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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR SCREENING OF CELL-PROTECTING AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084653
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for the screening of a cell-protecting agent. Also disclosed is a kit for the screening. Specifically disclosed is a method for the screening of a cell-protecting agent which has an Hsp90-binding activity and an activity of inducing the expression of a heat-shock protein but does not have an activity of promoting the degradation of an Hsp90 client protein. The method comprises the following steps (1) to (3): (1) measuring the degree of binding of a substance of interest to Hsp90; (2) measuring the substance's activity of inducing the expression of the heat-shock protein, or measuring the substance's activity of causing the separation in an Hsp90/HSF-1 complex, by using a cell capable of expressing the heat-shock protein; and (3) measuring the substance's activity of inducing the degradation of the Hsp90 client protein by using a cell capable of expressing the Hsp90 client protein. Also specifically disclosed is a kit for the screening of a cell-protecting agent, which comprises: (1) Hsp90; (2) a reagent for measuring the activity of inducing the expression of a heat-shock protein; (3) an imidazothiazine derivative; and (4) a reagent for quantifying an Hsp90 client protein.

Inventors:
KIMURA HARUHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073778
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TAKEDA PHARMACEUTICAL (JP)
KIMURA HARUHIDE (JP)
International Classes:
G01N33/50; A61K45/00; A61P1/16; A61P9/00; A61P13/12; A61P17/00; A61P19/08; A61P25/00; A61P43/00; C12Q1/02; G01N33/15
Domestic Patent References:
WO2004069999A22004-08-19
WO2002092606A12002-11-21
Other References:
HOWARD DOONG ET AL.: "CAIR-1/BAG-3 Abrogates Heat Shock Protein-70 Chaperone Complex-mediated Protein Degradation ACCUMULATION OF POLY-UBIQUITINATED Hsp90 CLIENT PROTEINS", J BIOL CHEM, vol. 278, no. 31, 2003, pages 28490 - 28500, XP003026830
MARK SISCO ET AL.: "Reduced up-regulation of cytoprotective genes in rat cutaneous tissue during the second cycle of ischemia- reperfusion", WOUND REPAIR REGEN, vol. 15, no. 2, March 2007 (2007-03-01), pages 203 - 212, XP003026831
SHIZUO I. ET AL: "Stress Tanpaku to Zoki Hozon Yakuzai Yudosei Stress Tanpakushitsu to Kansaibo Hogo/Stress Proteins in Organ Preservation. Drug-Induced Heat Shock Protein and Protection of Liver.", LOW TEMPERATURE MEDICINE, vol. 26, no. 1, 2000, pages 5 - 9, XP008130078
M. DOLORES LOPEZ-MADERUELO ET AL.: "Opposite effects of the Hsp90 inhibitor Geldanamycin: induction of apoptosis in PC12, and differentiation in N2A cells", FEBS LETT, vol. 490, no. 1/2, 2001, pages 23 - 27, XP003026832
SOUNDARA RAGHAVAN PAVITHRA ET AL.: "Recurrent Fever Promotes Plasmodium falciparum Development in Human Erythrocytes", J BIOL CHEM, vol. 279, no. 45, 2004, pages 46692 - 46699, XP003026833
See also references of EP 2226632A4
"Heat shock proteins as emerging therapeutic targets", BR. J. PHARMACOL, vol. 146, 2005, pages 769 - 780
"Inhibitors of the Hsp90 molecular chaperon: current status", ADV CANCER RES., vol. 95, 2006, pages 323 - 348
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI, Hiroshi et al. (Fukuoka Bldg. 9th Fl. 8-7,Yaesu 2-chome, Chuo-k, Tokyo 28, JP)
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Claims:
 (1)被験物質とHsp90との結合性を測定する工程、(2)被験物質のヒートショック蛋白質発現誘導活性を測定する工程、および(3)被験物質のHsp90クライアント蛋白質分解誘導活性を測定する工程を含む、細胞保護剤のスクリーニング方法。
 工程(1)が、Hsp90とイミダゾチアジン誘導体との結合性に対する被験物質の阻害活性を測定する工程を含むものである、請求項1記載のスクリーニング方法。
 工程(2)が、被験物質のHsp90/HSF-1複合体に対する分離活性を測定する工程を含むものである、請求項1記載のスクリーニング方法。
 工程(3)が、Hsp90とクライアント蛋白質との結合に対する被験物質の阻害活性を測定する工程を含むものである、請求項1記載のスクリーニング方法。
 工程(2)がヒートショック蛋白質の発現能を有する細胞を用いて被験物質のヒートショック蛋白質発現誘導活性を測定する工程であり、かつ工程(3)がHsp90クライアント蛋白質の発現能を有する細胞を用いて被験物質のHsp90クライアント蛋白質分解誘導活性を測定する工程である、請求項1記載のスクリーニング方法。
 工程(2)のヒートショック蛋白質が、Hsp40、Hsp70及びHsp90から選択される1種以上である、請求項1記載のスクリーニング方法。
 工程(3)のHsp90クライアント蛋白質が、Glucocorticoid receptor、Akt及びcycline dependent kinase 4から選択される1種以上である、請求項1記載のスクリーニング方法。
 工程(3)が、(i)被験物質非存在下における細胞内のHsp90クライアント蛋白質量と、(ii)被験物質存在下における該細胞内のHsp90クライアント蛋白質量とを測定し、比較することを含む、請求項1または2記載のスクリーニング方法。
 Hsp90クライアント蛋白質量が、Hsp90クライアント蛋白質に対する抗体を用いたウエスタンブロット法により測定される、請求項8記載のスクリーニング方法。
 細胞保護剤が、心疾患、神経疾患、脳疾患、骨・関節疾患、腎疾患、肝疾患、または皮膚疾患の予防・治療剤である、請求項1記載のスクリーニング方法。
さらに工程(4)として、(4)Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白質発現誘導活性を示し、Hsp90クライアント蛋白質分解促進活性を示さない被験物質を選抜する工程、を含む請求項1記載のスクリーニング方法。
 (1)Hsp90、(2)ヒートショック蛋白質の定量用試薬、(3)イミダゾチアジン誘導体、および(4)Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬を含む、細胞保護剤のスクリーニング用キット。
 (1)Hsp90/HSF-1複合体、(2)Hsp90、(3)Hsp90の定量用試薬、(4)イミダゾチアジン誘導体、および(5)Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬を含む、細胞保護剤のスクリーニング用キット。
 Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬が、Hsp90クライアント蛋白質に対する抗体を含む、請求12または13記載のスクリーニング用キット。
 Hsp90クライアント蛋白質が、Glucocorticoid receptor、Akt及びcycline dependent kinase 4から選択される1種以上である、請求項12または13記載のスクリーニング用キット。
 (2)のヒートショック蛋白質が、Hsp40、Hsp70及びHsp90から選択される1種以上である、請求項12記載のスクリーニング用キット。
 請求項1記載の方法、または請求項12若しくは13のいずれかに記載のキットを用いて得られる、Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白質発現誘導活性を示し、Hsp90クライアント蛋白質分解誘導活性を示さない物質。
 請求17記載の物質を含有してなる細胞保護剤。
 請求項17記載の物質を含有してなる医薬。
 心疾患、神経疾患、脳疾患、骨・関節疾患、腎疾患、肝疾患または皮膚疾患の予防・治療剤である請求項19記載の医薬。
Description:
細胞保護剤のスクリーニング方

 本発明は、心疾患、神経疾患などの種々 疾患において有用な細胞保護剤のスクリー ング方法、キット、およびそのようなスク ーニング方法により得られる細胞保護剤に する。

 細胞が熱ショックのようなストレスを受 ると、熱ショック蛋白質(ヒートショックプ ロテイン、Hsp)と呼ばれる一群の蛋白質が誘 される。Hspは熱ショックストレスや酸化ス レスなどのさまざまなストレスで変性した 胞内の蛋白質を、正常な状態に戻す役割を たしている。

 熱ショック蛋白質の一種であるHsp90(heat s hock protein 90)は、生体内でさまざまな基質蛋 白質(クライアント蛋白質)と結合し、その機 を調節している。Hsp90のクライアント蛋白 としては、例えば、Glucocorticoid receptor、Akt cycline dependent kinase 4等が公知である(例え 、非特許文献1参照)。

 Hsp90は、熱ショック転写因子(ヒートショ クファクター-1、HSF-1)と複合体を形成し、HS F-1を単量体の不活性状態に保つことで、熱シ ョック反応を負に制御している(例えば、非 許文献2参照)。

 Hsp90と結合しその活性を阻害する物質(Hsp9 0阻害剤)は、Hsp70を始めとする熱ショック蛋 質の発現を誘導することにより、細胞保護 性を発揮する細胞保護剤としての用途が期 できる(例えば、特許文献1、非特許文献1お び3参照)。Hsp90の阻害剤はHSF-1の活性化を介 てHsp70などの細胞保護作用を有する熱ショッ ク蛋白質の発現を誘導することができる。

 心疾患、神経疾患や炎症性疾患などの種 の疾患では、酸化ストレスなどによる細胞 組織の障害が問題となっており、細胞保護 はこれらの疾患の予防・治療薬として有望 考えられる。Hsp70を始めとする熱ショック 白質は、紫外線照射や活性酸素などのさま まな要因で惹起した細胞死を抑制し、心疾 、神経変性疾患や、糖尿病などの疾患モデ 動物等で治療効果を示す。従って、Hsp90阻害 剤は熱ショック蛋白質誘導化合物であり、上 記の疾患の予防・治療薬になりうると考えら れる。しかしながらゲルダナマイシン等のHsp 90阻害剤は、Hsp90のクライアント蛋白質の分 を引き起こし、細胞傷害性を有するので、 胞保護剤としては不十分であった。

 細胞保護剤として利用可能なHsp90阻害剤 探索するためのスクリーニング方法として 、被験物質とHsp90との結合性(以下「Hsp90結合 活性」)を測定する方法がある。しかしなが 、Hsp90結合活性を測定するのみでは、被験物 質がHsp90のクライアント蛋白質の分解を引き こし、細胞傷害性を示すか否かを確認する とはできない。

 上記事情により、Hsp90のクライアント蛋白 分解促進活性および細胞傷害性が弱く、細 保護剤として有用なHsp90阻害剤を探索するた めのスクリーニング方法が求められていた。
Heat shock proteins as emerging therapeutic targ ets, Br. J. Pharmacol., 2005; 146: p. 769-780 分子シャペロンによる細胞機能制御、132 頁、2001年 Inhibitors of the HSP90 molecular chaperon: curr ent status, Adv Cancer Res., 2006; 95:p. 323-348

国際公開番号WO2004/069999

 本発明の課題は、細胞保護剤のスクリー ング方法、スクリーニング用キットなどを 供することにある。

 本発明者らは、(1)被験物質とHsp90との結 性を測定する工程、(2)被験物質のヒートシ ック蛋白質発現誘導活性を測定する工程、 よび(3)被験物質のHsp90クライアント蛋白質分 解誘導活性を測定する工程を含むスクリーニ ング法により、優れた細胞保護剤が得られる ことを見出した。

 また、本発明者らは、上記工程(2)を、被 物質のHsp90/HSF-1複合体に対する分離活性を 定する工程とすることによっても、優れた 胞保護剤が得られることを見出した。

 本発明は、これらの知見に基づき完成され 。すなわち本発明は、
[1](1)被験物質とHsp90との結合性を測定する工 、(2)被験物質のヒートショック蛋白質発現 導活性を測定する工程、および(3)被験物質 Hsp90クライアント蛋白質分解誘導活性を測 する工程を含む、細胞保護剤のスクリーニ グ方法;
[1a](1)被験物質とHsp90との結合性を測定する工 程、(2)被験物質のヒートショック蛋白質発現 誘導活性を測定する工程、および(3)被験物質 のHsp90クライアント蛋白質分解誘導活性を測 する工程を含む、Hsp90結合活性及びヒート ョック蛋白質発現誘導活性を示し、Hsp90クラ イアント蛋白質分解促進活性を示さない細胞 保護剤のスクリーニング方法;
[1b]被験物質に対して以下の工程(1)~(4)を実施 る、細胞保護剤のスクリーニング方法:(1)被 験物質とHsp90との結合性を測定する工程、(2) 験物質のヒートショック蛋白質発現誘導活 を測定する工程、(3)被験物質のHsp90クライ ント蛋白質分解誘導活性を測定する工程、 よび(4)Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白 質発現誘導活性を示し、Hsp90クライアント蛋 質分解促進活性を示さない被験物質を選抜 る工程;
[2]工程(1)が、Hsp90とイミダゾチアジン誘導体 の結合性に対する被験物質の阻害活性を測 する工程を含むものである、上記[1]記載の クリーニング方法;
[2a]工程(1)が、(i)被験物質非存在下における 相化イミダゾチアジン誘導体とHsp90との結合 量と、(ii)被験物質存在下における固相化イ ダゾチアジン誘導体とHsp90との結合量を測定 し、比較する工程を含むものである、上記[2] 記載のスクリーニング方法;
[2b]被験物質の非存在下よりも被験物質の存 下で得られた固相化イミダゾチアジン誘導 へのHsp90の結合量が少ない場合に、該被験物 質はHsp90とイミダゾチアジン誘導体との結合 に対する阻害活性を有すると判断する、上 [2a]に記載のスクリーニング方法;
[2c]工程(1)が、(i)被験物質非存在下における 相化Hsp90とラベル化イミダゾチアジン誘導体 の結合量と、(ii)被験物質存在下における固 化Hsp90とラベル化イミダゾチアジン誘導体の 結合量とを測定し、比較する工程を含むもの である、上記[2]記載のスクリーニング方法;
[2d]被験物質の非存在下よりも被験物質の存 下で得られた固相化Hsp90へのラベル化イミダ ゾチアジンの結合量が少ない場合に、該被験 物質はHsp90とイミダゾチアジン誘導体との結 性に対する阻害活性を有すると判断する、 記[2c]に記載のスクリーニング方法;
[3]工程(2)が、被験物質のHsp90/HSF-1複合体に対 る分離活性を測定する工程を含むものであ 、上記[1]記載のスクリーニング方法;
[3a]被験物質の非存在下よりも被験物質の存 下での分離したHSF-1の蛋白質量が多い場合に 、該被験物質はHsp90/HSF-1複合体に対する分離 性(すなわち、ヒートショック蛋白質発現誘 導活性)を有すると判断する、上記[3]記載の クリーニング方法;
[4]工程(3)が、Hsp90とクライアント蛋白質との 合に対する被験物質の阻害活性を測定する 程を含むものである、上記[1]記載のスクリ ニング方法;
[5]工程(2)がヒートショック蛋白質の発現能を 有する細胞を用いて被験物質のヒートショッ ク蛋白質発現誘導活性を測定する工程である 、上記[1]記載のスクリーニング方法;
[5a]工程(3)がHsp90クライアント蛋白質の発現能 を有する細胞を用いて被験物質のHsp90クライ ント蛋白質分解誘導活性を測定する工程で る、上記[1]記載のスクリーニング方法;
[5b]工程(2)がヒートショック蛋白質の発現能 有する細胞を用いて被験物質のヒートショ ク蛋白質発現誘導活性を測定する工程であ 、かつ工程(3)がHsp90クライアント蛋白質の発 現能を有する細胞を用いて被験物質のHsp90ク イアント蛋白質分解誘導活性を測定する工 である、上記[1]記載のスクリーニング方法;
[5c]ヒートショック蛋白質の発現能を有する 胞がヒト正常間接軟骨細胞であり、ヒート ョック蛋白質がHsp70であり、該細胞を被験物 質およびIL-1βとともに培養したときにHsp70の 白質量を増加させる被験物質を、ヒートシ ック蛋白質発現誘導活性を有する被験物質 あると判断する、上記[5]または[5b]記載のス クリーニング方法;
[6]工程(2)のヒートショック蛋白質が、Hsp40、H sp70及びHsp90から選択される1種以上である、 記[1]記載のスクリーニング方法;
[7]工程(3)のHsp90クライアント蛋白質が、Glucoco rticoid receptor、Akt及びcycline dependent kinase 4 ら選択される1種以上である、上記[1]記載の クリーニング方法。
[8]工程(3)が、(i)被験物質非存在下における細 胞内のHsp90クライアント蛋白質量と、(ii)被験 物質存在下における細胞内のHsp90クライアン 蛋白質量とを測定し、比較することを含む 上記[1]または[2]記載のスクリーニング方法;
[8a]工程(3)が、Hsp90クライアント蛋白質の発現 能を有する細胞を用いて被験物質のHsp90クラ アント蛋白質分解誘導活性を測定すること 含み、(i)被験物質非存在下における該細胞 のHsp90クライアント蛋白質量と、(ii)被験物 存在下における該細胞内のHsp90クライアン 蛋白質量とを測定し、比較することを含む 上記[1]または[2]載のスクリーニング方法。
[8b]被験物質非存在下および被験物質存在下 測定される蛋白質量の間に実質的な差異が い場合、該被験物質はクライアント蛋白質 分解誘導活性を有さないと判断する、上記[8 ]記載のスクリーニング方法;
[9]Hsp90クライアント蛋白質量が、Hsp90クライ ント蛋白質に対する抗体を用いたウエスタ ブロット法により測定される、上記[8]記載 スクリーニング方法;
[10]細胞保護剤が、心疾患、神経疾患、脳疾 、骨・関節疾患、腎疾患、肝疾患または皮 疾患の予防・治療剤である、上記[1]記載の クリーニング方法;
[10a]細胞保護剤が、心疾患、神経疾患、脳疾 、骨・関節疾患、腎疾患、肝疾患、皮膚疾 または代謝性疾患の予防・治療剤である、 記[1]記載のスクリーニング方法;[11]さらに 程(4)として、(4)Hsp90結合活性及びヒートショ ック蛋白質発現誘導活性を示し、Hsp90クライ ント蛋白質分解促進活性を示さない被験物 を選抜する工程、を含む上記[1]記載のスク ーニング方法。
[12](1)Hsp90、(2)ヒートショック蛋白質の定量用 試薬、(3)イミダゾチアジン誘導体、および(4) Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬を含む 細胞保護剤のスクリーニング用キット;
[12a](1)Hsp90、(2)ヒートショック蛋白質発現誘 活性の測定用試薬、(3)イミダゾチアジン誘 体、および(4)Hsp90クライアント蛋白質の定量 用試薬を含む、細胞保護剤のスクリーニング 用キット。
[12b](1)Hsp90、(2)ヒートショック蛋白質の定量 試薬、(3)イミダゾチアジン誘導体、および(4 )Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬を含む 、Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白質発 誘導活性を示し、Hsp90クライアント蛋白質 解促進活性を示さない細胞保護剤のスクリ ニング用キット;
[13](1)Hsp90/HSF-1複合体、(2)Hsp90、(3)Hsp90の定量 試薬、(4)イミダゾチアジン誘導体、および(5 )Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬を含む 、細胞保護剤のスクリーニング用キット;[13a] (1)Hsp90/HSF-1複合体、(2)Hsp90、(3)Hsp90の定量用試 薬、(4)イミダゾチアジン誘導体、および(5)Hsp 90クライアント蛋白質の定量用試薬を含む、H sp90結合活性及びヒートショック蛋白質発現 導活性を示し、Hsp90クライアント蛋白質分解 促進活性を示さない細胞保護剤のスクリーニ ング用キット;
[14]Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬が、 Hsp90クライアント蛋白質に対する抗体を含む 上記[11]または[12]記載のスクリーニング用 ット;
[15]Hsp90クライアント蛋白質が、Glucocorticoid re ceptor、Akt及びcycline dependent kinase 4から選択 れる1種以上である、上記[11]または[12]記載 スクリーニング用キット;
[16](2)のヒートショック蛋白質が、Hsp40、Hsp70 びHsp90から選択される1種以上である、上記[ 11]記載のスクリーニング用キット;
[17]上記[1]記載の方法、または[11]若しくは[12] のいずれかに記載のキットを用いて得られる 、Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白質発 誘導活性を示すが、Hsp90クライアント蛋白 分解誘導活性を示さない物質;
[18]上記[17]記載の物質を含有してなる細胞保 剤;
[19]上記[17]記載の物質を含有してなる医薬;お よび
[20]心疾患、神経疾患、脳疾患、骨・関節疾 、腎疾患、肝疾患または皮膚疾患の予防・ 療剤である上記[19]記載の医薬;
に関する。

 実施例に示す通り、本発明により、Hsp90 害剤としての性質を有し、Hsp90のクライアン ト蛋白質分解促進活性および細胞傷害性が弱 いか又は細胞傷害性を示さない、優れた細胞 保護剤を探索するためのスクリーニング方法 が提供される。また、本発明により、上記細 胞保護剤を選抜するためのスクリーニング用 キットも提供される。

 本発明のスクリーニング方法により、「H sp90結合活性及びヒートショック蛋白質発現 導活性を示し、Hsp90のクライアント蛋白質分 解促進活性が弱いか又は該活性を示さない細 胞保護剤」或いは「Hsp90結合活性及びHsp90/HSF- 1複合体分離活性を示し、Hsp90のクライアント 蛋白質分解促進活性が弱いか又は該活性を示 さない細胞保護剤」を容易に得ることができ る。このような細胞保護剤は、Hsp90のクライ ント蛋白質の分解を引き起こさず、よって 胞傷害性が低いので、各種の疾患の予防・ 療薬として有用である。

化合物B固定化担体とHis-hHsp90αの結合に 及ぼす、被験物質(化合物A(Compound A))と対照 合物(GA)の影響を示したSDS-PAGE電気泳動図で る。 [ 3 H]-化合物AとHis2-hHsp90α蛋白質の結合に及ぼす 被験物質(化合物A)と対照化合物(GA)の影響を 示すグラフである。 IL-1βの刺激存在下における、被験物質( 化合物A)と対照化合物(GA)のHsp70発現誘導活性 示すウエスタンブロットである。 免疫沈降実験により、被験物質(化合物 A)がHsp90/HSF-1複合体を分離させることを示す エスタンブロットである。 被験物質(化合物A)と対照化合物(GA)のHsp 90クライアント蛋白質分解活性を比較した結 を示すウエスタンブロットである。 被験物質(化合物A)と対照化合物(GA)の細 胞保護活性を示すグラフである。 被験物質(化合物A)と対照化合物(GA)の細 胞傷害性を示すグラフである。

〔細胞保護剤のスクリーニング方法〕
 本発明は、(1)被験物質とHsp90との結合性を 定する工程、(2)被験物質のヒートショック 白質発現誘導活性を測定する工程、および(3 )被験物質のHsp90クライアント蛋白質分解誘導 活性を測定する工程、を含む細胞保護剤のス クリーニング方法を提供する。被験物質に対 して上記の工程(1)~(3)を実施することにより 優れた細胞保護剤を選抜することができる

 工程(1)では、Hsp90結合活性を有する被験 質の選抜を目的として、被験物質とHsp90との 結合性を測定する。

 工程(1)としては、例えば、Hsp90とイミダ チアジン誘導体との結合性に対する被験物 の阻害活性を測定する工程を含むものが挙 られる。Hsp90とイミダゾチアジン誘導体との 結合に対する被験物質の阻害活性は、例えば 、(i)被験物質非存在下における固相化イミダ ゾチアジン誘導体とHsp90との結合量と、(ii)被 験物質存在下における固相化イミダゾチアジ ン誘導体とHsp90との結合量を測定し、比較す ことにより測定することができる。また、( i)被験物質非存在下における固相化Hsp90とラ ル化イミダゾチアジン誘導体の結合量と、(i i)被験物質存在下における固相化Hsp90とラベ 化イミダゾチアジン誘導体の結合量とを測 し、比較することによっても測定できる。

 Hsp90は、熱ショック蛋白質90(heat shock prot ein 90)を意味し、後述するイミダゾチアジン 導体との結合性を有するものであれば特に 定されない。本発明のHsp90には、Hsp90蛋白質 の塩、修飾されたHsp90蛋白質、担体と結合可 となるようにアミノ酸配列の一部が修飾さ たHsp90蛋白質、担体と結合させた固相化Hsp90 蛋白質も含まれる。Hsp90蛋白質と結合させる めの担体としては、例えば、アガロース、 キストラン、セルロースなどの不溶性多糖 、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シ コン等の合成樹脂、あるいはガラス等が挙 られる。Hsp90と担体との結合は、公知の方 に従って行うことができる。

 Hsp90としては、各種動物、特にヒト由来 ものが使用できる。ヒトHsp90としては、ヒト Hsp90α(GENBANK Accession No. P07900)、ヒトHsp90β(GEN BANK Accession No. P08238)が好ましく、特にN末端 にヒスチジンタグを付加したヒトHsp90α(例え 、His-hHsp90α、His2-hHsp90αなど)が好ましい。Hi s-hHsp90αは、例えば、国際公開番号WO2004/069999 公報 57~58頁〔実施例2(2)〕記載の方法に準 、以下のようにして調製することができる

 まず、ヒトの骨格筋の相補的DNA(cDNA)ライ ラリーに含まれるHsp90αをコードする領域を ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により増幅する 増幅されたヒトHsp90α領域をプラスミドベク ターのクローニングサイトに挿入し、His-hHsp9 0α発現ベクターを構築する。該発現ベクター を大腸菌に形質転換した後、形質転換体を培 養し、His-hHsp90α蛋白質の発現を誘導する。培 養終了後、回収した大腸菌の菌体をバッファ ー(20 mM Tris-HCl(pH7.9)/500 mM NaCl/5 mM Imidazole) 懸濁して超音波破砕し、得られた菌体破砕 を、遠心分離し、その上清を回収する。こ 上清より、ニッケルカラムを用いてHis-hHsp90 α蛋白質を得る。

 イミダゾチアジン誘導体は、イミダゾチ ジン骨格を持つ化合物であって、Hsp90との 合性を有するものであれば特に限定されな 。本発明のイミダゾチアジン誘導体には、 体と結合可能となるように末端が修飾され イミダゾチアジン誘導体、担体と結合させ 固相化イミダゾチアジン誘導体、ラベル化 ミダゾチアジン誘導体も含まれる。イミダ チアジン誘導体と結合させるための担体と ては、例えば、アガロース、デキストラン セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチ ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合 樹脂、あるいはガラス等が挙げられる。イ ダゾチアジン誘導体と担体との結合は、公 の方法に従って行うことができる。

 イミダゾチアジン誘導体のラベル化は、 えば、放射性同位元素、蛍光色素、発光物 を用いて行うことができる。

 イミダゾチアジン誘導体の例としては、以 の化合物(I)またはその塩が挙げられる。
〔式中、R 1 は、-(S) n -R 2 または-NR 3 R 4 を、nは0~2の整数を、R 2 は水素原子、置換されていてもよい炭化水素 基または置換されていてもよい複素環基を、 R 3 およびR 4 は同一または異なって水素原子、置換されて いてもよい炭化水素基、置換されていてもよ い複素環基またはそれらが結合している窒素 原子と一緒に形成する含窒素複素環を、R 5 は水素原子、置換されていてもよい炭化水素 基、シアノ基、アシル基、エステル化もしく はアミド化されていてもよいカルボキシル基 または置換されていてもよい複素環基を、
を、R 6 は、水素原子、置換されていてもよい炭化水 素基、シアノ基、アシル基、エステル化もし くはアミド化されていてもよいカルボキシル 基または置換されていてもよい複素環基を、 R 7 は置換されていてもよい水酸基を、R 8 およびR 9 はそれぞれ水素原子または置換されていても よい炭化水素基を(R 5 とR 6 、R 5 とR 8 またはR 8 とR 9 はそれぞれ一緒になって置換されていてもよ い環状炭化水素または複素環を形成してもよ い)、
を、R 10 は、水素原子、-ZR 15 (Zは-SO 2 -、-SO-、-CONR 18 SO 2 -(R 18 はC 1-6 アルキルを示す)、-CONR 19 -(R 19 はC 1-6 アルキルを示す)または-CO-を、R 15 は、置換されていてもよい炭化水素基または 置換されていてもよい複素環基を示す)また -P(O)R 16 R 17 (R 16 およびR 17 はそれぞれ置換されていてもよい炭化水素基 、置換されていてもよい水酸基または置換さ れていてもよいアミノ基を示す)を、R 11 は水素原子または置換されていてもよい炭化 水素基を(R 10 とR 11 は一緒になって置換されていてもよい含窒素 複素環を形成してもよい)、R 12 およびR 13 はそれぞれ水素原子または置換されていても よい炭化水素基、あるいはそれらが結合して いる窒素原子と一緒になって含窒素複素環を 、R 14 は、水素原子、置換されていてもよい炭化水 素基または-ZR 15 (ZおよびR 15 は、前記と同意義を示す)を示す。但し、R 5 が水素原子、
を示すとき、R 14 は置換されていてもよい炭化水素基または-ZR 15 (Z、R 15 は、前記と同意義を示す)を示す。〕

 上記式において、R 1 は、-(S) n -R 2 または-NR 3 R 4 を、nは0~2の整数を、R 2 は水素原子、置換されていてもよい炭化水素 基または置換されていてもよい複素環基を、 R 3 およびR 4 は同一または異なって水素原子、置換されて いてもよい炭化水素基、置換されていてもよ い複素環基またはそれらが結合している窒素 原子と一緒に形成する含窒素複素環を示す。

 R 2 で表される置換されていてもよい炭化水素基 の「炭化水素基」としては、アルキル基、ア ルケニル基、アルキニル基、アリール基、ア ラルキル基、シクロアルキル基、シクロアル ケニル基、などが挙げられる。

 該「アルキル基」の例としては、C 1-20 アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピ 、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec- チル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチ 、ネオペンチル、tert-ペンチル、1-メチルブ ル、2-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル 1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシ 、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3- チルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメ チルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチ ブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチル チル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1, 2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロ ル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2- メチルプロピル、ヘプチル、イソヘプチル、 1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、3-メチ ルヘキシル、4-メチルヘキシル、1-エチルペ チル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル 1-プロピルブチル、1,1-ジメチルペンチル、1 ,2-ジメチルペンチル、1,3-ジメチルペンチル 1,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル 、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチ 、3,3-ジメチルペンチル、3,4-ジメチルペン ル、4,4-ジメチルペンチル、1,1,2-トリメチル チル、1,1,3-トリメチルブチル、1,2,2-トリメ ルブチル、1,2,3-トリメチルブチル、1,3,3-ト メチルブチル、2,2,3-トリメチルブチル、2,3, 3-トリメチルブチル、1-エチル-1-メチルブチ 、1-エチル-2-メチルブチル、1-エチル-3-メチ ブチル、2-エチル-1-メチルブチル、2-エチル -2-メチルブチル、2-エチル-3-メチルブチル、 クチル、イソオクチル、1-メチルヘプチル 2-メチルヘプチル、3-メチルヘプチル、4-メ ルヘプチル、5-メチルヘプチル、1-エチルヘ シル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル 、4-エチルヘキシル、1-プロピルペンチル、2- プロピルペンチル、1,1-ジメチルヘキシル、2, 2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルヘキシル、 4,4-ジメチルヘキシル、5,5-ジメチルヘキシル 3-エチル-3-メチルペンチル、1,1-ジエチルブ ル、2,2-ジエチルブチル、1,1,2,2-テトラメチ ブチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、2,2,3,3- テトラメチルブチル、1,1-ジメチル-2-エチル チル、ノニル、イソノニル、1-イソブチル-3- メチルブチル、デシル、イソデシル、ウンデ シル、イソウンデシル、ドデシル、イソドデ シル、トリデシル、イソトリデシル、テトラ デシル、イソテトラデシル、ペンタデシル、 イソペンタデシル、ヘキサデシル、イソヘキ サデシル、ヘプタデシル、イソヘプタデシル 、オクタデシル、イソオクタデシル、ノナデ シル、イソノナデシルなど)が挙げられ、好 しくはC 1-10 アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロ ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se c-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペン ル、2-メチルブチル、ヘキシル、イソヘキシ ル、2-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2 -ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、ヘプ ル、イソヘプチル、1-メチルヘキシル、1-エ チルペンチル、3-エチルペンチル、1-プロピ ブチル、オクチル、イソオクチル、2-プロピ ルペンチル、ノニル、イソノニル、1-イソブ ル-3-メチルブチル、デシル、イソデシルな )が挙げられる。

 該「アルケニル基」としては、C 2-20 アルケニル基(例えばビニル、アリル、イソ ロペニル、1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブ ニル、3-ブテニル、1,3-ブタジエニル、1-メチ ル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2- チル-1-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、 1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、 4-ペンテニル、1,3-ペンタジエニル、2,4-ペン ジエニル、1,4-ペンタジエニル、1-メチル-1- テニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブ ニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテ ニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテ ル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニ 、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペ ニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセ ニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1,3-ヘキ ジエニル、1,4-ヘキサジエニル、1,5-ヘキサ エニル、2,4-ヘキサジエニル、2,5-ヘキサジエ ニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペ テニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1- ンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル -2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メ ル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2- チル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル 4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニ 、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテ ニル、4-メチル-4-ペンテニル、1-エチル-1-ブ ニル、2-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテ ル、2-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニ ル、2-エチル-3-ブテニル、1-ヘプテニル、2-ヘ プテニル、3-ヘプテニル、4-ヘプテニル、5-ヘ プテニル、6-ヘプテニル、1,3-ヘプタジエニル 、1,4-ヘプタジエニル、1,5-ヘプタジエニル、1 ,6-ヘプタジエニル、2,4-ヘプタジエニル、2,5- プタジエニル、2,6-ヘプタジエニル、3,5-ヘ タジエニル、3,6-ヘプタジエニル、4,6-ヘプタ ジエニル、1-メチル-1-ヘキセニル、1-メチル-2 -ヘキセニル、1-メチル-3-ヘキセニル、1-メチ -4-ヘキセニル、1-メチル-5-ヘキセニル、2-メ チル-1-ヘキセニル、2-メチル-2-ヘキセニル、2 -メチル-3-ヘキセニル、2-メチル-4-ヘキセニル 、2-メチル-5-ヘキセニル、3-メチル-1-ヘキセ ル、3-メチル-2-ヘキセニル、3-メチル-3-ヘキ ニル、3-メチル-4-ヘキセニル、3-メチル-5-ヘ キセニル、4-メチル-1-ヘキセニル、4-メチル-2 -ヘキセニル、4-メチル-3-ヘキセニル、4-メチ -4-ヘキセニル、4-メチル-5-ヘキセニル、5-メ チル-1-ヘキセニル、5-メチル-2-ヘキセニル、5 -メチル-3-ヘキセニル、5-メチル-4-ヘキセニル 、5-メチル-5-ヘキセニル、1-メチル-2,4-ヘキサ ジエニル、2-メチル-2,4-ヘキサジエニル、3-メ チル-2,4-ヘキサジエニル、4-メチル-2,4-ヘキサ ジエニル、5-メチル-2,4-ヘキサジエニル、5-メ チル-2,5-ヘキサジエニル、1-エチル-1-ペンテ ル、2-エチル-1-ペンテニル、3-エチル-1-ペン ニル、1-エチル-2-ペンテニル、2-エチル-2-ペ ンテニル、3-エチル-2-ペンテニル、1-エチル-3 -ペンテニル、2-エチル-3-ペンテニル、3-エチ -3-ペンテニル、1-エチル-4-ペンテニル、2-エ チル-4-ペンテニル、3-エチル-4-ペンテニル、1 -プロピル-1-ブテニル、1-プロピル-2-ブテニル 、1-プロピル-3-ブテニル、2-オクテニル、3-オ クテニル、4-オクテニル、5-オクテニル、6-オ クテニル、7-オクテニル、1-メチル-2-ヘプテ ル、1-メチル-3-ヘプテニル、1-メチル-4-ヘプ ニル、1-メチル-5-ヘプテニル、1-メチル-6-ヘ プテニル、6-メチル-2-ヘプテニル、6-メチル-3 -ヘプテニル、6-メチル-4-ヘプテニル、6-メチ -5-ヘプテニル、6-メチル-6-ヘプテニル、6-メ チル-3,5-ヘプタジエニル、6-メチル-2,5-ヘプタ ジエニル、4-エチル-2-ヘキセニル、4-エチル-3 -ヘキセニル、2-ノネニル、8-ノネニル、7-メ ル-1-オクテニル、7-メチル-2-オクテニル、7- チル-3-オクテニル、7-メチル-4-オクテニル 7-メチル-5-オクテニル、7-メチル-6-オクテニ 、7-メチル-7-オクテニル、1-エチル-2-ヘプテ ニル、1-エチル-3-ヘプテニル、1-エチル-4-ヘ テニル、1-エチル-5-ヘプテニル、1-エチル-6- プテニル、5-エチル-2-ヘプテニル、5-エチル -3-ヘプテニル、5-エチル-4-ヘプテニル、5-エ ル-5-ヘプテニル、5-エチル-6-ヘプテニル、2- セニル、9-デセニル、8-メチル-2-ノネニル、 8-メチル-3-ノネニル、8-メチル-4-ノネニル、8- メチル-5-ノネニル、8-メチル-6-ノネニル、8- チル-7-ノネニル、8-メチル-8-ノネニル、3,7- メチル-2,6-オクタジエニル、2-ウンデセニル 10-ウンデセニル、9-メチル-2-デセニル、9-メ チル-8-デセニル、9-メチル-9-デセニル、2-ド セニル、11-ドデセニル、10-メチル-2-ウンデ ニル、10-メチル-9-ウンデセニル、10-メチル-1 0-ウンデセニル、2-トリデセニル、12-トリデ ニル、11-メチル-2-ドデセニル、11-メチル-10- デセニル、11-メチル-11-ドデセニル、2-テト デセニル、13-テトラデセニル、12-メチル-2- リデセニル、12-メチル-11-トリデセニル、12- メチル-12-トリデセニル、2-ペンタデセニル、 14-ペンタデセニル、13-メチル-2-テトラデセニ ル、13-メチル-12-テトラデセニル、13-メチル-1 3-テトラデセニル、3,7,11-トリメチル-2,6,10-ド カトリエニル、2-ヘキサデセニル、15-ヘキ デセニル、14-メチル-2-ペンタデセニル、14- チル-13-ペンタデセニル、14-メチル-14-ペンタ デセニル、2-ヘプタデセニル、16-ヘプタデセ ル、15-メチル-2-ヘキサデセニル、15-メチル- 14-ヘキサデセニル、15-メチル-15-ヘキサデセ ル、2-オクタデセニル、17-オクタデセニル、 9,12-オクタデカジエニル、9,12,15-オクタデカ リエニル、9,11,13-オクタデカトリエニル、16- メチル-2-ヘプタデセニル、16-メチル-15-ヘプ デセニル、16-メチル-16-ヘプタデセニル、2- ナデセニル、18-ノナデセニル、17-メチル-2- クタデセニル、17-メチル-16-オクタデセニル 17-メチル-17-オクタデセニル、2-エイコセニ 、19-エイコセニル、5,8,11,14-イコサテトラエ ニル、18-メチル-2-ノナデセニル、18-メチル-17 -ノナデセニル、18-メチル-18-ノナデセニル、3 ,7,11,15-テトラメチル-2,6,10,14-ドデカテトラエ ルなど)が挙げられ、好ましくはC 2-10 アルケニル基(例えばビニル、アリル、イソ ロペニル、2-メチル-1-プロペニル、3-ブテニ 、4-ペンテニル、3-メチル-2-ブテニル、3-メ ル-3-ブテニル、5-ヘキセニル、4-メチル-2-ペ ンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-4 -ペンテニル、6-ヘプテニル、5-メチル-2-ヘキ ニル、5-メチル-3-ヘキセニル、5-メチル-4-ヘ キセニル、5-メチル-5-ヘキセニル、5-メチル-2 ,4-ヘキサジエニル、7-オクテニル、6-メチル-2 -ヘプテニル、6-メチル-3-ヘプテニル、6-メチ -4-ヘプテニル、6-メチル-5-ヘプテニル、6-メ チル-6-ヘプテニル、8-ノネニル、9-デセニル 3,7-ジメチル-2,6-オクタジエニルなど)が挙げ れる。

 該「アルキニル基」の例としては、C 2-20 アルキニル基(例えばエチニル、1-プロピニル 、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3- チニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニ ル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニ ル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニ 、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニ 、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-ヘプチニ 、2-ヘプチニル、3-ヘプチニル、4-ヘプチニ 、5-ヘプチニル、6-ヘプチニル、2-オクチニ 、3-オクチニル、4-オクチニル、5-オクチニ 、6-オクチニル、7-オクチニル、2-ノニニル 8-ノニニル、2-デシニル、9-デシニル、2-ウン デシニル、10-ウンデシニル、2-ドデシニル、1 1-ドデシニル、2-トリデシニル、12-トリデシ ル、2-テトラデシニル、13-テトラデシニル、 2-ペンタデシニル、14-ペンタデシニル、2-ヘ サデシニル、15-ヘキサデシニル、2-ヘプタデ シニル、16-ヘプタデシニル、2-オクタデシニ 、17-オクタデシニル、2-ノナデシニル、18- ナデシニル、2-エイコシニル、19-エイコシニ ルなど)が挙げられ、好ましくはC 2-8 アルケニル基(例えばエチニル、1-プロピニル 、2-プロピニル、2-ブチニル、3-ブチニル、2- ンチニル、4-ペンチニル、2-ヘキシニル、5- キシニル、2-ヘプチニル、6-ヘプチニル、2- クチニル、7-オクチニルなど)が挙げられる

 該「アリール基」の例としては、C 6-10 アリール基(例えばフェニル、o-トリル、m-ト ル、p-トリル、2-、3-または4-ビフェニル、1- または2-ナフチル、アントリル、フェナント ルなど)が挙げられ、好ましくはフェニル、 p-トリル、2-、3-または4-ビフェニル、1-また 2-ナフチルなどが挙げられる。

 該「アラルキル基」の例としてはC 7-10 アラルキル基(例えばベンジル、1-フェネチル 、2-フェネチル、1-メチル-2-フェネチル、1-メ チル-1-フェネチル、1,1-ジメチル-2-フェネチ 、1-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル 3-フェニルプロピル、1-メチル-2-フェニルプ ロピル、2-メチル-2-フェニルプロピル、1-フ ニルブチル、2-フェニルブチル、3-フェニル チル、4-フェニルブチル、1-フェニルペンチ ル、2-フェニルペンチル、3-フェニルペンチ 、4-フェニルペンチル、5-フェニルペンチル 3-メチル-3-フェニルブチル、1,1-ジメチル-3- ェニルプロピル、2,2-ジメチル-3-フェニルプ ロピル、1,1-ジメチル-4-フェニルブチル、2,2- メチル-4-フェニルブチル、3,3-ジメチル-4-フ ェニルブチル、4-メチル-4-フェニルペンチル 1-メチル-5-フェニルペンチル、2-メチル-5-フ ェニルペンチル、3-メチル-5-フェニルペンチ 、4-メチル-5-フェニルペンチル、1-ナフチル メチル、2-ナフチルメチル、1-ナフチルエチ 、2-ナフチルエチル、2-ビフェニルメチル、3 -ビフェニルメチル、4-ビフェニルメチル、1- ントリルメチル、2-アントリルメチル、9-ア ントリルメチル、フェナントリルメチルなど )が挙げられ、好ましくはベンジル、2-フェネ チル、2-フェニルプロピル、3-フェニルプロ ル、2-メチル-2-フェニルプロピル、4-フェニ ブチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチ ル、1-ナフチルエチル、2-ナフチルエチル、2- ビフェニルメチル、3-ビフェニルメチル、4- フェニルメチルなどが挙げられる。

 該「シクロアルキル基」の例としてはC 3-8 シクロアルキル基(例えばシクロプロピル、 クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ ル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど) 挙げられる。これらはさらにフェニル基な のアリール基が縮合していてもよく、例え インダニル、ベンゾシクロヘキシル、ベン シクロヘプチル、ベンゾシクロオクチルな が挙げられる。なかでも、好ましくはシク ヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ 、インダニル、ベンゾシクロヘプチルなど 挙げられる。

 また、このシクロアルキル基は、炭素数1 または2の直鎖状の原子鎖を介して架橋し、 シクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチ ル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.3.1] ニル、ビシクロ[3.2.2]ノニルなど(好ましく 、炭素数1または2の直鎖状の原子鎖を介した 架橋を有するシクロヘキシルなど、さらに好 ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルなど)の架 環式炭化水素残基を形成していてもよい。 た、アダマンチル基を形成していてもよい

 該「シクロアルケニル基」の例としてはC 3-8 シクロアルケニル基(例えば2-シクロプロペニ ル、2-シクロブテニル、2-シクロペンテニル 3-シクロペンテニル、2-シクロヘキセニル、3 -シクロヘキセニル、2-シクロヘプテニル、3- クロヘプテニル、4-シクロヘプテニル、2-シ クロオクテニル、3-シクロオクテニル、4-シ ロオクテニルが挙げられる。これらはさら フェニル基などのアリール基が縮合してい もよく、例えばインデニル、ベンゾシクロ キセニル、ベンゾシクロヘプテニル、ベン シクロオクテニルなどが挙げられる。なか も好ましくは2-シクロヘキセニル、2-シクロ プテニル、シクロオクチル、インデニルな が挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、例えば(1)ニトロ基、 (2)オキソ基、(3)ハロゲン原子(例えば、フッ 、塩素、臭素、ヨウ素等)、(4)シアノ基、(5) チレン基、(6)置換されていてもよい低級ア キル基、(7)置換されていてもよい低級アル ニル基、(8)置換されていてもよい低級アル ニル基、(9)置換されていてもよいアリール 、(10)置換されていてもよいアラルキル基、 (11)置換されていてもよいシクロアルキル基 (12)低級ハロアルキル基、(13)エステル化もし くはアミド化されていてもよいカルボキシル 基、(14)チオカルバモイル基、(15)アシル基、( 16)アミジル基、(17)置換されていてもよい水 基、(18)置換されていてもよいスルファニル 、(19)置換されていてもよいアルキルスルフ ィニル基、(20)置換されていてもよいアリー スルフィニル基、(21)置換されていてもよい ルキルスルホニル基、(22)置換されていても よいアリールスルホニル基、(23)エステル化 しくはアミド化されていてもよいスルホン 基、(24)置換されていてもよいアミノ基、(25) ニトロ基で置換されていてもよいグアニジル 基、(26)置換されていてもよい複素環基、(27) ルキレンジオキシ基、(28) イミノ基、(29)置 換されていてもよいシクロアルケニル基等が 挙げられ、これらの中から選択される1~6個の 置換基を置換可能な位置に有してもよい。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の「低級アルキル基」とし ては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブ チル、tert-ブチルなどのC 1-4 アルキル基が挙げられる。

 該「低級アルキル基」の有していてもよい 換基としては、例えば、(1)ニトロ基、(2)オ ソ基、(3)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩 素、臭素等)、(4)シアノ基、(5)メチレン基、(6 )低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、n -プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ ル、sec-ブチル、tert-ブチルなどのC 1-4 アルキル基)、(7)低級アルケニル基(例えば、 ニル、アリル(allyl)、イソプロペニル、1-ブ ニル、2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、3- チル-3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニ ルなどのC 2-5 アルケニル基)、(8)低級アルキニル基(エチニ 、プロパルギル、2-ブチニル、2-ペンチニル などのC 2-5 アルキニル基)、(9)アリール基(例えば、フェ ル、2-、3-または4-トリル、1-または2-ナフチ ル、2-、3-または4-ビフェニルなどのC 2-12 アリール基)、(10)アラルキル基(例えば、ベン ジル、2-フェネチル、3-フェニルプロピル、1- または2-ナフチルメチル、2-、3-または4-ビフ ニルメチルなどのC 7-13 アラルキル基)、(11)シクロアルキル基(例えば 、シクロプルピル、シクロブチル、シクロペ ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、 シクロオクチルなどのC 3-8 シクロアルキル基)、(12)エステル化もしくは ミド化されていてもよいカルボキシル基(例 えば、カルボキシル基、C 2-18 アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシ ルボニル、エトキシカルボニル、プロポキ カルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ヘキ シルオキシカルボニル、ドデシルオキシカル ボニル、ヘキサデシルオキシカルボニルなど )、C 2-18 アルケニルオキシカルボニル基(例えば、ア ル(allyl)オキシカルボニル、オクタ-2,6-ジエ ルオキシカルボニル、ドデカ-2,6,10-トリエニ ルオキシカルボニルなど)、アリールオキシ ルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル 1-ナフトキシカルボニル、2-ナフトキシカル ボニルなど)、アラルキルオキシカルボニル (例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェ チルオキシカルボニル、3-フェニルプロポ シカルボニルなど)、カルバモイル基、前記 低級アルキル基、低級アルケニル基、シク アルキル基、アリール基、アラルキル基お び複素環基(後述するR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」同様のものなど)でN-モノ置換され たカルバモイル基、前記の低級アルキル基、 低級アルケニル基、シクロアルキル基、アリ ール基、アラルキル基および複素環基(後述 るR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」と同様のものなど)でN,N-ジ置換さ たカルバモイル基、環状アミノカルバモイ 基(例えば、N-ピロリジルカルボニル、N-イ ダゾリルカルボニル、N-ピペリジルカルボニ ル、N-ピペラジルカルボニル、N-メチル-N'-ピ ラジルカルボニル、N-モルホリルカルボニ など))、(13)置換されていてもよい水酸基(例 ば、前記の低級アルキル基、低級アルケニ 基、シクロアルキル基、アリール基、アラ キル基、エステル化もしくはアミド化され いてもよいカルボキシル基で置換されてい もよい水酸基、アルキルスルファニルチオ ルボニルオキシ基(例えば、メチルスルファ ニルチオカルボニルオキシ、エチルスルファ ニルチオカルボニルオキシ、tert-ブトキシス ファニルチオカルボニルオキシなど)、アラ ルキルスルファニルチオカルボニルオキシ基 (例えば、ベンジルスルファニルチオカルボ ルオキシなど)、N-イミダゾリルチオカルボ ルオキシ基、N-モルホリルチオカルボニルオ キシ基など)、(14)置換されていてもよいスル ァニル基(例えば、スルファニル、アルキル スルファニル基(例えば、メチルスルファニ 、エチルスルファニル、イソプロピルスル ァニル、tert-ブチルスルファニルなど)、ア ールスルファニル基(例えば、フェニルスル ァニルなど)、アラルキルスルファニル基( えば、ベンジルスルファニルなど)など)、(15 )アルキルスルホニル基(例えば、メチルスル ニル、エチルスルホニル、イソプロピルス ホニル、ブチルスルホニルなど)、(16)アリ ルスルホニル基(例えば、ベンゼンスルフィ ル、トルエンスルフィニルなど)、(17)置換 れていてもよいアミノ基(例えば、アミノ基 アルキル基またはアラルキル基でモノまた ジ置換されたアミノ基(例えば、メチルアミ ノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジ メチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチ ルアミノ、ベンジルアミノ、ベンジルメチル アミノなど)、アシルアミノ(例えば、ホルミ アミノ、アセチルアミノ、プロピオニルア ノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ バレリルアミノ、イソバレリルアミノ、ピ ロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェナ ルアミノなど)、アルコキシカルボニルアミ ノ(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エ キシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボ ニルアミノなど)、アリールオキシカルボニ アミノ(例えば、フェノキシカルボニルアミ 、ナフチルオキシカルボニルアミノ等)、ア ラルキルオキシカルボニルアミノ(例えば、 ンジルオキシカルボニルアミノ、フェネチ オキシカルボニルアミノなど)、アルキルス ホニルアミノ(例えば、メチルスルホニルア ミノ、エチルスルホニルアミノ、イソプロピ ルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミ ノ等)、アリールスルホニルアミノ(例えばベ ゼンスルホニルアミノ、ナフチルスルホニ アミノなど)など)、(18)アルキレンジオキシ (例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオ キシなど)、(19)イミノ基などが挙げられ、こ らの中から選択される1~4個の置換基を置換 能な位置に有してもよい。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルケニル基」の「低級アルケニル基」 としては、例えば、ビニル、アリル(allyl)、 ソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3- チル-2-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1-ペ テニル、2-ペンテニルなどのC 2-5 アルケニル基が挙げられる。該「低級アルケ ニル基」の有していてもよい置換基としては 、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキニル基」の「低級アルキニル基」 としては、例えば、エチニル、プロパルギル 、2-ブチニル、2-ペンチニルなどの低級アル ニル基などのC 2-5 アルキニル基が挙げられる。該「低級アルキ ニル基」の有していてもよい置換基としては 、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アリール基」の「アリール基」としては、例 えば、フェニル、2-、3-または4-トリル、1-ま は2-ナフチル、2-、3-または4-ビフェニルな のC 2-12 アリール基が挙げられる。該「アリール基」 の有していてもよい置換基としては、前記の R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アラルキル基」の「アラルキル基」としては 、例えば、ベンジル、2-フェネチル、3-フェ ルプロピル、1-または2-ナフチルメチル、2- 3-または4-ビフェニルメチルなどのC 7-13 アラルキル基が挙げられる。該「アラルキル 基」の有していてもよい置換基としては、前 記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい シクロアルキル基」の「シクロアルキル基」 としては、例えば、シクロプルピル、シクロ ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、 シクロヘプチル、シクロオクチルなどのC 3-8 シクロアルキル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オク チル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.2] ニルおよびアダマンチルが挙げられる。該 シクロアルキル基」の有していてもよい置 基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「低級ハロアルキル基」 としては、例えば、フルオロメチル、ジフル オロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオ エチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフ ルオロエチル、1,1,2,2-テトラフルオロエチル 1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル、3-フルオロ ロピル、3,3-ジフルオロプロピル、3,3,3-トリ フルオロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ ロピル、4-フルオロブチル、4,4-ジフルオロ チル、4,4,4-トリフルオロブチル、3,3,4,4,4-ペ タフルオロブチル、5-フルオロペンチル、5, 5-ジフルオロペンチル、5,5,5-トリフルオロペ チル、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル、ク ロロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル などの1~6個のハロゲン基で置換された低級ア ルキル基等が挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「エステル化もしくはア ミド化されていてもよいカルボキシル基」と しては、カルボキシル基、アルコキシカルボ ニル基、アルケニルオキシカルボニル基、ア リールオキシカルボニル基、アラルキルオキ シカルボニル基、カルバモイル基、N-モノ置 カルバモイル基、N,N-ジ置換カルバモイル基 が挙げられる。

 「アルコキシカルボニル基」としては、例 ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ ル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシ ルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ド シルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキ カルボニルなどのC 2-18 アルコキシカルボニル基が挙げられる。該「 アルコキシカルボニル基」は置換基を有して いてもよく、その置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アルケニルオキシカルボニル基」として 、例えばアリル(allyl)オキシカルボニル、オ クタ-2,6-ジエニルオキシカルボニル、ドデカ- 2,6,10-トリエニルオキシカルボニルなどのC 2-18 アルケニルオキシカルボニル基が挙げられる 。該「アルケニルオキシカルボニル基」は置 換基を有していてもよく、その置換基として は、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アリールオキシカルボニル基」としては 例えばフェノキシカルボニル、1-ナフトキ カルボニル、2-ナフトキシカルボニル等が挙 げられる。該「アリールオキシカルボニル基 」は置換基を有していてもよく、その置換基 としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アラルキルオキシカルボニル基」として 、例えばベンジルオキシカルボニル、フェ チルオキシカルボニル、3-フェニルプロポ シカルボニルなどのアラルキルオキシカル ニル基が挙げられる。該「アラルキルオキ カルボニル基」は置換基を有していてもよ 、その置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「N-モノ置換カルバモイル基」の置換基と ては、例えば低級アルキル(例、メチル、エ ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル )、低級アルケニル(例、ビニル、アリル(allyl )、イソプロペニル、プロペニル、ブテニル ペンテニル、ヘキセニル等)、シクロアルキ (例、シクロプロピル、シクロブチル、シク ロペンチル、シクロヘキシル等)、アリール( 、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル)、ア ルキル(例、ベンジル、フェネチル等)、複素 環基(例えば後述するR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」と同様のもの等)等が挙げられる 該低級アルキル、低級アルケニル、シクロ ルキル、アリール、アラルキル、複素環基 置換基を有していてもよく、その置換基と ては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「N,N-ジ置換カルバモイル基」の置換基と は、窒素原子上に2個の置換基を有するカル モイル基を意味し、上記した「N-モノ置換カ ルバモイル」における置換基と同様のものが 挙げられる。また、2個の置換基が窒素原子 一緒になって環状アミノを形成する場合も り、この様な場合の環状アミノカルバモイ としては、例えばN-ピロリジルカルボニル、 N-イミダゾリルカルボニル、N-ピペリジルカ ボニル、N-ピペラジルカルボニル、N-メチル- N'-ピペラジルカルボニル、N-モルホリルカル ニルなどが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「アシル基」としては、 水素原子または前記の「N-モノ置換カルバモ ル基」が窒素原子上に1個有する置換基とカ ルボニルとが結合したものが挙げられ、例え ばホルミル基、アセチル、プロピオニルなど の低級アルカノイル基、またはベンゾイル、 ナフトイルなどのアロイル基等が挙げられる 。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 水酸基」の置換基としては、置換されていて もよい低級アルキル基、置換されていてもよ い低級アルケニル基、置換されていてもよい 低級アルキニル基、置換されていてもよいア リール基、置換されていてもよいアラルキル 基、置換されていてもよいシクロアルキル基 、エステル化もしくはアミド化されたカルボ キシル基、置換されていてもよいアルキルス ルファニルチオカルボニル基、置換されてい てもよいアラルキルスルファニルチオカルボ ニル基、置換されていてもよいアルキルスル ホニル基、置換されていてもよいアリールス ルホニル基、置換されていてもよいN-イミダ リルチオカルボニル、置換されていてもよ N-モルホリルチオカルボニル、水酸基の保 基等が挙げられる。該「置換されていても い低級アルキル基」、「置換されていても い低級アルケニル基」、「置換されていて よい低級アルキニル基」、「置換されてい もよいアリール基」、「置換されていても いアラルキル基」、「置換されていてもよ シクロアルキル基」としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」、「置換されていてもよい 低級アルケニル基」、「置換されていてもよ い低級アルキニル基」、「置換されていても よいアリール基」、「置換されていてもよい アラルキル基」、「置換されていてもよいシ クロアルキル基」と同様のものが挙げられる 。該「エステル化もしくはアミド化されたカ ルボキシル基」とは、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としてのエステル化もしくはアミ ド化されていてもよいカルボキシル基」から カルボキシル基を除いたものが挙げられる。 該「置換されていてもよいアルキルスルファ ニルチオカルボニル基」としては、例えばメ チルスルファニルチオカルボニル、エチルス ルファニルチオカルボニル、tert-ブトキシス ファニルチオカルボニル等があげられ、該 置換されていてもよいアラルキルスルファ ルチオカルボニル基」としては、ベンジル ルファニルチオカルボニルオキシ等が挙げ れ、該「置換されていてもよいアルキルス ホニル基」としては、メチルスルホニル、 チルスルホニル、イソプロピルスルホニル ブチルスルホニル等が挙げられ、該「置換 れていてもよいアリールスルホニル基」と ては、ベンゼンスルホニル、p-トルエンス ホニル、m-トルエンスルホニル、o-トルエン ルホニル等が挙げられる。該「置換されて てもよいアルキルスルファニルチオカルボ ル基」、「置換されていてもよいアラルキ スルファニルチオカルボニル基」、「置換 れていてもよいアルキルスルホニル基」、 置換されていてもよいアリールスルホニル 」の有していてもよい置換基としては、前 のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。「置 換されていてもよいN-イミダゾリルチオカル ニル」、「置換されていてもよいN-モルホ ルチオカルボニル」の有していてもよい置 基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。該「 水酸基の保護基」としては、例えば2-テトラ ドロピラニル、トリメチルシリル、トリエ ルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル等 挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい スルファニル基」としては、例えば、スルフ ァニル基、メチルスルファニル、エチルスル ファニル、イソプロピルスルファニル、tert- チルスルファニル等のアルキルスルファニ 基、フェニルスルファニル等のアリールス ファニル基、ベンジルスルファニル等のア ルキルスルファニル基等が挙げられる。該 置換されていてもよいスルファニル基」の していてもよい置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アルキルスルフィニル基」としては、例えば 、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル 、イソプロピルスルフィニル等が挙げられる 。該「置換されていてもよいアルキルスルフ ィニル基」の有していてもよい置換基として は、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アリールスルフィニル基」としては、例えば 、ベンゼンスルフィニル、トルエンスルフィ ニル等が挙げられる。該「置換されていても よいアリールスルフィニル基」の有していて もよい置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アルキルスルホニル基」としては、例えば、 メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソ プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等が 挙げられる。該「置換されていてもよいアル キルスルホニル基」の有していてもよい置換 基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アリールスルホニル基」としては、例えば、 ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル、 ナフチルスルホニル等が挙げられる。該「置 換されていてもよいアリールスルホニル基」 の有していてもよい置換基としては、前記の R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「エステル化もしくアミ ド化されてもよいスルホン酸基」としては、 例えば、スルホン酸基、スルホン酸メチル、 スルホン酸エチル、スルホン酸アミド、N-メ ルスルホン酸アミド等が挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アミノ基」としては、アミノ基、アルキル基 またはアラルキル基でモノまたはジ置換され たアミノ基、アシルアミノ、アルコキシカル ボニルアミノ、アリールオキシカルボニルア ミノ、アラルキルオキシカルボニルアミノ、 アルキルスルホニルアミノあるいはアリール スルホニルアミノ等が挙げられる。

 「アルキル基またはアラルキル基でモノま はジ置換されたアミノ基」としては、例え メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピ アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ エチルメチルアミノ、ベンジルアミノ、ベ ジルメチルアミノ等が挙げられる。該「ア キル基またはアラルキル基でモノまたはジ 換されたアミノ基」は置換基を有していて よく、その置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アシルアミノ」としては、例えばホルミ アミノ、アセチルアミノ、プロピオニルア ノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ バレリルアミノ、イソバレリルアミノ、ピ ロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェナ ルアミノ等が挙げられる。該「アシルアミ 」は置換基を有していてもよく、その置換 としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アルコキシカルボニルアミノ」としては 例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキ カルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニ アミノ等が挙げられる。該「アルコキシカ ボニルアミノ」は置換基を有していてもよ 、その置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アリールオキシカルボニルアミノ」とし は、例えばフェノキシカルボニルアミノ、 フチルオキシカルボニルアミノ等が挙げら る。該「アリールオキシカルボニルアミノ は置換基を有していてもよく、その置換基 しては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アラルキルオキシカルボニルアミノ」と ては、例えばベンジルオキシカルボニルア ノ、フェネチルオキシカルボニルアミノ等 挙げられる。該「アラルキルオキシカルボ ルアミノ」は置換基を有していてもよく、 の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アルキルスルホニルアミノ」としては、 えばメチルスルホニルアミノ、エチルスル ニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミ 、ブチルスルホニルアミノ等が挙げられる 該「アルキルスルホニルアミノ」は置換基 有していてもよく、その置換基としては、 記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「アリールスルホニルアミノ」としては、 えばベンゼンスルホニルアミノ、ナフチル ルホニルアミノ等が挙げられる。該「アリ ルスルホニルアミノ」は置換基を有してい もよく、その置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」としては、例えば、脂肪族単環式 含窒素複素環基、芳香族単環式含窒素複素環 基、縮合含窒素複素環基、含酸素単環式ある いは縮合複素環基、含硫黄単環式あるいは縮 合複素環基等が挙げられる。

 「脂肪族単環式含窒素複素環基」としては 例えばアジリジニル、アゼチジニル、ピロ ジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニ 、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピ リジル、ピペラジル、ピラジニル、モルホ ル、チオモルホリル、オキサジニル、チア ニル、アゼピニル、ジアゼピニル、オキサ ピニル、チアゼピニル等が挙げられる。該 脂肪族単環式含窒素複素環基」は置換基を していてもよく、その置換基としては、前 のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「芳香族単環式含窒素複素環基」としては 例えばピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ 、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾ ル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキ ジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリ 、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル ピラジニル、トリアジニル等が挙げられる 該「芳香族単環式含窒素複素環基」は置換 を有していてもよく、その置換基としては 前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「縮合含窒素複素環基」としては、例えば ンゾピロリジニル、ベンゾイミダゾリジニ 、ベンゾピラゾリジニル、ベンゾオキサゾ ジニル、ベンゾイソキサゾリジニル、ベン チアゾリジニル、ベンゾイソチアゾリジニ 、ベンゾピペリジル、ベンゾピペラジル、 ンゾピラジニル、ベンゾモルホリル、ベン チオモルホリル、ベンゾオキサジニル、ベ ゾチアジニル、ベンゾアゼピニル、ベンゾ アゼピニル、ベンゾオキサゼピニル、ベン チアゼピニル、インドリル、イソインドリ 、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、 ンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリ 、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリ 、1H-ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジ ゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリ ル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジ ル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリ ニル、フェノキサジニル、フェノチアジニ 、フェナジニル、インドリジニル、ピロロ リダジニル、ピロロピリミジニル、ピロロ ラジニル、ピロロピリジル、イミダゾピリ ジニル、イミダゾピリミジニル、イミダゾ ラジニル、イミダゾピリジル、チエノピリ ジニル、チエノピリミジニル、チエノピラ ニル、チエノピリジル、チアゾロピリダジ ル、チアゾロピリミジニル、チアゾロピラ ニル、チアゾロピリジル、ピリダゾピリダ ニル、ピリダゾピリミジニル、ピリダゾピ ジニル、ピリダゾピリジル、トリアゾロピ ジル等が挙げられる。該「縮合含窒素複素 基」は置換基を有していてもよく、その置 基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「含酸素単環式あるいは縮合複素環基」と ては、例えばオキシラニル、オキセタニル オキソラニル、ジオキソラニル、フリル、 ラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサ ル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル ベンゾピラニル、イソベンゾピラニル、ベ ゾジオキサニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘ チル) 、9-オキサビシクロ[3.3.1]ノニル等が げられる。該「含酸素単環式あるいは縮合 素環基」は置換基を有していてもよく、そ 置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 「含硫黄単環式あるいは縮合複素環基」と ては、例えばチエニル、チオキソラニル、 トラヒドロチオピラニル、ジチアニル、ベ ゾチエニル等が挙げられる。該「含硫黄単 式あるいは縮合複素環基」は置換基を有し いてもよく、その置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「アルキレンジオキシ基 」としては、例えば、メチレンジオキシ、エ チレンジオキシ等が挙げられる。

 R 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい シクロアルケニル基」としてはC 3-8 シクロアルケニル基(例えば2-シクロプロペニ ル、2-シクロブテニル、2-シクロペンテニル 2-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、2 -シクロヘプテニル、3-シクロヘプテニル、2- クロオクテニル、4-シクロオクテニルなど) 挙げられる。該「シクロアルケニル基」の していてもよい置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 低級アルキル基」の有していてもよい置換基 と同様な数、同様のものが挙げられる。

 R 2 で表される「置換されていてもよい複素環基 」としては、前記のR 2 で表される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」と同様のものが挙げられる。

 R 3 、R 4 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素と同様のものが挙げら れる。好ましくは、C 1-6 アルキル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が挙げられる。

 R 3 、R 4 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様な数、同様なものが挙げ られる。

 R 3 、R 4 で示される「置換されていてもよい複素環基 」は、前記のR 2 で表される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」と同様のものが挙げられる。

 「R 3 、R 4 がともにそれらが結合している窒素原子と一 緒になって表す置換されていてもよい含窒素 複素環」としての含窒素複素環の例としては 、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素 原子等から選ばれたヘテロ原子が1~4個含まれ ても良い3~8員環の単環性複素環またはこれら に環構造の縮合した2環性または3環性縮合複 環基などが挙げられる。中でも好ましい例 5~7員環の含窒素複素環が挙げられる。特に ましい例としては、アゼピニル、ピペリジ 、ピペラジル、N-メチルピペラジル、ピロ ジル、モルホリル、などが挙げられる。

 「R 3 、R 4 がともにそれらが結合している窒素原子と一 緒になって表す置換されていてもよい含窒素 複素環」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様な数、同様なものが挙げ られる。

 R 1 としては、-SR 2 (R 2 は水素原子、置換されていてもよい炭化水素 基または置換されていてもよい複素環基を示 す)が好ましく、なかでもR 2 が置換されていてもよい炭化水素基であるも のが好ましい。とりわけ-SR 2 において、R 2 が置換されていてもよいアルキル基(置換さ ていてもよいC 1-8 アルキル基)、置換されていてもよいアルケ ル基(置換されていてもよいC 2-8 アルケニル基)、置換されていてもよいアラ キル基(置換されていてもよいC 7-10 アラルキル基)、置換されていてもよいシク アルキル基(置換されていてもよいC 3-8 シクロアルキル基)であるものが好ましい。 に-SR 2 において、R 2 が置換されていてもよいC 1-8 アルキル基であるものがより好ましく、とり わけハロゲン原子で置換されていてもよいC 4-8 アルキル基であるものが好ましい。

 R 5 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が挙げられる。なかで も、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基が好ましい。とりわけ、 C 1-6 アルキル基が好ましく、メチル、エチル、プ ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル 、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペ ンチル、2-メチルブチル、ヘキシル、イソヘ シル、2-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル 2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2, 2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチルが 好ましい。

 R 5 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 5 で示される「アシル基」とは、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としての「アシル基」と同様の ものが挙げられる。

 R 5 で示される「エステル化もしくはアミド化さ れていてもよいカルボキシル基」とは、前記 のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としての「エステル化もしくは アミド化されていてもよいカルボキシル基」 と同様のものが挙げられる。なかでもメトキ シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ キシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、 キシルオキシカルボニル、ドデシルオキシ ルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル どのC 2-18 アルコキシカルボニル基が好ましい。

 R 5 で示される「置換されていてもよい複素環基 」とは、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい複素環基 」と同様のものが挙げられる。

 R 6 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が挙げられる。なかでも、C 1-6 アルキル基、フェニル基、ベンジル基等が好 ましい。

 R 6 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 6 で示される「アシル基」とは、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としての「アシル基」と同様の ものが挙げられる。

 R 6 で示される「エステル化もしくはアミド化さ れていてもよいカルボキシル基」とは、前記 のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としての「エステル化もしくは アミド化されていてもよいカルボキシル基」 と同様のものが挙げられる。

 R 6 で示される「置換されていてもよい複素環基 」とは、前記のR 2 で表される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」と同様のものが挙げられる。

 R 5 とR 6 とが一緒になって形成する環状炭化水素また は複素環としては、炭素原子以外に窒素原子 、酸素原子、硫黄原子等から選ばれた原子を 1~3個含んでもよい、飽和または不飽和の、5~8 員環の単環式炭素環または複素環、あるいは これらを含む2環式縮合炭素環または複素環 どが挙げられる。例えば、シクロアルキル( えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、 クロヘプチルなど)、シクロアルケニル(例 ば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル ど)、芳香族炭化水素環(例えば、フェニル、 ナフチルなど)、含酸素環(例えば、フリル、 キソラニル、テトラヒドロピラニル、オキ ピニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル ど)、含窒素環(例えば、ピロリジル、ピペ ジル、ピリジル、アゼピニル、インドリル キノリニル、ベンゾアゼピニルなど)、含硫 環(例えばチエニル、テトラヒドロチオピラ ニル、ベンゾチエニルなど)などが挙げられ 中でもシクロヘキシル、シクロペンテニル シクロヘキセニル、フェニルなどが特に好 しい。R 5 とR 6 とが一緒になって形成する環状炭化水素また は複素環は置換基を有していてもよく、その 置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 5 としては、置換されていてもよい炭化水素基 、シアノ基、アシル基、エステル化もしくは アミド化されていてもよいカルボキシル基ま たは置換されていてもよい複素環基が好まし く、特に置換されていてもよい炭化水素基が 好ましい。なかでも、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が好ましい。とりわけ 、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基が好ましい。特に、C 1-6 炭化水素基、とりわけ、C 1-6 アルキル基が好ましく、メチル、エチル、プ ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル 、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペ ンチル、2-メチルブチル、ヘキシル、イソヘ シル、2-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル 2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチルが ましい。

 R 6 としては、置換されていてもよい炭化水素基 が好ましい。なかでも、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が好ましい。特に、C 1-6 炭化水素基、とりわけ、C 1-6 アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イ プロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、2-メ チルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、2-エ ルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチ ブチル、3,3-ジメチルブチル等、特にメチル エチル)等が好ましい。

 また、R 5 とR 6 とが一緒になって置換されていてもよいベン ゼン環、置換されていてもよいシクロヘキセ ン環を形成する化合物も好ましい例として挙 げられる。

 R 7 で示される「置換されていてもよい水酸基」 の置換基としては、例えば、置換されていて もよい炭化水素基、置換されていてもよいア ルキルスルホニル基、置換されていてもよい アリールスルホニル基、置換されていてもよ いアルキルカルボニル基、置換されていても よいアリールカルボニル基等が挙げられる。 R 7 で示される「置換されていてもよい水酸基」 のなかでも、水酸基が好ましい。

 R 7 で示される「置換されていてもよい水酸基」 の置換基としての置換されていてもよい炭化 水素基の「炭化水素基」としては、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が挙げられる。なかでも、C 1-6 アルキル基、ベンジル基等が好ましい。「置 換されていてもよい水酸基」の置換基として の置換されていてもよい炭化水素基の置換基 としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 7 で示される「置換されていてもよい水酸基」 の置換基としての置換されていてもよいアル キルスルホニル基、置換されていてもよいア リールスルホニル基の例としては、例えば置 換されていてもよいC 1-4 アルキルスルホニル基、置換されていてもよ いベンゼンスルホニル基等が挙げられ、なか でもメタンスルホニル基、トリフルオロメタ ンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、ト ルエンスルホニル基等が好ましい。

 R 7 で示される「置換されていてもよい水酸基」 の置換基としての置換されていてもよいアル キルカルボニル基、置換されていてもよいア リールカルボニル基としては、例えば置換さ れていてもよいC 1-4 アルキルカルボニル基、置換されていてもよ いベンゾイル基等が挙げられ、なかでもアセ チル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が 好ましい。

 R 7 で示される「置換されていてもよい水酸基」 の置換基としての置換されていてもよいアル キルスルホニル基、置換されていてもよいア リールスルホニル基、置換されていてもよい アルキルカルボニル基および置換されていて もよいアリールカルボニル基の置換基として は、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 8 およびR 9 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が挙げられる。なかでも、C 1-6 アルキル基、フェニル基、ベンジル基等が好 ましい。

 R 8 およびR 9 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 5 とR 8 とが一緒になって形成する環状炭化水素また は複素環としては、炭素原子以外に窒素原子 、酸素原子、硫黄原子等から選ばれた原子を 1~3個含んでもよい、飽和または不飽和の、5~8 員環の単環式炭素環または複素環、あるいは これらを含む2環式縮合炭素環または複素環 どが挙げられる。例えば、シクロアルキル( えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、 クロヘプチルなど)、シクロアルケニル(例 ば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル ど)、芳香族炭化水素環(例えば、フェニル、 ナフチルなど)、含酸素環(例えば、フリル、 キソラニル、テトラヒドロピラニル、オキ ピニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル ど)、含窒素環(例えば、ピロリジル、ピペ ジル、ピリジル、アゼピニル、インドリル キノリニル、ベンゾアゼピニルなど)、含硫 環(例えばチエニル、テトラヒドロチオピラ ニル、ベンゾチエニルなど)などが挙げられ 中でもシクロヘキセニル、フェニルなどが に好ましい。R 5 とR 8 とが一緒になって形成する環状炭化水素また は複素環は置換基を有していてもよく、その 置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 8 とR 9 とが一緒になって形成する環状炭化水素また は複素環としては、炭素原子以外に窒素原子 、酸素原子、硫黄原子等から選ばれた原子を 1~3個含んでもよい、飽和または不飽和の、5~8 員環の単環式炭素環または複素環、あるいは これらを含む2環式縮合炭素環または複素環 どが挙げられる。例えば、シクロアルキル( えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、 クロヘプチルなど)、シクロアルケニル(例 ば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル ど)、芳香族炭化水素環(例えば、フェニル、 ナフチルなど)、含酸素環(例えば、フリル、 キソラニル、テトラヒドロピラニル、オキ ピニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル ど)、含窒素環(例えば、ピロリジル、ピペ ジル、ピリジル、アゼピニル、インドリル キノリニル、ベンゾアゼピニルなど)、含硫 環(例えばチエニル、テトラヒドロチオピラ ニル、ベンゾチエニルなど)などが挙げられ 。R 8 とR 9 とが一緒になって形成する環状炭化水素また は複素環は置換基を有していてもよく、その 置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 8 およびR 9 としては、置換されていてもよい炭化水素基 が好ましい。なかでも、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が好ましい。とりわけ、C 1-6 アルキル基、フェニル基、ベンジル基等が好 ましい。

 R 10 は、水素原子、-ZR 15 または-P(O)R 16 R 17 を示す。

 -ZR 15 のR 15 で表される「置換されていてもよい炭化水素 基」の炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が挙げられる。なかで も、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基等が好ましい。

 R 15 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。なかでも、置換されていてもよいC 1-4 アルキル基、置換されていてもよいC 2-4 アルケニル基、フッ素、塩素、臭素などのハ ロゲン原子、C 1-4 アルコキシ基、C 1-4 ハロアルキル基、カルボキシル基、カルボキ サミド基などが挙げられ、特に好ましい置換 基の例としては、メチル基、エチル基、プロ ピル基、イソプロピル基、ビニル基、フッ素 、塩素、臭素、メトキシ基、エトキシ基など が挙げられる。

 -ZR 15 のR 15 で表される「置換されていてもよい複素環基 」とは、前記のR 2 で表される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい 複素環基」と同様のものが挙げられる。なか でも置換されていてもよいチエニル基、置換 されていてもよいキノリル基、置換されてい てもよいベンゾオキサジアゾリル基、置換さ れていてもよいピリジル基、置換されていて もよいベンゾチアジアゾリル基、置換されて いてもよいベンゾチエニル基、置換されてい てもよいオキサゾリジニル基、置換されてい てもよいベンゾジオキサニル基、置換されて いてもよいジベンゾフラニル基、モルホリル 基が好ましく、特に置換されていてもよいチ エニル基、置換されていてもよいベンゾチア ジアゾリル基、置換されていてもよいピリジ ル基が好ましい例として挙げられる。

 Zは-SO 2 -、-SO-、-CONR 18 SO 2 -(R 18 はC 1-6 アルキル)、-CONR 19 -(R 19 はC 1-6 アルキル)または-CO-を示す。R 18 およびR 19 で表されるC 1-6 アルキルとしては、例えば、メチル、エチル 、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ チル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘ キシル等が挙げられる。

 R 16 およびR 17 で表される「置換されていてもよい炭化水素 基」としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が挙げられる。なかで も、C 1-6 アルキル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が好ましい。特に、メチル、 エチル、フェニル、ベンジルなどが好ましい 。

 R 16 およびR 17 で表される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 16 およびR 17 で表される「置換されていてもよい水酸基」 としては、例えば、置換されていてもよい炭 化水素基が挙げられる。

 R 16 およびR 17 で表される「置換されていてもよい水酸基」 の置換基としての置換されていてもよい炭化 水素基の「炭化水素基」としては、C 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が挙げられる。なかでも、C 1-6 アルキル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基等が好ましい。特に、メチル、 エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベン ジル等が好ましい。「置換されていてもよい 水酸基」の置換基としての置換されていても よい炭化水素基の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 16 およびR 17 で表される「置換されていてもよい水酸基」 としては、C 1-6 アルキル基、C 6-10 アリール基等で置換された水酸基が好ましい 。

 R 16 およびR 17 で表される「置換されていてもよいアミノ基 」としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 」の置換基としての「置換されていてもよい アミノ基」と同様のものが挙げられる。好ま しくは、メチル、エチル、フェニル、ベンジ ル等が挙げられる。

 R 16 およびR 17 としては、C 1-6 アルキル基、C 6-10 アリール基、C 1-6 アルキル基で置換された水酸基、C 6-10 アリール基で置換された水酸基等が好ましく 、特にメチル、エチル、フェニル、ベンジル 、メチルで置換された水酸基、エチルで置換 された水酸基、フェニルで置換された水酸基 等が好ましい。

 R 10 としては-ZR 15 (ZおよびR 15 は前記と同意義を示す)が好ましい。なかで 、Zが-SO 2 -または-CO-であり、R 15 が置換されていてもよいアリール基、置換さ れていてもよいアラルキル基、置換されてい てもよい複素環基であるものが好ましい。と りわけ、Zが-SO 2 -または-CO-であり、R 15 が置換されていてもよいC 6-10 アリール基、置換されていてもよいC 7-10 アラルキル基、置換されていてもよい複素環 基であるものが好ましい。特に、Zが-SO 2 -であり、R 15 がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ ロピル基、ビニル基、フッ素、塩素、臭素、 メトキシ基、エトキシ基などで置換されてい てもよいフェニル基、ベンジル基、チエニル 基、ベンゾチアジアゾリル基、またはZが-CO- あり、R 15 がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ ロピル基、ビニル基、フッ素、塩素、臭素、 メトキシ基、エトキシ基などで置換されてい てもよいピリジル基等が好ましい。

 R 11 は、水素原子または置換されていてもよい炭 化水素基を示す。R 11 で表される「置換されていてもよい炭化水素 基」の炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-6 アルキル基、C 2-6 アルケニル基、C 7-10 アラルキル基等が挙げられる。なかでも、C 1-6 アルキル基、ベンジル基等が好ましく、特に C 1-4 アルキル基等が好ましい。R 11 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 11 としては、水素原子が好ましい。
 R 10 とR 11 が一緒になって形成してもよい含窒素複素環 とは、すなわち、式
で表される部分構造が、
〔式中、B環は置換されていてもよい5~8員環 示す〕で表される5~8員の含窒素複素環であ ものを意味する。より具体的には、式
〔式中、R 17 は前記と同意義を、B 1 環~B 12 環はさらに置換基を有していてもよい含窒素 複素環を示す〕で表される環を意味する。な お、B 1 環~B 12 環が有していてもよい置換基とは、前記のR 15 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」が有していてもよい置換基と同様のもの を意味する。

 R 10 とR 11 が一緒になって形成してもよい含窒素複素環 としては、式
〔式中、B 2 環およびB 3 環はさらに置換基を有していてもよい含窒素 複素環を示す〕で表される6または7員の含窒 複素環が好ましい。

 R 12 およびR 13 で表される「置換されていてもよい炭化水素 基」の炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が挙げられる。なかで も、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 7-10 アラルキル基が好ましい。R 12 およびR 13 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。

 R 12 およびR 13 がともにそれらが結合している窒素原子と一 緒になって示す置換されていてもよい含窒素 複素環の例としては前記の「R 3 、R 4 がともにそれらが結合している窒素原子と一 緒になって表す置換されていてもよい含窒素 複素環」の含窒素複素環と同様のものが挙げ られる。特に好ましい例としては、ピペリジ ル、ピペラジル、N-メチルピペラジル、ピロ ジル、モルホリルなどが挙げられる。

 「R 12 、R 13 がともにそれらが結合している窒素原子と一 緒になって表す置換されていてもよい含窒素 複素環」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様な数、同様なものが挙げ られる。

 R 12 としては、水素原子、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が好ましい。とりわけ 、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 7-10 アラルキル基が好ましい。

 R 13 としては、水素原子が好ましい。

 R 14 で表される「置換されていてもよい炭化水素 基」の炭化水素基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」としての炭化水素基と同様のものが挙げ られる。好ましくは、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が挙げられる。なかで も、C 1-4 アルキル基、C 7-10 アラルキル基が好ましい。R 14 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基としては、前記のR 2 で示される「置換されていてもよい炭化水素 基」の置換基と同様の数、同様のものが挙げ られる。R 14 で表される-ZR 15 は、R 10 で表される-ZR 15 と同様のものが挙げられる。

 R 14 としては、置換されていてもよい炭化水素基 が好ましい。なかでも、C 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 3-8 シクロアルケニル基等が好ましく、とりわけ 、C 1-6 アルキル基、C 7-10 アラルキル基が好ましい。
が好ましく、なかでも
とりわけ
が好ましい。
が好ましく、なかでも
が好ましい。

 化合物(I)としては、式
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表 される化合物〔化合物(I’)〕が好ましく用い られる。なかでも、R 1 が、-SR 2

 R 2 が、それぞれ置換されていてもよいC 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 7-10 アラルキル基またはC 3-8 シクロアルキル基(好ましくは、ハロゲン原 で置換されていてもよいC 4-8 アルキル基)、

 R 5 が、それぞれ置換されていてもよいC 1-12 アルキル基、C 2-12 アルケニル基、C 2-12 アルキニル基、C 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基、C 3-8 シクロアルキル基またはC 3-8 シクロアルケニル基(好ましくはC 1-12 アルキル基)、

 R 6 が、それぞれ置換されていてもよいC 1-8 アルキル基、C 2-8 アルケニル基、C 6-10 アリール基またはC 7-10 アラルキル基(好ましくはC 1-6 アルキル基)、

 R 10 が、-SO 2 -R 15

 R 15 が、それぞれ置換されていてもよいC 6-10 アリール基、C 7-10 アラルキル基または5~6員複素環基(好ましく 、C 1-6 アリール基および/またはハロゲン原子でそ ぞれ置換されていてもよいフェニル基、ベ ジル基、チエニル基またはベンゾチアジア リル基)、および

 R 11 が、水素原子である化合物が好ましく用いら れる。

 上記化合物(I)の塩としては、薬理学的に 容される塩が好ましく、例えば無機塩基と 塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機 との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩 どが挙げられる。

 無機塩基との塩の好適な例としては、例 ばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカ 金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩など のアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウ 塩、アンモニウム塩などが挙げられる。

 有機塩基との塩の好適な例としては、例 ばトリメチルアミン、トリエチルアミン、 リジン、ピコリン、エタノールアミン、ジ タノールアミン、トリエタノールアミン、 シクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエ レンジアミンなどとの塩が挙げられる。

 無機酸との塩の好適な例としては、例え 塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸な との塩が挙げられる。

 有機酸との塩の好適な例としては、例え ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸 シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸 コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、 ンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸 どとの塩が挙げられる。

 塩基性アミノ酸との塩の好適な例として 、例えばアルギニン、リジン、オルニチン どとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩 好適な例としては、例えばアスパラギン酸 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。

 化合物(I)は、水和物であってもよく、非 和物であってもよい。また、本発明で用い れる化合物(I)は、骨格中に1つの不斉炭素を 持ちうるため2種の光学異性体が存在し得る 、それらの各異性体、およびそれらの混合 も本発明に含まれる。またその置換基に不 炭素、不飽和結合を有する場合も同様に立 異性体、幾何異性体を生ずるが、それらの 異性体、およびそれらの混合物も本発明に まれる。

 化合物(I)は、その構造中に硫黄原子を有 、これらは酸化剤(例、過酸化水素またはm- ロロ過安息香酸など)を用いて常法に従い酸 化されていてもよく、スルホキシド、スルホ ン化された化合物も本発明に含まれる。化合 物(I)は、その構造中または置換基にアミド、 イミド、アミジノ、グアニジノあるいはウレ イド基を有することがあるが、これらはその 2重結合が異性化した共鳴構造をとる場合が るが、これら共鳴構造化合物も本発明に含 れる。

 化合物(I)は、WO 02/92606号公報に記載の方 またはこれに準じた方法により製造できる 工程(1)において使用可能なイミダゾチアジ 誘導体の例としては、担体と結合可能とな ように末端にカルボキシル基が導入された 5-[[(1Z)-5,6-ジメチル-3-オキソ-1-([[4-(トリフル オロメチル)フェニル]スルホニル]イミノ)-2,3- ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8-イ ]スルファニル]ペンタン酸が挙げられる。当 該化合物は、WO 02/92606号公報の実施例21-10記 の方法またはこれに準じた方法により製造 きる。

 工程(1)として、(i)被験物質非存在下にお る固相化イミダゾチアジン誘導体とHsp90と 結合量と、(ii)被験物質存在下における固相 イミダゾチアジン誘導体とHsp90との結合量 測定し、比較する場合の例を以下に記載す 。

 まず、適当な緩衝液中で、Hsp90と種々の 度の被験物質とを混合し、一定時間反応さ る。被験物質がHsp90との結合性を有する場合 には、被験物質とHsp90の複合体が形成される 次いで当該混合液に固相化イミダゾチアジ 誘導体を添加し、一定時間反応させる。こ 反応においては、被験物質との複合体を形 していないHsp90が固相化イミダゾチアジン 導体と結合する。反応終了後、緩衝液で固 化イミダゾチアジン誘導体を洗浄し、イミ ゾチアジン誘導体と結合していないHsp90を除 去する。洗浄後の固相化イミダゾチアジン誘 導体と緩衝液を混合した後、熱処理して、イ ミダゾチアジン誘導体に結合したHsp90を緩衝 中に溶出する。被験物質非存在下でも上記 同様の操作を行い、溶出液を得る。

 次いで、溶出液をSDSポリアクリルアミド ル電気泳動に供し、泳動終了後にゲルを染 すると、イミダゾチアジン誘導体に結合し Hsp90がバンドとして検出される。被験物質 存在下および被験物質存在下で得られたHsp90 のバンド(Hsp90の蛋白質量)を比較する。被験 質非存在時よりも被験物質存在時で得られ Hsp90の蛋白質量が少ない場合、当該被験物質 はHsp90とイミダゾチアジン誘導体との結合性 対する阻害活性を有する、すなわち、Hsp90 合活性を有する、と判断できる。

 次に、工程(1)として、(i)被験物質非存在 における固相化Hsp90とラベル化イミダゾチ ジン誘導体の結合量と、(ii)被験物質存在下 おける固相化Hsp90とラベル化イミダゾチア ン誘導体の結合量とを測定し、比較する場 の例を以下に記載する。

 まず、放射性同位元素としてトリチウム 用いてイミダゾチアジン誘導体をラベルし ラベル化イミダゾチアジン誘導体を得る。 当な緩衝液中で、シンチレーターを含有す ビーズに結合させた固相化Hsp90と、ラベル イミダゾチアジン誘導体および種々の濃度 被験物質とを混合し、一定時間反応させる 被験物質がHsp90との結合性を有する場合には 、被験物質は固相化Hsp90に結合する。一方、 験物質と結合していない固相化Hsp90にはラ ル化イミダゾチアジン誘導体が結合する。 応終了後、固相化Hsp90に結合したラベル化イ ミダゾチアジン誘導体の放射活性を、シンチ レーターカウンターを用いて測定し、被験物 質非存在下および被験物質存在下で得られた 放射活性を比較する。被験物質非存在時より も被験物質存在時での放射活性が少ない場合 、当該被験物質はHsp90とイミダゾチアジン誘 体との結合性に対する阻害活性を有する、 なわち、Hsp90結合活性を有する、と判断で る。

 上記の方法の他、本発明の工程(1)として 、表面プラズモン共鳴測定により、固相化H sp90と被験物質の結合量を測定する工程を含 ものが挙げられる。具体的には、例えば、 面プラズモンセンサー(ビアコア社製 ビア ア3 0 0 0等) のセンサーチップ表面に、Hsp9 0を固定化後、チップ表面に適当な緩衝液に 解した被験物質を流したときの表面プラズ ンの変化を測定することにより、Hsp90結合活 性を有する被験物質を選抜する。

 工程(1)においてHsp90結合活性を有する被 物質を選抜し、該被験物質を更に工程(2)お び(3)に供することにより、優れた細胞保護 を得ることができる。

 工程(2)では、ヒートショック蛋白質の発 誘導活性を有する被験物質の選抜を目的と て、被験物質のヒートショック蛋白質発現 導活性を測定する。

 ヒートショック蛋白質の発現誘導活性の 定は、ヒートショック蛋白質またはヒート ョック蛋白質をコードするmRNAを指標として 、ヒートショック蛋白質の発現能を有する細 胞あるいは、細胞抽出物の系を用いて測定す ることができる。工程(2)の好ましい例として は、ヒートショック蛋白質の発現能を有する 細胞を用いて被験物質のヒートショック蛋白 質発現誘導活性を測定する工程が挙げられる 。工程(2)におけるヒートショック蛋白質とは 、例えば、Hsp40、Hsp70及びHsp90から選択される 1種以上である。

 工程(2)として、ヒートショック蛋白質の 現能を有する細胞を用いて被験物質のヒー ショック蛋白質発現誘導活性を測定する場 の例を以下に記載する。

 ヒートショック蛋白質の発現能を有する 胞としてはHsp70の発現能を有するヒト正常 節軟骨細胞を使用する。まず、増殖培地中 単層培養により増殖させた後に、多穴プレ トに播種してさらに培養する。被験物質お びIL-1βを加え、一定時間培養する。培養終 後、緩衝液でプレートを洗浄し、次いで細 溶解用緩衝液を添加する。セルスクレーパ を用いて細胞残渣をプレートより乖離した 、細胞溶解用緩衝液を回収する。回収した 胞溶解用緩衝液を、サンプル用緩衝液と混 して95℃で5分間熱処理した後、SDSポリアク ルアミド電気泳動を行う。泳動終了後、ゲ 内の蛋白質をニトロセルロース膜に吸着さ 、1次抗体として抗Hsp70抗体を、2次抗体とし Horseradish peroxidase標識抗マウスIgG抗体を用 たウエスタンブロット法によって、Hsp70の蛋 白質量を測定する。

 IL-1βの刺激存在下でヒト正常関節軟骨細 中のHsp70の蛋白質量を増加させる被験物質 、ヒートショック蛋白質発現誘導活性を有 ると判断することができる。

 ところで、Hsp90/HSF-1複合体を分離する活 を有する化合物は、ヒートショック蛋白質 発現を誘導することが知られている(非特許 献1)。従って、工程(2)における被験物質の ートショック蛋白質発現誘導活性は、被験 質のHsp90/HSF-1複合体に対する分離活性を測定 することにより測定できる。

 HSF-1は、熱ショック転写因子(heat shock fac tor-1)を意味し、Hsp90と複合体を形成するもの あれば特に限定されない。

 HSF-1としては、各種動物、特にヒト由来 ものが使用できる。ヒトHSF-1としては、例え ば、ヒトHSF-1(GenBank accession No. NP_005517)が使 できる。また、本発明のHSF-1には、HSF-1蛋白 質の塩、修飾されたHSF-1蛋白質も含まれる。

 工程(2)としてHsp90/HSF-1複合体に対する分 活性を測定する場合の例を以下に記載する

 まず、ヒト正常関節軟骨細胞を、蛋白質 解酵素阻害剤を含有する緩衝液で溶解した 、溶解液を遠心分離し、得られた上清をHsp9 0/HSF-1複合体を含有するライセートとして使 する。適当な緩衝液で希釈した上記ライセ トに、被験物質または緩衝液を添加して一 時間反応させる。被験物質がHsp90/HSF-1複合体 に対する分離活性を有する場合は、Hsp90とHSF- 1が解離する。次いで、反応液に抗Hsp90抗体ま たはコントロール抗体を添加し、免疫沈降反 応を行う。反応系にHsp90/HSF-1複合体が存在す 場合は、抗Hsp90抗体/Hsp90/HSF-1複合体が形成 れる。また、反応系にHSF-1と解離したHsp90が 在する場合は、抗Hsp90抗体/Hsp90複合体が形 される。

 次いで、プロテインA/Gアガロースを添加 て一定時間反応させ、抗体をプロテインA/G ガロースに吸着させる。次いで遠心分離に ってプロテインA/Gアガロースを回収し、緩 液で洗浄した後、サンプル用緩衝液と混合 て5分間熱処理する。プロテインA/Gアガロー スに結合した蛋白質が溶出されるので、溶出 液をSDSポリアクリルアミド電気泳動に供する 。

 泳動終了後、ゲル内の蛋白質をニトロセ ロース膜に吸着させ、1次抗体として抗HSF-1 体又は抗Hsp90抗体を、2次抗体としてHorseradis h peroxidase標識抗IgG抗体を用いたウエスタン ロット法を行い、Hsp90およびHSF-1の蛋白質を ンドとして検出する。 被験物質非存在下 よび被験物質存在下で検出される蛋白質の ンド(蛋白質量)を比較する。被験物質非存在 時よりも被験物質存在時でのHSF-1の蛋白質量 少ない場合、被験物質はHsp90/HSF-1複合体に する分離活性を有する、すなわち、ヒート ョック蛋白質発現誘導活性を有する、と判 できる。

 工程(2)においてヒートショック蛋白質の 現誘導活性を有する被験物質を選抜し、該 験物質を更に工程(1)および(3)に供すること より、優れた細胞保護剤を得ることができ 。

 工程(3)では、Hsp90クライアント蛋白質の 解誘導活性を有する被験物質の選抜を目的 して、被験物質のHsp90クライアント蛋白質分 解誘導活性を測定する。

 Hsp90クライアント蛋白質分解誘導活性の 定は、クライアント蛋白質の発現能を有す 細胞あるいは、細胞抽出物の系を用いて測 することができる。工程(3)の好ましい例と ては、例えば、(i)被験物質非存在下におけ 細胞内のHsp90クライアント蛋白質量と、(ii) 験物質存在下における細胞内のHsp90クライア ント蛋白質量とを測定し、比較する工程が挙 げられる。

 Hsp90クライアント蛋白質は、細胞内での 定な存在や正常な機能のためにHsp90と複合体 を形成する性質を有する蛋白質であれば特に 限定されず、例えば、Glucocorticoid receptor、Akt 及びcycline dependent kinase 4から選択される1種 以上が挙げられる。Glucocorticoid receptor(グル コルチコイド レセプター)としては、各種 物、特にヒト由来のもの、例えば、ヒトGluco corticoid receptor(GENBANK Accession No. AAB20466)が挙 げられる。

 Aktは、セリン/スレオニンキナ-ゼの一種(E C 2.7.11.1)である。Aktとしては、各種動物、特 にヒト由来のもの、例えば、ヒトAkt(GENBANK Ac cession No. NP_001014432)が挙げられる。

 cycline dependent kinase 4(サイクリン依存性 ナーゼ4)は、サイクリンDと複合体を形成す ことにより活性化されるキナーゼである。c ycline dependent kinase 4としては、各種動物、 にヒト由来のもの、例えば、ヒトcycline depen dent kinase 4(GENBANK Accession No. NP000066)が挙げ れる。さらにHsp90クライアント蛋白質とし は、EGF-R(epidermal growth factor receptor)、IGF1R(in sulin-like growth factor I receptor)、RIP(receptor-inte racting protein)などが挙げられる。

 Hsp90クライアント蛋白質量は例えば、Hsp90 クライアント蛋白質に対する抗体を用いたウ エスタンブロット法により測定することがで きる。

 工程(3)として(i)被験物質非存在下におけ 細胞内のHsp90クライアント蛋白質量と、(ii) 験物質存在下における細胞内のHsp90クライ ント蛋白質量とを測定し、比較する場合の を以下に記載する。

 まず、ヒト正常関節軟骨細胞を培地に懸 し、多穴プレートに播種して、一定時間培 する。この培養細胞を、Hsp90のクライアン 蛋白質の発現能を有する細胞として使用す 。次いで、培養液に被験物質を添加して、 胞を一定時間培養する。培養終了後、細胞 緩衝液で1回洗浄し、細胞溶解用緩衝液を添 して、セルスクレーパーを用いて細胞残渣 プレートより乖離した後、この細胞溶解用 衝液を回収する。回収した細胞溶解用緩衝 をサンプル用緩衝液と混合して熱処理した 、マルチゲル(第一化学薬品社製)を用いたSD Sポリアクリルアミド電気泳動に供する。

 泳動終了後、ゲル内の蛋白質をニトロセ ロース膜に吸着させて、ウエスタンブロッ 法でクライアント蛋白質をバンドとして検 する。クライアント蛋白質がGlucocorticoid rec eptor、Akt及びcycline dependent kinase 4である場 は、ウエスタンブロット法では、それぞれ 蛋白質に対する抗体を1次抗体として使用す 。2次抗体としてHorseradish peroxidase標識抗IgG 体を使用する。

 被験物質非存在下および被験物質存在下 検出される蛋白質のバンド(蛋白質量)を比 する。被験物質非存在下および被験物質存 下でのクライアント蛋白質の蛋白質量に実 的な差異がない場合、クライアント蛋白質 分解誘導活性を示さないと判断できる。一 、被験物質非存在時よりも被験物質存在時 のクライアント蛋白質の蛋白質量が少ない 合、被験物質はHsp90クライアント蛋白質の分 解誘導活性を有すると判断できる。

 工程(3)においてHsp90クライアント蛋白質 解誘導活性を示さない被験物質を選抜し、 被験物質を更に工程(1)および(2)に供するこ により、優れた細胞保護剤を得ることがで る。

 本発明においては、各工程を実施する順 は特に限定されない。また、2つあるいは3 の工程を同時に実施してもよい。また、工 (2)および(3)は、蛋白質の発現能を有する細 を用いて実施することが好ましい。具体的 は、工程(2)がヒートショック蛋白質の発現 を有する細胞を用いて被験物質のヒートシ ック蛋白質発現誘導活性を測定する工程で り、かつ工程(3)がHsp90クライアント蛋白質の 発現能を有する細胞を用いて被験物質のHsp90 ライアント蛋白質分解誘導活性を測定する 程であることが好ましい。

 また、本発明の細胞保護剤のスクリーニ グ方法は、被験物質に対して以下の工程(1)~ (4)を実施する方法であってもよい。(1)被験物 質とHsp90との結合性を測定する工程、(2)被験 質のヒートショック蛋白質発現誘導活性を 定する工程、(3)被験物質のHsp90クライアン 蛋白質分解誘導活性を測定する工程、およ (4)Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白質発 現誘導活性を示し、Hsp90クライアント蛋白質 解促進活性を示さない被験物質を選抜する 程;

 工程(1)~(3)の目的および実施の形態は上記 と同様である。各工程を実施する順序は特に 限定されない。また、工程(1)~(3)の2つあるい 3つの工程を同時に実施してもよい。工程(4) は、工程(1)~(3)の測定結果に基づいて、Hsp90結 合活性及びヒートショック蛋白質発現誘導活 性を示し、Hsp90クライアント蛋白質分解促進 性を示さない被験物質を選抜する工程であ 。

 本発明のスクリーニング方法により、細 傷害性が弱いか又は細胞傷害性を示さない 優れた細胞保護剤、すなはち、「Hsp90結合 性及びヒートショック蛋白質発現誘導活性 示し、Hsp90のクライアント蛋白質分解促進活 性が弱いか又は該活性を示さない細胞保護剤 」或いは「Hsp90結合活性及びHsp90/HSF-1複合体 離活性を示し、Hsp90のクライアント蛋白質分 解促進活性が弱いか又は該活性を示さない細 胞保護剤」を得ることができる。当該細胞保 護剤は、例えば、心疾患(例、心筋症、心不 、狭心症、心筋梗塞など)、神経疾患(例、パ ーキンソン病、アルツハイマー病、トリプレ ットリピート病、プリオン病、筋萎縮性側策 硬化症小脳変性、色素性網膜炎など)、脳疾 (例、脳梗塞など)、中枢神経感染症(例、HIV 炎、細菌性髄膜炎など)、外傷性疾患(例、脊 髄損傷、脳損傷など)、脱随疾患(例、多発性 化症など)、骨・関節疾患(例、骨粗鬆症、 形関節症、慢性関節リウマチなど)、腎疾患( 例、虚血性急性腎不全、溶血性尿毒症症候群 、急性尿細管壊死、水腎症、糸球体腎炎、糖 尿病性腎症、移植拒絶腎など)、肝疾患(例、 イルス性肝炎、アルコール性肝炎など)、皮 膚疾患、骨髄異形成疾患(例、再生不良性貧 など)、自己免疫性疾患(例、全身性エリテマ トーデス、アトピー性皮膚炎など)、癌性疾 (例、乳癌、精巣腫瘍、卵巣癌、食道癌、肺 、腎臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、前立腺 、胃癌、膀胱癌、子宮頸部癌、結腸癌、直 癌、膵臓癌、胸腺腫など)、代謝性疾患(例 糖尿病、高脂血症、動脈硬化など)または炎 性疾患(例、下垂体膿瘍、甲状腺炎、腹膜炎 、クローン病、潰瘍性大腸炎、結節性紅斑な ど)の予防・治療剤として有用である。

〔細胞保護剤のスクリーニング用キット〕
 本発明は、上記スクリーニング方法のため 好適に用いることができるスクリーニング キット、特に、Hsp90結合活性及びヒートシ ック蛋白質発現誘導活性を示し、Hsp90クライ アント蛋白質分解促進活性を示さない細胞保 護剤のスクリーニング用キットを提供する。

 スクリーニング用キットの一例は、(1)Hsp9 0、(2)ヒートショック蛋白質発現誘導活性の 定用試薬、(3)イミダゾチアジン誘導体、お び(4)Hsp90クライアント蛋白質の定量用試薬を 含むものである。Hsp90は、固相化されていて よい。ヒートショック蛋白質は特に限定さ ないが、Hsp40、Hsp70及びHsp90から選択される1 種以上であることが好ましい。ヒートショッ ク蛋白質発現誘導活性の測定用試薬としては 、例えば、ヒートショック蛋白質またはヒー トショック蛋白質をコードするmRNAの、定量 または検出用試薬が挙げられ、具体的には えば、ヒートショック蛋白質に対する抗体 エライザキットに含まれる試薬、mRNA測定試 、Heat shock elementを用いたレポーターアッ イ用試薬などが挙げられる。イミダゾチア ン誘導体は、固相化されていてもよい。Hsp90 クライアント蛋白質は特に限定されないが、 Glucocorticoid receptor、Akt及びcycline dependent kina se 4から選択される1種以上であることが好ま しい。また、Hsp90クライアント蛋白質の定量 試薬としては、Hsp90クライアント蛋白質に する抗体が好ましい。スクリーニング方法 蛋白質の発現能を有する細胞を用いる方法 ある場合、当該スクリーニング用キットは さらに、(5)ヒートショック蛋白質の発現能 有する細胞、および(6)Hsp90クライアント蛋白 質の発現能を有する細胞を含むことが好まし い。

 また、本発明のスクリーニング用キット 別な例は、(1)Hsp90/HSF-1複合体、(2)Hsp90、(3)Hsp 90の定量用試薬、(4)イミダゾチアジン誘導体 および(5)Hsp90クライアント蛋白質の定量用 薬、を含むものである。Hsp90の定量用試薬と しては、Hsp90に対する抗体が好ましい。スク ーニング方法が蛋白質の発現能を有する細 を用いる方法である場合、当該スクリーニ グ用キットは、さらに(6)Hsp90クライアント 白質の発現能を有する細胞を含むことが好 しい。

〔スクリーニング方法、またはスクリーニン グ用キットを用いて得られる物質〕
 本発明は、上記のスクリーニング方法、ま はスクリーニング用キットを用いて得られ 、Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白質 現誘導活性を示し、Hsp90クライアント蛋白質 分解促進活性を示さない物質を提供する。該 物質とは、例えば、ペプチド、タンパク、非 ペプチド性化合物、合成化合物、抗体、核酸 、ワクチン、発酵生産物、細胞抽出液、植物 抽出液、動物組織抽出液、血漿などである。 該物質は、ペプチド、タンパク、非ペプチド 性化合物または合成化合物の塩であってもよ い。該物質は、そのままで細胞保護剤あるい は医薬として使用することができる。また、 該物質と他の成分との混合物を、細胞保護剤 あるいは医薬として使用することができる。

 本発明のスクリーニング方法またはスク ーニング用キットを用いて得られる物質と ては、前記式(I)のイミダゾチアジン誘導体 挙げられる。該イミダゾチアジン誘導体と ては、例えば、N-[(1Z)-5,6-ジメチル-3-オキソ- 8-[(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルファ ニル]-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チア ン-1-イリデン]-4-メチルベンゼンスルホンア ド)が挙げられる。

 なお、本発明のスクリーニング方法の工 (1)が、Hsp90とイミダゾチアジン誘導体との 合性に対する被験物質の阻害活性を測定す 工程を含むものであり、当該イミダゾチア ン誘導体として前記式(I)の化合物またはそ 塩を使用する場合、スクリーニング方法に いて使用した当該イミダゾチアジン誘導体 たはその塩自体は、「本発明のスクリーニ グ方法またはスクリーニング用キットを用 て得られる物質」からは除かれる。

〔細胞保護剤および医薬〕
 本発明は、上記スクリーニング方法、また スクリーニング用キットを用いて得られる Hsp90結合活性及びヒートショック蛋白質発 誘導活性を示すが、Hsp90クライアント蛋白質 分解誘導活性を示さない物質を含有してなる 細胞保護剤、および該細胞保護剤を含有して なる医薬を提供する。

 上記細胞保護剤および医薬は、各種疾患 特に臓器傷害が関与する疾患および炎症の 防・治療剤として有用である。疾患とは、 えば、心疾患(例、心筋症、心不全、狭心症 、心筋梗塞など)、神経疾患(例、パーキンソ 病、アルツハイマー病、トリプレットリピ ト病、プリオン病、筋萎縮性側策硬化症小 変性、色素性網膜炎など)、脳疾患(例、脳 塞など)、中枢神経感染症(例、HIV脳炎、細菌 性髄膜炎など)、外傷性疾患(例、脊髄損傷、 損傷など)、脱随疾患(例、多発性硬化症な )、骨・関節疾患(例、骨粗鬆症、変形関節症 、慢性関節リウマチなど)、腎疾患(例、虚血 急性腎不全、溶血性尿毒症症候群、急性尿 管壊死、水腎症、糸球体腎炎、糖尿病性腎 、移植拒絶腎など)、肝疾患(例、ウイルス 肝炎、アルコール性肝炎など)、皮膚疾患、 髄異形成疾患(例、再生不良性貧血など)、 己免疫性疾患(例、全身性エリテマトーデス アトピー性皮膚炎など)、癌性疾患(例、乳 、精巣腫瘍、卵巣癌、食道癌、肺癌、腎臓 、肝臓癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、胃癌 膀胱癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌、膵 癌、胸腺腫など)、代謝性疾患(例、糖尿病、 高脂血症、動脈硬化など)または炎症性疾患( 、下垂体膿瘍、甲状腺炎、腹膜炎、クロー 病、潰瘍性大腸炎、結節性紅斑など)などで ある。

 上記細胞保護剤および医薬は、公知の方 によって医薬組成物とし、種々の剤形で、 記疾患の予防・治療剤などとして、哺乳動 (例、ヒト、サル等)に経口的または非経口 に投与しうる。具体的には、上記化合物を 薬学的に許容される担体と混合し、錠剤、 剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、乳 、懸濁剤などとして経口投与、または、注 剤、坐剤または舌下錠などとして、静脈内 皮下および筋肉内などに非経口投与する。 た、舌下錠、マイクロカプセル等の徐放製 として、舌下、皮下および筋肉内などに投 してもよい。

 上記薬学的に許容される担体としては、 剤素材として慣用の各種有機あるいは無機 体物質が用いられ、賦形剤、滑沢剤、結合 、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、 張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合 れる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化 、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用い こともできる。

 上記医薬組成物に含まれる有効成分(上記 スクリーニング方法、またはスクリーニング 用キットを用いて得られる、Hsp90結合活性及 ヒートショック蛋白質発現誘導活性を示す 、Hsp90クライアント蛋白質分解誘導活性を さない物質)の投与量は、症状の程度;投与対 象の年齢、性別、体重;投与の時期、間隔、 薬製剤の性質、調剤、種類;有効成分の種類 どによって異なり、特に限定されない。例 ば、当該医薬組成物を心不全などの治療に いる場合は、通常、成人に対して一日につ 該有効成分を、約0.1~100mg、好ましくは約1.0~ 50mg、より好ましくは約1.0~20mg投与すればよい 。

 以下に、本発明のスクリーニング方法を に詳しく説明する。

(参考例1)
1.被験物質の調製
 以下(i)~(v)の反応を行い、被験物質としてイ ミダゾチアジン誘導体(化合物名:N-[(1Z)-5,6-ジ チル-3-オキソ-8-[(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペ チル)スルファニル]-2,3-ジヒドロ-1H-イミダ [5,1-c][1,4]チアジン-1-イリデン]-4-メチルベン ンスルホンアミド 、以下「化合物A」とい )を合成した。

(i)N-[(4Z)-5-(ジクロロメチレン)-2-オキソイミダ ゾリジン-4-イリデン]-4-メチルベンゼンスル ンアミドの合成:
 2-アミノ-3,3-ジクロロアクリロニトリル(31.9 g, 0.233 mol、純正化学社製)をジエチルエー ル(300 ml、以下エーテルと略すことがある。 )に溶解し、室温で撹拌しながらp-トルエンス ルホニルイソシアネート(36.0 ml,  0.233 mol、 純度98%、東京化成社製)を滴下後、室温で14時 間撹拌した。生成した沈澱物を濾取し、ジエ チルエーテルで洗浄後、乾燥して標題化合物 の淡黄色の粉末を得た。
1 H NMR (CDCl 3 -DMSO-d6=9:1):δ 2.44 (3H, s), 7.34 (2H, d, J= 8.2  Hz), 7.90 (2H, d, J= 8.2 Hz), 8.19 (1H, brs), 10.2  (1H, br).
元素分析値:C 11 H 9 N 3 O 3 SCl 2 として
計算値(%): C, 39.54; H, 2.71; N, 12.57; S, 9.60; Cl, 21.22.
実測値(%): C, 39.62; H, 2.48; N, 12.66; S, 9.63; Cl, 21.00.

(ii)3-[[(5Z)-5-[[(4-メチルフェニル)スルホニル] ミノ]-2-オキソイミダゾリジン-4-イリデン]( ルファニル)メチルスルファニル]プロパン酸 エチルの合成: 上記(i)で合成したN-[(4Z)-5-(ジ ロロメチレン)-2-オキソイミダゾリジン-4-イ リデン]-4-メチルベンゼンスルホンアミド(45.5  g, 0.136 mol)に炭酸カリウム(65.8 g, 0.476 mol) にN,N-ジメチルホルムアミド(450 ml、以下DMFと 略すことがある。)を加え、室温で撹拌しな ら3-メルカプトプロピオン酸エチル(35.9 ml,  0.272 mol)を約2時間かけて滴下した。反応混合 物を室温で12時間撹拌し、さらに80℃で7時間 拌した。反応液を濃縮乾固後、残渣に2N塩 (340 ml)およびメタノール(100 ml)を加えて混 し、生成した沈澱物を濾取し、50%メタノー 水およびエタノールで洗浄後、乾燥して標 化合物の橙褐色の粉末を得た。
1 H NMR (DMSO-d6): δ 1.18 (3H, t, J= 7.1 Hz), 2.33 (3H, s), 2.63 (2H, t, J= 7.1 Hz), 3.30 (1H, s),  3.32 (2H, t, J= 7.1 Hz), 4.07 (2H, q, J= 7.1 Hz),  7.28 (2H, d, J= 8.1 Hz), 7.74 (2H, d, J= 8.1 Hz ), 8.75 (1H, brd, J= 2 Hz), 9.61 (1H, brs).
元素分析値: C 21 H 27 N 3 O 7 S 3 として
計算値(%): C, 47.62; H, 5.14; N, 7.93; S, 18.16.
実測値(%): C, 47.51; H, 4.84; N, 8.19; S, 18.12.

(iii)3-[[(1Z)-5,6-ジメチル-1-[[(4-メチルフェニル) スルホニル]イミノ]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H- ミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8-イル]スルファニ ル]プロパン酸エチルの合成:
 上記(ii)で合成した3-[[(5Z)-5-[[(4-メチルフェ ル)スルホニル]イミノ]-2-オキソイミダゾリ ン-4-イリデン](スルファニル)メチルスルフ ニル]プロパン酸エチル(40 g, 純度約50%、約4 3 mmol)をTHF(600 ml)に溶解し、3-クロロ-2-ブタ ン(9.1 ml, 86 mmol)およびトリエチルアミン(35 .8 ml, 0.258 mol)を加えて室温で1.5時間撹拌後 8時間加熱還流した。反応液を濃縮後、残渣 を酢酸エチル(600 ml)で希釈し、2%炭酸水素ナ リウム水溶液、水、0.1N塩酸、水および飽和 食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、 減圧下濃縮乾固して標題化合物を含む褐色油 状物を得た。

 上記の褐色油状物をトルエン(580 ml)および 水酢酸(11.4 ml)に溶解し、p-トルエンスルホ 酸1水和物(8.98 g, 47 mmol)を加えて100℃で2時 間加熱撹拌した。反応液を濃縮後、残渣を酢 酸エチル(700 ml)で希釈し、水で四回および飽 和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し た。溶媒を減圧下に溜去し、残渣にメタノー ルを加え、生成した沈澱物を濾取し、メタノ ールで洗浄後、乾燥して標題化合物の赤紫色 粉末を得た。
1 H NMR (CDCl 3 ): δ 1.27 (3H, t, J= 7.2 Hz), 1.79 (3H, brq, J= 0.8 Hz), 2.26 (3H, brq, J= 0.8 Hz), 2.42 (3H, s),  2.70 (2H, t, J= 7.5 Hz), 3.20 (2H, t, J= 7.5 Hz ), 4.17 (2H, q, J= 7.2 Hz), 7.29 (2H, d, J= 8.3  Hz), 7.84 (2H, d, J= 8.3 Hz), 9.61 (1H, br).
元素分析値:C 20 H 23 N 3 O 5 S 3  として
計算値(%): C, 49.88; H, 4.81; N, 8.72; S, 19.97.
実測値(%): C, 49.78; H, 5.03; N, 8.68; S, 20.00.

(iv)N-[(1Z)-8-メルカプト-5,6-ジメチル-3-オキソ-2 ,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-1- リデン]-4-メチルベンゼンスルホンアミドを 下の方法により合成した。
 上記(iii)で合成した3-[[(1Z)-5,6-ジメチル-1-[[(4 -メチルフェニル)スルホニル]イミノ]-3-オキ -2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8 -イル]スルファニル]プロパン酸エチル(5.00 g,  10.4 mmol)をTHF(50 ml)およびメタノール(50 ml) 溶解し、水酸化カリウム(2.74 g, 41.5 mmol)を 加えて室温で45分間撹拌した。反応液に1N塩 (42 ml)を加えて混和し、室温で30分間撹拌し 。生成した沈澱物を濾取し、50%メタノール で洗浄後、乾燥して標題化合物の赤色粉末 得た。
1 H NMR (CDCl 3 -DMSO-d6=9:1): δ 1.81 (3H, s), 2.42 (3H, d, J= 0.5  Hz), 2.45 (3H, s), 7.35 (2H, d, J= 8.1 Hz), 7.88  (2H, d, J= 8.3 Hz), 12.82 (2H, br).
元素分析値:C 15 H 15 N 3 O 3 S 3  として
計算値(%): C, 47.22; H, 3.96; N, 11.01; S, 25.22.
実測値(%): C, 47.20; H, 3.90; N, 10.73; S, 25.19.

(v)N-[(1Z)-5,6-ジメチル-3-オキソ-8-[(4,4,5,5,5-ペ ンタフルオロペンチル)スルファニル]-2,3-ジ ドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-1-イリデ ]-4-メチルベンゼンスルホンアミド (化合物 A)の合成:

 v-1:
 反応試薬として、メタンスルホン酸 4,4,5,5, 5-ペンタフルオロペンチルエステルを合成し 。まず、4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ペンタノ ール(1.00 g, 5.61 mmol)のテトラヒドロフラン(2 0.0 ml)溶液に、メタンスルホニル クロリド(0 .652 ml, 8.42 mmol)とトリエチルアミン(1.57 ml, 11.2 mmol)を氷冷下順次加えた。反応混合物を 室温で3時間かき混ぜた後、1N塩酸を加えて酢 酸エチルで抽出した。抽出液を水洗、乾燥(Mg SO 4 )後、溶媒を減圧下に留去して題記化合物を 状物として得た。
赤外吸収スペクトル(IR) (KBr) ν: 3031, 2946, 9 12, 743 cm -1 .
1 H-NMR (CDCl 3 ):δ 1.98-2.35 (4H, m), 3.05 (3H, s), 4.32 (2H, t, J=5.6 Hz).

 v-2:
 上記(iv)で得られたN-[(1Z)-8-メルカプト-5,6-ジ メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c ][1,4]チアジン-1-イリデン]-4-メチルベンゼン ルホンアミド(29.8 g, 78.1 mmol)と炭酸カリウ (16.2 g, 0.117 mol)のN,N-ジメチルホルムアミ (400 ml)の懸濁液に、上記(v-1)で得られたメタ ンスルホン酸 4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチ ル エステル(24.0 g, 93.7 mmol)のN,N-ジメチル ルムアミド(100 ml)溶液を加えた。反応混合 を80℃で2時間加熱した後、1N塩酸を加えて酢 酸エチルで抽出した。抽出液を水洗、乾燥(Mg SO 4 )後、溶媒を減圧下に留去して化合物Aを暗赤 結晶として得た。酢酸エチル-ジエチルエー テルから再結晶して融点190-192℃の暗赤色結 として化合物Aを得た。
赤外吸収スペクトル(IR) (KBr) ν: 3208, 2934, 1 753, 1663, 1624, 1566, 1497 cm -1 .
1 H-NMR (CDCl 3 ):δ 1.79 (3H, d, J=1.0 Hz), 1.90-2.22 (4H, m), 2.2 7 (3H, d, J=1.2 Hz), 2.42 (3H, s), 3.01 (2H, t, J =6.8 Hz), 7.29 (2H, d, J=8.0 Hz), 7.84 (2H, d, J=8 .4 Hz), 9.62 (1H, bs).
元素分析値: C 20 H 20 N 3 O 3 S 3 F 5 として
計算値(%): C, 44.35; H, 3.72; N, 7.76; S, 17.76.
実測値(%): C, 44.32; H, 3.69; N, 7.44; S, 17.67.

 化合物Aを、N,N-dimethylformamide (DMF)に溶解 た溶解液を目的に応じて適切な緩衝液等で 釈し、実施例記載の測定法に使用した。

2.対照化合物
 対照化合物として、既知のHsp90阻害薬であ ゲルダナマイシン(([18S- (4E,5Z,8R*,9R*,10E,12R*,13 S*,14R*,16S*)]-9-[(aminocarbonyl)oxy]-13-hydroxy- 8,14,19-t rimetoxy-4,10,12,16-tetramethyl-2-azabicyclo[16.3.1.]docosa-  4,6,10,18,21- pentan- 3,20,22trion)を使用した。ゲ ルダナマイシン(以下「GA」という)は、Sigma社 製「商品名:Geldanamycin from Streptomyces hygroscopi cus」を使用した。

(参考例2)
 実施例1において使用するため、固相化イミ ダゾチアジン誘導体を調製した。

(1)イミダゾチアジン誘導体の調製
 以下(i)~(iv)の反応を行い、末端にカルボキ ル基を導入したイミダゾチアジン誘導体(化 物名:5-[[(1Z)-5,6-ジメチル-3-オキソ-1-([[4-(ト フルオロメチル)フェニル]スルホニル]イミ )-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン- 8-イル]スルファニル]ペンタン酸、以下「化 物B」という)を合成した。

(i)5-[[(1Z)-5,6-ジメチル-1-[[(4-メチルフェニル) ルホニル]イミノ]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イ ミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8-イル]スルファニ ]ペンタン酸エチルの合成:
 参考例1の(iv)で得られたN-[(1Z)-8-メルカプト- 5,6-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダ [5,1-c][1,4]チアジン-1-イリデン]-4-メチルベン ンスルホンアミド(500 mg, 1.31 mmol)と炭酸カ リウム(272 mg, 1.97 mmol)のN,N-ジメチルホルム ミド(5.00 ml)の懸濁液に、5-ブロモ吉草酸  チルエステル(0.259ml, 1.57 mmol)のN,N-ジメチル ホルムアミド(5.00 ml)溶液を加えた。反応混 物を80℃で30分間加熱した後、1N塩酸を加え 酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗、乾 (MgSO 4 )後、溶媒を減圧下に留去して題記化合物を 成した。酢酸エチル-ジエチルエーテルから 結晶して融点162-164℃の暗赤色結晶を得た。
赤外吸収スペクトル(IR) (KBr) ν: 3221, 2980, 2 936, 1732, 1663, 1564 cm -1 . 1 H-NMR (CDCl 3 ):δ 1.27 (3H, t, J=7.2 Hz), 1.67-1.82 (4H, m), 1.7 9 (3H, d, J=1.0 Hz), 2.26 (3H, d, J=1.2 Hz), 2.28- 2.38 (2H, m), 2.42 (3H, s), 2.88-2.98 (2H, m), 4.14  (2H, q, J=7.2 Hz), 7.29 (2H, d, J=8.0 Hz), 7.85  (2H, d, J=8.4 Hz), 9.61 (1H, bs).
元素分析値: C 22 H 27 N 3 O 5 S 3 として
計算値(%): C, 51.85; H, 5.34; N, 8.24; S, 18.87.
実測値(%): C, 51.68; H, 5.29; N, 8.16; S, 18.42.

(ii)5-[(1-アミノ-5,6-ジメチル-3-オキソ-3H-イミ ゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8-イル)スルファニル]ペ ンタン酸エチルの合成:
 上記(i)で得られた5-[[(1Z)-5,6-ジメチル-1-[[(4- チルフェニル)スルホニル]イミノ]-3-オキソ- 2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8- ル]スルファニル]ペンタン酸エチル(1.34 g,  2.63 mmol)とギ酸アンモニウム(1.75 g, 26.3 mmol) のエタノール(26.0 ml)の懸濁液を80℃で17時間 熱した後、水を加えて酢酸エチルで抽出し 。抽出液を水洗、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒を減圧下に留去した。残留物をシ カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n- ヘキサン-酢酸エチル(10:1, v/v)で溶出して題 化合物を暗赤色結晶として得た。酢酸エチ -ジエチルエーテルから再結晶して融点92.0-94 .0℃の暗赤色結晶を得た。
赤外吸収スペクトル(IR) (KBr) ν: 3405, 3283, 3 115, 2978, 2936, 1723, 1634, 1665, 1537 cm -1 .
1 H-NMR (CDCl 3 ):δ 1.26 (3H, d, J=6.9 Hz), 1.70-1.84 (4H, m), 1.7 4 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.32-2.40 (2H, m), 2.88-2. 98 (2H, m), 4.14 (2H, q, J=6.9 Hz), 7.51 (2H, bs).
元素分析値: C 15 H 21 N 3 O 3 S 2 として
計算値(%): C, 49.92; H, 5.87; N, 11.64; S, 17.77.
実測値(%): C, 49.94; H, 5.79; N, 11.41; S, 17.72.

(iii)5-[[(1Z)-5,6-ジメチル-3-オキソ-1-([[4-(トリフ ルオロメチル)フェニル]スルホニル]イミノ)-2 ,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8- ル]スルファニル]ペンタン酸エチルの合成:
 水素化ナトリウム(230 mg, 5.74 mmol)(60%油性) テトラヒドロフラン(10.0 ml)の懸濁液に、上 記(ii)で得られた5-[(1-アミノ-5,6-ジメチル-3-オ キソ-3H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8-イル)チ ]ペンタン酸エチル(1.02 g, 2.87 mmol)のテト ヒドロフラン(5.00 ml)溶液を加え、氷冷下5分 間かき混ぜた。これに4-(トリフルオロメチル )ベンゼンスルホニル クロリド(1.40 g, 5.74 m mol)のテトラヒドロフラン(5.00 ml)溶液を加え さらに室温で1時間かき混ぜた。反応混合物 に1N塩酸を加えて酢酸エチルで抽出した。抽 液を水洗、乾燥(MgSO 4 )後、溶媒を減圧下に留去して題記化合物を 赤色結晶として得た。酢酸エチル-ジエチル ーテルから再結晶して融点146-148℃の暗赤色 結晶を得た。
赤外吸収スペクトル(IR) (KBr) ν: 3235, 2984, 2 936, 1759, 1738, 1663, 1620, 1559 cm -1 .
1 H-NMR (CDCl 3 ):δ 1.26 (3H, d, J=7.2 Hz), 1.70-1.78 (4H, m), 1.8 0 (3H, d, J=1.2 Hz), 2.28 (3H, d, J=0.9 Hz), 2.31- 2.38 (2H, m), 2.94-3.00 (2H, m), 4.14 (2H, q, J=7.2  Hz), 7.77 (2H, d, J=8.7 Hz), 8.11 (2H, d, J=9.0  Hz), 9.61 (1H, bs).
元素分析値: C 22 H 24 N 3 O 5 S 3 F 3 として
計算値(%): C, 46.88; H, 4.29; N, 7.46; S, 17.07.
実測値(%): C, 46.86; H, 4.17; N, 7.62; S, 17.16.

(iv)5-[[(1Z)-5,6-ジメチル-3-オキソ-1-([[4-(トリフ オロメチル)フェニル]スルホニル]イミノ)-2, 3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c][1,4]チアジン-8-イ ル]スルファニル]ペンタン酸(化合物B)の合成:
 上記(iii)で得られた5-[[(1Z)-5,6-ジメチル-3-オ ソ-1-([[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ス ホニル]イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[5,1-c ][1,4]チアジン-8-イル]スルファニル]ペンタン エチル(1.05 g, 1.86 mmol)のエタノール(10.0 ml )及びテトラヒドロフラン(10.0 ml)溶液に、1N 酸化ナトリウム水溶液(5.59 ml)を加えた。反 混合物を室温で1時間かき混ぜた後、溶媒を 減圧下に留去した。残渣に1N塩酸を加えて、 酸エチルで抽出した。抽出液を水洗、乾燥( MgSO 4 )後、溶媒を減圧下に留去して題記化合物(747 mg, 75%)を暗赤色結晶として得た。酢酸エチ -ジエチルエーテルから再結晶して融点191-193 ℃の暗赤色結晶として化合物Bを得た。
赤外吸収スペクトル(IR) (KBr) ν: 3700-2400, 312 5, 2928, 1725, 1663, 1599, 1557 cm -1 .
1 H-NMR (CDCl 3 ):δ 1.70-1.83 (4H, m), 1.80 (3H, d, J=1.2 Hz), 2.2 8 (3H, d, J=1.2 Hz), 2.37-2.45 (2H, m), 2.94-3.02 ( 2H, m), 7.77 (2H, d, J=8.1 Hz), 8.11 (2H, d, J=8.4  Hz), 9.69 (1H, bs).
元素分析値: C 20 H 20 N 3 O 5 S 3 F 3 として
計算値(%): C, 44.85; H, 3.76; N, 7.85; S, 17.96.
実測値(%): C, 44.39; H, 4.04; N, 7.83; S, 17.66.

(2)イミダゾチアジン誘導体の固相化
 イミダゾチアジン誘導体(化合物B)の固相化 以下の方法により行った。まず、化合物Bを 100 mMとなるように85%のN,N-dimethylformamide (DMF) 溶解した。次いで2 mlの上記溶解液に、20 m gの1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide hydrochr oride (EDC)と1 mlのAF-アミノトーヨーパール650( 東ソー社製)を添加し、pHを5.0に調整した後、 室温で一日攪拌して化合物B のカルボキシル 基とAF-アミノトーヨーパール650のアミノ基を 反応させた。反応終了後、AF-アミノトーヨー パール650担体を85% DMFで洗浄し、これに570 μ lの0.2 M sodium acetateと285 μlのglacial acetic ac idを添加して0℃に30分間保持した後、285μlのg lacial acetic acidを添加して25℃でさらに30分間 保持した。この担体を水と0.1 N NaClで繰り返 し洗浄した後、Binding Bufferで平衡化したもの を、固相化イミダゾチアジン誘導体(以下「 相化化合物B」という)として、実施例におい て使用した。

 本発明のスクリーニング方法の工程(1)の 態様として、(i)被験物質非存在下における 相化イミダゾチアジン誘導体とHsp90との結 量と、(ii)被験物質存在下における固相化イ ダゾチアジン誘導体とHsp90との結合量を測 し、比較する工程を以下のようにして実施 た。

(1)His-hHsp90αの調製
 Hsp90として、大腸菌を用いてN末端にヒスチ ンタグを付加した精製ヒトHsp90α蛋白質(His-h Hsp90α) を使用した。His-hHsp90αは以下のよう して調製した。

 まず、ヒトの骨格筋の相補的DNA(cDNA)ライ ラリー(Clontech社)よりHsp90αをコードする領 をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により増幅し た。ヒトHsp90αのcDNA増幅には、5'末端側にBamHI 切断部位を含むヒトHsp90αのN末端と一致する ンス鎖(配列番号:1)、および5'末端側にSalI切 断部位を含むヒトHsp90αのC末端と一致するア チセンス鎖(配列番号:2)を使用した。増幅し たヒトHsp90αはBamHIおよびSalIで切断後、pET28b(N ovagen社)のBamHI切断部位およびSalI切断部位の に挿入して、pET28b-hHsp90αを得た。得られた ラスミド内のhHsp90αcDNA配列は、DNAシーケン ・システム(アプライド・バイオシステム社) を用いて確認した。

 pET28b-hHsp90αを大腸菌BL21(DE3)(Novagen社)に形 転換した後、アンピシリンを添加したLB培 に植菌し、37℃で一晩振とう培養した。これ を同じ組成の培地に1%となるように移した後3 7℃で約2.5時間培養し、1 mMのイソプロピル-1- チオ-β-D-ガラクトピラノシド(IPTG)を添加して 37℃で4 時間培養し、His-hHsp90α蛋白質の発現 誘導した。培養終了後、大腸菌を回収し、1 00 mlの培養液から得られた菌体あたり10 mlの 0.1 % NP40を含有するバッファー(20 mM Tris-HCl( pH7.9)/500 mM NaCl/5 mM Imidazole)を添加し、超音 破砕した。この菌体破砕液を、10000 rpmで15 間遠心分離し、その上清を回収した。該上 をニッケルカラムに供し、His-hHsp90α蛋白質 得た。

(2)被験物質とHsp90との結合性の測定方法
 固相化イミダゾチアジン誘導体として、参 例2で調製した固相化化合物Bを使用した。 ず、10μgの His-hHsp90αと種々の濃度の被験物 を、0.2 mlの0.5% DMFを含有するBinding Buffer ( 10 mM Tris-HCl, pH 7.5, 20 % glycerol, 1 mM EDTA, 500 mM NaCl, 1 mM DTT)中で30分間反応させた。 次に、10μlの固相化化合物Bを添加し、攪拌し ながら室温で40分間保持して、His-hHsp90αを固 化化合物Bに結合させた。反応終了後、0.2 m lのBinding Bufferで固相化化合物Bを5回洗浄して 、固相化化合物Bに結合していないHis-hHsp90α 洗浄除去した。次いで固相化化合物Bをサン ル用緩衝液(Tris-SDS-ME Sample Buffer;第一化学 品製)と等量ずつ混合して、95℃で5分間熱処 することで固相化化合物Bに結合したHis-hHsp9 0αを溶出した後、マルチゲル(第一化学薬品 製)を用いて、SDSポリアクリルアミド電気泳 を行った。泳動終了後、ポリアクリルアミ ゲルを銀染色して固相化化合物Bに結合した His-hHsp90αを検出した。

(3)測定結果
 被験物質である化合物Aは、His-hHsp90α蛋白質 と固相化化合物Bの結合量を用量依存的に減 させた。一方、対照化合物GAは、50μM以下の 度では影響を及ぼさなかった(図1)。従って 化合物Aは、固相化化合物Bと同じ部位でHis-h Hsp90αに強く結合すると考えられるが、当該 合部位へのGAの親和性は低いと考えられる。

 本工程により、Hsp90結合活性を有する被 物質(Hsp90阻害剤)の選抜が可能であることが された。

 本発明のスクリーニング方法の工程(1)の な態様として、(i)被験物質非存在下におけ 固相化Hsp90とラベル化イミダゾチアジン誘 体の結合量と、(ii)被験物質存在下における 相化Hsp90とラベル化イミダゾチアジン誘導 の結合量とを測定し、比較する工程を実施 た。

(1)固相化Hsp90蛋白質の調製
 Hsp90として、大腸菌を用いて、N末端にヒス ジンタグを付加した精製ヒトHsp90α蛋白質(Hi s2-hHsp90α)を使用した。His2-hHsp90αは、以下の うにして調製した。まず、pET28b-hHsp90αよりBa mHI切断部位とBpu1102I切断部位を利用してhHsp90 遺伝子を切り出し、これをpET15b(Novagen社)のBa mHI切断部位とBpu1102I切断部位の間に挿入し、p ET15b-hHsp90αを得た。

 pET15b-hHsp90αを形質転換した大腸菌BL21(DE3)( Novagen社)をアンピシリンを添加したM-9培地で 養し、これに1mMのイソプロピル-1-チオ-β-D- ラクトピラノシド(IPTG)を添加して37℃で4  間培養して、His2-hHsp90α蛋白質の発現を誘導 た。培養終了後、大腸菌を回収し、バッフ ー(50 mM Tris-HCl(pH8.0)/5 mM EDTA/ 0.5 mM APMSF) 添加し、超音波破砕した。この菌体破砕液 、39800×Gで30分間遠心分離し、その上清を回 収した。これを60%飽和硫酸アンモニウムで4 で15時間処理して蛋白質を沈殿させたのち、 30,100 x gで30分間遠心分離した。得られた沈 をバッファー(20 mM Tris-HCl, pH8.0, 300 mM NaC l, 10 mM imidazole)に懸濁し、これをニッケル ラムに供し、His2-hHsp90α蛋白質を得た。得ら たHis2-hHsp90αは、DEAE-5PWカラムを用いたHPLCで さらに精製して使用した。

 次に、62.5μgのYsi (2-5 μm)copper his-tag SPA beads(アマシャム、バイオサイエンス社製)と0 .8μgのHis2-hHsp90α蛋白質を、0.025%のTween 20と100 μMのDTTを含有する100μlの燐酸緩衝液(PBS)中で 合し、96-well ルミヌンクプレート(Nunc社製) で4℃で一晩反応させた。以上により、ヒス チジンタグを介してHis2-hHsp90α蛋白質をYsi (2- 5 μm)copper his-tag SPA beads に結合させた固相 化Hsp90を調製した。

(2)被験物質とHsp90との結合性の測定方法
 ラベル化イミダゾチアジン誘導体としてト チウムラベルした化合物A(以下「[ 3 H]-化合物A」という)を使用した。種々の濃度 被験物質(化合物A)と40 nMのトリチウムラベ した化合物Aを、固相化Hsp90を含む上記プレ トに添加し、室温で6時間放置した後、His2-h Hsp90α蛋白質に結合した[ 3 H]-化合物Aの放射活性をマイクロプレートシ チレーターカウンター(TopCount NXT; Packard社 )を用いて測定した。

 [ 3 H]-化合物Aの総結合量は、His2-hHsp90α蛋白質を 定化していないYsi (2-5μm)copper his-tag SPA be adsと40 nM  [ 3 H]-化合物Aとを反応させた際の値を非特異的 合活性として差し引くことで算出した。

(3)測定結果
 被験物質である化合物Aは、[ 3 H]-化合物AとHis2-hHsp90α蛋白質との結合量を用 依存的に減少させたが、GAは100μM以下の濃 では30%以下の弱い阻害活性しか示さなかっ  (図2)。従って、Hsp90の化合物A結合部位に対 するGAの親和性は低いと考えられる。

 本工程により、Hsp90との結合性を有する 験物質(Hsp90阻害剤)の選抜が可能であること 示された。

 工程(2)の一態様として、ヒートショック 白質の発現能を有する細胞を用いて、被験 質のヒートショック蛋白質発現誘導活性を 定する工程を実施した。ヒートショック蛋 質としてはHsp70を使用した。

(1)Hsp70の発現能を有する細胞の調製
 ヒト正常関節軟骨細胞(Clonetics社製)を関節 骨細胞用増殖培地(CGM、Clonetics社製)中で単層 培養により増殖させた後に、2.2x10 4 個/mlとなるようにダルベッコ改変イーグル培 地/ハムF12培地 1:1混合培地に懸濁し、12穴プ ート(旭テクノグラス社製)に3 ml/wellずつ播 して、5%CO 2 、37℃で1日培養した。

(2)被験物質のHsp70発現誘導活性の測定方法
 培地を新しいダルベッコ改変イーグル培地/ ハムF12培地 1:1混合培地に交換した後、被験 質と10 ng/mlのIL-1β(Genzyme Techne社製)を加え これを5% CO 2 、37℃で2日間培養した。培養終了後、リン酸 緩衝液(Phosphate-Buffered Salline、PBS)で1回洗浄し 、100μlの細胞溶解用緩衝液〔10 mM Tris(hydroxym ethyl)aminomethane, pH7.4, 150 mM NaCl,1 mM EDTA・2Na ,1 mM EGTA、0.5 mM (p-aminophenyl)methanesulfonyl fluo ride hydrochloride,200 μM Sodium β-glycerophosphate n -hydrate, 20 mM NaF, 2 mM Sodium diphosphate decahyd rate, 10μg/ml Aprotinin, 10μg/ml Leupeptin,1 % Trito n X-100, 0.5% Nonidet P40,0.1% SDS および 1 mM o -Vanadate〕を添加して、セルスクレーパーを用 いて細胞残渣をプレートより乖離した後、こ の細胞溶解用緩衝液を回収した。回収した細 胞溶解用緩衝液は、サンプル用緩衝液(Tris-SDS -ME Sample Buffer;第一化学薬品製)と等量ずつ混 合して95℃で5分間熱処理した後、マルチゲル (第一化学薬品社製)を用いたSDSポリアクリル ミド電気泳動に付した。

 泳動終了後、ホライズブロット(ATTO社製) 用いてゲル内の蛋白質をニトロセルロース (Hybond-ECL;アマシャム・ファルマシア・バイ テック社製)に吸着させ、1次抗体として抗Hs p70抗体(Transduction Laboratories社製)又は抗β-Actin 抗体(Sigma社製)を、2次抗体としてHorseradish per oxidase標識抗マウスIgG抗体(Kirkegaard & Perry Laboratoies社製)を用いたウエスタンブロット よって、それぞれの蛋白質量を測定した。β -Actinは、蛋白質のニトロセルロース膜への吸 着工程などを検証する目的で用いた。

(3)測定結果
 被験物質である化合物A、および対照化合物 GAは、ともにIL-1βの刺激存在下でHsp70蛋白質 を明確に増加させた(図3)。両者のHsp70発現誘 導活性は、ほぼ同等と考えられる。

 本工程にて被験物質のヒートショック蛋 質発現誘導活性を測定することにより、ヒ トショック蛋白質発現誘導活性を有する物 の選抜が可能であることが示された。

 工程(2)の別な態様として、被験物質のHsp9 0/HSF-1複合体に対する分離活性を測定する工 を実施した。Hsp90/HSF-1複合体を分離する活性 を有する被験物質はヒートショック蛋白質発 現誘導活性を有することが期待される。

(1)Hsp90/HSF-1複合体の調製
 ヒト正常関節軟骨細胞(Clonetics社製)をPBSで 浄後、蛋白質分解酵素阻害剤(Complete; Boeringe r Mannheim)を含有するRIPA 緩衝液(50 mM Tris-HCl,  pH 8.0, 150 mM NaCl, 1% NP-40, 0.1% SDS, 0.5% de oxycholic acid)で溶解し、これを16,000 × gで10 間遠心分離した後、その上清をHsp90/HSF-1複合 体を含有するライセートとして使用した。

(2)Hsp90/HSF-1複合体に対する分離活性の測定方
 次に2 mg/mlとなるように希釈した上記ライ ート0.6 mlに、1μMの化合物A又はバッファー 添加して30分間反応させた。これに、30μgの Hsp90抗体(SPA-840; StressGen社製)、又はコント ール抗体(シグマ社製)を添加して30分間反応 せた後、50μlのプロテインA/Gアガロース(サ タクルズ社製)を添加して、さらに4℃で3時 攪拌しながら反応させて抗体をプロテインA /Gアガロースに吸着させた。次に遠心分離に ってビーズを回収し、RIPA緩衝液で7回洗浄 た後、サンプル用緩衝液(Tris-SDS-ME Sample Buff er;第一化学薬品製)と等量ずつ混合して95℃で 5分間熱処理した後に、マルチゲル(第一化学 品社製)を用いたSDSポリアクリルアミド電気 泳動に付した。

 泳動終了後、ホライズブロット(ATTO社製) 用いてゲル内の蛋白質をニトロセルロース (Hybond-ECL;アマシャム・ファルマシア・バイ テック社製)に吸着させ、1次抗体として抗HS F-1抗体(StressGen社製)又は抗Hsp90抗体(Transduction Laboratories社製)を、2次抗体としてHorseradish pe roxidase標識抗ウサギIgG抗体(Cell Signaling Technol ogy社製)又はHorseradish peroxidase標識抗マウスIgG 抗体(Kirkegaard & Perry Laboratoies社製)を用い たウエスタンブロットによって、それぞれの 蛋白質量を測定した。

(3)測定結果
 免疫沈降時にコントロール抗体を用いた場 、ライセートからはHsp90蛋白質は回収でき 、HSF-1も検出されなかった(図4、lane 1)。一 で、免疫沈降時に抗Hsp90抗体を用いるとライ セートよりHsp90が回収され、これに伴ってHSF- 1が共沈してきた(図4、lane 2)。以上の結果よ 、本実験系においてライセートからHsp90/HSF- 1複合体を回収できることがわかる。次に、 Hsp90抗体を用いてHsp90/HSF-1複合体を回収する に、化合物Aを共存させると、ライセートよ りHsp90は回収されるもののHSF-1の共沈が認め れなくなった(図4、lane 3)。以上の結果より 化合物AがHsp90/HSF-1複合体を分離させること わかる。
本工程によりHsp90/HSF-1複合体に対する分離活 を有する被験物質の選抜が可能であること 示された。

 本発明のスクリーニング方法の工程(3)の 態様として、Hsp90クライアント蛋白質の発 能を有する細胞を用いて被験物質のHsp90クラ イアント蛋白質分解誘導活性を測定する工程 を実施した。

(1)Hsp90のクライアント蛋白質の発現能を有す 細胞の調製
 ヒト正常関節軟骨細胞を0.5x10 5 個/mlとなるように関節軟骨細胞用増殖培地に 懸濁し、6穴プレート(ファルコン社製)に2 ml/ wellずつ播種して、5% CO 2 、37℃で1日培養した。培地をダルベッコ改変 イーグル培地/ハムF12培地 1:1混合培地に交換 し、これを5% CO 2 、37℃でさらに1日培養した。

(2)被験物質のHsp90のクライアント蛋白質分解 導活性の測定方法
 培養液に被験物質を添加して、細胞を5% CO 2 、37℃でさらに約18時間培養した。培養終了 、リン酸緩衝液(Phosphate-Buffered Salline、PBS)で 1回洗浄し、200μlの細胞溶解用緩衝液〔10 mM  Tris(hydroxymethyl)aminomethane, pH7.4, 150 mM NaCl,1 m M EDTA・2Na,1 mM EGTA、0.5 mM (p-aminophenyl)methanes ulfonyl fluoride hydrochloride,200 μM Sodium β-glycer ophosphate n-hydrate, 20 mM NaF, 2 mM Sodium diphosp hate decahydrate, 10μg/ml Aprotinin, 10μg/ml Leupepti n,1 % Triton X-100, 0.5% Nonidet P40,0.1% SDS およ び 1 mM o-Vanadate〕を添加して、セルスクレ パーを用いて細胞残渣をプレートより乖離 た後、この細胞溶解用緩衝液を回収した。 収した細胞溶解用緩衝液は、サンプル用緩 液(Tris-SDS-ME Sample Buffer;第一化学薬品製)と 量ずつ混合して95℃で5分間熱処理した後、 ルチゲル(第一化学薬品社製)を用いたSDSポリ アクリルアミド電気泳動に付した。

 泳動終了後、ホライズブロット(ATTO社製) 用いてゲル内の蛋白質をニトロセルロース (Hybond-ECL;アマシャム・ファルマシア・バイ テック社製)に吸着させて、ウエスタンブロ ットで各種クライアント蛋白質の蛋白質量を 解析した。ウエスタンブロットには、1次抗 として抗Glucocorticoid receptor抗体(サンタクル 社製)、抗Akt抗体(Cell Signaling Technology社製) 抗Cyclin dependent kinase 4抗体(Calbiochem社製)、 又は抗β-Actin抗体(Sigma社製)を、2次抗体とし Horseradish peroxidase標識抗ウサギIgG抗体(Cell Si gnaling Technology社製)又はHorseradish peroxidase標 抗マウスIgG抗体(Kirkegaard & Perry Laboratoies 社製)を用いた。β-Actinは、蛋白質のニトロセ ルロース膜への吸着工程などを検証する目的 で用いた。

(3)測定結果
 被験物質である化合物Aは、10μM以下の濃度 は、Glucocorticoid receptor、Akt、Cyclin dependent  kinase 4などのHsp90のクライアント蛋白質の細 内蛋白質量に影響を及ぼさなかった。

 一方、対照物質GAは、10 nM以上の濃度で Glucocorticoid receptor、Akt、Cyclin dependent kinase 4の細胞内蛋白質量を減少させた。その作用 特にGlucocorticoid receptorとAktにおいて顕著で った (図5)。化合物Aは、GAと比較して、ク イアント蛋白質の分解誘導活性が1/1000以下 考えられる。

 本工程によりHsp90クライアント蛋白質分 誘導活性を示さない、あるいは該活性の弱 被験物質が選抜できることが示された。

〔細胞保護活性の検証〕
 以下の方法により、化合物AとGAの細胞保護 性を検証した。

 まず、ヒト正常関節軟骨細胞を4x10 4 個/mlとなるように関節軟骨細胞用増殖培に懸 濁し、96穴プレートに播種して、5% CO 2 、37℃で1日培養した。培地をダルベッコ改変 イーグル培地/ハムF12培地 1:1混合培地に交換 した後、被験物質と10 ng/mlのIL-1βを添加して 、これを5% CO 2 、37℃でさらに1日培養した。次に、培養液に 110 μM の一酸化窒素発生試薬(±)-(E)-4-Ethyl-2-[ (E)-hydroxyimino]-5-nitro-3-hexenamide (NOR3; 同仁堂社 製)を添加して1日培養することで細胞死を誘 した。培養終了後、細胞の生存率を3-(4,5-dim ethylthiazole-2-yl)-2,5-diphenyltetrazorium bromide(MTT;同 仁堂社製) を用いて測定した。その結果、化 合物AはNOで誘発した細胞死に対して用量依存 的な抑制作用を示したが、GAは逆に細胞の生 率を低下させた(図6)。化合物Aは優れた細胞 保護活性を有することが確認された。

〔細胞傷害性の検証〕
 以下の方法により、化合物AとGAの細胞傷害 を検証した。

 まず、ヒト正常関節軟骨細胞を5x10 4 個/mlとなるように関節軟骨細胞用増殖培に懸 濁し、96穴プレートに播種して、5% CO 2 、37℃で1日培養した。培養液に被験物質を添 加して、5% CO 2 、37℃でさらに2日間培養した。培養終了後、 細胞の生存率を(2-(2-Methoxy-4-nitrophenyl)-3-(4-nitro phenyl)-5-(2,4-disulfophenyl)-2H-tetrazolium, monosodium s alt(WST-8;同仁堂社製) を用いて測定した。そ 結果、化合物Aは10μM以下の濃度で細胞の生 率に影響を及ぼさなかったが、GAは30 nM以上 の濃度で細胞の生存率を大幅に減弱させた( 7)。化合物Aの細胞傷害性はGAの1/300以下と考 られる。

 以上により、化合物Aは細胞傷害性の低い 、優れた細胞保護剤であることが確認された 。

〔スクリーニング結果〕
 工程(1)、(2)および(3)を実施することにより 化合物Aが「Hsp90結合活性及びヒートショッ 蛋白質発現誘導活性を示し、Hsp90のクライ ント蛋白質分解促進活性を示さない細胞保 剤」或いは「Hsp90結合活性及びHsp90/HSF-1複合 分離活性を示し、Hsp90のクライアント蛋白 分解促進活性を示さない細胞保護剤」とし の性質を有すること、また、細胞傷害性が いことが確認された。

 本発明のスクリーニング方法により、「H sp90結合活性及びヒートショック蛋白質発現 導活性を示し、Hsp90のクライアント蛋白質分 解促進活性を示さない細胞保護剤」或いは「 Hsp90結合活性及びHsp90/HSF-1複合体分離活性を し、Hsp90のクライアント蛋白質分解促進活性 を示さない細胞保護剤」が得られることが示 された。本発明のスクリーニング方法は、優 れた細胞保護剤の探索のために使用可能であ る。

 本発明は、Hsp90結合活性及びヒートショ ク蛋白質発現誘導活性を示すが、Hsp90クライ アント蛋白質分解促進活性を示さない細胞保 護剤として、ならびにそのような細胞保護剤 をスクリーニングするための方法およびキッ ト等として有用である。