Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ABCG2 INHIBITOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072267
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a breast cancer resistance protein (BCRP/ABCG2) inhibitor. Specifically disclosed is an acrylonitrile derivative represented by general formula (1) or a salt tehreof. [In the formula, A represents an optionally substituted 3-8 membered heterocyclic ring.]

Inventors:
YAMAZAKI RYUTA (JP)
HATANO HIROSHI (JP)
YAEGASHI TAKASHI (JP)
IGARASHI YOSHIAKI (JP)
YOSHIDA OH (JP)
SUGIMOTO YOSHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003557
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 02, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
YAKULT HONSHA KK (JP)
YAMAZAKI RYUTA (JP)
HATANO HIROSHI (JP)
YAEGASHI TAKASHI (JP)
IGARASHI YOSHIAKI (JP)
YOSHIDA OH (JP)
SUGIMOTO YOSHIKAZU (JP)
International Classes:
C07D409/04; A61K31/4535; A61K31/454; A61K31/4545; A61K31/496; A61K31/5377; A61K31/55; A61P35/00; A61P43/00; C07D409/14
Domestic Patent References:
WO2006106778A12006-10-12
WO2004069233A12004-08-19
WO2004069243A12004-08-19
WO2006106778A12006-10-12
Other References:
PROC. NATL. ACAD. SCI. USA, vol. 95, 1998, pages 15665 - 15670
CANCER RES., vol. 59, 1999, pages 5938 - 5946
J. CLIN. ONCOL., vol. 20, 2002, pages 2943 - 2950
MOL. CANCER THER., vol. 1, 2002, pages 417 - 425
MOL. CANCER THER., vol. 2, 2003, pages 105 - 112
INT. J. CANCER, vol. 108, 2004, pages 146 - 151
See also references of EP 2218719A4
Attorney, Agent or Firm:
THE PATENT CORPORATE BODY ARUGA PATENT OFFICE (3-6 Nihonbashiningyocho 1-chome,Chuo-k, Tokyo 13, JP)
Download PDF:
Claims:
 一般式(1)
[式中、Aは置換基を有してもよい3-8員の複素環を示す。]
で表されるアクリロニトリル誘導体又はその塩。
 前記Aが、置換基を有してもよい下記(3)~(9)から選択される1種である請求項1記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩。
 下記から選択されるアクリロニトリル誘導体又はその塩。
 ピペリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 (4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 アゼチジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 ピロリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 (2-メチル-ピペリジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 (3-ヒドロキシメチル-ピペリジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 アゼパン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 アゾカン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 (4-メチル-ピペラジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 モルホリン-4-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル エステル
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とする医薬。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とするBCRP阻害剤。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とする抗がん剤耐性克服剤又は抗がん剤効果増強剤。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩、及びBCRPの基質となり得る抗がん剤を含有する抗がん剤組成物。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩の、抗がん剤耐性克服剤又は抗がん剤効果増強剤の製造のための使用。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩の、BCRPの基質となり得る抗がん剤を含有する抗がん剤組成物の製造のための使用。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、BCRPの関与により薬剤耐性を獲得したがんの処置方法。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、BCRPの阻害方法。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、抗がん剤の耐性を克服する方法又は抗がん剤の効果を増強する方法。
 請求項1~3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩及びBCRPの基質となり得る抗がん剤を投与する、がんの治療方法。
Description:
ABCG2阻害剤

 本発明は乳がん耐性蛋白(BCRP/ABCG2)阻害剤 関する。

 がん化学療法において、治療開始時から抗 ん剤に無効である自然耐性や抗がん剤を長 に連用するとその効果が低下する獲得耐性 出現は大きな問題となっている。この抗が 剤に対する耐性の克服は、がん化学療法の 療成績向上につながることが期待され、こ までに様々な耐性機構の存在が明らかにさ てきた。その中でも抗がん剤を細胞外へ能 輸送し、その細胞内蓄積量を減少させる薬 輸送蛋白質の発現は、耐性機構の中心的な 割を果たしていると考えられている。
 1970年代に発見されたMDR1遺伝子にコードさ る薬剤輸送蛋白質P-糖蛋白質は、化学構造や 作用機序が異なる複数の抗がん剤に対して交 叉耐性を生じることから、多剤耐性克服剤の 有力な標的分子とされてきた。しかし、P-糖 白質だけでは抗がん剤耐性機構を説明しき ないことも次第に明らかとなり、さらに新 い薬剤輸送蛋白質を標的分子とした耐性克 剤の開発が望まれている。

 その様な中、1998年に、P-糖蛋白質と同じ ATP結合カセット(ABC)トランスポータースー ーファミリーと呼ばれる一群に属する薬剤 送蛋白質として、乳がん耐性蛋白質(BCRPの他 、ABCG2、MXR又はABCPとも呼ばれる)が発見され (非特許文献1参照)。BCRPの構造にはATP結合カ ットが一つしか存在せず、二つのATP結合カ ットを有するP-糖蛋白質や他のABCトランス ーターとは構造的に異なっている。BCRPは塩 イリノテカン(CPT-11)やトポテカン等のトポ ソメラーゼI阻害剤、ミトキサントロン等の ポイソメラーゼII阻害剤、ゲフィチニブや マチニブ等の分子標的治療薬に対する耐性 構に関与する。一方、BCRPはP-糖蛋白質によ 排出されるパクリタキセルやビンクリスチ 等に対しては作用しないこと、またP-糖蛋白 質ではほとんど細胞外へ排出されないCPT-11や 7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN-38:CP T-11の活性体)等のカンプトテシン誘導体の排 に関わることから(非特許文献2参照)、P-糖 白質とは異なる基質特異性を有することが らかにされている。さらに、BCRPは経口投与 れた抗がん剤のバイオアベイラリビティの 界にも関与していることが示唆されている( 非特許文献3参照)。これらの事実から、BCRPを 阻害する薬剤は、従来の耐性克服剤では克服 され得なかった抗がん剤の耐性に対して克服 効果を発揮し、さらには抗がん剤のバイオア ベイラビリティをも向上させることが期待さ れ、その開発が望まれる。

 これまでに、抗がん剤に対する耐性克服を 的として数多くのP-糖蛋白質阻害剤が開発 れてきた。それに比べ、BCRP阻害剤に関する 告は少なく、またその阻害作用も十分とは えないことから、より有効なBCRP阻害剤を発 見するための絶え間ない努力がなされている 。なお、これまでに報告されているBCRP阻害 用を有する化合物としては、FTC(Fumitremorgin C )誘導体(非特許文献4参照)、エストロゲンや エストロゲン(非特許文献5参照)、ノボビオ ン(非特許文献6参照)等がある。また、我々 、フラボノイド(特許文献1参照)、ジフェニ アクリロニトリル誘導体(特許文献2参照)お び複素環を有するアクリロニトリル誘導体( 許文献3参照)にBCRP阻害作用を見出している 、これらのいずれについても未だ十分な効 は得られておらず、さらには、溶解性、毒 など、医薬品として有用とされるにはクリ しなければならない課題を抱えている。

国際公開第2004/069233号パンフレット

国際公開第2004/069243号パンフレット

国際公開第2006/106778号パンフレット Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1998,95:15665-15670 Cancer Res.,1999,59:5938-5946 J.Clin.Oncol.,2002,20:2943-2950 Mol.Cancer Ther.,2002,1:417-425 Mol.Cancer Ther.,2003,2:105-112 Int.J.Cancer,2004,108:146-151

 本発明は、優れた乳がん耐性蛋白質(BCRP) 害作用を有し且つ溶解性の改善された新規 薬剤を提供することを目的とする。

 本発明者は、上記課題を解決すべく、BCRP により耐性を獲得した抗がん剤耐性がん細胞 を用いて様々な化合物についてスクリーニン グを行った結果、下記式(1)で表される新規な アクリロニトリル誘導体に強力なBCRP阻害作 があることを見出した。

 すなわち、本発明は、一般式(1)

〔式中、Aは置換基を有してもよい3-8員の複 環を示す。]
で表されるアクリロニトリル誘導体又はその 塩を提供するものである。

 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩を有効成分とする医薬を提 するものである。
 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩を有効成分とするBCRP阻害剤 を提供するものである。
 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩を有効成分とする抗がん剤 性克服剤又は抗がん剤効果増強剤を提供す ものである。

 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩、及び薬学的に許容される 体を含有する医薬組成物を提供するもので る。
 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩、及びBCRPの基質となり得る 抗がん剤を含有する抗がん剤組成物を提供す るものである。

 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩の、抗がん剤耐性克服剤又 抗がん剤効果増強剤の製造のための使用を 供するものである。
 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩の、BCRPの基質となり得る抗 がん剤を含有する抗がん剤組成物の製造のた めの使用を提供するものである。

 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩を投与する、BCRPの関与によ り薬剤耐性を獲得したがんの処置方法を提供 するものである。
 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩を投与する、BCRPの阻害方法 を提供するものである。
 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩を投与する、抗がん剤の耐 を克服する方法又は抗がん剤の効果を増強 る方法を提供するものである。
 また、本発明は、上記のアクリロニトリル 導体又はその塩及びBCRPの基質となり得る抗 がん剤を投与する、がんの治療方法を提供す るものである。

 本発明のアクリロニトリル誘導体又はその の優れたBCRP阻害作用により、BCRPが関与す 抗がん剤耐性を克服することが可能である また、もとからBCRPを発現するがんに対し、 がん剤の効果を増強することが可能である また、抗がん剤のバイオアベイラビリティ 向上させることも期待され、がん化学療法 おける治療成績の向上につながることが期 される。
 さらには、本発明のアクリロニトリル誘導 又はその塩は溶解性に優れており、医薬品 薬として極めて有用である。

 一般式(1)中、Aで示される複素環としては 、3~8員の複素環が挙げられ、このうち、4~8員 の複素環が好ましい。前記Aで示される複素 としては、具体的にはアジリジン、アゼチ ン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン チオモルホリン、モルホリン、アゼパン、 ゾカンなどが挙げられる。このうち下記式(2 )~(9)で示される複素環が好ましく、下記式(5) 示されるピペリジンが特に好ましい。

 一般式(1)中、前記Aで示される複素環は、 一若しくは複数の置換基を有してもよく、当 該置換基としては、水酸基、低級アルキル基 、低級アルコキシ基、低級アシルオキシ基、 ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、低級ヒ ドロキシアルキル基、低級アルコキシカルボ ニル基などが挙げられ、置換基が複数の場合 それぞれの置換基は同じでも異なっていても よい。このうち、水酸基を有する複素環が特 に好ましい。

 前記低級アルキル基としては、炭素数1~6の ルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基 エチル基、n-プロピル基、イソブチル基等 挙げられる。
 前記低級アルコキシ基としては、炭素数1~6 アルコキシ基が挙げられ、具体的にはメト シ基、エトキシ基等が挙げられる。
 前記低級アシルオキシ基としては、炭素数1 ~6のアシルオキシ基が挙げられ、具体的には ルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオ ルオキシ基等が挙げられる。
 前記低級ヒドロキシアルキル基としては、 素数1~6のヒドロキシアルキル基が挙げられ 具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキ エチル基等が挙げられる。
 前記低級アルコキシカルボニル基としては 炭素数1~6のアルコキシカルボニル基が挙げ れ、具体的にはメトキシカルボニル基、エ キシカルボニル基等が挙げられる。
 ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ 、ヨウ素等が挙げられる。

 本発明のアクリロニトリル誘導体は、薬 学的に許容される塩を形成することができ 斯かる塩もまた本発明に含まれる。塩とし は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩な の無機酸塩;ナトリウム、カリウムなどのア ルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウムな のアルカリ土類金属塩;p-トルエンスルホン 塩、メタンスルホン酸塩、フマル酸塩、コ ク酸塩、乳酸塩等の有機酸塩等が挙げられ 。また、本発明の化合物は、溶媒水和物の 態で存在することもあり、かかる水和物も 発明に含まれる。更に、本発明のアクリロ トリル誘導体には、異性体が存在し得るが これら異性体及びその混合物もまた、本発 に含まれる。

 これらの中で特に好ましい化合物は、下記 化合物又はその塩である。
 ピペリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル;
 (4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-アセティ ク アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメト シ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピ ペリジン-4-イル エステル;
 アゼチジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル;
 ピロリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル;
 (2-メチル-ピペリジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル;
 (3-ヒドロキシメチル-ピペリジン-1-イル)-ア ティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4- メトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2- ル]-ピペリジン-4-イル エステル;
 アゼパン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル;
 アゾカン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル;
 (4-メチル-ピペラジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル;
 モルホリン-4-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル

 本発明のアクリロニトリル誘導体又はその は、例えば次の反応式(A)に従って製造する とができる。
反応式(A)

 すなわち、5-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イ )-チオフェン-2-カルボキシアルデヒド(X)と3,4 -ジメトキシベンジルシアニド(Y)を縮合させ ことにより(Z)-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-[ 5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-チオフェ -2-イル]-アクリロニトリル(Z)が得られる。
 さらに(Z)にブロモアセチルブロミド(XX)を反 応させることによりブロモ-アセティック ア シッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フ ニル)-ビニル]-チオフェン2-イル]-ピペリジ -4-イル エステル(XY)が得られる。ブロモ-ア ティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4- メトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2- ル]-ピペリジン-4-イル エステル(XY)に所望の 第2級アミン類(XZ:式中、Aは上記定義と同じ。 )を反応させることにより、本発明の一般式(1 )で表わされるアクリロニトリル誘導体(式中 Aは上記定義と同じ。)が得られる。

 前記第2級アミン類(XZ:式中、Aは上記定義と じ。)は、特に限定されるものではないが、 具体的にはピペリジン、4-ヒドロキシピペリ ン、アジリジン-2-カルボキシリック アシ ド メチル エステル、アゼチジン、ピロリ ン、2-メチル-ピペリジン、3-ヒドロキシメ ル-ピペリジン、アゼパン(ヘキサメチレンイ ミン)、アゾカン(ヘプタメチレンイミン)、4- チル-ピペラジン、モルホリン、チオモルホ リン等が挙げられ、前記反応式(A)において、 これらの第2級アミン類により得られるアク ロニトリル誘導体としては、
 ピペリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル、
(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-アセティッ ク アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキ シ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピ リジン-4-イル エステル、
 1-(1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニ )-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4- ルオキシカルボニルメチル)-アジリジン-2- ルボキシリック アシッド メチル エステ 、
 アゼチジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル、
 ピロリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル、
 (2-メチル-ピペリジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル、
 (3-ヒドロキシメチル-ピペリジン-1-イル)-ア ティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4- メトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2- ル]-ピペリジン-4-イル エステル、
 アゼパン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル、
 アゾカン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル、
 (4-メチル-ピペラジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル、
 モルホリン-4-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル、
 チオモルホリン-4-イル-アセティック アシ ド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェ ル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4 -イル エステル等が挙げられる。

 縮合反応は、ナトリウムアルコキシド、 酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基 存在下にて行うのが好ましい。ナトリウム ルコキシドの存在下での縮合反応は、例え メタノール、エタノール等のアルコール溶 中、氷冷から還流温度で行われる。また、 酸化ナトリウムの存在下での縮合反応は、 化メチレン、クロロホルム等の不活性溶媒 水との混合溶媒中、第四級アンモニウム等 添加して行われる。

 本発明の複素環を有するアクリロニトリ 誘導体又はその塩は、そのままでも投与す ことができるが、他の薬学的に許容される 散補助剤、賦形剤等の担体と混合し、粉剤 液剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、シロッ 剤、エリキシル剤、顆粒剤、丸剤、錠剤、 ローチ剤、リモネーデ剤等の経口剤又は注 剤等の剤形で使用することができる。これ の製剤は、公知の方法で製造することがで る。

 担体としては、例えば、マンニトール、 糖、デキストラン等の水溶性の単糖類ない オリゴ糖類もしくは多糖類;例えばヒドロキ シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、メチルセルロース等のゲ ル形成性又は水溶性のセルロース類;例えば 晶性セルロース、α-セルロース、架橋カル キシメチルセルロースナトリウム、及びそ らの誘導体等の水吸収性でかつ水難溶性の ルロース類;例えばヒドロキシプロピル澱粉 カルボキシメチル澱粉、架橋澱粉、アミロ ス、アミロペクチン、ペクチン及びそれら 誘導体等の水吸収性でかつ水難溶性の多糖 ;例えばアラビアガム、トラガントガム、グ リコマンナン及びそれらの誘導体等の水吸収 性でかつ水難溶性のガム類;例えばポリビニ ピロリドン、架橋ポリアクリル酸及びその 、架橋ポリビニルアルコール、ポリヒドロ シエチルメタクリレート及びそれらの誘導 等の架橋ビニル重合体類;リン脂質、コレス ロール等のリポソーム等分子集合体を形成 る脂質類等を挙げることができる。

 本発明の化合物の溶解性が低い場合には 可溶化処理を施すことができる。可溶化処 としては通常医薬に適用できる方法、例え 、ポリオキシエチレンアルコールエーテル 、ポリオキシエチレンアシルエステル類、 ルビタンアシルエステル類やポリオキシエ レンソルビタンアシルエステル類等の界面 性剤を添加する方法、ポリエチレングリコ ル等の水溶性高分子を使用する方法等が挙 られる。また、必要により、可溶性の塩に る方法、シクロデキストリン等を用いて包 化合物を形成させる方法等も使用できる。 溶化処理の方法は、目的とするアクリロニ リル誘導体又はその塩に応じて適宜変更で る。

 本発明の化合物は、BCRPを強力に阻害する ので、BCRP阻害剤、抗がん剤耐性克服剤又は がん剤効果増強剤として使用することが出 、さらにBCRPの基質となり得る抗がん剤と組 合わせて抗がん剤組成物として使用するこ が出来る。抗がん剤の投与によってBCRP関与 の耐性を獲得したがんに対し、抗がん剤耐性 克服剤として使用することが出来、また、も とからBCRPを発現し、抗がん剤に対して低感 性のがんに対しては抗がん剤効果増強剤と て使用することが出来る。本発明のBCRP阻害 を有効成分とする抗がん剤耐性克服剤およ 抗がん剤効果増強剤の対象となる抗がん剤 しては、BCRP又はその類縁体の基質となり得 る抗がん剤であれば特に制限はないが、例え ば塩酸イリノテカン/CPT-11(活性本体:SN-38)やト ポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤、ミ キサントロン、ドキソルビシン、ダウノル シン、ビスアントレンやエトポシド等のト イソメラーゼII阻害剤、メトトレキサート等 の葉酸代謝拮抗薬、ゲフィチニブやイマチニ ブ等の分子標的治療薬等が挙げられる。なお 、ここでBCRPの類縁体は、BCRPと同様にがんの 性や抗がん剤の感受性に関わるものであれ 特に制限されない。

 本発明のBCRP阻害剤の投与量は、投与法や 患者の症状等に合わせて適宜調整すればよい が、成人1日あたり1mg~10g、更に100mg~10g、特に5 00mg~10g投与するのが好ましい。また、抗がん とBCRP阻害剤との比率は、特に限定されず、 その好適な範囲は用いる抗がん剤、阻害剤の 種類等により異なるが、例えば抗がん剤とし て塩酸イリノテカンを用いる場合には、重量 換算で抗がん剤:BCRP阻害剤が1:1~1:500、特に1:1~ 1:100、更に1:1~1:10の比率とすることが好まし 。

 次に本発明を実施例を挙げて更に詳細に 明するが、これは単に例示であって本発明 限定するものではない。

実施例1:複素環を有するアクリロニトリル 導体の製造

 (製造工程1) 5-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イ ル)-チオフェン-2-カルボキシアルデヒドの製 工程(5-ブロモチオフェン-2-カルボキシアル ヒド への4-ヒドロキシピペリジンの導入工 程)
 反応容器に5-ブロモチオフェン-2-カルボキ アルデヒドを入れ、水を加えた。3当量の4- ドロキシピペリジンを入れ、還流下で数十 から終夜撹拌した。反応終了直後ろ紙にて 過し、ろ液を流水で数十分間、次いで氷で 時間冷却した。析出した結晶を吸引ろ取し 冷水で洗浄、水分を除いた後、クロロホル に溶解した。クロロホルム溶液を無水硫酸 トリウムで乾燥させ、シリカゲルパッドで 過し、ろ液の色が薄くなるまでクロロホル で洗浄した。ろ液を減圧下濃縮し、結晶が 出し始めるところで濃縮をやめ、n-ヘキサン を加えて、室温で終夜撹拌した。結晶をろ取 し、n-ヘキサン洗浄、減圧下乾燥し5-(4-ヒド キシピペリジン-1-イル)-チオフェン-2-カルボ キシアルデヒドを得た。

 (製造工程2) (Z)-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- 3-[5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-チオフ ン-2-イル]-アクリロニトリルの製造工程(5-(4 -ヒドロキシピペリジン-1-イル)-チオフェン-2- カルボキシアルデヒドと3,4-ジメトキシベン ルシアニドの縮合工程)
 反応容器に5-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イ )-チオフェン-2-カルボキシアルデヒド及び3,4 -ジメトキシベンジルシアニドを入れ、エタ ールに溶解した。ナトリウムエトキシドを え、還流下にて撹拌した。反応終了後、反 液を流水で数十分間冷却し、水を加え、数 分間撹拌した。析出した結晶を吸引ろ取し 水、エタノール、ヘキサンで順次洗浄した 、減圧下乾燥し(Z)-2-(3,4-ジメトキシ-フェニ )-3-[5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-チオ ェン-2-イル]-アクリロニトリルを得た。

 (製造工程3:A法) ブロモ-アセティック アシ ッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェ ル)-ビニル]-チオフェン2-イル]-ピペリジン-4 -イル エステルの製造工程
 アルゴンガス雰囲気下、反応容器に(Z)-2-(3,4 -ジメトキシ-フェニル)-3-[5-(4-ヒドロキシ-ピ リジン-1-イル)-チオフェン-2-イル]-アクリロ トリルを入れ、クロロホルムに溶解し、ピ ジンを加え、氷浴中で数十分間撹拌した。 応液にブロモアセチルブロミドを加えた後 氷浴中で数時間、室温で終夜撹拌した。反 終了後クロロホルム、水を加え分液した。 機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシ ムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。残 物をシリカゲルカラムクロマトグラフ法で 製しブロモ-アセティック アシッド 1-[5-[(Z )-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル ]-チオフェン2-イル]-ピペリジン-4-イル エス ルを得た。

 (製造工程3:B法) ブロモ-アセティック アシ ッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェ ル)-ビニル]-チオフェン2-イル]-ピペリジン-4 -イル エステルの製造工程
 反応容器に(Z)-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3- [5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-チオフェ ン-2-イル]-アクリロニトリルを入れ、テトラ ドロフランに溶解し氷冷した。水素化ナト ウムを加え氷浴中で数十分間撹拌した。反 液にブロモアセチルクロリドを加えた後、 流下で数時間撹拌した。放冷後、反応液に ロロホルム、水を加えて分液した。有機層 水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾 させ、減圧下溶媒を留去した。残留物をシ カゲルカラムクロマトグラフ法で精製しブ モ-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シア -2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフ ン2-イル]-ピペリジン-4-イル エステルを得 。

 (製造工程4) ブロモ-アセティック アシッ  1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル )-ビニル]-チオフェン2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステルへのアミンの導入工程
 アルゴンガス雰囲気下、反応容器にブロモ- アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3 ,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン2 -イル]-ピペリジン-4-イル エステルを入れ、 ロロホルムに溶解し、氷浴中で数十分間撹 した。所望の第二級アミン及びトリエチル ミンなどの第三級アミンを加え、氷浴中で 時間、室温で終夜撹拌した。反応終了後、 応液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナト ウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。 留物をシリカゲルカラムクロマト法で精製 、所望のアクリロニトリル誘導体を得た。

 以下に誘導体の製造と分析結果の具体例 示す。

 ピペリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル(化合物1)の製造
 5-ブロモチオフェン-2-カルボキシアルデヒ (42.30g)および4-ヒドロキシピペリジン(67.30g) 用いて、(製造工程1)に従ってアミンを導入 (収量33.00g:収率71%)、得られた5-(4-ヒドロキシ ピペリジン-1-イル)-チオフェン-2-カルボキシ ルデヒド(10.56g)および3,4-ジメトキシベンジ シアニド(8.86g)を(製造工程2)に従って縮合し 、(Z)-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-[5-(4-ヒド キシ-ピペリジン-1-イル)-チオフェン-2-イル]- アクリロニトリル(収量13.50g:収率73%)を得た。 得られた(Z)-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-[5-(4 -ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-チオフェン-2 -イル]-アクリロニトリル(20.00g)をクロロホル (650ml)に溶解し、さらにピリジン(6.41g)およ ブロモアセチルブロミド(14.13g)を(製造工程3) A法に従って反応させ(収量23.00g:収率87%)、得 れたブロモ-アセティック アシッド 1-[5-[(Z) -2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビニル] -チオフェン2-イル]-ピペリジン-4-イル エス ル(2.30g)をクロロホルム(100ml)に溶解し、さら にピペリジン(533mg)およびトリエチルアミン(6 58mg)を(製造工程4)に従って反応させ、目的物( 収量1.40g:収率60%)を得た。

 (4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-アセティ ク アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメト シ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピ ペリジン-4-イルエステル(化合物2)の製造
 上記化合物1の製造中に得られたブロモ-ア ティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4- メトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン2-イ ]-ピペリジン-4-イル エステル(910mg)をクロ ホルム(50ml)に溶解し、さらに4-ヒドロキシピ ペリジン(233mg)およびトリエチルアミン(233mg) (製造工程4)に従って反応させ、目的物(収量 622mg:収率64%)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.4),5.08-5.02(1H,m) ,3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.77-3.70(1H,m),3.58-3.52(2H,m),3.31- 3.27(2H,m),3.25(2H,s),2.87-2.82(2H,m),2.42-2.36(2H,m),2.43-2 .35(2H,m),1.95-1.82(4H,m),1.70-1.60(2H,m)

 ピペリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル 塩酸塩(化合物3)の製造
 化合物1(950mg)に6mol/l塩酸(352μl)、2-プロパノ ル(25ml)、エタノール(10ml)を加え、約80℃に 加温溶解した。放冷後、減圧下溶媒を留去 、残留物を2-プロパノール-メタノール系で 結晶することにより、目的物(収量869mg:収率8 5%)を得た。

  1 H-NMR(DMSO-d 6 )δ:10.01(1H,br s),7.94(1H,s),7.42(1H,d,J=4.4),7.17(1H,d,J= 2.2),7.09(1H,dd,J=8.8,2.2),7.01(1H,d,J=8.8),6.32(1H,d,J=4.4) ,5.13-5.09(1H,m),4.23(2H,br s),3.83(3H,s),3.78(3H,s),3.56-3 .42(4H,m),3.40-3.30(4H,m),3.05-2.95(2H,m),2.08-2.02(2H,m),1. 85-1.65(6H,m)

 (4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-アセティ ク アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメト シ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピ ペリジン-4-イルエステル 塩酸塩(化合物4)の 造
 化合物2(956mg)に6mol/l塩酸(342μl)、2-プロパノ ル(30ml)、メタノール(30ml)を加え、約80℃に 加温溶解した。放冷後、減圧下溶媒を留去 、残留物を2-プロパノールで再結晶すること により、目的物(収量947mg:収率93%)を得た。

  1 H-NMR(DMSO-d 6 )δ:10.14(1H,br s),7.94(1H,s),7.42(1H,d,J=4.4),7.17(1H,d,J= 2.0),7.09(1H,dd,J=8.4,2.0),7.01(1H,d,J=8.4),6.32(1H,d,J=4.4) ,5.13-5.07(1H,m),4.29-4.23(2H,m),3.83(3H,s),3.78(3H,s),3.58- 3.46(3H,m),3.40-3.26(6H,m),2.07-1.90(4H,m),1.85-1.65(4H,m)

 ピペリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル メタンスルホン酸塩(化合物5)の 造
 化合物1(951mg)にメタンスルホン酸(137μl)、2- ロパノール(20ml)、メタノール(5ml)を加え、 80℃にて加温溶解した。放冷後、減圧下溶媒 を留去し、残留物を2-プロパノール-メタノー ル系にて再結晶することにより、目的物(収 1078mg:収率95%)を得た。

  1 H-NMR(DMSO-d 6 )δ:9.78(1H,br s),7.93(1H,s),7.42(1H,d,J=4.4),7.17(1H,d,J=2 .2),7.09(1H,dd,J=8.8,2.2),7.01(1H,d,J=8.8),6.32(1H,d,J=4.4), 5.13-5.09(1H,m),4.24(2H,br s),3.83(3H,s),3.78(3H,s),3.55-3. 40(4H,m),3.38-3.30(4H,m),3.06-2.94(2H,m),2.29(3H,s),2.08-2.0 2(2H,m),1.85-1.65(6H,m)

 (4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-アセティ ク アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメト シ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピ ペリジン-4-イルエステル メタンスルホン酸 (化合物6)の製造
 化合物2(1029mg)にメタンスルホン酸(144μl)、2- プロパノール(20ml)、メタノール(10ml)を加え、 約80℃にて加温溶解した。放冷後、減圧下溶 を留去し、残留物を2-プロパノール-メタノ ル系にて再結晶することにより、目的物(収 量696mg:収率57%)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:11.32(1H,br s),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J =8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.4) ,5.18-5.12(1H,m),4.29(1H,br s),3.95(3H,s),3.93(2H,br s),3. 91(3H,s),3.65-3.52(4H,m),3.50-3.38(2H,m),3.33-3.25(2H,m),2.7 8(3H,s),2.48-2.30(2H,m),2.15-2.05(2H,m),2.00-1.87(4H,m),1.65 -1.55(2H,m)

 アゼチジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル(化合物7)の製造
 化合物2と同様にして、アゼチジンおよびト リエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って 反応させ、目的物(収率74%)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.3,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.3),6.05(1H,d,J=4.1),5.07-4.98(1H,m) ,3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.59-3.50(2H,m),3.35(4H,t-like,J=7.1) ,3.31-3.22(2H,m),3.26(2H,s),2.14(2H,quint-like,J=7.1),2.08-1 .97(2H,m),1.92-1.79(2H,m)

 アゼチジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル メタンスルホン酸塩(化合物8)の 造
 化合物7(300mg)をメタノール(2mL)に懸濁し、1mo l/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(630μl) 加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留 にエーテルを加え粉末化することにより、 的物(収量345mg:収率95%)を得た。

 MS(FAB)m/z:468[M+H] +
  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:11.80(1H,br s),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J =8.5,2.2),7.03(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.1) ,5.17-5.08(1H,m),4.63-4.52(2H,m),4.15-4.02(4H,m),3.94(3H,s), 3.90(3H,s),3.60-3.50(2H,m),3.34-3.24(2H,m),2.87-2.75(1H,m),2 .81(3H,s),2.56-2.41(1H,m),2.12-2.02(2H,m),1.97-1.85(2H,m)

 ピロリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル(化合物9)の製造
 化合物2と同様にして、ピロリジンおよびト リエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って 反応させ、目的物(収率74%)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.3,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.3),6.05(1H,d,J=4.4),5.10-5.02(1H,m) ,3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.62-3.50(2H,m),3.37(2H,s),3.32-3.22( 2H,m),2.72-2.58(4H,m),2.10-1.99(2H,m),1.94-1.78(6H,m)

 ピロリジン-1-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル メタンスルホン酸塩(化合物10)の 製造
 化合物9(300mg)をメタノール(3ml)に懸濁し、1mo l/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(620μl) 加え溶解した。この溶解液を氷冷下攪拌し がらエーテル(50ml)-2-プロパノ-ル(10ml)の混液 加えることにより、目的物(収量342mg:収率95% )を得た。

 MS(FAB)m/z:482[M+H] +
  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:11.58(1H,br s),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.4),7.12(1H,dd,J =8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.4) ,5.18-5.08(1H,m),4.11(2H,s),4.05-3.91(2H,br m),3.94(3H,s),3 .90(3H,s),3.61-3.49(2H,m),3.35-3.22(2H,m),3.18-3.01(2H,br),2 .77(3H,s),2.27-1.85(8H,m)

 (2-メチル-ピペリジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル(化合物11)の製造
 化合物2と同様にして、2-メチル-ピペリジン およびトリエチルアミンを用いて(製造工程4) に従って反応させ、目的物(収率73%)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.36(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.3,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.3),6.05(1H,d,J=4.4),5.09-5.00(1H,m) ,3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.60-3.48(2H,m),3.41(2H,d,J=4.1),3.34 -3.22(2H,m),2.91-2.82(1H,m),2.62-2.47(2H,m),2.09-1.98(2H,m), 1.81-1.80(2H,m),1.77-1.50(4H,m),1.38-1.21(2H,m),1.08(3H,d,J= 6.3)

 (2-メチル-ピペリジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル メタンスルホン酸塩( 合物12)の製造
 化合物11(312mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1m ol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(610μl) 加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留 にエーテルを加え粉末化することにより、 的物(収量320mg:収率86%)を得た。

 MS(FAB)m/z:510[M+H] +
  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:10.84(1H,br s),7.38(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.14(1H,dd,J =8.3,2.0),7.05(1H,d,J=2.0),6.88(1H,d,J=8.3),6.08(1H,d,J=4.1) ,5.15-5.06(1H,m),4.24(1H,d,J=18.3),4.09(1H,d,J=18.3),3.94(3H ,s),3.90(3H,s),3.75-3.64(1H,m),3.63-3.43(4H,m),3.35-3.24(2H, m),2.83(3H,s),2.15-2.03(3H,m),1.98-1.79(6H,m),1.62-1.48(1H,m ),1.43(3H,d,J=6.3)

 (3-ヒドロキシメチル-ピペリジン-1-イル)-ア ティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4- メトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2- ル]-ピペリジン-4-イル エステル(化合物13)の 製造
 化合物2と同様にして、3-ヒドロキシメチル- ピペリジンおよびトリエチルアミンを用いて (製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率90 %)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.36(1H,d,J=0.5),7.22(1H,dd,J=4.4,0.5),7.13(1H,dd,J=8.5, 2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.4),5.09 -5.00(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.67-3.49(4H,m),3.33-3.22( 2H,m),3.23(2H,d,J=5.1),2.90-2.80(1H,m),2.78-2.67(1H,m),2.39- 2.17(2H,m),2.10-1.97(2H,m),1.93-1.55(7H,m),1.22-1.08(1H,m)

 (3-ヒドロキシメチル-ピペリジン-1-イル)-ア ティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4- メトキシ-フェニル)-ビニル]-チオフェン-2- ル]-ピペリジン-4-イル エステル メタンス ホン酸塩(化合物14)の製造
 化合物13(330mg)をメタノール(3ml)に懸濁し、1m ol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(630μl) 加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留 にエーテルを加え粉末化することにより、 的物(収量349mg:収率89%)を得た。

 MS(FAB)m/z:526[M+H] +
  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:10.42(1H,br s),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.1),7.12(1H,dd,J =8.5,2.0),7.04(1H,d,J=2.0),6.87(1H,d,J=8.5),6.10(1H,d,J=4.1) ,5.19-5.10(1H,m),4.12(1H,d,J=16.8),4.01(1H,d,J=16.8),3.94(3H ,s),3.90(3H,s),3.81-3.65(2H,m),3.61-3.50(2H,m),3.47-3.38(1H, m),3.35-3.25(2H,m),3.20-3.05(4H,m),3.02-2.89(2H,m),2.80(3H,s ),2.14-1.78(7H,m)

 アゼパン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル(化合物15)の製造
 化合物2と同様にして、ヘキサメチレンイミ ンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工 4)に従って反応させ、目的物(収率75%)を得た

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.36(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.4),5.08-5.00(1H,m) ,3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.60-3.50(2H,m),3.41(2H,s),3.23-3.22( 2H,m),2.82-2.71(4H,m),2.09-1.98(2H,m),1.92-1.80(2H,m),1.72-1 .55(8H,m)

 アゼパン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル メタンスルホン酸塩(化合物16)の製 造
 化合物15(300mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1m ol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(590μl) 加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留 にエーテルを加え粉末化することにより、 的物(収量327mg:収率92%)を得た。

 MS(FAB)m/z:510[M+H] +
1 H-NMR(CDCl 3 )δ:11.10(1H,br s),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J =8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.07(1H,d,J=4.1) ,5.17-5.09(1H,m),4.11(2H,d,J=3.2),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.67 -3.50(4H,m),3.42-3.24(4H,m),2.82(3H,s),2.20-2.03(4H,m),1.98- 1.82(6H,m),1.74-1.61(2H,m)

 アゾカン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル(化合物17)の製造
 化合物2と同様にして、ヘプタメチレンイミ ンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工 4)に従って反応させ、目的物(収率71%)を得た

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.1),5.08-5.00(1H,m) ,3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.60-3.50(2H,m),3.39(2H,s),3.34-3.24( 2H,m),2.77-2.65(4H,br),2.09-1.99(2H,m),1.92-1.80(2H,m),1.68- 1.50(10H,m)

 アゾカン-1-イル-アセティック アシッド 1- [5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-ビ ニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イル  エステル メタンスルホン酸塩(化合物18)の製 造
 化合物17(300mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1m ol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(570μl) 加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留 にエーテルを加え粉末化することにより、 的物(収量327mg:収率92%)を得た。

 MS(FAB)m/z:524[M+H] +
  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:10.60(1H,br s),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J =8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.07(1H,d,J=4.1) ,5.18-5.09(1H,m),4.12(2H,d,J=2.9),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.69 -3.50(4H,m),3.44-3.22(4H,m),2.80(3H,s),2.18-1.82(10H,m),1.78 -1.53(4H,m)

 (4-メチル-ピペラジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル(化合物19)の製造
 化合物2と同様にして、4-メチル-ピペラジン およびトリエチルアミンを用いて(製造工程4) に従って反応させ、目的物(収率69%)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.1),5.08-5.00(1H,m) ,3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.60-3.50(2H,m),3.33-3.21(2H,m),3.24( 2H,s),2.75-2.36(8H,br m),2.30(3H,s),2.09-1.99(2H,m),1.92-1. 81(2H,m)

 (4-メチル-ピペラジン-1-イル)-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ- フェニル)-ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリ ジン-4-イル エステル メタンスルホン酸塩( 合物20)の製造
 化合物19(270mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1m ol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(530μl) 加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留 にエーテルを加え粉末化することにより、 的物(収量285mg:収率89%)を得た。

 MS(FAB)m/z:511[M+H] +
  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:11.60-10.80(1H,br),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,d d,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4 .1),5.10-5.00(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.62-3.49(4H,m),3. 41(2H,s),3.34-3.21(2H,m),3.18-3.00(6H,m),2.90(3H,s),2.82(3H, s),2.10-1.99(2H,m),1.93-1.81(2H,m)

 モルホリン-4-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル(化合物21)の製造
 化合物2と同様にして、モルホリンおよびト リエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って 反応させ、目的物(収率73%)を得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1 H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.1),5.10-5.00(1H,m) ,3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.80-3.70(4H,m),3.60-3.50(2H,m),3.34- 3.20(2H,m),3.24(2H,s),2.65-2.54(4H,m),2.10-1.98(2H,m),1.93-1 .80(2H,m)

 モルホリン-4-イル-アセティック アシッド 1-[5-[(Z)-2-シアノ-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)- ビニル]-チオフェン-2-イル]-ピペリジン-4-イ  エステル メタンスルホン酸塩(化合物22)の 製造
 化合物21(300mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1m ol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(600μl) 加え溶解した。この溶解液を氷冷下攪拌し がらエーテル(50ml)に加えることにより、目 物(収量340mg:収率95%)を得た。

 MS(FAB)m/z:498[M+H] +
  1 H-NMR(CDCl 3 )δ:13.00-11.00(1H,br),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.1),7.12(1H,d d,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4 .1),5.19-5.10(1H,m),4.19-3.97(4H,m),4.04(2H,s),3.94(3H,s),3. 90(3H,s),3.80-3.62(2H,br),3.58-3.49(2H,m),3.38-3.17(4H,m),2. 78(3H,s),2.13-2.03(2H,m),1.98-1.86(2H,m)

実施例2:In vivoにおける抗がん剤耐性克服効 (経口投与)
 6週齢のBALB/c系、雄ヌードマウス(5匹/群)の 径部皮下に、BCRP遺伝子導入ヒト大腸がんHCT1 16細胞(HCT116/BCRP細胞)(財団法人癌研究会癌化 療法センター 杉本芳一氏より入手)を移植 (2x10 6 cells/0.1ml/mouse)、1/2ab 2 (aは腫瘍の長径、bは短径)より求めた推定腫 体積が約100~150mm 3 に達した時点より表1乃至表4に示す本発明化 物及び陽性対照化合物として特許文献3(国 公開第2006/106778号公報)に開示されている化 物14((Z)-2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-{5-[4-(2- ドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-チオ ェン-2-イル}-アクリロニトリル塩酸塩:以下 先願化合物14という)を1日1回、9日間(計9回) わたり経口投与し、CPT-11(45mg/kg/day)を1、5、9 目にそれぞれ1日1回(計3回)静脈内投与した 本発明化合物の投与量は0.20または0.40mmol/kg/d ay、陽性対照化合物の投与量は0.23または0.46mm ol/kg/dayとした。なお、本発明の化合物3およ 化合物5は5%グルコース溶液に溶解し、化合 4および化合物6はブリトンロビンソン緩衝液 に溶解し、先願化合物14は0.1%Tween 80溶液に溶 解し、CPT-11は生理食塩水に溶解して投与した 。対照群には溶媒のみを投与した。投与開始 より21日目に腫瘍を摘出し重量を測定した後 次式により腫瘍増殖阻止率IR(%)を求めた。
 腫瘍増殖阻止率IR(%)=
   (1-投与群の平均腫瘍重量/対照群の平均 瘍重量)×100
 その結果を表1乃至表4に示した。
 表1乃至3に示すとおり、本発明のアクリロ トリル誘導体はin vivoにおいてもBCRPを強力 阻害し、極めて優れた抗がん剤耐性克服効 を発揮することが確認された。
 また、表4に示した先願化合物14(In vivoにお て優れた抗がん剤耐性克服効果が確認され いる)の結果と比較しても、本発明化合物は さらに顕著な抗がん剤耐性克服効果を奏する ことが確認された。

実施例3:溶解性
 表5に示す本発明化合物又は先願化合物14(10m g)を密封容器に秤量し、水又は5%グルコース を、終濃度100mg/mLになるように添加した。室 温で約30分間撹拌した後、遠心分離にて得た 清中の化合物濃度を高速液体クロマトグラ ィーにて定量した。その結果を表5に示した 。また、本発明化合物(化合物5、12、14、20)及 び先願化合物14については、生理食塩水に対 る溶解性も確認した(溶媒として生理食塩水 を添加した以外は、上記と同様にして上清中 の化合物濃度を定量した)。
 本発明化合物(化合物5、8、10、12、14、16、18 、20、22)は、先願化合物14と比較し、水又は5% グルコース液を溶媒として用いた場合におい て極めて高い溶解性を示した。また、先願化 合物14は生理食塩水に対して低溶解性(1mg/mL未 満)を示した一方で、本発明化合物(化合物5、 12、14、20)は溶媒組成に依存することなく高 溶解性(100mg/mL以上)を示した。
 従って、本発明化合物は、極めて高い溶解 を持ち、特に患者に投与する際に輸液組成 制限を受けないという有用な特性を持つこ が示唆された。

実施例4:
 以下に示す成分を混和して、その混和物を 錠した。