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Patent Searching and Data


Title:
SHIP THRUSTER WITH DUCT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/153906
Kind Code:
A1
Abstract:
A ship thruster (1) equipped with a duct is provided with a strut (3) extending downward from the bottom (2) of a ship, a pod (4) connected to the lower part of the strut (3) and extending rearward, a propeller (5) connected to the rear part of the pod (4) and generating a water flow, and the duct (6) mounted behind the strut (3) so as to surround the propeller (5). A largest diameter section (4a) of the pod (4) is located at a position corresponding to the front end (6b) of the duct with respect to the front-rear direction.

Inventors:
FUNENO ISAO
Application Number:
PCT/JP2009/001681
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
April 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KAWASAKI HEAVY IND LTD (JP)
FUNENO ISAO
International Classes:
B63H5/15; B63H25/42
Foreign References:
JPS60222393A1985-11-06
JPS6162698U1986-04-26
JPS6272300U1987-05-08
JP2004330809A2004-11-25
JPH1081299A1998-03-31
Attorney, Agent or Firm:
PATENT CORPORATE BODY ARCO PATENT OFFICE (JP)
Patent business corporation Owner old patent firm (JP)
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Claims:
 船舶の底部から下方に向けて延出するストラットと、
 前記ストラットの下部に接続されて後方に延出するポッドと、
 前記ポッドの後部に接続されて水流を発生させるプロペラと、
 前記プロペラを囲むように前記ストラットの後方に配置されたダクトと、を備え、
 前記ポッドの最大直径部が、前後方向において前記ダクトの前端部に対応する位置に配置されていることを特徴とする船舶用ダクト付きスラスタ。
 前記ポッドの最大直径部と前記ダクトの前端との間の前後方向における距離L m が、前記ダクトの前後方向における長さL p の0.2倍以下である請求項1に記載の船舶用ダクト付きスラスタ。
 前記プロペラの直径D p に対する前記ポッドの前記最大直径部の直径D g の割合D g /D p が、0.25以上0.45以下である請求項1に記載の船舶用ダクト付きスラスタ。
 前記ポッドの外周面は、前記最大直径部から後端にかけて外側に向けて凸となる略円弧状に縮径している請求項1に記載の船舶用ダクト付きスラスタ。
 前記ポッドの前記最大直径部の直径D g に対する前記ポッドの前端から前記最大直径部までの長さL g の割合L g /D g が0.5より大であり、
 前記ポッドの外周面は、前記前端から前記最大直径部まで徐々に拡径している請求項1に記載の船舶用ダクト付きスラスタ。
Description:
船舶用ダクト付きスラスタ

 本発明は、船舶に推力を発生させるダク 付きスラスタに関するものである。

 従来、タグボート等の大きな曳引力を要 る船舶には、高推力で推力方向を変更可能 ダクト付きスラスタを搭載したものがある( 例えば、特開平10-81299号公報参照)。ダクト付 きスラスタは、船内にある原動機の駆動力を 船底から下方に突出したストラットの内部を 通る垂直回転軸に伝達し、その駆動力をスト ラット下部に接続されたポッド(ギヤケース) にあるベベルギヤにて水平回転軸周りの回 に変換し、プロペラを駆動する。また、こ ダクト付きスラスタは、船内の別の原動機 よる動力で垂直回転軸まわりに回転するこ で、推力方向を変更することも可能となっ いる。そして、プロペラの周りには翼型断 を有するリング状のダクトが配置されてい ため、プロペラの回転で生じる水流がダク により案内され、効率良く船舶の推進力が 生する。

 ところで、ポッドのストラットとの接続 分にはベベルギヤが収容されるため、ポッ の最大直径部は当該接続部分に位置してお 、ポッドの外周面はその最大直径部から後 に向けて略直線的に縮径しているのが通常 ある。しかしながら、ダクトはポッドの縮 した小径の後部を囲むように配置されるこ なるため、ダクト内周面とポッド外周面と 間の流路断面積が大きくなり、ダクトに流 する水の流速が遅くなる。

 ダクトの前端部近傍には圧力低下領域が 生し、その圧力低下に起因してダクト自身 推進力に寄与する力が生じるが、ベルヌー の定理から分かるように、ダクトに流入す 水の流速が遅くなるとダクト前端部近傍の 力が十分に低下しないため、ダクトによる 進力の発生が十分ではなくなる。

 そこで本発明は、推進効率の良いダクト きスラスタを提供することを目的としてい 。

 本発明に係る船舶用ダクト付きスラスタ 、船舶の底部から下方に向けて延出するス ラットと、前記ストラットの下部に接続さ て後方に延出するポッドと、前記ポッドの 部に接続されて水流を発生させるプロペラ 、前記プロペラを囲むように前記ストラッ の後方に配置されたダクトと、を備え、前 ポッドの最大直径部が、前後方向において 記ダクトの前端部に対応する位置に配置さ ていることを特徴とする。

 前記構成によれば、ポッドの最大直径部 前後方向においてダクトの前端部に対応す 位置に配置されているので、ダクトの前端 傍においてダクト内周面とポッド外周面と 間の流路断面積が低減され、ダクトに流入 る水の流速が速くなる。そうすると、ダク の前端近傍における圧力低下が促進され、 クトにより生じる推進力を向上することが きる。

 前記ポッドの最大直径部と前記ダクトの前 との間の前後方向における距離L m が、前記ダクトの前後方向における長さL p の0.2倍以下であってもよい。

 前記構成によれば、ポッドの最大直径部 、前後方向においてダクトの前端又はその 傍に対応して位置するので、ダクトの前端 傍においてダクトに流入する水の流速を好 に速めることができる。

 前記プロペラの直径D p に対する前記ポッドの前記最大直径部の直径 D g の割合D g /D p が、0.25以上0.45以下であってもよい。

 前記構成によれば、推進効率を高めること できる。なぜなら、D g /D p が0.25未満である場合には、プロペラを通過 る水の流路断面積が大きくなることで、ダ トに流入する水の流速が低下し、ダクトの 端近傍における圧力低下が不十分となり、D g /D p が0.45を超えた場合には、ポッドの水流に対 る抵抗が大きくなるからである。

 前記ポッドの外周面は、前記最大直径部 ら後端にかけて外側に向けて凸となる略円 状に縮径していてもよい。

 前記構成によれば、最大直径部から後端 かけて縮径の勾配が緩やかな領域が広くな ので、ダクト内周面とポッド外周面との間 流路断面積の小さい領域が広くなり、ダク 内でプロペラに流入する水における流速が い領域が十分に確保される。

 前記ポッドの前記最大直径部の直径D g に対する前記ポッドの前端から前記最大直径 部までの長さL g の割合L g /D g が0.5より大であり、前記ポッドの外周面は、 前記前端から前記最大直径部まで徐々に拡径 していてもよい。

 前記構成によれば、ポッドが水流から受け 抵抗を低減することができる。即ち、従来 ポッドの前端面は半球状に形成されていた め、前方からの水流により受ける正圧抵抗 大きくなるが、本発明のようにL g /D g が0.5より大とし、翼断面の前端部のように徐 々に拡径する構成とすることで、ポッドが受 ける水流抵抗を低減して推進効率を向上させ ることができる。

本発明の第1実施形態に係る船舶用ダク ト付きスラスタの正面図である。 図1に示す船舶用ダクト付きスラスタを 一部断面にした側面図である。 図2の要部拡大図である。 図1に示す船舶用ダクト付きスラスタの推進 率とD g /D p との関係を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係る船舶用ダク ト付きスラスタを一部断面にした側面図であ る。

 以下、本発明に係る実施形態を図面を参 して説明する。

 (第1実施形態)
 図1は本発明の第1実施形態に係る船舶用ダ ト付きスラスタ1の正面図である。図2は図1 示す船舶用ダクト付きスラスタ1を一部断面 した側面図である。図1及び2に示すように 船舶用ダクト付きスラスタ1は、船舶の底部2 から下方に延出するストラット3を備えてい 。そのストラット3の下部には断面円形状で 方(下流側)に向けて延出するポッド4が接続 れている。ポッド4の後部には、水流を発生 させるプロペラ5が回転可能に接続されてい 。プロペラ5は、ストラット3の後方に配置さ れたダクト6により取り囲まれている。

 ストラット3の内部空間には、垂直回転軸 11が軸受12に回転自在に支持された状態で配 されており、その垂直回転軸11の上端部には 船内にあるプロペラ用原動機9の出力軸に動 伝達可能に連結されている。垂直回転軸11の 下端部は、ポッド4内部まで延びている。ポ ド4の内部空間には、後方に向けて延びる水 回転軸14が軸受15に回転自在に支持された状 態で配置されている。垂直回転軸11の下端部 水平回転軸14の前端部とはベベルギヤ13を介 して動力伝達可能に接続されている。水平回 転軸14の後端部は、プロペラ5に接続されてい る。このような構成により、プロペラ用原動 機9の回転動力によりプロペラ5が回転するこ となる。

 また、ストラット3は、垂直回転軸11回り 回転可能なように船舶の底部2に軸受10及び ール部材7を介して接続されており、ストラ ット3自体を回転させる駆動力を発生する旋 用原動機8に連結されている。よって、旋回 原動機8による回転動力によりストラット3 垂直回転軸11回りに回転し、それと一体的に ポッド4、プロペラ5及びダクト6が旋回し、推 力発生方向を変更しうる。

 ダクト6は、リング状で翼型断面を有して いる。ダクト6の前端部6bは、その内周面が前 方(上流側)に向けて徐々に拡径しており、前 部6b以外の本体部6cの内周面は略同一径とな っている。即ち、ダクト6の前端部6aの内周面 は前方に向けて拡径するように反った形状と なっている。このダクト6には、ポッド4の後 部分が収容され、ポッド4の前側部分はダク ト6よりも前方に突出している。詳細には、 ッド4のダクト6に収容されている部分におけ る前後方向の長さは、ポッド4のダクト6より 方に突出している部分における前後方向の さよりも短くなるように設定されている。

 ポッド4は、前端4cから後方に向けて徐々に 径しており、その最大直径部4aが前後方向 おいてダクト6の前端部6bに対応する位置に 置されている。具体的には、ポッド4の最大 径部4aとダクト6の前端6aとの間の前後方向 おける距離L m が、ダクト6の前後方向における長さL p の0.2倍以下となるように設定されている。ま た、ポッド4の外周面は、最大直径部4aから後 端4dにかけて外側に向けて凸となる略円弧状 縮径したテール部4bを有している。さらに ポッド4の最大直径部4aの直径をD g とし、プロペラ5の直径をD p とすると、D g /D p は0.25以上0.45以下に設定されている。

 図3は図2の要部拡大図である。図3に示す うに、ダクト6の前端部6bの内周面近傍には 圧力低下領域20が形成される。これは、ポ ド4に沿ってダクト6内に流入する水や、ダク ト6の外面近傍から前端6aに沿ってダクト6内 巻き込まれる水などの影響により、ダクト6 前端部6bの内周面近傍で流速が速くなるか である。そして、この圧力低下領域20により 、ダクト6の前端部6bの内周面には、図3の矢 で示すような力Fが発生する。

 この力Fは、垂直分力F V と水平分力F H とに分けることができる。図3に示す垂直分 F V は、ダクト6の上側部に対して下方に向けた を生じているが、ダクト6の下側部には上方 向けた力が生じるため、それらが互いに打 消しあうことでダクト6全体には力Fの垂直 力F V の影響はなくなる。一方、水平分力F H は、前方に向けた力を生じるため、推進力に 寄与することとなる。

 ここで、ポッド4の最大直径部4aは、前後 向においてダクト6の前端部6bに対応する位 に配置されているので、ダクト6の前端部6b 傍においてダクト6の内周面とポッド4の外 面との間の流路断面積が小さくなっている これにより、ダクト6に流入する水の流速は くなり、ベルヌーイの定理より、ダクト6の 前端部6b近傍における圧力低下領域20の圧力 下が促進されることとなる。

 また、ポッド4のテール部4bは、最大直径 4aから後端4dにかけて外側に向けて凸となる 略円弧状に縮径しているので、最大直径部4a ら後端4dにかけて縮径の勾配が緩やかとな 、ダクト6の内周面とポッド4の外周面との間 の流路断面積の小さい領域が前後方向に広く なる。これにより、ダクト6内でプロペラ5に 入する水において、流速が速くなる領域が 分に確保され、ダクト6の前端部6b近傍にお る圧力低下領域20の圧力低下がさらに促進 れることとなる。

 以上より、図3に示したダクト6の前端部6bの 内周面に生じる力Fは増大することとなり、 進力に寄与する水平分力F H が増大する。したがって、ダクト6により生 る推進力は向上することとなる。

 図4は図1に示す船舶用ダクト付きスラスタ1 推進効率ηとD g /D p との関係を示したグラフである。なお、図1 示すようにポッド4の最大直径部4aの直径をD g とし、プロペラ5の直径をD p と定義する。図4は、CFD(Computational Fluid Dynami cs)による数値計算で船舶用ダクト付きスラス タ1の推進効率ηとD g /D p との関係を出力したグラフである。なお、縦 軸は推進効率ηをその最大値で割った値η/η max とし、横軸をD g /D p としている。

 図4によれば、η/η max は、D g /D p が0.38あたりをピークとしており、D g /D p が0.25以上0.45以下の範囲で優れた推進効率を 揮することが分かる。なぜなら、D g /D p が0.25未満である場合には、プロペラ5を通過 る水の流路断面積が大きくなることで、ダ ト6に流入する水の流速が低下し、ダクト6 前端部6b近傍における圧力低下が不十分とな るからである。また、D g /D p が0.45を超えた場合には、ポッド4の水流に対 る抵抗が大きくなるからである。よって、 実施形態のポッド4とプロペラ5は、D g /D p が0.25以上0.45以下の範囲内になるように設定 れている。

 (第2実施形態)
 図5は本発明の第2実施形態に係る船舶用ダ ト付きスラスタ31を一部断面にした側面図で ある。なお、第1実施形態と共通する構成に いては同一符号を付して説明を省略する。 5に示すように、本実施形態のポッド34は、 の最大直径部4aが前後方向においてダクト6 前端6aと略一致する位置に配置されている。 また、ポッド34の外周面は、最大直径部34aか 後端34dにかけて外側に向けて凸となる略円 状に縮径したテール部34bを有している。

 さらに、ポッド34のダクト6より前方に突出 ている部分における前後方向の長さは、ポ ド34のダクト6に収容されている部分におけ 前後方向の長さよりもかなり長く、ポッド3 4の最大直径部34aよりも前側の部分34eの外周 は前後方向に長尺であり、前端34cから最大 径部34aまで緩やかに拡径した形状である。 体的には、ポッド34の最大直径部34aの直径を D g とし、ポッド34の前端34cから最大直径部34aま の長さをL g とすると、L g /D g が0.5より大となるように設定されている。こ のような構成により、ポッド4が前方からの 流により受ける正圧抵抗が低減され、推進 率が向上することとなる。