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Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC EL PANEL MANUFACTURING METHOD AND MANUFACTURING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139291
Kind Code:
A1
Abstract:
An applying or laying step of applying or laying a grease-like or gel-like substance on a surface on the side of a sealed space of a sealing substrate, and a drying step of drying the grease-like or gel-like substance applied or laid on the sealing substrate are executed.  A bonding step of performing sealing by a sealant such as an adhesive at peripheral edges of the sealing substrate and an element-formed substrate while disposing the surface on which the grease-like or gel-like substance is applied or laid of the sealing substrate and a surface on which an organic EL element is formed of the element-formed substrate opposite each other is then executed.

Inventors:
SUZUKI JOJI (JP)
KAJIKAWA FUJIO (JP)
KAWAI TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058339
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
April 28, 2009
Export Citation:
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Assignee:
YAMAGATA PROMOTIONAL ORG IND (JP)
SUZUKI JOJI (JP)
KAJIKAWA FUJIO (JP)
KAWAI TAKASHI (JP)
International Classes:
H05B33/10; H01L51/50; H05B33/04
Foreign References:
JP2006179218A2006-07-06
JP2001068266A2001-03-16
JP2005340020A2005-12-08
JP2005353594A2005-12-22
JP2004087357A2004-03-18
JP2004281088A2004-10-07
JPH1074583A1998-03-17
JPH09330788A1997-12-22
JP2005276754A2005-10-06
JP2000357587A2000-12-26
JP2001217071A2001-08-10
JP2003173868A2003-06-20
Attorney, Agent or Firm:
KINOSHITA SHIGERU (JP)
Shigeru Kinoshita (JP)
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Claims:
 素子形成基板上に形成された有機EL素子を、前記素子形成基板に対峙する封止基板との間を密封空間にするように封止し、前記素子形成基板と前記封止基板との間の密封空間内にグリース状もしくはゲル状物質を充填してなる有機EL発光パネルの製造方法であって、
 前記封止基板の面に、前記グリース状もしくはゲル状物質を塗布又は布設する塗布又は布設工程と、
 前記封止基板におけるグリース状もしくはゲル状物質が塗布又は布設された面と、前記素子形成基板における有機EL素子が形成された面を対向状態にし、前記封止基板と素子形成基板との周縁部においてシール剤により封止を行う貼り合わせ工程と、
 を実行することを特徴とする有機EL発光パネルの製造方法。
 前記塗布又は布設工程の後に、封止基板に塗布された前記グリース状もしくはゲル状物質を乾燥させる乾燥工程を実行し、前記乾燥工程後において前記貼り合わせ工程を実行することを特徴とする請求項1に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記乾燥工程は、100℃~250℃の範囲において実行されることを特徴とする請求項2に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記塗布又は布設工程もしくは乾燥工程の後に、前記封止基板における前記シール剤が施されるシール部をドライ洗浄する封止基板の洗浄工程と、前記洗浄工程後において封止基板の前記シール部にシール剤を塗布又は布設するシール剤塗布又は布設工程が実行され、前記シール剤塗布又は布設工程において塗布又は布設されたシール剤を利用して前記貼り合わせ工程を実行することを特徴とする請求項2に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記ドライ洗浄に常圧プラズマ洗浄を用いることを特徴とする請求項4に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記貼り合わせ工程を実行するにあたり、前記封止基板と前記素子形成基板が収容されたチャンバー内の気体を排気する減圧工程が実行され、減圧下において前記封止基板におけるグリースもしくはゲル剤の塗布面又は布設面を、前記素子形成基板における有機EL素子の形成面に密着させる前記貼り合わせ工程が実行されることを特徴とする請求項2に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記貼り合わせ工程における減圧状態が、1Pa~50000Paであり、大気圧に戻した後の密封空間内の前記圧力を保持したまま、前記シール剤を硬化させるシール剤硬化工程を実行することを特徴とする請求項6に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記シール剤としてUV硬化樹脂が用いられ、前記貼り合わせ工程における大気圧と密封空間内の圧力差による貼り合わせ状態を保持したまま、UV光を用いて前記UV硬化樹脂を硬化させることを特徴とする請求項7に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記シール剤として無機フリット剤が用いられ、前記貼り合わせ工程における貼り合わせ状態を保持したまま、レーザー照射により前記ガラスペーストを加熱融着させることを特徴とする請求項7に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記グリース状もしくはゲル状物質には、吸湿剤として合成ゼオライトが添加され、平板状に形成された封止基板を用いる場合、前記グリース状もしくはゲル状物質に含まれる前記合成ゼオライトが重量比で10%~80%であり、前記吸湿剤を含むグリース層またはゲル層の厚さが10~100μmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記グリース状もしくはゲル状物質には、吸湿剤として合成ゼオライトが添加され、周縁部が前記素子形成基板側に接するように中央部にへこみを付けた断面が凹状に形成された封止基板を用いる場合、前記グリース状もしくはゲル状物質に含まれる前記合成ゼオライトが重量比で10%~80%の範囲に設定され、且つ吸湿剤を含む前記グリース状もしくはゲル状物質は、断面が凹状に形成された前記凹部を充填し前記有機EL素子に密着する量に設定され、前記吸湿剤を含むグリース層またはゲル層の厚さが10~500μmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記素子形成基板と前記封止基板とを密着させる貼り合わせ工程において、少なくとも前記素子形成基板もしくは封止基板のいずれか一方の基板が、貼り合わせステージに配置されたフィルム状のシートと密着することによって有機EL発光パネルが固定、位置決めされることを特徴とする請求項1に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 前記有機ELパネルが固定、位置決めされる前記フィルム状のシートと有機ELパネルが接している側が1Pa~50000Paの減圧状態になされ、前記フィルム状のシートと有機ELパネルが接していない側が大気圧となった状態で、パネル周辺部のシール剤を硬化させることを特徴とする請求項12に記載された有機EL発光パネルの製造方法。
 素子形成基板上に形成された有機EL素子を、前記素子形成基板に対峙する封止基板との間を密封空間にするように封止し、前記素子形成基板と前記封止基板との間の密封空間内にグリース状もしくはゲル状物質を充填してなる有機EL発光パネルを製造する製造装置であって、
 前記封止基板の面に、前記グリース状もしくはゲル状物質を塗布又は布設する塗布又は布設ステージと、前記封止基板におけるグリース状もしくはゲル状物質が塗布又は布設された面と、前記素子形成基板における有機EL素子が形成された面を対向状態にし、前記封止基板と素子形成基板との周縁部においてシール剤により封止を行う貼り合わせステージと、
 が具備されていることを特徴とする有機EL発光パネルの製造装置。
 前記塗布又は布設ステージにおいて封止基板面に塗布又は布設された前記グリース状もしくはゲル状物質を加熱乾燥させる加熱乾燥ステージがさらに具備され、当該加熱乾燥ステージにおける加熱乾燥処理後に、前記封止基板を前記貼り合わせステージに搬送する搬送手段が具備されていることを特徴とする請求項14に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記加熱乾燥ステージにおいて処理された封止基板におけるシール部をドライ洗浄すると共に、前記ドライ洗浄位置にシール剤を塗布又は布設する洗浄およびシール剤の塗布又は布設ステージがさらに具備され、前記洗浄およびシール剤の塗布又は布設ステージにおいて処理された封止基板を、前記搬送手段によって前記貼り合わせステージに搬送するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記封止基板におけるシール部をドライ洗浄するドライ洗浄手段に、常圧プラズマ洗浄手段が用いられていることを特徴とする請求項16に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記貼り合わせステージには、前記封止基板における前記グリースもしくはゲル剤の塗布面又は布設面を、前記素子形成基板における前記有機EL素子側に、所定の貼り合わせ圧力をもって密着させる貼り合わせ手段が配置されていることを特徴とする請求項14から請求項17のいずれか1項に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記貼り合わせステージには、減圧下において前記封止基板における前記グリースもしくはゲル剤の塗布面又は布設面を、前記素子形成基板における前記有機EL素子側に、所定の貼り合わせ圧力をもって密着させる貼り合わせ手段が配置されていることを特徴とする請求項14から請求項17のいずれか1項に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記貼り合わせステージを構成するチャンバーが、当該チャンバー内を減圧状態とし、減圧状態から大気圧に戻せる圧力調整機能を持ち、チャンバー内を減圧状態とした時の前記封止基板と素子形成基板間の密封減圧空間と、チャンバー内を大気圧に戻した時の圧力差によって、前記貼り合わせステージの貼り合わせ圧力を解除しても、前記両基板の密着と位置関係が保持されるように構成したことを特徴とする請求項19に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記両基板の密着と位置関係が保持された状態で前記シール剤を硬化させるシール剤の硬化ステージがさらに具備されていることを特徴とする請求項20に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記貼り合わせステージにおける前記素子形成基板と前記封止基板とを密着させる貼り合わせ手段において、少なくとも前記素子形成基板もしくは封止基板のいずれか一方の基板が、前記貼り合わせステージに配置されたフィルム状のシートと密着することによって有機EL発光パネルが固定、位置決めされるように構成されていることを特徴とする請求項14に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記有機ELパネルが固定、位置決めされる前記フィルム状のシート側が1Pa~50000Paの減圧状態になされ、前記フィルム状のシートと有機ELパネルが接していない側が大気圧となった状態で、パネル周辺部のシール剤を硬化させるシール剤の硬化ステージが具備されていることを特徴とする請求項22に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記シール剤の硬化ステージにはシール剤としてのUV硬化樹脂を硬化させるUV照射手段が具備されていることを特徴とする請求項21、請求項23に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
 前記シール剤の硬化ステージにはシール剤としての無機フリット剤を加熱融着させるレーザー照射手段が具備されていることを特徴とする請求項21、請求項23に記載された有機EL発光パネルの製造装置。
Description:
有機EL発光パネルの製造方法お び製造装置

 この発明は、グリースもしくはゲル剤を 封止基板と有機EL素子が形成された素子形 基板との間に充填した有機EL発光パネルの製 造方法および製造装置に関する。

 有機EL素子は低電圧の直流電源により駆 されることで高い発光効率を有し、軽量か 薄型化が可能であることから、一部の携帯 機器などにおけるフラットパネルディスプ イ(FPD)に利用されており、また同素子を面発 光源として、例えば液晶表示素子のバックラ イトとして利用する形態のものも提供されて いる。

 一方、有機EL素子は発光層に用いる素材 選択により、種々の発光色を得ることがで 、したがって各発光色を単独で、または二 以上の発光色を組み合わせることにより、 意の発光色を得ることも可能となる。それ 、有機EL素子を比較的広い面積を有する面発 光源(発光パネル)として構成することで、例 ば宣伝広告用の発光ポスター、電飾用光源 他、室内や車内等を照明する高効率な光源 して利用することができる。

 前記した有機EL素子は、対向する電極間 直流電圧が印加されることで、陰極側から 入された電子と、陽極側から注入されたホ ルが発光層内で再結合し、そのエネルギー ベルが励起状態から基底状態へと変化する に発光がなされる。このために、前記した 光層からの発光を外部に取り出す必要があ 、したがって少なくとも一方の電極は透明 極が用いられる。この透明電極としては、 常においては酸化インジウムスズ(ITO)などが 用いられる。

 一方、透明電極を構成する前記したITOは、 の電気抵抗率が1×10 -4 ωcm程度であり、通常の金属材料に比較して の電気抵抗率は1~2桁高いものとなる。した って、有機EL素子を発光駆動するための直流 電流が前記透明電極に流れることにより、当 該透明電極はその電気抵抗により発熱するこ とになる。

 また、前記有機EL素子は素子固有の発光 値電圧以上の電圧が順方向に加わった時に 光し、それに印加される電流の値が大きく るほど、その発光輝度が大きくなる特性を する。

 一方、有機EL素子を構成するITOなどの透 電極の抵抗値は前述のように高く、有機EL発 光パネルの給電部分近傍が給電部から離れた 部分よりも電流が流れやすくなる。従って、 発光パネル全体では定電流駆動していても、 給電部近傍が給電部から離れた部分よりも電 流値が大きくなるので明るく発光し、発光輝 度ムラが発生する。加えて、有機EL発光素子 発光に寄与しない電流は熱に変わるので、 るい部分すなわち電流が多く流れる部分は 機EL発光素子の発光に寄与しない電流の絶 量も大きく暗い部分よりも発熱量が大きく る。

 この発熱により有機EL素子の温度が上が と更に電流が流れやすくなり、明るく光ら るために電流、電圧が比較的高い領域では 走的に電流が流れるようになり、有機EL素子 の破壊に至る場合もある。

 以上のように、有機EL素子を構成する前 した透明電極による発熱と有機EL素子自体の 持つ特性による発熱の影響を受けて、EL素子 発光輝度にムラが発生するという問題が発 し、有機EL素子により比較的大きな面積を する面発光光源を形成した場合においては 一般的に面発光光源の中央部が暗く、その 囲に設けた給電部近傍が明るいという輝度 斜(輝度ムラ)が発生することになる。

 ところで、前記した有機EL素子の発熱に伴 、輝度ムラの発生を抑制するものとは解決 ようとする課題は異なるものの、有機EL素子 を密閉空間内に封止することにより、有機層 における薄膜材料の劣化を防止させようとす るものとして、次に示す特許文献1~3に示され た有機EL発光装置を挙げることができる。

特開2000-357587号公報

特開2001-217071号公報

特開2003-173868号公報

 前記特許文献1に開示された有機EL発光装 においては、有機EL素子が形成された素子 成基板に、断面が凹型に形成された封止部 の開口部四辺が接着剤により取り付けられ 構成が示されている。そして、前記封止部 の内側面には乾燥剤が配置されると共に、 記素子形成基板と封止部材とにより形成さ る空間部には、不活性ガスを封入した構成 示されている。

 また、前記した特許文献2に開示の有機EL 光装置においては、有機EL素子が形成され 素子形成基板に、同様に断面が凹型に形成 れた封止部材が取り付けられ、前記素子形 基板と封止部材との空間部には不活性液体 らなる乾燥剤を注入したものが示されてい 。前記不活性液体からなる乾燥剤は前記有 EL素子を保護しようとするものであり、前記 乾燥剤は有機層における薄膜材料の劣化を防 止させるものであると説明されている。

 また前記した特許文献3に開示の有機EL発 装置においても同様に、有機EL素子が形成 れた素子形成基板をキャップガラスで覆い 前記キャップガラスで覆われた有機EL素子が 配置された空間部に封止液体、例えばシリコ ンオイルを封入して素子形成基板とキャップ ガラスの周縁をシール剤でシールした構成が 開示されている。この特許文献3に開示の有 EL発光装置においても、前記封止液体により 有機EL素子を防湿させる作用が得られると説 されている。

 前記した特許文献1~3に開示されたもの以 にも、素子形成基板に形成された有機EL素 を封止する構成を開示した特許文献が多数 在するが、これらの大多数は有機EL素子を湿 気から保護し、有機EL素子にいわゆるダーク ポット(発光エリアの中の微小な非発光部) 発生するのを抑制させようとする点に着目 れている。

 本件出願の発明者らは、前記した特許文 に開示されたように有機EL素子に対する十 な防湿対策が施されることは勿論のこと、 熱に伴い発光輝度にムラが発生するという 題を解消するために、有機EL素子が配置され る密閉空間内に、グリースもしくはゲル剤を 充填した構成の有機EL発光パネルについて提 し、試作検討を行っている。この有機EL発 パネルによると、後述するとおり有機EL発光 パネルの発熱を効果的に放熱することにより 輝度ムラの発生を抑制することができること が検証されている。

 そこで、この発明は前記した有機EL素子 配置される密閉空間内に、グリースもしく ゲル剤を充填した構成の有機EL発光パネルに ついて、その製造方法および製造装置につい て提案するものであり、製造過程において有 機EL素子にストレスもしくはダメージを与え ことなく、有機EL素子に対する十分な防湿 策が施されると共に、輝度ムラの発生を効 的に抑制することができる有機EL発光パネル の製造方法および製造装置を提供することを 課題とするものである。

 更に、後で詳細に説明するとおり、前記 リースもしくはゲル剤を封止基板側に例え 印刷手段を利用して塗布するなどの塗布工 や、基板の密着保持に大気圧を利用するこ で厚い石英ガラスなど高価なUV透過性ガラ による補助板を用いることなく、有機EL発光 パネルを製造することを可能にし、これによ り基板ガラスの大型化に向いた安価な製造方 法ならびに装置を提供することを課題とする ものである。

 前記した課題を解決するためになされた の発明にかかる有機EL発光パネルの製造方 は、素子形成基板上に形成された有機EL素子 を、前記素子形成基板に対峙する封止基板と の間を密封空間にするように封止し、前記素 子形成基板と前記封止基板との間の密封空間 内にグリース状もしくはゲル状物質を充填し てなる有機EL発光パネルの製造方法であって 前記封止基板の面に、前記グリース状もし はゲル状物質を塗布又は布設する塗布又は 設工程と、前記封止基板におけるグリース もしくはゲル状物質が塗布又は布設された と、前記素子形成基板における有機EL素子 形成された面を対向状態にし、前記封止基 と素子形成基板との周縁部においてシール により封止を行う貼り合わせ工程とを実行 せる点に特徴を有する。

 この場合、望ましくは前記塗布又は布設 程の後に、封止基板に塗布又は布設された 記グリース状もしくはゲル状物質を乾燥さ る乾燥工程を実行し、前記乾燥工程後にお て前記貼り合わせ工程を実行するようにな れる。加えて、望ましくは前記乾燥工程は 100~250℃の範囲において実行される。

 また、前記塗布又は布設工程の後に、前 封止基板における前記シール剤が施される ール部をドライ洗浄する封止基板の洗浄工 と、前記洗浄工程後において封止基板の前 シール部にシール剤を塗布又は布設するシ ル剤塗布又は布設工程が実行され、前記シ ル剤塗布又は布設工程において塗布又は布 されたシール剤を利用して前記貼り合わせ 程を実行するようになされる場合もある。 の場合、前記したドライ洗浄には、好まし は常圧プラズマ洗浄が用いられる。

 また、前記貼り合わせ工程を実行するに たり、好ましくは前記封止基板と前記素子 成基板が収容されたチャンバー内の気体を 気する減圧工程が実行され、減圧下におい 前記封止基板におけるグリースもしくはゲ 剤の塗布面又は布設面を、前記素子形成基 における有機EL素子の形成面に密着させる 記貼り合わせ工程が実行される。

 加えて、前記貼り合わせ工程においては 前記封止基板と前記素子形成基板の両者に える貼り合わせ圧力が1Pa~50000Paに設定され 前記圧力を保持したまま、前記シール剤を 化させるシール剤硬化工程が実行されるこ が望ましい。

 そして、一つの好ましい態様においては 前記シール剤としてUV硬化樹脂が用いられ 前記貼り合わせ工程における貼り合わせ圧 を保持したまま、UV光を用いて前記UV硬化樹 を硬化させる工程が実行される。

 また、他の一つの好ましい態様において 、前記シール剤としてガラスペーストなど 無機フリット剤が用いられ、前記貼り合わ 工程における貼り合わせ圧力を保持したま 、レーザー照射により前記ガラスペースト 加熱融着させる工程が実行される。

 そして、前記グリース状もしくはゲル状 質には、好ましくは吸湿剤として合成ゼオ イトが添加され、平板状に形成された封止 板を用いる場合、前記グリース状もしくは ル状物質に含まれる前記合成ゼオライトが 量比で10%~80%であり、前記吸湿剤を含むグリ ース層またはゲル層の厚さが10~100μmの範囲に 設定されることが望ましい。

 また、周縁部が前記素子形成基板側に接 るように中央部にへこみを付けた断面が凹 に形成された封止基板を用いる場合におい は、前記グリース状もしくはゲル状物質に まれる前記合成ゼオライトが重量比で10%~80% の範囲に設定され、且つ吸湿剤を含む前記グ リース状もしくはゲル状物質は、断面が凹状 に形成された前記凹部を充填し前記有機EL素 に密着する量に設定され、前記吸湿剤を含 グリース層またはゲル層の厚さが10~500μmの 囲に設定される。

 そして、好ましい一つの方法においては 前記素子形成基板と前記封止基板とを密着 せる貼り合わせ工程において、少なくとも 記素子形成基板もしくは封止基板のいずれ 一方の基板が、貼り合わせステージに配置 れたフィルム状のシートと密着することに って有機EL発光パネルが固定、位置決めさ るようになされる。

 この場合、前記有機ELパネルが固定、位 決めされる前記フィルム状のシートと有機EL パネルが接している側が1Pa~50000Paの減圧状態 なされ、前記フィルム状のシートと有機EL ネルが接していない側が大気圧となった状 で、パネル周辺部のシール剤を硬化させる ール剤の硬化工程が実行される。

 一方、前記した課題を解決するためにな れたこの発明にかかる有機EL発光パネルの 造装置は、素子形成基板上に形成された有 EL素子を、前記素子形成基板に対峙する封止 基板との間を密封空間にするように封止し、 前記素子形成基板と前記封止基板との間の密 封空間内にグリース状もしくはゲル状物質を 充填してなる有機EL発光パネルを製造する製 装置であって、前記封止基板の面に、前記 リース状もしくはゲル状物質を塗布又は布 する塗布又は布設ステージと、前記封止基 におけるグリース状もしくはゲル状物質が 布又は布設された面と、前記素子形成基板 おける有機EL素子が形成された面を対向状 にし、前記封止基板と素子形成基板との周 部においてシール剤により封止を行う貼り わせステージとが具備されている点に特徴 有する。

 この場合、前記塗布又は布設ステージに いて封止基板面に塗布又は布設された前記 リース状もしくはゲル状物質を加熱乾燥さ る加熱乾燥ステージがさらに具備され、当 加熱乾燥ステージにおける加熱乾燥処理後 、前記封止基板を前記貼り合わせステージ 搬送する搬送手段が具備されていることが ましい。

 加えて、前記加熱乾燥ステージにおいて 理された封止基板におけるシール部をドラ 洗浄すると共に、前記ドライ洗浄位置にシ ル剤を塗布又は布設する洗浄およびシール の塗布又は布設ステージがさらに具備され 前記洗浄およびシール剤の塗布又は布設ス ージにおいて処理された封止基板を、前記 送手段によって前記貼り合わせステージに 送するように構成されていることが望まし 。この場合、好ましくは前記封止基板にお るシール部をドライ洗浄するドライ洗浄手 に、常圧プラズマ洗浄手段が用いられる。

 また、前記貼り合わせステージには、前 封止基板における前記グリースもしくはゲ 剤の塗布又は布設面を、前記素子形成基板 おける前記有機EL素子側に、所定の貼り合 せ圧力をもって密着させる貼り合わせ手段 配置される。この場合、望ましくは前記貼 合わせステージは、減圧下において前記封 基板における前記グリースもしくはゲル剤 塗布面又は布設面を、前記素子形成基板に ける前記有機EL素子側に、所定の貼り合わせ 圧力をもって密着させるように構成される。  

 そして、一つの好ましい実施の形態にお ては、前記貼り合わせステージを構成する ャンバーが、当該チャンバー内を減圧状態 し、減圧状態から大気圧に戻せる圧力調整 能を持ち、チャンバー内を減圧状態とした の前記封止基板と素子形成基板間の密封減 空間と、チャンバー内を大気圧に戻した時 圧力差によって、前記貼り合わせステージ 貼り合わせ圧力を解除しても、前記両基板 密着と位置関係が保持されるように構成さ る。

 加えて、前記圧力差により両基板の密着 位置関係が保持された状態で前記シール剤 硬化させるシール剤の硬化ステージがさら 具備される。

 一方、この発明にかかる製造装置の他の ましい形態においては、前記貼り合わせス ージにおける前記素子形成基板と前記封止 板とを密着させる貼り合わせ手段において 少なくとも前記素子形成基板もしくは封止 板のいずれか一方の基板が、前記貼り合わ ステージに配置されたフィルム状のシート 密着することによって有機EL発光パネルが 定、位置決めされるように構成される。

 この場合、好ましくは前記有機ELパネル 固定、位置決めされる前記フィルム状のシ ト側が1Pa~5000Paの減圧状態になされ、前記フ ルム状のシートと有機ELパネルが接してい い側が大気圧となった状態で、パネル周辺 のシール剤を硬化させるシール剤の硬化ス ージが具備される。

 そして、前記シール剤の硬化ステージに シール剤としてのUV硬化樹脂を硬化させるUV 照射手段、もしくはシール剤としてのガラス ペーストなどの無機フリット剤を加熱融着さ せるレーザー照射手段が具備が具備された構 成にされる。

 前記した有機EL発光パネルの製造方法お び製造装置によると、封止基板の一方の面 、グリース状もしくはゲル状物質を塗布又 布設する塗布又は布設工程が実行される。 たがって前記グリース状もしくはゲル状物 は、封止基板側に塗布又は布設された状態 例えば加熱乾燥や、シール部のドライ洗浄 どの処理を封止基板側単独で実行すること できる。すなわち、前記した加熱乾燥やド イ洗浄の処理後に有機EL素子が成膜された素 子形成基板を貼り合わすことになるので、前 記処理に基づくストレス等を有機EL素子に及 すのをに避けることができる。

 そして、封止基板におけるグリース状も くはゲル状物質が塗布又は布設された面と 素子形成基板における有機EL素子が形成さ た面を対向状態にし、前記封止基板と素子 成基板との周縁部においてシール剤により 止を行う貼り合わせ工程を実行することに り、素子形成基板と封止基板の周縁部にお てシール剤による封止部が形成され、前記 止部により囲まれた有機EL素子を形成した前 記素子形成基板と、前記封止基板との間にグ リース層もしくはゲル層が前記両者に密着し た状態で収容された構成にされる。

 前記有機EL素子の収容空間に前記したグ ース層もしくはゲル層が密封された形態に ると、前記した特許文献1~3に記載されたよ に有機EL素子を形成した素子形成基板と封止 基板との間に気体もしくは液体を封入した構 成に比較して、熱伝導率を向上させることが でき、前記グリース層もしくはゲル層を介し て有機EL発光パネルの放熱を早めると共に全 温度を均一に保持させることができる。

 これにより、比較的大きな発光面積を有 る有機EL発光パネルであっても、動作温度 均一化させることが可能となり、有機EL発光 パネルにおける前記した有機EL素子の特性、 熱の影響から生ずる輝度ムラを効果的に抑 させることができる。

 また、前記したグリース層もしくはゲル は、有機EL素子に対して防湿の機能を果た 、このグリース層もしくはゲル層に、さら 吸湿剤を分散させることにより、前記吸湿 により、有機EL素子に対する防湿効果をより 一層向上させることができる発光パネルを提 供することが可能となる。

 さらに、前記グリース層もしくはゲル層 、伝熱剤を加えることにより放熱効果を向 させることができ、例えば合成ゼオライト シリカゲルなどのように吸湿剤としての機 と伝熱剤としての機能を兼ねる素材を添加 ることで、一層の放熱ならびに防湿効果を たすことができる発光パネルを提供するこ が可能となる。

この発明にかかる製造方法および装置 よって形成される有機EL発光パネルの基本 成を模式的に示した断面図である。 図1に示す発光パネルにおける有機EL素 の積層構成例を説明する平面図である。 この発明にかかる製造装置の全体構成 示した模式図である。 図1に示す有機EL発光パネルを製造する 第1の例において、初期のプロセスを説明す 模式図である。 図4Aに続くプロセスを説明する模式図 ある。 図4Bに続くプロセスを説明する模式図 ある。 この発明にかかる第1の製造方法を説明 するフローチャートである。 ドライ洗浄が施される位置を模式的に した封止基板の上面図である。 図1に示す有機EL発光パネルを製造する 第2の例において、初期のプロセスを説明す 模式図である 図7Aに続くプロセスを説明する模式図 ある。 図7Bに続くプロセスを説明する模式図 ある。 この発明にかかる第2の製造方法を説明 するフローチャートである。 測定に供するために作成した試作物の 態を示した模式図である。 試作した有機EL素子の積層構成例を示 た説明図である。 温度測定の結果を示した表図である。 発光パネルへの通電時における表面温 度の測定結果を示した線図である。 図12の一部についてスケールを拡大し 示した線図である。

 1     素子形成基板
 2     有機EL素子
 2A    透明電極
 2B    有機発光層
 2C    対向電極
 2D    保護膜
 3     封止基板
 4     封止部(接着剤)
 5     グリース層、ゲル層(グリース剤、 ル剤)
 7     シール部
 11    ヒータ
 12,13 電極
 14    塗布ノズル
 15    貼り合わせ装置
 16,18 補助板
 17    UV透過ガラス
 17A   UVカットマスク
 19    UV投射ランプ
 21    フィルム状シート
 E1    直流電源
 L     発光部

 以下、この発明にかかる有機EL発光パネ の製造方法および製造装置について説明す が、これに先立ち、前記製造方法および製 装置によって得ようとする有機EL発光パネル の基本形態について、図1および図2に基づい 説明する。

 図1は、その基本構成例を模式図(断面図) より示したものであり、符号1はガラス等の 透明な素材により矩形状に形成された素子形 成基板を示し、この素子形成基板1の一方の (図に示す上面)には有機EL素子2が積層形成さ れている。 

 また、前記素子形成基板1における有機EL 子2の積層形成面に対峙するようにして、同 じく矩形状に形成された平板状の封止基板3 配置されており、両者はその四辺の周縁部 おいてシール剤(接着剤)により形成された封 止部4により封止されている。そして、前記 止部4により囲まれた有機EL素子2を形成した 記素子形成基板1と、前記平板状の封止基板 3との間の空間部には、常温において半固体 のグリース層もしくはゲル層5が前記両者に 着した状態で収容されている。

 すなわち、図1に示す有機EL発光パネルに ける前記グリース層もしくはゲル層5は、素 子形成基板1と封止基板3との間に形成された 間部をほぼ埋めるようにして収容されてお 、これにより前記グリース層もしくはゲル 5は、これに対峙する前記有機EL素子2による 発光部L(後述する透明電極2Aと対向電極2Cで挟 まれた有機発光層2B部分)の外周よりも大きく 形成されている。

 なお、図1に示した封止基板3は平板状に 成されているが、周縁部が前記素子形成基 側に接するように、例えばエッチング手段 より中央部にへこみをつけた断面が凹状の 止基板を好適に利用することができる。

 図2は前記素子形成基板1に形成された有 EL素子2の基本構成例を示したものであり、 2においては有機EL素子2を構成する各層を層 向に分離した状態で示している。すなわち この種の有機EL素子2は、前記素子形成基板1 の片面に、第1電極となる例えばITOによる透 電極2Aが所定のパターンに形成されている。

 また、前記透明電極2Aに重畳されるよう して有機発光層2Bが成膜される。この有機発 光層2Bは、例えばホール輸送層、発光層、電 輸送層などにより構成されるが、図におい は一層の有機発光層2Bとして示している。 して、前記有機発光層2Bに重畳されるように して第2電極となる例えばアルミニウムなど よる対向電極2Cが形成されている。

 前記した透明電極2A、有機発光層2B、対向 電極2Cにより形成された有機EL素子2には、さ に当該有機EL素子の少なくとも前記透明電 2Aと対向電極2Cで挟まれた発光部Lの全体を覆 うようにして有機もしくは無機層による保護 膜2Dが必要に応じて成膜される。これにより 機EL素子2は前記保護膜2Dを介して前記グリ ス層もしくはゲル層に接するように構成さ る。

 そして、前記透明電極2Aと、対向電極2Cと の間には直流電源E1が接続され、これにより 機発光層2Bにおける前記透明電極2Aと対向電 極2Cで挟まれた部分(発光部L)が発光し、その は前記透明電極2Aおよび素子形成基板1を透 して外部に導出される。

 ところで、前記した特許文献1~3に開示さ た有機EL発光パネルのように、窒素などの 活性気体や、フッ素オイルなどの不活性液 を封入した有機EL発光パネルにおいては、前 記段落番号(0007)~(0009)において説明した理由 より、面発光光源の中央部が暗く、その周 に設けた給電部近傍が明るいという輝度傾 (輝度ムラ)が発生することになる。

 そこで、図1および図2に示した発光パネ においては、前記したとおり有機EL素子2が 膜された素子形成基板1とこれに対向する封 基板3との間に、グリース層もしくはゲル層 5が両者に密着した状態で収容されており、 のグリース層もしくはゲル層5は、その良好 熱伝導特性により、比較的広い面積を有す 有機EL発光パネルであっても、輝度ムラの 生を効果的に抑制するようになされる。 

 前記グリース層もしくはゲル層5には、オル ガノシロキサン(-R 1 R 2 SiO-、R 1 およびR 2 は飽和または不飽和のアルキル基、置換又は 無置換のフェニル基、飽和または不飽和のフ ルオロアルキル基を示す。)またはフッ素化 リエーテル(-CF 2 CFYO-、YはFまたはCF 3 を示す。)を骨格に含むオリゴマーまたはポ マーを含み、さらに吸湿剤または伝熱剤、 しくは吸湿剤と伝熱剤が添加剤として含ま ていることが望ましい。

 前記オルガノシロキサン結合(-R 2 SiO-)を骨格とするオリゴマーまたはポリマー しては、例えばジメチルシロキサン結合(-(C H 3 ) 2 SiO-)を骨格とするオリゴマーまたはポリマー 好適に利用することができ、具体的には、 レ・ダウコーニング株式会社製SE1880や信越 学工業株式会社製KE1057などを用いることが きる。

 また、前記オルガノシロキサンとしては、 ましくは〔-(R 1 R 1 SiO) l -(R 1 R 2 SiO) m -(R 1 R 3 SiO) n -、R 1 はメチル基、R 2 はビニル基またはフェニル基、R 3 は-CH 2 CH 2 CF 3 のフルオロアルキル基を示し、 l m n は整数を示すが3つのうち2個以下の数字は0で も良い。〕を骨格に含むオリゴマーまたはポ リマーを用いることもできる。

 前記したフッ素化ポリエーテルとして(-CF 2 CFYO-、YはFまたはCF 3 を示す。)を骨格に含み、末端にSiを含む官能 基を持つオリゴマーまたはポリマーの例とし ては、信越化学工業株式会社製SIFEL8470,8370を げることができる。

 また、前記グリース層もしくはゲル層5に 含まれる前記した吸湿剤は、好ましくは当該 グリース層もしくはゲル層に分散された状態 で含まれ、この吸湿剤としては化学吸着また は物理吸着により水分を捕獲するいずれのも のも採用することができる。この場合、化学 吸着する吸湿剤としての好ましい例としては 、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化スト ロンチウム微粉末を挙げることができ、物理 吸着する吸湿剤としての好ましい例としては 、合成ゼオライト、シリカゲルを挙げること ができる。さらに、吸湿剤の構成として、有 機金属錯体系の液体吸湿剤を塗布し、乾燥又 は硬化させるタイプのものであってもよく、 具体的には、双葉電子工業社製OleDryなどを用 いることが出来る。

 また、前記グリース層もしくはゲル層5に 含まれる前記した伝熱剤としては、例えば酸 化シリコン、酸化アルミニウム、酸化カルシ ウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、 から選ばれた金属酸化物、または窒化シリコ ン、窒化アルミニウムから選ばれた窒化物の 微粉末、もしくは合成ゼオライト、シリカゲ ルのうち1種または複数の混合物として、前 グリース層またはゲル層に分散させて用い ことが望ましい。

 図1に示したように平板状の封止基板3を い、一例として前記グリース層またはゲル 5に添加剤として合成ゼオライトを添加する 合においては、前記グリース層またはゲル 5に含まれる合成ゼオライトの含有量は、重 量比で10%~80%であり、前記添加剤を含むグリ ス層またはゲル層5の厚さは10~100μmの範囲に 定されることが望ましい。

 前記添加剤の含有量が、重量比で10%未満 あると、吸湿効果および伝熱効果が小さく り、また重量比が80%を超えると形状保持力 強すぎて所望の塗布又は布設ができないと う問題が発生する。

 また前記添加剤を含むグリース層または ル層の厚さを10~100μmとする根拠は、その厚 が10μm未満であると、封止基板および素子 成基板に圧力が加わった時に、素子にダメ ジが加わり、電極間のショートやダークエ アそれぞれの不良が最適値の30%以上の割合 増加することが判明している。

 また前記厚さが100μmを超えると周辺の接 部の厚さが100μm以上と大きくなり、接着部 らパネル内部への水分拡散量が増大し、例 ば60℃/90%の耐湿試験を行った時のダークエ アの拡大速度が大きくなるという問題が招 されることも本件出願の発明者の試作実験 で判明している。

 また、前記したように中央部にへこみを けた断面が凹状の封止基板3を用いる場合に おいては、グリース層またはゲル層5に含ま る合成ゼオライトの含有量は、平板状の封 基板を用いる場合と同様に重量比で10%~80%が 切であり、前記添加剤を含むグリース層ま はゲル層5の厚さは凹状にへこませた深さに 対応した厚みに設定することが望ましい。す なわち、凹状にへこませた前記封止基板3の 部に十分に充填され、有機EL素子に密着可能 な量に設定されることが望ましい。

 前記したようにグリース層もしくはゲル 5に吸湿剤を分散することにより、有機EL素 に発生するダークスポットの発生および拡 といった素子の劣化現象を効果的に抑制す 作用を果たす。また、グリース層もしくは ル層5に前記した伝熱剤を含有させることで 、グリース層もしくはゲル層5が保有する独 の伝熱特性に加えて、さらにその特性を助 させることができ、前記した有機EL発光パネ ルに生ずる輝度ムラのより効果的な抑制に寄 与することができる。

 また、前記グリース層もしくはゲル層5と接 する前記した有機EL素子2の最上部に形成され た保護膜2Dとしては、望ましくはSiO、SiO 2 、SiON、Si 3 N 4 などの酸化珪素や窒化珪素、またはα-NPD(Bis[N -(1-naphthyl)-N-pheny]benzidine)や、Alq[Tris(8-hydroxyquin olinato)aluminum(3)]など、有機EL素子のホール輸 層、電子輸送層、発光層、キャリアのバリ 層、電荷発生層として用いられる有機物か なり、これらのうち1種または複数の積層膜 ら構成される。

 次に、前記したグリース層もしくはゲル 5を備える有機EL発光パネルにおけるこの発 にかかる製造方法および製造装置について に基づいて説明する。図3はその製造装置の 一例を模式的に示したものであり、中央に配 置された搬送手段(搬送ロボット)を囲むよう して各処理が施されるチャンバーによるス ージが形成されている。なお、図3に示した 矢印は処理の流れを示している。

 また図4A~図4Cは、図3に示した各ステージ おいて実行される処理についての第1の例を それぞれ説明するものであり、図5は前記製 装置を利用して有機EL発光パネルを得る製造 方法の第1の例をフローチャートで示したも である。 

 なお、図4A~図4Cにおいては、図3に示すチ ンバーを識別する符号CH1~CH5と同一の符号を 用いて対応関係を説明している。また、図4A~ 図4Cには図5に示す各工程に対応したA~Gで示す 符号を付けて示している。

 図3に示すように、まず封止基板3が封止基 供給ストックより塗布機が備えられたチャ バーCH1(塗布ステージ)に搬送される。ここで は、図4Aの(A)に示すように、平板状に形成さ た封止基板3の片面に、前記したオルガノシ ロキサン結合(-R 2 SiO-)もしくはフッ素化ポリエーテル(-CF 2 CFYO-、)を骨格とするオリゴマーまたはポリマ ーを含むグリースもしくはゲル剤(グリース もしくはゲル層と同一の符号5で示す。)を塗 布又は布設する工程が実行される。これは図 5に示すように窒素ガスまたは大気雰囲気に いて実行される。

 この場合、前記グリースもしくはゲル剤5 の塗布には、例えばディスペンス或いはスク リーン印刷法などが用いられ、前記グリース もしくはゲル剤5は、封止基板3の中央部に塗 される。グリースもしくはゲル剤5は、封止 基板3上でその塗布形状を維持する半固体状 質であり、常温で3Pa・s(パスカル・秒)以上 粘度が好ましい。また塗布後に加熱融着し さらに粘度が上昇するものでもよい。

 なお、グリースもしくはゲル剤5を塗布す る工程においては、前記したように材料の塗 布以外に、シ-ト状にしたゲル剤5を封止基板3 の片面に布設(載置)する方法も採用すること できる。

 塗布工程を経た封止基板3は、搬送ロボッ トによりチャンバーCH2(加熱乾燥ステージ)に られ、グリースもしくはゲル剤5の加熱乾燥 の処理が施される。これは図4Aの(B)に示すよ にヒータ11を用いて実行され、好ましくは10 0℃~250℃/10分の乾燥処理が施される。この乾 処理は、図5に示したとおり、窒素ガスの雰 囲気において行われる。

 前記した加熱乾燥処理は、前記グリース しくはゲル剤5に例えば合成ゼオライトを添 加した場合において、低露点中において加熱 乾燥を施すことで、封止直前において前記合 成ゼオライトに十分な吸湿性能を発現させる ことができる。この場合、乾燥効果を助長さ せるために前記加熱温度は100℃以上とするこ とが望ましく、また前記ゲル剤5の変質を避 るために、前記加熱温度は250℃以下とする とが望ましい。

 グリースもしくはゲル剤5の加熱乾燥処理 を経た封止基板3は、搬送ロボットによりチ ンバーCH3(洗浄およびシール剤の塗布ステー )に送られる。ここでは図4Aの(C)に示すよう 、封止基板3におけるシール剤が施されるシ ール部がドライ洗浄される。このドライ洗浄 工程は図5に示すように窒素ガスの雰囲気に いて行われる。

 前記ドライ洗浄の手法としては、常圧プ ズマ洗浄を好適に採用することができる。 4Aの(C)は、その様子を模式的に示しており 封止基板3の下面に沿って下部電極12が配置 れると共に、封止基板3の上面における周縁 付近、すなわちシール剤が施されるシール に沿って上部電極13が配置される。そして 放電により形成されるプラズマの活性エネ ギーにより、有機汚染物質の洗浄がなされ 。

 図6はドライ洗浄が施される位置を模式的 に示した矩形状になされた封止基板3の上面 であり、この封止基板3の上面中央には前記 たゲル剤5が塗布されている。そして、封止 基板3の上面における周縁部付近、すなわち ール剤が施される符号7で示したシール部が 前記した常圧プラズマ洗浄による洗浄作用 受ける。なお、符号7で示したシール部には 、後述する工程においてシール剤(接着剤)が 布されることになる。

 図3に示すチャンバーCH3においては、前記 したドライ洗浄に続いてシール剤(接着剤)4の 塗布工程が実行される。これは、図4Bの(D)に すように、ドライ洗浄が施された封止基板3 のシール部に沿って塗布ノズル14により実行 れる。この接着剤4としてはUV硬化性樹脂を 適に利用することができる。なお、この接 剤の塗布工程も、図5に示すように窒素ガス の雰囲気において行われる。 

 前記工程で接着剤4が塗布された封止基板 3は、図3に示すように搬送ロボットによりチ ンバーCH4(貼り合わせステージ)に送られる 一方、前記ステージには図示しない別の蒸 工程等により有機EL素子2が成膜された素子 成基板1が受け渡される。そして、図4Bの(E1) 示すように素子形成基板1における前記有機 EL素子2の形成面を、封止基板3におけるグリ スもしくはゲル剤5の塗布面に対峙させるよ になされ、両者の位置合わせ(アライメント )が実行される。

 この工程は、符号15で模式的に示した貼 合わせ装置に、前記素子形成基板1および封 基板3がセットされた状態でなされる。そし て、このアライメント工程も、図5に示すよ に窒素ガスの雰囲気において行われる。

 続いて、図4Bの(E2)に示すように、貼り合 せ装置15に装着されて対峙した状態におけ 前記封止基板3と前記素子形成基板1は、その チャンバーCH4内の気体が排気され減圧(真空) 態になされる。

 そして、図4Bの(E3)に示すように、減圧状 において、補助板18を押し上げることによ 前記封止基板3と素子形成基板1を接近させ、 前記グリースもしくはゲル剤5の塗布面を、 記有機EL素子2側に接触させ、さらには密着 せる貼り合わせ工程が実施される。

 この実施の形態においては、前記封止基 3の下面には補助板18を配置し、また有機EL 子2の上面には補助板16を配置している事に り押し当てによる十分な密着を得ることが きる。なお、この工程においてはUV照射を行 わないので、補助板16、18は金属板や一般的 ガラスでよく、高価な石英ガラスを使用す 必要はない。

 前記貼り合わせ工程においては、封止基 3の下面に配置された補助板18を介して、封 基板3を上に押し上げるように作用させる。 これにより、封止基板3の外周縁に沿って塗 された前記接着剤4は、対向する素子形成基 1側に接する。また前記グリースもしくはゲ ル剤5の塗布面は、前記有機EL素子側2に密着 ると共に、前記接着剤4で囲まれた空間の全 に押し広げられる。

 すなわち、初期の状態において図4Aの(A) 示したように封止基板1の片面にグリースも くはゲル剤を基板のほぼ中央部に適当な面 をもって塗布することで、グリース層もし はゲル層5は、これに対峙する前記有機EL素 2の外周部よりも大きく形成される。

 この貼り合わせ工程における前記減圧状 は、1Pa~50000Paの範囲に設定される。すなわ 前記圧力が1Paに満たない場合においては、 気圧により基板1,3が強く圧着するため、有 EL素子にダメージが加わり、ダークスポット やショートなどの不良率が上昇する。また、 前記圧力が50000Paを越える場合においては、 記グリースもしくはゲル剤5と有機EL素子2の 着が悪く、またシール剤(接着剤)4の密着が いという不具合が発生する。

 続いて、前記した貼り合わせた状態の位 関係を保持したまま、図4Cの(F)に示すよう チャンバーCH4内は大気圧に戻されるが、基 1,3間の密封減圧空間と大気圧の差によって 板のアライメントした位置関係とグリース しくはゲル剤とEL素子との密着性および接着 剤の密着性が保持されている。

 すなわち、前記チャンバーCH4は、当該チ ンバー内を減圧状態とし、減圧状態から大 圧に戻せる圧力調整機能を持ち、チャンバ 内を減圧状態とした時の前記封止基板3と素 子形成基板1間の密封減圧空間と、チャンバ 内を大気圧に戻した時の圧力差によって、 記貼り合わせステージの貼り合わせ圧力を 除しても、前記両基板の密着と位置関係が 持されるように作用する。

 その後、前記接着剤4を硬化させて封止部 を形成する工程が実行される。これは図3に いてはチャンバーCH5(接着剤の硬化ステージ) において実行されるように示している。また 、図4Cの(G)は、接着剤を硬化させて封止処理 行う例を示している。

 この工程においては、石英ガラスにより 成されたUV透過ガラス17の上側に、UV投射ラ プ19が配置され、素子形成基板1を介してUV を投射することで接着剤4を硬化させること できる。UV透過ガラス17にはUVカットマスク1 7Aが付いており、UV投射ランプからのUV光が有 機EL素子に投射されるのを阻止し、これによ 有機EL素子にダメージを与えるのを防止で る。

 なお、ここでは、基板1、3間の密封減圧 間と大気圧の差によって基板1と基板3は両者 の位置関係とグリースもしくはゲル剤とEL素 との密着性および接着剤の密着性が保持さ ており、UV照射工程においてUVカットマスク 17Aを配したUV透過ガラス17に押し付ける大き 力を必要としない。よって、UV透過ガラス17 高価な厚板石英ガラスを使用する必要が無 ため、UVカットマスク17Aを配した安価な薄 ソーダガラスやUVカットマスクの機能を持つ パターンを施した金属板を用いることが出来 る。

 なお、前記した接着剤4に代えてガラスペ ーストに代表される無機フリット剤を用い、 レーザー照射により前記無機フリット剤を加 熱融着させることで、前記封止部を形成する 熱融着手段を採用することもできる。

 次に図7A~図7Cは、図3に模式的に示した製 装置の各ステージにおいて実行される処理 ついての第2の例をそれぞれ説明するもので あり、また図8は前記製造装置を利用して有 EL発光パネルを得る製造方法の第2の例をフ ーチャートで示したものである。そして図7A ~図7Cにおいては、図3に示すチャンバーを識 する符号CH1~CH5と同一の符号を用いて対応関 を説明している。また、図7A~図7Cには図8に す各工程に対応したE1~G2で示す符号を付け 示している。

 なお、以下に説明する第2の製造プロセス を示す図7A~図7Cは、図4Aおよび図4Bにおける(A) ~(D)で示した製造プロセスの後〔シール剤(接 剤)の塗布工程の後〕に続くものである。し たがって、図7A~図7Cにおいてはすでに説明し 各部に相当する部分を同一符号で示してお 、その詳細な説明は省略する。

 この図7A~図7Cに示す第2の製造プロセスに いては、基板の貼り合わせ工程において用 られるチャンバー内を仕切る例えばPET等の 材によるフィルム状のシート21が利用され 。このシート21はチャンバー内を、有機EL発 パネルを構成する素子形成基板1および封止 基板3等が収容される第1空間S1と、これが収 されない第2空間S2とに仕切るものである。

 そして、シート21は前記第1と第2の両空間 S1,S2の圧力差によって変形し、有機EL発光パ ルを固定、位置決めするように作用する。 お、前記第1空間および第2空間を示す符号S1, S2は、図7Aの(E1)においてのみ示している。

 図7Aの(E1)は、素子形成基板1における前記 有機EL素子2の形成面を、封止基板3における リースもしくはゲル剤5の塗布面に対峙させ ようになされ、両者の位置合わせが実行さ るアライメント工程を示している。

 この工程は、符号15で模式的に示した貼 合わせ装置に、前記素子形成基板1および封 基板3がセットされた状態でなされる。そし て、このアライメント工程は、図8に示すよ に窒素ガスの雰囲気において行われる。

 続いて、図7Aの(E21)に示すように、チャン バーCH4の第2空間S2側とチャンバーCH4の第1空 S1側の気体が排気され減圧状態になされる。 この時、排気の開始タイミングは、第1空間S1 および第2空間S2において時間差をつけても良 い。

 そして、両空間S1,S2の減圧状態において 前記封止基板3と素子形成基板1を接近させて 前記グリースもしくはゲル剤5の塗布面を、 記有機EL素子2側に密着させる貼り合わせ工 が実行される。すなわち、(E3)として示すよ に素子形成基板1に封止基板3を接触させる

 この場合、図7Bの(E3)に示すように封止基 3の下面に金属板などで形成された補助板18 押し付けのために当てられる。

 前記貼り合わせ工程においては、封止基 3の下面に配置された補助板18を介して、封 基板3を上に押し上げるように作用させる。 これにより、封止基板3の外周縁に沿って塗 された前記接着剤4は、対向する素子形成基 1側に接する。また前記グリースもしくはゲ ル剤5の塗布面は、前記有機EL素子側2に接触 密着すると共に、前記接着剤4で囲まれた空 の全域に押し広げられる。

 この貼り合わせ工程における第1空間S1の 圧状態は、1Pa~50000Paの範囲に設定される。 の時に設定される好ましい減圧の範囲につ ての根拠は、図4Bの(E3)の説明においてすで 記述したとおりである。

 続いて、前記した貼り合わせた状態の位 関係を保持した状態で、図7Bの(F1)に示すよ に第2空間S2は大気圧に戻される。このよう 第2空間S2が大気圧に戻されることにより、 子形成基板1は前記シート21の変形によりに 着し、当該素子形成基板1は有機EL発光パネ を構成する前記封止基板と共に、前記シー 21によって固定、位置決めされる。

 この状態で、図7Cの(G1)に示すように前記 着剤4を硬化させて封止部を形成する工程が 実行される。この工程においては第1空間S1を 形成する上側のチャンバーは取り除かれ、UV ットマスク17Aを備えたUV透過ガラス17が設置 される。さらに前記UV透過ガラス17上にUV投射 ランプ19が配置される。そして、UV透過ガラ 17、シート21および素子形成基板1を介してUV を投射することで接着剤4を硬化させること ができる。本実施例ではシート21の上にUVカ トマスク17Aを備えたUV透過ガラス17を配置し が、シート21と素子形成基板1との間であっ も良い。

 その後、図7Cおよび図8にG2として示した うに第1空間S1側を大気に戻し、UVカットマス ク17Aを備えたUV透過ガラス17を排除し、貼り わせ装置から成型品を取り出すことで有機EL 発光パネルを得ることができる。

 以上説明した図7A~図7Cおよび図8に示す第2 の製造装置および方法によると、チャンバー 内を第1と第2の空間S1,S2に仕切るシート21が用 いられ、第1と第2の両空間S1,S2の圧力差によ て前記シートが変形して、有機EL発光パネル を固定、位置決めするように作用するので、 第2空間S2を大気圧に戻しても、シート21と下 の補助板18との間で有機ELパネルの位置が、 正確に保持されたままUV照射をすることがで る。したがって、従来の石英ガラスの様なU Vを透過し、且つ剛性が高く、高価な部材を 用しなくても良く、UVカットマスク17Aを配し た安価な薄板ソーダガラスやUVカットマスク 機能を持つパターンを施した金属板を用い ことが出来るので、基板ガラスの大型化に した装置および方法を提供することができ 。

 なお、この第2の製造装置および方法は、 封止材料としてグリ-ス状もしくはゲル状部 を例に挙げて説明したが、従来より知られ いる不活性ガス、不活性液体、樹脂等の封 材料を用いる場合でも利用することが出来 。

 以上説明した製造プロセスにより成形さ た有機EL発光パネルについて、発光駆動時 おける表面温度について測定した結果を、 9~図13に示している。なお図9は測定に供する ために作成した試作物の形態を示したもので あり、この例においては、一辺が115mmの正方 に形成された発光部Lを備えた有機EL発光パ ルについて、その表側(素子形成基板1側)のA ~Iで示す9点を温度測定点とした例を示してい る。

 また、図10は試作した有機EL素子2の積層 成例を示したものであり、図10には各層の名 称と、これを構成する機能素材について示し ている。なお、この図10に示す例においては 二層の発光層を備えたマルチフォトン構造 素子を構成している。

 図11は、比較例として素子形成基板1と封 基板3との空間部に窒素を充填したもの、ま た液体を充填したもの、さらにこの発明の製 造方法によるゲル/グリースを充填したもの ついて、図9に示すA~I点における実測温度を( ℃)を示している。なお、この実測値は通電 過後30分の時点における温度を示している。 また測定に供するための試作物においては、 いずれも封止基板3側の外側にアルミナなど 放熱剤を塗布した板厚0.5mmのアルミニウム製 の均熱板を、伝熱部材を介して貼り付けてい る。前記均熱板としては銅板など他の金属を 用いることもできる。

 そして、比較例として示した充填物とし の液体は、100℃で減圧・加熱した東レ・ダ コーンニング株式会社製のメチルフェニル リコーンオイル(SH550)を用いている。また、 この発明の方法による有機EL発光パネルにお ては、ゲル層に、シリコーンゲルとして信 化学工業株式会社製KE1057を50wt%、吸湿剤と て酸化カルシウム30wt%、伝熱材として酸化ア ルミニウムを20wt%を用いた例を示している。

 また図12は、前記した液体を充填物とし 比較例と、この発明の製造方法によるゲル 充填物とした有機EL発光パネルにおいて、図 9に示すE点における表裏の温度(℃)を通電か 30分経過までと、これに続く消灯後の経過を 示している。また図13は図12における通電か 15分ないし30分経過まで間の測定結果を、ス ールを拡大した状態で示している。

 この図12および図13においては、この発明 の製造方法による有機EL発光パネルについて 測定結果を、「ゲル封止:表(光取り出し側) および「ゲル封止:裏(封止側)」と標記して り、これに比較される従来例についての測 結果を、「液封止:表(光取り出し側)」およ 「液封止:裏(封止側)」と標記している。

 図11に示されているように、この発明の 造方法にかかるゲルを充填物に用いた発光 ネルによると、液体を充填物に用いた発光 ネルに比較して、A~I点の温度の平均値が大 に低減されることが理解できる。また、A~I の最大値と最小値の差(Max-Min)もきわめて小 く成されることも理解できる。

 さらに図13に示されたように、液体を充 物に用いた発光パネルにおける測定結果に ると、通電から30分経過した時点での表裏の 温度差は、Dt1として示すように約7.0℃の差が 有るのに対して、同時点におけるこの発明の 製造方法による発光パネルの表裏の温度差は 、Dt2として示すように約1.3℃の差に抑えられ ることが示されている。

 したがって、この発明の製造にかかる有 EL発光パネルによると、すでに説明した発 の効果の欄に記載した作用効果が発揮され ことが、前記測定結果からも理解すること できる。また、大型基板を用いた有機EL発光 パネルを安価な製造装置で作成することが可 能になる。




 
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