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Patent Searching and Data


Title:
BENZANTHRACENE COMPOUND AND ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069602
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a compound which includes, at least as a part thereof, a structure represented by the following formula. (In the formula, FA and FA' independently represent a substituted or unsubstituted hydrocarbon aromatic ring or a hetero atom-containing aromatic ring, and at least one of FA and FA' represents a hetero atom-containing aromatic ring.)

Inventors:
ITO MITSUNORI (JP)
KAWAMURA MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071360
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
ITO MITSUNORI (JP)
KAWAMURA MASAHIRO (JP)
International Classes:
C07D307/91; C07D209/86; C07D333/76; C09K11/06; H01L51/50
Foreign References:
JP2000178548A2000-06-27
JP2007277113A2007-10-25
JP2006190759A2006-07-20
JP2006176448A2006-07-06
Other References:
HWANG, E. ET AL.: "Synthesis and luminescent properties of pentacene derivatives having a chromophore", THIN SOLID FILMS, vol. 499, no. 1-2, 2006, pages 185 - 191
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kihei et al. (26 Kanda Suda-cho 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 41, JP)
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Claims:
 下記式の構造を少なくとも一部として有する化合物。
(式中、FAとFA’は、それぞれ独立して、置換あるいは無置換の炭化水素芳香族環又はヘテロ原子含有芳香族環であり、FAとFA’の少なくとも1つはヘテロ原子含有芳香族環である。)
 下記式の構造を少なくとも一部として有する請求項1に記載の化合物。
(Xは、酸素、硫黄、N-R(Rは炭化水素基)である。FAとFA’は、それぞれ独立して、置換あるいは無置換の炭化水素芳香族環又はヘテロ原子含有芳香族環である。)
 請求項1又は2記載の化合物からなる発光材料。
 陽極及び陰極と、
 前記陽極及び陰極の間に挟持されている、発光層を含む1以上の有機薄膜層とを有し、
 前記有機薄膜層の少なくとも一層が、請求項1又は2記載の化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記化合物を含有する層が、さらに、りん光性ドーパント及び蛍光性ドーパントの少なくとも1つを含有する請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記蛍光性ドーパントが、アリールアミン化合物及びスチリルアミン化合物の少なくとも1つである請求項5記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記りん光性ドーパントが、金属錯体である請求項5又は6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Description:
ベンズアントラセン化合物及び れを用いた有機エレクトロルミネッセンス 子

 本発明は、有機エレクトロルミネッセン 素子の発光材料として有用な、新規なベン アントラセン化合物及びそれを用いた有機 レクトロルミネッセンス素子に関する。

 有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、 電界を印加することにより、陽極より注入さ れた正孔と陰極より注入された電子の再結合 エネルギーにより発光材料が発光する原理を 利用した自発光素子である。
 有機EL素子の進歩は目覚しく、また、有機EL 素子は、低電圧駆動、高輝度、発光波長の多 様性、高速応答性、薄型で軽量な発光デバイ スが作製可能等の特徴を有するため、広汎な 用途への適用が期待されている。

 有機EL素子で使用される発光材料は、素子 発する光の色や発光寿命に大きな影響を与 るため、従来から積極的に研究されている
 発光材料は、単独物質で発光するものや、 スト材料に少量のドーパントを加えて発光 るものが知られている。また、蛍光発光材 の他、燐光性化合物を発光材料として用い 三重項状態のエネルギーを発光に用いるこ が検討されている。このような様々な発光 料により、青色から赤色までの可視領域の 光が得られている。

 具体的な発光材料として、特許文献1、2 ベンズアントラセン誘導体が開示されてい 。しかし、これらのベンズアントラセン誘 体を用いた有機EL素子は、素子寿命が短く、 色度もよくなかった。

特開2000-178548

特開2007-277113

 本発明の目的は、新規な発光材料及びそ 発光材料を用いた有機EL素子を提供するこ である。

 本発明によれば、以下の化合物及び有機EL 子等が提供される。
1.下記式の構造を少なくとも一部として有す 化合物。
(式中、FAとFA’は、それぞれ独立して、置換 るいは無置換の炭化水素芳香族環又はヘテ 原子含有芳香族環であり、FAとFA’の少なく とも1つはヘテロ原子含有芳香族環である。)
2.下記式の構造を少なくとも一部として有す 1に記載の化合物。
(Xは、酸素、硫黄、N-R(Rは炭化水素基)である FAとFA’は、それぞれ独立して、置換あるい は無置換の炭化水素芳香族環又はヘテロ原子 含有芳香族環である。)
3.1又は2記載の化合物からなる発光材料。
4.陽極及び陰極と、
 前記陽極及び陰極の間に挟持されている、 光層を含む1以上の有機薄膜層とを有し、
 前記有機薄膜層の少なくとも一層が、1又は 2記載の化合物を含有する有機エレクトロル ネッセンス素子。
5.前記化合物を含有する層が、さらに、りん 性ドーパント及び蛍光性ドーパントの少な とも1つを含有する4記載の有機エレクトロ ミネッセンス素子。
6.前記蛍光性ドーパントが、アリールアミン 合物及びスチリルアミン化合物の少なくと 1つである5記載の有機エレクトロルミネッ ンス素子。
7.前記りん光性ドーパントが、金属錯体であ 5又は6記載の有機エレクトロルミネッセン 素子。

 本発明によれば、新規な化合物及びその化 物を用いた有機EL素子が提供できる。
 本発明の化合物を用いる有機EL素子は、純 と寿命に優れる。

本発明の有機EL素子の一実施形態の概 断面図である。

 本発明のベンズアントラセン化合物は、下 の構造を少なくとも一部として有する化合 である。
(式中、FAとFA’は、それぞれ独立して、置換 るいは無置換の炭化水素芳香族環又はヘテ 原子含有芳香族環であり、FAとFA’の少なく とも1つはヘテロ原子含有芳香族環である。)

 本発明のベンズアントラセン化合物は、 記式の構造を、一部又は全部として含む。 えば、本発明のベンズアントラセン化合物 、上記式に示す構造がさらに置換されてい もよく、また、上記式に示す構造そのもの もよい。

 ヘテロ原子含有芳香族環の例としては、 ラン、チオフェン、ベンゾフラン、ジベン フラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオ ェン、カルバゾール、ベンゾカルバゾール ジベンゾカルバゾール、インドール、イソ ンドール、イソベンゾフラン、キノリン、 ソキノリン、フェナントリン、アクリジン 1,7-フェナントロリ、1,8-フェナントロリン 1,9-フェナントロリン、2,9-フェナントロリン 、2,8-フェナントロリン、2,7-フェナントロリ 、フェナジン、フェノチアジン、フェノキ ジン、オキサゾリン、オキサジアゾリン、 ンノリン、キノキサリン、フタラジン、フ ナントリジン、インドリジン、キナゾリン 1H-インダゾール、フェノキサチイン、チア トレン、フラザン、インドリン、イソイン リン、クロマン、イソクロマンが挙げられ 。

 好適なヘテロ原子含有芳香族環の例とし は、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラ 、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベン チオフェン、インドール、カルバゾールが げられる。ヘテロ原子含有芳香族環は、好 しくはヘテロ原子含有縮合環であり、例え ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾチ フェン、ジベンゾチオフェンである。

 好適なベンズアントラセン化合物は、下記 構造を少なくとも一部として有する化合物 ある。
(Xは、酸素、硫黄、N-R(Rは炭化水素基)である FAとFA’は、それぞれ独立して、置換あるい は無置換の炭化水素芳香族環又はヘテロ原子 含有芳香族環である。)
 Rの炭化水素基として、メチル基、エチル基 、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基 、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基、キ シリル基を例示できる。

 炭化水素芳香族環の例としては、フェニ 基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アント ニル基、2-アントラニル基、9-アントラニル 基、1-フェナントリル基、9-フェナントリル 、1-ピレニル基、2-ピレニル基、1-クリセニ 基、2-クリセニル基、3-クリセニル基、4-ク セニル基、5-クリセニル基、6-クリセニル基 挙げられる。

 好適な炭化水素芳香族環は炭化水素縮合 であり、好適な炭化水素縮合環の例は、2~4 のベンゼン環の組み合わせであり、より好 しくは2~3個のベンゼン環の組み合わせであ 、特に好ましくはナフチルである。

 上記式の構造の置換基としては、置換若 くは無置換のアルキル基(好ましくは炭素数 1~20、より好ましくは炭素数1~12、特に好まし は炭素数1~8であり、例えばメチル、エチル イソプロピル、t-ブチル、n-オクチル、n-デ ル、n-ヘキサデシル、シクロプロピル、シ ロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられ 。)、置換若しくは無置換のアルケニル基(好 ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~ 12、特に好ましくは炭素数2~8であり、例えば ニル、アリル、2-ブテニル、3-ペンテニル等 が挙げられる。)、置換若しくは無置換のア キニル基(好ましくは炭素数2~20、より好まし くは炭素数2~12、特に好ましくは炭素数2~8で り、例えばプロパルニル、3-ペンチニル等が 挙げられる。)、置換若しくは無置換のアリ ル基(好ましくは炭素数6~60のアリール基、よ り好ましくは炭素数6~20であり、例えばフェ ル、ナフチル、アントラセニル、フェナン リル、ベンゾアントラセニル、クリセニル ピレニル)、置換又は無置換のアミノ基(好ま しくは炭素数0~20、より好ましくは炭素数0~12 特に好ましくは炭素数0~6であり、例えばア ノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエ ルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジル ミノ等が挙げられる。)、置換若しくは無置 換のアルコキシ基(好ましくは炭素数1~20、よ 好ましくは炭素数1~12、特に好ましくは炭素 数1~8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブ トキシ等が挙げられる。)、置換若しくは無 換のアリールオキシ基(好ましくは炭素数6~20 、より好ましくは炭素数6~16、特に好ましく 炭素数6~12であり、例えばフェニルオキシ、2 -ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル (好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭 数1~16、特に好ましくは炭素数1~12であり、例 えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバ ロイル等が挙げられる。)、置換若しくは無 換のアルコキシカルボニル基(好ましくは炭 数2~20、より好ましくは炭素数2~16、特に好 しくは炭素数2~12であり、例えばメトキシカ ボニル、エトキシカルボニル等が挙げられ 。)、置換若しくは無置換のアリールオキシ カルボニル基(好ましくは炭素数7~20、より好 しくは炭素数7~16、特に好ましくは炭素数7~1 0であり、例えばフェニルオキシカルボニル が挙げられる。)、置換若しくは無置換のア ルオキシ基(好ましくは炭素数2~20、より好 しくは炭素数2~16、特に好ましくは炭素数2~10 であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキ シ等が挙げられる。)、置換若しくは無置換 アシルアミノ基(好ましくは炭素数2~20、より 好ましくは炭素数2~16、特に好ましくは炭素 2~10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾ ルアミノ等が挙げられる。)、置換若しくは 無置換のアルコキシカルボニルアミノ基(好 しくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~16 、特に好ましくは炭素数2~12であり、例えば トキシカルボニルアミノ等が挙げられる。) 置換若しくは無置換のアリールオキシカル ニルアミノ基(好ましくは炭素数7~20、より ましくは炭素数7~16、特に好ましくは炭素数7 ~12であり、例えばフェニルオキシカルボニル アミノ等が挙げられる。)、置換又は無置換 スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1~20、 より好ましくは炭素数1~16、特に好ましくは 素数1~12であり、例えばメタンスルホニルア ノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げら る。)、置換又は無置換のスルファモイル基 (好ましくは炭素数0~20、より好ましくは炭素 0~16、特に好ましくは炭素数0~12であり、例 ばスルファモイル、メチルスルファモイル ジメチルスルファモイル、フェニルスルフ モイル等が挙げられる。)、置換又は無置換 カルバモイル基(好ましくは炭素数1~20、よ 好ましくは炭素数1~16、特に好ましくは炭素 1~12であり、例えばカルバモイル、メチルカ ルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニ ルカルバモイル等が挙げられる。)、置換若 くは無置換のアルキルチオ基(好ましくは炭 数1~20、より好ましくは炭素数1~16、特に好 しくは炭素数1~12であり、例えばメチルチオ エチルチオ等が挙げられる。)、置換若しく は無置換のアリールチオ基(好ましくは炭素 6~20、より好ましくは炭素数6~16、特に好まし くは炭素数6~12であり、例えばフェニルチオ が挙げられる。)、置換又は無置換のスルホ ル基(好ましくは炭素数1~20、より好ましく 炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12であり 、例えばメシル、トシル等が挙げられる。) 置換又は無置換のスルフィニル基(好ましく 炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~16、特 好ましくは炭素数1~12であり、例えばメタン ルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙 られる。)、置換又は無置換のウレイド基( ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1 ~16、特に好ましくは炭素数1~12であり、例え ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレ ド等が挙げられる。)、置換又は無置換のリ 酸アミド基(好ましくは炭素数1~20、より好 しくは炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12 であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェ ニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒド キシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例え フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素 子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基 、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ 基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基( ましくは炭素数1~30、より好ましくは炭素数1 ~12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素 原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり 具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、 キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、 モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイ ミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリ ル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは 素数3~40、より好ましくは炭素数3~30、特に ましくは炭素数3~24であり、例えばトリメチ シリル、トリフェニルシリル等が挙げられ 。)等が挙げられる。これらの置換基はさら に置換されてもよい。また置換基が二つ以上 ある場合は、同一でも異なっていてもよい。 また、可能な場合には互いに連結して環を形 成していてもよい。

 好適な置換基の例としては、メチル、エ ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec- ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、フェ ル、1-ナフチル、2-ナフチル、トリメチルシ リル、トリフェニルシリルが挙げられる。

 上記のベンズアントラセン化合物として、 下の化合物を例示できる。

 上記のベンズアントラセン化合物は、有 EL素子用の発光材料として使用できる。

 本発明の有機EL素子は、陽極及び陰極と 陽極及び陰極の間に挟持されている、発光 を含む1以上の有機薄膜層とを有し、有機薄 層の少なくとも一層が、上記の化合物を含 する。

 上記化合物を含有する層は、さらに、り 光性ドーパント及び蛍光性ドーパントの少 くとも1つを含有することができる。このよ うなドーパントを含むことにより、りん光発 光及び蛍光発光層として機能することができ る。

 本発明の有機EL素子の代表的な構成として
  (1)陽極/発光層/陰極
  (2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
  (3)陽極/発光層/電子注入層/陰極
  (4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰
  (5)陽極/有機半導体層/発光層/陰極
  (6)陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/ 極
  (7)陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/ 極
  (8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電 注入層/陰極
  (9)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
  (10)陽極/無機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁 層/陰極
  (11)陽極/有機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁 層/陰極
  (12)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発 光層/絶縁層/陰極
  (13)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発 光層/電子注入層/陰極
等を挙げることができるが、これらに限定さ れない。これらの中で通常(8)の構成が好まし く用いられる。

 本発明の有機EL素子において、本発明の 合物は、上記のどの有機層に用いられても いが、好ましくは発光帯域に含有され、特 好ましくは発光層に含有される。含有量は ましくは30~100wt%である。ただし、他の有機 に用いられる場合は、単独層で用いてもよ し、他の材料との混合層として用いてもよ 。

 図1に(8)の構成を示す。この有機EL素子は 陰極20及び陽極10と、その間に挟持されてい る、正孔注入層30、正孔輸送層32、発光層34、 電子注入層36からなる。正孔注入層30、正孔 送層32、発光層34、電子注入層36が、複数の 機薄膜層に相当する。これら有機薄膜層30,32 ,34,36の少なくとも一層が、上記のベンズアン トラセン化合物を含有する。

 以下有機EL素子の各部材について説明する
 有機EL素子は、通常基板上に作製し、基板 有機EL素子を支持する。平滑な基板を用いる のが好ましい。この基板を通して光を取り出 すときは、基板は透光性であり、波長400~700nm の可視領域の光の透過率が50%以上であるもの が望ましい。
 このような透光性基板としては、例えば、 ラス板、合成樹脂板等が好適に用いられる ガラス板としては、ソーダ石灰ガラス、バ ウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラ 、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラ 、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等の板 挙げられる。また、合成樹脂板としては、 リカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ チレンテレフタレート樹脂、ポリエーテル ルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂等の板が げられる。

 陽極は、正孔を正孔注入層、正孔輸送層又 発光層に注入し、4.5eV以上の仕事関数を有 ることが効果的である。陽極材料の具体例 しては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジ ウムと酸化亜鉛の混合物、ITOと酸化セリウム の混合物、IZOと酸化セリウムの混合物、酸化 インジウムと酸化セリウムの混合物、酸化亜 鉛と酸化アルミニウムの混合物(AZO)、酸化錫( NESA)、金、銀、白金、銅等が挙げられる。
 陽極はこれらの電極物質から蒸着法やスパ タリング法等で形成できる。
 発光層からの発光を陽極から取り出す場合 陽極の発光に対する透過率を10%より大きく ることが好ましい。また陽極のシート抵抗 、数百ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は 料にもよるが、通常10nm~1μm、好ましくは10~2 00nmである。

 発光層は、以下の機能を有する。
(i)注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入 より正孔を注入することができ、陰極又は 子注入層より電子を注入することができる 能
(ii)輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電 の力で移動させる機能
(iii)発光機能;電子と正孔の再結合させ、これ を発光につなげる機能

 発光層を形成する方法としては、例えば蒸 法、スピンコート法、LB法等の公知の方法 適用することができる。発光層は、特に分 堆積膜であることが好ましい。分子堆積膜 は、気相状態の材料化合物を沈着して形成 た膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合 を固体化して形成した膜のことであり、通 この分子堆積膜は、LB法により形成された薄 膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相 や、それに起因する機能的な相違により区 することができる。
 また樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤 溶かして溶液とした後、これをスピンコー 法等により薄膜化することによっても、発 層を形成することができる。

 発光層に使用できる発光材料又はドーピ グ材料としては、例えば、アントラセン、 フタレン、フェナントレン、ピレン、テト セン、コロネン、クリセン、フルオレセイ 、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペ レン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタ ペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラ ェニルブタジエン、クマリン、オキサジア ール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジ ン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金 錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、 フェニルエチレン、ビニルアントラセン、 アミノカルバゾール、ピラン、チオピラン ポリメチン、メロシアニン、イミダゾール レート化オキシノイド化合物、キナクリド 、ルブレン及びこれらの誘導体や蛍光色素 が挙げられるが、これらに限定されるもの はない。

 発光層に併用できるホスト材料の具体例と ては、下記(i)~(ix)で表される化合物が挙げ れる。
 下記式(i)で表される非対称アントラセン。

(式中、Ar 001 は置換もしくは無置換の核炭素数10~50の縮合 香族基である。Ar 002 は置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香 基である。X 001 ~X 003 は、それぞれ独立に置換もしくは無置換の核 炭素数6~50の芳香族基、置換もしくは無置換 核原子数5~50の芳香族複素環基、置換もしく 無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もし くは無置換の炭素数1~50のアルコキシ基、置 もしくは無置換の炭素数6~50のアラルキル基 置換もしくは無置換の核原子数5~50のアリー ルオキシ基、置換もしくは無置換の核原子数 5~50のアリールチオ基、置換もしくは無置換 炭素数1~50のアルコキシカルボニル基、カル キシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニト 基、ヒドロキシ基である。a、b及びcは、そ ぞれ0~4の整数である。nは1~3の整数である。 また、nが2以上の場合は、[ ]内は、同じでも 異なっていてもよい。)

 下記式(ii)で表される非対称モノアントラ セン誘導体。

(式中、Ar 003 及びAr 004 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数6~50の芳香族環基であり、m及びnは、 それぞれ1~4の整数である。ただし、m=n=1でか Ar 003 とAr 004 のベンゼン環への結合位置が左右対称型の場 合には、Ar 003 とAr 004 は同一ではなく、m又はnが2~4の整数の場合に mとnは異なる整数である。
 R 001 ~R 010 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしく は無置換の核炭素数6~50の芳香族環基、置換 しくは無置換の核原子数5~50の芳香族複素環 、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキ ル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル 基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアル キシ基、置換もしくは無置換の炭素数6~50の ラルキル基、置換もしくは無置換の核原子 5~50のアリールオキシ基、置換もしくは無置 換の核原子数5~50のアリールチオ基、置換も くは無置換の炭素数1~50のアルコキシカルボ ル基、置換もしくは無置換のシリル基、カ ボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ ロ基、ヒドロキシ基である。)

 下記式(iii)で表される非対称ピレン誘導 。

[式中、Ar 005 及びAr 006 は、それぞれ置換もしくは無置換の核炭素数 6~50の芳香族基である。L 001 及びL 002 は、それぞれ置換もしくは無置換のフェニレ ン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン 基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基 又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレ ン基である。
 mは0~2の整数、nは1~4の整数、sは0~2の整数、t は0~4の整数である。
 また、L 001 又はAr 005 は、ピレンの1~5位のいずれかに結合し、L 002 又はAr 006 は、ピレンの6~10位のいずれかに結合する。 だし、n+tが偶数の時、Ar 005 ,Ar 006 ,L 001 ,L 002 は下記(1)又は(2)を満たす。
(1) Ar 005 ≠Ar 006 及び/又はL 001 ≠L 002 (ここで≠は、異なる構造の基であることを す。)
(2) Ar 005 =Ar 006 かつL 001 =L 002 の時
 (2-1) m≠s及び/又はn≠t、又は
 (2-2) m=sかつn=tの時、
   (2-2-1) L 001 及びL 002 、又はピレンが、それぞれAr 005 及びAr 006 上の異なる結合位置に結合しているか、(2-2-2 ) L 001 及びL 002 、又はピレンが、Ar 005 及びAr 006 上の同じ結合位置で結合している場合、L 001 及びL 002 又はAr 005 及びAr 006 のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2 位と7位である場合はない。]

 下記式(iv)で表される非対称アントラセン 誘導体。

(式中、A 001 及びA 002 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数10~20の縮合芳香族環基である。
 Ar 007 及びAr 008 は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換も しくは無置換の核炭素数6~50の芳香族環基で る。
 R 011 ~R 020 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしく は無置換の核炭素数6~50の芳香族環基、置換 しくは無置換の核原子数5~50の芳香族複素環 、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキ ル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル 基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアル キシ基、置換もしくは無置換の炭素数6~50の ラルキル基、置換もしくは無置換の核原子 5~50のアリールオキシ基、置換もしくは無置 換の核原子数5~50のアリールチオ基、置換も くは無置換の炭素数1~50のアルコキシカルボ ル基、置換もしくは無置換のシリル基、カ ボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ ロ基又はヒドロキシ基である。
 Ar 007 、Ar 008 、R 019 及びR 020 は、それぞれ複数であってもよく、隣接する もの同士で飽和もしくは不飽和の環状構造を 形成していてもよい。
 ただし、式(iv)において、中心のアントラセ ンの9位及び10位に、該アントラセン上に示す X-Y軸に対して対称型となる基が結合する場合 はない。)

 下記式(v)で表されるアントラセン誘導体

(式中、R 021 ~R 030 は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シ ロアルキル基,置換してもよいアリール基, ルコキシル基,アリーロキシ基,アルキルアミ ノ基,アルケニル基,アリールアミノ基又は置 してもよい複素環式基を示し、a及びbは、 れぞれ1~5の整数を示し、それらが2以上の場 、R 021 同士又はR 022 同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっ ていてもよく、また、R 021 同士又はR 022 同士が結合して環を形成していてもよいし、 R 023 とR 024 ,R 025 とR 026 ,R 027 とR 028 ,R 029 とR 030 がたがいに結合して環を形成していてもよい 。L 003 は単結合、-O-,-S-,-N(R)-(Rはアルキル基又は置 してもよいアリール基である)、アルキレン 又はアリーレン基を示す。)

 下記式(vi)で表されるアントラセン誘導体 。

(式中、R 031 ~R 040 は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シ ロアルキル基,アリール基,アルコキシル基, リーロキシ基,アルキルアミノ基,アリール ミノ基又は置換してもよい複数環式基を示 、c,d,e及びfは、それぞれ1~5の整数を示し、 れらが2以上の場合、R 031 同士,R 032 同士,R 036 同士又はR 037 同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっ ていてもよく、またR 031 同士,R 032 同士,R 033 同士又はR 037 同士が結合して環を形成していてもよいし、 R 033 とR 034 ,R 039 とR 040 がたがいに結合して環を形成していてもよい 。L 004 は単結合、-O-,-S-,-N(R)-(Rはアルキル基又は置 してもよいアリール基である)、アルキレン 又はアリーレン基を示す。)

 下記式(vii)で表されるスピロフルオレン 導体。

(式中、A 005 ~A 008 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の ビフェニリル基又は置換もしくは無置換のナ フチル基である。)

 下記式(viii)で表される縮合環含有化合物

(式中、A 011 ~A 013 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数6~50のアリーレン基である。A 014 ~A 016 は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換も しくは無置換の核炭素数6~50のアリール基で る。R 041 ~R 043 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の アルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、 炭素数1~6のアルコキシル基、炭素数5~18のア ールオキシ基、炭素数7~18のアラルキルオキ 基、炭素数5~16のアリールアミノ基、ニトロ 基、シアノ基、炭素数1~6のエステル基又はハ ロゲン原子を示し、A 011 ~A 016 のうち少なくとも1つは3環以上の縮合芳香族 を有する基である。)

 下記式(ix)で表されるフルオレン化合物。

(式中、R 051 及びR 052 は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキ ル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、 置換あるいは無置換のアリール基,置換ある は無置換の複素環基、置換アミノ基、シア 基またはハロゲン原子を表わす。異なるフ オレン基に結合するR 051 同士、R 052 同士は、同じであっても異なっていてもよく 、同じフルオレン基に結合するR 051 及びR 052 は、同じであっても異なっていてもよい。R 053 及びR 054 は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキ ル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、 置換あるいは無置換のアリール基または置換 あるいは無置換の複素環基を表わし、異なる フルオレン基に結合するR 053 同士、R 054 同士は、同じであっても異なっていてもよく 、同じフルオレン基に結合するR 053 及びR 054 は、同じであっても異なっていてもよい。Ar 011 及びAr 012 は、ベンゼン環の合計が3個以上の置換ある は無置換の縮合多環芳香族基またはベンゼ 環と複素環の合計が3個以上の置換あるいは 置換の炭素でフルオレン基に結合する縮合 環複素環基を表わし、Ar 011 及びAr 012 は、同じであっても異なっていてもよい。n 、1乃至10の整数を表す。)

 りん光性ドーパントを使用する際のホスト 合物の具体例としては、カルバゾール誘導 、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導 、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール 導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラ リン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレ ジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、 ミノ置換カルコン誘導体、スチリルアント セン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラ ン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘 体、芳香族第三アミン化合物、スチリルア ン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、 ルフィリン系化合物、アントラキノジメタ 誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキ ン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、 ルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメ ン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナ タレンペリレン等の複素環テトラカルボン 無水物、フタロシアニン誘導体、8-キノリ ール誘導体の金属錯体やメタルフタロシア ン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾー を配位子とする金属錯体に代表される各種 属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニル ルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、 オフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の 電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘 体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレ ビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等 高分子化合物等が挙げられる。ホスト化合 は単独で使用してもよいし、2種以上を併用 してもよい。
 具体例としては、以下のような化合物が挙 られる。

 本発明の有機EL素子においては、所望に り発光層に、本発明の発光材料の他に、り 光性ドーパント及び/又は蛍光性ドーパント 含有してもよい。また、本発明の化合物を む発光層に、これらのドーパントを含む発 層を積層してもよい。

 りん光性ドーパントは三重項励起子から 光することのできる化合物である。三重項 起子から発光する限り特に限定されないが Ir、Ru、Pd、Pt、Os及びReからなる群から選択 れる少なくとも一つの金属を含む金属錯体 あることが好ましく、ポルフィリン金属錯 又はオルトメタル化金属錯体が好ましい。 ん光性化合物は単独で使用してもよいし、2 種以上を併用してもよい。

 ポルフィリン金属錯体としては、ポルフィ ン白金錯体が好ましい。
 オルトメタル化金属錯体を形成する配位子 しては種々のものがあるが、好ましい配位 としては、フェニルピリジン骨格、ビピリ ル骨格又はフェナントロリン骨格を有する 合物、又は2-フェニルピリジン誘導体、7,8- ンゾキノリン誘導体、2-(2-チエニル)ピリジ 誘導体、2-(1-ナフチル)ピリジン誘導体、2- ェニルキノリン誘導体等が挙げられる。こ らの配位子は必要に応じて置換基を有して よい。特に、フッ素化物、トリフルオロメ ル基を導入したものが、青色系ドーパント しては好ましい。さらに補助配位子として セチルアセトナート、ピクリン酸等の上記 位子以外の配位子を有していてもよい。

 このような金属錯体の具体例は、トリス( 2-フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2-フ ェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2-フェ ルピリジン)パラジウム、ビス(2-フェニルピ ジン)白金、トリス(2-フェニルピリジン)オ ミウム、トリス(2-フェニルピリジン)レニウ 、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタ ェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパ ジウムポルフィリン、オクタフェニルパラ ウムポルフィリン等が挙げられるが、これ に限定されず、要求される発光色、素子性 、使用するホスト化合物により適切な錯体 選ばれる。

 りん光性ドーパントの発光層における含 量としては、特に制限はなく、目的に応じ 適宜選択することができるが、例えば、0.1~ 70質量%であり、1~30質量%が好ましい。りん光 化合物の含有量が0.1質量%未満では発光が微 弱でありその含有効果が十分に発揮されない 恐れがあり、70質量%を超える場合は、濃度消 光と言われる現象が顕著になり素子性能が低 下する恐れがある。

 蛍光性ドーパントとしては、アミン系化 物、芳香族化合物、トリス(8-キノリノラー )アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマ リン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導 体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサ ジアゾール誘導体等から、要求される発光色 に合わせて化合物を選択することが好ましく 、スチリルアミン化合物、スチリルジアミン 化合物、アリールアミン化合物、アリールジ アミン化合物がさらに好ましい。また、アミ ン化合物ではない縮合多環芳香族化合物も好 ましい。これらの蛍光性ドーパントは単独で もまた複数組み合わせて使用してもよい。

 スチリルアミン化合物及びスチリルジアミ 化合物としては、下記式(A)で表されるもの 好ましい。

(式中、Ar 101 はp価の基であり、フェニル基、ナフチル基 ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベ ル基、ジスチリルアリール基の対応するp価 基であり、Ar 102 及びAr 103 はそれぞれ炭素数が6~20の芳香族炭化水素基 あり、Ar 101 、Ar 102 及びAr 103 は置換されていてもよい。Ar 101 ~Ar 103 のいずれか一つはスチリル基で置換されてい る。さらに好ましくはAr 102 又はAr 103 の少なくとも一方はスチリル基で置換されて いる。pは1~4の整数であり、好ましくは1~2の 数である。)
 ここで、炭素数が6~20の芳香族炭化水素基と しては、フェニル基、ナフチル基、アントラ ニル基、フェナンスリル基、ターフェニル基 等が挙げられる。

 アリールアミン化合物及びアリールジアミ 化合物としては、下記式(B)で表されるもの 好ましい。

(式中、Ar 111 はq価の置換もしくは無置換の核炭素数5~40の 香族基であり、Ar 112 ,Ar 113 はそれぞれ置換もしくは無置換の核炭素数5~4 0のアリール基である。qは1~4の整数であり、 ましくは1~2の整数である。)
 ここで、核炭素数が5~40のアリール基として は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アン トラニル基、フェナンスリル基、ピレニル基 、コロニル基、ビフェニル基、ターフェニル 基、ピローリル基、フラニル基、チオフェニ ル基、ベンゾチオフェニル基、オキサジアゾ リル基、ジフェニルアントラニル基、インド リル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ベン ゾキノリル基、フルオランテニル基、アセナ フトフルオランテニル基、スチルベン基、ペ リレニル基、クリセニル基、ピセニル基、ト リフェニレニル基、ルビセニル基、ベンゾア ントラセニル基、フェニルアントラニル基、 ビスアントラセニル基等が挙げられ、ナフチ ル基、アントラニル基、クリセニル基、ピレ ニル基が好ましい。

 なお、前記アリール基に置換する好まし 置換基としては、炭素数1~6のアルキル基(エ チル基、メチル基、i-プロピル基、n-プロピ 基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、 キシル基、シクロペンチル基、シクロヘキ ル基等)、炭素数1~6のアルコキシ基(エトキ 基、メトキシ基、i-プロポキシ基、n-プロポ シ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペント キシ基、ヘキシルオキシ基、シクロペントキ シ基、シクロヘキシルオキシ基等)、核炭素 5~40のアリール基、核炭素数5~40のアリール基 で置換されたアミノ基、核炭素数5~40のアリ ル基を有するエステル基、炭素数1~6のアル ル基を有するエステル基、シリル基、シア 基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられ 。

 発光層は、必要に応じて正孔輸送材、電子 送材、ポリマーバインダーを含有してもよ 。
 発光層の膜厚は、好ましくは5~50nm、より好 しくは7~50nm、最も好ましくは10~50nmである。 5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の 調整が困難となる恐れがあり、50nmを超える 駆動電圧が上昇する恐れがある。

 正孔注入層及び正孔輸送層は、発光層への 孔注入を助け、発光領域まで輸送する層で って、正孔移動度が大きく、イオン化エネ ギーが通常5.5eV以下と小さい。このような 孔注入層及び正孔輸送層の材料としてはよ 低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材 が好ましく、さらに正孔の移動度が、例え 10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に、10 -4 cm 2 /V・秒以上であれば好ましい。
 正孔注入層及び正孔輸送層の材料としては 特に制限はなく、従来、光導伝材料におい 正孔の電荷輸送材料として慣用されている のや、有機EL素子の正孔注入層及び正孔輸 層に使用されている公知のものの中から任 のものを選択して用いることができる。

 正孔注入層及び正孔輸送層に、例えば、下 式で表される芳香族アミン誘導体が使用で る。
 Ar 211 ~Ar 213 、Ar 221 ~Ar 223 及びAr 203 ~Ar 208 はそれぞれ置換もしくは無置換の核炭素数6~5 0の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無 換の核原子数5~50の芳香族複素環基である。a ~c及びp~rはそれぞれ0~3の整数である。Ar 203 とAr 204 、Ar 205 とAr 206 、Ar 207 とAr 208 はそれぞれ互いに連結して飽和もしくは不飽 和の環を形成してもよい。

 置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香 族炭化水素基の具体例としては、フェニル基 、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル 基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェ ナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェ ントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナ トリル基、1-ナフタセニル基、2-ナフタセニ ル基、9-ナフタセニル基、1-ピレニル基、2-ピ レニル基、4-ピレニル基、2-ビフェニルイル 、3-ビフェニルイル基、4-ビフェニルイル基 p-テルフェニル-4-イル基、p-テルフェニル-3- イル基、p-テルフェニル-2-イル基、m-テルフ ニル-4-イル基、m-テルフェニル-3-イル基、m- ルフェニル-2-イル基、o-トリル基、m-トリル 基、p-トリル基、p-t-ブチルフェニル基、p-(2- ェニルプロピル)フェニル基、3-メチル-2-ナ チル基、4-メチル-1-ナフチル基、4-メチル-1- アントリル基、4’-メチルビフェニルイル基 4”-t-ブチル-p-テルフェニル4-イル基が挙げ れる。

 置換もしくは無置換の核原子数5~50の芳香 族複素環基の具体例としては、フラン、ベン ゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベ ンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、カル バゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカ ルバゾール、インドール、イソインドール、 イソベンゾフラン、ピリジン、フタラジン、 ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリ ン、イソキノリン、フェナントリン、アクリ ジン、1,7-フェナントロリ、1,8-フェナントロ ン、1,9-フェナントロリン、2,9-フェナント リン、2,8-フェナントロリン、2,7-フェナント ロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェ ノキサジン、オキサゾリン、オキサジアゾリ ン、シンノリン、キノキサリン、フタラジン 、フェナントリジン、インドリジン、キナゾ リン、1H-インダゾール、フェノキサチイン、 チアントレン、フラザン、インドリン、イソ インドリン、クロマン、イソクロマンが挙げ られる。

 さらに、正孔注入層及び正孔輸送層に、下 式で表される化合物が使用できる。
 Ar 231 ~Ar 234 はそれぞれ置換もしくは無置換の核炭素数6~5 0の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無 換の核原子数5~50の芳香族複素環基である。L は連結基であり、単結合、もしくは置換もし くは無置換の核炭素数6~50の芳香族炭化水素 、又は置換もしくは無置換の核原子数5~50の 香族複素環基である。xは0~5の整数である。 Ar 232 とAr 233 は互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を 形成してもよい。ここで置換もしくは無置換 の核炭素数6~50の芳香族炭化水素基、及び置 もしくは無置換の核原子数5~50の芳香族複素 基の具体例としては、前記と同様のものが げられる。

 さらに、正孔注入層及び正孔輸送層の材 の具体例としては、例えば、トリアゾール 導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾ ル誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、 ラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フ ニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘 体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾ ル誘導体、スチリルアントラセン誘導体、 ルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ス ルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン 共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチ オフェンオリゴマー)等を挙げることができ 。

 正孔注入層及び正孔輸送層の材料として 上記のものを使用することができるが、ポ フィリン化合物、芳香族第三級アミン化合 及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第 級アミン化合物を用いることが好ましい。

 また2個の縮合芳香族環を分子内に有する 化合物、例えば4,4’-ビス(N-(1-ナフチル)-N-フ ニルアミノ)ビフェニル(以下NPDと略記する) 、トリフェニルアミンユニットが3つスター バースト型に連結された4,4’,4”-トリス(N-(3- メチルフェニル)-N-フェニルアミノ)トリフェ ルアミン(以下MTDATAと略記する)等を用いる とが好ましい。

 この他に下記式で表される含窒素複素環誘 体も用いることができる。
 式中、R 201 ~R 206 はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基 、置換もしくは無置換のアリール基、置換も しくは無置換のアラルキル基、置換もしくは 無置換の複素環基のいずれかを示す。R 201 とR 202 、R 203 とR 204 、R 205 とR 206 、R 201 とR 206 、R 202 とR 203 、又はR 204 とR 205 は縮合環を形成してもよい。

 さらに、下記式の化合物も用いることがで る。
 R 211 ~R 216 は置換基であり、好ましくはそれぞれシアノ 基、ニトロ基、スルホニル基、カルボニル基 、トリフルオロメチル基、ハロゲン等の電子 吸引基である。

 また、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注 入層及び正孔輸送層の材料として使用するこ とができる。
 正孔注入層及び正孔輸送層は上述した化合 を、真空蒸着法、スピンコート法、キャス 法、LB法等の公知の方法により薄膜化する とにより形成することができる。正孔注入 及び正孔輸送層の膜厚は特に制限はないが 通常は5nm~5μmである。正孔注入層及び正孔輸 送層は上述した材料の一種又は二種以上から なる一層で構成されてもよいし、異なる化合 物からなる複数の正孔注入層及び正孔輸送層 を積層したものであってもよい。

 有機半導体層は発光層への正孔注入又は電 注入を助ける層であって、10 -10 S/cm以上の導電率を有するものが好適である このような有機半導体層の材料としては、 チオフェンオリゴマーや含アリールアミン リゴマー等の導電性オリゴマー、含アリー アミンデンドリマー等の導電性デンドリマ 等を用いることができる。

 電子注入層及び電子輸送層は、発光層への 子の注入を助け、発光領域まで輸送する層 あって、電子移動度が大きい。また付着改 層は、特に陰極との付着がよい材料からな 電子注入層の一種である。
 電子輸送層は5nm~5μmの膜厚で適宜選ばれる 、特に膜厚が厚いとき、電圧上昇を避ける めに、10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に電子移動度が10 -5 cm 2 /Vs以上であることが好ましい。

 電子注入層及び電子輸送層に用いられる 料としては、8-ヒドロキシキノリン又はそ 誘導体の金属錯体やオキサジアゾール誘導 が好適である。8-ヒドロキシキノリン又はそ の誘導体の金属錯体の具体例としては、オキ シン(一般に8-キノリノール又は8-ヒドロキシ ノリン)のキレートを含む金属キレートオキ シノイド化合物、例えばトリス(8-キノリノラ ト)アルミニウムを挙げることができる。

 オキサジアゾール誘導体としては、以下 式で表される電子伝達化合物が挙げられる

(式中、Ar 301 、Ar 302 、Ar 303 、Ar 305 、Ar 306 、及びAr 309 はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を示 す。またAr 304 、Ar 307 、Ar 308 はそれぞれ置換又は無置換のアリーレン基を 示す。)

 ここでアリール基としてはフェニル基、 フェニル基、アントラニル基、ペリレニル 、ピレニル基等が挙げられる。また、アリ レン基としてはフェニレン基、ナフチレン 、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペ レニレン基、ピレニレ基等が挙げられる。 た、置換基としては炭素数1~10のアルキル基 、炭素数1~10のアルコキシ基又はシアノ基等 挙げられる。この電子伝達化合物は薄膜形 性のものが好ましい。

 上記電子伝達性化合物の具体例としては下 のものを挙げることができる。
(Meはメチル基、tBuはtブチル基を示す。)

 さらに、電子注入層及び電子輸送層に用い れる材料として、下記式(E)~(J)で表されるも のも用いることができる。

(式(E)及び(F)中、A 311 ~A 313 は、それぞれ窒素原子又は炭素原子である。
 Ar 311 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60のア ール基、又は置換もしくは無置換の核炭素 3~60のヘテロアリール基であり、Ar 311 ’は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60の リーレン基又は置換もしくは無置換の核炭 数3~60のヘテロアリーレン基であり、Ar 312 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~60のアリール基、置換もしくは無置換の 炭素数3~60のヘテロアリール基、置換もしく 無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は置換 もしくは無置換の炭素数1~20のアルコキシ基 ある。ただし、Ar 311 及びAr 312 のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核 炭素数10~60の縮合環基、又は置換もしくは無 換の核炭素数3~60のモノヘテロ縮合環基であ る。
 L 311 、L 312 及びL 313 は、それぞれ、単結合、置換もしくは無置換 の核炭素数6~60のアリーレン基、置換もしく 無置換の核炭素数3~60のヘテロアリーレン基 又は置換もしくは無置換のフルオレニレン である。
 R及びR 311 は、それぞれ水素原子、置換もしくは無置換 の核炭素数6~60のアリール基、置換もしくは 置換の核炭素数3~60のヘテロアリール基、置 もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、 又は置換もしくは無置換の炭素数1~20のアル キシ基であり、nは0~5の整数であり、nが2以 の場合、複数のRは同一でも異なっていても く、また、隣接するR基同士で結合して、炭 素環式脂肪族環又は炭素環式芳香族環を形成 していてもよい。)で表される含窒素複素環 導体。

     HAr-L 314 -Ar 321 -Ar 322   (G)
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭 数3~40の含窒素複素環であり、L 314 は、単結合、置換基を有していてもよい炭素 数6~60のアリーレン基、置換基を有していて よい炭素数3~60のヘテロアリーレン基又は置 基を有していてもよいフルオレニレン基で り、Ar 321 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60の2 の芳香族炭化水素基であり、Ar 322 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60の リール基又は置換基を有していてもよい炭 数3~60のヘテロアリール基である。)で表され る含窒素複素環誘導体。

(式中、X 301 及びY 301 は、それぞれ炭素数1~6の飽和若しくは不飽和 の炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオ キシ基、アルキニルオキシ基、ヒドロキシ基 、置換若しくは無置換のアリール基、置換若 しくは無置換のヘテロ環又はXとYが結合して 和又は不飽和の環を形成した構造であり、R 301 ~R 304 は、それぞれ、水素、ハロゲン原子、アルキ ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パ ーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコ キシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、 アリールカルボニル基、アルコキシカルボニ ル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基 、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカ ルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオ キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基 、スルフィニル基、スルフォニル基、スルフ ァニル基、シリル基、カルバモイル基、アリ ール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキ ニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基 、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネ ート基、イソシアネート基、チオシアネート 基、イソチオシアネート基又はシアノ基であ る。これらの基は置換されていてもよい。ま た、隣接した基が置換若しくは無置換の縮合 環を形成してもよい。)で表されるシラシク ペンタジエン誘導体。

(式中、R 321 ~R 328 及びZ 322 は、それぞれ、水素原子、飽和もしくは不飽 和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ 環基、置換アミノ基、置換ボリル基、アルコ キシ基又はアリールオキシ基を示し、X 302 、Y 302 及びZ 321 は、それぞれ、飽和もしくは不飽和の炭化水 素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基、置換 アミノ基、アルコキシ基又はアリールオキシ 基を示し、Z 321 とZ 322 は相互に結合して縮合環を形成してもよく、 nは1~3の整数を示し、n又は(3-n)が2以上の場合 R 321 ~R 328 、X 302 、Y 302 、Z 322 及びZ 321 は同一でも異なってもよい。但し、nが1、X 302 、Y 302 及びR 322 がメチル基でR 328 が水素原子又は置換ボリル基の化合物、及び nが3でZ 321 がメチル基の化合物を含まない。)で表され ボラン誘導体。

[式中、Q 301 及びQ 302 は、それぞれ、下記式(K)で示される配位子を 表し、L 315 は、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のア ルキル基、置換もしくは無置換のシクロアル キル基、置換もしくは無置換のアリール基、 置換もしくは無置換の複素環基、-OR(Rは、水 原子、置換もしくは無置換のアルキル基、 換もしくは無置換のシクロアルキル基、置 もしくは無置換のアリール基、置換もしく 無置換の複素環基である。)又は-O-Ga-Q 303 (Q 304 )(Q 303 及びQ 304 は、Q 301 及びQ 302 と同じ)で示される配位子を表す。]で表され ガリウム錯体。

[式中、環A 301 及びA 302 は、それぞれ置換基を有してよい互いに縮合 した6員アリール環構造である。]

 この金属錯体は、n型半導体としての性質が 強く、電子注入能力が大きい。さらには、錯 体形成時の生成エネルギーも低いために、形 成した金属錯体の金属と配位子との結合性も 強固になり、発光材料としての蛍光量子効率 も大きい。
 式(K)の配位子を形成する環A 301 及びA 302 の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭 素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s-ブ ル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル 、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基 トリクロロメチル基等の置換もしくは無置 のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、 フェニル基、アントラニル基、フェナント ル基、フルオレニル基、ピレニル基、3-メチ ルフェニル基、3-メトキシフェニル基、3-フ オロフェニル基、3-トリクロロメチルフェニ ル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、3- トロフェニル基等の置換もしくは無置換の リール基、メトキシ基、n-ブトキシ基、t-ブ キシ基、トリクロロメトキシ基、トリフル ロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ 、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1 ,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ基、6-(パ フルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の置換 しくは無置換のアルコキシ基、フェノキシ 、p-ニトロフェノキシ基、p-t-ブチルフェノ シ基、3-フルオロフェノキシ基、ペンタフ オロフェニル基、3-トリフルオロメチルフェ ノキシ基等の置換もしくは無置換のアリール オキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、t- チルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチ 基、トリフルオロメチルチオ基等の置換も くは無置換のアルキルチオ基、フェニルチ 基、p-ニトロフェニルチオ基、p-t-ブチルフ ニルチオ基、3-フルオロフェニルチオ基、 ンタフルオロフェニルチオ基、3-トリフルオ ロメチルフェニルチオ基等の置換もしくは無 置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基 、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミ ノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、 ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ フェニルアミノ基等のモノ又はジ置換アミノ 基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、ビス( アセトキシエチル)アミノ基、ビス(アセトキ プロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブチ )アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基、シ キシ基、アシル基、カルバモイル基、メチ カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基 エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモ ル基、プロイピルカルバモイル基、ブチル ルバモイル基、フェニルカルバモイル基等 置換もしくは無置換のカルバモイル基、カ ボン酸基、スルフォン酸基、イミド基、シ ロペンタン基、シクロヘキシル基等のシク アルキル基、ピリジニル基、ピラジニル基 ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリア ニル基、インドリニル基、キノリニル基、 クリジニル基、ピロリジニル基、ジオキサ ル基、ピペリジニル基、モルフォリジニル 、ピペラジニル基、カルバゾリル基、フラ ル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、 キサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基 チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾ アゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリ 基、ベンゾイミダゾリル基等の複素環基等 ある。また、以上の置換基同士が結合して らなる6員アリール環もしくは複素環を形成 してもよい。

 有機EL素子の好ましい形態では、電子を 送する領域又は陰極と有機層の界面領域に 還元性ドーパントを含有する。ここで、還 性ドーパントとは、電子輸送性化合物を還 ができる物質と定義される。したがって、 定の還元性を有するものであれば、様々な のが用いられ、例えば、アルカリ金属、ア カリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属 酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、ア カリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属 ハロゲン化物、希土類金属の酸化物又は希 類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭 塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、希土類金 の炭酸塩、アルカリ金属の有機錯体、アル リ土類金属の有機錯体、希土類金属の有機 体からなる群から選択される少なくとも一 の物質を好適に使用することができる。

 また、具体的に、好ましい還元性ドーパ トとしては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数 :2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)及びCs(仕事関数:1.95 eV)からなる群から選択される少なくとも一つ のアルカリ金属や、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕 関数:2.0~2.5eV)、及びBa(仕事関数:2.52eV)からな 群から選択される少なくとも一つのアルカ 土類金属が挙げられる。仕事関数が2.9eV以 のものが特に好ましい。これらのうち、よ 好ましい還元性ドーパントは、K、Rb及びCsか らなる群から選択される少なくとも一つのア ルカリ金属であり、さらに好ましくは、Rb又 Csであり、最も好ましくは、Csである。これ らのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、 電子注入域への比較的少量の添加により、有 機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化 図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還 性ドーパントとして、これら2種以上のアル リ金属の組合わせも好ましく、特に、Csを んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、Cs RbあるいはCsとNaとKとの組み合わせであるこ が好ましい。Csを組み合わせて含むことに り、還元能力を効率的に発揮することがで 、電子注入域への添加により、有機EL素子に おける発光輝度の向上や長寿命化が図られる 。

 陰極と有機層の間に絶縁体や半導体で構 される電子注入層をさらに設けてもよい。 のような層により、電流のリークを有効に 止して、電子注入性を向上させることがで る。電子注入層が絶縁性薄膜であれば、よ 均質な薄膜が形成されるために、ダークス ット等の画素欠陥を減少させることができ 。

 絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニ 、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカ 金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属 ハロゲン化物からなる群から選択される少 くとも一つの金属化合物を使用するのが好 しい。電子注入層がこれらのアルカリ金属 ルコゲニド等で構成されていれば、電子注 性をさらに向上させることができ好ましい 具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲ ドとしては、例えば、Li 2 O、K 2 O、Na 2 S、Na 2 Se及びNa 2 Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カ コゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、Be O、BaS、及びCaSeが挙げられる。また、好まし アルカリ金属のハロゲン化物としては、例 ば、LiF、NaF、KF、CsF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙 げられる。また、好ましいアルカリ土類金属 のハロゲン化物としては、例えば、CaF 2 、BaF 2 、SrF 2 、MgF 2 及びBeF 2 といったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲ ン化物が挙げられる。

 また、電子注入層を構成する半導体とし は、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg 、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種 独又は二種以上の組み合わせが挙げられる また、電子注入層を構成する無機化合物は 微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であること 好ましい。

 陰極としては、仕事関数の小さい(例えば、 4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及び れらの混合物を電極物質とするものが用い れる。このような電極物質の具体例として 、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、 グネシウム、リチウム、セシウム、マグネ ウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニ ウム、Al/Li 2 O、Al/LiO、Al/LiF、アルミニウム・リチウム合 、インジウム、希土類金属等が挙げられる

 陰極はこれらの電極物質から蒸着やスパッ リング等により作製できる。
 発光層からの発光を陰極から取り出す場合 陰極の発光に対する透過率は10%より大きく ることが好ましい。また、陰極としてのシ ト抵抗は数百ω/□以下が好ましく、さらに 膜厚は通常10nm~1μm、好ましくは50~200nmであ 。

 一般に、有機EL素子は、超薄膜に電界を印 するために、リークやショートによる画素 陥が生じやすい。これを防止するために、 対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入しても い。
 絶縁層に用いる材料としては、例えば、酸 アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウ 、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグ シウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウ 、弗化カルシウム、窒化アルミニウム、酸 チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒 珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化 テニウム、酸化バナジウム等が挙げられる これらの混合物や積層物を用いてもよい。

 有機EL素子を作製する方法については、 えば上記の材料及び方法により、陽極から 必要な層を順次形成し、最後に陰極を形成 ればよい。また、陰極から陽極へ、逆の順 で有機EL素子を作製することもできる。

 以下、透光性基板上に、陽極/正孔注入層/ 光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成 の有機EL素子の作製例について説明する。
 まず、透光性基板上に、陽極材料からなる 膜を蒸着法あるいはスパッタリング法によ 形成し、陽極とする。次に、この陽極上に 孔注入層を設ける。正孔注入層の形成は、 空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、L B法等の方法により行うことができるが、均 な膜が得られやすく、かつピンホールが発 しにくい等の点から真空蒸着法により形成 ることが好ましい。真空蒸着法により正孔 入層を形成する場合、その蒸着条件は使用 る化合物(正孔注入層の材料)、目的とする正 孔注入層の構造等により異なるが、一般に蒸 着源温度50~450℃、真空度10 -7 ~10 -3 Torr、蒸着速度0.01~50nm/秒、基板温度-50~300℃で 適宜選択することが好ましい。

 次に、正孔注入層上に発光層を設ける。 光層の形成も、真空蒸着法、スパッタリン 、スピンコート法、キャスト法等の方法に り、発光材料を薄膜化することにより形成 きるが、均質な膜が得られやすく、かつピ ホールが発生しにくい等の点から真空蒸着 により形成することが好ましい。真空蒸着 により発光層を形成する場合、その蒸着条 は使用する化合物により異なるが、一般的 正孔注入層の形成と同様な条件範囲の中か 選択することができる。

 次に、発光層上に電子注入層を設ける。こ 場合にも正孔注入層、発光層と同様、均質 膜を得る必要から真空蒸着法により形成す ことが好ましい。蒸着条件は正孔注入層、 光層と同様の条件範囲から選択することが きる。
 そして、最後に陰極を積層して有機EL素子 得ることができる。陰極は蒸着法、スパッ リングにより形成できる。下地の有機物層 製膜時の損傷から守るためには真空蒸着法 好ましい。
 以上の有機EL素子の作製は、一回の真空引 で、一貫して陽極から陰極まで作製するこ が好ましい。

 有機EL素子の各層の形成方法は特に限定さ ない。本発明の化合物を含有する有機薄膜 は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるい は本発明の化合物を溶媒に解かした溶液のデ ィッピング法、スピンコーティング法、キャ スティング法、バーコート法、ロールコート 法等の塗布法による公知の方法で形成するこ とができる。
[実施例]

 以下、実施例を説明するが、本発明はこれ の実施例によって限定されない。有機EL素 の評価は下記の通りである。
(1)初期性能:輝度計(ミノルタ社製分光輝度放 計CS-1000)で10mA/cm 2 時の発光輝度値とCIE1931色度座標を測定し評 した。
(2)寿命:1000cd/m 2 の初期輝度で定電流駆動し、輝度の半減期、 及び色度の変化で評価した。

[実施例1]
(1)ベンズアントラセン化合物の合成

 1L四つ口フラスコに2-ボロモジベンゾフラン 20g(80.9mmol)を投入し、減圧とアルゴンガスに る復圧を3回繰り返し、系内をアルゴン置換 た。次いで、乾燥テトラヒドロフラン120ml 加え攪拌して、完全に溶解した後、ドライ イス/アセトンバスで、-65℃前後に冷却し、n -ブチルリチウム1.57Mへキサン溶液52ml(80.9mmol) 約20分かけて滴下した。2時間、-65℃で反応 続けた後、ベンズアントラキノン9.5g(36.8mmol )/乾燥テトラヒドロフラン300mlの溶液を1時間 けて滴下した。その後、-65℃で2時間程度反 応し、次いで、室温まで昇温し2時間反応し 。翌日、1N塩酸を100ml添加し、反応を停止し 次いで、酢酸エチル/水で反応溶液を抽出処 理し、有機層にNa 2 SO 4 を加え1時間攪拌して乾燥した後に濃縮した 得られた固体に、ヘキサン/酢酸エチル=1/1溶 液50mlを加え、析出物をろ取し、真空乾燥し (中間体1:収量14.9g、収率55.7%、HPLC純度97.8%)。

 1Lフラスコに、中間体1 14.9g(20.5mmol)、ヨウ カリウム8.5g(51.4mmol)、NaPH 2 O 2 ・H 2 O 2.7g(25.6mmol)を投入してから、アルゴンガス 系内を置換してから、酢酸300mlを添加した 次いで、オイルバスで加熱し80℃で、8時間 応した。翌日、析出物をろ取し、酢酸、メ ノール、水で洗浄処理後、真空乾燥しH-1を た(収量9.04g、収率78.7%)。
 次いで、特開2007-77078に記載の方法に準じて ハロゲン含有量の低減処理を行った(収量6.43g 、HPLC純度99.9%、ガラス転移温度159.5℃)。

(2)有機EL素子の製造
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラ ス基板(ジオマティック社製)をイソプロピル ルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後 、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の 明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装 の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラ ンが形成されている側の面上に前記透明電 を覆うようにして、正孔注入層として膜厚60 nmの下記の化合物A-1を成膜した。A-1膜の成膜 続けて、このA-1膜上に正孔輸送層として膜 20nmの下記の化合物A-2を成膜した。
 さらに、このA-2膜上に膜厚40nmで本発明の化 合物H-1とジアミン誘導体D-1を40:2の膜厚比で 膜し青色系発光層とした。H-1はホスト、D-1 ドーパントとして機能する。
 この膜上に電子輸送層として膜厚20nmで下記 の化合物Alqを蒸着により成膜した。この後、 LiFを膜厚1nmで成膜した。このLiF膜上に金属Al 150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素 子を形成した。

 得られた有機EL素子について初期性能(色 、発光効率)、寿命を評価した。結果を表1 示す。表から、青色純度のよい発光が得ら たことが分かる。

[実施例2~30]
 実施例1において、H-1及び/又はD-1を表1の化 物に変えた他は、実施例1と同様に素子を作 成し評価した。結果を表1に示す。

 尚、ベンズアントラセン化合物の合成は、 成ルート(2),(3)に従い実施した。

[比較例1~3]
(1)ベンズアントラセン化合物の合成
 実施例1と同様に、定法に従い合成した。

(2)有機EL素子の製造
 実施例1において、H-1及びD-1を表1の化合物 変えた他は、実施例1と同様に素子を作成し 価した。結果を表1に示す。

 表1から判るように、本発明の化合物を発光 材料として用いると、色純度の良い青色発光 が得られ、素子の半減寿命も従来の化合物よ りも長くなる。

 本発明のベンズアントラセン化合物は、有 EL素子に使用できる。また、本発明の有機EL 素子は、平面発光体やディスプレイのバック ライト等の光源、携帯電話、PDA、カーナビゲ ーション、車のインパネ等の表示部、照明等 に好適に使用できる。
 この明細書に記載の文献内容の全てをここ 援用する。