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Title:
TAPE CUTTING BLADE AND METHOD OF MANUFACTURING TAPE CUTTING BLADE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157135
Kind Code:
A1
Abstract:
A tape cutting blade capable of rectilinearly cutting a tape in the lateral direction thereof and highly safe. A tape cutting blade having blade units (10) each composed of corners (11) provided at an end of a steel plate (3) having a plate surface extending along a tape (2) and causing the tape to engage with the end to incise the tape, an edge (13) for leading the incision in the direction in which the incision is cut, and recesses (17) connected to ends of the edge (13).  The edges of the blade units are arranged along a straight line.  A cutting line is formed on the tape by the edges with the tape incised by a corner of a unit blade at a cutting start section, so that a rectilinear cut line is maintained.

Inventors:
URABE HIROYUKI (JP)
KUROKAWA KEIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002420
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 01, 2009
Export Citation:
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Assignee:
CARL MFG CO (JP)
URABE HIROYUKI (JP)
KUROKAWA KEIICHI (JP)
International Classes:
B26D1/02; B65H35/07
Foreign References:
JPH0724589U1995-05-09
JP2007176612A2007-07-12
JPS5940254U1984-03-14
JPS6075358U1985-05-27
JPS3929480Y11964-10-06
Attorney, Agent or Firm:
ASAHI, NAOKO (JP)
Naoko Asahi (JP)
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Claims:
 ロール状に巻回されたテープ(2)を切断するための切断刃(1)であって、
 テープ(2)が繰り出される方向に沿って板面が延びる平面部材(3)の一端縁に、該テープ(2)の下面を係止させて切り込みを入れる上端角部(11)と、該上端角部(11)による切り込み線を切断しようとする方向へと導くエッジ部(13)と、該エッジ部(13)の終端から連続する陥没部(17)と、を一単位とする単位刃(10)を複数設け、夫々の単位刃(10a、10b、10c)の前記エッジ部(13a、13b、13c)が一直線上に位置するように構成したことを特徴とするテープ用切断刃。
 テープ(2)が繰り出される方向に沿って板面が延びる板状部材(3)の上面に、該テープ(2)が切断される方向に複数の凹部(8)を並べて形成し、該複数の凹部(8)に沿って下面側から上面側に向けて前記板状部材(3)を切断し、切断された端縁部において、前記単位刃(10)が複数並べられた構成としたことを特徴とする請求項1に記載のテープ用切断刃。
 内側面に接着剤が塗布された接着テープを繰り出して切断するためのテープディスペンサーに取り付けられるテープ用切断刃(1)であって、前記平面部材(3)の他端部に、該平面部材の板面から上方に突出する突出部(16)を設け、繰り出された前記接着テープ(2)が該突出部(16)において仮留めされた後、前記一端縁に設けられた刃先に至るように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテープ用切断刃。
 前記突出部(16)に仮留めされた前記接着テープ(2)が、前記平面部材の板面に対して2.5度~10度の角度(θ)をもって前記刃先に至るように構成したことを特徴とする請求項3に記載のテープ用切断刃。
 前記陥没部(17)の深さは、0.03mm~0.5mmであることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか1つの請求項に記載のテープ用切断刃。
 ロール状に巻回されたテープ(2)を切断するための切断刃(1)の製造方法であって、
 テープ(2)が繰り出される方向に沿って板面が延びる板状部材(3)の上面に、該テープ(2)が切断される方向に並べられた複数の凹部(8)を形成する工程と、
 該複数の凹部(8)に沿って下面側から上面側に向けて前記板状部材(3)を切断する工程と、 
 を含んで構成されることを特徴とするテープ用切断刃の製造方法。
 前記板状部材(3)の切断されていない側の端部を上方に突出するように折り曲げる工程を含むことを特徴とする請求項6に記載のテープ用切断刃の製造方法。 
 

 
Description:
テープ用切断刃、及びテープ用 断刃の製造方法

 本発明は、ロール状のテープを所望の長 に切断するためのテープ用切断刃に関し、 に、直線状に切断することができると共に 全性の高いテープ用切断刃、及びその製造 法に関する。

 接着テープや食品用ラップフィルムなどの ール状に巻回されたテープを繰り出して切 するためのテープディスペンサーにあって 、カッター部に、図16に示すような鋸刃状 切断刃1(所謂、ギザ刃)が装着されたものが い。
 このような鋸刃状の切断刃1においては、テ ープ2を所望の長さに繰り出した後、鋸刃の 端部をテープ2に突き刺して位置決めした状 で、下側に向けてテープ2’を引っ張ること によって、テープ2を幅方向に切断すること できる。
 しかし、このような切断刃1においては、テ ープ2の切断線が鋸刃状になってしまうので 切断されたテープ2’を接合物に貼り付けた の見た目が悪い。

 このような不都合を解消するために、図17 示すように、鋼板3の端部に沿って略直線状 上方に向かって突出した横向きの三角柱状 なして、その頂部にバリ造成刃4を複数形成 させた切断刃1が提案されている(特許文献1)
 このテープ用切断刃1は、切断刃部端面5を 線状にすることによって、テープが直線状 切断されるようにしている。

実開昭59-54451号公報

 しかしながら、特許文献1に開示のテープ用 切断刃1は、切断刃部端面5から上方に向かっ バリ造成刃4が突出しているので、切断の際 には、鋼板3の板面に沿って繰り出されたテ プ2が、突出するバリ造成刃4に突き刺さった 状態で、下側に向けて引きちぎられることと なり、バリ造成刃4の突出形状に従ってテー 2が切断されてしまう。
 このため、切断刃部端面5が直線形状である にも関わらず、バリ造成刃4の形状に応じた 凹形状にテープ2が切断されてしまい、直線 に切断できない場合があった。

 また、バリ造成刃4が上方に向かって突出し ているので、不注意により手が刃に触れてし まうことがあり、安全性が低かった。
 さらに、上向きのバリ造成刃4にテープ2が き刺さった状態で、テープ2を下方に引っ張 、テープ2を引きちぎるので、切断の始端部 のバリ造成刃4aによって引きちぎられた方向 テープ2が裂けてしまい、幅方向に切断され ないことがあった。

 特に、食品用ラップフィルムやアルミ箔の うに、接着性のない広幅のテープの場合、 手方向に対して直角(即ち、幅方向)に切断 れないことがあり、このため、切断された ープ片が不適切な形状であったり、テープ2 切れ端が斜めになり、次回の切断に支障を たす場合があった。
 そこで、本発明は、テープを幅方向に向け 直線状に切断することができ、尚且つ安全 の高いテープ用切断刃、及びその製造方法 提供を目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明は、 ール状に巻回されたテープを切断するため 切断刃であって、テープが繰り出される方 に沿って板面が延びる平面部材の一端縁に 該テープの下面を係止させて切り込みを入 る上端角部と、該上端角部による切り込み を切断しようとする方向へと導くエッジ部 、該エッジ部の終端から連続する陥没部と を一単位とする単位刃を複数設け、夫々の 位刃の前記エッジ部が一直線上に位置する うに構成したことを特徴とするものである

 本発明に係るテープ用切断刃によれば、平 部材の端縁に設けられた複数の単位刃のう 、切断始端部の単位刃の上端角部でテープ 係止させることでテープに切り込みを設け その切り込みから当該単位刃のエッジ部に ってテープを切断することができる。テー は、単位刃のエッジ部の終端部から、その 長線に沿って裂けてゆき、隣接する単位刃 上端角部へと至り、隣接単位刃の上端角部 エッジ部とによって切断されていく。
 各単位刃のエッジ部は一直線上に位置して るので、切断始端部の単位刃によって切断 れた方向を維持した状態で、切断終端部に で至らしめることができ、テープを幅方向 直線状に切断することが可能となる。

 また、単位刃の上端角部によってテープが り込まれ、エッジ部によって方向付けられ 状態で切り込み線に沿って裂けてゆき、隣 単位刃の上端角部によって更に切り込まれ 、という繰り返しによってテープが切断さ ていくので、単位刃のエッジ部が磨耗して まった場合でも、切断線の直線性が損なわ ることがない。
 さらに、切断刃の刃先が平面部材の板面か 上方に突出していないので、刃先に手が触 る機会が少なく、安全性が高い。

本発明の第1実施形態に係るテープ用切 断刃を示す斜視図である。 上記切断刃が取り付けられたテープデ スペンサーを示す斜視図である。 上記切断刃の製造方法を示す斜視図で り、(a)はプレス工程と切断工程を示し、(b) 折り曲げ工程を示す。 上記製造方法によって製造された切断 を、バリの状態を誇張して示した部分斜視 である。 上記テープ用切断刃の使用状態を示す 視図である。 実験の状態を示す説明図であり、(a)は テープを切断する際の状態を示し、(b)はテ プをテープ用切断刃から引き剥がす際の状 を示す。 テープの切断状態を示し、(a)は成功例 あり、(b)は斜め切れの例を示す写真である 各サンプルにおいて、最も多く見られ 切断状態を示す写真である。 本実施形態に係る仮留め部の変形例を す斜視図である。 本実施形態に係る陥没部の変形例を示 す斜視図である。 上記陥没部の形状の変形態様を示す平 面図である。 本発明の第2実施形態に係るテープ用 断刃を示す斜視図である。 上記切断刃が取り付けられたテープデ ィスペンサーを示す部分斜視図である。 上記切断刃の製造方法を示す斜視図で ある。 上記テープ用切断刃の使用状態を示す 斜視図である。 従来の鋸刃状のテープ用切断刃を示す 斜視図である。 従来の直線切りのテープ用切断刃を示 す斜視図である。

符号の説明

1、1’…切断刃
2、2’…テープ
3…鋼板(板状部材、平面部材)
4…バリ造成刃
5…切断刃部端面
6…リール
7…カッター部
8…凹部
10…単位刃
11…角部(上端角部)
13…エッジ部
14…バリ
15…角部
16…仮留め部(突起部)
17…陥没部

 本発明の好適な実施形態について、添付 面に基づいて説明する。なお、実施形態は 下の形態に限定されるものではなく、本発 の課題を解決しうるものであれば他の態様 実施可能である。

 図1は、本発明の第1実施形態に係るテープ 切断刃1を示す斜視図である。
 このテープ用切断刃1は、図2に示すように 接着テープ2を繰り出して切断するためのテ プディスペンサーに取り付けられるもので る。

 テープディスペンサーは、接着テープ2が環 装されるリール6と、このリール6から所定距 離れた位置に突設されるカッター部7とを含 んで構成されるものであり、カッター部7の 端に取り付けられたテープ用切断刃1によっ 、リール6から繰り出されたテープ2を切断 るようになっている。
 このテープディスペンサーに装着されてい テープ2は、セロファン、アルミ箔、紙、ポ リ塩化ビニル、OPP、アセテートなどのフィル ム素材からなるシートの下面に接着剤を塗布 し、ロール状に巻回して構成されたものであ る。

 テープ2を切断する際は、リール6に装着さ たテープ2を引っ張って所望の長さに引き出 、カッター部7の先端に取り付けられた本実 施形態に係る切断刃1によって切断する。
 この切断刃1は、カッター部7の上端部に、 先を横方向(即ち、テープが繰り出される方 )に向けた状態で配設されている。
 以下、本実施形態に係るテープ用切断刃1の 構成を、図1を参照して詳述する。

 本実施形態に係るテープ用切断刃1は、テー プ2が繰り出される方向に沿って板面が延び 鋼板3の一端部に刃先を設け、他端部に、テ プを仮留めするための仮留め部16を設けた のである。なお、図示の仮留め部16は、誇張 して表現されたものである。
 一端部に設けられる刃先は、複数の単位刃1 0a、10b、10c・・・を等間隔に並べて構成され おり、単位刃10は、上端の角部11と、この上 端の角部11から連続するエッジ部13と、その ッジ部13の終端の角部15から連続する陥没部1 7とによって構成されている。

 複数の単位刃10a、10b、10c・・・を、夫々の ッジ部13a、13b、13c・・・が一直線上に位置 るように、等間隔に並べることによって、 先が構成される。
 刃先とは反対側の端部は、鋼板3の板面から 上方に向けて突出しており、その突出部(16) もって、繰り出されたテープ2を仮留めする めの仮留め部16としている。
 このテープ用切断刃1の刃先は、図3(a)のよ に、長尺状の鋼板3の上面に、複数の凹部8を 幅方向に並べて形成し、それらの凹部8に沿 て下面側から上面方向Aに向けて、この鋼板3 を幅方向に切断して構成されている。

 一方の仮留め部16は、図3(b)のように、刃先 形成されていない側の鋼板3の端部を、上方 に向けて、逆U字型に折り曲げることで構成 れている。このように構成することで、刃 が設けられている平面とは同一平面上にな 位置に、テープ2を仮留めするための仮留め 16を設けることができる。
 以下、本実施形態に係るテープ用切断刃の 造方法を説明する。

 このテープ用切断刃1の製造方法は、プレス 工程と、切断工程と、折り曲げ工程の3工程 らなり、先ずプレス工程において、治具で 押しすることによって長尺状の鋼板3の上面 複数の凹部8を並べて形成する。
 そして、切断工程において、鋼板3の上面に 設けられた複数の凹部8に沿って下面側から 面方向Aに向けて幅方向に切断する。
 その後、折り曲げ工程において、切断され 側とは反対側の端部を上方に突出するよう 逆U字型に折り曲げる。

 凹部8に沿って切断した際に、切断面の上縁 に陥没部17が等間隔に形成される。この陥没 17と、陥没部17から連続する角部11と、角部1 1から連続するエッジ部13と、そのエッジ部の 終端の角部15と、によって1つの単位刃10が形 される(図4参照)。
 なお、1つの単位刃10の長さは、0.2mm~1.0mm程 である。
 このような単位刃10が切断面の上縁に沿っ 複数形成されることとなるので、夫々のエ ジ部13が一直線上に位置するように構成でき る。
 また、この切断工程では、下面から上面方 Aに鋼板1を切断するので、エッジ部13などに 、僅かな上向きのバリ14を生じさせることが き、単位刃10を一層鋭利なものにすること できる。

 なお、陥没部17の深さは、0.03~0.5mm程度(望ま しくは0.05~0.15mm程度)が好ましい。
 仮留め部16の高さHは、0.5~3.0mm程度(望ましく は0.8~1.5mm)程度が好ましい。
 仮留め部16を形成するための折り曲げ工程 おいては、仮留め部16から刃先に向かう角度 θが、2.5度~10度(望ましくは2.5度~7.5度)の範囲 なるように、仮留め部16と刃先の間の長さN 調節するのが好ましい(図1参照)。

 次に、上記テープ用切断刃1の使用状態につ いて、図5を参照して説明する。
 接着テープ2を切断刃1の前方へと引き出し 仮留め部16で固定した後、刃先にて係止させ る。
 そして、テープ2’をわずかに捻ることで、 テープ2’の切断始端部に、単位刃10の上端の 角部11によって切り込みを入れる(図5(a)参照)
 そして、図5(b)に示すように、切断方向Bに けて僅かに力を加えながらテープ2’を下方 に引っ張る。
 すると、その角部11で切り込まれた部分が エッジ部13による筋付けによって、テープ2 幅方向へと導かれる。

 テープ2は、手切れ性の良い材料で構成され ているので、切り込まれた方向に裂けてゆき 、図5(c)に示すように、隣接する単位刃10の角 部11へと達し、テープ2の幅方向へと方向付け られた状態で、更に隣の単位刃10の角部11に って切り込まれる。
 このように、単位刃10の角部11で切り込まれ 、エッジ部13で方向付けられた状態で、隣の 部11で切り込まれる、という繰り返しによ て、直線状の切断状態が維持される。これ よって、テープ2を幅方向に直線状に切断す ことが可能となる。

 特に、リール6から繰り出されたテープ2は 上方に突出する仮留め部16において固定され た後、所定の角度θをもって刃先へと供給さ るので、刃先のエッジ部13のみにテープ2の 着面を当接させることができる。
 このため、刃先の陥没部17の凸凹形状に従 てテープ2が切断されてしまうのを防止でき 。

 また、切断始端部の単位刃10の角部11でテー プ2に切り込みが設けられさえすれば、以降 エッジ部13による筋付けのみで、テープ2は り込み線に沿って裂けてゆくので、長期間 使用によって単位刃10のエッジ部13が磨耗し しまった場合でも、幅方向に向けての直線 りが可能となる。
 さらに、切断刃の刃先が平面部材の板面か 上方に突出していないので、刃先に手が触 る機会が少なく、安全性が高い。

 特に、仮留めされたテープ2が2.5度~10度の 角度θで刃先に供給されるようにすれば、エ ジ部13に係止されたテープ2’を、切断方向B に向けて捻りながら下方向に引っ張った際に 、テープ2が刃の上で滑るのを防止すること できる。このため、比較的接着力の低いテ プであっても、エッジ部13に係止させて直線 状に切断することができる。

 なお、仮留め部16の最適な高さHを求めるた に、刃先への供給角度θが、0度、2.5度、5度 、7.5度、10度、15度、20度になるようなサンプ ルを作成し、夫々のテープ用切断刃1におけ 「CT裁断強度」、「刃上での滑り性」、「斜 め切れの発生頻度」、「引き剥がし力」を測 定した。
 この測定結果を表1に示す。

 本実験では、単位刃の長さが1.0mm(エッジ部 0.5mm、陥没部が0.5mm)のテープ用切断刃を使 した。
 「CT裁断強度」とは、図6(a)に示すように、 ープを切断するのに要する力Xであり、テー プ先端部2aに荷重を加えて続け、テープが切 始めた時の荷重値を測定したものである。
 「刃上での滑り性」とは、テープ2を刃先に 係止させながら捻った際に、係止状態が外れ る状態をいう。
 「斜め切れの発生頻度」とは、切断の直線 が維持されず、切断終端部において斜め方 にちぎれてしまう状態をいう(図7参照)。

 「刃上での滑り性」及び「斜め切れの発生 度」は、「テープをステージから引き剥が 、繰り出し、仮留めし、切断する。」とい 一連の作業を100回繰り返し、切断ミスが発 した回数を計測した。30人の被験者による 均値を求め、切断ミスの回数が10未満の場合 は二重丸「◎」、20未満の場合は丸印「○」 30未満の場合は三角印「△」、30以上の場合 は掛け印「×」を記入している。
 図8に示す写真は、夫々のサンプルにおいて 、最も多く見られた切断状態を示したもので ある。

 「引き剥がし力(Y)」とは、仮留め部16及び 先に接着されたテープ2を引き剥がすための (Y)であり、リール6とカッター部7の間に差 渡されたテープ2を持ち上げて、テープ2がス テージから引き剥がれた際の力を測定した( 6(b)参照)。
 夫々のサンプル刃をテープディスペンサー カッター部7に固定し、リール6にテープ2を 着して実験を行った。なお、テープ2として は、ニチバン株式会社製の15mm幅のもの(セロ ープ(ニチバン株式会社の登録商標)CT-15)を 用した。

 上記実験結果を考察するに、サンプルA(角 0度)は、刃先と同一平面上に仮留めされ、刃 先が広範にテープに接着してしまうので、切 断刃1の凹凸形状に沿って切断される場合が る(図8(a)参照)。また、テープ2の接着面積が きいので、引き剥がしの際に力(Y)が必要と る。
 一方、サンプルF(角度15度)及びサンプルG(角 度20度)は、引き剥がし力(Y)は小さくて済むが 、刃上滑りが生じ、切断ミスが生ずる可能性 が高い。また、切断に要する力(X)が大きいた め、勢いよく引き下げる必要があり、刃先の 凸凹形状に沿って切断されてしまう場合があ る(図8(f)及び(g)参照)。

 その点、サンプルB,C、D,Eのように、刃先へ 供給角度が2.5度~10度になるように仮留め部1 6の高さHを設定すれば、切断時、引き剥がし における力が弱くて済み、作業性が良好と る。
 さらに、刃先への供給角度を2.5度~7.5度にす れば、切断に要する力(X)を大幅に減少させる ことができ、2.5度~5度に設定すれば、刃上滑 の発生を大幅に抑えることができる。
 サンプルCのように、刃先への供給角度を約 5度に設定すれば、切断ミスを限りなくゼロ 近づけることができた。

 次に、刃先の陥没部17の最適深さを特定す ために、深さが0.02mm、0.05mm、0.10mm、0.15mm、0. 50mm、0.70mmのサンプルを作成し、30人の被験者 による使用テストを行なった。
 この際、単位刃の長さが1.0mm(エッジ部が0.5m m、陥没部が0.5mm)、仮留め部16の高さHが1mm、 先への供給角度が5度のテープ用切断刃1を使 用し、夫々のサンプルについて、切り易さと 、切断の直線性に関する評価を得た。
 評価結果を下記の表2に示す。

 表中の二重丸は「良い」、丸印は「まあま 良い」、四角印は「どちらとも言えない」 三角印は「やや悪い」、掛け印は「悪い」 答えた者であり、夫々の列に回答者の人数 記載している。
 比較例1から明らかなように、陥没部17の深 が0.03mm未満の場合、刃先角部11で切り込み 入れるのが難くなるので、切れ易さが低下 る。また、比較例2によれば、0.5mmより深い 合は、切断の直線性が低下することが理解 きる。
 以上の評価結果から、陥没部17の深さは、0. 03~0.5mm(望ましくは0.05~0.15mm)程度が好ましく、 最適値は0.1mmであることが判明した。

 なお、本実施形態によるテープ用切断刃1は 、如何なる板状部材を用いてもよく、他の金 属でも良いし、プラスチック等の合成樹脂を 用いてもよい。
 また、本実施形態では、板状部材に凹部8を 設け、それを切断することによってテープ用 切断刃1を製造したが、鋳造、射出成形、エ チング等の方法も可能である。
 また、本実施形態における仮留め部は、図9 に示すように、鋼板3に別部材からなる仮留 部16’を接合したものであってもよい。

 さらに、本発明のテープ用切断刃は、テ プが繰り出される方向に沿って板面が延び 平面部材の端縁に複数の単位刃からなる刃 が形成されておればよいので、その単位刃 陥没部17は、如何なる陥没状態であっても く、例えば、鋼板3の下面が平坦であっても いし(図10(a)参照)、鋼板3の端縁部の上端か 下端まで突き抜けていてもよい(図10(b)参照) 陥没部17の形状も、図11に示すように、様々 な態様が採用可能である。 

  次に、本発明の第2実施形態に係るテープ 切断刃1’を説明する。
 図12は本発明の実施形態に係るテープ用切 刃1を示す斜視図である。
 このテープ用切断刃1’は、図13に示すよう 、接着テープ2を繰り出して切断するための テープディスペンサーに取り付けられるもの である。

 テープディスペンサーは、第1実施形態のも のと同一であるので、同一の符号を付すこと で説明を省略する。
 本実施形態に係る切断刃1’は、特に、セロ ファンなどの裂け易い性質を有するテープに 適するものであり、テープディスペンサーの カッター部7の上端部に、刃先を横方向に向 た状態で配設されている。
 以下、本実施形態に係るテープ用切断刃1’ の構成を、図12を参照して詳述する。

 本実施形態に係るテープ用切断刃1’は、テ ープ2が繰り出される方向に沿って板面が延 る鋼板3の端縁部に刃先を設けたものである
 この刃先は、第1実施形態のものと同一であ るので、同一の符号を付すことで、その説明 を省略する。
 このテープ用切断刃1’は、図14のように、 板3の上面に複数の凹部8を並べて形成し、 れらの凹部8に沿って下面側から上面方向Aに 向けてこの鋼板3を切断して構成されたもの ある。

 即ち、このテープ用切断刃1’の製造方法 は、治具で型押しすることによって、鋼板3 上面に複数の凹部8を並べて形成するプレス 程と、鋼板1の上面に設けられた複数の凹部 8に沿って、下面側から上面方向Aに鋼板1を切 断する切断工程と、からなるもので、凹部8 沿って切断されることで、切断面の上縁に 複数の単位刃10が形成される。なお、プレス 工程と切断工程によって形成される複数の単 位刃10は、第1実施形態と同一であるので、同 一符号を付すことで、その説明を省略する。

 次に、上記テープ用切断刃1’の使用状態に ついて、図15を参照して説明する。
 テープディスペンサーから繰り出されたテ プ2を、所望の長さだけ切断刃1’の前方に き出し、テープ2’の切断始端部に、単位刃1 0の上端の角部11で切り込みを入れる(図15(a)参 照)。
 そして、図15(b)に示すように、切断方向Bに けて僅かに力を加えながらテープ2’を下方 向に引っ張る。
 すると、その角部11で切り込まれた部分が エッジ部13による筋付けによって、テープ2 幅方向へと導かれる。

 テープ2は、セロファン等の手切れ性の良い 材料で構成されているので、切り込まれた方 向に裂けてゆき、図15(c)に示すように、隣接 る単位刃10の角部11へと達し、テープ2の幅 向へと方向付けられた状態で、更に隣の単 刃10の角部11によって切り込まれる。
 このように、単位刃10の角部11で切り込まれ 、エッジ部13で方向付けられた状態で、隣の 部11で切り込まれる、という繰り返しによ て、直線状の切断状態が維持される。
 これによって、食品用ラップフィルム、ア ミ箔等、接着性を有しない幅広のテープ2で あっても、幅方向に直線状に切断することが 可能となる。

 本発明は、事務、調理、鉱工業、及び農 水産業など、様々な産業分野における切断 業に用いられるカッターの切断刃に適用す ことができる。