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Title:
VEHICLE CONTROLLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/034847
Kind Code:
A4
Abstract:
A vehicle controller of a working example of the invention conducts fail-safe control to cut power transmission from a drive source to a driven wheel by releasing the clutch of an automatic transmission when gear shift fails. Generally, if the temperature of the hydraulic oil of the automatic transmission is low (for example, below zero), the viscosity of the hydraulic oil is high and the response of power cut is degraded. In consideration of the problem, if the hydraulic oil temperature at the time of requesting gear shift is low (steps ST2, ST3), the clutch of the automatic transmission is released simultaneously with the gear shift request to cut the power transmission (step ST11), and thereby the clutch release lag at the time when gear shift fails at low hydraulic oil temperatures is prevented.

Inventors:
INOUE YUJI (JP)
NISHIMURA NAOKI (JP)
SATO TSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065390
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
August 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
INOUE YUJI (JP)
NISHIMURA NAOKI (JP)
SATO TSUYOSHI (JP)
International Classes:
F16H59/08; F16H61/12; F16H61/68; F16H61/684; F16H59/72; F16H61/686
Attorney, Agent or Firm:
KURAUCHI, Giro et al. (Nishitemma 4-chome Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 47, JP)
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Claims:
 シフトレンジをアクチュエータによって切り替えるバイワイヤ方式のシフト切替装置が搭載された車両の制御装置であって、
 前記車両の駆動源から駆動輪への動力伝達を遮断する油圧式の動力遮断手段と、前記動力遮断手段の作動油の油温を検出する油温検出手段とを備え、前記作動油の油温が低い場合は高い場合と比較して早いタイミングで前記動力伝達の遮断を行うことを特徴とする車両の制御装置。
 シフトレンジをアクチュエータによって切り替えるバイワイヤ方式のシフト切替装置が搭載された車両の制御装置であって、
 前記車両の駆動源から駆動輪への動力伝達を遮断する油圧式の動力遮断手段と、前記動力遮断手段の作動油の油温を検出する油温検出手段と、前記シフト切替装置のフェールを検出するフェール検出手段とを備え、前記作動油の油温が予め設定された閾値よりも低い場合には、前記フェール検出結果に関わらず、前記動力伝達の遮断を行うことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項2記載の車両の制御装置において、
 前記作動油の油温が前記閾値以上である場合には、前記シフト切替装置のフェール検出に基づいて前記動力伝達の遮断を行うことを特徴とする車両の制御装置。
 シフトレンジをアクチュエータによって切り替えるバイワイヤ方式のシフト切替装置が搭載された車両の制御装置であって、
 前記車両の駆動源から駆動輪への動力伝達を遮断する油圧式の動力遮断手段と、前記動力遮断手段の作動油の油温を検出する油温検出手段と、前記シフト切替装置のフェールを検出するフェール検出手段とを備え、前記作動油の油温が予め設定された閾値よりも低い場合には、前記シフト切替装置のフェール検出の前に前記動力伝達の遮断を行うことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項1~4のいずれか一つに記載の車両の制御装置において、
 前記車両に搭載された油圧式の自動変速機の摩擦係合要素を解放することにより前記動力伝達の遮断を行うことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項5記載の車両の制御装置において、
 前記自動変速機の作動油の油温を検出する油温検出手段を備え、現在のシフトレンジがドライブレンジまたはリバースレンジのときに、シフト切替要求があったときの前記作動油の油温が予め設定された閾値よりも低い場合には、前記自動変速機の摩擦係合要素をシフト切替要求と同時に解放して前記動力伝達の遮断を行い、前記作動油の油温が前記閾値以上である場合は、前記シフト切替装置のフェールを検出した時点で前記自動変速機の摩擦係合要素を解放して前記動力伝達の遮断を行うことを特徴とする車両の制御装置。
Description:
車両の制御装置

 本発明は、自動変速機のシフトレンジを クチュエータによって切り替えるバイワイ 方式のシフト切替装置が搭載された車両の 御装置に関する。

 エンジン(内燃機関)を搭載した車両にお て、エンジンが発生するトルク及び回転速 を車両の走行状態に応じて適切に駆動輪に 達する変速機として、エンジンと駆動輪と 間の変速比を自動的に最適設定する自動変 機が知られている。

 車両に搭載される自動変速機としては、 えば、クラッチ及びブレーキと遊星歯車装 とを用いてギヤ段を設定する遊星歯車式変 機や、変速比を無段階に調整するベルト式 段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が る。

 遊星歯車式の自動変速機が搭載された車 においては、車速とスロットル開度(または アクセル開度)に応じた最適なギヤ段を得る めの変速線(ギヤ段の切り替えライン)を有す る変速マップがECU(Electronic Control Unit)等に記 憶されており、車速及びスロットル開度に基 づいて変速マップを参照して目標ギヤ段を算 出し、その目標ギヤ段に基づいて、摩擦係合 要素であるクラッチ、ブレーキ及びワンウェ イクラッチなどを、所定の状態に係合または 解放することによってギヤ段(変速段)を自動 に設定している。

 また、ベルト式無段変速機は、プーリ溝( V溝)を備えたプライマリプーリ(入力側プーリ )とセカンダリプーリ(出力側プーリ)とにベル トを巻き掛け、一方のプーリのプーリ溝の溝 幅を拡大すると同時に、他方のプーリのプー リ溝の溝幅を狭くすることにより、それぞれ のプーリに対するベルトの巻き掛け半径(有 径)を連続的に変化させて変速比を無段階に 定するように構成されている。

 このような自動変速機を制御する制御装 として、自動変速機のシフトレンジの位置 センサによって電気的に検出し、この検出 号に基づいてシフト切替用の電動モータ等 アクチュエータを駆動して自動変速機のマ ュアルバルブを切り替えることにより、P( ーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D (ドライブ)などのシフトポジションを切り替 る、いわゆるバイワイヤ方式のシフト切替 置がある(例えば、特許文献1参照)。

 そして、このようなバイワイヤ方式のシ ト切替装置では、一般的なシフト切替装置 まり自動変速機のシフトレンジを運転者に るシフトレバー操作によって直接切り替え 方式のシフト切替装置のように、シフトレ ーとシフトレンジ切替機構とを機械的に接 する必要がないので、これらの各部を車両 搭載する際のレイアウト上に制限がなく、 計の自由度を高めることができる。また、 両への組み付け作業も簡単に行うことがで るという利点がある。

 バイワイヤ方式のシフト切替装置が搭載 れた車両において、シフト切替に異常が発 した際のフェールセーフ制御として下記の 許文献2に記載の技術がある。

 この特許文献2に記載の技術では、シフト バイワイヤ式の制御を用いた自動変速機にお いて、運転者のシフト選択スイッチ操作によ る変速レンジ位置(目標レンジ位置)と自動変 機の実レンジ位置とを比較し、両者が不一 となった場合に自動変速機に異常が発生し と判断する。そして、自動変速機が異常と 断した場合には、エンジンの出力軸から自 変速機を介して駆動輪へと至るまでの間の 力伝達経路を遮断することで、運転者が選 したシフト位置とは異なるシフトレンジ位 での車両移動を防止している。

 なお、この特許文献2に記載の技術では、例 えば、自動変速機の前進用の摩擦係合要素( ラッチ)または後進用の摩擦係合要素(クラッ チ及びブレーキ)を解放することで動力伝達 路を遮断している。

特開2000-170905号公報

特開2004-125061号公報

 ところで、バイワイヤ方式のシフト切替 置が搭載された車両においては、上記した うに、シフト切替フェール(例えば目標レン ジ位置と実レンジ位置とが不一致)が発生し 際に動力伝達を遮断(以下、動力遮断ともい )するフェールセーフ制御を行っているが、 シフト切替フェールが発生したときの状況に よっては動力遮断が遅れる場合がある。   

 例えば、自動変速機のクラッチやブレー 等の摩擦係合要素(以下、摩擦係合要素を単 に「クラッチ」という場合もある)を解放し 動力伝達の遮断を行う場合、シフト切替フ ール発生時の自動変速機の作動油が低温(例 ば氷点下)であると、作動油の粘度が高くな り応答性が悪化するため、クラッチ解放(動 遮断)までに時間がかかってしまう。このよ にクラッチ解放のタイムラグ(解放指示から 実解放完了までの期間)が大きいと、シフト 替フェール発生時にクラッチ解放が間に合 ず、車両移動(シフト切替要求とは異なる形 の車両移動)により運転者が違和感を感じる おそれがある。

 この点を考慮して、自動変速機のクラッ を早期に解放する制御を実施すると、作動 が低油温以外の状況のときに、自動変速機 解放側のクラッチが通常制御よりも早く解 してしまい、正常時(シフト切替正常時)に ョックが発生することが懸念される。具体 には、例えば、現在のシフトレンジがRレン で、自動変速機の後進用のクラッチが係合 ている状態で、Rレンジ→Dレンジのシフト 替要求があった場合に、後進用のクラッチ 解放(クラッチ抜け)が通常制御時よりも早い と、後進用のクラッチを完全に解放した状態 (ニュートラル状態)で前進用のクラッチの係 が開始されるため、その前進用のクラッチ 合時にショック(ガレージショック)が発生 る場合がある。また、Dレンジ→Rレンジのシ フト切替要求があった場合にも、同様にガレ ージショックが発生する場合がある。

 本発明はそのような実情を考慮してなさ たもので、自動変速機のシフトレンジをア チュエータによって切り替えるバイワイヤ 式のシフト切替装置が搭載された車両の制 装置において、シフト切替フェール時の動 伝達の遮断を適切なタイミングで行うこと 可能な制御を実現することを目的とする。

 本発明は、シフトレンジをアクチュエー によって切り替えるバイワイヤ方式のシフ 切替装置が搭載された車両の制御装置を前 としている。そして、このような車両の制 装置において、前記車両の駆動源から駆動 への動力伝達を遮断する油圧式の動力遮断 段と、前記動力遮断手段の作動油の油温を 出する油温検出手段とを備え、前記作動油 油温が低い場合は高い場合と比較して早い イミングで前記動力伝達の遮断を行うこと 特徴としている。

 この発明によれば、動力遮断手段の作動 の油温が低い場合は高い場合と比較して動 遮断の応答性が悪くなる点を考慮し、動力 断手段の作動油の油温が低い場合は高い場 と比べて早いタイミングで動力伝達を遮断 ているので、油温低温時の動力遮断の動作 れ(例えばクラッチ解放遅れ)を低減するこ ができる。しかも、油温低温時以外のとき は、動力遮断の応答性が良いので、シフト 替フェールを検出した後に動力伝達の遮断 行っても、動力遮断の動作遅れが生じるこ がない。このように、動力遮断手段の作動 の温度状態に大きく左右されることなく、 ンジ切替フェール時の伝達動力の遮断を適 なタイミングで行うことができる。

 本発明の他の具体的な解決手段として以 のものを挙げることができる。まず、シフ レンジをアクチュエータによって切り替え バイワイヤ方式のシフト切替装置が搭載さ た車両の制御装置を前提とし、この車両の 御装置に対し、前記車両の駆動源から駆動 への動力伝達を遮断する油圧式の動力遮断 段と、前記動力遮断手段の作動油の油温を 出する油温検出手段と、前記シフト切替装 のフェール(以下、シフト切替フェールとも いう)を検出するフェール検出手段とを設け 前記作動油の油温が予め設定された閾値よ も低い場合には、前記フェール検出結果に わらず、前記動力伝達の遮断を行う。より 体的には、作動油の油温が前記閾値以上で る場合には、前記フェール検出に基づいて 記動力伝達の遮断を行うようにする。

 また、他の構成として、シフトレンジを クチュエータによって切り替えるバイワイ 方式のシフト切替装置が搭載された車両の 御装置に対し、前記車両の駆動源から駆動 への動力伝達を遮断する油圧式の動力遮断 段と、前記動力遮断手段の作動油の油温を 出する油温検出手段と、前記シフト切替装 のフェールを検出するフェール検出手段と 設け、前記作動油の油温が予め設定された 値よりも低い場合には、前記シフト切替異 の検出の前に前記動力伝達の遮断を行うと う構成を挙げることができる。

 これらの構成の車両の制御装置によれば 駆動源から駆動輪に動力が伝達されている 況でシフト切替要求があったときに、その フト切替要求時の作動油の油温が閾値未満( 例えば氷点下)である場合、通常制御時より 早いタイミングで前記動力伝達を遮断する( 体的には、シフト切替要求と同時に動力遮 する)ので、動力遮断の動作遅れが生じるこ とがなくなる。これによって低油温時にシフ ト切替フェールが発生しても、動力伝達の遮 断を適切なタイミングで行うことが可能にな る。

 次に、本発明のより具体的な構成につい 、車両に搭載された自動変速機の摩擦係合 素(クラッチ)を解放することにより前記動 伝達の遮断を行う場合を例にとって説明す 。なお、この場合、自動変速機の作動油の 温を検出して制御を行う。

 まず、自動変速機の現在のシフトレンジ 、例えばリバースレンジ(Rレンジ)に設定さ ている状況で、シフト切替要求[Rレンジ→ ライブレンジ(Dレンジ)]があった場合、その フト切替要求時の油温が閾値未満(例えば氷 点下)であるときには、シフト切替要求と同 に、自動変速機の解放側のクラッチを解放 、ニュートラル状態にして動力伝達を遮断 る。このように作動油が低温であるときに 、シフト切替要求と同時に自動変速機のク ッチ解放(油圧解放)を行うことにより、低油 温時にシフト切替フェールが発生しても、車 両の移動(後進)を防止することができ、運転 が違和感を感じるおそれがなくなる。

 一方、作動油が低油温以外の状況(閾値以 上)のときには、クラッチ解放の応答性が良 ので、シフト切替フェールを検出した後に ラッチ解放(動力遮断)を行っても、クラッチ 解放遅れが生じることがなく、車両の移動( 進)を防止することができる(フェール時の通 常制御)。そして、作動油が低油温以外の状 でシフト切替装置が正常なときには、シフ レンジ切替[Rレンジ→Dレンジ]に適した通常 御で自動変速機の解放側のクラッチ(後進用 のクラッチ)を解放することで、係合側のク ッチ(前進用のクラッチ)の係合時のショック (ガレージショック)を抑制することができる

 本発明によれば、自動変速機のシフトレ ジをアクチュエータによって切り替えるバ ワイヤ方式のシフト切替装置が搭載された 両の制御装置において、車両の駆動源から 動輪への動力伝達を遮断するための作動油 温度状態に大きく左右されることなく、シ ト切替フェール時の動力伝達の遮断を適切 タイミングで行うことができる。

図1は、本発明のシフト切替装置の制御 系の構成を示すブロック図である。 図2は、自動変速機の一例を示す概略構 成図及び制御系のブロック図を併記して示す 図である。 図3は、図2に示す自動変速機の作動表 ある。 図4は、レンジ切替機構の概略構成を示 す斜視図である。 図5は、シフト切替制御の一例を示すフ ローチャートである。 図6は、シフト切替制御の一例を示すタ イミングチャートである。 図7は、自動変速機のクラッチの解放遅 延時間を算出するマップの一例を示す図であ る。

符号の説明

 1 シフト切替装置
 11 車両電源スイッチ
 12 Pスイッチ
 13 シフトスイッチ
 100 シフトレンジ切替機構
 101 モータ(アクチュエータ)
 103 エンコーダ
 104 NSWセンサ
 105 出力軸
 106 ディテントレバー
 107 ディテントスプリング
 108 ローラ
 200 SBW_ECU
 3 自動変速機
 C1,C3 クラッチ(動力遮断手段)
 300 ECT_ECU
 301 油圧制御回路
 302 マニュアルバルブ

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 説明する。

 図1は車両に搭載されるバイワイヤ方式の シフト切替装置の概略構成を示すブロック図 である。

 この例のシフト切替装置1は、車両に搭載 された自動変速機3のシフトレンジを切り替 る装置であって、車両電源スイッチ11、Pス ッチ12、シフトスイッチ13、表示部14、メー 15、シフトレンジ切替機構100、このシフトレ ンジ切替機構100を駆動するモータ101、モータ 101のロータの回転角を検出するエンコーダ103 、NSW(非接触ニュートラルスイッチ)センサ104 及び、SBW_ECU(Shift by Wire_ECU)200などを備えて いる。シフト切替装置1は、電気制御により 動変速機3のシフトレンジを切り替えるシフ バイワイヤ装置として機能する。

 車両電源スイッチ11は車両電源のON/OFFを り替えるためのスイッチである。車両電源 イッチ11は、特に限定されるものではないが 、例えばイグニッションスイッチである。車 両電源スイッチ11が運転者などのユーザから け付けた指示はSBW_ECU200に伝達される。そし て、車両電源スイッチ11がONに操作されると 車両に搭載されたバッテリ(図示せず)から電 力が供給されてシフト切替装置1が起動する

 Pスイッチ12は、シフトレンジをパーキン 以外のレンジ(非Pレンジ)からパーキングレ ジ(Pレンジ)へ切り替えるためのスイッチで って、スイッチの状態を運転者に示すため インジケータ12a、及び、運転者からの指示 受け付ける入力部12bなどを備えており、運 者による入力部12bの操作(ON操作)により、シ フトレンジをPレンジに入れる指示を入力す ことができる。この入力部12bの操作による 示(Pレンジに入れる指示)はSBW_ECU200に入力さ る。なお、入力部12bとしては、例えばモー ンタリスイッチを挙げることができる。

 シフトスイッチ13は、運転者によって操 されるスイッチであって、このシフトスイ チ13の操作により、自動変速機3のシフトレ ジを、Pレンジ、リバースレンジ(Rレンジ)、 ュートラルレンジ(Nレンジ)、ドライブレン (Dレンジ)に切り替えことができる。また、 フトレンジがPレンジに入っているときには 、そのPレンジの解除を行うことができる。 フトスイッチ13が運転者によって操作された ときには、その操作情報がSBW_ECU200に入力さ る。

 表示部14は運転者に対する指示や警告な を表示する。メータ15は車両の機器の状態や シフトレンジの状態などを表示する。これら 表示部14及びメータ15の各表示はSBW_ECU200によ て制御される。

 NSWセンサ104は、後述するシフトレンジ切 機構100の出力軸105(図4参照)の回転角度に応 て出力信号(出力電圧)がリニアに変化する 転角度センサ(例えばポテンショメータ)によ って構成されており、その出力信号によって 現在の出力軸105の回転角度(後述するディテ トレバー106の回転角度)を検出することがで る。また、NSWセンサ104の出力信号からシフ レンジ位置を検出することができる。NSWセ サ104にて検出された回転角度はSBW_ECU200に入 力される。

 SBW_ECU200は、マイクロコンピュータを主体 に構成された電子制御ユニットであって、CPU 、ROM、RAM、及び、バックアップRAMなどを備え ている。ROMは、シフト切替装置1のアクチュ ータであるモータ101の駆動制御を含む各種 御のプログラムや、それら各種制御プログ ムを実行する際に参照されるマップ等が記 されている。CPUは、ROMに記憶された各種制 プログラムやマップに基づいて演算処理を 行する。また、RAMはCPUでの演算結果やセン 等から入力されたデータなどを一時的に記 するメモリであり、バックアップRAMは不揮 性のメモリである。

 そして、SBW_ECU200は、シフト切替装置1の 作を統括的に管理する。例えば、SBW_ECU200は シフトレンジをPレンジと非Pレンジとの間 切り替えるために、レンジ切替機構100(図4) モータ101を駆動制御するとともに、現在の フトレンジの状態をインジケータ12aに表示 る。具体的には、例えばシフトレンジが非P ンジであるときに、運転者が入力部12bを操 (スイッチON)すると、SBW_ECU200は、シフトレ ジをPレンジに切り替えるとともに、インジ ータ12aに現在のシフトレンジがPレンジであ る旨を表示する。

 さらに、SBW_ECU200は、運転者によるシフト スイッチ13の操作によって指示されたシフト ンジに応じて、自動変速機3のシフトレンジ を切り替える制御(モータ101の駆動制御)を行 うとともに、現在のシフトレンジの状態を ータ15に表示する。さらに、SBW_ECU200は運転 に対する指示や警告などを表示部14に表示 る。

 SBW_ECU200は、ECT_ECU(Electronic Controlled automat ic Transmission_ECU)300にデータ通信可能な状態で 接続されており、後述するシフト位置情報及 びクラッチ解放指示などをECT_ECU300に送信す 。ECT_ECU300は、主に自動変速機3を制御するた めの電子制御ユニットである。ECT_ECU300も、CP U、ROM、RAM、及び、バックアップRAMなどを備 ている。また、SBW_ECU200には油温センサ16が 続されている。油温センサ16は、自動変速機 3のバルブボディに設置されており、当該自 変速機3の作動油(ATF)の油温を検出する。

 次に、自動変速機3、シフトレンジ切替機 構100、及び、シフト切替制御について説明す る。

 <自動変速機>
 自動変速機3(トルクコンバータ2も含む)の概 略構成を図2を参照して説明する。なお、こ 自動変速機3は中心線に対して略対称的に構 されており、図2では中心線の下半分が省略 されている。

 まず、自動変速機3の入力側にはトルクコ ンバータ2が設けられている。トルクコンバ タ2は、入力軸側のポンプ羽根車21と、出力 側のタービン羽根車22と、トルク増幅機能を 発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ2 4とを備え、ポンプ羽根車21とタービン羽根車 22との間で流体を介して動力伝達を行う。

 トルクコンバータ2には、入力側と出力側 とを直結状態にするロックアップクラッチ25 設けられており、このロックアップクラッ 25を完全係合させることにより、ポンプ羽 車21とタービン羽根車22とが一体回転する。 た、ロックアップクラッチ25を所定のスリ プ状態で係合させることにより、駆動時に 所定のスリップ量でタービン羽根車22がポン プ羽根車21に追随して回転する。トルクコン ータ2と自動変速機3とは回転軸によって接 される。

 自動変速機3は、ダブルピニオン型の第1 星歯車装置31、シングルピニオン型の第2遊 歯車装置32、及び、シングルピニオン型の第 3遊星歯車装置33を備えた遊星歯車式の変速機 である。自動変速機3の出力軸34から出力され る動力は、プロペラシャフト、デファレンシ ャルギヤ及びドライブシャフト等を介して駆 動輪に伝達される。

 自動変速機3の第1遊星歯車装置31のサンギ ヤS1はクラッチC3を介して入力軸30に選択的に 連結される。また、サンギヤS1は、ワンウェ クラッチF2及びブレーキB3を介してハウジン グに選択的に連結され、逆方向(入力軸30の回 転と反対方向)の回転が阻止される。第1遊星 車装置31のキャリアCA1は、ブレーキB1を介し てハウジングに選択的に連結されるとともに 、そのブレーキB1と並列に設けられたワンウ イクラッチF1により、常に逆方向の回転が 止される。第1遊星歯車装置31のリングギヤR1 は、第2遊星歯車装置32のリングギヤR2と一体 に連結されており、ブレーキB2を介してハ ジングに選択的に連結される。

 第2遊星歯車装置32のサンギヤS2は、第3遊 歯車装置33のサンギヤS3と一体的に連結され ており、クラッチC4を介して入力軸30に選択 に連結される。また、サンギヤS2は、ワンウ ェイクラッチF0及びクラッチC1を介して入力 30に選択的に連結され、その入力軸30に対し 相対的に逆方向へ回転することが阻止され 。

 第2遊星歯車装置32のキャリアCA2は、第3遊 星歯車装置33のリングギヤR3と一体的に連結 れており、クラッチC2を介して入力軸30に選 的に連結されるとともに、ブレーキB4を介 てハウジングに選択的に連結される。また キャリアCA2は、ブレーキB4と並列に設けられ たワンウェイクラッチF3によって、常に逆方 の回転が阻止される。そして、第3遊星歯車 装置33のキャリアCA3は出力軸34に一体的に連 されている。

 以上の自動変速機3のクラッチC1~C4、ブレ キB1~B4、及び、ワンウェイクラッチF0~F3の係 合・解放状態を図3の作動表に示す。図3の作 表において「○」は「係合」を表し、「空 」は「解放」を表している。また、「◎」 「エンジンブレーキ時の係合」を表し、「 」は「動力伝達に関係しない係合」を表し いる。

 図3に示すように、この例の自動変速機3 おいて、前進段(D)の1速(1st)では、クラッチC1 が係合され、ワンウェイクラッチF0,F3が作動 る。前進段の2速(2nd)では、クラッチC1及び 3ブレーキB3が係合され、ワンウェイクラッ F0,F1,F2が作動する。

 前進段の3速(3速段:3rd)では、クラッチC1,C3 が係合されるとともに、ブレーキB3が係合さ 、第1ワンウェイクラッチF0,F1が作動する。 進段の4速(4th)では、クラッチC1,C2,C3が係合 れるとともに、ブレーキB3が係合され、ワン ウェイクラッチF0が作動する。

 前進段の5速(5th)では、クラッチC1,C2,C3が 合されるとともに、ブレーキB1,B3が係合され る。前進段の6速(6th)では、クラッチC1,C2が係 されるとともに、ブレーキB1,B2,B3が係合さ る。

 一方、後進段(Rev)では、クラッチC3が係合 されるとともに、ブレーキB4が係合され、ワ ウェイクラッチF1が作動する。

 以上のように、この例の自動変速機3では 、摩擦係合要素であるクラッチC1~C4、ブレー B1~B4、及び、ワンウェイクラッチF0~F3などが 、所定の状態に係合または解放されることに よってギヤ段(変速段)が設定される。クラッ C1~C4、ブレーキB1~B4の係合・解放は油圧制御 回路301によって制御される。

 油圧制御回路301には、シフト切替装置1に よって駆動されるマニュアルバルブ302、リニ アソレノイドバルブ及びオンオフソレノイド バルブ(図示せず)などが設けられており、そ らソレノイドバルブの励磁・非励磁の制御 あるいは、シフト切替装置1によるマニュア ルバルブ302の切替制御によって油圧制御回路 301が切り替えられることにより、自動変速機 3のクラッチC1~C4、ブレーキB1~B4の係合・解放 制御することができる。

 油圧制御回路301のリニアソレノイドバル 及びオンオフソレノイドバルブの励磁・非 磁は、ECT_ECU300からのソレノイド制御信号( 示油圧信号)によって制御される。

 なお、ECT_ECU300は、トルクコンバータ2に ックアップクラッチ制御信号を出力する。 のロックアップクラッチ制御信号に基づい ロックアップクラッチ25の係合圧が制御され る。また、ECU100は、自動変速機3の油圧制御 路301にソレノイド制御信号(油圧指令信号)を 出力する。このソレノイド制御信号に基づい て、油圧制御回路301のリニアソレノイドバル ブやオンオフソレノイドバルブなどが制御さ れ、所定の変速ギヤ段(1速~6速)を構成するよ に、クラッチC1~C4、ブレーキB1~B4、及び、ワ ンウェイクラッチF0~F3などが、所定の状態に 合または解放される。

 さらに、ECT_ECU300は、SBW_ECU200からクラッ 解放指示が送信されたときには、自動変速 3の摩擦係合要素を解放してエンジンから駆 輪への動力伝達を遮断する。例えば、現在 シフトレンジが「Dレンジ」である場合、ク ラッチC1を解放して自動変速機3をニュートラ ル状態(動力伝達遮断状態)にする。また、現 のシフトレンジが「Rレンジ」である場合、 クラッチC3及びブレーキB4を解放して自動変 機3をニュートラル状態(動力伝達遮断状態) する。

 <シフトレンジ切替機構>
 次に、シフトレンジ切替機構100について図4 を参照して説明する。

 この例のシフトレンジ切替機構100は、自 変速機3のシフトレンジを、Pレンジ、Rレン 、Nレンジ、Dレンジに切り替える機構であ 。このシフトレンジ切替機構100の駆動源と るモータ101は、例えばスイッチトリラクタ スモータ(SRモータ)等の同期モータであって 減速機構102が設けられている。また、モー 101には、ロータの回転角を検出するエンコ ダ103が設けられている。エンコーダ103は、 えば磁気式のロータリエンコーダにより構 されており、モータ101のロータの回転に同 してパルス信号をSBW_ECU200に出力する。

 減速機構102の回転軸には出力軸105が嵌合 結されており、この出力軸105の回転角を検 するNSWセンサ104が設けられている。出力軸1 05には、自動変速機3の油圧制御回路301のマニ ュアルバルブ302を切り替えるためのディテン トレバー106が固定されている。

 ディテントレバー106には、マニュアルバ ブ302のスプール弁303が連結されており、モ タ101によって出力軸105と一体にディテント バー106を回動させることで、マニュアルバ ブ302の操作量(スプール弁303の位置)を切り えて、自動変速機3のレンジを、Pレンジ、R ンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれかに切り替 える。

 ディテントレバー106には、マニュアルバ ブ302のスプール弁303を、Pレンジ、Rレンジ Nレンジ、Dレンジの各レンジに対応する位置 に保持するための4個の凹部106aが形成されて る。

 ディテントレバー106の上方にディテント プリング(板ばね)107が配置されている。デ テントスプリング107はマニュアルバルブ302 片持ち支持で固定されている。ディテント プリング107の先端部にはローラ108が取り付 られている。ローラ108はディテントスプリ グ107の弾性力によってディテントレバー106 押圧されている。そして、ローラ108がディ ントレバー106の目標シフトレンジの凹部106a 嵌まり込むことで、ディテントレバー106が 標シフトレンジの回転角度で保持されて、 ニュアルバルブ302のスプール弁303の位置が 標シフトレンジの位置で保持されるように っている。

 一方、ディテントレバー106には、L字形の パーキングロッド109が固定されている。パー キングロッド109の先端部には円錐テーパ状の カム110が設けられており、このカム110の外周 面(カム面)にロックレバー111が当接している ロックレバー111はカム110の位置に応じて回 軸112を中心にして上下動し、その上下動に ってロックレバー111のロック爪111aがパーキ ングギヤ113に係合し、または、パーキングギ ヤ113からロック爪111aが外れることにより、 ーキングギヤ113の回転をロック/ロック解除 るように構成されている。そして、パーキ グギヤ113は、自動変速機3の出力軸34に設け れており、このパーキングギヤ113がロック バー111によってロックされると、車両の駆 輪が回り止めされた状態(パーキング状態) 保持される。

 以上のシフトレンジ切替機構100において Pレンジでは、パーキングロッド109がロック レバー111に接近する方向に移動して、カム110 の大径部分がロックレバー111を押し上げてロ ックレバー111のロック爪111aがパーキングギ 113に嵌まり込んでパーキングギヤ113をロッ した状態となり、これによって自動変速機3 出力軸(駆動輪)34がロックされた状態(パー ング状態)に保持される。

 一方、Pレンジ以外のシフトレンジでは、 パーキングロッド109がロックレバー111から離 れる方向に移動し、この移動に伴って、ロッ クレバー111のカム110への接触部分が大径部分 から小径部分に移動してロックレバー111が下 降する。これによってロックレバー111のロッ ク爪111aがパーキングギヤ113から外れてパー ングギヤ113のロックが解除され、自動変速 3の出力軸34が回転可能な状態(走行可能な状 )に保持される。

 以上説明したシフト切替装置1が搭載され た車両において、運転者がシフトスイッチ13 操作すると、SBW_ECU200は、シフトスイッチ13 選択されたシフトレンジに対応する目標回 角(エンコーダカウント値の目標値)を設定 て、モータ101への通電を開始し、モータ101 検出回転角(エンコーダカウント値)が目標回 転角と一致する位置で停止するようにモータ 101をフィードバック制御(F/B制御)する。

 さらに、SBW_ECU200は、NSWセンサ104の出力信 号を読み込んで、その出力信号に基づいて現 在の出力軸105の回転角(マニュアルバルブ302 操作量)、つまり、現在のレンジがPレンジ、 Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれであるか を判定して、この判定結果とシフト操作によ り選択されたシフトレンジ(目標シフトレン )とを照合してシフトレンジの切り替えが正 に行われたか否かを判断する。

 <シフト切替制御>
 次に、この例で実行するシフト切替制御(フ ェールセーフ制御も含む)について、図5のフ ーチャート及び図6のタイミングチャートを 参照して説明する。図5の制御ルーチンはSBW_E CU200において所定時間毎に繰り返して実行さ る。

 ステップST1において、NSWセンサ104の出力 号に基づいて現在のシフトレンジが「Dレン ジ」または「Rレンジ」であるのか否かを判 する。その判定結果が肯定判定である場合( えば現在のシフトレンジが「Rレンジ」であ る場合)、ステップST2に進む。ステップST1の 定結果が否定判定である場合はこのルーチ を一旦抜ける。   

 ステップST2では、シフトレンジの切替要 があるか否かを判定する。具体的には、シ トスイッチ13やPスイッチ12からの信号に基 いて運転者がシフトレンジの切替操作を行 たか否かを判定する。ステップST2の判定結 が否定判定である場合(シフト切替要求がな 場合)はこのルーチンを一旦抜ける。ステッ プST2の判定結果が肯定判定である場合(シフ 切替要求がある場合)はステップST3に進む。 お、シフトレンジの切替要求(例えばRレン →Dレンジ)があったときに、その要求された シフトレンジ(例えばDレンジ)を、以下、「目 標シフトレンジ」という。

 ステップST3では、油温センサ16の出力信 に基づいて油温(自動変速機3の作動油の油温 )を採取し、その採取した油温が閾値THO(例え 氷点)以上であるか否かを判定する。ステッ プST3の否定判定である場合つまり油温が低温 である場合(油温<THO)は、シフト切替要求と 同時に自動変速機3のクラッチを解放すべく ECT_ECU300にクラッチ解放指示を送信する(ステ ップST11)。

 ECT_ECU300は、SBW_ECU200からのクラッチ解放 示を受信した時点で、自動変速機3の指示油 をクラッチ解放油圧(図6(a)参照)に設定して 動変速機3のクラッチ解放を実施する。例え ば、現在のシフトレンジが「Rレンジ」であ 場合、シフト切替要求と同時に、自動変速 3のクラッチC3及びブレーキB4を解放し、自動 変速機3をニュートラル状態にして動力伝達 遮断する。この動力伝達遮断後(クラッチ解 指示後)、シフト切替装置1の切替が正常(低 時・正常)である場合、モータ101の制御を実 施する。

 具体的には、ステップST12において、シフ ト切替装置1のシフト切替が正常であるか否 を判定し、その判定結果が肯定判定である 合はステップST13に進む。ステップST12の判定 結果が否定判定である場合は、このルーチン を一旦抜ける。なお、シフト切替の正常/異 の判定(フェール検出)については後述する。

 ステップST13ではレンジ切替機構100のモー タ101のフィードバック制御(F/B制御)を実施す 。具体的には、モータ101の検出回転角(エン コーダカウント値)が、上記目標シフトレン に対応する目標回転角(エンコーダカウント の目標値)に一致するようにモータ101をフィ ードバック制御する。そして、このモータ101 のフィードバック制御を実施した後、NSWセン サ104の出力信号に基づいて、目標シフトレン ジ位置への切り替えが完了した否かを判定し (ステップST14)、その判定結果が肯定判定とな ったときに、このルーチンを一旦抜ける。

 なお、ステップST3において、油温センサ1 6の出力信号に基づく油温検出が不可である 合、シフト切替要求と同時に自動変速機3の ラッチを解放する。

 一方、ステップST3の判定結果が肯定判定 ある場合(油温≧THO)、ステップST4に進む。 テップST4では、シフト切替装置1のシフト切 が正常であるか否かを判定し、その判定結 が肯定判定である場合はステップST5に進む なお、シフト切替の正常/異常の判定(フェ ル検出)については後述する。

 ステップST5ではレンジ切替機構100のモー 101のフィードバック制御(F/B制御)を実施す 。具体的には、モータ101の検出回転角(エン ーダカウント値)が、上記目標シフトレンジ に対応する目標回転角(エンコーダカウント の目標値)に一致するようにモータ101をフィ ドバック制御する。このモータ101のフィー バック制御を実施した後、NSWセンサ104の出 信号に基づいて、目標シフトレンジ位置へ 切り替えが完了した否かを判定する(ステッ プST6)。その判定結果が肯定判定である場合 ECT_ECU300にクラッチ解放を指示する(ステップ ST7)。ECT_ECU300は、SBW_ECU200からのクラッチ解放 指示に応じて自動変速機3のクラッチを解放 る。例えば、現在のシフトレンジが「Rレン 」である場合、自動変速機3のクラッチC3及 ブレーキB3を解放する。また、ステップST2 のシフト切替要求が[Rレンジ→Dレンジ]であ 場合、自動変速機3のクラッチC3及びブレー B3を解放するとともに、クラッチC1を係合す る。

 なお、シフト切替要求が[Rレンジ→Nレン ]または[Rレンジ→Pレンジ]である場合、自 変速機3のクラッチC3及びブレーキB3を解放し た後、ニュートラル状態を維持する。

 <正常/異常の判定>
 ここで、この例において、シフトレンジの 替要求(ステップST2が肯定判定)があった後 一定時間(正常時のモータ101の作動時間(切替 時間)よりも長い時間)が経過しても、NSWセン 104にて検出される実際のシフトレンジが目 シフトレンジに一致しない場合は、シフト 替装置1がフェールしていると判定する(フ ール検出)。一方、シフトレンジの切替要求 、一定時間(正常時のモータ101の作動時間よ りも長い時間)以内に実際のシフトレンジが 標シフトレンジに一致した場合には、シフ 切替装置1が正常であると判定する。このよ な判定処理はステップST4とステップST12とで 実行される。

 ステップST4の判定結果が否定判定である 合(フェール検出の場合)はステップST8に進 。ステップST8では、ECT_ECU300にクラッチ解放 指示する。ECT_ECU300は、SBW_ECU200からのクラ チ解放指示に応じて自動変速機3のクラッチ 解放する。例えば、現在のシフトレンジが Rレンジ」である場合、自動変速機3のクラ チC3及びブレーキB3を解放し、自動変速機3を ニュートラル状態にして動力伝達を遮断する 。

 ステップST12の判定結果が否定判定である 場合(フェール検出の場合)は、シフト切替装 1の切り替えを実施せずに、このルーチンを 一旦抜ける。なお、このステップST12と上記 たステップST4とがフェール検出手段に相当 る。

 以上のように、この例のシフト切替制御 よれば、自動変速機3の作動油が低温である と作動油の粘度が高くてクラッチ解放の応答 性(クラッチ実油圧の応答性)が悪くなる点を 慮し、図6(a)に示すように、シフト切替要求 時の油温が低温である場合、シフト切替フェ ールの検出結果に関係なく、シフト切替要求 と同時にクラッチ解放指示を出して自動変速 機3のクラッチを解放するので(ステップST3、S T11)、油温低温時のクラッチ解放遅れを解消 ることができ、車両移動を防止することが きる。

 一方、シフト切替装置1が正常時で作動油 が低油温以外の状況のときには、図6(b)に示 ように、シフト切替装置1のモータ101の作動 完了(目標シフトレンジへの切り替えが完了 )した時点、つまり、通常制御のタイミング クラッチ解放指示を出して自動変速機3のク ッチを解放するので(ステップST3~ST7)、自動 速機3の解放側のクラッチが早く解放するこ とがなくなる。これによって、例えば[Rレン →Dレンジ]や[Dレンジ→Rレンジ]のシフトレ ジを切り替える際のガレージショックを抑 することができる。

 また、図6(c)に示すように、作動油が低油 温以外の状況のときにシフト切替フェールを 検出した場合には、そのシフト切替フェール を検出した時点で、クラッチ解放指示を出し て自動変速機3のクラッチを解放するので、 フト切替フェール時の動力伝達の遮断を適 なタイミングで行うことができる。すなわ 、作動油が低油温以外の状況のときにはク ッチ解放の応答性が良いので、シフト切替 ェールを検出した後にクラッチ解放(動力遮 )を行っても、クラッチ解放遅れが生じるこ とがなく、車両の移動(後進)を防止すること できる。

 [他の実施形態]
 以上の例では、シフト切替要求時の作動油 油温が閾値THO未満(氷点下)であるときには シフト切替要求と同時に自動変速機3の解放 のクラッチを解放して動力遮断を行ってい が、本発明はこれに限定されない。

 例えば、図7に示すような解放遅延時間( フト切替要求時からクラッチ解放指示まで 時間)の算出用マップを実験・計算等によっ 作成してSBW_ECU200のROM等に記憶しておき、油 温センサ16にて検出される油温に基づいて前 マップを参照して解放遅延時間を求め、そ 解放遅延時間に基づいてクラッチ解放のタ ミングを設定するようにしてもよい。図7に 示すマップにおいて、油温センサ16にて検出 れる油温がTHO2(例えば-20℃)未満である場合 解放遅延時間を0ms(シフト切替要求と同時) している。また、THO2以上でTHO1(例えば0℃)未 満の領域は、油温センサ16にて検出される油 に応じて油温が高いほど解放遅延時間が長 なるように設定されている。なお、検出油 が閾値THO1以上である場合は、通常制御時の タイミングでクラッチを解放する。

 以上の例では、P,R,N,Dの各シフトレンジに 切り替えるシフトレンジ切替機構に本発明を 適用した例を示したが、本発明はこれに限ら れることなく、例えばP,R,N,Dに、セカンドレ ジ(2)やローレンジ(L)が付加されたシフトレ ジ切替機構などの他の任意のシフトレンジ 替機構にも適用可能である。また、ディテ トレバー106に回動動作に連動してPレンジと Pレンジの2つのレンジを選択的に切り替え レンジ切替機構にも本発明は適用可能であ 。

 以上の例では、出力軸105の回転角(ディテ ントレバー106の回転角)をNSWセンサ104で検出 ているが、これに替えて、例えばマニュア バルブ302のスプール弁303の操作量など、出 軸105と一体的に駆動される部品の操作量(回 角、移動量等)を検出するようにしてもよい 。

 以上の例では、車両に搭載された油圧式 自動変速機の摩擦係合要素を解放すること より前記動力伝達の遮断を行っているが、 れに限られることなく、エンジンの出力軸 ら駆動輪へと至るまでの間の動力伝達経路 、油圧式の動力遮断手段(例えばクラッチ) 自動変速機とは個別に設け、その油圧式の 力遮断手段の作動によって上記動力伝達の 断を行うようにしてもよい。

 以上の例では、クラッチ及びブレーキと 星歯車装置とを用いて変速比を設定する遊 歯車式変速機が搭載された車両の制御装置 本発明を適用した例を示したが、本発明は れに限られることなく、ベルト式無段変速 (CVT)など無段変速機が搭載された車両の制 装置にも適用可能である。

  本発明は、その精神または主要な特徴 ら逸脱することなく、他のいろいろな形で 施することができる。そのため、上述の実 例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限 的に解釈してはならない。本発明の範囲は 許請求の範囲によって示すものであって、 細書本文には、なんら拘束されない。さら 、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形 変更は、全て本発明の範囲内のものである

 本発明は、自動変速機のシフトレンジを クチュエータによって切り替えるバイワイ 方式のシフト切替装置が搭載された車両の 御装置に有用であり、シフト切替フェール の動力伝達の遮断を適切なタイミングで行 ことができ、しかも動力遮断手段の作動油 温度状態に大きく左右されることない点で 益である。