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Title:
THERMOSETTING RESIN COMPOSITION CONTAINING A COMPOUND HAVING A CARBON-CARBON TRIPLE BOND, PROCESS FOR LOW-TEMPERATURE CURING OF THE SAME, AND CURED ARTICLES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096441
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention aims at lowering the curing temperature of a resin composition containing a compound having a phenylethynyl group and thereby providing cured articles excellent in mechanical characteristics such as heat resistance, modulus of elasticity and tensile strength. The invention relates to a thermosetting resin composition containing both a compound having at least one carbon-carbon triple bond and an onium salt and a process of curing a thermosetting resin composition containing a compound having at least one carbon-carbon triple bond to form a cured article, characterized in that the curing of the thermosetting resin composition is conducted in the presence of an onium salt. According to the process, the curing temperature of the composition can be lowered, so that the deterioration of the resin itself can be remarkably diminished.

Inventors:
NANBA SATORU
Application Number:
PCT/JP2007/052281
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
February 08, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MANAC INC (JP)
NANBA SATORU
International Classes:
C08F38/00; B32B15/08; B32B27/28; C08F4/00; C08F299/02; C08J5/18; C08L79/08; C09D4/00; C09D179/08; C09J4/00; C09J179/08
Foreign References:
JPS57123203A1982-07-31
JP2006267289A2006-10-05
JPH0748419A1995-02-21
JP2000219741A2000-08-08
JP2000505119A2000-04-25
JP2005272483A2005-10-06
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, Hajime (22-12 Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する化合物と、オニウム塩とを含む、熱硬化性樹脂組成物。
 少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する化合物が、下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4):
式中、
 Ar 1 は、テトラカルボン酸残基であり、
 Ar 2 は、ジアミン残基であり、
 Ar 3 は、ジカルボン酸残基であり、
 Ar 4 は、モノアミン残基であり、
 Rは、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員により連結した化合物の1価の基であり、
 nは、0~20である、
で表されるイミドオリゴマー又はイソイミドオリゴマーであることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
 一般式(1)~(4)において、Ar 2 が、下記一般式(5):
式中、
 Ar 5 は、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素の3価の基であるか、又は同一若しくは異なる2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員により連結した化合物の3価の基であり、
 Ar 6 は、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素の2価の基であるか、又は同一若しくは異なる2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員により連結した化合物の2価の基であり、
 Zは、単結合、又は-O-、-CO-、-SO 2 -、-CH 2 -、-NHCO-、C(CH 3 ) 2 -若しくは-C(CF 3 ) 2 -であり、
 Rは、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員により連結した化合物の1価の基である、
で表される基であることを特徴とする、請求項2記載の樹脂組成物。
 Rがフェニルであることを特徴とする、請求項2又は3記載の樹脂組成物。
 少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する化合物が、下記一般式(6)又は(7):
式中、
 Ar 7 は、ジカルボン酸残基であり、
 Ar 8 は、モノアミン残基であり、
 R’、R”は、同一であっても異なっていてもよく、水素、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基、又は同一若しくは異なる2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員により連結した化合物の1価の基であるが、ただし、R’及びR”は、同時に水素ではない、
で表されるイミド化合物又はイソイミド化合物であることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
 R’及びR”の少なくとも一方が、フェニルであることを特徴とする、請求項5記載の樹脂組成物。
 オニウム塩が、第四級ホスホニウム塩であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項記載の樹脂組成物。
 オニウム塩が、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する化合物の、その1つの炭素-炭素三重結合につき0.01~30モル%の量で存在する、請求項1~7のいずれか1項記載の樹脂組成物。
 更に、ポリイミドを含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項記載の樹脂組成物。
 更に、ポリアミド酸を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項記載の樹脂組成物。
 請求項1~10のいずれか1項記載の樹脂組成物を含むワニス。
 請求項1~10のいずれか1項記載の樹脂組成物を含む耐熱性接着剤。
 請求項1~10のいずれか1項記載の樹脂組成物を、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維又はボロン繊維、あるいはそれらを用いた織布又は不織布などに含浸させたプリプレグ。
 請求項13記載のプリプレグを熱硬化させてなる硬化物。
 請求項9又は10記載の樹脂組成物より得られるフィルム。
 請求項15記載のフィルムを熱硬化させてなる硬化物。
 請求項15項記載のフィルムを、芳香族ポリマーフィルムの少なくとも片面に積層させてなる積層フィルム。
 請求項17項記載の積層フィルムを熱硬化させてなる積層フィルム硬化物。
 請求項15項記載のフィルムを、金属箔の少なくとも片面に積層させてなる金属積層体。
 請求項19項記載の金属積層体を熱硬化させてなる金属積層体硬化物。
 請求項1~10のいずれか1項記載の樹脂組成物を用いた電子材料。
 少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する化合物を含む熱硬化性樹脂組成物を硬化させることにより硬化物を製造する方法であって、前記炭素-炭素三重結合を有する化合物を含む熱硬化性樹脂組成物を、オニウム塩の存在下で硬化させることを特徴とする、製造方法。
Description:
炭素-炭素三重結合を有する化合 物を含む熱硬化性樹脂組成物、その低温硬化 方法及び製品

 本発明は、少なくとも1つの炭素-炭素三 結合を有する化合物とオニウム塩とを含む 熱硬化性樹脂組成物、及び少なくとも1つの 素-炭素三重結合を有する化合物を含む熱硬 化性樹脂組成物を硬化させることにより、硬 化物を製造する方法であって、前記炭素-炭 三重結合を有する化合物を含む熱硬化性樹 組成物を、オニウム塩の存在下で硬化させ ことを特徴とする、製造方法に関する。さ に本発明は、繊維強化複合材料、耐熱性接 剤、フィルム、金属積層体又は電気電子材 などとして有用な、該組成物の硬化物を提 することに関する。

 近年、ポリイミドは日常生活を始め、電 、電子、情報、航空、宇宙等の産業分野、 境分野や医療分野等に広く普及しており、 の有用性は益々高まっている。芳香族酸二 水物と芳香族ジアミンとの反応により得ら るポリアミド酸をイミド化することで製造 れる芳香族ポリイミドは、KAPTON(カプトン( 録商標)、デュポン社製)に代表されるように 、耐熱性、機械的及び電気的性質等に優れて おり、例えばフィルム化することで電子材料 用途に広く用いられている。一方、これらの ポリイミドは、熱可塑性の性質を有しないた め加工性に乏しく、繊維強化複合材料のマト リックス樹脂としての使用や射出成形、押出 成形での加工は不向きである。加えて上記ポ リイミドは、ほとんどの溶剤に溶けないため 、コーティング材料や耐熱性接着剤等のフィ ルムとして使用する場合、前駆体であるポリ アミド酸の段階で形成加工した後、熱あるい は化学的にイミド化しなければならないとい った制限がある。

 これらの欠点を補うために、イミドオリ マーの末端を変性し、その硬化物を提供す ことを目的として、芳香族テトラカルボン 二無水物と芳香族ジアミン化合物と4-(2-フ ニルエチニル)無水フタル酸とを反応させて られる末端変性イミドオリゴマーおよびそ 硬化物が開示されている(例えば、特許文献 1、特許文献2参照)。これらの末端変性イミド オリゴマーは、可溶性、溶融流動性が改善さ れており、従って、繊維もしくは繊維織物に マトリックスとなる未硬化の樹脂をあらかじ め含浸したプリプレグを製造し、このプリプ レグを成形用金型の上や金型の内部に積層し て、これを加熱・加圧するプリプレグ成形法 や、密閉した型内に、繊維もしくは繊維織物 のプリフォームを設置し、これにマトリック スとなる未硬化の樹脂を外部から圧入してプ リフォーム中に樹脂を含浸した後、加熱・加 圧することによって樹脂を硬化するRTM法(レ ン・トランスファー・モールディング法)、R TM法と類似した方法として、密閉した型内に 維および織物からなるプリフォームと、マ リックスとなる未硬化の樹脂フィルムを設 し、全体を加熱することによって樹脂を溶 させ、次に型内の減圧と外部からの加圧に って樹脂をプリフォームに含浸し、更に加 してこれを硬化させるRFI法(レジン・フィル ム・インフュージョン法)などにおいて、マ リックス樹脂として使用することが可能で る。また、これらの末端変性イミドオリゴ ーは、すでにイミド化されているため、加 硬化中にイミド化による水の発生が無く、 って、ボイドが生じる恐れがなく、耐熱性 弾性率、引っ張り強度等の機械特性の優れ 硬化物を得ることが出来る。

 しかし、これらのイミドオリゴマーの末 基であるフェニルエチニル基の硬化を完結 せる温度領域は、通常、380~450℃とされてい る。この温度領域は、樹脂自体の劣化が開始 する温度領域に近接しており、好ましくない 。また高温度領域に耐えうる設備に対する投 資額も増大し、コスト増に繋がりかねない。 そのため、この硬化温度を低下する触媒の検 討が行われている(例えば、特許文献3参照)。

特開2000-219741号公報

米国特許第5,567,800号

特表2001-514684号公報

 本発明は、少なくとも1つの炭素-炭素三 結合を有する化合物の硬化温度を低下させ 耐熱性、弾性率、引っ張り強度等の機械特 に優れた硬化物を製造する方法を提供する とを目的とする。さらに本発明は、該製造 法を用いることにより、繊維強化複合材料 耐熱性接着剤、積層フィルム、金属積層体 は電気電子材料などとして有用な、樹脂組 物及びその硬化物を提供することを目的と ている。

 本発明は、下記一般式(9):

 式中、Rは、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる 2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結した化合物の1価の基である、
で表される置換基を少なくとも一つ有する化 合物と、オニウム塩とを含む熱硬化性樹脂組 成物を提供する。かかる樹脂組成物は、繊維 もしくは繊維織物に含浸させることによって 繊維強化複合材料として、または他のポリイ ミド、ポリアミド酸などと混合することによ ってフィルム、金属積層体、電子材料、耐熱 性接着剤などとして用いることができる。さ らに本発明は、これらを従来よりも低い温度 で加熱して硬化物を得る方法を提供する。

 本発明の樹脂組成物、並びにそれを用い 繊維強化複合材料、フィルム、金属積層体 び電子材料は、従来よりも低温で硬化させ ことができるため、金属の酸化、樹脂の劣 を低減し、優れた構造材料、複合材料、電 電子材料として用いることができる。

 まず、本発明の少なくとも1つの炭素-炭 三重結合を有する化合物について説明する 本発明の炭素-炭素三重結合を有する化合物 、下記一般式(9):

 式中、Rは、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる 2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基が直接若しくは架橋員に より連結した化合物の1価の基である、
で表される置換基を少なくとも1つ有する化 物である。本発明の少なくとも1つの炭素-炭 素三重結合を有する化合物として、まず、下 記一般式(1)~(4):

 式中、Ar 1 は、テトラカルボン酸残基であり、Ar 2 は、ジアミン残基であり、Ar 3 は、ジカルボン酸残基であり、Ar 4 は、モノアミン残基であり、Rは、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる 2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結した化合物の1価の基であり、nは、0~20 である、
で表されるイミドオリゴマー又はイソイミド オリゴマーが挙げられる。

 好ましくは、式中、Ar 1 が、C 6 ~C 36 の芳香族テトラカルボン酸残基であり、Ar 2 が、C 6 ~C 36 の芳香族ジアミン残基であり、Ar 3 が、C 6 ~C 18 の芳香族ジカルボン酸残基であり、Ar 4 が、C 6 ~C 18 の芳香族モノアミン残基である、イミドオリ ゴマー又はイソイミドオリゴマーが挙げられ る。

 ここで、Ar 1 の、「C 6 ~C 36 の芳香族テトラカルボン酸残基」は、好まし くは、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、 アントラセンなどの芳香族炭化水素の4価の であるか、又は2~4個の前記芳香族炭化水素 直接若しくは架橋員により相互に連結した 香族化合物の4価の基を意味し、Ar 2 の、「C 6 ~C 36 の芳香族ジアミン残基」は、好ましくは、ベ ンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラ センなどの芳香族炭化水素の2価の基である 、又は2~4個の前記芳香族炭化水素が直接若 くは架橋員により相互に連結した芳香族化 物の2価の基を意味し、そしてAr 3 の「C 6 ~C 18 の芳香族ジカルボン酸残基」及びAr 4 の「C 6 ~C 18 の芳香族ジアミン残基」は、好ましくは、ベ ンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラ センなどの芳香族炭化水素の2価の基である 、又は2個の前記芳香族炭化水素が架橋員に り相互に連結した芳香族化合物の2価の基を 意味する。

 また、Rの「C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基」は、好ましくは、直鎖 状若しくは分岐鎖状の、C 1 ~C 6 アルキル、アルケニル又はアルキニル基、あ るいはC 3 ~C 6 シクロアルキル又はアルケニル基を意味し、 「C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる 2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結した化合物の1価の基」は、好ましく 、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、ア トラセニルなどを意味する。

 なお、一般式(1)~(4)における架橋員は、-O-、 -CO-、-COO-、C 1 ~C 6 アルキレン(例えば、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -など)、-C(CF 3 ) 2 -、-NH-、-NHCO-又は-SO 2 -であってよい。また、Ar 1 ~Ar 4 において、ベンゼン、ナフタレン、フルオレ ンなどの芳香環は、C 1 ~C 6 アルキル基、C 2 ~C 6 アルケニル基、C 2 ~C 6 アルキニル基、C 1 ~C 6 アルコキシル基又はハロゲン原子で置換され ていてもよい。

 これらの化合物の製造は、まず一般に、 トラカルボン酸二無水物成分とジアミン成 と炭素-炭素三重結合を有する末端封止剤( カルボン酸無水物成分又はモノアミン成分) を反応させ、対応するアミド酸オリゴマー 製造を行う。アミド酸オリゴマーの製造は 特に制限は無く、公知の方法であってよく 通常は溶媒中で行われる。

 例えば、本発明で少なくとも1つの炭素-炭 三重結合を有する化合物として用いられる 一般式(1)~(4)で表されるイミドオリゴマー又 イソイミドオリゴマーの製造で用いられる トラカルボン酸二無水物成分(すなわち、Ar 1 のテトラカルボン酸残基を形成する化合物) 具体例としては、ピロメリト酸二無水物、3, 3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水 物、2,3’,3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸 無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカル ン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無 物、3,4’-オキシジフタル酸二無水物、3,3’ -オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ベン ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’ ,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸 無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル) プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシ フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物 4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ) スフタル酸二無水物、4,4’-(4,4’-ヘキサフ オロイソプロピリデンジフェノキシ)ビスフ タル酸二無水物、1,2,7,8-ナフタレンテトラカ ボン酸二無水物などが挙げられる。またこ らの芳香環上の水素原子は、C 1 ~C 6 アルキル基、C 2 ~C 6 アルケニル基、C 2 ~C 6 アルキニル基、C 1 ~C 6 アルコキシル基又はハロゲン原子で置換され ていてもよい。入手の容易さ等を考慮に入れ ると、ピロメリト酸二無水物、3,3’,4,4’-ビ ェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オ キシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾ ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4 ’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二 水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プ パン二無水物、4,4’-(4,4’-イソプロピリデ ジフェノキシ)ビスフタル酸二無水物の使用 が好ましい。なお、上記テトラカルボン酸二 無水物成分を2種類以上混合して使用しても い。

 同様に、ジアミン成分(すなわちAr 2 のジアミン残基を形成する化合物)の例とし は、芳香族基を1つ有する化合物;p-フェニレ ジアミン、m-フェニレンジアミン、p-アミノ ベンジルアミン、m-アミノベンジルアミン、 アミノトルエン類、ジアミノキシレン類、 アミノナフタレン類、ジアミノアントラセ 類など、芳香族基を2つ有する化合物;4,4’- アミノビフェニル、3,4’-ジアミノビフェニ ル、3,3’-ジアミノビフェニル、o-トリジン、 m-トリジン、o-ジアニシジン、4,4’-ジアミノ フェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニル メタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4, 4’-ジアミノジフェニルエーテル(4,4’-オキ ジアニリン)、3,4’-ジアミノジフェニルエー テル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4, 4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジア ミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジ ェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニル トン、3,4’-ジアミノジフェニルケトン、3,3 ’-ジアミノジフェニルケトン、2,2-ビス(4-ア ノフェノキシ)プロパン、2,2-ビス(3-アミノ ェノキシ)プロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-( 4-アミノフェニル)プロパンなど、芳香族基を 3つ有する化合物;1,4-ビス(4-アミノフェノキシ )ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベン ゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4- ス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3 -アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミ ノベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノベ ゾイル)ベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニ )フルオレンなど、芳香族基を4つ以上有する 化合物;2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニ ル]プロパン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ) ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ) フェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェ ニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ) ェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキ シ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェ キシ)フェニル]エーテル、4,4’-ビス(4-アミ フェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(3- ミノフェノキシ)ベンゾフェノン、1,4-ビス[4- (2-,3-若しくは4-アミノフェノキシ)ベンゾイル ]ベンゼン、1,3-ビス[4-(2-,3-若しくは4-アミノ ェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[3-(2 -,3-若しくは4-アミノフェノキシ)ベンゾイル] ンゼン、1,3-ビス[3-(2-,3-若しくは4-アミノフ ノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’-ビス[4-( 2-,3-若しくは4-アミノフェノキシ)ベンゾイル] ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[3-(2-,3-若し は4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニ エーテル、4,4’-ビス[4-(2-,3-若しくは4-アミ フェノキシ)ベンゾイル]ビフェニル、4,4’- ス[3-(2-,3-若しくは4-アミノフェノキシ)ベン イル]ビフェニル、4,4’-ビス[4-(2-,3-若しく 4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニル ルホン、4,4’-ビス[3-(2-,3-若しくは4-アミノ ェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルスルホン どが挙げられる。またこれらの芳香環上の 素原子は、C 1 ~C 6 アルキル基、C 2 ~C 6 アルケニル基、C 2 ~C 6 アルキニル基、C 1 ~C 6 アルコキシル基又はハロゲン原子で置換され ていてもよい。入手の容易さ等を考慮に入れ ると、具体的にp-フェニレンジアミン、m-フ ニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニル ーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル 、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4- ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス( 4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-ア ノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノ フェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’-ビス(4- アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3- ミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(4-アミ ノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3- ミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9-ビ (4-アミノフェニル)フルオレンの使用が好ま しい。なお、上記ジアミン成分を2種類以上 合して使用してもよい。

 炭素-炭素三重結合を有する分子末端封止材 の例としては、酸系末端封止材(すなわちAr 3 のジカルボン酸残基を形成する化合物)とし 、3-(2-フェニルエチニル)無水フタル酸、4-(2- フェニルエチニル)無水フタル酸などが挙げ れ、入手の容易さ等を考慮に入れると、望 しくは4-(2-フェニルエチニル)無水フタル酸 ある。4-(2-フェニルエチニル)無水フタル酸 、例えば特開2003-73372号公報に記載の方法で 造できる。なお、上記酸系末端封止剤成分 2種類以上混合して使用してもよい。

 次に、アミン系分子末端封止材(すなわちAr 4 のモノアミン残基を形成する化合物)として 3-フェニルエチニルアニリン、4-フェニルエ ニルアニリン、3-ナフチルエチニルアニリ 、4-ナフチルエチニルアニリン、3-アントラ ニルエチニルアニリン、4-アントラセニル チニルアニリンなどが挙げられる。入手の 易さ等を考慮に入れると、望ましくは、3-フ ェニルエチニルアニリン、4-フェニルエチニ アニリンの使用が好ましい。なお、上記ア ン系末端封止剤成分を2種類以上混合して使 用してもよい。

 イミドオリゴマーあるいはイソイミドオ ゴマーの目標とする分子量は、その前駆体 あるアミド酸オリゴマーに対応する。

 炭素-炭素三重結合を有する分子末端封止 材の仕込み量は、目標とするアミド酸オリゴ マーの分子量によっても異なるが、通常はテ トラカルボン酸二無水物とジアミンとのモル 数の差の1~数倍のモル数であり、望ましくは1 .5~4倍である。テトラカルボン酸二無水物の ル数が多い場合はアミン系分子末端封止剤 ジアミンのモル数が多い場合は酸系分子末 封止剤を用いる。

 アミド酸オリゴマーの製造に用いられる 媒は、反応に不活性な溶媒なら特に限定さ ず、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N -ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリド ン、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウ レア、テトラヒドロフランなどを単独又は混 合形態で使用することが出来る。特に好適な のはN,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピ ロリドンである。またこれらの溶媒に、ベン ゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ク ロロベンゼン、ジグライム、トリグライム等 の溶媒を任意の割合で混合して用いてもよい 。反応は、通常、5~80%の溶質濃度で行う。

 次いで、アミド酸オリゴマーのイミド化 びイソイミド化について説明する。イミド 反応は、上記反応で得られたアミド酸オリ マーを公知の方法で脱水することによって う。例えば、化学的イミド化法は、上記反 で得られたアミド酸オリゴマー溶液に、特 限定されるわけではないが、無水酢酸、無 トリフルオロ酢酸、ポリリン酸、五酸化二 ン、五塩化リン、塩化チオニルなどの脱水 を単独又は2種類以上を混合して脱水を行う 。ピリジンなどの触媒を用いてもよい。熱的 イミド化法は、上記反応で得られたアミド酸 オリゴマーをガラス、芳香族ポリマーフィル ム、銅箔、アルミ箔などの基材上に塗布し、 乾燥機で溶媒を蒸発させながら閉環を行うか 、あるいはアミド酸オリゴマー溶液に、ベン ゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ク ロロベンゼン、ジグライム、トリグライムな どの溶媒を任意の割合で混合して、加熱を行 い、閉環によって生成する水を系外に留出さ せながら脱水閉環を行う。またこれらの溶媒 は単独又は2種類以上を混合して用いてもよ 。イソイミド化反応は、上記のようにして られたアミド酸オリゴマー溶液を公知の方 で脱水することによって行う。例えば、無 トリフルオロ酢酸、N,N-ジシクロヘキシルカ ボジイミドなどの脱水剤を単独又は2種類以 上混合して行う。ピリジンなどの触媒を用い てもよい。

 また、本発明に係るイミドオリゴマー又 イソイミドオリゴマーはイミド化あるいは ソイミド化終了後、水、アルコールなどの 媒に注ぎ、再沈させ、ろ過により結晶を取 出して乾燥して粉末として用いてもよいが ジシクロヘキシルウレアなどのイソイミド 剤の副生物をろ過などにより取り除き、溶 のまま用いてもよい。

 更に、本発明に係るイミドオリゴマー又は ソイミドオリゴマーは、その芳香環上で、 なる炭素-炭素三重結合を有する置換基によ り置換されていてもよい。すなわち、一般式 (1)~(4)において、Ar 2 が、下記一般式(5):

 式中、Ar 5 は、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素の3価の基であるか、又は 一若しくは異なる2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結した化合物の3価の基であり、Ar 6 は、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素の2価の基であるか、又は 一若しくは異なる2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結した化合物の2価の基であり、Zは、単 合、又は-O-、-CO-、-SO 2 -、-CH 2 -、-NHCO-、-C(CH 3 ) 2 -若しくは-C(CF 3 ) 2 -であり、Rは、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる 2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結した化合物の1価の基である、
で表される基であってもよい。

 従って、そのようなイミドオリゴマー及 /又はイソイミドオリゴマーを製造する場合 、ジアミン成分として、下記一般式(10):

 式中、Ar 5 、Ar 6 、Z及びRは、一般式(5)で示したのと同義であ 、
で表される、炭素-炭素三重結合を有するジ ミン化合物を単独で使用してもよい。また 場合により、Ar 2 のジアミン残基を形成する化合物として前述 したジアミン成分1種以上と共に、一般式(10) 表される炭素-炭素三重結合を有するジアミ ン化合物を0.1~100モル%、好ましくは5~100モル% 割合で、使用し、共重合してもよい。

 ここで、Ar 5 及びAr 6 における、「C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素」は、好ましくは、ベンゼ ン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン などの芳香族炭化水素(これらは、C 1 ~C 6 アルキル基、C 2 ~C 6 アルケニル基、C 2 ~C 6 アルキニル基、C 1 ~C 6 アルコキシル基又はハロゲン原子で置換され ていてもよい)であり、架橋員は、-O-、-CO-、- COO-、C 1 ~C 6 アルキレン(例えば、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -など)、-C(CF 3 ) 2 -、-NH-、-NHCO-又は-SO 2 -であってよい。また一般式(5)及び(10)におけ 基Rは、前述した一般式(1)~(4)における基Rと 義である。

 特に好ましい、炭素-炭素三重結合を有す るジアミン化合物は、下記一般式(11):

 式中、Zは、単結合又は-O-、-CO-、-SO 2 -、-CH 2 -、-NHCO-、-C(CH 3 ) 2 -若しくは-C(CF 3 ) 2 -である、
で示される化合物である。合成のし易さ等を 考慮に入れると、前記一般式(11)において、Z -CO-である、1,3-ジアミノ-4’-フェニルエチ ルベンゾフェノンが望ましい。またこれら 芳香環上の水素原子は、C 1 ~C 6 アルキル基、C 2 ~C 6 アルケニル基、C 2 ~C 6 アルキニル基、C 1 ~C 6 アルコキシル基又はハロゲン原子で置換され ていてもよい。

 更に、本発明の少なくとも1つの炭素-炭 三重結合を有する化合物として、下記一般 (6)又は(7):

 式中、Ar 7 は、ジカルボン酸残基であり、Ar 8 は、モノアミン残基であり、R’、R”は、同 であっても異なっていてもよく、水素、C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基、C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基、又は同一若しくは異な る2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結した化合物の1価の基であるが、ただ 、R’及びR”は、同時に水素ではない、
で表されるイミド化合物又はイソイミド化合 物が挙げられる。

 好ましくは、式中、Ar 7 が、C 6 ~C 18 の芳香族ジカルボン酸残基であり、Ar 8 が、C 6 ~C 18 の芳香族モノアミン残基である、イミド化合 物又はイソイミド化合物が挙げられる。

 ここで、Ar 7 の「C 6 ~C 18 の芳香族ジカルボン酸残基」及びAr 8 の「C 6 ~C 18 の芳香族ジアミン残基」は、好ましくは、ベ ンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラ センなどの芳香族炭化水素の2価の基である 、又は2個の前記芳香族炭化水素が架橋員に り相互に連結した芳香族化合物の2価の基を 意味する。

 また、R’、R”の、「C 1 ~C 6 の脂肪族炭化水素基」は、好ましくは、直鎖 状若しくは分岐鎖状の、C 1 ~C 6 アルキル、アルケニル又はアルキニル基、あ るいはC 3 ~C 6 シクロアルキル又はアルケニル基を意味し、 「C 6 ~C 18 の芳香族炭化水素基又は同一若しくは異なる 2~4個のC 6 ~C 18 の芳香族炭化水素が直接若しくは架橋員によ り連結された1価の基」は、好ましくは、フ ニル、ビフェニリル、ナフチル、アントラ ニルなどを意味する。特に、R’、R”の一方 、あるいは両方がフェニルである場合が望ま しい。

 なお、一般式(6)又は(7)における架橋員は、- O-、-CO-、-COO-、C 1 ~C 6 アルキレン(例えば、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -など)、-C(CF 3 ) 2 -、-NH-、-NHCO-又は-SO 2 -であってよい。また、Ar 7 及びAr 8 において、ベンゼン、ナフタレン、フルオレ ンなどの芳香環は、C 1 ~C 6 アルキル基、C 2 ~C 6 アルケニル基、C 2 ~C 6 アルキニル基、C 1 ~C 6 アルコキシル基又はハロゲン原子で置換され ていてもよい。

 これらの化合物の製造は、一般に、ジカ ボン酸無水物成分とアミン成分を反応させ 対応するアミド酸の製造を行う。アミド酸 製造は、特に制限は無く、公知の方法であ てよく、通常は溶媒中で行われる。

 炭素-炭素三重結合を有するジカルボン酸無 水物(すなわちAr 7 のジカルボン酸残基を形成する化合物)とし 、3-エチニル無水フタル酸、4-エチニル無水 タル酸、3-(2-フェニルエチニル)無水フタル 、4-(2-フェニルエチニル)無水フタル酸など 挙げられ、入手の容易さを考慮に入れると 望ましくは4-エチニル無水フタル酸、4-(2-フ ェニルエチニル)無水フタル酸である。なお 4-エチニル無水フタル酸は、例えば特開2004-1 23573号公報、4-(2-フェニルエチニル)無水フタ 酸は、例えば特開2003-73372号公報に記載の方 法で製造できる。なお、上記ジカルボン酸無 水物を2種類以上混合して使用してもよい。

 次に、炭素-炭素三重結合を有するアミン成 分(すなわちAr 8 のモノアミン残基を形成する化合物)の例と て、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリ 、3-フェニルエチニルアニリン、4-フェニル エチニルアニリン、3-ナフチルエチニルアニ ン、4-ナフチルエチニルアニリン、3-アント ラセニルエチニルアニリン、4-アントラセニ エチニルアニリンなどが挙げられる。入手 容易さを考慮に入れると、望ましくは、3- チニルアニリン、4-エチニルアニリン、3-フ ニルエチニルアニリン、4-フェニルエチニ アニリンの使用が好ましい。なお、上記ア ン成分を2種類以上混合して使用してもよい

 アミド酸の製造に用いられる溶媒は、反 に不活性な溶媒なら特に限定されず、例え 、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチル セトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチ ルスルホキシド、テトラメチルウレアなどを 単独又は混合形態で使用することが出来る。 特に好適なのはN,N-ジメチルアセトアミド、N- メチル-2-ピロリドンである。またこれらの溶 媒にベンゼン、トルエン、キシレン、メシチ レン、クロロベンゼン、ジグライム、トリグ ライム等の溶媒を任意の割合で混合して用い ても良い。反応は、通常、5~80%の溶質濃度で う。

 次いで、アミド酸のイミド化及びイソイ ド化について説明する。イミド化反応は、 記反応で得られたアミド酸を公知の方法で 水することによって行う。例えば、化学的 ミド化法は、上記反応で得られたアミド酸 液に、特に限定されるわけではないが、無 酢酸、無水トリフルオロ酢酸、ポリリン酸 五酸化二リン、五塩化リン、塩化チオニル どの脱水剤を単独又は2種類以上を混合して 脱水を行う。ピリジンなどの触媒を用いても よい。熱的イミド化法は、上記反応で得られ たアミド酸をガラス、芳香族ポリマーフィル ム、銅箔、アルミ箔などの基材上に塗布し、 乾燥機で溶媒を蒸発させながら閉環を行うか 、あるいはアミド酸溶液に、ベンゼン、トル エン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼ ン、ジグライム、トリグライムなどの溶媒を 任意の割合で混合して、加熱を行い、閉環に よって生成する水を系外に留出させながら脱 水閉環を行う。またこれらの溶媒は単独又は 2種類以上を混合して用いてもよい。イソイ ド化反応は、上記のようにして得られたア ド酸溶液を公知の方法で脱水することによ て行う。例えば、無水トリフルオロ酢酸、N N-ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの 水剤を単独又は2種類以上混合して行う。ピ ジンなどの触媒を用いてもよい。

 本発明に係るイミド化合物あるいはイソ ミド化合物はイミド化あるいはイソイミド 終了後、水、アルコールなどの溶媒に注ぎ 再沈させ、ろ過により結晶を取り出して乾 して粉末として用いてもよいが、ジシクロ キシルウレアなどのイソイミド化剤の副生 をろ過などにより取り除き、溶液のまま用 てもよい。

 更に、本発明の少なくとも1つの炭素-炭 三重結合を有する化合物として、下記一般 (8):

 式中、Ar 1 、Ar 2 、Ar 5 、Ar 6 、Z及びRは、式(1)~(5)で示したのと同義であり 、pは0~200、qは1~200である、
で表されるポリイミドが挙げられる。Ar 1 、Ar 2 、Ar 5 、Ar 6 、Z及びR’の好ましい態様もまた、一般式(1)~ (5)で示したのと同義である。特に好ましくは 、Rが、フェニルである場合である。

 一般式(8)で表されるポリイミドの製造は 一般に、テトラカルボン酸二無水物成分と アミン成分とを、炭素-炭素三重結合を有す るジアミン成分と共に反応させ、対応するポ リアミド酸の製造を行う。ポリアミド酸の製 造は、特に制限は無く、公知の方法であって よく、通常は溶媒中で行われる。

 例えば、一般式(8)で表される、炭素-炭素三 重結合を有するポリイミドの製造で用いられ るテトラカルボン酸無水物成分(すなわち、Ar 1 のテトラカルボン酸残基を形成する化合物) 具体例は、一般式(1)~(4)で表されるイミドオ ゴマー又はイソイミドオリゴマーの製造で いられる化合物として前述したとおりであ 、そのようなテトラカルボン酸二無水物成 を2種類以上混合して使用してもよい。

 同様に、芳香族ジアミン(すなわちAr 2 のジアミン残基を形成する化合物)の具体例 、一般式(1)~(4)で表されるイミドオリゴマー はイソイミドオリゴマーの製造で用いられ 化合物として前述したとおりであり、その うなジアミン成分を2種類以上混合して使用 してもよい。

 炭素-炭素三重結合を有する芳香族ジアミン (すなわちAr 5 のジアミン残基を形成する化合物)の例とし は、下記一般式(10):

 式中、Ar 5 、Ar 6 、Z及びRは、一般式(5)で示したのと同義であ 、
で表される化合物が挙げられる。具体的には 、下記一般式(11):

 式中、Zは、一般式(5)で示したのと同義であ る、
で表される化合物が挙げられ、合成のし易さ 等考慮に入れると、1,3-ジアミノ-4’-フェニ エチニルベンゾフェノンが望ましい。また れらの芳香環上の水素原子は、C 1 ~C 6 アルキル基、C 2 ~C 6 アルケニル基、C 2 ~C 6 アルキニル基、C 1 ~C 6 アルコキシル基又はハロゲン原子で置換され ていてもよい。

 一般式(8)で表されるポリイミドに対応す ポリアミド酸の製造に用いられる溶媒は、 応に不活性な溶媒なら特に限定されず、例 ば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチ アセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメ チルスルホキシド、テトラメチルウレアなど を単独又は混合形態で使用することが出来る 。特に好適なのはN,N-ジメチルアセトアミド N-メチル-2-ピロリドンである。またこれらの 溶媒に、ベンゼン、トルエン、キシレン、メ シチレン、クロロベンゼン、ジグライム、ト リグライム等の溶媒を任意の割合で混合して 用いてもよい。反応は、通常、5~80%の溶質濃 で行う。

 次いで、ポリアミド酸のイミド化につい 説明する。イミド化反応は、上記反応で得 れたポリアミド酸を公知の方法で脱水する とによって行う。例えば、化学的イミド化 は、上記反応で得られたポリアミド酸溶液 、特に限定されるわけではないが、無水酢 、無水トリフルオロ酢酸、ポリリン酸、五 化二リン、五塩化リン、塩化チオニルなど 脱水剤を単独又は2種類以上を混合して脱水 を行う。ピリジンなどの触媒を用いてもよい 。熱的イミド化法は、上記反応で得られたポ リアミド酸をガラス、芳香族ポリマーフィル ム、銅箔、アルミ箔などの基材上に塗布し、 乾燥機で溶媒を蒸発させながら閉環を行うか 、あるいはポリアミド酸溶液に、ベンゼン、 トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベ ンゼン、ジグライム、トリグライムなどの溶 媒を任意の割合で混合して、加熱を行い、閉 環によって生成する水を系外に留出させなが ら脱水閉環を行う。またこれらの溶媒は単独 又は2種類以上を混合して用いてもよい。

 一般式(8)で表されるポリイミドは、イミ 化終了後、水、アルコールなどの溶媒に注 、再沈させ、ろ過により結晶を取り出して 燥して粉末として用いてもよいが、ポリイ ドが溶媒に可溶性の性質を示す場合、溶液 まま用いてもよい。

 次に本発明で用いられるオニウム塩につ て説明する。かかるオニウム塩としては、 四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム 、スルホニウム塩が挙げられる。第四級ア モニウム塩としては、例えば、塩化テトラ チルアンモニウム、塩化テトラエチルアン ニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム 塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テト ペンチルアンモニウム、塩化テトラヘキシ アンモニウム、塩化テトラヘプチルアンモ ウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、 化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化 トラデシルアンモニウム、塩化トリデシル チルアンモニウム、塩化ジデシルジメチル ンモニウム、塩化テトラドデシルアンモニ ム、塩化トリドデシルメチルアンモニウム 塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩 ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ド シルトリエチルアンモニウム、塩化テトラ キサデシルアンモニウム、塩化ヘキサデシ トリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシ ジメチルエチルアンモニウム、塩化テトラ クタデシルアンモニウム、塩化オクタデシ トリメチルアンモニウム、塩化オクタデシ トリエチルアンモニウム、塩化ベンジルト メチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエ ルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチル ンモニウム、塩化1-メチルピリジニウム、 化1-ヘキサデシルピリジニウム、塩化1,4-ジ チルピリジニウム、塩化トリメチルシクロ ロピルアンモニウム、あるいはこれら塩化 塩が、それぞれ対応する臭化物塩、沃化物 、硫酸水素塩となった化合物等が挙げられ 。

 第四級ホスホニウム塩としては、例えば 塩化トリブチルメチルホスホニウム、塩化 リエチルメチルホスホニウム、塩化メチル リフェノキシホスホニウム、塩化ブチルト フェニルホスホニウム、塩化テトラブチル スホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホ ホニウム、塩化テトラオクチルホスホニウ 、塩化ヘキサデシルトリメチルホスホニウ 、塩化ヘキサデシルトリブチルホスホニウ 、塩化ヘキサデシルジメチルエチルホスホ ウム、塩化テトラフェニルホスホニウム、 しくはこれら塩化物塩が、それぞれ対応す 臭化物塩、沃化物塩、硫酸水素塩となった 合物等が挙げられる。スルホニウム塩とし は、例えば、塩化ベンジルメチルエチルス ホニウム、塩化ベンジルジメチルスルホニ ム、塩化ベンジルジエチルスルホニウム、 化ジブチルメチルスルホニウム、塩化トリ チルスルホニウム、塩化トリエチルスルホ ウム、塩化トリブチルスルホニウム、もし はこれら塩化物塩が、それぞれ対応する臭 物塩、沃化物塩、硫酸水素塩となった化合 等が挙げられる。

 本発明の樹脂組成物では、これらのオニ ム塩の中でも、硬化温度を最も低下させう ことから、第四級ホスホニウム塩の使用が り好ましい。特に好ましくは、塩化テトラ ェニルホスホニウム及び対応する臭化物塩 沃化物塩、硫酸水素塩となった化合物等で る。入手の容易さ等を考慮すれば、臭化テ ラフェニルホスホニウムが望ましい。

 本発明の樹脂組成物におけるオニウム塩 使用量は、1つの炭素-炭素三重結合に対し 0.01~30モル%、好ましくは0.5~20モル%、更に好 しくは1~10モル%である。

 本発明の樹脂組成物は、オニウム塩と、 なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する 合物とを混合することにより得られる。混 は、特に限定は無く、両者が固体である場 は、例えば乳鉢、ボールミル等で所望の比 で混合してもよく、あるいは両者を溶媒に 解させて混合した後、溶媒を蒸発させて、 脂組成物としてもよい。そのような溶媒と ては、アミド酸の製造に用いられる溶媒と て前述したものが挙げられる。更に、一般 (1)~(4)および(6)~(8)で示される少なくとも1つ 炭素-炭素三重結合を有する化合物を前述の おり合成し、溶液のまま用いる場合は、か る溶液に、所望の比率でオニウム塩を混合 た後、溶媒を蒸発させて、樹脂組成物とし もよい。また、少なくとも1つの炭素-炭素 重結合を有する化合物を製造する際、あら じめ溶媒に添加しておくことも可能である

 本発明の樹脂組成物は、更にポリイミド び/又はポリアミド酸を含んでいてもよい。 そのような樹脂組成物は、前述したような、 少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する 合物と、その1つの炭素-炭素三重結合に対 て0.01~30モル%、好ましくは0.5~20モル%、更に ましくは1~10モル%の特定のオニウム塩とを混 合した樹脂組成物と、ポリイミド及び/又は リアミド酸とを所定の混合比で混合するこ によって得られる。所定の混合比とは、〔 なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する化 合物+オニウム塩の重量〕/〔ポリイミド及び/ 又はポリアミド酸の重量〕が、5/95~95/5の範囲 であり、好ましくは10/90~60/40、より好ましく 、20/80~50/50である。また少なくとも1つの炭 -炭素三重結合を有する化合物を単独または 2種類以上用いてもよい。

 本発明に用いられるポリイミド及び/又は ポリアミド酸は、下記一般式(12):

又は下記一般式(13):

 式中、mは、20以上の数であり、Ar 9 は、テトラカルボン酸残基であり、Ar 10 は、ジアミン残基である、
で表される。

 ポリイミド及び/又はポリアミド酸の製造は 、特に制限は無く、公知の方法であってよく 、通常は溶媒中で行われる。芳香族テトラカ ルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを極性 溶媒中で反応させて製造する。ここで用いる テトラカルボン酸無水物(すなわち、Ar 9 のテトラカルボン酸残基を形成する化合物) 具体例は、一般式(1)~(4)で表されるイミドオ ゴマー又はイソイミドオリゴマーの製造で いられる化合物として前述したとおりであ 、そのようなテトラカルボン酸二無水物成 を2種類以上混合して使用してもよい。

 同様に、芳香族ジアミン(すなわち、Ar 10 のジアミン残基を形成する化合物)の具体例 、一般式(1)~(4)で表されるイミドオリゴマー はイソイミドオリゴマーの製造で用いられ 化合物として前述したとおりであり、その うなジアミン成分を2種類以上混合して使用 してもよい。

 さらに、下記一般式(14):

 式中、pは、0~20の整数の混合値であり、R 1 は、メチル、イソプロピル、フェニル、ビニ ル基を示し、R 2 は、炭素数1~7の炭化水素の2価の基、たとえ トリメチレン、テトラメチレン、フェニレ などを示す、
で表されるシロキサンジアミンを1~80モル%、 ましくは5~60モル%、さらに好ましくは10~50モ ル%の範囲で共重合させてもよい。

 ポリイミド及び/又はポリアミド酸の製造 に用いられる溶媒は、反応に不活性な溶媒な ら特に限定されず、例えば、N,N-ジメチルホ ムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メ ル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、 トラメチルウレアなどを単独又は混合形態 使用することが出来る。特に好適なのはN,N- メチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリド である。またこれらの溶媒に、ベンゼン、 ルエン、キシレン、メシチレン、クロロベ ゼン、ジグライム、トリグライムなどの溶 を任意の割合で混合して用いてもよい。反 は、通常、5~80%の溶質濃度で行う。

 次いで、ポリアミド酸のイミド化につい 説明する。イミド化反応は、上記反応で得 れたポリアミド酸を公知の方法で脱水する とによって行うことができ、そのような方 は、一般式(8)で表されるポリイミドの製造 おいて前述したとおりである。

 本発明で使用しうるポリイミドは、イミ 化終了後、水、アルコールなどの溶媒に注 、再沈させ、ろ過により結晶を取り出して 燥して粉末として用いてもよいが、ポリイ ドが溶媒に可溶性の性質を示す場合、溶液 まま用いてもよい。

 このように本発明の樹脂組成物はまた、 ニウム塩と、少なくとも1つの炭素-炭素三 結合を有する化合物と共に、ポリイミド及 /又はポリアミドを含んでいてもよい。この うな樹脂組成物は、ワニス状又は粉末状で ることができる。

 本発明のワニスは、ワニス状又は粉末状 、本発明の樹脂組成物から調製することが きる。ワニスの調製に使用される溶媒は、 成分に対し可溶性であれば特に限定されず 好適には各成分の調製に用いられる反応溶 であってよい。溶媒は、例えば、N,N-ジメチ ルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシ ド、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラ ンなどを単独又は混合形態で使用することが 出来る。特に好適なのはN,N-ジメチルアセト ミド、N-メチル-2-ピロリドン、テトラヒドロ フランである。またこれらの溶媒にベンゼン 、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロ ベンゼン、ジグライム、トリグライムなどの 溶媒を任意の割合で混合して用いてもよい。 したがって、粉末状の本発明の樹脂組成物を 、そのような溶媒と混合するか、あるいは各 成分の反応終了後、適切な後処理を行うこと により得られた溶液を混合することにより、 ワニスを調製してもよい。ワニスに含まれる 本発明の樹脂組成物の濃度は、特に制限なく 、各成分の溶解度や、ワニスの使用態様など に応じて適宜選択されるが、例えば5~80%の溶 濃度である。

 さらに、本発明の少なくとも1つの炭素- 素三重結合を有する化合物と特定のオニウ 塩とを含む樹脂組成物、前記樹脂組成物に にポリイミド及び/またはポリアミド酸を加 た樹脂組成物を、加熱により溶融させ、あ いは溶媒に溶解させたワニスとして、炭素 維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアリ ート繊維(全芳香族ポリエステル繊維)又は ロン繊維、あるいはガラス、アラミド又は リアリレート繊維(全芳香族ポリエステル繊 )等の織布あるいは不織布などに含浸させプ リプレグを形成することもできる。

 また、本発明の少なくとも1つの炭素-炭 三重結合を有する化合物と特定のオニウム とを含む樹脂組成物に、更にポリイミド及 /またはポリアミド酸を加えた樹脂からフィ ムを製造することも出来る。通常は、前記 脂組成物を含むワニスを、ガラス、アルミ 銅、ステンレス、PETフィルム、ポリイミド ィルムなどの基材に塗布し、溶媒を乾燥さ ることにより、所望の厚さ、好ましくは1~20 0μm、より好ましくは1~100μm厚のフィルムとし て得ることができる。更にこのようにして得 られたフィルムを、芳香族ポリマーフィルム の少なくとも片面に積層させることにより積 層フィルムを、金属箔の少なくとも片面に積 層させることにより金属積層体を製造するこ ともできる。

 本発明の耐熱性接着剤は、ワニス状、フ ルム状又は粉末状の、本発明の樹脂組成物 ら調製することができる。耐熱性接着剤の 製に使用される溶媒は、各成分に対し化学 反応性がなく、かつ可溶性であれば特に限 されず、前記ワニスの調製に用いられる溶 、あるいは低級アルコール類(例えば、メタ ノール、エタノール、プロパノール、イソプ ロパノール、ブタノールなど)、低級アルカ 類(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロ キサンなど)、ケトン類(アセトン、メチル チルケトン、メチルイソブチルケトンなど) ハロゲン系炭化水素類(ジクロロメタン、四 塩化炭素、フルオロベンゼンなど)、芳香族 化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンな )又はエステル類(酢酸メチル、酢酸エチル 酢酸ブチルなど)などから適宜選択される溶 を単独で若しくは混合形態で用いてもよい 耐熱性接着剤に含まれる本発明の樹脂組成 の濃度は、特に制限なく、各成分の溶解度 、耐熱性接着剤の使用態様などに応じて適 選択されるが、例えば5~80%の溶質濃度であ ことが好ましい。また本発明の目的を損な ない範囲で、各種充填剤若しくは添加剤を 合してもよい。

 このようにして得られたプリプレグ、フ ルム、積層フィルム、耐熱性接着剤又は金 積層体などは、所望により、180~450℃での硬 化処理が適宜行われ、その硬化物を得ること ができる。

 このように本発明は、前述したような、 なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する 合物を含む熱硬化性樹脂組成物を硬化させ ことにより、硬化物を製造する方法であっ 、そのような熱硬化性樹脂組成物を、前述 たような、オニウム塩の存在下で硬化させ ことを特徴とする、製造方法にも関する。 発明の製造方法は、オニウム塩の存在下で 化させることにより、オニウム塩の存在な で前記炭素-炭素三重結合を有する化合物を む熱硬化性樹脂組成物を硬化させる際の硬 温度を、より低下させることができる。好 しくは、本発明の製造方法により、オニウ 塩の存在なしで前記炭素-炭素三重結合を有 する化合物を含む熱硬化性樹脂組成物を硬化 させる際の硬化温度を、前記炭素-炭素三重 合を有する化合物によるが、少なくとも10℃ 以上、好ましくは約20℃以上低下させること でき、例えば、フェニルエチニル基を有す 化合物の場合、少なくとも10℃以上、好適 態様においては約20~約100℃、特には約20~約70 ℃低下させることができる。

 このようにして得られたプリプレグ、フ ルム、積層フィルム、耐熱性接着剤又は金 積層体など、あるいはそれらの硬化物は、 動車、航空宇宙産業、建築材料はもちろん 電気電子分野などとして使用することがで る。

 以下に本発明の具体的態様を明らかにす ために、実施例と比較例とを示すが、本発 はここに示す実施例のみに限定される訳で ない。

 実施例における発熱開始温度、発熱ピー 温度は、示差走査熱量計(DSC):島津製作所製D SC-60にて毎分10℃で40~450℃まで昇温を行い、 析ソフトによりDSC曲線の外挿点から発熱開 温度、ピーク値から発熱ピーク温度を算出 た。

合成例1:4,4’-オキシジフタル酸無水物と4-オ シジアニリンと4-(2-フェニルエチニル)無水 タル酸との縮合物(イミドオリゴマー)の合
 300mL四つ口フラスコに、4,4’-オキシジアニ ン20.02g(0.1mol)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)140. 8gを仕込み、溶解させた。投入口より、4,4’- オキシジフタル酸二無水物15.51g(0.05mol)、4-(2- ェニルエチニル)無水フタル酸24.82g(0.1mol)を 入し、3時間攪拌を行い、アミド酸オリゴマ ー溶液を得た。得られたアミド酸オリゴマー をガラス上に塗布し、熱風乾燥機で乾燥を行 い、イミドオリゴマー(一般式(1)において、n= 1)を得た。

合成例2~5:

表1

 表1中の略称は、以下を示す。
4-ODPA:4,4’-オキシジフタル酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸 無水物
BSAA:4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキ )ビスフタル酸二無水物
4-ODA:4,4’-オキシジアニリン
MPD:m-フェニレンジアミン
PEPA:4-(2-フェニルエチニル)無水フタル酸

 表1の酸二無水物成分、ジアミン成分及び 末端封止剤をそれぞれ出発原料として用い、 合成例1記載の方法に従って、合成例2~5のイ ドオリゴマーを得た。

合成例6:3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカ ボン酸二無水物と1,3-ビス(3-アミノフェノキ )ベンゼンと4-(2-フェニルエチニル)無水フタ ル酸との縮合物(イソイミドオリゴマー)の合
 300mL四つ口フラスコに、1,3-ビス(3-アミノフ ノキシ)ベンゼン14.62g(0.05mol)、テトラヒドロ フラン(THF)140.3gを仕込み溶解させた。投入口 り、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカル ン酸二無水物8.06g(0.025mol)、4-(2-フェニルエチ ニル)無水フタル酸12.41g(0.05mol)を投入し、3時 攪拌を行い、アミド酸オリゴマー溶液を得 。得られたアミド酸オリゴマーを氷浴で5℃ まで冷却し、滴下ロートより、N,N-ジシクロ キシルカルボジイミド20.6gをTHF38.3gに溶解さ た溶液を滴下する。3時間攪拌を行い、析出 したN,N-ジシクロヘキシルウレアをろ過によ 取り除き、イソイミドオリゴマー溶液を得 。得られたイソイミドオリゴマー溶液をガ ス上に塗布し、熱風乾燥機で乾燥を行い、 ソイミドオリゴマー(一般式(2)において、n=1) を得た。

合成例7:4,4’-オキシジアニリンと4-フェニル チニル無水フタル酸との縮合物(ビスイミド 化合物)の合成
 300mL四つ口フラスコに、4-(2-フェニルエチニ ル)無水フタル酸24.82g(0.1mol)、4,4’-オキシジ ニリン10.01g(0.05mol)、NMP177.0gを仕込み、3時間 拌した。得られた溶液に、ピリジン0.8g、無 水酢酸30.7gを滴下を行い攪拌した。析出した 晶をろ過により分離を行い、乾燥してビス ミド化合物(一般式(1)において、n=0)を得た

合成例8:

 4,4’-オキシジアニリンの代わりに、1,3- アミノ-4’-(2-フェニルエチニル)ベンゾフェ ン15.62g(0.05mol)を用いる以外は合成例7と同様 の方法で化合物を得た。

実施例1
 合成例1で得られた4,4’-オキシジフタル酸 水物と4,4’-オキシジアニリンと4-フェニル チニル無水フタル酸とのイミドオリゴマー2g と、そのフェニルエチニル基に対して5mol%(0.0 74g)のテトラフェニルホスホニウムブロミド(P Ph 4 Br)とを乳鉢上ですりつぶし、混合した。得ら れた粉末のDSCを測定したところ、290℃に始ま り330℃にピークトップを持つ発熱が確認され た。

実施例2~8
 合成例1で得られたフェニルエチニル基を有 する化合物の代わりに、合成例2~8で得られた フェニルエチニル基を有する化合物を用いた 以外は実施例1と同様な方法で行った。結果 表2に示す。

表2

実施例9~11
 テトラフェニルホスホニウムブロミドの代 りに、下記表に記載の第四級ホスホニウム を用いた以外は実施例1と同様の方法で行っ た。結果を表3に示す。

表3

 表3中の略称は、以下を示す。
TEPB:テトラエチルホスホニウムブロミド
TnBPB:テトラ-n-ブチルホスホニウムブロミド
BTPPB:ベンジルトリフェニルホスホニウムブロ ミド

比較例1~8
 合成例1~8で合成したフェニルエチニル基を する化合物のDSCを測定した。結果を表4に示 す。

表4

実施例12
 合成例3で得られたイミドオリゴマーと、そ のオリゴマーの1つのフェニルエチニル基に して5重量%のテトラフェニルホスホニウムブ ロミド混合した樹脂組成物を、330℃で3時間 圧力5MPaで硬化し、厚さ3mmの硬化物(試験片) 作製し、ASTM D-790に準拠して曲げ試験を行っ た。曲げ強度は150MPa、弾性率は2.9GPa、引張強 度は115MPa 、伸びが15%であった。また、この 化物はNMPに不溶であり、TGAによる5%重量減 温度が510℃でガラス転移温度は明確には現 ず、発熱ピ-クが認められなかった。

実施例13
 合成例3で得られたイミドオリゴマ-とその リゴマーの1つのフェニルエチニル基に対し 5重量%のテトラフェニルホスホニウムブロ ド混合した樹脂組成物を、100℃にてNMPに溶 し、濃度30%のイミドオリゴマー溶液を調製 た。この溶液を含浸液として、炭素繊維(東 レ-ヨン社、ベスファイトHTS3000)に含浸させ 窒素気流下250℃、30分間乾燥を行い、複合 を作成した。この複合材(厚さ:150μm)を150mmの 正方形に裁断し、同じ方向に8枚重ねて、330 、5MPaの条件で30分プレスした後、圧力を保 したままで100℃まで冷却して硬化物である 合材を得た。この平板より所定の試験片を り出し、曲げ強度、曲げ弾性率をASTMD-790に 拠して測定した。曲げ弾性率145GPa、曲げ強 2.5GPaであった。

 本発明は、少なくとも1つの炭素-炭素三 結合を有する化合物と、オニウム塩を含む 硬化性樹脂組成を提供する。かかる樹脂組 物は、従来のフェニルエチニル基を有する 合物を含む樹脂組成物よりも、より低温で 化することができるため有用である。すな ち、本発明の、少なくとも1つの炭素-炭素三 重結合を有する化合物を含む熱硬化性樹脂組 成物を硬化させることにより、硬化物を製造 する方法であって、前記炭素-炭素三重結合 有する化合物を含む熱硬化性樹脂組成物を オニウム塩の存在下で硬化させることを特 とする製造方法によれば、オニウム塩を用 ない従来の製造方法に比べて、硬化させる の硬化温度をより低温にすることができる 従って、樹脂自体の劣化を著しく低減する とができると共に、高温度領域での製造に えうる設備に対する投資も不要になり、製 コスト面からも有利である。