Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE OUTPUT CONTROL DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054296
Kind Code:
A1
Abstract:
A vehicle output control device simultaneously executes an operation to increase an output torque of an engine (1) by increasing the open degree of a throttle valve (6) and an operation to decrease an output torque of the engine (1) by angle-delaying the ignition timing of an ignition plug (12) when an automatic transmission (2) is shifted down while the engine (1) is in a driven state and performs setting so that the increase amount of the output torque is greater than the decrease amount of the output torque in this case.

Inventors:
SHIIBA KAZUYUKI (JP)
KOBAYASHI NOBUFUSA (JP)
YOSHIMURA ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068658
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
SHIIBA KAZUYUKI (JP)
KOBAYASHI NOBUFUSA (JP)
YOSHIMURA ATSUSHI (JP)
International Classes:
F02D29/00; F02D9/02; F02D41/04; F02P5/15; F16H61/04; F16H61/24; F16H59/08; F16H59/24; F16H59/74; F16H61/686
Foreign References:
JPH01305138A1989-12-08
JPH10181387A1998-07-07
JP2005307973A2005-11-04
JPH1089114A1998-04-07
JP2008176169A2008-07-31
JPH07302093A1995-11-14
JP2007256841A2007-10-04
JP2007138854A2007-06-07
JP2002129993A2002-05-09
Attorney, Agent or Firm:
KURAUCHI, Giro et al. (14-3 Nishitemma 4-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 47, JP)
Download PDF:
Claims:
 駆動源からの駆動力を変速機によって変速して駆動輪に伝達する車両における駆動源の出力を制御する装置において、
 上記駆動源の被駆動状態において変速機のシフトダウン動作が行われることを認識するシフトダウン認識手段と、
 上記駆動源の出力トルクを増加させることが可能なトルクアップ手段と、
 上記駆動源の出力トルクを減少させることが可能なトルクダウン手段と、
 上記シフトダウン認識手段からの出力を受け、上記駆動源の被駆動状態において変速機のシフトダウン動作が行われる際に、上記トルクアップ手段による駆動源の出力トルクの増加動作を開始させるトルクアップ実行手段と、
 上記トルクアップ実行手段によって駆動源の出力トルクの増加動作が開始され、駆動源の出力トルクが増加するタイミングに略一致するタイミングで、上記トルクダウン手段による駆動源の出力トルクの減少動作を開始させるトルクダウン実行手段と、
 上記トルクアップ実行手段によって増加される駆動源の出力トルクの増加量が、上記トルクダウン実行手段によって減少される駆動源の出力トルクの減少量よりも大きくなるように、各出力トルクの増加量および減少量を制御する出力トルク制御手段とを備えていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項1記載の車両の出力制御装置において、
 上記トルクアップ実行手段による駆動源の出力トルクの増加動作が終了して、駆動源の出力トルクが減少するタイミングに略一致するタイミングで、上記トルクダウン実行手段による駆動源の出力トルクの減少動作を終了させるトルク制御終了手段を備えていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項1または2記載の車両の出力制御装置において、
 上記駆動源は内燃機関であって、
 上記トルクアップ手段は、内燃機関の吸気量を調整可能とするスロットルバルブであり、
 上記トルクアップ実行手段は、内燃機関の被駆動状態において変速機のシフトダウン動作が行われる際に、上記スロットルバルブの開度を増大させて内燃機関の吸気量を増加させ、これにより内燃機関の出力トルクを増加させるよう構成されていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項1または2記載の車両の出力制御装置において、
 上記駆動源は内燃機関であって、
 上記トルクダウン手段は、内燃機関の点火栓、または、吸排気弁であり、
 上記トルクダウン実行手段は、トルクアップ実行手段の動作によって内燃機関の出力トルクが増加するタイミングに略一致するタイミングで、点火栓の点火時期の遅角動作、または、吸排気弁の開閉タイミングの位相変化を行うことにより内燃機関の出力トルクを減
少させるよう構成されていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項3記載の車両の出力制御装置において、
 上記トルクダウン実行手段による駆動源の出力トルクの減少動作の開始タイミングは、スロットルバルブの開度を増大させるタイミング、内燃機関の出力トルクの推定値または実測値が増加するタイミングの何れかに略一致するよう構成されていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項1~5のうち何れか一つに記載の車両の出力制御装置において、
 上記シフトダウン認識手段は、車両の運転者による手動シフトダウン操作がなされた場合にシフトダウン動作が行われたことを認識するよう構成されていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項1~6のうち何れか一つに記載の車両の出力制御装置において、
 上記トルクアップ実行手段によって駆動源の出力トルクの増加動作を開始させるタイミングは、シフトダウン認識手段が変速機のシフトダウン動作を認識した後、所定の遅延時間を経過したタイミングに設定されていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項1~7のうち何れか一つに記載の車両の出力制御装置において、
 上記出力トルク制御手段は、シフトダウン後の変速段における同期回転数まで駆動源の回転数を引き上げると共に、その出力トルクの増加に伴う作動音が十分に得られる出力トルクの増加量を設定するものであることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項1~8のうち何れか一つに記載の車両の出力制御装置において、
 上記出力トルク制御手段は、トルクアップ実行手段によって増加される駆動源の出力トルクの増加に伴う車両の前進方向への飛び出し感を招かない目標トルクを設定し、この目標トルクとなるように、トルクダウン実行手段によって減少される駆動源の出力トルクの減少量を設定する構成となっていることを特徴とする車両の出力制御装置。
 上記請求項2記載の車両の出力制御装置において、
 上記トルク制御終了手段は、変速機の入力軸回転数が、シフトダウン後の変速段における同期回転数に達する前に、トルクアップ実行手段による駆動源の出力トルクの増加動作およびトルクダウン実行手段による駆動源の出力トルクの減少動作を共に終了させるよう構成されていることを特徴とする車両の出力制御装置。
Description:
車両の出力制御装置

 本発明は、自動車等に搭載される出力制 装置に係る。特に、本発明は、内燃機関等 駆動源が被駆動状態にあって変速機がシフ ダウンされる場合における駆動源の出力制 に関する。

 従来より、自動車の走行中において、ド イバがアクセルペダルを踏み込んでいない 駆動状態(以下、アクセルオフ状態と呼ぶ) なっている場合に、変速機のシフトダウン( えばマニュアル操作によるシフトダウン)が 行われた際には、エンジンブレーキ力の増大 による変速ショックが生じてドライバビリテ ィの悪化を招くことがある。

 このような変速ショックを軽減するため 、例えば下記の特許文献1には、上記アクセ ルオフ状態でのシフトダウン時に、スロット ル開度を増大させることが開示されている。 つまり、スロットル開度を増大させることに よって気筒内への吸入空気量を増加させ、エ ンジンの出力トルクを上昇させて上記変速シ ョックを軽減するものである。また、この場 合のエンジン回転数の上昇(変速後の変速段 おける同期回転数に向けての上昇:ブリッピ グ)により、変速機(例えば自動変速機)に備 られている摩擦係合要素の係合動作等が円 に行われ、変速時間の短縮化、変速応答性 向上、スポーツフィーリングの向上などと った効果も発揮される。

 また、下記の特許文献2には、上述した如く アクセルオフ状態でのシフトダウン時にスロ ットル開度を増大させるばかりでなく、点火 プラグの点火タイミングを遅角させることが 開示されている。より具体的には、スロット ル開度の増大によってエンジン出力が増加す る時点から変速機のシフトダウン動作が実際 に開始されるまでの間だけ点火タイミングを 遅角させている。これにより、スロットル開 度の増大によるエンジン出力の増加量と点火 タイミングの遅角によるエンジン出力の減少 量とを相殺させ、変速機のシフトダウン動作 開始前におけるエンジンの出力トルクを安定 化させるようにしている。そして、変速機の シフトダウン動作が開始される時点では点火 タイミングの遅角制御を解除し、エンジン出 力が増加するようにしている。

特開平5-229368号公報

特開平10-89114号公報

 一般に、スポーツ走行が要求される自動 にあっては、エンジンの吸気系における吸 音や燃焼室内での燃焼音(爆発音)として、 ライバの嗜好にあった音質である所謂スポ ツサウンドが求められている。このスポー サウンドにより、自動車のスポーツ性の演 が行える。そして、このスポーツサウンド 大きく得るためには、例えばシフトダウン 等においてスロットル開度を一時的に増大 せ、吸入空気量を増量させることが有効で る。

 上述した如く特許文献1のものでは、アク セルオフ状態でのシフトダウン時にスロット ル開度を増大させることによって変速ショッ クを軽減することが可能である。ところが、 上記スポーツサウンドの音量を大きく得るた めにスロットル開度を大きく設定しようとす ると、エンジンの出力トルクが高くなり過ぎ てしまって、変速機のシフトダウン動作時に 自動車が加速するようなショック(所謂、飛 出し感)を乗員に与えてしまい、この乗員が 和感を覚えてしまう。つまり、ドライバは アクセルオフ状態でシフトダウンを行うこ で減速しようとしているにも拘わらず加速 へのショックが発生するために違和感を覚 てしまう。

 また、変速動作の終了タイミングにおい 変速ショックが大きく発生してしまう可能 もある。例えば、自動変速機において、摩 係合要素の作動油圧が高い状況では、シフ ダウン動作時に係合される摩擦係合要素の 合が完了した時点で、変速機入力軸回転数( タービン回転数)が高くなっていることに起 する加速側へのショックが発生してしまう 逆に、摩擦係合要素の作動油圧が低い状況 は、シフトダウン動作時に係合される摩擦 合要素の係合が完了する前段階では軽負荷 態であるために変速機入力軸回転数が高く っており、この摩擦係合要素の係合が完了 た時点での負荷の増大に伴って変速機入力 回転数が急激に低下することで減速側への ョックが発生してしまう。

 これを解消するために、アクセルオフ状 でのシフトダウン時におけるスロットル開 の増大量を小さく設定し、変速ショックを じさせないようにすることが考えられるが これでは上記スポーツサウンドを十分に得 ことができず、自動車のスポーツ性の演出 薄れてしまい、スポーツ走行の演出を期待 ているドライバの要求に応えることができ くなる。このように、特許文献1のものでは 、変速ショックの解消と良好なスポーツサウ ンドの確保とを両立することが困難である。

 一方、上記特許文献2のものでは、変速機 のシフトダウン動作が開始されるまでは点火 タイミングが遅角されているため、変速開始 時点での応答性の向上(エンジンの出力トル 上昇分で変速機入力軸回転数を引き上げる とによる応答性の向上)を図ることができず また、この変速機のシフトダウン動作が開 される前段階でスポーツサウンドを得るこ もできなかった。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、上記ア セルオフ等に伴う駆動源の被駆動状態にお る変速機のシフトダウン時に、変速ショッ を抑制しながらも、良好なスポーツサウン を確保してスポーツ性の演出が十分に行え 車両の出力制御装置を提供することにある

 -課題の解決原理-
 上記の目的を達成するために講じられた本 明の解決原理は、内燃機関(駆動源)の被駆 状態で変速機のシフトダウンが行われる際 、内燃機関の出力トルクを増加させる動作 、この出力トルクを減少させる動作とを同 に実行し、その収支において、出力トルク 増加量の方が大きくなるように設定する。 れにより、必要以上に(車両の飛び出し感が 生する以上に)内燃機関の出力トルクを増加 させることなく、且つ吸入空気量を十分に確 保するなどして車両のスポーツ性の演出が十 分に行えるスポーツサウンドが得られるよう にしている。

 -解決手段-
 具体的に、本発明は、駆動源からの駆動力 変速機によって変速して駆動輪に伝達する 両における上記駆動源の出力を制御する装 を前提とする。この出力制御装置に対し、 フトダウン認識手段、トルクアップ手段、 ルクダウン手段、トルクアップ実行手段、 ルクダウン実行手段、出力トルク制御手段 備えさせている。シフトダウン認識手段は 上記駆動源の被駆動状態において変速機の フトダウン動作が行われることを認識する のである。トルクアップ手段は、上記駆動 の出力トルクを増加させることが可能であ 。トルクダウン手段は、上記駆動源の出力 ルクを減少させることが可能である。トル アップ実行手段は、上記シフトダウン認識 段からの出力を受け、上記駆動源の被駆動 態において変速機のシフトダウン動作が行 れる際に、上記トルクアップ手段による駆 源の出力トルクの増加動作を開始させるも である。トルクダウン実行手段は、上記ト クアップ実行手段によって駆動源の出力ト クの増加動作が開始され、駆動源の出力ト クが増加するタイミングに略一致するタイ ングで、上記トルクダウン手段による駆動 の出力トルクの減少動作を開始させるもの ある。そして、出力トルク制御手段は、上 トルクアップ実行手段によって増加される 動源の出力トルクの増加量が、上記トルク ウン実行手段によって減少される駆動源の 力トルクの減少量よりも大きくなるように 各出力トルクの増加量および減少量を制御 るものである。

 この特定事項により、車両走行中のアク ルオフ等に伴う駆動源の被駆動状態におい 変速機のシフトダウン動作が行われる際に 、そのことをシフトダウン認識手段が認識 る。例えば、車両のドライバのシフトダウ 操作に伴う指令信号を受信することでシフ ダウン動作が行われることを認識する。こ に従い、トルクアップ実行手段は、トルク ップ手段による駆動源の出力トルクの増加 作を開始する。例えば内燃機関にあっては 入空気量の増量を開始する。そして、この 作によって実際に駆動源の出力トルクが増 するタイミングになると、そのタイミング 略一致するタイミングで、トルクダウン実 手段が作動し、トルクダウン手段による駆 源の出力トルクの減少動作を開始させる。 えば内燃機関にあっては点火栓の点火時期 遅角動作を行う。そして、この場合、駆動 の出力トルクの増加量(トルクアップ実行手 段の作動によるトルクアップ量)および出力 ルクの減少量(トルクダウン実行手段の作動 よるトルクダウン量)は出力トルク制御手段 によって制御され、駆動源の出力トルクの増 加量が、駆動源の出力トルクの減少量よりも 大きく設定される。このため、吸入空気量を 十分に確保するなどしてスポーツ性の演出が 十分に行えるスポーツサウンドを得ることを 可能にしながらも、必要以上に(車両の飛び し感が発生する以上に)駆動源の出力トルク 増加してしまうことがなくなる。これによ 、変速ショックを抑制しながらシフトダウ 動作時の変速応答性の向上と、良好なスポ ツサウンドの確保とを両立することが可能 なる。

 また、上述したトルクアップ実行手段に る駆動源の出力トルクの増加を終了させる の動作として具体的には以下のものが挙げ れる。つまり、上記トルクアップ実行手段 よる駆動源の出力トルクの増加動作が終了 て、駆動源の出力トルクが減少するタイミ グに略一致するタイミングで、上記トルク ウン実行手段による駆動源の出力トルクの 少動作を終了させるトルク制御終了手段を えさせている。

 これによれば、トルクアップ実行手段の 作によって駆動源の出力トルクが増加して る期間と、トルクダウン実行手段の動作に って駆動源の出力トルクが減少している期 とを略一致させることができる。つまり、 ルクアップ実行手段の動作によって駆動源 出力トルクが増加している状態であるにも わらず、トルクダウン実行手段の動作(駆動 源の出力トルクを減少させる動作)が終了し 駆動源の出力トルクが大きくなり過ぎて車 の飛び出し感が発生してしまうといったこ がなくなる。また、トルクアップ実行手段 動作(駆動源の出力トルクを増加させる動作) が終了しているにも拘わらず、トルクダウン 実行手段の動作によって駆動源の出力トルク が減少している状態が継続され、車両の急減 速が生じてしまうといったこともなくなる。

 上記トルクアップ実行手段による出力ト クの増加動作として具体的には以下のもの 挙げられる。先ず、上記駆動源を内燃機関 する。また、上記トルクアップ手段を、内 機関の吸気量を調整可能とするスロットル ルブとする。そして、上記トルクアップ実 手段が、内燃機関の被駆動状態において変 機のシフトダウン動作が行われる際に、上 スロットルバルブの開度を増大させて内燃 関の吸気量を増加させ、これにより内燃機 からの出力トルクを増加させる構成として る。

 一方、上記トルクダウン実行手段による 力トルクの減少動作として具体的には以下 ものが挙げられる。先ず、上記駆動源を内 機関とする。また、上記トルクダウン手段 、内燃機関の点火栓、または、吸排気弁と る。そして、上記トルクダウン実行手段が トルクアップ実行手段の動作によって内燃 関の出力トルクが増加するタイミングに略 致するタイミングで、点火栓の点火時期の 角動作、または、吸排気弁の開閉タイミン の位相変化を行うことにより内燃機関の出 トルクを減少させる構成としている。

 これらの構成により、駆動源である内燃 関の出力トルクを増加させるための構成お び動作、内燃機関の出力トルクを減少させ ための構成および動作を具体的に特定する とができる。特に、内燃機関の出力トルク 増加させる際には、スロットルバルブの開 を増大させて内燃機関の吸気量を増加させ ようにしているため、内燃機関の吸気系に ける吸気音や燃焼室内での燃焼音を効果的 発生させて良好なスポーツサウンドを得る とができる。また、内燃機関の出力トルク 減少させる際には、点火栓の点火時期の遅 動作、または、吸排気弁の開閉タイミング 位相変化を行うことで、これらの制御開始 ら短時間のうちに内燃機関の出力トルクを 少させることが可能であり、この出力トル を減少させるための動作に遅れが生じて変 機の入力軸回転数が急上昇し(内燃機関の出 力トルクを増加させる動作のみが先行して行 われることに起因して入力軸回転数が急上昇 し)シフトダウン動作に悪影響を及ぼすとい たことが回避される。

 より具体的に、上記トルクダウン実行手 による駆動源の出力トルクの減少動作の開 タイミングとしては、スロットルバルブの 度を増大させるタイミング、内燃機関の出 トルクの推定値または実測値が増加するタ ミングの何れかに略一致させる構成として る。

 また、上記シフトダウン認識手段は、車 の運転者による手動シフトダウン操作がな れた場合にシフトダウン動作が行われたこ を認識する構成としている。

 これにより、運転者(ドライバ)の意思(シ トダウンの意思)に応答して良好なスポーツ サウンドを得ることができる。つまり、運転 者によるシフトダウン操作の度に大きなスポ ーツサウンドを伴ってシフトダウン側への変 速動作が行われるため、スポーツ走行の演出 を期待しているドライバの要求に的確に応え ることが可能になる。

 トルクアップ実行手段によって駆動源の 力トルクの増加動作を開始させるタイミン としては、シフトダウン認識手段が変速機 シフトダウン動作を認識した後、所定の遅 時間を経過したタイミングに設定される。

 特に油圧制御により変速動作を行う自動 速機の場合、変速指令を受けた時点(シフト ダウン認識手段が変速機のシフトダウン動作 を認識した時点)の後、油圧が上昇し、所定 摩擦係合要素の解放および係合が開始され までの時間遅れが考えられる。このため、 述した如く、駆動源の出力トルクの増加動 を開始させるタイミングを遅らせることで 摩擦係合要素の動作(解放・係合動作)と、駆 動源の出力トルクの増加動作とを同期させる ことが可能となり、シフトダウン動作に適し た駆動源の出力トルクを得ることが可能にな る。

 また、上記出力トルク制御手段による具 的な制御動作としては以下のものが挙げら る。つまり、シフトダウン後の変速段にお る同期回転数まで駆動源の回転数を引き上 ると共に、その出力トルクの増加に伴う作 音(スポーツサウンド)が十分に得られる出 トルクの増加量を出力トルク制御手段が設 するようにしている。

 また、トルクアップ実行手段によって増 される駆動源の出力トルクの増加に伴う車 の前進方向への飛び出し感を招かない目標 ルクを設定し、この目標トルクとなるよう 、トルクダウン実行手段によって減少され 駆動源の出力トルクの減少量を出力トルク 御手段が設定するようにしている。

 更に、上記トルク制御終了手段による具 的な制御動作として、変速機の入力軸回転 が、シフトダウン後の変速段における同期 転数に達する前に、トルクアップ実行手段 よる駆動源の出力トルクの増加動作および ルクダウン実行手段による駆動源の出力ト クの減少動作を共に終了させるようにして る。

 これによれば、シフトダウン動作が終了 た後であるにも拘わらず、トルクアップ実 手段による駆動源の出力トルクの増加動作 継続されて車両の飛び出し感が発生してし ったり、トルクダウン実行手段による駆動 の出力トルクの減少動作が継続されて車両 急減速が生じてしまうといったことがなく り、シフトダウン動作完了時点でのドライ ビリティを良好に確保することができる。

 本発明では、駆動源の被駆動状態で変速 のシフトダウンが行われる際に、駆動源の 力トルクを増加させる動作と、出力トルク 減少させる動作とを同時に実行し、この出 トルクの減少量よりも出力トルクの増加量 方が大きくなるように設定している。これ より、出力トルクを増加させたことによる ポーツサウンドを十分に得ながらも、出力 ルクを減少させたことによる車両の飛び出 感の回避を行うことができ、シフトダウン 作時の変速応答性の向上と、車両のスポー 性の演出とを両立することが可能である。

図1は、実施形態に係る車両のパワート レーンを示す概略構成図である。 図2は、自動変速機における変速機構部 の一例を示すスケルトン図である。 図3は、自動変速機における各クラッチ および各ブレーキの変速段毎の係合状態を示 す図である。 図4は、エンジン制御装置およびトラン スミッション制御装置を含む制御ブロックを 示す概略構成図である。 図5は、シフト装置のシフトゲートを示 す図である。 図6は、変速制御に用いる変速マップを 示す図である。 図7は、アクセルオフ状態でのシフトダ ウン制御動作の手順を示すフローチャート図 である。 図8は、アクセルオフ状態でのシフトダ ウン制御動作が行われる際の、変速指令、自 動変速機の入力軸回転数、スロットルバルブ の開度指令信号、スロットルバルブの実開度 、エンジンの出力トルクの推定値、点火プラ グの点火タイミングをそれぞれ示すタイミン グチャート図である。

符号の説明

1    エンジン(駆動源、内燃機関)
2    自動変速機
6    スロットルバルブ(トルクアップ手段)
12   点火プラグ(トルクダウン手段)
13   VVT機構(トルクダウン手段)

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て説明する。本実施形態では、自動変速機 搭載したFR(フロントエンジン・リヤドライ )車両に対して本発明を適用した場合につい て説明する。また、本実施形態において特徴 とする制御であるアクセルオフ状態(アクセ 開度が非常に小さい状態(例えば開度5%以下) 含む)でのシフトダウン時の制御動作につい て説明する前に、車両のパワートレーン(車 用駆動装置)および自動変速機の基本動作等 ついて説明する。

 図1は、本実施形態に係る車両のパワート レーンを示す概略構成図、図2は、図1の自動 速機2における変速機構部30の一例を示すス ルトン図、図3は、図2の変速機構部30におけ る変速段毎の各クラッチおよび各ブレーキの 係合表である。

 図1中において、1はエンジン(駆動源)、2 自動変速機、3はエンジン制御装置(エンジン ECU)、4はトランスミッション制御装置(変速機 ECU)である。

 -エンジン1-
 エンジン1は、外部から吸入する空気とイン ジェクタ(燃料噴射弁)5から噴射される燃料と を適宜の比率で混合した混合気を、点火プラ グ12の点火によって燃焼させることにより、 転動力を発生する内燃機関である。吸入空 量は、スロットルバルブ(本発明でいうトル クアップ手段)6によって調節される。このス ットルバルブ6は、電動式のアクチュエータ (スロットルモータ等)7により駆動されるもの で、アクセルペダル11の踏み込み量や制御上 条件に基づきアクチュエータ7を駆動するこ とにより開度調節される。インジェクタ5お びアクチュエータ7は、エンジン制御装置3に より制御される。

 -自動変速機2-
 自動変速機2は、エンジン1から入力軸9に入 される回転動力を変速し、出力軸10を介し 駆動輪に出力するもので、主として、トル コンバータ(流体継手)20、変速機構部30、油 制御装置40等を含んで構成されている。

 図2に示すように、トルクコンバータ20は エンジン1に回転連結されるもので、ポンプ インペラ21、タービンランナ22、ステータ23、 ワンウェイクラッチ24、ステータシャフト25 ロックアップクラッチ26を含んで構成されて いる。

 上記ロックアップクラッチ26は、トルク ンバータ20のポンプインペラ21(入力側)とタ ビンランナ22(出力側)とを直結可能とするも であり、必要に応じて、ポンプインペラ21 タービンランナ22とを直結する係合状態と、 ポンプインペラ21とタービンランナ22とを切 離す解放状態と、これら係合状態と解放状 との中間の半係合状態(スリップ状態)との間 で切り換えられる。

 このロックアップクラッチ26の係合力制 は、ロックアップコントロールバルブ27でポ ンプインペラ21とタービンランナ22とに対す 作動油圧をコントロールすることによって われる。

 変速機構部30は、図2に示すように、主と て、第1プラネタリ31、第2プラネタリ32、第3 プラネタリ33、クラッチC1~C4、ブレーキB1~B4、 ワンウェイクラッチF0~F3等を含んで構成され おり、前進6段、後進1段の変速が可能にな ている。

 第1プラネタリ31は、ダブルピニオンタイ と呼ばれる歯車式遊星機構とされており、 ンギアS1と、リングギアR1と、複数個のイン ナーピニオンギアP1Aと、複数個のアウターピ ニオンギアP1Bと、キャリアCA1とを含む構成で ある。

 サンギアS1は、クラッチC3を介して入力軸 9に選択的に連結される。このサンギアS1は、 ワンウェイクラッチF2およびブレーキB3を介 てハウジングに選択的に連結され、逆方向( 力軸9の回転と反対方向)の回転が阻止され 。キャリアCA1は、ブレーキB1を介してハウジ ングに選択的に連結されるとともに、そのブ レーキB1と並列に設けられたワンウェイクラ チF1により、常に逆方向の回転が阻止され 。リングギアR1は、第2プラネタリ32のリング ギアR2と一体的に連結されており、ブレーキB 2を介してハウジングに選択的に連結される

 第2プラネタリ32は、シングルピニオンタ プと呼ばれる歯車式遊星機構とされており サンギアS2と、リングギアR2と、複数個のピ ニオンギアP2と、キャリアCA2とを含む構成で る。

 サンギアS2は、第3プラネタリ33のサンギ S3と一体的に連結されており、クラッチC4を して入力軸9に選択的に連結される。このサ ンギアS2は、ワンウェイクラッチF0およびク ッチC1を介して入力軸9に選択的に連結され その入力軸9に対して相対的に逆方向へ回転 ることが阻止される。キャリアCA2は、第3プ ラネタリ33のリングギアR3と一体的に連結さ ており、クラッチC2を介して入力軸9に選択 に連結されるとともに、ブレーキB4を介して ハウジングに選択的に連結される。このキャ リアCA2は、ブレーキB4と並列に設けられたワ ウェイクラッチF3により、常に逆方向の回 が阻止される。

 第3プラネタリ33は、シングルピニオンタ プと呼ばれる歯車式遊星機構とされており サンギアS3と、リングギアR3と、複数個のピ ニオンギアP3と、キャリアCA3とを含む構成で る。キャリアCA3は、出力軸10に一体的に連 されている。

 クラッチC1~C4およびブレーキB1~B4は、オイ ルの粘性を利用した湿式多板摩擦係合装置( 擦係合要素)により構成されている。

 油圧制御装置40は、変速機構部30における クラッチC1~C4ならびにブレーキB1~B4を個別に 合、解放させることにより適宜の変速段(前 1~6速段、後進段)を成立させるものである。 この油圧制御装置40の基本構成は公知である で、ここでは詳細な図示や説明を割愛する

 ここで、上述した変速機構部30における 変速段を成立させる条件について、図3を用 て説明する。

 図3は、変速機構部30の変速段毎でのクラ チC1~C4、ブレーキB1~B4およびワンウェイクラ ッチF0~F3の係合または解放状態を示す係合表 ある。この係合表において、○印は「係合 、×印は「解放」、◎印は「エンジンブレ キ時に係合」、△印は「駆動時のみ係合」 示す。

 なお、クラッチC1は、前進クラッチ(入力 ラッチ)と呼ばれ、図3の係合表に示すよう 、パーキングポジション(P)、リバースポジ ョン(R)、ニュートラルポジション(N)以外で る、車両が前進するための変速段を成立さ る際に係合状態で使用される。

 -エンジン制御装置3、トランスミッション 御装置4-
 エンジン制御装置3は、走行状況に応じてエ ンジン1へ供給する混合気や燃焼タイミング 制御することによりエンジン1を駆動するも である。

 トランスミッション制御装置4は、油圧制 御装置40を制御することにより変速機構部30 おける適宜の変速段つまり動力伝達経路を 立させるものである。

 また、これらエンジン制御装置3とトラン スミッション制御装置4とは、エンジン制御 トランスミッション制御に必要な情報を互 に送受可能に接続されている。

 エンジン制御装置3およびトランスミッシ ョン制御装置4は、図示していないが、共に 般的に公知のECU(Electronic Control Unit)とされ おり、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)、RO M(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および バックアップRAMなどを備えている。

 ROMは、各種制御プログラムや、それら各 制御プログラムを実行する際に参照される ップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶 れた各種制御プログラムやマップに基づい 演算処理を実行する。RAMは、CPUでの演算結 や各センサから入力されたデータ等を一時 に記憶するメモリであり、バックアップRAM 、エンジン1の停止時にその保存すべきデー タ等を記憶する不揮発性のメモリである。

 図4に示すように、エンジン制御装置3に 、上記エンジン1のクランクシャフトの回転 を検出するエンジン回転数センサ101、上記 ロットルバルブ6の開度を検出するスロット ル開度センサ102、吸入空気量を検出するエア フローメータ103などのエンジン1の運転状態 検出する各種センサが接続されており、そ 各センサの信号が入力される。また、この ンジン制御装置3は、スロットルバルブ6のア クチュエータ7、インジェクタ5の燃料噴射量 燃料噴射タイミング、点火プラグ(本発明で いうトルクダウン手段)12の点火タイミング、 吸排気バルブの開閉タイミングの位相を変化 させるためのVVT(Variable Valve Timing)機構(本発 でいうトルクダウン手段)13などのエンジン1 の各部を制御する。

 また、このエンジン制御装置3のROMには、 エンジン1の出力トルクを推定するためのト ク推定マップが記憶されている。このトル 推定マップにより、上記エンジン回転数セ サ101によって検出されるエンジン回転数、 ロットル開度センサ102によって検出される ロットル開度、エアフローメータ103によっ 検出される吸入空気量に基づいて、現在の ンジン1の出力トルクを推定可能となってい 。

 トランスミッション制御装置4には、上記 入力軸9の回転数を検出する入力軸回転数セ サ110、出力軸10の回転数を検出する出力軸回 転数センサ111、ドライバにより操作されるア クセルペダル11の開度を検出するアクセル開 センサ112、自動変速機2のシフトレバー位置 を検出するシフトポジションセンサ113、駆動 輪の速度(車輪速度)を検出する車輪速センサ1 14などが接続されている。尚、この車輪速セ サ114は、各車輪に備えられており、ABS(Antilo ck Brake System)制御において路面状況を検知す るためのものとして使用されている。

 また、このトランスミッション制御装置4 は、上記ロックアップコントロールバルブ27 ロックアップクラッチ制御信号を出力する このロックアップクラッチ制御信号に基づ てロックアップコントロールバルブ27がロ クアップクラッチ26の係合圧を制御し、上述 したロックアップクラッチ26の係合状態(トル コン状態)、解放状態(完全スリップ状態)、半 係合状態(スリップ状態:フレックスロックア プ状態とも呼ばれる)が切り換えられるよう になっている。

 さらに、トランスミッション制御装置4は 、自動変速機2の油圧制御装置40にソレノイド 制御信号(油圧指令信号)を出力する。このソ ノイド制御信号に基づいて油圧制御装置40 油圧制御回路に備えられているリニアソレ イドバルブやオンオフソレノイドバルブな が制御され、所定の変速段(第1変速段~第6変 段、後退変速段など)を達成するように、自 動変速機2の各クラッチC1~C4、各ブレーキB1~B4 どが所定の状態に係合または解放される。

 -シフト装置50およびパドルスイッチ61,62-
 また、本実施形態に係る車両の運転席の近 にはシフト装置50が配置されている(図1参照 )。このシフト装置50にはシフトレバー51が変 操作可能に設けられている。また、このシ ト装置50には、図5に示すように、パーキン (P)位置、リバース(R)位置、ニュートラル(N) 置、ドライブ(D)位置、および、シーケンシ ル(S)位置を有するシフトゲートが形成され おり、ドライバが所望の変速位置へシフト バー51を変位させることが可能となってい 。これらパーキング(P)位置、リバース(R)位 、ニュートラル(N)位置、ドライブ(D)位置、 ーケンシャル(S)位置(下記の「+」位置および 「-」位置も含む)の各変速位置は、上記シフ ポジションセンサ113によって検出される。

 上記シフトレバー51が「ドライブ(D)位置 に操作されている状態では、自動変速機2は 自動変速モード」とされ、後述する変速マ プに従って変速段が選定されて自動変速動 が行われる。

 一方、上記シフトレバー51が「シーケン ャル(S)位置」に操作されている状態では、 動変速機2は「手動変速モード」とされる。 のS位置の前後には「+」位置および「-」位 が設けられている。「+」位置は、マニュア ルアップシフトの際にシフトレバー51が操作 れる位置であり、「-」位置は、マニュアル ダウンシフトの際にシフトレバー51が操作さ る位置である。そして、シフトレバー51がS 置にあるときに、シフトレバー51がS位置を 立位置として「+」位置または「-」位置に 作されると、自動変速機2の変速段がアップ たはダウンされる。具体的には、「+」位置 への1回操作ごとに変速段が1段ずつアップ(例 えば1st→2nd→・・→6th)される。一方、「-」 置への1回操作ごとにギヤ段が1段ずつダウ (例えば6th→5th→・・→1st)される。

 また、図1に示すように、本実施形態に係 る車両の運転席の前方に配設されるステアリ ングホイール60には、パドルスイッチ61,62が けられている。これらパドルスイッチ61,62は レバー形状とされ、変速段のアップシフトを 要求する指令信号を出力するためのアップシ フト用パドルスイッチ61と、変速段のダウン フトを要求する指令信号を出力するための ウンシフト用パドルスイッチ62とを備えて る。上記アップシフト用パドルスイッチ61に は「+」の記号が、上記ダウンシフト用パド スイッチ62には「-」の記号がそれぞれ付さ ている。

 そして、上記シフトレバー51が「シーケ シャル(S)位置」に操作されて「手動変速モ ド」となっている場合には、アップシフト パドルスイッチ61が操作(手前に引く操作)さ ると、1回操作ごとに変速段が1段ずつアッ (例えば1st→2nd→・・→6th)される。一方、ダ ウンシフト用パドルスイッチ62が操作(手前に 引く操作)されると、1回操作ごとに変速段が1 段ずつダウン(例えば6th→5th→・・→1st)され 。

 また、本実施形態のものでは、所謂、Dレ ンジパドルアクティブ制御も可能となってい る。つまり、上記シフトレバー51が「ドライ (D)位置」に操作されて自動変速機2が「自動 変速モード」となっている状態であっても、 パドルスイッチ61,62の操作による手動変速動 が可能となっている。具体的には、このよ にシフトレバー51が「ドライブ(D)位置」に 作されている状態では「自動変速モード」 され、基本的には、後述する変速マップに って変速段が選定されて自動変速動作が行 れるが、この状態で、アップシフト用パド スイッチ61が操作されると変速段がアップさ れ、ダウンシフト用パドルスイッチ62が操作 れると変速段がダウンされるようになって る。また、その後に、パドルスイッチ61,62 操作されない状態が所定時間継続したり、 クセルペダル11の踏み込み量が大きくなった りして「自動変速モード」への復帰条件が成 立すると、変速マップに従った自動変速動作 に復帰するようになっている。

 -変速マップ-
 上記「自動変速モード」における自動変速 2の変速制御は、例えば図6に示すような変 マップ(変速条件)に従って行われる。この変 速マップは、車速Vおよびアクセル開度θTHを ラメータとし、それら車速Vおよびアクセル 開度θTHに応じて、適正な変速段を求めるた の複数の領域が設定されたマップであって 上記トランスミッション制御装置4のROM内に 憶されている。変速マップの各領域は複数 変速線(変速段の切り換えライン)によって 画されている。尚、図6に示す変速マップに いて、シフトアップ線(変速線)を実線で示 、シフトダウン線(変速線)を破線で示してい る。また、シフトアップおよびシフトダウン の各切り換え方向を図中に数字と矢印とを用 いて示している。

 -自動変速機2の変速制御動作-
 次に、上述の如く構成された自動変速機2の 変速制御動作について説明する。

 先ず、シフトレバー51が「ドライブ(D)位 」に操作されている「自動変速モード」に いて説明する。

 トランスミッション制御装置4は、上記出 力軸回転数センサ111の出力信号から車速Vを 出するとともに、アクセル開度センサ112の 力信号からアクセル開度θTHを算出し、それ 車速Vおよびアクセル開度θTHに基づいて図6 変速マップを参照して目標変速段を算出す 。さらに、上記入力軸回転数センサ110およ 出力軸回転数センサ111の出力信号から得ら る回転数の比(出力回転数/入力回転数)を求 て現在変速段を判定し、その現在変速段と 標変速段とを比較して変速操作が必要であ か否かを判定する。

 その判定結果により、変速の必要がない 合(現在変速段と目標変速段とが同じで、変 速段が適切に設定されている場合)には、現 変速段を維持するソレノイド制御信号(油圧 令信号)を自動変速機2の油圧制御装置40に出 力する。

 一方、現在変速段と目標変速段とが異な 場合には変速制御を行う。例えば、自動変 機2の変速段が「4速」の状態で走行してい 状況から、車両の走行状態が変化して、例 ば図6に示す点Aから点Bに変化した場合、シ トアップ変速線[4→5]を跨ぐ変化となるので 変速マップから算出される目標変速段が「5 速」となり、その5速の変速段を設定するソ ノイド制御信号(油圧指令信号)を自動変速機 2の油圧制御装置40に出力して、4速の変速段 ら5速の変速段への変速(4→5アップ変速)を行 う。

 また、例えば、自動変速機2の変速段が「 6速」の状態で走行している状況から、車両 走行状態が変化して、例えば図6に示す点Cか ら点Dに変化した場合、シフトダウン変速線[6 →5]を跨ぐ変化となるので、変速マップから 出される目標変速段が「5速」となり、その 5速の変速段を設定するソレノイド制御信号( 圧指令信号)を自動変速機2の油圧制御装置40 に出力して、6速の変速段から5速の変速段へ 変速(6→5ダウン変速)を行う。尚、この6速 変速段から5速の変速段への変速動作は、ク ッチC3を解放状態から係合状態に移行させ と同時に、ブレーキB2を係合状態から解放状 態に移行させる、所謂クラッチツークラッチ 変速となっている。

 一方、このようにシフトレバー51が「ド イブ(D)位置」に操作されている「自動変速 ード」であっても、ドライバがパドルスイ チ61,62を操作した場合には、その操作に従っ て変速動作(手動変速動作)が行われる。つま 、この「自動変速モード」時において、ア プシフト用パドルスイッチ61が操作される 、アップシフトのためのソレノイド制御信 (油圧指令信号)が自動変速機2の油圧制御装 40に出力され変速段がアップされる。一方、 ダウンシフト用パドルスイッチ62が操作され と、ダウンシフトのためのソレノイド制御 号(油圧指令信号)が自動変速機2の油圧制御 置40に出力され変速段がダウンされること なる。

 次に、シフトレバー51が「シーケンシャ (S)位置」に操作されている「手動変速モー 」について説明する。

 上述した如く、この「手動変速モード」 は、シフトレバー51の操作およびパドルス ッチ61,62の操作によって変速動作が行われる 。つまり、シフトレバー51が、S位置を中立位 置として、「+」位置へ1回操作されるごとに 速段が1段ずつアップされ、「-」位置へ1回 作されるごとにギヤ段が1段ずつダウンされ る。また、アップシフト用パドルスイッチ61 操作されると、1回操作ごとに変速段が1段 つアップされ、ダウンシフト用パドルスイ チ62が操作されると、1回操作ごとに変速段 1段ずつダウンされる。

 -アクセルオフ状態でのシフトダウン制御動 作-
 次に、本実施形態の特徴とする動作である クセルオフ状態(アクセル開度が非常に小さ い状態(例えば開度5%以下)を含む)でのシフト ウン制御動作について以下に説明する。

 ここでは、自動変速機2が「手動変速モー ド」とされており(シフトレバー51が「シーケ ンシャル(S)位置」にあり)、アクセルオフ状 で、シフトレバー51またはダウンシフト用パ ドルスイッチ62の操作によってシフトダウン 行われる場合について説明する。尚、これ 限らず、自動変速機2が「自動変速モード」 とされている場合において、アクセルオフ状 態でシフトダウンされる際(所謂コーストダ ン変速される際や、上記Dレンジパドルアク ィブ制御によってシフトダウンされる際)に 同様の制御動作を行うようにしてもよい。

 図7は、このアクセルオフ状態でのシフト ダウン制御動作の手順を示すフローチャート である。また、図8は、このアクセルオフ状 でのシフトダウン制御動作が行われる際の 変速指令、自動変速機2の入力軸回転数、ス ットルバルブ6の開度指令信号、スロットル バルブ6の実開度、エンジン1の出力トルクの 定値、点火プラグ12の点火タイミングの変 の一例を示している。

 尚、上記変速指令は、上記シフトポジシ ンセンサ113またはパドルスイッチ61,62から 指令信号であって、シフトレバー51がS位置 中立位置から「-」位置に操作された場合や ダウンシフト用パドルスイッチ62が操作さ た場合には、この変速指令としてシフトダ ン指令が発信される。また、上記入力軸回 数は、入力軸回転数センサ110によって検出 れた入力軸9の回転数である。上記スロット バルブ6の開度指令信号は、上記エンジン制 御装置3からスロットルバルブ6のアクチュエ タ7に送信される制御信号である。上記スロ ットルバルブ6の実開度は、スロットル開度 ンサ102によって検出される。また、このス ットルバルブ6の実開度は、スロットルバル 6のアクチュエータ7に制御信号(開度指令信 )が送信された後、僅かな時間遅れをもって 、その制御信号に従った開度となる。エンジ ン1の出力トルクの推定値は、上述した如く エンジン制御装置3のROMに記憶されたトルク 定マップを用い、エンジン回転数、スロッ ル開度、吸入空気量をパラメータとして求 られる。点火プラグ12の点火タイミングは 上記エンジン制御装置3から点火プラグ12に 信される制御信号に従って設定される。こ 場合、点火タイミングが遅角されるほど、 ンジン1の出力トルクとしては小さくなる。

 図7に示すフローチャートおよび図8に示 タイミングチャートに沿って、アクセルオ 状態でのシフトダウン制御動作の手順につ て以下に説明する。この図7に示すアクセル フ・シフトダウン動作の制御ルーチンは、 動車の走行中に、上記エンジン制御装置3に おいて所定時間(例えば数msec)毎に繰り返して 実行される。

 先ず、ステップST1において、アクセルペ ル11の開度(踏み込み量)を、アクセル開度セ ンサ112の出力信号から算出し、このアクセル ペダル11の開度が所定値以下であるか否かを 定する。ここでいう所定値としては例えば 度5%が挙げられる。つまり、エンジン1がア ドリング状態またはアクセルペダル11の開 が非常に小さい状態であってエンジン1が被 動状態となっている場合に、このステップS T1ではYes判定される。上記所定値としては上 した値に限らず、例えば実験・計算等によ 経験的に求められる。また、スロットルバ ブ6の全閉状態を検知するアイドル接点を備 えさせ、このアイドル接点がON状態である場 に、このステップST1でYes判定されるように てもよい。

 そして、アクセルペダル11の開度が上記 定値を超えており、このステップST1でNo判定 された場合には、そのまま本ルーチンを終了 する。

 一方、アクセルペダル11の開度が所定値 下であり、ステップST1でYes判定された場合 は、ステップST2に移り、自動変速機2のダウ シフト指令がなされたか否かを判定する(シ フトダウン認識手段によるシフトダウン動作 の認識動作)。つまり、アクセルペダル11の開 度が上記所定値以下である状況で、シフトレ バー51の「-」位置への操作、または、ダウン シフト用パドルスイッチ62の操作がなされた 否かを判定する。これらの操作がなされず ダウンシフト指令が発信されていない場合 は、このステップST2でNo判定され、そのま 本ルーチンを終了する。

 自動変速機2のダウンシフト指令がなされ ており(図8においてはタイミングT1でダウン フト指令が発信されている)、ステップST2でY es判定された場合には、ステップST3に移り、 動変速機2の油圧制御が開始される。この油 圧制御により自動変速機2はシフトダウン動 を開始する。実際には、上記ダウンシフト 令がなされて油圧制御が開始された後、こ 油圧が所定値に上昇するまでの所定の時間 れをもってシフトダウン動作が開始される とになる。

 その後、ステップST4において、スロット バルブ6のアクチュエータ7に対し、スロッ ル開指令信号が出力される(図8におけるタイ ミングT2:トルクアップ実行手段による駆動源 の出力トルクの増加動作の開始)。このスロ トル開指令信号の出力タイミングとしては 上述した如くダウンシフト指令がなされた に油圧が所定値に上昇するまでの時間遅れ 存在することを考慮し、このダウンシフト 令がなされた時点からタイマによって所定 間の経過を待ったタイミングとしている。 のスロットル開指令信号の出力により、ス ットルバルブ6の開度が増大することになる 、実際には、スロットル開指令信号が出力 れた後、僅かな時間遅れをもって、そのス ットル開指令信号に従った開度となる(図8 は、タイミングT3からスロットルバルブ6の 開度は増大している)。

 そして、この際に設定されるスロットル ルブ6の開度は、自動変速機2の摩擦係合要 をシフトダウン後の変速段における同期回 数まで引き上げると共に、エンジン1の出力 ルクの増加に伴う作動音(スポーツサウンド )が十分に得られる開度として設定される。 体的な開度は、例えば実験・計算等により 験的に求められる。例えば開度50%などとし 設定される。

 このスロットル開指令信号に従ってスロ トルバルブ6の開度は増大していき、実際に エンジン1の出力トルクが増大(トルクアップ) したか否かをステップST5で推定する。このト ルクアップの推定動作は、上述したように、 エンジン回転数、スロットル開度、吸入空気 量をパラメータとしたトルク推定マップに基 づいて行われる。

 このステップST5において、エンジン1の出 力トルクが増大したことが認識されてYes判定 されると(図8では、タイミングT4からエンジ 1の出力トルク(推定値)は増大している。つ り、スロットルバルブ6の実開度が増大し始 るタイミングT3に対して僅かな時間遅れを ってエンジン1の出力トルクの増大が開始さ る)、ステップST6に移り、このタイミングT4 ら点火プラグ12の点火タイミングの遅角動 が開始される(トルクダウン実行手段による 動源の出力トルクの減少動作の開始)。この 点火タイミングの遅角動作により、エンジン 1の出力トルクとしては小さくなる。つまり 上述したステップST4におけるスロットルバ ブ6の開度の増大に伴うエンジン1の出力トル クの増加と、このステップST6における点火プ ラグ12の点火タイミングの遅角動作によるエ ジン1の出力トルクの減少とが同時に行われ る。

 そして、ここでのスロットルバルブ6の開 度の増大によるエンジン1の出力トルクの増 量と、点火プラグ12の点火タイミングの遅角 動作によるエンジン1の出力トルクの減少量 の関係としては、出力トルクの増加量が出 トルクの減少量よりも大きくなるように、 ロットルバルブ6の開度の増大量および点火 ラグ12の点火タイミングの遅角量が設定さ る(出力トルク制御手段による各出力トルク 増加量および減少量の制御)。より具体的に は、スロットルバルブ6の開度の増大による ンジン1の出力トルクの増加量としては、吸 空気量の増量によるスポーツサウンドが十 に得られる量として設定される。一方、点 プラグ12の点火タイミングの遅角動作によ エンジン1の出力トルクの減少量としては、 述したスロットルバルブ6の開度の増大によ って増加したエンジン1の出力トルクによっ 車両の前進方向への飛び出し感を招いてし うことがないように目標トルクを設定し、 の目標トルクが得られるようなトルク減少 として設定される。言い換えると、スポー サウンドを十分に得ることができるエンジ 1の出力トルクの増加量から、上記点火タイ ングの遅角動作によるエンジン1の出力トル クの減少量(出力トルクの減少量の絶対値分) け減算した出力トルクが上記目標トルクと るように、各トルクの増加量及び減少量を 定している。

 尚、この点火タイミングの遅角によるエ ジン1の出力トルクの減少量としては、スロ ットルバルブ6の開度の増大によるエンジン1 出力トルクの増加量に基づいて設定しても いし、この出力トルクの増加量に関わりな 設定してもよい。つまり、この点火タイミ グの遅角によるエンジン1の出力トルクの減 少量としては、上記スロットルバルブ6の開 の増大によるエンジン1の出力トルクの増加 起因する車両の飛び出し感が発生しない値 して設定されておればよい。

 その後、スロットルバルブ6の開度が元の 開度に戻り(図8では、タイミングT5でスロッ ル開指令信号が解除され、タイミングT6でス ロットルバルブ6の開度が元の開度(例えばア ドリング運転での開度)に戻っている)、ス ップST7において、エンジン1の出力トルクも 述した増大(トルクアップ)前の状態に戻っ か否かを推定する(図8では、タイミングT7で ンジン1の出力トルクは増大(トルクアップ) の状態に戻っている)。このトルクダウンの 推定動作も、上述したように、エンジン回転 数、スロットル開度、吸入空気量をパラメー タとしたトルク推定マップに基づいて行われ る。

 尚、この場合に、スロットル開指令信号 解除されるタイミング(タイミングT5)として は、シフトダウンが完了(タイミングT8)する 段階で、スロットルバルブ6の実開度が元の 度に戻っており、且つエンジン1の出力トル クもトルクアップ前の状態に戻っているよう に設定される。具体的には、自動変速機2の 力軸回転数がシフトダウン前の変速段にお る同期回転数からシフトダウン後の変速段 おける同期回転数に移っていく変速進行度 所定進行度(例えば、これら同期回転数の回 数差を100%とした場合に、シフトダウン前の 変速段における同期回転数からの上昇量が30% に達した時点:変速進行度30%)でスロットル開 令信号を解除する。尚、このスロットル開 令信号が解除されるタイミングとしては、 れに限定されるものではなく、自動変速機2 のシフトダウン動作の完了時点でエンジン1 出力トルクがトルクアップ前の状態に戻っ いるようなタイミングであればよい。

 上記ステップST7において、エンジン1の出 力トルクが増大前の状態に戻ったことが認識 されてYes判定されると、ステップST8に移り、 このタイミングT7で、点火プラグ12の点火タ ミングの遅角動作が終了される。これによ 点火タイミングの遅角動作によるエンジン1 出力トルクの減少動作は終了する(トルク制 御終了手段による出力トルクの増加動作およ び減少動作の終了)。

 そして、ステップST9でシフトダウン動作 完了したことが判定されると、ステップST10 で、自動変速機2の油圧制御が終了し、次の 速指令を待つことになる。ステップST9にお るシフトダウン完了の判定動作は、具体的 は、自動変速機2の入力軸回転数がシフトダ ン後の変速段における同期回転数(出力軸10 回転数×シフトダウン後の変速段の変速比) 略一致したか否かによって判定される(図8 は、タイミングT8で入力軸回転数がシフトダ ウン後の変速段における同期回転数となって いる)。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、エンジン1の被駆動状態で自動変速機2の フトダウンが行われる際に、吸入空気量の 量によってエンジン1の出力トルクを増加さ る動作と、点火タイミングの遅角によって 力トルクを減少させる動作とを同時に実行 、この出力トルクの減少量よりも出力トル の増加量の方が大きくなるように設定して る。これにより、出力トルクを増加させた とによるスポーツサウンドを十分に得なが も、出力トルクを減少させたことによる車 の飛び出し感の回避を行うことができ、シ トダウン動作時の変速応答性の向上と、車 のスポーツ性の演出とを両立することが可 である。

 特に、本実施形態では、スロットルバル 6の開度を増大させてエンジン1の吸気量を 加させることでエンジン1の出力トルクを増 させるようにしているため、エンジン1の吸 気系における吸気音や燃焼室内での燃焼音を 効果的に発生させて良好なスポーツサウンド を十分に得ることができる。

 また、本実施形態では、点火プラグ12の 火タイミングを遅角させることによってエ ジン1の出力トルクを減少させるようにして るため、エンジン制御装置3からの遅角指令 信号の発信から極めて短時間のうちにエンジ ン1の出力トルクを減少させることが可能で る。このため、エンジン1の出力トルクを減 させるタイミングが、エンジン1の出力トル クを増加させるタイミングに対して遅れを生 じてしまうといったことがなく、エンジン1 出力トルクを増加させる動作のみが先行し 行われることに起因して自動変速機2の入力 回転数が急上昇してしまうといったことが 避される。

 -他の実施形態-
 以上説明した実施形態では、3つのプラネタ リ31~33を備える変速機構部30を有する自動変 機2を例に挙げたが、本発明はこれに限るも ではなく種々の変速機構部を有する自動変 機に対して適用することが可能である。ま 、変速機構部30における変速可能な段数に いても特に限定されるものではない。

 また、上述した実施形態では、FR(フロン エンジン・リヤドライブ)車両に対して本発 明を適用した場合について説明したが、FF車 や4輪駆動車に対しても本発明は適用可能で ある。

 また、上記実施形態では、ガソリンエン ン1を搭載した自動車に本発明を適用した場 合について説明した。本発明はこれに限らず 、ディーゼルエンジンを搭載した自動車にも 適用可能である。また、気筒数やエンジン形 式(V型や水平対向型等)についても特に限定さ れるものではない。

 また、上記実施形態では、遊星歯車機構 備えた一般的な自動変速機2を搭載した自動 車に本発明を適用した場合について説明した 。本発明はこれに限らず、一般的なマニュア ルトランスミッションと同様の平行歯車式変 速機で構成され且つ変速動作(ギヤ段の切り え動作)をシフトアクチュエータおよびセレ トアクチュエータ等によって自動的に行う 動化マニュアルトランスミッション(AMT)を 載した自動車に対しても適用可能である。

 また、上記実施形態では、エンジン1の出 力トルクを減少させる手段として点火タイミ ングの遅角動作を行うようにしたが、本発明 はこれに限らず、上記VVT機構13による吸排気 の開閉タイミングの位相を変更する(例えば 吸排気弁のオーバラップ量を小さくする)こ でエンジン1の出力トルクを減少させるもの あってもよい。その他に、吸排気弁のリフ 量を可変とする機構を備えたものにおいて そのリフト量を小さくすることでエンジン1 の出力トルクを減少させるようにしてもよい 。更には、ハイブリッド車両において走行用 モータの出力を自動車の減速側に作用させる ことで車両の飛び出し感を回避するようにし てもよい。

 更に、上記実施形態では、「手動変速モ ド」でのドライバの手動変速動作によるシ トダウン時に上記アクセルオフ状態でのシ トダウン制御動作(以下、本発明の制御動作 と呼ぶ)を行う場合、および、「手動変速モ ド」でのドライバの手動変速動作によるシ トダウン時と「自動変速モード」でのコー トダウン変速時およびDレンジパドルアクテ ブ制御によるシフトダウン時との両方にお て、本発明の制御動作を行う場合について 明した。これに限らず、上記「手動変速モ ド」でのドライバの手動変速動作によるシ トダウン時には本発明の制御動作を行い、 記コーストダウン変速時やDレンジパドルア クティブ制御におけるシフトダウン時には本 発明の制御動作を禁止するようにしてもよい 。また、「ノーマル変速」と「スポーツ変速 」との間で自動変速機2の変速特性を切り換 可能なパターンセレクトスイッチを備えた 動車において、上記「スポーツ変速」が選 された場合に本発明の制御動作を行い、上 「ノーマル変速」が選択された場合には本 明の制御動作を行わないようにしてもよい 、これら両方において共に本発明の制御動 を行うようにしてもよい。

 加えて、上記実施形態のものでは、点火 イミングの遅角を開始するタイミングとし 、エンジン1の出力トルクの推定値を求め、 このエンジン1の出力トルクが増大するタイ ングに略一致するタイミングで点火タイミ グの遅角を開始させていた。本発明はこれ 限らず、エンジン1の出力トルクの実測値を めるようにし、この実測値であるエンジン1 の出力トルクが増大するタイミングに略一致 するタイミングで点火タイミングの遅角を開 始させるようにしてもよい。また、点火タイ ミングの遅角を開始するタイミングとしては 、スロットルバルブ6の開度が増大するタイ ング(図8におけるタイミングT3)に一致させる ようにしてもよい。

 同様に、上記実施形態のものでは、点火 イミングの遅角を終了するタイミングとし 、エンジン1の出力トルクの推定値を求め、 このエンジン1の出力トルクが増加する前の に戻ったタイミングに略一致するタイミン で点火タイミングの遅角を終了させていた 本発明はこれに限らず、エンジン1の出力ト クの実測値を求めるようにし、この実測値 あるエンジン1の出力トルクが増加する前の 値に戻ったタイミングに略一致するタイミン グで点火タイミングの遅角を終了させるよう にしてもよい。また、点火タイミングの遅角 を終了させるタイミングとしては、スロット ルバルブ6の開度が増大前の開度に戻ったタ ミング(図8におけるタイミングT6)に略一致さ せるようにしてもよい。

 本発明は、その精神または主要な特徴か 逸脱することなく、他のいろいろな形で実 することができる。そのため、上述の実施 はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定 に解釈してはならない。本発明の範囲は請 の範囲によって示すものであって、明細書 文には、なんら拘束されない。さらに、請 の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、 て本発明の範囲内のものである。

 なお、この出願は、日本で2007年10月24日 出願された特願2007-276108号に基づく優先権を 請求する。その内容はこれに言及することに より、本出願に組み込まれるものである。ま た、本明細書に引用された文献は、これに言 及することにより、その全部が具体的に組み 込まれるものである。

 本発明の車両の出力制御装置は、内燃機関( 駆動源)の被駆動状態で変速機のシフトダウ が行われる際に、内燃機関の出力トルクを 加させる動作と、この出力トルクを減少さ る動作とを同時に実行し、その収支におい 、出力トルクの増加量の方が大きくなるよ に設定することにより、アクセルオフ等に う駆動源の被駆動状態における変速機のシ トダウン時に、変速ショックを抑制しなが も、良好なスポーツサウンドを確保してス ーツ性の演出を十分に行えるので有益であ 。