Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
FLUX FOR SOLDERING, SOLDERING PASTE COMPOSITION, AND METHOD OF SOLDERING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069601
Kind Code:
A1
Abstract:
A flux for soldering is provided which reduces the tackiness of a flux residue and attains diminished volatilization in reflow while maintaining high reliability to enable environmentally friendly soldering. The flux for soldering comprises a base resin, an activator, and a solvent. The solvent comprises an organic acid anhydride which is liquid at temperatures of 20°C and higher and a polyhydric alcohol which is liquid at temperatures of 20°C and higher. When the acid value and content of the organic acid anhydride are expressed by AV (mg-KOH/g) and WA (g), respectively, and the hydroxy value and content of the polyhydric alcohol are expressed by OHV (mg-KOH/g) and WOH (g), respectively, then (AVxWA):(OHVxWOH) = 1:(0.4 to 0.6).

Inventors:
ISHIKAWA SHUNSUKE (JP)
SHINOZUKA AKIRA (JP)
AIHARA MASAMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071357
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 25, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
HARIMA CHEMICALS INC (JP)
ISHIKAWA SHUNSUKE (JP)
SHINOZUKA AKIRA (JP)
AIHARA MASAMI (JP)
International Classes:
B23K35/363; H05K3/34
Foreign References:
JPH1034383A1998-02-10
JP2002514973A2002-05-21
JPH09192883A1997-07-29
JPH08132282A1996-05-28
JP2001114747A2001-04-24
JPS63289991A1988-11-28
JPS6485985A1989-03-30
JP2007144446A2007-06-14
Other References:
See also references of EP 2221140A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAI, Toshikazu (7-31 Otemae 1-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 91, JP)
Download PDF:
Claims:
 ベース樹脂、活性剤および溶剤を含有するはんだ付け用フラックスであって、前記溶剤として、20℃以上で液状である有機酸無水物および20℃以上で液状である多価アルコールを含有し、かつ、前記有機酸無水物の酸価をAV(mgKOH/g)、その含有量をW A (g)とし、前記多価アルコールの水酸基価OHV(mgKOH/g)、その含有量をW OH (g)としたときに、AV× W A :OHV×W OH =1:0.4~0.6である、ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。
 フラックス総量に対して、前記有機酸無水物の含有量は10~50重量%、前記多価アルコールの含有量は5~40重量%、前記有機酸無水物および前記多価アルコールの合計含有量は15~80重量%である、請求項1記載のはんだ付け用フラックス。
 沃素価が120~170である油成分をも含有する、請求項1または2記載のはんだ付け用フラックス。
 前記油成分は、乾性油および半乾性油の少なくとも一方を含む、請求項3記載のはんだ付け用フラックス。
 前記油成分は、桐油、けし油、くるみ油、紅花油、ひまわり油および大豆油からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項4記載のはんだ付け用フラックス。
 請求項1~5のいずれかに記載のはんだ付け用フラックスとはんだ合金粉末とを含有する、ことを特徴とするはんだペースト組成物。
 請求項1~5のいずれかに記載のはんだ付け用フラックスとはんだ合金粉末とを含んでなるはんだペースト組成物を使用し、リフロー時にフラックス中の有機酸無水物と多価アルコールとを硬化反応させる、ことを特徴とするはんだ付け方法。
Description:
はんだ付け用フラックス、はん ペースト組成物およびはんだ付け方法

 本発明は、例えば回路基板に対して回路 品等をはんだ接続する際に使用されるはん 付け用フラックスおよびはんだペースト組 物と、これらを用いたはんだ付け方法とに する。

 一般に、はんだペースト組成物は、ロジ 類などのベース樹脂、溶剤、活性剤、チキ 剤等からなるフラックスおよびはんだ粉末 どから構成されている。ここで、フラック に用いられる溶剤としては、ジエチレング コールモノブチルエーテル(ブチルカルビト ール)やジエチレングリコールモノ-n-ヘキシ エーテル(ヘキシルカルビトール)に代表され るような揮発性有機化合物(以下、VOCという) 一般的に使用されている。このような溶剤 使用される理由は、フラックス成分の溶解 に優れるとともに、連続印刷時の粘度安定 を確保することが容易であり、かつ、はん 溶融時には揮発するため電気絶縁抵抗を損 うことがないという優れた特性を持つこと ある。

 しかしながら、VOCは、光化学オキシダント 原因物質となり得るため、近年、地球環境 対する配慮から、その使用を制限する対策( VOC対策)が要望されている。
 そこで、VOC対策として、例えば、フラック 成分として水溶性物質を使用することによ 、溶剤を水に置換した水溶性はんだペース (特許文献1参照)や、水を溶剤とし、従来の 水性ベース樹脂を分散させたはんだ付け用 ラックス(特許文献2参照)が提案されている

 しかしながら、特許文献1の水溶性はんだ ペーストを用いると、水洗浄工程や水すすぎ 工程などが必要となるため工程数が増え、電 子部品などの製品コストが上昇するという問 題が生じるとともに、洗浄やすすぎ工程など で発生する廃液の処理を要するといった問題 もあった。他方、特許文献2のはんだ付け用 ラックスは、非水溶性の樹脂を乳化分散さ ているため使用時や保管時の安定性が懸念 れるとともに、はんだ粉末と混練してはん ペーストとする際にも、分散粒子の安定を つことが非常に困難であるという問題があ た。

 そのため、はんだ付け用フラックスにおけ VOC対策としては、水以外の溶剤で、かつリ ロー時にもほとんど揮発しないような高沸 の有機溶剤を用いた対策が有望視されてい 。しかし、高沸点の有機溶剤を通常量含有 るフラックスでは、乾燥性が悪くなり、は だ付け後にフラックス残渣の粘着性が高く るという問題や、マイグレーションが発生 るなどして信頼性が低下するといった問題 生じる。したがって、高沸点の有機溶剤を いる場合、フラックス中の溶剤の含有率を る程度低く設計する必要がある。しかし、 剤の含有率を下げると、はんだペーストと た時の粘度が高くなり、作業性が著しく低 することになる。
 このように、良好な作業性を確保しうるよ 通常量の溶剤を用いながら、フラックス残 の粘着性を抑え、かつ高い信頼性ではんだ けを可能にするVOC対策は、確立されていな のが現状であった。

特開平10-85985号公報

特開2007-144446号公報

 本発明は、かかる事情に鑑みなされたも であって、フラックス残渣の粘着性を抑え 高い信頼性を確保しつつ、リフロー時の揮 量を低減して環境負荷の少ないはんだ付け 可能にするはんだ付け用フラックスと、こ を用いたはんだペースト組成物およびはん 付け方法とを提供することを目的とする。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究を重ねた。その結果、フラックス中の 剤として、20℃以上で液状である有機酸無 物および20℃以上で液状である多価アルコー ルを特定の比率で併用すると、両溶剤がリフ ロー時の加熱でエステル化反応により硬化す るため、リフロー時の揮発量を大幅に低減で きると同時に、フラックス残渣における液状 物質の残留も抑制でき、残渣の粘着性増大や 信頼性低下といった問題をも解決することが 可能になる、という新たな事実を見出し、本 発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明のはんだ付け用フラック は、ベース樹脂、活性剤および溶剤を含有 るはんだ付け用フラックスであって、前記 剤として、20℃以上で液状である有機酸無 物および20℃以上で液状である多価アルコー ルを含有し、かつ、前記有機酸無水物の酸価 をAV(mgKOH/g)、その含有量をW A (g)とし、前記多価アルコールの水酸基価OHV(mg KOH/g)、その含有量をW OH (g)としたときに、AV× W A :OHV×W OH =1:0.4~0.6である、ことを特徴とする。上記構 においては、フラックス総量に対して、前 有機酸無水物の含有量は10~50重量%、前記多 アルコールの含有量は5~40重量%、前記有機酸 無水物および前記多価アルコールの合計含有 量は15~80重量%であることが好ましい。また、 上記構成においては、沃素価が120~170である 成分をも含有することが好ましく、より好 しくは、前記油成分は、乾性油および半乾 油の少なくとも一方を含み、さらに好まし は、前記油成分は、桐油、けし油、くるみ 、紅花油、ひまわり油および大豆油からな 群より選ばれる1種以上を含むのがよい。
 本発明のはんだペースト組成物は、前記本 明のはんだ付け用フラックスとはんだ合金 末とを含有する、ことを特徴とする。
 本発明のはんだ付け方法は、前記本発明の んだ付け用フラックスとはんだ合金粉末と 含んでなるはんだペースト組成物を使用し リフロー時にフラックス中の有機酸無水物 多価アルコールとを硬化反応させる、こと 特徴とする。

 本発明によれば、フラックス中に含まれ 溶剤として、加熱時にエステル化反応によ て硬化しうる有機酸無水物と多価アルコー とを使用しているため、フラックス残渣の 着性を抑え、高い信頼性を確保しつつ、リ ロー時の揮発量を大幅に低減して環境負荷 少ないはんだ付を行うことができる、とい 効果が得られる。

 以下、本発明の一実施形態について詳細に 明する。
 本発明のはんだ付け用フラックス(以下、単 に「フラックス」と称することもある)は、20 ℃以上で液状である有機酸無水物および20℃ 上で液状である多価アルコールを溶剤とし 含有する。このように、常温(室温)で液状 有機酸無水物と多価アルコールとを溶剤と て用いることにより、はんだペースト組成 としてはんだ付けに供する際には液状のま 溶剤として機能し、良好な作業性を確保す とともに、リフロー時には、両溶剤が加熱 よってエステル化反応を起こして硬化する ととなり、その結果、リフロー時の揮発量 大幅に低減できると同時に、フラックス残 における液状物質の残留も抑制でき、残渣 粘着性増大や信頼性低下といった問題を回 できる。

 前記有機酸無水物としては、例えば、無水 ロピオン酸、無水酪酸、無水トリフルオロ 酸、メチル-テトラヒドロ無水フタル酸、メ チル-ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル-エ ドメチレン-テトラヒドロ無水フタル酸、ジ メチル-エイコサジエン二酸無水物などの一 的な液状有機酸無水物が挙げられる。有機 無水物は、1種のみであってもよいし、2種以 上であってもよい。
 前記多価アルコールとしては、例えば、グ セリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレ ングリコール、トリエチレングリコール、ジ グリセリン-プロピレンオキサイド付加物、 まし油ポリオール、ポリエチレングリコー 、ポリプロピレングリコール、ポリグリセ ンなどの一般的な液状多価アルコールが挙 られる。多価アルコールは、1種のみであっ もよいし、2種以上であってもよい。

 前記有機酸無水物および前記多価アルコ ルは、いずれも、はんだ溶融時の加熱初期 の揮発をも確実に防止するために、沸点が2 60℃を超えるものであることが好ましく、よ 好ましくは沸点が400℃を超えるものがよい 沸点が260℃以下であると、リフロー時(すな わち、はんだ溶融時)の加熱初期に揮発し易 なり、VOC対策として充分な効果が得られな 。加えて、リフロー時(すなわち、はんだ溶 時)の加熱初期に、有機酸無水物あるいは多 価アルコールのいずれか一方が多く揮発した 場合、エステル化反応による膜の硬化が不充 分となり、フラックス残渣のべとつきや信頼 性の低下といった問題が生じるおそれがある 。このような観点から、前記有機酸無水物と しては、メチル-エンドメチレン-テトラヒド 無水フタル酸、ジメチル-エイコサジエン二 酸無水物が特に好ましく、前記多価アルコー ルとしては、ジグリセリン-プロピレンオキ イド付加物、ひまし油ポリオールが特に好 しい。

 本発明のフラックスにおいては、前記有機 無水物の酸価をAV(mgKOH/g)、その含有量をW A (g)とし、前記多価アルコールの水酸基価OHV(mg KOH/g)、その含有量をW OH (g)としたときに、AV× W A :OHV×W OH =1:0.4~0.6であることが重要である。ここで、 AV× W A 」は、W A (g)の有機酸無水物を中和するのに要する水酸 化カリウムの量(mg)を意味しており、他方、 OHV×W OH 」は、W OH (g)の多価アルコールをアセチル化したときに 水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する 水酸化カリウムの量(mg)を意味している。本 明のフラックスでは、有機酸無水物の酸価 多価アルコールの水酸基価とに基づいて両 の含有量(含有比率)を決定することにより、 有機酸無水物と多価アルコールとのエステル 化反応を、一方を残留させることなく効率よ く進行させることができる。好ましくはAV×  W A :OHV×W OH =1:0.45~0.55、最も好ましくはAV× W A :OHV×W OH =1:0.5であるのがよい。
 なお、溶剤として用いる前記有機酸無水物 2種以上である場合、前記「AV× W A 」の値は、各々の有機酸無水物(A 1 、A 2 、・・・、A n )の酸価(A 1 V、A 2 V、・・・、A n V)と各々の有機酸無水物(A 1 、A 2 、・・・、A n )の含有量(W A 1 、W A 2 、・・・、W A n )との積を足し合わせることにより算出すれ よい。すなわち、2種以上の有機酸無水物を 用した場合の「AV× W A 」の値は、式〔AV× W A =A 1 V× W A 1 +A 2 V× W A 2 +・・・+A n V× W A n 〕で求められる。
 同様に、溶剤として用いる前記多価アルコ ルが2種以上である場合、前記「OHV×W OH 」の値は、各々の多価アルコール(OH 1 、OH 2 、・・・、OH n )の水酸基価(OH 1 V、OH 2 V、・・・、OH n V)と各々の多価アルコール(OH 1 、OH 2 、・・・、OH n )の含有量(W OH 1 、W OH 2 、・・・、W OH n )との積を足し合わせることにより算出すれ よい。すなわち、2種以上の多価アルコール 併用した場合の「OHV×W OH 」の値は、式〔OHV×W OH =OH 1 V×W OH 1 +OH 2 V×W OH 2 +・・・+OH n V×W OH n 〕で求められる。

 前記有機酸無水物の含有量は、フラックス 量に対して10~50重量%であることが好ましく より好ましくは15~35重量%であるのがよい。 機酸無水物の含有量が10重量%未満であると エステル化反応を効率よく進行させるべく 上述したAV× W A :OHV×W OH の比率が特定範囲になるように添加される多 価アルコールの量も必然的に少量となるため 、液状成分が少なくなり、フラックスの高粘 度化による作業性の低下が懸念される。逆に 、有機酸無水物の含有量が50重量%を超えると 、多価アルコールの添加量も増加するため、 フラックスの低粘度化による作業性低下が懸 念される。

 前記多価アルコールの含有量は、フラック 総量に対して5~40重量%であることが好まし 、より好ましくは8~20重量%であるのがよい。 多価アルコールの含有量が5重量%未満である 、エステル化反応を効率よく進行させるべ 、上述したAV× W A :OHV×W OH の比率が特定範囲になるように添加される有 機酸無水物の量も必然的に少量となるため、 液状成分が少なくなり、フラックスの高粘度 化による作業性の低下が懸念される。逆に、 多価アルコールの含有量が40重量%を超えると 、有機酸無水物の添加量も増加するため、フ ラックスの低粘度化による作業性低下が懸念 される。

 また、前記有機酸無水物および前記多価 ルコールの合計含有量は、フラックス総量 対して15~80重量%であることが好ましく、よ 好ましくは20~50重量%であるのがよい。有機 無水物および多価アルコールとの合計含有 が15重量%未満であると、フラックス中の液 成分が少なくなるため、フラックスが高粘 化して作業性が著しく低下するおそれがあ 、一方、80重量%を超えると、はんだ金属を 浄化する成分が少なくなるため充分なはん 付け性が得られないおそれがあるとともに フラックスの低粘度化により作業性が低下 るおそれもある。

 本発明のフラックスは、溶剤として、前記 機酸無水物および前記多価アルコールのほ に、沃素価が120~170である油成分をも含有す ることが好ましい。ここで、油成分とは、1 の油もしくは2種以上の油の混合物を意味す ものである。油は、通常、常温(室温)で液 である。このため、前記有機酸無水物およ 前記多価アルコールとともに油成分をも溶 として用いると、はんだペースト組成物と てはんだ付けに供する際には、前記油成分 液状のまま溶剤として機能し、良好な作業 を確保することができる。しかも、前記油 分は、リフロー時には空気中の酸素と反応 て酸化重合を起こして硬化することとなり その結果、リフロー時の揮発量を大幅に低 できると同時に、フラックス残渣における 状物質の残留も抑制できる。
 前記油成分の沃素価は、120~170であり、より 好ましくは125~165である。前記油成分の沃素 が120未満であると、リフロー時の酸化重合 よる膜の硬化が不充分となり、残渣のべと きや信頼性の低下を招くおそれがあり、一 、沃素価が170を超えると、フラックスもし ははんだペースト組成物の保管時や作業時 、過剰な酸化重合反応が進行し、その結果 粘度が上昇して安定性が劣化し、作業性を なうおそれがある。
 なお、前記油成分が2種以上の油からなる場 合には、油成分全体の沃素価が120~170になっ いればよい。

 前記油成分は、乾性油および半乾性油の少 くとも一方を含むことが好ましい。特に、 記油成分は、沃素価が120~170である乾性油お よび沃素価が120~170である半乾性油の少なく も一方を含むことがより好ましい。沃素価 120~170である乾性油としては、例えば、桐油 けし油、くるみ油、紅花油などが挙げられ 沃素価が120~170である半乾性油としては、例 えば、ひまわり油、大豆油などが挙げられる 。
 前記油成分が2種以上の油からなる場合、前 記油成分は、乾性油および半乾性油の少なく とも一方のみからなることが好ましく、より 好ましくは、沃素価が120~170である乾性油お び沃素価が120~170である半乾性油の少なくと 一方のみからなるのがよい。ただし、混合 た油成分全体の沃素価が120~170になるように 各油の配合割合が調整されていれば、前記油 成分は沃素価が120未満の油や沃素価が170を超 える油を含有していてもよい。沃素価が120未 満の油としては、例えば、ホホバ油、ひまし 油、やし油、ごま油などが挙げられ、沃素価 が170を超える油としては、亜麻仁油、しそ油 などが挙げられる。

 溶剤として前記油成分をも含有する場合 フラックス中に占める前記油成分の含有量( 2種以上の油の混合物である場合には、それ の合計含有量)は、フラックス総量に対して4 5重量%以下であることが好ましく、より好ま くは35重量%以下であるのがよい。前記油成 の含有量が45重量%を超えると、有機酸無水 と多価アルコールを合わせた液状成分の総 が多くなってしまうため、フラックスの低 度化により作業性が低下するおそれがある

 本発明のフラックスには、上述した溶剤 ほかに、本発明の効果を損なわない範囲で 例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤 のような従来から一般的にフラックスに用 られている高沸点溶剤を含有させることが きる。その場合、本発明の目的を考慮する 、ベース樹脂や活性剤等のフラックス成分 溶解させうる極性溶剤であり、かつ沸点が4 00℃以上である溶剤を用いることが好ましい このような高沸点溶剤としては、例えば、 リエチレングリコール、ポリプロピレング コール、ポリグリセリン等のエーテル化合 あるいはエステル化合物のほか、トリメリ ト酸エステル、フタル酸エステル、ソルビ ールエーテルなどが挙げられる。これら高 点溶剤の含有量は、通常、フラックス総量 対して30重量%以下であるのがよい。

 本発明のフラックスは、溶剤のほかに、ベ ス樹脂および活性剤を含有し、さらに、必 に応じて、チキソ剤、その他の添加剤など 含有することもある。
 前記ベース樹脂としては、従来から一般的 フラックスに用いられている通常のロジン よびその誘導体や、従来から一般的にフラ クスに用いられている合成樹脂が挙げられ 。ロジンとしては、例えば、ガムロジン、 ール油ロジン、ウッドロジン等が挙げられ ロジン誘導体としては、例えば、重合ロジ 、アクリル化ロジン、水素添加ロジン、ホ ミル化ロジン、ロジンエステル、ロジン変 マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹 、ロジン変性アルキド樹脂等が挙げられ、 成樹脂としては、例えば、スチレン-マレイ ン酸樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が 挙げられる。ベース樹脂の含有量は、特に限 定されないが、フラックス総量に対して5~75 量%であるのがよい。

 前記活性剤としては、特に限定されない 、VOC対策という本発明の目的を考慮すると 低揮発性であることが好ましく、例えば、 チルアミン、プロピルアミン、ジエチルア ン、トリエチルアミン、エチレンジアミン アニリン等のハロゲン化水素酸塩、乳酸、 エン酸、ステアリン酸、アジピン酸、トリ カン二酸、ドデカン二酸等の有機カルボン 等が挙げられる。活性剤の含有量は、特に 定されないが、フラックス総量に対して0.1~ 20重量%であるのがよい。活性剤が0.1重量%未 であると、活性力が不足して、はんだ付け が低下するおそれがあり、一方、20重量%を えると、フラックスの皮膜性が低下し、親 性が高くなるので、腐食性および絶縁性が 下するおそれがある。

 前記チキソ剤としては、特に限定されない 、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナ ワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキ ステアリン酸エチレンビスアミド等が挙げ れる。チキソ剤の含有量は、特に限定され いが、フラックス総量に対して0.5~25重量%で あるのがよい。
 前記その他の添加剤としては、例えば、酸 防止剤、防錆剤、キレート剤等が挙げられ 。これらその他の添加剤の含有量は、本発 の効果を損なわない範囲内で適宜設定すれ よい。

 本発明のはんだペースト組成物は、前述し 本発明のはんだ付け用フラックスとはんだ 金粉末とを含有する。
 前記はんだ合金粉末としては、特に制限は く、一般に用いられている錫-鉛合金、さら に銀、ビスマスまたはインジウムなどを添加 した錫-鉛合金等を用いることができる。ま 、錫-銀系、錫-銅系、錫-銀-銅系等の鉛フリ 合金を用いてもよい。なお、はんだ合金粉 の粒径は、5~50μm程度であるのがよい。

 本発明のはんだペースト組成物における ラックスとはんだ合金粉末との比率は、所 されるはんだペーストの用途や機能に応じ 適宜設定すればよく、特に制限されないが フラックス:はんだ合金粉末(重量比)=5:95~20:8 0程度であるのがよい。

 本発明のはんだ付け方法は、前述した本発 のはんだペースト組成物を使用し、リフロ 時にフラックス中の有機酸無水物と多価ア コールとを硬化反応させるものである。こ とき、リフローは、例えば、150~200℃程度で プリヒートを行った後、最高温度170~250℃程 で行えばよいが、これに限定されるもので ない。なお、はんだ付けに際し、はんだペ スト組成物は、通常、ディスペンサーやス リーン印刷等により基板上に塗布される。
 本発明のはんだ付け方法は、例えば、電子 器部品等をはんだ接続する際に好ましく適 することができる。

 以下、実施例および比較例を挙げて本発 をさらに詳細に説明するが、本発明は以下 実施例に限定されるものではない。

 (実施例1~9および比較例1~3)
 表1および表2に示すフラックスの各成分の ち、液状有機酸無水物を除いた全ての成分 表1および表2に示す配合組成で容器に仕込み 、加熱して溶解させた後、冷却した。冷却後 、得られた混合物に、表1および表2に示す配 組成となる量の液状有機酸無水物を添加し 、フラックスをそれぞれ得た。
 なお、液状有機酸無水物としては、酸価315m gKOH/gのメチル-エンドメチレン-テトラヒドロ 水フタル酸(日立化成工業製「MHAC-P」;表中 は、これを「有機酸無水物(A)」と表記する) および、酸価300mgKOH/gのジメチル-エイコサ エン二酸無水物(岡村製油製「IPU-22AH」;表中 は、これを「有機酸無水物(B)」と表記する) の少なくとも一方を用いた。また、液状多価 アルコールとしては、水酸基価300mgKOH/gのジ リセリン-プロピレンオキサイド付加物(阪本 薬品工業製「SY-DP9」;表中では、これを「多 アルコール(A)」と表記する)、および、水酸 価320mgKOH/gのひまし油ポリオール(伊藤製油 「URIC H-102」;表中では、これを「多価アル ール(B)」と表記する)の少なくとも一方を用 た。

 次いで、容器に、得られた各フラックスと Sn-Ag-Cu合金(Sn:Ag:Cu(重量比)=96.5:3.0:0.5)からな はんだ合金粉末(融点219℃、粒径30~20μm)とを 、フラックス:はんだ合金粉末(重量比)=11:89の 比率で混合攪拌して、はんだペースト組成物 をそれぞれ得た。
 得られた各はんだペースト組成物は、以下 方法により評価した。結果を表1および表2 示す。

 <フラックスの揮発性>
 銅板(80mm×40mm×0.3mm)上に、10mm×10mmの開口部 10個有する厚み150μmのメタルマスクを用いて はんだペースト組成物を印刷した。このとき 、印刷直後の銅板の重量(a)を測定し、印刷前 後の銅板の重量差から印刷されたはんだペー スト組成物の重量(A)を求めた。印刷後30分以 に、大気下において175±5℃で80±5秒間プリ ートを行い、最高温度235±5℃でリフローを った。リフロー後の銅板の重量(b)を測定し リフロー前後の重量差(a-b)とフラックス含有 率(すなわち、11重量%)とから下記式に基づき ラックスの揮発率(%)を算出した。
    フラックスの揮発率(%)=[(a-b)/(A×0.11)]×10 0

 <絶縁性>
 JIS-Z-3197に規定するくし形基板(II型)に、同 パターンを有する厚み100μmのメタルマスク 用いてはんだペースト組成物を印刷した。 刷後10分以内に、大気下において175±5℃で80 5秒間プリヒートを行い、最高温度235±5℃で フローを行った。リフロー後の基板を、温 85℃、湿度85%の恒温恒湿槽内に放置し、1000 間後の抵抗値(ω)を測定することにより、電 気的な信頼性の指標として絶縁性を評価した 。
 なお、例えば実施例1の抵抗値は5×10 9 ωであったが、これを表1および表2中では「5E 9」と表記するようにした。他の抵抗値も全 同様に表記した。

 <腐食性>
 はんだペースト組成物を用いてJIS-Z-3284に規 定する銅板腐食試験片を作製し、該試験片を 温度40℃、湿度85%の恒温恒湿槽内に96時間放 した後、目視観察により腐食発生の有無を 認した。

 <残渣の粘着性>
 はんだペースト組成物を用いてJIS-Z-3284に規 定する乾燥度試験片を作製し、常温まで冷却 した試験片に粉末タルクを付着させた後、柔 らかいブラシで表面を軽く払った。このとき 、粉末タルクの付着の有無を目視観察により 確認した。

 表1から、フラックス中の溶剤として有機酸 無水物および多価アルコールを特定の割合で 用いた実施例1~9のはんだペースト組成物によ れば、リフロー時(はんだの加熱溶融時)に揮 物の発生が抑えられるとともに、エステル 反応による硬化が起こるため、絶縁性の低 、腐食および残渣の粘着性発生といった不 合の発生がなく、高い信頼性を維持しなが 環境負荷を低減することが可能になること わかる。
 これに対し、表2から明らかなように、フラ ックス中の溶剤として揮発性有機化合物であ るヘキシルカルビトールを用いた比較例1の 来のはんだペースト組成物では、信頼性は いものの、フラックスの揮発性が高く、環 負荷が大きいという問題がある。また、フ ックス中の溶剤として多価アルコールと有 酸(フタル酸)とを用いた比較例2のはんだペ スト組成物では、有機酸無水物を含まない で硬化反応が進まず、その結果、揮発物の を充分に抑えられないという問題が生じる 同時に、高沸点である液状の多価アルコー が残留するため、絶縁性、腐食性および残 の粘着性といった特性が悪化する。また、 ラックス中の溶剤として有機酸無水物およ 多価アルコールを用いたものの、有機酸無 物の酸価と多価アルコールの水酸基価との 率が本発明の範囲から外れている比較例3の んだペースト組成物では、エステル化反応 寄与しない高沸点成分の残留によって、絶 性、腐食性および残渣の粘着性といった特 劣化が発生するという問題が生じる。

 以上、本発明にかかるはんだ付け用フラ クスおよびはんだペースト組成物について しく説明したが、本発明の範囲はこれらの 明に拘束されることはなく、本発明の趣旨 損なわない範囲で適宜変更または改善しう ものである。