるため、取扱いが容 である。

 シロキサン結合を樹脂(a1)の側鎖に導入する ためのシロキサン結合を有する化合物の数平 均分子量は、好ましくは1000以上3万以下、よ 好ましくは1万以上2万以下である。
 数平均分子量が上記範囲内であれば、側鎖 シロキサン結合による分解性が十分に発揮 れ、また該シリコーン化合物として流動性 確保できるため取扱いが容易である。

 本実施の形態において、「数平均分子量」 は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて 定し、分子量既知のポリスチレンで検量し 算した値を意味する。
 本実施の形態において、数平均分子量は、 下の実施例に記載の方法により測定するこ ができる。

 樹脂(a1)の数平均分子量は、500以上30万以下 あり、好ましくは1300以上30万以下、より好 しくは1500以上27万以下、さらに好ましくは2 000以上25万以下、よりさらに好ましくは3000以 上20万以下である。
 樹脂(a1)の数平均分子量が500以上であると、 印刷原版及び印刷版の強度が向上するため繰 り返しの使用にも耐え得る傾向にある。
 樹脂(a1)の数平均分子量が30万以下であると 樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上 することがないため印刷原版及び印刷版を り容易に作製し得る傾向にある。

 樹脂(a1)は、分子内に重合性不飽和基を有す る必要はない場合もあるが、電子線照射など により開始剤などがなくとも架橋する場合な どがあるため分子内に重合性不飽和基を有す ることが好ましい。
 樹脂(a1)としては、重合性不飽和基を有し、 数平均分子量が500以上30万以下、1300以上30万 下であることが好ましい。
 樹脂(a1)としては、重合性不飽和基を有し、 数平均分子量は、より好ましくは1500以上27万 以下、さらに好ましくは2000以上25万以下、よ りさらに好ましくは3000以上20万以下である。
 樹脂(a1)は、印刷原版及び印刷版の機械強度 が向上し、耐久性も良好となる傾向にあるの で、1分子あたり平均で0.3個以上の重合性不 和基を有していることが好ましい。
 印刷原版及び印刷版の機械強度を考慮する 、樹脂(a1)中の重合性不飽和基の個数は、1 子あたり平均で、より好ましくは0.5個以上 さらに好ましくは0.7個以上である。
 樹脂(a1)は、硬化後の樹脂の機械的物性が向 上すること、および重合成不飽和基を付与す るプロセスが簡便である観点から、1分子あ り平均で2個以下の重合性不飽和基を有して ることが好ましい。

 本実施の形態において、「重合性不飽和基 とは、ラジカル重合反応又は付加重合反応 関与する重合性官能基を意味する。
 重合性不飽和基の位置は、樹脂(a1)及び樹脂 (a2)などの樹脂の主鎖及び側鎖の末端又は樹 の主鎖中や側鎖中に直接結合していること 好ましい。
 本実施の形態において、樹脂1分子に平均で 含まれる重合性不飽和基の個数は、核磁気共 鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法 求めることができる。

 本実施の形態において、印刷版として適性 弾性を有するため、樹脂(a1)は、2つ以上の-C O-NH-結合を、さらに含むことが好ましい。
 樹脂(a1)として、シロキサン結合と、-CO-NH- 合とを含む、繰り返し単位を少なくとも2つ 上有することが好ましい。

 樹脂(a1)を製造する方法としては、特に限定 されないが、例えば、上記シロキサン結合を 有する化合物と、上記シロキサン結合を有す る化合物と結合し得る官能基を複数有する化 合物(例えば、水酸基やアミノ基などを有す ポリイソシアネートなど)を反応させ、分子 の調節および分子末端の結合性基への変換 どを行ったこの末端結合性基と反応し得る 能基と重合性不飽和基を有する化合物とを 応させて末端に重合性不飽和基を導入する 法などを用いることができる。
 シロキサン結合を有する化合物と、シロキ ン結合を有する化合物と結合し得る官能基 複数有する化合物を反応させた後、直接、 合性不飽和基を有する化合物を反応させて 重合性不飽和基を有する樹脂(a1)を製造する こともできる。

 シロキサン結合を有する化合物の反応性 端の水酸基やアミノ基などに、ポリイソシ ネートとして、ジイソシアネート化合物や リイソシアネート化合物とを縮合反応させ ことにより、樹脂(a1)中に、-CO-NH-結合を導 するとともに、高分子量化させることがで る。さらに、末端の水酸基、カルボキシル 又はイソシアネート基を、重合性不飽和基 導入するために用いることもできる。

 ジイソシアネート化合物としては、例えば 2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレ ジイソシアネート4,4‘-ジフェニルメタンジ ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア ート、イソホロンジイソシアネート、メチ ンビス(シクロヘキサン-4,1-ジイル)ジイソシ アネート、m-フェニレンビス(1-メチルエタン- 1,1-ジイル)ジイソシアネート、ヘキサメチレ ジイソシアネート、m-キシリレンジイルジ ソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイルジイソ シアネート、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメ ルヘキサン、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4 -ジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシ アネート、1,4-フェニレンジイソシアネート シクロヘキサン-1,3-ジイルイソシアネート、 シクロヘキサン-1,4-ジイルジイソシアネート ダイマ酸ジイソシアネート、シクロヘキサ -1,3-ジイルビス(メチルイソシアネート)、2- チル-1,4-フェニレンジイソシアネート、4-[(2 -イソシアナトフェニル)オキシ]フェニルイソ シアネート、4,4’-オキシビス(フェニルイソ アネート)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネー 、ナフタレン-2,6-ジイルジイソシアネート ナフタレン-2,7-ジイルイソシアネート、1-メ ルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアネート、2, 2‘-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイルジイ シアネート、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸 チル、5-メチル-1,3-フェニレンジイソシアネ ート、メチレンビス(2,1-フェニレン)ジイソシ アネート、4-[(2-イソシアナトフェニル)メチ ]フェニルイソシアネート、ジメチルジイソ アナトシラン、2,4,6-トリイソプロピルベン ン-1,3-ジイルジイソシアネート、2,2-ジメチ ペンタン-1,5-ジイルジイソシアネート、4-[(2 -イソシアナトフェニル)チオ]フェニルイソシ アネート、ウンデカメチレンジイソシアネー ト、メチレンビス(2-メチル-4,1-フェニレン)ジ イソシアネート、アジポイルイソシアネート 、4,4‘-エチレンビス(1-イソシアナトベンゼ )、1-(トリフルオロメチル)-2,2,2-トリフルオ エチリデンビス(4,1-フェニレン)ジイソシア ート、テトラメチレンジイソシアネート、1, 4-フェニレンビス(エチレン)ジイソシアネー 、1,4-フェニレンビス(エチレン)ジイソシア ート、1-メチルエチレンジイソシアネート、 メチレンジイソシアネート、スルホニルビス (3,1-フェニレン)ジイソシアネート、エチレン ジイソシアネート、トリメチレンジイソシア ネート、ペンタンメチレンジイソシアネート 、ヘプタン-1,7-ジイルジイソシアネート、ノ メチレンジイソシアネート、デカメチレン イソシアネートなどの化合物が挙げられる
 トリイソシアネート化合物としては、例え 、トリフェニルメタントリイソシアネート 1-メチルベンゼン―2,4,6―トリイソシアネー ト、ナフタリン-1,3,7-トリイソシアネート、 フェニル-2,4,4’-トリイソシアネートなどの 合物が挙げられる。

 本実施の形態において、樹脂(a1)は、シロキ サン結合と、2つ以上の-CO-NH-結合と、を含み 数平均分子量が500以上30万以下であるレー ー彫刻印刷原版用樹脂であることが好まし 。
 樹脂(a1)において、樹脂(a1)は、シロキサン 合を含むが、シロキサン結合は、シロキサ 結合を有する化合物に由来する結合である とが好ましい。
 シロキサン結合を有する化合物は、シロキ ン結合を含む繰り返し単位として、樹脂(a1) に取り込まれている。
 シロキサン結合を含む繰り返し単位は、シ キサン結合を有する化合物に由来する繰り し単位であり、シロキサン結合を含む繰り し単位の数平均分子量は、シロキサン結合 樹脂(a1)の主鎖に導入されている場合には、 好ましくは500以上1万以下、より好ましくは50 0以上5000以下、さらに好ましくは500以上3000以 下である。
 シロキサン結合が樹脂(a1)の側鎖に導入する ためのシロキサン結合を有する化合物の数平 均分子量は、好ましくは1000以上3万以下、よ 好ましくは1万以上2万以下である。

 樹脂(a1)は、シロキサン結合を有する化合物 とジイソシアネート化合物とを重合させて得 られうる、樹脂であることが好ましく、さら に重合性不飽和基を有することが好ましい。
 本実施の形態において、樹脂(a1)は、レーザ ー彫刻印刷原版用樹脂として、好適であり、 レーザー彫刻印刷原版用樹脂としての、数平 均分子量は、500以上30万以下であり、好まし は1300以上30万以下、より好ましくは1500以上 27万以下、さらに好ましくは2000以上25万以下 よりさらに好ましくは3000以上20万以下であ 。

 レーザー彫刻用印刷原版用樹脂としての 脂(a1)は、シロキサン結合を含み、-CO-NH-結 を含むことが好ましく、-CO-NH-結合は、シロ サン結合を有する化合物と、ジイソシアネ ト化合物などのイソシアネート基との反応 結果生じる結合であることが好適である。

 本実施の形態においては、樹脂(a1)は、重合 性不飽和基を有することが好ましく、
分子末端に重合性不飽和基を有することがよ り好ましい。
 重合性不飽和基を樹脂(a1)に導入するための 重合性不飽和基を有する化合物としては、分 子内に重合性不飽和基として(メタ)アクリレ ト基やビニル基等の官能基と、水酸基、イ シアネート基、アミノ基、カルボキシル基 の官能基を有する化合物が挙げられる。
 反応性の観点から、2-(メタ)アクリロイルオ キシエチルイソシアネート、2-ヒドロキシエ ル(メタ)アクリレート等の化合物を好まし 化合物として挙げることができる。

 樹脂(a1)は、ガラス転移温度が20℃以下の液 樹脂が含まれていてもよく、ガラス転移温 0℃以下の液状樹脂が含まれていてもよい。 そのような液状樹脂としては、例えば、ポリ エチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジ エン及びポリイソプレンなどの炭化水素鎖を 有する化合物、アジペート及びポリカプロラ クトンなどのエステル結合を有するポリエス テル化合物、ポリカーボネート構造を有する 化合物、ポリジメチルシロキサン骨格を有す る化合物などが挙げられる。
 特に、耐候性の観点からポリカーボネート 造を有する不飽和ポリウレタン類を含んで てもよい。
 本実施の形態において、「液状樹脂」とは 容易に流動変形し、かつ冷却により変形さ た形状に固化できるという性質を有する樹 を意味し、外力を加えたときに、その外力 応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたと には、短時間に元の形状を回復する性質を するエラストマーに対応する用語である。

 樹脂(a1)の20℃における粘度は、好ましくは1 0Pa・s以上10kPa・s以下、より好ましくは30Pa・s 以上7kPa・s以下、さらに好ましくは50Pa・s以 5kPa・s以下である。
 20℃における粘度が10Pa・s以上であれば、印 刷原版にしたときの機械的強度が良好となる 傾向にある。
 20℃における粘度が10kPa・s以下であれば、 温でも変形し易く、他の組成物との混合や 成が容易となる傾向にある。

[樹脂(a2)]
 本実施の形態において用いられる樹脂(a2)は 、シロキサン結合を含まず、数平均分子量が 1000以上30万以下の樹脂である。
 本実施の形態において、「シロキサン結合 含まない」とは、主骨格がシロキサン結合 ないことを意味する。

 樹脂(a2)の数平均分子量が1000以上であると 印刷原版及び印刷版の強度が向上するため り返しの使用にも耐え得る傾向にある。
 樹脂(a2)の数平均分子量が30万以下であると 樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上 することがないため印刷原版及び印刷版を り容易に作製し得る傾向にある。
 樹脂(a2)の数平均分子量は、好ましくは2000 上25万以下、より好ましくは3000以上20万以下 である。

 樹脂(a2)は、樹脂(a1)同様、分子内に重合性 飽和基を有する必要はない場合もあるが、 子線照射などにより開始剤などがなくとも 橋する場合などがあるため分子内に重合性 飽和基を有することが好ましい。
 樹脂(a2)は、印刷原版及び印刷版の機械強度 が向上し、耐久性も良好となる傾向にあるの で、1分子あたり平均で0.3個以上の重合性不 和基を有していることが好ましい。
 印刷原版及び印刷版の機械強度を考慮する 、樹脂(a2)中の重合性不飽和基の個数は、1 子あたり平均で、より好ましくは0.5個以上 さらに好ましくは0.7個以上である。
 樹脂(a2)は、硬化後の樹脂の機械的物性が向 上すること、及び重合成不飽和基を付与する プロセスが簡便である観点から、1分子あた 2個以下の重合性不飽和基を有していること 好ましい。

 樹脂(a2)は、分子内にカーボネート結合、ウ レタン結合、及びエステル結合からなる群よ り選ばれる少なくとも1種の結合を含む繰り し単位を含むことが好ましい。
 樹脂(a2)が前記結合を含む場合、印刷で用い られるエステル系溶剤を含有するインキ洗浄 剤や炭化水素系溶剤を含有するインキ洗浄剤 に対する印刷原版及び印刷版の耐性が向上す る傾向にある。
 本実施の形態において、樹脂(a2)分子内のカ ーボネート結合、ウレタン結合、及びエステ ル結合からなる群より選ばれる少なくとも1 の結合を含む繰り返し単位は、カーボネー 結合、ウレタン結合、及びエステル結合か なる群より選ばれる少なくとも1種の結合を する化合物に由来する。

 樹脂(a2)を製造する方法としては、特に限定 されないが、例えば、カーボネート結合、ウ レタン結合、及びエステル結合からなる群よ り選ばれる少なくとも1種の結合を有する化 物として、カーボネート結合、ウレタン結 、及びエステル結合からなる群より選ばれ 少なくとも1種の結合を有し、かつ、水酸基 アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、 無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イ シアネート基、イソチオシアネート基、環 カーボネート基、及びアルコキシカルボニ 基などの反応性基を複数有する数千程度の 平均分子量の化合物と、上記反応性基と結 し得る官能基を複数有する化合物(例えば、 水酸基やアミノ基などを有するポリイソシア ネートなど)を反応させ、分子量の調節およ 分子末端の結合性基への変換を行う方法な が挙げられる。
 末端に重合性不飽和基を導入する方法とし は、例えば、上記分子末端の結合性基と反 し得る官能基と重合性不飽和基を有する化 物と、上記で製造された化合物とを反応さ て末端に重合性不飽和基を導入する方法な が挙げられる。
 反応性基を複数有する数千程度の数平均分 量の化合物と、該化合物と結合し得る官能 を複数有する化合物を反応させた後、直接 重合性不飽和基を有する化合物を反応させ 、重合性不飽和基を有する樹脂(a2)を製造す ることもできる。

 樹脂(a2)の製造に用いられるカーボネート結 合を有する化合物としては、例えば、4,6-ポ アルキレンカーボネートジオール、8,9-ポリ ルキレンカーボネートジオール、5,6-ポリア ルキレンカーボネートジオールなどの脂肪族 ポリカーボネートジオールなどが挙げられる 。
 脂肪族ポリカーボネートジオールとしては 例えば、ポリ(ポリメチレン(C=2、4、5、6)カ ボネート、ポリ((1,9-ノナンジオール;2-メチ -1,8-オクタンジオール)カーボネート、1,3-Dio xan-2-on,polymer with 1,6-Hexane diol、Carbonic acid,di methy ester,polymer with 1,6-hexanediol and 2-oxepanone などの化合物が挙げられる。
 脂肪族ポリカーボネートジオールとして市 されている化合物として、旭化成ケミカル 社製、PCDL(登録商標)「T4672」、「T5651」、「 T6002」、「T5652」、「T5650J」、「T4671」、クラ レ社製、クラレポリオール(登録商標)「C-2015N 」、ダイセル化学社製、プラクセルCD(登録商 標)「CD205」、「CD205PL」、「CD205HL」、「CD210 、「CD210PL」、「CD220」、「CD220PL」、宇部興 社製、ETERNACOLL(登録商標)「UH」、「UHC」、 UC」、「UM」などを入手することができる。

 芳香族系分子構造を分子内に有する芳香族 リカーボネートジオールを用いてもよい。
 芳香族ポリカーボネートジオールは、例え 、2価の芳香族フェノールとホスゲン、ジフ ェニルカーボネートなどのカーボネート結合 生成性の化合物とを反応させることなどによ り得ることができる。
 2価の芳香族フェノールとしては、例えば、 ハイドロキノン、4,4’-ジヒドロキシビフェ ル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジフェニルビ ェニル、4,4’’’-ジヒドロキシクォターフ ニル、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジ ドロキシナフタレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ ェニル)フルオレンなどの芳香族ジオール類 、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2 ,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロ ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェ ル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチル フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシブ モフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキ アリール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシ フェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロ シフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒ ロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’-ジ ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒ ロキシ-3,3’-ジメチルフェニルエーテルなど のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’- ヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジ ドロキシ-3,3’-ジメチルフェニルスルフィ などのジヒドロキシアリールスルフィド類 4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド 4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルフェニル ルホキシドなどのジヒドロキシアリールス ホキシド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニル スルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチル フェニルスルホンなどのジヒドロキシアリー ルスルホン類などが挙げられる。

 樹脂(a2)の製造に用いられるウレタン結合 を有する化合物としては、例えば、脂肪族ポ リカーボネートジオールとジイソシアネート 化合物とを反応させて得られるポリカーボネ ートポリウレタンを分子骨格に有する化合物 が挙げられる。

 ウレタン結合を有する化合物としては、 チレングリコール、ジエチレングリコール ポリエチレングリコール、プロピレングリ ール、ポリプロピレングリコール、トリメ レングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5- ンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7- ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1, 9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ピ ナール、シクロペンタンジオール、及びシ ロヘキサンジオールなどの分子内に2個以上 水酸基を有する化合物と、以下に示すイソ アネート化合物との反応物なども挙げられ 。

 樹脂(a2)の製造に用いられるエステル結合 を有する化合物としては、例えば、アジピン 酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、イタコ ン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、 スペリン酸、アゼラン酸、セバシン酸、フマ ル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸など のジカルボン酸化合物と、エチレングリコー ル、ジエチレングリコール、ポリエチレング リコール、プロピレングリコール、ポリプロ ピレングリコール、トリメチレングリコール 、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール 1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオー 、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール 、1,10-デカンジオール、ピコナール、シクロ ンタンジオール、及びシクロヘキサンジオ ルなどの分子内に2個以上の水酸基を有する 化合物とを縮合反応させて得られるポリエス テル類、ポリカプロラクトンなどのポリエス テル類などが挙げられる。

 これらの化合物の末端の水酸基又はカル キシル基にイソシアネート化合物を縮合反 させることにより、ウレタン結合を導入す とともに、高分子量化させることができる さらに、末端の水酸基、カルボキシル基又 イソシアネート基を、重合性不飽和基を導 するために用いることもできる。

 ジイソシアネート化合物としては、例えば 2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレ ジイソシアネート4,4‘-ジフェニルメタンジ ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア ート、イソホロンジイソシアネート、メチ ンビス(シクロヘキサン-4,1-ジイル)ジイソシ アネート、m-フェニレンビス(1-メチルエタン- 1,1-ジイル)ジイソシアネート、ヘキサメチレ ジイソシアネート、m-キシリレンジイルジ ソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイルジイソ シアネート、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメ ルヘキサン、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4 -ジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシ アネート、1,4-フェニレンジイソシアネート シクロヘキサン-1,3-ジイルイソシアネート、 シクロヘキサン-1,4-ジイルジイソシアネート ダイマ酸ジイソシアネート、シクロヘキサ -1,3-ジイルビス(メチルイソシアネート)、2- チル-1,4-フェニレンジイソシアネート、4-[(2 -イソシアナトフェニル)オキシ]フェニルイソ シアネート、4,4’-オキシビス(フェニルイソ アネート)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネー 、ナフタレン-2,6-ジイルジイソシアネート ナフタレン-2,7-ジイルイソシアネート、1-メ ルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアネート、2, 2‘-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイルジイ シアネート、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸 チル、5-メチル-1,3-フェニレンジイソシアネ ート、メチレンビス(2,1-フェニレン)ジイソシ アネート、4-[(2-イソシアナトフェニル)メチ ]フェニルイソシアネート、ジメチルジイソ アナトシラン、2,4,6-トリイソプロピルベン ン-1,3-ジイルジイソシアネート、2,2-ジメチ ペンタン-1,5-ジイルジイソシアネート、4-[(2 -イソシアナトフェニル)チオ]フェニルイソシ アネート、ウンデカメチレンジイソシアネー ト、メチレンビス(2-メチル-4,1-フェニレン)ジ イソシアネート、アジポイルイソシアネート 、4,4‘-エチレンビス(1-イソシアナトベンゼ )、1-(トリフルオロメチル)-2,2,2-トリフルオ エチリデンビス(4,1-フェニレン)ジイソシア ート、テトラメチレンジイソシアネート、1, 4-フェニレンビス(エチレン)ジイソシアネー 、1,4-フェニレンビス(エチレン)ジイソシア ート、1-メチルエチレンジイソシアネート、 メチレンジイソシアネート、スルホニルビス (3,1-フェニレン)ジイソシアネート、エチレン ジイソシアネート、トリメチレンジイソシア ネート、ペンタンメチレンジイソシアネート 、ヘプタン-1,7-ジイルジイソシアネート、ノ メチレンジイソシアネート、デカメチレン イソシアネートなどの化合物が挙げられる
 トリイソシアネート化合物としては、トリ ェニルメタントリイソシアネート、1-メチ ベンゼン―2,4,6―トリイソシアネート、ナフ タリン-1,3,7-トリイソシアネート、ビフェニ -2,4,4’-トリイソシアネートなどの化合物な が挙げられる。

 本実施の形態において、樹脂(a2)は、カーボ ネート結合、ウレタン結合、及びエステル結 合からなる群より選ばれる少なくとも一種の 結合を含む繰り返し単位を含むことが好まし く、2つ以上の-CO-NH-結合をさらに含み、数平 分子量が1000以上30万以下であるレーザー彫 印刷原版用樹脂であることが好ましい。
 樹脂(a2)において、樹脂(a2)は、カーボネー 結合、ウレタン結合、及びエステル結合か なる群より選ばれる少なくとも一種の結合 含む繰り返し単位を含むが、該単位は、カ ボネート結合、ウレタン結合、及びエステ 結合からなる群より選ばれる少なくとも一 の結合を有する化合物に由来する結合であ ことが好ましい。

 樹脂(a2)は、カーボネート結合、ウレタン結 合、及びエステル結合からなる群より選ばれ る少なくとも一種の結合を有する化合物とジ イソシアネート化合物とを重合させて得られ うる、樹脂であることが好ましく、さらに重 合性不飽和基を有することが好ましい。
 本実施の形態において、樹脂(a2)は、レーザ ー彫刻印刷原版用樹脂として、好適であり、 レーザー彫刻印刷原版用樹脂としての、数平 均分子量は、1000以上30万以下であり、好まし くは2000以上25万以下、より好ましくは3000以 20万以下である。

 レーザー彫刻用印刷原版用樹脂としての樹 (a2)は、シロキサン結合を含まず、-CO-NH-結 を含むことが好ましく、-CO-NH-結合は、カー ネート結合、ウレタン結合、及びエステル 合からなる群より選ばれる少なくとも一種 結合を有する化合物と、ジイソシアネート 合物などのイソシアネート基との反応の結 生じる結合であることが好適である。
 樹脂(a2)として、カーボネート結合、ウレタ ン結合、及びエステル結合からなる群より選 ばれる少なくとも一種の結合と、-CO-NH-結合 を含む、繰り返し単位を少なくとも2つ以上 することが好ましい。

 本実施の形態においては、樹脂(a2)は、重合 性不飽和基を有することが好ましく、
分子末端に重合性不飽和基を有することがよ り好ましい。
 重合性不飽和基を樹脂(a2)に導入するための 重合性不飽和基を有する化合物としては、分 子内に重合性不飽和基として(メタ)アクリレ ト基やビニル基等の官能基と、水酸基、イ シアネート基、アミノ基、カルボキシル基 の官能基を有する化合物が挙げられる。
 反応性の観点から、2-(メタ)アクリロイルオ キシエチルイソシアネート、2-ヒドロキシエ ル(メタ)アクリレート等の化合物を好まし 化合物として挙げることができる。

 樹脂(a2)は、ガラス転移温度が20℃以下の液 樹脂が含まれていてもよく、ガラス転移温 0℃以下の液状樹脂が含まれていてもよい。 そのような液状樹脂としては、例えば、ポリ エチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジ エン及びポリイソプレンなどの炭化水素鎖を 有する化合物、アジペート及びポリカプロラ クトンなどのエステル結合を有するポリエス テル化合物、ポリカーボネート構造を有する 化合物、ポリジメチルシロキサン骨格を有す る化合物などが挙げられる。
 特に、耐候性の観点からポリカーボネート 造を有する不飽和ポリウレタン類を含んで てもよい。
 本実施の形態において、「液状樹脂」とは 容易に流動変形し、かつ冷却により変形さ た形状に固化できるという性質を有する樹 を意味し、外力を加えたときに、その外力 応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたと には、短時間に元の形状を回復する性質を するエラストマーに対応する用語である。
 樹脂(a2)の20℃における粘度は、好ましくは1 0Pa・s以上10kPa・s以下、より好ましくは30Pa・s 以上7kPa・s以下、さらに好ましくは50Pa・s以 5kPa・s以下である。
 20℃における粘度が10Pa・s以上であれば、印 刷原版にしたときの機械的強度が良好となる 傾向にある。
 20℃における粘度が10kPa・s以下であれば、 温でも変形し易く、他の組成物との混合や 成が容易となる傾向にある。

 樹脂組成物における、樹脂(a1)の含有量は、 樹脂(a2)100質量部に対して、好ましくは1質量 以上100質量部以下であり、より好ましくは2 質量部以上50質量部以下、さらに好ましくは3 質量部以上である。
 樹脂(a1)の樹脂組成物における含有量が、上 記範囲内であれば、インキ汚れに対する効果 が発現し、粘度も取り扱いやすい範囲となる 傾向にある。
 樹脂(a1)と樹脂(a2)は、それぞれ1種で用いて よく、2種以上を用いてもよい。

 樹脂組成物は、特に限定されないが、樹 (a1)及び樹脂(a2)の他に、用途や目的に応じ 有機化合物(b)、光重合開始剤(c)、熱重合開 剤(d)、無機系微粒子、及び添加剤を含有し もよい。

[有機化合物(b)]
 本実施の形態の樹脂組成物は、有機化合物( b)を、さらに含有してもよく、有機化合物(b) 、その数平均分子量が1000未満であり、かつ 重合性不飽和基を有する。
 有機化合物(b)は、樹脂(a1)および(a2)との希 のし易さから、数平均分子量は1000未満であ 、低揮発性など取扱いの観点から、好まし は100以上である。

 樹脂組成物における、有機化合物(b)の含有 は、特に限定されないが、樹脂(a2)100質量部 に対して、好ましくは10質量部以上300質量部 下、より好ましくは20質量部以上250質量部 下である。
 有機化合物(b)の含有量が10質量部以上であ と、樹脂組成物の硬化物である印刷原版及 印刷版が十分な機械的強度が得られる傾向 ある。
 有機化合物(b)の含有量が300質量部以下であ と、樹脂組成物の硬化物である印刷原版及 印刷版の硬化収縮が低減される傾向にある

 有機化合物としては、例えば、ラジカル 応性化合物として、エチレン、プロピレン スチレン、ジビニルベンゼンなどのオレフ ン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及 その誘導体、ハロオレフィン類、アクリロ トリルなどの不飽和ニトリル類、(メタ)アク リルアミド及びその誘導体、アリールアルコ ール、アリールイソシアネートなどのアリー ル化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フ マル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその誘 導体、酢酸ビニル類、N-ビニルピロリドン、N -ビニルカルバゾールなどが挙げられる。

 有機化合物(b)としては、その種類の豊富さ 価格、レーザー光照射時の分解性などの観 から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好 しい。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えば シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、 クロアルケン基、ビシクロアルケン基など 有する脂環族化合物、ベンジル基、フェニ 基、フェノキシ基、フルオレン基などを有 る芳香族化合物、アルキル基、ハロゲン化 ルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロ シアルキル基、アミノアルキル基、グリシ ル基などを有する化合物、アルキレングリ ール、ポリオキシアルキレングリコール、 リアルキレングリコール、トリメチロール ロパンなどの多価アルコールとのエステル 合物などが挙げられる。

 有機化合物(b)としては、例えば、付加重合 応するエポキシ基を有する化合物として、 々のジオールやトリオールなどのポリオー にエピクロルヒドリンを反応させて得られ 化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反 させて得られるエポキシ化合物などが挙げ れる。
 該エポキシ化合物としては、例えば、エチ ングリコールジグリシジルエーテル、ジエ レングリコールジグリシジルエーテル、ト エチレングリコールジグリシジルエーテル テトラエチレングリコールジグリシジルエ テル、ポリエチレングリコールジグリシジ エーテル、プロピレングリコールジグリシ ルエーテル、トリプロピレングリコールジ リシジルエーテル、ポリプロピレングリコ ルジグリシジルエーテル、ネオペンチルグ コールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサン ジオールジグリシジルエーテル、グリセリン ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリ シジルエーテル、トリメチロールプロパント リグリシジルエーテル、ビスフェノールAジ リシジルエーテル、水添化ビスフェノールA グリシジルエーテル、ビスフェノールAにエ チレンオキシド又はプロピレンオキシドが付 加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリ テトラメチレングリコールジグリシジルエー テル、ポリ(プロピレングリコールアジペー )ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチ レングリコールアジペート)ジオールジグリ ジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオー ルジグリシジルエーテルなどのエポキシ化合 物などが挙げられる。

 重合性不飽和基を有する有機化合物(b)はそ 目的に応じて1種又は2種以上のものを選択 きる。例えば印刷版として用いる場合、印 インキの溶剤であるアルコールやエステル どの有機溶剤による膨潤を抑えるために用 る有機化合物(b)として、長鎖脂肪族、脂環 又は芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上 することが好ましい。
 樹脂組成物から得られる印刷原版の機械強 を高めるためには、有機化合物(b)としては 環族誘導体及び/又は芳香族誘導体を含むこ とが好ましい。この場合、脂環族誘導体及び /又は芳香族誘導体の含有量は、有機化合物(b )の全体量の、好ましくは20質量%以上、より ましくは50質量%以上である。
 有機化合物(b)としての芳香族誘導体は、窒 、硫黄などの元素を有する芳香族化合物で ってもよい。
 印刷版の反発弾性を高めるため、例えば、 開平7-239548号公報に記載されているような タクリルモノマーを使用することもでき、 知の印刷用感光性樹脂の技術知見などを利 して選択することができる。

 樹脂(a2)及び/又は有機化合物(b)は、分子 にカーボネート結合、ウレタン結合、及び ステル結合からなる群から選ばれる少なく も1種類の結合を有する化合物、及び/又は、 脂肪族飽和炭化水素鎖を有しウレタン結合を 有する化合物、及び/又は脂肪族不飽和炭化 素鎖有しウレタン結合を有する化合物、で ることが印刷版の耐溶剤性を向上させるた 好ましい。その中でも、カーボネート結合 有する化合物、脂肪族飽和炭化水素鎖を有 ウレタン結合を有する化合物、脂肪族不飽 炭化水素差を有しウレタン結合を有する化 物は、溶剤インキで多用されるエステル系 剤について特に高い耐溶剤性を示す。

[光重合開始剤(c)]
 本実施の形態の樹脂組成物は、光重合開始 (c)をさらに含有してもよい。
 光重合開始剤(c)としては、一般的に使用さ ているものから選択でき、例えば、高分子 会編「高分子データ・ハンドブック-基礎編 」1986年培風館発行、に例示されているラジ ル重合、カチオン重合、アニオン重合の光 合開始剤などが挙げられる。
 ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始 (c)としては、水素引き抜き型光重合開始剤 び崩壊型光重合開始剤からなる群より選ば る少なくとも1種であることが好ましい。
 光重合開始剤としては、1種で用いてもよく 、2種以上を用いてもよく、水素引き抜き型 重合開始剤及び崩壊型光重合開始剤をそれ れ用いてもよい。

 水素引き抜き型光重合開始剤としては、励 三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引 抜いてラジカルを生成する化合物であれば に限定されないが、効率的な光硬化と、可 光下での光重合開始剤の安定性の観点から 香族ケトンが挙げられる。
 芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフ ノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類 チオキサントン類、及びアントラキノン類 どが挙げられ、これら中から選ばれる少な とも1種の化合物を用いるのが好ましい。

 ベンゾフェノン類としては、例えば、3,3’, 4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水 及び3,3’,4,4’-テトラメトキシベンゾフェノ ンなどのベンゾフェノン及びその誘導体が挙 げられる。
 ミヒラーケトン類としては、例えば、ミヒ ーケトン及びその誘導体などが挙げられる
 キサンテン類としては、例えば、キサンテ ルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換 れた誘導体が挙げられる。
 チオキサントン類としては、例えば、エチ チオキサントン、メチルチオキサントン、 ロロチオキサントンなどのチオキサントン びアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で 換されたチオキサントン誘導体などが挙げ れる。
 アントラキノン類としては、例えば、アン ラキノン及びアルキル基、フェニル基、ハ ゲン基などで置換されたアントラキノン誘 体などが挙げられる。

 樹脂組成物における、水素引き抜き型光重 開始剤の含有量は、特に限定されないが、 脂(a2)100質量部に対して、好ましくは0.1質量 部以上10質量部以下、より好ましくは0.5質量 以上5質量部以下である。
 水素引き抜き型光重合開始剤の含有量が、 記範囲内であれば、樹脂組成物を光硬化さ た場合、硬化物表面の硬化性を充分に確保 きると共に、良好な耐候性が得られる傾向 ある。また、硬化物表面の硬化性を確保す ことは、硬化物表面を切削、研削あるいは 磨を行うのに好適である。

 崩壊型光重合開始剤としては、光吸収後に 子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが 成する化合物であれば特に限定されない。
 崩壊型光重合開始剤としては、例えば、ベ ゾインアルキルエーテル類、2,2-ジアルコキ シ-2-フェニルアセトフェノン類、アセトフェ ノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化 合物類、有機イオウ化合物類、及びジケトン 類などが挙げられる。
 これらの群から選ばれる少なくとも1種の化 合物を用いるのが好ましい。

 ベンゾインアルキルエーテル類としては 例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性 分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の 合物などが挙げられる。

 2,2-ジアルコキシ-2-フェニルアセトフェノ ン類としては、例えば、2,2-ジメトキシ-2-フ ニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェ ルアセトフェノンなどが挙げられる。

 アセトフェノン類としては、例えば、ア トフェノン、トリクロロアセトフェノン、1 -ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセト ェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノンなど 挙げられる。

 アシルオキシムエステル類としては、例 ば、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-ベン ゾイル)オキシムなどが挙げられる。

 アゾ化合物としては、例えば、アゾビス ソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、 トラゼン化合物などが挙げられる。

 有機イオウ化合物としては、例えば、芳香 チオール、モノ及びジスルフィド、チウラ スルフィド、ジチオカルバメート、S-アシ ジチオカルバメート、チオスルホネート、 ルホキシド、スルフェネート、ジチオカル ネートなどが挙げられる。
 ジケトン類としては、例えば、ベンジル、 チルベンゾイルホルメートなどが挙げられ 。

 樹脂組成物における、崩壊型光重合開始剤 含有量は、樹脂(a2)100質量部に対して、好ま しくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ま くは0.3質量部以上3質量部以下である。
 崩壊型重合開始剤の含有量が、上記範囲内 あれば、樹脂組成物を大気中で光硬化させ 場合でも、硬化物内部の硬化性を充分に確 し得る。

 光重合開始剤(c)としては、水素引き抜き型 重合開始剤として機能する部位と崩壊型光 合開始剤として機能する部位とを同一分子 に有する化合物を用いることもできる。
 このような化合物としては、例えば、α-ア ノアセトフェノン類が挙げられ、例えば、2 -メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリ -プロパン-1-オン、下記式(2)で示される化合 物などが挙げられる。
式(2):

 樹脂組成物において、水素引き抜き型光重 開始剤として機能する部位と崩壊型光重合 始剤として機能する部位を同一分子内に有 る化合物の含有量は、樹脂(a2)100質量部に対 して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下 より好ましくは0.3質量部以上3質量部以下で ある。
 該化合物の含有量が、上記範囲内であれば 樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合で っても、硬化物の機械的物性を充分に確保 得る。

 光重合開始剤(c)として光を吸収して酸や塩 を発生することにより、付加重合反応を誘 させる化合物を用いることもできる。この うな化合物としては、例えば、芳香族ジア ニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族 ルホニウム塩などの光カチオン重合開始剤 どが挙げられる。
 樹脂組成物において、該化合物の含有量は 樹脂(a2)100質量部に対して、好ましくは0.1質 量部以上10質量部以下である。

[熱重合開始剤(d)]
 本実施の形態の樹脂組成物は、熱重合開始 (d)をさらに含有していてもよい。
 熱重合開始剤(d)としては、ラジカル重合反 、開環重合反応に使用できる全ての熱重合 始剤が挙げられる。
 ラジカル重合反応に用いられる熱重合開始 (d)としては、例えば、有機過酸化物、無機 酸化物、有機珪素過酸化物、ヒドロペルオ シド、アゾ化合物、チオール化合物、並び キノン及びびキノンジオキシム誘導体など 挙げられる。
 大気中での熱硬化性確保、取り扱い、熱硬 物の低硬度化の観点および熱硬化性樹脂組 物との相溶性の観点から有機過酸化物が好 しい。
 熱重合開始剤は1種で用いてもよく、2種以 を用いてもよい。

 有機過酸化物としては、例えば、ペルオキ エステル類、ジペルオキシケタール類、ジ ルキルペルオキシド類、ジアシルペルオキ ド類、t-アルキルヒドロペルオキシド類な が挙げられる。
 ペルオキシエステル類としては、例えば、 オクタン酸t-ブチル、過オクタン酸t-アミル 、ペルオキシイソ酪酸t-ブチル、ペルオキシ レイン酸t-ブチル、過安息香酸t-アミル、ジ ペルオキシフタール酸ジ-t-ブチル、過安息香 酸t-ブチル、過酢酸t-ブチルおよび2,5-ジ(ベン ゾイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンなど が挙げられる。
 ジペルオキシケタール類としては、例えば 1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)シクロヘキサン 1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、 2,2-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブタンおよびエチ 3,3-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブチレートなど 挙げられる。
 ジアルキルペルオキシド類としては、例え 、ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチルクミ ペルオキシド、ジクミルペルオキシドおよ 2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキ ンなどが挙げられる。
 ジアシルペルオキシド類としては、例えば ジベンゾイルペルオキシドおよびジアセチ ペルオキシドなどが挙げられる。
 t-アルキルヒドロペルオキシド類としては 例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-ア ルヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペル キシドおよびクミルヒドロペルオキシドな が挙げられる。

 無機過酸化物としては、例えば、Ba、Ca、 Mg、Znなどの過酸化物などが挙げられる。

 有機珪素過酸化物としては、例えば、Si-O -O-Si型、Si-O-O-C型、Si-O-O-R(アルキル)型の化合 などが挙げられる。

 ヒドロペルオキシドとしては、例えば、 チルヒドロペルオキシド、エチルヒドロペ オキシド、プロピルヒドロペルオキシド、 チルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒ ロペルオキシド、イソブチルヒドロペルオ シド、ヘキシルヒドロペルオキシド、オク ルヒドロペルオキシド、デシルヒドロペル キシド、シクロペンチルヒドロペルオキシ 、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、ベ ジルヒドロペルオキシド、1-フェニルエチ ヒドロペルオキシド、ジフェニルメチルヒ ロペルオキシド、トリフェニルメチルヒド ペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキ ド、9-フルオレニルヒドロペルオキシドなど の脂肪族および脂環式飽和ヒドロペルオキシ ド、芳香族側鎖にOOH基を有するヒドロペルオ キシドなどを挙げることができる。

 本実施の形態において、気泡を含有させる ッション層を形成する際には、熱重合開始 として、好ましくは、アゾ化合物を挙げる とができる。
 アゾ化合物としては、例えば、1-(t-ブチル ゾ)ホルムアミド、2-(t-ブチルアゾ)イソブチ ニトリル、1-(t-ブチルアゾ)シクロヘキサン ルボニトリル、2-(t-ブチルアゾ)-2-メチルブ ンニトリル、2,2’-アゾビス(2-アセトキシプ ロパン)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカル ボニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチロニト リル)および2,2’-アゾビス(2-メチルブタンニ リル)などが挙げられる。

 チオール化合物として、例えば、6-ジブ ルアミノ-1、3、5-トリアジン-2,4-ジチオール メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプ イミダゾリンなどの化合物などが挙げられ 。

 キノン及びキノンジオキシム誘導体とし は、例えば、p-キノン、p-キノンジオキシム などの化合物などが挙げられる。

 開環重合反応に用いられる熱重合開始剤(d) しては、例えば、マイクロカプセル中に酸 塩基を含有する重合開始剤を入れ、加熱す ことによってマイクロカプセルが破壊する とによって内部の重合開始剤が流出し、硬 が開始するタイプの潜在性熱重合開始剤が げられる。
 潜在性熱重合開始剤としては、例えば、旭 成ケミカルズ社製、ノバキュア(登録商標) 用いることが好ましい。

 熱重合開始剤(d)は、樹脂(a1)、樹脂(a2)、及 有機化合物(b)との混合の容易性の観点から 20℃において液状であることが好ましい。
 樹脂組成物における、熱重合開始剤(d)の含 量は、樹脂(a2)に対し、100質量部に対して、 好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
 熱重合開始剤の含有率が上記範囲内であれ 、レーザー彫刻印刷原版用熱硬化性樹脂組 物を十分に硬化させることができ、熱硬化 の表面の粘着性を低減することが可能とな 。

 熱重合開始剤(d)の熱安定性は、通常、10時 半減期の温度10h-t 1/2 の方法によって、即ち、熱重合開始剤(d)の当 初の量の50%が、10時間後に分解してフリーラ カルを形成する温度で示される。これに関 る更なる詳細については、「Encyclopedia of P olymer Science and Engineering」,11巻、1頁以降、Jo hn Wiley & Sons,ニューヨーク,1988年、に示 れている。
 熱重合開始剤(d)の10h-t 1/2 は、好ましくは少なくとも60℃、より好まし は少なくとも70℃、さらに好ましくは80℃~15 0℃である。
 本実施の形態において、熱重合開始剤(d)の1 0時間半減期温度の測定は、下記の方法によ 測定することができる。
 被測定熱重合開始剤(有機過酸化物)のある 度の溶液を調製し、この溶液を窒素置換し ガラス管中に密閉する。このガラス管を所 温度Tにした恒温槽に浸して、熱重合開始剤 熱分解させる。分解した熱重合開始剤の濃 をx[mol/L]、分解速度係数をK[s-1]、時間t[s]、 期熱重合開始剤の濃度をa[mol/L]とすると、 記式が成り立つ。
dx/dt=K(a-x)
Ln{a/(a-x)}=K・t
したがって、Ln{a/(a-x)}とtの関係をプロットす ることで、温度Tにおける分解速度係数Kが求 る。
 10時間半減期温度は、10時間で熱重合開始剤 濃度が初期の半分に減ずるときの温度である から、x=a/2、t=3.6×10 4 を代入して、K=6.93×10 -2 になるときの温度として測定することができ 、温度Tと分解速度係数Kのプロットから、K=6. 93×10 -2 の時の温度を導いたものが10時間半減期温度 ある。

[無機系微粒子]
 本実施の形態の樹脂組成物は、無機系微粒 をさらに含有してもよい。
 無機系微粒子としては、数平均粒子径が10nm 以上10μm以下である無機系微粒子であること 好ましい。
 無機系微粒子の数平均粒子径が、上記範囲 であれば、切削、研削、及び研磨からなる より選ばれる少なくとも1種類の方法で、レ ーザー彫刻印刷原版の印刷面を表面調整する 際に、べとつきを低減でき、印刷原版の表面 粗さへの影響が少なく、印刷画像に欠損が生 じることなくレーザー彫刻によりパターン形 成が可能である。
 本実施の形態において、「数平均粒子径」 は、顕微鏡観察により測定した長径の値の 均値を意味する。
 本実施の形態において、無機系微粒子の数 均粒子径は、顕微鏡の視野に少なくとも50 程度の微粒子又は気泡が入るように倍率を 整し、該微粒子又は気泡の長径を測長し、 均値を算出することにより測定することが きる。測長機能を有する顕微鏡を用いるこ が好ましいが、カメラを用いて撮影した写 を基に寸法を測ってもよい。

 樹脂組成物における、無機系微粒子の含有 は、特に限定されないが、樹脂(a2)100質量部 に対して、好ましくは1質量部以上100質量部 下、より好ましくは2質量部以上50質量部以 、さらに好ましくは2質量部以上20質量部以 である。
 無機系微粒子の含有量が、上記範囲内であ ば、レーザー彫刻時の彫刻速度に影響が少 い。

 無機系微粒子としては、多孔質微粒子又は 孔質超微粒子であることが好ましい。
 本実施の形態において用いられる多孔質微 子とは粒子中に細孔容積が0.1ml/g以上の微小 細孔を有する微粒子又は微小な空隙を有する 微粒子を意味する。
 樹脂組成物が、多孔質微粒子を含有するこ で印刷層表面を所望の表面粗さにする際に 切削、研削や研摩などの加工が容易となる
 多孔質微粒子により所望の表面粗さにする の加工中に生じるカスなどのべとつきが低 し、印刷層表面を精密に加工することが容 となる。
 多孔質微粒子は、好ましくは、比表面積が1 0m 2 /g以上1500m 2 /g以下、平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔 積が0.1ml/g以上10ml/g以下、吸油量が10ml/100g以 上2000ml/100g以下である。
 多孔質微粒子の比表面積が上記範囲内であ ば、例えば印刷原版をレーザーによる彫刻 て画像部を形成する場合に、除去した分解 を吸収するのに好適である。

 本実施の形態において、比表面積は-196℃に おける窒素の吸着等温線からBET式に基づいて 測定することができる。
 本実施の形態において、細孔容積及び平均 孔径は、窒素吸着法により測定することが きる。
 本実施の形態において、吸油量の測定は、J IS-K5101にて測定することができる。

 多孔質微粒子の数平均粒子径は、好ましく 10nm以上10μm以下、より好ましくは0.5μm以上8 μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下で る。
 多孔質微粒子の数平均粒子径が上記範囲内 あれば、切削、研削、研磨において、べと きを低減でき、印刷原版の表面粗さへの影 が少なく、印刷画像に欠損が生じることな レーザー彫刻によりパターン形成が可能で る。

 多孔質微粒子の形状としては、特に限定さ ないが、例えば、球状、扁平状、針状、無 形、又は表面に突起のある形状が挙げられ 。
多孔質微粒子は、耐磨耗性の観点から、好ま しくは、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5か ら1の範囲の球状粒子である。
 本実施の形態において、真球度とは、多孔 微粒子の球状度合いを規定する指標であり 多孔質微粒子を投影した場合に投影図形内 完全に入る円の最大値D 1 の、投影図形が完全に入る円の最小値D 2 の比(D 1 /D 2 )により測定される。真球の場合、真球度は1. 0となり、1.0は真球度の上限値となる。
 多孔質微粒子の真球度は、好ましくは0.5以 1.0以下、より好ましくは0.7以上1.0以下であ 。
 多孔質微粒子の真球度が0.5以上であれば、 刷版としての耐磨耗性が良好である。
 多孔質微粒子として好ましくは70%以上、よ 好ましくは90%以上の多孔質微粒子が、真球 0.5以上であることが好ましい。
 本実施の形態において、真球度は、走査型 子顕微鏡を用いて撮影した写真を基に測定 ることができる。その際、少なくとも100個 上の粒子がモニター画面に入る倍率におい 写真撮影を行うことが好ましい。また、写 を基に前記D 1 およびD 2 を測定するが、写真をスキャナーなどのデジ タル化する装置を用いて処理し、その後画像 解析ソフトウェアを用いてデータ処理するこ とが好ましい。

 多孔質微粒子の灼熱減量は、好ましくは5.0% 以下である。
 多孔質微粒子の灼熱減量が、上記範囲内で れば、印刷物の物性に与える影響が小さい
 本実施の形態において、多孔質微粒子の灼 減量の測定は、Din 3262 20に準じて測定する ことができる。

 多孔質微粒子としては、特に限定されない 、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシ カ、シリカ-ジルコニア多孔質ゲル、ポーラ スアルミナ、多孔質ガラスなどが挙げられる 。
 多孔質微粒子としては、層状粘土化合物の うに、層間に数nmから数百nmの空隙が存在す る粒子を用いることもできるが、これら粒子 は、細孔径を定義できないため、本実施の形 態においては層間に存在する空隙の間隔を細 孔径と定義する。
 多孔質微粒子としては、粒子の内部が空洞 なっている粒子やシリカスポンジなどの均 な細孔径を有する球状顆粒体などを使用す ことも可能である。

 本実施の形態において、多孔質微粒子の表 をシランカップリンング剤、チタンカップ ング剤、その他の有機化合物で被覆し表面 質処理を行い、より親水性化又は疎水性化 た粒子を用いることもできる。
 これらの多孔質微粒子は1種類又は2種類以 のものを選択できる。

 本実施の形態において用いられる無孔質超 粒子とは、細孔容積が0.1ml/g未満の粒子を意 味する。
 無孔質超微粒子の数平均粒子径は、1次粒子 を対象とする数平均粒子径であり、好ましく は10nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上10 0nm以下である。
 無孔質超微粒子の数平均粒子径が、上記範 内であれば、切削、研削、研磨においてべ つきを低減でき、印刷原版の表面粗さへの 響が少なく、印刷画像に欠損が生じること くレーザー彫刻によりパターン形成が可能 ある。

  無孔質超微粒子は、金属有機化合物を出発原 料とし、一部が分解して金属成分に変質した 超微粒子であり、例えば、酸化アルミニウム 、酸化チタン、酸化セリウム、酸化イットリ ウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化スズ、酸 化銅、酸化ホルミウム、酸化ビスマス、酸化 コバルト、及びインジウムスズ酸化物などが 挙げられる。
 無孔質超微粒子としては、シーアイ化成社 ナノテック(商標)などが容易に入手できる
 これらの無孔質超微粒子は1種類又は2種類 上のものを選択できる。

[添加剤]
 本実施の形態の樹脂組成物は、添加剤をさ に含有してもよい。
 樹脂組成物における、添加剤の総含有量は 特に限定されないが、樹脂(a)と樹脂(a2)の混 合物100質量部に対して0.1質量部以上50質量部 下であることが好ましい。
 添加剤としては、含フッ素モノマー、石油 ックス類、炭化水素鎖を有するモノマー、 料、顔料、重合禁止剤、紫外線吸収剤、滑 、界面活性剤、可塑剤、及び香料などが挙 られる。

 含フッ素モノマーとしては、重合性の官能 を有する含フッ素モノマーであれば特に限 されないが、例えば、二重結合、三重結合 エポキシ基、オキセタン骨格又はケテンア タール骨格を有するモノマーなどが挙げら る。
 含フッ素モノマーとして、例えば、テトラ ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ 、ビニリデンフルオライド、トリフルオロ チレン、1,2-ジフルオロエチレン、フッ化ビ ニル、トリフルオロプロピレン、クロロトリ フルオロエチレン、3,3,3-トリフルオロプロペ ン、2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロ -1-プロペン、パーフルオロ(ブチルエチレン) どの、直鎖状または分岐状の脂肪族フルオ オレフィン類、パーフルオロ(メチルビニル エーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエー ル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテ )などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテ ル)類、パーフルオロ(1,3-ジオキソール)、パ フルオロ(ブテニルビニルエーテル)などのパ ーフルオロ(アルケニルビニルエーテル)、パ フルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)、 ーフルオロ-(2-メチレン-4-メチル-1,3-ジオキ ラン)などのエーテル性酸素原子含有環状パ フルオロオレフィン、(パーフルオロブチル )エチルアクリレート、(パーフルオロヘキシ )エチルアクリレート、(パーフルオロヘプ ル)メチルアクリレート、(パーフルオロオク チル)エチルアクリレートなどの(パーフルオ アルキル)エチルアクリレート、(パーフル ロブチル)エチルメタクリレ-ト、(パーフル ロヘキシル)エチルメタクリレート、(パーフ ルオロヘプチル)メチルメタクリレート、(パ フルオロオクチル)エチルメタクリレートな どの(パーフルオロアルキル)エチルメタクリ ート、α-フルオロスチレン、β-フルオロス レン、α,β-ジフルオロスチレン、β,β-ジフ オロスチレン、α,β,β-トリフルオロスチレ 、α-トリフルオロメチルスチレン、2,4,6-ト (トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6-ペ タフルオロスチレン、パーフルオロ(スチレ ン)、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-α-メチルスチレ ンなどのフルオロスチレンなどが挙げられる 。
 中でも、パーフロロオクチルメタクリレー などの長炭素鎖を有する化合物が好ましい
これらの含フッ素モノマーは、重合性の官能 基以外の官能基を有していても構わない。

 本実施の形態において用いられる石油ワッ ス(パラフィン)類は、炭化水素鎖が直鎖状 あるn-パラフィン、分岐鎖状であるイソパラ フィンおよび環状であるシクロパラフィンに 大別される。
 中でも融点が、好ましくは65℃以下、より ましくは融点が60℃以下である石油ワックス 類が挙げられる。
 石油ワックス類の融点が上記範囲内であれ 、樹脂組成物中に添加した際に、石油ワッ ス類が固形になりにくい傾向となる。

 本実施の形態において用いられる炭化水 鎖を有するモノマーとしては、例えば、デ ン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、パルミ ン酸ビニルのような脂肪族又は芳香族カル ン酸のビニルエステル類、デカン酸アリル ステアリン酸アリル、パルミチン酸アリル ステアリン酸アリルのような脂肪族又は芳 族のアリルエステル類、ビニルエチルエー ル及びビニルポリエーテルのようなアルキ ビニルエーテル類などが挙げられる。

 樹脂組成物の視認性向上のために着色す 方法としては、染料、顔料の使用が例とし 挙げられるが、具体的な顔料として「HELIOGE N BLUE D 6700」(商品名、BASF社製)、「PALIOGEN R ED K 3580」(商品名、BASF社製)が好ましい。

 重合禁止剤としては、例えば、アミド系 ヒドラジド系などの重金属不活性化剤、有 Ni系などのクエンチャー、ヒンダードピペ ジン系などのHALS、ヒンダードフェノール系 セミヒンダードフェノール系などのフェノ ル系酸化防止剤、ホスファイト系、ホスホ イト系リン系などの酸化防止剤、チオエー ル系、イオウ系などの酸化防止剤が挙げら る。これらのなかでも、ヒンダードフェノ ル系酸化防止剤が好ましく、例えば「UV22」 (チバスペシャリティケミカル社)がラジカル 合禁止剤として好適に用いられる。

 紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾ ェノン系、トリアジン系、ベンゾトリアゾ ル系の紫外線吸収剤が挙げられる。

[レーザー彫刻印刷原版]
 本実施の形態のレーザー彫刻印刷原版は、 実施の形態の樹脂組成物を硬化せしめて得 れるものである。
 レーザー彫刻印刷原版が、支持体を有する 合には、支持体と、支持体上に積層される 脂層とを有する印刷原版である。
 本実施の形態において、レーザー彫刻印刷 版を製造する方法は、本実施の形態の樹脂 成物の樹脂層を形成する工程と、樹脂層を 化する工程とを、含む方法であることが好 しい。

 樹脂組成物の樹脂層を形成する工程は、特 限定されず、既存の樹脂の成形方法を用い 、樹脂層を形成することができる。
 該工程としては、例えば、ポンプや押し出 機などの機械で樹脂をノズルやダイスから し出し、ブレードで厚みを合わせる方法(注 型法);ロールによりカレンダー加工して厚み 合わせる方法などが挙げられる。
 樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しなが 成形を行うことも可能である。また、必要 応じて圧延処理、研削処理などを行っても い。

 樹脂層を形成する工程は、樹脂組成物を支 体上に積層して、樹脂層を形成する工程で ることが好ましい。
 印刷版の支持体上に直接成形することもで 、PET(ポリエチレンテレフタレート)やニッ ルなどの素材からなるバックフィルムとい れる下敷きの上に樹脂組成物を成形するこ もできる。
 支持体上に樹脂組成物を直接積層し、樹脂 を形成することにより、継ぎ目のない印刷 版として成形することができる。
 スリーブ成形・彫刻装置(液状の樹脂組成物 を円筒状支持体上に塗布し、光を照射して樹 脂組成物を架橋硬化させる装置内に、レーザ ー彫刻用のレーザー光源を組み込んだもの) 用いて印刷原版を成形することもできる。 のような装置を用いた場合、スリーブを成 した後に直ちにレーザー彫刻して印刷版を 形することができるので、成形加工に数週 の期間を必要としていた従来のゴムスリー では到底考えられない短時間加工が実現可 となる。
 本実施の形態の樹脂組成物は、このような 法により成形及び硬化するのに適した樹脂 成物である。

 本実施の形態において、レーザー彫刻印刷 版の製造方法として、樹脂組成物をシート 又は円筒状に成形し、樹脂層として成形し 樹脂組成物を高エネルギー活性線の照射に り硬化せしめることを含む方法が挙げられ 。
 本実施の形態において、「高エネルギー活 線」とは、紫外線、電子線、γ線、X線、分 線等の波長の短い光を意味する。
 本実施の形態において、樹脂層を光硬化さ て印刷原版とする光源としては、特に限定 れないが、例えば、高圧水銀灯、超高圧水 灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアー 灯、キセノンランプ、メタルハライドラン などが挙げられる。
 レーザー彫刻印刷原版に照射される光は、2 00nmから400nmの波長を有することが好ましい。 光源は、1種類で用いてもよいが、波長の異 る2種類以上の光源を用いることもできる。
 樹脂層を硬化させる際に、樹脂の硬化性が 上することがあるので、2種類以上の光源を 用いることが好適である。

 本実施の形態において、レーザー彫刻印刷 版の製造方法として、樹脂組成物をシート 又は円筒状に成形し、樹脂層として成形し 樹脂組成物を加熱することにより硬化せし ることを含む方法が挙げられる。
 樹脂組成物として、熱重合開始剤として有 過酸化物を含有する熱硬化性樹脂組成物の 化物は、光重合開始剤を含有する感光性樹 組成物の硬化物に比較して、著しく硬度を くすることができる。また、熱硬化時の温 条件を制御することによって硬度を広い範 に設定することが可能である。
 熱硬化物を低硬度化させることによって、 面粗度の高い低級紙への印刷や、段ボール への印刷において、良好な品質の印刷物を ることができる。
 熱硬化の工程においては、好ましくは80℃ 上250℃以下、より好ましくは80℃以上200℃以 下、さらに好ましくは100℃以上150℃以下に加 熱する。
 本実施の形態において、上記加熱温度は、 脂層表面の温度を意味する。
 熱硬化時の加熱温度が、上記範囲内であれ 、支持体の寸法安定性を確保することが可 である。
 中空円筒状支持体上に樹脂層を積層し、加 して硬化する場合は、中空円筒状支持体を 転させながら加熱することにより重力方向 液ダレを抑制できるため好適である。
 上記工程においては、樹脂層を加熱する方 として、熱線を照射する方法、熱風を吹き ける方法、熱風が対流する雰囲気に曝され 方法、加熱したロールと接触させる方法か なる群より選択される少なくとも一種の方 を使用することが好ましい。
 特に作業性の容易さの観点から熱線を照射 る方法、加熱したロールと接触させる方法 好ましい。
 熱線としては、近赤外線、赤外線を挙げる とができる。

[支持体]
 本実施の形態で用いられる支持体としては 例えば、シート状支持体及び中空円筒状支 体が挙げられる。
 支持体としては、好ましくは、中空円筒状 持体、より好ましくは、強化プラスチック 中空円筒状支持体である。
 支持体が中空円筒状であることによって、 持体の印刷機への取り付け及び取り外しが 易となり、さらに支持体が円筒状であるた 、軸の廻りに回転させながら樹脂組成物を 布することで、より均一な塗布が可能とな 。
支持体が強化プラスチック製中空円筒状支持 体であることにより、上記利点に加え、さら に、強度を保ちながら接着剤層との接着力を 維持することができる。

 強化プラスチックとしては、好ましくは 維強化プラスチックであり、強化プラスチ クはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポ イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミ 樹脂、ポリケトン樹脂、ポリスルホン樹脂 ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれる なくとも1種の樹脂を含有することが好まし い。

 繊維強化プラスチックは、繊維として特に 定はされないが、ポリエステル繊維、ポリ ミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリイミド 維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊 、ポリアクリロニトリル繊維、ポリフェニ ンエーテル繊維、ポリビニルアルコール繊 、フェノール繊維、フッ素樹脂繊維、ポリ ーテルエーテルケトン樹脂、ビニリデン繊 、ポリ-p-フェニレンビスオキサゾール繊維 ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリク ール繊維、ポリケトン繊維、及び合成パル 繊維からなる群より選ばれる少なくとも一 の繊維を含有することがこのましい。
 繊維強化プラスチックは、繊維として、無 化合物から形成される繊維を含んでいても く、無機化合物から形成される繊維として 、例えば、ガラス、カーボン、窒化ケイ素 窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、ニッ ル、チタン、銅、鉄、タングステン、クロ などが挙げられる。
 天然有機系化合物から形成された短繊維と ては、例えば、靭皮繊維、葉脈繊維、セル ースなどの植物系繊維などが挙げられ、繊 強化プラスチックが該短繊維を含んでいて よい。

[クッション層]
 本実施の形態のレーザー彫刻印刷原版は、 ーザー彫刻印刷原版と支持体の間に、一層 上のクッション層をさらに含んでいてもよ 。
 クッション層は特に限定されないが、ゴム 性を有する樹脂層であれば使用することが きる。
 クッション層の材料となる樹脂としては、 えば、天然ゴム材料、SBR、SBS、SISなどの合 ゴム材料、シリコーンゴム、ウレタンゴム ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンな の軟質プラスチック材料などを挙げること できる。
 また、樹脂を光硬化させて形成したシート エラストマーを用いることもできる。これ の材料の中でも特に、印刷用途で用いられ いるポリエチレン、もしくはポリウレタン 主な成分としたシート材料を好ましい材料 して挙げることができる。市販のフレキソ 刷用のクッションテープを使用することが 便である。
 クッション層の厚みは、好ましくは0.10mm以 6.00mm以下、より好ましくは0.20mm以上2.00mm以 、さらに好ましくは0.30mm以上0.70mm以下であ 。
 クッション層の比重は、好ましくは0.20g/cm 3 以上0.90g/cm 3 以下、より好ましくは0.30g/cm 3 以上0.70g/cm 3 以下、さらに好ましくは0.40g/cm 3 以上0.60g/cm 3 以下である。
 クッション層のASKER-C硬度は30以上90以下で ることが好ましい。

 本実施の形態においては、接着剤層を、 ッション層と印刷原版との間、印刷原版と 持体との間、支持体とクッション層との間 設けてもよく、接着剤層に粘着性の層を使 することで、円筒状クッション使用後に円 状支持体からクッション層を剥がし、円筒 支持体を再度使用することが容易となる。 着剤層としては、両面テープ(3M社製、商標 ST-416」)などが挙げられる。

 本実施の形態においては、クッション層は らに数平均粒子径が10nμm以上200μm以下の微 子を含むことが好ましい。そのような微粒 としては、例えば、無機系微粒子、有機系 粒子、中空マイクロカプセルなどを挙げら る。
 クッション層に上記微粒子を含有すること 、チキソトロピー性が向上するため、支持 へのクッション層の塗布が容易となる傾向 ある。
 微粒子の数平均粒子径は、好ましくは0.1μm 上200μm以下、より好ましくは0.5μm以上150μm 下、さらに好ましくは1.0μm以上100μm以下で る。
 本実施の形態において「微粒子の数平均粒 径」とは、顕微鏡観察により測定した長径 値の平均値を意味する。
 本実施の形態において、数平均粒子径は、 微鏡の視野に少なくとも50個程度の微粒子 るいは気泡が入るように倍率を調整し、該 粒子あるいは気泡の長径を測長して、平均 を算出することにより測定することができ 。測長機能を有する顕微鏡を用いることが ましいが、カメラを用いて撮影した写真を に寸法を測ってもよい。

 無機系微粒子の材質としては、例えば、シ カ、アルミナ、炭酸カルシウム、ゼオライ 、水酸化マグネシウム、珪酸ジルコニウム どが挙げられる。
 無機系微粒子の平均粒子径は、好ましくは1 0nm以上30μm以下、より好ましくは0.1μm以上20μ m以下、さらに好ましくは0.5μm以上10μm以下で ある。
 クッション層に無機系微粒子を含む場合に 、樹脂組成物に含まれる無機系微粒子と同 であってもよく、異なっていてもよい。

 有機系微粒子としては、機械的強度と耐 剤性のバランスを取る観点から、例えば、 リシロキサン骨格、ポリスチレン骨格、ポ (メタ)アクリル酸エステル骨格、ポリウレ ン骨格、ポリアクリロニトリル骨格から選 れる少なくとも1種の骨格を有する微粒子が げられる。このような有機微粒子としては 例えば、シリコーンゴム、架橋アクリル酸 粒子、架橋アクリル酸多孔質微粒子、架橋 リスチレンなどが挙げられる。

 本実施の形態において、「中空マイクロカ セル」とは、外部の殻と内部のコアで組成 異なる、複合組成の1μmから数百μmの微粒子 を意味する。
 中空マイクロカプセルの製造方法には界面 合法、コアセルベーション法、界面沈澱法 液中乾燥法などがある。原理的には微粒化 た芯物質を適当な媒質中に分散し、次いで 粒子の膜で被覆する。
 中空マイクロカプセルとしては、中空マイ ロカプセル状の有機微粒子の表面に無機微 子が付着していてもよい。表面に無機微粒 が存在することにより、クッション層への 解性が低下し、長期に安定してクッション 中に存在し得る。表面に存在する無機微粒 の平均粒子径は、好ましくは10nm以上30μm以 、より好ましくは0.1μm以上20μm以下、さら 好ましくは0.5μm以上10μm以下である。表面に 存在する無機微粒子の材質としては、シリカ 、アルミナ、炭酸カルシウム、ゼオライト、 水酸化マグネシウム、珪酸ジルコニウムなど を挙げることができる。

[周長調整層]
 本実施の形態のレーザー彫刻印刷原版は、 ーザー彫刻印刷原版と支持体の間に、一層 上の周長調製層を含有していてもよい。
 本実施の形態において、周長調整層を設け ことは、周長調整層の厚さは印刷機で印刷 行うリピート長に応じて任意に変えられる とが好ましい。用いることのできる樹脂と ては、20℃において固体状の樹脂であって よいが、周長調整層の厚さを任意に変えら る観点から、液状の樹脂が好ましい。
 液状の樹脂中に溶剤が含まれていてもよい 、溶剤の除去工程が必要となるため、無溶 型の液状の樹脂が好ましい。液状の樹脂を いた場合、膜厚の均一な継ぎ目のない層を 成することができる。液状の樹脂の好まし 粘度は、20℃において、好ましくは10Pa・s以 上10kPa・s以下、より好ましくは500Pa・s以上5kP a・s以下である。
 厚膜を形成するためには、重力により液だ が発生し膜厚が変化してしまう可能性もあ ので、前記のような粘度範囲が好ましい。 た、成形する膜厚が非常に薄い場合には、 度を低く抑えることが望ましい。粘度を低 する方法としては、溶剤を添加する方法も 便な方法として用いることができる。

[切削・研削・研磨]
 レーザー彫刻印刷原版の印刷面を加工する には、切削、研削、研磨から選択される少 くとも1種類の方法で表面調整することが好 ましい。
 切削加工のみを用いて表面を加工すること 可能であるが、切削工程、もしくは研削工 後に研摩加工を行うとレーザー彫刻印刷原 の印刷面の形状をより精密に調節できるた 好ましい。

 レーザー彫刻印刷原版の印刷面の切削に る加工としては、特に限定されないが、例 ば旋盤、ボール盤、フライス盤、形削り盤 平削り盤、NC工作機械などの刃物による加 が挙げられる。

 レーザー彫刻印刷原版の印刷面の研削によ 加工としては、砥石による加工などが挙げ れる。研削加工に用いられる研削砥石の材 は、特に限定されなないが、例としてアル ナ系や炭化珪素系の材質が挙げられる。該 石の材質としては、例えば、アルミナ系で 褐色アルミナ、白色アルミナ、淡紅色アル ナ、解砕形アルミナなどが挙げられ、炭化 素系では黒色炭化珪素、緑色炭化珪素など 挙げられる。
 研削加工に用いられる研削砥石の砥粒の粒 については、8番以上、5000番以下の砥石が ましく用いられる。砥粒を結合させる結合 の主要成分としては、例えば、長石可溶性 度・フラックス、ベークライト人造樹脂、 酸ソーダフラックス、天然・人造ゴム・硫 、セラック天然樹脂、金属箔などが挙げら る。

 レーザー彫刻印刷原版の印刷面の研磨加工 用いる研磨体としては、特に限定されない 、例えば研磨紙、ラッピングフィルム、ミ ーフィルムなどの研磨フィルム、研磨ホイ ルが挙げられる。
 該研磨紙や該研磨フィルム表面上の研磨剤 材質としては、金属、セラミックス、炭素 合物から選択される少なくとも1種類の微粒 子が好ましい。金属微粒子としては、例えば 、クロム、チタン、ニッケル、鉄などの比較 的硬質の材料が挙げられる。セラミックスと しては、例えば、アルミナ、シリカ、窒化珪 素、窒化ホウ素、ジルコニア、珪酸ジルコニ ウム、炭化珪素などが挙げられる。アルミナ 質砥粒の素材質としては、褐色アルミナ質、 解砕型アルミナ質研摩剤、淡紅色アルミナ質 研摩剤、白色アルミナ質研削剤、人造エメリ ー研削剤などが挙げられる。炭化珪素質砥粒 の素材質としては黒色炭化珪素質研磨剤、緑 色炭化珪素質研摩剤などが挙げられる。炭素 化合物としては、例えば、ダイヤモンド、グ ラファイトなどの化合物が挙げられる。人造 ダイヤモンドは研磨剤として好ましい。
 他の研磨剤の材質としては、例えば、ガラ ビーズなどのガラス系研磨剤、ナイロン、 リカーボネート、ポリエステル、メチルメ ルアクリレートなどの樹脂系研磨剤、クル 殻、杏の種、桃の種などの植物系研磨剤な が挙げられる。さらに、研磨布と上記の研 剤を組み合わせて用いることも可能である

 研磨剤の数平均粒子径は、好ましくは0.1μm 上100μm以下、より好ましくは3μm以上100μm以 下である。
 研磨剤の粒度は、100μm以下の範囲であれば 刷評価に好適に利用できる印刷原版が簡便 作成できる。好ましくは9μm以上30μm以下で る。
 特に、得られる印刷原版の表面の凹凸を小 くすることにより、被印刷体へのインキ転 性や印刷品質を向上する点からは、研磨剤 平均粒子径は20μm以下であることが好まし 。表面加工に要する時間を短縮化し、印刷 版の生産性を向上する点からは、研磨剤の 均粒子径は12μm以下であることが好ましい。
 研磨ホイール表面の粒度としては、60番か 3000番までが好ましく用いられる。研磨ホイ ルの材質としては、特に限定されないが、 、アルミナ、セラミックス、炭素化合物、 石、木、ブラシ、フェルト、コルクなどが げられる。

 研磨紙や研磨フイルムなどの支持体の厚み 材質などは特に限定されないが、厚みは、 ましくは1μm以上1000μm以下、より好ましく 10μm以上500μm、さらに好ましくは25μm~125μmで ある。
 25μm以上125μm以下の範囲であれば巻き取り どの取り扱い性が簡便である。支持体の形 は特に限定されないが、ロール、ディスク シート、ベルトなどが挙げられる。

 研磨体を用いた研磨の際に液体を介在さ ない乾式研磨でも印刷原版表面の研磨は可 であるが、研磨力、研磨後の印刷原版表面 均一性、粉塵の発生が少ないこと、研磨中 発生する熱の除去などを考慮すると、液体 介在させながら印刷原版に研磨剤を接触さ ることが好ましい。使用する液体としては 特に限定されないが、例えば石油、機械油 アルカリ溶液、水などが挙げられる。

 研磨の際に介在させる液体として、水を いることによって他の液体を用いるよりも 刷原版の変性が少なくなり、また廃液の処 も容易となる。

 本実施の形態において、印刷面調整の好ま い別の態様として、金属、セラミックス、 素化合物などから選択される少なくとも1種 類の物質からなる平均粒子径が0.1μm以上100μm 以下程度の微粒子を印刷原版表面に衝突させ る方法も挙げられる。
 微粒子を印刷原版に衝突させる方法は、特 限定されないが、例えばサンドブラスト、 ョットブラスト、エアーブラスト、ブロワ ラストなどが挙げられる。また、微粒子の 質としては、特に限定されないが、例えば ガラスビーズなどのガラス系粒子、ナイロ 、ポリカーボネート、ポリエステル、メチ メタルアクリレートなどの樹脂系粒子、ク ミ殻、杏の種、桃の種などの植物系粒子な が挙げられる。

[レーザー彫刻]
 本実施の形態において、レーザー彫刻にお ては、形成したい画像をデジタル型のデー とし、コンピューターを利用してレーザー 置を操作して原版上にレリーフ画像を作成 る。
 レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が 収を有する波長を含むものであれば特に限 されない。彫刻を高速度で行なうためには 力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザ 、YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバ レーザーなどの赤外線あるいは近赤外線領 に発振波長を有するレーザーが好ましい。
 レーザーとしては、例えば、紫外線領域に 振波長を有する紫外線レーザー、例えばエ シマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波 変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザーなど 、有機分子の結合を切断するアブレージョ 加工が可能であり、微細加工に適している
 レーザーとして、フェムト秒レーザーなど 極めて高い尖頭出力を有するレーザーを用 ることもできる。また、レーザーは連続照 でも、パルス照射でも良い。一般に樹脂は1 0μm近傍の波長に吸収を持つため、10μm近傍に 発振波長を有する炭酸ガスレーザーを使用す る場合には、特にレーザー光の吸収を助ける ような成分の添加は必要ではない。
 YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバー ーザーは1μm近辺に発振波長を有するが、こ の波長領域に光吸収を有する有機物はあまり 無いので、光吸収を助ける成分である染料や 顔料を樹脂組成物に添加して、レーザー彫刻 印刷原版とすることが好適である。

 このような染料としては、例えば、ポリ(置 換)フタロシアニン化合物および金属含有フ ロシアニン化合物;シアニン化合物;スクアリ リウム染料;カルコゲノピリロアリリデン染 ;クロロニウム染料;金属チオレート染料;ビ (カルコゲノピリロ)ポリメチン染料;オキシ ンドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリ チン染料;メロシアニン染料及びキノイド染 などが挙げられる。
 顔料としては、例えば、カーボンブラック グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロム コバルトクロームアルミネート、酸化鉄な の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅 亜鉛のような金属粉およびこれら金属にSi Mg、P、Co、Ni、Yなどをドープしたものなどが 挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用 しても良いし、複数を組み合わせて使用して も良いし、複層構造にするなどのあらゆる形 態で組み合わせても良い。

 レーザーによる彫刻は、酸素含有ガス下、 般には空気存在下もしくは気流下に実施す が、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる 彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに 生する粉末状もしくは液状の物質は適当な 法、例えば、溶剤や界面活性剤の入った水 どで洗いとる方法、高圧スプレーなどによ 水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチーム 照射する方法などを用いて除去してもよい
 レーザー彫刻により凹凸パターンを形成し 後に、パターンを形成した印刷版表面に波 200nm~450nmの光を照射する後露光を実施する ともできる。表面のタック除去に効果があ 方法である。後露光は大気中、不活性ガス 囲気中、水中のいずれの環境で行っても構 ない。用いる樹脂組成物中に水素引き抜き 光重合開始剤が含まれている場合、特に効 的である。更に、後露光工程前に印刷版表 を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処 液で処理し露光しても構わない。また、水 引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に 刷版を浸漬した状態で露光しても構わない 特開2005-212144号公報などで公知となっている 方法も好ましい。

[レーザー彫刻印刷版]
 本実施の形態のレーザー彫刻印刷版は、レ ザー彫刻印刷原版表面に印刷パターンをレ ザー彫刻することにより得られる印刷版で る。
 本実施の形態の印刷版の様式は、特に限定 れないが、フレキソ版、樹脂凸版、又はオ セット、ドライオフセット、反転オフセッ 又はグラビアオフセットに用いるブランケ トなど、あらゆる印刷版として使用可能で るが、とくにフレキソ版として好適に用い れる。

 以下、本実施の形態を実施例および比較 によってさらに具体的に説明するが、本実 の形態は、これらの実施例のみに限定され ものではない。なお、本実施の形態に用い れる測定方法は以下のとおりである。

(1)粘度の測定
 樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(製品名B8H ;日本国、東京計器社製)を用いて20℃で測定 た。また、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の粘度は、 様の装置を用いて50℃で測定した。単位はPa sである。
 以下、樹脂(a1)と樹脂(a2)を総称して、樹脂(a )と記載する場合がある。

(2)数平均分子量の測定
 樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマ グラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポ スチレンで換算して求めた。高速GPC装置(製 名「HLC-8020」;日本国、東ソー社製)とポリス チレン充填カラム(製品名「TSKgel GMHXL」;日本 国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラ (THF)で展開して測定した。カラムの温度は40 に設定した。GPC装置に注入する試料として 、樹脂濃度が1質量%のTHF溶液を調製し、注 量10μLとした。また、検出器としては、樹脂 紫外吸収検出器を使用し、モニター光として 254nmの光を用いた。

(3)重合性不飽和基の数の測定
 分子内に存在する重合性不飽和基の樹脂(a)1 分子あたりの平均数は、未反応の低分子成分 を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後 、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法、製品名「Av ance600」;Bruker Biospin社製)を用いて分子構造解 析し求めた。

(4)支持体上への樹脂組成物の成形
 印刷機のシリンダーとの内径を調整するた に、内径152.905mm、外径175.187mm、幅1000mmのク ションブリッジスリーブ(製品名「OptiFlex-Cus hion Bridge」、PU50;独国、AKL社製)を用いた。そ れぞれクッションブリッジスリーブのASKER-C 度について、PU50は78であった。
 樹脂の支持体として繊維強化プラスチック スリーブ(製品名「OptiFlex-Basic」;独国、AKL社 製)を用いた。内径は175.18mm、外径は175.88mm、 1000mmであった。該支持体上に樹脂組成物を クターブレードで塗工し、これにメタルハ イドランプ(製品名「M056-L21」;アイ・グラフ ィックス社製)の紫外線を12000mJ/cm 2 (UVメーターとUV-35-APRフィルターを用いて積算 したエネルギー量)照射し硬化させ印刷原版 得た。硬化後の印刷周長が560mmとなるように 印刷原版の最外面を研削、研磨で調整した。 印刷性評価用のレーザー彫刻印刷原版を作成 した。
 また、熱重合開始剤を添加した樹脂につい は、上記塗工を行った後に140℃にて2時間保 持し硬化した後に、印刷周長が560mmとなるよ に印刷原版の最外面を研削、研磨で調整し 。

(5)レーザー彫刻
 レーザー彫刻は、炭酸ガスレーザー彫刻機( 製品名「ZED-mini-1000」;英国、ZED社製、出力250W の炭酸ガスレーザー;米国、コヒーレント社 を搭載)を用いて行った。彫刻画像は120Lines  per inchで作成した。網点は1%、2%、3%、4%、5% 6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、40% 、50%、60%、70%、80%、90%、95%、100%のパターン 作成した。別途、1%から99%までのグラデーシ ョンのパターンを作成した。細線は60μm幅、1 00μm幅、150μm幅、200μm幅、250μm幅、500μm幅の ターンを作成した。白抜き線は60μm幅、100μ m幅、150μm幅、200μm幅、250μm幅、500μm幅のパ ーンを作成した。細字は2point、3point、4point 6point、8pointを明朝体、ゴシック体で作成し 。白抜き細字は2point、3point、4point、6point、8p ointを明朝体、ゴシック体で作成した。

(6)レーザー彫刻品質
 レーザー彫刻した印刷原版の品質を確認す ためレリーフ深度の測定を行った。「レリ フ深度」とは凸版印刷版の印刷部(レリーフ 面)と非印刷部(バック面)の高低差を意味する 。なお、レリーフ深度を大きく設定すると、 微細な網点部のパターンのレリーフ面の面積 が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるた め、レリーフ深度を0.5mmとした。
 版再現性の確認としてドットの形状が円錐 となっているか観察した。「版再現性」と 印刷画像を凸版印刷版に転写する正確さを 味する。また、版再現性の確認としてドッ の形状が円錐状となっているか観察した。

(7)インキ汚れ抑制効果
 インキ汚れ抑制効果は、インキ汚れ発生ま の時間及び印刷後のインキ汚れにより評価 た。
 印刷機(製品名「FlexPress16S」;独国、Fischer& ;Krecke社製)とインキ(製品名「XS-812」;大日本 ンキ化学工業社製)を用い、インキ粘度はザ ンカップ4番で8.4秒に調整、被印刷体として 厚み45μmのコロナ処理済み乳白ポリエチレン 用い、アニロックスロールの線数は750lpi、 ニロックスロールのセル容積は5cc)、印刷速 度は200m/分で行った。
 印刷物上で網点部分がインキで汚れてくる での時間を測定した。インキ汚れが発生す までの時間が20分以上であれば、インキ汚 を抑制する印刷版として使用しやすい傾向 ある。
 印刷終了後の版面のインキの残存を観察し 版面のインキ汚れを評価した。ほとんどイ キ汚れが見られないものをA、ややインキ汚 れが発生するものをB、顕著にインキ汚れが 生するものをCとして評価した。

(8)引張物性(引張強度、伸び)
 SHIMADZU社製の製品名「AGS-100G」を用いて、JIS  K-6301に基づき引張物性(引張強度、伸び)を 定した。
 引張物性試験の印刷版は 外径230.00mm、幅300 mm、厚み1mmの繊維強化プラスチック製の円筒 支持体上に厚み100μmの透明で表面がシリコ 処理されたポリエステルフィルムを貼り付 た。該ポリエステルフィルム上に該樹脂組 物を厚みが1.0mmとなるようにドクターブレ ドで塗工し、これにメタルハライドランプ( 品名「M056-L21」;アイ・グラフィックス社製) の紫外線を12000mJ/cm 2 (UVメーターとUV-35-APRフィルターを用いて積算 したエネルギー量)照射した。

(9)ポリカーボネートジオールのOH価
 本実施の形態において、OH価は、水酸基を する化合物に含まれる水酸基に対する指標 あり、OH価は、好ましくは2~500mgKOH/gである。 OH価は以下の方法により測定した。
 無水酢酸12.5gをピリジン50mLでメスアップし アセチル化試薬を調製した。
 100mLのナスフラスコに、サンプル(ポリカー ネートジオール)を1.0g精秤した。
 アセチル化試薬2mLとトルエン4mLを、ホール ペットで添加後、冷却管を取り付けて、100 で1時間撹拌加熱した。
 蒸留水1mLをホールピペットで添加し、さら 10分間加熱撹拌した。
 2~3分間冷却後、エタノールを5mL添加し、指 薬として1%フェノールフタレイン/エタノー 溶液を2~3滴入れた。その後、0.5mol/Lエタノ ル性水酸化カリウムで滴定した。
 空試験としてアセチル化試薬2mL、トルエン4 mL、蒸留水1mLを、100mLナスフラスコに入れ、10 分間加熱撹拌し、その後、同様に滴定を行っ た。
 この結果をもとに、下記数式(i)を用いてポ カーボネートジオールのOH価を計算した。
 OH価(mgKOH/g)={(b-a)×28.05×f}/e    (i)
               a:サンプルの滴定量(mL)
               b:空試験の滴定量(mL)
               e:サンプル質量(g)
               f:滴定液のファクター


(10) 29 Si-NMR(核磁気共鳴スペクトル)測定
 シリコーンオイルの官能基当量は、 29 Si-NMR測定によって求めた。シリコーンオイル の 29 Si-NMR測定は、Bruker社製、製品名「Biospin DSX400 」を用いて実施した。観測核: 29 Si、観測周波数:79.49MHz、積算回数:2400回、パ ス幅:4.5μ秒、待ち時間:30秒、MAS(マジック角 転速度):3500Hz、マジックアングルスピニン :5000Hz、パルスプログラム:hpdec(ハイパワーデ カップリング)、サンプル管径:7mmφの条件で 定を行った。    

[製造実施例1:樹脂(α1)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 カルビノール変性反応性シリコーンオイル ある、「KF-6003」(数平均分子量5100、OH価22.0)4 13.72gと、トリレンジイソシアナート11.05gを加 え、80℃加温下で約3時間反応させた。その後 、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネ ト5.49gを添加し、さらに約3時間反応させて 末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽 和基が1分子あたり平均約2.0個)である数平均 子量約24000の樹脂(α1)を調製した。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例2:樹脂(α2)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 カルビノール変性反応性シリコーンオイル ある、「KF-6003」(数平均分子量5100、OH価22.0)4 13.72gと、トリレンジイソシアナート11.81gを加 え、80℃加温下で約3時間反応させた。その後 、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネ ト4.13gを添加し、さらに約3時間反応させて 末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽 和基が1分子あたり平均約2.0個)である数平均 子量約32000の樹脂(α2)を調製した。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例3:樹脂(α3)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 カルビノール変性反応性シリコーンオイル ある、「KF-6003」(数平均分子量5100、OH価22.0)4 13.72gと、トリレンジイソシアナート12.58gを加 え、80℃加温下で約3時間反応させた。その後 、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネ ト2.76gを添加し、さらに約3時間反応させて 末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽 和基が1分子あたり平均約2.0個)である数平均 子量約48000の樹脂(α3)を調製した。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例4:樹脂(α4)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 カルビノール変性反応性シリコーンオイル ある、「X-22-160AS」(数平均分子量935、OH価120. 0)579.63gと、トリレンジイソシアナート98.15gを 加え、80℃加温下で約3時間反応させた。その 後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシア ート17.53gを添加し、さらに約3時間反応させ て、末端がメタアクリル基(分子内の重合性 飽和基が1分子あたり平均約2.0個)である数平 均分子量約12000の樹脂(α4)を調製した。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例5:樹脂(α5)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 カルビノール変性反応性シリコーンオイル ある、「X-22-160AS」(数平均分子量935、OH価120. 0)579.63gと、トリレンジイソシアナート103.04g 加え、80℃加温下で約3時間反応させた。そ 後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシア ネート8.83gを添加し、さらに約3時間反応させ て、末端がメタアクリル基(分子内の重合性 飽和基が1分子あたり平均約2.0個)である数平 均分子量約24000の樹脂(α5)を調製した。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例6:樹脂(α6)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 カルビノール変性反応性シリコーンオイル ある、「X-22-160AS」(数平均分子量935、OH価120. 0)413.72gと、トリレンジイソシアナート11.81gを 加え、80℃加温下で約3時間反応させた。その 後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシア ート4.13gを添加し、さらに約3時間反応させ 、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不 飽和基が1分子あたり平均約2.0個)である数平 分子量約32000の樹脂(α6)を調製した。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例7:樹脂(α7)の調製]
 2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネ トを添加しない以外は製造例5と同様の方法 、数平均分子量約24000の樹脂(α7)を調整した 。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例8:樹脂(α8)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 メルカプト変性反応性シリコーンオイルで る、「X-22-167B」(数平均分子量3340、官能基当 量1670g/mol)578.65gと、トリレンジイソシアナー 25.80gを加え、80℃加温下で約3時間反応させ 。その後、2-メタクリロイルオキシエチル ソシアネート7.82gを添加し、さらに約3時間 応させて、末端がメタアクリル基(分子内の 合性不飽和基が1分子あたり平均約2.0個)で る数平均分子量約24000の樹脂(α8)を調製した
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造実施例9:樹脂(α9)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコに信越化学工業社製、両末端 フェノール変性反応性シリコーンオイルで る、「X-22-1821」(数平均分子量2953、OH価38)322. 22gと、トリレンジイソシアナート16.55gを加え 、80℃加温下で約3時間反応させた。その後、 2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネー 4.38gを添加し、さらに約3時間反応させて、 端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和 基が1分子あたり平均約2.0個)である数平均分 量約24000の樹脂(α9)を調製した。
 この樹脂は主鎖にシロキサン結合を含み、2 0℃では水飴状であり、外力を加えると流動 、かつ外力を除いても元の形状を回復しな った。

[製造例1:樹脂(α10)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた2Lのセパ ブルフラスコに旭化成ケミカルズ社製ポリ ーボネートジオールである、「PCDL(登録商標 )T4672」(数平均分子量2059、OH価54.5)1318gと、ト レンジイソシアナート76.8gを加え、80℃加温 下で約3時間反応させた。その後、2-メタクリ ロイルオキシエチルイソシアネート52.6gを添 し、さらに約3時間反応させて、末端がメタ アクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子 たり平均約1.7個)である数平均分子量約7000 樹脂(α10)を調製した。
 この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を えると流動し、かつ外力を除いても元の形 を回復しなかった。

[製造例2:樹脂(α11)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた2Lのセパ ブルフラスコに旭化成ケミカルズ社製ポリ ーボネートジオールである、「PCDL(登録商標 )T4692」(数平均分子量2033、OH価55.2)1351gと、ト レンジイソシアナート80.17gを加え、80℃加 下で約3時間反応させた。その後、2-メタク ロイルオキシエチルイソシアネート63.44gを 加し、さらに約3時間反応させて、末端がメ アクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分 あたり平均約1.7個)である数平均分子量約7000 の樹脂(α11)を調製した。
 この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を えると流動し、かつ外力を除いても元の形 を回復しなかった。

[製造例3:樹脂(α12)の調製]
 温度計、攪拌機、還流器を備えた2Lのセパ ブルフラスコにクラレ社製ポリカーボネー ジオールである、「C-2015N」(数平均分子量201 1、OH価55.8)1324gと、トリレンジイソシアナー 79.77gを加え、80℃加温下で約3時間反応させ 。その後、2-メタクリロイルオキシエチルイ ソシアネート62.23gを添加し、さらに約3時間 応させて、末端がメタアクリル基(分子内の 合性不飽和基が1分子あたり平均約1.7個)で る数平均分子量約7000の樹脂(α12)を調製した
 この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を えると流動し、かつ外力を除いても元の形 を回復しなかった。

[製造例4:樹脂(α13)の調製]
 規則充填物ヘリパックパッキンNo.3(竹中金 株式会社製)を充填した、充填高さ300mm、内 30mmの蒸留塔、及び分留頭を備えた500mL四口 ラスコに、ジエチレングリコール214g(2.01mol) エチレンカーボネート186g(2.12mol)を仕込み、 70℃で撹拌溶解し、系内を窒素置換し、その 、触媒としてテトラブトキシチタンを0.177g えた。
 このフラスコを、フラスコの内温が145~150℃ 、圧力が2.5~3.5kPaとなるように、分留頭から 流液の一部を抜き出しながら、オイルバス 加熱し、22時間反応を行った。
 その後、充填式蒸留塔を外して、単蒸留装 に取り替え、フラスコの内温170℃に上昇さ 、圧力を0.2kPaまで落とし、フラスコ内に残 たジエチレングリコール、エチレンカーボ ートを1時間かけて留去した。
 次いで、フラスコの内温170℃、圧力0.1kPaと て、さらに5時間反応を行った。この反応に より、室温で粘稠な液状のポリカーボネート ジオールが174g得られた。
 得られたポリカーボネートジオールのOH価 60.9であり、数平均分子量は1843であった。
 撹拌機を備えた300mLのセパラブルフラスコ 、当該ポリカーボネートジオール65.0g、リン 酸モノブチル0.05gを入れ、80℃で3時間撹拌す ことにより、テトラブトキシチタンを失活 せた。
 その後、トリレンジイソシアネート4.63g、2, 6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.07g、ア ピン酸0.01g、ジ-n-ブチルスズジラウレート0.0 01gを加えて、乾燥空気雰囲気で80℃で3時間撹 拌した。
 その後、2-メタクリロイルオキシエチルイ シアネート2.77g、ジ-n-ブチルスズジラウレー ト0.001gを加えて、乾燥空気雰囲気で80℃で2時 間撹拌した。
 この段階で、赤外分光分析によりポリカー ネートジオールの末端水酸基がウレタン結 により連結され、かつ二重結合を有するこ が確認され、末端がメタアクリル基(分子内 の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1.8個) あり、数平均分子量約7000の樹脂(α13)が調製 された。
 上記工程を5回繰り返し、樹脂(α13)を1600g得 。

[製造例5:樹脂(α14)の調製]中硬度
 温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパ ブルフラスコにクラレ社製、ポリエステル オール、「クラレポリオールP3010」(数平均 子量3161、OH価35.5)450gと、トリレンジイソシ ナート21.52gを加え80℃に加温下に約3時間反 させた。その後、2-メタクリロイルオキシイ ソシアネート6.44gを添加し、さらに約3時間反 応させて、末端がメタアクリル基(分子内の 合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)であ 数平均分子量約25000の樹脂(α14)を製造した。
 この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を えると流動し、かつ外力を除いても元の形 を回復しなかった。
 得られた樹脂(α14)において、α位水素は、 子主鎖中のエステル結合が形成されている 位の水素原子(1H-NMR法での化学シフトの値:4.1 ~4.2ppm)と、分子末端のメタクリレートエステ 結合が形成されている部位の水素原子(1H-NMR 法での化学シフトの値:4.1~4.2ppm)、分岐してい るメチル基が結合している炭素に結合する水 素原子(1H-NMR法での化学シフトの値:1.8ppm)であ る。NMR測定の積分値から、α位水素の含有率 、25.2%であった。メチル基の直接結合して る炭素に結合した1個の水素(α位水素)と、該 炭素の両隣りの炭素に結合した水素は、ほぼ 同じ化学シフトの値を示すため、メチル基の 水素の積分値を3で割った値を該α位水素の積 分値とした。

 各製造実施例及び製造例で用いた化合物 樹脂の組成を表1及び表2に示す。

 

 

[実施例1]
 樹脂(a2)として樹脂(α10)100質量部に対し、樹 脂(a1)として樹脂(α2)5質量部、光重合開始剤(c )として、水素引き抜き型光重合開始剤であ ベンゾフェノン(表中、BPと略記)0.8質量部を 加し、崩壊型光重合開始剤である2,2-ジメト キシ-2-フェニルアセトフェノン(表中、DMPAPと 略記)を3.0質量部添加した。さらに、無機系 粒子として、富士シリシア化学株式会社製 「サイロスフェア(登録商標)C-1504」(数平均 子径4.5μm、比表面積520m 2 /g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減 2.5質量%、吸油量290mL/100g、添加した多孔質球 状シリカであるサイロスフェアC-1504の真球度 は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したとこ ろ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった、以下 、各実施例でサイロスフェアC-1504の性質は同 じである。表中及び以下、C-1504と略記。)を7. 7質量部、添加剤として、2,6-ジ-t-ブチル-4-メ ルフェノール(表中、DBMPと略記)を0.9質量部 ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セ ケート(表中、BPPSと略記)を1.5質量部加えて2 0℃で液状の樹脂組成物(A1)を作製した。
 樹脂組成物(A1)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 上記(4)及び(5)の方法で支持体への樹脂組成 (A1)の成形およびレーザー彫刻を行った。レ リーフ深度0.5mmで、ドットの形状が円錐状で った。
 上記(7)の印刷試験においてインキ汚れが発 するまでの時間は30分であった。版面には やインキ汚れが観察された。
 更に、樹脂組成物(A1)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例2]
 樹脂(a1)として樹脂(α4)を用いた以外は実施 1と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A2) を作製した。
 樹脂組成物(A2)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A2)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は30分であった。版面にはやや ンキ汚れが観察された。
 更に、樹脂組成物(A2)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例3]
 樹脂(a2)として樹脂(α10)100質量部に対し、樹 脂(a1)として樹脂(α1)5質量部、有機化合物(b) してフェノキシエチルメタクリレート(表中 POHと略記)50質量部を添加し、光重合開始剤( c)として、水素引き抜き型光重合開始剤であ ベンゾフェノン0.8質量部を添加し、崩壊型 重合開始剤である2,2-ジメトキシ-2-フェニル アセトフェノンを3.0質量部添加した。さらに 、無機系微粒子として、C-1504を7.7質量部、添 加剤として、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノ ルを0.9質量部、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)セバケートを1.5質量部加えて20℃ で液状の樹脂組成物(A3)を作製した。
 樹脂組成物(A3)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A3)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は30分であった。版面にはやや ンキ汚れが観察された。
 更に、樹脂組成物(A3)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例4]
 樹脂(a1)として樹脂(α2)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A4) を作製した。
 樹脂組成物(A4)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A4)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は30分であった。版面にはやや ンキ汚れが観察された。
 更に、樹脂組成物(A4)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例5]
 樹脂(a1)として樹脂(α3)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A5) を作製した。
 樹脂組成物(A5)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A5)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は30分であった。版面にはやや ンキ汚れが観察された。
 更に、樹脂組成物(A5)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例6]
 樹脂(a1)として樹脂(α4)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A6) を作製した。 樹脂組成物(A6)のB型粘度計を いて測定した粘度は、20℃において、3000Pa・ s以下であった。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A6)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。
 更に、樹脂組成物(A6)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例7]
 樹脂(a1)として樹脂(α5)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A7) を作製した。
 樹脂組成物(A7)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A7)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。
 更に、樹脂組成物(A7)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例8]
 樹脂(a1)として樹脂(α6)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A8) を作製した。
 樹脂組成物(A8)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A8)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。
 更に、樹脂組成物(A8)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例9]
 樹脂(a2)として樹脂(α11)を用いた以外は実施 例7と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A9 )を作製した。
 樹脂組成物(A9)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A9)の成 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ深 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。
 更に、樹脂組成物(A9)から得られる印刷原版 を用いた印刷版の機械的物性を評価するため に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し、 得られた印刷版の引張物性を測定した。結果 を表3に示す。

[実施例10]
 樹脂(a2)として樹脂(α12)を用いた以外は実施 例7と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A1 0)を作製した。
 樹脂組成物(A10)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A10)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。
 更に、樹脂組成物(A10)から得られる印刷原 を用いた印刷版の機械的物性を評価するた に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し 得られた印刷版の引張物性を測定した。結 を表3に示す。

[実施例11]
 有機化合物(b)としてトリメチロールプロパ トリメタクリレート(表中、TMPTと略記)を樹 (a2)100質量部に対して、10質量部を添加した 外は実施例7と同様にして、20℃で液状の樹 組成物(A11)を作製した。
 樹脂組成物(A11)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A11)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。
 更に、樹脂組成物(A11)から得られる印刷原 を用いた印刷版の機械的物性を評価するた に、上記(8)に記載の方法で印刷版を作成し 得られた印刷版の引張物性を測定した。結 を表3に示す。

 

 表3の結果から、実施例で得られた印刷版 は、印刷版として用いるのに優れた機械的特 性を有するものであった。

[実施例12]
 C-1504を添加しなかったこと以外は実施例3と 同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A12)を 製した。
 樹脂組成物(A2)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A12)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は40分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。

[実施例13]
 樹脂(a1)として樹脂(α7)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A13 )を作製した。
 樹脂組成物(A13)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A13)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は40分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。

[実施例14]
 樹脂(a2)として樹脂(α10)100質量部に対し、樹 脂(a1)として樹脂(α1)5質量部、有機化合物(b) してフェノキシエチルメタクリレート50質量 部を添加し、熱重合開始剤として1,1-ジ(t-ブ ルパーオキシド)パーシクロヘキサン(「パー ヘキサC-75(登録商標)」、日本国、日本油脂社 製、10時間半減期温度90.7℃)(表中、C75EBと略 )、1.3質量部添加した。さらに、C-1504を7.7質 部加えて、20℃で液状の樹脂組成物(A14)を作 製した。
 樹脂組成物(A14)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった.版面のインキ残 はほとんどなかった。

[実施例15]
 樹脂(a1)として樹脂(α1)を3質量部用いた以外 は実施例3と同様にして、20℃で液状の樹脂組 成物(A15)を作製した。
 樹脂組成物(A15)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A15)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は35分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。

[実施例16]
 樹脂(a2)として樹脂(α13)を、有機化合物(b)と して、樹脂(α10)100質量部に対し、フェノキシ エチルメタクリレート25質量部を用いた以外 実施例3と同様にして、20℃で液状の樹脂組 物(A16)を作製した。
 樹脂組成物(A16)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A16)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面にはやや ンキ汚れが観察された。

[実施例17]
 樹脂(a2)として樹脂(α14)を用いた以外は実施 例3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A1 7)を作製した。
 樹脂組成物(A17)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A17)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面にはやや ンキ汚れが観察された。

[実施例18]
 樹脂(a1)として樹脂(α8)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A18 )を作製した。
 樹脂組成物(A18)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A18)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。

[実施例19]
 樹脂(a1)として樹脂(α9)を用いた以外は実施 3と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A19 )を作製した。
 樹脂組成物(A19)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A19)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は45分であった。版面のインキ 存はほとんどなかった。

[比較例1]
 樹脂(α10)100質量部に対し、有機化合物(b)と てフェノキシエチルメタクリレート50質量 を添加し、光重合開始剤(c)として、水素引 抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノン0. 8質量部を添加し、崩壊型光重合開始剤であ 2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンを3 .0質量部添加した。さらに、添加剤として2,6- ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールを0.9質量部、 ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバ ケートを1.5質量部加えて20℃で液状の樹脂組 物(A20)を作製した。
 樹脂組成物(A20)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A20)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

[比較例2]
 添加剤として、信越化学工業社製、メチル チリル変性シリコーンオイル「KF-410」(表中 、KF-410と略記)1.5質量部をさらに加えた以外 、比較例1と同様にして、20℃で液状の樹脂 成物(A21)を作製した。
 樹脂組成物(A21)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A21)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

[比較例3]
 添加剤として、信越化学工業社製、メチル チリル変性シリコーンオイル「KF-410」の量 3.0質量部にした以外、比較例1と同様にして 、20℃で液状の樹脂組成物(A22)を作製した。
 樹脂組成物(A22)は液状物が分離したため印 原版の作成を中止した。分離した主成分はKF -410であった。

[比較例4]
 添加剤として、信越化学工業社製、メチル チリル変性シリコーンオイル「KF-410」1.5質 部加え、かつ、樹脂a1を加えない以外は実 例16と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物( A23)を作製した。
 樹脂組成物(A23)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A23)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

[比較例5]
 添加剤として、信越化学工業社製、メチル チリル変性シリコーンオイル「KF-410」1.5質 部加え、かつ、樹脂a1を加えない以外は、 施例17と同様にして、20℃で液状の樹脂組成 (A24)を作製した。
 樹脂組成物(A24)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A24)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

[比較例6]
 無機系微粒子として、C-1504を7.7質量部さら 加えた以外は、比較例1と同様にして、20℃ 液状の樹脂組成物(A25)を作製した。
 樹脂組成物(A25)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A25)の 形およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

[比較例7]
 樹脂(a2)として樹脂(α11)を用いた以外は、比 較例6と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物 (A26)を作製した。
 樹脂組成物(A26)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A26)の 工およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

[比較例8]
 樹脂(a2)として樹脂(α12)を用いた以外は比較 例6と同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A2 7)を作製した。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A27)の 工およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

[比較例9]
 有機化合物(b)として、トリメチロールプロ ントリメタクリレートを樹脂(a2)100質量部に 対して、10質量部を添加した以外は比較例6と 同様にして、20℃で液状の樹脂組成物(A28)を 製した。
 樹脂組成物(A28)のB型粘度計を用いて測定し 粘度は、20℃において、3000Pa・s以下であっ 。
 前記の方法で支持体への樹脂組成物(A28)の 工およびレーザー彫刻を行った。レリーフ 度0.5mmで、ドットの形状が円錐状であった。
 前記印刷試験においてインキ汚れが発生す までの時間は5分以下であった。版面には顕 著にインキ汚れが発生した。

 上記各実施例及び比較例の組成及び試験 果を表4及び表5に示す。

 

 

 表4及び表5の結果から、樹脂(a1)及び樹脂(a2) を含有する実施例の樹脂組成物を用いること により、インキ汚れ抑制効果に優れた印刷原 版が得られた。また、印刷版とした場合に実 用上問題のない機械的強度を有することも分 かった。樹脂(a1)に含まれるシロキサン結合 有する繰り返し単位の数平均分子量が500以 1万以下である樹脂組成物から成るレーザー 刻印刷原版は、レーザー彫刻印刷版として さらに優れたインキ汚れ抑制効果を示した
 一方、樹脂(a1)として、シロキサン結合を有 する樹脂を含有しない比較例1の樹脂組成物 用いて得られた印刷原版は、インキ汚れ抑 効果を示さなかった。
 また、シリコーンオイルを含有する、比較 2-9においても、シロキサン結合を樹脂とし 含有していないため、得られた印刷原版は 十分なインキ抑制効果を示さなかった。

 本発明は、2008年2月15日出願の日本特許出 願(特願2008-35030号)に基づくものであり、その 内容はここに参照として取り込まれる。

 本発明によれば、インキ汚れ抑制効果に優 るレーザー彫刻印刷原版およびレーザー彫 印刷版を提供することができる。
 本発明のレーザー彫刻印刷原版及びレーザ 彫刻印刷版は、フレキソ印刷に適し、印刷 術の分野において産業上の利用可能性を有 る。




 
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