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Title:
TRAVEL CONTROL DEVICE FOR HYDRAULIC TRAVELING VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081856
Kind Code:
A1
Abstract:
Parameters on traveling conditions of a hydraulic traveling vehicle are detected by a rotation number pickup (71)(travel speed detection means), a hydraulic sensor (72)(travel operation detection means), a hydraulic sensor (73)(drive condition detection means), and a voltage sensor (74)(transmission-shift-position detection means). A control unit (80), an electromagnetic proportional valve (81), an engine control device (82), and a motor regulator (33) determine operating conditions of the hydraulic traveling vehicle based on the parameters on the traveling conditions and, according to the result of the determination, control the equivalent capacity of a travel system including a hydraulic travel motor (14) and the maximum flow rate supplied to the hydraulic travel motor (14). Because the pump flow rate and the motor flow rate are controlled according to travel conditions, excellent travel performance of the vehicle can be achieved without increasing fuel consumption.

Inventors:
SATAKE HIDETOSHI (JP)
KODAKA KATSUAKI (JP)
GOTOU YUUKI (JP)
ICHIMURA KAZUHIRO (JP)
KONDOU WATARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075086
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CONSTRUCTION MACHINERY (JP)
SATAKE HIDETOSHI (JP)
KODAKA KATSUAKI (JP)
GOTOU YUUKI (JP)
ICHIMURA KAZUHIRO (JP)
KONDOU WATARU (JP)
International Classes:
F16H61/42; F16H61/423; F16H61/433; F16H61/46; F16H61/47; F16H59/40; F16H59/44; F16H59/68; F16H61/66
Foreign References:
JP2001295682A2001-10-26
JPH08270788A1996-10-15
JP3631620B22005-03-23
JPH08270788A1996-10-15
JP3631620B22005-03-23
JP2001295682A2001-10-26
Other References:
See also references of EP 2123947A4
Attorney, Agent or Firm:
KASUGA, Yuzuru (4-1 Nihonbashi-honcho 3-chome, Chuo-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 原動機(1)により駆動される油圧ポンプ(10)と、この油圧ポンプから供給される圧油により駆動される可変容量型の油圧走行モータ(14)とを備えた油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記油圧式走行車両の走行状態に関するパラメータを検出する検出手段(71,72,73,74)と、
 前記走行状態に関するパラメータに基づいて前記油圧式走行車両の運転状態を判定する運転状態判定手段(80,S100,S120)と、
 前記運転状態の判定結果に応じて前記油圧走行モータ(14)に供給される最大流量と前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量とを制御する制御手段(33,80,S130~S150,81,82)とを備えることを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、前記制御手段(33,80,S130~S150,81,82)は、前記油圧走行モータ(14)の容量を制御することで前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記油圧走行モータ(14)の出力部に設けられたトランスミッション(15)を更に備え、
 前記制御手段は、前記トランスミッションの減速比を切り換えることで前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記制御手段(33,80,S130~S150,81,82)は、前記原動機(1)の回転数を制御して前記油圧ポンプ(10)の吐出流量を増減することにより、前記油圧走行モータ(14)に供給される最大流量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記制御手段は、前記油圧ポンプ(10)の最大容量を制御して前記油圧ポンプの吐出流量を増減することにより、前記油圧走行モータ(14)に供給される最大流量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 更に、前記油圧ポンプ(10)と前記油圧走行モータ(14)との間に方向切換弁(12)を備え、
 前記制御手段は、前記方向切換弁により、前記油圧走行モータに供給される最大流量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、前記走行状態が少なくとも通常走行状態と降坂状態のいずれにあるかを判定し、
 前記制御手段(33,80,S130~S150,81,82)は、前記走行状態が前記通常走行状態にあるときは、前記油圧走行モータ(14)に供給される最大流量を予め定められた第1流量とし、かつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を、前記第1流量において予め設定された走行最高速度を確保できる等価容量である第1容量とし、前記走行状態が前記降坂状態にあるときは、前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を、前記第2容量において前記予め設定された最高速度を確保できる第2流量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、前記走行状態が少なくとも通常走行状態と加速状態のいずれにあるかを判定し、
 前記制御手段(33,80,S130~S150,81,82)は、前記走行状態が前記通常走行状態にあるときは、前記油圧走行モータ(14)に供給される最大流量を第1流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を第1容量とし、前記走行状態が前記加速状態にあるときは、前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量より大きい第2流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第1容量より大きい第2容量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、前記走行状態が少なくとも通常走行状態と登坂状態のいずれにあるかを判定し、
 前記制御手段(33,80,S130~S150,81,82)は、前記走行状態が前記通常走行状態であるときは、前記油圧走行モータ(14)に供給される最大流量を第1流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を第1容量とし、前記走行状態が前記登坂状態にあるときは、前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量より大きい第2流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第1容量より大きい第2容量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項7~9のいずれか1項記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、更に、前記走行状態が減速状態にあるかを判定し、
 前記制御手段(33,80,S130~S150,81,82)は、前記走行状態が前記減速状態にあるときは、前記油圧走行モータ(14)に供給される最大流量を前記第1流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第2容量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記制御手段は、前記運転状態の判定結果に応じて、前記原動機(1)の最高回転数を増減させる制御を行うことで、前記油圧ポンプ(10)の最大吐出流量を、少なくとも第1流量とこの第1流量より大きい第2流量との間で制御する第1制御手段(80,S120,S130,S150,82,99)と、前記運転状態の判定結果に応じて、前記油圧走行モータ(14)を含む走行系の等価容量を、少なくとも第1容量と、この第1容量より大きい第2容量との間で制御する第2制御手段(33,80,S120,S130,S140,81)とを有し、
 前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第2容量に制御したときに車両が設定最高速度で走行するのに必要な流量が前記油圧ポンプの第2流量に合うように前記油圧ポンプの第2流量と前記走行系の第2容量とを設定したことを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項11記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 更に、前記油圧走行モータ(14)を含む走行系の等価容量を前記第1容量に制御したときに車両が前記設定最高速度で走行するのに必要な流量が前記油圧ポンプ(10)の第1流量に合うように前記油圧ポンプの第1流量と前記走行系の第1容量とを設定したことを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項11又は12記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、前記第2制御手段(33,80,S120,S130,S140,81)は、前記油圧走行モータの容量を制御することで前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項11又は12記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記油圧走行モータの出力部に設けられたトランスミッションを更に備え、
 前記第2制御手段は、前記トランスミッションの減速比を切り換えることで前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項11又は12記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、前記走行状態が少なくとも通常走行状態と降坂状態のいずれにあるかを判定し、
 前記第1及び第2制御手段(80,S120,S130,S150,82,99)(33,80,S120,S130,S140,81)は、前記走行状態が前記通常走行状態にあるときは、前記油圧ポンプ(10)の吐出流量を前記第1流量としかつ前記油圧走行モータ(14)を含む走行系の等価容量を前記第1容量とし、前記走行状態が前記降坂状態にあるときは、前記油圧ポンプの吐出流量を前記第2流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第2容量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項11又は12記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、前記走行状態が少なくとも通常走行状態と加速状態のいずれにあるかを判定し、
 前記第1及び第2制御手段(80,S120,S130,S150,82,99)(33,80,S120,S130,S140,81)は、前記走行状態が前記通常走行状態にあるときは、前記油圧ポンプ(10)の吐出流量を前記第1流量としかつ前記油圧走行モータ(14)を含む走行系の等価容量を前記第1容量とし、前記走行状態が前記加速状態にあるときは、前記油圧ポンプの吐出流量を前記第2流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第2容量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項11又は12記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、前記走行状態が少なくとも通常走行状態と登坂状態のいずれにあるかを判定し、
 前記第1及び第2制御手段(80,S120,S130,S150,82,99)(33,80,S120,S130,S140,81)は、前記走行状態が前記通常走行状態にあるときは、前記油圧ポンプ(10)の吐出流量を前記第1流量としかつ前記油圧走行モータ(14)を含む走行系の等価容量を前記第1容量とし、前記走行状態が前記登坂状態にあるときは、前記油圧ポンプの吐出流量を前記第2流量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前記第2容量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項15~17のいずれか1項記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記運転状態判定手段(80,S100,S120)は、更に、前記走行状態が減速状態にあるかを判定し、
 前記第1及び第2制御手段(80,S120,S130,S150,82,99)(33,80,S120,S130,S140,81)は、前記走行状態が前記減速状態にあるときは、前記油圧ポンプ(10)の吐出流量を前記第1流量としかつ前記油圧走行モータ(14)を含む走行系の等価容量を前記第2容量とすることを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
 請求項1~18のいずれか1項記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
 前記検出手段(71,72,73,74)は、前記油圧式走行車両の走行状態に関するパラメータとして、少なくとも、前記油圧式走行車両の走行速度と、前記油圧走行モータ(14)を駆動するための走行操作指令と、前記油圧ポンプ(10)の吐出圧力を検出することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
Description:
油圧式走行車両の走行制御装置

 本発明は油圧式走行車両の走行制御装置 係わり、特に、走行用の駆動手段として油 ポンプから供給される圧油により駆動され 可変容量型の油圧走行モータを有し、この 圧走行モータの容量を変えることで走行ト クの制御を行うホイール式油圧ショベル等 油圧式走行車両の走行制御装置に関する。

 ホイール式油圧ショベル等の油圧式走行 両の走行制御装置は、一般に、油圧により 動される走行モータを可変容量型とし、加 時、登坂走行時等において、走行モータの 荷圧力(走行負荷圧力)が高くなると走行モ タの容量を増加させ、必要なトルクを発生 せている。また、減速時は、走行用の油圧 動回路内に設けられたオーバーロードリリ フ弁により回路圧力(ブレーキ圧力)を調整し 、そのブレーキ圧力により走行モータにブレ ーキ力を発生させ、車体を制動させている。 このような構成の走行制御装置において、降 坂動作時に車体の勾配に対する重量成分の進 行方向のベクトルが前記ブレーキ力を超過し た場合は、車体が自重により増速し、予め定 められた車体の最高速度を超過し、使用機器 の寿命に影響を与える。

 特許文献1に記載された走行制御装置にお いては、降坂動作時に車体の勾配に対する重 量成分の進行方向のベクトルが上記ブレーキ 力を超過しやすい状態においては、走行ペダ ルの中立を検出し、走行モータの容量を外部 指令により増加させ、ブレーキ力を増量する ことで降坂時の最高速度が予め定められた速 度を超過しないようにしている。

 また、特許文献2に記載された走行制御装 置においては、予め車速を監視し、車両の走 行速度が予め定められた速度よりも高くなっ た場合は走行モータの容量を外部指令により 増加させることで、同じく降坂時の最高速が 予め定められた速度を超過しないようにして いる。

 一方、ホイール式油圧ショベル等の油圧 走行車両の走行制御装置には、高馬力運転 ードを設定可能としたものがあり、必要時 高馬力運転モードを設定してエンジンの最 回転数を上げ、高馬力を確保することがで る。このような走行制御装置では、高馬力 転モードを設定したときに車速が増加しな ように各種の制御を実施している。例えば 特許文献3記載の従来技術では、高馬力運転 モードを設定したときに油圧ポンプの傾転( 量)を小さくして、車速が増加しないように ている。また、特許文献3では、走行モータ に、油圧ポンプの吐出圧力が所定圧力以上に なると、走行モータの自己圧により走行モー タの容量を増加させる自己圧傾転制御機構を 設けるとともに、油圧ポンプの吐出圧力を検 出し、その検出した吐出圧力が所定圧力以上 になるとエンジンの最高回転数を増加させる 制御を行うことで、高馬力運転モードの設定 時(エンジンの最高回転数増加時)の車速の増 を防止している。

特開平8-270788号公報

特許第3631620号公報

特開2001-295682号公報

 しかしながら、上記従来技術には次のよ な問題がある。

 例えば、運転者が、走行ペダルを踏んだ ま減速操作を行わずに平坦路走行から降坂 作に入り、降坂動作を続ける場合がある。 のような場合、特許文献1記載の技術では、 走行ペダルが踏まれているため走行モータの 容量は増加せず、 車両は増速し、安定して 坂動作を行うことが難しい。特許文献2記載 の技術では、走行速度が平坦路での最高速度 と同等又はこれ以上に予め定められた速度よ りも高くなってから走行モータの容量を増加 させるため、車両は予め定められた速度より も加速する。

 このような降坂動作時の車両の加速を抑 するためには、走行モータの容量が切り換 る前の状態において走行モータの容量又は 行モータにつながるトランスミッションの 速比を十分に大きくとることが考えられる しかしながら、走行モータの容量が切り換 る前の状態において走行モータの容量又は 行モータにつながるトランスミッションの 速比を大きくすると、その状態での最高速 行時、走行モータを回転させるための走行 の必要流量が大きくなり、走行系の管路で 生する油圧圧損が大きくるため、高速走行 のエネルギーロスが大きくなり、燃費が悪 する等の不具合が発生する。また、これを ぐために、走行系の配管の圧損を下げるた に管路の断面積を大きくとると、必要な車 の配管スペースが増加し、車体が大型化し しまう等の欠点がある。

 一方、上記特許文献3記載の技術では、高 馬力運転モードの設定時に油圧ポンプの容量 を制御したり、自己圧による走行モータの容 量切り換えに連動してエンジンの最高回転数 を増加させる制御を行うことにより、車速が 増加することを防止している。しかしながら 、油圧ポンプの容量制御は、特許文献1に記 されるように制御システムが複雑で、コス 増を招きやすいという問題がある。また、 己圧による走行モータの容量切り換えに連 してエンジンの最高回転数を増加させる制 を行う場合は、予め設定したポンプ吐出圧 を閾値としてエンジンの最高回転数の制御 走行モータの容量切り換えを行うため、設 のバラツキや制御の応答性の遅れが不可避 あり、油圧ポンプの吐出圧力が低下して吸 トルク制御外となって油圧ポンプの吐出流 が増加した場合に、一時的に車速が増加す 可能性があり、その点を改善するため開発 おける確認事項が多くなる。

 本発明の第1の目的は、走行状態に応じて ポンプ流量とモータ容量を制御することによ り、燃費を悪化させることなく良好な走行性 能を確保することができる油圧式走行車両の 走行制御装置を提供することである。

 本発明の第2の目的は、エンジンの最高回 転数を増加させたときの車速の増加を簡単か つ確実に防止しながら、高馬力により良好な 走行性能を確保することができる油圧式走行 車両の走行制御装置を提供することである。

 (1)上記第1の目的を達成するために、本発 明は、原動機により駆動される油圧ポンプと 、この油圧ポンプから供給される圧油により 駆動される可変容量型の油圧走行モータとを 備えた油圧式走行車両の走行制御装置におい て、前記油圧式走行車両の走行状態に関する パラメータを検出する検出手段と、前記走行 状態に関するパラメータに基づいて前記油圧 式走行車両の運転状態を判定する運転状態判 定手段と、前記運転状態の判定結果に応じて 前記油圧走行モータに供給される最大流量と 前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量 とを制御する制御手段とを備えるものとする 。

 このように車両の走行状態に関するパラ ータに基づいて得た油圧式走行車両の運転 態の判定結果に応じて油圧走行モータに供 される最大流量と油圧走行モータを含む走 系の等価容量とを制御することにより、油 走行モータに供給される最大流量と油圧走 モータを含む走行系の等価容量を予め適切 大きさに設定しておくことで、燃費を悪化 せることなく良好な走行性能を確保するこ ができる。

 例えば、減速が必要な状態では、走行系 等価容量(例えば油圧走行モータの容量)を 容量に切り換えることにより、十分なブレ キ力を確保し、良好な操作フィーリングを ることができる。

 また、単純に走行系の等価容量(例えば走 行モータの容量)を大きくするだけでは降坂 態で最高速度を確保することができなくな が、走行系の等価容量を大きくすると同時 油圧走行モータに供給される最大流量(走行 の最大流量、例えば油圧ポンプの吐出流量) を大きくし、かつ両者の大きさを予め適切な 値に設定しておくことにより、安定した速度 で坂道を降坂することができる。

 更に、最高速度に至るまでの加速動作中 おいても、走行系の等価容量(例えば走行モ ータの容量)を大きくとることにより加速に 要な駆動圧が低くなり、油圧モータを含む 行系からの漏れ流量が減少し、加速動作中 全体効率が上がるとともに、加速感を向上 せることができる。

 また、減速が必要ない状態及び加速が必 ない状態では、走行系の等価容量(例えば走 行モータの容量)を通常必要となる容量より 下げることにより、速度を維持するために 要な流量をより小さくし、走行系の配管で じる圧力損失を低く抑え、燃費を改善する ともに、圧力損失で生じる発熱も低くなる め、車体に必要な冷却装置も小型化するこ ができる。

 (2)上記(1)において、例えば、前記制御手 は、前記油圧走行モータの容量を制御する とで前記油圧走行モータを含む走行系の等 容量を制御する。

 (3)上記(1)において、前記油圧走行モータ 出力部に設けられたトランスミッションを に備え、前記制御手段は、前記トランスミ ションの減速比を切り換えることで前記油 走行モータを含む走行系の等価容量を制御 てもよい。

 (4)また、上記(1)において、例えば、前記 御手段は、前記原動機の回転数を制御して 記油圧ポンプの吐出流量を増減することに り、前記油圧走行モータに供給される最大 量を制御する。

 (5)上記(1)において、前記制御手段は、前 油圧ポンプの最大容量を制御して前記油圧 ンプの吐出流量を増減することにより、前 油圧走行モータに供給される最大流量を制 してもよい。

 (6)また、上記(1)において、更に、前記油 ポンプと前記油圧走行モータとの間に方向 換弁を備え、前記制御手段は、前記方向切 弁により、前記油圧走行モータに供給され 最大流量を制御してもよい。

 (7)また、上記(1)において、好ましくは、 記運転状態判定手段は、前記走行状態が少 くとも通常走行状態と降坂状態のいずれに るかを判定し、前記制御手段は、前記走行 態が前記通常走行状態にあるときは、前記 圧走行モータに供給される最大流量を予め められた第1流量とし、かつ前記油圧走行モ ータを含む走行系の等価容量を、前記第1流 において予め設定された走行最高速度を確 できる等価容量である第1容量とし、前記走 状態が前記降坂状態にあるときは、前記油 走行モータを含む走行系の等価容量を前記 1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧 行モータに供給される最大流量を、前記第2 量において前記予め設定された最高速度を 保できる第2流量とするよう制御する。

 (8)更に、上記(1)において、好ましくは、 記運転状態判定手段は、前記走行状態が少 くとも通常走行状態と加速状態のいずれに るかを判定し、前記制御手段は、前記走行 態が前記通常走行状態にあるときは、前記 圧走行モータに供給される最大流量を第1流 量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系 の等価容量を第1容量とし、前記走行状態が 記加速状態にあるときは、前記油圧走行モ タに供給される最大流量を前記第1流量より きい第2流量としかつ前記油圧走行モータを 含む走行系の等価容量を前記第1容量より大 い第2容量とするよう制御する。

 (9)また、上記(1)において、好ましくは、 記運転状態判定手段は、前記走行状態が少 くとも通常走行状態と登坂状態のいずれに るかを判定し、前記制御手段は、前記走行 態が前記通常走行状態であるときは、前記 圧走行モータに供給される最大流量を第1流 量としかつ前記油圧走行モータを含む走行系 の等価容量を第1容量とし、前記走行状態が 記登坂状態にあるときは、前記油圧走行モ タに供給される最大流量を前記第1流量より きい第2流量としかつ前記油圧走行モータを 含む走行系の等価容量を前記第1容量より大 い第2容量とするよう制御する。

 (10)また、上記(7)~(9)において、好ましく 、 前記運転状態判定手段は、更に、前記走 行状態が減速状態にあるかを判定し、前記制 御手段は、前記走行状態が前記減速状態にあ るときは、前記油圧走行モータに供給される 最大流量を前記第1流量としかつ前記油圧走 モータを含む走行系の等価容量を前記第2容 とするよう制御する。

 (11)また、上記第2の目的を達成するため 、本発明は、上記(1)において、前記制御手 は、前記運転状態の判定結果に応じて、前 原動機の最高回転数を増減させる制御を行 ことで前記油圧ポンプの最大吐出流量を、 なくとも第1流量とこの第1流量より大きい第 2流量との間で制御する第1制御手段と、前記 転状態の判定結果に応じて、前記油圧走行 ータを含む走行系の等価容量を、少なくと 第1容量と、この第1容量より大きい第2容量 の間で制御する第2制御手段とを有し、前記 油圧走行モータを含む走行系の等価容量を前 記第2容量に制御したときに車両が設定最高 度で走行するのに必要な流量が前記油圧ポ プの第2流量に合うように前記油圧ポンプの 2流量と前記走行系の第2容量とを設定した のとする。

 このように原動機の最高回転数を増減さ る制御を行うことで油圧ポンプの最大吐出 量を第1流量と第2流量との間で制御し、か 油圧走行モータを含む走行系の等価容量を 御するとともに、油圧走行モータを含む走 系の等価容量を前記第2容量に制御したとき 車両が設定最高速度で走行するのに必要な 量が油圧ポンプの第2流量に合うように油圧 ポンプの第2流量と走行系の第2容量とを設定 ることにより、エンジンの最高回転数を増 させたときの車速の増加を簡単かつ確実に 止することができる。

 また、原動機の最高回転数を増減させる 御を行うことで油圧ポンプの最大吐出流量 制御し、かつ油圧走行モータを含む走行系 等価容量を制御することにより、高馬力に り良好な走行性能を確保することができる

 例えば、高出力が必要ない運転状況では 走行系の等価容量(例えば走行モータの容量 )を第2容量より小さい第1容量に制御すること により、設定最高速度で走行するときに必要 となる走行系の流量が小さくなり、走行系の 配管で生じる圧力損失を低く抑え、燃費を改 善することができる。

 また、走行系の等価容量(例えば走行モー タの容量)を第2容量に増加させることで、加 や登坂時といった牽引力が必要な状況にお て必要な駆動圧が低くなり、油圧モータを む走行系からの漏れ流量が減少し、加速、 坂動作中の全体効率が上がるとともに、加 感を向上させることができる。

 (12)上記(11)において、好ましくは、更に 前記油圧走行モータを含む走行系の等価容 を前記第1容量に制御したときに車両が前記 定最高速度で走行するのに必要な流量が前 油圧ポンプの第1流量に合うように前記油圧 ポンプの第1流量と前記走行系の第1容量とを 定する。

 (13)上記(11)又は(12)において、例えば、前 第2制御手段は、前記油圧走行モータの容量 を制御することで前記油圧走行モータを含む 走行系の等価容量を制御する。

 (14)上記(11)又は(12)において、前記油圧走 モータの出力部に設けられたトランスミッ ョンを更に備え、前記第2制御手段は、前記 トランスミッションの減速比を切り換えるこ とで前記油圧走行モータを含む走行系の等価 容量を制御してもよい。

 (15)また、上記(11)又は(12)において、前記 転状態判定手段は、前記走行状態が少なく も通常走行状態と降坂状態のいずれにある を判定し、前記第1及び第2制御手段は、前 走行状態が前記通常走行状態にあるときは 前記油圧ポンプの吐出流量を前記第1流量と かつ前記油圧走行モータを含む走行系の等 容量を前記第1容量とし、前記走行状態が前 記降坂状態にあるときは、前記油圧ポンプの 吐出流量を前記第2流量としかつ前記油圧走 モータを含む走行系の等価容量を前記第2容 とするよう制御する。

 (16)更に、上記(11)又は(12)において、前記 転状態判定手段は、前記走行状態が少なく も通常走行状態と加速状態のいずれにある を判定し、前記第1及び第2制御手段は、前 走行状態が前記通常走行状態にあるときは 前記油圧ポンプの吐出流量を前記第1流量と かつ前記油圧走行モータを含む走行系の等 容量を前記第1容量とし、前記走行状態が前 記加速状態にあるときは、前記油圧ポンプの 吐出流量を前記第2流量としかつ前記油圧走 モータを含む走行系の等価容量を前記第2容 とするよう制御する。

 (17)また、上記(11)又は(12)において、前記 転状態判定手段は、前記走行状態が少なく も通常走行状態と登坂状態のいずれにある を判定し、前記第1及び第2制御手段は、前 走行状態が前記通常走行状態にあるときは 前記油圧ポンプの吐出流量を前記第1流量と かつ前記油圧走行モータを含む走行系の等 容量を前記第1容量とし、前記走行状態が前 記登坂状態にあるときは、前記油圧ポンプの 吐出流量を前記第2流量としかつ前記油圧走 モータを含む走行系の等価容量を前記第2容 とするよう制御する。

 (18)また、上記(15)~(17)において、 前記運 状態判定手段は、更に、前記走行状態が減 状態にあるかを判定し、前記第1及び第2制 手段は、前記走行状態が前記減速状態にあ ときは、前記油圧ポンプの吐出流量を前記 1流量としかつ前記油圧走行モータを含む走 系の等価容量を前記第2容量とする。

 (19)また、上記(1)~(18)において、前記検出 段は、前記油圧式走行車両の走行状態に関 るパラメータとして、少なくとも、前記油 式走行車両の走行速度と、前記油圧走行モ タを駆動するための走行操作指令と、前記 圧ポンプの吐出圧力を検出する。

 本発明によれば、走行状態に関するパラ ータに基づいて得た油圧式走行車両の運転 態の判定結果に応じて油圧走行モータに供 される最大流量と油圧走行モータを含む走 系の等価容量とを制御することにより、燃 を悪化させることなく良好な走行性能を確 することができる。

 また、本発明によれば、原動機の最高回 数を増減させる制御を行うことで油圧ポン の最大吐出流量を第1流量と第2流量との間 制御し、かつ油圧走行モータを含む走行系 等価容量を制御するとともに、油圧走行モ タを含む走行系の等価容量を第2容量に制御 たときに車両が設定最高速度で走行するの 必要な流量が油圧ポンプの第2流量に合うよ うに油圧ポンプの第2流量と走行系の第2容量 を設定することにより、エンジンの最高回 数を増加させたときの車速の増加を簡単か 確実に防止しながら、高馬力により良好な 行性能を確保することができる。

図1は本発明が適用されるホイール式油 圧ショベルを示す図である。 図2は本発明の第1の実施の形態に係わ 走行制御装置の全体構成図である。 図3は図2に示したモータレギュレータ 詳細を示す走行駆動回路の拡大図である。 図4はコントロールユニットの処理機能 のうち、モータ容量・ポンプ流量制御演算部 の処理機能の全体概要を示すフローチャート である。 図5は図4のステップS120及びS130における 判断及び選択処理の詳細を示す図である。 図6は図4のステップS140における油圧モ タの制御処理の詳細を示すフローチャート ある。 図7は図4のステップS150におけるポンプ 量制御の制御処理の詳細を示すフローチャ トである。 図8はエンジン回転数増分δNの計算に用 いる走行指令圧とエンジン回転数増分δNとの 関係を示す図である。 図9はコントロールユニットの処理機能 のうち、エンジン制御演算部の概要を示す機 能ブロック図である。 図10は走行用目標回転数特性L1、作業 目標回転数特性L2、基準回転数特性L3との関 及び走行用目標回転数特性L1とエンジン回 数増分δNとの関係を示す図である。 図11はポンプレギュレータのトルク制 特性を示す図である。 図12はポンプレギュレータにより油圧 ンプの容量が制限制御される結果得られる ンプ圧とポンプ流量の関係を示す図(PQ線図) である。 図13は本発明の他の実施の形態におけ コントロールユニットの処理機能のうち、 ンジン制御演算部の概要を示す機能ブロッ 図である。 図14は目標車速演算部に設定された走 指令圧(アクセルペダル踏み込み量)Ptと目標 車速Vtとの関係を示す図である。 図15は加速回転数増分演算部に設定さ た車速偏差δVと加速用補正回転数増分δNsと の関係を示す図である。 図16は車速偏差δVと加速用補正回転数 分δNsとの関係の変形例を示す図である。 図17は速度偏差δVを用いて加速動作を 定し、モータ容量を制御する場合の速度偏 δVとモータ容量制御指令との関係を示す図 ある。 図18は本発明の更に他の実施の形態に けるコントロールユニットの処理機能のう 、エンジン制御演算部の概要を示す機能ブ ック図である。 図19は登坂回転数増分演算部に設定さ たポンプ圧とエンジン回転数増分δNsとの関 係を示す図である。 図20はポンプ圧を用いて登坂動作を判 し、モータ容量を制御する場合のポンプ圧 モータ容量制御指令の関係を示す図である

符号の説明

1 エンジン(原動機)
10 油圧ポンプ
11 ポンプレギュレータ
12 走行制御弁(方向切換弁)
14 油圧走行モータ
15 トランスミッション
16 パイロット油圧源
20 走行パイロット操作回路
21 アクセルペダル
22a,22b 走行パイロット弁
23a,23b パイロットライン
30 走行駆動回路
31a,31b メイン管路
32 カウンタバランス弁
33 モータレギュレータ
34a,34b クロスオーバーロードリリーフ弁
35 シャトル弁
36 バルブ本体
37a,37b 絞り
38a,38b チェック弁
40 トランスミッション切換装置
41 電源
42 変速切換スイッチ
43 電磁弁
51 油圧シリンダ
52 サーボ弁
52a,52b 第1及び第2受圧部
52c,52d 第1及び第2スプリング
52s サーボ弁スプール
53 作動ロッド
54a,54b 第1制御管路
55 管路
71 回転数ピックアップ(走行速度検出手段)
72 油圧センサ(走行操作検出手段)
73 油圧センサ(駆動状況検出手段)
74 電圧センサ(T/M速度段検出手段)
75 エンジンコントロールダイヤル
76 油圧センサ(走行負荷圧力検出手段)
77 走行/作業選択スイッチ
80 コントロールユニット
81 電磁比例弁
82 エンジン制御装置
83 信号ライン
90 走行目標回転数演算部
91 作業目標回転数演算部
92 基準目標回転数演算部
93 目標車速演算部
94 車速偏差演算部
95 加速回転数増分演算部
96 加速目標回転数補正部
97 切換部
98 最大値選択部
99 目標回転数補正部

 以下、本発明の実施の形態を図面を用い 説明する。

 図1は、本発明が適用されるホイール式油 圧ショベルを示す図である。このホイール式 油圧ショベルは、下部走行体101と、下部走行 体101の上部に旋回可能に搭載された上部旋回 体102とを有し、上部旋回体102には運転室103と 作業用フロントアタッチメント104が設けられ ている。フロントアタッチメント104は上部旋 回体102の本体に上下方向に回動可能に連結さ れたブーム104aと、ブーム104aに上下・前後方 に回動可能に連結されたアーム104bと、アー ム104bに上下・前後方向に回動可能に連結さ たバケット104cとを有し、ブーム104aはブーム シリンダ104dにより駆動され、アーム104bはア ムシリンダ104eにより駆動され、バケット104 cはバケットシリンダ104fにより駆動される。 部走行体101には、油圧走行モータ105、トラ スミッション106及びプロペラシャフト107f,10 7rが設けられ、プロペラシャフト107f,107rによ 前タイヤ108F及び後タイヤ108Rが駆動される

 図2は、本発明の第1の実施の形態に係わ 走行制御装置の全体構成図である。この走 制御装置は、原動機であるディーゼルエン ン(以下単にエンジンという)1と、このエン ン1により駆動される油圧ポンプ10と、油圧 ンプ10の容量(押しのけ容積)を調整するポン レギュレータ11と、油圧ポンプ10の吐出油の 流量と方向を制御する走行制御弁(方向切換 )12と、この走行制御弁12を操作する走行指令 圧を生成する走行パイロット操作回路20と、 行制御弁12に1対のアクチュエータライン13a, 13bを介して接続され、走行制御弁12で制御さ た圧油により駆動される可変容量型の油圧 行モータ14(図1の油圧走行モータ105に相当) 含む走行駆動回路30と、油圧走行モータ14の 力軸に連結され、図示しない油圧シリンダ 動作により高速段と低速段とに切換可能な ランスミッション15(図1のトランスミッショ ン106に相当)と、パイロット油圧源16の圧油を トランスミッション15の油圧シリンダに選択 に導き、トランスミッション15を高速段と 速段のいずれかに切換えるトランスミッシ ン切換装置40と、油圧ポンプ10の最大吐出圧 制限するメインリリーフ弁17とを備えてい 。

 ポンプレギュレータ11は、油圧ポンプ10の 吸収トルクが予め設定した最大トルクを超え ないよう油圧ポンプ10の容量を制御すること 、油圧ポンプ10の吐出流量を制御し、油圧 ンプ10の最大馬力を制御する(図11及び図12)。

 走行パイロット操作回路20は、アクセル ダル21の踏み込み量(操作量)と踏み込み方向 応じて前進又は後進の走行指令圧を生成す 走行パイロット弁22a,22bを有し、前進の走行 指令圧はパイロットライン23aを介して走行制 御弁12の前進側受圧部12aに導かれ、走行制御 12を図示左方にストロークさせ、後進の走 指令圧はパイロットライン23bを介して走行 御弁12の前進側受圧部12bに導かれ、走行制御 弁12を図示右方にストロークさせる。

 走行駆動回路30は、アクチュエータライ 13a,13bを介して油圧走行モータ14を走行制御 12に接続するメイン管路31a,31bと、走行制御 12と油圧走行モータ14の間に介装されたカウ タバランス弁32と、油圧走行モータ14の容量 (押しのけ容積)を調整するモータレギュレー 33と、アクチュエータライン13a,13b及びメイ 管路31a,31bの最高圧力を規制するクロスオー バーロードリリーフ弁34a,34bと、アクチュエ タライン13a,13bの高圧側の圧力を選択して取 出すシャトル弁35とを備えている。アクチ エータライン13a,13bには補給用のチェック弁1 8a,18bが設けられている。

 カウンタバランス弁32はブレーキ弁とも ばれるものであり、中立位置と左右の開位 とを有するバルブ本体36と、このバルブ本体 36に並列に設けられた絞り37a,37b及びチェック 弁38a,38bを有し、降坂走行時等、油圧走行モ タ14がポンプ作用をするような運転状態では バルブ本体36の排出側ポートが閉じ、絞り37a オーバーロードリリーフ弁34aの作用により 圧走行モータ14の吐出側となるメイン管路31 bに背圧(ブレーキ圧)を発生させる。

 トランスミッション切換装置40は、電源41 と、変速切換スイッチ42と、変速切換スイッ 42が開のL位置にあり、スイッチ42が操作さ て閉のH位置に切り換えられると励磁され、 示の位置から切換えられる電磁弁43とを有 ている。電磁弁43が図示の位置にあるときに はトランスミッション15内の図示しないギヤ 換用の油圧シリンダをタンクに連絡し、ト ンスミッション15は高速段に切換えられ、 速切換スイッチ42が操作され電磁弁43が図示 位置から切換えられると、パイロット油圧 16の圧油がトランスミッション15内のギヤ切 換え用の油圧シリンダに送られ、トランスミ ッション15が低速段に切換えられる。

 また、本実施の形態の走行制御装置は、 の特徴的構成として、トランスミッション1 5に装着され、トランスミッション15の出力ギ ヤの回転数を検出する走行速度検出手段とし ての回転数ピックアップ71と、走行パイロッ 操作回路20の前進側パイロットライン23aに けられ、前進の走行指令圧を検出する走行 作検出手段としての油圧センサ72と、油圧ポ ンプ10の吐出圧力を検出する駆動状況検出手 としての油圧センサ73と、トランスミッシ ン切換装置40の低速ギヤ選択スイッチ42bと電 磁弁43の間に接続され、低速ギヤ選択スイッ 42の信号を検出するT/M速度段検出手段とし の電圧センサ74と、エンジンコントロールダ イヤル75と、シャトル弁35で取り出された高 側の圧力を検出する油圧センサ76と、走行位 置と作業位置とに切替え可能な走行/作業選 スイッチ77と、回転数ピックアップ71、油圧 ンサ72、油圧センサ73、電圧センサ74、エン ンコントロールダイヤル75、油圧センサ76、 走行/作業選択スイッチ77の信号を入力し、所 定の演算処理を行うコントロールユニット80 、コントロールユニット80から出力された 号によって駆動する電磁比例弁81と、コント ロールユニット80から出力された信号によっ エンジン1の燃料噴射量を制御するエンジン 制御装置82とを備えている。

 電磁比例弁81は、パイロット油圧源16の圧 油に基づいてコントロールユニット80の出力 号に応じた制御圧力を生成し、この制御圧 を信号ライン83を介して外部信号としてモ タレギュレータ33へと出力する。

 図3は、モータレギュレータ33の詳細を示 走行駆動回路30の拡大図である。

 モータレギュレータ33はコントロールピ トンとしての油圧シリンダ51と、サーボ弁52 、油圧シリンダ51のピストンロッドを油圧 行モータ14の斜板14aに作動的に連結する作動 ロッド53とを有している。油圧シリンダ51は ストンロッドを出し入れすることにより作 ロッド53を移動させて油圧走行モータ14の斜 14aを駆動し、その容量を制御する。油圧シ ンダ51のロッド室51aは、第1制御管路54a,54bを 介してアクチュエータライン13a,13bの高圧側 圧力を選択するシャトル弁35に接続されてい る。油圧シリンダ51のボトム室51bは、管路55 介してサーボ弁52に接続されている。

 サーボ弁52は、サーボ弁スプール52sを図 右方に付勢する第1及び第2受圧部52a,52bと、 ーボ弁スプール52sを図示左方に付勢する第1 プリング52c及び第2スプリング52dを有し、第 1受圧部52aに第1制御管路54a,54bの圧力(走行負 圧力)が導かれ、第2受圧部52bに第2制御管路56 の圧力(外部信号)が導かれる。

 サーボ弁52のスプール52sが図示のP1位置に あるときは、油圧シリンダ51のボトム室51bは 路55、サーボ弁52、管路57aを介して油圧走行 モータ14のドレン回路58に連通し、ボトム室51 bの圧力はタンク圧となる。このとき、油圧 リンダ51はロッド側51aの圧油の圧力により図 示の如く収縮し、油圧走行モータ14を最小容 に制御する。

 サーボ弁52のスプール52sが図示左側のP2位 置に移動したときは、油圧シリンダ51のボト 室51bは管路55、サーボ弁52、管路57b及び第1 御管路54a,54bを介してシャトル弁35に連通し ボトム室51bの圧力はシャトル弁35により取り 出された走行負荷圧力となる。これにより油 圧シリンダ51は最大に伸長し、作動ロッド53 図示左方へと移動して油圧走行モータ14を最 大容量に制御する。

 サーボ弁52のスプール52sがP1位置とP2位置 間の位置にあるときは、油圧シリンダ51の トム室51bは管路55、サーボ弁52を介して管路5 7aと管路57bの両方に連通し、ボトム室51bの圧 はタンク圧と走行負荷圧力の中間圧となる これにより油圧シリンダ51は中間位置に伸 し、作動ロッド53を図示左方へと移動して油 圧走行モータ14を中間容量に制御する。

 サーボ弁52のスプール52sの位置は、作動 ッド53に設けられたフィードバックロッド59 第1スプリング52c及び第2スプリング52dの作 により、第1及び第2受圧部52a,52bに導かれる 1制御管路54a,54bの圧力(走行負荷圧力)と第2制 御管路56の圧力(外部信号)に応じて制御され これに応じて油圧走行モータ14の容量が制御 される。

 ここで、油圧走行モータ14の最小容量を 小」、最大容量を「大」、最小容量と最大 量の間のある容量を「中」と定義した場合 第1受圧部52aに導かれる走行負荷圧力は、サ ボ弁52を動作させることで、油圧走行モー 14の容量を「小」、「中」、「大」を含む全 範囲に制御可能であり、第2受圧部52bに導か る第2制御管路56の圧力(外部信号)は、サーボ 弁52を動作させることで、油圧走行モータ14 容量を「小」(第1容量)又は「中」(第2容量) 制御可能である。また、第1受圧部52aの受圧 積と第2受圧部52bの受圧面積は予め定められ た受圧面積差を有し(第1受圧部52aの受圧面積& lt;第2受圧部52bの受圧面積)、それぞれ別々の 御特性を有している。油圧走行モータ14の 量、は第1受圧部52aに導かれる第1制御管路54a ,54bの圧力(走行負荷圧力)により指示される容 量と、第2受圧部52bに導かれる第2制御管路56 圧力(外部信号)により指示される容量のうち の大きい方の容量に制御される。

 コントロールユニット80の処理機能を説 する。

 図4は、コントロールユニット80の処理機 のうち、モータ容量・ポンプ流量制御演算 の処理機能の全体概要を示すフローチャー である。まず、コントロールユニット80は イール式油圧ショベルの走行状態に関する 種データ(パラメータ)を入力する(ステップS1 00)。走行状態に関する各種データ(パラメー )は、回転数ピックアップ71により検出され トランスミッション15の出力ギヤの回転数、 油圧センサ72により検出される前進の走行指 圧、油圧センサ73により検出される油圧ポ プ10の吐出圧力(以下適宜ポンプ圧という)、 圧センサ74により検出される低速ギヤ選択 イッチ42の指示信号(以下適宜T/M速度段とい )、油圧センサ76により検出される走行負荷 力等を含む。回転数ピックアップ71により検 出されるトランスミッション15の出力ギヤの 転数は、ホイール式油圧ショベルの走行速 に変換され、走行速度として用いられる。

 次いで、コントロールユニット80は、走 状態に関する各種データ(パラメータ)を用い てホイール式油圧ショベルの運転状態を判定 し(ステップS120)、その運転状態に基づいて油 圧走行モータ14の必要容量(モータ容量)と油 ポンプ10の必要流量(ポンプ流量)を選択する( ステップS130)。

 図5は、ステップS120及びS130における判断 び選択処理の詳細を示す図である。ステッ S120及びS130では次のように運転状態を判定 、モータ容量及びポンプ流量を選択する。

 <走行状態1>
走行速度(Km/h) 問わず
走行指令圧      >最高指令圧力Ptmaxの2/3 (以下同)
ポンプ圧(Mpa)  >20
T/M速度段     問わず
 この場合は加速動作と判定し、モータ容量 びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 大(第2流量)
<走行状態2>
走行速度(Km/h) >10
走行指令圧      >2/3
ポンプ圧(Mpa)  >25
T/M速度段     問わず
 この場合は登坂状態と判定し、モータ容量 びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 大(第2流量)
<走行状態3>
走行速度(Km/h) >10
走行指令圧      <1/3
ポンプ圧(Mpa)  問わず
T/M速度段     Hi
 この場合は減速動作と判定し、モータ容量 びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 小(第1流量)
<走行状態4>
走行速度(Km/h) >10
走行指令圧      >2/3
ポンプ圧(Mpa)  <3
T/M速度段     Hi
 この場合は降坂状態と判定し、モータ容量 びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 大(第2流量)
<走行状態5>
上記組み合わせ以外の状態
 この場合は加速、登坂、減速、降坂以外の 転状態にあると判定し、モータ容量及びポ プ流量を下記のように選択する。
モータ容量 小(第1容量)
ポンプ流量 小(第1流量)
 図4に戻り、コントロールユニット80は、油 走行モータ14を必要流量となるよう制御す とともに(ステップS140)、油圧ポンプ10を必要 流量となるよう制御する(ステップS150)。

 図6は、ステップS140における油圧走行モ タ14の制御処理の詳細を示すフローチャート である。コントロールユニット80は、ステッ S130で選択した油圧走行モータ14の必要容量 「中」かどうかを判断し(ステップS142)、「 」でなければ何もせず、その判断処理を繰 返す。このとき、電磁比例弁81は図示のOFF 置にあり、モータレギュレータ33のサーボ弁 52の第2受圧部52bには外部信号としてタンク圧 が導かれる。これによりシャトル弁35により 出され第2受圧部52aに印加される走行負荷圧 がモータ容量小に対応する圧力より低い場合 は、サーボ弁52は図示のP1位置にて作動し、 圧走行モータ14を小容量に切り換える。ステ ップS130で選択した油圧走行モータ14の必要容 量が「中」であれば、油圧走行モータ14の容 を「中」に制御するのに必要な電磁比例弁8 1から出力される制御圧力(外部信号)の目標値 を計算し、その目標値に対応する駆動信号( ータ容量指令信号;電圧信号)Emを出力する(ス テップS144)。

 ここで、サーボ弁52の第1及び第2受圧部52a ,52bは、上述したようにそれぞれ受圧面積に じた別々の制御特性を有しており、第1受圧 52aには走行負荷圧力が導かれ、サーボ弁52 スプール52sを制御している。そこで、電磁 例弁81から出力される制御圧力(外部信号)の 標値の計算に際しては、第1受圧部52aにおけ る走行負荷圧力分を補正するため、次のよう に制御圧力の目標値を求める。

 制御圧力の目標値をPcとし、電磁比例弁81か ら出力される制御信号のみで目標容量「中」 を得るための制御圧力をPo、走行負荷圧力の 御圧力への換算値をPtとすると、
   Po=Pt+Pc
よって、
   Pc=Po-Pt   (1)
 ここで、Poは事前に計算した値であり、Ptは 油圧センサ35により検出した走行負荷圧力か 求めることができる。

 電磁比例弁81は、上記のようにして求め 制御圧力の目標値に対応する駆動信号Emによ りPc相当の制御圧力を生成し、この制御圧力 外部信号としてモータレギュレータ33のサ ボ弁52の第2受圧部52bに導かれる。これによ サーボ弁52は図示の位置からP1位置からP2位 側に作動し、油圧走行モータ14を中容量に切 り換える。

 図7は、ステップS150におけるポンプ流量 御の制御処理の詳細を示すフローチャート ある。ステップS150におけるポンプ流量制御 、エンジン1の最高回転数を増加させること により油圧ポンプ10の吐出流量を増加させる のである。

 まず、コントロールユニット80は、ステ プS130で選択した油圧ポンプ10の必要流量(ポ プ流量)が「大」であるかどうかを判断し( テップS152)、「大」でなければ何もせず、そ の判断処理を繰り返す。ステップS130で選択 たポンプ流量が「大」であれば、そのとき 走行指令圧をメモリに記憶してあるテーブ に参照してエンジン回転数増分δNを演算す (ステップS154)。

 図8はエンジン回転数増分δNの計算に用い る走行指令圧とエンジン回転数増分δNとの関 係を示す図である。走行指令圧がフルペダル 操作時の最高指令圧力Ptmaxの2/3の値より低い きは、エンジン回転数増分δNは0であり、走 行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3以上(高速走 行指令領域)になると、あるパイロット圧力( えばPtmaxの5/6)までは、走行指令圧の上昇に ってエンジン回転数増分δNが増加し、その 走行指令圧の上昇に従ってエンジン回転数 分δNが減少するように、走行指令圧とエン ン回転数増分δNとの関係が設定されている

 次いで、コントロールユニット80は、ス ップS154において演算したエンジン回転数増 δNをコントロールユニット80のエンジン制 演算部に出力する(ステップS156)。

 図9は、エンジン制御演算部の概要を示す 機能ブロック図である。エンジン制御演算部 は、走行目標回転数演算部90、作業目標回転 演算部91、基準目標回転数演算部92、切換部 97、最大値選択部98、目標回転数補正部99の各 機能を有している。

 走行目標回転数演算部90は走行指令圧(ア セルペダル踏み込み量)に比例した走行用目 標エンジン回転数Ntを出力し、作業目標回転 演算部91は走行指令圧(アクセルペダル踏み み量)に比例した作業用目標エンジン回転数 Nwを出力し、基準目標回転数演算部92はエン ンコントロールダイヤル75の操作量に比例し た目標エンジン回転数Ncを出力する。

 すなわち、走行目標回転数演算部90及び 業目標回転数演算部91は、圧力センサ72で検 される走行指令圧Ptとエンジン1の目標回転 を対応付けた関数(回転数特性)L1,L2によって 定まる走行目標回転数Ntと作業目標回転数Nw 出力する。基準目標回転数演算部92は、エン ジンコントロールダイヤル75aの操作量に依存 した信号Fcとエンジン1の目標回転数を対応づ けた関数(回転数特性)L3によって定まる基準 標回転数Ncを出力する。

 選択部97は、走行/作業選択スイッチ77の 択指令に応じて、走行目標回転数演算部90か ら出力される特性L1に基づく走行目標回転数N tと、作業目標回転数演算部91から出力される 特性L2に基づく作業目標回転数Nwの一方を選 し、出力する。すなわち、走行/作業選択ス ッチ77が走行位置に切換えられているとき 特性L1を選択し、作業位置に切換えられてい るときは特性L2を選択する。選択部97で選択 れた目標回転数Nf1は最大値選択部98に入力さ れ、最大値選択部98はその目標回転数Nf1と基 目標回転数演算部92から出力される特性L3に 基づく目標回転数Ncのうち大きい方を選択し 出力する。

 目標回転数補正部99は最大値選択部98から 出力された目標回転数Nf2に図7のステップS156 おいて出力されたエンジン回転数増分δNを 算して最終的な目標回転数Nf3を求め、これ エンジン制御装置82に出力する。

 図10は、特性L1~L3とエンジン回転数増分δN との関係を示す図である。

 特性L1はアクセルペダル21の踏み込み量に 依存する走行に適した走行用目標回転数特性 であり、特性L2はアクセルペダル21の踏み込 量に依存する作業に適した作業用目標回転 特性である。作業とは、作業用アタッチメ トを使用する掘削作業などをいう。特性L1は 特性L2よりも目標回転数の増加率、すなわち 性の傾きが急峻となっている。特性L3はエ ジンコントロールダイヤル75の操作量に依存 する作業に適した基準回転数特性である。特 性L2,L3は、その傾き、すなわち操作量に対す エンジン回転数の変化量を等しくするとと に、アイドル回転数Ncidと、フル操作に対す る目標回転数Ncmaxも等しくされている。

 また、走行時、走行HPモードが選択され ときの上記ポンプ流量制御演算処理(図のス ップS120,S130,S150)においてエンジン回転数増 δNが出力されると、走行HPモード目標回転 補正部99において、最大値選択部98から出力 れた目標回転数Nf2にその増分δNが加算され 。その結果、走行指令圧が最高指令圧力Ptma xの2/3以上(高速走行指令領域)になると、走行 用目標回転数特性L1の対応する部分の特性はL 1AからL1Bに切り換わる。すなわち、ステップS 130においてポンプ流量「小」が選択されたと き、高速走行指令領域の走行用目標回転数特 性として特性L1Aが設定され、ポンプ流量「大 」が選択されたときは、高速走行指令領域の 走行用目標回転数特性として特性L1Bが設定さ れる。

 ここで、特性L1Bは特性L1Aよりも目標回転 の増加率、すなわち特性の傾きが急峻とな ており、かつ特性L1Bの最高回転数Ntmax2は特 L1Aの最高回転数Ntmax1よりも高く設定されて る。例えば、最高回転数Ntmax1は1650rpmであり 、最高回転数Ntmax2は2000rpmである。また、特 L1Bの傾きが急峻である結果、走行指令圧が 高指令圧力Ptmaxに達する前に(例えばPtmaxの5/6 で)最高回転数Ntmax2達する。この特性L1Bの特 L1Aに対する目標回転数の変化(増加)は図8に した走行指令圧Ptとエンジン回転数増分δNと の関係に対応している。

 図11はポンプレギュレータ11のトルク制御 特性を示す図である。横軸は油圧ポンプ10の 出圧力(ポンプ圧)であり、縦軸は油圧ポン 10の容量(押しのけ容積或いは斜板の傾転)で る。

 油圧ポンプ10の吐出圧力がP0~P1の範囲内に あるときはポンプレギュレータ11は吸収トル 制御を行わず、油圧ポンプ10の容量は最大 一定値qmaxである。油圧ポンプ10の吐出圧力 P1を超えるとポンプレギュレータ11は吸収ト ク制御を行い、油圧ポンプ10の容量は特性 Aに沿って減少する。これにより油圧ポンプ1 0の吸収トルクはトルク一定曲線TAで示される 規定トルク(最大トルク)を超えないよう制御 れる。油圧ポンプ10の吐出圧力がPmaxまで上 すると、メインリリーフ弁17が作動し、そ 以上のポンプ吐出圧力の上昇は制限される

 図12は、上記のようにポンプレギュレー 11により油圧ポンプ10の容量が制限制御され 結果得られるポンプ圧とポンプ流量の関係 示す図(PQ線図)である。横軸は油圧ポンプ10 吐出圧力(ポンプ圧)であり、縦軸は油圧ポ プ10の吐出流量(ポンプ流量)である。

 油圧ポンプの吐出流量は油圧ポンプの容 と回転数の積の関数であり、ポンプ容量が じでも、エンジン回転数が増加すると、そ に応じてポンプ流量も増加する。図9におい て、実線は、エンジン回転数が最高回転数Ntm ax1にあるときのPQ線図であり、破線は、エン ン回転数が最高回転数Ntmax2にあるときのPQ 図である。エンジン回転数が最高回転数Ntmax 1にあるとき、油圧ポンプ10の吐出圧力がP0~P1 範囲内にあるときは、ポンプ流量は油圧ポ プ10の最大容量qmaxに対応した最大流量Qmax1 あり、油圧ポンプ10の吐出圧力がP1を超える ポンプ流量は、ポンプ容量の減少に応じて 性線A1に沿って減少する。これにより油圧 ンプ10の吸収馬力はンジン回転数が最高回転 数Ntmax1にあるときの割り当て馬力を超えない よう制御される。エンジン回転数が最高回転 数Ntmax2にあるときは、油圧ポンプ10の吐出圧 がP0~P1の範囲内にあるときは、ポンプ流量 油圧ポンプ10の最大容量qmaxに対応した最大 量Qmax2(>Qmax1)であり、油圧ポンプ10の吐出 力がP2を超えるとポンプ流量は、ポンプ容量 の減少に応じて特性線A2に沿って減少する。 れにより油圧ポンプ10の吸収馬力はエンジ 回転数が最高回転数Ntmax2にあるときの割り て馬力を超えないよう制御される。また、 ンジン回転数が最高回転数Ntmax2にあるとき 、エンジン回転数が最高回転数Ntmax1にある きに比べ、最高回転数の増加分に応じて流 δQだけ全体的にポンプ流量が増加し、最大 量Qmax2も最大流量Qmax1よりもδQだけ増えてい 。

 このように本実施の形態では、ポンプ流 制御演算処理において、ポンプ流量「小」 選択されると、高速指令領域の走行用目標 転数特性として特性L1Aが設定され、このと のエンジン1の最高回転数はNtmax1となり、か つ油圧ポンプ10の最大流量はその最高回転数N tmax1に対応するQmax1となり、ポンプ流量「大 が選択されると、高速指令領域の走行用目 回転数特性として特性L1Bが設定され、この きのエンジン1の最高回転数はNtmax2に増加し かつ油圧ポンプ10の最大流量を最高回転数Nt max2に対応するQmax2へと増加させる。

 ここで、本実施の形態では、モータ容量 小」が選択されたときに車両が設定された 高速度で走行するのに必要な油圧走行モー 14の流量が、ポンプ流量「小」が選択され ときの油圧ポンプ10の最大流量Qmax1に等しく る(適合する)ように、油圧走行モータ14のモ ータ容量「小」と油圧ポンプ10の最大流量Qmax 1との関係が設定されるとともに、モータ容 「中」が選択されたときに車両が設定され 最高速度で走行するのに必要な油圧走行モ タ14の流量が、ポンプ流量「大」が選択され たときの油圧ポンプ10の最大流量Qmax2に等し なる(適合する)ように、油圧走行モータ14の ータ容量「中」と油圧ポンプ10の最大流量Qm ax2との関係が設定されている。言い換えれば 、油圧走行モータ14がモータ容量「小」に制 され、油圧ポンプ10の最大吐出流量がポン 流量「小」に制御されたときの車両の最高 行速度が設定された最高速度となるように 油圧走行モータ14のモータ容量「小」と油圧 ポンプ10の最大流量Qmax1との関係が設定され とともに、油圧走行モータ14がモータ容量「 中」に制御され、油圧ポンプ10の最大吐出流 がポンプ流量「大」に制御されたときの車 の最高走行速度が設定された最高速度とな ように、油圧走行モータ14のモータ容量「 」と油圧ポンプ10の最大流量Qmax2との関係が 定されている。

 そしてその結果、モータ容量「小」を選 しポンプ流量「小」を選択したときの車両 最高走行速度と、モータ容量「中」を選択 ポンプ流量「大」を選択したときの車両の 高走行速度がほぼ等しくなるように、油圧 行モータ14の容量「小」及び「大」と油圧 ンプ10の最大流量Qmax1,Qmax2との関係が設定さ ている。

 以上において、回転数ピックアップ71(走 速度検出手段)、油圧センサ72(走行操作検出 手段)、油圧センサ73(駆動状況検出手段)、電 センサ74(T/M速度段検出手段)は、油圧式走行 車両の走行状態に関するパラメータを検出す る検出手段を構成し、コントロールユニット 80の図4に示すステップS100及びS120の処理は、 出手段が検出する走行状態に関するパラメ タに基づいて油圧式走行車両の運転状態を 定する運転状態判定手段を構成し、コント ールユニット80の図4に示すステップS130~S150 処理、電磁比例弁81、エンジン制御装置82、 モータレギュレータ33は、前記運転状態の判 結果に応じて油圧走行モータ14に供給され 最大流量と油圧走行モータ14を含む走行系の 等価容量とを制御する制御手段を構成する。

 また、コントロールユニット80の図4に示 ステップS120,S130,S150の機能と図9に示す目標 転数補正部99の機能及びエンジン制御装置82 は、エンジン1(原動機)の最高回転数を増減さ せる制御を行うことで、油圧ポンプ10の最大 出流量を、少なくとも第1流量(ポンプ流量 小」時の最大流量Qmax1)とこの第1流量より大 い第2流量(ポンプ流量「大」時の最大流量Qm ax2)との間で制御する第1制御手段を構成し、 ントロールユニット80の図4に示すステップS 120,S130,S140の機能及び電磁比例弁81とモータレ ギュレータ33は、油圧走行モータ14を含む走 系の等価容量を、少なくとも第1容量(モータ 容量「小」)と、この第1容量より大きい第2容 量(モータ容量「中」)との間で制御する第2制 御手段を構成する。

 そして、油圧走行モータ14を含む走行系 等価容量を前記第2容量(モータ容量「中」) 制御したときに車両が設定最高速度で走行 るのに必要な流量が油圧ポンプ10の第2流量( ンプ流量「大」時の最大流量Qmax2)に合うよ に油圧ポンプ10の第2流量と走行系の第2容量 とが設定され、かつ油圧走行モータ14を含む 行系の等価容量を前記第1容量(モータ容量 小」)に制御したときに車両が設定最高速度 走行するのに必要な流量が油圧ポンプ10の 1流量(ポンプ流量「小」時の最大流量Qmax1)に 合うように油圧ポンプ10の第1流量と前記走行 系の第1容量とが設定されている。

 次に、本実施の形態の動作を説明する。
<加速時>
 まず、車体が停止状態から運転者の操作に り加速を行う場合を説明する。

 車体の加速時、走行指令圧が最高指令圧 Ptmaxの2/3を超え、油圧ポンプ10の吐出圧力が 20Mpaより高い状態では、コントロールユニッ 80は加速動作と判定し、モータ容量「中」( 2容量)及びポンプ流量「大」(第2流量)を選 し、油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10 最大吐出流量(エンジン回転数)をそれぞれ の選択した容量及び流量となるように制御 る。このとき、前述した(1)式において、走 負荷圧力の制御圧力への換算値Ptが電磁比例 弁81から出力される制御信号のみで目標容量 中」を得るための制御圧力Poより高くなる うな急加速時は、制御圧力の目標値Pcはマイ ナスの値となるため、電磁比例弁81に駆動信 は出力されず、サーボ弁52は第1受圧部52aに かれる走行負荷圧力のみにより制御される これにより油圧走行モータ14の容量は走行 荷圧力に応じた「中」よりも大きな容量に 御される。

 これにより油圧走行モータ14の容量は、 め定められた容量である「中」かそれより 大きな容量に制御されるため、加速に必要 駆動圧が低くなり、油圧走行モータ14を含む 走行系からの漏れ流量が減少し、加速動作中 の全体効率が上がるとともに、加速感を向上 させることができる。

 また、油圧走行モータ14の容量が増加す ことにより最高速度に必要となる走行系の 要流量が一時的に大きくなるが、エンジン 転数の増加によりエンジン出力が増加する ともにポンプ流量が増加し、設定した最高 度までスムーズに加速することができる。

 更に、加速動作が終了し、油圧ポンプ10 吐出圧力が低下すると、コントロールユニ ト80は「通常」と判定し、モータ容量及びポ ンプ流量をそれぞれ「小」に切り換えようと する。このとき、ポンプ流量「大」(最大流 Qmax2)でモータ容量「中」のときの最高走行 度が設定された最高速度に等しくなるよう 最大流量Qmax2とモータ容量「中」との関係を 設定するとともに、ポンプ流量「小」(最大 量Qmax1)でモータ容量「小」のときの最高走 速度が設定された最高速度に等しくなるよ に最大流量Qmax1とモータ容量「小」との関係 を設定した(つまり、油圧走行モータ14を含む 走行系の等価容量を第2容量(モータ容量「中 )に制御したときに車両が設定最高速度で走 行するのに必要な流量と油圧ポンプ10の第2流 量(ポンプ流量「大」時の最大流量Qmax2)とが うように走行系の第2容量(モータ容量「中」 )と油圧ポンプ10の第2流量(ポンプ流量「大」 の最大流量Qmax2)とを設定しかつ走行系の等 容量を第1容量(モータ容量「小」)に制御し ときに車両が設定最高速度で走行するのに 要な流量と油圧ポンプ10の第1流量(ポンプ流 量「小」時の最大流量Qmax1)とが合うように走 行系の第1容量(モータ容量「小」)と油圧ポン プ10の第1流量(ポンプ流量「小」時の最大流 Qmax1)とを設定した)ので、設定された最高速 以上の車速の増加を防ぎながら高馬力によ 良好な車体加速性能を確保することができ 。

 <登坂>
 次に車体が登坂状態に入った場合を説明す 。

 登坂走行時、走行速度が10Km/hよりも低下 、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3を超 、油圧ポンプ10の吐出圧力が25Mpaより高くな と、コントロールユニット80は登坂状態と 定し、モータ容量「中」(第2容量)及びポン 流量「大」(第2流量)を選択し、油圧走行モ タ14の容量と油圧ポンプ10の吐出流量(エンジ ン回転数)をそれぞれその選択した容量及び 量となるように制御する。この場合も、急 配の坂道の登坂時のように走行負荷圧力が いときは、サーボ弁52の第1受圧部52aに導か る走行負荷圧力により油圧走行モータ14の容 量は「中」よりも大きな容量に制御される。

 これにより油圧走行モータ14の容量は、 なくとも予め定められた容量である「中」 増加するとともに、エンジン回転数が増加 、エンジン出力が増加するとともにポンプ 量が増加するため、高馬力により良好な登 時の車速を確保することができる。

 また、登坂動作が終了し、油圧ポンプ10 吐出圧力が低下すると、コントロールユニ ト80は「通常」と判定し、モータ容量及びポ ンプ流量をそれぞれ「小」に切り換えようと する。このとき、ポンプ流量「大」でモータ 容量「中」のときの最高走行速度が設定され た最高速度に等しくなるように最大流量Qmax2 モータ容量「中」との関係を設定するとと に、ポンプ流量「小」(最大流量Qmax1)でモー タ容量「小」のときの最高走行速度が設定さ れた最高速度に等しくなるように最大流量Qma x1とモータ容量「小」との関係を設定したし ので、高馬力により良好な登坂時の車速を 保するととともに、設定された最高速度以 の車速の増加を防止することができる。

 <減速>
 次に、平坦路の走行時或いは降坂時に減速 た場合を説明する。

 減速時、走行速度が10Km/hよりも高く、走 指令圧が最高指令圧力Ptmaxの1/3より低下し かつT/M速度段がHi(高速段)にあるときは、コ トロールユニット80は減速状態と判定し、 ータ容量「中」(第2容量)及びポンプ流量「 」(第1流量)を選択し、油圧走行モータ14の容 量と油圧ポンプ10の吐出流量(エンジン回転数 )をそれぞれその選択した容量及び流量とな ように制御する。

 このようにコントロールユニット80は走 減速状態を検出すると直ちに走行モータの 量を予め定められた容量である「中」に増 させる。これにより車体は降坂状況であっ も十分な油圧ブレーキ力を得ることができ 。また、車両の走行速度及びT/M速度段に応 、必要時のみ、走行系の等価容量を増加さ ることにより、十分な油圧ブレーキ力を確 するとともに、ブレーキ力過大による減速 ョック等、操作性能の悪化を防止すること できる。

 <降坂>
 次に、運転者が減速操作を行わないまま降 動作に入った場合を説明する。

 降坂時、走行速度が10Km/hよりも速く、走 指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3より高く、 圧ポンプ10の吐出圧力が3Mpaより低く、かつT/ M速度段がHi(高速段)にあるときは、コントロ ルユニット80は降坂状態と判定し、モータ 量「中」(第2容量)及びポンプ流量「大」(第2 流量)を選択し、油圧走行モータ14の容量と油 圧ポンプ10の吐出流量(エンジン回転数)をそ ぞれその選択した容量及び流量となるよう 制御する。

 これにより降坂動作が検出されると、走 モータ14の容量を予め定められた容量であ 「中」まで増加させるととともに、エンジ 回転数が増加して油圧ポンプ10の吐出流量も 予め定められた値「大」まで増加する。ここ で、ポンプ流量「大」(最大流量Qmax2)でモー 容量「中」のときの最高走行速度が設定さ た最高速度に等しくなるように最大流量Qmax2 とモータ容量「中」との関係を設定するとと もに、ポンプ流量「小」(最大流量Qmax1)でモ タ容量「小」のときの最高走行速度が設定 れた最高速度に等しくなるように最大流量Qm ax1とモータ容量「小」との関係を設定してい る。これにより最高速度を維持したまま降坂 動作を行うことができるとともに、油圧ブレ ーキ力が増大することにより車体が自重によ り予め定められた最高速度を超えて加速する のを防止することができる。

 <効果>
 以上のように本実施の形態によれば、車両 走行状態に関するパラメータを検出して車 の運転状態を判定し、その判定結果に応じ 油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10の最 大吐出流量とを制御するので、燃費を悪化さ せることなく良好な走行性能を確保すること ができる。

 すなわち、減速が必要な状態では、走行 圧モータ14の容量を「中」と大きくするこ で、十分なブレーキ力を確保し、良好な操 フィーリングを得ることができる。

 また、単純に油圧走行モータ14の容量を きくするだけでは降坂状態で最高速度を確 することができなくなるが、油圧走行モー 14の容量を大きくすると同時に油圧ポンプ10 最大吐出流量を「大」に制御して走行系の 大流量を大きくすることにより、安定した 度で坂道を降坂することができる。

 更に、最高速度に至るまでの加速動作中 おいても、油圧走行モータ14の容量を大き とることにより加速に必要な駆動圧が低く り、油圧走行モータ14を含む走行系からの漏 れ流量が減少し、加速動作中の全体効率が上 がるとともに、加速感を向上させることがで きる。

 また、減速が必要ない状態及び加速が必 ない状態では、油圧走行モータ14の容量を 常必要となる容量よりも「小」に下げるこ により、速度を維持するために必要な流量 より小さくし、走行系の配管で生じる圧力 失を低く抑え、燃費を改善するとともに、 力損失で生じる発熱も低くなるため、車体 必要な冷却装置も小型化することができる

 更に、エンジン1の最高回転数を増加させ る制御を行うことで油圧ポンプ10の最大吐出 量を制御し、かつ油圧走行モータ14の容量 制御するとともに、油圧走行モータ14の容量 を「中」に制御したときに車両が設定最高速 度で走行するのに必要な流量と油圧ポンプ10 第2流量(ポンプ流量「大」時の最大流量Qmax2 )とが合うように走行系の第2容量(モータ容量 「中」)と油圧ポンプ10の第2流量(ポンプ流量 大」時の最大流量Qmax2)とを設定したので、 ンジン1の最高回転数を増加させたときの車 速の増加を簡単かつ確実に防止することがで きる。

 また、エンジン1の最高回転数を増加させ る制御を行うことで油圧ポンプ10の最大吐出 量を制御し、かつ油圧走行モータ14の容量 制御することにより、高馬力により良好な 行性能を確保することができる。

 本発明の他の実施の形態を図13~図17を用 て説明する。本実施の形態は、加速動作以 の運転状態は、第1の実施の形態と同様、図5 に示す判断選択機能を用いてモータ容量とポ ンプ流量を制御し、加速動作時については、 車速偏差を用いてモータ容量とポンプ流量を 制御するものである。

 まず、車速偏差を用いた加速動作におけ ポンプ流量制御について説明する。本実施 形態においても、ポンプ流量制御は、エン ンの最高回転数を変えることにより行うも とする。

 図13は、車速偏差を用いて加速動作時に ンプ流量を制御するための機能を組み込ん エンジン制御演算部の概要を示す機能ブロ ク図である。図中、図9に示した部材と同等 ものには同じ符号を付している。

 本実施の形態におけるエンジン制御演算 は、図9に示した走行目標回転数演算部90、 業目標回転数演算部91、基準目標回転数演 部92、切換部97、最大値選択部98、目標回転 補正部99に加え、目標車速演算部93、車速偏 演算部94、加速回転数増分演算部95、加速目 標回転数補正部96の各機能を有している。

 目標車速演算部93は走行指令圧(アクセル ダル踏み込み量)に応じた目標車速Vtを出力 、車速偏差演算部94はその目標車速Vtから実 際の走行速度Vrを減算して車速偏差δVを演算 、加速回転数増分演算部95はその車速偏差δ Vに応じた加速用補正回転数増分δNsを演算し 加速目標回転数補正部96はその増分δNsを走 目標回転数Ntに加算して補正し、走行目標 転数Nt1を出力する。

 図14は、目標車速演算部93に設定された走 行指令圧(アクセルペダル踏み込み量)Ptと目 車速Vtとの関係を示す図である。走行指令圧 Ptが上昇するに従って目標車速Vtが増加する

 図15は、加速回転数増分演算部95に設定さ れた車速偏差δVと加速用補正回転数増分δNs の関係を示す図である。速度偏差δVが第1の δV1に達するまでは、エンジン回転数増分δN sは0であり、第1の値δV1を超えると、加速動 であると判定し、速度偏差δVの増加に比例 て増分δNsを急峻に増加させ、速度偏差δVが 2の値δV2を超えると、増分δNsを最大δNsmaxと する。

 図16は車速偏差δVと加速用補正回転数増 δNsとの関係の変形例を示す図である。速度 差δVが値δV3に達するまでは、増分δNsは最 値Nsminであり、値δV3を超えると、増分δNsを テップ的に最大δNsmaxまで増加させる。

 増分δNsは、上記のように加速目標回転数 補正部96において走行目標回転数Ntに加算さ 、その分、最終的な目標回転数Nf3は増大す 。これにより第1の実施の形態と同様、増分 Nsを出力したときは、エンジン1の最高回転 はNtmax1からNtmax2に上昇して、油圧ポンプ10の 最大吐出流量はQmax1からQmax2に増加し、増分δ Nsの出力を停止すると、エンジン1の最高回転 数はNtmax1に戻り、油圧ポンプ10の最大吐出流 はQmax2に減少する。

 次に、車速偏差を用いた加速動作におけ モータ容量制御について説明する。

 図17は車速偏差δVとモータ容量指令との 係を示す図である。速度偏差δVが第2の値δV2 に達するまでは、モータ容量指令は「小」で あり、第2の値δV1を超えると、加速動作であ と判定し、モータ容量指令を「中」に切り える。また、モータ容量指令の切り換えに ヒステリシスを持たせてあり、速度偏差δV 減少時は、速度偏差δVが第1の値δV1に達す までは、モータ容量指令は「中」であり、 1の値δV1より小さくなると、加速動作が終了 したと判定し、モータ容量指令を「小」に切 り換える。

 モータ容量指令を「中」に切り換えたと 、図6のステップS144の処理と同様、電磁比 弁81に対応する駆動信号(モータ容量指令信 ;電圧信号)Emを出力する。これによりモータ 量指令は「中」に切り換えたときは油圧走 モータ14の容量は「中」に増加し、モータ 量指令は「小」に切り換えたときは油圧走 モータ14の容量は「小」に減少する。

 以上のように構成した本実施の形態にお ても、第1の実施の形態と同様の効果が得ら れる。

 本発明の更に他の実施の形態を図18~図20 用いて説明する。本実施の形態は、登坂動 以外の運転状態は、第1の実施の形態と同様 図5に示す判断選択機能を用いてモータ容量 とポンプ流量を制御し、登坂動作時について は、油圧ポンプ10の吐出圧力(ポンプ圧)のみ 用いてモータ容量とポンプ流量を制御する のである。

 まず、ポンプ圧を用いた登坂動作におけ ポンプ流量制御について説明する。本実施 形態においても、ポンプ流量制御は、エン ンの最高回転数を変えることにより行うも とする。

 図18は、ポンプ圧を用いて登坂動作時に ンプ流量を制御するための機能を組み込ん エンジン制御演算部の概要を示す機能ブロ ク図である。図中、図9に示した部材と同等 ものには同じ符号を付している。

 本実施の形態におけるエンジン制御演算 は、図9に示した走行目標回転数演算部90、 業目標回転数演算部91、基準目標回転数演 部92、切換部97、最大値選択部98、目標回転 補正部99に加え、登坂回転数増分演算部95A及 び登坂目標回転数補正部96Aの各機能を有して いる。

 登坂回転数増分演算部95Aは圧力センサ73 より検出した油圧ポンプ10の吐出圧力(ポン 圧)Ppに応じた登坂用補正回転数増分δNsを演 し、登坂目標回転数補正部96Aはその増分δNs を走行目標回転数Ntに加算して補正し、走行 標回転数Nt1を出力する。

 図18は、登坂回転数増分演算部95Aに設定 れたポンプ圧Ppと登坂用補正回転数増分δNs の関係を示す図である。油圧ポンプ10の吐出 圧力(ポンプ圧)Ppが第1の値Paに達するまでは エンジン回転数増分δNsは0であり、第1の値Pa を超えると、登坂動作であると判定し、ポン プ圧Ppの増加に比例して増分δNsを急峻に増加 させ、ポンプ圧Ppが第2の値Pbを超えると、増 δNsを最大δNsmaxとする。

 増分δNsは、上記のように登坂目標回転数 補正部96Aにおいて走行目標回転数Ntに加算さ 、その分、最終的な目標回転数Nf3は増大す 。これにより第1の実施の形態と同様、増分 δNsを出力したときは、エンジン1の最高回転 はNtmax1からNtmax2に上昇して、油圧ポンプ10 最大吐出流量はQmax1からQmax2に増加し、増分 Nsの出力を停止すると、エンジン1の最高回 数はNtmax1に戻り、油圧ポンプ10の最大吐出流 量はQmax2に減少する。

 次に、ポンプ圧を用いた登坂動作におけ モータ容量制御について説明する。

 図20はポンプ圧Ppとモータ容量指令との関 係を示す図である。ポンプ圧Ppが第2の値Pbに するまでは、モータ容量指令は「小」であ 、第2の値Pbを超えると、登坂動作であると 定し、モータ容量指令を「中」に切り換え 。また、モータ容量指令の切り換えにはヒ テリシスを持たせてあり、ポンプ圧Ppの低 時は、ポンプ圧Ppが第1の値Paに達するまでは 、モータ容量指令は「中」であり、第1の値Pa より低くなると、登坂動作が終了したと判定 し、モータ容量指令を「小」に切り換える。

 モータ容量指令を「中」に切り換えたと 、図6のステップS144の処理と同様、電磁比 弁81に対応する駆動信号(モータ容量指令信 ;電圧信号)Emを出力する。これによりモータ 量指令は「中」に切り換えたときは油圧走 モータ14の容量は「中」に増加し、モータ 量指令は「小」に切り換えたときは油圧走 モータ14の容量は「小」に減少する。

 以上のように構成した本実施の形態にお ても、第1の実施の形態と同様の効果が得ら れる。

 以上において、本発明の幾つかの実施の 態を説明したが、これらの実施の形態は本 明の精神の範囲内で種々の変形が可能であ 。

 例えば、上記実施の形態では、油圧ポン 10と油圧走行モータ14を接続する走行系の油 圧回路を開回路式で説明したが、閉回路式の 走行系油圧回路にも同様の構成にて本発明を 適用することができる。

 また、上記実施の形態では、油圧走行モ タ14の容量を外部指令により増加させたが 走行系のトランスミッション15等の変速機を 切り換えて減速比を増加させることにより走 行系の等価容量(油圧走行モータ14を含む走行 系の等価容量)を増加させるようにしてもよ 、これによっても同様の効果を得ることが きる。

 また、上記実施の形態では、エンジン1の 回転数を増加させることでポンプ流量を増加 させ、走行系の最大流量(走行流量)を増加さ たが、使用する油圧ポンプに余裕があれば 圧ポンプの最大容量を増加させる構成とし もよい。また、開回路式の走行系を有する 両でロードセンシング式の方向切換弁を使 する場合は、LS差圧(方向切換弁の前後差圧) を切り換えることにより走行系の最大流量を 切り換えてもよい。

 更に、複数の油圧ポンプを用い、それら 吐出油を合流させることで最大流量(走行流 量)を得る場合は、合流させる油圧ポンプの を切り換えることでもよい。

 また、変速機の減速比によって各速度段 の本発明の制御実施の有無、又は油圧走行 ータの容量を切り換えることで、車両の走 性能を向上させることができる。

 例えば3段の変速機を有する車両において 、容量が著しく減少する3速では本発明の制 を適用するとともに、切替後の油圧走行モ タの容量を大きく設定する。これにより十 な油圧ブレーキ力を確保することができる 逆に、等価容量が十分に大きくなる1速では 本発明の制御の適用を中止することで、減 時にブレーキ力が著しく大きくなり減速操 時に大きなショックが発生することを避け ことができる。

 また、この中間に位置する2速では、本発 明の制御を適用するとともに、切替後のモー タ容量を3速よりも小さくとることで、十分 ブレーキ力と良好な減速時のフィーリング 確保することができる。

 また、上記実施の形態では、油圧パイロ ト式の方向切換弁の場合を説明したが、電 レバー等を利用しコントローラで方向切換 を操作するフライバイワイヤー式の車両に いても適用することができる。

 更に、上記実施の形態では、油圧ポンプ1 0が走行駆動回路のみに使用される例を説明 たが、多連式の方向切換弁により走行以外 アクチュエータを駆動する場合でも、ポン 圧及び他のアクチュエータの操作信号より 行単独動作か複合操作かを判断することに り、最適に実施することができる。