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Patent Searching and Data


Title:
STEEL CORD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026272
Kind Code:
A1
Abstract:
With respect to a steel cord obtained by twining one layer of sheath filament of steel with uneven distribution around multiple core filaments of steel parallelly drawn together in nontwined form, it is intended to attain an enhancement of rubber penetration (satisfactory adhesion of rubber to core filaments) through securing of interstices between filaments at the time of vulcanization. The sectional major axis diameters of steel cord (10) are set larger than the minimum sectional major axis. Accordingly, when a steel cord is coated with rubber (16) and vulcanized, interstices (A) are secured between individual sheath filaments (14) even if tension and, from surrounding rubber, pressure (p) apply to the steel cord. As the rubber (16) enters through the interstices, satisfactory adhesion of the rubber (16) to core filaments (12) would be realized, thereby ensuring high rubber penetration.

Inventors:
FUKUDA YUKIMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2006/317181
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 31, 2006
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
FUKUDA YUKIMASA (JP)
International Classes:
D07B1/06
Foreign References:
JP2000280708A2000-10-10
JP2000096466A2000-04-04
JP2000073285A2000-03-07
JPH08325962A1996-12-10
JP2002180387A2002-06-26
Other References:
See also references of EP 2060673A4
Attorney, Agent or Firm:
HONDA, Ichiro (Kanda Chuo Building 2F5-7, Nishikanda 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 65, JP)
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Claims:
 無撚り状態で並列に引き揃えられた直径がd c である2本のコアフィラメントの周囲に、直径がd s である4本のシースフィラメントを前記周囲の一部に偏在させながら1層撚り合わせてなるスチールコードであって、
 断面長径φが下記式(1)、
を満たすことを特徴とするスチールコード。
 前記断面長径φが、前記式(1)の右辺+0.01mm以上である請求項1記載のスチールコード。
 d s およびd c が0.10乃至0.40mmの範囲内である請求項1または2記載のスチールコード。
Description:
スチールコード

 本発明は、無撚り状態で並列に引き揃え れたスチールからなる複数本のコアフィラ ントの周囲に、スチールからなるシースフ ラメントが1層偏在した状態で撚り合わされ たスチールコードに関する。

 空気入りタイヤ等のゴム物品を補強する チールコードの撚り方には種々のものがあ が、所謂ゴムペネ性(ゴム被覆する際の、フ ィラメント間へのゴムの入り込み易さ)を確 する方法としては、フィラメントの型付け 大きくしてフィラメント間に隙間を確保す 方法や、コアフィラメントの周囲に配置さ るシースフィラメントについて、該周囲に 置できる最大本数から数本間引くことによ 隙間を確保する方法等が一般的である。

 具体的には例えば、特許文献1に、複数本の 芯素線を同一平面上に引き揃えて並べたコア フィラメントの周囲に、複数本の側素線を巻 き付け、断面を扁平状としたスチールコード であって、コード幅方向両端部における芯素 線と側素線との間に夫々隙間を設けたスチー ルコードが開示されている。

特開2002-180387号公報

 しかしながら、コアフィラメントの周囲 おいて、シースフィラメントが、均等な間 ではなく一部に偏った形態に撚り合わされ スチールコードでは、無撚りで平行に引き えられたコアフィラメントがシースフィラ ントの撚り合わせ張力に引きずられるため 多かれ少なかれうねり形状を呈し、そのた 曲げの内側(圧縮側)でコアフィラメントと ースフィラメントとが接することになる。

 特に、一方向に並列に引き揃えられたコ フィラメントに対して、シースフィラメン が該一方向と略直角方向から覆い被さるよ な断面配置となる撚り部分では、ゴム被覆 されていても、加硫時の張力と周囲ゴムか の圧力によりフィラメントが相互に接触し 隙間が塞がれることで、コード内部にゴム 入っていない(ゴムペネしていない)閉空間 形成されるという問題があった。

 そこで本発明の目的は、上記問題を解消 て、無撚り状態で並列に引き揃えられたス ールからなる複数本のコアフィラメントの 囲に、スチールからなるシースフィラメン を1層偏在させながら撚り合わせるようにし たスチールコードに関して、加硫時にフィラ メント間の隙間が確保されるようにしてゴム ペネ性を高める(コアフィラメントに十分に ムが付着するようにする)ことにある。

 無撚り状態で並列に引き揃えられたスチ ルからなる複数本のコアフィラメントの周 に、スチールからなるシースフィラメント 1層偏在させながら撚り合わせたスチールコ ードにおいて、一方向に並列に引き揃えられ たコアフィラメントに対して、シースフィラ メントが該一方向と略直角方向から覆い被さ るような断面配置となる撚り部分で良好なゴ ムペネ性を確保するためには、この部分にお けるシースフィラメント間に隙間が確保され る必要がある。そのためには、配列方向の両 端に位置するシースフィラメントが、スチー ルコードの最大幅方向に、ある程度の余裕を もって配置されていなければならない(コア ィラメントとは接触していてもよい)。以下 本明細書では、特に図2に示されるような断 面配置におけるコード断面の長径φを、「断 長径」と記す。

 本発明のスチールコードは、無撚り状態で 列に引き揃えられた直径がd c である2本のコアフィラメントの周囲に、直 がd s である4本のシースフィラメントを前記周囲 一部に偏在させながら1層撚り合わせてなる チールコードであって、
 前記コアフィラメントの配列方向における 面長径φが下記式(1)、
を満たすことを特徴とする。

 上記式(1)の右辺は、各フィラメントが密 接するように配置した場合の断面長径を表 ている。この右辺を、「最小断面長径」と する。

 本発明のスチールコードにおいては、断 長径φが上記式(1)の右辺の最小断面長径よ 大きいので、スチールコードにゴムを被覆 て加硫する際に、スチールコードに対し張 および周囲のゴムからの圧力が作用しても シースフィラメント間に隙間が確保され、 の隙間を通ってゴムが入り込むので、コア ィラメントに十分にゴムが付着する。した って、本発明のスチールコードにおいては 良好なゴムペネ性を確保することができる

 なお、断面長径φの上限は、コアフィラメ ト2本とシースフィラメントの両側2本が一直 線状に接して並んだ大きさであり、2d s +2d c となる。

 また、本発明においては、前記断面長径φ 、前記式(1)の右辺+0.01mm以上であることが好 しく、シースフィラメントの直径d s およびコアフィラメントの直径d c が、いずれも0.10乃至0.40mmの範囲内であるこ も好ましい。

 以上説明したように、本発明のスチール ードによれば、無撚り状態で並列に引き揃 られたスチールからなる複数本のコアフィ メントの周囲に、スチールからなるシース ィラメントを1層偏在させながら撚り合わせ るようにしたスチールコードに関して、加硫 時にフィラメント間の隙間が確保されるよう にしてゴムペネ性を高める(コアフィラメン に十分にゴムが付着するようにする)ことが きる、という優れた効果を有する。

スチールコードの平面図および該スチ ルコード各部の断面図である。 スチールコードの断面図である。 スチールコードにゴムを被覆し、加硫 てなるリボンの断面図である。 チューブラー撚線機の模式図である。

符号の説明

 10  スチールコード
 12  コアフィラメント
 14  シースフィラメント

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づき 明する。
 図1及び図2において、本実施の形態に係る チールコード10は、無撚り状態で並列に引き 揃えられた直径がd c (mm)である2本のコアフィラメント12の周囲に 直径がd s (mm)である4本のシースフィラメント14を、周 の一部に偏在させながら1層撚り合わせてな 、断面長径φが下記式(1)、
を満足するものである。

 前述したように、上記式(1)の右辺は、各 ィラメントが密に接するように配置した場 におけるコードの最小断面長径を表してい ので、断面長径φをかかる最小断面長径よ も大きく設定することにより、シースフィ メント14間に隙間Aを形成することができる より確実なゴムぺネ性を得るためには、断 長径φは、上記最小断面長径よりも0.01mm以上 大きいことが好ましい。

 なお、前述したように、断面長径φの上限 、2本のコアフィラメント12とシースフィラ ント14の両側2本が一直線状に接して並んだ きさであり、2d s +2d c となる。

 本発明のスチールコード10をタイヤ製品 補強用として使用する場合、コアフィラメ ト12およびシースフィラメント14の直径は、 適には0.10乃至0.40mmである。フィラメント径 が細すぎるとコスト的に不利であり、一方、 太すぎると加工硬化が不足して重量当りの強 度が低くなるだけでなく、曲げ剛性が高過ぎ てしなやかさに欠け、屈曲歪みに対する耐疲 労性に劣るからである。

 また、コアフィラメント12およびシース ィラメント14の直径が同一であると、コスト 的に有利である。この場合、互いに平行な2 のコアフィラメント12の周囲には1層で最大8 のシースフィラメント14を撚り合わせるこ が可能であり、4本を間引くことによってゴ ペネ性が向上し、加硫時にコアフィラメン 12に対してゴム16(図3)が十分に付着するよう になる。

(作用)
 図3に示されるように、スチールコード10で 、シースフィラメント14間に隙間Aが確保さ 、しかも加硫時にスチールコード10に対し 力や周囲のゴム16からの圧力pが加わっても 隙間Aがなくなることはないので、ゴム16は 間Aを通ってスチールコード10内に入り込み コアフィラメント12に付着する。

 このように、本発明のスチールコード10 、シースフィラメント14がコアフィラメント 12の周囲に偏在しながら撚り合わされている 成でありながら、ゴムペネ性が良好であり かかるスチールコード10を使用することで 十分にゴムが行き渡ったリボン36等のゴム部 品を製造することが可能となる。

 本発明のスチールコード10をゴムに埋設 てなるリボン36は、例えば、タイヤのベルト 補強層等(図示せず)に利用でき、かかるリボ 36をベルト補強層に使用することで、トレ ド(図示せず)がカットされた場合でも、ベル ト補強層内、特にスチールコード内部に水分 が侵入し難く、耐腐食性が改善される効果が 得られる。

(スチールコードの製造方法および装置)
 本発明のスチールコード10は、例えば、図4 示されるようなチューブラー撚線機20によ 製造することができる。チューブラー撚線 20は、複数のコア用ボビン22から繰り出され コアフィラメント12と、回転バレル24内の複 数のシース用ボビン26から繰り出されプレフ ーマ28により型付けされるシースフィラメ ト14とを集合部30で集合させて撚り合わせる とができるように構成され、撚り合わされ スチールコード10は、形状矯正ロール32を通 ってから、例えばリール34に巻き取られるよ になっている。また、チューブラー撚線機2 0では、コア用ボビン22から繰り出されるコア フィラメント12に対して、適宜張力を与える とができるようになっている。

 チューブラー撚線機20では、回転バレル24 内から夫々繰り出されるシースフィラメント 14に対してプレフォーマ28により型付けを行 て集合部30に送ると共に、回転バレル24外の ア用ボビン22から繰り出されるコアフィラ ント12に対しては型付けを行わずに無撚り状 態で並列に引き揃えて集合部30の中心に送る

 回転バレル24は回転しているので、集合 30においてコアフィラメント12の周囲にシー フィラメント14が撚り合わされ、スチール ード10となる。撚り合わされたスチールコー ド10は、形状矯正ロール32によって形状が整 られ、リール34に巻き取られる。

 スチールコード10の断面長径φの調整は、 撚合せ前のコアフィラメント12に与える張力 調整と、形状矯正ロール32における上下ロ ルの噛合せ量の調整によるスチールコード10 の屈曲程度の調整により行う。

 具体的には例えば、コアフィラメント12 与える張力を小さくし、形状矯正ロール32に おけるスチールコード10の屈曲を大きくする 、一方向に引き揃えられたコアフィラメン 12に対して、シースフィラメント14が該一方 向と略直角方向から覆い被さるような断面配 置となる撚り部分において、スチールコード 10が丸みを帯びる(断面長径φが小さくなる)傾 向となる。

 ここで、一方向とは、コアフィラメント1 2の配列方向であり、例えば、図2においては 左右(水平)方向がその一方向に該当する。 お、コアフィラメント12の配列方向はこれに 限られるものではない。

 以下、実施例により本発明を具体的に説明 る。
 タイヤサイズ185/70R14、2層のベルト補強層が 配置される試作タイヤ(1本)のベルト層(タイ 径方向最内側に位置する第1ベルト層)の周上 に、表1に示す各実施例および各比較例に係 スチールコードを同時に埋設し、加硫後に イヤからスチールコードを取り出して、シ スフィラメントを除去したコアフィラメン の表面ゴム付き状態を観察することで、ゴ ペネ性を評価した。なお、比較例1および比 例2では、断面長径φの測定値が最小断面長 (計算値)よりも小さく設定されている。

 ゴムペネ率の評価は、一方向に並列に引 揃えられたコアフィラメントに対して、シ スフィラメントが該一方向と略直角方向か 覆い被さるような断面配置の撚り部分のみ 問題とし、該当する10箇所の断面をチェッ し、ゴムペネが実現している断面数の割合( ーセンテージ)で表した。その結果を、下記 の表1中に示す。

 上記表1の結果からわかるように、比較例 1及び比較例2では、断面長径φの測定値が最 断面長径(計算値)よりも小さいため、ゴムペ ネ率が何れも30%と低い一方、実施例1~実施例3 では、断面長径φの測定値が最小断面長径(計 算値)よりも大きいため、ゴムペネ率が向上 ていることがわかる。特に、実施例1及び実 例3では、断面長径φの測定値が最小断面長 (計算値)よりも0.01mm以上大きく設定されて ることから、ゴムペネ率がより高くなって る。