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Patent Searching and Data


Title:
BEARING DEVICE ADAPTED FOR USE IN WHEEL AND PROVIDED WITH ROTATIONAL SPEED DETECTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072266
Kind Code:
A1
Abstract:
A bearing device adapted for use in a wheel and provided with a rotational speed detector, in which adverse influence of a wire harness to internal wiring is prevented and in which fixing of the wire harness is simplified so that the bearing device is assembled more easily. A cover (16) of a sensor holder (15) has a hollow circular cylindrical fitting section (16a) press fitted onto the inner end of an outer member (5), a flange (16b) extending radially inward from the fitting section (16a) and made to be in close contact with an end surface (5c) of the outer member (5), and a bottom (16c) extending inward radially from the flange (16b). A fixing section (23) projecting to the inner side from the bottom (16c) is formed at a portion outward radially of the bottom (16c). A cutout (23a) is formed in the fixing section (23), and a holding section (17) is integrally joined to the fixing section (23). A wire harness (27) vertically extends from the holding section (17). The axial gap between a magnetic encoder (22) and the holding section (17) surrounding a rotational speed sensor (28) is set to a range from 0.3 to 2.0 mm.

Inventors:
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
TORII AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003555
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
TORII AKIRA (JP)
International Classes:
G01P3/487; B60B35/18; F16C19/18; F16C33/80; F16C41/00
Foreign References:
JP2006207658A2006-08-10
JP2003254985A2003-09-10
JP2006329663A2006-12-07
JP2005098333A2005-04-14
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, Takao (111-2 Itayamachi, Naka-ku,Hamamatsu-sh, Shizuoka 91, JP)
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Claims:
 外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
 この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
 前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
 前記外方部材のインナー側の端部外周に圧入された円環状のカバー、およびこのカバーに結合され、回転速度センサが包埋された合成樹脂製の保持部からなるセンサホルダとを備え、
 前記シールのうちインナー側のシールが、前記外方部材のインナー側の端部に内嵌され、鋼板からプレス加工により断面略L字状に形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内方部材の外径に圧入され、鋼板からプレス加工により断面略L字状に形成されたスリンガとからなると共に、
 このスリンガのインナー側の側面に、周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するエンコーダが接合され、このエンコーダが前記回転速度センサに所定の軸方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
 前記カバーが、前記外方部材のインナー側の端部に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とを備え、
 この底部の径方向外方の周方向一箇所に、当該底部からインナー側に突出して固定部が形成され、この固定部に切欠き部が形成されて前記保持部が一体に結合されると共に、
 この保持部からハーネスが垂直方向に延びていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダで構成されると共に、前記回転速度センサが、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子、およびこの磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたIC素子を備えている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記磁気エンコーダと回転速度センサを包埋する前記保持部との軸方向すきまが0.3~2.0mmの範囲に設定されている請求項2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記IC素子が合成樹脂でモールドされ、このIC素子から前記保持部の表面までのモールド厚さが0.1~1.5mmの範囲に設定されている請求項2または3に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記回転速度センサに凹み部が形成され、この凹み部に前記IC素子が合成樹脂でモールドされている請求項2乃至4いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記凹み部の深さが0.1~1.0mmの範囲に設定されている請求項5に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記保持部の端面と前記磁気エンコーダとの軸方向すきまが0.3~1.0mmの範囲に設定されている請求項5または6に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記底部の路面から最も近い側の周方向一箇所にドレーン孔が穿設されている請求項1乃至7いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーが非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑から形成されている請求項1乃至8いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記保持部が非磁性のポリフェニレンサルファイドで形成されている請求項1乃至9いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
Description:
回転速度検出装置付き車輪用軸 装置

 本発明は、自動車等の車輪を回転自在に 承すると共に、この車輪の回転速度を検出 る回転速度検出装置が内蔵された回転速度 出装置付き車輪用軸受装置に関するもので る。

 自動車の車輪を懸架装置に対して回転自 に支承すると共に、アンチロックブレーキ ステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検 する回転速度検出装置が内蔵された回転速 検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知 れている。従来、このような車輪用軸受装 は、転動体を介して転接する内方部材およ 外方部材の間にシール装置が設けられ、円 方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコ ダを前記シール装置に一体化させると共に 磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに 面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコ ダの磁極変化を検出する回転速度センサと 回転速度検出装置が構成されている。

 前記回転速度センサは、懸架装置を構成 るナックルに車輪用軸受装置が装着された 、当該ナックルに装着されているものが一 的である。しかし、この回転速度センサと 気エンコーダとのエアギャップの調整作業 煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト を狙って、最近では回転速度センサをも軸 に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸 装置が提案されている。

 このような回転速度検出装置付き車輪用 受装置の一例として図9に示すような構造が 知られている。この回転速度検出装置は、内 輪50に外嵌されたエンコーダ51と、このエン ーダ51に対向して外方部材52の端部に装着さ たセンサホルダ53と、このセンサホルダ53に 装着され、エンコーダ51に軸方向のエアギャ プを介して対峙する回転速度センサ54とを えている。エンコーダ51はシール56を構成す スリンガ57の側面に接合されている。

 シール56は、断面略L字状に形成されたス ンガ57と、このスリンガ57に対向して外方部 材52装着され、断面略L字状に形成された環状 のシール板58とからなる。スリンガ57は、内 50に外嵌された円筒部57aと、この円筒部57aか ら径方向外方に延びる立板部57bとからなる。 一方、シール板58は、外方部材52の端部に内 される芯金59と、この芯金59に加硫接着され シール部材60とからなる。このシール部材60 はゴム等のエラストマからなり、スリンガ57 立板部57bに摺接するサイドリップ60aと、円 部57aに摺接するグリースリップ60bおよび中 リップ60cとからなる。

 センサホルダ53は、外方部材52に外嵌され た鋼板製のカバー55と、このカバー55に結合 れた合成樹脂製の保持部61とからなり、この 保持部61に回転速度センサ54が包埋されてい 。カバー55は、外方部材52の外嵌された円筒 の嵌合部55aと、この嵌合部55aから径方向内 に延びる鍔部55bと、この鍔部55bから軸方向 延びる底部55cとからなり、この底部55cに保 部61が結合されている。

 回転速度センサ54の出力はハーネス62によ って取り出され、図示しないABSの制御器に送 られる。ハーネス62は、保持部61に設けられ 取出し口63を介して結線されると共に、取出 し口63は、外側継手部材64の外周面の傾斜角β よりも大きく設定された傾斜角αに形成され いる。

 これにより、ハーネス62が垂れ下がって 側継手部材64と干渉するのを防止することが できるので、ハーネス62の垂れ下がりを止め ためのクリップが最小限で済むと共に、ハ ネス62自体も過度に曲げる必要がなくなり 内部配線への悪影響を防止して信頼性を一 と向上させることができる。したがって、 単な構成でハーネス62の固定作業を簡便化で き、組立の作業性を向上させてコスト低減を 図ることができる(例えば、特許文献1参照。) 。

 また、図10に示すような構造も提案され いる。この回転速度検出装置は、外方部材67 の端部に装着されたセンサホルダ68と、この ンサホルダ68に対向して内輪69に外嵌された エンコーダ70とを備えている。センサホルダ6 8は、外方部材67に外嵌される円筒状の嵌合部 71a、およびこの嵌合部71aの内端縁から内方に 向け直角に折れ曲がった鍔部71bからなる鋼板 製のカバー71と、このカバー71の内側面から 出した状態で設けられた合成樹脂製の保持 72とからなり、この保持部72に回転速度セン (図示せず)が包埋されている。また、エン ーダ70はシール73に接合されている。

 保持部72は、図11に示すように、カバー71 径方向外側の幅が広く、内側の幅が狭い扇 に形成され、保持部72の円周方向端面を仕 る端壁74およびカバー71の鍔部71bの一部には 互いに連続する透孔75が設けられている。 して、ハーネス76がこの透孔75の内側を通過 る状態で端壁74から突出している。なお、 転速度センサを保持部72に設置して保持部72 に合成樹脂を充填固化した状態で、この透 75は塞がれる。

 ここで、ハーネス76は、カバー71の円周方向 に取り出されている。これにより、このハー ネス76が、図示しない等速自在継手と干渉す ことがなく、内部配線作業が簡便化できる 共に、信頼性が向上する(例えば、特許文献 2参照。)。

特開2006-145418号公報

特許第3231185号公報

 然しながら、この従来の回転速度検出装 付き車輪用軸受装置のうち前者では、取出 口63を傾斜させて外側継手部材64との干渉を 避けているが、ナックル66への組立時には、 ーネス62を一旦ナックル66の内径を通さなけ ればならないため、取出し口63がこのナック 66に干渉しないようにしなければならない これでは組立作業が煩雑となり、工数が嵩 という問題が内在していた。

 一方、後者の回転速度検出装置では、ハ ネス76がカバー71の円周方向に取り出されて いるので、組立時に等速自在継手と干渉する のを避けることができるが、円周方向に取り 出されたハーネス76は、一般的にナックル(図 示せず)の上方側へ取り出して、車体側のハ ネスとコネクタで結線される。したがって こうした従来の構造では、組立時に取り出 たハーネス76を折り曲げて結線する必要があ り、煩雑な作業となるだけでなく、過度の曲 げによるハーネス76の内部配線への悪影響が 題となる。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、ハーネスの内部配線への悪影響 防止すると共に、ハーネスの固定作業を簡 化し、組立の作業性を向上させた回転速度 出装置付き車輪用軸受装置を提供すること 目的としている。

 係る目的を達成すべく、本発明のうち請 項1記載の発明は、外周に懸架装置に取り付 けられるための車体取付フランジを一体に有 し、内周に複列の外側転走面が一体に形成さ れた外方部材と、一端部に車輪を取り付ける ための車輪取付フランジを一体に有し、外周 に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ 輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合され た内輪または等速自在継手の外側継手部材か らなり、外周に前記複列の外側転走面に対向 する複列の内側転走面が形成された内方部材 と、この内方部材および前記外方部材の両転 走面間に転動自在に収容された複列の転動体 と、前記外方部材と内方部材との間に形成さ れる環状空間の開口部に装着されたシールと 、前記外方部材のインナー側の端部外周に圧 入された円環状のカバー、およびこのカバー に結合され、回転速度センサが包埋された合 成樹脂製の保持部からなるセンサホルダとを 備え、前記シールのうちインナー側のシール が、前記外方部材のインナー側の端部に内嵌 され、鋼板からプレス加工により断面略L字 に形成された芯金、およびこの芯金に一体 接合されたシール部材からなる環状のシー 板と、このシール板に対向して前記内方部 の外径に圧入され、鋼板からプレス加工に り断面略L字状に形成されたスリンガとから ると共に、このスリンガのインナー側の側 に、周方向に関する特性が交互にかつ等間 に変化するエンコーダが接合され、このエ コーダが前記回転速度センサに所定の軸方 すきまを介して対峙された回転速度検出装 付き車輪用軸受装置において、前記カバー 、前記外方部材のインナー側の端部に圧入 れる円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径 向内方に延び、前記外方部材の端面に密着 れる鍔部と、この鍔部からさらに径方向内 に延びる底部とを備え、この底部の径方向 方の周方向一箇所に、当該底部からインナ 側に突出して固定部が形成され、この固定 に切欠き部が形成されて前記保持部が一体 結合されると共に、この保持部からハーネ が垂直方向に延びている。

 このように、外方部材のインナー側の端 外周に圧入された円環状のカバー、および のカバーに結合され、回転速度センサが包 された合成樹脂製の保持部からなるセンサ ルダとを備え、インナー側のシールが、外 部材のインナー側の端部に内嵌され、鋼板 らプレス加工により断面略L字状に形成され た芯金、およびこの芯金に一体に接合された シール部材からなる環状のシール板と、この シール板に対向して内方部材の外径に圧入さ れ、鋼板からプレス加工により断面略L字状 形成されたスリンガとからなると共に、こ スリンガのインナー側の側面に、周方向に する特性が交互にかつ等間隔に変化するエ コーダが接合され、このエンコーダが回転 度センサに所定の軸方向すきまを介して対 された回転速度検出装置付き車輪用軸受装 において、カバーが、外方部材のインナー の端部に圧入される円筒状の嵌合部と、こ 嵌合部から径方向内方に延び、外方部材の 面に密着される鍔部と、この鍔部からさら 径方向内方に延びる底部とを備え、この底 の径方向外方の周方向一箇所に、当該底部 らインナー側に突出して固定部が形成され この固定部に切欠き部が形成されて保持部 一体に結合されると共に、この保持部から ーネスが垂直方向に延びているので、ハー スがナックルの外径側へ取り出し易くなっ 組立の作業性が向上すると共に、組立時に り出したハーネスを折り曲げて結線する必 がなくなり、過度の曲げによるハーネスの 部配線への悪影響を防止することができ、 頼性を向上させることができる。

 好ましくは、請求項2に記載の発明のよう に、前記エンコーダが、エラストマに磁性体 粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着 された磁気エンコーダで構成されると共に 前記回転速度センサが、磁束の流れ方向に じて特性を変化させる磁気検出素子、およ この磁気検出素子の出力波形を整える波形 形回路が組み込まれたIC素子を備えていれ 、低コストで信頼性の高い回転速度検出が きる。

 また、請求項3に記載の発明のように、前 記磁気エンコーダと回転速度センサを包埋す る前記保持部との軸方向すきまが0.3~2.0mmの範 囲に設定されていれば、磁気エンコーダの面 振れおよび回転速度センサの取付誤差によっ て両者が接触することはなく、また、磁気エ ンコーダの磁束密度が小さくなって出力特性 低下に繋がることもない。

 また、請求項4に記載の発明のように、前 記IC素子が合成樹脂でモールドされ、このIC 子から前記保持部の表面までのモールド厚 が0.1~1.5mmの範囲に設定されていれば、磁気 ンコーダの表面に異物が付着した場合、こ 異物でモールド部が摩耗してもIC素子が露出 することはなく、また、磁気エンコーダの磁 束密度が小さくなって出力特性低下に繋がる こともない。

 また、請求項5に記載の発明のように、前 記回転速度センサに凹み部が形成され、この 凹み部に前記IC素子が合成樹脂でモールドさ ていれば、磁気エンコーダの表面に異物が 着し、この異物で回転速度センサの端面が 耗しても凹み部に及ぶのを抑制し、IC素子 露出するのを防止することができる。

 好ましくは、請求項6に記載の発明のよう に、前記凹み部の深さが0.1~1.0mmの範囲に設定 されていれば、回転速度センサの端面が摩耗 しても凹み部に及ぶのを確実に防止すること ができ、また、磁気エンコーダの磁束密度が 小さくなって出力特性低下に繋がることもな い。

 また、請求項7に記載の発明のように、前 記保持部の端面と前記磁気エンコーダとの軸 方向すきまが0.3~1.0mmの範囲に設定されていれ ば、磁気エンコーダの面振れおよび回転速度 センサの取付誤差によって両者が接触するこ とはなく、また、磁気エンコーダの磁束密度 が小さくなって出力特性低下に繋がることも ない。

 また、請求項8に記載の発明のように、前 記底部の路面から最も近い側の周方向一箇所 にドレーン孔が穿設されていれば、車両走行 中に底部内に泥水や小石等の異物が入り込ん だとしても容易に排出され、長時間に亘って 滞留することはない。したがって、異物が車 両停止時に固着して周辺部品に悪影響を及ぼ すのを防止することができる。

 また、請求項9に記載の発明のように、前 記カバーが非磁性体のオーステナイト系ステ ンレス鋼鈑から形成されていれば、回転速度 センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、正確 な検出精度を確保することができる。

 また、請求項10に記載の発明のように、 記保持部が非磁性のポリフェニレンサルフ イドで形成されていれば、回転速度センサ 感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食 に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向 させることができる。

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、外周に懸架装置に取り付けら るための車体取付フランジを一体に有し、 周に複列の外側転走面が一体に形成された 方部材と、一端部に車輪を取り付けるため 車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸 向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、 よびこのハブ輪の小径段部に嵌合された内 または等速自在継手の外側継手部材からな 、外周に前記複列の外側転走面に対向する 列の内側転走面が形成された内方部材と、 の内方部材および前記外方部材の両転走面 に転動自在に収容された複列の転動体と、 記外方部材と内方部材との間に形成される 状空間の開口部に装着されたシールと、前 外方部材のインナー側の端部外周に圧入さ た円環状のカバー、およびこのカバーに結 され、回転速度センサが包埋された合成樹 製の保持部からなるセンサホルダとを備え 前記シールのうちインナー側のシールが、 記外方部材のインナー側の端部に内嵌され 鋼板からプレス加工により断面略L字状に形 成された芯金、およびこの芯金に一体に接合 されたシール部材からなる環状のシール板と 、このシール板に対向して前記内方部材の外 径に圧入され、鋼板からプレス加工により断 面略L字状に形成されたスリンガとからなる 共に、このスリンガのインナー側の側面に 周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に 化するエンコーダが接合され、このエンコ ダが前記回転速度センサに所定の軸方向す まを介して対峙された回転速度検出装置付 車輪用軸受装置において、前記カバーが、 記外方部材のインナー側の端部に圧入され 円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向 方に延び、前記外方部材の端面に密着され 鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に びる底部とを備え、この底部の径方向外方 周方向一箇所に、当該底部からインナー側 突出して固定部が形成され、この固定部に 欠き部が形成されて前記保持部が一体に結 されると共に、この保持部からハーネスが 直方向に延びているので、ハーネスがナッ ルの外径側へ取り出し易くなって組立の作 性が向上すると共に、組立時に取り出した ーネスを折り曲げて結線する必要がなくな 、過度の曲げによるハーネスの内部配線へ 悪影響を防止することができ、信頼性を向 させることができる。

 外周にナックルに取り付けられるための 体取付フランジを一体に有し、内周に複列 外側転走面が一体に形成された外方部材と 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付 ランジを一体に有し、外周に前記複列の外 転走面の一方に対向する内側転走面と、こ 内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小 段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ の小径段部に圧入され、外周に前記複列の 側転走面の他方に対向する内側転走面が形 された内輪からなる内方部材と、この内方 材および前記外方部材の両転走面間に転動 在に収容された複列の転動体と、前記外方 材と内方部材との間に形成される環状空間 開口部に装着されたシールと、前記外方部 のインナー側の端部外周に圧入された環状 カバー、およびこのカバーに結合され、回 速度センサが包埋された合成樹脂製の保持 からなるセンサホルダとを備え、前記シー のうちインナー側のシールが、前記外方部 のインナー側の端部に内嵌され、鋼板から レス加工により断面略L字状に形成された芯 金、およびこの芯金に一体に接合されたシー ル部材からなる環状のシール板と、このシー ル板に対向して前記内輪の外径に圧入され、 鋼板からプレス加工により断面略L字状に形 されたスリンガとからなると共に、このス ンガのインナー側の側面に、エラストマに 性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、S が着磁された磁気エンコーダが接合され、こ の磁気エンコーダが前記回転速度センサに所 定の軸方向すきまを介して対峙された回転速 度検出装置付き車輪用軸受装置において、前 記カバーが、前記外方部材のインナー側の端 部に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合 部から径方向内方に延び、前記外方部材の端 面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに 径方向内方に延びる底部とを備え、この底部 の径方向外方の周方向一箇所に、当該底部か らインナー側に突出して固定部が形成され、 この固定部に切欠き部が形成されて前記保持 部が一体に結合されると共に、この保持部か らハーネスが垂直方向に延び、前記磁気エン コーダと回転速度センサを包埋する前記保持 部との軸方向すきまが0.3~2.0mmの範囲に設定さ れている。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き 車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断 図、図2は、図1の検出部を示す要部拡大図、 図3は、図1の軸受部の側面図、図4は、本発明 に係るカバーを示す正面図、図5は、図4のカ ーの変形例を示す正面図、図6は、検出部を 示す説明図、図7は、図6の変形例を示す説明 である。なお、以下の説明では、車両に組 付けた状態で車両の外側寄りとなる側をア ター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー (図1の右側)という。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は駆動輪用の第3世代と称され、ハブ輪1と 輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に 列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された 方部材5とを備え、等速自在継手10が連結さ ている。

 ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図 せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6 を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円 等配位置にハブボルト6aが植設されている。 また、外周にはアウター側(一方)の内側転走 1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる 円筒状の小径段部1bが形成され、内周にはト ク伝達用のセレーション(またはスプライン )1cが形成されている。ハブ輪1の小径段部1bに は外周に内輪2が所定のシメシロを介して圧 固定され、この内輪2の外周にはインナー側( 他方)の内側転走面2aが形成されている。

 ハブ輪1はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、後 述するシール8のシールランド部となる車輪 付フランジ6のインナー側の基部6bから小径 部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さ を58~64HRCの範囲に硬化処理が施されている。 れにより、基部6bの耐摩耗性が向上するだ でなく、内輪2の嵌合面となる小径段部1bの レッティングが抑制されると共に、車輪取 フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対し 充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性 が向上する。なお、内輪2および転動体4は、S UJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼 入れによって芯部まで58~64HRCの範囲に硬化処 が施されている。

 外方部材5はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む 高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せ )に取り付けるための車体取付フランジ5bを 体に有し、内周に前記内方部材3の複列の内 側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走面5a 、5aが一体に形成されている。これら複列の 側転走面5a、5aは高周波焼入れによって表面 硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理が施されてい 。この外方部材5の複列の外側転走面5a、5a 、これらに対向する内方部材3の複列の内側 走面1a、2a間には複列の転動体4、4がそれぞ 収容され、保持器7、7によって転動自在に 持されている。また、外方部材5と内方部材3 との間に形成される環状空間の開口部にはシ ール8、9が装着され、軸受内部に封入された 滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に 水やダスト等が侵入するのを防止している

 なお、ここでは、転動体4をボールとした 複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸 受装置を例示したが、これに限らず転動体4 円すいころを使用した複列円すいころ軸受 あっても良い。

 等速自在継手10は、外側継手部材11と、図 示しない継手内輪とケージおよびトルク伝達 ボールとを備えている。外側継手部材11は、 部12から軸方向に延びる軸部13を一体に有し ている。軸部13の外周にはハブ輪1のセレーシ ョン1cに係合するセレーション13aと、このセ ーション13aの端部に雄ねじ13bが形成されて る。そして、肩部12が内輪2の端面と衝合す までハブ輪1に外側継手部材11がセレーショ 1c、13aを介して内嵌され、雄ねじ13bに締結 れた固定ナット14によってハブ輪1と外側継 部材11がトルク伝達可能に、かつ着脱自在に 結合されている。

 本実施形態では、センサホルダ15が外方 材5の端部に装着されている。このセンサホ ダ15は、保持部17およびハーネス27からなる 外方部材5のインナー側の端部にカバー16が 嵌され、該カバー16に、後述するように、 ンサホルダ15が固定されている。カバー16は 図2に拡大して示すように、外方部材5のイ ナー側の端部外周に圧入される円筒状の嵌 部16aと、この嵌合部16aから径方向内方に延 、外方部材5の端面5cに密着する鍔部16bと、 の鍔部16bからさらに径方向内方に延びる底 16cとからなり、全体として円環状に形成さ ている。そして、底部16cの内縁と外側継手 材11の肩部12とが僅かな径方向すきまを介し 対峙し、ラビリンスシールが構成されてい 。

 このように、鍔部16bを外方部材5の端面5c 密着させた状態で、嵌合部16aが外方部材5の インナー側の端部に外嵌されているので、外 方部材5に対してセンサホルダ15を容易に、か つ正確に位置決め固定することができ、車輪 の回転速度を精度良く検出することができる 。このカバー16は、耐食性を有する非磁性体 鋼鈑、例えば、オーステナイト系ステンレ 鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)等のステンレス鋼 をプレス加工にて形成されている。これに り、回転速度センサ28の感知性能に悪影響を 及ぼさず、また、カバー16の発錆を抑えて長 間に亘って信頼性を維持させた回転速度検 装置付き車輪用軸受装置を提供することが きる。

 インナー側のシール9は、内輪2の外径に 入されたスリンガ18と、このスリンガ18に対 して外方部材5に装着され、断面略L字状に 成された環状のシール板19とからなる、所謂 パックシールで構成されている。

 シール板19は、外方部材5のインナー側の 部に内嵌される芯金20と、この芯金20に加硫 接着されたシール部材21とからなる。芯金20 、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格 SUS304系等)、あるいは冷間圧延鋼鈑(JIS規格 SPCC系等)からプレス加工にて断面略L字状に 成されている。一方、シール部材21は合成ゴ ム等の弾性部材からなり、サイドリップ21aと 、グリースリップ21bおよび中間リップ21cから なる。

 また、スリンガ18は、内輪2に圧入される 筒部18aと、この円筒部18aから径方向外方に びる立板部18bとからなり、強磁性体の鋼鈑 例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS 規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延 鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によっ 断面略L字状に形成されている。そして、シ ル部材21のサイドリップ21aが立板部18bに摺 されると共に、グリースリップ21bおよび中 リップ21cが円筒部18aに摺接されている。な 、スリンガ18における立板部18bの外縁は、シ ール板19と僅かな径方向すきまを介して対峙 てラビリンスシールが構成されている。

 スリンガ18における立板部18bのインナー の側面に、ゴム等のエラストマにフェライ 等の磁性体粉が混入された磁気エンコーダ22 が加硫接着等によって一体に接合されている 。この磁気エンコーダ22は、周方向に交互に 極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用 ロータリエンコーダを構成している。

 ここで、図4に示すように、カバー16にお る底部16cの径方向外方(路面から遠い側)の 方向一箇所に、この底部16cからインナー側 突出して固定部23が形成されている。そして 、この固定部23に矩形状の切欠き部(取付孔)23 aと、この切欠き部23aの両側に固定孔23bが形 され、後述する保持部17が一体に結合される 。なお、カバー16の底部16cにおける路面から も近い側の周方向の一箇所に繭型形状のド ーン孔24が穿設されている。このドレーン 24により、車両走行中に底部16c内に泥水や小 石等の異物が入り込んだとしても容易に排出 され、長時間に亘って滞留することはない。 したがって、異物が車両停止時に固着して周 辺部品に悪影響を及ぼすのを防止することが できる。

 図5は、図4に示すカバー16の変形例である 。このカバー25の固定部26は、底部16cからイ ナー側に突出して形成され、矩形状の切欠 部26aと、この切欠き部26aの両側に固定孔23b 形成されている。これにより、保持部17の固 定がし易くなり作業性が向上する。

 保持部17は、ポリフェニレンサルファイ (PPS)等の非磁性の特殊エーテル系合成樹脂材 から射出成形によって形成され、さらにGF(ガ ラスファイバー)等の強化材が添加されてい 。そして、この保持部17に後述する回転速度 センサ28が包埋され、磁気エンコーダ22に所 の軸方向すきま(エアギャップ)を介して対峙 する。これにより、回転速度センサ28の感知 能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優 、長期間に亘って強度・耐久性を向上させ ことができる。

 回転速度センサ28は、ホール素子、磁気 抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて 性を変化させる磁気検出素子、およびこの 気検出素子の出力波形を整える波形成形回 が組み込まれたIC素子とからなる。これに り、低コストで信頼性の高い回転速度検出 できる。なお、保持部17は前述した材質以外 にPA(ポリアミド)66、PPA(ポリフタルアミド)、P BT(ポリブチレンテレフタレート)等の射出成 可能な合成樹脂を例示することができる。

 また、図3に示すように、保持部17からハ ネス27が垂直方向に延びている。これによ 、ハーネス27がナックルの外径側へ取り出し 易くなって組立の作業性が向上すると共に、 組立時に取り出したハーネス27を折り曲げて 線する必要がなくなり、過度の曲げによる ーネス27の内部配線への悪影響を防止する とができ、信頼性を向上させることができ 。

 本実施形態では、図6に模式的に示すよう に、回転速度センサ28を包埋する保持部17は 磁気エンコーダ22と所定の軸方向すきまA(エ ギャップ)を介して対峙している。この軸方 向すきまAは、磁気エンコーダ22の面振れおよ び保持部17の取付誤差を考慮して0.3~2.0mmの範 に設定されている。また、回転速度センサ2 8を構成するIC素子は合成樹脂でモールドされ ているが、ここでは、表面から回転速度セン サ28を構成するIC素子までのモールド厚さBが0 .1~1.5mmの範囲に設定されている。なお、0.1mm 満では、磁気エンコーダ22の表面に異物が付 着した場合、この異物でモールド部が摩耗し て回転速度センサ28を構成するIC素子が露出 る恐れがある。一方、モールド厚さが1.5mmを 超えると、磁気エンコーダ22と回転速度セン 28を構成するIC素子との軸方向寸法L1が3.5mm 超えることになり(L1=0.4~3.5mm)、これでは磁気 エンコーダ22の磁束密度が小さくなり、出力 性低下に繋がるため好ましくない。

 図7は、図6の保持部17の変形例である。こ の保持部30は中央に凹み部30aを有している。 して、端面30bが磁気エンコーダ22と所定の 方向すきまCを介して対峙している。この軸 向すきまCは、磁気エンコーダ22の面振れお び保持部30の取付誤差を考慮して0.3~1.0mmの 囲に設定されている。また、回転速度セン 28を構成するIC素子は合成樹脂でモールドさ 、凹み部30aの表面から回転速度センサ28を 成するIC素子までのモールド厚さBが0.1~1.5mm 範囲に設定されている。また、凹み部30aの さDは0.1~1.0mmの範囲に設定されている。これ より、磁気エンコーダ22の表面に異物が付 し、この異物で端面30bが摩耗しても凹み部30 a部に及ぶのを抑制し、回転速度センサを構 するIC素子が露出するのを防止することがで きる。なお、凹み部30aの深さDが1.0mmを超える と、磁気エンコーダ22とIC素子との軸方向寸 L2が3.5mmを超えることになり(L2=0.5~3.5mm)、出 特性低下に繋がるので好ましくない。

 なお、ここでは回転速度検出装置として 磁気エンコーダ22と、ホール素子等の磁気 出素子からなる回転速度センサ28とからなる アクティブタイプの回転速度検出装置を例示 したが、本発明に係る回転速度検出装置はこ れに限らず、例えば、歯車と、磁石と巻回さ れた環状のコイル等からなるパッシブタイプ であっても良い。

 図8は、本発明に係る回転速度検出装置付 き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦 面図である。なお、この実施形態は、前述 た実施形態と軸受部の構成が異なるだけで その他同一部品同一部位あるいは同様の機 を有する部品や部位には同じ符号を付して 細な説明を省略する。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は駆動輪用の第4世代と称され、ハブ輪31、 よびこのハブ輪31に内嵌された外側継手部 32からなる内方部材33と、この内方部材33に 列の転動体4、4を介して外挿された外方部材 5とを備えている。

 ハブ輪31は、アウター側の端部に車輪取 フランジ6を一体に有し、外周にアウター側 内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方 向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、 周に凹凸部34が形成されている。この凹凸 34はアヤメローレット状に形成され、旋削等 により独立して形成された複数の環状溝と、 ブローチ加工等により形成された複数の軸方 向溝とを略直交させて構成した交叉溝、ある いは、互いに傾斜した螺旋溝で構成した交叉 溝からなる。また、凹凸部34は、良好な食い み性を確保するためにその凸部の先端部が 角形状等の尖塔形状に形成されると共に、 周波焼入れによって硬化処理されている。

 ハブ輪31はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、 輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから 径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面 硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理が施されてい 。

 等速自在継手35は、外側継手部材32と、継 手内輪36とケージ37およびトルク伝達ボール38 とを備えている。外側継手部材32は、カップ をなすマウス部39と、このマウス部39の底部 をなす肩部40と、この肩部40から軸方向に延 る中空状の軸部41とを一体に有している。肩 部40の外周には、複列の外側転走面5a、5aに対 向するインナー側の内側転走面40aが形成され ている。また、この軸部41には、ハブ輪31の 径段部1bに所定のシメシロを介して円筒嵌合 するインロウ部41aと、このインロウ部41aの端 部に嵌合部41bが形成されている。

 外側継手部材32はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を む中高炭素鋼からなり、そして、インナー のシール9のスリンガ18が嵌合する肩部40か 内側転走面40aおよび軸部41のインロウ部41aに 亙って高周波焼入れによって表面硬さを58~64H RCの範囲に所定の硬化層が形成されている。 お、嵌合部41bは鍛造加工後の未焼入れ部と れている。なお、42、43は肩部40とハブ輪31 装着されたエンドキャップで、継手内部に 入された潤滑グリースの漏洩と、外部から 手内部に雨水やダスト等が侵入するのを防 している。

 ここで、ハブ輪31の小径段部1bの端面に外 側継手部材32の肩部40が衝合され、突合せ状 でハブ輪31に軸部41が内嵌されると共に、こ 軸部41における嵌合部41bの内径にマンドレ 等の拡径治具を押し込んで嵌合部41bを拡径 、この嵌合部41bをハブ輪31の凹凸部34に食い ませて加締める、所謂拡径加締により、ハ 輪31と外側継手部材32とが一体に塑性結合さ れている。

 本実施形態においても、カバー16と、こ カバー16に結合された保持部17とからなるセ サホルダ15が外方部材5の端部に装着される 共に、カバー16の底部16cに固定部23が形成さ れ、保持部17が一体に結合されている。そし 、この保持部17からハーネス27が垂直方向に 延びている。これにより、ハーネス27がナッ ルの外径側へ取り出し易くなって組立の作 性が向上すると共に、組立時に取り出した ーネス27を折り曲げて結線する必要がなく り、過度の曲げによるハーネス27の内部配線 への悪影響を防止することができ、信頼性を 向上させることができる。

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、内輪回転構造においてあらゆ タイプの回転速度検出装置が内蔵される第2 乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用す ことができる。

本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図 である。 図1の検出部を示す要部拡大図である。 図1の軸受部の側面図である。 本発明に係るカバーを示す正面図であ 。 図4のカバーの変形例を示す正面図であ る。 検出部を示す説明図である。 図6の変形例を示す説明図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図 である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸 装置を示す要部拡大図である。 他の従来の回転速度検出装置付き車輪 用軸受装置を示す要部拡大図である。 図10のセンサホルダを示す斜視図であ 。

符号の説明

1、31・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a、40a・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、13a・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・・・内輪
3、33・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・・・・転動体
5・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
5b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フ ンジ
5c・・・・・・・・・・・・・・外方部材の 面
6・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付 ランジ
6a・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・・基部
7・・・・・・・・・・・・・・・保持器
8・・・・・・・・・・・・・・・アウター のシール
9・・・・・・・・・・・・・・・インナー のシール
10、35・・・・・・・・・・・等速自在継手
11、32・・・・・・・・・・・外側継手部材
12、40・・・・・・・・・・・肩部
13、41・・・・・・・・・・・軸部
13b・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
14・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
15・・・・・・・・・・・・・・センサホル
16・・・・・・・・・・・・・・カバー
16a、41b・・・・・・・・・嵌合部
16b・・・・・・・・・・・・・鍔部
16c・・・・・・・・・・・・・底部
17・・・・・・・・・・・・・・保持部
18・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
18a・・・・・・・・・・・・・円筒部
18b・・・・・・・・・・・・・立板部
19・・・・・・・・・・・・・・シール板
20・・・・・・・・・・・・・・芯金
21・・・・・・・・・・・・・・シール部材
21a・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
21b・・・・・・・・・・・・・グリースリッ プ
21c・・・・・・・・・・・・・中間リップ
22・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコ ダ
23、26・・・・・・・・・・・固定部
23a、26a・・・・・・・・・切欠き部
23b・・・・・・・・・・・・・固定孔
24・・・・・・・・・・・・・・ドレーン孔
27・・・・・・・・・・・・・・ハーネス
28・・・・・・・・・・・・・・回転速度セ サ
30a・・・・・・・・・・・・・凹み部
30b・・・・・・・・・・・・・端面
34・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
36・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
37・・・・・・・・・・・・・・ケージ
38・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達 ール
39・・・・・・・・・・・・・・マウス部
41a・・・・・・・・・・・・・インロウ部
42、43・・・・・・・・・・・エンドキャッ
50、69・・・・・・・・・・・内輪
51、70・・・・・・・・・・・エンコーダ
52、67・・・・・・・・・・・外方部材
52a・・・・・・・・・・・・・外方部材の端 面
53、68・・・・・・・・・・・センサホルダ
54・・・・・・・・・・・・・・回転速度セ サ
55、71・・・・・・・・・・・カバー
55a、71a・・・・・・・・・嵌合部
55b、71b・・・・・・・・・鍔部
55c・・・・・・・・・・・・・底部
56、73・・・・・・・・・・・シール
57・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
57a・・・・・・・・・・・・・円筒部
57b・・・・・・・・・・・・・立板部
58・・・・・・・・・・・・・・シール板
59・・・・・・・・・・・・・・芯金
60・・・・・・・・・・・・・・シール部材
60a・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
60b・・・・・・・・・・・・・グリースリッ プ
60c・・・・・・・・・・・・・中間リップ
61、72・・・・・・・・・・・保持部
62、76・・・・・・・・・・・ハーネス
63・・・・・・・・・・・・・・取出し口
64・・・・・・・・・・・・・・外側継手部
65・・・・・・・・・・・・・・肩部
66・・・・・・・・・・・・・・ナックル
74・・・・・・・・・・・・・・端壁
75・・・・・・・・・・・・・・透孔
A、C・・・・・・・・・・・・・磁気エンコ ダと回転速度センサとの軸方向すきま
B・・・・・・・・・・・・・・・モールド さ
D・・・・・・・・・・・・・・・凹み部の さ
L1、L2・・・・・・・・・・・磁気エンコー とIC素子との軸方向寸法
α、β・・・・・・・・・・・・・傾斜角




 
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