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Title:
ABSOLUTE DISPLACEMENT DETECTION METHOD AND ABSOLUTE DISPLACEMENT SENSOR USING THE METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019863
Kind Code:
A1
Abstract:
An absolute displacement sensor (1) includes: a sensor housing (2) as a detection object; a mass body (3) which has a mass m and is movably supported by the sensor housing (2) with a spring coefficient k and an attenuation coefficient c; detection means (4) which electrically detects a relative velocity of the sensor housing (2) for the mass body (3); feedback control means (5) which feeds back a relative displacement in a positive mode and a relative acceleration obtained by primary differentiation of the relative velocity in a negative mode so as to control an absolute displacement of the mass body (3) caused by the absolute displacement of the sensor housing (2); and phase delay compensation means (6) which performs a phase delay compensation on the relative displacement.

Inventors:
SETO KAZUTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002120
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
August 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OILES INDUSTRY CO LTD (JP)
SETO KAZUTO (JP)
International Classes:
G01H11/00; G01B21/00; G01H1/00
Foreign References:
JP2004251666A2004-09-09
JPH01136033A1989-05-29
JPH02113040U1990-09-10
JP2003130628A2003-05-08
JP2003130629A2003-05-08
Other References:
See also references of EP 2177885A4
None
Attorney, Agent or Firm:
TAKADA, Takeshi (Hanabusa Building12-6, Minamiaoyama 5-chom, Minato-ku Tokyo 62, JP)
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Claims:
 所与のばね係数及び減衰係数をもって被検出体に支持された質量体に対する当該被検出体の相対速度を検出し、この検出した相対速度を積分して得られた相対変位をポジティブに、検出した相対速度を一次微分して得られた相対加速度をネガティブに夫々フィードバックさせて、被検出体の絶対変位に起因する質量体の変位を制御する一方、積分して得られた相対変位に所要の周波数領域で位相遅れ補償を施した相対変位から被検出体の絶対変位を得る絶対変位検出方法。
 検出した相対速度をネガティブ又はポジティブにフィードバックさせて、被検出体の絶対変位に起因する質量体の変位を制御する請求項1に記載の絶対変位検出方法。
 所与のばね係数及び減衰係数をもって被検出体に支持された質量体と、この質量体に対する被検出体の相対速度を検出する検出手段と、この検出した相対速度を積分して得られた相対変位をポジティブに、検出した相対速度を一次微分して得られた相対加速度をネガティブに夫々フィードバックさせて、被検出体の絶対変位に起因する質量体の変位を制御するフィードバック制御手段と、積分して得られた相対変位に所要の周波数領域で位相遅れ補償を施す位相遅れ補償手段とを具備しており、位相遅れ補償手段により位相遅れ補償を施した相対変位を被検出体の絶対変位として出力するようにした絶対変位センサ。
 フィードバック制御手段は、更に、検出した相対速度をネガティブ又はポジティブにフィードバックさせて、被検出体の絶対変位に起因する質量体の変位を制御するようになっている請求項3に記載の絶対変位センサ。
 請求項3又は4に記載の絶対変位センサから出力される絶対変位に基づいて振動体の振動を吸収するようにしたアクティブ動吸振器。
Description:
絶対変位検出方法及びその方法 用いた絶対変位センサ

 本発明は、工場、事業場、建設作業場等 使用される金属加工機械、圧縮機等に起因 る機械の振動、また、地震、自動車走行等 起因する地盤、路面振動等による建物や機 装置の振動、さらに、風による渦励振や地 による超高層ビルの振動等を観測したり振 制御するために必要な振動体(被検出体)の 対変位を検出する絶対変位検出方法及びそ 方法を用いた絶対変位センサに関する。

特開2003-130628号公報

 近年、工場、事業場、建設作業場で使わ る金属加工機械、圧縮機に起因する振動、 た地震、自動車走行に起因する地盤、路面 動等により事務所、事業ビル、集合住宅、 般住宅等の構造物において振動問題が生じ いる。斯かる一般住宅等の防振対策として 、アクティブ制御を用いたアクティブ動吸 器を用いることが考えられるが、理想的な クティブ制御では振動を受けた場合の制御 象物、即ち振動体(被検出体)としての構造 の絶対変位、絶対速度等を検出することが 要になり、その検出には、直接制御対象物 取付けるサイズモ系型変位センサ(以下、変 センサと言う)が適している。

 ところで、土地の有効利用や建築技術の 上に伴って2階建から3階建の一般住宅等が えてきている結果、斯かる構造物の固有振 数は3Hz付近等のように低下してきているが 変位センサの検出可能範囲はそれ自身の固 振動数以上であるため、変位センサ自身の 有振動数以下の固有振動数をもった構造物 絶対変位、絶対速度等の検出は、従来の変 センサでは困難となる。

 変位センサの固有振動数を下げるには、 位センサ内の質量体の質量を大きくし、質 体を低い剛性をもって支持すればよいが、 かる手段では変位センサの大型化を招来す と共に構造的に脆弱になる虞があり、また 検出可能振幅が小さい変位センサでは、そ 用途が限られてしまいあまり利便性がない

 そこで、特許文献1においては、フィード バック技術を用いた絶対変位センサが提案さ れている。

 特許文献1で提案された絶対変位センサに よれば、上記の問題を好ましく解決し得て、 固有振動数を下げることができ、しかも、検 出可能振幅を広げることができ、而して、固 有振動数が高い構造物及び小さい振幅で振動 する場合は勿論のこと、固有振動数が低い構 造物でも、また大きな振幅をもって振動する 場合でも、その絶対速度・絶対変位を良好に 検出することができる。

 しかしながら、フィードバック技術を用 た特許文献1の絶対変位センサでは、超高層 ビルの揺れのごとき更なる極低周波数まで検 出可能とするには、相対変位のポジティブフ ィードバックに対する困難な調整が要求され る上に、調整後の意図しない変動でもって制 御不安定に陥り易いという問題がある。

 本発明は、前記諸点に鑑みてなされたも であって、その目的とするところは、質量 の持つ状態量(変位・速度・加速度)をフィ ドバックすることにより、構造的な欠陥を じさせることなく固有振動数を下げること でき、しかも、検出可能振幅を広げること でき、而して、固有振動数が高い構造物及 小さい振幅で振動する場合は勿論のこと、 有振動数が低い構造物でも、また大きな振 をもって振動する場合でも、その絶対変位 良好に検出することができる上に、相対変 のポジティブフィードバックの困難な調整 必要とすることなしに極低周波数まで検出 囲を広げることができると共に絶対変位を 定して検出することができる絶対変位検出 法及びその方法を用いた絶対変位センサを 供することにある。

 本発明による絶対変位検出方法は、所与 ばね係数及び減衰係数をもって被検出体に 持された質量体に対する当該被検出体の相 速度を検出し、この検出した相対速度を積 して得られた相対変位をポジティブに、検 した相対速度を一次微分して得られた相対 速度をネガティブに夫々フィードバックさ て、被検出体の絶対変位に起因する質量体 変位を制御する一方、積分して得られた相 変位に所要の周波数領域で位相遅れ補償を した相対変位から被検出体の絶対変位を得 ことからなる。

 本発明による絶対変位センサは、所与の ね係数及び減衰係数をもって被検出体に支 された質量体と、この質量体に対する被検 体の相対速度を検出する検出手段と、この 出した相対速度を積分して得られた相対変 をポジティブに、検出した相対速度を一次 分して得られた相対加速度をネガティブに 々フィードバックさせて、被検出体の絶対 位に起因する質量体の変位を制御するフィ ドバック制御手段と、積分して得られた相 変位に所要の周波数領域で位相遅れ補償を す位相遅れ補償手段とを具備しており、位 遅れ補償手段により位相遅れ補償を施した 対変位を被検出体の絶対変位として出力す ようにしたものである。

 本発明による絶対変位検出方法において 、検出した相対速度をネガティブ又はポジ ィブにフィードバックさせて、被検出体の 対変位に起因する質量体の変位を制御する うにしてもよく、また、本発明による絶対 位センサにおいては、フィードバック制御 段は、検出した相対速度をネガティブ又は ジティブにフィードバックさせて、被検出 の絶対変位に起因する質量体の変位を制御 るようになっていてもよい。

 本発明は、変位センサ自体の固有振動数 り高い周波数でなければ絶対変位の検出が 難であり、変位センサの有する固有振動数 下げることができれば、検出範囲を広げて い周波数でも検出可能になるが、単に、質 体の質量を大きくして、質量体を支えるば のばね係数を小さくして固有振動数を下げ も、変位センサの大型化を招来すると共に 造的に脆弱になる虞があることに鑑みて、 ーボ技術を用いて質量体の状態量をフィー バックさせる上に、斯かるサーボ技術を用 て得られた相対変位に位相遅れ補償を施し 、固有振動数を下げるようにしたものであ 。

 本発明における絶対変位検出方法及び絶 変位センサでは、検出した相対速度を積分 て得られた相対変位をポジティブに、検出 た相対速度を一次微分して得られた相対加 度をネガティブに夫々フィードバックさせ 、被検出体の絶対変位に起因する質量体の 位を制御するために、後述するように固有 動数を下げることができ、而して、固有振 数が高い構造物は勿論のこと、固有振動数 低い構造物でもその絶対変位を良好に検出 ることができる。

 また本発明における絶対変位検出方法及 絶対変位センサでは、フィードバックルー 外において、積分した相対変位に所要の周 数領域で位相遅れ補償を施すようにしてい ために、制御不安定に陥り易い相対変位の ジティブフィードバックの調整を行わなく も、後述するように極低周波数まで検出範 を広げることができる。具体的には、本発 における絶対変位検出方法及び絶対変位セ サでは、フィードバックループにおいてそ 固有振動数以下では位相が進むこととなり 従って、検出範囲で位相の進みが零となる うに所要の周波数領域で位相遅れ補償を施 ようにすると、極低周波数まで検出範囲を げることができる。

 また本発明における絶対変位検出方法及 絶対変位センサでは、検出した相対速度を ガティブにフィードバックさせて、被検出 の絶対変位に起因する質量体の変位を制御 るために、後述するように減衰比を大きく きる。

 本発明によれば、上記のいずれかの態様 絶対変位センサから出力される絶対変位に づいて振動体の振動を吸収するようにした クティブ動吸振器をも提供できる。

 本発明によれば、質量体の持つ状態量(変 位・速度・加速度)をフィードバックするこ により、構造的な欠陥を生じさせることな 固有振動数を下げることができ、しかも、 出可能振幅を広げることができ、而して、 有振動数が高い構造物及び小さい振幅で振 する場合は勿論のこと、固有振動数が低い 造物でも、また大きな振幅をもって振動す 場合でも、その絶対変位を良好に検出する とができる上に、相対変位のポジティブフ ードバックの困難な調整を必要とすること しに極低周波数まで検出範囲を広げること できると共に絶対変位を安定して検出する とができる絶対変位検出方法及びその方法 用いた絶対変位センサを提供することがで る。

 次に、本発明の実施の形態の例を、図に す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、 発明は、これら例に何等限定されないので る。

図1は、本発明の実施の形態の好ましい一例 説明図、
図2は、図1に示す例の位相遅れ補償手段の説 図、
図3は、図1に示す例の位相遅れ補償手段の周 数特性の説明図、そして、
図4は、図1に示す例の周波数特性の説明図で る。

 図1において、本例の絶対変位センサ1は、 検出体としてのセンサハウジング2と、セン ハウジング2にばね係数k(N/m)及び減衰係数c(N s/m)をもって可動に支持された質量m(kg)を有し た質量体3と、質量体3に対するセンサハウジ グ2の相対速度v(=v u -v x )(m/s)(ここで、v x (m/s)は、センサハウジング2の絶対速度v u (m/s)に起因する質量体3の絶対速度である)を 気的に検出する検出手段4と、検出手段4で検 出した相対速度vを積分して得られた相対変 (u-x)をポジティブに、検出した相対速度vを 例ではネガティブに、検出した相対速度vを 次微分して得られた相対加速度a(m/s 2 )をネガティブに夫々フィードバックさせて センサハウジング2の絶対変位uに起因する質 量体3の絶対変位xを制御するフィードバック 御手段5と、フィードバック制御手段5から 積分して得られた相対変位(u-x)に所要の周波 数領域で位相遅れ補償を施す位相遅れ補償手 段6とを具備している。

 質量体3は、ばね係数k(N/m)をもったばね11 より変位自在(振動自在)にセンサハウジン 2に支持されており、斯かる質量体3の振動に 対する減衰係数cは、ばね11自体の弾性変形に おける熱損失と検出手段4における渦電流損 に基づいて決定される。

 検出手段4は、センサハウジング2に固定さ た永久磁石12と、永久磁石12の磁束を検出す ように質量体3に固定されたコイル13と、コ ル13からの相対速度vを示す電流信号iを増幅 度(電流-電圧変換係数)K a (V/A)をもって相対速度vとしての相対速度電圧 信号e v (V)に変換する増幅器14とを具備しており、コ ル13は、質量体3に対するセンサハウジング2 の相対速度vを、コイル13を横切る永久磁石12 磁束変化として電気的に検出するようにな ており、コイル13による永久磁石12の磁束変 化の電気的な検出における渦電流損が減衰係 数cに寄与している。

 フィードバック制御手段5は、相対速度電圧 信号e v を積分して相対変位(u-x)としての相対変位電 信号e D (V)を出力する積分回路15と、相対速度電圧信 e V を一次微分して相対加速度aとしての相対加 度電圧信号e A (V)を出力する微分回路16と、相対速度電圧信 e v を積分して得られた相対変位電圧信号e D に変位フィードバックゲインK D を乗算して電圧信号K D ・e D を出力する乗算器17と、相対速度電圧信号e v に速度フィードバックゲインK V を乗算して電圧信号K V ・e v を出力する乗算器18と、相対加速度電圧信号e A に加速度フィードバックゲインK A を乗算して電圧信号K A ・e A を出力する乗算器19と、乗算器17、18及び19か の電圧信号K D ・e D 、K V ・e v 及びK A ・e A を加減算して加減算電圧信号e C (=K D ・e D -K V ・e v -K A ・e A )を出力する加減算器20と、加減算電圧信号e C を変換フィードバックゲインK f (A/V)をもって電流信号f c に変換する変換器21と、変換器21からの電流 号f c をコイル駆動電流として作動する電磁アクチ ュエータ22とを具備している。

 積分回路15は、抵抗値R D (ω)をもった抵抗25と、静電容量C D (F)をもったキャパシタ26とからなり、微分回 16は、静電容量C A (F)をもったキャパシタ27と、抵抗値R A (ω)をもった抵抗28とからなる。

 アクチュエータとしての電磁アクチュエー 22は、質量体3に固定されたコイル29と、セ サハウジング2に固着されていると共に電流 号f c に基づいてコイル29に入力される電流(A)で駆 力F(N)を発生する永久磁石30とからなり、入 される電流に対して駆動力Fを発生させ、駆 動力Fをコイル29に対して質量体3に相対的に 与してセンサハウジング2に対して相対的に 量体3を変位させるようになっており、変換 フィードバックゲインK f には、電流信号f c に対する駆動力Fへの変換ゲインが含まれて るものとする。

 位相遅れ補償手段6は、図2に示すように、 号変換器41、積分器42、積分器43、加算器44、 符号変換器45及び符号変換器46を有しており 入力される相対変位電圧信号e D を反転する符号変換器41は、抵抗値R 1 及びR 2 (ω)を夫々有した抵抗51及び52と演算増幅器53 からなり、入力される符号変換器41及び45か の出力信号を積分する積分器42は、抵抗値R 3 、R 4 及びR 5 (ω)を夫々有した抵抗54、55及び56と静電容量C 1 (F)を有したキャパシタ57と演算増幅器58とか なり、入力される積分器42からの出力信号を 積分する積分器43は、抵抗値R 6 (ω)を有した抵抗59と静電容量C 2 (F)を有したキャパシタ60と演算増幅器61とか なり、入力される符号変換器41、積分器43及 符号変換器46からの出力信号を加算する加 器44は、抵抗値R 7 、R 8 、R 9 及びR 10 (ω)を夫々有した抵抗62、63、64及び65と演算増 幅器66とからなり、入力される積分器43から 出力信号を反転する符号変換器45は、抵抗値 R 11 及びR 12 (ω)を夫々有した抵抗67及び68と演算増幅器69 からなり、入力される積分器42からの出力信 号を反転する符号変換器46は、抵抗値R 13 及びR 14 (ω)を夫々有した抵抗70及び71と演算増幅器72 からなる。

 図2に示す位相遅れ補償手段6は、R 1 =R 2 、R 3 =1/ω d 2 、R 4 ・R 6 ・C 1 ・C 2 =1/ω d 2 、R 5 ・C 1 =1/(2・ζ d ・ω d )、R 10 /R 7 d 2 n 2 、R 10 /R 8 =1-ω d 2 n 2 、R 10 /R 9 =2・ζ n ・(1/ω n )-2・ζ d ・(ω d n 2 )、R 11 =R 12 、R 13 =R 14 であって、ω n =0.9・(2π)(rad/s)、ζ n =0.4、ω d =0.1・(2π)(rad/s)、ζ d =0.15である式(1)で示す2次系の伝達関数G C (s)を有していると共に図3に示す周波数特性 有しており、式(15)で示される固有振動数ω n 以下では位相が進むフィードバック制御手段 5の出力信号である相対変位電圧信号e D に対して、検出範囲での位相の進みが零とな るように所要の周波数領域で位相遅れ補償を 施すようにしている。

 以上の絶対変位センサ1において、全てがネ ガティブにフィードバックされるとすると、 被検出体としてのセンサハウジング2の絶対 位uに対する相対変位電圧信号e D の伝達関数は次式(2)となる。

 また、絶対変位uに対する相対速度電圧信号 e v の伝達関数は次式(3)となる。

 式(2)及び(3)において、係数a 0 、a 1 、a 2 、a 3 及びa 4 は、次式(4)から(8)で表される。

 ここで、T D は積分回路15の時定数、T A は微分回路16の時定数であって、積分回路15 伝達関数G D (s)は次式(9)となる。

 T D が大きければT D s≫1であるから、伝達関数G D (s)は次式(10)となる。

 微分回路16の伝達関数G A (s)は次式(11)となる。

 sが小さい範囲では、T A s≪1であるから、伝達関数G A (s)は次式(12)となる。

 式(10)及び(12)から絶対変位uに対する相対変 電圧信号e D の伝達関数は次式(13)で表すことができる。

 同じく式(10)及び(12)から絶対変位uに対する 対速度電圧信号e v の伝達関数は次式(14)で表すことができる。

 式(13)より、固有振動数ω n 及び減衰比ζを求めると次式(15)及び(16)とな 。

 センサハウジング2の相対変位u-xに起因する センサハウジング2の絶対変位uの伝達関数は 次式(17)となる。この式(17)を表す周波数応 特性が図4の帰還のみの利得、位相線図であ 。図4中のω n は式(15)で定まり、その周波数のピーク値は (16)で定まる。点線で示された帰還なしでは 得がOdBであるが、細い実線で示した帰還の ではω n 以上の周波数で利得が-34dBに低下している。 かし、1H z において位相が45°進んでおり、変位を測定 るセンサとしての測定範囲は約2H z 以上となる。この測定範囲を極低周波数まで 拡大するのが位相遅れ補償手段6である。す わち、図4のω n と図3のω n を一致させることによって、1H z の位相を0°にし、さらに0.2H z 付近まで0°付近の位相にする。

 絶対変位センサ1による絶対変位uの検出範 は、固有振動数ωn以上であって、伝達関数(u -x)/uの大きさ(ゲイン)が一定となる領域であ 。したがって、式(17)において固有振動数ω n 以上で影響を受ける項は、分子、分母ともに s 2 の項となるので、固有振動数ω n 以上での伝達関数(u-x)/u及び検出される相対 位u-xは次式(18)となる。

 絶対変位センサ1内の構造上等の要求によ り絶対変位センサ1により検出できる検出可 振幅(検出可能最大振幅)H(=Max・(u-x))と、絶対 変位センサ1により検出できるセンサハウジ グ2の検出可能振幅(検出可能最大振幅)U(=Max u)との関係は式(19)となる。

 以上の絶対変位センサ1の解析より明らかで あるように、式(15)において、相対変位フィ ドバックゲインK D を変えることによって、分子項の(k+1/T D ・K a ・K f ・K D )が変化し、ここで、1/T D 、Ka、Kfは正であるので、相対変位(u-x)のポジ ティブなフィードバックにより、分子項は(k- 1/T D ・K a ・K f ・K D )となって、小さくなっている(なお、相対変 (u-x)のネガティブなフィードバックでは式15 の分子項は(k+1/T D ・K a ・K f ・K D )となる)。

 また、式(15)において、相対加速度フィード バックゲインK A を変えることによって、分母項の(m+T A ・K a ・K f ・K A )が変化し、ここで、T A 、Ka、Kfは正であるので、相対加速度aのネガ ィブのフィードバックにより、分母項の(m+T A ・K a ・K f ・K A )は大きくなっている(なお、相対加速度aのポ ジティブなフィードバックでは分母項は(m-T A ・K a ・K f ・K A )となる)。

 したがって、絶対変位センサ1では、相対変 位(u-x)がポジティブに、相対加速度aがネガテ ィブに夫々フィードバックされているために 、構造的な欠陥を生じさせることなく固有振 動数ω n を下げることができる。

 また、絶対変位センサ1では、式(19)から明 かであるように、相対加速度aがネガティブ フィードバックされて、(T A ・K a ・K f ・K A )が正となるようになっているために、検出 能振幅Hが小さくても、センサハウジング2の 大きな絶対変位uを検出することができる、 言すれば、絶対変位センサ1の検出可能振幅U を広げることができる。

 更に、絶対変位センサ1では、相対速度vの ィードバックは減衰比ζのみに影響しており 、式(16)において、相対速度vの速度フィード ックゲインK V を変えることによって、分子項の(c+K a ・K f ・K V )が変化するようになっており、ここで、K a 、K f は正の係数であるので、上記のように、相対 速度vをネガティブにフィードバックしてい ために、(c+K a ・K f ・K V )は大きくなって、減衰比ζも大きくなってい る。相対速度vをポジティブにフィードバッ すると、式(16)の分子項は(c-K a ・K f ・K V )となり、相対速度vのポジティブなフィード ックで減衰比ζを小さくできる。

 また、絶対変位センサ1では、積分して得ら れた相対変位(u-x)に位相遅れ補償を施す位相 れ補償手段6を具備しているために、式(17) 示される伝達関数(u-x)/uの固有振動数ω n の付近での位相進みを解消でき、而して、固 有振動数ω n を下げることができて、固有振動数が極めて 低い構造物でも、その絶対変位を良好に検出 することができる。

 因みに、図2に示す位相遅れ補償手段6を いた絶対変位センサ1では、図4の周波数応答 特性の太い実線で示す帰還+位相遅れ補償の 性線図からも明らかであるように、0.2Hzまで の検出が可能であって、しかも、利得が-34dB で低下しているために50倍の変位が検出可 となり、例えば、質量体3の可動量が1mmであ ても、50mmの絶対変位を検出できることにな って小型化ができる。

 したがって、ばね係数k及び減衰係数cを って被検出体としてのセンサハウジング2に 持された質量体3に対するセンサハウジング 2の相対速度vを検出し、検出した相対速度vを 積分して得られた相対変位(u-x)をポジティブ 、検出した相対速度vを一次微分して得られ た相対加速度aをネガティブに、検出した相 速度vをネガティブに夫々フィードバックさ て、センサハウジング2の絶対変位uに起因 る質量体3の絶対変位xを制御し、しかも、積 分して得られた相対変位(u-x)に位相遅れ補償 施す絶対変位検出方法を実施する絶対変位 ンサ1では、出力端子31及び32の夫々から位 遅れ補償が施された相対変位(u-x)及びセンサ ハウジング2の検出された相対速度vを実質的 絶対変位及び絶対速度として電気信号で出 させて得ることができる。

 また、絶対変位センサ1では、検出手段4 おいて質量体3に対するセンサハウジング2の 相対速度vを電気的に検出し、検出手段4で検 した相対速度vを積分して相対変位(u-x)を得 いるために、直接的に相対変位(u-x)を電気 に検出するものと比較して、直流分による リフトの影響を避けることができる。

 絶対変位センサ1では、微分回路16の相対加 度電圧信号e A (V)を絶対加速度として出力させて得るように してもよい。