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Title:
SPEED CHANGE POWER TRANSMISSION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096473
Kind Code:
A1
Abstract:
A speed change power transmission device comprising a variable speed section (20) for receiving an engine drive force, a planetary transmission section (P) for composing an output from the variable speed section (20) and the engine drive force not subjected to speed change action at the variable speed section (20) through a plurality of planetary transmission mechanisms (P1, P2, P3), and a speed range setting section (C) for outputting the composite drive force from the planetary transmission section (P) while classifying it into a plurality of speed ranges. An electric motor may be utilized in place of the variable speed section. The planetary transmission section (P), the speed range setting section (C) and a forward/reverse switching section (B) are arranged in front of the rear end of a transmission case portion (9b) on the transmission upstream side. An electric motor may be utilized in place of the variable speed section (20).

Inventors:
HIRAOKA MINORU (JP)
TAKAO YOSHIROU (JP)
ANDOU MASARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/068533
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
September 25, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KUBOTA KK (JP)
HIRAOKA MINORU (JP)
TAKAO YOSHIROU (JP)
ANDOU MASARU (JP)
International Classes:
B60K17/06; F16H47/04; F16H57/02
Foreign References:
JPH04203652A1992-07-24
JP2004069028A2004-03-04
JP2001108060A2001-04-20
JP2007091139A2007-04-12
Other References:
See also references of EP 2116407A4
Attorney, Agent or Firm:
KITAMURA, Shuichiro (Nakanoshima 2-chomeKita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 変速伝動装置が、
 電動モータ、又は、エンジン駆動力が入力される無段変速部と、
 前記無段変速部の出力と前記無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを、又は、前記電動モータの出力とエンジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によって合成する遊星伝動部と、
 前記遊星伝動部の合成駆動力が入力され、第1クラッチと第2クラッチとを備え、第1速度レンジと第2速度レンジを生成して速度レンジ設定部と、
 前記速度レンジ設定部の出力の方向を切り換える正逆回転切り換え部と、
 後端を有する上手側ミッションケース部と、
 少なくとも後輪差動機構を収容し、前記上手側ミッションケース部の前記後端と直接的又は間接的に連結するよう構成された前端を有する下手側ミッションケース部とを備え、
 前記遊星伝動部と前記速度レンジ設定部と前記正逆回転切り換え部とは、同軸上に配置され、かつ、前記上手側ミッションケース部の前記後端の前方に配置されている変速伝動装置。
 前記下手側ミッションケース部に収容され、前記正逆回転切り換え部の出力を受ける副変速部を更に備える請求項1記載の変速伝動装置。
 前記速度レンジ設定部の前記第1クラッチと第2クラッチは油圧クラッチであり、
 前記正逆回転切換え部は油圧クラッチを備え、
 前記速度レンジ設定部における前記油圧クラッチの回転部材と、前記正逆回転切り換え部における前記油圧クラッチの回転部材とが同一の支軸に外嵌している請求項1又は2に記載の変速伝動装置。
 前記速度レンジ設定部の前記第1クラッチと第2クラッチは噛み合いクラッチであり、前記速度レンジ設定部は更に第1と第2クラッチに共用のシフト部材とを備え、
 前記シフト部材に、前記第1と第2クラッチが共に噛み合った状態となる操作位置を、前記第1と第2クラッチの一方のみが噛み合った状態になる操作位置と他方のみが噛み合った状態になる操作位置との間に配置してある請求項1又は2に記載の変速伝動装置。
 前記変速伝動装置は更に、
 前記変速伝動装置により変速された駆動力を出力する出力回転体と、
 人為操作される変速操作部材と、
 前記変速操作部材による変速指令を検出する変速指令検出センサと、前記出力回転体が前記変速操作部材による変速指令に対応した速度レンジでかつ回転速度で駆動されるよう、前記変速指令検出センサによる検出情報を基に、前記電動モータ又は前記無段変速部を変速操作し、かつ前記速度レンジ設定部を切り換え操作するコントローラとを備え、
 前記コントローラを、
 前記出力回転体が前記第1速度レンジで駆動されるよう前記速度レンジ設定部を操作する際、前記電動モータ又は前記無段変速部をこれの逆回転出力側における変速域の全体と、正回転出力側における変速域の全体とにわたって変速操作し、
 前記出力回転体が前記第2速度レンジで駆動されるよう前記速度レンジ設定部を操作する際、前記電動モータ又は前記無段変速部をこれの正回転出力側における変速域の全体と、逆回転出力側における変速域の高速側の一部を除いた低速側変速域部とにわたって変速操作するよう構成してある請求項1又は2に記載の変速伝動装置。
 前記遊星伝動部をエンジン駆動力が非減速状態で入力されるよう構成してある請求項5記載の変速伝動装置。
Description:
変速伝動装置

 本発明は、変速伝動装置に関し、より具 的には、前記無段変速部の出力と前記無段 速部による変速作用を受けないエンジン駆 力とを、又は、前記電動モータの出力とエ ジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によっ 合成する遊星伝動部を有する変速伝動装置 関する。

 上記した変速伝動装置は、無段変速部を えたものの場合、無段変速部が変速操作さ 、この変速操作に併せて速度レンジ設定部 適切に切り換え操作されることにより、エ ジンと無段変速部とから出力されて合成さ た駆動力が複数の速度レンジに段階分けし 、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段 に変速して出力されるものである。電動モ タを備えたものの場合、電動モータが変速 作され、この変速操作に併せて速度レンジ 定部が適切に切り換え操作されることによ 、エンジンと電動モータとから出力されて 成された駆動力が複数の速度レンジに段階 けして、かつ、各段階の速度レンジにおい 無段階に変速して出力されるものである。

 この種の変速伝動装置として、特開2007-91 139で開示されるものが先に開発された。以下 、特開2007-91139で開示される構造について説 するが、その目的は、この公開公報に開示 れる構造と、本出願の構造と比較すること より、本出願の説明する事であり、特開2007- 91139で開示される構造を必ずしも先行技術と て認める訳ではない。図13は、先に開発し 変速伝動装置が装備されたトラクタの走行 動装置の線図である。この図に示すように 先に開発した変速伝動装置は、無段変速部20 と遊星伝動部Pと速度レンジ設定部Cと副変速 Kと正逆回転切り換え部Bとを備えている。

 遊星伝動部Pは、第1遊星伝動機構P1と第2遊 伝動機構P2と第3遊星伝動機構P3とを備えてい る。第1遊星伝動機構P1は、無段変速部20によ 変速作用を受けないエンジン駆動力が入力 れるリングギヤと、無段変速部20からの出 が入力されるサンギヤとを備えている。第2 星伝動機構P2は、第1遊星伝動機構P1のリン ギヤに連動されたキャリヤと、第1遊星伝動 構P1のキャリヤに連動されたリングギヤと 備えている。第3遊星伝動機構P3は、第2遊星 動機構P2のサンギヤに連動されたサンギヤ 、第2遊星伝動機構P2のリングギヤに連動さ たキャリヤとを備えている。速度レンジ設 部Cは、第1クラッチC1と第2クラッチC2とを備 ている。正逆回転切り換え部Bは、前進クラ ッチCFと後進クラッチCRとを備えている。
 尚、図13に示す3は、後輪差動機構であり、7 は、前輪差動機構である。

 図15は、先に開発した変速伝動装置にお る無段変速部20の変速状態と、速度レンジと 、出力軸80の出力速度(以下、出力速度と称す る。)との関係を示す説明図である。図15に示 す「-MAX」は、無段変速部20の逆回転出力側の 変速域における最高速度の変速状態を示し、 「0」は、無段変速部20の中立状態を示し、「 +MAX」は、無段変速部20の正回転出力側の変速 域における最高速度の変速状態を示す。

 図16は、先に開発した変速伝動装置にお る速度レンジと、クラッチの操作状態との 係を示す説明図である。図16に示す「入り」 は、各クラッチC1,C2,CL,CHの入り状態を示し、 -」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの切り状態を示 。

 図14は、先に開発した変速伝動装置が備 る変速操作部のブロック図である。この変 操作部は、変速レバー101と変速モード選択 段102と制御手段105とを備えている。制御手 105は、変速レバー101に連動された変速指令 出手段101による検出情報を基に、第1クラッ C1と第2クラッチC2とを切り換え操作すると もに無段変速部20を変速操作する。制御手段 105は、変速モード選択手段102からの指令を基 に低速クラッチCLと高速クラッチCHとを切り え操作する。

 これらの図に示すように、先に開発した変 伝動装置は、次の如きものである。
 すなわち、副変速部Kの低速クラッチCLが入 状態に、速度レンジ設定部Cの第1クラッチC1 が入り状態で第2クラッチC2が切り状態にそれ ぞれ操作され、この状態で無段変速部20が「- MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると 出力軸80が低速モードの第1速度レンジで駆 され、出力速度が「0」から無段階に増速し いく。無段変速部20が「+MAX」に変速操作さ ると、出力速度が「Vlm」になる。この後、 1クラッチC1が切り状態に、第2クラッチC2が り状態にそれぞれ切り換え操作され、この 態で、無段変速部20が「+MAX」から「-MAX」に 向けて変速操作されると、出力軸80が低速モ ドの第2速度レンジで駆動され、出力速度が 「Vlm」から無段階に増速していく。無段変速 部20が「-MAX」に変速操作されると、出力速度 が「Vlh」になる。

 副変速部Kの高速クラッチCHが入り状態に 速度レンジ設定部Cの第1クラッチC1が入り状 態で第2クラッチC2が切り状態にそれぞれ操作 され、この状態で無段変速部20が「-MAX」から 「+MAX」に向けて変速操作されると、出力軸80 が高速モードの第1速度レンジで駆動され、 力速度が「0」から無段階に増速していく。 段変速部20が「+MAX」に変速操作されると、 力速度が「Vhm」になる。この後、第1クラッ チC1が切り状態に、第2クラッチC2が入り状態 それぞれ切り換え操作され、この状態で、 段変速部20が「+MAX」から「-MAX」に向けて変 速操作されると、出力軸80が高速モードの第2 速度レンジで駆動され、出力速度が「Vhm」か ら無段階に増速していく。無段変速部20が「- MAX」に変速操作されると、出力速度が「Vhh」 になる。

 また、先に開発した変速伝動装置は、ト クタの走行装置に装備されると、作業走行 に走行装置を高トルクで無段階に変速駆動 、移動走行時に走行装置を高速で無段階に 速駆動することができるよう速度レンジ設 部Cからの出力を副変速して出力回転体とし ての出力軸80に伝達することを可能にする。 らに、前進と後進とを操作簡単に切り換え 走行することができるよう速度レンジ設定 Cからの出力を正回転駆動力と逆回転駆動力 とに変換して出力軸80に伝達することを可能 する。

 先に開発した変速伝動装置の場合、トラク を要望に応じて多機種化しようとすると、 スト面で不利になりがちであった。
 すなわち、低速モードと高速モードとの切 換えを必要とする要望の他に、低速モード 高速モードとの切り換えを不要とする要望 ある。トラクタにあっては、低速モードと 速モードとの切り換えが可能なものと、不 能なものとのいずれの機種にも、正逆回転 り換え部を装備する。すると、先に開発し 変速伝動装置を基に多機種化を図るには、 度レンジ設定部Cの出力部と、正逆回転切り 換え部Bの入力部とが副変速部Kを介して連動 るものと、副変速部Kを介さないで連動する ものとを製作することになる。

 本発明の目的は、トラクタに好適な走行装 を得ることができながら、トラクタの多機 化を有利に行いやすい変速伝動装置を提供 ることにある。
 本第1発明は、変速伝動装置が、電動モータ 、又は、エンジン駆動力が入力される無段変 速部と、前記無段変速部の出力と前記無段変 速部による変速作用を受けないエンジン駆動 力とを、又は、前記電動モータの出力とエン ジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によって 合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の合 成駆動力が入力され、第1クラッチと第2クラ チとを備え、第1速度レンジと第2速度レン を生成して速度レンジ設定部と、前記速度 ンジ設定部の出力の方向を切り換える正逆 転切り換え部と、後端を有する上手側ミッ ョンケース部と、少なくとも後輪差動機構 収容し、前記上手側ミッションケース部の 記後端と直接的又は間接的に連結するよう 成された前端を有する下手側ミッションケ ス部とを備え、前記遊星伝動部と前記速度 ンジ設定部と前記正逆回転切り換え部とは 同軸上に配置され、かつ、前記上手側ミッ ョンケース部の前記後端の前方に配置され いる点にある。

 これにより、エンジンと無段変速部とから 出力、又は、エンジンと電動モータとから 出力が遊星伝動部によって合成され、この 成駆動力が速度レンジ設定部と正逆回転切 換え部を介して出力される。
 本第1発明の構成によると、副変速部を備え る場合、副変速部を上手側ミッションケース 部とは別のミッションケース部に備えること ができる。従って、副変速部を備える場合で も、備えない場合でも、変速伝動装置の上手 側ミッションケース部の後端より前方の部分 を利用することができる。

 従って、作業走行時に高トルクで無段階 変速走行でき、移動走行時に高速で無段階 変速走行でき、さらに、正逆回転切り換え の切り換え操作だけで前進走行と後進走行 の切り換えができるようトラクタに好適な 行装置を得ることができるものでありなが 、異なるタイプのトランスミッションに利 できる変速伝動装置を提供できる。

 本第2発明は、前記下手側ミッションケー ス部に収容され、前記正逆回転切り換え部の 出力を受ける副変速部を更に備える点にある 。副変速部を備えることにより、例えば、高 速モードと低速モード等の複数の速度モード の間で切り換えが可能な機種を製作できる。

 本第3発明は、前記速度レンジ設定部の前 記第1クラッチと第2クラッチは油圧クラッチ あり、前記正逆回転切換え部は油圧クラッ を備え、前記速度レンジ設定部における前 油圧クラッチの回転部材と、前記正逆回転 り換え部における前記油圧クラッチの回転 材とが同一の支軸に外嵌している点にある

 これにより、速度レンジ設定用の油圧クラ チを操作するための操作油路と、伝動回転 向設定用の油圧クラッチを操作するための 作油路とを前記支軸に設けて、速度レンジ 定部と正逆回転切り換え部とを操作するこ ができる。
 従って、速度レンジ設定部と正逆回転切り え部とを操作するための油圧回路を、速度 ンジ設定部のための操作油路も、正逆回転 り換え部のための操作油路も支軸に設けた ンパクトな状態とし、変速伝動装置をコン クトにすることが可能となる。

 本第4発明は、前記速度レンジ設定部の前 記第1クラッチと第2クラッチは噛み合いクラ チであり、前記速度レンジ設定部は更に第1 と第2クラッチに共用のシフト部材とを備え 前記シフト部材に、前記第1と第2クラッチが 共に噛み合った状態となる操作位置を、前記 第1と第2クラッチの一方のみが噛み合った状 になる操作位置と他方のみが噛み合った状 になる操作位置との間に配置してある点に る。

 本第4発明の構成によると、速度レンジ設 定部が一方の速度レンジ設定状態と他方の速 度レンジ設定状態とに切り換えられる際、切 り換え途中においてシフト部材がいずれの噛 み合いクラッチにも噛み合った状態になり、 いずれの噛み合いクラッチも噛み合い解除状 態になることによって発生する伝動遮断の発 生を回避しながら行われる。

 従って、速度レンジ設定部を噛み合いク ッチの採用によって構造面及びコスト面で 利に得るものでありながら、速度レンジ設 状態の切り換え途中において伝動遮断が発 せず、伝動遮断の発生による変速ショック 少ないスムーズな変速を行うことができる

 この種の変速伝動装置では、遊星伝動機構 重量が大になりがちであり、遊星伝動部の 転速度が高速になると、遊星伝動部の動慣 が大になりやすい。すると、摩擦クラッチ 採用している装置部分に滑りが発生しやす なる。すなわち、伝動ロスが大きくなりや い。このため、先に開発した変速伝動装置 、遊星伝動部の低速化を図るよう、図13に す如く第1遊星伝動機構P1のリングギヤにエ ジン駆動力を減速機構115を介して入力して た。減速機構115は、無段変速部20のポンプ軸 21に連動されたギヤ115aと、このギヤ115aに噛 合ったギヤ115bとを備えている。
 先に開発した変速伝動装置では、エンジン 動力を遊星伝動部に入力する機構の面から くなったり、大型になったりしがちであっ 。

 本第5発明では、前記変速伝動装置は更に 、前記変速伝動装置により変速された駆動力 を出力する出力回転体と、人為操作される変 速操作部材と、前記変速操作部材による変速 指令を検出する変速指令検出センサと、前記 出力回転体が前記変速操作部材による変速指 令に対応した速度レンジでかつ回転速度で駆 動されるよう、前記変速指令検出センサによ る検出情報を基に、前記電動モータ又は前記 無段変速部を変速操作し、かつ前記速度レン ジ設定部を切り換え操作するコントローラと を備え、前記コントローラを、前記出力回転 体が前記第1速度レンジで駆動されるよう前 速度レンジ設定部を操作する際、前記電動 ータ又は前記無段変速部をこれの逆回転出 側における変速域の全体と、正回転出力側 おける変速域の全体とにわたって変速操作 、前記出力回転体が前記第2速度レンジで駆 されるよう前記速度レンジ設定部を操作す 際、前記電動モータ又は前記無段変速部を れの正回転出力側における変速域の全体と 逆回転出力側における変速域の高速側の一 を除いた低速側変速域部とにわたって変速 作するよう構成してある。

 これにより、エンジン駆動力が遊星伝動 に非減速状態で入力されるようにして、あ いは減速状態で入力されるよう構成する必 があっても減速比を小に済ませて、遊星伝 部に発生する最高速回転数を比較的、低回 数に済ませることができる。

 従って、遊星伝動部の最高回転数が低回転 で伝動ロスを極力少なくすることができる のでありながら、エンジンから遊星伝動部 入力する機構が減速不要にしたりや小減速 とすることができる。
 本第6発明では、前記遊星伝動部をエンジン 駆動力が非減速状態で入力されるよう構成し てある点にある。これにより遊星伝動部に入 力されるエンジン駆動力の減速を不要になる 。

は、第一実施形態の変速伝動装置を備 たトラクタの走行伝動装置の線図であり、 は、ミッションケースの断面図であり は、遊星伝動部と速度レンジ設定部と 断面図であり、 は、正逆回転切り換え部と副変速部と 断面図であり、 は、速度モードと速度レンジとクラッ 操作状態との関係を示す説明図であり、 は、無段変速部の変速状態と、速度レ ジと、速度モードと、出力速度との関係を す説明図であり、 は、変速操作部のブロック図であり、 は、第二実施形態の変速伝動装置を備 たトラクタの走行伝動装置の線図であり、 は、第三実施形態の変速伝動装置を備 たトラクタの走行伝動装置の線図であり、 は、第三実施形態の変速伝動装置の速 度レンジ設定部と正逆回転切り換え部との断 面図であり、 の(A)は、速度レンジ設定部の第1速度 ンジ設定状態と、正逆回転切り換え部の正 転伝動状態とでの断面図、であり、(B)は、 度レンジ設定部と正逆回転切り換え部との り換わり途中での断面図、であり、(C)は、 度レンジ設定部の第2速度レンジ設定状態と 正逆回転切り換え部の逆回転伝動状態とで 断面図、であり、 は、第四実施形態の変速伝動装置を備 えたトラクタの走行伝動装置の線図であり、 は、先に開発した変速伝動装置を備え たトラクタの走行伝動装置の線図であり、 は、先に開発した変速伝動装置の変速 操作部のブロック図であり、 は、先に開発した変速伝動装置の無段 変速部の変速状態と、速度レンジと、速度モ ードと、出力速度との関係を示す説明図であ り、 は、先に開発した変速伝動装置のクラ ッチの操作状態と、速度レンジと、速度モー ドとの関係を示す説明図である。

 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて 明する。複数の実施形態について説明され が、一つの実施形態の特徴と、別の実施形 の特徴の組み合わせも本発明の範囲内であ と考えられる。
 図1は、本発明の第一実施形態に係る変速伝 動装置Aが装備されたトラクタの走行伝動装 の線図である。この図に示すように、走行 動装置は、エンジン1の出力軸1aからの出力 入力される主クラッチ2と、この主クラッチ2 の出力軸2aに入力軸21が連結された変速伝動 置Aと、この変速伝動装置Aの出力回転体とし ての出力軸80に入力ギヤ3aが連結された後輪 動機構3と、前記出力軸80の駆動力が伝動ギ 4aと伝動ギヤ4bと伝動軸5とを介して入力され る前輪変速装置Dと、この前輪変速装置Dの出 軸94からの駆動力が伝動軸6を介して入力さ る前輪差動機構7と、前記伝動軸5に前記伝 ギヤ4bの近くに配置して設けたブレーキディ スク8とを備えている。主クラッチ2の出力軸2 aと、変速伝動装置Aの入力軸21とは、同一の になっている。

 尚、図1に示す如くミッションケース9の 部に設けた動力取り出し軸10は、トラクタの 車体後部に連結されたロータリ耕耘装置(図 せず)など、各種の作業装置に前記エンジン1 の駆動力を伝達するものである。この動力取 り出し軸10は、作業変速装置11と、伝動軸12と 、作業クラッチ13と、伝動軸14とを介して前 入力軸21に連動されている。

 図1に示すように、本第一実施形態に係る 変速伝動装置Aは、前記入力軸21と前記出力軸 80とを備える他、前記入力軸21を有した無段 速部20、この無段変速部20の車体後方側に位 した遊星伝動部Pと、この遊星伝動部Pの車 後方側に位置した速度レンジ設定部Cと、こ 速度レンジ設定部Cの車体後方側に位置した 正逆回転切り換え部Bと、この正逆回転切り え部Bからの出力が伝達されるよう正逆回転 り換え部Bよりも伝動方向での下手側に配置 した副変速部Kとを備えている。

 前記無段変速部20は、クラッチハウジン 15の内部に位置している。クラッチハウジン グ15は、前記ミッションケース9の前部に連設 されている。遊星伝動部Pと速度レンジ設定 Cと正逆回転切り換え部Bと副変速部Kとは、 記ミッションケース9の内部に位置している

 図2に示すように、前記ミッションケース 9は、このミッションケース9の車体前後方向 の中間部に設けたミッションケース分割線9 aを備え、このミッションケース分割線9aによ って伝動上手側ミッションケース部9bと、伝 下手側ミッションケース部9cとに分割でき 。すなわち分割線9aは、伝動上手側ミッショ ンケース部9bの後端を示している。前記上手 ミッションケース部9bは、前記遊星伝動部P 前記速度レンジ設定部Cと前記正逆回転切り 換え部Bと前記前輪変速装置Dとを収容してい 。前記下手側ミッションケース部9cは、前 副変速部Kと前記後輪差動機構3と前記ブレー キディスク8とを収容している。

 前記無段変速部20は、前記入力軸21をポン プ軸(以下、入力軸21をポンプ軸21と称する。) としているアキシャルプランジャ形でかつ可 変容量形の油圧ポンプ22と、この油圧ポンプ2 2からの圧油によって駆動されるアキシャル ランジャ形の油圧モータ23とを備えて構成し てある。無段変速部20は、静油圧式無段変速 置になっている。

 つまり、無段変速部20は、油圧ポンプ22の 斜板角を変更されることにより、正回転伝動 状態と中立状態と逆回転伝動状態とに切り換 わる。無段変速部20は、正回転伝動状態に切 換えられた状態において、油圧ポンプ22の 板角を変更されることにより、エンジン1か の駆動力を正回転方向の駆動力に変換して つ無段階に変速してモータ軸24から出力す 。無段変速部20は、逆回転伝動状態に切り換 えられた状態において、油圧ポンプ22の斜板 を変更されることにより、エンジン1からの 駆動力を逆回転方向の駆動力に変換してかつ 無段階に変速してモータ軸24から出力する。 段変速部20は、中立状態に切り換えられる 、モータ軸24からの出力を停止する。

 図3は、前記遊星伝動部Pの断面状態を示 ている。この図と図1とに示すように、前記 星伝動部Pは、前記無段変速部20と前記速度 ンジ設定部Cとの間に車体前後方向に並べて 設けた第1遊星伝動機構P1と第2遊星伝動機構P2 と第3遊星伝動機構P3とを備えている。

 各遊星伝動機構P1,P2,P3は、前記伝動軸14と 同芯状に位置したサンギヤ31,41,51と、このサ ギヤ31,41,51の周囲に分散して位置するとと にサンギヤ31,41,51に噛み合った複数個の遊星 ギヤ32,42,52と、各遊星ギヤ32,42,52を支軸部材33 ,43,53を介して自転自在に支持するキャリヤ34, 44,54と、各遊星ギヤ32,42,52に内歯で噛合った ングギヤ35,45,55とを備えている。第1遊星伝 機構P1のキャリヤ34は、前記伝動軸14に相対 転自在に外嵌している筒軸36にベアリングを 介して相対回転自在に支持されている。第1 星伝動機構P1のサンギヤ31は、前記筒軸36に 持されている。

 このサンギヤ31と筒軸36とは、スプライン による係合によって一体回転自在に連結して いる。第2遊星伝動機構P2のキャリヤ44は、前 伝動軸14に支持されている。このキャリヤ44 と伝動軸14とは、スプラインによる係合によ て一体回転自在に連結している。第2遊星伝 動機構P2のサンギヤ41は、前記伝動軸14に外嵌 された筒軸46に支持されている。このサンギ 41と筒軸46とはスプラインによる係合によっ て一体回転自在に連結している。第3遊星伝 機構P3のキャリヤ54は、前記筒軸46にベアリ グを介して相対回転自在に支持されている 第3遊星伝動機構P3のサンギヤ51は、前記筒軸 46に一体形成されており、この筒軸46と一体 転する。第1遊星伝動機構P1のリングギヤ35と 第2遊星伝動機構P2のキャリヤ44とは、リング ヤ35の一端部とキャリヤ44の外周部との溶接 によって一体回転自在に連結している。第1 星伝動機構P1のキャリヤ34と、第2遊星伝動機 構P2のリングギヤ45と、第3遊星伝動機構P3の ャリヤ54とは、両キャリヤ34,54とリングギヤ4 5の外周側にスプラインによって係合した筒 の連動部材37によって一体回転自在に連結し ている。第3遊星伝動機構P3のリングギヤ55は このリングギヤ55の一端部に外周側が連結 た円板形の連動部材56によって前記速度レン ジ設定部Cの入力側部材61に一体回転自在に連 結している。前記筒軸36は、これの端部に一 形成した伝動ギヤ38と、この伝動ギヤ38に噛 み合った伝動ギヤ39と、この伝動ギヤ39を一 回転自在に支持する回転支軸39aとを介して 記モータ軸24に連動している。

 つまり、遊星伝動部Pは、エンジン1の出 軸1aから主クラッチ2を介してポンプ軸21の前 端側に伝達され、ポンプ軸21の後端側から出 される駆動力を、伝動軸14を介して第2遊星 動機構P2のキャリヤ44と第1遊星伝動機構P1の リングギヤ35とに入力する。これにより、遊 伝動部Pは、エンジン1の出力軸1aから出力さ れたエンジン駆動力を無段変速部20による変 作用を受けない状態で、かつ、非減速状態 第2遊星伝動機構P2のキャリヤ44と第1遊星伝 機構P1のリングギヤ35とに入力する。遊星伝 動部Pは、無段変速部20のモータ軸24からの出 を回転支軸39aと伝動ギヤ39と伝動ギヤ38と筒 軸36とを介して第1遊星伝動機構P1のサンギヤ3 1に入力する。遊星伝動部Pは、このように入 したエンジン駆動力と、無段変速部20から 駆動力とを三つの遊星伝動機構P1,P2,P3によっ て合成し、この合成駆動力を筒軸46と連動部 56とに出力して前記速度レンジ設定部Cに伝 する。

 図3は、前記速度レンジ設定部Cの断面状態 示している。この図と図1とに示すように、 記速度レンジ設定部Cは、前記筒軸46の周囲 筒軸46の軸芯方向に並べて設けた第1クラッ C1と第2クラッチC2とを備えている。
 前記第1クラッチC1は、円筒形の前記入力側 材61と、この入力側部材61の外周側に位置し た円筒形の出力側部材62と、この出力側部材6 2と前記入力側部材61とにわたって設けた多板 式の摩擦クラッチ本体63と、前記出力側部材6 2の内側に摺動操作自在に設けた油圧ピスト 64とを備えている。前記入力側部材61は、前 筒軸46にベアリングを介して相対回転自在 支持されている。この入力側部材61は、前記 連動部材56に一体回転自在に連結している。 記出力側部材62は、これの内部に連設され 取り付け部材65を介して前記筒軸46に相対回 自在に外嵌している。

 油圧ピストン64は、前記伝動軸14の内部に 設けた操作油路64aによる操作油圧の供給と排 出によって摺動操作される。摩擦クラッチ本 体63が油圧ピストン64によって加圧操作され と、第1クラッチC1は、前記リングギヤ55によ って連動部材56を介して駆動される入力側部 61の駆動力を摩擦クラッチ本体63を介して出 力側部材62に伝達するよう入り状態になる。 圧ピストン64による摩擦クラッチ本体63の加 圧操作が解除されると、第1クラッチC1は、入 力側部材61から出力側部材62への伝動を遮断 るよう切り状態になる。

 前記第2クラッチC2は、円筒形の入力側部 66と、この入力側部材66の外周側に位置した 円筒形の出力側部材67と、この出力側部材67 前記入力側部材66とにわたって設けた多板式 の摩擦クラッチ本体68と、出力側部材67の内 に摺動操作自在に設けた油圧ピストン69とを 備えている。前記入力側部材66は、前記筒軸4 6にスプライン係合によって一体回転自在に 結している。

 油圧ピストン69は、前記伝動軸14の内部に 設けた操作油路69aによる操作油圧の供給と排 出によって摺動操作される。摩擦クラッチ本 体68が油圧ピストン69によって加圧操作され と、第2クラッチC2は、前記サンギヤ41,51によ って筒軸46を介して駆動される入力側部材66 駆動力を摩擦クラッチ本体68を介して出力側 部材67に伝達するよう入り状態になる。油圧 ストン69による摩擦クラッチ本体68の加圧操 作が解除されると、第2クラッチC2は、入力側 部材66から出力側部材67への伝動を遮断する う切り状態になる。

 第1クラッチC1の出力側部材62と、第2クラ チC2の出力側部材67とは、一体形成されてい る。第2クラッチC2の出力側部材67は、円形の 動部材70を介して前記正逆回転切換え部Bの 力筒軸71に一体回転自在に連結されている これにより、第1クラッチC1の出力側部材62と 、第2クラッチC2の出力側部材67とは、前記取 付け部材65と、この取り付け部材65が相対回 転自在に外嵌している前記筒軸46とを介して 軸としての前記伝動軸14に相対回転自在に 持されている。第1クラッチC1の出力側部材62 と、第2クラッチC2の出力側部材67とは、連動 材70を介して前記伝動筒軸71に一体回転自在 に連動している。正逆回転切り換え部Bの前 入力筒軸71は、前記伝動軸14に相対回転自在 外嵌している。前記連動部材70と前記出力 部材67とは、連動部材70と出力側部材67との 方に設けた凹部と他方に設けた突部とを備 た係合型式の連結手段Eによって一体回転及 係脱自在に連結している。すなわち、前記 動部材70を組み付けた状態にある正逆回転 り換え部Bの入力筒軸71が伝動軸14にこれの後 方側から外嵌され、正逆回転切り換え部Bが 動軸14に組み付けられるに伴って連動部材70 第2クラッチC2の出力側部材67に一体回転自 に連結する。

 図4は、前記副変速部Kの断面状態を示し いる。この図と図1とに示すように、前記副 速部Kは、前記出力軸80を備える他、前記正 回転切り換え部Bの出力軸72の後端部と前記 力軸80の前端部とにわたって設けた低速伝 ギヤ機構81と、前記出力軸72の後端部と前記 力軸80の前端部とにわたって設けた高速ク ッチCHと、前記出力軸80の前端部と前記低速 動ギヤ機構81が備えている伝動ギヤ82とにわ たって設けた低速クラッチCLとを備えている

 前記高速クラッチCHは、前記低速伝動ギヤ 構81が備えている伝動ギヤ83の側部に一体回 自在に設けた高速ギヤ84と、前記出力軸80の 端部にギヤ支持体85を介して一体回転及び摺 操作自在に設けたシフトギヤ86とを備えて 成してある。前記伝動ギヤ83は、前記出力軸 72に一体形成されている。これにより、伝動 ヤ83は、出力軸72と一体回転する。
 前記低速クラッチCLは、前記伝動ギヤ82の側 部に一体回転自在に設けた低速ギヤ87と、前 シフトギヤ86とを備えて構成してある。前 伝動ギヤ82は、前記出力軸80に相対回転自在 支持されている。これにより、低速ギヤ87 、出力軸80と相対回転する。

 前記シフトギヤ86は、ギヤ支持体85に沿わ せて摺動操作され、ギヤ支持体85と前記高速 ヤ84とにわたって噛み合った高速位置と、 ヤ支持体85と前記低速ギヤ87とにわたって噛 合った低速位置とに切り換え操作される。 フトギヤ86が高速位置に切り換えられると 高速クラッチCHは、高速ギヤ84の駆動力をシ トギヤ86とギヤ支持体85とを介して出力軸80 伝達するよう入り状態になる。すると、副 速部Kは、正逆回転切り換え部Bの出力軸72の 駆動力を高速クラッチCHを介して出力軸80の 端側に伝達し、この出力軸80の後端側から後 輪差動機構3と前輪変速装置Dとに伝達するよ 高速状態になる。シフトギヤ86が高速ギヤ84 から離脱操作されると、高速クラッチCHは、 速ギヤ84から出力軸80への伝動を遮断するよ う切り状態になる。

 シフトギヤ86が前記低速位置に切り換え 作されると、低速クラッチCLは、低速ギヤ87 駆動力をシフトギヤ86とギヤ支持体85とを介 して出力軸80に伝達するよう入り状態になる すると、副変速部Kは、正逆回転切り換え部 Bの出力軸72の駆動力を低速伝動ギヤ機構81と 速クラッチCLとを介して出力軸80の前端側に 伝達してこの出力軸80の後端側から後輪差動 構3と前輪変速装置Dとに出力するよう低速 態になる。シフトギヤ86が低速ギヤ87から離 操作されると、低速クラッチCLは、低速ギ 87から出力軸80への伝動を遮断するよう切り 態になる。

 図5は、前記各クラッチC1,C2,CL,CHの操作状 と、速度レンジ設定部Cによって設定される 速度レンジと、副変速部Kによって設定され 速度モードとの関係を示す説明図である。 5に示す「入り」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの り状態を示し、「-」は、各クラッチC1,C2,CL,C Hの切り状態を示す。図6は、無段変速部20の 速状態と、速度レンジ設定部Cによって設定 れた速度レンジと、副変速部Kによって設定 された速度モードと、出力軸80の駆動速度(以 下、出力速度と称する。)との関係を示す説 図である。図6の横軸は、無段変速部20の変 状態を示し、縦軸は、出力速度を示す。横 の「-MAX」は、無段変速部20の逆回転伝動状 での最高速度の変速状態を示し、「0」は、 段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、 段変速部20の正回転伝動状態での最高速度 変速状態を示す。

 これらの図に示すように、速度レンジ設 部Cは、各クラッチC1,C2が適切に切り換え操 されることにより、遊星伝動部Pからの合成 駆動力を第1速度レンジと第2速度レンジとの 段階の速度レンジに段階分けして正逆回転 り換え部Bと副変速部Kとを介して出力軸80に 伝達するよう速度レンジ設定を行う。

 図4と図5に示すように、副変速部Kは、低 クラッチCLが入り状態に、高速クラッチCHが 切り状態にそれぞれ切り換え操作されると、 正逆回転切り換え部Bの出力軸72から出力され た駆動力を低速伝動機構81と低速クラッチCL を介して出力軸80の前端側に伝達し、この出 力軸80の後端側から後輪差動機構3と前輪差動 機構7とに伝達するよう低速モードになる。 変速部Kは、低速クラッチCLが切り状態に、 速クラッチCHが入り状態にそれぞれ切り換え 操作されると、正逆回転切り換え部Bの出力 72から出力された駆動力を高速クラッチCHを して出力軸80の前端側に伝達し、この出力 80の後端側から後輪差動機構3と前輪差動機 7とに伝達するよう高速モードになる。

 すなわち、第1クラッチC1と低速クラッチC Lとが入り状態に操作され、第2クラッチC2と 速クラッチCHとが切り状態に操作された場合 、速度レンジ設定部Cと副変速部Kとは、無段 速部20が「-MAX」から「+MAX」に向けて変速操 作されるに伴って出力速度が「0」から無段 に増速し、無段変速部20が「+MAX」になると 出力速度が「Vlm」になるよう低速モードの 1速度レンジを設定する。

 第2クラッチC2と低速クラッチCLとが入り 態に操作され、第1クラッチC1と高速クラッ CHとが切り状態に操作された場合、速度レン ジ設定部Cと副変速部Kとは、無段変速部20が +MAX」から「-MAX」に向けて変速操作されるに 伴って出力速度が「Vlm」から無段階に増速し 、無段変速部20が「-MAX」になると、出力速度 が「Vlh」になるよう低速モードの第2速度レ ジを設定する。このように速度レンジ設定 Cと副変速部Kとによって低速モードの第2速 レンジを設定された場合、無段変速部20が「 -HV」に操作されると、出力速度が「Vla」にな る。

 第1クラッチC1と高速クラッチCHとが入り 態に操作され、第2クラッチC2と低速クラッ CLとが切り状態に操作された場合、速度レン ジ設定部Cと副変速部Kとは、無段変速部20が -MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されるに 伴って出力速度が「0」から無段階に増速し 無段変速部20が「+MAX」になると、出力速度 「Vhm」になるよう高速モードの第1速度レン を設定する。

 第2クラッチC2と高速クラッチCHとが入り 態に操作され、第1クラッチC1と低速クラッ CLとが切り状態に操作された場合、速度レン ジ設定部Cと副変速部Kとは、無段変速部20が +MAX」から「-MAX」に向けて変速操作されるに 伴って出力速度が「Vhm」から無段階に増速し 、無段変速部20が「-MAX」になると、出力速度 が「Vhh」になるよう高速モードの第2速度レ ジを設定する。このように速度レンジ設定 Cと副変速部Kとによって高速モードの第2速 レンジを設定された場合、無段変速部20が「 -HV」になると、出力速度が「Vha」になる。

 図4は、前記正逆回転切り換え部Bの断面 示している。この図と図1とに示すように、 逆回転切り換え部Bは、前記入力筒軸71と前 出力軸72とを備える他、前記入力筒軸71に車 体前後方向に並べて設けた前進クラッチCFと 進クラッチCRと、前記前進クラッチCFの出力 側部材73と前記出力軸72とにわたって設けた 進伝動ギヤ機構74と、前記後進クラッチCRの 力側部材75と前記出力軸72とにわたって設け た後進伝動ギヤ機構76とを備えている。前記 進伝動ギヤ機構74は、前記出力側部材73に一 体回転自在に設けたギヤ74aと、このギヤ74aに 噛み合ったギヤ74bとを備えている。ギヤ74bは 、前記出力軸72に一体回転自在に連結してい 。前記後進伝動ギヤ機構76は、前記出力側 材75に一体回転自在に設けたギヤ76aと、この ギヤ76aに噛み合った逆転用の中継ギヤ76bと、 この中継ギヤ76bに噛み合ったギヤ76cとを備え ている。ギヤ76cは、前記出力軸72に一体回転 在に連結している。

 前進クラッチCFと後進クラッチCRとは、入力 側部材77と出力側部材73,75とにわたって設け 多板式の摩擦クラッチ本体73a,75aと、入力側 材77の内側に摺動自在に設けた油圧ピスト 78,79とを備えている。
 すなわち、前進クラッチCFと後進クラッチCR とは、前記油圧ピストン78,79が前記伝動軸14 内部に設けた操作油路78a,79aによる操作油圧 供給と排出によって摺動操作され、この油 ピストン78,79が前記摩擦クラッチ本体73a,75a 加圧操作すると、前記入力筒軸71によって 動される入力側部材77の駆動力を摩擦クラッ チ本体73a,75aを介して出力側部材73,75に伝達す るよう入り状態になる。前進クラッチCFと後 クラッチCRとは、摩擦クラッチ本体73a,75aの 圧ピストン78,79による加圧操作が解除され と、入力側部材77から出力側部材73,75への伝 を遮断するよう切り状態になる。

 前進クラッチCFと後進クラッチCRとの入力 側部材77は、一体部材になっている。この入 側部材77は、これの内側に連設された取り け部材77aと、この取り付け部材77aと前記入 筒軸71とにわたって装着した複数本の連結ピ ン90とを介して入力筒軸71に一体回動自在に 結している。前記各連結ピン90は、これの両 端側に開口した貫通孔を有した中空ピンにな っており、前進クラッチCF、後進クラッチCR 内部を伝動軸14の内部に設けた排油路91に連 させるドレン油路を貫通孔によって形成し いる。

 すなわち、正逆回転切り換え部Bは、前進 クラッチCFが入り状態に、後進クラッチCRが り状態にそれぞれ操作されると、入力筒軸71 の駆動力を前進クラッチCFと前進伝動ギヤ機 74とを介して出力軸72に伝達し、この出力軸 72から前記副変速部Kに出力するよう正回転伝 動状態になる。正逆回転切り換え部Bは、前 クラッチCFが切り状態に、後進クラッチCRが り状態にそれぞれ操作されると、入力筒軸7 1の駆動力を後進クラッチCRと後進伝動ギヤ機 構76とを介して出力軸72に伝達し、この出力 72から前記副変速部Kに出力するよう逆回転 動状態になる。

 前輪変速装置Dは、等速クラッチ95と増速 ラッチ96との切り換え操作によって等速伝 状態と増速伝動状態とに切り換えられる。 輪変速装置Dは、等速状態に切り換えられる 、左右一対の前車輪の平均周速度が左右一 の後車輪の平均周速度と等しくなる状態で 車輪が駆動されるよう前輪差動機構7に伝動 する。前輪変速装置Dは、増速伝動状態に切 換えられると、左右一対の前車輪の平均周 度が左右一対の後車輪の平均周速度の約2倍 速さとなる状態で前車輪が駆動されるよう 輪差動機構7に伝動する。

 図7は、走行伝動装置が備える変速操作部 のブロック図である。この図に示すように、 変速操作部は、変速レバー100と、この変速レ バー100に装着された変速指令検出手段101と、 変速モード選択手段102と、前後進レバー103と 、この前後進レバー103に装着された前後進検 出手段104と、前記変速指令検出手段101と変速 モード選択手段102と前後進検出手段104とに連 係されたコントローラ(制御手段)105とを備え いる。変速レバー100と変速モード選択手段1 02と前後進レバー103とは、トラクタの運転部 設けてある。コントローラ105は、前記無段 速部20の変速操作部を操作する変速アクチ エータ(図示せず)を介して前記無段変速部20 連係されている。コントローラ105は、前記 1クラッチC1と前記第2クラッチC2と前記前進 ラッチCFと前記後進クラッチCRとを各別に操 作するクラッチバルブ(図示せず)を介して前 第1クラッチC1と前記第2クラッチC2と前記前 クラッチCFと前記後進クラッチCRとに連係さ れている。コントローラ105は、前記低速クラ ッチCLと前記高速クラッチCHとの前記シフト ヤ86をシフト操作するアクチュエータ(図示 ず)を介して前記低速クラッチCLと前記高速 ラッチCHとに連係されている。コントローラ 105には、変速検出手段106とエンジン回転セン サ107と無段変速部回転センサ108と車速センサ 109とが連係されている。

 変速レバー100は、中立位置Nから最高速位 置maxに至る操作域Sにおいて揺動操作する。 記操作域Sのうち、中立位置Nから中間位置m 至る部分が低速側操作域Lとなり、前記中間 置mから最高速位置maxに至る部分が高速側操 作域Hとなっている。

 変速モード選択手段102は、低速位置と高 位置とに切り換え自在な切り換えスイッチ よって構成してある。この変速モード選択 段102は、低速位置に切り換え操作されると 低速モード指令をコントローラ105に出力し 高速位置に切り換え操作されると、高速モ ド指令をコントローラ105に出力する。

 変速指令検出手段(変速指令検出センサ)10 1は、変速レバー100に連動された回転ポテン ョメータによって構成してある。この変速 令手段101は、変速レバー100の操作位置を変 指令として検出し、この検出結果をコント ーラ105に出力する。この他、変速指令検出 段(変速指令検出センサ)としてスイッチ等、 周知の技術を利用しても良い。

 変速検出手段106は、無段変速部20の変速 作部に連動された回転ポテンショメータに って構成してある。この変速検出手段106は 無段変速部20の変速状態を検出し、この検出 結果をコントローラ105にフィードバックする 。無段変速部回転センサ108は、無段変速部20 モータ軸24による出力回転数を検出し、こ 検出結果をコントローラ105に出力する。車 センサ109は、前記出力軸80の回転数を車速と して検出し、この検出結果をコントローラ105 に出力する。

 前後進レバー103は、前進位置Fと中立位置 Nと後進位置Rとに切り換え操作する。前後進 出手段104は、前後進レバー103に連動された 転ポテンショメータによって構成してある この前後進検出手段104は、前後進レバー103 操作位置を検出し、この検出結果をコント ーラ105に出力する。

 コントローラ105は、マイクロコンピュー 、メモリ、通信部などの本明細書に記載さ ている機能を実行するために必要なハード エアと、アルゴリズムをコード化したソフ ウエアを有する。このコントローラ105は、 速モード選択手段102が低速位置に操作され と、変速モード選択手段102からの低速モー 指令を基に低速モードになる。コントロー 105は、低速モードになった場合、変速レバ 100が低速側操作域Lにあれば、変速指令検出 手段101による検出情報を基に、第1クラッチC1 と低速クラッチCLとを入り状態に、第2クラッ チC2と高速クラッチCHとを切り状態にそれぞ 操作し、かつ、変速レバー100が中立位置Nか 中間位置mに向けて操作されるに伴い、変速 指令検出手段101と変速検出手段106とによる検 出情報を基に、無段変速部20を「-MAX」から「 +MAX」に向けて変速操作する。このとき、コ トローラ105は、変速指令検出手段101と変速 出手段106とによる検出情報を基に、無段変 部20をこれの逆回転伝動状態における変速域 SR(図6参照、以下、逆回転変速域SRと称する。 )の全体と、正回転伝動状態における変速域SF (図6参照、以下、正回転変速域SFと称する。) 全体とにわたって変速操作し、変速レバー1 00が中間位置mになると、無段変速部20を「+MAX 」に操作する。

 コントローラ105は、低速モードになった 合、変速レバー100が高速側操作域Hにあれば 、変速指令検出手段101による検出情報を基に 、第2クラッチC2と低速クラッチCLとを入り状 に、第1クラッチC1と高速クラッチCHとを切 状態にそれぞれ操作し、かつ、変速レバー10 0が中間位置mから最高速位置maxに向けて操作 れるに伴い、変速指令検出手段101と変速検 手段106とによる検出情報を基に、無段変速 20を「+MAX」から「-VH」に向けて変速操作す 。このとき、コントローラ105は、変速指令 出手段101と変速検出手段106とによる検出情 を基に、無段変速部20をこれの正回転側変 域SFの全体と、逆回転側変速域SRのうちの高 側の一部SRHを除いた低速側変速域部SRLとに たって変速操作し、変速レバー100が最高速 置maxになると、無段変速部20を「-VH」に操 する。すなわち、変速レバー100が最高速位 maxになっても、無段変速部20を「-MAX」まで 速操作せず、「-MAX」よりも低速の「-VH」の 速状態で留める。

 コントローラ105は、変速モード選択手段1 02が高速位置に操作されると、変速モード選 手段102からの高速モード指令を基に高速モ ドになる。コントローラ105は、高速モード なった場合、変速レバー100が低速側操作域L にあれば、変速指令検出手段101による検出情 報を基に、第1クラッチC1と高速クラッチCHと 入り状態に、第2クラッチC2と低速クラッチC Lとを切り状態にそれぞれ操作し、かつ、変 レバー100が中立位置Nから中間位置mに向けて 操作されるに伴い、変速指令検出手段101と変 速検出手段106とによる検出情報を基に、無段 変速部20を「-MAX」から「+MAX」に向けて変速 作する。このとき、コントローラ105は、変 指令検出手段101と変速検出手段106とによる 出情報を基に、無段変速部20をこれの逆回転 変速域SRの全体と、正回転変速域SFの全体と わたって変速操作し、変速レバー100が中間 置mになると、無段変速部20を「+MAX」に操作 る。

 コントローラ105は、高速モードになった 合、変速レバー100が高速側操作域Hにあれば 、変速指令検出手段101による検出情報を基に 、第2クラッチC2と高速クラッチCHとを入り状 に、第1クラッチC1と低速クラッチCLとを切 状態にそれぞれ操作し、かつ、変速レバー10 0が中間位置mから最高速位置maxに向けて操作 れるに伴い、変速指令検出手段101と変速検 手段106とによる検出情報を基に、無段変速 20を「+MAX」から「-HV」に向けて変速操作す 。このとき、コントローラ105は、変速指令 出手段101と変速検出手段106とによる検出情 を基に、無段変速部20をこれの正回転側変 域SFの全体と、逆回転側変速域SRのうちの前 低速側変速域部SRLとにわたって変速操作し 変速レバー100が最高速位置maxになると、無 変速部20を「-VH」に操作する。すなわち、 速レバー100が最高速位置maxになっても、無 変速部20を「-MAX」まで変速操作せず、「-MAX よりも低速の「-VH」の変速状態で留める。

 コントローラ105は、無段変速部回転センサ1 08と車速センサ109とエンジン回転センサ107と 検出情報を基に、第1速度レンジと第2速度 ンジとが切り換わる点T1,T2(図6参照)を検出す る。
 つまり、トラクタを走行させるに当たり、 速モード選択手段102を操作して変速モード 選択し、この状態で変速レバー100を操作す ば、トラクタは、選択した変速モードと変 レバー100の操作位置とに対応した車速で走 する。

 すなわち、変速モード選択手段102を低速 置に操作し、変速レバー100を中立位置Nから 中間位置mに向けて操作する。すると、変速 ード選択手段102によるモード設定情報と、 速指令検出手段101による検出情報とを基に ントローラ105が第1クラッチC1と低速クラッ CLとを入り状態に操作する。これにより、速 度レンジ設定部Cと副変速部Kとが遊星伝動部P からの合成駆動力を低速モードの第1速度レ ジに段階分けして出力軸80から出力する。さ らに、変速指令検出手段101による検出情報を 基にコントローラ105が無段変速部20を「-MAX」 から「+MAX」に向けて変速操作する。これに り、車速としての出力速度が「0」から「Vlm に向けて無段階に増速する。変速レバー100 中間位置mになると、コントローラ105が無段 変速部20を「+MAX」に変速操作し、出力速度が 「Vlm」になる。

 このように変速モード選択手段102を低速 置に操作した状態で、変速レバー100を中間 置mから最高速位置maxに向けて操作する。す ると、変速モード選択手段102によるモード設 定情報と、変速指令検出手段101による検出情 報とを基にコントローラ105が第2クラッチC2と 低速クラッチCLとを入り状態に操作する。こ により、速度レンジ設定部Cと副変速部Kと 遊星伝動部Pからの合成駆動力を低速モード 第2速度レンジに段階分けして出力軸80から 力する。さらに、変速指令検出手段101によ 検出情報を基にコントローラ105が無段変速 20を「+MAX」から「-VH」に向けて変速操作し 車速としての出力速度が「Vlm」から「Vla」 向けて無段階に増速する。変速レバー100が 高速位置maxになると、コントローラ105が無 変速部20を「-VH」に変速操作し、出力速度 「Vla」になる。

 変速モード選択手段102を高速位置に操作 た状態で、変速レバー100を中立位置Nから中 間位置mに向けて操作する。すると、変速モ ド選択手段102によるモード設定情報と、変 指令検出手段101による検出情報とを基にコ トローラ105が第1クラッチC1と高速クラッチCH とを入り状態に操作する。これにより、速度 レンジ設定部Cと副変速部Kとが遊星伝動部Pか らの合成駆動力を高速モードの第1速度レン に段階分けして出力軸80から出力する。さら に、変速指令検出手段101による検出情報を基 にコントローラ105が無段変速部20を「-MAX」か ら「+MAX」に向けて変速操作する。これによ 、車速としての出力速度が「0」から「Vhm」 向けて無段階に増速する。変速レバー100が 間位置mになると、コントローラ105が無段変 速部20を「+MAX」に変速操作し、出力速度が「 Vhm」になる。

 このように変速モード選択手段102を高速 置に操作した状態で、変速レバー100を中間 置mから最高速位置maxに向けて操作する。す ると、変速モード選択手段102によるモード設 定情報と、変速指令検出手段101による検出情 報とを基にコントローラ105が第2クラッチC2と 高速クラッチCHとを入り状態に操作する。こ により、速度レンジ設定部Cと副変速部Kと 遊星伝動部Pからの合成駆動力を高速モード 第2速度レンジに段階分けして出力軸80から 力する。さらに、変速指令検出手段101によ 検出情報を基にコントローラ105が無段変速 20を「+MAX」から「-VH」に向けて変速操作し 車速としての出力速度が「Vhm」から「Vha」 向けて無段階に増速する。変速レバー100が 高速位置maxになると、コントローラ105が無 変速部20を「-VH」に変速操作し、出力速度 「Vha」になる。

 このようにトラクタを走行させる際、前後 レバー103を前進側に操作しておくと、前後 検出手段104による検出情報を基に、コント ーラ105が前進クラッチCFを入り状態に操作 る。これにより、正逆回転切換え部Bが正回 伝動状態になり、トラクタが前進走行する
 前後進レバー103を後進側に操作しておくと 前後進検出手段104による検出情報を基に、 ントローラ105が後進クラッチCRを入り状態 操作する。これにより、正逆回転切り換え Bが逆回転伝動状態になり、トラクタが後進 行する。

 尚、前後進レバー103を中立位置Nに操作す ると、前後進検出手段104による検出情報を基 に、コントローラ105が前進クラッチCFと後進 ラッチCRとを切り状態に操作する。これに り、正逆回転切り換え部Bが中立状態になっ 出力せず、トラクタが停止する。

 図8は、本第二実施形態に係る変速伝動装 置Aが装備されたトラクタの走行伝動装置の 図である。本第二実施形態に係る変速伝動 置Aと本第一実施形態に係る変速伝動装置Aと を比較すると、遊星伝動部Pと速度レンジ設 部Cと正逆回転切り換え部Bと副変速部Kとの において同一の構成を備え、無段変速自在 駆動力を入力する構成において本第二実施 態に係る変速伝動装置Aと本第一実施形態に る変速伝動装置Aとが相違している。この相 違点について次に説明する。

 本第二実施形態に係る変速伝動装置Aは、 電動モータ110を備えている。遊星伝動部Pは 前記電動モータ110の出力を伝動ギヤ機構112 介して第1遊星伝動機構P1のサンギヤ31に入力 する。遊星伝動部Pは、エンジン1の出力軸1a らの出力を主クラッチ2を介して第1遊星伝動 機構P1のリングギヤ35と第2遊星伝動機構P2の ャリヤ44とに入力する。遊星伝動部Pは、エ ジン1の駆動力と電動モータ110の駆動力とを 力して合成し、この合成駆動力を速度レン 設定部Cに伝達する。電動モータ110のドライ バ113によって電動モータ100の回転速度を無段 階に変速操作し、この変速操作に合わせて速 度レンジ設定部Cと副変速部Kとを切り換え操 することにより、本第一実施形態に係る変 伝動装置Aと同様に、出力軸80の出力速度が 速モードあるいは高速モードでの第1速度レ ンジで無段階に変速されたり、低速モードあ るいは高速モードでの第2速度レンジで無段 に変速されたりする。

 図9は、本第三実施形態に係る変速伝動装 置Aが装備されたトラクタの走行伝動装置の 図である。本第三実施形態に係る変速伝動 置Aと本第一実施形態に係る変速伝動装置Aと を比較すると、無段変速部20と遊星伝動部Pと 副変速部Kとの点において同一の構成を備え 速度レンジ設定部Cと正逆回転切り換え部Bと の構成において本第三実施形態に係る変速伝 動装置Aと本第一実施形態に係る変速伝動装 Aとが相違している。この相違点について次 説明する。

 図10は、本第三実施形態に係る変速伝動 置Aが備える速度レンジ設定部Cの断面状態を 示す。この図に示すように、本第三実施形態 に係る変速伝動装置Aの速度レンジ設定部Cに ける第1クラッチC11は、前記リングギヤ55に 動部材56を介して連動された円筒形の入力 部材61と、正逆回転切り換え部Bの入力筒軸71 にスプライン係合によって一体回転自在に連 動された出力側部材120と、この出力側部材120 と前記入力側部材61とにわたって外嵌された 筒形のシフト部材121とを備えて構成してあ 。

 本第三実施形態に係る変速伝動装置Aの速度 レンジ設定部Cにおける第2クラッチC12は、前 筒軸46にスプライン係合によって一体回転 在に連動された入力側部材66と、前記出力側 部材120と、前記シフト部材121とを備えて構成 してある。第2クラッチC12のシフト部材121と 第1クラッチC11のシフト部材121とは、共用の フト部材になっている。
 前記シフト部材121は、これの内周側にシフ 部材摺動方向に並べて設けた内歯形の入力 ヤ122と、内歯形の出力ギヤ123とを備えてい 。このシフト部材121は、シフト部材121の外 面側に係合しているシフトフォーク124が油 シリンダ125によって移動操作されることに り、前記入力側部材61,66と前記出力側部材12 0との外周面側に沿って摺動操作される。前 入力ギヤ122は、シフト部材121が摺動操作さ ることにより、前記入力側部材61の外周面側 に設けられた外歯ギヤ61aと、前記入力側部材 66の外周面側に設けられた外歯ギヤ66aとに係 する。このようにシフト部材121が摺動操作 れると、前記出力ギヤ123は、前記出力側部 120の外周面側に設けられた外歯ギヤ120aに噛 み合った状態を維持しながらこの外歯ギヤ120 aに対して摺動する。

 第1クラッチC11と第2クラッチC12とは、シフ 部材121が入力側部材61,66と出力側部材120とに 噛み合った状態になることによって入り状態 になり、シフト部材121の入力側部材61,66との み合いが外れることによって切り状態にな よう噛み合いクラッチになっている。
 図11(A)は、速度レンジ設定部Cの第1速度レン ジ設定状態での断面状態を示している。この 図に示すように、シフト部材121が摺動操作さ れて入力側部材61と出力側部材120とにわたっ 噛み合い、シフト部材121の入力側部材66と 噛み合いが外れた状態になると、第1クラッ C11が入り状態になり、第2クラッチC12が切り 状態になる。すると、速度レンジ設定部Cは 第1速度レンジ設定状態になる。

 図11(C)は、速度レンジ設定部Cの第2速度レン ジ設定状態での断面状態を示している。この 図に示すように、シフト部材121が摺動操作さ れて入力側部材66と出力側部材120とにわたっ 噛み合い、シフト部材121の入力側部材61と 噛み合いが外れた状態になると、第1クラッ C11が切り状態になり、第2クラッチC12が入り 状態になる。すると、速度レンジ設定部Cは 第2速度レンジ設定状態になる。
 図11(B)は、速度レンジ設定部Cの第1速度レン ジ設定状態と第2速度レンジ設定状態との一 から他方に切り換わる途中での断面状態を している。この図に示すように、シフト部 121は、第1クラッチC11を噛み合い状態に、第2 クラッチC12を噛み合い解除状態にそれぞれ操 作する操作位置と、第1クラッチC11を噛み合 解除状態に、第2クラッチC12を噛み合い状態 それぞれ操作する操作位置との間に配置し 操作位置に操作されると、第1クラッチC11と 第2クラッチC12とを共に噛み合い状態に操作 る。
 すなわち、速度レンジ設定部Cは、入力側部 材61と入力側部材66との回転速度が同じにな た状態にして第1速度レンジ設定状態と第2速 度レンジ設定状態とに切り換えることができ る。このため、シフト部材121は、第1クラッ C11と第2クラッチC12とが共に噛み合い解除状 になって伝動切れが発生することの回避を りながら速度レンジ設定部Cを第1速度レン 設定状態と第2速度レンジ設定状態との一方 ら他方に切り換える。

 図10は、本第三実施形態に係る変速伝動 置Aが備える正逆回転切り換え部Bの断面状態 を示す。この図に示すように、本第三実施形 態に係る変速伝動装置Aの正逆回転切り換え Bにおける前進クラッチCFは、前記筒軸71に連 結ピン90によって一体回転自在に連動された 力側部材77と、前記筒軸71に相対回転自在に 支持された出力側部材73と、シフト部材130と 備えて構成してある。

 本第三実施形態に係る変速伝動装置Aの正 逆回転切り換え部Bにおける後進クラッチCRは 、前記入力側部材77と、筒軸71に相対回転自 に支持された出力側部材75と、前記シフト部 材130とを備えて構成してある。後進クラッチ CRのシフト部材130と、前進クラッチCFのシフ 部材130とは、共用のシフト部材になってい 。

 前記シフト部材130は、これの内周側に設 た内歯ギヤ130aを備えている。このシフト部 材130は、シフト部材130の外周面側に係合して いるシフトフォーク131が油圧シリンダ132によ って移動操作されることにより、前記入力側 部材77と前記出力側部材73,75との外周面側に って摺動操作される。前記内歯ギヤ130aは、 フト部材130が摺動操作されることにより、 記入力側部材77の外周面側に設けた外歯ギ 77bと、前記各出力側部材73,75の外周面側に設 けた外歯ギヤ73b,75bとに係脱する。

 前進クラッチCFと後進クラッチCRとは、シフ ト部材130が入力側部材77と出力側部材73,75と 噛み合った状態になることによって入り状 になり、シフト部材130の出力側部材73,75との 噛み合いが外れることによって切り状態にな るよう噛み合いクラッチになっている。
 図11(A)は、正逆回転切り換え部Bの正回転伝 状態での断面状態を示している。この図に すように、シフト部材130が摺動操作されて 力側部材77と出力側部材73とにわたって噛み 合い、シフト部材130の出力側部材75との噛み いが外れた状態になると、前進クラッチCF 入り状態になり、後進クラッチCRが切り状態 になる。すると、正回転切り換え部Bは、正 転伝動状態になる。

 図11(C)は、正逆回転切り換え部Bの逆回転 動状態での断面状態を示している。この図 示すように、シフト部材130が摺動操作され 入力側部材77と出力側部材75とにわたって噛 み合い、シフト部材130の出力側部材73との噛 合いが外れた状態になると、前進クラッチC Fが切り状態になり、後進クラッチCRが入り状 態になる。すると、正回転切り換え部Bは、 回転伝動状態になる。

 図11(B)は、正逆回転切り換え部Bの正回転 動状態と逆回転伝動状態との一方から他方 切り換わる途中での断面状態を示している この図に示すように、シフト部材130は、前 クラッチCFを噛み合い状態、後進クラッチCR が噛み合い解除状態にそれぞれ操作する操作 位置と、前進クラッチCFを噛み合い解除状態 、後進クラッチCRを噛み合い状態にそれぞ 操作する操作位置との間に配置した操作位 に操作されると、前進クラッチCFと後進クラ ッチCRとを共に噛み合い状態に操作する。

 すなわち、正逆回転切り換え部Bは、無段 変速部20の変速制御によって正逆回転切り換 部Bの回転速度がゼロになった状態で正回転 伝動状態と逆回転伝動状態とに切り換え操作 する。このため、シフト部材130は、前進クラ ッチCFと後進クラッチCRとが共に噛み合い状 になる操作位置を経て、正逆回転切り換え Bを正回転伝動状態と逆回転伝動状態との一 から他方に切り換える。これにより、シフ 部材130に両出力部材73,75から離脱した操作 置を備えさせない分、シフト部材130の操作 トロークを少なく済ませることができる。 れにより、正逆回転切り換え部Bを正回転伝 状態と逆回転伝動状態との一方から他方に り換えるためのシフト部材130のシフト操作 迅速に行うことができる。

 図12は、本第四実施形態に係る変速伝動 置Aが装備されたトラクタの走行伝動装置の 図である。本第四実施形態に係る変速伝動 置Aと本第一実施形態に係る変速伝動装置A を比較すると、無段変速部20と遊星伝動部P 正逆回転切り換え部Bと副変速部Kとの点にお いて同一の構成を備え、速度レンジ設定部C 構成において本第四実施形態に係る変速伝 装置Aと本第一実施形態に係る変速伝動装置A とが相違している。この相違点について次に 説明する。

 本第四実施形態に係る変速伝動装置Aの速 度レンジ設定部Cは、本三実施形態に係る変 伝動装置Aの速度レンジ設定部Cが備える第1 ラッチC11、第2クラッチC12と同じ構成を有し 第1クラッチC11、第2クラッチC12とを備えて 成してある。

〔別実施形態〕
 上記実施形態では、変速レバー100が最高速 置maxになっても、無段変速部20を「-MAX」ま 変速操作せず、「-MAX」よりも低速の「-VH」 の変速状態で留めるような制御が行われてい る。これに代えて、変速レバー100が最高速位 置maxまで達すると、無段変速部20を「-MAX」ま で変速操作するようにしても良い。この場合 、低速モードでは、出力速度は「Vlh」に達し 、高速モードでは、出力速度は「Vhh」まで達 する。この場合、遊星伝動部の低速化を図る よう、図13に示すように、第1遊星伝動機構P1 リングギヤにエンジン駆動力を減速機構115 介して入力しても良い。減速機構115は、無 変速部20のポンプ軸21に連動されたギヤ115a 、このギヤ115aに噛み合ったギヤ115bとを備え ている。

 変速レバー100に替えて変速ペダルや変速 イッチを採用して実施しても、本発明の目 を達成することができる。従って、変速レ ー100、変速ペダル、変速スイッチなどを総 して変速操作部材又は変速操作手段100と呼 する。

 本発明の実施形態の変速伝動装置は、ト クタなどの作業車の変速装置として利用で る。