JPH05105685 | COMPOUND WITH PHOTOCHROMATIC AND PHOTOSENSITIZING CHARACTERISTICS |
WO/2022/075486 | NOVEL BICYCLIC COMPOUNDS |
JP3453121 | [Title of Invention] Piperidine Derivative |
SAWADA ATSUMASA (JP)
JPH02101080A | 1990-04-12 | |||
JP2005535692A | 2005-11-24 | |||
JP2001139569A | 2001-05-22 | |||
JP2000256662A | 2000-09-19 | |||
JPH06161022A | 1994-06-07 | |||
JP2005209498A | 2005-08-04 |
下記一般式(1)のスピロオキサジンラジカル誘導体。 X 1 は、カルコゲン元素、アルキリデン基あるいはシクロアルキリデン基であり、 X 2 は、カルコゲン元素であり、 R 1 ~R 11 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基又はハロゲン原子であり、又は、隣り合う炭素原子にあるR 1 ~R 11 は、互いに結合して、置換基を有することのある、芳香環あるいは複素環を形成していてもよく、 nは0又は1である。 |
一般式(1)において、nが0である、請求項1記載のスピロオキサジンラジカル誘導体。 |
一般式(1)において、nが1である、請求項1記載のスピロオキサジンラジカル誘導体。 |
下記反応式Iに示す、スピロオキサジンラジカル誘導体の一般式(1)スピロ型構造体と一般式(2)の開環体との可逆的異性化反応。 |
反応式Iにおいて、nが0である、請求項4記載の可逆的異性化反応。 |
反応式Iにおいて、nが1である、請求項4記載の可逆的異性化反応。 |
本発明は、光エネルギーや電気エネルギ を与えることにより、可逆的な着脱色に伴 、ラジカル種が生成又は消失するクロミッ 性質を有するスピロオキサジンラジカル誘 体及び該スピロオキサジンラジカル誘導体 可逆的異性化反応に関する。
ラジカル化合物は、高活性状態であるこ から、古くより様々な用途への応用が試み れてきた。例えば、高分子化合物の合成に ける重合開始剤として使われるラジカル開 剤が示される。
しかし、多くのラジカル化合物は不安定 あり、短時間でラジカル状態を消失させて まう。
そのような中で、ニトロキシラジカル(> ;N-O・)は比較的安定してラジカル状態を保っ いることができることが知られており、例 ば、ニトロキシラジカルを分子内に備えた 合物、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピ リジン-1-オキシル(TEMPOL)は、電子スピン共鳴 分析(ESR)に用いられるスピンラベル剤として 用されている。さらに、この化合物は、医 用途への応用も検討され、放射線がん治療 使われる防護剤として有望視されている(例 えば、S. M. Halm, etc., "Evaluation of TEMPOL radi oprotection in murine tumor model", Free Rad. Biol. Med., 22, 1211-1216(1997) 参照)。
さらに、近年のエレクトロニクスの目覚 い発展の中で開発された、高速な充放電が 待されている非水電解液二次電池に使われ 有機ラジカルポリマーがある(例えば、特開 2005-209498号公報参照)。
この有機ラジカルポリマーは、二次電池 活物質として機能し、電気化学的に可逆的 酸化還元反応が可能である。この酸化還元 応は、ニトロキシラジカル種とニトロソニ ム種の間を、外部からの可逆的な電子の授 により制御され、ニトロソニウム種(カチオ ン種)が生成した際に、対アニオン種として 子が放出され、電流が発生する。
クロミック化合物は、単一化合物にて異 る2つの化学種を有し、各々の化学種が異な る光吸収波長を持ち、それぞれの化学種の間 を外的な因子、例えば、光、電気、熱などに より、可逆的な構造異性化反応を起こす機能 を有する。
クロミック化合物には、スピロピラン化 物、スピロオキサジン化合物などの多くの 合物が知られている(例えば、日本化学会編 、季刊化学総説、No.28「有機フォトクロミズ の化学」、P70-88(1996)参照)。それぞれの化合 物は合成自由度の高い有機化合物であり、各 化合物群から得られる誘導体は、個々に異な る特性を付与できることも知られている。
例えば、スピロピラン化合物は、ピラン 内に発色団として機能する炭素-炭素二重結 合部(-C=C-)があり、この結合部位は一重項酸 による自動酸化反応が発生しやすい構造で るため、可逆的異性化の耐久性を保持する 間が短いと言われている。
また、スピロオキサジン化合物は、スピ ピラン化合物のピラン環をオキサジン環に き換えた構造であり、スピロピラン化合物 ピラン環と同様に、オキサジン環上の発色 である炭素-窒素二重結合部(-C=N-)が一重項 素の攻撃を受ける。しかし、炭素-窒素二重 合は、炭素-炭素二重結合に比べて、一重項 酸素の結合が困難であるとされていることか ら、自動酸化劣化が発生し難くなり、可逆的 異性化の耐久性が向上する。したがって、繰 り返し耐久性の高いクロミズム特性を示すス ピロ化合物にあっては、スピロオキサジン化 合物が好ましく、例えば、フォトクロレンズ 用機能性色素として応用されている。
さらに、従来のスピロオキサジン化合物 、スピロ環のうちの一方を形成するインド ン環、チオリン環、セレナゾリン環などの 素環内の窒素に、ヒドロキシル基、アルキ 基、アリール基、アラルキル基、アルコキ アルキル基、アルキルカルボニル基、アル キシカルボニルアルキル基などの安定置換 を導入したものが知られている(例えば、日 本化学会編、季刊化学総説、No.28「有機フォ クロミズムの化学」、P70-88(1996)、特開2000-02 6469号公報参照)が、不安定化学種であるラジ ルを有する基を直接導入したものは知られ いない。
また、安定な有機ラジカル化合物として ニトロキシラジカル基を有する複素環化合 があり、上記したTEMPOLに加え、例えば、5,5- ジメチル-1-ピロリン-N-オキシドのスピンアダ クト、3-カルバモイル-2,2,5,5-テトラメチルピ リジン-1-オキシル、4-カルバモイル-2,2,6,6- トラメチルピペリジン-1-オキシル、4-メタク リロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジ ン-1-オキシルなどが知られている。
これら安定ニトロキシラジカル基をもつ 素環化合物は、異なる印加電位を与えると ニトロキシラジカルとニトロソニウムイオ 間を可逆的に変化する。つまり、可逆的な 化還元反応を示して、電子の授受が発生す 。しかし、ニトロキシラジカルのような安 ラジカル基をもつ有機ラジカル化合物の酸 還元反応の可逆的な状態変化は、酸化還元 位の直接測定を行う以外に方法がなかった
そこで、本発明の課題は、酸化還元反応 発生に寄与する安定ラジカル基と、クロミ ム特性に寄与する発色団を合わせ持ち、有 ラジカル化合物の酸化還元反応を異なる波 光を与えることで制御すると共に、光異性 に伴う吸収スペクトル変化、又は可視域に 収のある場合は色変化も誘起させることが 能である、ラジカル種とカチオン種の発生 態を吸収波長の違いで識別できるクロミズ 特性を示す新規なスピロオキサジンラジカ 誘導体を提供することにある。
本発明者は、上記課題の解決のために、 ロミズム特性を示すスピロオキサジン化合 のオキサジン環に対してスピロ環を形成し いる、ピロリジン環、ピペリジン環、オキ ゾリジン環、オキサジン環、チアゾリジン 、チアジン環、セレナゾリジン環、セレナ ン環などの環内に、安定なラジカル種であ ニトロキシラジカル部位(>N-O・)をもたせ こと、つまり、スピロ炭素に隣接する窒素 子に、酸素ラジカルを導入することで、目 が解決されることを見出し、ついに本発明 至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)のス ロオキサジンラジカル誘導体である。
X 1
は、カルコゲン元素、アルキリデン基あるい
はシクロアルキリデン基であり、
X 2
は、カルコゲン元素であり、
R 1
~R 11
は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4の
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハ
ロゲン化アルキル基、シアノ基、アミノ基、
ニトロ基又はハロゲン原子であり、又は、隣
り合う炭素原子にあるR 1
~R 11
は、互いに結合して、置換基を有することの
ある、芳香環あるいは複素環を形成していて
もよく、
nは0又は1である。
また、本発明は、下記反応式Iに示す、ス ピロオキサジンラジカル誘導体の一般式(1)の スピロ型構造体と一般式(2)の開環体との可逆 的異性化反応である。
本発明は、上記一般式(1)で表される、5又 は6員複素環とオキサジン系複素環がスピロ 造をし、5又は6員複素環中のスピロ炭素に隣 る窒素原子に酸素ラジカルが結合した、すな わちニトロキシラジカルとなった、スピロオ キサジンラジカル誘導体である。
上記一般式(1)中のX 1 は、カルコゲン元素、アルキリデン基あるい はシクロアルキリデン基である。なお、カル コゲン元素としては、酸素原子、硫黄原子、 セレン原子などを挙げることができる。また 、ここで、アルキリデン基の2つのアルキル は、互いに同じであっても異なっていても わない。
なお、X 1 がカルコゲン元素であるときは、ニトロキシ ラジカルの安定に寄与するので、酸素原子が 一番好ましく、硫黄原子、セレン原子の順で ある。また、アルキリデン基のときは、アル キリデン基を構成する2つのアルキル基はそ ぞれ独立に炭素数1~5個のものが好ましく、 トロキシラジカルの安定には、1~3個ものが ましい。具体的には、メチル基、エチル基 プロピル基、イソプロピル基などである。 様に、シクロアルキリデン基であるときは 素数5~7であることが好ましい。
X 2 は、カルコゲン元素、例えば、酸素原子、硫 黄原子、セレン原子などであり、ニトロキシ ラジカルがより安定するので、原子量の小さ い酸素原子が好ましい。なお、X 2 が酸素原子であるときは、該6員環がオキサ ン環であるが、本明細書中では、X 2 が酸素原子以外のカルコゲン元素であるとき も簡便のためにオキサジン環という。
R 1 ~R 11 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基 、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン化ア ルキル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基又 はハロゲン基であり、また、隣り合う炭素に あるR 1 ~R 11 は、該炭素原子と共に、置換基を有しても良 い、芳香環あるいは複素環を形成していても よい。なお、R 1 ~R 11 はアルキル基であるときは、炭素数1から4ま が好ましく、特に、R 1 、R 2 及びR 5 はメチル基であることが、ニトロキシラジカ ルの安定のために好ましい。
また、R 1 ~R 11 は、隣り合う炭素原子にあるもの同士が結合 して、該炭素原子と共に、例えば、ベンゼン 環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナ ントレン環等の芳香環や、例えば、ピリジン 環、ピリミジン環、イソキノリン環、キナゾ リン環、アクリジン環、ベンゾアクリジン環 等の複素環を形成することがある。さらに、 これら芳香環あるいは複素環は、アルキル基 、アルコキシ基、アミノ基等の電子供与性基 やニトロ基、シアノ基、ハロゲン化アルキル 基、アルキルカルボニル基、アルキルエステ ル基、ハロゲン基等の電子吸引性基などの置 換基が置換されていても良い。
すなわち、nが0のとき、隣り合う炭素原子 あるR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 と当該炭素原子との間で芳香環又は複素環を 形成しても良いことを、また、nが1のときは 隣り合う炭素原子にあるR 1 、R 2 、R 10 及びR 11 の組合せあるいはR 10 、R 11 、R 3 及びR 4 の組合せで、芳香環又は複素環を形成しても 良いことを意味する。なお、環の形成が複素 環である場合、これらの組合せにおいて、当 該炭素原子間が2重結合又は共役系である時 複素芳香環では、4つの基はすべて結合に関 する。しかし、当該炭素原子から形成され 環が両方とも飽和結合であったり、一方の が不飽和結合であったりした時、複素環の 成ではこれら4つの基は環を形成する基と環 の形成に関与しない基が1個又は2個ある。し がって、このことも上記には含んでいる。
また、オキサジン環に結合するベンゼン環 あるR 6 ~R 9 は、隣り合うもの同士で該ベンゼン環にさら にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン 環、フェナントレン環等の芳香環や、ピリジ ン環、ピリミジン環、イソキノリン環、キナ ゾリン環、アクリジン環、ベンゾアクリジン 環等の複素環が形成されていても良いことを 意味する。
なお、上記において、ニトロキシラジカ の安定には、芳香環や複素環を含まない構 が好ましいが、芳香環を導入する場合はも とも小さいベンゼン環が好ましく、次いで フタレン環、アントラセン環、フェナント ン環の順である。複素環を導入する場合も 芳香環と同じく、もっとも小さいピリジン が好ましく、次いでピリミジン環、イソキ リン環、キナゾリン環、アクリジン環、ベ ゾアクリジン環の順である。
また、芳香環や複素環はアルキル基、ア コキシ基、アミノ基等の電子供与性基やニ ロ基、シアノ基、ハロゲン化アルキル基、 ルキルカルボニル基、アルキルエステル基 ハロゲン基等の電子吸引性基などの置換基 置換されていてもよい。なお、電子供与性 と電子吸引性基は助色団としての機能があ ので、電子供与性基の導入により光吸収波 を長波長側に移動でき、電子吸引性基の導 により光吸収波長を短波長側に移動できる
なお、一般式(1)において、nは0又は1であ 。
本発明のスピロオキサジンラジカル誘導体 前駆体は、プロトン核磁気共鳴分析( 1 H-NMR)、カーボン核磁気共鳴分析( 13 C-NMR)、赤外分光分析(FT-IR)、元素分析等にて 構造確認が行なえる。また、本発明のスピ オキサジンラジカル誘導体自体は、電子ス ン共鳴分析(ESR)にて、確認できる。
本発明のスピロオキサジンラジカル誘導 は、その合成方法については特に限定され ことはないが、合成ステップ数の少ない簡 な合成経路として以下に示す方法を示すこ ができる。
下記一般式(3)で示される化合物Aと下記一 般式(4)で示される化合物Bを、メタノール、 タノール、トルエン、テトラヒドロフラン N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒存在中 、窒素、アルゴンなどの不活性気体雰囲気 に、還流しながら反応を進行させる。
化合物Aと化合物Bの反応割合は、求める 率にもよるが、1モル対3モルから3モル対1モ の範囲が好ましい。ここで得られる反応生 物は、下記一般式(5)に示す化合物C(中間合 物)となる。
続いて、化合物Cに、異常過熱しないよう に過酸化水素を滴下しながら加え、第二アミ ン部を酸化してヒドロキシルアミン化し、本 発明のスピロオキサジンラジカル誘導体の前 駆体である下記一般式(6)に示す化合物D(中間 成物)を得る。
最後に、化合物Dを十分に脱水した有機溶 媒、例えば、エーテル、クロロホルム、酢酸 エチル、ヘキサン、アセトニトリルなどに溶 解し、氷冷にて酸化銀を加えて十分に攪拌す る。副生成物として得られる水を、無水硫酸 ナトリウムを加えることで脱水除去する。ろ 過により固形残渣を除去し、ろ液をロータリ ーエバポレーターなどで減圧濃縮する。この とき、完全に溶媒を除去することなく、残留 物の2倍から3倍の溶媒を残す。残分をエタノ ルとドライアイス混合物などにより低温冷 し、本発明のスピロオキサジンラジカル誘 体Eを得る。
本発明のスピロオキサジンラジカル誘導 は、塩化メチレン、クロロホロルム、ヘキ ン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、 テトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解し 、下記の反応式Iに示すような可逆変化を誘 させるべく、400nm~750nmの可視光域又は250nm~400 nmの紫外光域の光により、可逆的な光吸収ス クトル変化を誘起する。状態変化の確認は 紫外可視分光光度計により、2つの異なる吸 収ピークの吸光度変化により、可逆的状態変 化を知ることができ、特に可視域に吸収があ る場合は、可逆的色変化として、着色状態と 無色状態の間の変化を視認できる。2つの状 変化の可逆的なラジカルの発生と消失は、 子スピン共鳴分析(ESR)にて知ることができる 。さらに、本発明のスピロオキサジンラジカ ル誘導体について、サイクリックボルタンメ トリー(CV)測定をすることで、可逆的な酸化 元反応に伴う電位変化を知ることができる
なお、反応式Iでは、完全に電子が離れたカ チオン種構造を示した。しかし、X 1 、X 2 、R 1 ~R 11 及びnの組み合わせにもよるが、この中間に カチオン種と電子が対をなした構造や一般 (2)の開環体において電子が離れる前の状態 あるラジカル様構造もありうる。
本発明のスピロオキサジンラジカル誘導 は、反応式Iに示したような酸化還元反応を 利用して、例えば、二次電池等の各種用途に 利用可能である。
本発明の実施例を以下に示す。ただし、 示内容に限定されるものではない。
[実施例1]
化合物Aとして下記式(7)にて示される2-メチ
ン-3,3,5,5-テトラメチルピロリジン3mmol(417mg)
化合物Bとして2-ニトロソフェノール3mmol(369m
g)を脱水メタノール溶媒40mlに溶解し、3時間
熱還流した後、溶媒を減圧留去した。得ら
た残留反応物をシリカゲルカラムで展開分
し(展開溶媒:酢酸エチル/ノルマルヘキサン
合溶媒)、下記式(8)で示される化合物(C-1)の
液を得た。得られた溶液から溶媒を減圧留
して十分に除去し、精製された化合物(C-1)が
得られた。
続いて、化合物(C-1)0.61mmol(150mg)を脱水エ テル中にて、異常発熱しないように、ゆっ りと過酸化水素水を過剰量滴下し、下記式(9 )で示される化合物(D-1)を得た。
化合物(D-1)0.50mmol(130mg)を脱水エーテル30ml に加え、氷冷にて酸化銀(I)0.50mmol(116mg)を加 て十分に攪拌した。無水硫酸ナトリウムを えて、吸引濾過した。得られた濾液をロー リーエバポレーターにより、2分の1の体積 で減圧濃縮した。残分をエタノールとドラ アイス混合物などにより低温冷却(-78℃)し、 下記式(10)で示されるスピロオキサジンラジ ル誘導体(E-1)を得た。
なお、スピロオキサジンラジカル誘導体(E-1 )のラジカルの発生は電子スピン共鳴分析(ESR) により確認できた。上記の反応原料、中間合 成物及びスピロオキサジンラジカル誘導体の 構造を第1表(表1~3)に示した。また、中間合成 物(C-1)、(D-1)の 1 H-NMRの測定結果(溶媒:CDCl 3 、基準:TMS)と元素分析結果を第2表(表4、5)に す。
[実施例2~15]
実施例1と同様にして、表1に示す原料を用
、表1に示す各種スピロオキサジンラジカル
導体を製造した。これら実施例での中間合
物の構造を第1表(表1~3)に、また、中間合成
の 1
H-NMRの測定結果(溶媒:CDCl 3
、基準:TMS)と元素分析結果を第2表(表4、5)に
す。
上記により得られたスピロオキサジンラ カル誘導体を、クロロホルムに溶解し、紫 光や可視光を照射したところ、紫外可視分 光度計により、2つの異なる吸収ピークが観 測され、一方の吸収ピークの増加減衰変化に 対応して、他方の吸収ピークの減衰増加変化 が確認できると共に、400nm~800nmの可視域にス クトル吸収が観測されるものにあっては、 色と消色が可逆的に変化することを目測確 できた。
本発明のスピロオキサジンラジカル誘導 は、有機溶媒やポリマー中に溶解し、紫外 や可視光が照射されると、それぞれの波長 において、2つの異なる吸収ピークをもつ光 吸収スペクトルが可逆的に変化し、特に可視 域にスペクトル吸収がある場合は、着色と退 色の可逆変化があり、これら可逆変化に伴い 、酸化還元電位変化を生じ、それぞれの波長 光における化学種の状態に応じた電子の授受 が発生するので、この性質を用いて、各種用 途に使用可能である。
Next Patent: ANTICOUNTERFEIT MEDIUM