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Patent Searching and Data


Title:
LAMINATED CERAMIC ELECTRONIC COMPONENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139112
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a laminated ceramic electronic component that reduces the occurrence of short-circuit failure resulting from crack even when mechanical stress or thermal stress is applied. First and second internal electrodes (3) and (4) are piled up via a ceramic layer, and a first internal conductor (7) and a second internal conductor (8) are formed in at least one of the outer portions of an active area (B) that acquires capacitance in a direction in which the layers are piled up. When the length of a laminated ceramic electronic component (1) which extends in a direction of the length of a ceramic element (2) is L, the length of the first and second internal electrodes (3) and (4) is X1, the distance between a first end face (2c) and the end portion of a second end face of the first internal conductor (7) is Y1, the distance between the second end face (2d) and the end portion of a first end face of the second internal conductor (8) is Y2, and the distances between the first and second end faces (2c) and (2d) and the tips of first and second wraparound sections (5b) and (6b) are E1 and E2, respectively, the laminated ceramic electronic component (1) satisfies Y2

Inventors:
HARA KATSUHIKO (JP)
SHIMIZU NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001699
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
April 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
HARA KATSUHIKO (JP)
SHIMIZU NAOKI (JP)
International Classes:
H01G4/12; H01G4/30
Foreign References:
JP2008091521A2008-04-17
JPH06163311A1994-06-10
JP2000150289A2000-05-30
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, CHIKARA (JP)
Chikara Miyazaki (JP)
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Claims:
 複数のセラミック層を有し、対向し合う第1の主面及び第2の主面と、対向し合う第1の端面及び第2の端面と、対向し合う第1,第2の側面とを有するセラミック素体と、
 前記セラミック素体の前記第1の端面に形成された第1の端面部と、前記第1の端面部に連ねられており、前記第1の主面及び第2の主面上に位置している第1の回り込み部とを有する第1の外部端子電極と、
 前記第2の端面に形成された端面部と、前記第2の端面部に連ねられており、前記第1の主面及び第2の主面上に位置している第2の回り込み部とを有する第2の外部の端子電極と、
 前記セラミック素体内に形成されており、かつ前記第1の外部端子電極と電気的に接続されるように前記第1の端面に引き出されている第1の内部電極と、
 前記セラミック素体内に形成されており、かつ前記第2の外部端子電極と電気的に接続されるように前記第2の端面に引き出されている第2の内部電極とを備え、
 前記第1の内部電極と前記第2の内部電極とが少なくとも1層のセラミック層を介して重なり合っている部分が静電容量を取得するための有効領域であり、
 セラミック素体の前記第1,第2の主面を結ぶ方向が複数のセラミック層の積層方向であり、
 前記セラミック素体内の前記有効領域の積層方向外側の領域に配置されており、前記第1,第2の主面と平行な平面内に位置している第1の内部導体と、
 前記セラミック素体内において、前記第1の内部導体と同一平面内に形成されており、かつ前記第1の内部導体とは電極を隔てて電気的に絶縁されるように配置された第2の内部導体とをさらに備え、
 前記セラミック素体の前記第1の端面及び第2の端面を結ぶ長さ方向に沿う寸法をL、前記長さ方向に沿う前記第1の内部電極の長さをX 1 、前記長さ方向に沿う前記第2の内部電極の長さをX 2 、前記第1の端面と、前記第1の内部導体の前記第2の端面側の端部との間の距離をY 1 、前記第2の端面と、前記第2の内部導体の前記第1の端面側の端部との間の距離をY 2 、前記第1の端面と、前記第1の回り込み部の前記第2の端面側の端部との間の距離をE 1 、前記第2の端面と前記第2の回り込み部の前記第1の端面側の端部との間の距離をE 2 としたときに、Y 2 <E 2 <L-Y 1 <L-X 1 とされていることを特徴とする、積層セラミック電子部品。
 X 2 >L-E 1 である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
 X 1 =X 2 である、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
 前記第1の内部導体及び前記第2の内部導体が、前記有効領域の積層方向外側の一方の領域に配置されている請求項1~3いずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
 前記第1の内部導体及び前記第2の内部導体が、前記有効領域の積層方向外側の両側の領域に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
 前記第1の内部導体が、前記第1の端面に露出されており、前記第1の端子電極に電気的に接続されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
 前記第2の内部導体が、前記第2の端面に引き出されており、前記第2の端子電極に電気的に接続されている請求項1~6のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
 前記第1の内部導体が前記第1の端面に露出されておらず、前記第1の端子電極に電気的に接続されていない請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
 前記第2の内部導体が、前記第2の端面に露出しておらず、前記第2の端子電極に電気的に接続されていない請求項1~5及び8のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
Description:
積層セラミック電子部品

 本発明は、例えば積層コンデンサや、コ デンサ内蔵セラミック多層基板のような積 セラミック電子部品に関し、より詳細には 熱応力や機械的応力が加わった際のクラッ による短絡不良を防止する構造が備えられ 積層セラミック電子部品に関する。

 ECU(Electrical Control Unit)などにおいては、 型化を進めるため、積層コンデンサなどの 層セラミック電子部品が多用されている。 層セラミック電子部品では、セラミック素 内に複数の内部電極が配置されている。積 セラミック電子部品に対し、外部の温度変 による熱応力が加わったり、あるいは実装 板に加わるたわみ応力が加わったりすると セラミック素体にクラックが発生すること ある。クラックは、セラミック素体両端に 成された一対の外部端子電極の端線部分か セラミック素体内に向かって延びるように じることが多い。その結果、異なる電位に 続される内部電極同士にまたがるクラック 生じ、短絡不良となることがある。

 このような問題を解決するために、下記 特許文献1には、図6に示す積層コンデンサ 開示されている。

 図6に示すように、積層コンデンサ101はセ ラミック素体102を有する。セラミック素体102 内では、複数の第1の内部電極103と、複数の 2の内部電極104とがセラミック層を介して重 り合うように配置されている。第1,第2の内 電極103,104は、セラミック素体102の第1の主 102a及び第2の主面102bと平行に延ばされてい 。複数の第1の内部電極103が、セラミック素 102の第1の端面102cに引き出されており、複 の第2の内部電極104がセラミック素体102の第2 の端面102dに引き出されている。

 セラミック素体102の第1,第2の端面102c,102d それぞれ覆うように、第1,第2の外部端子電 105,106が形成されている。外部端子電極105,10 6は、それぞれ、第1の端面部105a,106aと、第1, 2の回り込み部105b,106bとを有する。

 積層コンデンサ101では、上記第1の内部電 極103及び第2の内部電極104がセラミック層を して重なり合っている部分、すなわち静電 量を取得するための有効領域の積層方向外 に、第1のダミー電極107と第2のダミー電極108 とが配置されている。より詳細には、第1の ミー電極107と第2のダミー電極108とが同一平 内に配置されているダミー電極対が有効領 の積層方向外側の領域において複数配置さ ている。図6では、有効領域の両側の各領域 において、複数のダミー電極対が配置されて いる。第1のダミー電極107と、第2のダミー電 108とは、図6に示すように、セラミック素体 102の中心を通り、積層方向に延びる中心線に 対して対称に配置されている。

 特許文献1に記載の積層コンデンサ101では 、第1,第2のダミー電極107,108からなる複数の ミー電極対が配置されているため、曲げ応 や引っぱり応力などの機械的応力が加わっ り、外部の温度変化による熱応力が加わっ り、外部端子電極105,106の第1,第2の回り込み 105b,106bの先端からクラックが生じたとして 、クラックがダミー電極対が形成されてい 部分に留まる。そのため、短絡不良が生じ く、耐久性が高められる。

 また、下記の特許文献2には、非対称構造 を有する積層セラミックコンデンサが開示さ れている。ここでは、第1の外部端子電極の 1の回り込み部の寸法と、第2の外部端子電極 の第2の回り込み部の寸法とが異ならされて る。また、第1,第2の内部電極が重なり合っ 静電容量が取得される有効領域が第1の端面 たは第2の端面側に寄せられている。この構 造によれば、実装基板に積層セラミックコン デンサが実装された後に、実装基板側からの たわみ応力が積層セラミックコンデンサに加 わりクラックが生じたとしても、短絡を防止 し、絶縁抵抗の劣化を防止できると記載され ている。

特開2002-075780号公報

特開2000-150289号公報

 特許文献1に記載の積層セラミックコンデ ンサでは、小さなクラックが生じたとしても 該クラックは、ダミー電極107,108が形成され いる部分に留まる。しかしながら、より大 な外力が加わると、図6に矢印Aで示すように 、クラックAが第1のダミー電極107,108を超え、 有効領域に至ることがあった。有効領域に至 ると、クラックAは異なる電位に接続される 1,第2の内部電極103,104間にまたがり、短絡不 が生じる。

 他方、特許文献2に記載の積層セラミック コンデンサでは、第1の回り込み部の寸法と 第2の回り込み部の寸法とが異なるため、実 基板に実装される際に、積層セラミックコ デンサの一端側が浮き上がる、いわゆるツ ムストーン現象などの不良が生じることが った。

 本発明の目的は、上述した従来技術の欠 を解消し、外部から機械的応力や熱応力が わったとしても、短絡不良が生じ難く、従 て信頼性に優れており、さらに実装に際し ツームストーン現象などが生じ難い、積層 ラミック電子部品を提供することにある。

 本発明にかかる積層セラミックコンデンサ 、複数のセラミック層を有し、対向し合う 1の主面及び第2の主面と、対向し合う第1の 面及び第2の端面と、対向し合う第1,第2の側 面とを有するセラミック素体と、前記セラミ ック素体の前記第1の端面に形成された第1の 面部と、前記第1の端面部に連ねられており 、前記第1の主面及び第2の主面上に位置して る第1の回り込み部とを有する第1の外部端 電極と、前記第2の端面に形成された端面部 、前記第2の端面部に連ねられており、前記 第1の主面及び第2の主面上に位置している第2 の回り込み部とを有する第2の外部の端子電 と、前記セラミック素体内に形成されてお 、かつ前記第1の外部端子電極と電気的に接 されるように前記第1の端面に引き出されて いる第1の内部電極と、前記セラミック素体 に形成されており、かつ前記第2の外部端子 極と電気的に接続されるように前記第2の端 面に引き出されている第2の内部電極とを備 、前記第1の内部電極と前記第2の内部電極と が少なくとも1層のセラミック層を介して重 り合っている部分が静電容量を取得するた の有効領域であり、セラミック素体の前記 1,第2の主面を結ぶ方向が複数のセラミック の積層方向であり、前記セラミック素体内 前記有効領域の積層方向外側の領域に配置 れており、前記第1,第2の主面と平行な平面 に位置している第1の内部導体と、前記セラ ック素体内において、前記第1の内部導体と 同一平面内に形成されており、かつ前記第1 内部導体とは電極を隔てて電気的に絶縁さ るように配置された第2の内部導体とをさら 備える。そして、本発明では、前記セラミ ク素体の前記第1の端面及び第2の端面を結 長さ方向に沿う寸法をL、前記長さ方向に沿 前記第1の内部電極の長さをX 1 、前記長さ方向に沿う前記第2の内部電極の さをX 2 、前記第1の端面と、前記第1の内部導体の前 第2の端面側の端部との間の距離をY 1 、前記第2の端面と、前記第2の内部導体の前 第1の端面側の端部との間の距離をY 2 、前記第1の端面と、前記第1の回り込み部の 記第2の端面側の端部との間の距離をE 1 、前記第2の端面と前記第2の回り込み部の前 第1の端面側の端部との間の距離をE 2 としたときに、Y 2 <E 2 <L-Y 1 <L-X 1 とされていることを特徴とする。

 本発明においては、好ましくは、X 2 >L-E 1 とされ、それによって短絡不良をより確実に 防止することができる。

 また、好ましくは、X 1 =X 2 であり、それによって積層セラミックコンデ ンサの対称性を高めることができる。従って 、実装に際してツームストーン現象などの所 望でない現象も生じ難い。また、セラミック 積層体を得るに際しての積層工程を容易に行 なうことができる。

 本発明にかかる積層セラミック電子部品 他の特定の局面では、前記第1の内部導体及 び前記第2の内部導体が、前記有効領域の積 方向外側の一方の領域に配置されている。 方の領域にのみ、第1,第2の内部導体を配置 ればよいため、製造工程の簡略化を果たす とができ、コストを低減することができる

 本発明の積層セラミック電子部品の別の 定の局面では、記第1の内部導体及び前記第 2の内部導体が、前記有効領域の積層方向外 の両側の領域に配置されている。この場合 は、有効領域の積層方向外側の構造が対称 なるため、積層セラミック電子部品の対称 を高め、かつ方向性をなくすことができる

 なお、本発明の積層セラミック電子部品 おいて、前記第1の内部導体は、前記第1の 面に露出されており、前記第1の端子電極に 気的に接続されていてもよい。また、第2の 内部導体についても、第2の端面に引き出さ ており、第2の端子電極に電気的に接続され いてもよい。

 もっとも、本発明においては、前記第1の 内部導体が前記第1の端面に露出されておら 、前記第1の端子電極に電気的に接続されて ない構造であってもよい。同様に、第2の内 部導体についても、第2の端面に露出してお ず、第2の端子電極に電気的に接続されてお ずともよい。

 本発明にかかる積層セラミック電子部品で 、上記のようにY 2 <E 2 <L-Y 1 <L-X 1 とされているため、外部からの機械的応力や 外部の温度変化による熱応力が加わりクラッ クが生じたとしても、積層セラミック電子部 品における短絡不良を防止することができる 。よって、積層セラミックコンデンサの信頼 性を高めることができる。

図1(a),(b)は、本発明の第1の実施形態に かる積層セラミックコンデンサの正面断面 及び外観を示す斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施形態の積層 ラミックコンデンサにおいて、クラックが じた際の予防を説明するための積層セラミ クコンデンサの正面断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態にかか 積層セラミックコンデンサを説明するため 正面断面図である。 図4は、本発明の第3の実施形態にかか 積層セラミックコンデンサを説明するため 正面断面図である。 図5は、本発明の第4の実施形態にかか 積層セラミックコンデンサを説明するため 正面断面図である。 図6は、従来の積層コンデンサの一例を 示す正面断面図である。

 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体 な実施形態を説明することにより、本発明 明らかにする。

 図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態 かかる積層セラミックコンデンサの正面断 図及び外観を示す斜視図である。

 積層セラミックコンデンサ1は、直方体状 のセラミック素体2を有する。セラミック素 2は、複数のセラミック層を有し、内部に後 する第1,第2の内部電極3,4及び第1,第2の内部 体7,8を有する。

 上記セラミック素体2は、適宜の誘電体セ ラミックスから成る。誘電体セラミックスと しては、例えば、チタン酸バリウム系誘電体 セラミックスやチタン酸カルシウム系誘電体 セラミックスなどが挙げられる。

 セラミック素体2の第1の主面2aと、第1の 面2aと対向する第2の主面2bと結ぶ方向がセラ ミック層の積層方向である。具体的には、セ ラミック素体2は、複数枚のセラミックグリ ンシートを、内部電極用導電ペーストや内 導体用導電ペーストとともに積層し、一体 成することにより得られる。

 図1では、積層セラミックコンデンサ1は 2の主面2bが下面、第1の主面2aが上面となる うな向きに図示されている。

 セラミック素体2内においては、複数の第 1の内部電極3と、複数の第2の内部電極4とが 上記積層方向において交互に配置されてい 。隣り合う第1,第2の内部電極3,4が、セラミ ク層を介して重なり合っている。図1(a)の破 Bで示す領域が、複数の第1の内部電極3と複 の第2の内部電極4とがセラミック層を介し 重なり合っている領域、すなわち静電容量 取り出すための有効領域に相当する。

 なお、有効領域Bの上端は、図1(a)におい 、最上部の第2の内部電極4の上方に位置して いる第1の内部導体7が設けられている高さ位 であるが、図示を容易とするために、有効 域Bの上端の破線は、該第1の内部導体7より 上方に位置するように描かれている。

 同様に、有効領域Bの下端は、第2の内部 極4とセラミック層を介して重なり合ってい 第1の内部電極3のうち最下層の第1の内部電 3が配置されている高さ位置であるが、有効 領域Bの下端は、最下層の第1の内部電極3より も下方に位置するように図示されている。

 セラミック素体の第1の端面2cに複数の第1 の内部電極3が引き出されており、第1の端面2 cと反対側の第2の端面2dに複数の第2の内部電 4が引き出されている。

 本実施形態は、有効領域Bは第1の端面2c側 に寄せられている。すなわち、第1,第2の内部 電極3,4がセラミック層を介して重なり合って いる部分が、セラミック素体2の長さ方向に いて第1の端面2c側に寄せられて形成されて る。なお、長さ方向とは、第1,第2の端面2c,2d を結ぶ方向をいうものとする。

 第1の端面2c及び第2の端面2dを覆うように それぞれ、第1,第2の外部端子電極5,6が形成 れている。

 第1,第2の外部端子電極5,6は、それぞれ、 1の端面2c及び第2の端面2d上に位置している 1,第2の端面部5a,6aを有する。第1の端面部5a 連なるように、第1の回り込み部5bが設けら ている。第1の回り込み部5bは、セラミック 体2の第1,第2の主面2a,2b上に至っている。同 に、第2の外部端子電極6もまた、第2の端面 6aに連なるように設けられた第2の回り込み 6bを有する。第2の回り込み部6bは、第1,第2の 主面2a,2b上に至っている。

 セラミック素体2内においては、有効領域 Bの積層方向外側の双方の領域において、第1, 第2の内部導体7,8が形成されている。第1の内 導体7は、第1,第2の主面2a,2bと平行に延び、 つ第1の端面2cに引き出されている。第2の内 部導体8は、第1,第2の主面2a,2bに平行に延び、 第2の端面2dに引き出されている。

 セラミック素体2内においては、有効領域 Bの積層方向外側のうち一方の領域、図1(a)で 、第1の主面2a側の領域において、第1の内部 導体7と第2の内部導体8とからなる内部導体対 が二対形成されている。下方側の内部導体対 の第1の内部導体7は、直下に位置する第2の内 部電極4とセラミック層を介して積層されて るため、また該第1の内部導体7が端面2cに引 出されているため、第1の内部電極としても 機能する。従って、有効領域Bは、第1の内部 極をも兼ねている第1の内部導体7が設けら ている高さ位置に至っている。

 他方、有効領域Bの積層方向外側の他方の 領域、すなわち下方側の領域においても、二 対の内部導体対が設けられている。

 上記第1,第2の内部電極3,4及び第1,第2の内 導体7,8は、金属からなる。このような金属 しては、Ni、Cu、Ag、Pd、AuまたはAg-Pd合金な を用いることができる。第1,第2の内部導体7 ,8は、好ましくは、第1,第2の内部電極3,4と同 材料から成る。その場合には、材料の種類 少なくすることができ、製造工程の簡略化 果たすことができる。もっとも第1,第2の内 導体7,8は、第1,第2の内部電極3,4と異なる金 により形成されてもよい。

 第1,第2の内部電極3,4及び第1,第2の内部導 7,8の厚みは特に限定されないが、焼成後に いて0.5~2.0μm程度であることが好ましい。厚 みが厚くなりすぎると、セラミック層どうし の剥離が生じやすくなることがあり、薄くな りすぎると、カバレッジが低下して静電容量 が低下することがある。

 上記第1,第2の外部端子電極5,6は、Cu、Ni、 Ag、Pd、AuまたはAg-Pd合金などの適宜の金属も くは合金から成る。外部端子電極5,6は、複 の電極層を積層した構造を有していてもよ 。また、第1,第2の内部電極3,4がNiから成る 合、第1,第2の外部端子電極5,6は、CuまたはNi どの卑金属から成ることが好ましい。その 合には、内部電極3,4と、外部端子電極5,6と 接合性を高めることができる。また、内部 極がNiから成り、かつ外部端子電極5,6が複 の電極層から成る場合には、セラミック素 上に形成される電極層がCuまたはNiのような 金属から成ることが好ましい。

 外部端子電極5,6は、導電ペーストの塗布 き付けにより、あるいはメッキもしくはス ッタリングなどの薄膜形成法などの適宜の 法により形成することができる。導電ペー トの塗布焼き付けにより外部端子電極5,6を 成する場合、セラミック素体2を得るための 焼成工程前に導電ペーストを塗布し、焼成に 際し、同時に導電ペーストを焼き付けて外部 端子電極5,6を形成してもよい。あるいは焼成 により得られたセラミック素体2に導電ペー トを塗布し、焼き付けることにより、外部 子電極5,6を形成してもよい。

 外部端子電極5,6の厚み、特に最も厚い部 の厚みは、特に限定されないが、20~100μmで ることが好ましい。

 上記外部端子電極5,6の外表面には、メッ 膜が形成されてもよい。メッキ膜としては 例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金またはAuな の適宜の金属を用いることができる。メッ 層の厚みは、1~10μmであることが好ましい。 1μm以下では、外部端子電極5,6の表面を確実 メッキ膜で覆うことが困難となり、メッキ 形成による効果を充分に得られないことが り、10μmを超えると、コストが高くつくおそ れがある。また、外部端子電極5,6の外表面と メッキ膜との間に応力緩和用の樹脂層が形成 されていてもよい。

 上記積層セラミックコンデンサ1の特徴は、 積層セラミックコンデンサ1の長さ方向に沿 寸法をL、長さ方向に沿う第1,第2の内部電極3 ,4の各長さ寸法をX 1 ,X 2 、第1の端面2cと、第1の内部導体7の第2の端面 側端部との間の距離をY 1 、第2の端面2dと、第2の内部導体8の第1の端面 側の端部との間の距離をY 2 とし、第1の外部端子電極5の上記長さ方向外 端部から第1の回り込み部5bの先端までの距 をE 1 、第2の外部端子電極6の上記長さ方向外側の 部から第2の回り込み部6bの先端までの距離 E 2 としたときに、Y 2 <E 2 <L-Y 1 <X 1 とされていることにある。それによって、外 部からの機械的応力や温度変化による熱応力 が加わり、クラックが生じたとしても、該ク ラックに起因する短絡を防止することができ る。これを、図2を参照して説明する。

 図2は、積層セラミックコンデンサ1が実 された後にできる基板がたわんだりして、 械的応力が加わったり、あるいは外部の温 変化による熱応力が加わり、クラックが生 た場合の状態を示す模式的正面断面図であ 。セラミック素体2に上記のような応力が加 った際、応力は、第1,第2の外部端子電極5,6 端縁部分から生じることが多い。この場合 積層セラミックコンデンサ1では、セラミッ ク素体2内のクラック耐性が、第1の端面2c側 第2の端面2d側とで異なっている。第2の端面2 d側においては、第1,第2の内部導体7,8間のギ ップGが存在する。従って、クラック耐性が 第1の回り込み部5bの先端近傍に比べ、第2の 回り込み部6bの先端近傍において低くなって るため、クラックCは、第2の回り込み部6bの 先端から、セラミック素体2内に延びる。

 この場合、E 2 <Y 2 (E 2 <L-Y 1 )とされているため、クラックは、上記ギャ プGを通り内側に延びる。そして、クラックC が、ギャップGを超えて、セラミック素体2の 層方向中央に至っている部分では、同電位 接続される第2の内部電極4のみが位置して る。従って、クラックCが発生したとしても 異なる電位に接続される内部電極3,4が接続 れないため、短絡不良を防止することがで る。

 なお、上記寸法関係を満たす限り、クラッ の発生による短絡を防止することができる 、上記長さ方向寸法Lが約1.0~3.2μmの場合、(L -X 1 )は0.25~0.85μm程度、E 2 は、0.2~0.8μm程度、ギャップGの長さ方向に沿 寸法は約0.2~0.8μm程度であることが好ましい 。また、E 1 =E 2 であることが好ましい。

 なお、積層セラミックコンデンサ1の製造 方法についてはとくに限定されない。例えば 、下記の製造方法により得ることができる。 まず、複数枚のセラミックグリーンシートを 用意する。セラミックグリーンシート上に第 1の内部電極3を形成するための導電ペースト スクリーン印刷する。同様に、他のセラミ クグリーンシート上に、第2の内部電極4を 成するための導電ペーストをスクリーン印 する。さらに別のセラミックグリーンシー に、第1,第2の内部導体7,8を得るための導電 ーストをスクリーン印刷する。これらのセ ミックグリーンシートを各複数枚積層し、 層方向外側に、無地のセラミックグリーン ートを適宜の枚数積層し、セラミック積層 を得る。

 実際の製造に際しては、複数の積層セラ ックコンデンサ1を得るためのマザーのセラ ミックグリーンシートが積層され、上記積層 体として、マザーの積層体を得る。そして、 このマザーのセラミック積層体を厚み方向に 加圧した後、個々の積層セラミックコンデン サ単位のセラミック積層体に切断する。得ら れたセラミック積層体を焼成し、セラミック 素体2を得る。セラミック素体2の外表面に導 ペーストを付与し、焼き付けることにより 外部端子電極5,6を得ることができる。

 第1の実施形態の積層セラミックコンデンサ 1のように、本発明においては、積層セラミ ク電子部品において、上記寸方比とするこ により、すなわちY 2 <E 2 <L-Y 1 <L-X 1 とすることにより、クラックによる短絡不良 を確実に防止することができる。このような 構造の積層セラミック電子部品については、 上記実施形態に限らず、図3~図5に示す第2~第4 の実施形態のように、適宜変形することがで きる。

 図3に示す第2の実施形態の積層セラミック ンデンサ21では、第1の内部電極23と第2の内 電極24との長さが等しくされている。すなわ ちX 1 =X 2 である。そのため、有効領域Bはセラミック 体2内において、長さ方向中央に配置されて る。この場合においても、上述した式を満 す限り、クラックが生じたとしても、クラ クは異なる電位に接続される第1,第2電極間 またがって生じない。従って、第1の実施形 態と同様に、短絡不良を確実に防止すること ができる。

 第2の実施形態では、第1の内部電極23と第 2の内部電極24とを得るための導電パターンを 等しくすることができるので、対称性を高め ることができ、実装に際してツームストーン 現象が生じ難い。また、生産性を高めること ができる。

 もっとも、第1の実施形態の積層セラミッ クコンデンサ1では、有効領域Bが第1の端面2c に寄せられているため、第2の端面2d側にお てあえてクラックCが生じやすくされ、それ によってもクラックによる短絡不良をより一 層確実に防止することができ、好ましい。

 第2の実施形態の積層セラミックコンデン サ21は、その他の点においては、第1の実施形 態の積層セラミックコンデンサ1と同様であ 。従って、同一の部分については、同一の 照番号を付することにより、その詳細な説 は省略することとする。

 図4に示す第3の実施形態の積層セラミッ コンデンサ31では、有効領域Bの片側にのみ 2対の内部導体対が設けられおり、積層方向 側の反対側の領域には、第1,第2の内部導体3 7,38から成る内部導体対が設けられていない とを除いては、第1の実施形態の積層セラミ クコンデンサ1と同様である。このように、 第1,第2の内部導体37,38から成る内部導体対は 有効領域Bの積層方向外側のうち片側にのみ 形成されてもよい。この場合には、実装に際 し、方向性を考慮することが望ましい。その ため、第1の主面2aまたは第2の主面2bにマーク を印刷することが好ましい。このような方向 性を認識させるための構造を設けることが好 ましい。それによって、積層セラミックコン デンサ31を、第2の主面2b側から実装すること より、クラックの発生による短絡防止効果 確実に得ることができる。

 図5に示す第4の実施形態にかかる積層セ ミックコンデンサ41では、第1,第2の内部導体 47,48が浮き導体とされている。すなわち、第1 の内部導体47及び第2の内部導体48の双方が、 ラミック素体2の端面2c及び2dのいずれにも き出されていない。このように、第1,第2の 部導体47,48は、外部端子電極5や外部端子電 6に電気的に接続されず浮き導体とされてい もよい。その場合には、内部導体47,48によ 浮遊容量を小さくすることができる。

 なお、上述してきた第1~第4の実施形態で 、積層セラミックコンデンサにつき説明し が、静電容量を取得するための第1,第2の内 電極はセラミック層を介して積層されてい セラミック多層基板などのコンデンサ部分 構成されている積層セラミック電子部品一 に本発明を適用することができる。

 1…積層セラミックコンデンサ
 2…セラミック素体
 2a…第1の主面
 2b…第2の主面
 2c…第1の端面
 2d…第2の端面
 3…第1の内部電極
 4…第2の内部電極
 5…第1の外部端子電極
 5a…第1の端面部
 5b…第1の回り込み部
 6…第2の外部端子電極
 6a…第2の端面部
 6b…第2の回り込み部
 7…第1の内部導体
 8…第2の内部導体
 21…積層セラミックコンデンサ
 23…第1の内部電極
 24…第2の内部電極
 31…積層セラミックコンデンサ
 37…第1の内部導体
 38…第2の内部導体
 41…積層セラミックコンデンサ
 47…第1の内部導体
 48…第2の内部導体