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Patent Searching and Data


Title:
STEPPED AUTOMATIC TRANSMISSION AND VEHICLE WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025214
Kind Code:
A1
Abstract:
A stepped transmission that allows smooth shifts and has a simple structure. A first hydraulic clutch (70) is engaged by a first shift and disengaged by a second shift. A second hydraulic clutch (66) is engaged in the second shift and disengaged in the first shift. The first hydraulic clutch (70) has a first operation chamber (137). The second hydraulic clutch (66) has a second operation chamber (133). The first and second operation chambers (137, 133) are respectively provided with oil discharge paths (70a, 66a) having no valves.

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Inventors:
OISHI AKIFUMI (JP)
MURAYAMA TAKUJI (JP)
HATA SHINICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064510
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YAMAHA MOTOR CO LTD (JP)
OISHI AKIFUMI (JP)
MURAYAMA TAKUJI (JP)
HATA SHINICHIRO (JP)
International Classes:
F16H3/093; B62M11/06; F16H3/083; F16H61/04; F16H59/24; F16H59/44; F16H61/682
Foreign References:
JP2003090260A2003-03-28
JPH0432251B21992-05-28
JPS5824654B21983-05-23
JP2001108083A2001-04-20
US5327793A1994-07-12
Other References:
See also references of EP 2151602A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAYAMA, Kazutoshi et al. (5-4 Tanimachi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 12, JP)
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Claims:
 少なくとも第1のシフトと第2のシフトとを含む複数のシフトの切り替えが有段で行われる有段式自動変速装置であって、
 オイルを供給するオイルポンプと、
 前記オイルポンプからオイルが供給される第1の作動室を有し、前記第1のシフトにおいて接続状態とされる一方、前記第2のシフトにおいて切断状態とされる第1の油圧式クラッチと、
 前記オイルポンプからオイルが供給される第2の作動室を有し、前記第2のシフトにおいて接続状態とされる一方、前記第1のシフトにおいて切断状態とされる第2の油圧式クラッチと、
 前記オイルポンプと前記第1及び第2の作動室のそれぞれとの間の接続状態を変更するバルブと、
 前記第1の作動室に接続され、前記第1の作動室内のオイルを排出する第1の油圧排出経路と、
 前記第2の作動室に接続され、前記第2の作動室内のオイルを排出する第2の油圧排出経路と、
を備え、
 前記第1及び第2の油圧排出経路のそれぞれには、バルブが設けられていない有段式自動変速装置。
 請求項1に記載された有段式自動変速装置において、
 前記オイルポンプと前記第1または第2の作動室が接続された際に、前記第1または第2の油圧式クラッチが接続状態となるように、前記第1及び第2の油圧排出経路のそれぞれの流路面積が設定されている有段式自動変速装置。
 請求項1に記載された有段式自動変速装置において、
 前記第1の油圧式クラッチには、前記第1の作動室に接続され、前記第1の作動室内のオイルをリークさせる第1のリーク孔が形成されており、
 前記第2の油圧式クラッチには、前記第2の作動室に接続され、前記第2の作動室内のオイルをリークさせる第2のリーク孔が形成されており、
 前記第1の油圧排出経路は、前記第1のリーク孔により構成されており、
 前記第2の油圧排出経路は、前記第2のリーク孔により構成されている有段式自動変速装置。
 請求項1に記載された有段式自動変速装置において、
 前記バルブはソレノイドバルブである有段式自動変速装置。
 請求項1に記載された有段式自動変速装置において、
 前記バルブは、第1の回転角度において前記オイルポンプと前記第1の作動室とを接続する第1の連通経路と、第2の回転角度において前記オイルポンプと前記第2の作動室とを接続する第2の連通経路とが形成されたロータリーバルブである有段式自動変速装置。
 請求項5に記載された有段式自動変速装置において、
 前記複数のシフトには、前記第1及び第2のシフトとは変速比が異なる第3のシフトが含まれ、
 前記オイルポンプからオイルが供給される第3の作動室を有し、前記第3のシフトにおいて接続状態とされる一方、前記第1及び第2のシフトにおいて切断状態とされる第3の油圧式クラッチと、
 前記第3の作動室に接続され、前記第3の作動室内のオイルを排出する第3の油圧排出経路と、
をさらに備え、
 前記バルブは、前記オイルポンプと前記第1~第3の作動室のそれぞれとの間の接続状態を変更し、
 前記第1及び第2の油圧式クラッチは、前記第3のシフトにおいて切断状態とされ、
 前記第3の油圧排出経路のそれぞれには、バルブが設けられていない有段式自動変速装置。
 請求項1に記載の有段式自動変速装置を備えた車両。
Description:
有段式自動変速装置及びそれを えた車両

 本発明は、有段式自動変速装置及びそれ 備えた車両に関する。

 従来、例えば特許文献1などにおいて、変 速用のクラッチとして複数の油圧式クラッチ を用いた有段式自動変速装置が提案されてい る。図33は、特許文献1に開示された有段式自 動変速装置500の一部分を表す断面図である。 図33に示すように、有段式自動変速装置500は 主軸501とカウンタ軸502とを備えている。主 501には、変速比に応じてそれぞれ歯数の異 る1速駆動歯車503、2速駆動歯車504及び3速駆 歯車505が設けられている。一方、カウンタ 502には、1速従動歯車506、2速従動歯車507及 3速従動歯車508が設けられている。1速従動歯 車506は、1速駆動歯車503と噛合している。2速 動歯車507は、2速駆動歯車504と噛合している 。3速従動歯車508は、3速駆動歯車505と噛合し いる。

 1速駆動歯車503は、主軸501に対して回転可 能である。主軸501と1速駆動歯車503との間に 、1速用油圧多板式クラッチ510が設けられて る。1速が選択されている際には、この1速 油圧多板式クラッチ510が接続される。これ より、主軸501と1速駆動歯車503とが接続され 。その結果、1速駆動歯車503及び1速従動歯 506を介して主軸501からカウンタ軸502へと動 が伝達される。

 2速従動歯車507は、カウンタ軸502に対して 回転可能である。2速従動歯車507とカウンタ 502との間には、2速用油圧多板式クラッチ511 設けられている。1速から2速へとシフトチ ンジされると、1速用油圧多板式クラッチ510 切断されると共に、2速用油圧多板式クラッ チ511が接続される。これにより、1速駆動歯 503が、主軸501に対して回転可能となる。そ と共に、2速従動歯車507がカウンタ軸502と接 される。その結果、2速駆動歯車504及び2速 動歯車507を介して主軸501からカウンタ軸502 と動力が伝達される。

 3速従動歯車508も、2速従動歯車507と同様に カウンタ軸502に対して回転可能である。3速 動歯車508とカウンタ軸502との間には、3速油 圧多板式クラッチ512が設けられている。2速 ら3速へとシフトチェンジされると、2速用油 圧多板式クラッチ511が切断されると共に、3 油圧多板式クラッチ512が接続される。これ より、2速従動歯車507が、主軸501に対して回 可能となる。それと共に、3速従動歯車508が カウンタ軸502と接続される。その結果、3速 動歯車505及び3速従動歯車508を介して主軸501 らカウンタ軸502へと動力が伝達される。

特開2003-90260号公報

 上述のように、有段式自動変速装置500で 、油圧多板式クラッチ510~512の断続によって シフトチェンジが行われる。従って、シフト チェンジ時において、切断される油圧多板式 クラッチの残圧を迅速に低下させる必要があ る。このため、図34に示すように、油圧多板 クラッチ510~512への作動油の供給を制御する スプールバルブ520,521と共に、油圧多板式ク ッチ510~512からの作動油の排出を制御する制 バルブ522,523が設けられている。切断される 油圧多板式クラッチに応じて、この制御バル ブ522,523を駆動させることによって、切断さ る油圧多板式クラッチの残圧を迅速に低下 せることができる。従って、スムーズなシ トチェンジが可能となる。

 しかしながら、有段式自動変速装置500で 、スプールバルブ520,521と共に、制御バルブ 522,523を設ける必要がある。このため、必要 なるバルブの数量が多くなり、構成が複雑 するという問題がある。

 本発明はかかる点に鑑みてなされたもの あり、その目的は、スムーズなシフトチェ ジが可能で、かつ構成がシンプルな有段式 動変速装置を提供することにある。

 本発明に係る有段式自動変速装置は、少 くとも第1のシフトと第2のシフトとを含む 数のシフトの切り替えが有段で行われる有 式自動変速装置である。本発明に係る有段 自動変速装置は、オイルポンプと、第1の油 式クラッチと、第2の油圧式クラッチと、バ ルブと、第1の油圧排出経路と、第2の油圧排 経路とを備えている。オイルポンプは、オ ルを供給する。第1の油圧式クラッチは、第 1の作動室を有する。第1の作動室には、オイ ポンプからオイルが供給される。第1の油圧 式クラッチは、第1のシフトにおいて接続状 とされる。第1の油圧式クラッチは、第2のシ フトにおいて切断状態とされる。第2の油圧 クラッチは、第2の作動室を有する。第2の作 動室には、オイルポンプからオイルが供給さ れる。第2の油圧式クラッチは、第2のシフト おいて接続状態とされる。第2の油圧式クラ ッチは、第1のシフトにおいて切断状態とさ る。バルブは、オイルポンプと第1及び第2の 作動室のそれぞれとの間の接続状態を変更す る。第1の油圧排出経路は、第1の作動室に接 されている。第1の油圧排出経路は、第1の 動室内のオイルを排出する。第2の油圧排出 路は、第2の作動室に接続されている。第2 油圧排出経路は、第2の作動室内のオイルを 出する。第1及び第2の油圧排出経路のそれ れには、バルブが設けられていない。

 本発明に係る車両は、上記本発明に係る有 式自動変速装置を備えている。
(発明の効果)

 本発明によれば、スムーズなシフトチェ ジが可能で、かつ構成がシンプルな有段式 動変速装置を提供できる。

図1は、実施形態1に係るスクータ型車 の左側面図である。 図2は、実施形態1におけるエンジンユ ットの断面図である。 図3は、実施形態1におけるエンジンユ ットの部分断面図である。 図4は、実施形態1におけるエンジンユ ットの構成を表す模式図である。 図5は、実施形態1におけるエンジンユ ットの回転軸配置を説明するための模式的 部分断面図である。 図6は、実施形態1における下流側クラ チ群の構成を表すエンジンユニットの部分 面図である。 図7は、オイル回路を表す概念図である 。 図8は、オイルフィルタ等を説明するた めのエンジンユニットの部分断面図である。 図9は、変速装置における1速時の動力 達経路を説明するための模式図である。 図10は、変速装置における2速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図11は、変速装置における3速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図12は、変速装置における4速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図13は、実施形態2に係るモペットの左 側面図である。 図14は、実施形態2に係るモペットの右 側面図である。 図15は、実施形態2におけるエンジンユ ニットの右側面図である。 図16は、実施形態2におけるエンジンユ ニットの断面図である。 図17は、実施形態2におけるエンジンユ ニットの部分断面図である。 図18は、実施形態2における下流側クラ ッチ群の構成を表すエンジンユニットの部分 断面図である。 図19は、実施形態1における下流側クラ ッチ群の構成を表すエンジンユニットの部分 断面図である。 図20は、実施形態2における下流側クラ ッチ群の構成を表すエンジンユニットの部分 断面図である。 図21は、変形例1におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図22は、変形例2におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図23は、変形例3におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図24は、変形例4におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図25は、変形例5におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図26は、変形例6におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図27は、実施形態3に係る自動二輪車の 左側面図である。 図28は、実施形態3におけるエンジンユ ニットの断面図である。 図29は、実施形態3におけるエンジンユ ニットの概略側面図である。 図30は、実施形態3におけるエンジンユ ニットの構成を表す模式図である。 図31は、実施形態3における下流側クラ ッチ群の構成を表すエンジンユニットの部分 断面図である。 図32は、変形例8におけるエンジンユニ ットの模式的な油圧回路図である。 図33は、特許文献1に開示された有段式 自動変速装置の一部分を表す断面図である。 図34は、特許文献1に開示された有段式 自動変速装置のオイル回路図である。

符号の説明

  1  スクータ型車両(車両)
  2  モペット(車両)
  3  自動二輪車(車両)
 31  変速装置(有段式自動変速装置)
 59  第2のクラッチ(第3の油圧式クラッチ)
 59a 作動室(第3の作動室)
 59b リーク孔(第3の油圧排出経路)
 66  第4のクラッチ(第2の油圧式クラッチ)
 70  第3のクラッチ(第1の油圧式クラッチ)
 66a リーク孔(第1の油圧排出経路)
 70a リーク孔(第2の油圧排出経路)
133  作動室(第2の作動室)
137  作動室(第1の作動室)
140  オイルポンプ
143  バルブ
144  第1のオイル経路
145  第2のオイル経路
146  第3のオイル経路(144+145+146:油圧供給経路 )
148  内部経路(第1の連通経路)
149  内部経路(第2の連通経路)

 《実施形態1》
 本実施形態1では、本発明を実施したモータ ーサイクルの例として、図1に示すスクータ 車両1を例に挙げて、本発明の好ましい実施 態の一例について説明する。但し、本発明 おいて、「モーターサイクル」は、スクー 型車両に限定されない。「モーターサイク 」は、所謂広義のモーターサイクルを意味 る。具体的に、本明細書において「モータ サイクル」は、車両を傾斜させることによ て方向転換を行う車両全般をいう。前輪及 後輪のうちの少なくとも一方が複数の車輪 より構成されていてもよい。具体的には、 モーターサイクル」は、前輪及び後輪のう の少なくとも一方が相互に隣接して配置さ た2つの車輪によって構成されている車両で あってもよい。「モーターサイクル」には、 狭義のモーターサイクル、スクータ型車両、 モペット型車両及びオフロード型車両が少な くとも含まれる。

 (スクータ型車両1の概略構成)
 まず、図1を参照しながらスクータ型車両1 概略構成について説明する。尚、以下の説 において、前後左右といった方向は、スク タ型車両1のシート14に着座したライダーか 視た方向をいうものとする。

 スクータ型車両1は、車体フレーム10を備 ている。車体フレーム10は、図示しないヘ ドパイプを有する。ヘッドパイプは、車両 前方部分において、下方に向かってやや斜 前方に延びている。ヘッドパイプには、図 しないステアリングシャフトが回転可能に 入されている。ステアリングシャフトの上 部には、ハンドル12が設けられている。一方 、ステアリングシャフトの下端部には、フロ ントフォーク15が接続されている。フロント ォーク15の下端部には、従動輪としての前 16が回転可能に取り付けられている。

 車体フレーム10には、車体カバー13が取り 付けられている。車体フレーム10の一部は、 の車体カバー13によって覆われている。車 カバー13は、レッグシールド27を有する。こ レッグシールド27によって車両の前面が覆 れている。また、車体カバー13は、レッグシ ールド27よりも後方に配置され、車両の左右 側に設けられた足載せ台17を有している。 載せ台17には、足載せ面17aが形成されている 。スクータ型車両1のライダーの足は、この 載せ面17aに載せられる。

 左右両側の足載せ台17の間には、車体カ ー13の一部を構成するセンターカバー26が配 されている。センターカバー26は足載せ台17 の足載せ面17aから上方に向かって突出し、前 後方向に延びるトンネル状に形成されている 。車体カバー13のセンターカバー26よりも後 の部分には、ライダーが着座するシート14が 取り付けられている。また、車両のほぼ中央 において、車体フレーム10には、サイドスタ ド23が取り付けられている。

 車体フレーム10には、エンジンユニット20 が揺動可能に懸架されている。具体的に、エ ンジンユニット20は、スイングユニット式の ンジンである。エンジンユニット20には、 ンジンブラケット21が一体結合されている。 エンジンユニット20は、このエンジンブラケ ト21を介して、車体フレーム10のピボット軸 19に揺動可能に取り付けられている。また、 ンジンユニット20には、クッションユニッ 22の一端が取り付けられている。クッション ユニット22の他端は、車体フレーム10の後部 取り付けられている。このクッションユニ ト22によって、エンジンユニット20の揺動が 制される。

 エンジンユニット20は、エンジンユニッ 20において発生した動力を出力する出力軸33( 図2を参照)を備えている。後輪18は、この出 軸33に取り付けられている。よって、後輪18 、エンジンユニット20において生じた動力 より駆動される。つまり、本実施形態1にお て、後輪18は、駆動輪を構成している。

 図2に示すように、本実施形態では、出力 軸33に対して、車速センサ88が設けられてい 。具体的には、車速センサ88は、出力軸33と に回転する第14のギア80に対して設けられて いる。但し、車速センサ88は、出力軸33以外 回転軸に対して設けられていてもよく、出 軸33に対して一定の回転数比で回転する他の 部材に設けられていてもよい。

 (エンジンユニット20の構成)
 図2は、エンジンユニット20の断面図である 図4は、エンジンユニット20の構成を表す模 図である。図2に示すように、エンジンユニ ット20は、エンジン30と、変速装置31とを備え ている。尚、本実施形態1ではエンジン30が単 気筒エンジンである例について説明する。但 し、本発明において、エンジン30は、単気筒 ンジンに限定されない。エンジン30は、例 ば、2気筒エンジンなどの多気筒のエンジン あってもよい。

  -エンジン30-
 エンジン30は、クランクケース32と、シリン ダボディ37と、シリンダヘッド40と、クラン 軸34とを備えている。クランクケース32の内 には、クランク室35が区画形成されている シリンダボディ37の内部には、クランク室35 開口するシリンダ38が区画形成されている シリンダボディ37の先端には、シリンダヘッ ド40が取り付けられている。クランク室35に 、車幅方向に延びるクランク軸34が配置され ている。クランク軸34には、コンロッド36が り付けられている。コンロッド36の先端には 、シリンダ38内に配置されたピストン39が取 付けられている。このピストン39とシリンダ ボディ37と、シリンダヘッド40とによって燃 室41が区画形成されている。シリンダヘッド 40には、先端の発火部が燃焼室41に位置する うに点火プラグ42が取り付けられている。

 図3は、キックスタータ100及びセルモータ 101を表すエンジンユニット20の部分断面図で る。図1及び図3に示すように、エンジンユ ット20には、キックスタータ100が設けられて いる。スクータ型車両1のライダーは、この ックスタータ100を操作することによってエ ジン30を始動させることができる。

 キックスタータ100は、キックペダル24を する。キックペダル24は、図1に示すように クランク軸34よりも後方かつ上方において、 クランクケース32の左側に配置されている。 3に示すように、キックペダル24は、キック 102に取り付けられている。キック軸102とク ンクケース32との間には、圧縮コイルばね10 3が設けられている。この圧縮コイルばね103 、ライダーの操作により回転したキック軸10 2に対して逆回転方向の付勢力を付与する。 た、キック軸102には、ギア104が設けられて る。一方、軸105には、ギア106が回転不能に けられている。ギア104は、このギア106と噛 している。このギア104等を介して、キック 102の回転がクランク軸34に伝達される。

 軸105には、ラチェット107が形成されてい 。軸105のラチェット107が形成された部分に 、ラチェット108が取り付けられている。軸1 05が回転すると、ラチェット108は、ラチェッ 107によって案内されて軸105の軸方向右側に 動する。一方、圧縮コイルばね103の付勢力 よって軸105が逆方向に回転すると、ラチェ ト108は、ラチェット107によって案内されて 105の軸方向左側に移動する。

 ラチェット108の右側端面には、係合部109 形成されている。一方、軸105に回転可能に けられたギア111の左側端面には係合部110が 成されている。ラチェット108の係合部109は ラチェット108が右方向に移動したときに係 部110と係合する。これにより、ラチェット1 08が右方向に移動したときには、軸105の回転 ギア111に伝達する。ギア111は、バランサ軸1 15に形成されたギア116と噛合している。また ギア116は、クランク軸34に形成されたギア11 7と噛合している。これにより、ギア111の回 は、バランサ軸115を介してクランク軸34に伝 達される。よって、キックペダル24が操作さ ると、クランク軸34が回転し、エンジン30が 始動される。

 なお、キック軸102は、平面視において、 速装置31をまたぐように車両中央側に延び いる。すなわち、図3に示すように、キック 102は、車幅方向の左側から車両中央側に延 ており、変速装置31の一部と上下方向に並 ように配置されている。

 また、エンジン30には、セルモータ101も けられている。セルモータ101は、クランク ース32に対して取り付けられている。このセ ルモータ101の回転は、ギア120、121及び122を介 してクランク軸34に伝達される。これにより ライダーの操作によりセルモータ101が駆動 れることによって、エンジン30が始動する

  -発電機45-
 クランクケース32の右側には、発電機カバ 43が取り付けられている。この発電機カバー 43とクランクケース32とによって、発電機室44 が区画形成されている。

 クランク軸34の右側端部は、クランク室35 から突出して、発電機室44に至っている。発 機室44内において、クランク軸34の右側端部 には、発電機45が取り付けられている。発電 45は、インナ45aと、アウタ45bとを備えてい 。インナ45aは、クランクケース32に対して回 転不能に取り付けられている。一方、アウタ 45bは、クランク軸34の右側端部に取り付けら ている。アウタ45bは、クランク軸34と共に 転する。よって、クランク軸34が回転すると 、アウタ45bはインナ45aに対して相対的に回転 する。これによって、発電が行われる。尚、 アウタ45bには、ファン46が設けられている。 のファン46がクランク軸34と共に回転するこ とで、エンジン30の冷却が行われる。

 クランクケース32の左側には、変速装置 バー50が取り付けられている。この変速装置 カバー50とクランクケース32とによって、ク ンクケース32の左側に位置する変速装置室51 区画形成されている。

  -変速装置31の構成-
 次に、主として図4を参照しながら、変速装 置31の構成について詳細に説明する。変速装 31は、入力軸52と出力軸33とを備えた4速の有 段式自動変速装置である。変速装置31は、複 の変速ギア対を介して入力軸52から出力軸33 へと動力が伝達される所謂ギアトレイン型の 有段式変速装置である。

 図2に示すように、クランク軸34の左側端 は、クランク室35から突出して、変速装置 51に至っている。クランク軸34は、変速装置3 1の入力軸52を兼ねている。

   ~回転軸構成~
 変速装置31は、第1の回転軸53と、第2の回転 54と、第3の回転軸64と、出力軸33とを有する 。第1の回転軸53と、第2の回転軸54と、第3の 転軸64と、出力軸33とのそれぞれは、入力軸5 2と平行に配置されている。

 図5において、符号C1,C2,C3,C4,C5は、それぞ 、入力軸52の軸線、第1の回転軸53の軸線、 2の回転軸54の軸線、第3の回転軸64の軸線、 力軸33の軸線を表している。図5に示すよう 、入力軸52と、第1の回転軸53と、第2の回転 54と、第3の回転軸64と、出力軸33とは、側面 において、入力軸52の軸方向と垂直な略水 方向に配列されている。より具体的には、 力軸52の軸線C1と、第1の回転軸53の軸線C2と 第2の回転軸54の軸線C3と、第3の回転軸64の軸 線C4と、出力軸33の軸線C5とは、側面視におい て、略水平な直線上に配列されている。この ように各回転軸を配置することで、入力軸52 出力軸33との間の距離を比較的長くするこ ができる。尚、図5において、符号94は、ア ドルギアを表している。符号95は、スタータ 用のワンウェイギアを表している。

 尚、本実施形態1では、出力軸33と第3の回 転軸64とがそれぞれ別個に設けられている例 ついて説明する。但し、本発明はこの構成 限定されない。出力軸33と第3の回転軸64と 共通であってもよい。言い換えれば、第3の 転軸64に対して後輪18が取り付けられていて もよい。

   ~上流側クラッチ群81~
 入力軸52には、上流側クラッチ群81が設けら れている。上流側クラッチ群81は、第1のクラ ッチ55と、第2のクラッチ59とを備えている。 1のクラッチ55は、第2のクラッチ59よりも右 に配置されている。第1のクラッチ55と、第2 のクラッチ59とは、それぞれ遠心クラッチに り構成されている。具体的に、本実施形態1 では、第1のクラッチ55と、第2のクラッチ59と は、それぞれドラム式の遠心クラッチにより 構成されている。但し、本発明は、この構成 に限定されない。第2のクラッチ59は、遠心ク ラッチ以外のクラッチであってもよい。例え ば、第2のクラッチ59は、油圧式のクラッチで あってもよい。

 第1のクラッチ55は、入力側クラッチ部材 してのインナ56と、出力側クラッチ部材と てのアウタ57とを備えている。インナ56は、 力軸52に対して回転不能に設けられている このため、インナ56は、入力軸52の回転と共 回転する。一方、アウタ57は、入力軸52に対 して回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ5 6に働く遠心力により、インナ56とアウタ57と 接触する。これにより第1のクラッチ55がつ がる。一方、インナ56とアウタ57とがつなが った状態で回転しているときに、その回転速 度が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ンナ56に働く遠心力が弱くなり、インナ56と ウタ57とが離れる。これにより第1のクラッ 55が切断される。

 第2のクラッチ59は、出力側クラッチ部材 してのインナ60と、入力側クラッチ部材と てのアウタ61とを備えている。インナ60は、 述する第11のギア62に対して回転不能に設け られている。入力軸52が回転すると、その回 が第1の変速ギア対86と、第1の回転軸53と第4 の変速ギア対83とを介して、インナ60に伝達 れる。このため、インナ60は、入力軸52の回 と共に回転する。アウタ61は、入力軸52に対 して回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ6 0に働く遠心力により、インナ60とアウタ61と 接触する。これにより第2のクラッチ59がつ がる。一方、インナ60とアウタ61とがつなが った状態で回転しているときに、その回転速 度が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ンナ60に働く遠心力が弱くなり、インナ60と ウタ61とが離れる。これにより第2のクラッ 59が切断される。

 尚、本実施形態1では、アウタ57とアウタ6 1とが同一の部材で構成されている。但し、 発明はこの構成に限定されない。アウタ57と アウタ61とを別の部材によって構成してもよ 。

 第1のクラッチ55が接続されるときの入力 52の回転速度と、第2のクラッチ59が接続さ るときの入力軸52の回転速度とは相互に異な る。言い換えれば、第1のクラッチ55が接続さ れるときのインナ56の回転速度と、第2のクラ ッチ59が接続されるときのインナ60の回転速 とは相互に異なる。具体的には、第1のクラ チ55が接続されるときの入力軸52の回転速度 の方が、第2のクラッチ59が接続されるときの 入力軸52の回転速度よりも低い。より具体的 説明すると、第1のクラッチ55は、入力軸52 回転速度が第1の回転速度以上のときにつな る。一方、第1のクラッチ55は、入力軸52の 転速度が第1の回転速未満であるときに切断 れた状態となる。第2のクラッチ59は、入力 52の回転速度が上記第1の回転速度よりも高 第2の回転速度以上のときにつながる。一方 、第2のクラッチ59は、入力軸52の回転速度が 2の回転速度未満であるときに切断された状 態となる。

 第1のクラッチ55のアウタ57には、第1のギ 58が、アウタ57に対して回転不能に設けられ ている。第1のギア58は、第1のクラッチ55のア ウタ57と共に回転する。一方、第1の回転軸53 は、第2のギア63が設けられている。第2のギ ア63は第1のギア58と噛合している。第1のギア 58と第2のギア63とは第1の変速ギア対86とを構 している。本実施形態では、第1の変速ギア 対86は、第1速の変速ギア対を構成している。

 第2のギア63は、所謂一方向ギアである。 体的には、第2のギア63は、第1のギア58の回 を第1の回転軸53に伝達する。一方、第2のギ ア63は、第1の回転軸53の回転を入力軸52には 達しない。つまり、第2のギア63は、一方向 転伝達機構96を兼ね備えている。

 第2のクラッチ59の出力側クラッチ部材と てのインナ60には、第11のギア62が設けられ いる。第11のギア62はインナ60と共に回転す 。一方、第1の回転軸53には、第12のギア65が 設けられている。第12のギア65は第11のギア62 噛合している。第12のギア65と第11のギア62 は第4の変速ギア対83とを構成している。第4 変速ギア対83は、第1の変速ギア対86とは異 るギア比を有する。具体的に、第4の変速ギ 対83は、第1の変速ギア対86のギア比よりも さなギア比を有している。第4の変速ギア対8 3は第2速の変速ギア対を構成している。

 第1の変速ギア対86と第4の変速ギア対83と 間には、上記第1のクラッチ55と第2のクラッ チ59が位置している。言い換えれば、上記第1 のクラッチ55と第2のクラッチ59とは、第1の変 速ギア対86と第4の変速ギア対83との間に配置 れている。

 本実施形態では、第12のギア65は、第9の ア87としての機能も兼ね備えている。言い換 えれば、第12のギア65と第9のギア87とは共通 ある。第2の回転軸54には、第10のギア75が、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。第10のギア75は第2の回転軸54と共に回転 する。第12のギア65としての機能も兼ね備え 第9のギア87は、第10のギア75と噛合している 第12のギア65としての機能も兼ね備える第9 ギア87と、第10のギア75とは、第1の伝達ギア 84を構成している。

 第2の回転軸54には、第7のギア74が、第2の 回転軸54に対して回転不能に設けられている 第7のギア74は第2の回転軸54と共に回転する 一方、第3の回転軸64には、第8のギア78が第3 の回転軸64に対して回転不能に設けられてい 。第3の回転軸64は、第8のギア78と共に回転 る。第7のギア74と第8のギア78とは相互に噛 している。第7のギア74と第8のギア78とは、 2の伝達ギア対85を構成している。

 第8のギア78は、所謂一方向ギアである。 体的には、第8のギア78は、第2の回転軸54の 転を第3の回転軸64に伝達する。一方、第8の ギア78は、第3の回転軸64の回転を第2の回転軸 54には伝達しない。つまり、第8のギア78は、 方向回転伝達機構93を兼ね備えている。

 但し、本発明において、第8のギア78が所 一方向ギアであることは必須ではない。例 ば、第8のギア78を通常のギアとし、第7のギ ア74を所謂一方ギアとしてもよい。言い換え ば、第7のギア74に一方向回転伝達機構を兼 備えさせてもよい。具体的には、第7のギア 74を第2の回転軸54の回転を第8のギア78に伝達 る一方、第8のギア78の回転を第2の回転軸54 伝達しないようにしてもよい。

   ~下流側クラッチ群82~
 第2の回転軸54には、下流側クラッチ群82が けられている。下流側クラッチ群82は上流側 クラッチ群81の後方に位置している。図2に示 すように、下流側クラッチ群82と上流側クラ チ群81とは、入力軸52の軸方向に関して、少 なくとも一部が重なる位置に配置されている 。言い換えれば、下流側クラッチ群82と上流 クラッチ群81とは、車幅方向に関して、少 くとも一部が重なる位置に配置されている 具体的には、下流側クラッチ群82と上流側ク ラッチ群81とは、車幅方向に関して、実質的 重なる位置に配置されている。

 下流側クラッチ群82は、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66とを備えている。第4のクラ チ66は、第3のクラッチ70よりも右側に配置 れている。このため、第1のクラッチ55が第2 クラッチ59に対して位置する方向と、第4の ラッチ66が第3のクラッチ70に対して位置す 方向とは等しくなっている。そして、図2に すように、第1のクラッチ55と第4のクラッチ 66とは、車幅方向に関して少なくとも一部が なるように配置されている。言い換えれば 第1のクラッチ55と第4のクラッチ66とは、入 軸52の軸方向に関して少なくとも一部が重 るように配置されている。一方、第2のクラ チ59と第3のクラッチ70とも、車幅方向に関 て少なくとも一部が重なるように配置され いる。言い換えれば、第2のクラッチ59と第3 クラッチ70とは、入力軸52の軸方向に関して 少なくとも一部が重なるように配置されてい る。具体的には、第1のクラッチ55と第4のク ッチ66とは、車幅方向に関して実質的に重な るように配置されている。一方、第2のクラ チ59と第3のクラッチ70とも、車幅方向に関し て実質的に重なるように配置されている。

 本実施形態において、第3のクラッチ70と 4のクラッチ66とは、それぞれ所謂油圧式ク ッチにより構成されている。具体的には、 実施形態1では、第3のクラッチ70と第4のク ッチ66とは、それぞれディスク式の油圧式ク ラッチにより構成されている。但し、本発明 は、この構成に限定されない。第4のクラッ 66と第3のクラッチ70とは、油圧式のクラッチ 以外のクラッチであってもよい。例えば、第 4のクラッチ66と第3のクラッチ70とは、遠心ク ラッチであってもよい。但し、第4のクラッ 66と第3のクラッチ70とは、油圧式のクラッチ であることが好ましい。

 このように、本発明では、第1のクラッチ 55が遠心クラッチであり、第2のクラッチ59、 3のクラッチ70及び第4のクラッチ66のうちの なくともひとつが油圧式クラッチであれば い。その限りにおいて、第2のクラッチ59、 3のクラッチ70及び第4のクラッチ66は、ドラ 式又はディスク式の遠心クラッチであって よいし、ドラム式又はディスク式の油圧式 ラッチであってもよい。但し、第2のクラッ チ59、第3のクラッチ70及び第4のクラッチ66の ちの2つ以上が油圧式クラッチであることが 好ましい。特に、第2のクラッチ59が遠心クラ ッチであって、第3のクラッチ70及び第4のク ッチ66が油圧式クラッチであることが好まし い。そして、油圧式クラッチである第3のク ッチ70及び第4のクラッチ66を同一の回転軸上 に配置し、遠心クラッチである第1のクラッ 55と第2のクラッチ59とを別の回転軸上に配置 することが好ましい。

 尚、本明細書において、「遠心クラッチ とは、入力側クラッチ部材と出力側クラッ 部材とを有し、入力側クラッチ部材の回転 度が所定の回転速度以上であるとき、入力 クラッチ部材と出力側クラッチ部材とが係 してつながる一方、入力側クラッチ部材の 転速度が所定の回転速度未満であるとき、 力側クラッチ部材と出力側クラッチ部材と 離れて切断されるクラッチをいう。

 第3のクラッチ70が接続されるときの第2の 回転軸54の回転速度と、第4のクラッチ66が接 されるときの第2の回転軸54の回転速度とは 互に異なる。言い換えれば、第3のクラッチ 70が接続されるときのインナ71の回転速度と 第4のクラッチ66が接続されるときのインナ67 の回転速度とは相互に異なる。具体的には、 第3のクラッチ70が接続されるときの第2の回 軸54の回転速度の方が、第4のクラッチ66が接 続されるときの第2の回転軸54の回転速度より も低い。

 第3のクラッチ70は、入力側クラッチ部材 してのインナ71と、出力側クラッチ部材と てのアウタ72とを備えている。インナ71は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ71は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ72は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第3の ラッチ70がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ71は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ72は第2の回 軸54と共には回転しない。第3のクラッチ70 つながっている状態では、インナ71とアウタ 72との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第3のクラッチ70の出力側クラッチ部材と てのアウタ72には、第5のギア73が取り付け れている。第5のギア73は、アウタ72と共に回 転する。一方、第3の回転軸64には、第6のギ 77が第3の回転軸64に対して回転不能に設けら れている。第6のギア77は、第3の回転軸64と共 に回転する。第5のギア73と第6のギア77とは、 相互に噛合している。よって、アウタ72の回 は、第5のギア73と第6のギア77とを介して第3 の回転軸64に伝達される。

 第5のギア73と第6のギア77とは、第3の変速 ギア対91を構成している。第3の変速ギア対91 、第1の変速ギア対86のギア比と、第4の変速 ギア対83のギア比と、第2の変速ギア対90のギ 比は異なるギア比を有する。

 第3の変速ギア対91は、第3のクラッチ70に して、第2のクラッチ59に対して第4の変速ギ ア対83が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第3の変速ギア対91は、第3のク ラッチ70に対して左側に位置している。第4の 変速ギア対83も同様に、第2のクラッチ59に対 て左側に位置している。

 また、第3の変速ギア対91と第4の変速ギア 対83とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第3の変速ギア対91と第4の変速ギア 対83とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第3の変速ギア対91と第4の変 ギア対83とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第4のクラッチ66は、入力側クラッチ部材 してのインナ67と、出力側クラッチ部材と てのアウタ68とを備えている。インナ67は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ67は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ68は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第4の ラッチ66がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ67は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ68は第2の回 軸54と共には回転しない。第4のクラッチ66 つながっている状態では、インナ67とアウタ 68との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第4のクラッチ66の出力側クラッチ部材と てのアウタ68には、第3のギア69が取り付け れている。第3のギア69は、アウタ68と共に回 転する。一方、第3の回転軸64には、第4のギ 76が第3の回転軸64に対して回転不能に設けら れている。第4のギア76は、第3の回転軸64と共 に回転する。第3のギア69と第4のギア76とは、 相互に噛合している。よって、アウタ68の回 は、第3のギア69と第4のギア76とを介して第3 の回転軸64に伝達される。

 第4のギア76と第3のギア69とは第2の変速ギ ア対90を構成している。第2の変速ギア対90は 第1の変速ギア対86のギア比及び第4の変速ギ ア対83のギア比とは異なるギア比を有する。

 第3の変速ギア対91と第2の変速ギア対90と 間には、上記第3のクラッチ70と第4のクラッ チ66とが位置している。言い換えれば、上記 3のクラッチ70と第4のクラッチ66とは、第3の 変速ギア対91と第2の変速ギア対90との間に配 されている。

 第2の変速ギア対90は、第4のクラッチ66に して、第1のクラッチ55に対して第1の変速ギ ア対86が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第2の変速ギア対90は、第4のク ラッチ66に対して右側に位置している。第1の 変速ギア対86も同様に、第1のクラッチ55に対 て右側に位置している。

 また、第2の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第2の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第2の変速ギア対90と第1の変 ギア対86とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第3の回転軸64には、第13のギア79が第3の 転軸64に対して回転不能に設けられている。 第13のギア79は、車幅方向に関して、第4のギ 76と、第6のギア77よりも左側に配置されて る。第13のギア79は第3の回転軸64と共に回転 る。一方、出力軸33には、第14のギア80が出 軸33に対して回転不能に設けられている。 い換えれば、第14のギア80は、出力軸33と共 回転する。この第14のギア80と第13のギア79と によって、第3の伝達ギア対98が構成されてい る。この第3の伝達ギア対98によって、第3の 転軸64の回転が出力軸33に伝達される。

   ~下流側クラッチ群82の詳細構造~
 次に、主として図6~図8を参照しながら、下 側クラッチ群82についてさらに詳細に説明 る。

 第3のクラッチ70には、プレート群136が設 られている。プレート群136は、複数のフリ ションプレート134と複数のクラッチプレー 135とを備えている。複数のフリクションプ ート134と複数のクラッチプレート135とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート134は、アウタ72 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート135は、インナ71に対して回転不能である 。

 インナ71は、アウタ72に対して回転可能で ある。インナ71のアウタ72とは車幅方向の反 側には、プレッシャープレート163が配置さ ている。プレッシャープレート163は、圧縮 イルスプリング92によって車幅方向右側に付 勢されている。すなわち、プレッシャープレ ート163は、圧縮コイルスプリング92によって ス部162側に付勢されている。

 ボス部162とプレッシャープレート163との には、作動室137が区画形成されている。作 室137には、オイルが満たされている。この 動室137内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート163は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 163とインナ71との間の距離が短くなる。従 て、プレート群136が相互に圧接された状態 なる。その結果、インナ71とアウタ72とが共 回転し、第3のクラッチ70が接続状態となる

 一方、作動室137内の圧力が低くなると、 レッシャープレート163は、圧縮コイルスプ ング92によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群136の圧接状態が解除さ る。その結果、インナ71とアウタ72とが共に 対的に回転可能となり、第3のクラッチ70が 断される。

 尚、図示は省略するが、第3のクラッチ70 は、作動室137に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ71とアウタ72と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ70の切断時に、作動室137内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ70の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ71とアウ タ72との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

 第4のクラッチ66には、プレート群132が設 られている。プレート群132は、複数のフリ ションプレート130と複数のクラッチプレー 131とを備えている。複数のフリクションプ ート130と複数のクラッチプレート131とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート130は、アウタ68 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート131は、インナ67に対して回転不能である 。

 インナ67は、アウタ68に対して回転可能か つ車幅方向に変位可能である。インナ67のア タ68とは車幅方向の反対側には、プレッシ ープレート161が配置されている。プレッシ ープレート161は、圧縮コイルスプリング89に よって車幅方向左側に付勢されている。すな わち、プレッシャープレート161は、圧縮コイ ルスプリング89によってボス部162側に付勢さ ている。

 ボス部162とプレッシャープレート161との には、作動室133が区画形成されている。作 室133には、オイルが満たされている。この 動室133内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート161は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 161とインナ67との間の距離が短くなる。従 て、によってプレート群132が相互に圧接さ た状態となる。その結果、インナ67とアウタ 68とが共に回転し、第4のクラッチ66が接続状 となる。

 一方、作動室133内の圧力が低くなると、 レッシャープレート161は、圧縮コイルスプ ング89によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群132の圧接状態が解除さ る。その結果、インナ67とアウタ68とが共に 対的に回転可能となり、第4のクラッチ66が 断される。

 尚、図示は省略するが、第4のクラッチ66 は、作動室133に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ67とアウタ68と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ66の切断時に、作動室133内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ66の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ67とアウ タ68との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

   ~オイル経路139~
 図7に示すように、第4のクラッチ66の作動室 133内の圧力と第3のクラッチ70の作動室137内の 圧力とは、オイルポンプ140によって付与され ると共に調整される。図7に示すように、ク ンク室35の底部には、オイル溜まり99が形成 れている。このオイル溜まり99には、図8に 示すストレーナ141が漬けられている。スト ーナ141は、オイルポンプ140に接続されてい 。オイルポンプ140が駆動されることで、こ ストレーナ141を介してオイル溜まり99に溜 られたオイルが吸い上げられる。

 第1のオイル経路144の途中には、リリーフ バルブ147が設けられている。吸い上げられた オイルは、オイルクリーナ142において浄化さ れ、リリーフバルブ147により所定の圧力に調 圧される。その後、浄化されたオイルの一部 は、クランク軸34や、シリンダヘッド40内の 動部に対して供給される。また、浄化され オイルの一部は、第4のクラッチ66の作動室13 3と第3のクラッチ70の作動室137とにも供給さ る。具体的には、オイルクリーナ142から延 る第1のオイル経路144には、第2のオイル経路 145と第3のオイル経路146とが接続されている 第2のオイル経路145は、バルブ143からクラン ケース32側を経て、第2の回転軸54の右端部 ら、第2の回転軸54内に延びている。そして 第2のオイル経路145は作動室133に至っている よって、第2のオイル経路145を経由して作動 室133にオイルが供給され、作動室133内の圧力 が調節される。一方、第3のオイル経路146は バルブ143から変速装置カバー50側を経て、第 2の回転軸54の左端部から、第2の回転軸54内に 延びている。そして、第3のオイル経路146は 動室137に至っている。よって、第3のオイル 路146を経由して作動室137にオイルが供給さ る。

 第1のオイル経路144と、第2のオイル経路14 5及び第3のオイル経路146との接続部には、バ ブ143が設けられている。このバルブ143によ て、第1のオイル経路144と第3のオイル経路14 6との間の開閉、及び第1のオイル経路144と第2 のオイル経路145との間の開閉が行われる。

 バルブ143には、図6に示すように、バルブ 143を駆動するモータ150が取り付けられている 。このモータ150によってバルブ143が駆動され ることで、第3のクラッチ70と第4のクラッチ66 の断続が行われる。つまり、本実施形態では 、オイルポンプ140と、バルブ143と、モータ150 とによって、油圧式クラッチである第3のク ッチ70と第4のクラッチ66とに対して油圧を付 加するアクチュエータ103が構成されている。 そして、そのアクチュエータ103が、図6に示 ECU138によって制御されることで、第3のクラ チ70と第4のクラッチ66とがON/OFFされる。具 的には、アクチュエータ103が作動室133と作 室137とに対して適宜に油圧を加え、これに り、第3のクラッチ70と第4のクラッチ66の断 が行われる。

 より具体的に説明すると、図6に示すよう に、ECU138には、スロットル開度センサ112と車 速センサ88とが接続されている。制御部とし のECU138は、このスロットル開度センサ112に って検出されるスロットル開度と、車速セ サ88により検出される車速とのうちの少な とも一方に基づいてアクチュエータ103を制 することで、第3のクラッチ70と第4のクラッ 66とがつながるタイミングを制御している 本実施形態では、制御部としてのECU138は、 のスロットル開度センサ112によって検出さ るスロットル開度と、車速センサ88により検 出される車速との両方に基づいてアクチュエ ータ103を制御している。具体的には、ECU138は 、スロットル開度センサ112から出力されるス ロットル開度と、車速センサ88から出力され 車速とを、メモリ113から読み出したV-N線図 適用して得られた情報に基づいてアクチュ ータ103を制御している。

 具体的に、バルブ143は、略円柱状に形成 れている。バルブ143には、第1のオイル経路 144と第2のオイル経路145とを開通するための 部経路148と、第1のオイル経路144と第3のオイ ル経路146とを開通するための内部経路149とが 形成されている。モータ150によってバルブ143 が回転することで、上記内部経路148、149によ って、第1のオイル経路144と第2のオイル経路1 45とが開通する一方、第1のオイル経路144と第 3のオイル経路146とが切断されるポジション 第1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 開通する一方、第1のオイル経路144と第2のオ ル経路145とが切断されるポジション、及び 1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 断されると共に、第1のオイル経路144と第2の オイル経路145とも切断されるポジションのう ちのいずれかが選択されるようになっている 。これにより、第4のクラッチ66及び第3のク ッチ70の両方が切断された状態、第4のクラ チ66が接続されている一方、第3のクラッチ70 は切断されている状態、又は第4のクラッチ66 が切断されている一方、第3のクラッチ70が接 続されている状態のいずれかが選択される。

  -変速装置31の動作-
 次に変速装置31の動作について、図9~図12を 照しながら詳細に説明する。

   ~発進時、1速~
 まず、エンジン30が始動すると、クランク 34(=入力軸52)の回転が開始する。第1のクラッ チ55のインナ56は入力軸52と共に回転する。こ のため、入力軸52の回転速度が所定の回転速 (=第1の回転速度)以上になり、インナ56に所 以上の大きさの遠心力がかかりだすと、図9 に示すように、第1のクラッチ55がつながる。 第1のクラッチ55がつながると、第1のクラッ 55のアウタ57と共に、第1の変速ギア対86が回 する。これにより、入力軸52の回転が第1の 転軸53に伝達される。

 第9のギア87は、第1の回転軸53と共に回転 る。このため、第1の回転軸53の回転に伴っ 、第1の伝達ギア対84も回転する。よって、 1の伝達ギア対84を介して、第1の回転軸53の 転が第2の回転軸54に伝達される。

 第7のギア74は、第2の回転軸54と共に回転 る。このため、第2の回転軸54の回転に伴っ 、第2の伝達ギア対85も回転する。よって、 2の伝達ギア対85を介して、第2の回転軸54の 転が第3の回転軸64に伝達される。

 第13のギア79は、第3の回転軸64と共に回転 する。このため、第3の回転軸64の回転に伴っ て、第3の伝達ギア対98も回転する。よって、 第3の伝達ギア対98を介して、第3の回転軸64の 回転が出力軸33に伝達される。

 このように、スクータ型車両1の発進時、 すなわち1速時は、図9に示すように、第1のク ラッチ55、第1の変速ギア対86、第1の伝達ギア 対84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対 98を介して、入力軸52から出力軸33へと回転が 伝達される。

   ~2速~
 上記1速時において、第9のギア87と共通の第 12のギア65は、第1の回転軸53と共に回転して る。このため、第12のギア65と噛合する第11 ギア62と、第2のクラッチ59のインナ60とも共 回転している。よって、入力軸52の回転速 が上昇すると、第2のクラッチ59のインナ60の 回転速度も上昇する。入力軸52の回転速度が 記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度 上になると、インナ60の回転速度もその分上 昇し、図10に示すように、第2のクラッチ59が ながる。

 ここで、本実施形態では、第4の変速ギア 対83のギア比の方が、第1の変速ギア対86のギ 比よりも小さい。よって、第12のギア65の回 転速度の方が、第2のギア63の回転速度よりも 速くなる。このため、第4の変速ギア対83を介 して、入力軸52から第1の回転軸53に回転が伝 される。一方、第1の回転軸53の回転は、一 向回転伝達機構96により入力軸52には伝達さ れない。

 第1の回転軸53から出力軸33への回転力の 達は、上記1速時と同様に、第1の伝達ギア対 84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対98 介して行われる。

 このように、2速時は、図10に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝 達ギア対98を介して、入力軸52から出力軸33へ と回転が伝達される。

   ~3速~
 上記2速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度が第2の回転速度よりも高くなり 且つ、車速が所定の車速以上になると、図1 1に示すように、バルブ143が駆動され、第3の ラッチ70がつながる。このため、第3の変速 ア対91の回転が開始する。ここで、第3の変 ギア対91のギア比は、第2の伝達ギア対85の ア比よりも小さい。このため、第3の変速ギ 対91の第6のギア77の回転速度が、第2の伝達 ア対85の第8のギア78の回転速度よりも高く る。このため、第2の回転軸54の回転は、第3 変速ギア対91を介して第3の回転軸64に伝達 れる。一方、第3の回転軸64の回転は、一方 回転伝達機構93により第2の回転軸54には伝達 されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時、2速 と同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力 33へと伝達される。

 このように、3速時は、図11に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第3のクラッチ70、第3の変速ギ ア対91及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

   ~4速~
 上記3速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度がさらに高くなり、且つ、車速 さらに高くなると、図12に示すように、バル ブ143が駆動され、第4のクラッチ66がつながる 。その一方で、第3のクラッチ70は切断される 。このため、第2の変速ギア対90の回転が開始 する。ここで、第2の変速ギア対90のギア比も 、第2の伝達ギア対85のギア比よりも小さい。 このため、第2の変速ギア対90の第4のギア76の 回転速度が、第2の伝達ギア対85の第8のギア78 の回転速度よりも高くなる。このため、第2 回転軸54の回転は、第2の変速ギア対90を介し て第3の回転軸64に伝達される。一方、第3の 転軸64の回転は、一方向回転伝達機構93によ 第2の回転軸54には伝達されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時~3速時 同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力軸3 3へと伝達される。

 このように、4速時は、図12に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第4のクラッチ66、第2の変速ギ ア対90及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

 《実施形態2》
 上記実施形態1では、本発明を実施した好ま しい形態の一例について、スクータ型車両1 例に挙げて説明した。但し、本発明におい 、モーターサイクルは、スクータ型車両に 定されない。本実施形態2では、本発明を実 した好ましい形態の一例について、所謂モ ット2を例に挙げて説明する。尚、本実施形 態2の説明において、共通の機能を有する部 は、上記実施形態1と共通の符号で説明する 図4、図7及び図9~図12は、上記実施形態1と共 通に参酌する。

 (モペット2の概略構成)
 まず、図13及び図14を参照しながらモペット 2の概略構成について説明する。尚、以下の 明において、前後左右といった方向は、モ ット2のシート14に着座したライダーから視 方向をいうものとする。

 図14に示すように、モペット2は、車体フ ーム10を備えている。車体フレーム10は、ヘ ッドパイプ(図示せず)を有する。ヘッドパイ は、車両の前方部分において、下方に向か てやや斜め前方に延びている。ヘッドパイ には、図示しないステアリングシャフトが 転可能に挿入されている。ステアリングシ フトの上端部には、ハンドル12が設けられ いる。一方、ステアリングシャフトの下端 には、フロントフォーク15が接続されている 。フロントフォーク15の下端部には、従動輪 しての前輪16が回転可能に取り付けられて る。

 車体フレーム10には、車体カバー13が取り 付けられている。車体フレーム10の一部は、 の車体カバー13によって覆われている。車 カバー13には、ライダーが着座するシート14 取り付けられている。また、車両のほぼ中 において、車体フレーム10には、サイドス ンド23が取り付けられている。

 車体フレーム10には、エンジンユニット20 が懸架されている。本実施形態では、エンジ ンユニット20は、車体フレーム10に固定され いる。つまり、エンジンユニット20は、所謂 リジットタイプのエンジンユニットである。 上記実施形態1のエンジンユニット20は、比較 的前後方向に長いタイプであるのに対して、 本実施形態2のエンジンユニット20は、比較的 前後方向に短いタイプである。具体的に、上 記実施形態1のエンジンユニット20の変速装置 31は、入力軸52と出力軸33との間の距離が比較 的長いタイプであるのに対して、本実施形態 2のエンジンユニット20の変速装置31は、入力 52と出力軸33との間の距離が比較的短いタイ プである。よって、本実施形態2のエンジン ニット20は、スクータ型車両よりも比較的高 い運動性能が求められるモペットやオフロー ド車、オンロード車などに特に有用である。

 車体フレーム10には、後方に延びるリア ーム28が取り付けられている。リアアーム28 、ピボット軸25を中心として揺動可能であ 。リアアーム28の後端部には、駆動輪として の後輪18が回転可能に取り付けられている。 の後輪18は、図示しない動力伝達手段によ て、変速装置31の出力軸33に接続されている よって、後輪18は、エンジンユニット20によ って駆動される。また、リアアーム28の後端 には、クッションユニット22の一端が取り けられている。クッションユニット22の他端 は、車体フレーム10に取り付けられている。 のクッションユニット22によって、リアア ム28の揺動が抑制される。

 図4に示すように、本実施形態では、出力 軸33に対して、車速センサ88が設けられてい 。具体的には、車速センサ88は、出力軸33と に回転する第14のギア80に対して設けられて いる。但し、車速センサ88は、出力軸33以外 回転軸に対して設けられていてもよく、出 軸33に対して一定の回転数比で回転する他の 部材に設けられていてもよい。

 (エンジンユニット20の構成)
 図16は、エンジンユニット20の断面図である 。図4は、エンジンユニット20の構成を表す模 式図である。図16に示すように、エンジンユ ット20は、エンジン30と、変速装置31とを備 ている。尚、本実施形態2ではエンジン30が 気筒エンジンである例について説明する。 し、本発明において、エンジン30は、単気 エンジンに限定されない。エンジン30は、例 えば、2気筒エンジンなどの多気筒のエンジ であってもよい。

  -エンジン30-
 エンジン30は、クランクケース32と、シリン ダボディ37と、シリンダヘッド40と、クラン 軸34とを備えている。クランクケース32の内 には、クランク室35が区画形成されている シリンダボディ37の内部には、クランク室35 開口するシリンダ38が区画形成されている シリンダボディ37の先端には、シリンダヘッ ド40が取り付けられている。クランク室35に 、車幅方向に延びるクランク軸34が配置され ている。クランク軸34には、コンロッド36が り付けられている。コンロッド36の先端には 、シリンダ38内に配置されたピストン39が取 付けられている。このピストン39とシリンダ ボディ37と、シリンダヘッド40とによって燃 室41が区画形成されている。シリンダヘッド 40には、先端の発火部が燃焼室41に位置する うに点火プラグ42が取り付けられている。

 図17は、キックスタータ100及びセルモー 101を表すエンジンユニット20の部分断面図で ある。図14及び図17に示すように、エンジン ニット20には、キックスタータ100が設けられ ている。モペット2のライダーは、このキッ スタータ100を操作することによってエンジ 30を始動させることができる。

 キックスタータ100は、キックペダル24を する。キックペダル24は、図14に示すように クランク軸34よりも後方かつ下方において クランクケース32の右側に配置されている。 キックペダル24は、キック軸102に取り付けら ている。キック軸102とクランクケース32と 間には、圧縮コイルばね103が設けられてい 。この圧縮コイルばね103は、ライダーの操 により回転したキック軸102に対して逆回転 向の付勢力を付与する。また、キック軸102 は、ギア104が設けられている。一方、軸105 は、ギア106が回転可能に設けられている。 ア104は、このギア106と噛合している。この ア104等を介して、キック軸102の回転がクラ ク軸34に伝達される。また、ギア106は、軸127 に設けられたギア123と噛合している。よって 、ギア104の回転は、ギア106とギア123とを介し て軸127に伝達される。軸127にはギア124が設け られている。このギア124は、クランク軸34に けられたギア125と噛合している。よって、 127の回転は、ギア124とギア125とを介してク ンク軸34に伝達される。よって、キックペ ル24をライダーが操作することで、クランク 軸34が回転する。

 また、エンジン30には、セルモータ101も けられている。セルモータ101は、クランク ース32に対して取り付けられている。このセ ルモータ101の回転は、ギア120、121及び126を介 してクランク軸34に伝達される。これにより ライダーの操作によりセルモータ101が駆動 れることによって、エンジン30が始動する

  -バランサ軸115-
 図16に示すように、エンジン30には、バラン サ軸115を有するバランサ115Aが設けられてい 。バランサ軸115には、ギア118が設けられて る。ギア118は、クランク軸34に設けられたギ ア119と噛合している。よって、バランサ軸115 は、クランク軸34と共に回転する。図16及び 15に示すように、バランサ軸115の軸線C6は、 2の回転軸54の軸線C2の近くに配置されてい 。図16に示すように、第1の回転軸53の軸方向 から視たときに、第1の回転軸53、第2のギア63 、または第9のギア87の少なくとも一部と、バ ランサ115Aの少なくとも一部とは、互いに重 るように配置されている。ここでは特に、 ランサ軸115は、第1の回転軸53の軸方向から たときに、第1の回転軸53と少なくとも一部 重なるように配置されている。バランサ軸11 5は、車幅方向に関して、コンロッド36が接続 されたクランク軸34の中心部に位置している 一方、第1の回転軸53は、車幅方向に関して 右側に位置している。バランサ軸115と第1の 回転軸53とは、車幅方向に関して、オフセッ されている。言い換えれば、バランサ軸115 第1の回転軸53とは、車幅方向に関して、相 に重ならないように配置されている。

  -発電機45-
 図16及び図17に示すように、クランクケース 32の左側には、発電機カバー43が取り付けら ている。この発電機カバー43とクランクケー ス32とによって、発電機室44が区画形成され いる。

 クランク軸34の左側端部は、クランク室35 から突出して、発電機室44に至っている。発 機室44内において、クランク軸34の左側端部 には、発電機45が取り付けられている。発電 45は、インナ45aと、アウタ45bとを備えてい 。インナ45aは、クランクケース32に対して回 転不能に取り付けられている。一方、アウタ 45bは、クランク軸34の左側端部に取り付けら ている。アウタ45bは、クランク軸34と共に 転する。よって、クランク軸34が回転すると 、アウタ45bはインナ45aに対して相対的に回転 する。これによって、発電が行われる。

 クランクケース32の右側には、変速装置 バー50が取り付けられている。この変速装置 カバー50とクランクケース32とによって、ク ンクケース32の左側に位置する変速装置室51 区画形成されている。

  -変速装置31の構成-
 次に、主として図4を参照しながら、変速装 置31の構成について詳細に説明する。変速装 31は、入力軸52と出力軸33とを備えた4速の有 段式自動変速装置である。変速装置31は、複 の変速ギア対を介して入力軸52から出力軸33 へと動力が伝達される所謂ギアトレイン型の 有段式変速装置である。

 クランク軸34の右側端部は、クランク室35 から突出して、変速装置室51に至っている。 ランク軸34は、変速装置31の入力軸52を兼ね いる。

   ~回転軸構成~
 変速装置31は、第1の回転軸53と、第2の回転 54と、第3の回転軸64と、出力軸33とを有する 。第1の回転軸53と、第2の回転軸54と、第3の 転軸64と、出力軸33とのそれぞれは、入力軸5 2と平行に配置されている。

 図15において、符号C1,C2,C3,C4,C5は、それぞ れ、入力軸52の軸線、第1の回転軸53の軸線、 2の回転軸54の軸線、第3の回転軸64の軸線、 力軸33の軸線を表している。図15に示すよう に、入力軸52と、第1の回転軸53と、第2の回転 軸54と、第3の回転軸64とのすべての回転軸は 側面視において、相互に隣接するように配 されている。言い換えれば、入力軸52と、 1の回転軸53と、第2の回転軸54と、第3の回転 64とは、入力軸52の軸線C1と、第1の回転軸53 軸線C2と、第2の回転軸54の軸線C3と、第3の 転軸64の軸線C4とが、側面視において、矩形 構成するように配置されている。

 図15に示すように、第1の回転軸53の軸線C2 と、第3の回転軸64の軸線C4とのうち少なくと 一方は、入力軸52の軸線C1と第2の回転軸54の 軸線C3を含む平面P上に位置していない。詳細 には、第1の回転軸53の軸線C2が平面Pに対して 一方側に位置しているのに対して、第3の回 軸64の軸線C4が平面Pに対して他方側に位置し ている。具体的には、第1の回転軸53の軸線C2 平面Pに対して上側に位置しているのに対し て、第3の回転軸64の軸線C4が平面Pに対して下 側に位置している。よって、第1の回転軸53の 軸線C2が比較的上側に位置し、第3の回転軸64 比較的下側に位置している。

 第3の回転軸64の軸線C4は、前後方向に関 て、第2の回転軸54の軸線C3よりも前方に位置 している。詳細には、第3の回転軸64の軸線C4 、前後方向に関して、第2の回転軸54の軸線C 3と入力軸52の軸線C1との間に位置している。

 出力軸33の軸線C5は、図15に示すように、 3の回転軸64の軸線C4よりも上方且つ後方に 置している。出力軸33の軸線C5は、側面視に いて、入力軸52の軸線C1と、第1の回転軸53の 軸線C2と、第2の回転軸54の軸線C3と、第3の回 軸64の軸線C4とにより構成される仮想矩形の 外部に位置している。出力軸33の軸線C5は、 面視において、第2の回転軸54の軸線C3よりも 後方に位置している。

 尚、平面Pは、後方に向かって上方に延び ている。つまり、第2の回転軸54の軸線C3は、 力軸52の軸線C1よりも高い位置に位置してい る。

 尚、本実施形態2では、出力軸33と第3の回 転軸64とがそれぞれ別個に設けられている例 ついて説明する。但し、本発明はこの構成 限定されない。出力軸33と第3の回転軸64と 共通であってもよい。言い換えれば、第3の 転軸64に対して後輪18が取り付けられていて もよい。

   ~上流側クラッチ群81~
 図16及び図4に示すように、入力軸52には、 流側クラッチ群81が設けられている。上流側 クラッチ群81は、第1のクラッチ55と、第2のク ラッチ59とを備えている。第1のクラッチ55は 第2のクラッチ59よりも右側に配置されてい 。第1のクラッチ55と、第2のクラッチ59とは それぞれ遠心クラッチにより構成されてい 。具体的に、本実施形態1では、第1のクラ チ55と、第2のクラッチ59とは、それぞれドラ ム式の遠心クラッチにより構成されている。 但し、本発明は、この構成に限定されない。 第2のクラッチ59は、遠心クラッチ以外のクラ ッチであってもよい。例えば、第2のクラッ 59は、油圧式のクラッチであってもよい。

 第1のクラッチ55は、入力側クラッチ部材 してのインナ56と、出力側クラッチ部材と てのアウタ57とを備えている。インナ56は、 力軸52に対して回転不能に設けられている このため、インナ56は、入力軸52の回転と共 回転する。一方、アウタ57は、入力軸52に対 して回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ5 6に働く遠心力により、インナ56とアウタ57と 接触する。これにより第1のクラッチ55がつ がる。一方、インナ56とアウタ57とがつなが った状態で回転しているときに、その回転速 度が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ンナ56に働く遠心力が弱くなり、インナ56と ウタ57とが離れる。これにより第1のクラッ 55が切断される。

 第2のクラッチ59は、出力側クラッチ部材 してのインナ60と、入力側クラッチ部材と てのアウタ61とを備えている。インナ60は、 述する第11のギア62に対して回転不能に設け られている。入力軸52が回転すると、その回 が第1の変速ギア対86と、第1の回転軸53と第4 の変速ギア対83とを介して、インナ60に伝達 れる。このため、インナ60は、入力軸52の回 と共に回転する。アウタ61は、入力軸52に対 して回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ6 0に働く遠心力により、インナ60とアウタ61と 接触する。これにより第2のクラッチ59がつ がる。一方、インナ60とアウタ61とがつなが った状態で回転しているときに、その回転速 度が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ンナ60に働く遠心力が弱くなり、インナ60と ウタ61とが離れる。これにより第2のクラッ 59が切断される。

 尚、本実施形態2では、アウタ57とアウタ6 1とが同一の部材で構成されている。但し、 発明はこの構成に限定されない。アウタ57と アウタ61とを別の部材によって構成してもよ 。

 第1のクラッチ55が接続されるときの入力 52の回転速度と、第2のクラッチ59が接続さ るときの入力軸52の回転速度とは相互に異な る。言い換えれば、第1のクラッチ55が接続さ れるときのインナ56の回転速度と、第2のクラ ッチ59が接続されるときのインナ60の回転速 とは相互に異なる。具体的には、第1のクラ チ55が接続されるときの入力軸52の回転速度 の方が、第2のクラッチ59が接続されるときの 入力軸52の回転速度よりも低い。より具体的 説明すると、第1のクラッチ55は、入力軸52 回転速度が第1の回転速度以上のときにつな る。一方、第1のクラッチ55は、入力軸52の 転速度が第1の回転速未満であるときに切断 れた状態となる。第2のクラッチ59は、入力 52の回転速度が上記第1の回転速度よりも高 第2の回転速度以上のときにつながる。一方 、第2のクラッチ59は、入力軸52の回転速度が 2の回転速度未満であるときに切断された状 態となる。

 第1のクラッチ55のアウタ57には、第1のギ 58が、アウタ57に対して回転不能に設けられ ている。第1のギア58は、第1のクラッチ55のア ウタ57と共に回転する。一方、第1の回転軸53 は、第2のギア63が設けられている。第2のギ ア63は第1のギア58と噛合している。第1のギア 58と第2のギア63とは第1の変速ギア対86とを構 している。本実施形態では、第1の変速ギア 対86は、第1速の変速ギア対を構成している。

 第2のギア63は、所謂一方向ギアである。 体的には、第2のギア63は、第1のギア58の回 を第1の回転軸53に伝達する。一方、第2のギ ア63は、第1の回転軸53の回転を入力軸52には 達しない。つまり、第2のギア63は、一方向 転伝達機構96を兼ね備えている。

 第2のクラッチ59の出力側クラッチ部材と てのインナ60には、第11のギア62が設けられ いる。第11のギア62はインナ60と共に回転す 。一方、第1の回転軸53には、第12のギア65が 設けられている。第12のギア65は第11のギア62 噛合している。第12のギア65と第11のギア62 は第4の変速ギア対83とを構成している。第4 変速ギア対83は、第1の変速ギア対86とは異 るギア比を有する。具体的に、第4の変速ギ 対83は、第1の変速ギア対86のギア比よりも さなギア比を有している。第4の変速ギア対8 3は第2速の変速ギア対を構成している。

 第1の変速ギア対86と第4の変速ギア対83と 間には、上記第1のクラッチ55と第2のクラッ チ59が位置している。言い換えれば、上記第1 のクラッチ55と第2のクラッチ59とは、第1の変 速ギア対86と第4の変速ギア対83との間に配置 れている。

 本実施形態では、第12のギア65は、第9の ア87としての機能も兼ね備えている。言い換 えれば、第12のギア65と第9のギア87とは共通 ある。第2の回転軸54には、第10のギア75が、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。第10のギア75は第2の回転軸54と共に回転 する。第12のギア65としての機能も兼ね備え 第9のギア87は、第10のギア75と噛合している 第12のギア65としての機能も兼ね備える第9 ギア87と、第10のギア75とは、第1の伝達ギア 84を構成している。

 第2の回転軸54には、第7のギア74が、第2の 回転軸54に対して回転不能に設けられている 第7のギア74は第2の回転軸54と共に回転する 一方、第3の回転軸64には、第8のギア78が第3 の回転軸64に対して回転不能に設けられてい 。第3の回転軸64は、第8のギア78と共に回転 る。第7のギア74と第8のギア78とは相互に噛 している。第7のギア74と第8のギア78とは、 2の伝達ギア対85を構成している。

 第8のギア78は、所謂一方向ギアである。 体的には、第8のギア78は、第2の回転軸54の 転を第3の回転軸64に伝達する。一方、第8の ギア78は、第3の回転軸64の回転を第2の回転軸 54には伝達しない。つまり、第8のギア78は、 方向回転伝達機構93を兼ね備えている。

 但し、本発明において、第8のギア78が所 一方向ギアであることは必須ではない。例 ば、第8のギア78を通常のギアとし、第7のギ ア74を所謂一方ギアとしてもよい。言い換え ば、第7のギア74に一方向回転伝達機構を兼 備えさせてもよい。具体的には、第7のギア 74を第2の回転軸54の回転を第8のギア78に伝達 る一方、第8のギア78の回転を第2の回転軸54 伝達しないようにしてもよい。

   ~下流側クラッチ群82~
 第2の回転軸54には、下流側クラッチ群82が けられている。下流側クラッチ群82は上流側 クラッチ群81の後方に位置している。図16に すように、下流側クラッチ群82と上流側クラ ッチ群81とは、入力軸52の軸方向に関して、 なくとも一部が重なる位置に配置されてい 。言い換えれば、下流側クラッチ群82と上流 側クラッチ群81とは、車幅方向に関して、少 くとも一部が重なる位置に配置されている 詳細には、下流側クラッチ群82と上流側ク ッチ群81とは、車幅方向に関して、実質的に 重なる位置に配置されている。

 下流側クラッチ群82は、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66とを備えている。第4のクラ チ66は、第3のクラッチ70よりも右側に配置 れている。このため、第1のクラッチ55が第2 クラッチ59に対して位置する方向と、第4の ラッチ66が第3のクラッチ70に対して位置す 方向とは等しくなっている。そして、図16に 示すように、第1のクラッチ55と第4のクラッ 66とは、車幅方向に関して少なくとも一部が 重なるように配置されている。言い換えれば 、第1のクラッチ55と第4のクラッチ66とは、入 力軸52の軸方向に関して少なくとも一部が重 るように配置されている。一方、第2のクラ ッチ59と第3のクラッチ70とも、車幅方向に関 て少なくとも一部が重なるように配置され いる。言い換えれば、第2のクラッチ59と第3 のクラッチ70とは、入力軸52の軸方向に関し 少なくとも一部が重なるように配置されて る。具体的には、第1のクラッチ55と第4のク ッチ66とは、車幅方向に関して実質的に重 るように配置されている。一方、第2のクラ チ59と第3のクラッチ70とも、車幅方向に関 て実質的に重なるように配置されている。

 本実施形態において、第3のクラッチ70と 4のクラッチ66とは、それぞれ所謂油圧式ク ッチにより構成されている。具体的には、 実施形態1では、第3のクラッチ70と第4のク ッチ66とは、それぞれディスク式の油圧式ク ラッチにより構成されている。但し、本発明 は、この構成に限定されない。第4のクラッ 66と第3のクラッチ70とは、油圧式のクラッチ 以外のクラッチであってもよい。例えば、第 4のクラッチ66と第3のクラッチ70とは、遠心ク ラッチであってもよい。但し、第4のクラッ 66と第3のクラッチ70とは、油圧式のクラッチ であることが好ましい。

 このように、本発明では、第1のクラッチ 55が遠心クラッチであり、第2のクラッチ59、 3のクラッチ70及び第4のクラッチ66のうちの なくともひとつが油圧式クラッチであれば い。その限りにおいて、第2のクラッチ59、 3のクラッチ70及び第4のクラッチ66は、ドラ 式又はディスク式の遠心クラッチであって よいし、ドラム式又はディスク式の油圧式 ラッチであってもよい。但し、第2のクラッ チ59、第3のクラッチ70及び第4のクラッチ66の ちの2つ以上が油圧式クラッチであることが 好ましい。特に、第2のクラッチ59が遠心クラ ッチであって、第3のクラッチ70及び第4のク ッチ66が油圧式クラッチであることが好まし い。そして、油圧式クラッチである第3のク ッチ70及び第4のクラッチ66を同一の回転軸上 に配置し、遠心クラッチである第1のクラッ 55と第2のクラッチ59とを別の回転軸上に配置 することが好ましい。

 第3のクラッチ70が接続されるときの第2の 回転軸54の回転速度と、第4のクラッチ66が接 されるときの第2の回転軸54の回転速度とは 互に異なる。言い換えれば、第3のクラッチ 70が接続されるときのインナ71の回転速度と 第4のクラッチ66が接続されるときのインナ67 の回転速度とは相互に異なる。具体的には、 第3のクラッチ70が接続されるときの第2の回 軸54の回転速度の方が、第4のクラッチ66が接 続されるときの第2の回転軸54の回転速度より も低い。

 第3のクラッチ70は、入力側クラッチ部材 してのインナ71と、出力側クラッチ部材と てのアウタ72とを備えている。インナ71は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ71は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ72は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第3の ラッチ70がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ71は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ72は第2の回 軸54と共には回転しない。第3のクラッチ70 つながっている状態では、インナ71とアウタ 72との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第3のクラッチ70の出力側クラッチ部材と てのアウタ72には、第5のギア73が取り付け れている。第5のギア73は、アウタ72と共に回 転する。一方、第3の回転軸64には、第6のギ 77が第3の回転軸64に対して回転不能に設けら れている。第6のギア77は、第3の回転軸64と共 に回転する。第5のギア73と第6のギア77とは、 相互に噛合している。よって、アウタ72の回 は、第5のギア73と第6のギア77とを介して第3 の回転軸64に伝達される。

 第5のギア73と第6のギア77とは、第3の変速 ギア対91を構成している。第3の変速ギア対91 、第1の変速ギア対86のギア比と、第4の変速 ギア対83のギア比と、第2の変速ギア対90のギ 比は異なるギア比を有する。

 第3の変速ギア対91は、第3のクラッチ70に して、第2のクラッチ59に対して第4の変速ギ ア対83が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第3の変速ギア対91は、第3のク ラッチ70に対して左側に位置している。第4の 変速ギア対83も同様に、第2のクラッチ59に対 て左側に位置している。

 また、第3の変速ギア対91と第4の変速ギア 対83とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第3の変速ギア対91と第4の変速ギア 対83とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第3の変速ギア対91と第4の変 ギア対83とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第4のクラッチ66は、入力側クラッチ部材 してのインナ67と、出力側クラッチ部材と てのアウタ68とを備えている。インナ67は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ67は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ68は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第4の ラッチ66がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ67は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ68は第2の回 軸54と共には回転しない。第4のクラッチ66 つながっている状態では、インナ67とアウタ 68との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第4のクラッチ66の出力側クラッチ部材と てのアウタ68には、第3のギア69が取り付け れている。第3のギア69は、アウタ68と共に回 転する。一方、第3の回転軸64には、第4のギ 76が第3の回転軸64に対して回転不能に設けら れている。第4のギア76は、第3の回転軸64と共 に回転する。第3のギア69と第4のギア76とは、 相互に噛合している。よって、アウタ68の回 は、第3のギア69と第4のギア76とを介して第3 の回転軸64に伝達される。

 第4のギア76と第3のギア69とは第2の変速ギ ア対90を構成している。第2の変速ギア対90は 第1の変速ギア対86のギア比、第3の変速ギア 対91のギア比、及び第4の変速ギア対83のギア とは異なるギア比を有する。

 第3の変速ギア対91と第2の変速ギア対90と 間には、上記第3のクラッチ70と第4のクラッ チ66とが位置している。言い換えれば、上記 3のクラッチ70と第4のクラッチ66とは、第3の 変速ギア対91と第2の変速ギア対90との間に配 されている。

 第2の変速ギア対90は、第4のクラッチ66に して、第1のクラッチ55に対して第1の変速ギ ア対86が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第2の変速ギア対90は、第4のク ラッチ66に対して右側に位置している。第1の 変速ギア対86も同様に、第1のクラッチ55に対 て右側に位置している。

 また、第2の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第2の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第2の変速ギア対90と第1の変 ギア対86とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第3の回転軸64には、第13のギア79が第3の 転軸64に対して回転不能に設けられている。 第13のギア79は、車幅方向に関して、第4のギ 76と、第6のギア77よりも左側に配置されて る。第13のギア79は第3の回転軸64と共に回転 る。一方、出力軸33には、第14のギア80が出 軸33に対して回転不能に設けられている。 い換えれば、第14のギア80は、出力軸33と共 回転する。この第14のギア80と第13のギア79と によって、第3の伝達ギア対98が構成されてい る。この第3の伝達ギア対98によって、第3の 転軸64の回転が出力軸33に伝達される。

   ~下流側クラッチ群82の詳細構造~
 次に、主として図18を参照しながら、下流 クラッチ群82についてさらに詳細に説明する 。

 第3のクラッチ70には、プレート群136が設 られている。プレート群136は、複数のフリ ションプレート134と複数のクラッチプレー 135とを備えている。複数のフリクションプ ート134と複数のクラッチプレート135とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート134は、アウタ72 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート135は、インナ71に対して回転不能である 。

 インナ71は、アウタ72に対して回転可能で ある。インナ71のアウタ72とは車幅方向の反 側には、プレッシャープレート163が配置さ ている。プレッシャープレート163は、圧縮 イルスプリング92によって車幅方向右側に付 勢されている。すなわち、プレッシャープレ ート163は、圧縮コイルスプリング92によって ス部162側に付勢されている。

 ボス部162とプレッシャープレート163との には、作動室137が区画形成されている。作 室137には、オイルが満たされている。この 動室137内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート163は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 163とインナ71との間の距離が短くなる。従 て、プレート群136が相互に圧接された状態 なる。その結果、インナ71とアウタ72とが共 回転し、第3のクラッチ70が接続状態となる

 一方、作動室137内の圧力が低くなると、 レッシャープレート163は、圧縮コイルスプ ング92によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群136の圧接状態が解除さ る。その結果、インナ71とアウタ72とが共に 対的に回転可能となり、第3のクラッチ70が 断される。

 尚、図示は省略するが、第3のクラッチ70 は、作動室137に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ71とアウタ72と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ70の切断時に、作動室137内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ70の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ71とアウ タ72との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

 第4のクラッチ66には、プレート群132が設 られている。プレート群132は、複数のフリ ションプレート130と複数のクラッチプレー 131とを備えている。複数のフリクションプ ート130と複数のクラッチプレート131とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート130は、アウタ68 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート131は、インナ67に対して回転不能である 。

 インナ67は、アウタ68に対して回転可能か つ車幅方向に変位可能である。インナ67のア タ68とは車幅方向の反対側には、プレッシ ープレート161が配置されている。プレッシ ープレート161は、圧縮コイルスプリング89に よって車幅方向左側に付勢されている。すな わち、プレッシャープレート161は、圧縮コイ ルスプリング89によってボス部162側に付勢さ ている。

 ボス部162とプレッシャープレート161との には、作動室133が区画形成されている。作 室133には、オイルが満たされている。この 動室133内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート161は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 161とインナ67との間の距離が短くなる。従 て、によってプレート群132が相互に圧接さ た状態となる。その結果、インナ67とアウタ 68とが共に回転し、第4のクラッチ66が接続状 となる。

 一方、作動室133内の圧力が低くなると、 レッシャープレート161は、圧縮コイルスプ ング89によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群132の圧接状態が解除さ る。その結果、インナ67とアウタ68とが共に 対的に回転可能となり、第4のクラッチ66が 断される。

 尚、図示は省略するが、第4のクラッチ66 は、作動室133に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ67とアウタ68と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ66の切断時に、作動室133内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ66の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ67とアウ タ68との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

   ~オイル経路139~
 図7に示すように、第4のクラッチ66の作動室 133内の圧力と第3のクラッチ70の作動室137内の 圧力とは、オイルポンプ140によって付与され ると共に調整される。図7に示すように、ク ンク室35の底部には、オイル溜まり99が形成 れている。このオイル溜まり99には、スト ーナ141が漬けられている。ストレーナ141は オイルポンプ140に接続されている。オイル ンプ140が駆動されることで、このストレー 141を介してオイル溜まり99に溜められたオイ ルが吸い上げられる。

 第1のオイル経路144の途中には、リリーフ バルブ147が設けられている。吸い上げられた オイルは、オイルクリーナ142において浄化さ れ、リリーフバルブ147により所定の圧力に調 圧される。その後、浄化されたオイルの一部 は、クランク軸34や、シリンダヘッド40内の 動部に対して供給される。また、浄化され オイルの一部は、第4のクラッチ66の作動室13 3と第3のクラッチ70の作動室137とにも供給さ る。具体的には、オイルクリーナ142から延 る第1のオイル経路144には、第2のオイル経路 145と第3のオイル経路146とが接続されている 第2のオイル経路145は、バルブ143から変速装 カバー50側を経て、第2の回転軸54の右端部 ら、第2の回転軸54内に延びている。そして 第2のオイル経路145は作動室133に至っている よって、第2のオイル経路145を経由して作動 室133にオイルが供給され、作動室133内の圧力 が調節される。一方、第3のオイル経路146は バルブ143からクランクケース32側を経て、第 2の回転軸54の左端部から、第2の回転軸54内に 延びている。そして、第3のオイル経路146は 動室137に至っている。よって、第3のオイル 路146を経由して作動室137にオイルが供給さ る。

 第1のオイル経路144と、第2のオイル経路14 5及び第3のオイル経路146との接続部には、バ ブ143が設けられている。このバルブ143によ て、第1のオイル経路144と第3のオイル経路14 6との間の開閉、及び第1のオイル経路144と第2 のオイル経路145との間の開閉が行われる。

 バルブ143には、図18に示すように、バル 143を駆動するモータ150が取り付けられてい 。このモータ150によってバルブ143が駆動さ ることで、第3のクラッチ70と第4のクラッチ6 6の断続が行われる。つまり、本実施形態で 、オイルポンプ140と、バルブ143と、モータ15 0とによって、油圧式クラッチである第3のク ッチ70と第4のクラッチ66とに対して油圧を 加するアクチュエータ103が構成されている そして、そのアクチュエータ103が、図18に示 すECU138によって制御されることで、第3のク ッチ70と第4のクラッチ66との油圧が調節され る。具体的には、作動室133と作動室137との油 圧が調節される。これにより、第3のクラッ 70と第4のクラッチ66の断続が行われる。

 より具体的に説明すると、図18に示すよ に、ECU138には、スロットル開度センサ112と 速センサ88とが接続されている。制御部とし てのECU138は、このスロットル開度センサ112に よって検出されるスロットル開度と、車速セ ンサ88により検出される車速とのうちの少な とも一方に基づいてアクチュエータ103を制 している。本実施形態では、制御部として ECU138は、このスロットル開度センサ112によ て検出されるスロットル開度と、車速セン 88により検出される車速との両方に基づい アクチュエータ103を制御している。具体的 は、ECU138は、スロットル開度センサ112から 力されるスロットル開度と、車速センサ88か ら出力される車速とを、メモリ113から読み出 したV-N線図に適用して得られた情報に基づい てアクチュエータ103を制御している。

 具体的に、バルブ143は、略円柱状に形成 れている。バルブ143には、第1のオイル経路 144と第2のオイル経路145とを開通するための 部経路148と、第1のオイル経路144と第3のオイ ル経路146とを開通するための内部経路149とが 形成されている。モータ150によってバルブ143 が回転することで、上記内部経路148、149によ って、第1のオイル経路144と第2のオイル経路1 45とが開通する一方、第1のオイル経路144と第 3のオイル経路146とが切断されるポジション 第1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 開通する一方、第1のオイル経路144と第2のオ ル経路145とが切断されるポジション、及び 1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 断されると共に、第1のオイル経路144と第2の オイル経路145とも切断されるポジションのう ちのいずれかが選択されるようになっている 。これにより、第4のクラッチ66及び第3のク ッチ70の両方が切断された状態、第4のクラ チ66が接続されている一方、第3のクラッチ70 は切断されている状態、又は第4のクラッチ66 が切断されている一方、第3のクラッチ70が接 続されている状態のいずれかが選択される。

  -変速装置31の動作-
 次に変速装置31の動作について、図9~図12を 照しながら詳細に説明する。

   ~発進時、1速~
 まず、エンジン30が始動すると、クランク 34(=入力軸52)の回転が開始する。第1のクラッ チ55のインナ56は入力軸52と共に回転する。こ のため、入力軸52の回転速度が所定の回転速 (=第1の回転速度)以上になり、インナ56に所 以上の大きさの遠心力がかかりだすと、図9 に示すように、第1のクラッチ55がつながる。 第1のクラッチ55がつながると、第1のクラッ 55のアウタ57と共に、第1の変速ギア対86が回 する。これにより、入力軸52の回転が第1の 転軸53に伝達される。

 第9のギア87は、第1の回転軸53と共に回転 る。このため、第1の回転軸53の回転に伴っ 、第1の伝達ギア対84も回転する。よって、 1の伝達ギア対84を介して、第1の回転軸53の 転が第2の回転軸54に伝達される。

 第7のギア74は、第2の回転軸54と共に回転 る。このため、第2の回転軸54の回転に伴っ 、第2の伝達ギア対85も回転する。よって、 2の伝達ギア対85を介して、第2の回転軸54の 転が第3の回転軸64に伝達される。

 第13のギア79は、第3の回転軸64と共に回転 する。このため、第3の回転軸64の回転に伴っ て、第3の伝達ギア対98も回転する。よって、 第3の伝達ギア対98を介して、第3の回転軸64の 回転が出力軸33に伝達される。

 このように、モペット2の発進時、すなわ ち1速時は、図9に示すように、第1のクラッチ 55、第1の変速ギア対86、第1の伝達ギア対84、 2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対98を介 て、入力軸52から出力軸33へと回転が伝達さ れる。

   ~2速~
 上記1速時において、第9のギア87と共通の第 12のギア65は、第1の回転軸53と共に回転して る。このため、第12のギア65と噛合する第11 ギア62と、第2のクラッチ59のインナ60とも共 回転している。よって、入力軸52の回転速 が上昇すると、第2のクラッチ59のインナ60の 回転速度も上昇する。入力軸52の回転速度が 記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度 上になると、インナ60の回転速度もその分上 昇し、図10に示すように、第2のクラッチ59が ながる。

 ここで、本実施形態では、第4の変速ギア 対83のギア比の方が、第1の変速ギア対86のギ 比よりも小さい。よって、第12のギア65の回 転速度の方が、第2のギア63の回転速度よりも 速くなる。このため、第4の変速ギア対83を介 して、入力軸52から第1の回転軸53に回転が伝 される。一方、第1の回転軸53の回転は、一 向回転伝達機構96により入力軸52には伝達さ れない。

 第1の回転軸53から出力軸33への回転力の 達は、上記1速時と同様に、第1の伝達ギア対 84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対98 介して行われる。

 このように、2速時は、図10に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝 達ギア対98を介して、入力軸52から出力軸33へ と回転が伝達される。

   ~3速~
 上記2速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度が第2の回転速度よりも高くなり 且つ、車速が所定の車速以上になると、図1 1に示すように、バルブ143が駆動され、第3の ラッチ70がつながる。このため、第3の変速 ア対91の回転が開始する。ここで、第3の変 ギア対91のギア比は、第2の伝達ギア対85の ア比よりも小さい。このため、第3の変速ギ 対91の第6のギア77の回転速度が、第2の伝達 ア対85の第8のギア78の回転速度よりも高く る。このため、第2の回転軸54の回転は、第3 変速ギア対91を介して第3の回転軸64に伝達 れる。一方、第3の回転軸64の回転は、一方 回転伝達機構93により第2の回転軸54には伝達 されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時、2速 と同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力 33へと伝達される。

 このように、3速時は、図11に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第3のクラッチ70、第3の変速ギ ア対91及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

   ~4速~
 上記3速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度がさらに高くなり、且つ、車速 さらに高くなると、図12に示すように、バル ブ143が駆動され、第4のクラッチ66がつながる 。その一方で、第3のクラッチ70は切断される 。このため、第2の変速ギア対90の回転が開始 する。ここで、第2の変速ギア対90のギア比も 、第2の伝達ギア対85のギア比よりも小さい。 このため、第2の変速ギア対90の第4のギア76の 回転速度が、第2の伝達ギア対85の第8のギア78 の回転速度よりも高くなる。このため、第2 回転軸54の回転は、第2の変速ギア対90を介し て第3の回転軸64に伝達される。一方、第3の 転軸64の回転は、一方向回転伝達機構93によ 第2の回転軸54には伝達されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時~3速時 同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力軸3 3へと伝達される。

 このように、4速時は、図12に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第4のクラッチ66、第2の変速ギ ア対90及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

 上記実施形態1,2では、図19,20にも示すよ に、第1の油圧式クラッチとしての第3のクラ ッチ70には、第1の油圧排出経路としてのリー ク孔70aが形成されている。このため、第3の ラッチ70とオイルポンプ140との間がバルブ143 によって切断されたときに、作動室137の油圧 を迅速に低下させることができる。また、第 2の油圧クラッチとしての第4のクラッチ66に 、第2の油圧排出経路としてのリーク孔66aが 成されている。このため、第4のクラッチ66 オイルポンプ140との間がバルブ143によって 断されたときに、作動室133の油圧を迅速に 下させることができる。従って、上記実施 態1,2によれば、3速、4速間のスムーズなシ トチェンジが可能となる。

 また、リーク孔66a、70aのそれぞれには、 ルブが設けられていない。このため、上記 施形態1,2の変速装置31では、必要となるバ ブの数量が少ない。従って、構成がシンプ で小型な変速装置31、ひいてはエンジンユニ ット20を実現することができる。

 なお、リーク孔66a、70aの流路面積は、オ ルポンプ140とクラッチ66,70が接続された際 、クラッチ66,70が接続状態となる面積である 限りにおいて特に限定されない。リーク孔66a 、70aの流路面積は、クラッチ66,70の容量、オ ルポンプ140のパワーなどに応じて適宜設定 ることができる。リーク孔66a、70aの流路面 は、第2及び第3のオイル経路145,146の流路面 よりも大きくてもよいし、小さくてもよい 、実質的に等しくてもよい。リーク孔66a、7 0aの流路面積は、例えば、第2及び第3のオイ 経路145,146の流路面積の0.95倍以下としてもよ い。

 なお、本明細書において、「リーク孔」 は、オイルを漏らすための孔をいう。リー 孔は、典型的には、横断面円形に形成され 。但し、リーク孔の形状は、特に限定され 、クラッチの特性などに応じて適宜設定し る。また、例えば、作動室を構成するボス とプレッシャープレートとの嵌合隙間によ リーク孔を構成してもよい。

 リーク孔の流路面積は、作動室に油圧が 給されているときにクラッチが接続状態と る程度の大きさである限りにおいて特に限 されない。例えば、横断面略円形のリーク の場合は、リーク孔の直径は、一般的には 1~2mm程度とされる。

 例えば、オイルポンプ140と作動室133,137と の間の断続をソレノイドバルブで行うことも 考えられる。しかしながら、ソレノイドバル ブを用いてオイルポンプ140と作動室133,137と 間の断続を行う場合、オイルポンプ140と作 室133との間と、オイルポンプ140と作動室137 の間との両方にバルブを設ける必要がある すなわち、各作動室133,137に対してバルブが 要となる。従って、必要となるバルブの数 が多くなる。その結果、変速装置31の構成 複雑となり、変速装置31が大型化する傾向に ある。

 それに対して本実施形態では、オイルポ プ140と作動室133,137との間の断続に回転式の バルブ143が用いられている。このため、ひと つのバルブ143によって、オイルポンプ140と作 動室133,137との間の断続を行うことができる 従って、変速装置31の構成をシンプルにする ことができる。また、変速装置31を小型化す ことができる。

 上記実施形態1、2では、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66とが油圧式クラッチにより 成されている。このため、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66とにおいて、クラッチの断 が比較的迅速に行われる。言い換えれば、 ラッチの断続時において、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66が比較的長い時間にわたっ 滑り続けることがない。このため、第3のク ッチ70と第4のクラッチ66とにおけるエネル ーロスの大きさが比較的小さくなる。よっ 、スクータ型車両1の燃費を向上させること できる。

 スクータ型車両1の燃費を向上させる観点 のみからは、第3のクラッチ70及び第4のクラ チ66と共に、第1のクラッチ55及び第2のクラ チ59も油圧式クラッチにすることが好ましい 。しかしながら、油圧式クラッチは、断続が 比較的迅速に行われる。このため、第1のク ッチ55を油圧式クラッチにした場合、発進時 にいきなり第1のクラッチ55がつながることと なる。このため、スムーズな発進が困難とな る。従って、スムーズな発進と燃費の向上と を両立させることができない。

 それに対して、上記実施形態1、2では、 1速の第1の変速ギア対86に対して設けられた 1のクラッチ55は遠心クラッチである。遠心 ラッチは、油圧式クラッチと比べてゆっく とクラッチが断続される。このため、車両 なめらかな発進が実現される。即ち、第1速 の第1の変速ギア対86に対する第1のクラッチ55 を遠心クラッチにすると共に、それよりも高 速側の変速ギア対に対するクラッチの少なく ともひとつを油圧式クラッチにすることで、 燃費の向上を図ると共に、スムーズな発進を 実現することができる。特に車両のなめらか な発進、加速を実現する観点から、第2のク ッチ59も遠心クラッチにすることが好ましい 。

 尚、第1、2速用の第1のクラッチ55や第2の ラッチ59は、遠心クラッチであっても、そ ほどの長期間にわたって滑り続けることが い。また、第1速や第2速の走行の頻度は、相 対的に少ない。すなわち、全走行時間に占め る第1速や第2速の走行時間の割合は、比較的 ない。よって、第1のクラッチ55や第2のクラ ッチ59を遠心クラッチにした場合であっても れほど燃費は低下しない。

 但し、加速のなめらかさよりも燃費の向 を優先する場合は、第1のクラッチ55のみを 心クラッチとし、それ以外のクラッチを油 式クラッチとしてもよい。

 つまり、上記実施形態1、2のように、油 式クラッチを2つ以上用いることで、さらな 燃費の向上が図られる。

 上記実施形態1、2では、第1のクラッチ55 遠心クラッチであるため、スロットル操作 の操作量や車速、車両の加速度などに応じ 、第1のクラッチ55のつながり具合が適宜変 する。このため、第1のクラッチ55を遠心ク ッチにすることで、ライダーの意図を反映 た運転が可能となる。

 例えば、ライダーが比較的大きな加速度 発進すべく、スロットル操作子を大きく操 した場合は、第1のクラッチ55が比較的迅速 つながり、比較的大きな加速度での発進が われる。その一方、ライダーが比較的小さ 加速度でスムーズに発進すべく、スロット 操作子を小さく操作した場合は、第1のクラ ッチ55が比較的ゆっくりとつながり、比較的 さな加速度でスムーズに発進する。よって 高いドライバビリティが実現される。

 遠心クラッチの断続のタイミングは、エ ジン回転数によって決定されるのに対して 油圧式クラッチであれば、ECU138の制御によ て自由に断続のタイミングをコントロール ることができる。つまり、油圧式クラッチ 2つ以上用いることによって、変速装置31の 御の自由度がより高まる。具体的には、走 状態やライダーの操作に基づいて、クラッ の断続制御を細かく調節することができる 具体的には、スロットル開度と車速とのう の少なくとも一方に基づいてクラッチの断 制御を細かに行うことができる。

 例えば、上記実施形態1、2のように、複 の油圧式クラッチを用いる場合、それら複 の油圧式クラッチを同一の回転軸上に配置 ることが好ましい。具体的に上記実施形態1 2の場合であれば、油圧式クラッチである第 3のクラッチ70と第4のクラッチ66とを同一の第 2の回転軸54に配置することが好ましい。そう することで、油圧式クラッチへのオイル供給 経路を比較的シンプルにすることができる。 よって、変速装置31の構成をよりシンプルに ることができる。

 また、内部にオイル供給経路を形成する 転軸の数量を低減することができる。よっ 、変速装置31の製造が容易となり、製造コ トも低減させることができる。

 特に変速装置31の構成をシンプルにする 点から、上記実施形態1、2のように、遠心ク ラッチが取り付けられた回転軸と、油圧式ク ラッチが取り付けられた回転軸とを別にする ことが好ましい。具体的に、上記実施形態1 2の場合では、遠心クラッチである第1のクラ ッチ55と第2のクラッチ59とを入力軸52に設け 油圧式クラッチである第3のクラッチ70と第4 クラッチ66とを第2の回転軸54に設けること 好ましい。

 《変形例1》
 上記実施形態では、第1のクラッチ55のアウ 57と、第2のクラッチ59のアウタ61とが同一の 部材により構成されている例について説明し た。但し、本発明は、この構成に限定されな い。例えば、図21に示すように、第1のクラッ チ55のアウタ57と、第2のクラッチ59のアウタ61 とを別個に設けてもよい。

 《変形例2》
 上記実施形態では、第8のギア78に対して一 向回転伝達機構93が配置されている例につ て説明した。但し、本発明は、この構成に 定されない。例えば、図22に示すように、一 方向回転伝達機構93を第7のギア74に対して配 してもよい。

 《変形例3》
 上記実施形態では、第2のギア63に対して一 向回転伝達機構96が配置されている例につ て説明した。但し、本発明は、この構成に 定されない。例えば、図23に示すように、一 方向回転伝達機構96を第1のギア58に対して配 してもよい。

 《変形例4》
 上記実施形態では、第1のクラッチ55と第2の クラッチ59とが第1の変速ギア対86と第4の変速 ギア対83との間に配置されている例について 明した。但し、本発明はこれに限定されな 。例えば、図24に示すように、第1のクラッ 55を第1の変速ギア対86に対して左側に配置 ると共に、第2のクラッチ59も第4の変速ギア 83に対して左側に配置してもよい。

 同様に、上記実施形態では、第3のクラッ チ70と第4のクラッチ66とが第3の変速ギア対91 第2の変速ギア対90との間に配置されている について説明した。但し、本発明はこれに 定されない。例えば、図24に示すように、 3のクラッチ70を第3の変速ギア対91に対して 側に配置すると共に、第4のクラッチ66も第2 変速ギア対90に対して左側に配置してもよ 。

 図24に示す場合であっても、入力軸52、第 1の回転軸53、第2の回転軸54、第3の回転軸64及 び出力軸33が前後方向に配列されているため 比較的幅の狭い変速装置31を実現すること できる。

 《変形例5》
 上記実施形態では、本発明を実施した好ま い形態の例について、4速の変速装置31を例 挙げて説明した。但し、本発明はこれに限 されない。例えば、変速装置31は5速以上で ってもよい。その場合、第3の回転軸64と出 軸33との間にさらなる回転軸を2軸設け、そ 2軸に、さらなるクラッチと、さらなる変速 ギア対を設けることが考えられる。

 また、例えば、変速装置31は、図25に示す ように、3速の変速装置であってもよい。具 的に、3速の変速装置を構成する場合、図25 示すように、図4に構成を表す変速装置31の 4のクラッチ66と第2の変速ギア対90とを設け い構成とすることが考えられる。

 《変形例6》
 また、例えば、変速装置31は、図26に示すよ うに、2速の変速装置であってもよい。具体 に、2速の変速装置を構成する場合、図26に すように、図4に構成を表す変速装置31の第2 クラッチ59、第4の変速ギア対83、一方向回 伝達機構96、第4のクラッチ66、及び第2の変 ギア対90を設けない構成とすることが考えら れる。

 《その他の変形例》
 上記実施形態ではエンジン30が単気筒エン ンである例について説明した。但し、本発 において、エンジン30は、単気筒エンジンに 限定されない。エンジン30は、例えば、2気筒 エンジンなどの多気筒のエンジンであっても よい。

 上記実施形態では、出力軸33と第3の回転 64とがそれぞれ別個に設けられている例に いて説明した。但し、本発明はこの構成に 定されない。出力軸33と第3の回転軸64とは共 通であってもよい。言い換えれば、第3の回 軸64に対して後輪18が取り付けられていても い。

 尚、上記実施形態1、2及び各変形例では ギア対が直接噛合している例について説明 た。但し、本発明は、これに限定されない ギア対は、別途設けられたギアを介して間 的に噛合していてもよい。

 上記実施形態2では、図15に示すように、 1の回転軸53は、第1の回転軸53の軸線C2が第3 回転軸64の軸線C4よりも高い位置に位置する ように配置された例について説明した。但し 、本発明は、この構成に限定されない。例え ば、第1の回転軸53を、第1の回転軸53の軸線C2 第3の回転軸64の軸線C4よりも低い位置に位 するように配置してもよい。具体的には、 1の回転軸53を、第1の回転軸53の軸線C2が平面 Pの下方に位置するように配置してもよい。 3の回転軸64を、第3の回転軸64の軸線C4が平面 Pの上方に位置するように配置してもよい。

 《本明細書における用語等の定義》
 本明細書において、「モーターサイクル」 は、所謂狭義のモーターサイクルに限定さ ない。「モーターサイクル」は、所謂広義 モーターサイクルを意味する。具体的に、 明細書において「モーターサイクル」は、 両を傾斜させることによって方向転換を行 車両全般をいう。前輪及び後輪のうちの少 くとも一方が複数の車輪により構成されて てもよい。具体的には、「モーターサイク 」は、前輪及び後輪のうちの少なくとも一 が相互に隣接配置された2つの車輪によって 構成されている車両であってもよい。「モー ターサイクル」には、狭義のモーターサイク ル、スクータ型車両、モペット型車両及びオ フロード型車両が少なくとも含まれる。

 「遠心クラッチ」とは、入力側クラッチ 材と出力側クラッチ部材とを有し、入力側 ラッチ部材の回転速度が所定の回転速度以 であるとき、入力側クラッチ部材と出力側 ラッチ部材とが係合してつながる一方、入 側クラッチ部材の回転速度が所定の回転速 未満であるとき、入力側クラッチ部材と出 側クラッチ部材とが離れて切断されるクラ チをいう。

 《実施形態3》
 図27は、実施形態3に係る自動二輪車3の左側 面図である。本実施形態では、この自動二輪 車3について詳細に説明する。なお、本実施 態の説明において、上記実施形態1,2と実質 に同じ機能を有する部材を共通の符号で参 し、説明を省略する。

 図28及び図30に示すように、本実施形態3 は、第3の回転軸64と出力軸33との間に、第4 回転軸240と、第5の回転軸241とが配置されて る。第14のギア80は、第4の回転軸240に回転 能に取り付けられている。

 また、第4の回転軸240には、第15のギア315 回転不能に取り付けられている。第15のギ 315は、第5の回転軸241に回転可能に取り付け れた第16のギア316を介して、出力軸33に回転 不能に取り付けられた第17のギア317と噛合し いる。これら第15のギア315、第16のギア316及 び第17のギア317により、第4の伝達ギア対320が 構成されている。第4の回転軸240の回転は、 の第4の伝達ギア対320によって出力軸33に伝 される。

 本実施形態では、図28に示すように、第2 回転軸54によって、第1の中間軸の軸本体180 構成されている。第2の回転軸54、第3のクラ ッチ70、第4のクラッチ66、第3のギア69、第5の ギア73、第10のギア75及び第7のギア74によって 、第1の中間軸181が構成されている。

 また、本実施形態では、第2の中間軸が3 設けられている。一つ目の第2の中間軸182は 第3の回転軸64、第4のギア76、第13のギア79、 第6のギア77及びだい8のギア78により構成され ている。二つ目の第2の中間軸183は、第4の回 軸240、第14のギア80及び第15のギア315により 成されている。三つ目の第2の中間軸184は、 第5の回転軸241及び第16のギア316により構成さ れている。

 図29に示すように、第1の回転軸53の軸心C2 は、入力軸52の軸心C1よりも後側に位置して る。また、第1の回転軸53の軸心C2は、入力軸 52の軸心C1よりも下側に位置している。第1の 転軸53の軸心C2は、入力軸52の軸心C1と出力 33の軸心C5とを含む平面Pよりもやや下側に位 置している。

 第1の中間軸181の軸心は、第2の回転軸54の 軸心C3と同一である。第2の回転軸54の軸心C3 、入力軸52の軸心C1及び第1の回転軸53の軸心C 2のそれぞれよりも後側に位置している。第2 回転軸54の軸心C3は、入力軸52の軸心C1及び 1の回転軸53の軸心C2のそれぞれよりも上側に 位置している。第2の回転軸54の軸心C3は、平 Pよりも上側に位置している。

 第2の中間軸182の軸心は、第3の回転軸64の 軸心C4と同一である。第3の回転軸64の軸心C4 、入力軸52の軸心C1、第1の回転軸53の軸心C2 び第2の回転軸54の軸心C3のそれぞれよりも後 側に位置している。第3の回転軸64の軸心C4は 入力軸52の軸心C1及び第1の回転軸53の軸心C2 それぞれよりもやや上側に位置している。 3の回転軸64の軸心C4は、第2の回転軸54の軸 C3よりも下側に位置している。第3の回転軸64 の軸心C4は、平面Pよりも上側に位置している 。

 第3の中間軸183の軸心は、第4の回転軸240 軸心C7と同一である。第4の回転軸240の軸心C7 は、入力軸52の軸心C1、第1の回転軸53の軸心C2 、第2の回転軸54の軸心C3及び第3の回転軸64の 心C4のそれぞれよりも後側に位置している 第4の回転軸240の軸心C7は、入力軸52の軸心C1 び第1の回転軸53の軸心C2のそれぞれよりも や上側に位置している。第4の回転軸240の軸 C7は、第2の回転軸54の軸心C3よりも下側に位 置している。第4の回転軸240の軸心C7は、第3 回転軸64の軸心C4とほぼ同じ高さに位置して る。第4の回転軸240の軸心C7は、平面Pよりも 上側に位置している。

 第4の中間軸184の軸心は、第5の回転軸241 軸心C6と同一である。第5の回転軸241の軸心C6 は、入力軸52の軸心C1、第1の回転軸53の軸心C2 、第2の回転軸54の軸心C3、第3の回転軸64の軸 C4及び第4の回転軸240の軸心C7のそれぞれよ も後側に位置している。第5の回転軸241の軸 C6は、入力軸52の軸心C1及び第1の回転軸53の 心C2のそれぞれよりもやや上側に位置して る。第5の回転軸241の軸心C6は、第2の回転軸5 4の軸心C3、第3の回転軸64の軸心C4及び第4の回 転軸240の軸心C7よりも下側に位置している。 5の回転軸241の軸心C6は、平面Pよりも上側に 位置している。

 また、入力軸52、第1の回転軸53、第3の回 軸64及び第4の回転軸240の下方には、オイル まり99が形成されている。本実施形態では オイル溜まり99は、第4の回転軸240の軸心C7よ りも前側に形成されている。第4の回転軸240 軸心C7及び第5の回転軸241の軸心C6の下方には 、オイル溜まり99は形成されていない。

 第1及び第2の回転軸53,54は、自動二輪車3 静止状態にあるときに、オイル溜まり99より も高い位置に配置されている。さらに、本実 施形態では、第1及び第2の回転軸53,54に設け れたギア63,65,69,73,75,74も、自動二輪車3が静 状態にあるときに、オイル溜まり99よりも高 い位置に配置されている。

 クランクケース32と、変速装置カバー50と 、発電機カバーとにより構成されたケーシン グ211には、出力軸33の下方に位置し、下方に かって凹む凹部211aが形成されている。

 図31に示すように、本実施形態3において 、上記実施形態1,2と同様に、第3及び第4の ラッチ70,66にリーク孔70a、66aが形成されてい る。このため、3速、4速間のスムーズなシフ チェンジが可能となる。また、リーク孔66a 70aのそれぞれには、バルブが設けられてい い。従って、構成がシンプルで小型な変速 置31、ひいてはエンジンユニット20を実現す ることができる。

 (変形例7)
 上記実施形態1~3では、作動室133,137とオイル ポンプ140との間の断続に回転式のバルブ143を 用いる例について説明した。しかしながら、 本発明は、この構成に限定されない。例えば 、作動室133,137とオイルポンプ140との間の断 にソレノイドバルブを用いてもよい。ソレ イドバルブであれば、例えば、デューティ 制御することにより、バルブの開度を細か 制御することができる。よって、作動室133,1 37内の油圧をより細かく制御することが可能 なる。従って、クラッチ66,70のクラッチ力 より細かく制御することが可能となる。

 (変形例8)
 上記実施形態1~3では、クラッチ66,70を油圧 クラッチにより構成し、クラッチ55,59を遠心 式クラッチにより構成する例について説明し た。但し、本発明はこの構成に限定されない 。例えば、クラッチ66,70と共に、クラッチ55,5 9のうちの少なくとも一方を油圧式クラッチ よって構成してもよい。

 図32に示すように、本実施形態では、第2 クラッチ59は、油圧式クラッチにより構成 れている。第2のクラッチ59は、作動室59aを えている。作動室59aは、第4のオイル経路160 よって、第1のオイル経路144に接続されてい る。第4のオイル経路160と第1のオイル経路144 の間には、バルブ143が配置されている。バ ブ143には、内部経路148,149と共に内部経路161 が形成されている。この内部経路161によって 、第4のオイル経路160と第1のオイル経路144と 接続される。

 第2のクラッチ59には、第3の油圧排出経路 としてのリーク孔59bが形成されている。リー ク孔59bは、作動室59aに接続されている。作動 室59a内のオイルはリーク孔59bから排出される 。

 本実施形態のように、油圧式クラッチが3 つ以上設けられている場合であっても、回転 式のバルブ143を用いることによって、ひとつ のバルブで3つ以上の油圧式クラッチへの油 供給を制御することができる。従って、油 式クラッチが3つ以上用いられた変速装置で 、回転式のバルブを用いることが特に好ま い。