JP3572619 | Method for producing difluoromethane |
JPH04211679 | DESILYATION OF 4-SILYLOXY-TETRAHYDRO-PYRAN-2-ONE |
JP2004514554 | New antimony catalyst composition |
KITAMURA MITSUHARU (JP)
KAWAI TAKESHI (JP)
KITAMURA MITSUHARU (JP)
JPS365721B1 | ||||
JP2001151705A | 2001-06-05 | |||
JP2008019201A | 2008-01-31 | |||
JPS522909A | 1977-01-11 | |||
JPH0331182A | 1991-02-08 | |||
JPS5538935B2 | 1980-10-07 | |||
JP2001151705A | 2001-06-05 |
J. ORG. CHEM., vol. 51, no. 26, 1986
See also references of EP 2277843A4
Kobayashi 浩 (JP)
endo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)及び/又はexo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)を原料として用いて異性化反応を2段階で行ってアダマンタン(トリシクロ [3.3.1.1 3,7 ] デカン)を製造する方法であって、endo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)からexo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)への一段目の異性化反応では、溶媒不存在下でHF触媒単独あるいはHF触媒およびBF 3 触媒の二種を用い、exo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)からアダマンタン(トリシクロ [3.3.1.1 3,7 ] デカン)への二段目の異性化反応では、溶媒不存在下でHF触媒およびBF 3 触媒を用いることを特徴とするアダマンタンの製造方法。 |
前記一段目の異性化反応で得られる反応生成液中のexo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)の割合を、原料であるendo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)及び/又はexo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)の合計量の1重量部に対して0.9重量部以上として前記一段目の異性化反応を行う、請求項1に記載のアダマンタンの製造方法。 |
前記一段目の異性化反応にHF触媒あるいはHF触媒およびBF 3 触媒の二種を用い、前記二段目の異性化反応に更にBF 3 触媒を追加する、請求項1または2に記載のアダマンタンの製造方法。 |
原料であるendo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)及び/又はexo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)の合計量の1重量部に対して、1.5重量部以下のHF触媒と0.02~0.5重量部のBF 3 触媒を用いる、請求項1から3のいずれかに記載のアダマンタンの製造方法。 |
未異性化のexo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)を回収して再使用する、請求項1から4のいずれかに記載のアダマンタンの製造方法。 |
前記一段目の異性化反応における反応温度(T1、℃)と前記二段目の異性化反応における反応温度(T2、単位は℃)が、下記式(1)及び(2)を満たすように温度を制御する、請求項1から5のいずれかに記載のアダマンタンの製造方法。 0≦T1≦50 (1) T1≦T2≦T1+30 (2) |
本発明は、溶媒不存在下で特定の触媒を使 し、原料としてendo-テトラヒドロジシクロ ンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)及び/又はexo-テトラヒドロジシクロ ペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ] デカン)からアダマンタン(トリシクロ[3.3. 1.1 3,7 ]デカン)を連続して工業的に有利に製造する 法に関する。以下、endo-テトラヒドロジシ ロペンタジエン及び/又はexo-テトラヒドロジ シクロペンタジエンを単にテトラヒドロジシ クロペンタジエンと略すこともある。
従来、テトラヒドロジシクロペンタジエン
酸触媒存在下で異性化してアダマンタンを
造する技術は多数知られていた(例えば、特
許文献1、2参照。)。特に、HF触媒およびBF 3
触媒を用いてテトラヒドロジシクロペンタジ
エンを異性化してアダマンタンを製造する技
術も良く知られていた(例えば、特許文献3、4
、非特許文献1参照。)。しかしながら、HF触
やBF 3
触媒を用いる従来技術では、アダマンタン生
成量が多い場合にはアダマンタンが固体とし
て析出してしまうため、アダマンタンを固体
で得るには反応器を開放せねばならず、また
反応器の開放を避ける場合には析出したアダ
マンタンを溶媒に溶解し溶液にする必要があ
るため、溶媒の使用が不可避であるという欠
点を有していた。
本発明の目的は、テトラヒドロジシクロ ンタジエンを異性化してアダマンタンを製 する際に、原料であるテトラヒドロジシク ペンタジエン以外の溶媒不存在下において アダマンタンが固体として析出させずに連 して工業的にアダマンタンを製造できる方 を提供することである。
本発明者らは、テトラヒドロジシクロペ タジエンを原料とする異性化反応について 意研究を重ねた結果、アダマンタンの収率 制御し反応生成物を液相状態にすることに り、原料であるテトラヒドロジシクロペン ジエン以外の溶媒が不要で、かつ連続して 業的にアダマンタンを製造し得る方法を見 だし本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の態様を含むもの
ある。
(1)endo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(ト
リシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)及び/又はexo-テトラヒドロジシクロ
ペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)を原料として用いて異性化反応を
2段階で行ってアダマンタン(トリシクロ [3.3.
1.1 3,7
] デカン)を製造する方法であって、endo-テト
ラヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5
.2.1.0 2,6
] デカン)からexo-テトラヒドロジシクロペ
タジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)への一段目の異性化反応では、溶
媒不存在下でHF触媒単独あるいはHF触媒およ
BF 3
触媒の二種を用い、exo-テトラヒドロジシク
ペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)からアダマンタン(トリシクロ [3.3.
1.1 3,7
] デカン)への二段目の異性化反応では、溶
不存在下でHF触媒およびBF 3
触媒を用いることを特徴とするアダマンタン
の製造方法;
(3)前記一段目の異性化反応にHF触媒単独ある
はHF触媒およびBF 3
触媒の二種を用い、前記二段目の異性化反応
に更にBF 3
触媒を追加する、上記(1)または(2)に記載のア
ダマンタンの製造方法;
(4)原料であるendo-テトラヒドロジシクロペン
ジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)及び/又はexo-テトラヒドロジシクロ
ペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)の合計量の1重量部に対して、1.5
量部以下のHF触媒と0.02~0.5重量部のBF 3
触媒を用いる、上記(1)から(3)のいずれかに記
載のアダマンタンの製造方法;
(5)未異性化のexo-テトラヒドロジシクロペン
ジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)を回収して再使用する、上記(1)か
(4)のいずれかに記載のアダマンタンの製造
法;
(6)前記一段目の異性化反応における反応温度
(T1、℃)と前記二段目の異性化反応における
応温度(T2、℃)が、下記式(1)及び(2)を満たす
うに温度を制御する、上記(1)から(5)のいず
かに記載のアダマンタンの製造方法。
0≦T1≦50 (1)
T1≦T2≦T1+30 (2)
本発明のアダマンタンの製造方法によれば テトラヒドロジシクペンタジエンを原料と てHF触媒単独またはHF触媒とBF 3 触媒の二種で異性化反応をする際に、先ずexo -テトラヒドロジシクロペンタジエン(以下、e xo-TCDと略すことがある)を合成しておいて、 いで、アダマンタンのexo-TCDに対する溶解度 endo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(以 、endo-TCDと略すことがある)に対する溶解度 合計溶解度以下にアダマンタンの収率を制 することで、生成したアダマンタンを析出 せずに、連続して工業的にアダマンタンを 造することができる。上記exo-TCDの融点は-91 ℃であり、常温で液体であるため、生成した アダマンタンを溶解する溶媒としての特性が 大きいが、endo-TCDは常温で固体のためその特 は小さい。
また、原料であるexo-TCD及び/又はendo-TCD以外 の脂肪族炭化水素などを溶媒に用いると、超 強酸のHF触媒やBF 3 触媒により該溶媒が変質する可能性があるが 、本発明では原料であるexo-TCD及び/又はendo-TC D以外の溶媒を用いない製造方法であること ら、溶媒やその変質物を除去する工程が不 となりコスト的に有利にアダマンタンを製 することができる。
以下に、本発明について詳しく説明する。
本発明は、endo-テトラヒドロジシクロペン
ジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)及び/又はexo-テトラヒドロジシクロ
ペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)を原料として用いて異性化反応を
2段階で行ってアダマンタン(トリシクロ [3.3.
1.1 3,7
] デカン)を製造する方法であって、下記ス
ーム1に示すように、endo-テトラヒドロジシ
ロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)からexo-テトラヒドロジシクロペ
タジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)への一段目の異性化反応では、溶
媒不存在下でHF触媒単独あるいはHF触媒およ
BF 3
触媒の2種を用い、exo-テトラヒドロジシクロ
ンタジエン(トリシクロ[5.2.1.0 2,6
] デカン)からアダマンタン(トリシクロ [3.3.
1.1 3,7
] デカン)への二段目の異性化反応では、溶
不存在下でHF触媒およびBF 3
触媒を用いることを特徴とするアダマンタン
の製造方法である。
TCDには二種類の立体異性体(exo-TCD、endo-TCD )が存在するが、本発明においては、exo-TCDま はendo-TCDは単独でも、両者の混合物でも原 として使用できる。一般にTCDは、シクロペ タジエンのDiels-Alder反応物であるジシクロペ ンタジエン(DCPD)を水添反応することにより得 られるが、ジシクロペンタジエン(DCPD)の水添 反応ではendo-TCDが優先的に得られる(endo則、 キーム2)。
しかしながら、endo-TCDの融点は78℃と高く、 100%のendo-TCDを液相状態で取り扱うには温度を 融点以上に保持しなければならない。一方、 HF触媒単独あるいはHF触媒およびBF 3 触媒の二種を用いるとendo-TCDから融点の低いe xo-TCD(-91℃)に異性化することが分かっており この異性化反応を充分に進行させた場合、 応液中に残存するTCDは殆どexo-TCDである。こ こで言う充分な反応進行とは、TCDが高い転化 率(endo-TCD→exo-TCDへの異性化や、TCDから別な のへの変化)を有することやアダマンタンが い収率で得られることを指すものではなく 本発明における異性化反応条件において充 な滞留時間を経て、その条件下でのアダマ タン収率が、当該条件で想定しうるアダマ タン収率に対して高い割合となる状態を指 ものである。
本発明は、endo-TCDからexo-TCDに殆ど異性化 せ、かつ、アダマンタンの収率を制御する とで2段階の異性化反応を液相状態にするこ とを達成し、工業的に連続してアダマンタン を製造することを可能とした。endo-TCDからexo- TCDに殆ど異性化させるとは、具体的には、前 記一段目の異性化反応で得られる反応生成液 中のexo- TCDの割合を、原料であるendo- TCD及 /又はexo- TCDの合計量の1重量部に対して0.9重 量部以上とすることである。
反応条件によってはendo-TCDがexo-TCDに異性 する前にexo-TCDからアダマンタンが生成して しまい、反応生成液中にendo-TCDが多く残存し 液相状態にならないことがあるが(endo-TCDの 点は78℃であり、常温では固体)、本発明は その様な異性化反応の進行をコントロール きることに技術的特徴がある。また、反応 成液中には融点の低いexo-TCDが溶媒として有 効に作用するため、反応生成液中のexo-TCDを 収し、再使用すれば、endo-TCDを新たな原料と して供給する場合にも当該反応温度で生成す るアダマンタンが溶解するように、exo-TCDとen do-TCDの比率を制御する必要がある。すなわち 当該反応温度が低いほど、またendo-TCDの共存 が多いほど、1段目の異性化反応によりexo-TC Dを増やすことにより、反応生成液を液相状 に保持することができる。更に未異性化のex o-TCDを回収し、再使用することにより、アダ ンタンの実質収率(アダマンタンの収率を、 exo-TCDに対するアダマンタンの溶解度以下(例 ば、15~20mlo%)に抑制し、回収exo-TCDの異性化 応から得られるアダマンタンの収率を考慮 ると、実質収率≒アダマンタン選択率とな )を高くすることができる。
上記スキーム1と2に示されるように、異 化反応はendo- TCD→exo- TCD→アダマンタンの 序で起こり、endo- TCD→アダマンタンへの異 性化反応は起こらない。アダマンタンを溶解 する能力の高いexo- TCDが無くなり、アダマン タンを溶解する能力の低いendo- TCDが残存す 共存状態は、アダマンタンが固体として析 するトラブルの危険性が高くなる。従って 先ず一段目の異性化反応である endo- TCD→ex o- TCD を完結(exo- TCDの割合が 0.9重量部以上 )させた後、exo- TCD→アダマンタンへの二段 の異性化反応を行えば、アダマンタンの固 析出のトラブルは回避できるというのが、 発明の技術的特徴である。
反応温度は高くし過ぎるとアダマンタンへ
異性化反応速度が上がり、アダマンタンが
く生成するため固体として析出してしまう
従って、反応温度は2段階の異性化反応を液
相状態に保つと同時にアダマンタンの収率を
抑えることが必要である。2段階の異性化反
を液相状態に保つにはアダマンタンの収率
抑えることが必要であるが、一段目の異性
工程は主にendo-TCDを殆どexo-TCDにする工程、
段目の異性化工程は主にexo-TCDをアダマンタ
に異性化する工程である。具体的には、一
目の工程の反応温度(T1)は0~50℃が好ましく
より好ましくは20~40℃である。二段目の工程
の反応温度(T2)は一段目の工程の反応温度(T1)
りも0~30℃高いことが好ましい。
0≦T1≦50 (1)
T1≦T2≦T1+30 (2)
二段目の工程の反応温度を等しく或いは0~30
℃高くすることで、反応速度が上がりアダマ
ンタンの収率が向上する。一方、二段目の工
程の反応温度を高くし過ぎるとアダマンタン
が固体として析出すると同時に、析出を防止
するためには反応時間(滞留時間)を短く制御
なければならず、工業的には困難であり、
用的でない。またアダマンタンの選択性も
くなることがあるため好ましくない。
本発明の反応時間(滞留時間)は、1~15時間 好ましく、3~12時間がより好ましい。この範 囲より短い場合は、endo-TCDからexo-TCDの異性化 反応の進行が不十分となるため、アダマンタ ンの収率を上げることができない。また、こ の範囲より長い場合は、アダマンタンの収率 が上がり、アダマンタンが固体として析出す るトラブルの危険性が高くなる。
HF触媒は、原料であるendo-TCD及び/又はexo-T CDの合計量の1重量部に対して1.5重量部以下の 範囲で用いることが好ましく、0.3~1.2重量部 範囲で用いることがより好ましい。HF触媒を 1.5重量部より多く用いるとアダマンタンが収 率良く得られるが、アダマンタンが固体とし て析出する危険性が増大し、さらにHF触媒の 離と回収にコストが掛かるため工業的に実 的でない。
また、BF 3 触媒は、原料であるendo-TCD及び/又はexo-TCDの 計量の1重量部に対して0.02~0.5重量部の範囲 用いることが好ましく、0.05~0.3重量部の範囲 で用いることがより好ましい。BF 3 触媒を0.5重量部より多く用いるとアダマンタ ンの収率が向上するが、アダマンタンが固体 として析出する危険性が増大し、さらに高沸 点化合物も多く副生するので、分離精製工程 のコストを考えると工業的に実用的でない。
本発明においては、前記一段目の異性化反 にHF触媒単独あるいはHF触媒およびBF 3 触媒の二種を用い、前記二段目の異性化反応 に更にBF 3 触媒を追加して使用することが好ましい。1 目の異性化反応に使用するHF触媒は、そのま ま二段目の異性化反応でもHF触媒として作用 る。
本発明においては、分離と精製工程で得 れた未異性化のexo-TCDを反応器へ再度供給す る設備があることが好ましい。
また、異性化反応終了後、静置することで ダマンタンを含む有機層と副生する高沸点 合物を含むHF・BF 3 触媒層との2層に分離することから、液々分 する設備があることがより好ましい。また 液々分離せずに、そのままヘプタン等の炭 水素類を還流させた蒸留塔に供給して、塔 よりHF・BF 3 触媒、塔低よりアダマンタンを含む有機成分 を回収してもよい。
本発明においては、2段階の異性化反応を 液相状態にするため、2段階の異性化反応終 後のアダマンタン収率(生成量)はexo-TCDの溶 度とendo-TCDの溶解度の合計量以下にすること が好ましい。
本発明者らは、アダマンタンのexo-TCDに対す
るADM溶解度(S exo)は、exo-TCDが高濃度ほど高い
ことを実験で確認し(図1参照)、反応温度(T、
位は℃)と下記式(3)を満たすことを見いだし
た。
S exo = 0.169×T+7.4 (3)
またendo-TCDに対するADM溶解度(S endo)は、反
温度(T、単位は℃)と下記式(4)を満たし、か
、式(3)と加成性が成り立つことを見いだし
。すなわち、合計ADM溶解度=ADM溶解度(S exo)+
ADM溶解度(S endo)、となる。
S endo = 0.071×T+3.6 (4)
具体的には、TCD中のexo-TCDが99%、endo-TCDが1 %の混合TCD(以下exo-TCD(99)と略す)の純度80%に対 80℃においては合計ADM溶解度20mol%、50℃にお いてはexo-TCD(99)の純度84%に対し合計ADM溶解度1 6mol%、25℃においてはexo-TCD(99)の純度89%に対し 合計ADM溶解度11mol%であり、またTCD中のexo-TCD 71%, endo-TCDが29%の混合TCD(以下exo-TCD(71)と略す )の純度81.5%に対し80℃においては合計ADM溶解 18.5mol%、50℃においてはexo-TCD(71)の純度86.1% 対し合計ADM溶解度13.9mol%、25℃においてはexo- TCD(71)の純度90.4%に対し合計ADM溶解度9.6mol%で るため、この合計ADM溶解度以下にアダマン ン収率(生成量)を制御することが好ましい。
反応生成液は、アダマンタン、exo-TCD、endo-T CD、副生の高沸点化合物、およびHF触媒とBF 3 触媒を含む液体の混合物として得られる。先 に述べた様に、反応生成液は静置するとアダ マンタンを含む有機層と副生する高沸点化合 物を含むHF・BF 3 触媒層の2層に分離するので、液々分離によ 有機層を取得することができる。分離したHF ・BF 3 触媒層は、炭化水素類(例えばベンゼン、ト エン、ヘキサン、ヘプタン等)を還流させた 留塔に供給することにより熱的に回収する とができる。その場合、塔頂よりBF 3 触媒、塔頂の凝縮器よりHF触媒が得られる。
また同様に、反応生成液の全量を、炭化 素類を還流させた蒸留塔に供給することで アダマンタンを含む有機成分が得られる。 の場合には、塔底部より炭化水素類を含む 液が得られる。
得られたアダマンタンを含む有機成分ま は有機層は、中和・水洗後、アダマンタン 含む溶液とし、必要であれば溶媒留去後、 却晶析等の常套的手段によりアダマンタン 精製し、分離・取得することができる。
次に実施例によって、本発明を具体的に説
する。なお、本発明は、これらの実施例に
り制限されるものではない。反応生成物を
下の条件にてガスクロマトグラフィー装置(
GC装置)で分析した。
装置:GC-17A(SHIMADZU株式会社製)
使用カラム:HR-1(信和化工株式会社製)
分析条件:Injection Temp. 310℃ Detector Temp.
310℃
カラム温度:100℃、0分保持→5℃/分で320℃ま
で昇温→320℃、0分保持
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
方法:反応生成液を純水(自社調達品)及びヘ
タン(試薬:和光純薬工業株式会社製)の入っ
ポリプロピレン製受器に抜き出した。その
、水の量は仕込んだHF触媒に対して充分な
であればよく、ヘプタンは仕込んだTCDの3倍
量を目安とした。その後、静置し液々分離
ることでアダマンタン含有の有機層を分取
、2%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリ
ムは試薬:和光純薬工業株式会社製、純水は
自社調達品)で1回、温水で2回洗浄した。得ら
れた有機層1gに対し、内標のジベンジル(試薬
:和光純薬工業株式会社製)0.1gを加えGC注入し
。TCDの転化率、アダマンタンの収率および
ダマンタンの選択率は、以下の計算式によ
求めた。
TCD転化率(mol%)=100-未反応TCD(exo-TCD +endo-TCD)
アダマンタン収率(mol%)=アダマンタン生成量
アダマンタン選択率(mol%)=アダマンタン収率
/TCD転化率×100
(実施例1)
電磁攪拌装置、加熱装置、ガス及び液供給
、反応物排出口を備えた内容積0.5Lのハステ
ロイ製オートクレーブ2台を接続した連続2段
反応器を用いてTCDの異性化反応を行った。1
段目の反応器にHF触媒(試薬:森田化学工業株
会社製)300gを仕込み、2段目の反応器にHF触媒
を300g仕込んだ。加熱装置で1段目の反応器を3
0℃まで、2段目の反応器を50℃まで昇温した
ついで1段目の反応器にexo/endo異性体の比が0.
285、純度99.2%のTCD(自社調達品)を2.80g/min.の割
で、HF触媒を2.06g/min.の割合で、BF 3
触媒(試薬:ステラケミファ株式会社製)を0.14g/
minの割合で別々に供給した。原料の1重量部
TCDに対して、0.74重量部のHF触媒と0.05重量部
BF 3
触媒に相当し、平均滞留時間は1時間であっ
。
ついで1段目の反応器中の液面を一定に保ち
つつ、1段目の反応器より2段目の反応器への
移送を開始し、同時に2段目の反応器中の液
面を一定に保つように流量を制御した。1段
の反応器への原料と触媒供給を始めてから4.
5時間後(平均滞留時間の4.5倍に相当)にサンプ
リングを実施した。1段目の反応器における
応生成液の組成は、exo-TCDが86 mol%、アダマ
タンが9 mol%、endo-TCDが0.5 mol%であった。原
の1重量部のTCDに対して、exo-TCD は0.99重量部
、86/(86+0.5)=0.99となり、endo-TCD は0.006重量部
0.5/(86+0.5)=0.006となった。また2段目の反応器
おける反応生成液の組成は、exo-TCDが75 mol%
アダマンタン が15.5 mol%、endo-TCDが0.5 mol%
あった。原料の1重量部のTCDに対して、exo-TCD
は0.99重量部、75/(75+0.5)=0.99となり、endo-TCD
0.007重量部、0.5/(75+0.5)=0.007となった。従っ
、2段連続異性化反応後の反応生成液の組成
ら、TCD転化率は、100-(75+0.5)=24.5 mol%であり
アダマンタン収率15.5 mol%、アダマンタン選
率は15.5/24.5×100=63.2 mol%であった。
(実施例2)
endo-TCDであって純度99.5%のTCDを原料に用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行った。1段
の反応器における反応生成液の組成は、exo-
TCDが87 mol%、アダマンタンが9 mol%、endo-TCDが0
.8mol%であった。原料の1重量部のTCDに対して
exo-TCD は0.99重量部、87/(87+0.8)=0.99であり、end
o-TCD は0.009重量部、0.8/(87+0.8)=0.009であった。
また2段目の反応器における反応生成液の組
は、exo-TCDが75 mol%、アダマンタン が15.2mol%
endo-TCDが0.5 mol%であった。原料の1重量部のT
CDに対して、exo-TCD は0.99重量部、75/(75+0.5)=0.9
9であり、endo-TCD は0.007重量部、0.5/(75+0.5)=0.00
7であった。従って、2段連続異性化反応後の
応生成液の組成から、TCD転化率は、100-(75+0.
5)=24.5 mol%、アダマンタン収率15.2 mol%、アダ
ンタン選択率は、15.2/24.5×100=62.0 mol%であっ
た。
(実施例3)
exo-TCDであって純度99.4%のTCDを原料に用いた
外は、実施例1と同様の操作を行った。1段
の反応器における反応生成液の組成は、exo-T
CDが86 mol%、アダマンタンが10 mol%であった。
原料の1重量部のTCDに対して、exo-TCD は1.00重
部、86/(86+0)=1.00であった。また2段目の反応
における反応生成液の組成は、exo-TCDが75 mo
l%、アダマンタン が15.6mol%であった。従って
、2段連続異性化反応後の反応生成液の組成
ら、TCD転化率は、100-75=25 mol%、 アダマンタ
ン収率15.2 mol%、アダマンタン選択率は、15.2/
25×100=60.8mol%であった。
(実施例4)
回収したexo-TCDであって純度98.0%のTCDを原料
用いた以外は、実施例1と同様の操作を行っ
た。1段目の反応器における反応生成液の組
は、exo-TCDが84mol%、アダマンタンが10 mol%で
った。原料の1重量部のTCDに対して、exo-TCD
1.00重量部、84/(84+0)=1.00であった。また2段目
の反応器における反応生成液の組成は、exo-TC
Dが72 mol%、アダマンタン が15.4mol%であった
従って、2段連続異性化反応後の反応生成液
組成から、TCD転化率は、100-72=28mol%、アダマ
ンタン収率は15.2 mol%、アダマンタン選択率
、15.2/28×100=54.3mol%であった。
(実施例5)
実施例1と同様な設備を用いて異性化反応を
行った。1段目の反応器にHF触媒(試薬:森田化
工業株式会社製)300gを仕込み、2段目の反応
にHF触媒を300g仕込んだ。加熱装置で1段目の
反応器を50℃まで、2段目の反応器を50℃まで
温した。ついで1段目の反応器にexo/endo異性
の比が0.285、純度99.2%のTCD(自社調達品)を0.11
g/min.の割合で、HF触媒を0.50g/min.の割合で供給
した。原料の1重量部のTCDに対して、4.4重量
のHF触媒に相当し、平均滞留時間は8.2時間で
あった。
ついで1段目の反応器中の液面を一定に保ち
つつ、1段目の反応器より2段目の反応器への
移送を開始し、BF 3
触媒(試薬:ステラケミファ株式会社製)を0.01
g/minの割合で供給(原料の1重量部のTCDに対し
、0.10重量部のBF 3
に相当、平均滞留時間は8.2時間)し、同時に2
目の反応器中の液面を一定に保つように流
を制御した。1段目の反応器への原料と触媒
供給を始めてから12時間後(平均滞留時間8.2時
間の1.5倍)にサンプリングを実施したところ
1段目の反応器における反応生成液の組成は
exo-TCDが86 mol%、アダマンタンが0.3 mol%、endo
-TCDが8.9 mol%であった。原料の1重量部のTCDに
して、exo-TCD は0.91重量部、86/(86+8.9)=0.91で
り、endo-TCD は0.094重量部、8.9/(86+8.9)=0.094で
った。また、2段目の反応器における反応生
液の組成は、exo-TCDが76 mol%、アダマンタン
が14.9mol%、endo-TCDが0.5 mol%であった。原料の1
重量部のTCDに対して、exo-TCD は0.99重量部、76
/(76+0.5)=0.99であり、endo-TCD は0.007重量部、0.5/
(76+0.5)=0.007であった。従って、2段連続異性化
反応後の反応生成液の組成から、TCD転化率は
、100-(76+0.5)=23.5 mol%、アダマンタン収率は14.9
mol%、アダマンタン選択率は、14.9/23.5×100=63.
4 mol%であった。
(比較例1)
1段目の反応器は使用せず、2段目の反応器
みを使用して、50℃、1段で異性化反応を行
た以外は、実施例1と同様の条件で操作を行
た。その結果、反応器への原料と触媒供給
始めてから1時間後に2段目の反応器出口が
まった。そこで反応器出口を開放し反応生
液を分析したところ、反応生成液の組成は
exo-TCDが45.0 mol%、アダマンタン収率 が15.0mol
%、endo-TCDが30.5mol%であった。前記式(3)及び(4)
ら算出されるアダマンタンのTCDに対する合
ADM溶解度は12.3mol%であるため、アダマンタ
収率(生成量)がその溶解度を超えたことによ
りアダマンタンが固体として析出し、詰まっ
たことが分かった。
Next Patent: CARBON WIRE, NANOSTRUCTURE COMPOSED OF CARBON FILM, METHOD FOR PRODUCING THE CARBON WIRE, AND METHOD...