Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
1-(TRIFLUOROMETHYL)NAPHTHALENE DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111417
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a 1-(trifluoromethyl)naphthalene derivative which has a negative dielectric anisotropy having an extremely large absolute value, is chemically stable against heat, light, water and the like, and has excellent compatibility with a conventional liquid crystal compound or a conventional liquid crystal composition. The derivative is suitable as a component of a practically useful liquid crystal composition that can be driven at a low voltage. Also disclosed is a liquid crystal composition using the compound, which is useful as a component of a liquid crystal display element that can be driven at a low voltage and consumes less power, and which can be suitably used in a liquid crystal display element of VA-type, IPS-type or the like.

Inventors:
NAGASHIMA YUTAKA (JP)
KUSUMOTO TETSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053765
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 03, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
DAINIPPON INK & CHEMICALS (JP)
NAGASHIMA YUTAKA (JP)
KUSUMOTO TETSUO (JP)
International Classes:
C07C43/225; C09K19/32; C09K19/34; G02F1/13
Foreign References:
JP2000109843A2000-04-18
JP2000119653A2000-04-25
JPH0840953A1996-02-13
Attorney, Agent or Firm:
KONO, Michihiro (7-20 Nihonbashi 3-chom, Chuo-ku Tokyo 33, JP)
Download PDF:
Claims:
一般式(I)
(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立的に炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数1~12のアルコキシル基または炭素数2~12のアルケニルオキシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、またそれぞれの-CH 2 -基は独立的に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCOO-に置換されていてもよく、
A 1 、A 2 、B 1 およびB 2 は、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、
L 1 、L 2 、M 1 およびM 2 は、それぞれ独立的に単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-CH≡CH-、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-、-CF 2 CF 2 -、-CF=CF-、-OCO-、-COO-、-CH(CH 3 )CH 2 -、-CH 2 CH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )CH(CH 3 )-、-OCH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )O-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 3 O-、-O(CH 2 ) 3 -、-COS-または-SCO-を表し、
X 1 およびX 2 は、それぞれ独立的に水素原子またはフッ素原子を表し、
p、q、rおよびsは、それぞれ独立的に0または1を表す。)で表される1-(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体。
一般式(I)において、R 1 およびR 2 が、それぞれ独立的にそれぞれの1個以上の水素原子が独立的にフッ素原子に置換されていてもよい、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~7のアルコキシル基または炭素数2~7のアルケニルオキシ基を表す請求項1記載の化合物。
一般式(I)において、A 1 、A 2 、B 1 およびB 2 が、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基または1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表す請求項1記載の化合物。
一般式(I)において、L 1 、L 2 、M 1 およびM 2 が、それぞれ独立的に単結合、-CH 2 CH 2 -、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-または-CF 2 CF 2 -を表す請求項1記載の化合物。
一般式(I)において、X 1 およびX 2 が、フッ素原子を表す請求項1記載の化合物。
一般式(I)において、p+q+r+sが1以上かつ3以下の整数を表す請求項1記載の化合物。
一般式(I)において、L 1 、L 2 、M 1 およびM 2 が、それぞれ独立的に単結合または-CH 2 CH 2 -を表す請求項1記載の化合物。
一般式(I)において、p+q+r+sが1または2を表す請求項1記載の化合物。
請求項1~8記載の一般式(I)で表される化合物を1種または2種以上含有することを特徴とする液晶組成物。
請求項9記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素子。
Description:
1-(トリフルオロメチル)ナフタレ ン誘導体

 本発明は電気光学的液晶表示材料として 用な、1-(トリフルオロメチル)ナフチル基を 有する新規液晶性化合物、それを含む液晶組 成物およびそれを用いた液晶表示素子に関す る。

 液晶表示素子は、低電圧作動、薄型表示 の優れた特徴から現在広く用いられている 従来の液晶表示素子の表示方式にはTN(ねじ ネマチック)、STN(超ねじれネマチック)、ま はTNをベースにしたアクティブマトリック (TFT:薄膜トランジスタ)等があり、これらは 電率異方性値が正の液晶組成物を利用する のである。しかし、これら表示方式の欠点 一つとして視野角の狭さがあり、近年高ま ている液晶パネルの大型化の要求に伴い、 の改善が大きな課題となっている。

 この解決策として近年、垂直配向方式、I PS(インプレインスイッチング)等の表示方式 新たに実用化されてきた。垂直配向方式は 晶分子の垂直配向を利用して視野角の改善 図った方式であり、誘電率異方性(δε)が負 液晶組成物が使用される。またIPSは、ガラ 基板に対して水平方向の横電界を用いて液 分子をスイッチングさせることで視野角の 善を図った方法であり、δεが正または負の 晶組成物が使用される。このように、視野 改善のために有効な表示方式である垂直配 方式およびIPSにはδεが負である液晶化合物 ならびに液晶組成物が必要であり、強く要望 されるようになってきた。従来、δεが負の 晶組成物は、2,3-ジフルオロフェニレン基を する化合物が主として用いられてきた(特許 文献1)。しかしながら、この化合物を用いた 晶組成物はδεの絶対値が十分大きくない問 題を有していた(特許文献2)。

 そこで、2,3-ジフルオロフェニレン基を有 する化合物より絶対値の大きい負のδεを有 る化合物としてトリフルオロナフタレン誘 体が報告されている(特許文献3)。しかしな ら、液晶表示素子においてより消費電力を 減する要求は強く、トリフルオロナフタレ 骨格を用いてもなお、δεの絶対値が十分大 いとは言えない問題を有していた。

 一方、ベンゼン環の側方にトリフルオロメ ル基を有する化合物は報告されている(特許 文献4)。更に当該引用文献記載の化合物は、 きな負のδεを有する液晶組成物の成分とし て有利に使用できることも報告されている。 しかしながら、ベンゼン環の側方にトリフル オロメチル基を有した化合物は、次のような ことから誘電率異方性の絶対値が十分大きく ならない問題を有している。すなわち、負の δεを有する化合物において、δεの絶対値を きくするためには、電子吸引性の大きい置 基を側方に置換する必要がある。しかし、1 ,4-フェニレン基においては側方置換位置は2 および3位のニ箇所しかなく、δεの絶対値を 増大することには限界がある。又、ビフェニ ル骨格のように1,4-フェニレン基を連結した 造においては、二つのフェニレン基に置換 た電子吸引性基が同じ方向を向く可能性は くδεの絶対値は増大しないことが一般的で る。
 以上のように、δεが負の化合物において、 より大きいδεの絶対値を有する化合物の開 が望まれている。

特表平2-503441号公報

特開平10-176167号公報

独国特許出願公開第19522195号明細書

特開平8-40953号公報

 本発明が解決しようとする課題は、δεが 負の化合物において、より大きいδεの絶対 を有する化合物を提供し、また当該化合物 用いた実用的な液晶組成物を提供すること ある。

 本発明は、上記課題を解決するための手 として、一般式(I)

(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立的に炭素数1~12のアルキル 、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数1~12のア ルコキシル基または炭素数2~12のアルケニル キシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原 は独立的にフッ素原子に置換されていても く、またそれぞれの-CH 2 -基は独立的に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または -OCOO-に置換されていてもよく、
A 1 、A 2 、B 1 およびB 2 は、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘ シレン基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイ ル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5 -ジイル基または1個以上のフッ素原子に置換 れていてもよい1,4-フェニレン基を表し、
L 1 、L 2 、M 1 およびM 2 は、それぞれ独立的に単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-CH≡CH-、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-、-CF 2 CF 2 -、-CF=CF-、-OCO-、-COO-、-CH(CH 3 )CH 2 -、-CH 2 CH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )CH(CH 3 )-、-OCH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )O-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 3 O-、-O(CH 2 ) 3 -、-COS-または-SCO-を表し、
X 1 およびX 2 は、それぞれ独立的に水素原子またはフッ素 原子を表し、
p、q、rおよびsは、それぞれ独立的に0または1 を表す。)で表される1-(トリフルオロメチル) フタレン誘導体を提供し、一般式(I)で表さ る化合物を1種または2種以上含有すること 特徴とする液晶組成物、更に、当該液晶組 物を構成要素とする液晶素子を提供する。

 本願発明の液晶化合物は、ナフタレン環 1位に電子吸引性の非常に大きいトリフルオ ロメチル基が置換されていることに特徴を有 する。そのため、この骨格を有する液晶化合 物は分子の短軸方向に大きな分極を有するこ ととなり、結果として絶対値の大きい負の誘 電率異方性を有するものである。

 本発明の一般式(I)で表される化合物は、 εが負であって極めて大きい絶対値を有する 。更に、熱、光、水等に対し、化学的に安定 であり、現在汎用されている液晶化合物ある いは液晶組成物との相溶性に優れているため 、低電圧駆動が可能である実用的な液晶組成 物の成分として適している。

 一般式(I)において、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立的に炭素数1~12のアルキル 、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数1~12のア ルコキシル基または炭素数2~12のアルケニル キシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原 は独立的にフッ素原子に置換されていても く、またそれぞれの-CH 2 -基は独立的に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または -OCOO-に置換されていてもよいが、炭素数1~8の アルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素 数1~7のアルコキシル基または炭素数2~7のアル ケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数2~5の 直鎖状アルキル基、ビニル基、3-ブテニル基 トランス-1-プロペン-1-イル基またはトラン -3-ペンテン-1-イル基がより好ましい。

 A 1 、A 2 、B 1 およびB 2 は、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘ シレン基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイ ル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5 -ジイル基または1個以上のフッ素原子に置換 れていてもよい1,4-フェニレン基を表すが、 トランス-1,4-シクロヘキシレン基または1個以 上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4- ェニレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロ ヘキシレン基または無置換の1,4-フェニレン がより好ましい。

 L 1 、L 2 、M 1 およびM 2 は、それぞれ独立的に単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-CH≡CH-、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-、-CF 2 CF 2 -、-CF=CF-、-OCO-、-COO-、-CH(CH 3 )CH 2 -、-CH 2 CH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )CH(CH 3 )-、-OCH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )O-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 3 O-、-O(CH 2 ) 3 -、-COS-または-SCO-を表すが、それぞれ独立的 単結合、-CH 2 CH 2 -、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-または-CF 2 CF 2 -であることが好ましく、単結合または-CH 2 CH 2 -であることがより好ましい。

 X 1 およびX 2 は、それぞれ独立的に水素原子またはフッ素 原子を表すが、δεをより大きくするために 、X 1 およびX 2 がそれぞれフッ素原子であることが好ましい 。
 p、q、rおよびsは、0または1を表すが、p+q+r+s が1以上かつ3以下の整数であることが好まし 、p+q+r+sが1または2であることがより好まし 。
 上述のように一般式(I)の化合物はそのR 1 、R 2 、A 1 、A 2 、B 1 、B 2 、L 1 、L 2 、M 1 、M 2 、X 1 、X 2 、p、q、rおよびsの選択により多種の化合物 包含しうるわけであるが、これらの中では 下の一般式(I-a-a)~一般式(I-h-k)で表される各 合物が好ましい。

(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立的に炭素数1~8のアルキル基 、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~7のアル コキシル基または炭素数2~7のアルケニルオキ シ基を表す。)
 さらに、上式中では一般式(I-a-a)~一般式(I-a- d)、一般式(I-b-c)~一般式(I-b-e)、一般式(I-c-a)~ 般式(I-c-e)、一般式(I-d-c)~一般式(I-d-d)の各化 物が特に好ましい。
 本発明の(I)の化合物は、例えば、以下のよ にして製造することができる。
 一般式(II)

(式中、R 1 、R 2 、A 1 、A 2 、B 1 、B 2 、L 1 、L 2 、M 1 、M 2 、X 1 、X 2 、p、q、rおよびsは一般式(I)におけると同じ 味を表す。)で表されるナフタレン誘導体を N-ヨードコハク酸イミド、ヨウ素等により ード化して1-ヨードナフタレン誘導体(III)

(式中、R 1 、R 2 、A 1 、A 2 、B 1 、B 2 、L 1 、L 2 、M 1 、M 2 、X 1 、X 2 、p、q、rおよびsは一般式(I)におけると同じ 味を表す。)を得る。得られた化合物(III)を N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリ ン、ジメチルスルホキシド等の非極性プロ ン溶媒中、フッ化ナトリウム、フッ化カリ ム、フッ化セシウム等のフッ素化物および 化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等の銅塩存 下、トリフルオロメチルトリメチルシラン 作用させることにより、一般式(I)で表され 化合物を得ることができる。
 あるいは、2-ナフトール誘導体(IV)

(式中、R 1 、A 1 、B 1 、L 1 、M 1 、X 1 、X 2 、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を す。)を、N-ヨードコハク酸イミド、ヨウ素 を作用させることより1-ヨード-2-ナフトー 誘導体(V)

(式中、R 1 、A 1 、B 1 、L 1 、M 1 、X 1 、X 2 、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を す。)を得る。得られた1-ヨード-2-ナフトー 誘導体(V)にピリジン、トリエチルアミン等 塩基存在下、トリフルオロメタンスルホン 無水物、塩化p-トルエンスルホニル、塩化 タンスルホニル等を作用させることにより 1-ヨードナフタレン誘導体(VI)

(式中、R 1 、A 1 、B 1 、L 1 、M 1 、X 1 、X 2 、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を し、Z 1 はトリフルオロメタンスルホニル基、p-トル ンスルホニル基、メタンスルホニル基等の 離基を表す。)を得る。化合物(VI)にテトラ ストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、 塩化(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン) ニッケル(II)、トリス(アセチルアセトナト)鉄 (III)等のパラジウム、ニッケルあるいは鉄系 移金属触媒存在下、有機金属化合物(VII)

(式中、R 2 、A 2 、B 2 、L 2 、M 2 、rおよびsは一般式(I)におけると同じ意味を し、Z 2 は塩化マグネシウム、塩化亜鉛、リチウム、 銅、銅リチウム、トリアルキルケイ素、ホウ 酸等の金属あるいは金属塩を表す。)を作用 せることにより、一般式(III)で表される化合 物を得ることもできる。
 あるいは、2-ナフトール誘導体(IV)にピリジ 、トリエチルアミン等の塩基存在下、トリ ルオロメタンスルホン酸無水物、塩化p-ト エンスルホニル、塩化メタンスルホニル等 作用させることにより、ナフタレン誘導体(V III)

式中、R 1 、A 1 、B 1 、L 1 、M 1 、X 1 、X 2 、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を し、Z 1 はトリフルオロメタンスルホニル基、p-トル ンスルホニル基、メタンスルホニル基等の 離基を表す。)を得る。得られた化合物(VIII) に、N-ヨードコハク酸イミド、ヨウ素等を作 させることより1-ヨードナフタレン誘導体(V I)を得ることもできる。

 あるいは、1-ヨード-2-ナフトール誘導体(V )にN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロ ドン、ジメチルスルホキシド等の非極性プ トン溶媒中、フッ化ナトリウム、フッ化カ ウム、フッ化セシウム等のフッ素化物およ 塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等の銅塩 在下、トリフルオロメチルトリメチルシラ を作用させることにより、1-(トリフルオロ チル)-2-ナフトール誘導体(IX)

(式中、R 1 、A 1 、B 1 、L 1 、M 1 、X 1 、X 2 、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を す。)を得る。得られた1-(トリフルオロメチ ル)-2-ナフトール誘導体(IX)にピリジン、トリ チルアミン等の塩基存在下、トリフルオロ タンスルホン酸無水物、塩化p-トルエンス ホニル、塩化メタンスルホニル等を作用さ ることにより、1-(トリフルオロメチル)ナフ レン誘導体(X)

(式中、R 1 、A 1 、B 1 、L 1 、M 1 、X 1 、X 2 、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を し、Z 1 はトリフルオロメタンスルホニル基、p-トル ンスルホニル基、メタンスルホニル基等の 離基を表す。)を得る。得られた化合物(X)に テトラキストリフェニルホスフィンパラジウ ム(0)、二塩化(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ )エタン)ニッケル(II)、トリス(アセチルアセ ナト)鉄(III)等のパラジウム、ニッケルある は鉄系遷移金属触媒存在下、有機金属化合 (VII)を作用させることにより、一般式(I)で表 される化合物を得ることもできる。

 一般式(I)で表される化合物の多くは、他 液晶材料に対し比較的優れた相溶性を示す また、高い比抵抗や電圧保持率を得ること 容易である。従って、他の液晶化合物との 合物の状態で液晶表示セル用材料として、 適に用いることができる。一般式(I)で表さ る化合物はその添加によりδεの絶対値を大 きく増大させてその閾値電圧を低減すること が可能であり、かつ高速応答と、屈折率異方 性(δn)の増大が可能であるといった特長を併 持ち、前述の各種表示方式のいずれにおい も使用可能であるが、単純マトリックス駆 あるいはアクティブマトリックス駆動のTN 表示素子、およびSTN表示素子に用いること 適しており、特にアクティブマトリックス 動のTN表示素子の液晶材料の極性成分として 用いることが好ましい。

 このように、一般式(I)で表される化合物 混合して使用することのできるネマチック 晶化合物の好ましい代表例としては、本発 の提供する組成物においては、その第1成分 として一般式(I)で表される化合物を少なくと も1種含有するが、その他の成分として特に 下の一般式(A)

(式中、R c は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基またはア ルケニル基を表し、R d は炭素原子数1~12の直鎖状アルキル基、アル ニル基、アルコキシル基またはアルケニル キシ基を表し、p3は0または1を表し、M b およびM c はそれぞれ独立的に単結合、-COO-または-CH 2 CH 2 -を表し、G c はトランス-1,4-シクロヘキシレン基または-1,4 -フェニレン基を表す。)で表される化合物の1 種または2種以上を含有することが好ましい

 一般式(A)において、R c は炭素原子数2~7の直鎖状アルキル基、炭素原 子数2~5の1-アルケニル基または炭素原子数4~5 3-アルケニル基が好ましく、直鎖状アルキ 基としてはエチル基、プロピル基、ブチル またはペンチル基がより好ましく、1-アルケ ニル基としてはビニル基またはトランス-1-プ ロペニル基がより好ましく、3-アルケニル基 しては3-ブテニル基またはトランス-3-ペン ニル基がより好ましい。R d は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、炭素原 子数2~5の1-アルケニル基、炭素原子数4~5の3- ルケニル基、炭素原子数1~3の直鎖状アルコ シル基が好ましい。M b が存在する場合には、M b およびM c の少なくとも一方は単結合が好ましい。

 一般式(A)で表される化合物としては以下 一般式(A-1)~一般式(A-14)で表される化合物が ましく、一般式(A-1)、一般式(A-2)、一般式(A- 3)、一般式(A-5)または一般式(A-6)で表される化 合物が特に好ましい。

(式中、R A およびR B はそれぞれ独立的に炭素原子数1~7の直鎖状ア ルキル基、炭素原子数2~3の1-アルケニル基ま は炭素原子数4~5の3-アルケニル基を表し、R C は炭素原子数1~5の直鎖状アルキル基または炭 素原子数3~4の直鎖状2-アルケニル基を表し、R D は炭素原子数1~3の直鎖状アルキル基または炭 素原子数4~5の3-アルケニル基を表し、R E は炭素原子数1~3の直鎖状アルキル基または炭 素原子数3~4の直鎖状2-アルケニル基を表す。)
 本発明の液晶組成物において一般式(B)

(式中、R e は炭素原子数1~7のアルキル基を表し、R f は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、アルコ キシル基またはアルケニルオキシ基を表し、 p4は0または1を表し、M d およびM e はそれぞれ独立的に単結合、-CH 2 CH 2 -、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-または-COO-を表し、G d はトランス-1,4-シクロヘキシレン基あるいは1 ~2個のフッ素により置換されていてもよい-1,4 -フェニレン基を表す。)で表される2,3-ジフル オロ-1,4-フェニレン誘導体の1種または2種以 を含有していても良い。

 一般式(B)において、R e は炭素原子数2~7の直鎖状アルキル基が好まし い。R f は炭素原子数1~5の直鎖状アルキル基、直鎖状 アルコキシル基が好ましく、炭素原子数1~4の 直鎖状アルキル基または炭素原子数1~4の直鎖 状アルコキシル基が特に好ましい。M d およびM e のうち一方は単結合であることが好ましく、 他方は単結合、-CH 2 CH 2 -または-COO-であることが好ましい。

 一般式(B)には非常に多くの化合物が含ま るが、以下の一般式(B-1)~一般式(B-9)で表さ る化合物が好ましい。

 上式中、R F は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基を表し、 R G は炭素原子数1~5の直鎖状アルキル基または炭 素原子数1~4の直鎖状アルコキシル基を表す。
 また、本発明の液晶組成物において、一般 (C)~一般式(G)

(式中、R g 、R i 、R k およびR m は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基を表し、 R h 、R j 、およびR n は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、アルコ キシル基またはアルケニルオキシ基を表し、 R l は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基を表し、 R o は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基、アルコ キシル基または炭素原子数2~7の直鎖状アルケ ニル基、アルケニルオキシ基を表し、R p は炭素原子数1~7の直鎖状アルキル基または炭 素原子数2~7の直鎖状アルケニル基を表し、X a およびX b は水素原子またはフッ素原子を表し、p5、p6 p7およびp8はそれぞれ独立的に0または1を表 、p9およびp10はそれぞれ独立的に0、1または2 を表し、p9およびp10の合計は1または2であり M f およびM g 、M h およびM i 、M j およびM k 、M l およびM m 、M n はそれぞれ独立的に単結合、-CH 2 CH 2 -、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-または-COO-を表し、M o は単結合または-CH 2 CH 2 -を表し、G e 、G f 、G g 、G h 、G i およびG j はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキ レン基あるいは1~2個のフッ素により置換さ ていてもよい-1,4-フェニレン基を表し、G i 、G j 、M n およびM o が複数存在する場合、それらは同一であって も異なっていてもよい。)で表される化合物 1種または2種以上を含有していても良い。

 一般式(C)~一般式(G)において、R g 、R i 、R k 、R m およびR p は炭素原子数2~7の直鎖状アルキル基が好まし い。R h 、R j 、R n およびR o は炭素原子数1~5の直鎖状アルキル基、直鎖状 アルコキシル基が好ましい。R l は炭素原子数1~3の直鎖状アルキル基が好まし い。M f およびM g 、M h およびM i 、M j およびM k 、M l およびM m はそれぞれ独立的に単結合、-CH 2 CH 2 -、-OCH 2 -、-CH 2 O-、-OCF 2 -、-CF 2 O-または-COO-を表すが、一方は単結合である とが好ましく、他方は単結合、-CH 2 CH 2 -または-COO-であることが好ましい。M n は単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH 2 O-または-CF 2 O-が好ましい。

 以下に本発明の実施例を示し、本発明を更 説明する。しかし、本発明はこれらの実施 に限定されるものではない。
 なお、相転移温度の測定は温度調節ステー を備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計( DSC)を併用して行った。また、化合物の構造 核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外共鳴スペク トル(IR)、質量スペクトル(MS)等により確認し 。
(実施例1)7-ブトキシ-3-[2-(トランス-4-プロピル シクロヘキシル)エチル]-1,2-ジフルオロ-8-ト フルオロメチルナフタレン(I-1)の合成

 (実施例1-1)7-ブトキシ-3-[2-(トランス-4-プロ ルシクロヘキシル)エチル]-1,2-ジフルオロ-8- ードナフタレン
 (以下、ドラフト中で行う。)7-ブトキシ-3-[2- (トランス-4-プロピルシクロヘキシル)エチル] -1,2-ジフルオロナフタレン(21.4 g、0.053 mol)、 過ヨウ素酸二水和物(2.6 g、0.011 mol)、ヨウ素 (5.4 g、0.021 mol)の氷酢酸(100 ml)懸濁液を激し く攪拌している中に、濃硫酸(1.5 ml)、水(10 m l)、氷酢酸(50 ml)の混合液を滴下して加えた( 10分間)。60℃で4時間攪拌した後、反応液を 冷し、水に空けて反応を終了させた。トル ンを加えて析出した固体を溶解し、有機層 分離し、水層からトルエンで抽出した。有 層を集めた後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶 、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食 水の順で洗條し、無水硫酸ナトリウムで乾 した。溶媒を留去し、得られた橙色の固体 再結晶(アセトン)することにより、淡黄色 固体(21.4 g)を得た。(収率 73.9%)
 (実施例1-2)7-ブトキシ-3-[2-(トランス-4-プロ ルシクロヘキシル)エチル]-1,2-ジフルオロ-8- リフルオロメチルナフタレン(I-1)
 (以下、ドラフト中で行う。)7-ブトキシ-3-[2- (トランス-4-プロピルシクロヘキシル)エチル] -1,2-ジフルオロ-8-ヨードナフタレン(21.4 g、0. 042 mol)、フッ化カリウム(3.2 g、0.055 mol)、ヨ ウ化銅(I)(11.6 g、0.061 mol)の無水N,N-ジメチル ルムアミド(110 ml)懸濁液を激しく攪拌して る中に、(トリフルオロメチル)トリフルオ メタン(9.1 ml、0.062 mol)を加えた。70℃で24時 間加熱攪拌した後、反応液を放冷し、水に空 けて反応を終了させた。セライトを用いて銅 塩を濾別した後、塩を酢酸エチルで洗滌し、 濾液を合わせ、有機層を分離し、水層から酢 酸エチルで抽出した。有機層を集めた後、10% チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナ トリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗條し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去 し、得られた橙色の固体をカラム(シリカゲ /ヘキサン+ジクロロメタン)を用いて精製し 再結晶(エタノール+メタノール)することに り、無色の針状晶(9.9 g)を得た。(収率 51.2%)
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ(ppm) 0.87 (t, 3H), 0.99 (t , 3H), 0.82-1.04 (m, 2H), 1.12-1.37 (m, 6H), 1.48-1. 61 (m, 4H), 
1.72-1.88 (m, 6H), 2.79 (t, 2H), 4.15 (t, 2H), 7.23  (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.36 (dm, J = 6.0 Hz, 1H) , 7.82 (d, J = 8.8 
Hz, 1H)
相転移温度(℃) Cr 58 N 62.5 Iso

 (実施例2)  液晶組成物の調製(1)
 以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)

を調製した。ここで(H)の物性値は以下の通り である。
   ネマチック相上限温度(T N-I ): 103.2℃
   誘電率異方性(δε):     0.03
   屈折率異方性(δn):      0.099
このホスト液晶(H)80%と実施例1で得られた(I-1) 20%からなる液晶組成物(M-1)を調製した。この 成物の物性値は以下の通りである。

   ネマチック相上限温度(T N-I ): 93.6℃
   誘電率異方性(δε):     -2.09
   屈折率異方性(δn):      0.103
 本発明の化合物(I-1)を含有する液晶組成物(M -1)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(δε) は大きく減少して負の値となった。このこと から、本発明の化合物は(I-1)は、誘電率異方 が負であり、その絶対値が極めて大きいこ がわかる。

 また、(M-1)の電圧保持率を80℃で測定した ところ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に 対して98%以上と高い値を示した。このことか ら本発明の化合物(I-1)は安定性の面からも液 表示材料として十分使用可能であることが かる。

 (比較例1) 液晶組成物の調製(2)
 実施例1で調製したホスト液晶(H)に化合物(I- 1)と比較的類似の構造を有するが、トリフル ロメチル基をフッ素原子に替えた化合物(J-1 )

10%からなる液晶組成物(M-2)を調製した。この 成物の物性値は以下の通りである。
   ネマチック相上限温度(T N-I ): 95.4℃
   誘電率異方性(δε):     -1.33
   屈折率異方性(δn):      0.106
 化合物(J-1)を含有する液晶組成物(M-2)は、実 施例1記載の(M-1)と比べ、誘電率異方性の絶対 値が小さいことがわかる。

 (実施例3) 液晶組成物の調製(3)
 以下の組成からなる液晶組成物(M-3)を調製 た。

この(M-3)の物性値は以下の通りであった。
   ネマチック相上限温度(T N-I ): 100.1℃
   誘電率異方性(δε):    -4.06
   屈折率異方性(δn):      0.094
 ここで作製した組成物を用いて、電圧保持 を測定したところ80℃で98%と高い値を示し 優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成 ることができた。

 (実施例4) 液晶組成物の調製(4)
 以下の組成からなる液晶組成物(M-4)を調製 た。

この(M-4)の物性値は以下の通りであった。
   ネマチック相上限温度(T N-I ): 100.0℃
   誘電率異方性(δε):     -3.59
   屈折率異方性(δn):      0.094
 ここで作製した組成物を用いて、電圧保持 を測定したところ80℃で98%と高い値を示し 優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成 ることができた。
(実施例5)7-ブトキシ-1,2-ジフルオロ-3-(トラン -4-プロピルシクロヘキシル)メトキシ-8-トリ フルオロメチルナフタレン(I-2)の合成

 実施例1-1の7-ブトキシ-1,2-ジフルオロ-3-[2- (トランス-4-プロピルシクロヘキシル)エチル] -ナフタレンに代えて、7-ブトキシ-1,2-ジフル ロ-3-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル) トキシナフタレンを用いることにより、7-ブ トキシ-1,2-ジフルオロ-3-[2-(トランス-4-プロピ ルシクロヘキシル)メトキシ]-8-ヨードナフタ ンを得た。

 実施例1-2の7-ブトキシ-1,2-ジフルオロ-3-[2-( ランス-4-プロピルシクロヘキシル)エチル]-8- ヨードナフタレンに代えて、上記の7-ブトキ -1,2-ジフルオロ-3-[2-(トランス-4-プロピルシ ロヘキシル)メトキシ]-8-ヨードナフタレン 用いることにより、7-ブトキシ-1,2-ジフルオ -3-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)メ キシ-8-トリフルオロメチルナフタレンを得 。
1 H-NMR(400 MHz, CDCl 3 ) δ0.87-1.96 (m, 24H), 3.91 (d, J = 4.8Hz, 2H), 4 .13 (t, J = 4.9Hz, 2H), 6.97 (d, J = 4.2Hz, 1H), 7.22-7.26 (m, 1H), 7.77 (d, J = 7.2Hz, 1H)
MS m/z 458(M + )
相転移温度(℃) Cr 96 (SmB 70) I
(実施例6)7-ブトキシ-1,2-ジフルオロ-3-(トラン ,トランス-4-プロピルビシクロヘキシル-4-イ ル)メトキシ-8-トリフルオロメチルナフタレ (I-3)の合成

 実施例1-1の7-ブトキシ-1,2-ジフルオロ-3-[2-( ランス-4-プロピルシクロヘキシル)エチル]ナ フタレンに代えて、7-ブトキシ-1,2-ジフルオ -3-(トランス,トランス-4-プロピルビシクロヘ キシル-4-イル)メトキシナフタレンを用いる とにより、7-ブトキシ-1,2-ジフルオロ-3-(トラ ンス,トランス-4-プロピルビシクロヘキシル-4 -イル)メトキシ-8-ヨードナフタレンを得た。
 実施例1-2の7-ブトキシ-1,2-ジフルオロ-3-[2-( ランス-4-プロピルシクロヘキシル)エチル]-8- ヨードナフタレンに代えて、上記の7-ブトキ -1,2-ジフルオロ-3-(トランス,トランス-4-プロ ピルビシクロヘキシル-4-イル)メトキシ-8-ヨ ドナフタレンを用いることにより、7-ブトキ シ-1,2-ジフルオロ-3-(トランス,トランス-4-プ ピルビシクロヘキシル-4-イル)メトキシ-8-ト フルオロメチルナフタレンを得た。

1 H-NMR(400 MHz, CDCl 3 ) δ 0.83-1.86 (m, 34H), 3.90 (d, J = 5.1Hz, 2H), 4.13 (t, J = 4.8Hz, 2H), 6.96 (dd, J = 5.7, 1.5H z, 1H), 7.22-7.24 (m, 1H), 7.77 (d, J = 6.6Hz, 1H)
MS m/z 540(M + )
相転移温度(℃) Cr 117 SmA 137 N 202 I
(実施例7)1,2-ジフルオロ-7-ペンチル-3-(トラン ,トランス-4-プロピルビシクロヘキシル-4-イ ル)メトキシ-8-トリフルオロメチルナフタレ (I-4)の合成

 実施例1-1の7-ブトキシ-3-[2-(トランス-4-プ ピルシクロヘキシル)エチル]-1,2-ジフルオロ ナフタレンに代えて、1,2-ジフルオロ-7-ペン ル-3-(トランス,トランス-4-プロピルビシクロ ヘキシル-4-イル)メトキシナフタレンを用い ことにより、1,2-ジフルオロ-7-ペンチル-3-(ト ランス,トランス-4-プロピルビシクロヘキシ -4-イル)メトキシ-8-ヨードナフタレンを得た

 実施例1-2の7-ブトキシ-3-[2-(トランス-4-プロ ルシクロヘキシル)エチル]-1,2-ジフルオロ-8- ヨードナフタレンに代えて、上記の1,2-ジフ オロ-7-ペンチル-3-(トランス,トランス-4-プロ ピルビシクロヘキシル-4-イル)メトキシ-8-ヨ ドナフタレンを用いることにより、1,2-ジフ オロ-7-ペンチル-3-(トランス,トランス-4-プ ピルビシクロヘキシル-4-イル)メトキシ-8-ト フルオロメチルナフタレンを得た。
1 H-NMR(400 MHz, CDCl 3 ) δ 0.84-1.97 (m, 36H), 2.90-2.95 (m, 2H), 3.92 (d , J = 4.8Hz, 2H), 6.99 (dd, J = 6.0, 1.2Hz, 1H), 7.26-7.28 (m, 1H), 7.71 (d, J = 6.6Hz, 1H)
MS m/z 538(M + )
相転移温度(℃) Cr 124 N 166 I

 (実施例8) 液晶組成物の調製(6)
 実施例2で調製したホスト液晶(H)に化合物(I- 2)

10%からなる液晶組成物(M-2)を調製した。この 成物の物性値は以下の通りである。

   ネマチック相上限温度(T N-I ): 99.3℃
   誘電率異方性(δε):     -1.36
   屈折率異方性(δn):      0.101
 本発明の化合物(I-2)を含有する液晶組成物(M -2)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(δε) は大きく減少して負の値となった。このこと から、本発明の化合物は(I-2)は、誘電率異方 が負であり、その絶対値が極めて大きいこ がわかる。
 また、(M-2)の電圧保持率を80℃で測定したと ころ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に対 して98%以上と高い値を示した。このことから 本発明の化合物(I-2)は安定性の面からも液晶 示材料として十分使用可能であることがわ る。

 (実施例9) 液晶組成物の調製(6)
 実施例2で調製したホスト液晶(H)に化合物(I- 3)

10%からなる液晶組成物(M-3)を調製した。この 成物の物性値は以下の通りである。
   ネマチック相上限温度(T N-I ): 111.0℃
   誘電率異方性(δε):     -1.23
   屈折率異方性(δn):      0.102
 本発明の化合物(I-3)を含有する液晶組成物(M -2)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(δε) は大きく減少して負の値となった。このこと から、本発明の化合物は(I-3)は、誘電率異方 が負であり、その絶対値が極めて大きいこ がわかる。

 また、(M-3)の電圧保持率を80℃で測定した ところ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に 対して98%以上と高い値を示した。このことか ら本発明の化合物(I-3)は安定性の面からも液 表示材料として十分使用可能であることが かる。

 (実施例10) 液晶組成物の調製(7)
 実施例2で調製したホスト液晶(H)に化合物(I- 4)

10%からなる液晶組成物(M-4)を調製した。この 成物の物性値は以下の通りである。
   ネマチック相上限温度(T N-I ): 107.8℃
   誘電率異方性(δε):     -0.81
   屈折率異方性(δn):      0.102
 本発明の化合物(I-4)を含有する液晶組成物(M -4)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(δε) は大きく減少して負の値となった。このこと から、本発明の化合物は(I-4)は、誘電率異方 が負であり、その絶対値が極めて大きいこ がわかる。
 また、(M-4)の電圧保持率を80℃で測定したと ころ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に対 して98%以上と高い値を示した。このことから 本発明の化合物(I-4)は安定性の面からも液晶 示材料として十分使用可能であることがわ る。