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Patent Searching and Data


Title:
SLIDING CONTACT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133015
Kind Code:
A1
Abstract:
Intended is to provide a sliding contact having an output accuracy improved better than that of the prior art. A slider (2) is constituted by coating bundles of multiple carbon fibers (6) with a resin (5). The slider (2) is bifurcated into a first leg portion (2c) and a second leg portion (2d), which are cut by a laser, for example, to have leading end faces (2c2 and 2d2), and the surfaces of both the resin (5) and the carbon fibers (6) are exposed to the leading end faces (2c2 and 2d2). These cut leading end faces (2c2 and 2d2) are made as sliding faces. As a result, the hysteresis can be made lower than that of the prior art, whereby the output accuracy can be effectively improved.

Inventors:
KOMATSU HISASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057057
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ALPS ELECTRIC CO LTD (JP)
KOMATSU HISASHI (JP)
International Classes:
H01C10/00; G01D5/245; H01C1/12; H01H1/02; H01H1/06; H01H1/40; H01R39/20
Foreign References:
JPS53115005A1978-10-07
JPS4878403A1973-10-22
JP2004031168A2004-01-29
JPH01192101A1989-08-02
Attorney, Agent or Firm:
NOZAKI, Teruo et al. (1-21-11 Higashi-Ikebukuro Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 炭素繊維の束を樹脂により被覆して成る摺動子の端部には、切断によって前記樹脂とともに前記炭素繊維が露出した摺動面が形成されていることを特徴とする摺動接点。
 前記摺動面は、摺動子の幅方向及び厚さ方向からなる断面に対して斜めに切断されている請求項1記載の摺動接点。
 前記摺動子は、折り曲げられて、両側に第1の脚部と第2の脚部が形成され、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の端部の夫々に前記摺動面が形成されている請求項1又は2に記載の摺動接点。
 前記摺動子は、折り返されて、両側に前記第1の脚部と前記第2の脚部が形成されている請求項3記載の摺動接点。
 前記第1の脚部と第2の脚部の断面積は、夫々同じ大きさであり、前記第1の脚部と第2の脚部の長さ寸法は、夫々同じ長さで形成されている請求項3又は4に記載の摺動接点。
 前記摺動子を支持するための支持体が設けられ、前記摺動子は前記支持体の表面に巻き付けられ、前記第1の脚部と前記第2の脚部が前記支持体から離れる方向に延出している請求項3ないし5のいずれかに記載の摺動接点。
 前記摺動子及び支持体はホルダ部材により固定され、前記ホルダ部材の端面から前記第1の脚部及び前記第2の脚部が前記ホルダ部材から離れる方向に延出している請求項6記載の摺動接点。
 前記ホルダ部材及び支持体には夫々、前記摺動子と厚さ方向で重ならない位置に貫通孔が形成されており、前記ホルダ部材に形成された貫通孔と、前記支持体に形成された貫通孔は、厚さ方向で重なる位置に形成されている請求項7記載の摺動接点。
Description:
摺動接点

 本発明は、特に、出力精度かつ作動耐久 を向上させることが可能な摺動接点に関す 。

 自動車のポテンショメータ等に使用され 摺動接点には、従来、例えば、AgやPdの貴金 属合金のめっき材やクラッド材を加工して作 製していた。

 しかしながら、低分子シロキサンやアンモ アガスなどの雰囲気中でPd触媒効果等によ て絶縁物が形成されたり、潤滑性を向上さ るためにオイルを用いたこと等による低温 での接触抵抗の上昇問題や、振動を受ける 合などブラシの比重により抵抗体(導電パタ ン)への過剰負荷の問題から、非金属材料で 、オイルレス(高潤滑性)で、軽比重材料の摺 接点が求められ、貴金属合金に代わって下 の特許文献には、化学的に安定でかつ比重 軽く、導電性の高い素材である炭素繊維を 動接点に用いることが開示されている。

特開2004-31168号公報

特開2000-105132号公報

特開2000-65594号公報

 上記の特許文献には、摺動子の端部(摺動 部分)を炭素繊維のみで構成し、炭素繊維が 抗体上を摺動する構成が開示されている。

 しかしながら上記の構成では、正逆方向 摺動を繰り返したときに、同一位置での出 に差が生じる、すなわちヒステリシスが生 やすかった。

 また炭素繊維のみが先端部から突出して るので、繰り返し摺動子を抵抗体上で摺動 せると前記炭素繊維の先端部分が折れる等 不具合が生じやすい。折れた炭素繊維が導 パターン上に残されていると、出力ノイズ 原因となり、また導電パターン間をショー させるといった不具合が生じやすい。

 このように、上記の特許文献に記載され 摺動子の構成では、出力精度を適切に向上 せることが困難であった。

 また特許文献1の図10や図11には、特許文 1の図2等と違ってカーボンファイバ集合体47 パイプに挿通しない構成が開示されている

 例えば特許文献1の[0029]欄には、「この形 態の帯状のカーボンファイバ集合体47は、そ 端部を除いた部分を接着層等の固定層で覆 て固めて形状を保持するようにしても良い と記載されているが、この形態は、上記で 摘したように、端部を炭素繊維のみで構成 前記炭素繊維を飛び出させる形態であると えられ、出力精度を適切に向上させること 困難であるといった問題が発生する。

 そこで本発明は上記従来の課題を解決す ためのものであり、特に、出力精度を従来 比べて向上させた摺動接点を提供すること 目的としている。

 本発明における摺動接点は、炭素繊維の を樹脂により被覆して成る摺動子の端部に 切断によって前記樹脂とともに前記炭素繊 が露出した摺動面が形成されていることを 徴とするものである。

 このように本発明では、摺動子の先端部 で樹脂が前記炭素繊維の束を被覆し、炭素 維が露出する切断面を摺動面としているの 、従来に比べてヒステリシスが生じにくく また、炭素繊維の先端部が折れる等の不具 が生じにくい。またたとえ前記炭素繊維の 端部が折れても、その折れた炭素繊維は樹 にコーティングされているので、折れた前 炭素繊維が導電パターン上に落ちても導電 ターン間をショートさせにくい。よって本 明の摺動接点の構成によれば、従来に比べ 、出力精度を効果的に向上させることが可 になる。

 また本発明では、前記摺動面は、摺動子 幅方向及び厚さ方向からなる面に対して斜 に切断されていることが、より出力精度を 上させることができ好適である。

 また本発明では、前記摺動子は、折り曲 られて、両側に第1の脚部と第2の脚部が形 され、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の端 部の夫々に前記摺動面が形成されていること が好ましい。このとき、前記摺動子は、折り 返されて、両側に前記第1の脚部と前記第2の 部が形成されていることが好適である。

 本発明では、前記第1の脚部と第2の脚部 断面積は、夫々同じ大きさであり、前記第1 脚部と第2の脚部の長さ寸法は、夫々同じ長 さで形成されていることが、第1の脚部及び 2の脚部のばね定数を同じにでき好ましい。

 また本発明では、前記摺動子を支持する めの支持体が設けられ、前記摺動子は前記 持体の表面に巻き付けられ、前記第1の脚部 と前記第2の脚部が前記支持体から離れる方 に延出している構成であることが好ましい これにより、安定して前記摺動子を所定形 に維持できる。

 また本発明では、前記摺動子及び支持体 ホルダ部材により固定され、前記ホルダ部 の端面から前記第1の脚部及び前記第2の脚 が前記ホルダ部材から離れる方向に延出し いることが好ましい。これにより前記摺動 と前記支持体を適切に固定できる。

 また本発明では、前記ホルダ部材及び支 体には夫々、前記摺動子と厚さ方向で重な ない位置に貫通孔が形成されており、前記 ルダ部材に形成された貫通孔と、前記支持 に形成された貫通孔は、厚さ方向で重なる 置に形成されていることが好ましい。これ より前記摺動接点には表側から裏側に向か 機器側への取り付け孔を形成でき、また前 ホルダ部材と支持体の位置合わせを精度良 行うことが出来る。

 本発明の摺動接点によれば、従来に比べ 出力精度を適切に向上させることが可能で る。

 図1は、本実施の形態の摺動接点と、第1 導電パターンと第2の導電パターンの斜視図 図2(a)はホルダ部材を外した状態での本実施 形態の摺動接点の平面図、図2(b)は、ホルダ 材を付けた状態での本実施形態の摺動接点 平面図、図3は、本実施形態の摺動接点を構 する摺動子の摺動面(切断面)の形態を説明 るための前記摺動子の拡大斜視図、図4(a)は 本実施形態の摺動子を裏側から見た斜視図 図4(b)は図4(a)の摺動子の部分側面図、図5(a) 、図4(a)とは異なる形態の本実施実施形態の 摺動子を裏側から見た部分斜視図、図5(b)は 図5(a)の摺動子の部分側面図、図6は、図4及 図5とは異なる形態の本実施形態の摺動子の 視図、図7は、図4ないし図6とは異なる形態 本実施形態の摺動子の平面図、である。

 図1に示す摺動接点1は、図2に示すように 摺動子2と、支持体3と、ホルダ部材4を有し 構成される。

 前記摺動子2は、図3に示すように多数本 炭素繊維6の束が樹脂5によって被覆されたも のである。樹脂5は隣り合う炭素繊維6間の隙 にも入り込んでいる。前記炭素繊維6には、 アクリル樹脂、あるいは、ピッチ(石油等の 生成物)を原料に高温で炭化したものがある (前者をPAN、後者をPITCHと言う)、本実施形態 では、PAN系の炭素繊維であるほうが好適であ る。PAN系の炭素繊維のほうが割れにくい等、 機械的強度に強く、長寿命を得ることが出来 る。

 前記樹脂5の種類は特に問わないが熱硬化 性樹脂であることが好適である。熱硬化性樹 脂の中でも、エポキシ樹脂であることが好ま しい。具体的には、樹脂5に、トリフェニル リシジルエーテルメタン(Tri-PGEM)、クレゾー ノボラックエポキシ、テトラグリシジルジ ミノフェニルメタン(Tet-GDDM)、テトラフェニ ルグリシジルエーテルエタン(Tet-PGEE)のうち なくともいずれか1種を用いることが好まし 。特に、前記樹脂5は、トリフェリルグリシ ジルエーテルメタン(Tri-PGEM)であることが好 である。Tri-PGEMは、ガラス転移温度Tgが、通 のエポキシ樹脂に比べて高く、摺動接点1の 耐熱性を向上させることが出来る。

 1000~10000本程度の炭素繊維6の束が用いら 、また各炭素繊維6の直径は数μm~数10μmの範 であることが好適である。

 前記支持体3は、例えば、金属のフープ材 を切断したものである。図2(a)に示すように 前記摺動子2は、前記支持体3の表面に巻き付 けられている。前記摺動子2は、例えば図4(a) ように、途中の2箇所で折り返されている。 前記摺動子2は例えば図4では、扁平状であり 厚さ方向にて対向する一方の面を第1面、他 方を第2面としたとき、前記摺動子2に形成さ る第1の脚部2cの第1面と、第2の脚部2dの第1 とが、同じ側に向くように折り返されてい 。なお前記第1の脚部2cの第1面と、前記第2の 脚部2dの第1面とが互いに反対方向に向いてい てもよい。前記摺動子2は、例えば、図2(a)に すように、第1の脚部2c及び第2の脚部2dの延 方向に対して、斜めに傾く前記支持体3の両 側側面3a,3bを基点として折り返されている。

 前記第1の脚部2cの先端部2c1及び前記第2の 脚部2dの先端部2d1は例えば図4(a)(b)に示すよう に、所定角度に折り曲げられている。

 図3に示すように、前記摺動子2の各脚部2c ,2dの先端面2c2,2d2は切断面である。このため 記先端面2c2,2d2からは前記樹脂5とともに炭素 繊維6の表面が露出している。

 ホルダ部材4は樹脂モールドにより成形さ れたものである。前記ホルダ部材4を成形す ことで、前記摺動子2を前記支持体3の表面に 適切に固定することが可能である。また前記 ホルダ部材4は絶縁性であり、前記ホルダ部 4の先端面から延出する第1の脚部2cや第2の脚 部2d等を除いて、前記摺動接点1表面の絶縁性 を向上させることが可能である。また、前記 ホルダ部材4を設けることで機器側へ前記摺 接点1を取り付けやすくなる。

 図2(a)に示すように、前記支持体3の中央 には、貫通孔3cが形成されている。前記貫通 孔3cは前記摺動子2と厚さ方向にて重ならない 位置に形成されている。

 図2(b)に示すように、前記ホルダ部材4の 央にも貫通孔4aが形成され、前記貫通孔4aは 記支持体3に形成された貫通孔3cと同様に前 摺動子2と厚さ方向にて重ならない位置に形 成されている。そして図2(b)に示すように、 ルダ部材4に形成された貫通孔4aと前記支持 3に形成された貫通孔3cは厚さ方向にて重な 位置に形成されている。よって、前記摺動 点1には摺動子2からずれた位置に、前記貫通 孔3c,4aを合わせてなる機器側への取り付け孔 設けることができる。

 図1に示す第1の導電パターン10は抵抗体で 、前記第2の導電パターン11は良導電体から成 る。前記第1の導電パターン10は、例えば、カ ーボンブラックあるいはカーボンファイバと 、カーボンナノチューブと、熱硬化性樹脂と してフェノール樹脂やエポキシ樹脂を有する 抵抗体塗膜により形成される。前記第2の導 パターン11は、例えば銀粉と熱硬化性樹脂を 有する導電塗膜により形成される。

 図1に示す本実施形態の摺動接点1では、 記第1の脚部2c及び前記第2の脚部2dが前記導 パターン10,11上を相対的に摺動する。このと き、第1の脚部2cの摺動位置に応じて、第1の 電パターン10に印加されている入力電圧が分 圧され、前記第2の導電パターン11に接続され ている出力端子12から出力される電圧を測定 ることで、前記摺動接点1の位置を検出する ことが出来る。摺動接点1が移動側で、前記 電パターン10,11が形成された基板が固定され る形態でもよいし、あるいは、前記導電パタ ーン10,11が形成された基板が移動側で、摺動 点1が固定される形態でもよい。

 図1に示す形態では、前記第1の導電パタ ン10,及び前記第2の導電パターン11を一定の 寸法で形成された真っ直ぐな帯状で形成し いるが、前記第1の導電パターン10,第2の導電 パターン11の形態を限定するものではない。 えば、前記第1の導電パターン10及び前記第2 の導電パターン11は、リング状で形成され、 れにより回転センサを構成できる。

 本実施形態の摺動接点1の特徴的部分につい て以下に説明する。
 本実施形態では、摺動子2は、多数本の炭素 繊維6の束が樹脂5により被覆された構成とな ている。前記樹脂5は、隣り合う炭素繊維6 間にも充填されており、各炭素繊維6同士が 脂5により接合されている。

 前記摺動子2は、第1の脚部2cと第2の脚部2d の二股に分かれ、各脚部2c,2dの先端面2c2,2d2は 例えばレーザによって切断された切断面であ り、図3に示すように先端面2c2,2d2には、樹脂5 とともに前記炭素繊維6の表面が露出してい 。そして本実施形態では、切断された前記 端面2c2,2d2を摺動面としている。

 このように本実施形態では、前記脚部2c,2 dの先端まで樹脂5が前記炭素繊維6の束を被覆 しているため、図1に示す脚部2c,2dを前記導電 パターン10,11上にて、正逆方向に摺動を繰り したときに、同一位置での出力に差が生じ ヒステリシスを従来に比べて低減させるこ が出来る。

 しかも、前記樹脂5が前記炭素繊維6の束 先端部まで覆っているので、摺動接点1を導 パターン10,11上で摺動させたときに、仮に 部の前記炭素繊維6の先端部分が折れても、 れた前記炭素繊維6が導電パターン10,11上に ちる可能性が低くなり、たとえば前記炭素 維6が導電パターン10,11間をショートさせる 具合を適切に抑制できる。

 そして本実施形態では、切断されて前記 素繊維6が露出した前記先端面2c2,2d2を摺動 として使用するので、前記脚部2c,2dと前記導 電パターン10,11間の導通性を効果的に向上さ ることが出来る。

 特に先端面(摺動面)2c2,2d2を例えばレーザ よって切断して形成するので、前記先端面2 c2,2d2に露出する各炭素繊維6の表面の高低差 小さくでき、前記先端面2c2,2d2の平坦性を向 させることが出来るため、前記脚部2c,2dと 記導電パターン10,11間の導通性を効果的に向 上させることが出来る。

 以上により本実施形態の摺動接点1によれ ば、従来に比べてヒステリシスを小さくでき る等、出力精度を効果的に向上させることが 可能である。

 なお、例えば図6では、断面が円形状であ る摺動子15を湾曲加工してU字状に形成してい るが、長い棒状の摺動子15を両側から中央方 に向けて折り曲げた場合、前記摺動子15に 成された第1の脚部15aと第2の脚部15bの断面積 がばらつきやすい。

 一方、図4では、摺動子2を細長い扁平状 形成し、前記摺動子2を折り返して、前記摺 子2に第1の脚部2cと第2の脚部2dを形成してい る。これにより、前記第1の脚部2cと前記第2 脚部2dの幅寸法T1を一定の同じ寸法に保ち、 らに前記第1の脚部2cと前記第2の脚部2dの厚 寸法H1を一定の同じ寸法に保ちやすい(図3参 照)。

 また、図1に示すように、ホルダ部材4か 延出する第1の脚部2cの長さ寸法L1と前記第2 脚部2dの長さ寸法L2を同じ長さ寸法に調整す 。

 以上のように、前記摺動子2の第1の脚部2c と第2の脚部2dの断面積を一定の同じ大きさで 形成し、第1の脚部2cと第2の脚部2dの長さ寸法 L1,L2を同じ長さに形成することで、前記第1の 脚部2cと第2の脚部2dのばね定数を同じにでき より効果的に出力精度を向上させることが 能である。

 また図3や図4に示す実施形態では、前記 1の脚部2c及び第2の脚部2dの先端面2c2,2d2は、 方向及び厚さ方向から成る断面と平行な面 向にて切断されている。ここで幅方向、及 厚さ方向とは、前記摺動子2を折り曲げ加工 等せず、真っ直ぐに延ばした状態において、 図3に示すX方向を幅方向、Y方向を長さ方向、 Z方向を厚さ方向とするものであり、各方向 残り2つの方向に対して直交する関係となっ いる。

 図4に示す形態では、前記第1の脚部2c及び 第2の脚部2dの先端部2c1,2d1を下方へ折り曲げ 形成し、前記先端部2c1,2d1は前記導電パター 10,11上に垂直に当接するが、前記先端部2c1,2 d1以外の前記脚部2c,2dの部分は、前記導電パ ーン10,11の表面に対して垂直方向から斜めに 傾いている。このように、前記脚部2c,2dを前 導電パターン10,11の表面に対して斜めに傾 ることで、前記脚部2c,2d全体を、前記導電パ ターン10,11の表面に対して垂直方向から当接 せる場合に比べて、前記先端面2c2,2d2から前 記導電パターン10,11上にかかる荷重を弱める とができ、効果的に、ヒステリシスを低減 きる。

 また、図5に示す実施形態では、幅方向(X 向)及び厚さ方向(Z方向)から成る断面Aに対 て前記先端面2c3,2d3を斜めに切断している。 れにより、前記先端面2c3,2d3での前記導電パ ターン10,11への接触面積を広くでき、また上 したように、前記脚部2c,2dの部分は、前記 電パターン10,11に対して垂直方向から斜めに 傾いているので、効果的にヒステリシスを低 減でき、出力精度をより向上させることが可 能である。

 なお前記摺動子2,15の形状は図4~図6に示す ものに限定されるものではない。例えば図4, 5では、摺動子2を2箇所折り返して、第1の脚 部2cと第2の脚部2を形成しているが、図7のよ に1箇所のみ折り返して、第1の脚部2cと第2 脚部2dを形成してもよいし、また図4及び図5 は、折り返し部分2a,2bでのどちらか一方の り返す向きを変えてもよい。また前記摺動 2,15の断面形状は矩形状、円状以外に楕円状 であってもよい。

 本実施形態では、例えば、図2に示す支持 体3やホルダ部材4を設けず、摺動子2,15のみで 摺動接点1を構成してもよいが、図2(a)に示す うに支持体3を設け、前記摺動子2を前記支 体3の表面に巻き付けることで、前記摺動子2 を所定形状に形成しやすく、また安定して摺 動子2を支持することが出来る。また支持体3 は両側端面3a,3bが形成されており、前記両 端面3a,3bを基点とすることで前記摺動子2を り返して所定形状に形成しやすい。また支 体3に貫通孔3cを設け、前記貫通孔3cを機器側 の取り付け孔として用いることで、機器側へ の取り付け構成を簡単な構成とすることが可 能である。

 さらに図2(b)に示すように、モールド樹脂 によりなるホルダ部材4を、前記第1の脚部2c び第2の脚部2dの先端部側を除いて、支持体3 び摺動子2の表面を覆うことで、前記摺動子 2及び前記支持体を安定して固定でき、また 力精度を効果的に向上させることが可能で る。

 また図2(b)に示すように前記ホルダ部材4 は前記支持体3に形成された貫通孔3cと厚さ 向にて重なる位置に貫通孔4aが形成されてい るので、前記貫通孔3c,4aを合わせて機器側へ 取り付け孔にでき、機器側への取り付け構 を簡単な構成にすることが出来る。

 また、上記に説明した摺動接点1には、第 1の脚部2cと第2の脚部2dが設けられていたが、 前記摺動接点1には、一本の脚部のみを備え 摺動子が設けられ、各摺動子を組み合わせ 使用してもよい。ただし、1つの摺動接点1の 両側に、2つの脚部2c,2dが形成されるように二 股形状とすることが摺動接点1の構成を簡単 できまた製造コストも低減でき好適である

 図8は、本実施形態の摺動接点1の製造方法 説明するための一連の工程図である。
 図8(a)では、例えば1000~10000本の炭素繊維が となった炭素繊維束体21がボビン20に巻回さ ている。

 図8(b)の工程では、前記ボビン20から引き した前記炭素繊維束体21に、樹脂溶液23を含 浸させる。前記樹脂溶液23に占める固形成分 濃度は例えば20wt%~70wt%である。また、前記 脂溶液23は熱熱硬化性樹脂を含むことが好ま しい。具体的には、トリフェニルグリシジル エーテルメタン(Tri-PGEM)、クレゾールノボラ クエポキシ、テトラグリシジルジアミノフ ニルメタン(Tet-GDDM)、テトラフェニルグリシ ルエーテルエタン(Tet-PGEE)のうち少なくとも いずれか1種を用いることが好ましい。とり け、トリフェニルグリシジルエーテルメタ (Tri-PGEM)を含むことがガラス転移温度Tgを300 程度にまで高くでき、耐熱性に優れた摺動 点1を製造でき好適である。また前記樹脂溶 23には、例えば硬化剤としてジアミノジフ ニルスルフォン(3-3`-DDSや4-4'-DDS)、酸無水物 ジシアンジアミド(DICY)のうち少なくともい れか1種を含み、さらに溶剤には例えばカル トールアセテートを用いている。硬化剤や 剤は上記のものに限定されない。

 前記炭素繊維束体21に樹脂溶液23を含浸さ せた後、前記炭素繊維束体21を絞り部24に通 。前記絞り部24には、例えば幅寸法のほうが 厚さ寸法よりも大きい矩形状の開口部が形成 されており、その開口部内に前記炭素繊維束 体21を通す。すると余分な樹脂溶液23が記炭 繊維束体21から落ちるとともに、前記炭素繊 維束体21が扁平形状となる。

 続いて図8(c)の工程では、前記炭素繊維束 体21を、乾燥機25に入れる。乾燥温度は、前 炭素繊維束体21の表面全体に付着している樹 脂の重合反応開始温度よりも低い温度で行う ことが好適である。樹脂に、トリフェニルグ リシジルエーテルメタン(Tri-PGEM)を使用した き、重合反応開始温度は概ね200℃であるた 、例えば乾燥温度を100℃~125℃の範囲とし、 燥時間を数十秒から数分程度とする。この 燥工程で、樹脂溶液23に含まれる溶剤を蒸 させることが出来る。

 次に図8(d)に示す工程では、前記炭素繊維 束体21を、冷却機26の内部に設けられたボビ 27に巻き取る。前記冷却機26の内部の温度を えば20℃以下とし、湿度を20%以下に設定し おく。

 続いて、図8(e)に示す工程では、前記冷却 機26から前記炭素繊維束体21を引き出す。

 次に、図8(f)に示す工程では、複数の支持 体3が連結して一体化された金属のフープ材( 持連結体)28を用意する。そして、前記炭素 維束体21を前記フープ材28の表面に巻き付け る。図8(f)に示すように、扁平状の炭素繊維 体21を、前記フープ材28の最終的に個々の支 体となる部分の両側端面3a,3bで、前記フー 材28の表側、裏側に交互に折り返して、前記 炭素繊維束体21を前記フープ材28に巻き付け 。

 図8(f)工程では、前記炭素繊維束体21を所 形状に適切に折り曲げることが可能である これは、前記図8(c)の乾燥工程では、樹脂は 硬化されていないためである。

 次に、加熱処理を行って樹脂を硬化させ 。前記加熱温度は、前記乾燥温度よりも高 。例えば加熱温度を150℃~280℃とし、加熱時 間を数十分に調整する。また赤外線を照射す ることで処理時間を短縮してもよい。

 次に、図8(g)に示す工程では、樹脂モール ドによりホルダ部材4を、前記炭素繊維束体21 が前記フープ材28の表面に巻き付けられた最 的に支持体3として残される各領域に成形す る。例えば、図示しない金型の位置合わせを 、フープ材28に形成された貫通孔3cを基準に て行い、前記金型内に溶融樹脂を流し込み このとき、各ホルダ部材4に、前記フープ材2 8に形成された貫通孔3cと厚さ方向にて重なる 位置に貫通孔4aを形成する。

 次に図8(h)に示す工程では、前記フープ材 28とともに炭素繊維束体21をB-B線に沿って切 する。例えばレーザで切断すると、簡単に 断できるとともに綺麗に切断面を形成でき 適である。

 図8(h)に示す工程では、さらに図に示す点 線部分のフープ材28を切断し、前記フープ材2 8を個々の支持体3に分断する。

 図8(h)に示す工程では、フープ材28ととも 炭素繊維束体21を同じ工程内で切断するた 、製造工程を容易化でき、また製造時間を 縮することが出来る。

 図8(i)が完成した摺動接点1の平面図であ 。図8に示す一連の製造工程では、前記摺動 点1を複数個、同時に製造することが可能で ある。

 図9には、支持体3やホルダ部材4を設けず 動子のみで構成される摺動接点を製造する めの一連の製造工程が示されている。

 図9(a)~図9(e)までは、図8(a)~(e)と同じであ 。図9(f)では成形型30を用意する。図9(f)に示 ように、前記成形型30は、例えば、横方向 所定間隔を空けて並設された複数本(図9では 5本)の縦棒31と、縦棒31に対して交差する横棒 32とで構成されている。前記横棒32は、縦方 に所定間隔を空けて複数本(図9では2本)並設 れていることが好ましいが、例えば断面が 形状であれば一つの横棒32だけでも足りる 凹部の部分を炭素繊維束体21を切断するため の切断領域にできる。

 図9(f)に示すように、表面全体に樹脂が付 着している炭素繊維束体21を、前記成形型30 巻き付ける。図9(f)に示すように、前記炭素 維束体21を、前記成形型30の縦棒31の表面に 周程度、巻き付け、2本の横棒32上を横切っ 、隣の縦棒31の表面に半周程度、巻き付け これを繰り返す。

 次に、図8で説明した加熱処理を行って樹 脂を硬化させる。続いて、図9(f)に示す例え C-C線に沿って、前記炭素繊維束体21を切断す ると、摺動子のみからなる摺動接点を複数個 同時に形成することが出来る。

 図8及び図9で説明した本実施形態の摺動 点の製造方法では、炭素繊維束体21に樹脂溶 液23を含浸させた後、乾燥する。続いて、前 炭素繊維束体21を所定形状に折り曲げ、続 て、加熱処理にて前記炭素繊維束体21の表面 全体に付着している樹脂を硬化し、最後に、 前記炭素繊維束体21を切断している。

 上記の製造方法では、炭素繊維束体21に 着している樹脂溶液23を乾燥してから、炭素 繊維束体21を折り曲げるので、折り曲げ工程 は、前記炭素繊維束体21は柔軟性を有して り、炭素繊維束体21を所定形状に簡単且つ適 切に折り曲げることができる。また、炭素繊 維束体21の折り曲げ工程時に、樹脂が流動し くく、炭素繊維束体21の表面全体を樹脂に 適切に覆うことができる。

 そして、折り曲げ工程後、加熱処理を行 、樹脂を硬化させた後に切断を行うので、 記炭素繊維束体21の形状を適切に維持でき とともに、切断を容易に且つ適切に行うこ ができ、綺麗な切断面を形成することが出 る。さらに上記の製造方法では、複数個の 動接点1を同時に形成することが可能である

 また本実施形態の摺動接点1の製造方法で は、図3に示すように、摺動子2の先端部まで 記炭素繊維6の束を樹脂5にて被覆でき、炭 繊維6が露出する切断面を摺動面とすること 、従来に比べてヒステリシスが生じにくい 、出力精度を向上させることができる。

 以上により、所望の形状に簡単に加工で 、且つその形状を適切に維持することが可 な出力精度に優れた摺動接点1を簡単且つ適 切に製造できる。

 また図8及び図9に示す製造工程に示すよ に、炭素繊維束体21に樹脂溶液23を含浸させ 後、乾燥前に、前記炭素繊維束体21を絞り 24に通して余分な樹脂溶液23を除去するとと に、前記炭素繊維束体21の断面形状を所定 状に、例えば扁平状に加工することが好適 ある。乾燥後に絞り部24を通すと、前記炭素 繊維束体21の断面を所定の形状に変形させに くなり、また乾燥後の樹脂が炭素繊維束体2 1から削げ落ちやすく、さらに、乾燥機25まで 炭素繊維束体21を送るまでの間に余分な樹脂 液23が滴ることがある。よって乾燥前に、 記炭素繊維束体21を絞り部24に通すことが好 である。

 また図8(f)に示す工程では、炭素繊維束体 21をフープ材28に巻き付け、図8(h)工程の同じ 程時に、前記炭素繊維束体21とともに、前 フープ材28を切断している。よって、切断を 簡単に行うことが可能であり、また摺動子2 支持体3に支持された摺動接点を複数個同時 形成することができる。また図8に示す製造 工程によれば、前記支持体3から離れる方向 第1の脚部2cと第2の脚部2dを備え、第1の脚部2 c及び第2の脚部2dの端部の夫々に切断による 動面が形成されて成る前記支持体3に支持さ た前記摺動子2を簡単且つ適切に形成するこ とが可能である。また図8(f)に示すように、 ープ材28の各支持体3の両側端面3a,3bを基点と することで前記炭素繊維束体21を折り返しや い。

 図8(g)工程を行わずホルダ部材4を成形し い場合には、図8(f)工程で、前記炭素繊維束 21と前記フープ材28とを接着剤等で接着して おくことが好適である。接着剤が熱硬化型で ある場合には、図8(f)後に行う加熱処理で前 炭素繊維束体21に付着した樹脂とともに前記 接着剤を熱硬化させることが出来る。

 本実施形態の摺動接点1は、自動車のセン サ用の摺動用途のみならず、スイッチ(入力 ンサ)、ロータリーエンコーダ(角度センサ) の広い意味でのセンサとして各種用途に適 可能である。

 図10(a)(b)の夫々に示す右上の摺動子を有 る摺動接点を用いた回転センサにて、マイ ログラディエント評価を行った。

 マイクログラディエントは、リニアリテ を微小区間で規定した規格のことで、図11 示すように、理想直線Pからの出力変動量と て表される。図10に示す縦軸の「Output(%)」 、(出力変動量/理想出力)×100(%)で示され、「 Output(%)」が0%に近いほど出力は理想直線P上に 近づいており、出力精度が向上していること を意味している。

 図10(a)は、本実施例であり、多数の炭素 維の束体の表面を樹脂で被覆した摺動子の 部を切断し、その切断面を摺動面とした形 である。図10(b)は、比較例であり、多数の炭 素繊維の束体の表面を樹脂で被覆した摺動子 をU字状に折り曲げ、U字の底面(切断加工はし ていない)を摺動面とした形態である。

 図10(a)及び図10(b)に示すように本実施例の ほうが、比較例に比べて、マイクログラディ エントが高精度、すなわちリアリティに優れ 出力精度が向上していることがわかった。

本実施の形態の摺動接点と、第1の導電 パターンと第2の導電パターンの斜視図、 (a)はホルダ部材を外した状態での本実 形態の摺動接点の平面図、(b)は、ホルダ部 を付けた状態での本実施形態の摺動接点の 面図、 本実施形態の摺動接点を構成する摺動 の摺動面(切断面)の形態を説明するための 記摺動子の拡大斜視図、 (a)は、本実施形態の摺動子を裏側から た斜視図、(b)は図4(a)の摺動子の部分側面図 、 (a)は、図4(a)とは異なる形態の本実施実 施形態の摺動子を裏側から見た部分斜視図、 (b)は、図5(a)の摺動子の部分側面図、 図4及び図5とは異なる形態の本実施形 の摺動子の斜視図、 図4ないし図6とは異なる形態の本実施 態の摺動子の平面図、 本実施形態の摺動接点の製造方法を説 するための一連の工程図、 図8とは異なる本実施形態の摺動接点の 製造方法を説明するための一連の工程図、 実施例及び比較例のマイクログラディ エント特性のグラフ、 マイクログラディエントの説明図、

符号の説明

1 摺動接点
2、15 摺動子
2c、15a 第1の脚部
2d、15b 第2の脚部
2c2、2d2 先端面(摺動面)
3 支持体
4 ホルダ部材
5 樹脂
6 炭素繊維
10 第1の導電パターン
11 第2の導電パターン
20、27 ボビン
21 炭素繊維束体
23 樹脂溶液
24 絞り部
25 乾燥機
26 冷却機
28 フープ材
30 成形型
31 縦棒
32 横棒